説明

レーダ装置

【課題】複数の送信アンテナと、電磁波を送信する送信アンテナを選択する送信スイッチとを備え、送信スイッチの故障を検出することができるレーダ装置を得る。
【解決手段】複数の送信アンテナ6a、6bと、複数の送信アンテナ6a、6bから、電磁波を送信する送信アンテナを選択する送信スイッチ5a、5bと、電磁波が目標で反射した反射波を受信信号として受信する複数の受信アンテナ7a、7bと、受信信号がサンプリングされたサンプリング信号に基づいて、目標を検出する信号処理部13と、を備え、1つの送信アンテナ6aから送信され、複数の受信アンテナ7a、7bで受信された第1受信信号と、他の送信アンテナ6bから送信され、複数の受信アンテナ7a、7bで受信された第2受信信号とを比較し、比較結果に基づいて、送信スイッチ5a、5bの故障を判定する故障判定部14をさらに備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば車両に搭載され、複数の送信アンテナを切り替えて送信信号を電磁波として送信し、目標で反射した電磁波を受信信号として受信アンテナで受信して、受信信号に基づいて目標までの距離、目標との相対速度および目標の角度を検出するレーダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両等に搭載され、車速/車間制御(ACC:Adaptive Cruise Control)や衝突軽減制動装置等に用いられるレーダ装置の1つとして、目標までの距離および目標との相対速度を同時に検出することができるFMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式のレーダ装置(以下、「FMCWレーダ装置」と称する)が知られている。
【0003】
なお、FMCW方式とは、レーダの発信方式の1つであり、送信波と受信波(目標で反射した送信波)との周波数の差を算出することにより、対象物(目標)までの距離および目標との相対速度を算出することができる。
【0004】
ここで、FMCWレーダは、CW(Continuous Wave)レーダの送信信号にFM変調を施したものである。すなわち、FMCWレーダ装置では、発振器の周波数が三角波で変調されて送信信号となり、送信アンテナから外部に放射される。また、この送信信号が目標で反射して受信アンテナで受信された受信信号は、目標までの距離による時間遅れと、目標との相対速度に相当する周波数偏移とを受けている。
【0005】
続いて、この周波数偏移を受けた受信信号を、送信信号とミキシングすることにより、ビート信号を得ることができる。そこで、変調サイクル毎に、周波数が増加する上昇区間のビート周波数と周波数が減少する下降区間のビート周波数とを別々に測定することにより、目標までの距離および目標との相対速度を算出することができる。なお、このような技術は、FMCWレーダ装置において一般的なものであり、公知の技術である。
【0006】
一方、目標の角度、すなわち受信波の到来角度を検出するために、空間的に異なる位置に配置された複数のアンテナを用いる方法が知られている。このような方法としては、例えばMUSIC(MUltiple SIgnal Classification)やESPRIT(Estimation of Signal Parameters via Rotational Invariance Techniques)等の方法が知られている。
【0007】
これらの位相を用いた角度算出法では、一般的に、アンテナ開口径が大きいほど、優れた角度分解能を得られることが知られている。しかしながら、限られたスペースにレーダ装置を設置するような制約がある場合には、得られる角度分解能に限界がある。そのため、複数の受信アンテナの両端に2つの送信アンテナを配置し、2つの送信アンテナを切り替えながら時分割で電磁波を送信し、それぞれの受信結果を用いて、約2倍の等価開口を実現するといった対策が採られている。
【0008】
ここで、このような構成のレーダ装置において、2つの送信アンテナを切り替えて、電磁波を送信する送信アンテナを選択する送信スイッチが故障し、常時オンまたは常時オフに固定された場合、目標までの距離および目標との相対速度は、正常に算出することができるのに対して、目標の角度は、正常に算出することができなくなる。すなわち、誤った目標の角度が算出されるものの、目標の角度の算出自体ができなくなるわけではないので、送信スイッチの故障を検出することが困難である。
【0009】
なお、複数の送受信アンテナと、各送受信アンテナに設けられて送受信アンテナを切り替える送受信スイッチとを備え、送受信スイッチを順番に切り替えて各送受信アンテナの受信信号のレベルを比較し、比較結果に基づいて送受信スイッチの故障を検出するレーダ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−171162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
すなわち、特許文献1に記載されたレーダ装置のように、複数の送受信アンテナおよび送受信スイッチを備えている場合には、すべての送受信アンテナの送受信の組み合わせを実行することにより、送受信スイッチの故障を検出することができる。
