説明

ローマンシェード

【課題】第1生地をヘッドレール近傍までたくし上げても、第2生地の見栄えを損わず、また第2生地の製作工数を増大させない。
【解決手段】ヘッドレール16に第1及び第2生地11,12の上端がそれぞれ取付けられ、ヘッドレールから昇降可能に垂下された第1及び第2昇降コード21,22が第1及び第2生地にそれぞれ連結される。第1昇降コード21は第1生地11の後側に配索され、第2昇降コード22は第2生地12の上端を越えて第2生地12の後側に配索される。またヘッドレールの後部下縁に沿いかつ下方に向って延長部材17が突設され、第2生地の上端が延長部材の前面に取付けられる。更に第2生地の正面視で第2昇降コードの垂下部分を含む所定幅に第2生地の上端を延長部材の前面に取付けない非取付部18が設けられ、ヘッドレールから垂下された第2昇降コードが非取付部を通って第2生地の前側から後側に配索される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドレールに上端がそれぞれ取付けられた生地を昇降コードにより昇降させるローマンシェードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、家屋における窓等の開口部に室内側から取付けられるローマンシェードが知られている。このローマンシェードは、ヘッドレールに上端が取付けられた生地を昇降コードにより昇降させるものであって、その生地が開口部を塞ぎ、必要に応じて昇降コードを上昇させて生地をたくし上げることにより、その開口部から採光できるようになっている。そして、近年、2枚の生地を設けたローマンシェードの需要が増加している。そして、2枚の生地を単一のヘッドレールに取付けたローマンシェードとして、ヘッドレールの前面及び後面に第1及び第2生地の上端をそれぞれ取付けたローマンシェードが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このローマンシェードは、ヘッドレールの前面及び後面にそれぞれ生地を取付けることにより、多重生地を使用するローマンシェードとしており、そのヘッドレールからヘッドレールの前面及び後面に取付けられた第1生地と第2生地との間に第1昇降コード及び第2昇降コードの双方を垂下させている。そして、第2生地の上端付近に挿通孔を形成してヘッドレールから垂下された第2昇降コードをその挿通孔に挿通させることにより、その第2昇降コードを第2生地の後面側に配索している。このように構成されたローマンシェードでは、第1昇降コード及び第2昇降コードが第1生地及び第2生地の後面側にそれぞれ配索されるため、正面側から見てそれぞれの昇降コードが露出せず、見栄えを向上できるようになっている。
【特許文献1】特許第3379934号公報(請求項1、明細書[0039]、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の特許文献1に示されたローマンシェードでは、第2生地を下ろした状態で第1生地のみをヘッドレール近傍までたくし上げると、第2生地の上端付近に形成された挿通孔が室内側に露出し、第2生地の見栄えを損う不具合があった。
また、上記従来の特許文献1に示されたローマンシェードでは、第2生地に第2昇降コードの垂下位置に合せて挿通孔を形成しなければならず、第2生地の製作工数が増大する問題点もあった。
更に、上記従来の特許文献1に示されたローマンシェードでは、第1及び第2生地を下ろした状態で第2生地に太陽光等の強い光が当ると、この光が第2生地に形成された挿通孔を通って第1生地にスポットライト状に照射されるため、第1生地が比較的薄い生地であると、上記スポットライト状の強い光が第1生地を透過して室内に侵入してしまう、即ち室内にスポットライト状の光漏れが発生してしまう問題点もあった。
【0005】
一方、上記従来の特許文献1に示されたローマンシェードでは、ヘッドレールを窓等の開口部上方の部屋の壁面又は天井に水平に取付けるのが一般的であるため、室内側に臨むヘッドレールの前面への第1生地の上端の取付け作業は比較的容易であるけれども、部屋の壁面に臨むヘッドレールの後面への第2生地の上端の取付け作業は、ヘッドレールの後面と部屋の壁面との間の隙間が比較的小さいため比較的多くの工数を要する問題点があった。
この点を解消するために、予めヘッドレールの後面に第2生地の上端を取付けた状態でこのヘッドレールを部屋の壁面等に取付けることも考えられる。しかし、予め生地を取付けたヘッドレールを部屋の壁面等に取付ける作業は、生地を取付けていないヘッドレールを部屋の壁面等に取付ける作業と比較して、作業性が著しく低下してしまう。また、このようにしてヘッドレールを部屋の壁面等に取付けた後においても、第1及び第2生地は使用者(居住者)の好みに応じて随時取換えられ、その柄又は模様等が変更されるものであり、ヘッドレールの後面に取付けた第2生地の取換え作業は、上述のようにヘッドレールの後面と部屋の壁面等との間の隙間が比較的小さいことに起因して煩わしくなり、その取換え作業に比較的多くの時間を要する問題点もあった。
【0006】
本発明の目的は、第1生地をヘッドレール近傍までたくし上げても、第2生地の見栄えを損わず、また第2生地の製作工数を増大させず、更に第1及び第2生地を下ろした状態で第2生地に強い光が当っても、室内へのスポットライト状の光漏れを防止できる、ローマンシェードを提供することにある。
本発明の別の目的は、部屋の壁面等に取付けられたヘッドレールから突設された延長部材への第2生地の取付け作業及び取換え作業を極めて容易にすることができる、ローマンシェードを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、図1に示すように、ヘッドレール16と、ヘッドレール16に上端がそれぞれ取付けられた第1及び第2生地11,12と、ヘッドレール16から昇降可能に垂下されて第1及び第2生地11,12にそれぞれ連結された第1及び第2昇降コード21,22とを備えたローマンシェードの改良である。
その特徴ある構成は、ヘッドレール16から垂下された第1昇降コード21は第1生地11の後側に配索され、ヘッドレール16から垂下された第2昇降コード22は第2生地12の上端を越えて第2生地12の後側に配索されたことを特徴とする。
この請求項1に記載されたローマンシェードでは、ヘッドレール16から垂下された第1昇降コード21を第1生地11の後側に配索し、ヘッドレール16から垂下され第2生地12を昇降させる第2昇降コード22を、第2生地12の上端を越えてその後側に配索したので、第2昇降コード22が第1昇降コード21からほぼ完全に分離されて、第2昇降コード22が第1昇降コード21に絡むことはなく、第1生地をヘッドレール近傍までたくし上げても、第2昇降コード22が第2生地12に隠れるので、その第2生地の見栄えを損うことはない。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、第1生地11の上端がヘッドレール16の前面に取付けられ、ヘッドレール16の後部下縁に沿いかつ下方に向って延長部材17が突設され、第2生地12の上端が延長部材17の前面に取付けられ、第2昇降コード22は延長部材17より前側のヘッドレール16から垂下され、第2生地12の正面視で第2昇降コード22の垂下部分を含む所定幅に第2生地22の上端を延長部材17の前面に取付けない非取付部18が設けられ、第2昇降コード22が非取付部18を通って第2生地12の前側から後側に配索されたことを特徴とする。
この請求項2に記載されたローマンシェードでは、ヘッドレール16を部屋の壁面等に取付けた後に、第1及び第2生地11,12をヘッドレール16等に取付けるとき、先ず第2生地12の上端を室内側の広い空間に面する延長部材17の前面に取付けた後に、第1生地11の上端を室内側の広い空間に面するヘッドレール16の前面に取付ける。これにより部屋の壁面等に取付けられたヘッドレールの後面と部屋の壁面との間の比較的小さな隙間からヘッドレールの後面に第2生地を取付けるため、取付け作業が煩わしい従来のローマンシェードと比較して、本発明では、部屋の壁面14等に取付けられたヘッドレール16の延長部材17の前面に第2生地12を極めて容易に取付けることができる。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明であって、延長部材17がヘッドレール16と一体的に設けられかつヘッドレール16の長さと略同一の長さを有する板状に形成されたことを特徴とする。
