説明

ローディング装置及び記録及び/又は再生装置

【課題】挿脱口の前面側において、装着部に装着された記録媒体の外周縁より外側に搬送部材を配置する。これにより、操作者が記録媒体のスムースな挿入・排出動作を行うことができると共に、装置全体の薄型化を図ることができるローディング装置及び記録及び/又は再生装置を提供する。
【解決手段】光ディスクが挿入・排出される挿脱口24を設けた筐体と、挿脱口の光ディスクが挿入等される挿脱位置と、装着部の装着位置との間に光ディスクを搬送する搬送機構と、を備えている。搬送機構は、光ディスクの主面と略平行する方向に回転軸48が延在されると共に軸方向の長さが光ディスクの直径よりも長く、しかも主面の外周縁に回転接触して摩擦力で光ディスクをその面方向に移動させる搬送ローラ40を有する。その搬送ローラを、装着部に装着された光ディスクの外周縁より外側に配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転する記録媒体の内外周に亘ってピックアップ装置を移動させ、当該記録媒体に対して情報信号の記録及び/又は再生を行う記録及び/又は再生装置、及び、その記録及び/又は再生装置の装着部と記録媒体が出し入れされる挿脱口との間に記録媒体を搬送させるローディング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、記録媒体としては、CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)といった光ディスクや、MD(Mini Disk)等の光磁気ディスクが広く知られている。これらの光学ディスクを用いて情報信号の記録や再生を行うために、各種の記録及び/又は再生装置が提供されている。また、その記録媒体を、記録及び/又は再生装置の装着部のある装着位置と、装置本体の外筐である筐体に設けた挿脱口のある挿脱位置との間に搬送させるために、各種の搬送機構(若しくはローディング機構)が提供されている。
【0003】
この記録及び/又は再生装置の搬送機構(ローディング機構)としては、次のような各種のタイプのものがある。その1は、筐体に設けた蓋や扉を上方に開放し、その開口部に臨むターンテーブルに光学ディスクを直接装着するタイプである。その2は、筐体の内外に亘って水平方向へ搬送されるディスクトレイに光学ディスクを載置し、そのディスクトレイが筐体内に引き込まれた際に光学ディスクが、筐体内に設けられたターンテーブルに自動的に装着されるタイプである。その3は、ディスクトレイにターンテーブルが一体的に設けられていて、そのディスクトレイが筐体外へ引き出された際にターンテーブルへ光学ディスクを直接装着するタイプである。
【0004】
しかしながら、上述した1〜3のタイプのいずれの場合にも、操作者において、筐体の蓋や扉を開閉したり、ディスクトレイを出し入れしたりする操作や、ターンテーブルに光学ディスクを装着する操作が必要であった。
【0005】
これに対して、筐体の前面に挿脱口を設け、その挿脱口から操作者が光学ディスクを挿入するだけで、光学ディスクが自動的に筐体内へ引き込まれてターンテーブルに装着される、いわゆるスロットイン型のディスク記録及び/又は再生装置がある。このスロットイン型ディスク記録及び/又は再生装置には、次のようなタイプのものがある。その1は、挿脱口の近傍に、挿入される光学ディスクの主面又は外径を挟んで搬送する搬送ローラや支持突起が対向設置されたローラユニットを有するタイプである。その2は、薄板の揺動体を組み合わせて揺動体ユニットを構成し、その揺動体ユニットで光学ディスクを移動させて装着部まで搬送するタイプである。
【0006】
これらのスロットイン型ディスク記録及び/又は再生装置においては、後者の揺動体ユニットを用いたスロットイン型ディスク記録及び/又は再生装置では、揺動体ユニットが薄い板金を組み合わせた構成であるため、前者のローラユニットタイプのスロットイン型ディスク記録及び/又は再生装置に比べて、ディスク記録及び/又は再生装置の薄型化に適するという特徴を持っている。その一方、後者の揺動体ユニットタイプのスロットイン型ディスク記録及び/又は再生装置では、複数の揺動体を同期させて動作させる必要があるため、部品点数が多くなり機構自体が複雑になっていた。
【0007】
従来の、この種の記録及び/又は再生装置のローラ方式のローディング機構としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。特許文献1には、ディジタルオーディオコンパクトディスクのプレーヤに備える円盤状記録媒体搬送装置に関するものが記載されている。この円盤状記録媒体搬送装置は、「挿入された円盤状記録媒体を挟持して搬送する上下一対のローラを有する円盤状記録媒体搬送装置において、上記一対のローラの内、下部ローラをシャーシ側に回動自在に支持された支持板に取付けると共に、該支持板に上記下部ローラを回転駆動するモータを取付け、かつ上記支持板に軸支され、上記モータにより回転駆動される回転部材に対して電磁装置により接離制御される接離部材を上記シャーシ側に設けた」ことを特徴としている。
【0008】
このような構成を有する特許文献1に記載された円盤状記録媒体搬送装置によれば、「ディスクプレーヤのディスク搬送装置に適用すれば省スペースが実現できると共に、ディスクの装填移動量を自由に設定できる」等の効果を得ることができる。
【0009】
また、従来のローラ方式のローディング機構の第2の例としては、例えば、特許文献2に記載されているようなものもある。特許文献2には、挿入されたディスクをターンテーブルまで自動搬送して中心を整合させ、再生可能な状態にチャッキングする機構に関するものが記載されている。このディスクプレーヤのローディング機構は、「ターンテーブルのディスク設置面を設定する基準面を、ピックアップを設置した駆動基盤の片面とし、前記ターンテーブルを待機位置から移動させて、別設のディスククランプと協働で、前記ディスクを前記基準面から所定の間隔で平行に設定したディスク再生位置にチャッキングする」ことを特徴としている。
【0010】
このような構成を有するディスクプレーヤのローディング機構によれば、「駆動基盤の下面を基準面として、ピックアップ走行面を規定し、この基準面により設定されるターンテーブル面を上限としてターンテーブルをピックアップから独立させて昇降しているので、単純かつ軽快な移動機構を適用して、ディスク記録面とピックアップの相対的位置関係が極めて正確に維持できる」等の効果が期待される。
【0011】
しかしながら、前述した従来のいずれのローラ方式のローディング装置においても、ディスクのローディング動作及びアンローディング(排出)動作をローラのみで行うために、挿脱口の挿脱位置と装着部の装着位置との各位置において、ローラを直ちにディスクに当接させることができる構成である必要があった。そのため、ローディング装置を平面的に見た場合に、ローラは少なくとも装着部に装着されたディスクの主面と重なり合う位置に配置される必要があり、必然的に筐体の内部に配置される構成となっていた。
【0012】
しかも、記録・再生時においてローラがディスクと干渉しないようにするため、ディスクを回転駆動機構(ターンテーブル)に装着した後、そのディスクの主面からローラを退避させる必要がある。そして、ディスクを排出する場合には、ローラを再びディスクに当接させ、搬送可能な状態にする必要がある。このように、ローディング装置のローラは、ディスクのローディング状態に応じて、ディスクの主面に当接させたり非当接の状態に戻したりして、その位置を移動させる必要があった。
【0013】
ところで、スロットイン型ディスク装置には、パーソナルコンピュータ(以下「パソコン」という。)やゲーム機器、AV機器等のホスト機器の筐体に設けられたドライブベイに搭載され、ホスト機器側から駆動電源が供給されてホスト機器と一体に用いられるものがある。このようなホスト機器のうち、例えば、ノートブック型パソコンや薄型AV機器等においては、更なる小型化、軽量化、薄型化が求められており、それに伴って、かかるホスト機器に搭載されるディスク装置にも小型化、軽量化、薄型化の要求が高くなっている。
【0014】
また、記録媒体に関しても、ディスクの規格や記録容量等に応じて、例えば、直径12cmの標準的な光ディスクに加え、カメラ一体型ビデオディスクレコーダ(以下「カムコーダ」という。)等に用いられる直径8cmの光ディスクといった外径の異なる各種のディスクが提供されている。これらの事情により、パソコンやAV用ディスク録画再生機等に搭載されるディスク装置においては、何れのサイズの光学ディスクにも対応できることが要求されている。
【0015】
ここで、スロットイン型ディスク装置の他の例として、例えば、特許文献3に記載されているようなものもある。特許文献3には、外部からディスクを直接挿入、排出できる、いわゆるスロットインタイプのディスク装置の薄型化に関するものが記載されている。このディスク装置は、「ディスクを回転駆動するスピンドルモータと、前記スピンドルモータを支持するベース体と、前記ベース体の両側に延在して前記ベース体を支持し、ディスク面の方向に往復移動することにより前記ベース体をディスク面に垂直な方向に昇降せしめる一対のスライド部材と、ディスク面の方向に揺動し、操作者によって供給されたディスクの中心を前記スピンドルモータの中心位置まで引き込む第1の揺動体と、ディスク面の方向に揺動し、ディスクの中心を前記スピンドルモータの中心位置から操作者によって取り出す位置まで排出する第2の揺動体とを具備し、前記一対のスライド部材は、前記第1の揺動体に引き込み動作をさせる第1のスライド部材と、前記第2の揺動体に排出動作をさせる第2のスライド部材とからなり、前記スピンドルモータ、前記ベース体、前記第1のスライド部材、前記第2のスライド部材、前記第1の揺動体、及び前記第2の揺動体は、ディスクの片面側に配置されている」ことを特徴としている。
【0016】
このような構成を有する特許文献3に記載されたディスク装置によれば、「ローラを使用しないディスク搬送手段であるため、ディスク装置を薄型化することができる。またディスクの搬送を2本の揺動体のみによって行い、しかもスライド部材によって2本の揺動体の駆動とベース体の昇降駆動を兼ねさせるシンプルな構成としてディスク装置の低コスト化、軽量化を図ることができる」等の効果を得ることができる。
【0017】
このような従来の揺動アーム方式のローディング装置においては、次のような特徴が見られる。ディスクのローディング開始位置(引き込み開始位置)が装着部の近くにあるため、ディスクの直径方向の半分以上を操作者が挿脱口から押し込む必要があった。これは、筐体の内部に配置されている揺動アームの1つを挿脱口の近傍に配置し、その揺動アームの当接部を、挿入されてくるディスクの中央より後ろ側(操作者に近い側)に当接させてディスクを引き込む動作が必要となるためである。
【0018】
