ログ情報処理装置、ログ情報処理方法、プログラム、及び記憶媒体
【課題】画像処理装置にPCを接続せずにログ情報を取得するときに、画像処理装置に専用の書き込みプログラムを設けることを不要にするとともに、画像処理装置の動作に影響を与えないログ情報処理装置を提供する。
【解決手段】可搬型ログ情報処理装置2であって、画像処理装置に対し着脱可能な外部接続I/F22と、不揮発性メモリ24と、外部接続I/F22が画像処理装置に接続された場合に、可搬型ログ情報処理装置2の内部の初期化を行い、画像処理装置から出力されるログ情報を外部接続I/F22を介して取得し、取得されたログ情報を不揮発性メモリ24に保存する制御部21と、を備えた。
【解決手段】可搬型ログ情報処理装置2であって、画像処理装置に対し着脱可能な外部接続I/F22と、不揮発性メモリ24と、外部接続I/F22が画像処理装置に接続された場合に、可搬型ログ情報処理装置2の内部の初期化を行い、画像処理装置から出力されるログ情報を外部接続I/F22を介して取得し、取得されたログ情報を不揮発性メモリ24に保存する制御部21と、を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置のログ情報を取得するログ情報処理装置、ログ情報処理方法、プログラム、及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリンタ、ファクス、コピー、スキャナなどの各装置の機能を1つの筐体内に収納したMFP(マルチファンクションプリンタ)と呼ばれる画像処理装置が知られている。このような複合型の画像処理装置では、一つの筺体内に表示部、印刷部、及び読み取り部などを設けると共に、プリンタ、ファクス、コピー、スキャナの各機能に対するアプリケーションを有し、そのアプリケーションを切り換えることにより、プリンタ、ファクス、コピー、スキャナとして動作させることができる。
【0003】
このような画像処理装置は、プログラムに基づき処理を実行する種々のアプリケーションやモジュールにより動作しているため、ソフトウェアの欠陥により問題が発生することがある。そして、ソフトウェアに起因する問題が発生した場合、その外観から問題の原因を解析することは困難であるため、ソフトウェアが動作時に残すログ情報を解析することが必要となる。
【0004】
実際の解析作業は、問題が発生した画像処理装置にPC(パーソナルコンピュータ)を接続してログ情報を取得して行うことが多いため、PCの設置場所を確保することが必要である。このため、画像処理装置の設置先であるユーザのオフィス等で行うことは困難である。また、接続作業に手間がかかる、PCの起動時間が長い、などの理由から、PCを利用し難い状況が発生しており、障害解析効率を低下させていた。
【0005】
そこで、このような問題を解決するため、画像処理装置にUSBメモリやICカード等の可搬型不揮発性メモリを直接接続し、ログ情報を保存することにより、画像処理装置にPCを接続せずにログ情報を取得できるようにしたログ情報収集方法が提案されている(特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このログ情報収集方法の場合、ログ情報を可搬型不揮発性メモリに書き込むための制御を画像処理装置が行うため、画像処理装置に専用のプログラムを備えなければならないという問題がある。
【0007】
また、ログ情報取得中と、そうでない時の動作タイミングが変わるので、バグ(障害)が再現しない懸念などがあり、障害解析目的では使用できないケースがある。即ち、ログ情報取得前は、画像処理装置はログ情報送出に関する処理を行わないが、ログ情報取得中は、書き込み準備(USBメモリへの書込みであれば、コンフィギュレーションなど)や、所定のデータ転送方法(バルク転送等)による書き込み処理を行うため、通常動作(画像形成)のタイミングがログ情報送出に関する処理の影響を受けて変わってしまうという問題がある。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、画像処理装置にPCを接続せずにログ情報を取得するときに、画像処理装置に専用の書き込みプログラムを設けることを不要にするとともに、画像処理装置の動作に影響を与えないログ情報処理装置、ログ情報処理方法、プログラム、及び記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるログ情報処理装置は、画像処理装置に対し着脱可能な第1インタフェース手段と、記憶手段と、前記第1インタフェース手段が前記画像処理装置に接続された場合に、前記ログ情報処理装置の内部の初期化を行い、前記画像処理装置から出力されるログ情報を前記第1インタフェース手段を介して取得し、取得されたログ情報を前記記憶手段に保存する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかるログ情報処理方法は、ログ情報処理装置で実行されるログ情報処理方法であって、前記ログ情報処理装置は、画像処理装置に対し着脱可能な第1インタフェース手段と、記憶手段と、を備え、前記第1インタフェース手段が前記画像処理装置に接続された場合に、前記ログ情報処理装置の内部の初期化を行うステップと、前記画像処理装置から出力されるログ情報を、前記第1インタフェース手段を介して取得するステップと、取得されたログ情報を前記記憶手段に保存するステップと、含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかるプログラムは、画像処理装置に対し着脱可能な第1インタフェース手段と、記憶手段と、を備えたコンピュータを、前記第1インタフェース手段が前記画像処理装置に接続された場合に、前記ログ情報処理装置の内部の初期化を行い、前記画像処理装置から出力されるログ情報を前記第1インタフェース手段を介して取得し、取得されたログ情報を前記記憶手段に保存する制御手段として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、画像処理装置にPCを接続せずにログ情報を取得するときに、画像処理装置に専用の書き込みプログラムを設けることが不要になるとともに、画像処理装置の動作に影響を与えないようにすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、第1の実施形態の可搬型ログ情報処理装置を画像処理装置に接続した状態を示すブロック図である。
【図2】図2は、第1の実施形態の可搬型ログ情報処理装置のブロック図である。
【図3】図3は、第1の実施形態の可搬型ログ情報処理装置が画像処理装置からログ情報を受け取り、不揮発性メモリに書込むまでの流れを示すタイミングチャートである。
【図4】図4は、第1の実施形態の可搬型ログ情報処理装置が画像処理装置からログ情報を取得し、不揮発性メモリに書込むまでの流れを示すフローチャートである。
【図5】図5は、第2の実施形態の可搬型ログ情報処理装置のブロック図である。
【図6】図6は、第2の実施形態の可搬型ログ情報処理装置が画像処理装置に接続されたときの動作を示すフローチャートである。
【図7】図7は、第2の実施形態の可搬型ログ情報処理装置の表示手段の表示例を示す図である。
【図8】図8は、第3の実施形態の可搬型ログ情報処理装置のブロック図である。
【図9】図9は、第3の実施形態の可搬型ログ情報処理装置が画像処理装置に接続されたときの動作を示すフローチャートである。
【図10】図10は、第4の実施形態の可搬型ログ情報処理装置が画像処理装置に接続されたときの動作を示すフローチャートである。
【図11】図11は、認証フラグが降りていた場合の割り込み処理を示すフローチャートである。
【図12】図12は、第4の実施形態の可搬型ログ情報処理装置の表示手段の表示例を示す図である。
【図13】図13は、第5の実施形態の可搬型ログ情報処理装置のブロック図である。
【図14】図14は、第6の実施形態の可搬型ログ情報処理装置のブロック図である。
【図15】図15は、第6の実施形態の可搬型ログ情報処理装置が画像処理装置に接続されている状態から接続を解除した状態に変化したときのタイミングチャートである。
【図16】図16は、第1〜第5の実施形態の可搬型ログ情報処理装置が画像処理装置に接続されている状態から接続を解除した状態に変化したときのタイミングチャートである。
【図17】図17は、第7の実施形態の可搬型ログ情報処理装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるログ情報処理装置、ログ情報処理方法、プログラム、及び記憶媒体の最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の可搬型ログ情報処理装置を画像処理装置に接続した状態を示すブロック図であり、図2は、その可搬型ログ情報処理装置のブロック図である。
【0016】
画像処理装置1は、CTL(コントローラ)3、読み取り部4、画像形成部5、及び操作部6を備えている。CTL3は、画像処理装置全体の制御を行う制御装置であり、CTL3全体の制御を行うCPU(Central Processing Unit)7、CPU7の動作時に使用される各種プログラムなどが格納されているROM(Read Only Memory)8、CPU7の動作時にワークエリアとなるRAM(Random Access Memory)9、画像データなどが格納されるHDD(ハードディスク装置)10、可搬型ログ情報処理装置2が着脱可能なコネクタ11を備えている。
