説明

ローラ間の接触幅を測定する装置および方法

本発明は互いに圧接された2つのローラ間の圧力(又はこの圧力によって相互接触領域に生じた変形)を測定する装置に関する。本発明は、例えば印刷プレス或いは圧延機のような、互いに押圧されたローラを有する機械および機械的アッセンブリの分野に適用される。本発明はまた、例えば変形可能なシールリング又は組立工程における接着剤又はパテのラインのための、圧潰幅の測定に関する。この装置はローラ間に挿入される薄いセンサーを備え、このセンサーの形状は、センサーが測定位置にある時に、センサーを操作部分に連結する機械的リンク(131)がニップ領域内に(又は前記ニップ領域(ZP)に関して操作部分とは反対側に)位置するように構成された折返し(14)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに圧接された2つのローラ間の圧力、又はこの圧力によって相互接触領域に生じた変形、を測定する装置に関する。
【0002】
本発明は、互いに押圧されたローラ(特に互いに平行な軸線を有するローラ)を有する機械および機械的アッセンブリの分野に適用される。本発明は、特に、あらゆるタイプのローラ式機械(例えば印刷プレス或いは圧延機)に関する。
【0003】
本発明は、また、例えば変形可能なシールリング又は組立工程における接着剤又はパテのラインの圧潰幅を測定したいような他の状況に適用することができる。
【背景技術】
【0004】
特に組み立て又は保守作業の際には、例えば平行な軸線を有し、ローラの軸線に平行な直線状の接触領域に沿って接触した、2つのローラの間に作用する圧力を調節することがしばしば必要となる。この接触領域は或る程度の幅を有し、これはローラ間の圧力によってローラが互いに圧潰されることに起因する。例えばインクローラ又は加湿ローラのような柔軟なローラのように、或いはゴム製ブランケットのような弾性層があることから、ローラの一方又は双方が比較的大きな変形能力を有する場合には、この接触領域の幅を測定することによりローラ間の圧力を評価することが非常に慣用されている。
【0005】
測定されたこの幅は、例えば“接触幅”又は英語で“ニップ幅”と呼ばれる。
【0006】
この接触幅の測定は、多くの機械製造業者は対応する接触幅を横切る許容可能な(又は推奨された)圧力値を特定した資料を提供するので、非常に普及している。
【0007】
例えば箔の挿入やインキングによる古典的なマニュアル手法が以前から存在している。金属箔又はプラスチック箔(即ち、薄い帯材)を使用しながら、この箔をゆっくりと回転するテストすべき2つのローラの間に横断方向に挿入し、次に、ローラが停止している時にこの箔を引き抜くに要する引っ張り力を測定する。特にインクローラの場合には、インクの薄い層で覆われたローラを回転させ、停止点でローラを急激に停止させる。再び約半回転だけ急激に回転させながら、停止点の接触領域を現れさせると、インクのパターンは求める接触幅にほぼ対応する。
【0008】
より簡単でより精密な測定を行うため、今日では、接触領域におけるローラの圧力下で電気トラックを接触させることによる測定装置が存在する。即ち、米国特許6,370,961は、導電性トラックの向かいに配置された電流を通した抵抗トラック(スペーサによって導電性トラックから分離されている)を有するセンサーを備えた装置を記載している。ローラの間にセンサーを挿入すると、ローラの圧力は接触領域の全幅にわたって2つのトラックを互いに接触させる。これらのトラックの異なる電極間の抵抗の変化を測定することにより、導電性トラックとの接触により短絡された抵抗トラックの長さを評価し、従って、接触幅の値を評価する。
【0009】
しかしながら、このような解決は、特に簡単で迅速な使用の点で、かなりの数の不都合を有する。即ち、使用者がこのようなセンサーをローラの間に導入する際には、使用者に起因する動き又は応力は容易にセンサーの変形を生じさせるので、得られた測定値に歪みを生じさせるおそれがある。更に、センサーの剛性を向上させるためにセンサーの厚さを増加させようというやり方は、また、測定値の歪みを招く。何故ならば、その場合センサーの厚さは圧潰(従って、接触幅自体)を変更するおそれがあるからである。
【0010】
更に、例えばローラ間へのセンサーの位置決めが悪い場合には、これらの装置は測定誤差のおそれを有する。使用者が例えば接触領域が測定トラックの端部を越えていることを明白に認識せず、従って、測定値が誤っていることを知らないおそれがある。センサーは、また、トラックが破損しているか例えば塵埃やインクや溶剤の蒸気によって汚れていることにより誤った測定値を与えることがある。