この請求項3に記載されたローマンシェードでは、延長部材17をヘッドレール16と一体的に設けたので、部品点数が増大しない。また延長部材17をヘッドレール16の長さと略同一の長さを有する板状に形成したので、延長部材17をヘッドレール16とともに押出し成形又は引抜き成形により同時に形成することができる。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項1に係る発明であって、図7に示すように、第1生地114の上端がヘッドレール113の前面に取付けられ、第2生地115の上端がヘッドレール113の後面に取付けられ、第2昇降コード122は第2生地115の上端を越えるようにヘッドレール113の後側に引き出されて第2生地115の後側に垂下されたことを特徴とする。
この請求項4に記載されたローマンシェードでは、第2昇降コード122をアッパ空間113fからヘッドレール113の後側に引き出して第2生地115の後側に直接垂下させるので、従来必要とされた第2昇降コード122を第2生地115の後側に導く挿通孔を必要としない。このため、その挿通孔が不要になり、第2生地115に対して従来必要とされた挿通孔を形成する加工工数を省略することができる。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明であって、ヘッドレール113から垂下された第1昇降コード121の上部がヘッドレール113の内部で長手方向に案内されてヘッドレール113の端部から下方に垂下され、ヘッドレール113から垂下された第2昇降コード122の上部が第1昇降コード121より上方又は下方のヘッドレール113の内部でヘッドレール113の長手方向に案内されてヘッドレール113の端部から下方に垂下されたことを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項4に係る発明であって、第1昇降コード121又は第2昇降コード122のいずれか一方を巻き取るドラム123又は124がヘッドレール113の内部に設けられ、第1昇降コード121又は第2昇降コード122のいずれか他方がヘッドレール113の内部で長手方向に案内されてヘッドレール113の端部から下方に垂下されたことを特徴とする。
【0012】
請求項9に係る発明は、請求項4に係る発明であって、第1昇降コード121を巻取る前側コード用巻取りドラム123と第2昇降コード122を巻取る後側コード用巻取りドラム124が設けられ、ヘッドレール113に前側コード用巻取りドラム123と前側コード用巻取りドラム123の上側に後側コード用巻取りドラム124とが収容されたことを特徴とする。
この請求項5、請求項7及び請求項9に記載されたローマンシェードでは、ヘッドレール113に、第1昇降コード121又は前側コード用巻取りドラム123と、第2昇降コード122又は後側コード用巻取りドラム124を収容するので、ヘッドレール113の幅は単一の巻取りドラムを収容するヘッドレールと同等とすることができ、第1生地114が室内に突出する量が増大するような事態を防止することができる。
【0013】
請求項6に係る発明は、請求項5に係る発明であって、第2昇降コード122の上部が第1昇降コード121より上方のヘッドレール113の内部でヘッドレール113の長手方向に案内され、ヘッドレール113に内部を上下に2分する仕切壁113eが設けられ、仕切壁113eによりヘッドレール113の内部に長手方向に伸びる第1昇降コード121を収容するロア空間113gとロア空間113gの上側に長手方向に伸びる第2昇降コード122を収容するアッパ空間113fとが形成されたことを特徴とする。
請求項8に係る発明は、請求項7に係る発明であって、ヘッドレール113に内部を上下に2分する仕切壁113eが設けられ、仕切壁113eによりヘッドレール113の内部に長手方向に伸びる第1昇降コード121又は第1昇降コード121を巻取るドラム123を収容するロア空間113gと、ロア空間113gの上側に第2昇降コード122を巻取るドラム124又は長手方向に伸びる第2昇降コード122を収容するアッパ空間113fとが形成されたことを特徴とする。
【0014】
請求項10に係る発明は、請求項9に係る発明であって、ヘッドレール113に内部を上下に2分する仕切壁113eが設けられ、仕切壁113eによりヘッドレール113の内部に前側コード用巻取りドラム123を収容するロア空間113gと、ロア空間113gの上側に後側コード用巻取りドラム124を収容するアッパ空間113fとが形成されたことを特徴とする。
この請求項6、請求項8及び請求項10に記載されたローマンシェードでは、仕切壁113eにより仕切られたロア空間113gに第1昇降コード121又は前側コード用巻取りドラム123を収容し、仕切壁113eにより仕切られたアッパ空間113fに第2昇降コード122又は後側コード用巻取りドラム124を収容するので、それらが互いに緩衝することを防止することができる。
【0015】
請求項11に係る発明は請求項6、8又は10に係る発明であって、アッパ空間113fからヘッドレール113の後側に引き出された第2昇降コード122を第2生地115の後側に導くガイド部材126dが設けられたことを特徴とする。
この請求項11に記載されたローマンシェードでは、ガイド部材126dがヘッドレール113の後側に引き出された第2昇降コード122を第2生地115の後側に導くので、第2昇降コード122と第2生地115の摩擦抵抗が必要以上に大きくなることを回避することができる。このため、第2生地115を昇降させる際の操作荷重を低減させることができる。
【発明の効果】
【0016】
以上述べたように、本発明によれば、ヘッドレールから垂下された第1昇降コードを第1生地の後側に配索し、ヘッドレールから垂下され第2生地を昇降させる第2昇降コードを、第2生地の上端を越えてその後側に配索したので、第2昇降コードが第1昇降コードからほぼ完全に分離されて、第2昇降コードが第1昇降コードに絡まない。なた、第1昇降コードを昇降させたときにも第2昇降コードは第2生地の後側にあるので、第2生地の見栄えを悪化させるようなことはない。この場合、第2生地の上端が延長部材の前面に取付けられていない非取付部に通し、第2生地の前側から後側に導いて第2生地の後側に配索するようにすれば、第2昇降コードを昇降させたときに、第1生地が意に反して昇降することがなく、第2生地のみを確実に昇降させることができる。また、第1及び第2生地の上端をヘッドレールの前面及び延長部材の前面にそれぞれ取付けるように構成したので、ヘッドレールを部屋の壁面等に取付けた後に、第1及び第2生地をヘッドレールに取付けるとき、先ず第2生地の上端を室内側の広い空間に面する延長部材の前面に取付けた後に、第1生地の上端を室内側の広い空間に面するヘッドレールの前面に取付けることにより、第1生地の取付け作業性のみならず、第2生地の取付け作業性も向上する。
【0017】
また第2生地を下ろした状態で第1生地のみをヘッドレール近傍までたくし上げたときに、第2生地の上端付近に形成された挿通孔が室内側に露出して見栄えを損うとともに第2生地の製作工数が増大する従来のローマンシェードと比較して、本発明のローマンシェードでは、第2生地の上端付近に挿通孔が形成されていないため、第2生地を下ろした状態で第1生地のみをヘッドレール近傍までたくし上げても、第2生地の見栄えを損うことはなく、第2生地の製作工数が増大することもない。また第1及び第2生地を下ろした状態で第2生地に太陽光等の強い光が当ったときに、第2生地に形成された挿通孔を通ったスポットライト状の強い光が第1生地を透過して、室内にスポットライト状の光漏れが発生する従来のローマンシェードと比較して、本発明のローマンシェードでは、第2生地に挿通孔が形成されていないため、第1及び第2生地を下ろした状態で第2生地に太陽光等の強い光が当っても、第1生地にスポットライト状の強い光が照射されず、室内にスポットライト状の光漏れが発生することはない。
【0018】