【0017】
以上の構成を有する画像処理装置1において、読み取り部4は原稿上の画像をRGBの画像データとして読み取る。CTL3上のCPU7が、RAM9を用いて、回転、伸張、圧縮処理などの画像処理を行い、そのデータをHDD10に保存する。次に保存したデータに対して、操作部6からの設定に応じて、集約や、スタンプなどの加工を行い、YMCKへの変換を行って、画像形成部5に転送し、画像形成部5で用紙に画像を印刷する。ここでCTL3が行う処理のことを、通常動作処理と呼ぶこととする。なお、この画像処理装置1は、読み取り部4から原稿(紙媒体)上の画像データを入力し、画像形成部5で印刷を行う構成であるが、電子的な画像情報の入力手段を備えた構成や、画像形成部5を備えていない構成(スキャナ)でもよい。
【0018】
可搬型ログ情報処理装置2は、この装置全体を制御する制御部21と、制御部21に接続されるとともに第1のFIFO(First−In First−Out)バッファ25を内蔵する外部接続I/F(インタフェース)22と、制御部21に接続されるとともに第2のFIFOバッファ26を内蔵するメモリI/F23と、メモリI/F23に接続された不揮発性メモリ24とからなる。第1のFIFOバッファ25は複数段で構成されている。ここで、外部接続I/F(インタフェース)22は、例えば、シリアルインタフェースが該当するが、これに限定されるものではない。
【0019】
外部接続I/F22のコネクタ(図示せず)は画像処理装置1のコネクタ11と接続され、CTL3のCPU7から出力されているログ情報の信号線と電気的に接続された状態となる。外部接続I/F22は、コネクタ11を介して画像処理装置1からログ情報を受け取り、第1のFIFOバッファ25に蓄積する。制御部21は、例えばCPUとRAMで構成され、外部接続I/F22が画像処理装置1と接続された場合、接続信号を外部接続I/F22から受信し、可搬型ログ情報処理装置2内部のコンフィギュレーションや初期化を行う。これにより、画像処理装置1側で接続時のコンフィギュレーションや初期化は不要となり、画像処理装置1は、コネクタ11を介してログを出力するだけの処理を行うため、画像処理装置1側に外部への専用の書き込みプログラムが不要となる。
【0020】
また、制御部21は、外部接続I/F22、メモリI/F23などの周辺デバイス等の制御(書込み命令や、表示命令、初期設定など)や、データの転送などを行う。
【0021】
メモリI/F23は第2のFIFOバッファ26に一次記憶されているログ情報を不揮発性メモリ24に書込み、保存する。
【0022】
ログ情報とは、CTL3のCPU7が処理した記録(OSやアプリケーションの処理内容、エラーメッセージなど)のことを指す。ログ情報を解析することによって、エラー発生時の画像処理装置1の内部処理状況が把握でき、エラー原因解析を効率的に行うことができる。ログ情報は、本来通常動作の場合は出力させる必要はない。しかし、突発的に発生する不具合の原因解析のため、現在ではログ情報が、実機での障害解析に必要となっており、起動時には常時出力させている。
【0023】
次に、図3のタイミングチャート及び図4のフローチャートを参照しながら、可搬型ログ情報処理装置2の外部接続I/F22からログ情報を受け取り、不揮発性メモリ24に保存するまでの流れを説明する。
【0024】
図3に示すように、CPU7は通常動作処理の合間にログ出力処理を行う。また、通常動作と同様にログ出力も随時行う。ログ出力はCPU7内部に設けられた出力I/Fを介して、予め決められた以下のようなタイミングでシリアル転送される。図示の例では、スタートビット、連続した8ビットのデータ(b0〜b7)、ストップビットの順に送出している。このとき、可搬型ログ情報処理装置2とハンドシェイクを行わないので、画像処理装置1は可搬型ログ情報処理装置2の動作に影響を受けることなく通常動作を行うとともに、ログ情報を出力できる。図ではデバッグログ出力はTTL(Transistor−Transistor−Logic)シリアル信号であるが、これはデータ転送のフォーマットの一例に過ぎず、予めフォーマットを決めておけば、シリアル転送に限らずパラレル転送でもよいし、出力方式も差動型のインタフェースとしてもよい。
【0025】
可搬型ログ情報処理装置2では、画像処理装置1のコネクタ11に接続されることで、画像処理装置1のCTL3から電力が供給されると、図4に示す処理が始まる。まず、制御部21は、ステップS1で各部のリセットを解除した後、ステップS2でデバイス初期化、即ち周辺デバイス(外部接続I/F22、メモリI/F23等)のイニシャライズ、及び不揮発性メモリ24のイニシャライズ等を行う。これがログ取得準備処理である。
【0026】
周辺デバイスが初期化されると、直ちにログ取得待機状態となる。ログ情報取得待機状態とは、ログ取得準備完了後のいつでもログ情報を取得できるが、ログ情報を不揮発性メモリ24に書込んでいない(取得していない)状態である。ログ取得待機状態においては、第1のFIFOバッファ25には画像処理装置1が出力するログ情報が直ちに取り込まれる。図示の例では、スタートビットを検出後、ストップビットを検出するまで連続した8ビットのデータを順次記憶する。
【0027】
制御部21は、初期化終了後、未転送ログ情報が第1のFIFOバッファ25内に有る場合には(ステップS3:YES)、それを第2のFIFOバッファ26に転送する(ステップS4)。次いで制御部21がメモリI/F23に転送命令を送出し、メモリI/F23が第2のFIFOバッファ26内の未転送ログ情報を不揮発性メモリ24に書込む(ステップS5)。以上のステップS3〜S5を繰り返し実行する。
【0028】
ここで、ログ情報のファイル形式などの保存形態は問わない。また、バッファはFIFOでなくてもよい。また、可搬型ログ情報処理装置2にUSBなどのI/Fを設け、そのI/Fを介してPCに接続し、可搬型ログ情報処理装置2をUSBメモリの様に扱うことでPCがログ情報を取得するように構成しても良い。
【0029】
このように、第1の実施形態の可搬型ログ情報処理装置2は、下記(1)〜(4)の特徴を有する。
(1)可搬型ログ情報処理装置2がログ情報を取り込み、不揮発性メモリ24に保存するので、画像処理装置1にログ情報書込み専用のプログラムを備える必要がない。
(2)PCを用いずにログ情報を取得できる。
(3)画像処理装置1の通常動作に影響を与えずにログ情報を取得できる。
(4)ケーブルを必要とせず着脱に手間がかからないため、迅速かつ容易にログ情報を取得できる。
【0030】
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態の可搬型ログ情報処理装置のブロック図である。この図において、図2と同一の構成要素には図2と同一の参照符号を付した。本実施形態及び後述する第3〜第7の実施形態のそれぞれの可搬型ログ情報処理装置が接続される画像処理装置は第1の実施形態と同じである。
【0031】
可搬型ログ情報処理装置102は、制御部21と、それぞれが制御部21に接続された外部接続I/F22及び表示部27からなる。表示部27は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)と、LCDコントローラとで構成され、LCDコントローラは制御部21から取得したログ情報をLCDで表示するための制御を行う。
【0032】
以上の構成を備えた可搬型ログ情報処理装置102は、外部接続I/F22にて画像処理装置1からログ情報を受け取り、第1のFIFOバッファ25に蓄積する。制御部21は、第1のFIFOバッファ25に蓄積されたログ情報を表示部27に転送し、表示部27が表示する。
【0033】
図6は、可搬型ログ情報処理装置102が画像処理装置1に接続されたときの動作を示すフローチャートである。この図のステップS11〜S13は、それぞれ図4のステップS1〜S3と同じである。未転送ログ情報が第1のFIFOバッファ25内に有る場合には(ステップS13:YES)、制御部21はそれを表示部27に転送し(ステップS14)、表示部27は転送された未転送ログ情報を表示する(ステップS15)。以上のステップS13〜S15を繰り返し実行する。
【0034】
図7は、表示部27におけるログ情報の表示例である。この例では、ログを文字として表示している。ログは1行ずつ一番下から表示され、一行ずつ全ての行が上にスクロールされ、一番上までログが表示されると(画面一杯に表示されると)、新たな行が表示される度に、上の行から消えていく。ログ情報が表示部27に転送されてこない時には、画面はそのままの状態を維持する。
【0035】
第1の実施形態の可搬型ログ情報処理装置2では、不揮発性メモリ24に保存したログ情報を見るためには、PCを用いる必要があったが、本実施形態の可搬型ログ情報処理装置102によれば、PCを用いず、かつ画像処理装置1に影響を与えずに、ログ情報を見ることができる。
【0036】
(第3の実施形態)
