説明

ロック機構、該ロック機構を備えた電子機器および該ロック機構を用いた固定方法

【課題】部品をスライド移動させることなく、部品を筐体に固定し、または該固定を解除することができるロック機構を提供する。
【解決手段】筐体2の一部をなす部品(カバー部材3)を筐体2に固定するロック機構5は、第一のスライド部材14と、第二のスライド部材19と、を備える。第一のスライド部材14は、第一の位置と第二の位置との間をスライド移動可能に筐体2内に設けられている。第一のスライド部材14は、該第一の位置ではカバー部材3と係合し、該第二の位置ではカバー部材3と係合しない。第二のスライド部材19は、第一のスライド部材14のスライド方向とは異なる方向に沿って位置する第三の位置と第四の位置との間をスライド移動可能に筐体2内に設けられている。第二のスライド部材19は、該第三の位置では第一のスライド部材14が第一の位置から第二の位置へ移動する経路の途中に位置し、該第四の位置では当該経路外に位置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品を筐体に固定するロック機構、該ロック機構を備えた電子機器、および該ロック機構を用いて部品を筐体に固定する固定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電池や記録メディアなどの部品を着脱可能に収納する電子機器(携帯電話、ゲーム機やタブレットPC等)は、該部品を覆うカバー部材を電子機器筐体に取り付けていることが多い。このような電子機器では、カバー部材が筐体から外れて筐体に収納されていた部品が筐体から脱落することがある。カバー部材の筐体からの脱落を防止するために、カバー部材を筐体に固定することができるロック機構を備えた電子機器が提案されている(例えば特許文献1,2)。
【0003】
図8は、特許文献1に開示されている電子機器の斜視図である。図8に示すように、電子機器1は、部品(不図示)を着脱自在に収納する筐体2と、該部品を覆うように筐体2に取り付けられたカバー部材3とを備えている。
【0004】
カバー部材3には爪部4を有するロック機構5が回転可能に設けられている。筐体2は爪部4と係合される係止部6を有しており、爪部4と係止部6とが係合されることによってカバー部材3が強固に筐体2に固定される。
【0005】
図8に示す状態は、爪部4と係止部6とが係合されている状態であり、カバー部材3が筐体2に固定されている状態である。固定されたカバー部材3によって、筐体2に収納されている部品(不図示)の、筐体2からの脱落が抑制される。
【0006】
図8に示す状態からロック機構5を回転させることによって、爪部4と係止部6との係合が解除され、筐体2に対するカバー部材3の固定が解除される。筐体2からカバー部材3を取り外すことによって、筐体2に収納されていた部品が露出され、筐体2から該部品を取り外すことができるようになる。
【0007】
特許文献2では、筐体に対してスライド移動可能に設けられたカバー部材を固定するロック機構が開示されている。カバー部材に爪部が設けられており、筐体に係止部が設けられている。カバー部材をスライド移動させることによって、爪部と係止部とを係合させ、または該係合を解除することができる。
【0008】
しかしながら、特許文献1,2に開示されているロック機構では、何らかの影響(例えば、電子機器の誤操作や電子機器の落下による衝撃)により、爪部やカバー部材が動くと、カバー部材と筐体との固定が解除される。すなわち、カバー部材が筐体から外れ、筐体に収納されていた部品が筐体から脱落することがあった。
【0009】
そこで、特許文献3では、カバー部材をより確実に筐体に固定することができるロック機構を備えた電子機器が開示されている。図9は、特許文献3で開示されているロック機構を有する電子機器の一部を、カバー部材から筐体へ向かって見たときの平面図である。
【0010】
図9に示すように、特許文献3で開示されている電子機器1は、筐体2に対して第一の方向(以下、X方向という)にスライド移動可能に設けられたカバー部材3を備えている。カバー部材3に爪部(不図示)が設けられ、筐体2には係止部(不図示)が設けられている。カバー部材3を筐体2に対してスライド移動させることにより爪部と係止部との係合が解除され、筐体2に対するカバー部材3の固定が解除される。
【0011】
さらに、カバー部材3には、X方向に沿って形成された第一の長穴7と、X方向と交わる第二の方向(以下、Y方向という)に沿って第一の長穴と交わるように形成された第二の長穴と、が形成されている。また、筐体2には、第一又は第二の長穴7,8に挿通された突起部9を備えている。
【0012】