【0011】
更に、この種のセンサーによって出力される測定値は測定セッション毎に変動する傾向があり、特に環境条件の変化により同一のセッション中の複数の測定間においてさえ変動する傾向がある。
【0012】
更に、同一のセンサーの異なる領域で測定を行った場合には、接近した複数の測定値は同一センサー上で異なる結果を示すことがある。
【発明の開示】
【0013】
本発明の目的はこれらの不都合の全部又は一部を改良することにある。
【0014】
このため、本発明は、2つのローラ間の締め付け時の接触領域の幅を測定する装置であって、前記ローラ間に少なくとも1つの薄いセンサーを挿入することにより作動する装置を提供する。この装置は、一方において、試験すべきローラ間に前記センサーを挿入するための操作部を有すると共に、他方において、前記センサーを備えた測定部を有する。この測定部の形状は、操作部の方向において、センサーが測定位置にある時に、センサーを操作部に連結する機械的連結部がニップ領域内に、又は前記ニップ領域に関して操作部とは反対側に、位置するように配置された折返しを有する。
【0015】
好ましくは、センサーは容易かつ迅速に交換できるように装着されかつ接続されている。
【0016】
測定の際には、測定部は、ローラのニップがセンサーに作用して接触領域を測定することができるように、ローラ間に挿入される。
【0017】
センサーと測定部の残部との機械的連結部がニップの他の側に位置するので、操作部が不本意な応力をセンサーに伝えることが少なくなり、或いは皆無になる。センサーが受ける変形は少なくなり、センサーは使用者の動きから独立して信頼性のある測定値を出力することができる。従って、より簡単に、より迅速に、より少ない注意を払って、信頼性のある忠実な測定を行うことができる。
【0018】
測定の変動に対処するため、本発明は更にこのタイプのセンサーに特に適した較正段階を包含する測定方法を提供する。
【0019】
この方法は、2つのローラ間に挿入された薄いセンサー内での、締め付け長さにわたる導電性トラックとの接触により短絡される抵抗トラックを有する電気回路のオーム抵抗の、基準値に対する、減少の測定を利用する交換可能なセンサーを備えた装置による、2つのローラ間の締め付け時の接触領域の幅の測定に適用される。
【0020】
この方法は、同一のセンサーを用いて1セッションの複数の測定を行う際に、特に動的かつ自動的な自己較正を行うもので、セッションの初めに次の段階を包含する:
−休止状態における電気回路のオーム抵抗の測定、および、得られた値(初期値と言う)と当該センサーに関連する値範囲(広い範囲と言う)との比較;
−もし初期値が広い範囲の内側に位置するならば、当該センサーに関連しかつ初期値から得られた値範囲(狭い範囲と言う)の記憶。
【0021】
この狭い範囲は、測定セッションの際の抵抗トラックの総抵抗を進展させることができるような数値範囲を表すと考えることができる。この狭い範囲は、また、測定値を計算したり表示したりするのは有用でないような、中立的な数値範囲を表すことができる。
【0022】
この方法は、更に、前記セッションの最中に、次の段階を反復することを包含する:
−前記電気回路のオーム抵抗の測定、および、得られた値と狭い範囲との比較;
−もし得られた値が狭い範囲の内側にあるならば、得られた値に基づいて定めた新たな狭い範囲の記憶(この新たな狭い範囲はこの装置の自動的な再較正を構成する);
−もし得られた値が狭い範囲の外側にあるならば、得られた値と狭い範囲に依存する基準値とに基づいて定めた、測定値の計算(この装置はそれが測定状況にあると考え、測定値をそのまゝ表示し又は使用する)。
【0023】
オプションとして、この方法は、自動的な再較正を決定する(又は決定しない)狭い範囲と、測定値の計算又は表示の最小限閾値を決定するより広い中間的範囲を包含することができる。
【0024】
より詳しくは、この方法は、更に、センサーの誤作動(例えば回路の接触不良)を示す一若しくは複数のエラー表示を包含することができる。これらのエラー表示は、セッションの初めに得られた抵抗値が広い範囲の上に位置するか、或いはセッションの最中の抵抗値が広い範囲の上又は中間的な範囲の上に位置する場合に行われる。
【0025】
同じタイプの測定に当たり、本発明は、また、較正を特定のセンサーに関連づけることを提案するもので、この較正は次の段階を包含する;
−前記ローラが一定速度で又は既知のコースで連続回転する最中の、ローラ間へのセンサーの挿入;