また部屋の壁面等にヘッドレールを取付けた後にこのレールの後面に第2生地を取付ける場合や、この第2生地を取換える場合に、ヘッドレールの後面と部屋の壁面との隙間が比較的小さいため上記第2生地のヘッドレール後面への取付け又は取換え作業が煩わしい従来のローマンシェードと比較して、本発明のローマンシェードでは、第2生地を室内側の広い空間に面する延長部材の前面に取付けるため、ヘッドレールから突設された延長部材の前面への第2生地の取付け又は取換え作業が極めて容易になる。
更に延長部材をヘッドレールと一体的に設けかつヘッドレールの長さと略同一の長さを有する板状に形成すれば、部品点数を増大させず、かつヘッドレール及び延長部材の加工工数を殆ど増大させずに済む。
【0019】
一方、第1生地の上端をヘッドレールの前面に取付け、第2生地の上端をヘッドレールの後面に取付け、第2昇降コードが第2生地の上端を越えるようにヘッドレールの後側に引き出されて第2生地の後側に垂下させても、従来必要とされた第2昇降コードを第2生地の後側に導く挿通孔を必要としない。このため、その挿通孔が不要になり、第2生地に対して従来必要とされた挿通孔を形成する加工工数を省略することができる。この場合、ヘッドレールに、第1昇降コード又は前側コード用巻取りドラムと、第2昇降コード又は後側コード用巻取りドラムを収容するようにすれば、ヘッドレールの幅は単一の巻取りドラムを収容するヘッドレールと同等とすることができ、第1生地が室内に突出する量が増大するような事態を防止することができる。そして、仕切壁により仕切られたロア空間に第1昇降コード又は前側コード用巻取りドラムを収容し、仕切壁により仕切られたアッパ空間に第2昇降コード又は後側コード用巻取りドラムを収容するようにすれば、それらが互いに緩衝することを防止することができる。更に、アッパ空間からヘッドレールの後側に引き出された第2昇降コードを第2生地の後側に導くガイド部材を設ければ、そのガイド部材がヘッドレールの後側に引き出された第2昇降コードを第2生地の後側に導くので、第2昇降コードと第2生地の摩擦抵抗が必要以上に大きくなることを回避することができる。このため、第2生地を昇降させる際の操作荷重を低減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に本発明を実施するための最良の第1の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図4に示すように、ローマンシェード10は、固定用ブラケット13を介して部屋の壁面14に取付けられたヘッドレール16と、このヘッドレール16に上端がそれぞれ取付けられヘッドレール16の長さと略同一の幅を有する第1及び第2生地11,12と、ヘッドレール16から昇降可能に垂下されて第1及び第2生地11,12にそれぞれ連結された第1及び第2昇降コード21,22とを備える。ヘッドレール16はアルミニウム合金等の金属の押出し成形又は引抜き成形により横断面略逆U字状に形成され、天板部16aと、天板部16aの前縁から垂下された前壁16bと、天板部16aの後縁から垂下された後壁16cとを有する。
【0021】
図1及び図2に詳しく示すように、ヘッドレール16の前面、即ちヘッドレール16の前壁16bの前面には、第1生地11が第1面ファスナ31を介してを取付けられる。第1面ファスナ31は、ヘッドレール16の長さと略同一の長さを有する比較的厚い硬質プラスチック等により形成された第1帯状板31aと、この第1帯状板31aの表面に密集した状態で並んで設けられた多数の第1鉤状突起31bと、第1生地11の幅と略同一の長さを有する第1帯状布31cと、この第1帯状布31cの表面に密集した状態で並んで設けられ第1鉤状突起31bに離脱可能に係止する多数の第1リング状突起31dとを有する。またヘッドレール16の前壁16bの上部及び中央下部には、上記第1帯状板31aの上縁及び下縁をそれぞれ保持する一対の第1フック16d,16dがそれぞれヘッドレール16の長手方向に延びて設けられ、第1生地11の後面上縁には上記第1帯状布31cが縫付けられる。これにより第1生地11の上端がヘッドレール16の前面に離脱可能に取付けられる。なお、上記一対のフック16d,16dはヘッドレール16と一体的に設けられる。
【0022】
一方、ヘッドレール16の後部には延長部材17が設けられる。この延長部材17はヘッドレール16の後壁16cの下縁に沿いかつ下方に向って突設される。また延長部材17は、ヘッドレール16と一体的に設けられ、かつヘッドレール16の長さと略同一の長さを有する略逆く字型の板状に形成される。上記延長部材17の前面下部には第2生地12が第2面ファスナ32を介してを取付けられる。第2面ファスナ32は、上記第1面ファスナ31と略同様に構成され、比較的厚い硬質プラスチック等により形成された第2帯状板32aと、この第2帯状板32aの表面に密集した状態で並んで設けられた多数の第2鉤状突起32bと、第2帯状布32cと、この第2帯状布32cの表面に密集した状態で並んで設けられ第2鉤状突起32bに離脱可能に係止する多数の第2リング状突起32dとを有する。
【0023】
また延長部材17の中央及び下部には、上記第2帯状板32aの上縁及び下縁をそれぞれ保持する一対の第2フック17a,17aがそれぞれ延長部材17の長手方向に延びて設けられ、第2生地12の後面上縁には上記第2帯状布32cが縫付けられる。更に上記第2面ファスナ32は、所定幅の非取付部18を除いた延長部材17の下部前面及び第2生地12の後面上縁に、延長部材17の長手方向及び第2生地12の幅方向にそれぞれ延びて設けられる。非取付部18は第2生地12の正面視でコード挿通部材19から垂下された第2昇降コード22の垂下部分を含む所定幅の隙間、即ち第2生地12の上端を延長部材17の前面に取付けない部分である。これにより第2生地12の上端は延長部材17の下部前面に離脱可能に取付けられる。なお、上記一対の第2フック17a,17aはヘッドレール16と一体的に設けられる。また上記非取付部18の所定幅は第2生地12の厚さや第2昇降コード22の太さにもよるけれども、1〜10cm、好ましくは2〜5cmの範囲に設定される。非取付部18の所定幅を1〜10cmの範囲に限定したのは、1cm未満では第2昇降コード22がスムーズに昇降できず、10cmを越えると第2生地12の上縁の一部が延長部材17から離れて第2生地12の見栄えを損うからである。
【0024】
一方、ヘッドレール16の天板部16aと前壁16bと後壁16cにより囲まれた空間16eには、複数(図3の例では2個)のコード挿通部材19がヘッドレール16の長手方向の任意の位置に収容される。コード挿通部材19は上記ヘッドレール16の空間に離脱可能にはめ込まれ、この空間16eがコード挿通部材19によりロア空間16f及びアッパ空間16gに分割されるように構成される。図1及び図2に示すように、ロア空間16fには複数本の第1昇降コード21が挿通される。これらの第1昇降コード21の一端部は、対応する所定のコード挿通部材19から垂下され、第1生地11の後面に鉛直方向に所定の間隔をあけて取付けられた複数の第1コードリング41に挿通されて鉛直下方に配索された後、第1生地11の下端に取付けられた第1ウエイトバー51又は最下端の第1コードリング41に連結される(図4では最下端の第1コードリング41に連結される場合を示す。)。また第1昇降コード21の他端部は、コード挿通部材19に挿通されてロア空間16fを右方向に導かれて、ヘッドレール16の右端下部に設けられた停止手段であるストッパ23に挿通された後、ストッパ23から垂下されて第1操作つまみ61に連結される。
【0025】
一方、上記アッパ空間16gには、複数本の第2昇降コード22が挿通される。これらの第2昇降コード22の一端部は、対応する所定のコード挿通部材19から垂下され、第2生地12と延長部材17との間に形成された所定幅の非取付部18に挿通された後に、第2生地12の後面に鉛直方向に所定の間隔をあけて取付けられた複数の第2コードリング42に挿通されて鉛直下方に配索され、更に第2生地12の下端に取付けられた第2ウエイトバー52又は最下端の第2コードリング42に連結される(図4では最下端の第2コードリング42に連結される場合を示す。)。また第2昇降コード22の他端部は、コード挿通部材19に挿通されてアッパ空間16gを右方向に導かれてストッパ23に挿通された後、ストッパ23から垂下されて第2操作つまみ62に連結される。