図8は、第3の実施形態の可搬型ログ情報処理装置のブロック図である。この図において、図2又は図5と同一の構成要素にはそれらの図と同一の参照符号を付した。本実施形態の可搬型ログ情報処理装置103は、第1の実施形態の可搬型ログ情報処理装置2に表示部27及び操作部28を付加したものである。操作部28は例えばユーザが操作可能なスイッチやボタンを備えており、それらが押されることで信号が入力される。
【0037】
図9は、可搬型ログ情報処理装置103が画像処理装置1に接続されたときの動作を示すフローチャートである。この図のステップS21〜S23は、それぞれ図4のステップS1〜S3と同じである。未転送ログ情報が第1のFIFOバッファ25内に有る場合には(ステップS23:YES)、それを第2のFIFOバッファ26に転送し(ステップS24)、次いで制御部21がメモリI/F23に転送命令を送出し、メモリI/F23が第2のFIFOバッファ26内の未転送ログ情報を不揮発性メモリ24に書込む(ステップS25)。次に制御部21は、第1のFIFOバッファ25内の未転送ログ情報を表示部27に転送し(ステップS26)、表示部27は転送された未転送ログ情報を表示する(ステップS27)。
【0038】
そして、ログ情報を不揮発性メモリ24に保存した後、制御部21は、操作部28のボタンが押下されたか否かを判断する(ステップS28)。そして、操作部28のボタンが押下されたことを検知した場合には(ステップS28:Yes)、制御部21は、不揮発性メモリ24に保存されたログ情報を読み出して(ステップS29)、表示部27が、読み出したログ情報を表示する(ステップS30)。これにより、ステップS27において表示部27に表示中のログ情報以前(時間的に過去のものを指す)のログ情報を不揮発性メモリ24から読み出し、表示させることができる。
【0039】
この際に、例えば、操作部28の所定のボタンを押し続けている間は表示内容が戻り続けるように構成することができる。ログ情報の表示を戻す方法としては、過去のログ情報が順次保存された不揮発性メモリ24のアドレスからログ情報を読込み、表示部27に転送することで実現できる。
【0040】
また、このとき、制御部21は、不揮発性メモリ24から読込んだログ情報を内部のRAM(不図示)に保存し、所定のボタンが押されている間、一定時間(例えば1秒。この時間をボタン毎に変えてもよい。)毎に1行ずつ表示部27に転送してもよい。
【0041】
そして、以上のステップS23〜S30を繰り返し実行する。つまり、可搬型ログ情報処理装置103内の制御部21は初期化終了後、未転送ログ情報が第1のFIFOバッファ25内に有る場合には、メモリI/F23を制御して未転送ログ情報を不揮発性メモリ24に書込む処理と、表示部27を制御して未転送ログ情報を表示する処理と、操作部28の押下を検出した場合には過去のログ情報を表示する処理とを繰り返す。
【0042】
第2の実施形態の可搬型ログ情報処理装置102では、リアルタイムでしかログ情報を見ることができないため、見逃してしまうおそれもあったが、本実施形態によれば、不揮発性メモリ24に保存したログ情報を見ることができる。従って、見逃すおそれはなく、PCを用いずにログ情報を解析できるので、解析効率が向上する。
【0043】
(第4の実施形態)
図10は、第4の実施形態の可搬型ログ情報処理装置が画像処理装置に接続されたときの動作を示すフローチャートである。第4の実施形態の可搬型ログ情報処理装置のブロック図は第3の実施形態と同じである。本実施形態は、第3の実施形態において、操作部28からの所定の入力操作に応じて、表示部27の表示のオン/オフ制御を行えるように構成したものである。
【0044】
図10のステップS31〜S35の処理は、図9のステップS21〜S25の処理と同様である。ステップS35で、未転送ログが不揮発性メモリ24に書き込まれたら、制御部21は、不揮発性メモリ24等に記憶されている認証フラグを読み込み、認証フラグのセットの有無を判断する(ステップS36)。ここで、認証フラグがセットされているとは、認証フラグのビットが”1”に設定されていることを意味し、認証フラグがセットされていない、すなわち認証フラグがクリアされているとは、認証フラグのビットが”0”に設定されていることを意味するが、これに限定されるものではない。
【0045】
そして、認証フラグがセットされている場合には(ステップS36:YES)、第1のFIFOバッファ25内の未転送ログ情報を表示部27に転送し(ステップS37)、表示部27がログ情報を表示する(ステップS38)。
【0046】
一方、ステップS36において、認証フラグがセットされていなかった場合には(ステップS36:No)、制御部21は、操作部28からの割り込み操作の有無を、操作部28からのイベントの受信の有無により判断する(ステップS39)。そして、操作部28からの割り込み操作があった場合には(ステップS39:Yes)、制御部21は、割り込み処理を実行し(ステップS40)、ステップS36の処理に戻る。割り込み処理は、操作部28から所定の入力を行うことにより、表示部27の画面のオン、オフを行う処理であり、詳細については後述する。
【0047】
一方、ステップS39において、操作部28からの割り込み操作がない場合には(ステップS39:No)、ステップS33に戻る。
【0048】
次に、ステップS40の割り込み処理の詳細について説明する。図11は、割り込み処理の手順を示すフローチャートである。操作部28から所定の入力があった場合には、制御部21は、認証フラグがクリアされていたか否かを判断する(ステップS41)。そして、認証フラグがクリアされていた場合には(ステップS41:Yes)、制御部21は認証フラグをセットする(ステップS42)。一方、ステップS41において、認証フラグがセットされていた場合には(ステップS41:No)、制御部21は、認証フラグをクリアする(ステップS43)。
【0049】
画面を表示させる方法、すなわち、操作部28からの所定の入力の方法としては、任意の方法を採用することができる。例えば、操作部28に4つのボタンa〜d(ボタンの数は任意で良い)を設け、ボタンa、bを押しながら、ボタンc、dを続けて押下すると、認証フラグがセットされ、これにより画面を表示する状態となる様な制御方法が挙げられる。また、操作部28の全てのボタンを同時に押下することにより、表示内容のバック(Back)や、スペース(Space)などの機能を持たせ、操作性を向上させても良い。また、ログ取得中の画面に戻るなどの制御を行って良い。
【0050】
また、操作部28からの所定の入力により、認証フラグをセットしたりクリアしたりして画面を単にオン、オフするだけでなく、ユーザが認識しやすい様に、表示部27を用いて現在の状態を確認できる様に構成することもできる。
【0051】
例えば、画面表示前は、図12のAの表示のように<ログ取得中>のみ表示し、ユーザがボタンa、bを押下することで割り込みが生じた場合には、表示部27が割り込み処理のステップS41の前で図12のBに示す<認証中>の画面を表示するように構成することができる。さらに、ユーザがボタンa、bを押下した状態で、ボタンc、dを続けて押すことで(押したことは分かる様に表示される)、ユーザが正しいパスワード等のログイン情報を入力すると、認証完了が通知され、表示部27がステップS42の後で図12のCに示す画面でログ情報を表示するように構成することができる。なお、認証には、ログイン情報の他、生態認証(指紋等)や、鍵などの認証方法を適用しても良い。
【0052】
本実施形態の可搬型ログ情報処理装置によれば、ユーザ以外はログ情報を見られなくすることができるため、重要なデバッグ情報の漏洩を防止することができる。従って、画像処理装置1の設置先(ユーザのオフィス等)で長時間のログ情報取得が行い易くなる。
【0053】
(第5の実施形態)
図13は、第5の実施形態の可搬型ログ情報処理装置のブロック図である。この図において、図8と同一の構成要素には図8と同じ参照符号を付した。この可搬型ログ情報処理装置104は、図8の可搬型ログ情報処理装置103の不揮発性メモリ24に代えて可搬型メモリ接続用I/F29をメモリI/F23に接続したものである。なお、本実施形態の可搬型ログ情報処理装置104を、不揮発性メモリ24を備えた上で、さらに可搬型メモリ接続用I/F29をメモリI/F23に接続する構成としてもよい。
【0054】
可搬型メモリ接続用I/F29は、例えば、SDメモリーカードコネクタと電子部品(コンデンサや抵抗など)で構成されており、そのコネクタに可搬型メモリが装着されているか否かを検知し、装着されている場合のみ書込みを行う。装着を確認できない場合には表示部27によるログ情報表示のみとする。ユーザに装着されていないことを通知するために、表示画面の最上部又は最下部に、常にカードの装着が確認できないことを表示するか、若しくは可搬型ログ情報処理装置104にLED(Light Emitting Diode)を設け、点滅させるなどにより通知しても良い。
【0055】
第5の実施形態の可搬型ログ情報処理装置104によれば、取得したログ情報をメモリに記憶して持ち運べるため、可搬性が向上する。また、メモリの空き容量がなくなったら、可搬型メモリの差し替えを行うだけでよいので、障害解析効率が向上する。さらに、ログ情報をPCに保存する必要がなくなる。