−この挿入の最中の、前記センサー上の異なる測定位置に対応する異なる挿入深さにおける複数の測定の自動的な実施;
−前記センサーに対応する、かつ、夫々それらの対応する測定位置に関連づけられた前記測定又はそれらの変化からなる、プロフィルの記憶;および
【0026】
一旦、センサーのプロフィルが記憶されたならば、前記センサーを用いて行われる少なくとも1つの接触幅の測定は次の段階を包含する:
−接触幅の測定値および前記測定のためのセンサー上の測定位置を出力する少なくとも1つの抵抗の測定;
−前記測定位置と当該センサーに対応するプロフィルから得られた少なくとも1つのデータとの比較;
−前記比較の結果に応じて、接触幅(LT)の訂正値を与えるための測定値の修正。
【0027】
本発明の他の特徴や利点は非限定的な実施例の詳細な説明および添付図面から明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1に示したように、この装置は、使用者が試験すべきローラRAとRBとの間に測定部を保持しかつ挿入するのを可能にするための操作部を有する。操作部は例えば把手12を有し、後者は計算手段と制御手段と表示手段とを有するハウジング10に連結されている。これらの手段は、また、把手内に設けることも可能であるし、或いは、有線又はワイヤレスの任意の通信手段によってセンサーと通信することも可能である。
【0029】
ここに記載した実施例においては、測定部は舌状部13を有し、後者の一端は操作部へ向かって折返し14を形成している。この折返し14は、舌状部13のうち当該折返し14を保持した部分131よりも操作部により近い領域に、センサーを担持している。
【0030】
この折返し14は舌状部13におけるほぼ“U”字形の盲状の切抜き130(図3)によって画定され、その開口は操作部12とは反対側に向いている。従って、センサーを担持したこの折返し14は、把手12とは反対側に位置する部分131だけによってしか、舌状部13の残部に対して機械的に連結されていない。
【0031】
図2に示したように、接触幅は、例えばゴム製のインクローラ又はゴム製のブランケットB1およびB2で被覆されたローラのような、ローラ又は被覆又は圧潰された材料の変形による、ローラ表面の弾性変形によって生成された接触領域の幅LTである。
【0032】
舌状部13がローラRAとRBとの間に挿入された時には、ローラRAとRBとの間の圧力は相対峙する押圧力P1およびP2を舌状部13(およびそれが担持するセンサー)の上面および下面に作用させる。これらの押圧力P1およびP2が把手12から受ける不本意な応力に対して充分に大きくなると、舌状部のうちで測定すべき接触領域LTに関して把手12とは反対側にはみ出した部分は、ローラによってしか保持されない。この部分はその本来の形状に対して不本意な変形を受けることが全然なく、全くフラットにとどまる。
【0033】
センサーを担持した折返し14は把手12と同じ側に位置する近位部を有するが、この把手とのその唯一の機械的連結はニップ(挟持)領域LTの他の側に位置する部分131である。従って、センサーの近位部は把手からの不本意な応力を全く受けない。従って、センサー全体はその本来の形状に対して変形を受けることがなく、全くフラットにとどまる。
【0034】
図3に示したように、センサーは、作動領域(活性領域)内に互いに向かい合って配置された互いに平行な抵抗トラック21と導電性トラック22とを備えた少なくとも1つの直線状(線形)の検出領域を有するタイプのものである。この作動領域においては、締め付けはこれら2つのトラック21と22とをローラの接触領域の幅LTにわたって互いに接触させる。それらが接触した部分(図3の細いクロスハッチ)では、導電性トラック22は抵抗トラック21を短絡し、もって、抵抗トラックの全部又は電流が流れた部分を有する電気回路のオーム抵抗を変化させ、斯くしてこの抵抗又はその変化を検出する。この回路は、好ましくは、測定すべき抵抗の両端子に電圧計と共に接続された定電流発生器を有する。
【0035】
ここに記載した実施例においては、抵抗トラック21はほぼセンサーの挿入方向に沿って配置された直線状のセグメントである(図3の中位のクロスハッチング)。この抵抗トラック21の各端部は、好ましくは抵抗の小さな、接続用トラック23および24に電気接続されている。これらの接続用トラックは舌状部13に沿って操作部12側のその端部まで走行している。
【0036】
作動領域においては、導電性トラック22は抵抗トラックに重畳された抵抗がほぼゼロの直線状のセグメントからなる(図3の幅広のハッチング)。
