説明

レーザ溶接システム及び方法

レーザ溶接システム及び方法であって、該システムは、ターゲットを溶接するとともに、光軸を有し、レーザビーム24のソース22と、レーザビーム24を、前記光軸30の周りを回転する一対のレーザスポット32に変換する回転可能回折格子26と、前記一対のレーザスポット32をターゲット34に集束させるレンズとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に溶接システムに関し、より詳細には、レーザ溶接システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現代の製造プロセスは、しばしば異種の材料の接合、例えば、ニッケルを真鍮に、ステンレススチールを銅に、ステンレススチールを真鍮に、又は金属をサーメット(cermet)に接合することを必要とする。異種の材料を融接しようとしても、溶接において形成される金属間相により、ある程度しか成功しない。2つの材料における異なる物理特性は、溶融池形状、凝固微細構造、及び偏析パターンにおいて、複雑な問題をもたらす。現行技術のレーザ溶接技術は、硬く、脆性微細構造であり、弱く、大きな亀裂を有する結果となる。このような溶接は、信頼できず、不安定な溶接プロセスである。
【0003】
従来の回転するレーザビームを使用するレーザ溶接装置は、複雑な光学系、及び機構を使用している。典型的に、レーザビームは、レーザビームを光軸からそらすとともに、溶接ターゲット上に円形路を生成する、回転光学要素を通過させられる。レーザビームをそらすために使用されるレンズ、鏡、及びプリズムは、放射対称性ではないか、又は光軸に対して非対称に取り付けられ、回転速度を制限する。こうすることは、溶接するターゲットにおいて、レーザビームの安定性及び速度を制限する。ゆっくりした速度は、レーザビームの、溶接ターゲットとの相互作用時間を増加させ、スパッタリング及び粗い溶接を避けるために、ビーム電力の減少を必要とする。相互作用時間が増加されると、異種金属の溶接の冶金学的能力が低下する。光学安定性が低下すると、溶接の正確性も低下する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の不利な点を克服するレーザ溶接システム及び方法を持つことが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、ターゲットを溶接するとともに、光軸を有するシステムであって、レーザビームのソースと、光軸の周りを回転する一対のレーザスポットに、レーザビームを変換する回転可能回折格子と、該一対のレーザスポットをターゲットに集束させるレンズとを有するシステムを提供する。
【0006】
本発明の他の態様は、ターゲットを溶接する方法であって、平面の回転可能回折格子を設けるステップと、該回転可能回折格子の平面に対して直交する光軸の周りを、回転可能回折格子を回転させるステップと、分割ビームを生成するために、前記回転可能回折格子に、光軸に沿うレーザビームを向けるステップと、該分割ビームをターゲットに集束させるステップとを有する方法を提供する。
【0007】
本発明の他の態様は、ターゲットを溶接するシステムであって、平面の回転可能回折格子と、該回転格子を、該回転格子の平面に対して直交する光軸の周りを回転させる手段と、分割ビームを生成するために、前記光軸に沿うレーザビームを、前記回転可能回折格子に向ける手段と、前記分割ビームをターゲットに集束させる手段とを有するシステムを提供する。
【0008】
本発明の上記及び他の特徴及び利点は、添付の図面とともに読まれる、本発明の好ましい実施例の以下の詳細な説明から、更に明らかになるであろう。詳細な説明及び図面は、本発明を制限するものではなく、単に説明するものであり、本発明の範囲は、請求項及び、それと同じものにより規定されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1及び図2は、それぞれ、本発明によって作られる溶接システムの断面図及び溶接経路の概略図である。該溶接システムは、ターゲットにおいて一対の回転するレーザスポットを生成するために、回転可能回折格子を通じて、レーザビームをそらす。
【0010】
図1及び図2を参照すると、溶接システム20は、レーザビーム24のソース22と、回転可能回折格子26と、レンズ28とを有する。溶接システム20の光学系は、光軸30に沿って位置合わせされる。回転可能回折格子26は、レーザビーム24を、光軸30の周りを回転する一対のレーザスポット32に変換する。静止レンズ28は、ステージ38に担持されるワークピース36に対して、ターゲット34を溶接するために、一対のレーザスポット32をターゲット34に集束させる。図2は、ターゲット34において溶接50を形成するレーザスポット32とともに、溶接プロセスを図示し、すなわち、溶接50は、まだ完全な円を形成していない。当業者らは、溶接システム20が、所望であれば完全な円ではない溶接を作るためにも使用され得ることを理解するであろう。回転可能回折格子26は、高速ベアリング44により、固定ハウジング42内に担持される、回転可能ハウジング40に取り付けられる。速度制御されたACサーボモータ46は、ベルト48を通じて、回転可能ハウジング40を駆動する。回転可能回折格子26における矢印は、回転可能回折格子26の回転を図示する。一実施例において、光軸30は、重力の向きに沿い、その結果回転可能ハウジング40は、固定ハウジング42からぶら下がる。