突起部9は第二の長穴8に沿ってスライド移動可能に設けられており、突起部9の、X方向における幅は、第二の長穴8の、X方向における幅とほぼ等しい。したがって、突起部9が第一の長穴7にないとき(図9に示す状態のとき)、カバー部材3は、突起部9によりX方向にスライド移動することができない。
【0013】
突起部9の、Y方向における幅は、第一の長穴7の、Y方向における幅よりも小さい。したがって、突起部9を図9に示す状態から第一の長穴7までスライド移動させることにより、カバー部材3をX方向にスライド移動させることができるようになる。
【0014】
すなわち、特許文献3で開示されている電子機器1では、カバー部材3を筐体2に対してスライド移動させるためには、突起部9を事前に第一の長穴7に移動させておく必要がある。したがって、特許文献1,2に開示されているロック機構に比べ、誤操作や落下の衝撃によるカバー部材と筐体との固定の解除を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2001−127456号公報
【特許文献2】特開2006−156322号公報
【特許文献3】特開2002−280760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、特許文献3に開示されているロック機構では、カバー部材3をスライド移動させるための力をカバー部材3に加える必要があった。そのため、力を加えすぎた場合にはカバー部材3が破損することがあった。
【0017】
特に、近年では電子機器の軽量化のためにカバー部材をより薄くしたりより軽い材料で形成したりすることが求められている。その結果、カバー部材の強度が低下し、カバー部材がより破損しやすくなっている。
【0018】
そこで、本発明の目的の一例は、カバー部材をスライド移動させることなく、カバー部材を筐体に固定し、または該固定を解除することができるロック機構および該ロック機構を用いた固定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するために、本発明の一つの態様は、筐体の一部をなす部品を該筐体に固定するロック機構であって、第一のスライド部材と第二のスライド部材とを備える。第一のスライド部材は、第一の位置と第二の位置との間をスライド移動可能に筐体内に設けられている。第一のスライド部材は、該第一の位置では部品と係合し、該第二の位置では部品と係合しない。第二のスライド部材は、第一のスライド部材のスライド方向とは異なる方向に沿って位置する第三の位置と第四の位置との間をスライド移動可能に筐体内に設けられている。第二のスライド部材は、該第三の位置では第一のスライド部材が第一の位置から第二の位置へ移動する経路の途中に位置し、該第四の位置では当該経路外に位置する。
【0020】
また、本発明の一つの態様は、筐体の一部をなす部品を筐体に固定するロック機構を用いて部品を筐体に固定する固定方法に係る。ロック機構は、第一のスライド部材と、第二のスライド部材とを備えている。第一のスライド部材は、第一の位置と第二の位置との間をスライド移動可能に筐体内に設けられ、該第一の位置では筐体の一部をなす部品と係合し、該第二の位置では部品と係合しない。第二のスライド部材は、第一のスライド部材のスライド方向とは異なる方向に沿って位置する第三の位置と第四の位置との間をスライド移動可能に筐体内に設けられ、該第三の位置では第一のスライド部材が第一の位置から第二の位置へ移動する経路の途中に位置し、該第四の位置では当該経路外に位置する。この態様において、第二のスライド部材が第四の位置にあり、第一のスライド部材が第二の位置にある状態で、部品を筐体に取り付ける。次に、第一のスライド部材を第一の位置に移動させる。続いて、第二のスライド部材を第三の位置に移動させる。
【発明の効果】
【0021】
本発明のロック機構および該ロック機構を用いた固定方法によれば、カバー部材をスライド移動させることなく、カバー部材を筐体に固定し、または該固定を解除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係る電子機器の斜視図である。
【図2】図1に示す電子機器の分解斜視図である。
【図3】カバー部材を筐体の側から見たときの斜視図である。
【図4】第一のスライド部材の斜視図である。
【図5】第一のスライド部材が第一の位置にあり、第二のスライド部材が第三の位置にある状態の断面図である。
【図6】第一のスライド部材が第一の位置にあり、第二のスライド部材が第四の位置にある状態の断面図である。
【図7】第一のスライド部材が第二の位置にあり、第二のスライド部材が第四の位置にある状態の断面図である。
【図8】特許文献1に開示されている電子機器の斜視図である。