【0012】
一方、複数の送受信アンテナおよび送受信スイッチの代わりに、複数の送信アンテナおよび送信スイッチを備えたレーダ装置では、送信スイッチは電磁波の送信にのみ寄与し、受信アンテナは常に受信状態にあるので、送信スイッチの故障を検出することが困難になるという問題がある。
【0013】
例えば、送信アンテナ(第1送信アンテナ、第2送信アンテナ)および受信アンテナがそれぞれ2つずつ配置されている場合であって、第1送信アンテナを選択する第1送信スイッチがオン固着したときについて考える。このとき、第1送信アンテナの送信期間には、正常に第1送信アンテナから送信された電磁波が、2つの受信アンテナで受信されるが、第2送信アンテナの送信期間には、第1送信アンテナおよび第2送信アンテナから同時に送信された電磁波が、合成されて2つの受信アンテナで受信される。この場合、送信スイッチの切り替えの組み合わせのみで、送信スイッチのオン固着を検出することは、困難である。
【0014】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、複数の送信アンテナと、電磁波を送信する送信アンテナを選択する送信スイッチとを備え、送信スイッチの故障を検出することができるレーダ装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この発明に係るレーダ装置は、複数の送信アンテナと、複数の送信アンテナから、電磁波を送信する送信アンテナを選択する送信スイッチと、電磁波が目標で反射した反射波を受信信号として受信する複数の受信アンテナと、受信信号がサンプリングされたサンプリング信号に基づいて、目標を検出する信号処理部と、を備え、1つの送信アンテナから送信され、複数の受信アンテナで受信された第1受信信号と、他の送信アンテナから送信され、複数の受信アンテナで受信された第2受信信号とを比較し、比較結果に基づいて、送信スイッチの故障を判定する故障判定部をさらに備えたものである。
【発明の効果】
【0016】
この発明に係るレーダ装置によれば、故障判定部は、1つの送信アンテナから送信され、複数の受信アンテナで受信された第1受信信号と、他の送信アンテナから送信され、複数の受信アンテナで受信された第2受信信号とを比較し、比較結果に基づいて、電磁波を送信する送信アンテナを選択する送信スイッチの故障を判定する。
そのため、送信スイッチの故障を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の実施の形態1に係るレーダ装置を示すブロック構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係るレーダ装置における目標までの距離、目標との相対速度および目標の角度の算出処理を示すフローチャートである。
【図3】この発明の実施の形態1に係るレーダ装置における故障判定処理を示すフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態2に係るレーダ装置における故障判定処理を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態3に係るレーダ装置における故障判定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明に係るレーダ装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明するが、各図において同一、または相当する部分については、同一符号を付して説明する。なお、以下の実施の形態では、レーダ装置が車両に搭載されている場合を例に挙げて説明する。また、以下の実施の形態では、送信アンテナおよび受信アンテナがそれぞれ2つの例を示すが、送信アンテナおよび受信アンテナは、それぞれ3つ以上であってもよい。
【0019】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るレーダ装置を示すブロック構成図である。図1において、このレーダ装置は、制御部1、電圧発生回路2、制御電圧発振器3(VCO:Voltage Controlled Oscillator、以下「VCO3」と称する)、分配器4、送信スイッチ5a、5b、送信アンテナ6a、6b、受信アンテナ7a、7b、ミキサ8a、8b、バンドパスフィルタ9a、9b、アンプ10a、10b、A/D(Analog to Digital)変換器11a、11b、メモリ12、信号処理部13および故障判定部14を備えている。
【0020】
制御部1は、電圧発生回路2および送信スイッチ5a、5bに、それぞれタイミング信号等の制御信号を出力して動作を制御する。電圧発生回路2は、制御部1からの制御信号に応じて、時間的に三角波状の周波数変調区間を有する電圧を発生し、VCO3に出力する。ここで、三角波による周波数変調において、時間の経過とともに周波数が増加する区間をアップフェーズと称し、時間の経過とともに周波数が減少する区間をダウンフェーズと称する。
【0021】