【0056】
(第6の実施形態)
図14は、第6の実施形態の可搬型ログ情報処理装置のブロック図である。この図において、図13と同一の構成要素には図13と同じ参照符号を付した。この可搬型ログ情報処理装置105は、図13の可搬型ログ情報処理装置104に電力供給部30を付加するとともに、ACアダプタ31の出力を電力供給部30に入力するように構成したものである。
【0057】
電力供給部30は、ACアダプタ31より供給される電力を変圧するなどして可搬型ログ情報処理装置105内の各部に電力を供給する。ACアダプタ31の入力側のプラグをコンセントに差し込み、出力側のコードを電力供給部30の入力側に接続して使用する。
【0058】
図15は可搬型ログ情報処理装置105が画像処理装置1に接続されている状態から接続を解除(切断)した状態に変化したときのタイミングチャートであり、図16は比較のために図示した第1〜第5の実施形態のタイミングチャートである。
【0059】
第1〜第5の実施形態の場合、可搬型ログ情報処理装置の電力は画像処理装置1から供給されるため、接続が解除されると可搬型ログ情報処理装置は動作しなくなる。従って、ログ情報を不揮発性メモリ24に書込んでいる途中で切断した場合、そのままの状態で書込みがストップしてしまい、再度電源が供給されても、制御部21内のRAMにはログ情報は残っていない。そのため、図16に示すように、不揮発性メモリ24に対するログ情報の書込みが終了した取得待機時でないと、切断しても正常終了ができない。従って、書込み中の不用意な切断を防止するためには、表示部27のLCDや操作部28のLEDで正常終了が可能なタイミングを通知したり、操作部28の所定のスイッチを押すことでログ情報の取得を中止させ、中止後に切断したりする工夫が必要となる。
【0060】
これに対し、本実施形態の可搬型ログ情報処理装置105は、画像処理装置1との接続状態とは無関係にACアダプタ31から電力が供給されるので、図15に示すように、取得待機時はもとより、不揮発性メモリ24に対するログ情報の書込み中に切断しても、正常終了が可能となる。書込み中に切断した場合には、書込みを終了してから再度取得待機状態となる。そして、操作部28などに設けた電源スイッチをオフにして、外部電源であるACアダプタ31からの電力供給がオフになると動作を終了する。
【0061】
本実施形態の可搬型ログ情報処理装置105によれば、画像処理装置1の電源が急に切れても、ログ情報を正常に保存することができる。また、いつでも画像処理装置1との接続を解除することができる。さらに、画像処理装置1から電力供給を行いたくない場合(画像処理装置の電源供給量が足りない場合など)にも、ログ情報の取得を行うことができる。
【0062】
(第7の実施形態)
図17は、第7の実施形態の可搬型ログ情報処理装置のブロック図である。この図において、図14と同一の構成要素には図14と同じ参照符号を付した。この可搬型ログ情報処理装置106は、図14の可搬型ログ情報処理装置105の電力供給部30及びACアダプタ31に代えて、電池を有する電力供給部32を設けたものである。
【0063】
電力供給部32は、電池により供給される電力を変圧するなどして可搬型ログ情報処理装置106内の各部に電力を供給する。従って、停電などの瞬断時にもログ情報を正常に保存することができる。
【0064】
なお、この可搬型ログ情報処理装置106に図14の電力供給部30及びACアダプタ31を付加するとともに、第1〜第5の実施形態と同様、画像処理装置1からの受電を可能にしておき、電力供給部32に電池が装着されており、かつ電力供給部32の電源スイッチがオンとなっており、かつ画像処理装置1或いはACアダプタ31からの電力供給がない場合のみ、自動的に電力供給部32から電力が供給されるように構成してもよい。
【0065】
なお、上記実施の形態の可搬型ログ情報処理装置で実行されるログ情報処理プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
【0066】
本実施の形態の可搬型ログ情報処理装置で実行されるログ情報処理プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0067】
さらに、本実施の形態の可搬型ログ情報処理装置で実行されるログ情報処理プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態の可搬型ログ情報処理装置で実行されるログ情報処理プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0068】
本実施の形態の可搬型ログ情報処理装置で実行されるログ情報処理プログラムは、上述した各部を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからログ情報処理プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0069】
1 画像処理装置
2 可搬型ログ情報処理装置
21 制御部
22 外部接続I/F
23 メモリI/F
24 不揮発性メモリ
25 第1のFIFOバッファ
26 第2のFIFOバッファ
27 表示部
28 操作部
30,32 電力供給部
31 ACアダプタ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0070】
【特許文献1】特開2006−94174号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置のログ情報を取得するログ情報処理装置、ログ情報処理方法、プログラム、及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリンタ、ファクス、コピー、スキャナなどの各装置の機能を1つの筐体内に収納したMFP(マルチファンクションプリンタ)と呼ばれる画像処理装置が知られている。このような複合型の画像処理装置では、一つの筺体内に表示部、印刷部、及び読み取り部などを設けると共に、プリンタ、ファクス、コピー、スキャナの各機能に対するアプリケーションを有し、そのアプリケーションを切り換えることにより、プリンタ、ファクス、コピー、スキャナとして動作させることができる。
【0003】
このような画像処理装置は、プログラムに基づき処理を実行する種々のアプリケーションやモジュールにより動作しているため、ソフトウェアの欠陥により問題が発生することがある。そして、ソフトウェアに起因する問題が発生した場合、その外観から問題の原因を解析することは困難であるため、ソフトウェアが動作時に残すログ情報を解析することが必要となる。
【0004】
実際の解析作業は、問題が発生した画像処理装置にPC(パーソナルコンピュータ)を接続してログ情報を取得して行うことが多いため、PCの設置場所を確保することが必要である。このため、画像処理装置の設置先であるユーザのオフィス等で行うことは困難である。また、接続作業に手間がかかる、PCの起動時間が長い、などの理由から、PCを利用し難い状況が発生しており、障害解析効率を低下させていた。
【0005】
そこで、このような問題を解決するため、画像処理装置にUSBメモリやICカード等の可搬型不揮発性メモリを直接接続し、ログ情報を保存することにより、画像処理装置にPCを接続せずにログ情報を取得できるようにしたログ情報収集方法が提案されている(特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このログ情報収集方法の場合、ログ情報を可搬型不揮発性メモリに書き込むための制御を画像処理装置が行うため、画像処理装置に専用のプログラムを備えなければならないという問題がある。
【0007】
また、ログ情報取得中と、そうでない時の動作タイミングが変わるので、バグ(障害)が再現しない懸念などがあり、障害解析目的では使用できないケースがある。即ち、ログ情報取得前は、画像処理装置はログ情報送出に関する処理を行わないが、ログ情報取得中は、書き込み準備(USBメモリへの書込みであれば、コンフィギュレーションなど)や、所定のデータ転送方法(バルク転送等)による書き込み処理を行うため、通常動作(画像形成)のタイミングがログ情報送出に関する処理の影響を受けて変わってしまうという問題がある。