【0011】
レーザビーム24のソース22は、レーザ21からのレーザビーム24を伝達するファイバ光学導体、又はレーザの直接出力部であり得る。レーザ21は、溶接に適したいかなるパルス又は連続レーザ源でもあり得る。一例において、レーザ21は、1064nmの波長で、パルス電力約600乃至6000ワットであるレーザビームを生成するネオジムドープされたイットリウムアルミニウムガーネット(Nd:YAG)レーザである。一実施例において、レーザは、Trumpf Laser GmbH of Schramberg, Germanyから利用可能であるHL204pである。レーザビーム24は、回転可能ハウジング40に入ると拡散し、拡散ビーム60になる。当業者らは、溶接、切断、孔あけ、及び/又は融除(ablate)するような特定の用途に適切な様々なタイプのレーザ及び様々なタイプの波長が、所望であれば使用され得るということを理解するであろう。
【0012】
回転可能回折格子26は、レーザビーム24を少なくとも一対のレーザスポット32に分割することに適した二位相回折格子のような、いかなる回折格子でもあり得る。回転可能回折格子26は、拡散ビーム60から、分割ビーム62を生成し、該回転可能回折格子26は、光軸30の周りを回転する回転可能ハウジング40内に取り付けられる。回転可能回折格子26は、平面及び放射状に対称性を持つ。回転可能回折格子26の平面は、光軸30に対して直交し、光軸30の周りを高速度で、回転可能回折格子26が回転することを可能にする。回転可能回折格子26は、使用される特定のレーザに対して所望であれば、ガラス上にフォトレジストで覆われるか、又は溶融石英においてエッチングされ得る。当業者らは、回転可能回折格子26のパターンが一対より多くのレーザスポット32を生成するように選択され得るか、又は多量の分離した回転可能回折格子が使用され得ることを理解するであろう。例えばレーザビームを2つの同一の画像に分割する、1つの回転可能回折格子は、自身のパターンを、4つの分割ビームと二対のレーザスポットとを生成する同じ種類の他の回転可能回折格子に対して直角に位置され得る。
【0013】
レンズ28は、前記一対のレーザスポット32を生成する、ターゲット34に集束されたビーム66を供給するように、回転可能回折格子26からの分割ビームを視準するとともに集束させるいかなる1つ又はグループのレンズであり得る。レンズ28は、光軸30に対して固定である。一実施例において、レンズ28は、Trumpf Laser GmbH of Schramberg, Germanyから利用可能であるBEO30集束光学系に見つけられるように、コリメートレンズ52と集束レンズ54とを含む。コリメートレンズ52は、分割ビーム62からコリメートビーム64を生成し、集束レンズ54は、コリメートビーム64から集束されたビーム66を生成する。
【0014】
図示された例において、回転可能回折格子26は、ターゲット34における溶接経路51の直径及びレーザスポット32の直径を決定するために、拡散ビーム60内で軸方向に移動され得る。拡散ビーム60内に回転可能回折格子26をおくことは、ターゲット34における溶接経路51の直径の調整、すなわち、回転可能回折格子26の位置及び格子定数に従って、レーザスポット32の間におけるピッチの調整の柔軟性を提供する。他の実施例において、回転可能回折格子26は、コリメートビーム64内のコリメートレンズ52と集束レンズ54との間に配置され得る。コリメートビーム64内に回転可能回折格子26を位置することは、ターゲット34における溶接経路51の直径を固定、すなわち回転可能回折格子26の格子定数に従って、レーザスポット32の間におけるピッチを固定する。
【0015】
ターゲット34及びワークピース36は、溶接によって接合されるべき2つの部分でもあり得る。一例において、ターゲット34は、板状(plate)であり、ワークピース36が、中空の円筒状である。他の例において、ターゲット34とワークピース36の両方が板状である。他の例において、ターゲット34がワイヤであり、ワークピース36が板状である。ターゲット34とワークピース36とは、ニッケルと真鍮、ステンレススチールと銅、ステンレススチールと真鍮、又は金属とサーメットのような異種の材料であり得る。ターゲット34は金属であり得、ワークピース36は、金属化プラスチック、セラミック、及び/又は金属化ガラスのような繊細な材料であり得る。溶接の1つの例示的な使用は、高輝度放電(HID)ランプのセラミックバーナを密閉することである。
【0016】