この点は、ディスクの排出完了位置についても同様であり、ディスクの直径方向の半分よりやや大きい部分が挿脱口から飛び出したところがディスクの排出完了位置である。この場合に、揺動アームを工夫することにより、その排出完了位置をローラ方式と同等の位置まで延長することも考えられる。しかしながら、揺動アーム方式では、例えば、前面パネルのカーテン等による僅かな力でディスクを保持する構成となっている。そのため、揺動アーム方式では、ローラ方式の搬送ローラのような強い保持力を得ることができず、排出完了位置に移動したディスクがディスク装置から落下するおそれがあった。
【特許文献1】特開昭60−136056号公報
【特許文献2】特開2002−175657号公報
【特許文献3】特開2002−117604号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
解決しようとする問題点は、従来の揺動方式のローディング装置においては、ディスクのローディング開始位置、及びディスクの排出完了位置が操作者から遠いため、 ローディング時には操作者がディスクを装置の奥まで押し込まなければならず、また、アンローディング時には操作者がディスクを装置の奥から取り出さなければならなかった。そのため、ディスクを挿脱する際に、ディスクをうまく掴めなかったり、情報信号が記録されている面を掴んでしまったりして、使い勝手が悪いという点である。また、従来の揺動アーム方式のディスクローディング装置においては、ローディング時には操作者の手でディスクを装置の奥まで挿入する必要があることから、そのディスクが引き込み方向に対して傾いて挿入されるおそれが多く、その結果、ディスクが装置内の構成部材に当接して傷付けられると、情報信号の記録や再生が不可能になるという点である。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本出願のローディング装置は、記録媒体が挿入及び/又は排出される挿脱口を設けた筐体と、挿脱口の記録媒体が挿入及び/又は排出される挿脱位置と、挿脱口から筐体の内部に挿入された記録媒体が装着される装着部の装着位置との間に記録媒体を搬送する搬送機構と、を備え、搬送機構は、挿脱口に挿入及び/又は排出される記録媒体の主面と略平行する方向に回転軸が延在されると共に軸方向の長さが記録媒体の直径よりも長く、しかも主面の外周縁に回転接触して摩擦力で記録媒体をその面方向に移動させる搬送部材を有し、その搬送部材を、装着部に装着された記録媒体の外周縁より外側に配置した、ことを最も主要な特徴とする。
【0021】
また、本出願の記録及び/又は再生装置は、記録媒体が挿入及び/又は排出される挿脱口を設けた筐体と、挿脱口から筐体内に挿入された記録媒体が着脱可能に装着される装着部を有し且つ装着部に装着された記録媒体を回転駆動する回転駆動機構と、その回転駆動機構により回転駆動される記録媒体に対して情報信号の記録及び/又は再生を行うピックアップ装置と、そのピックアップ装置を記録媒体の内外周に亘って送り動作させるピックアップ移動機構と、挿脱口の挿脱位置と装着部の装着位置との間に記録媒体を搬送する搬送機構と、装着位置において装着部に対して記録媒体を着脱させる着脱機構と、を備えて構成されている。搬送機構は、挿脱口に挿入及び/又は排出される記録媒体の主面と略平行する方向に回転軸が延在されると共に軸方向の長さが記録媒体の直径よりも大きく、しかも主面の外周縁に回転接触して摩擦力で記録媒体をその面方向に移動させる搬送部材を有し、その搬送部材を、装着部に装着された記録媒体の外周縁より半径方向外側に配置したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0022】
本出願のローディング装置及び記録及び/又は再生装置によれば、挿脱口の前面側に搬送部材(搬送ローラ)を設け、この搬送部材で記録媒体をその面方向の少なくとも一部に移動させる構成とすることにより、挿入時には挿脱口の浅い位置まで記録媒体を挿入するだけでそれに続いて搬送部材が奥まで記録媒体を搬送し、また、排出時には挿脱口に記録媒体が大きく突出される。そのため、操作者が記録媒体のスムースな挿入・排出動作を行うことができると共に、装置全体の薄型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
挿脱口の前面側において、装着部に装着された記録媒体の外周縁より外側に搬送部材を配置する。これにより、操作者が記録媒体のスムースな挿入・排出動作を行うことができると共に、装置全体の薄型化を図ることができるローディング装置及び記録及び/又は再生装置を、簡単な構造によって実現した。
【実施例1】
【0024】
図1〜図15は、本発明の実施の形態の例を示すものである。即ち、図1は本発明の記録及び/又は再生装置の第1の実施の例を示すディスクドライブ装置を備えた電子機器の第1の実施の例を示す説明図、図2〜図6は本発明の記録及び/又は再生装置の第1の実施の例を示すもので、図2は斜視図、図3は第1の搬送機構の上部フレームを分離した斜視図、図4は第1の搬送機構の分解斜視図、図5Aは正面図、図5Bは右側面図、図5Cは縦断面図、図6は上部カバーを取り除いて内部機構を示す平面図である。図7〜図9は記録及び/又は再生装置のベースユニットを示すもので、図7は平面図、図8は斜視図、図9はユニットカバーを取り除いた平面図である。図10〜図15は、本発明の記録及び/又は再生装置の第1の実施の例の動作を説明するもので、図10は大径ディスク及び小径ディスクの挿入前の状態図、図11は大径ディスクの挿入後の状態図、図12は小径ディスクの挿入後の状態図、図13A,Bはディスク挿入前の断面図、図14A,Bはディスク挿入時の断面図、図15A,Bはディスク挿入後の断面図である。
【0025】
まず、図1〜図5を参照して、本発明のローディング装置を有する記録及び/又は再生装置の第1の実施の例を示すディスクドライブ装置10と、そのディスクドライブ装置10を備えた電子機器の実施の例について説明する。図1に示すノート型パーソナルコンピュータ(以下「ノート型パソコン」という。)1は、本発明の記録及び/又は再生装置に係るディスクドライブ装置10を備えた電子機器の第1の実施の例を示すもので、スロットイン型のディスクドライブ装置10が搭載されている。
【0026】
図1に示すように、ノート型パソコン1は、長方形で薄い偏平の中空体からなる装置筐体2と、同じく長方形で薄い偏平の中空体からなる蓋体3を有している。装置筐体2と蓋体3は、幅方向の一側において図示しないヒンジ部によって回動自在に連結されており、図1に示すように蓋体3を開いた状態と、図示しないが、装置筐体2に蓋体3を重ね合わせた状態と、両状態間の任意の位置においてその姿勢を保持した状態との任意の姿勢を維持できるように構成されている。
【0027】
蓋体3の内面には、周囲にわずかな縁取りを残して開口部4が設けられている。蓋体3の開口部4には、蓋体3内に収納された液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ、表面電界ディスプレイ等の表示装置5の表示面が臨まれている。また、装置筐体2の上面であって蓋体3と対向する面には、多数のキーの組み合わせからなる入力操作を行うための入力操作部6が設けられている。装置筐体2には、図示しないが、表示装置5やディスクドライブ装置10等を制御するための制御装置が内蔵されている。この装置筐体2の内部に設けたドライブベイにディスクドライブ装置10が収納されている。このディスクドライブ装置10は、装置筐体2の一方の側面2aに開口された開口部に、前面に設けた挿脱口24を臨ませるようにして取り付けられている。そして、ディスクドライブ装置10の前面は、装置筐体2の外面と略同一面となるように構成されている。
【0028】
本発明の記録及び/又は再生装置に用いられる記録媒体としては、光ディスクは勿論のこと、光磁気ディスク、磁気ディスク等のように各種の記録用ディスクを用いることができる。更に、光ディスクにおいても、再生専用のCD、CD−ROM、DVD−ROM等の光ディスクは勿論のこと、1回の記録或いは何度でも記録が可能なCD−RW、DVD−R、DVD−RW等の光ディスクのように各種の光ディスクを適用することができる。これらに対応して、記録及び/又は再生装置としては、例えば、光ディスク式記録装置、光ディスク式再生装置、光ディスク式記録再生装置、光ディスク式撮像装置、光磁気ディスク式記録装置、光磁気ディスク式再生装置、光磁気ディスク式撮像装置、磁気ディスク式記録装置、磁気ディスク式再生装置、磁気ディスク式記録再生装置等を挙げることができる。
【0029】
また、これらの記録及び/又は再生装置において、使用されるディスクの大きさは、例えば直径が12cmの記録媒体に限定されるものではなく、直径が8cmの記録媒体は勿論のこと、その他の大きさの記録媒体を対象とすることができることは勿論である。更に、記録媒体として、直径が異なる複数種類のディスクを選択的に用いることもできる。以下に説明する実施例では、直径が12cmの光ディスクである大径ディスク7Lと、直径が8cmの光ディスクである小径ディスク7Sとのいずれにも対応できるように構成されている。なお、記録媒体としては、上述したディスク状記録媒体に限定されるものではなく、例えば、半導体記憶媒体、カード状記憶媒体、カートリッジ式記録媒体等のように各種の記録媒体を適用できるものである。
【0030】
また、本発明の記録及び/又は再生装置が用いられる電子機器としては、この実施例で示すノート型パソコン1に限定されるものではなく、デスクトップ型パーソナルコンピュータに適用できることは勿論のこと、その他にも、記録媒体を用いて情報信号の記録又は再生を行い、或いは記録と再生の両方を行うことができる各種の電子機器、例えば、DVDプレーヤ、DVDレコーダ、CDプレーヤ、CDレコーダ、カーナビゲーション、撮像装置、電子辞書等に適用できるものである。
【0031】
図1に示すノート型パソコン1に搭載されたディスクドライブ装置10は、例えば、厚さが12.7mm程度にまで薄型化されたスロットイン型のディスクドライブ装置である。このディスクドライブ装置10は、ノート型パソコン1に搭載されることにより、そのノート型パソコン1と一体となって駆動されて、CDやDVD等の記録媒体である光ディスク7に対して情報信号の記録又は再生、或いは記録と再生の両方を行うことができるように構成されている。
【0032】
図2〜図9に示すように、ディスクドライブ装置10は、装置本体の外筐となる筐体11と、この筐体11内に収納されて姿勢変更可能に支持されたベース部材12と、このベース部材12に取り付けられた回転駆動機構13、ピックアップ装置14及びピックアップ移動機構15と、光ディスク7を挿脱口の挿脱位置と装着部の装着位置との間に搬送する搬送機構16と、装着位置において光ディスク7を装着部に着脱させる着脱機構19等を備えて構成されている。
【0033】