【図9】特許文献3に開示されている電子機器をカバー部材から筐体へ向かって見たときの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態に係る電子機器について図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態では、筐体の一部をなすカバー部材を固定するロック機構について説明するが、筐体に固定されるものはカバー部材に限られず、着脱可能に設けられた部品を筐体に固定するロック機構にも適用することができる。
【0024】
図1は、本発明の実施形態に係る電子機器の斜視図である。図1に示すように、電子機器1は、筐体2と、筐体2に着脱可能に取り付けられたカバー部材3と、カバー部材3を筐体2に固定するロック機構5と、を備えている。
【0025】
図2は、電子機器1を分解したときの斜視図である。図2に示すように、筐体2の収納空間に、電子機器1を動作させる電子部品10が収納されて、電子機器1の本体11が構成されている。
【0026】
筐体2には、電池や記録メディアなどの着脱部品12を取り付けるための取り付け部13が設けられている。着脱部品12は、筐体2に対して脱着することができるようになっている。
【0027】
カバー部材3は、取り付け部13に取り付けられた着脱部品12を覆うように形成されている。カバー部材3が筐体2に取り付けられた状態では、着脱部品12がカバー部材3によって覆われているため、着脱部品12の筐体2からの脱落を防止することができる。また、カバー部材3を筐体2から取り外すことによってカバー部材3と筐体2との間に収納された着脱部品12が露出され、着脱部品12を筐体2から取り外すことができる。
【0028】
ロック機構5は、所定の方向(以下、X方向と称す)にスライド移動可能に筐体2に設けられた第一のスライド部材14を有している。第一のスライド部材14は、X方向に沿って位置する第一及び第二の位置にスライド移動できるようになっている。なお、図2において、第二の位置は第一の位置よりも右側に位置する。
【0029】
第一のスライド部材14は、第一のスライド部材14が第一の位置にあるときにはカバー部材3と係合され、第一のスライド部材14が第二の位置にあるときにはカバー部材3と係合されないように形成されている。カバー部材3が第一のスライド部材14と係合されることによって、カバー部材3が筐体2に固定される。また、カバー部材3と第一のスライド部材14との係合が解除されることによって、カバー部材3を筐体2から取り外すことが可能となる。
【0030】
第一のスライド部材14とカバー部材3とを係合させ、または該係合を解除する構造についての一例を、図3及び図4を用いて説明する。図3は、カバー部材3を筐体2の側から見たときの斜視図であり、図4は第一のスライド部材14の斜視図である。
【0031】
図3に示すように、カバー部材3の、筐体2側の面には、先端が直角に曲がった爪部15が設けられている。
【0032】
また、図4に示すように、第一のスライド部材14の、カバー部材3側の面Aには、爪部15が配置される切り欠き16が形成されている。切り欠き16は、第一のスライド部材14が第一の位置にあるときに爪部15が対応する位置から、第二のスライド部材14が第二の位置にあるときに爪部15が対応する位置まで形成されている。したがって、第一のスライド部材14は爪部15に衝突することなく第一の位置と第二の位置との間をスライド移動することができる。
【0033】
さらに、切り欠き16の、カバー部材3側の位置には、爪部15の先端と係合する壁部材17と、爪部15の先端を切り欠き16から出し入れすることができる挿通口18とが形成されている。壁部材17は、X方向における第二の位置側に位置し、挿通口18は、X方向における第二の位置側に位置している。
【0034】
したがって、第一のスライド部材14が第一の位置にあるときには、カバー部材3を第一のスライド部材14へ着脱することができ、第一のスライド部材14が第二の位置にあるときには、カバー部材3を第一のスライド部材14へ固定することができる。
【0035】
また、ロック機構5は、図2に示すように、筐体2の、第一のスライド部材14よりもX方向において第二の位置側(図2に示す右側)に設けられた第二のスライド部材19を有している。第二のスライド部材19は、X方向とは異なる方向(以下、Y方向と称す)に沿って位置する第三および第四の位置にスライド移動可能に設けられている。
【0036】