【0026】
上記ストッパ23は、第1及び第2操作つまみ61,62が設けられた側の第1及び第2昇降コード21,22の上昇をそれぞれ禁止又は許容するように構成される。具体的には、第1操作つまみ61が設けられた側の第1昇降コード21を下降させた後に上昇させると、ストッパ23は第1昇降コード21の上昇を禁止し、上昇が禁止された第1昇降コード21を一旦下降させると再び第1昇降コード21の上昇を許容するように構成される。即ち、第1操作つまみ61が設けられた側の第1昇降コード21を上昇させると、ヘッドレール16のコード挿通部材19から垂下されて第1生地11に連結された側の第1昇降コード21が下降し、逆に第1操作つまみ61が設けられた側の第1昇降コード21を下降させると、第1生地11に連結された側の第1昇降コード21が上昇して第1生地11をたくし上げることができるように構成される。
【0027】
一方、第2操作つまみ62が設けられた側の第2昇降コード22を下降させた後に上昇させると、ストッパ23は第2昇降コード22の上昇を禁止し、上昇が禁止された第2昇降コード22を一旦下降させると再び第2昇降コード22の上昇を許容するように構成される。即ち、第2操作つまみ62が設けられた側の第2昇降コード22を上昇させると、ヘッドレール16のコード挿通部材19から垂下されて第2生地12に連結された側の第2昇降コード22が下降し、逆に第2操作つまみ62が設けられた側の第2昇降コード22を下降させると、第2生地12に連結された側の第2昇降コード22が上昇して第2生地12をたくし上げることができるように構成される。上述のように、第1及び第2昇降コード21,22はそれぞれが別個独立して上下動させることができるけれども、第1及び第2操作つまみ61,62の上側で第1及び第2昇降コード21,22が連結部材24により連結され、この連結部材24を操作することにより第1及び第2昇降コード21,22を同時に上下動させることができるようになっている。
【0028】
一方、固定用ブラケット13は、前爪71aが形成された第1ブロック体71と、後爪72aが形成された第2ブロック体72とを有する。第2ブロック体72は第1ブロック体71に対して前後方向に移動するように構成され、前爪71a及び後爪72aはヘッドレール16を前後から把持するように構成される。また第1ブロック体71は部屋の壁面14に木ねじ26により固定される(図4)。更にヘッドレール16の天板部16aの前端及び後端には、前爪71a及び後爪72aがそれぞれ係止する前側係止部16h及び後側係止部16iがそれぞれ設けられる。第2ブロック体72は図示しないバネにより前爪71aを後爪72aに近付ける方向に付勢され、前爪71a及び後爪72aでヘッドレール16を前後から保持することによりヘッドレール16は部屋の壁面14に対し略水平に固定される(図4)。なお、前側係止部16h及び後側係止部16iはヘッドレール16と一体的に設けられ、前側係止部16hは第1面ファスナ31の第1帯状板31aの上縁を保持する第1フック16dを兼ねる。
【0029】
このように構成されたローマンシェード10の使用方法を説明する。
第1又は第2生地11,12を昇降させるには、第1又は第2生地11,12に対応してヘッドレール16の右側に配設された第1又は第2操作つまみ61,62を操作することにより行う。例えば、第1生地11を上昇させる場合には、第1操作つまみ61を下方に引張ることにより、この第1操作つまみ61が設けられた側の第1昇降コード21が引き下ろされるとともに、第1生地11に連結された側の第1昇降コード21が上昇して第1ウエイトバー51が上昇する。このとき第1生地11は互いに隣接する第1コードリング41間でひだを形成しながら、たくし上げられる。第1操作つまみ61を下方に引張る力を緩めると、ストッパ23が第1昇降コード21の上昇を禁止し、第1生地11がたくし上げられた状態に保持される。一方、第1生地11を下降させる場合には、第1操作つまみ61を少し下方に引張って、第1操作つまみ61が設けられた側の第1昇降コード21の上昇を許容した後、第1操作つまみ21を徐々に上げる。これにより第1生地11に連結された側の第1昇降コード21が第1ウエイトバー51及び第1生地11の自重により下降する。また第2生地12は第2操作つまみ62を上記第1操作つまみ61と同様に操作することにより昇降できる。なお、この実施の形態では、ヘッドレールを固定用ブラケットを介して部屋の壁面に取付けたが、ヘッドレールを固定用ブラケットを介して部屋の天井面に取付けてもよい。
【0030】
このように構成されたローマンシェード10では、第1生地11の上端をヘッドレール16の前面に取付け、第2生地12の上端を延長部材17の前面に取付ける、即ちヘッドレール16を部屋の壁等に取付けた状態で、第2生地12の上端を室内側の広い空間に面する延長部材17の前面に取付けた後に、第1生地11の上端を室内側の広い空間に面するヘッドレール16の前面に取付ける。この結果、部屋の壁面等に取付けたヘッドレールの後面と部屋の壁面との間の比較的小さな隙間からヘッドレールの後面に第2生地を取付ける従来のローマンシェードと比較して、本発明のローマンシェード10では、第1生地11の取付け作業性のみならず、第2生地12の取付け作業性も向上する。またヘッドレール16から垂下された第1昇降コード21を第1生地11の後側に配索し、ヘッドレール16から垂下され第2生地12を昇降させる第2昇降コード22を、第2生地12の上端が延長部材17の前面に取付けられていない非取付部18に通し、第2生地12の前側から後側に導いて第2生地12の後側に配索したので、第2昇降コード22が第1昇降コード21からほぼ完全に分離されて、第2昇降コード22が第1昇降コード21に絡まない。この結果、第2昇降コード22を昇降させたときに、第1生地11が意に反して昇降することがなく、第2生地12のみを確実に昇降させることができる。換言すれば、第2生地12を昇降させる第2昇降コード22における機能に支障を生じさせず、第2生地12をたくし上げる際に第1生地11が干渉して同時にたくし上げられるような事態を有効に回避することができる。
【0031】
また従来のローマンシェードでは、第2生地を下ろした状態で第1生地のみをヘッドレール近傍までたくし上げたときに、第2生地の上端付近に形成された挿通孔が室内側に露出して見栄えを損うとともに、上記第2生地に挿通孔を形成する工数が増大する問題点があった。これに対し、本発明のローマンシェード10では、第2生地12の上端付近に挿通孔が形成されていないため、第2生地12を下ろした状態で第1生地11のみをヘッドレール16近傍までたくし上げても、第2生地12の見栄えを損うことはなく、第2生地12の製作工数が増大することもない。また従来のローマンシェードでは、第1及び第2生地を下ろした状態で第2生地に太陽光等の強い光が当ったときに、第2生地に形成された挿通孔を通して第1生地にスポットライト状の強い光が照射され、室内にスポットライト状の光漏れが発生する問題点があった。これに対し、本発明のローマンシェード10では、第2生地12に挿通孔が形成されていないため、第1及び第2生地11,12を下ろした状態で第2生地12に太陽光等の強い光が当っても、第1生地11にスポットライト状の強い光が照射されず、室内にスポットライト状の光漏れが発生することはない。
【0032】
更に上記第1及び第2生地11,12は、家屋の窓等の開口部(図示せず)を室内側から覆うものであって、全く同じ生地としてもよいが、例えば、第2生地12を不透明生地とし、第1生地11を暗幕生地とすることにより、2枚の生地11,12で遮光効果を持たせるようにすることができる。但し、この組合せに限らず、一方の生地11又は12を透けて見える生地、他方の生地12又は11を不透明生地としたり、或いは2枚の生地11,12を互いに異なる柄の生地とするなど、種々の組合せとすることが可能である。このため、ヘッドレール16を部屋の壁面等に取付けた後においても、第1及び第2生地11,12は使用者の好みに応じて随時取換えられ、その柄又は模様等が変更される。ここで、従来のローマンシェードでは、ヘッドレールの後面と部屋の壁面との間の隙間が比較的小さいため、ヘッドレールの後面に取付けられた第2生地を取換える作業が比較的煩わしく、その取換え作業に多くの時間を要する問題点があった。これに対し、本発明のローマンシェード10では、第2生地12の上端を室内側の広い空間に面する延長部材17の前面に取付けるので、第2生地12の上端の延長部材17の前面への取換え作業は極めて容易になる。