【0037】
図4は、このタイプのセンサーに対応する電気回路の一例を示す。抵抗トラックは長さL0であり、導電性トラック22に接触していない時には総抵抗R0を有する。簡素化のため、抵抗トラック21は好ましくはほぼ一様な線形抵抗を呈するように形成される。
【0038】
2つのトラック21と22とが幅LTにわたって接触している時には、抵抗トラック21は3つの直列抵抗R1、RT、R2からなると見ることができ、そのうち中央の抵抗RTは導電性トラック22との接触により短絡されている。その両端部AおよびBから見ると、抵抗トラック21は短絡されていない長さL1およびL2に比例した2つの直列抵抗R1およびR2のように振る舞う。
【0039】
抵抗トラック21の両端部AB間の抵抗の変化を測定することにより、計算手段は作動領域における2つのトラック21および22の接触長さLTを表す値を出力し、これはそれから表示手段101によって表示することができる。
【0040】
このような直線状の検出領域は、ローラ間への異なる挿入深さで測定を行うことができる。
【0041】
好ましくは、計算手段は、また、導電性トラック22のC点と抵抗トラック21の一端A又は他端Bとの間で採った抵抗測定値を使用する。導電性トラック22は抵抗の小さな接続用トラック221に電気接続される。
【0042】
これらの測定値は、一方において、ニップ領域ZT内の圧力によって短絡された抵抗トラックの長さを計算するために使用されると共に、他方において、このニップ領域の夫々の側に位置する抵抗R1およびR2の長さL1およびL2(図4)を計算するために使用される。この装置は、センサーの長さに対するニップ領域の位置並びにその変位を計算するためにこれらの値を使用することができる。この装置は、また、このニップ領域の移動速度(従って、ローラの速度)を測定するためのタイムベースを使用することができる。
【0043】
ローラ間への挿入の前に行われる自己較正段階の際には、計算手段は挿入前の抵抗トラック21の総抵抗R0を測定する。この自己較正段階は較正ボタン102によって制御することができる。
【0044】
自動化された変化形においては、この自己較正は、センサーに電圧がかゝっており、かつ、センサーがローラ間に挿入されていない限り、連続的に又は規則的に、恒久的に行われる。
【0045】
この自動的自己較正を行うため、計算手段は、メモリ内の抵抗トラック21の総抵抗R0の概略値(例えば4キロオーム)並びに可能な広い変動範囲(例えば±20%)および狭い範囲(例えば±2%又は±0.1キロオーム)を利用する。
【0046】
この装置に電圧をかけた時には、計算手段は抵抗を測定し、測定値が正にこの広い範囲内にあること(これは舌状部が正に休止状態にあることを意味する)をチェックする。
【0047】
それから、測定された抵抗値(例えば3.8キロオーム)は、電源を切るまで抵抗トラック21の総抵抗R0の一時的な値として記憶される。
【0048】
この装置に電圧がかゝっている限り、抵抗は恒久的に又は規則的に(例えば毎秒数回)測定される。
【0049】
この測定された抵抗値がこの一時的な値を中心とする狭い範囲(例えば3.7〜3.9キロオーム)内にある度毎に、この装置は舌状部は常に休止状態にあると考え、測定された抵抗値を抵抗トラック21の総抵抗R0の正確な値として記憶し、斯くして自動的かつ恒久的な自己較正を行う。
【0050】
測定された抵抗値が一時的な値を中心とする狭い範囲から外れるや否や、この装置は舌状部は測定位置にあると考える。その場合この装置は、有効化の際の較正に基づいて、即ち、総抵抗R0として記憶された最新の正確な値に基づいて、又はこれら複数の値の平均値に基づいて、測定された抵抗値を用いて接触幅の値を計算する。
【0051】
測定値を表示するため、変換ボタン103を用いて抵抗値と接触幅の値との間の表示値変換を行うことができる。
【0052】
この装置は、また、抵抗トラック21の線形抵抗の場合による不規則性を解消するべく、センサーの製図法的較正を行うことができ、従って、ローラ間の挿入深さが如何様であろうともより忠実な測定値を得ることができる。
【0053】
この製図法的較正は、一定の速度で(又は既知のコースに沿って)回転する2つのローラの間に挿入する際に、センサーによって相継いで若しくは連続的に測定された抵抗値を登録することにより行うことができる。センサーの長さに対するニップ領域が変位した時には、この装置は抵抗の変化を登録し、例えば接触幅が1.9mmから2.2mmへ変化したことを指摘する。センサーの挿入深さが如何様であろうとも、重畳した真の接触幅が一定であるようにするため、これらの測定値はセンサーの長さ方向の異なる点におけるセンサーの特性を較正する作用をする。これらの測定値は製図法的センサーに関連づけて記憶され、後の測定の際に、測定値を得るのを可能にしたセンサーの領域に応じて夫々の値を訂正するために使用される。