第三の位置は、第一のスライド部材14が第一の位置から第二の位置へ移動する経路の途中に位置する。したがって、第二のスライド部材19が第三の位置にあるときには、第一のスライド部材14が第一の位置から第二の位置へ移動する前に、第一のスライド部材14が第二のスライド部材19に突き当たる。すなわち、第一のスライド部材14が第二の位置へ移動できない状態にあり、第一のスライド部材14とカバー部材3との係合が維持される。
【0037】
第四の位置は、第一のスライド部材14が第一の位置から第二の位置へ移動する経路外に位置している。したがって、第二のスライド部材19が第四の位置にあるときには、第一のスライド部材14は第一の位置から第二の位置へ移動することができ、第一のスライド部材14とカバー部材3との係合を解除することができる。
【0038】
第一のスライド部材14を第二の位置から第一の位置へ戻すバネ20を、第二のスライド部材19に設けてもよい。この場合、第二のスライド部材19には、Y方向の第四の側へ向かって突出する突出端21が設けられており、突出端21の第一のスライド部材14側にバネ20が配設されている。突出端21は、第一のスライド部材14の、第一の位置から第二の位置の経路外に位置するように設けられている。
【0039】
第一のスライド部材14が第一の位置にあるときには、バネ20は第一のスライド部材14から離間されている。したがって、第一のスライド部材14が第一の位置にあるときには、第二のスライド部材19の移動と一緒にバネ20を移動させることができる。
【0040】
また、第二のスライド部材19が第四の位置にあり、第一のスライド部材14が第二の位置にある状態では、バネ20は、突出端21と第一のスライド部材14との間で圧縮されている。したがって、第一のスライド部材14に第二の位置から第一の位置へ向かう方向の付勢力を付勢する。バネ20を突出端21に設けることによって、第二の位置にある第一のスライド部材14を第一の位置に移動させやすくすることができる。
【0041】
次に、図5ないし図7を用いて本実施形態の電子機器1におけるカバー部材3の筐体2への固定の方法および該固定の解除の方法について説明する。図5ないし図7は、カバー部材3の筐体2への固定の方法および該固定の解除の方法を説明するための断面図であり、ロック機構5付近を拡大した図である。図5ないし図7において、(a)はX方向およびY方向に平行な面で切断した電子機器1をカバー部材3から筐体2へ向かって見たときの断面図であり、(b)はX方向と垂直に交わり、爪部15を通る面で切断したときの電子機器1の断面図である。
【0042】
図5は、第一のスライド部材14が第一の位置にあり、第二のスライド部材19が第三の位置にある状態の図である。この状態では、図5(b)に示すように、爪部15が第一のスライド部材14に係合されている。すなわち、カバー部材3は筐体2に固定されている。
【0043】
また、図5(a)に示すように、第二のスライド部材19が、第一のスライド部材14の第一の位置から第二の位置へ向かう経路の途中にある。そのため、第一のスライド部材14は、第二の位置に移動する前に第二のスライド部材19に突き当たる。したがって、第一のスライド部材14の誤操作や、電子機器1の落下による衝撃が発生しても、第一のスライド部材14が第二の位置に移動することがなく、カバー部材3の筐体2への固定が維持される。
【0044】
図6は、図5に示す状態から、第二のスライド部材19を第四位置に移動させた状態の図である。図6(a)に示すように、第二のスライド部材19は、第一のスライド部材14の第一の位置から第二の位置へ向かう経路の途中に存在しない。そのため、第一のスライド部材14が第二の位置へ移動可能となっている。
【0045】
図7は、図6に示す状態から、第一のスライド部材14を第二の位置に移動させた状態の図である。図7(b)に示すように、爪部15と第一のスライド部材14との係合が解除されており、カバー部材3の筐体2への固定が解除されている。
【0046】
カバー部材3を筐体2に固定するには、第二のスライド部材が第四の位置にあり、第一のスライド部材14が第二の位置にある状態(図7)で、カバー部材3を筐体2に取り付ける。その後、第一のスライド部材14を第一の位置に移動させ(図6)、第一のスライド部材14とカバー部材3とを係合させる。バネ20を設けておくことにより、第一のスライド部材14を、第二の位置から第一の位置へ容易に戻すことが可能となる。
【0047】
続いて第二のスライド部材を第三の位置に移動させ(図5)、第一のスライド部材14の移動を第二のスライド部材19により制限する。
【0048】
以上のように第一および第二のスライド部材14,19を移動させることにより、カバー部材3の筐体2への固定および該固定の解除をすることができる。
【0049】