【0033】
なお、上記第1の実施の形態では、コード挿通部材19により分割されたロア空間16fに第1昇降コード21を挿通し、アッパ空間16gに第2昇降コード22を挿通した例を示したが、コード挿通部材19により分割されたロア空間16fに第2昇降コード22を挿通し、アッパ空間16gに第1昇降コード21を挿通しても良い。
【0034】
また、上記第1の実施の形態では、第1昇降コードをヘッドレールの内部でその長手方向に案内し、ヘッドレールの端部から下方に垂下したが、図5及び図6に示すように、ヘッドレール16の内部に第1昇降コード21を繰出し可能に巻取る複数のドラム91を設け、これらのドラム91を回転させることにより第1昇降コード21を上下動させるように構成してもよい。具体的には、ヘッドレール16内にこのレール16の長手方向に所定の間隔をあけて複数のドラム受け92が固定され、これらのドラム受け92にドラム91が回転可能に保持される。また各ドラム91には、第1昇降コード21の他端が巻取り可能かつ繰出し可能に連結される。第1昇降コード21の一端部は、対応する所定のドラム91から垂下され、第1生地11の後面に鉛直方向に所定の間隔をあけて取付けられた複数の第1コードリング41を挿通されて鉛直下方に配索された後、第1生地11の下端に取付けられた第1ウエイトバー51又は最下端の第1コードリング41に連結される。各ドラム91には単一の回転軸93が挿通され、これらのドラム91は回転軸93とともに回転するように構成される。回転軸93はヘッドレール16内にこのレール16の長手方向に延びて設けられ、その左端が第1操作部95に連結される。第1操作部95はケース95aに収容され、スプロケット(図示せず)と、このスプロケットの下部に配置される係止部(図示せず)と、そのスプロケットに巻き掛けられケース95aの下端から垂下された操作チェーンと95bからなる。このように構成されたローマンシェード90では、操作チェーン95bを操作すると、スプロケット及び回転軸93が回転し、更にドラム91が回転して、第1生地11が昇降する。
【0035】
一方、各ドラム受け92にはヘッドレール16の前後方向に延びるピン94が回転可能にそれぞれ取付けられ、これらのピン94には複数本の第2昇降コード22がそれぞれ掛けられる。これらの第2昇降コード22の一端部は、対応する所定のピン94から垂下され、第2生地12と延長部材17との間に形成された所定幅の非取付部18に挿通された後に、第2生地12の後面に鉛直方向に所定の間隔をあけて取付けられた複数の第2コードリング42に挿通されて鉛直下方に配索され、更に第2生地12の下端に取付けられた第2ウエイトバー52又は最下端の第2コードリング42に連結される。また第2昇降コード22の他端部は、ヘッドレール16内を右方向に導かれてストッパ23に挿通された後、ストッパ23から垂下されて第2操作つまみ62に連結される。第2生地12は第2操作つまみ62を操作することにより上記実施の形態と略同様に昇降される。なお、ヘッドレール内のドラムに第2昇降コードを繰出し可能に巻取り、これらのドラムを回転させることにより第2昇降コードを上下動させるように構成してもよい。また図5及び図6において図1及び図3と同一符号は同一部品を示す。
【0036】
また、この図5及び図6では、ヘッドレール16の内部に設けられた複数のドラム91が第1昇降コード21を繰出し可能なものとして説明したが、これらのドラム91により第2昇降コード22を繰出し可能として、このドラム91を回転させることにより第2昇降コード22を上下動させるように構成し、第1昇降コード21をヘッドレールの内部で長手方向に伸びて案内するようにしても良い。
更に、図示しないが、ヘッドレール16の内部に第1昇降コード21を繰出し可能に巻取る複数のドラム91と、第2昇降コード21を繰出し可能に巻取る複数のドラムのそれぞれを設け、これらのドラムを回転させることにより第1及び第2昇降コード21,22をそれぞれ上下動させるように構成してもよい。
【0037】
次に本発明の第2の実施の形態を図7〜図9に基づいて説明する。
図7及び図8に示すように、ローマンシェード110は、固定用ブラケット111を介して部屋の壁面112(図7)に取付けられたヘッドレール113を備える。このヘッドレール113はアルミニウム合金等の金属の押出し成形又は引抜き成形により形成され、図7に詳しく示すように、天板部113aと、天板部113aの前縁から垂下された前壁113bと、天板部113aの後縁から垂下された後壁113cとを有する。天板部113aと前壁113bと後壁113cにより囲まれた空間は仕切壁113eにより上下に2分され、ヘッドレール113の内部空間はその仕切壁113eにより仕切壁113eの上側にアッパ空間113fが形成され、その仕切壁113eの下側にロア空間113gが形成される。そして、アッパ空間113fの後側における後壁113cには、長手方向に連続する後側スリット113nが形成される。また、ロア空間113gには、その下側にヘッドレール113の長手方向に連続する下側スリット113kが形成される。一方、固定用ブラケット111は、前爪111a及び係止凸部111bが形成された前側ブロック体111cと、その前側ブロック体111cに対して前後方向に移動するように構成され後爪111dとを有する。そして、前側ブロック体111cが部屋の壁面112に木ねじ111eにより固定される。
【0038】
ヘッドレール113の天板部113aの前端には、前爪111a及び係止凸部111bがそれぞれ係止する前側係止部113h及び係止凹溝113mがそれぞれ設けられ、その天板部113aの後端には、後爪111dが係止する後側係止部113iが設けられる。後爪111dは図示しないバネにより前爪111aに近付ける方向に付勢され、前側係止部113h及び係止凹溝113mに前爪111a及び係止凸部111bをそれぞれ係止させた状態で後側係止部113iに後爪111dを係止させることによりヘッドレール113は部屋の壁面112に対して固定可能に構成される。なお、前側係止部113h、係止凹溝113m及び後側係止部113iはヘッドレール113と一体的に設けられる。
【0039】
図7及び図8に示すように、ローマンシェード110は、このヘッドレール113に上端がそれぞれ取付けられヘッドレール113の長さと略同一の幅を有する第1及び第2生地114,115を備える。ヘッドレール113の前面、即ちヘッドレール113の前壁113bの前面上部には、第1生地114が前側面ファスナ116を介してを取付けられる。図7に詳しく示すように、前側面ファスナ116は、ヘッドレール113の長さと略同一の長さを有する比較的厚い硬質プラスチック等により形成された前側帯状板116aと、第1生地114の幅と略同一の長さを有する前側帯状布116bを有する。そして、図示しないが、前側帯状板116aの表面には図示しない前側鉤状突起が密集した状態で並んで設けられ、前側鉤状突起に離脱可能に係止する多数の図示しない前側リング状突起が前側帯状布116bの表面に密集した状態で並んで設けられる。またヘッドレール113の前壁113bの上部及び中央部には、上記前側帯状板116aの上縁及び下縁をそれぞれ保持する一対の前側フック113d,113dがそれぞれヘッドレール113の長手方向に延びて設けられ、第1生地114の後面上縁には上記前側帯状布116bが縫付けられる。これにより第1生地114の上端がヘッドレール113の前面に離脱可能に取付けられる。なお、上記一対の前側フック113d,113dはヘッドレール113と一体的に設けられる。
【0040】