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、画像処理装置にPCを接続せずにログ情報を取得するときに、画像処理装置に専用の書き込みプログラムを設けることを不要にするとともに、画像処理装置の動作に影響を与えないログ情報処理装置、ログ情報処理方法、プログラム、及び記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるログ情報処理装置は、画像処理装置に対し着脱可能な第1インタフェース手段と、記憶手段と、前記第1インタフェース手段が前記画像処理装置に接続された場合に、前記ログ情報処理装置の内部の初期化を行い、前記画像処理装置から出力されるログ情報を前記第1インタフェース手段を介して取得し、取得されたログ情報を前記記憶手段に保存する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかるログ情報処理方法は、ログ情報処理装置で実行されるログ情報処理方法であって、前記ログ情報処理装置は、画像処理装置に対し着脱可能な第1インタフェース手段と、記憶手段と、を備え、前記第1インタフェース手段が前記画像処理装置に接続された場合に、前記ログ情報処理装置の内部の初期化を行うステップと、前記画像処理装置から出力されるログ情報を、前記第1インタフェース手段を介して取得するステップと、取得されたログ情報を前記記憶手段に保存するステップと、含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかるプログラムは、画像処理装置に対し着脱可能な第1インタフェース手段と、記憶手段と、を備えたコンピュータを、前記第1インタフェース手段が前記画像処理装置に接続された場合に、前記ログ情報処理装置の内部の初期化を行い、前記画像処理装置から出力されるログ情報を前記第1インタフェース手段を介して取得し、取得されたログ情報を前記記憶手段に保存する制御手段として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、画像処理装置にPCを接続せずにログ情報を取得するときに、画像処理装置に専用の書き込みプログラムを設けることが不要になるとともに、画像処理装置の動作に影響を与えないようにすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、第1の実施形態の可搬型ログ情報処理装置を画像処理装置に接続した状態を示すブロック図である。
【図2】図2は、第1の実施形態の可搬型ログ情報処理装置のブロック図である。
【図3】図3は、第1の実施形態の可搬型ログ情報処理装置が画像処理装置からログ情報を受け取り、不揮発性メモリに書込むまでの流れを示すタイミングチャートである。
【図4】図4は、第1の実施形態の可搬型ログ情報処理装置が画像処理装置からログ情報を取得し、不揮発性メモリに書込むまでの流れを示すフローチャートである。
【図5】図5は、第2の実施形態の可搬型ログ情報処理装置のブロック図である。
【図6】図6は、第2の実施形態の可搬型ログ情報処理装置が画像処理装置に接続されたときの動作を示すフローチャートである。
【図7】図7は、第2の実施形態の可搬型ログ情報処理装置の表示手段の表示例を示す図である。
【図8】図8は、第3の実施形態の可搬型ログ情報処理装置のブロック図である。
【図9】図9は、第3の実施形態の可搬型ログ情報処理装置が画像処理装置に接続されたときの動作を示すフローチャートである。
【図10】図10は、第4の実施形態の可搬型ログ情報処理装置が画像処理装置に接続されたときの動作を示すフローチャートである。
【図11】図11は、認証フラグが降りていた場合の割り込み処理を示すフローチャートである。
【図12】図12は、第4の実施形態の可搬型ログ情報処理装置の表示手段の表示例を示す図である。
【図13】図13は、第5の実施形態の可搬型ログ情報処理装置のブロック図である。
【図14】図14は、第6の実施形態の可搬型ログ情報処理装置のブロック図である。
【図15】図15は、第6の実施形態の可搬型ログ情報処理装置が画像処理装置に接続されている状態から接続を解除した状態に変化したときのタイミングチャートである。
【図16】図16は、第1〜第5の実施形態の可搬型ログ情報処理装置が画像処理装置に接続されている状態から接続を解除した状態に変化したときのタイミングチャートである。
【図17】図17は、第7の実施形態の可搬型ログ情報処理装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるログ情報処理装置、ログ情報処理方法、プログラム、及び記憶媒体の最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の可搬型ログ情報処理装置を画像処理装置に接続した状態を示すブロック図であり、図2は、その可搬型ログ情報処理装置のブロック図である。
【0016】
画像処理装置1は、CTL(コントローラ)3、読み取り部4、画像形成部5、及び操作部6を備えている。CTL3は、画像処理装置全体の制御を行う制御装置であり、CTL3全体の制御を行うCPU(Central Processing Unit)7、CPU7の動作時に使用される各種プログラムなどが格納されているROM(Read Only Memory)8、CPU7の動作時にワークエリアとなるRAM(Random Access Memory)9、画像データなどが格納されるHDD(ハードディスク装置)10、可搬型ログ情報処理装置2が着脱可能なコネクタ11を備えている。
【0017】
以上の構成を有する画像処理装置1において、読み取り部4は原稿上の画像をRGBの画像データとして読み取る。CTL3上のCPU7が、RAM9を用いて、回転、伸張、圧縮処理などの画像処理を行い、そのデータをHDD10に保存する。次に保存したデータに対して、操作部6からの設定に応じて、集約や、スタンプなどの加工を行い、YMCKへの変換を行って、画像形成部5に転送し、画像形成部5で用紙に画像を印刷する。ここでCTL3が行う処理のことを、通常動作処理と呼ぶこととする。なお、この画像処理装置1は、読み取り部4から原稿(紙媒体)上の画像データを入力し、画像形成部5で印刷を行う構成であるが、電子的な画像情報の入力手段を備えた構成や、画像形成部5を備えていない構成(スキャナ)でもよい。
【0018】
可搬型ログ情報処理装置2は、この装置全体を制御する制御部21と、制御部21に接続されるとともに第1のFIFO(First−In First−Out)バッファ25を内蔵する外部接続I/F(インタフェース)22と、制御部21に接続されるとともに第2のFIFOバッファ26を内蔵するメモリI/F23と、メモリI/F23に接続された不揮発性メモリ24とからなる。第1のFIFOバッファ25は複数段で構成されている。ここで、外部接続I/F(インタフェース)22は、例えば、シリアルインタフェースが該当するが、これに限定されるものではない。
【0019】
外部接続I/F22のコネクタ(図示せず)は画像処理装置1のコネクタ11と接続され、CTL3のCPU7から出力されているログ情報の信号線と電気的に接続された状態となる。外部接続I/F22は、コネクタ11を介して画像処理装置1からログ情報を受け取り、第1のFIFOバッファ25に蓄積する。制御部21は、例えばCPUとRAMで構成され、外部接続I/F22が画像処理装置1と接続された場合、接続信号を外部接続I/F22から受信し、可搬型ログ情報処理装置2内部のコンフィギュレーションや初期化を行う。これにより、画像処理装置1側で接続時のコンフィギュレーションや初期化は不要となり、画像処理装置1は、コネクタ11を介してログを出力するだけの処理を行うため、画像処理装置1側に外部への専用の書き込みプログラムが不要となる。
【0020】
また、制御部21は、外部接続I/F22、メモリI/F23などの周辺デバイス等の制御(書込み命令や、表示命令、初期設定など)や、データの転送などを行う。
【0021】
メモリI/F23は第2のFIFOバッファ26に一次記憶されているログ情報を不揮発性メモリ24に書込み、保存する。
【0022】
ログ情報とは、CTL3のCPU7が処理した記録(OSやアプリケーションの処理内容、エラーメッセージなど)のことを指す。ログ情報を解析することによって、エラー発生時の画像処理装置1の内部処理状況が把握でき、エラー原因解析を効率的に行うことができる。ログ情報は、本来通常動作の場合は出力させる必要はない。しかし、突発的に発生する不具合の原因解析のため、現在ではログ情報が、実機での障害解析に必要となっており、起動時には常時出力させている。
【0023】
次に、図3のタイミングチャート及び図4のフローチャートを参照しながら、可搬型ログ情報処理装置2の外部接続I/F22からログ情報を受け取り、不揮発性メモリ24に保存するまでの流れを説明する。
【0024】
図3に示すように、CPU7は通常動作処理の合間にログ出力処理を行う。また、通常動作と同様にログ出力も随時行う。ログ出力はCPU7内部に設けられた出力I/Fを介して、予め決められた以下のようなタイミングでシリアル転送される。図示の例では、スタートビット、連続した8ビットのデータ(b0〜b7)、ストップビットの順に送出している。このとき、可搬型ログ情報処理装置2とハンドシェイクを行わないので、画像処理装置1は可搬型ログ情報処理装置2の動作に影響を受けることなく通常動作を行うとともに、ログ情報を出力できる。図ではデバッグログ出力はTTL(Transistor−Transistor−Logic)シリアル信号であるが、これはデータ転送のフォーマットの一例に過ぎず、予めフォーマットを決めておけば、シリアル転送に限らずパラレル転送でもよいし、出力方式も差動型のインタフェースとしてもよい。
【0025】
可搬型ログ情報処理装置2では、画像処理装置1のコネクタ11に接続されることで、画像処理装置1のCTL3から電力が供給されると、図4に示す処理が始まる。まず、制御部21は、ステップS1で各部のリセットを解除した後、ステップS2でデバイス初期化、即ち周辺デバイス(外部接続I/F22、メモリI/F23等)のイニシャライズ、及び不揮発性メモリ24のイニシャライズ等を行う。これがログ取得準備処理である。