また、搬送機構16は、挿脱口側において光ディスク7を搬送する第1の搬送機構17と、装着部側において光ディスク7を搬送する第2の搬送機構18とからなっている。挿脱口から挿入された光ディスク7は、第1の搬送機構17と第2の搬送機構18との間で受け渡すようにして搬送される。そして、第1及び第2の搬送機構17,18による一連の連続して行われる搬送動作により、光ディスク7が挿脱位置と装着位置との間に搬送される。
【0034】
図2〜図4に示すように、筐体11は、上面と正面に開口された薄い箱状の下部ケース本体21と、この下部ケース21の上面の開口部を覆う上部ケース22とを有している。下部ケース21は、板金によって形成された容器体からなり、その底面部21aは略矩形状をなしている。この下部ケース21の長手方向と交差する幅方向の一側に、底面部21aよりも底上げされて外側へと張り出したデッキ部21bが設けられている。デッキ部21bは、下部ケース21の高さの略半分程度の厚さを有しており、搬送される光ディスク7が大径ディスク7Lである場合に、その一部がこのデッキ部21b上に配置される。
【0035】
下部ケース21の底面部21aには、図6及び図10〜図12に示すように、後述するベースユニットや第2の搬送機構18等と、これらを駆動制御する駆動制御部23等が配置されている。駆動制御部23は、所定の配線回路が形成された回路基板24を有しており、その回路基板24を底面部21aにねじ止めすることにより、駆動制御部23が下部ケース21に取り付けられている。回路基板24には、ICチップ等の電子部品や、各部の電気的な接続を図るためのコネクタ25及び、各部の動作を検出するための検出スイッチ(図示せず。)等が取り付けられている。このうち、コネクタ25は、下部ケース21の背面部に設けた開口部に対向されており、そのコネクタ25に対して外部から接続・離脱が可能とされている。
【0036】
上部ケース22は、下部ケース21の平面形状に対応した形状を有しており、比較的薄い板金によって形成されている。上部ケース22の、下部ケース21の前面開口部に対応する辺を除く3辺には、下部ケース21の両側面及び背面に沿って僅かに折り曲げられて形成された折曲部22aが設けられている。下部ケース21への上部ケース22の組立時、3辺の折曲部22aが下部ケース21の両側面及び背面の各上部に重ね合わされることにより両ケース21,22が嵌合された状態となる。
【0037】
上部ケース22の略中央部には、略円形をなす開口穴26が設けられている。この開口穴26は、後述するチャッキング動作時に、光ディスク7の中心孔7aに嵌合されるターンテーブルの嵌合部を臨ませるためのものである。図15A,Bに示すように、開口穴26の周囲は、筐体11の内部に向かって僅かに突出したリング状の当接突部27として形成されている。この当接突部27は、光ディスク7の中心孔7aの周縁に当接して光ディスク7を支持し、持ち上げられたターンテーブルの嵌合部が中心孔7aに嵌合されるようにするものである。
【0038】
更に、上部ケース22の外縁部には、この上部ケース22を下部ケース21にねじ止めするためのねじ止め部22bが3箇所に設けられている。各ねじ止め部22bには、固定ねじを貫通させる貫通孔28がそれぞれ設けられている。これらの貫通孔28に対応して、下部ケース21の対応する位置には、ねじ孔を有する固定片が設けられている。これらの貫通孔28を貫通してねじ孔に螺合される固定ねじにより、上部ケース22が下部ケース21に対して着脱可能に取り付けられて締め付け固定されている。この下部ケース21と上部ケース22からなる筐体11の前面にフロントパネル30が取り付けられ、このフロントパネル30によって筐体11の前面に形成された前面開口部31が閉じられている。
【0039】
図1に示すように、フロントパネル30は、前面開口部31を含む筐体11の前面の全体を塞ぐことができる大きさを有する細長い板状の部材からなっている。このフロントパネル30に挿脱口24が設けられている。挿脱口24は、フロントパネル30の長手方向の略全長に亘るように延在されている。この挿脱口24の大きさ(長さ及び幅)は、使用される光ディスク7の直径及び厚さよりも少し大きいものである。直径の異なる複数の光ディスク7が使用される場合には、挿脱口24の長さは、最も大きな直径を有する大径ディスク7Lのその直径よりも少し大きいものである。
【0040】
この挿脱口24から光ディスク7が筐体11内に挿入され、また、挿入された光ディスク7が挿脱口24から筐体11外に排出される。このフロントパネル30の挿脱口24の内側には、外部から筐体11内に塵埃等が入るのを防止するパネルカーテンを設けることが好ましい。パネルカーテンは、例えば、挿脱口24の幅方向の両側に配置された可撓性を有する柔軟な一対のフィルム部材(或いはシート部材)によって形成される。このパネルカーテンは、光ディスク7が挿脱口24を通過していないときには、挿脱口24の全体を覆って塵埃等の通過を阻止する。一方、光ディスク7が挿脱口24を通過するときには、光ディスク7が移動する側に弾性的に折り曲げられ、光ディスク7の通過を許容する。
【0041】
更に、フロントパネル30の前面には、筐体11内に挿入されている光ディスク7を排出する際に押圧されるイジェクトボタン32が設けられている。このフロントパネル30の挿脱口24を介して出し入れされる光ディスク7を搬送するための搬送機構16が、筐体11に関連して設けられている。搬送機構16は、第1の搬送機構17と第2の搬送機構18とから構成されている。
【0042】
第1の搬送機構17は、光ディスク7が挿入される挿脱口24の挿脱位置と、筐体11内に設けられた装着部に至る前の中間位置との間に光ディスク7を搬送するものである。また、第2の搬送機構18は、装着部に至る前の中間位置と、装着部の装着位置との間に光ディスク7を搬送するものである。この際、搬送途中の中間位置において、第1の搬送機構17と第2の搬送機構18との間に光ディスク7が受け渡され、2つの搬送機構17,18が連動して作動することにより、一連のローディング動作及びアンローディング動作が実行される。
【0043】
即ち、搬送機構16は、ディスク装着時においては、挿脱口24から挿入された光ディスク7を、まず、第1の搬送機構17が挿脱位置から中間位置まで搬送する。この中間位置において、光ディスク7が第1の搬送機構17から第2の搬送機構18に受け渡される。その後、光ディスク7は、第2の搬送機構18により中間位置から装着部の装着位置まで搬送される。一方、ディスク排出時においては、まず、第2の搬送機構18が光ディスク7を、装着位置から中間位置まで搬送する。中間位置において、光ディスク7が第2の搬送機構18から第1の搬送機構17に受け渡され、その後、第1の搬送機構17によって挿脱位置まで搬送される。そして、ディスク排出時には、挿脱口24から光ディスク7の先部を所定量だけ突出させる。この位置が挿脱位置であり、操作者が光ディスク7を掴んで取り出すことができる位置である。
【0044】
図2〜図5に示すように、搬送機構16の第1の搬送機構17は、搬送部材の第1の具体例を示す搬送ローラ40と可動フレーム41と上部フレーム42と支持フレーム43とローラ回転駆動部44等を備えて構成されている。搬送ローラ40は、光ディスク7の挿入・排出を行うローラであり、軸方向中央の外径を最も小さくし、その軸方向両端の外径を最も大きくした鼓状の中細ロールとして形成されている。この搬送ローラ40の材質としては、光ディスク7との摩擦抵抗を確保するために、例えば、ゴムやウレタン系のプラスチック材料が好適である。搬送ローラ40には、その軸心部を貫通する中心穴が設けられている。搬送ローラ40の中心穴には、ステンレス鋼等の金属によって作られたローラ軸48が圧入されて挿通されている。
【0045】
ローラ軸48の両端は、搬送ローラ40の両端から所定量だけ突出されており、一方の突出部には、これに嵌合されるギアを回転方向に一体化させるためのD字状の切欠き部48aが設けられている。このローラ軸48の両端部が一対の軸受片41a,41bを介して可動フレーム41に回動自在に支持されている。これにより、ローラ軸48を介して搬送ローラ40が、可動フレーム41に対して回転自在に支持されている。
【0046】
可動フレーム41は、搬送ローラ40の直径と同程度の幅であって、軸方向の長さとも同程度の長さを有していると共に、長手方向の両端部を同方向へ略平行に折り曲げることによって形成した一対の軸受片41a,41bを有している。この可動フレーム41には、一対の軸受片41a,41bと同じ側に突出した一対のアーム片49a,49bが一体に設けられている。一対のアーム片49a,49bは、軸方向へ所定の間隔をあけて略平行をなすように設けられている。この実施例では、一対のアーム片49a,49bの間隔は、下部ケース21の、デッキ部21bを除いた前面開口部31の長さと同程度の長さに設定されている。
【0047】
一対のアーム片49a,49bのうち、第1のアーム片49aは、一方の軸受片41aと一体に形成されており、その先端部には挿通孔51aが設けられている。この挿通孔51aに対応する軸凸部52aが上部フレーム42に設けられており、その軸凸部52aが挿通孔51aに回動自在に嵌合されている。そして、図10〜図12に示すように、軸凸部52aの先端部に止め輪53aを係合することにより、第1のアーム片49aが抜け止めされ、上部フレーム42に回動自在に軸支されている。第2のアーム片49bは、他方の軸受片41bの内側に設けた連結片41cに固定されており、その先端部には挿通孔51bが設けられている。この挿通孔51bに対応する軸凸部が支持フレーム43に設けられており(図示しない)、その軸凸部が挿通孔51bに回動自在に嵌合されている。同様にして、その軸凸部の先端部に止め輪53bを係合することにより、第2のアーム片49bが抜け止めされ、支持フレーム43に回動自在に軸支されている。
【0048】
搬送ローラ40を回動自在に支持する可動フレーム41は、付勢部材の一具体例を示す圧縮ばねからなるコイルばね55によって上部ケース22側へ常に付勢されている。コイルばね55は、搬送ローラ40を適切な力で光ディスク7の主面に押し付け、その光ディスク7との間に適当な摩擦力を生じさせるものである。このコイルばね55は、可動フレーム41の連結片41cと支持フレーム43の受け部43cとの間に介在されている。図5Cに示すように、連結片41cと受け部43cとは、互いに対面する位置に設定されていると共に、互いに近づく方向に突出するダボ56a,56bが設けられている。連結片41cのダボ56aにはコイルばね55の一端が係合され、受け部43cのダボ56a,56bにはコイルばね55の他端が係合されていて、両ダボ56a,56bによってコイルばね55の脱落が防止されている。
【0049】
上部フレーム42は、搬送ローラ40によって付勢された光ディスク7を摺動可能に支持し、搬送ローラ40の回転により生ずる摩擦力で光ディスク7を移動させることを可能とする。上部フレーム42は、上部ケース22に固定されるフレーム板42aと、このフレーム板42aに固定された摺動ガイド42bからなっている。フレーム板42aは、ステンレス鋼等の金属材料により薄い板体として形成されている。このフレーム板42aは、搬送ローラ40の軸方向の長さと同程度の長さを有し、また、幅方向の長さは、搬送ローラ40から付与される付勢力に対抗できるように十分な強度を持たせるために幅広に形成されている。更に、フレーム板42aの長手方向一側の幅を他の部分よりも広く設定することにより、フレーム板42aの強度の増大を図っている。