VCO3は、電圧発生回路2からの電圧に応じて、発振周波数が時間的に上昇変調および下降変調された送信信号を発生し、分配器4に出力する。分配器4は、VCO3からの送信信号を、送信スイッチ5a、5bおよびミキサ8a、8bに分配して出力する。送信スイッチ5a、5bは、制御部1からの制御信号に応じて、交互にオン−オフされることにより、電磁波を送信する送信アンテナ6a、6bの何れかを選択し、分配器4からの送信信号を出力する。送信アンテナ6a、6bは、それぞれ送信スイッチ5a、5bからの送信信号を、送信波(電磁波)として周辺に送信する。
【0022】
受信アンテナ7a、7bは、それぞれ送信波が目標で反射した反射波を受信信号として受信し、ミキサ8a、8bに出力する。ミキサ8a、8bは、それぞれ分配器4からの送信信号と受信アンテナ7a、7bからの受信信号とをミキシングし、ビート信号を生成して、バンドパスフィルタ9a、9bに出力する。バンドパスフィルタ9a、9bは、それぞれミキサ8a、8bからのビート信号から所望の帯域の信号を取り出して、アンプ10a、10bに出力する。
【0023】
アンプ10a、10bは、それぞれバンドパスフィルタ9a、9bからのビート信号を増幅して、A/D変換器11a、11bに出力する。A/D変換器11a、11bは、それぞれアンプ10a、10bからのビート信号をアナログ信号からデジタル信号に変換し(サンプリングし)、メモリ12に出力する。メモリ12は、A/D変換器11a、11bでサンプリングされたビート信号を記憶する。
【0024】
信号処理部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)、CPUおよびDSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)で構成されている。
【0025】
また、信号処理部13は、メモリ12に記憶されたビート信号に基づいて、目標までの距離、目標との相対速度および目標の角度を算出する。具体的には、信号処理部13は、アップフェーズまたはダウンフェーズの計測時間が終了した時点で、アップフェーズにおけるビート信号のデジタル電圧値またはダウンフェーズにおけるビート信号のデジタル電圧値を入力し、目標までの距離、目標との相対速度および目標の角度を算出して、算出結果をメモリ12および故障判定部14に出力する。
【0026】
故障判定部14は、異なる送信アンテナ6a、6bから送信された送信波について、受信アンテナ7a、7bで受信した受信信号(第1受信信号、第2受信信号)を比較し、比較結果に基づいて、送信スイッチ5a、5bの故障判定を実行する。
【0027】
次に、図2のフローチャートを参照しながら、この発明の実施の形態1に係るレーダ装置における目標までの距離、目標との相対速度および目標の角度の算出処理について説明する。
【0028】
まず、メモリ12は、アップフェーズおよびダウンフェーズにおけるビート信号のサンプリングデータを記憶する(ステップS21)。このとき、ビート信号は、送信アンテナ6a、6bから送信された送信波について交互に記憶される。ここでは、送信アンテナ6aから送信され、受信アンテナ7a、7bで受信された受信信号についてのビート信号をそれぞれRaa、Rabとし、送信アンテナ6bから送信され、受信アンテナ7a、7bで受信された受信信号についてのビート信号をそれぞれRba、Rbbとする。
【0029】
続いて、信号処理部13は、ステップS21で記憶されたビート信号Raa、Rab、Rba、Rbbを、メモリ12から読み出す(ステップS22)。
【0030】
次に、信号処理部13は、ステップS22でメモリ12から読み出されたビート信号に対して、例えばFFT(Fast Fourier Transform)等を実行し、ビート信号を周波数スペクトルに変換して、メモリ12に格納する(ステップS23)。ここで、周波数変換のために、DFT(Discrete Fourier Transform)を用いてもよい。このとき、ビート信号Raa、Rab、Rba、Rbbの周波数スペクトルを、それぞれFaa、Fab、Fba、Fbbとする。
【0031】
続いて、信号処理部13は、ステップS23で求められた周波数スペクトル(すなわち、ビート周波数)のピーク検出処理を実行する(ステップS24)。このとき、一般的には、異なる送信アンテナ6a、6bおよび受信アンテナ7a、7bで送受信された周波数スペクトルFaa、Fab、Fba、Fbbを加算することにより、ピーク検出における信号のSNR(Signal to Noise Ratio)を向上させる。
【0032】
次に、信号処理部13は、アップフェーズおよびダウンフェーズにおけるピークビート周波数に基づいて、目標までの距離および目標との相対速度を算出する(ステップS25)。
【0033】
続いて、信号処理部13は、周波数スペクトルFaa、Fab、Fba、Fbbから、目標までの距離および目標との相対速度を算出する際に使用したピークビート周波数に対応するスペクトルFaat、Fabt、Fbat、Fbbt(周波数解析信号)を抜き出し、メモリ12に記憶するとともに、到来角推定処理により、目標の角度を算出して(ステップS26)、図2の処理を終了する。