【0054】
この較正および測定方法は、典型的には測定された4mmの接触幅に対して±0.1mmのオーダーの精度を得るのを可能にするもので、これは従来技術に典型的な±0.4mmのオーダーの精度に対して大きな改良となる。
【0055】
本発明の特に有利な特徴によれば、この直線状検出領域の少なくとも一端は端部マーカー25又は26を形成する領域を有し、これらの端部マーカーの検出特性は測定すべき接触領域LTが前記端部点に出会った時にセンサーが大幅に異なる測定値を出力するように選ばれている。
【0056】
より詳しくは、抵抗トラック21および導電性トラック22のデザインは、接触領域LTが直線状検出領域の少なくとも一端に出会った時に回路の抵抗の少なくとも主要な部分を短絡する(従って、斯る端部マーカーを形成する)ように配置されている。
【0057】
図3に示したように、マーカー接点251および261と呼ばれるトラック導電性部分が、ローラ間へのセンサーの挿入方向に沿って、この端部の向かいに(但し抵抗トラック21自体には接続されることなく)抵抗トラック21の夫々の端部に配置してある。これらのマーカー接点251および261の各々は抵抗トラック22の他端から来る接続用トラック(夫々AおよびB)に電気接続してある。
【0058】
これらの2つのマーカー接点251および261は抵抗トラック21に近く、かつ、導電性トラック22はニップ領域がこの端部領域に出会った時に抵抗トラックの端部をそれに近いマーカー接点に接触させるに充分幅広である。測定された接触領域LTが作動領域の一端に達した時には、導電性トラックは斯くして抵抗トラック21の両端を短絡し、その結果これら両端間で得られた測定値に較べて大きくかつ急激に変化する測定値を出力する。図4の電気図では、これらの端部マーカー25および26はリミット・スイッチの形で表してある。
【0059】
従って、使用者がローラを回転させてそこに舌状部を挿入した時には、測定値の急激な変化は挿入が検出領域の一端に達したことを使用者に容易に認識させる。こうして、不適正な挿入によって歪められであろう測定値を誤って使用するのをより容易に回避することができる。
【0060】
図5は、舌状部13のうち折返し14を形成しかつセンサーを担持する部分の、挿入方向に対して横断方向の断面を示す。
【0061】
一特徴によれば、舌状部は少なくとも二枚のフィルム31および32の堆積体を有し、これらのフィルムの相対峙する面には抵抗トラック21と導電性トラック22が担持されている。これらのトラックは好ましくは抵抗特性および導電性特性を夫々有するインクで形成されている。
【0062】
抵抗トラック21と導電性トラック22とがローラの圧力によって接触せられた時には、それらは少なくとも1つの炭素ベースの物質によって互いに電気接触をする。これは例えばグラファイトを含有するインクの場合、又はいづれか一方又は双方のトラックに被着したグラファイト層を有する場合である。
【0063】
これらのフィルムは例えば厚さ80〜150マイクロメータ程度(典型的には100マイクロメータ)の薄いポリエステルで形成されており、それらは切断され外周に沿った接着又は溶着によって結合されている。
【0064】
本発明は測定用センサーを備えたこの舌状部の特に簡単で安価な製造を可能にするものである。
【0065】
接触幅を試験するべく機械を操作する時には、オペレータが希望するようにローラの回転が必ずしも正確に止っていないことがあり得る。このような場合には、本発明の舌状部は操作部から容易に取り外し或いは切り離すことができる。従って、本発明は把手や電気ボックスのような固い又は大きな部材やオペレータの手さえもがローラ間に巻き込まれる危険を制限するのを可能にする。従って、有利なことにこのような事件は最小になり、例えばオペレータの安全の危険やローラ又は機械の損傷は最小になる。同様に、容易にかつ安価に交換できる舌状部を除き、測定装置が劣化しにくくなる。
【0066】
センサーと舌状部の残部との機械的連結手段131の配置は、これら2つの部材同士の良好な独立を許容する。従って、本発明は、測定の信頼性を妥協することなく特に薄い舌状部を形成するのを可能にする。この薄い厚さは、それ自身、ローラ間のギャップおよび接触幅又は測定すべき圧力に対する乱れを小さくし、これは測定における良好な精度と良好な性能を可能にする。