【0050】
また、フレーム板42aの長手方向の両端には、それぞれの端部を同方向へ略90度折り曲げることによって左固定片57aと右固定片57bが設けられている。左右の固定片57a,57bは、上部フレーム42を筐体11に固定するためのもので、左固定片57aには挿通孔が設けられ、右固定片57bには2つの爪部58a,58bが設けられている。左固定片57aの挿通孔に対応するねじ孔が上部ケース22に設けられており、挿通孔を介してねじ孔に螺合されるねじ59により、左固定片57aが上部ケース22の折曲部22aにねじ止めされて固定されている。また、右固定片57bの2つの爪部58a,58bに対応する2つの角孔61a,61bが、支持フレーム43に設けられている。2つの角孔61a,61bに2つの爪部58a,58bを係合することにより、右固定片57bが支持フレーム43に係合保持されている。
【0051】
フレーム板42aの内面であって、搬送ローラ40と対応する位置に、その軸方向と平行に延在された摺動ガイド42bが一体的に設けられている。摺動ガイド42bは、搬送ローラ40の押圧力によって付勢される光ディスク7を摺動可能に支持し、その付勢力で押しつけられる光ディスク7の上面に傷が付けられるのを防止する。図5C及び図13C等に示すように、摺動ガイド42bは、断面形状が凸側の円弧部として形成された接触部62aと、この接触部62aの後方(筐体11の奥行き側)に連続された姿勢修正部62bを有し、摩擦抵抗の小さい樹脂材料によって形成されている。摺動ガイド42bは、接着剤によってフレーム板42aの内面に接合されている。そして、摺動ガイド42bの接合強度を高めるため、摺動ガイド42bには複数個所(この実施例では3箇所)にカシメ部62cが設けられている。これらのカシメ部62cは、フレーム板42aに設けた孔に嵌合されていて、その先端がカシメ止めされている。
【0052】
支持フレーム43は、筐体11のデッキ部21bの下側に形成された空間部に嵌まり合う大きさ及び形状に形成されている。この支持フレーム43は、デッキ部21bの平面形状内に納まる形状を有する平面部43aと、この平面部43aの第1の辺に連続する断面形状がコ字状をなすギア支持部43bと、平面部43aの第2の辺に連続すると共にコイルばね55の一端を支える断面形状がL字状をなす前記受け部43cと、平面部43aの第3の辺に連続して90度折り曲げられ他アーム支持部43dとを有している。
【0053】
平面部43a及びアーム支持部43dには1又は2以上の挿通孔が設けられており、これらの挿通孔に対応するねじ孔が下部ケース21に設けられている。各挿通孔を貫通してねじ孔に螺合される複数のねじの締め込みにより支持フレーム43が、デッキ部21bの下方に形成された空間部内に納まるように下部ケース21にねじ止めされて固定されている。更に、平面部43aの一部を切り出すことによって形成された挟持片43eが、アーム支持部43dに対面するように設けられている。この挟持片43eとアーム支持部43dの間に所定の隙間が設けられており、その隙間内に可動フレーム41の第2のアーム片49bが出し入れ可能に挿入れている。アーム支持部43dには、図示しない軸凸部が設けられており、その軸凸部が第2のアーム片49bの先端に設けた挿通孔51bを回動自在に貫通している。軸凸部の先端には止め輪53bが嵌め込まれており、これにより、挿通孔51bからの軸凸部の抜け出しが防止されている。
【0054】
支持フレーム43には、搬送ローラ40を回転駆動するためのローラ回転駆動部44が設けられている。ローラ回転駆動部44は、動力発生源となる電動モータ45と、この電動モータ45の回転力を搬送ローラ40と一体化されたローラ軸48に伝達するギア列46等を備えて構成されている。電動モータ45は、支持フレーム43の内側に形成された空間部内に配置されており、支持フレーム43の側面に設けた貫通穴65に回転軸を貫通させた状態で平面部43aにねじ止めされて固定されている。電動モータ45の回転軸には、出力ギア66が固定されて、回転方向に一体化されている。
【0055】
ギア列46は、駆動ギア67と従動ギア68と5個の中間ギア71,72,73,74,75とを有している。駆動ギア67と5個の中間ギア71〜75は、支持フレーム43のギア支持部43bにおいて側方へ突出するように設けた6個のギア軸76a,76b,76c,76d,76e,76fに回転自在に支持されている。駆動ギア67は、歯幅方向に重ね合わされて一体とされた小径ギア67aを有している。駆動ギア67が出力ギア66に噛合され、小径ギア67aが第1の中間ギア71に噛合されている。第1の中間ギア71は第2の中間ギア72に噛合されている。第2の中間ギア72は、歯幅方向に重ね合わされて一体とされた小径ギア72aを有しており、その小径ギア72aが第3の中間ギア73に噛合されている。
【0056】
第3の中間ギア73は第4の中間ギア74に噛合されている。第4の中間ギア74は、歯幅方向に重ね合わされて一体とされた小径ギア74aを有しており、その小径ギア74aが第5の中間ギア75に噛合されている。そして、第5の中間ギア75が従動ギア68に噛合されている。従動ギア68は、回転軸48のD字状にカットされた切欠き部48aに対応する凸部を設けた軸受穴68aを有しており、その軸受穴68aを切欠き部48aに嵌合している。これにより、従動ギア68が回転軸48に対して回転方向へ一体とされている。そして、従動ギア68は、固定ねじ77によって回転軸48に締め付け固定されている。
【0057】
このような構成を有する第1の搬送機構17は、例えば、次のようにして筐体11に組み立てられている。まず、搬送ローラ40を可動フレーム41に組み立てる。この組立は、可動フレーム41の一対の軸受片41a,41b間に搬送ローラ40を介在させ、両軸受片41a,41bの軸受孔と搬送ローラ40の中心穴にローラ軸48を貫通させる。そして、ローラ軸48の一端に従動ギア68をねじ止めする。これとは別に、支持フレーム43に、ローラ回転駆動部44を組み立てる。この組立は、まず、支持フレーム43に電動モータ45を取り付け、その回転軸に出力ギア66を固定する。次に、支持フレーム43のギア支持部43bに設けた6個のギア軸76a〜76fに、それぞれ所定のギア67,71,72,73,74,75をねじ78で固定して回転自在に支持する。
【0058】
次に、搬送ローラ40が組み立てられた可動フレーム41の第2のアーム片49bを、ローラ回転駆動部44が組み立てられた支持フレーム43のアーム支持部43dと挟持片43eとの間の隙間内に差し込む。この際、支持フレーム43の受け部43cと可動フレーム41の連結片41cとの間にコイルばね55を介在させる。そして、アーム支持部43dに設けた軸凸部を第2のアーム片49bの先端部に設けた挿通孔51bに貫通させ、その先端に止め輪53bを係合させて抜け止めする。次いで、2個のねじ79を用いて、支持フレーム43を下部ケース21の所定位置にねじ止めする。これにより、デッキ部21bの下方の空間部に、搬送ローラ40を回転駆動するローラ回転駆動部44が配置される。その結果、第1の搬送機構17を筐体11に組み立てた状態においても、支持フレーム43がデッキ部21bの下方に形成された空間部内に納められるため、装置の厚みが増えることがなく、筐体11の薄い状態を保持することができる。
【0059】
この状態を保持して、次に、上部フレーム42の長手方向の一側に形成された第2の固定片57bに設けた2つの爪部58a,58bを、支持フレーム43に設けた2つの角孔61a,61bに引っ掛ける。次いで、上部フレーム42の長手方向の他側に形成された第1の固定片57aを、筐体11の側面にねじ59によってねじ止めする。最後に、可動フレーム41の第1のアーム片49aを弾性変形させて押し広げ、その先端部に設けた挿通孔51aを、上部フレーム42の長手方向の他側に形成された第1の固定片57aに設けた軸凸部に嵌合させる。そして、その軸凸部の先端に止め輪53aを係合させて抜け止めする。
【0060】
このような構成を有する第1の搬送機構17では、次のようにして電動モータ45の回転力がギア列46を介してローラ軸48に伝達され、そのローラ軸48と一体に搬送ローラ40が回転駆動される。即ち、電動モータ45を駆動すると、その回転力が出力ギア66から駆動ギア67、第1の中間ギア71、第2の中間ギア72、第3の中間ギア73、第4の中間ギア74及び第5の中間ギア75を介して従動ギア68に伝達される。このとき、従動ギア68は、D字軸とD字穴との組み合わせによってローラ軸48と回転方向に一体とされているため、電動モータ45の回転力がローラ軸48まで確実に伝達され、搬送ローラ40を確実に回転駆動することができる。この場合、電動モータ45が支持フレーム43からはみ出すことがないから、ディスクドライブ装置10の厚みが増えることがなく、ディスクドライブ装置10の薄型化を実現することができる。
【0061】
次に、第1の搬送機構17における光ディスクの搬送動作(ローディング動作)について、図2、図5C、図6、図13A,B及び図14Bを参照して説明する。第1の搬送機構17における光ディスク7の搬送動作は、大径ディスク7L又は小径ディスク7Sのいずれの場合であっても同様である。
【0062】
図2等に示すように、操作者が光ディスク7を挿脱口24に挿入すると、その光ディスク7の厚みにより、コイルばね55の付勢力に抗して搬送ローラ40が光ディスク7の厚み分だけ押し下げられ、摺動ガイド42bから離れる方向に移動する。この操作者による光ディスク7の挿入量は、図示しない位置検出センサによって検出されており、操作者の手によって光ディスク7が所定位置まで挿入されると、位置検出センサの出力がオンとなり、その検出信号によって後述する制御装置が駆動される。その結果、第1の搬送機構17のローラ回転駆動部44の電動モータ45が駆動され、その駆動力によって搬送ローラ40が光ディスク7を筐体11内へ引き込む方向に回転駆動される。これにより、光ディスク7は、図2及び図5Cに示す状態から、図13A,Bに示す状態を経て、図14Bに示す状態に変化する。そして、後述する第2の搬送機構18に受け渡される。
【0063】
なお、位置検出センサは、メカ的に動作するプッシュ型の検出スイッチに限定されるものではなく、例えば、光反射型のフォトインタラプタ出会っても良く、また、その他の位置検出センサを用いることができるものである。この際、光反射型の位置検出センサを用いると、搬送ローラ40が中細ロールとなっているため、摺動ガイド42bを同じく中細の形状とすることにより、挿入される光ディスク7が搬送ローラ40と接触する前に、光ディスク7が挿入されたことを知ることができる。その結果、操作者が光ディスク7の押圧力で搬送ローラ40を回転させる前に、ローラ回転駆動部44を動作させて搬送ローラ40を回転させることができるため、よりスムースなローディング動作が可能となる。