【0034】
次に、送信スイッチ5a、5bの故障検出原理について説明する。
まず、目標までの距離および目標との相対速度を算出する際に使用したピークビート周波数に対応するスペクトルFaat、Fabt、Fbat、Fbbtの位相成分を、それぞれPaat、Pabt、Pbat、Pbbtとする。ここで、送信スイッチ5a、5bが正常にオン−オフしている場合には、Paat、Pabt、Pbat、Pbbtについて、次式(1)、(2)の関係が成立する。
【0035】
Pabt=Paat+Δθ (1)
Pbbt=Pbat+Δθ (2)
【0036】
式(1)、(2)において、Δθは、受信アンテナ7a、7bの間隔による位相差を示している。なお、Paat、Pbatについても、送信アンテナ6a、6bおよび受信アンテナ7a、7bの配置により所定の関係が成立するが、ここでは省略する。
【0037】
また、送信アンテナ6aから送信され、受信アンテナ7a、7bで受信された受信信号の位相差分をΔPatとし、送信アンテナ6bから送信され、受信アンテナ7a、7bで受信された受信信号の位相差分をΔPbtとすると、ΔPatおよびΔPbtは、それぞれ次式(3)、(4)で表される。
【0038】
ΔPat=Paat−Pabt=Paat−(Paat+Δθ)=−Δθ (3)
ΔPbt=Pbat−Pbbt=Pbat−(Pbat+Δθ)=−Δθ (4)
【0039】
式(3)、(4)から、ΔPatとΔPbtとは、同値となることが分かる。
【0040】
ここで、送信スイッチ5aがオン固着した場合について考える。このとき、送信アンテナ6aの送信タイミングでは、正常に送信アンテナ6aのみから送信波が送信されるが、送信アンテナ6bの送信タイミングでは、送信アンテナ6a、6bから同時に送信波が送信されるので、Paat、Pabt、Pbat、Pbbtは、次式(5)、(6)の関係を有する。
【0041】
Pabt=Paat+Δθ (5)
Pbbt=Pbat+Δφ (6)
【0042】
式(6)において、Δφは、送信アンテナ6a、6bから送信された送信波を、受信アンテナ7a、7bで合成して受信した場合における受信アンテナ間位相差を示している。また、このとき、ΔPatおよびΔPbtは、次式(7)、(8)で表される。
【0043】
ΔPat=Paat−Pabt=Paat−(Paat+Δθ)=−Δθ (7)
ΔPbt=Pbat−Pbbt=Pbat−(Pbat+Δφ)=−Δφ (8)
【0044】
式(7)、(8)から、ΔPatとΔPbtとが、同値とならないことが分かる。
【0045】
一方、送信スイッチ5aがオフ固着した場合について考える。このとき、送信アンテナ6bの送信タイミングでは、正常に送信アンテナ6bのみから送信波が送信されるが、送信アンテナ6aの送信タイミングでは、送信アンテナ6aから送信波が送信されないので、Paat、Pabt、Pbat、Pbbtは、次式(9)、(10)、(11)の関係を有する。
【0046】
Paat=α (9)
Pabt=β (10)
Pbbt=Pbat+Δφ (11)
【0047】
式(9)、(10)において、α、βは、ノイズに起因するランダムな角度を示している。また、ΔPatとΔPbtは、次式(12)、(13)で表される。
【0048】
ΔPat=Paat−Pabt=α−β (12)
ΔPbt=Pbat−Pbbt=Pbat−(Pbat+Δθ)=−Δφ (13)
【0049】
式(12)、(13)から、ΔPatとΔPbtとが、同値とならないことが分かる。
【0050】
以上のように、送信アンテナ6a、6bから送信され、受信アンテナ7a、7bで受信された受信信号について、受信アンテナ間での位相差分ΔPatおよびΔPbtを算出し、その位相差分の絶対値|ΔPat−ΔPbt|が所定の閾値以上である場合に、送信スイッチ5a、5bの故障と判定する。
【0051】
続いて、図3のフローチャートを参照しながら、この発明の実施の形態1に係るレーダ装置における故障判定処理について説明する。
まず、故障判定部14は、目標までの距離および目標との相対速度を算出する際に使用したピークビート周波数に対応するスペクトルFaat、Fabt、Fbat、Fbbtを、メモリ12から読み出す(ステップS31)。
【0052】
続いて、故障判定部14は、メモリ12から読み出したスペクトルFaat、Fabt、Fbat、Fbbtから、位相成分Paat、Pabt、Pbat、Pbbtを算出する(ステップS32)。
【0053】
次に、故障判定部14は、送信アンテナ6a、6bから送信され、受信アンテナ7a、7bで受信された受信信号について、受信アンテナ間での位相差分ΔPatおよびΔPbtを、次式(14)、(15)により算出する(ステップS33)。
【0054】
ΔPat=Paat−Pabt (14)
ΔPbt=Pbat−Pbbt (15)
【0055】
続いて、故障判定部14は、ステップS33で算出された位相差分ΔPatとΔPbtとの差分の絶対値ΔPtを、次式(16)により算出する(ステップS34)。
【0056】
ΔPt=|ΔPat−ΔPbt| (16)
【0057】