ターゲット34及びワークピース36は、溶接のための位置にターゲット34とワークピース36とを固定するために、ステージ38に担持され得る。典型的に、ターゲット34の平面は、光軸30に対して直交し、それから、ターゲット34における溶接経路51は円形である。他の実施例において、ターゲット34の平面は、光軸30に対してある角度をなし、その結果ターゲット34における溶接経路51は楕円である。該角は、溶接を形成するのに十分な電力を供給するように、レーザスポット32が、溶接経路51全体に渡って十分に焦点が合ういかなる角、例えば約20度より小さい、ターゲット34の平面と光軸30との間の角であり得る。一実施例において、ステージ38は、溶接の間、光軸30に対して固定される。他の実施例において、ドライバ39は、ターゲット34上において、サイクロイドのような複雑な溶接経路を作り上げるように、溶接の間ステージ38を移動させる。当業者らは、ドライバ39が、所望であればいかなる軌道においても、例えば線形又は二次元の軌道においても、光軸30に直交してターゲット34を移動させるようにプログラムされ得ることを理解するであろう。
【0017】
空気、窒素、アルゴン、及び/又は酸素のような高純度遮蔽ガスが、冷却及び補助プラズマ形成をするように、ターゲット34において適用され得る。遮蔽ガスは、特定の材料のターゲット34及びワークピース36に対して、要求通り選択され得る。遮蔽ガスの流れは、所望であればクロスフロー、ダウンフロー、及び/又はボックスフローであり得る。
【0018】
図2を参照すると、一対のレーザスポット32は、ターゲット34における溶接50を生成する溶接経路51において、光軸30の周りを回転する。レーザスポット32の直径は、特定の用途に対して所望であれば、通常約0.1乃至0.6mmの範囲にある。回転可能回折格子26の高速回転は、ターゲット34を横切って急速にレーザスポット32を運動させ、レーザスポット32とターゲット34との間の相互作用時間を制限する。ここでは、相互作用時間は、レーザスポット32にとって、ターゲット34におけるレーザスポット32の直径1つ分を移動するのに必要とされる時間として規定される。相互作用時間は、レーザスポット32が、溶接経路51全体に沿うある地点にある時間でもある。10乃至20msにおいて行き来する溶接経路51に対して、相互作用時間は、通常0.1乃至0.2msである。制限された相互作用時間は、非常に短い時間に、ターゲット34及びワークピース36の両方に対して、高いエネルギーをもたらすことにより、確実な溶接を生成する。高いエネルギーは、ターゲット34を通じてワークピース36へのキーホール、及びプラズマプルームを形成する。キーホール内におけるレーザ光の反射は、ターゲット34へのエネルギー伝達を増加させる。キーホールの周りの溶融された金属は、表面張力及び凝固により、移動するレーザスポット32の背後の領域に流れ、溶接50を形成する。制限された相互作用時間は、溶接付近のスパッタリングを減少させ、スムーズな溶接表面をもたらす。
【0019】
所望される相互作用時間は、ターゲット34及びワークピース36の材料に依存し、ターゲット34におけるレーザスポット32の速度の関数である。ここでは、相互作用時間は、レーザスポット32にとって、ターゲット34におけるレーザスポット32の直径1つ分を移動するために必要とされる時間として規定される。相互作用時間は、レーザスポット32が、溶接経路51全体に沿うある地点にある時間でもある。レーザスポット32の速度は、溶接されるべきターゲット34及びワークピース36の構成によって通常設定される、溶接経路51の直径と、可変である回転可能回折格子26の回転速度とにより決定される。回転可能回折格子26の回転速度は、通常、約1500と4500rpmとの間にあり、10000rpmより遅い。ターゲット34におけるレーザスポット32の速度は、通常約500mm/秒であり、約200乃至800mm/秒の範囲内にあり得る。レーザスポット32のターゲット34との所望された相互作用時間は、通常約0.2m秒であり、約0.1乃至0.5m秒の範囲内にあり得る。
【0020】
レーザに対する電力は、特定の溶接結果を生成するために、スイッチオン及びオフ、並びに/又は、時間とともに変化され得る。レーザは、溶接経路51に沿って2つの分離した溶接を生成するために、レーザスポット32の1つに対して、溶接経路51の半分を誘導するのに必要とされる時間よりも短くあてられ得る。レーザは、溶接経路51に沿って円形の溶接を生成するために、レーザスポット32の1つに対して、溶接経路の半分を誘導するのに必要とされる時間、あてられ得る。レーザは、溶接経路51に沿ってマルチパスの溶接を生成するために、レーザスポット32の1つに対して、溶接経路51の半分を誘導することが必要とされる時間よりも長くあてられ得る。レーザに対する電力は、溶接の間も時間とともに変化され得る。例えば電力は、溶接の開始の際に鋭くオンになり、溶接のほとんどの間一定に保ち、溶接の終了の際に線が先細るように徐々にオフになる。溶接の終了の際に、電力を徐々にオフにすることは、溶接の最後に孔を残さないことを保証する。
【0021】
図3及び図4は、本発明にしたがって作られる溶接システムのための溶接経路の概略図である。図3は、二対のレーザスポットを持つ固定のターゲットに対して溶接経路を図示する。図4は、一対のレーザスポットを持つ線形移動ターゲットに対する溶接経路を図示する。
【0022】
類似の要素は、図2における類似の参照符号を共有して、図3を参照すると、第1の対のレーザスポット32aと、第2の対のレーザスポット32bとが、ターゲット34上に溶接50を生成する溶接経路51上において、光軸30の周りを回転する。図3は、レーザスポット32a、32bとともに、ターゲット34上で溶接50を形成する、すなわち溶接50は完全な円を形成する、溶接プロセスを図示する。当業者らは、溶接システム20が、所望であれば完全な円よりも少ない溶接を作るように使用され得るということを理解するであろう。二対のレーザスポット32a、32bは、2つの回転可能回折格子を互いに直角に積み重ねることによって生成され得る。当業者らは、いかなる数の回転可能回折格子も、所望の数の対のレーザスポットを生成するために積み重ねられ得ることを理解するであろう。