【0067】
より詳しくは、2枚のフィルム31および32は、センサー又はその検出領域の外の舌状部の表面全体にわたって接着剤層(例えば接着剤層又は両面接着フィルム33)によって互いに結合されている。
【0068】
この接着剤は絶縁性であって、例えば複数の接続用トラック221および24の進路が一致する領域343において、作動領域の外の2枚のフィルム31および32上に対向配置されたトラック部分を互いに絶縁することをも可能にする。従って、この特徴は検出領域の外のトラックのデザインの選択におけるより大きな自由度を可能にする。
【0069】
図に示したように、舌状部13はその長さの一部(例えば0.5〜5cm)にわたって、その長さの残部におけるよりもより大きな柔軟性を有する領域132を有する。
【0070】
このより柔軟な領域132は操作部12とセンサーを担持した折返し14との間に位置する。このより柔軟な領域132は、取扱いの最中の舌状部全体の或程度の安定性を確保しながら、導入又は測定の最中に前記操作部から伝達された機械的応力を低減させるのを可能にする、一種の関節結合を形成する。
【0071】
このより大きな柔軟性は、例えばこの舌状部を構成する1又は複数の層の数又は厚さを減少させて、この領域における舌状部の厚さを減少させることにより得られる。この減少はこの領域における層を欠損させることにより得ることができる。それは、また、局部的延伸、又は溝彫りのような局部的圧潰による、又は研削又は化学的エッチングのような材料の除去による、1又は複数の層の修正により得ることができる。
【0072】
開発の過程で後に試験した有利な実施例においては、フィルム31および32は夫々50マイクロメータ又は35マイクロメータ又は23マイクロメータの厚さのポリエステルで形成されている。センサーを担持した折返し部分14の厚さを小さくしたことは、互いに直接に接触したローラを用いて得られる測定方法により得られる値に較べて、ローラ間でセンサーが有する過剰な厚さに起因する測定誤差を制限することを可能にする。
【0073】
柔軟な領域132は接着剤フィルム33の欠損部を有し、後者はこの領域の厚さの減少と2枚のフィルム31と32の分離を可能にし、柔軟性を増す。
【0074】
図3に示したように、この柔軟な領域132は、好ましくは、折返し14を囲繞する舌状部の分枝部133および134を合体することができる。これらの分枝の狭さは、これらの部分133および134の最良の柔軟性と相俟って、操作部12からセンサーに伝達される応力を更に低減するのを可能にする。
【0075】
舌状部13は、その一方の面又は2つの面上に、当該面を識別するラベルを有する。同じ2つのローラ間の2つの異なる位置における接触幅を測定する時には、このラベルは、舌状部が各測定毎に正に同じ向きにあるか、これらの測定が2つの舌状部に同時に行われるか、或いはこれらの測定が同一の舌状部に相継いで行われるかを、容易に確認することを可能にする。従って、例えば舌状部の挿入方向に応じた舌状部の異なる反応から生じることがある測定誤差を制限することが可能である。
【0076】
例えば、舌状部が1つの柔軟なローラと1つの固いローラとの間の接触幅を測定することを目的とするならば、このラベルは一方の側に“固いローラの側”、他方の側に“柔軟なローラの側”の記載を有することができる。
【0077】
一方の面又はその2つの面上に、舌状部13の折返し14は、更に、測定の中央領域又は最適領域を表すパターンを備えており、このパターンはローラ間への舌状部の挿入深さを容易に調節するのを可能にする。このパターンは、例えば、測定用トラックの両端から目標とする中央領域又は最適領域まで減少する幅のデザインを有する。このパターンは、また、舌状部の挿入方向に沿った周期性(例えば平行な横断方向の縞と、中央領域又は最適領域に向かって減少する長さ)を有する。
【0078】
より詳しくは、少なくとも1つの直線状検出領域は、ローラによる締め付けを受けない限り、向かい合ったトラック同士が互いに接触することがないようにするに充分な厚さの絶縁体を担持する少なくとも1つの領域を有する。
【0079】
この厚さは、トラックが互いに向かい合って位置する作動領域の外の領域における、例えば前記トラックの少なくとも一部を覆う少なくとも1つの絶縁ニスの層又は校正されたフィルムで構成される。この絶縁ニスはトラックの作動領域の少なくとも一部の周りに校正された空間を簡単に形成するのを可能にする。
【0080】