次に、故障判定部14は、ステップS34で算出された差分の絶対値ΔPtが、所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS35)。
【0058】
ステップS35において、差分の絶対値ΔPtが所定の閾値以上であると判定された場合(すなわち、Yes)には、故障判定部14は、送信スイッチ5a、5bの故障と判定して(ステップS36)通知し、図3の処理を終了する。
一方、ステップS35において、差分の絶対値ΔPtが所定の閾値以上でないと判定された場合(すなわち、No)には、故障判定部14は、直ちに図3の処理を終了する。
【0059】
以上のように、実施の形態1によれば、故障判定部は、1つの送信アンテナから送信され、複数の受信アンテナで受信された第1受信信号と、他の送信アンテナから送信され、複数の受信アンテナで受信された第2受信信号との位相差分を比較し、比較結果に基づいて、電磁波を送信する送信アンテナを選択する送信スイッチの故障を判定する。
そのため、送信スイッチの故障を検出することができる。
【0060】
なお、この発明の実施の形態1では、送信スイッチ5a、5bの故障の判定に使用するスペクトルとして、目標までの距離および目標との相対速度を算出する際に使用したピークビート周波数に対応するスペクトルFaat、Fabt、Fbat、Fbbtを使用する例を示した。しかしながら、これに限定されず、自車両が停止中に、相対速度が0となる目標に対応したピークビート周波数を使用してもよい。
【0061】
このとき、自車速は、例えばECU(Engine Control Unit)から得られる。この場合には、自車両の停止中に停止物と判断される目標からピークビート周波数のスペクトルを得ることができるので、誤検知の目標である可能性が減り、送信スイッチ5a、5bの故障の判定精度を向上させることができる。
【0062】
また、目標までの距離および目標との相対速度を算出する際に使用したピークビート周波数に対応するスペクトルFaat、Fabt、Fbat、Fbbtの代わりに、図2のステップS23で算出した、FFTの結果である周波数スペクトルFaa[i]、Fab[i]、Fba[i]、Fbb[i]を用いてもよい。ここで、i=0,1,…,N−1であり、NはFFT点数である。
【0063】
このとき、故障判定部14は、周波数スペクトルの振幅成分Aaa[i]、Aab[i]、Aba[i]、Abb[i]が、所定の閾値以上である場合の位相成分Paa[i]、Pab[i]、Pba[i]、Pbb[i]を比較対象とし、ΔP[i]を算出することにより、送信スイッチ5a、5bの故障を判定する。すなわち、故障判定部14は、次式(17)、(18)、(19)を算出して、送信スイッチ5a、5bの故障を判定する。
【0064】
ΔPa[i]=Paa[i]−Pab[i] (17)
ΔPb[i]=Pba[i]−Pbb[i] (18)
ΔP[i]=|ΔPa[i]−ΔPb[i]| (19)
【0065】
なお、振幅成分Aaa[i]、Aab[i]、Aba[i]、Abb[i]の閾値の選択によっては、複数の位相成分Paa[i]、Pab[i]、Pba[i]、Pbb[i]が判定対象となる場合がある。この場合には、判定対象について、ΔP[i]の平均値を算出し、平均値が所定の閾値以上であれば、送信スイッチ5a、5bの故障と判定してもよい。平均値を取ることにより、ノイズの影響を低減することができる。
【0066】
また、故障判定部14は、振幅成分Aaa[i]、Aab[i]、Aba[i]、Abb[i]のうち、最大の振幅を有するものに対応する位相成分Paa[imax]、Pab[imax]、Pba[imax]、Pbb[imax]について、式(17)、(18)、(19)によりΔP[imax]を算出し、ΔP[imax]が所定の閾値以上である場合に、送信スイッチ5a、5bの故障と判定してもよい。最大の振幅を有するスペクトルを判定対象とすることにより、反射波としてより正確なスペクトルの位相に基づく故障判定を実行することができ、送信スイッチ5a、5bの故障の判定精度を向上させることができる。
【0067】
また、故障判定部14は、比較対象の位相成分Paa[i]、Pab[i]、Pba[i]、Pbb[i]のすべてについてΔP[i]を算出し、すべてのΔP[i]が所定の閾値以上である場合に、送信スイッチ5a、5bの故障と判定してもよい。複数のΔP[i]を判定対象とすることにより、送信スイッチ5a、5bの故障の判定精度を向上させることができる。
【0068】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係るレーダ装置を示すブロック構成図は、上記実施の形態1の図1と同様なので、説明を省略する。
この実施の形態2では、目標までの距離および目標との相対速度を算出する際に使用したピークビート周波数について、異なる送信アンテナ6a、6bから送信され、同一の受信アンテナ7a、7bで受信された受信信号の振幅を比較することにより、送信スイッチ5a、5bのオフ固着を判定する。
【0069】
図4のフローチャートを参照しながら、この発明の実施の形態2に係るレーダ装置における故障判定処理について説明する。