一方、ヘッドレール113の後面、即ちヘッドレール113の後壁113cの後面下部には、第2生地115が後側面ファスナ117を介して取付けられる。後側面ファスナ117は、上記前側面ファスナ116と略同様に構成され、比較的厚い硬質プラスチック等により形成された後側帯状板117aと、後側帯状布117bを備える。そして、図示しないが、この後側帯状板117aの表面には多数の後側鉤状突起が密集した状態で並んで設けられ、この後側鉤状突起に離脱可能に係止する多数の後側リング状突起が後側帯状布117bの表面に密集した状態で並んで設けられる。またヘッドレール113の後壁113cの中央部及び下部には、上記後側帯状板117aの上縁及び下縁をそれぞれ保持する一対の後側フック113j,113jがそれぞれヘッドレール113の長手方向に延びて設けられ、第2生地115の前面上縁には上記後側帯状布117bが縫付けられる。これにより第2生地111の上端がヘッドレール113の後面下部に離脱可能に取付けられる。なお、上記一対の後側フック113j,113jはヘッドレール113と一体的に設けられる。
【0041】
更に、ローマンシェード110は、ヘッドレール113から昇降可能に垂下されて第1及び第2生地114,115にそれぞれ連結された第1及び第2昇降コード121,122とを備える。一方、ヘッドレール113の内部であって仕切壁113eの下側に形成されたロア空間113gには、第1昇降コード121を繰出し可能に巻取る複数の前側コード用巻取りドラム123が設けられ、ヘッドレール113の内部であって仕切壁113eの上側に形成されたアッパ空間113fには、第2昇降コード122を繰出し可能に巻取る複数の後側コード用巻取りドラム124が設けられる。そして、前側コード用巻取りドラム123を回転させることにより第1昇降コード121が上下動するように構成され、後側コード用巻取りドラム124を回転させることにより第2昇降コード122が上下動するように構成される。
【0042】
ここで、前側コード用巻取りドラム123と後側コード用巻取りドラム124は同一構造であり、それらは同一構造のドラム受け125,126によりそれぞれ支持される。そして、前側コード用巻取りドラム123を先に説明すると、図8及び図9に詳しく示すように、ロア空間113g内にはヘッドレール113の長手方向に所定の間隔をあけて複数のドラム受け125が固定され、これらのドラム受け125に前側コード用巻取りドラム123が回転可能に保持される。ドラム受け125は、前側コード用巻取りドラム123の両端を枢支する一対の支持部125a,125bと、その一対の支持部125a,125bを連結する本体部125cを備える。その本体部125cの一端には、前側コード用巻取りドラム123に上部が巻回された第1昇降コード121が遊挿されてその第1昇降コード121をロア空間113gからその外部であるヘッドレール113の下方に導き出すガイド部材125dが一体的に形成される。本体部125cの一端に形成されるガイド部材125dは、断面が方形状であって第1昇降コード121が遊挿される孔を有する筒体である。そして、そのガイド部材125dには、その方形状の孔を114分割するように直交するガイドピン125e,125eが設けられる。
【0043】
また、その本体部125cの他端には、この本体部125cをロア空間113gの任意の位置に固定する固定ハンドル125fが設けられる。固定ハンドル125fの詳細は省略するけれども、この固定ハンドル125fは、90度回転させることによりこのドラム受け125をロア空間113gの内部でヘッドレール113の長手方向に移動させることが可能に構成され、その固定ハンドル125fを逆方向に90度回転させて元に戻すことによりこの本体部125cをロア空間113gに固定できるように構成される。
【0044】
ヘッドレール113におけるロア空間113gの下側に形成された下側スリット113kはヘッドレール113の長手方向にガイド部材125dが挿入可能に構成され、この下側スリット113kにガイド部材125dを進入させるようにロア空間113g内にドラム受け125を挿入し、任意の位置で固定ハンドル125fを元に戻すことにより、ヘッドレール113の長手方向に所定の間隔をあけて複数のドラム受け125は固定される。
【0045】
図7に示すように、ロア空間113gの任意の位置に固定されたドラム受け125に保持された前側コード用巻取りドラム123には、その前側コード用巻取りドラム123とともに回転するけれども、軸方向には摺動するリング123aが外嵌され、そのリング123aに第1昇降コード121の他端が連結される。第1昇降コード121は、対応する所定の前側コード用巻取りドラム123からガイド部材125dに遊挿されてロア空間113gからその外部であるヘッドレール113の下方に導き出されて垂下される。一方、第1生地114の後面には、鉛直方向に所定の間隔をあけて複数の前側コードリング127が取付けられる。ロア空間113gから垂下された第1昇降コード121は、前側コードリング127に挿通されて鉛直下方に配索され、その後、第1生地114の最下端の前側コードリング138にその下端が連結される。
【0046】
各前側コード用巻取りドラム123には単一の下段用回転軸129が挿通され、これらの前側コード用巻取りドラム123は下段用回転軸129とともに回転するように構成される。図8に示すように、下段用回転軸129はヘッドレール113のロア空間113gを長手方向に延びて設けられ、その一端は前側操作部131に連結され、その他端はストッパ132に連結される。前側操作部131はケース131aに収容され、スプロケット131bと、このスプロケット131bに巻き掛けられケース131aの下端から垂下された操作チェーン131cとからなる。そして、操作チェーン131cを上下に移動させることによりスプロケット131bは下段用回転軸129とともに回転し、下段用回転軸129が回転することにより前側コード用巻取りドラム123も回転して第1昇降コード121を昇降させるように構成される。
【0047】
下段用回転軸129の左端に連結されたストッパ132は、第1昇降コード121を繰出すような前側コード用巻取りドラム123の回転を禁止又は許容するように構成される。具体的には、操作チェーンと131cを操作して下段用回転軸129とともに前側コード用巻取りドラム123を回転させて第1昇降コード121を上昇させた後に下降させると、ストッパ132は第1昇降コード121を繰出すような前側コード用巻取りドラム123の回転を禁止し、この状態から第1昇降コード121を再び上昇させるように前側コード用巻取りドラム123を若干回転させた後に第1昇降コード121を再び下降させると、第1昇降コード121を繰出すような前側コード用巻取りドラム123の回転を許容するように構成される。そして、操作チェーン131cを操作して第1昇降コード121を上昇させると、第1昇降コード121に連結された第1生地114をたくし上げることができるように構成される。
【0048】
一方、アッパ空間113f内にはヘッドレール113の長手方向に所定の間隔をあけて複数のドラム受け126が固定される。このドラム受け126はロア空間113gに固定されたものと同一構造のものであって、これらのドラム受け126に後側コード用巻取りドラム124が回転可能に保持される。このドラム受け126は、前側コード用巻取りドラム123を保持するものと同一であるので繰り返しての説明を省略する。
【0049】
図7に示すように、アッパ空間113fの後側に形成された後側スリット113nは、ヘッドレール113の長手方向にドラム受け126におけるガイド部材126dが挿入可能に構成され、この後側スリット113nにガイド部材126dを進入させるようにアッパ空間113f内にドラム受け126を挿入し、任意の位置で固定ハンドル126fを元に戻すことにより、ヘッドレール113の長手方向に所定の間隔をあけて複数のドラム受け126が固定される。
【0050】
アッパ空間113fの任意の位置に固定されたドラム受け126に保持された後側コード用巻取りドラム124には、その後側コード用巻取りドラム124とともに回転するけれども、軸方向には摺動するリング124aが外嵌され、そのリング124aに第2昇降コード122の他端が連結される。第2昇降コード122は、対応する所定の後側コード用巻取りドラム124からガイド部材126dに遊挿されてアッパ空間113fから後側スリット113nを通過してその外部であるヘッドレール113の後方に導き出される。ここで、ドラム受け126に形成されたガイド部材126dは、アッパ空間113fからヘッドレール113の後側に引き出された第2昇降コード122を第2生地115の後側に導き、第2昇降コード122はアッパ空間113fから第2生地115の上端を越えるようにヘッドレール113の後側に引き出されて第2生地115の後側に垂下される。