【0064】
この第1の搬送機構17では、搬送ローラ40はローラ回転駆動部44に直結されており、光ディスク7が挿入される前後においても、搬送ローラ40が常時回転駆動される構成となっている。そして、搬送ローラ40は、コイルばね55によって常に摺動ガイド42b側に付勢されており、光ディスク7が挿入されると、その光ディスク7の厚み分だけ搬送ローラ40が後退動作をするが、光ディスク7が通過すると、元の位置に戻る構成となっている。しかも、搬送ローラ40が設置されている位置は、使用される光ディスクのうち、最も外径の大きいディスク7Lの外周縁よりも外側の位置である。そのため、記録再生時においても、常に搬送ローラ40を回転させておくことができ、従って、従来のディスクローディング装置のように搬送ローラを下方へ退避させる退避機構が不要となる。これにより、本発明の実施例では、搬送ローラ40を下方へ退避させたり、その退避位置でロックさせたりしない分だけ余計なスペースを必要とすることがなく、装置の薄型化に有利となる。
【0065】
次に、搬送機構16の第2の搬送機構18について、図6、図10、図11、図12、図14B及び図15A,Bを参照して説明する。図6等に示すように、第2の搬送機構18は、上部ケース22と挿脱口24から挿入された光学ディスク7との間で移動操作されるサポート部材として2つの回動アーム81,82を有している。第1の回動アーム81及び第2の回動アーム82は、それぞれ長尺状の板金からなり、筐体11の略中央部に配置される装着部であるターンテーブル83を挟んで左右方向の両側に配置されている。更に、第1の回動アーム81及び第2の回動アーム82は、ターンテーブル83よりも背面側に位置する基端部81a,82aにおいて、サブシャーシ84に設けた支持軸を介して回動可能に支持されている。これにより、第1の回動アーム81及び第2の回動アーム82の各先端部81b,82bがターンテーブル83よりも前面側に位置し、それぞれの先端部81b,82bが挿脱口24の内側に臨んでいる。
【0066】
また、第1の回動アーム81及び第2の回動アーム82の各先端部81b,82bには、挿入された光ディスク7の外周部に当接される前面側当接部材がそれぞれ設けられている。更に、第1の回動アーム81の基端部81aには、光ディスク7を装着位置に位置決めする際に、前面側当接部材と共に光ディスク7の外周部に当接される背面側当接部材が設けられている。これらの当接部材は、それぞれ下方に向って突出するように設けられている。前面側当接部材及び背面側当接部材は、光ディスク7よりも柔らかい樹脂によって形成されている。そして、光ディスク7の滑りを防ぐ等を目的として、各当接部材は中央部の軸径を両外側の軸径よりも細くして鼓状に形成されている。
【0067】
これら第1の回動アーム81及び第2の回動アーム82は、図示しない連動機構により連動して、互いに逆方向へ回動可能に構成されている。即ち、第1の回動アーム81の先端部81bと第2の回動アーム82の先端部82bは、連動機構によって互いに接近し又は離反する方向へ揺動可能となっている。更に、第1の回動アーム81及び第2の回動アーム82の各基端部81a,82aには、図示しないが、両回動アーム81,82を互いに接近する方向へ付勢する付勢部材である捩りコイルばねが設けられている。
【0068】
また、第2の搬送機構18は、第1の搬送機構17から引き渡された光ディスク7を筐体11内の所定位置である装着位置まで搬送する動作を補助するための第3の回動アーム85を有している。第3の回動アーム85は、長尺状の板金からなり、第1の回動アーム81の先端部81bよりも少し前面側に配置されている。この第3の回動アーム85は、その基端部85aが、筐体11のデッキ部21b上に設けられた支軸によって回動可能に支持されている。第3の回動アーム85の先端部85bには、挿脱口24から挿入された光ディスク7の外周部の前面側に当接される第3の当接部材が回動可能に設けられている。第3の当接部材は、上方に向かって突出するように支持されている。
【0069】
更に、第2の搬送機構18は、第1の搬送機構17を介して光ディスク7を挿脱口24から筐体11の外へと排出するイジェクト動作を補助するための第4の回動アーム86を有している。第4の回動アーム86は、長尺状の板金からなり、その基端部86aが、第1の回動アーム81の中間部に回動可能に支持されている。第4の回動アーム86の先端部86bには、第1の搬送機構17から受け渡された光ディスク7の外周部の背面側に当接される第4の当接部材が回動可能に設けられている。第4の当接部材は、上方に向かって突出するように支持されている。第3の当接部材及び第4の当接部材は、光ディスク7よりも柔らかい樹脂によって形成されている。そして、光ディスク7の滑りを防ぐ等を目的として、各当接部材は中央部の軸径を両外側の軸径よりも細くして鼓状に形成されている。
【0070】
また、第2の搬送機構18は、第1から第4までの4つの回動アーム81,82,85,86を協働させるための駆動レバー130を有している。図11及び図12に示すように、駆動レバー130は、偏平な板状の部材からなり、下部ケース21の底面部21aにおいて、前後方向へ所定範囲内で移動可能に保持されている。この駆動レバー130は、挿脱口24から筐体11の内部に挿入される光ディスク7よりも下方に位置しており、その上面部がデッキ部21bの底面部と略一致した高さとなっている。そして、駆動レバー130は、下部ケース21の底面部21aに設けた図示しないレバー駆動機構(駆動モータとギア群等からなる。)によって前後方向へスライド駆動される。
【0071】
この駆動レバー130が前後方向へスライドすることにより、第1の回動アーム81と第2の回動アーム82が、連動機構を介して互いに逆方向に回動操作される。これと同時に、第3の回動アーム85と第4の回動アーム86が、同じく連動して回動操作される。これにより、第1の回動アーム81と第2の回動アーム82と第3の回動アーム85と第4の回動アーム86が互いに協働しながら動作して、ローディング動作とセンタリング動作とイジェクト動作が実行される。
【0072】
ローディング動作は、光ディスク7を挿脱口24から筐体11の内部へと引き込む動作である。また、センタリング動作は、筐体11の内部に引き込んだ光ディスク7を装着部であるターンテーブル83の装着位置に位置決めする動作である。そして、イジェクト動作は、操作者によるイジェクトボタン32の押圧操作に基づいて、光ディスク7を挿脱口24から筐体11の外部へと排出する動作である。
【0073】
次に、第2の搬送機構18による光ディスク7の搬送動作を、図10〜図12を参照して説明する。図10は、大径ディスク7L又は小径ディスク7Sを、第1の搬送機構17から第2の搬送機構18に受け渡した状態(第2の搬送機構18から第1の搬送機構17に受け渡す場合も同様である。)を示している。この実施例では、ディスク外径の異なる複数種類の光ディスク7(例えば、直径が12cmの大径ディスク7Lと直径が8cmの小径ディスク7S等)が挿入された場合にも対応できる構造となっており、その光ディスク7の大きさに応じて、それぞれの外周縁を保持して装着位置まで搬送することができる。
【0074】
図10に示すように、第1の搬送機構17から光ディスク7が受け渡されると、図示しない検出スイッチにより、所定位置において光ディスク7が所定位置まで挿入(移動)されたことが検出される。これにより、第2の搬送機構18の動作が開始され、第1〜第4の回動アーム81,82,85,86の4本の回動アームの作動を介して、4つの当接部に保持されて光ディスク7が装着位置まで搬送される。図11は、大径ディスク7Lが装着位置に搬送された状態を示している。また、図12は、小径ディスク7Sが装着位置に搬送された状態を示している。これらの装着位置において、後述するピックアップ移動機構15の作動により、大径ディスク7L又は小径ディスク7Sが、装着部であるターンテーブル83に装着されてチャッキングが行われる。
【0075】
一方、操作者がイジェクトボタン32を押圧すると、ターンテーブル83による大径ディスク7L又は小径ディスク7Sのチャッキングが解除される。これと共に、搬送機構16の第2の搬送機構18及び第1の搬送機構17の逆動作がそれぞれ開始される。この際、第2の搬送機構18では、第1〜第4の回動アーム81,82,85,86の4本の回動アームの作動を介して、4つの当接部に保持されて光ディスク7が、図11又は図12に示す装着位置から第1の搬送機構17まで搬送される。その後、第1の搬送機構17により、図10に示す挿脱位置まで搬送され、筐体11の外部に光ディスク7が大きく突出される。
【0076】
次に、光ディスク7に対する情報信号の記録と再生を実行するベースユニット20について、図7〜図9を参照して説明する。ベースユニット20は、図7〜図9に示すように、ベース部材12と回転駆動機構13と光ピックアップ14とピックアップ移動機構15等を備えて構成されている。回転駆動機構13は、装着部となるターンテーブル83を有し、搬送機構16により搬送されてきた光ディスク7を、そのターンテーブル83に装着して所定速度で回転駆動する(例えば、線速度一定)。また、光ピックアップ14は、ターンテーブル83に装着されて回転駆動される光ディスク7に対して、その情報記録面に光ビームを照射して新たに情報を書き込み、或いは、照射した光ビームの反射光を読み込むことにより、予め情報記録面に記録されている情報を読み出す。
【0077】
また、ピックアップ移動機構15は、光ピックアップ14を、ターンテーブル83に装着されて回転駆動される光ディスク7の情報記録面に沿って半径方向外側へ移動させる。この半径方向外側への移動時に、光ピックアップ14による情報信号の記録及び/又は再生動作が実行される。ベース部材12は、これら回転駆動機構13と光ピックアップ14とピックアップ移動機構15が搭載されるものであり、筐体11内において、その筐体11に姿勢変更可能に取り付けられている。
【0078】
ベース部材12は、板金を所定の形状に打ち抜き、その周囲を僅かに下方へ折り曲げることによって形成されている。図9に示すように、ベース部材12の平面形状は、長方形の4つの角部に大きな面取り部を設けると共に、内側に大きな開口部91を設け、全体として横長の略八角形をなす枠体として形成されている。開口部91は、光ピックアップ14の上部を露出させるピックアップ用開口部91aと、回転駆動機構13のターンテーブル83を上方へ臨ませるテーブル用開口部91bを有している。ピックアップ用開口部91aは、光ピックアップ14の上部全体を露出させるように大きく略矩形に形成されており、その長手方向の一側に略半円形をなすテーブル用開口部91bが配置されている。
【0079】