【0023】
類似の要素は、図2の類似の参照符号を共有して、図4を参照すると、溶接50は、溶接システムの光軸に対して垂直な平面における線に沿ってターゲット34を移動することにより、線形の軌道58に沿う複雑な溶接経路に沿って生成される。回転可能回折格子の回転速度に対するターゲット34の速度は、ループ56が形成される(長サイクロイド)か、又は溶接経路が、連続する2つの交差曲線(短サイクロイド)であるかを決定する。線形軌道58に沿う複雑な溶接経路は、線状のターゲットをワークピースに取り付けるか、又は2つのプレートを縁に沿って接続するように使用され得る。一実施例において、ワークピース及びターゲット34を担持するステージに動作可能に接続されるドライバは、ターゲット34の線形運動を駆動する。当業者らは、ドライバが、特定のターゲット形状に適合されるように、複雑な軌道に沿ってターゲットを駆動するようにプログラムされ得ると理解するであろう。例えば、ドライバは、大きな円形ターゲットの円周付近に円形軌道を提供するようにプログラムされ得、円形ターゲットの縁に沿う複雑な溶接経路となる。
【0024】
図5は、類似の要素が図1の類似の参照符号と共有して、本発明によってつくられる他の溶接システムの概略的な図である。この実施例において、回転可能回折格子26は、拡散ビーム60ではなくコリメートビーム64内に配置される。
【0025】
溶接システム20は、レーザビーム24のソース22と、回転可能回折格子26と、コリメートレンズ52及び集束レンズ54を含むレンズ28とを含む。溶接システム20の光学系は、光軸30に沿って位置合わせされる。コリメートレンズ52と集束レンズ54との間に位置された回転可能回折格子26は、ターゲット34上で光軸30の周りを回転するレーザスポットの対に、レーザビーム24を変換する。回転可能回折格子26を取り付ける回転可能ハウジングと、回転可能ハウジングを駆動する速度制御可能ACサーボモータと、回転可能ハウジングに対する固定ハウジングとは、説明の明確化のために図5から除外されている。
【0026】
コリメートレンズ52は、ソース22から拡散ビーム60を受け、コリメートビーム64を生成する。回転可能回折格子26は、コリメートビーム64を受け、分割ビーム62を生成する。集束レンズ54は、分割ビーム62を受け、ターゲット34上に集束された一対のレーザスポットを供給する焦点ビーム66を生成する。
【0027】
図6は、本発明による溶接の方法のフローチャートである。ターゲットを溶接する方法は、平面の回転可能回折格子を設けるステップ100と、回転可能回折格子を、回転可能回折格子の平面に直交する光軸の周りを回転させるステップ102と、分割ビームを生成するために、光軸に沿うレーザビームを回転可能回折格子に向けるステップ104と、分割ビームをターゲットに集束させるステップ106とを有する。一実施例において、該方法は、ターゲットを光軸に対して垂直に移動させ、例えば光軸に対して垂直な線に沿ってターゲットを移動させるステップを更に含む。他の実施例において、該方法は、ターゲットに対して遮蔽ガスを適用するステップを更に有する。
【0028】
ここに開示される本発明の実施例が、現在好ましく考慮されるが、様々な変更及び修正が、本発明の範囲から逸脱せずになされ得る。例えばここに記載される溶接システムは、ターゲットを溶接、切断、孔あけ、及び/又は融除するように使用され得る。本発明の範囲は、請求項において示され、手段及び等価なものの範囲にある全ての変更は、ここに包含されると意図される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、本発明によって作られる溶接システムの断面図である。
【図2】図2は、本発明によって作られる溶接システムの溶接経路の概略図である。
【図3】図3は、本発明によって作られる溶接システムの溶接経路の概略図である。
【図4】図4は、本発明によって作られる溶接システムの溶接経路の概略図である。
【図5】図5は、本発明によって作られる他の溶接システムの概略図である。
【図6】図6は、本発明による溶接方法のフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲットを溶接するとともに、光軸を有するシステムであって、
レーザビームのソースと、
前記光軸の周りを回転する一対のレーザスポットに、前記レーザビームを変換する、回転可能回折格子と、
前記一対のレーザスポットをターゲットに集束させるレンズと、
を有する、システム。
【請求項2】