【0051】
一方、第2生地115の後面には、鉛直方向に所定の間隔をあけて複数の後側コードリング133が取付けられる。アッパ空間113fから第2生地115の上端を越えるようにヘッドレール113の後側に引き出されて垂下された第2昇降コード122は、後側コードリング133に挿通されて鉛直下方に配索され、その後、第2生地115の最下端の後側コードリング139にその下端が連結される。
【0052】
図8に示すように、各後側コード用巻取りドラム124には単一の上段用回転軸136が挿通され、これらの後側コード用巻取りドラム124は上段用回転軸136とともに回転するように構成される。図9に示すように、上段用回転軸136はヘッドレール113のアッパ空間113fを長手方向に延びて設けられ、その一端は後側操作部137に連結され、その他端はストッパ132に連結される(図9)。後側操作部137は前側操作部131と同一構造でありケース137aに収容され、スプロケット137bと、このスプロケット137bに巻き掛けられケース137aの下端から垂下された操作チェーン137cとからなる。そして、操作チェーン137cを上下に移動させることによりスプロケット137bは上段用回転軸136とともに回転し、上段用回転軸136が回転することにより後側コード用巻取りドラム124も回転して第2昇降コード122を昇降させるように構成される。
【0053】
上段用回転軸136の左端に連結されたストッパ132は、第2昇降コード122を繰出すような後側コード用巻取りドラム124の回転を禁止又は許容するように構成される。具体的には、操作チェーンと137cを操作して上段用回転軸136とともに後側コード用巻取りドラム124を回転させて第2昇降コード122を上昇させた後に下降させると、ストッパ132は第2昇降コード122を繰出すような後側コード用巻取りドラム124の回転を禁止し、この状態から第2昇降コード122を再び上昇させるように後側コード用巻取りドラム124を若干回転させた後に第2昇降コード122を再び下降させると、第2昇降コード122を繰出すような後側コード用巻取りドラム124の回転を許容するように構成される。そして、操作チェーンと137cを操作して第2昇降コード122を上昇させると、後側コード122に連結された第2生地115をたくし上げることができるように構成される。
【0054】
なお、後側操作部137のケース137aはヘッドレール113の一端側端縁周囲を包囲するように構成され、ヘッドレール113の他端側には図示しないキャップが設けられる。このキャップもヘッドレール113の他端側端縁周囲を包囲するように構成される。このようにヘッドレール113は両端部が周囲より包囲されて、ヘッドレール113の下側に長手方向に形成された下側スリット113k、及びアッパ空間113fの後側にヘッドレール113の長手方向に形成された後側スリット113nがそれぞれ拡開するような事態を防止するように構成される。
【0055】
このように構成されたローマンシェードの使用方法を説明する。
第1又は第2生地114,115を昇降させるには、第1又は第2生地114,115に対応してヘッドレール113の右側に配設された前側又は後側操作部131,137を操作することにより行う(図9)。例えば、第1生地114を上昇させる場合には、前側操作部131における操作チェーン131cを操作して第1昇降コード121を上昇させることにより、最下端の前側コードリング138を上昇させる。すると第1生地114は互いに隣接する前側コードリング127の間でひだを形成しながら、たくし上げられる。また、第2生地115を上昇させる場合には、後側操作部137における操作チェーン137cを操作して第2昇降コード122を上昇させることにより、最下端の後側コードリング139を上昇させる。すると第2生地115は互いに隣接する後側コードリング133の間でひだを形成しながら、たくし上げられる。そして、たくし上げられた第1及び第2生地114,115を下降させる場合には、ストッパ132を解除するために、第1及び第2昇降コード121,122を再び上昇させるように前側及び後側コード用巻取りドラム123,124を若干回転させてストッパ132を開放し、第1及び第2昇降コード121,122をそれぞれのドラム123,124から繰出す。これにより、第1及び第2生地114,115の自重によりそれらを第1及び第2昇降コード121,122とともに下降させることができる。なお、この実施の形態では、ヘッドレールを固定用ブラケットを介して部屋の壁面に取付けたが、ヘッドレールを固定用ブラケットを介して部屋の天井面に取付けてもよい。
【0056】
このように構成されたローマンシェード110では、第1昇降コード121を巻取る前側コード用巻取りドラム123と、第2昇降コード122を巻取る後側コード用巻取りドラム124を別々に設けるけれども、ヘッドレール113に前側コード用巻取りドラム123を収容するロア空間113gとロア空間113gの上側に後側コード用巻取りドラム124を収容するアッパ空間113fとを形成したので、ヘッドレール113の幅は単一の巻取りドラムを収容するヘッドレールと同等とすることができる。この結果、第1生地114が室内に突出する量が増大するような事態を防止することができる。
【0057】
また、第1生地114を昇降させる第1昇降コード121をヘッドレール113から垂下させて第1生地114の後側に配索し、第2生地115を昇降させる第2昇降コード122を、アッパ空間113fからヘッドレール113の後側に引き出して第2生地115の後側に導いて垂下させたので、第2昇降コード122が第2昇降コード122からほぼ完全に分離されて、第2昇降コード122が第2昇降コード122に絡むことはない。この結果、第2昇降コード122を昇降させたときに、第1生地114が意に反して昇降することがなく、第2生地115のみを確実に昇降させることができる。換言すれば、第2生地115を昇降させる第2昇降コード122における機能に支障を生じさせず、第2生地115をたくし上げる際に第1生地114が干渉して同時にたくし上げられるような事態を有効に回避することができる。
【0058】
また従来のローマンシェードでは、第2生地を下ろした状態で第1生地のみをヘッドレール近傍までたくし上げたときに、第2生地の上端付近に形成された挿通孔が室内側に露出して見栄えを損う問題点があったけれども、本発明のローマンシェード110では、アッパ空間113fからヘッドレール113の後側に引き出された第2昇降コード122を第2生地115の後側に導き、第2昇降コード122はアッパ空間113fから第2生地115の上端を越えるようにヘッドレール113の後側に引き出してその第2生地115の後側に垂下させたので、第2生地115を下ろした状態で第1生地114のみをヘッドレール113近傍までたくし上げても、第2生地115の見栄えを損うことはない。
【0059】
特に、この実施の形態では、アッパ空間113fからヘッドレール113の後側に引き出された第2昇降コード122を第2生地115の後側に導くガイド部材126dを設けたので、そのガイド部材126dがヘッドレール113の後側に引き出された第2昇降コード122を第2生地115の後側に導いて第2昇降コード122と第2生地115の摩擦抵抗が必要以上に大きくなることを回避することができる。このため、第2生地115を昇降させる際の操作荷重を低減させることができる。
【0060】
なお、上述した第2の実施の形態では、ヘッドレール113は両端部を周囲より包囲することにより下側スリット113k及び後側スリット113nのそれぞれの拡開が防止される構造を開示したが、下側スリット113k及び後側スリット113nのそれぞれの拡開を防止するための部材を別に準備し、このような拡開防止部材をヘッドレールの長手方向に所定の間隔をあけて設けても良い。この場合、例えば、下側スリット113k及び後側スリット113nに挿入されるガイド部材125d、126dに、下側スリット113k及び後側スリット113nのそれぞれの拡開を防止するためのフック125h,126hのような構造を追加するようにしても良い。また、ヘッドレール113を壁面112に取付けるブラケット111に下側スリット113k及び後側スリット113nのそれぞれの拡開を防止するための構造を追加するようにしても良い。