本発明の電子機器1では、カバー部材3の筐体2への固定状態を解除するためには、第二のスライド部材19を第四の位置に移動させ、かつ第一のスライド部材14を第二の位置に移動させなければならない。したがって、誤操作や電子機器1の落下による衝撃で第一のスライド部材14に力が加えられても、第一のスライド部材14が移動することがないため、カバー部材3の筐体2への固定が維持される。
【0050】
第二のスライド部材19のスライド方向(すなわちY方向)と、第一のスライド部材14のスライド方向(すなわちX方向)は異なっているため、誤操作や落下の衝撃により第一および第二のスライド部材14,19が同時に移動することはより少ない。すなわち、カバー部材3の脱落を防止することが可能となる。
【0051】
また、カバー部材3の筐体2への固定や該固定の解除は、第一および第二のスライド部材14,19を移動させることにより行われる。すなわち、カバー部材3に力を加える必要がないため、カバー部材3の破損を抑制することができる。
【0052】
なお、本実施形態では、図5および図6に示すように、第一のスライド部材14が第一の位置にあるとき、第一のスライド部材14の、X方向における第一の位置側の端部22は、筐体2から突出している。該端部を押すことによって、第一のスライド部材14を第二の位置に移動させることができる。
【0053】
もちろん、第一のスライド部材14の、X方向における第一の位置側の端部22は筐体2から突出している必要はなく、第一のスライド部材14が筐体2内に隠れている状態からさらに筐体2内に押し込むようにスライド移動させる構造でもよい。第一のスライド部材14が筐体2内に隠れる構造では、第一のスライド部材14を第二の位置から第一の位置へ移動させにくい。したがって、このような構造ではバネ20を設けておくことがより好ましい。
【符号の説明】
【0054】
1 電子機器
2 筐体
3 カバー部材
5 ロック機構
14 第一のスライド部材
19 第二のスライド部材
20 バネ
21 突出端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の一部をなす部品を該筐体に固定するロック機構であって、
前記筐体内において第一の位置と第二の位置との間をスライド移動可能に設けられ、該第一の位置では前記部品と係合し、該第二の位置では前記部品と係合しない第一のスライド部材と、
前記筐体内において、前記第一のスライド部材のスライド方向とは異なる方向に沿って位置する第三の位置と第四の位置との間をスライド移動可能に前記筐体内に設けられ、該第三の位置では前記第一のスライド部材が前記第一の位置から前記第二の位置へ移動する経路の途中に位置し、該第四の位置では前記経路外に位置する第二のスライド部材と、を備えたロック機構。
【請求項2】
前記第二のスライド部材から前記第四の位置の側へ向かって突出するように前記第二のスライド部材に設けられ、前記経路外に位置する突出端と、
前記突出端の前記第一のスライド部材側に配置され、前記第一のスライド部材が前記第一の位置にあるときには前記第一のスライド部材から離間されており、前記第一のスライド部材が前記第二の位置にあるときには前記第一のスライド部材と前記突出端との間で圧縮されるバネをさらに備える、請求項1に記載のロック機構。
【請求項3】
請求項1または2に記載のロック機構が設けられた筐体と、
前記筐体に収納された電子部品と、を備える電子機器。
【請求項4】
筐体内において第一の位置と第二の位置との間をスライド移動可能に設けられ、該第一の位置では前記筐体の一部をなす部品と係合し、該第二の位置では前記部品と係合しない第一のスライド部材と、
前記筐体内において、前記第一のスライド部材のスライド方向とは異なる方向に沿って位置する第三の位置と第四の位置との間をスライド移動可能に設けられ、該第三の位置では前記第一のスライド部材が前記第一の位置から前記第二の位置へ移動する経路の途中に位置し、該第四の位置では前記経路外に位置する第二のスライド部材と、を備えたロック機構を用いて前記部品を前記筐体に固定する固定方法であって、
前記第二のスライド部材が前記第四の位置にあり、前記第一のスライド部材が前記第二の位置にある状態で、前記部品を前記筐体に取り付け、
前記第一のスライド部材を前記第一の位置に移動させ、
前記第二のスライド部材を前記第三の位置に移動させる、固定方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−169427(P2012−169427A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−28667(P2011−28667)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】