前記回転可能回折格子が、前記ソースと前記レンズとの間に位置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記レンズが、コリメートレンズと集束レンズとを有し、前記回転可能回折格子が前記コリメートレンズと前記集束レンズとの間に位置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記回転可能回折格子の平面が、前記光軸と直交する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記レンズが前記光軸に対して固定である、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記回転可能回折格子が第1回転可能回折格子であり、前記一対のレーザスポットは第1の対のレーザスポットであり、前記光軸の周りを回転する第2の対のレーザスポットに前記レーザビームを変換する第2回転可能回折格子を更に有するシステムであって、前記レンズが前記第1の対のレーザスポットと、前記第2の対のレーザスポットとを前記ターゲットに集束させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記一対のレーザスポットの1つの、前記ターゲットにおける速度が、約200mm/秒と約800mm/秒との間である、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記一対のレーザスポットの1つと、前記ターゲットとの相互作用時間は、約0.1m秒と0.5m秒との間である、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記回転可能回折格子の回転速度は、約1500rpmと約4500rpmとの間である、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記回転可能回折格子が、フォトレジストでコーティングされたガラス格子と、エッチングされた溶融石英格子とからなるグループから選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記ターゲットと前記光軸との間の角が約20度よりも小さい、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記光軸に対して垂直に前記ターゲットを移動するために、前記ターゲットに動作可能に接続されるドライバを更に有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
ターゲットを溶接する方法であって、
平面の回転可能回折格子を設けるステップと、
前記回転可能回折格子を、前記回転可能回折格子の平面に直交する光軸の周りを回転させるステップと、
分割ビームを生成するために、前記光軸に沿うレーザビームを前記回転可能回折格子に向けるステップと、
前記分割ビームを前記ターゲットに集束させるステップと、
を有する方法。
【請求項14】
前記分割ビームを集束させるステップが、前記分割ビームをコリメートビームに視準するステップと、前記コリメートビームを集束させるステップとを有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ターゲットを前記光軸に対して垂直に移動させるステップを更に有する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記ターゲットを前記光軸に対して垂直な線に沿って移動させるステップを更に有する、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記ターゲットに対して遮蔽ガスを適用するステップを更に有する、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
ターゲットを溶接するシステムであって、
平面の回転可能回折格子と、
前記回転可能回折格子を、前記回転可能回折格子の平面に直交する光軸の周りを回転させる手段と、
分割ビームを生成するために、前記光軸に沿うレーザビームを前記回転可能回折格子に向ける手段と、
前記分割ビームを前記ターゲットに集束させる手段と、
を有するシステム。
【請求項19】
前記分割ビームを集束させる手段が、前記分割ビームをコリメートビームに視準する手段と、前記コリメートビームを集束させる手段とを有する、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記ターゲットを前記光軸に対して垂直に移動させる手段を更に有する、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記ターゲットを、前記光軸に対して垂直な線に沿って移動させる手段を更に有する、請求項18に記載のシステム。
【請求項22】
遮蔽ガスを前記ターゲットに適用させる手段を更に有する、請求項18に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−544859(P2008−544859A)
【公表日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519062(P2008−519062)
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【国際出願番号】PCT/IB2006/052100
【国際公開番号】WO2007/000717
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】