テーブル用開口部91bには、回転駆動機構13が配置されている。回転駆動機構13は、図9及び図15A,Bに示すように、光ディスク7が着脱可能に装着されるターンテーブル83を有するスピンドルモータ92と、このスピンドルモータ92を固定してベース部材12に支持する支持プレート93を有している。ターンテーブル83は、スピンドルモータ92の回転部に装着されて一体的に設けられており、支持プレート93に固定された固定部92aによって回転自在に支持されている。このターンテーブル83の載置部83bが、ベース部材12のテーブル用開口部91bから僅かに上方へ突出するように、スピンドルモータ92を支持する支持プレート93がベース部材12の下面にねじ止めされて取り付けられている。
【0080】
ターンテーブル83は、光ディスク7の中心穴7aに嵌合される円柱状の凸部からなる嵌合部83aと、光ディスク7の中心穴7aの周縁部が載置される載置部83bを有している。嵌合部83aと載置部83bは一体に形成されており、載置部83bには、光ディスク7との接触を和らげるリング状のクッション材94が取り付けられている。嵌合部83aには、光ディスク7の中心穴7aに係合される複数(本実施例では3個)の係止爪95が周方向へ等間隔に配置されている。各係止爪95は、図示しないコイルばね等の弾性部材により付勢され、各先端部が嵌合部83aの外周面から半径方向外側へ突出されている。これらの係止爪95がチャッキング機構をなしており、すべての係止爪95を中心穴7aに係合することにより、光ディスク7がターンテーブル83上に保持される。
【0081】
この回転駆動機構13に対して、光ピックアップ14が所定の範囲内で接近及び離反可能に構成されている。光ピックアップ14は、光ビームを出射する光源となる半導体レーザと、戻りの光ビームを受光する受光素子等からなる光検出器を有している。この光ピックアップ14は、半導体レーザから光ビームを出射し、その光ビームを対物レンズ96により集光して光ディスク7の情報記録面に照射すると共に、その情報記録面で反射された戻りの光ビームを光検出器で受光する。これにより、光ディスク7に対する情報信号の書き込み又は読み出しを行うことができる。
【0082】
また、光ピックアップ14は、対物レンズ96を光軸方向(以下「フォーカシング方向」という。)と、光ディスク7の記録トラックと直交する方向(以下「トラッキング方向」という。)に変位駆動する2軸アクチュエータ等の対物レンズ駆動機構を有している。この対物レンズ駆動機構が、光検出器により検出された光ディスク7からの検出信号に基づいて対物レンズ96をフォーカシング方向及びトラッキング方向に変位させながら、情報記録面上に対物レンズ96の焦点を合わせる。これにより、対物レンズ96の焦点を情報記録面上に合わせるフォーカスサーボや、対物レンズ96により集光される光ビームのスポットを記録トラックに追従させるトラッキングサーボ等の駆動制御が実行される。この光ピックアップ14が、ピックアップ移動機構15を介してベース部材12に搭載され、ターンテーブル83に対して所定の範囲内で接近及び離反可能とされている。
【0083】
ピックアップ移動機構15は、ピックアップベース101と一対のガイド軸102,103と送りねじ軸104と駆動モータ105を有している。ピックアップベース101は、2軸アクチュエータや光検出器等が収納される偏平なブロック状の部材からなり、一対のガイド軸102,103によって移動可能に支持されている。一対のガイド軸102,103は、ベース部材12の下面においてターンテーブル83の一側に、互いに所定の間隔をあけて略平行となるように配置されている。そして、一対のガイド軸102,103は、ベース部材12の4箇所において、それぞれ軸受部によって両端支持されている。各軸受部は、ベース部材12に設けた軸受片と別部材の押え板からなり、押え板をねじ止めして軸受片との間で挟持することにより、一対のガイド軸102,103がベース部材12に締付固定されている。
【0084】
ピックアップベース101は、一対のガイド軸102,103の軸方向と直交する両外側に突出する第1の軸受部106と第2の軸受部107を有している。第1の軸受部106は、第1のガイド軸102が摺動可能に挿通される軸受穴を有する前側軸受部106aと後側軸受部106bからなっている。前後の軸受部106a,106bは、第1のガイド軸102の軸方向へ所定の間隔をあけて同一平面上に配置されている。この前後の軸受部106a,106b間に、送りねじ軸104のねじ溝に係合部を有するラック108が配置されている。このラック108は、固定ねじ109によってピックアップベース101にねじ止めされている。
【0085】
第2の軸受部107には、側方に開口するガイド溝が設けられている。このガイド溝に、第2のガイド軸103が摺動可能に挿通されている。この第2の軸受部107を貫通する第2のガイド軸103と、第1の軸受部106の前後の軸受部106a,106bを貫通する第1のガイド軸102によって、ピックアップベース101がスライド可能に支持されている。送りねじ軸104は、第1のガイド軸102との間に所定の間隔をあけて略平行に配置されている。送りねじ軸104は、駆動モータ105の回転軸となっており、その駆動モータ105が図示しない取付ブラケットにより、ベース部材12に固定されている。取付ブラケットには、送りねじ軸64の先端側が回動自在に支持されている。この取付ブラケットがベース部材12にねじ止めされており、これにより、送りねじ軸104と駆動モータ105がベース部材12に取り付けられている。
【0086】
ピックアップベース101には、図示しないフレキシブル配線板の一端が連結されている。このフレキシブル配線板は、ベース部材12に保持されている光ピックアップ14をディスクドライブ装置10の外部にある図示しない電源側コネクタと電気的に接続するもので、可撓性を有する柔軟性に富んだ配線部材である。フレキシブル配線板は、ピックアップベース101に取り付けられる第1の接続部と、電源側コネクタに接続される第2の接続部を有している。フレキシブル配線板には多数の配線回路を有する配線回路群が形成されており、各配線回路が第1の接続部から第2の接続部までそれぞれ連続されている。
【0087】
図7に示すように、ベース部材12の上面にはベースカバー110が取り付けられている。このベースカバー110は、ベース部材12の平面形状に略対応する形状とされている。このベースカバー110には、ターンテーブル83と光ピックアップ14の対物レンズ96を露出させるための開口部111が設けられている。開口部111は、光ピックアップ14の移動方向に延在されており、光ピックアップ14がターンテーブル83から最も離れた位置からターンテーブル83が露出されたテーブル用開口部91bまで連続する長穴として形成されている。このベースカバー110が、複数個(本実施例では6個)の固定ねじ112によってベース部材12の上面に締付固定されている。
【0088】
また、ベース部材12は、第1の面取り部113aに設けた支持軸114と、第2の面取り部113bに設けた第1のカムピン115と、第3の面取り部113cに設けた第2のカムピン116と、第4の面取り部113dの近傍に設けた支持部117を有している。支持軸114と第1のカムピン115と第2のカムピン116は、それぞれの面取り部113a,113b,113cにおいて、その面に対して略垂直に突出されている。支持部117は、ベース部材12の一部を外側へ折り曲げるようにして一体に形成されている。また、支持軸114は、ベースユニット20を筐体11に対して回動可能に支持するための軸部であり、スピンドルモータ92から離れた位置に配置されている。
【0089】
第1のカムピン115と第2のカムピン116は、筐体11に対してベースユニット20を上下方向へ回動動作させるためのピンである。また、支持部117は、ゴム等の弾性や粘性を有するインシュレータを介してベースユニット20を筐体11に弾性的に支持する。そのため、支持部117には、インシュレータを保持するための係合穴117aが設けられている。この係合穴117aには側方に開口する切欠きが設けられており、側方からインシュレータの出し入れが可能とされている。
【0090】
図7に示すように、第1のカムピン115はスライドプレート120に設けたカム溝121に摺動可能に係合される。また、第2のカムピン116は、前述した駆動レバー130に設けたカム溝131に摺動可能に係合される。そして、ベースユニット20は、図6及び図10〜図12に示すように、筐体11の挿脱口24の一側に配置されている。更に、ベースユニット20の挿脱口24側に回動中心を設定し、この回動中心を基準として奥行方向の奥側が上下方向へ回動可能に構成されている。
【0091】
即ち、ベースユニット20は、回転駆動機構13を筐体11の略中央部に臨ませると共に、その長手方向を筐体11の対角線方向に向けて配置されている。この状態のベースユニット20の支持軸114と対向する筐体11の側面には軸受穴が設けられており、その軸受穴に支持軸114が回動自在に嵌合されている。更に、支持軸114の軸心線の延長線と略重なる位置に、ベースユニット20の支持部117が設けられている。支持部117には係合穴117aが設けられており、その係合穴117aにインシュレータ123が装着されている。インシュレータ123は、中央部を貫通する穴を有しており、その穴を貫通する取付ねじ124によって支持部117が、下部ケース21の底面部21aに弾性的に固定支持されている。
【0092】
このようにしてベースユニット20が、筐体11に対して上下方向へ傾き角変更可能に取り付けられている。このベースユニット20の姿勢(傾き角)を変更させる昇降動作を確保するため、ディスクドライブ装置10には着脱機構19が設けられている。着脱機構19は、ベースユニット20を上下方向へ揺動させて昇降動作させることにより、そのベースユニット20をチャッキング位置とチャッキング解除位置と中間位置(記録再生位置)に移動させる。
【0093】
即ち、着脱機構19でベースユニット20を上昇させることにより、装着部であるターンテーブル83が装着位置に移動する。これにより、装着位置に位置決めされた光ディスク7の中心穴7aにターンテーブル83の嵌合部83aが嵌合され、光ディスク7がターンテーブル83にチャッキングされる。一方、着脱機構19でベースユニット20を下降させることにより、ターンテーブル83がチャッキング解除位置に移動する。これにより、光ディスク7の中心穴7aからターンテーブル83の嵌合部83aが離脱し、光ディスク7のチャッキングが解除される。また、チャッキング位置とチャッキング解除位置の間の中間位置(記録再生位置)にベースユニット20を移動することにより、光ピックアップ14による光ディスク7に対する情報信号の記録又は再生を行うことができる。
【0094】