まず、故障判定部14は、目標までの距離および目標との相対速度を算出する際に使用したピークビート周波数に対応するスペクトルFaat、Fabt、Fbat、Fbbtを、メモリ12から読み出す(ステップS41)。
【0070】
続いて、故障判定部14は、メモリ12から読み出したスペクトルFaat、Fabt、Fbat、Fbbtから、振幅Aaat、Aabt、Abat、Abbt(周波数解析信号)を算出する(ステップS42)。
【0071】
次に、故障判定部14は、異なる送信アンテナ6a、6bから送信され、同一の受信アンテナ7a、7bで受信された受信信号について、振幅差分ΔAatとΔAbtを、次式(20)、(21)により算出する(ステップS43)。
【0072】
ΔAat=|Aaat−Abat| (20)
ΔAbt=|Aabt−Abbt| (21)
【0073】
ここで、送信スイッチ5a、5bが正常にオン−オフしている場合には、振幅Aaat、Aabt、Abat、Abbtがほぼ同値となり、振幅差分ΔAatおよびΔAbtは、所定の閾値よりも小さくなる。一方、送信スイッチ5aがオフ固着している場合には、送信アンテナ6aから送信され、受信アンテナ7a、7bで受信された受信信号がなくなるので、AaatおよびAabtは、ノイズ程度の振幅となる。そのため、振幅差分ΔAatおよびΔAbtは、所定の閾値以上となる。
【0074】
続いて、故障判定部14は、振幅差分ΔAatおよびΔAbtが、ともに所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS44)。
【0075】
ステップS44において、振幅差分ΔAatおよびΔAbtが、ともに所定の閾値以上であると判定された場合(すなわち、Yes)には、故障判定部14は、送信スイッチ5a、5bのオフ固着と判定して(ステップS45)通知し、図4の処理を終了する。
一方、ステップS44において、振幅差分ΔAatおよびΔAbtの少なくとも一方が、所定の閾値以上でないと判定された場合(すなわち、No)には、故障判定部14は、直ちに図4の処理を終了する。
【0076】
以上のように、実施の形態2によれば、故障判定部は、1つの送信アンテナから送信され、複数の受信アンテナで受信された第1受信信号と、他の送信アンテナから送信され、複数の受信アンテナで受信された第2受信信号との振幅を比較し、比較結果に基づいて、電磁波を送信する送信アンテナを選択する送信スイッチのオフ固着を判定する。
そのため、送信スイッチの故障を検出することができる。
【0077】
なお、この発明の実施の形態2では、振幅差分ΔAatおよびΔAbtが、ともに所定の閾値以上である場合に、送信スイッチ5a、5bの故障と判定したが、振幅差分ΔAatおよびΔAbtの平均値が所定の閾値以上であれば、送信スイッチ5a、5bの故障と判定してもよい。平均値を取ることにより、ノイズの影響を低減することができる。
【0078】
また、この発明の実施の形態2では、送信スイッチ5a、5bの故障の判定に使用するスペクトルとして、目標までの距離および目標との相対速度を算出する際に使用したピークビート周波数に対応するスペクトルFaat、Fabt、Fbat、Fbbtを使用する例を示した。しかしながら、これに限定されず、自車両が停止中に、相対速度が0となる目標に対応したピークビート周波数を使用してもよい。
【0079】
このとき、自車速は、例えばECUから得られる。この場合には、自車両の停止中に停止物と判断される目標からピークビート周波数のスペクトルを得ることができるので、誤検知の目標である可能性が減り、送信スイッチ5a、5bの故障の判定精度を向上させることができる。
【0080】
また、目標までの距離および目標との相対速度を算出する際に使用したピークビート周波数に対応するスペクトルFaat、Fabt、Fbat、Fbbtの代わりに、図2のステップS21で記憶した、サンプリングデータの振幅を使用してもよい。
【0081】
また、目標までの距離および目標との相対速度を算出する際に使用したピークビート周波数に対応するスペクトルFaat、Fabt、Fbat、Fbbtの代わりに、図2のステップS23で算出した、FFTの結果である周波数スペクトルFaa[i]、Fab[i]、Fba[i]、Fbb[i]を用いてもよい。ここで、i=0,1,…,N−1であり、NはFFT点数である。
【0082】
このとき、故障判定部14は、周波数スペクトルの振幅成分Aaa[i]、Aab[i]、Aba[i]、Abb[i]の何れかが、所定の閾値以上である場合のみを比較対象とし、ΔAa[i]、ΔAb[i]を算出することにより、送信スイッチ5a、5bの故障を判定する。すなわち、故障判定部14は、次式(22)、(23)を算出して、送信スイッチ5a、5bの故障を判定する。
【0083】
ΔAa[i]=|Aaa[i]−Aba[i]| (22)
ΔAb[i]=|Aab[i]−Abb[i]| (23)
【0084】
なお、振幅成分Aaa[i]、Aab[i]、Aba[i]、Abb[i]の閾値の選択によっては、複数の振幅が判定対象となる場合がある。この場合には、判定対象について、差分の平均値Σ(ΔAa[i])/n、Σ(ΔAb[i])/nを算出し、差分の平均値が所定の閾値以上であれば、送信スイッチ5a、5bの故障と判定してもよい。ここで、nは比較対象となるiの個数である。平均値を取ることにより、ノイズの影響を低減することができる。