【0026】
周辺デバイスが初期化されると、直ちにログ取得待機状態となる。ログ情報取得待機状態とは、ログ取得準備完了後のいつでもログ情報を取得できるが、ログ情報を不揮発性メモリ24に書込んでいない(取得していない)状態である。ログ取得待機状態においては、第1のFIFOバッファ25には画像処理装置1が出力するログ情報が直ちに取り込まれる。図示の例では、スタートビットを検出後、ストップビットを検出するまで連続した8ビットのデータを順次記憶する。
【0027】
制御部21は、初期化終了後、未転送ログ情報が第1のFIFOバッファ25内に有る場合には(ステップS3:YES)、それを第2のFIFOバッファ26に転送する(ステップS4)。次いで制御部21がメモリI/F23に転送命令を送出し、メモリI/F23が第2のFIFOバッファ26内の未転送ログ情報を不揮発性メモリ24に書込む(ステップS5)。以上のステップS3〜S5を繰り返し実行する。
【0028】
ここで、ログ情報のファイル形式などの保存形態は問わない。また、バッファはFIFOでなくてもよい。また、可搬型ログ情報処理装置2にUSBなどのI/Fを設け、そのI/Fを介してPCに接続し、可搬型ログ情報処理装置2をUSBメモリの様に扱うことでPCがログ情報を取得するように構成しても良い。
【0029】
このように、第1の実施形態の可搬型ログ情報処理装置2は、下記(1)〜(4)の特徴を有する。
(1)可搬型ログ情報処理装置2がログ情報を取り込み、不揮発性メモリ24に保存するので、画像処理装置1にログ情報書込み専用のプログラムを備える必要がない。
(2)PCを用いずにログ情報を取得できる。
(3)画像処理装置1の通常動作に影響を与えずにログ情報を取得できる。
(4)ケーブルを必要とせず着脱に手間がかからないため、迅速かつ容易にログ情報を取得できる。
【0030】
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態の可搬型ログ情報処理装置のブロック図である。この図において、図2と同一の構成要素には図2と同一の参照符号を付した。本実施形態及び後述する第3〜第7の実施形態のそれぞれの可搬型ログ情報処理装置が接続される画像処理装置は第1の実施形態と同じである。
【0031】
可搬型ログ情報処理装置102は、制御部21と、それぞれが制御部21に接続された外部接続I/F22及び表示部27からなる。表示部27は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)と、LCDコントローラとで構成され、LCDコントローラは制御部21から取得したログ情報をLCDで表示するための制御を行う。
【0032】
以上の構成を備えた可搬型ログ情報処理装置102は、外部接続I/F22にて画像処理装置1からログ情報を受け取り、第1のFIFOバッファ25に蓄積する。制御部21は、第1のFIFOバッファ25に蓄積されたログ情報を表示部27に転送し、表示部27が表示する。
【0033】
図6は、可搬型ログ情報処理装置102が画像処理装置1に接続されたときの動作を示すフローチャートである。この図のステップS11〜S13は、それぞれ図4のステップS1〜S3と同じである。未転送ログ情報が第1のFIFOバッファ25内に有る場合には(ステップS13:YES)、制御部21はそれを表示部27に転送し(ステップS14)、表示部27は転送された未転送ログ情報を表示する(ステップS15)。以上のステップS13〜S15を繰り返し実行する。
【0034】
図7は、表示部27におけるログ情報の表示例である。この例では、ログを文字として表示している。ログは1行ずつ一番下から表示され、一行ずつ全ての行が上にスクロールされ、一番上までログが表示されると(画面一杯に表示されると)、新たな行が表示される度に、上の行から消えていく。ログ情報が表示部27に転送されてこない時には、画面はそのままの状態を維持する。
【0035】
第1の実施形態の可搬型ログ情報処理装置2では、不揮発性メモリ24に保存したログ情報を見るためには、PCを用いる必要があったが、本実施形態の可搬型ログ情報処理装置102によれば、PCを用いず、かつ画像処理装置1に影響を与えずに、ログ情報を見ることができる。
【0036】
(第3の実施形態)
図8は、第3の実施形態の可搬型ログ情報処理装置のブロック図である。この図において、図2又は図5と同一の構成要素にはそれらの図と同一の参照符号を付した。本実施形態の可搬型ログ情報処理装置103は、第1の実施形態の可搬型ログ情報処理装置2に表示部27及び操作部28を付加したものである。操作部28は例えばユーザが操作可能なスイッチやボタンを備えており、それらが押されることで信号が入力される。
【0037】
図9は、可搬型ログ情報処理装置103が画像処理装置1に接続されたときの動作を示すフローチャートである。この図のステップS21〜S23は、それぞれ図4のステップS1〜S3と同じである。未転送ログ情報が第1のFIFOバッファ25内に有る場合には(ステップS23:YES)、それを第2のFIFOバッファ26に転送し(ステップS24)、次いで制御部21がメモリI/F23に転送命令を送出し、メモリI/F23が第2のFIFOバッファ26内の未転送ログ情報を不揮発性メモリ24に書込む(ステップS25)。次に制御部21は、第1のFIFOバッファ25内の未転送ログ情報を表示部27に転送し(ステップS26)、表示部27は転送された未転送ログ情報を表示する(ステップS27)。
【0038】
そして、ログ情報を不揮発性メモリ24に保存した後、制御部21は、操作部28のボタンが押下されたか否かを判断する(ステップS28)。そして、操作部28のボタンが押下されたことを検知した場合には(ステップS28:Yes)、制御部21は、不揮発性メモリ24に保存されたログ情報を読み出して(ステップS29)、表示部27が、読み出したログ情報を表示する(ステップS30)。これにより、ステップS27において表示部27に表示中のログ情報以前(時間的に過去のものを指す)のログ情報を不揮発性メモリ24から読み出し、表示させることができる。
【0039】
この際に、例えば、操作部28の所定のボタンを押し続けている間は表示内容が戻り続けるように構成することができる。ログ情報の表示を戻す方法としては、過去のログ情報が順次保存された不揮発性メモリ24のアドレスからログ情報を読込み、表示部27に転送することで実現できる。
【0040】
また、このとき、制御部21は、不揮発性メモリ24から読込んだログ情報を内部のRAM(不図示)に保存し、所定のボタンが押されている間、一定時間(例えば1秒。この時間をボタン毎に変えてもよい。)毎に1行ずつ表示部27に転送してもよい。
【0041】
そして、以上のステップS23〜S30を繰り返し実行する。つまり、可搬型ログ情報処理装置103内の制御部21は初期化終了後、未転送ログ情報が第1のFIFOバッファ25内に有る場合には、メモリI/F23を制御して未転送ログ情報を不揮発性メモリ24に書込む処理と、表示部27を制御して未転送ログ情報を表示する処理と、操作部28の押下を検出した場合には過去のログ情報を表示する処理とを繰り返す。
【0042】
第2の実施形態の可搬型ログ情報処理装置102では、リアルタイムでしかログ情報を見ることができないため、見逃してしまうおそれもあったが、本実施形態によれば、不揮発性メモリ24に保存したログ情報を見ることができる。従って、見逃すおそれはなく、PCを用いずにログ情報を解析できるので、解析効率が向上する。
【0043】
(第4の実施形態)
図10は、第4の実施形態の可搬型ログ情報処理装置が画像処理装置に接続されたときの動作を示すフローチャートである。第4の実施形態の可搬型ログ情報処理装置のブロック図は第3の実施形態と同じである。本実施形態は、第3の実施形態において、操作部28からの所定の入力操作に応じて、表示部27の表示のオン/オフ制御を行えるように構成したものである。
【0044】
図10のステップS31〜S35の処理は、図9のステップS21〜S25の処理と同様である。ステップS35で、未転送ログが不揮発性メモリ24に書き込まれたら、制御部21は、不揮発性メモリ24等に記憶されている認証フラグを読み込み、認証フラグのセットの有無を判断する(ステップS36)。ここで、認証フラグがセットされているとは、認証フラグのビットが”1”に設定されていることを意味し、認証フラグがセットされていない、すなわち認証フラグがクリアされているとは、認証フラグのビットが”0”に設定されていることを意味するが、これに限定されるものではない。
【0045】
そして、認証フラグがセットされている場合には(ステップS36:YES)、第1のFIFOバッファ25内の未転送ログ情報を表示部27に転送し(ステップS37)、表示部27がログ情報を表示する(ステップS38)。
【0046】
一方、ステップS36において、認証フラグがセットされていなかった場合には(ステップS36:No)、制御部21は、操作部28からの割り込み操作の有無を、操作部28からのイベントの受信の有無により判断する(ステップS39)。そして、操作部28からの割り込み操作があった場合には(ステップS39:Yes)、制御部21は、割り込み処理を実行し(ステップS40)、ステップS36の処理に戻る。割り込み処理は、操作部28から所定の入力を行うことにより、表示部27の画面のオン、オフを行う処理であり、詳細については後述する。