この着脱機構19は、それぞれがスライド動作可能とされた前記スライドプレート120と駆動レバー130を有している。スライドプレート120は、スライド部材の一具体例を示すもので、図7及び図8に示すように、板金製の長尺状の部材によって形成されている。スライドプレート120の長手方向の中途部には、幅方向の一側に突出する幅広部120aが設けられている。スライドプレート120の幅広部120aの他側には、90度に折り曲げることによって立ち上げられたカム片125が設けられている。カム片125は、上部が水平方向に折り曲げられたL字形状をなしており、これにより垂直面部125aと水平面部125bが形成されている。
【0095】
スライドプレート120のカム片125の水平面部125bには、直径の異なる2種類の光ディスクに対応した2種類のカム部126a,126bが設けられている。第1のカム部126aは、直径の大きな光ディスク7である大径ディスク7Lに対応しており、大径ディスク7Lを取り扱うときに用いられる。第2のカム部126bは、直径の小さな光ディスクである小径ディスク7Sを取り扱うときに用いられる。また、カム片125の垂直面部125aに、ベースユニット20のベース部材12に設けた第1のカムピン115が摺動可能に係合されるプレート側カム溝121が設けられている。
【0096】
プレート側カム溝121は、第1のカムピン115をガイドしてベース部材12を昇降させることにより、ベースユニット20の姿勢を変化させる。このプレート側カム溝121は、第1のカムピン115を下水平部と頂上部と上水平部に位置させる。プレート側カム溝121の下水平部は、第1のカムピン115を介してベースユニット20をチャッキング解除位置に位置させる。このとき、ベースユニット20は、装着位置にセットされた光ディスク7から最も離反されており、ターンテーブル83側を下にした傾いた状態となっている。
【0097】
プレート側カム溝121の頂上部は、第1のカムピン115を介してベースユニット20をチャッキング位置に位置させる。このとき、ターンテーブル83の嵌合部83aが、装着位置にセットされた光ディスク7の中心穴7aに嵌合され、ベースユニット20は、ターンテーブル83側を僅かに上にした傾いた状態となる。また、上水平部は、第1のカムピン115を介してベースユニット20を中間位置に位置させる。このとき、ベースユニット20は、図15Bに示すように、挿入された光学ディスク7と略平行した状態になり、この状態において光学ディスク7に対する情報信号の記録又は再生が行われる。
【0098】
このようなプレート側カム溝121が、スライドプレート120のカム片125の垂直面部125aに形成されている。プレート側カム溝121の下水平部は、垂直面部125aの根元部分において、長手方向へ延在するように形成されている。この下水平部の一端に連続する曲線部の上端に頂上部が設けられている。そして、頂上部から僅かに下がった位置に上水平部が設けられている。上水平部は、下水平部と略平行に延在されており、その他端は閉じられている。この上水平部に対応して、後述する姿勢調整機構が設けられている。
【0099】
スライドプレート120の長手方向の一端に操作ピン122が設けられている。操作ピン122は、スライドプレート120のカム片125が突出する面に突出されており、この操作ピン122が、駆動レバー130に設けた連動用カム溝132に摺動可能に係合されている。更に、スライドプレート120には、このスライドプレート120の直線的な移動を確保するために2つの長穴127,127が設けられている。各長穴127には、下部ケース21の底面部21aに固定された案内ピン128がそれぞれ摺動可能に係合されている。
【0100】
図7に示すように、駆動レバー130は、適度な厚さを有する樹脂製の長尺状の部材からなり、幅方向の一側にはレバー側カム溝131が設けられている。このレバー側カム溝131には、ベースユニット20のベース部材12の第3の面取り部113cに設けた第2のカムピン116が摺動可能に係合されている。レバー側カム溝131は、前述した第1のカムピン115を昇降させるプレート側カム溝121と連動して、第2のカムピン116を昇降させてベース部材12を回動し、これによりベースユニット20の姿勢を変化させる。このレバー側カム溝131の機能がプレート側カム溝121の機能と同一であり、その形状も略同様であるため、レバー側カム溝131の形状の説明は省略する。
【0101】
この駆動レバー130の下面に、スライドプレート120の操作ピン122が係合される連動用カム溝132が設けられている。駆動レバー130は、下部ケース21の底面部21aにおいて、スライドプレート120のスライド方向と略直交する方向にスライド可能に支持されている。この駆動レバー130とスライドプレート120が、図7に示すような関係を持ってケース本体14の底面部14aに配置されている。 即ち、駆動レバー130が、その長手方向を光ディスク7が出し入れされる前後方向に向けて、ベース部材12の第3の面取り部113cと対向するよう底面部21aにスライド可能に支持されている。
【0102】
この駆動レバー130に対してスライドプレート120が、その長手方向を光ディスク7が出し入れされる前後方向と直交する方向に向けて、ベース部材12の第2の面取り部113bと対向するようにベースユニット20の奥側に配置され、底面部21aにスライド可能に支持されている。更に、駆動レバー130には、図11に示すように、第3の回動レバー85に設けたピン88が摺動可能に係合されるカム溝133が設けられている。駆動レバー130の移動により、カム溝133にガイドされてピン88が移動し、これにより第3の回動レバー85が回動操作される。
【0103】
このような構成を有する着脱機構19は、筐体11の下部ケース21の底面部21aに設けられた駆動モータやギア等の動力伝達機構を有する図示しない駆動機構によって動作される。駆動機構が作動すると、図7に示すように、まず、駆動レバー130が前後方向(光ディスク7が挿入・排出される方向)Xにスライド動作され、この駆動レバー130の前後動作によってスライドプレート120が、前後方向Xと直交する左右方向Yにスライド動作される。即ち、駆動レバー130の前後動作によって連動用カム溝132が前後方向Xに移動し、その連動用カム溝132の形状変化に応じて操作ピン122が左右方向Yに移動する。これにより、操作ピン122の移動量に応じてスライドプレート120が、操作ピン122と同じ距離を左右方向Yに移動する。
【0104】
図13A,Bは、ディスクドライブ装置10の挿脱口24に光ディスク7を挿入する初期状態(挿脱口24から光学ディスク7を取り出す終期状態も同様となる。)を示している。この状態では、ベースユニット20の奥行方向の奥側が引き下げられ、ターンテーブル83が装着位置の下方に後退して、ベースユニット20の全体が傾いた状態にある。この状態から、駆動レバー130をスライドさせるための駆動機構を作動することにより、ベースユニット20が、図14Aに示すディスク解除位置から図15Aに示す装着位置に移動し、その姿勢が下に傾いた状態から上に少し傾いた状態に変化する。なお、筐体11の上部ケース22におけるターンテーブル83と対応する位置には、ターンテーブル83の嵌合部83aとの干渉を避けるための開口穴26が設けられている。
【0105】
図14Aに示す状態から、駆動機構が作動すると、まず、駆動レバー130が、前後方向Xの後方向X1に移動する(図7を参照)。これにより、駆動レバー130の連動用カム溝132にガイドされて操作ピン126が、左右方向Yの左方向Y1に移動する。これにより、操作ピン122の移動量に応じてスライドプレート120が、操作ピン122と同じ距離を左方向Y1に移動する。このとき、駆動レバー130に設けたレバー側カム溝131とスライドプレート120に設けたプレート側カム溝121がカム機構として協働して働く。即ち、レバー側カム溝131がベースユニット20のベース部材12に設けた第2のカムピン116を上昇させ、これと同時に、プレート側カム溝121がベース部材12に設けた第1のカムピン115を上昇させる。
【0106】
これにより、第1のカムピン115がプレート側カム溝121にガイドされて上部位置に移動し、同時に、第2のカムピン116がレバー側カム溝131にガイドされて上部位置に移動する。そして、第1のカムピン115がプレート側カム溝121の頂上部まで移動すると共に、第2のカムピン116がレバー側カム溝131の頂上部まで移動する。その結果、ターンテーブル83の嵌合部83aが光ディスク7の中心穴7a内に入り込む。これにより、光ディスク7がターンテーブル83にチャッキングされる。この状態が、図15Aに示す状態である。
【0107】
更に、駆動レバー130が後方向X1に移動すると共に、スライドプレート120が左方向Y1に移動すると、第1のカムピン115が頂上部から上水平部まで移動し、同じく第2のカムピン116が頂上部から上水平部まで移動する。これにより、第1のカムピン115と第2のカムピン116が僅かに引き下げられ、ディスクドライブ装置10が図15Bに示す状態になる。このとき、ディスクドライブ装置10が略水平状態となり、この状態において、ターンテーブル83に装着されている光ディスク7に対して、光ピックアップ14による情報記録面からの情報信号の読み出しが可能となり、また、その情報記録面への新たな情報信号の書き込みが可能となる。
【0108】
このディスクドライブ装置10の略水平状態から、駆動レバー130を前後方向Xの前方向X2に移動することにより、前述した動作と逆の動作が実行される。即ち、駆動レバー130の前方向X2への移動により、連動用カム溝132とこれに係合された操作ピン122の作動を介して、スライドプレート120が左右方向Yの右方向Y2に移動する。これにより、第1のカムピン115が上水平部から頂上部まで移動し、同じく第2のカムピン116が上水平部から頂上部まで移動する。そして、第1のカムピン115が頂上部から下水平部まで移動し、同じく第2のカムピン116が頂上部から下水平部まで移動することにより、ターンテーブル83から光ディスク7が離脱される。その結果、ベースユニット20が、上方のチャッキング位置から下方のチャッキング解除位置に移動し、ベースユニット20の姿勢が、図15Bに示す状態から図15Aに示す状態を経て図14Aに示す状態に変化する。
【0109】
このように動作されるベースユニット20は、情報信号の記録や再生が行われる略水平状態となる位置において、姿勢調整機構140によって高さ(姿勢)を調整することができる。図7及び図8に示すように、姿勢調整機構140は、スライドプレート120に設けられており、調整ねじ141と操作部材142と捩りばね143とを有している。調整ねじ141がスライドプレート120に高さ調整可能に螺合され、その先端に当接する受圧部を有する操作部材142がスライドプレート120に固定されている。捩りばね143は、第2の面取り部113bに設けた支軸144に保持されており、一方の弾性片と操作部材142の受圧部がプレート側カム溝121に臨まれている。この姿勢調整機構140では、調整ねじ141を回して操作部材142の受圧部の高さを変えることにより、ベースユニット20の水平方向の高さ調整が可能となっている。
【0110】