【0085】
また、故障判定部14は、振幅成分Aaa[i]、Aab[i]、Aba[i]、Abb[i]のうち、最大の振幅を有するものに対応するAaa[imax]、Aab[imax]、Aba[imax]、Abb[imax]について、式(22)、(23)によりΔAa[imax]、ΔAb[imax]を算出し、ΔAa[imax]およびΔAb[imax]が所定の閾値以上である場合に、送信スイッチ5a、5bの故障と判定してもよい。最大の振幅を有するスペクトルを判定対象とすることにより、反射波としてより正確なスペクトルの振幅に基づく故障判定を実行することができ、送信スイッチ5a、5bの故障の判定精度を向上させることができる。
【0086】
また、故障判定部14は、比較対象の振幅成分Aaa[i]、Aab[i]、Aba[i]、Abb[i]のすべてについてΔAa[i]、ΔAb[i]を算出し、すべてのΔAa[i]、ΔAb[i]が所定の閾値以上である場合に、送信スイッチ5a、5bの故障と判定してもよい。複数のΔAa[i]、ΔAb[i]を判定対象とすることにより、送信スイッチ5a、5bの故障の判定精度を向上させることができる。
【0087】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係るレーダ装置を示すブロック構成図は、上記実施の形態1の図1と同様なので、説明を省略する。
この実施の形態3では、所定の回数連続してΔPtが所定の値以上となった場合に、送信スイッチ5a、5bの故障と判定する。
【0088】
図5のフローチャートを参照しながら、この発明の実施の形態3に係るレーダ装置における故障判定処理について説明する。
まず、故障判定部14は、故障判定数Neを0に初期化する(ステップS51)。
なお、ステップS52からステップS56までの処理は、図3に示したステップS31からステップS35までの処理と同様なので、その説明を省略する。
【0089】
ステップS56において、差分の絶対値ΔPtが所定の閾値以上であると判定された場合(すなわち、Yes)には、故障判定部14は、故障判定数Neをインクリメントする(ステップS57)。
一方、ステップS56において、差分の絶対値ΔPtが所定の閾値以上でないと判定された場合(すなわち、No)には、故障判定部14は、ステップS51に移行して、故障判定数Neを0に初期化する。
【0090】
続いて、故障判定部14は、故障判定数Neが所定値以上であるか否かを判定する(ステップS58)。
【0091】
ステップS58において、故障判定数Neが所定値以上であると判定された場合(すなわち、Yes)には、故障判定部14は、送信スイッチ5a、5bの故障と判定して(ステップS59)通知し、図5の処理を終了する。
一方、ステップS58において、故障判定数Neが所定値以上でないと判定された場合(すなわち、No)には、故障判定部14は、ステップS52に移行する。
【0092】
以上のように、実施の形態3によれば、所定の回数連続して送信スイッチの故障条件が満たされた場合に、送信スイッチの故障を判定する。
そのため、送信スイッチの故障の判定精度を向上させることができる。
【符号の説明】
【0093】
1 制御部、2 電圧発生回路、3 電圧制御発振器(VCO)、4 分配器、5a、5b 送信スイッチ、6a、6b 送信アンテナ、7a、7b 受信アンテナ、8a、8b ミキサ、9a、9b バンドパスフィルタ、10a、10b アンプ、11a、11b A/D変換器、12 メモリ、13 信号処理部、14 故障判定部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の送信アンテナと、
前記複数の送信アンテナから、電磁波を送信する送信アンテナを選択する送信スイッチと、
前記電磁波が目標で反射した反射波を受信信号として受信する複数の受信アンテナと、
前記受信信号がサンプリングされたサンプリング信号に基づいて、前記目標を検出する信号処理部と、を備え、
1つの送信アンテナから送信され、前記複数の受信アンテナで受信された第1受信信号と、他の送信アンテナから送信され、前記複数の受信アンテナで受信された第2受信信号とを比較し、比較結果に基づいて、前記送信スイッチの故障を判定する故障判定部をさらに備えた
ことを特徴とするレーダ装置。
【請求項2】
前記第1受信信号および前記第2受信信号は、前記信号処理部が前記目標を検出する際に使用した周波数解析信号であり、
前記故障判定部は、前記第1受信信号のうち、任意の2つの受信アンテナで受信された受信信号に係る第1位相差と、前記第2受信信号のうち、前記第1受信信号と同じ2つの受信アンテナで受信された受信信号に係る第2位相差とを比較する
ことを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項3】
前記故障判定部は、自車両が停止中に、前記信号処理部での目標検出結果により、停止物と判断される目標に係る前記第1位相差と前記第2位相差とを比較する
ことを特徴とする請求項2に記載のレーダ装置。
【請求項4】