図3および図5に示したように、このニスは、導電性トラック22の向かいにおいて、平行にかつ抵抗トラック21の両側に配置した例えば2本のライン341および342の形に貼付することができる。
【0081】
満足すべき性能を有する実施例においては、抵抗トラックは厚さが約6マイクロメータで幅が4mm程度であり、これらのスペーサは厚さ約17マイクロメータに形成され、導電性トラックの幅(約7mm)の内側に配置されている。
【0082】
好ましくは、フィルム31と32との間の空間は塵埃に対してほぼ気密に封止されている。これらのトラックとそれらの接触表面は、従って、それらを劣化させ或いは相互接触の品質を乱すことのある汚れ、摩耗、又は塵埃付着に対して保護されている。この空間は、また、液体および気体に対しても気密に形成することができる。従って、液体又は蒸気状の溶媒による劣化又はインクや、種々の油脂や接着剤による汚れを回避することができる。
【0083】
センサーを備えた折返し部14においては、接着性フィルム33は作動領域を備えた直線状検出領域を完全に包囲している。この折返し14を形成する切抜きの全長に沿って、このフィルムは約2mm又はそれ以上の幅にわたって貼付されており、センサーの検出領域の周りに空気およびガスに対する密封性を形成している。
【0084】
一特徴によれば、舌状部(13)のうちセンサーを形成する部分(14)は、作動領域の周りのフィルム(31、32)間の空間がニップ領域の両側と連通するように配置されている。ニップ領域においては、この連通は、スペーサ341および342の周りに、かつ、接着剤33の厚さによりこの接着剤の縁333および334に沿って維持される。ローラ間へ挿入する際には、この連通は従ってニップ領域の両側に位置するセンサー内の内側空間の間の空気40の交換を可能にする。これらの交換は、センサーを膨脹させかつ変形させて測定値を乱すおそれのあるセンサー内の過剰圧力の危険を回避し又は制限するのを可能にする。
【0085】
本発明によれば、検出用トラック21および22を電気的測定装置10に接続する接続用導電性トラック23および24は、舌状部13のフィルム31および32のうち前記検出用トラックと同じ面に描いてある。従って、抵抗トラック21の2つの端部AおよびBに接続された接続用トラック23および24は、当該抵抗トラックと同じフィルム31によって担持されている。他方、導電性トラック22の点Cに接続された接続用トラック221は、当該導電性トラックと同じフィルム32によって担持されている。
【0086】
更に、舌状部13は少なくとも1つの接続部を備え、後者の中では、トラックを担持した少なくとも1つのフィルム31又は32は、接続用トラック23、24又は21を担持したその表面が当該舌状部の外側面上に現れるように、切欠かれ又は折り曲げられている。
【0087】
接続用トラックが舌状部の外側面上に現れることは、これら同じ接続用トラックおよび把手12と、接続用ワイヤーコネクタおよび電気的又は電子式測定装置との間の電気接続をより簡単にかつより信頼可能に形成するのを可能にする。
【0088】
ここに記載した実施例においては、舌状部13は、把手12に担持されたシュー装置121および122内で、測定部とは反対側に位置するその接続部を締め付けることにより把手12に固定される。
【0089】
この接続部においては、接続用トラック23および24を担持したフィルム31は、接続部の端部の方へ向いた、これら同じトラックの端部230および240を含む小帯310の形の切抜きを有する。他方、接続用トラック221を担持したフィルム32は、舌状部の接続部の端部の方へ向いた、この同じトラック221の端部220を含む小帯320の形の切抜きを有する。
【0090】
接続用端部の縁の少し前で、舌状部は切抜き(例えば2つの接続用トラック23および24を担持した小帯310内のスリット330)を有する。フィルム32から出た接続用小帯320はこのスリット330を横切って、他のフィルム32の他の面に貼付される。舌状部の内側の各フィルムの面上にあった接続用トラックは、従って、この同じ舌状部の外側面上に、その接続部の端部上に、現れる。
【0091】
図3に示したように、接続用トラック23、24および221はプラグイン・コネクタ35に電気接続されており、このコネクタはそれらの端部23、240、および220を差し込み式の金属ピン内に押し込む。差し込みの際には、これらの金属ピンは夫々1つの金属グリップ353を有し、後者は接続用トラック23の一端230の表面の内側で舌状部13の2枚のフィルムを横切る。トラックの接続端部がそれらの各フィルムの外側面に配置されていることは、電気接点との(又はその一部をなすグリップ353との)良好な接触を得るのを可能にする。