【0047】
一方、ステップS39において、操作部28からの割り込み操作がない場合には(ステップS39:No)、ステップS33に戻る。
【0048】
次に、ステップS40の割り込み処理の詳細について説明する。図11は、割り込み処理の手順を示すフローチャートである。操作部28から所定の入力があった場合には、制御部21は、認証フラグがクリアされていたか否かを判断する(ステップS41)。そして、認証フラグがクリアされていた場合には(ステップS41:Yes)、制御部21は認証フラグをセットする(ステップS42)。一方、ステップS41において、認証フラグがセットされていた場合には(ステップS41:No)、制御部21は、認証フラグをクリアする(ステップS43)。
【0049】
画面を表示させる方法、すなわち、操作部28からの所定の入力の方法としては、任意の方法を採用することができる。例えば、操作部28に4つのボタンa〜d(ボタンの数は任意で良い)を設け、ボタンa、bを押しながら、ボタンc、dを続けて押下すると、認証フラグがセットされ、これにより画面を表示する状態となる様な制御方法が挙げられる。また、操作部28の全てのボタンを同時に押下することにより、表示内容のバック(Back)や、スペース(Space)などの機能を持たせ、操作性を向上させても良い。また、ログ取得中の画面に戻るなどの制御を行って良い。
【0050】
また、操作部28からの所定の入力により、認証フラグをセットしたりクリアしたりして画面を単にオン、オフするだけでなく、ユーザが認識しやすい様に、表示部27を用いて現在の状態を確認できる様に構成することもできる。
【0051】
例えば、画面表示前は、図12のAの表示のように<ログ取得中>のみ表示し、ユーザがボタンa、bを押下することで割り込みが生じた場合には、表示部27が割り込み処理のステップS41の前で図12のBに示す<認証中>の画面を表示するように構成することができる。さらに、ユーザがボタンa、bを押下した状態で、ボタンc、dを続けて押すことで(押したことは分かる様に表示される)、ユーザが正しいパスワード等のログイン情報を入力すると、認証完了が通知され、表示部27がステップS42の後で図12のCに示す画面でログ情報を表示するように構成することができる。なお、認証には、ログイン情報の他、生態認証(指紋等)や、鍵などの認証方法を適用しても良い。
【0052】
本実施形態の可搬型ログ情報処理装置によれば、ユーザ以外はログ情報を見られなくすることができるため、重要なデバッグ情報の漏洩を防止することができる。従って、画像処理装置1の設置先(ユーザのオフィス等)で長時間のログ情報取得が行い易くなる。
【0053】
(第5の実施形態)
図13は、第5の実施形態の可搬型ログ情報処理装置のブロック図である。この図において、図8と同一の構成要素には図8と同じ参照符号を付した。この可搬型ログ情報処理装置104は、図8の可搬型ログ情報処理装置103の不揮発性メモリ24に代えて可搬型メモリ接続用I/F29をメモリI/F23に接続したものである。なお、本実施形態の可搬型ログ情報処理装置104を、不揮発性メモリ24を備えた上で、さらに可搬型メモリ接続用I/F29をメモリI/F23に接続する構成としてもよい。
【0054】
可搬型メモリ接続用I/F29は、例えば、SDメモリーカードコネクタと電子部品(コンデンサや抵抗など)で構成されており、そのコネクタに可搬型メモリが装着されているか否かを検知し、装着されている場合のみ書込みを行う。装着を確認できない場合には表示部27によるログ情報表示のみとする。ユーザに装着されていないことを通知するために、表示画面の最上部又は最下部に、常にカードの装着が確認できないことを表示するか、若しくは可搬型ログ情報処理装置104にLED(Light Emitting Diode)を設け、点滅させるなどにより通知しても良い。
【0055】
第5の実施形態の可搬型ログ情報処理装置104によれば、取得したログ情報をメモリに記憶して持ち運べるため、可搬性が向上する。また、メモリの空き容量がなくなったら、可搬型メモリの差し替えを行うだけでよいので、障害解析効率が向上する。さらに、ログ情報をPCに保存する必要がなくなる。
【0056】
(第6の実施形態)
図14は、第6の実施形態の可搬型ログ情報処理装置のブロック図である。この図において、図13と同一の構成要素には図13と同じ参照符号を付した。この可搬型ログ情報処理装置105は、図13の可搬型ログ情報処理装置104に電力供給部30を付加するとともに、ACアダプタ31の出力を電力供給部30に入力するように構成したものである。
【0057】
電力供給部30は、ACアダプタ31より供給される電力を変圧するなどして可搬型ログ情報処理装置105内の各部に電力を供給する。ACアダプタ31の入力側のプラグをコンセントに差し込み、出力側のコードを電力供給部30の入力側に接続して使用する。
【0058】
図15は可搬型ログ情報処理装置105が画像処理装置1に接続されている状態から接続を解除(切断)した状態に変化したときのタイミングチャートであり、図16は比較のために図示した第1〜第5の実施形態のタイミングチャートである。
【0059】
第1〜第5の実施形態の場合、可搬型ログ情報処理装置の電力は画像処理装置1から供給されるため、接続が解除されると可搬型ログ情報処理装置は動作しなくなる。従って、ログ情報を不揮発性メモリ24に書込んでいる途中で切断した場合、そのままの状態で書込みがストップしてしまい、再度電源が供給されても、制御部21内のRAMにはログ情報は残っていない。そのため、図16に示すように、不揮発性メモリ24に対するログ情報の書込みが終了した取得待機時でないと、切断しても正常終了ができない。従って、書込み中の不用意な切断を防止するためには、表示部27のLCDや操作部28のLEDで正常終了が可能なタイミングを通知したり、操作部28の所定のスイッチを押すことでログ情報の取得を中止させ、中止後に切断したりする工夫が必要となる。
【0060】
これに対し、本実施形態の可搬型ログ情報処理装置105は、画像処理装置1との接続状態とは無関係にACアダプタ31から電力が供給されるので、図15に示すように、取得待機時はもとより、不揮発性メモリ24に対するログ情報の書込み中に切断しても、正常終了が可能となる。書込み中に切断した場合には、書込みを終了してから再度取得待機状態となる。そして、操作部28などに設けた電源スイッチをオフにして、外部電源であるACアダプタ31からの電力供給がオフになると動作を終了する。
【0061】
本実施形態の可搬型ログ情報処理装置105によれば、画像処理装置1の電源が急に切れても、ログ情報を正常に保存することができる。また、いつでも画像処理装置1との接続を解除することができる。さらに、画像処理装置1から電力供給を行いたくない場合(画像処理装置の電源供給量が足りない場合など)にも、ログ情報の取得を行うことができる。
【0062】
(第7の実施形態)
図17は、第7の実施形態の可搬型ログ情報処理装置のブロック図である。この図において、図14と同一の構成要素には図14と同じ参照符号を付した。この可搬型ログ情報処理装置106は、図14の可搬型ログ情報処理装置105の電力供給部30及びACアダプタ31に代えて、電池を有する電力供給部32を設けたものである。
【0063】
電力供給部32は、電池により供給される電力を変圧するなどして可搬型ログ情報処理装置106内の各部に電力を供給する。従って、停電などの瞬断時にもログ情報を正常に保存することができる。
【0064】
なお、この可搬型ログ情報処理装置106に図14の電力供給部30及びACアダプタ31を付加するとともに、第1〜第5の実施形態と同様、画像処理装置1からの受電を可能にしておき、電力供給部32に電池が装着されており、かつ電力供給部32の電源スイッチがオンとなっており、かつ画像処理装置1或いはACアダプタ31からの電力供給がない場合のみ、自動的に電力供給部32から電力が供給されるように構成してもよい。
【0065】
なお、上記実施の形態の可搬型ログ情報処理装置で実行されるログ情報処理プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
【0066】
本実施の形態の可搬型ログ情報処理装置で実行されるログ情報処理プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0067】
さらに、本実施の形態の可搬型ログ情報処理装置で実行されるログ情報処理プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態の可搬型ログ情報処理装置で実行されるログ情報処理プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0068】
本実施の形態の可搬型ログ情報処理装置で実行されるログ情報処理プログラムは、上述した各部を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからログ情報処理プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0069】