前記第1受信信号および前記第2受信信号は、所定の閾値以上の振幅を有する周波数解析信号であり、
前記故障判定部は、前記第1受信信号のうち、任意の2つの受信アンテナで受信された受信信号に係る第1位相差と、前記第2受信信号のうち、前記第1受信信号と同じ2つの受信アンテナで受信された受信信号に係る第2位相差とを比較する
ことを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項5】
前記故障判定部は、前記第1位相差と前記第2位相差との差が所定の閾値以上である場合に、前記送信スイッチの故障を判定する
ことを特徴とする請求項2から請求項4までの何れか1項に記載のレーダ装置。
【請求項6】
前記故障判定部は、所定の閾値以上の振幅を有する複数の前記周波数解析信号のうち、前記第1位相差と前記第2位相差との差の平均値が所定の閾値以上である場合に、前記送信スイッチの故障を判定する
ことを特徴とする請求項4に記載のレーダ装置。
【請求項7】
前記故障判定部は、所定の閾値以上の振幅を有する複数の前記周波数解析信号のうち、最大の振幅を有する前記周波数解析信号の前記第1位相差と前記第2位相差との差が所定の閾値以上である場合に、前記送信スイッチの故障を判定する
ことを特徴とする請求項4に記載のレーダ装置。
【請求項8】
前記故障判定部は、所定の閾値以上の振幅を有する複数の前記周波数解析信号のうち、それぞれの周波数解析信号に係る前記第1位相差と前記第2位相差との差がすべて所定の閾値以上である場合に、前記送信スイッチの故障を判定する
ことを特徴とする請求項4に記載のレーダ装置。
【請求項9】
前記第1受信信号および前記第2受信信号は、前記信号処理部が前記目標を検出する際に使用した周波数解析信号であり、
前記故障判定部は、同一の受信アンテナで受信された受信信号に係る前記第1受信信号の第1振幅と、前記第2受信信号の第2振幅とを比較する
ことを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項10】
前記故障判定部は、自車両が停止中に、前記信号処理部での目標検出結果により、停止物と判断される目標に係る前記第1振幅と前記第2振幅とを比較する
ことを特徴とする請求項9に記載のレーダ装置。
【請求項11】
前記第1受信信号および前記第2受信信号は、前記サンプリング信号であって、
前記故障判定部は、同一の受信アンテナで受信された受信信号に係る前記第1受信信号の第1振幅と、前記第2受信信号の第2振幅とを比較する
ことを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項12】
前記第1受信信号および前記第2受信信号は、所定の閾値以上の振幅を有する周波数解析信号であり、
前記故障判定部は、同一の受信アンテナで受信された受信信号に係る前記第1受信信号の第1振幅と、前記第2受信信号の第2振幅とを比較する
ことを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項13】
前記故障判定部は、前記複数の受信アンテナのすべてについて、前記第1振幅と前記第2振幅との差が所定の閾値以上である場合に、前記送信スイッチの故障を判定する
ことを特徴とする請求項9から請求項12までの何れか1項に記載のレーダ装置。
【請求項14】
前記故障判定部は、前記複数の受信アンテナのすべてについて、前記第1振幅と前記第2振幅との差の平均値が所定の閾値以上である場合に、前記送信スイッチの故障を判定する
ことを特徴とする請求項9から請求項12までの何れか1項に記載のレーダ装置。
【請求項15】
前記故障判定部は、所定の閾値以上の振幅を有する複数の前記周波数解析信号のうち、前記第1振幅と前記第2振幅との差の平均値が所定の閾値以上である場合に、前記送信スイッチの故障を判定する
ことを特徴とする請求項12に記載のレーダ装置。
【請求項16】
前記故障判定部は、所定の閾値以上の振幅を有する複数の前記周波数解析信号のうち、最大の振幅を有する前記周波数解析信号の前記第1振幅と前記第2振幅との差が所定の閾値以上である場合に、前記送信スイッチの故障を判定する
ことを特徴とする請求項12に記載のレーダ装置。
【請求項17】
前記故障判定部は、所定の閾値以上の振幅を有する複数の前記周波数解析信号のうち、それぞれの周波数解析信号に係る前記第1振幅と前記第2振幅との差がすべて所定の閾値以上である場合に、前記送信スイッチの故障を判定する
ことを特徴とする請求項12に記載のレーダ装置。
【請求項18】
前記故障判定部は、前記送信スイッチの故障判定が所定の回数連続した場合に、前記送信スイッチの故障を判定する
ことを特徴とする請求項1から請求項17までの何れか1項に記載のレーダ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−194036(P2012−194036A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−57851(P2011−57851)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】