【0061】
また、上述した第2の実施の形態では、第1昇降コード121を巻取る前側コード用巻取りドラム123と第2昇降コード122を巻取る後側コード用巻取りドラム124が設けられる例を示したが、第1及び第2昇降コード121,122のいずれか一方又は双方の上部をヘッドレール113の内部でヘッドレール113の長手方向に案内してヘッドレール113の端部から下方に垂下させても良い。その場合であっても、ヘッドレール113の幅は単一の巻取りドラムを収容するヘッドレールと同等とすることができ、第1生地114が室内に突出する量が増大するような事態を防止することができる。そして、仕切壁113eにより仕切られたロア空間113gに第1昇降コード121又は前側コード用巻取りドラム123を収容し、仕切壁113eにより仕切られたアッパ空間113fに第2昇降コード122又は後側コード用巻取りドラム124を収容することにより、それらが互いに緩衝することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明第1実施形態のローマンシェードを示す図3のA−A線断面図である。
【図2】そのローマンシェードのヘッドレールに第1及び第2生地を取付ける直前状態を示す図1に対応する断面図である。
【図3】そのローマンシェードの要部を破断した正面図である。
【図4】そのローマンシェードの側面図である。
【図5】本発明の別の実施形態のローマンシェードを示す図6のB−B線断面図である。
【図6】そのローマンシェードの要部を破断した正面図である。
【図7】本発明第2実施形態のローマンシェードを示す図8のA−A線断面図である。
【図8】そのローマンシェードの要部を破断した正面図である。
【図9】図8のB部における拡大図である。
【符号の説明】
【0063】
10,90 ローマンシェード
11 第1生地
12 第2生地
16 ヘッドレール
17 延長部材
18 非取付部
21 第1昇降コード
22 第2昇降コード
110 ローマンシェード
113 ヘッドレール
113e 仕切壁
113g ロア空間
113f アッパ空間
114 第1生地
115 第2生地
121 第1昇降コード
122 第2昇降コード
123 前側コード用巻取りドラム
124 後側コード用巻取りドラム
126d ガイド部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドレール(16,113)と、前記ヘッドレール(16,113)に上端がそれぞれ取付けられた第1及び第2生地(11,12,114,115)と、前記ヘッドレール(16,113)から昇降可能に垂下されて前記第1及び第2生地(11,12,114,115)にそれぞれ連結された第1及び第2昇降コード(21,22,121,122)とを備えたローマンシェードにおいて、
前記ヘッドレール(16,113)から垂下された前記第1昇降コード(21,121)は前記第1生地(11,14)の後側に配索され、
前記ヘッドレール(16,113)から垂下された前記第2昇降コード(22,122)は前記第2生地(12,115)の上端を越えて前記第2生地(12,115)の後側に配索された
ことを特徴とするローマンシェード。
【請求項2】
第1生地(11)の上端がヘッドレール(16)の前面に取付けられ、
前記ヘッドレール(16)の後部下縁に沿いかつ下方に向って延長部材(17)が突設され、
第2生地(12)の上端が前記延長部材(17)の前面に取付けられ、
第2昇降コード(22)は前記延長部材(17)より前側の前記ヘッドレール(16)から垂下され、
前記第2生地(12)の正面視で前記第2昇降コード(22)の垂下部分を含む所定幅に前記第2生地(22)の上端を前記延長部材(17)の前面に取付けない非取付部(18)が設けられ、
前記第2昇降コード(22)が前記非取付部(18)を通って前記第2生地(12)の前側から後側に配索された請求項1記載のローマンシェード。
【請求項3】
延長部材(17)がヘッドレール(16)と一体的に設けられかつ前記ヘッドレール(16)の長さと略同一の長さを有する板状に形成された請求項2記載のローマンシェード。
【請求項4】
第1生地(114)の上端がヘッドレール(113)の前面に取付けられ、
第2生地(115)の上端が前記ヘッドレール(113)の後面に取付けられ、
第2昇降コード(122)は前記第2生地(115)の上端を越えるように前記ヘッドレール(113)の後側に引き出されて前記第2生地(115)の後側に垂下された請求項1記載のローマンシェード。
【請求項5】
ヘッドレール(113)から垂下された第1昇降コード(121)の上部が前記ヘッドレール(113)の内部で長手方向に案内されて前記ヘッドレール(113)の端部から下方に垂下され、前記ヘッドレール(113)から垂下された第2昇降コード(122)の上部が前記第1昇降コード(121)より上方又は下方の前記ヘッドレール(113)の内部で前記ヘッドレール(113)の長手方向に案内されて前記ヘッドレール(113)の端部から下方に垂下された請求項4記載のローマンシェード。
【請求項6】
第2昇降コード(122)の上部が第1昇降コード(121)より上方のヘッドレール(113)の内部で前記ヘッドレール(113)の長手方向に案内され、
前記ヘッドレール(113)に内部を上下に2分する仕切壁(113e)が設けられ、
前記仕切壁(113e)により前記ヘッドレール(113)の内部に長手方向に伸びる前記第1昇降コード(121)を収容するロア空間(113g)と前記ロア空間(113g)の上側に長手方向に伸びる前記第2昇降コード(122)を収容するアッパ空間(113f)とが形成された請求項5記載のローマンシェード。
【請求項7】
第1昇降コード(121)又は第2昇降コード(122)のいずれか一方を巻き取るドラム(123又は124)がヘッドレール(113)の内部に設けられ、前記第1昇降コード(121)又は前記第2昇降コード(122)のいずれか他方が前記ヘッドレール(113)の内部で長手方向に案内されて前記ヘッドレール(113)の端部から下方に垂下された請求項4記載のローマンシェード。
【請求項8】
前記ヘッドレール(113)に内部を上下に2分する仕切壁(113e)が設けられ、前記仕切壁(113e)により前記ヘッドレール(113)の内部に長手方向に伸びる第1昇降コード(121)又は前記第1昇降コード(121)を巻取るドラム(123)を収容するロア空間(113g)と、前記ロア空間(113g)の上側に第2昇降コード(122)を巻取るドラム(124)又は長手方向に伸びる前記第2昇降コード(122)を収容するアッパ空間(113f)とが形成された請求項7記載のローマンシェード。
【請求項9】
第1昇降コード(121)を巻取る前側コード用巻取りドラム(123)と第2昇降コード(122)を巻取る後側コード用巻取りドラム(124)が設けられ、
ヘッドレール(113)に前記前側コード用巻取りドラム(123)と前記前側コード用巻取りドラム(123)の上側に前記後側コード用巻取りドラム(124)とが収容された請求項4記載のローマンシェード。
【請求項10】
ヘッドレール(113)に内部を上下に2分する仕切壁(113e)が設けられ、前記仕切壁(113e)により前記ヘッドレール(113)の内部に前側コード用巻取りドラム(123)を収容するロア空間(113g)と、前記ロア空間(113g)の上側に後側コード用巻取りドラム(124)を収容するアッパ空間(113f)とが形成された請求項9記載のローマンシェード。
【請求項11】
アッパ空間(113f)からヘッドレール(113)の後側に引き出された第2昇降コード(122)を第2生地(115)の後側に導くガイド部材(126d)が設けられた請求項6、8又は10記載のローマンシェード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−268246(P2007−268246A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−285973(P2006−285973)
【出願日】平成18年10月20日(2006.10.20)
【出願人】(000109923)トーソー株式会社 (84)
【Fターム(参考)】