1 画像処理装置
2 可搬型ログ情報処理装置
21 制御部
22 外部接続I/F
23 メモリI/F
24 不揮発性メモリ
25 第1のFIFOバッファ
26 第2のFIFOバッファ
27 表示部
28 操作部
30,32 電力供給部
31 ACアダプタ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0070】
【特許文献1】特開2006−94174号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ログ情報処理装置であって、
画像処理装置に対し着脱可能な第1インタフェース手段と、
記憶手段と、
前記第1インタフェース手段が前記画像処理装置に接続された場合に、前記ログ情報処理装置の内部の初期化を行い、前記画像処理装置から出力されるログ情報を、前記第1インタフェース手段を介して取得し、取得されたログ情報を前記記憶手段に保存する制御手段と、
を備えたことを特徴とするログ情報処理装置。
【請求項2】
取得されたログ情報を表示する表示手段
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のログ情報処理装置。
【請求項3】
利用者からの操作入力を受け付ける操作手段を更に備え、
前記制御手段は、さらに、前記操作手段からの所定の入力に基づいて、前記表示手段のオン/オフ制御を行うことを特徴とする請求項2に記載のログ情報処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記操作手段からの所定の入力があった場合に、前記表示手段に取得されたログ情報を表示させる制御を行うことを特徴とする請求項3に記載のログ情報処理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記操作手段からの所定の入力があった場合に、前記表示手段に取得されたログ情報を表示させる制御を行うことを特徴とする請求項3に記載のログ情報処理装置。
【請求項6】
前記記憶手段は、さらに、前記操作手段からの入力に基づくフラグ情報を記憶し、
前記制御手段は、前記フラグ情報に所定の値が設定されていた場合に、前記表示手段に取得されたログ情報を表示させる制御を行うことを特徴とする請求項3に記載のログ情報処理装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記操作手段に所定の入力があった場合に、前記フラグ情報に前記所定の値を設定することを特徴とする請求項6に記載のログ情報処理装置。
【請求項8】
可搬型不揮発性記憶媒体を着脱可能な第2インタフェース手段を更に備え、
前記制御手段は、取得されたログ情報を、前記第2インタフェース手段を介して前記可搬型不揮発性記憶媒体に書き込むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載のログ情報処理装置。
【請求項9】
前記ログ情報処理装置に電力を供給する電力供給手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載のログ情報処理装置。
【請求項10】
前記電力供給手段は、交流電源を入力することを特徴とする請求項9に記載のログ情報処理装置。
【請求項11】
前記電力供給手段は、電池を備えたことを特徴とする請求項9に記載のログ情報処理装置。
【請求項12】
ログ情報処理装置で実行されるログ情報処理方法であって、
前記ログ情報処理装置は、画像処理装置に対し着脱可能な第1インタフェース手段と、記憶手段と、を備え、
前記第1インタフェース手段が前記画像処理装置に接続された場合に、前記ログ情報処理装置の内部の初期化を行うステップと、
前記画像処理装置から出力されるログ情報を、前記第1インタフェース手段を介して取得するステップと、
取得されたログ情報を前記記憶手段に保存するステップと、
を含むことを特徴とするログ情報処理方法。
【請求項13】
画像処理装置に対し着脱可能な第1インタフェース手段と、記憶手段と、を備えたコンピュータを、
前記第1インタフェース手段が前記画像処理装置に接続された場合に、前記ログ情報処理装置の内部の初期化を行い、前記画像処理装置から出力されるログ情報を、前記第1インタフェース手段を介して取得し、取得されたログ情報を前記記憶手段に保存する制御手段と、
して機能させるためのプログラム。
【請求項14】
請求項13に記載されたプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項1】
ログ情報処理装置であって、
画像処理装置に対し着脱可能な第1インタフェース手段と、
記憶手段と、
前記第1インタフェース手段が前記画像処理装置に接続された場合に、前記ログ情報処理装置の内部の初期化を行い、前記画像処理装置から出力されるログ情報を、前記第1インタフェース手段を介して取得し、取得されたログ情報を前記記憶手段に保存する制御手段と、
を備えたことを特徴とするログ情報処理装置。
【請求項2】
取得されたログ情報を表示する表示手段
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のログ情報処理装置。
【請求項3】
利用者からの操作入力を受け付ける操作手段を更に備え、
前記制御手段は、さらに、前記操作手段からの所定の入力に基づいて、前記表示手段のオン/オフ制御を行うことを特徴とする請求項2に記載のログ情報処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記操作手段からの所定の入力があった場合に、前記表示手段に取得されたログ情報を表示させる制御を行うことを特徴とする請求項3に記載のログ情報処理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記操作手段からの所定の入力があった場合に、前記表示手段に取得されたログ情報を表示させる制御を行うことを特徴とする請求項3に記載のログ情報処理装置。
【請求項6】
前記記憶手段は、さらに、前記操作手段からの入力に基づくフラグ情報を記憶し、
前記制御手段は、前記フラグ情報に所定の値が設定されていた場合に、前記表示手段に取得されたログ情報を表示させる制御を行うことを特徴とする請求項3に記載のログ情報処理装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記操作手段に所定の入力があった場合に、前記フラグ情報に前記所定の値を設定することを特徴とする請求項6に記載のログ情報処理装置。
【請求項8】
可搬型不揮発性記憶媒体を着脱可能な第2インタフェース手段を更に備え、
前記制御手段は、取得されたログ情報を、前記第2インタフェース手段を介して前記可搬型不揮発性記憶媒体に書き込むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載のログ情報処理装置。
【請求項9】
前記ログ情報処理装置に電力を供給する電力供給手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載のログ情報処理装置。
【請求項10】
前記電力供給手段は、交流電源を入力することを特徴とする請求項9に記載のログ情報処理装置。
【請求項11】
前記電力供給手段は、電池を備えたことを特徴とする請求項9に記載のログ情報処理装置。
【請求項12】
ログ情報処理装置で実行されるログ情報処理方法であって、
前記ログ情報処理装置は、画像処理装置に対し着脱可能な第1インタフェース手段と、記憶手段と、を備え、
前記第1インタフェース手段が前記画像処理装置に接続された場合に、前記ログ情報処理装置の内部の初期化を行うステップと、
前記画像処理装置から出力されるログ情報を、前記第1インタフェース手段を介して取得するステップと、
取得されたログ情報を前記記憶手段に保存するステップと、
を含むことを特徴とするログ情報処理方法。
【請求項13】
画像処理装置に対し着脱可能な第1インタフェース手段と、記憶手段と、を備えたコンピュータを、
前記第1インタフェース手段が前記画像処理装置に接続された場合に、前記ログ情報処理装置の内部の初期化を行い、前記画像処理装置から出力されるログ情報を、前記第1インタフェース手段を介して取得し、取得されたログ情報を前記記憶手段に保存する制御手段と、
して機能させるためのプログラム。
【請求項14】
請求項13に記載されたプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2010−3286(P2010−3286A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−63559(P2009−63559)
【出願日】平成21年3月16日(2009.3.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月16日(2009.3.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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