スライドプレート120の材質としては、例えば、ステンレス鋼(SUS)やスチール鋼等の金属が好適であるが、エンジニアリングプラスチックを用いることもできる。また、駆動レバー130の材質としては、例えば、PC(ポリカーボネート)等のエンジニアリングプラスチックが好適であるが、ステンレス鋼やスチール鋼等の金属を用いることもできる。
【0111】
以上説明したように、本発明によれば、揺動方式のスロット型ディスク装置の前面側に、搬送部材(搬送ローラ)を搭載した薄型搬送ユニットを設ける構成とした。そのため、操作者が記録媒体を挿脱口から装置の奥深くまで挿入する必要がなく、記録媒体の挿入及び排出作業を簡単且つ確実に行うことができる。そして、第1の搬送機構であるローラユニットと第2の搬送機構である揺動方式の搬送機構とを組み合わせることにより、記録媒体のローディング開始動作と排出完了動作をスムースに行うことができ、従来のローラ方式と同様に使い勝手が良好であって、操作上の高級感を操作者に与えることができる。しかも、本発明に係るローラユニットは、揺動方式のディスク装置に対して後付けで装着することが可能であり、そのため、顧客・使用者等の要求に応じてディスク装置の形態を容易に変えることができ、製品の自由度を高めることができる。
【0112】
また、本発明によれば、搬送ローラの退避機構が不要である、ディスク装置として構成部品の簡素化を図り、構造を簡単にすることができる。更に、操作者の手前からディスクローディングを開始できるため、斜め入れによるディスクの傷付き防止効果を期待することができると共に、安定したローディング動作を実現することができ、信頼性の高いディスク装置を提供することができる。更にまた、搬送ローラを駆動するためのモータを、筐体のデッキ部の下方に設けた空間部内に配置することにより、装置全体の薄型化を確保することができる。なお、前記実施例では、挿脱口から記録媒体を出し入れする実施例について説明したが、これとは別に挿入口又は排出口を設け、別の口から記録媒体を挿入又は排出させる構成とすることもできる。また、搬送部材としては、前述した搬送ローラに限定されるものではなく、例えば、記録媒体を挟んだり、把持したりして搬送できる各種の搬送機構、搬送部品等を適用できるものである。
【0113】
本発明は、前述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、前記実施例では、ノート型パソコンに適用した例について説明したが、光ディスクや光磁気ディスクを用いた他の電子機器、例えば、デスクトップ型パーソナルコンピュータ、電子辞書、DVDプレーヤ、カーナビゲーションその他各種の電子機器に適用できるものである。更に、前記実施例においては、ベースユニットを上下方向へ回動させて記録媒体のチャッキングとその解除を行う例について説明したが、ベースユニットを平行移動させて記録媒体のチャッキングとその解除を行うように構成することができることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の記録及び/又は再生装置を備えた電子機器の第1の実施の例を示す斜視図である。
【図2】本発明の記録及び/又は再生装置の第1の実施の例を示す斜視図である。
【図3】図2に示した記録及び/又は再生装置に係る第1の搬送機構の上部フレームを取り外した説明図である。
【図4】図2に示した記録及び/又は再生装置に係る第1の搬送機構を分解した斜視図である。
【図5】図2の記録及び/又は再生装置を示すもので、図5Aは正面図、図5Bは右側面図、図5Cは搬送方向に切断した断面図である。
【図6】本発明の記録及び/又は再生装置に大径ディスク及び小径ディスクが挿入される前の状態を示す説明図である。
【図7】本発明の記録及び/又は再生装置に係るベースユニットとスライドプレート及び駆動レバーの関係を説明する平面図である。
【図8】本発明の記録及び/又は再生装置に係るベースユニットとスライドプレートの関係を説明する斜視図である。
【図9】図8に示すベースユニットからベースカバーを取り除いたベースユニットの平面図である。
【図10】本発明の記録及び/又は再生装置に係る第1の搬送機構から第2の搬送機構へ大径ディスク及び小径ディスクが搬送された状態を示す説明図である。
【図11】本発明の記録及び/又は再生装置に係る第2の搬送機構に大径ディスクが搬送された状態を示す説明図である。
【図12】本発明の記録及び/又は再生装置に係る第2の搬送機構に小径ディスクが搬送された状態を示す説明図である。
【図13】本発明の記録及び/又は再生装置に係る搬送機構にディスクを挿入する前の状態を示すもので、図13Aは搬送方向に切断した断面図、図13Bは図13Aの要部を拡大して示す説明図である。
【図14】本発明の記録及び/又は再生装置に係る搬送機構によってディスクを搬送している状態を示すもので、図14Aは搬送方向に切断した断面図、図14Bは図14Aの要部を拡大して示す説明図である。
【図15】本発明の記録及び/又は再生装置に係る搬送機構によるローディング状態を示すもので、図15Aはローディング時の断面図、図15Bは記録再生時の断面図である。
【符号の説明】
【0115】
1…ノート型パーソナルコンピュータ(電子機器)、 2…装置筐体、 3…蓋体、 7,7L,7S…光ディスク(記録媒体)、 10…ディスクドライブ装置(記録及び/又は再生装置)、 11…筐体、 12…ベース部材、 13…回転駆動機構、 14…ピックアップ装置(光ピックアップ)、 15…ピックアップ移動機構、 16…搬送機構、 17…第1の搬送機構、 18…第2の搬送機構、 19…着脱機構、 20…ベースユニット、 21…下部ケース、 21a…底面部、 21b…デッキ部、 22…上部ケース、 24…挿脱口、 32…イジェクトボタン、 40…搬送ローラ(搬送部材)、 41…可動フレーム、 42…上部フレーム、 42a…フレーム板、 42b…摺動ガイド、 43…支持フレーム、 44…ローラ回転駆動部、 45…電動モータ、 46…ギア列、 48…ローラ軸、 55…コイルばね(付勢部材)、 81,82,85,86…回動アーム、 83…ターンテーブル、 92…スピンドルモータ、 115…第1のカムピン、 116…第2のカムピン、 120…スライドプレート、 121…カム溝、 122…操作ピン、 130…駆動レバー、 131…カム溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体が挿入及び/又は排出される挿脱口を設けた筐体と、
前記挿脱口の前記記録媒体が挿入及び/又は排出される挿脱位置と、当該挿脱口から前記筐体の内部に挿入された当該記録媒体が装着される装着部の装着位置との間に記録媒体を搬送する搬送機構と、を備え、
前記搬送機構は、前記挿脱口に挿入及び/又は排出される前記記録媒体の主面と略平行する方向に回転軸が延在されると共に軸方向の長さが当該記録媒体の外径よりも長く、しかも前記主面の外周縁に回転接触して摩擦力で前記記録媒体をその面方向に移動させる搬送部材を有し、
前記搬送部材を、前記装着部に装着された前記記録媒体の外周縁より外側に配置した
ことを特徴とするローディング装置。
【請求項2】
前記搬送機構は、前記記録媒体を前記挿脱位置から前記装着位置に至る前の中間位置まで搬送する第1の搬送機構と、前記記録媒体を前記中間位置から前記装着位置まで搬送する第2の搬送機構と、を備え、
前記搬送部材は搬送ローラであり、
前記第1の搬送機構が前記搬送ローラを有する
ことを特徴とする請求項1記載のローディング装置。
【請求項3】
前記搬送部材は搬送ローラであると共に、当該搬送ローラは、軸方向中央の直径を軸方向両側の直径よりも細くしてゴム又はウレタン系の材料で形成された中細ロールである
ことを特徴とする請求項1記載のローディング装置。
【請求項4】
前記搬送部材は、回転可能に軸支された可動フレームを介して前記筐体に揺動可能に支持されている
ことを特徴とする請求項1記載のローディング装置。
【請求項5】
前記搬送部材は、前記挿脱口を塞ぐ方向へ付勢部材によって付勢されている
ことを特徴とする請求項1記載のローディング装置。
【請求項6】
前記搬送部材は搬送ローラであると共に、当該搬送ローラを回転駆動するローラ回転駆動部を設け、
前記ローラ回転駆動部は、前記搬送ローラを回転駆動する電動モータと、前記電動モータの回転数を減速させて前記搬送ローラに伝達するギア列との組み合わせからなり、
当該ローラ回転駆動部は、前記筐体の側面部に設けた
ことを特徴とする請求項1記載のローディング装置。
【請求項7】
前記筐体は、前記装着部に装着された前記記録媒体の下方に空間部を設定するデッキ部を有し、前記空間部内に前記ローラ回転駆動部を収納した
ことを特徴とする請求項6記載のローディング装置。
【請求項8】
記録媒体が挿入及び/又は排出される挿脱口を設けた筐体と、
前記挿脱口から前記筐体内に挿入された前記記録媒体が着脱可能に装着される装着部を有し且つ当該装着部に装着された記録媒体を回転駆動する回転駆動機構と、
前記回転駆動機構により回転駆動される前記記録媒体に対して情報信号の記録及び/又は再生を行うピックアップ装置と、
前記ピックアップ装置を前記記録媒体の内外周に亘って送り動作させるピックアップ移動機構と、
前記挿脱口の挿脱位置と前記装着部の装着位置との間に前記記録媒体を搬送する搬送機構と、
前記装着位置において前記装着部に対して前記記録媒体を着脱させる着脱機構と、を備え、
前記搬送機構は、前記挿脱口に挿入及び/又は排出される前記記録媒体の主面と略平行する方向に回転軸が延在されると共に軸方向の長さが当該記録媒体の外径よりも大きく、しかも前記主面の外周縁に回転接触して摩擦力で前記記録媒体をその面方向に移動させる搬送部材を有し、
前記搬送部材を、前記装着部に装着された前記記録媒体の外周縁より外側に配置した
ことを特徴とする記録及び/又は再生装置。
【請求項9】
前記搬送機構は、前記記録媒体を前記挿脱位置から前記装着位置に至る前の中間位置まで搬送する第1の搬送機構と、前記記録媒体を前記中間位置から前記装着位置まで搬送する第2の搬送機構と、を備え、
前記搬送部材は搬送ローラであり、
前記第1の搬送機構が前記搬送ローラを有する
ことを特徴とする請求項8記載の記録及び/又は再生装置。
【請求項10】
前記回転駆動機構と前記ピックアップ装置と前記ピックアップ移動機構とをベース部材に搭載してベースユニットを構成し、当該ベースユニットを前記筐体に回動可能に支持し、
前記着脱機構で前記ベースユニットを回動することにより前記記録媒体を前記装着部に装着又は離脱させる
ことを特徴とする請求項8記載の記録及び/又は再生装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2008−152823(P2008−152823A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−337417(P2006−337417)
【出願日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】