【0092】
更に、抵抗トラック21の2つの接続用トラック23および24は導電性トラック22の接続用トラックの端部220の両側に対称的に配置されている。従って、舌状部を把手12又は電気ハウジング10に接続する時には、抵抗トラック21の接続と導電性トラック22の接続とを互いに転倒する危険を犯すことなく、コネクタ35は無頓着に一方向又は他の方向に差し込むことができる。
【0093】
図示しない実施例においては、把手12のシュー121および122は電気的測定装置10に接続された電気接点手段(例えば金属パッド)をそれらの内側面に有することができる。これらのシューは、舌状部の接続部を弾力的に塞ぐと共に、パッドが接続用トラック23、24および221の端部230、240、および220の現れた部分に支承されるように配置されている。
【0094】
このタイプの接続は、各フィルムをニップ内に導入しなければならない場合やフィルムの内側面上の接続用トラックに接触するインサートを形成しなければならない場合に較べて、製造し使用するのが非常に簡単であり、特に舌状部を把手に装着したり交換するのが簡単である。
【0095】
変化形によれば、センサーを担持する折返しは異なる形状を有することができる。
【0096】
即ち、センサーは舌状部13の挿入軸線を中心とする対称を示すライン601に沿って検出領域を有することができる。このラインはニップ領域ZTがその(即ち、検出領域の)ラインの異なる2つの部分において検出領域を横断するように配置されており、その(即ち、検出領域の)合計長さは前記舌状部の挿入角度からほぼ独立した値を有する。
【0097】
図6に示したように、このような検出領域は、ローラ間へのその挿入のために設けた舌状部の軸線60を中心として対称的な“V”形の作動領域を有することができる。この作動領域は、導電性トラック62と向かい合った、このライン601に沿った“V”形の抵抗トラック61を有する。設定した軸線60に対して角度Aを呈する真の挿入軸線69に沿って舌状部を挿入した時には、2つのトラック61および62は長さの異なる2つの部分LT3およびLT4で短絡せられる。真の挿入角度Aの変動に応じて、これら2つの部分LT3およびLT4の合計長さは、図3に示した実施例で記載したような単線形の検出領域の場合よりも小さな変動を呈することが分かる。
【0098】
このような特徴は真の接触幅LT(これは試験すべきローラ間に舌状部が充分真っ直ぐに挿入されていない時には変動が少ない)の測定を行うのを可能にする。
【0099】
図7は更に他の実施例を示すもので、ここでは互いに平行な2つのセンサー41および42は“T”形の薄板43の端部に配置されている。これら2つのセンサーは“T”の2つのアームの下部に固定してあり、操作部の方へ向いている(操作部自身は把手412を備え、この把手の上に“T”の基部が固定されかつ接続されている)。
【0100】
従って、この装置は、同一の接触領域ZTの少なくとも2つの異なる領域で測定を行うべく配置された
少なくとも2つのセンサー41および42を有することができ、従って、ローラ間の挿入角度Aに関連する測定変動を補償するこれら2つのセンサーの測定LT1およびLT2の結合を可能にする。
【0101】
これら2つのセンサーの各々は、一方においてニップ領域ZT内の圧力によって短絡された抵抗トラックの長さを測定すると共に、他方においてこのニップ領域の夫々の側に位置する抵抗R1およびR2(図4参照)の長さL1およびL2を測定するべく、計算手段に接続されている。もしも測定装置がニップ領域ZPの軸線およびローラの軸線に対する法線NPに対するずれ角Aをもって挿入されたならば、計算手段は2つのセンサーの各々について得られたこれらの長さL1およびL2を使用し、ローラ間の接触領域の真の幅(の幅)により良く対応する値LTを得るべくセンサー内で短絡された長さの測定値を補償する。
【0102】
勿論、本発明は前述した実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく上記実施例に種々の修正を加えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】図1は、試験すべき2つのローラ間に挿入する途中における、本発明の実施例に係る測定装置を示す。
【図2】図2は2つのローラ間の位置にある測定装置の長手方向断面図である。
【図3】図3は測定位置にある測定装置の上からの透視図である。
【図4】図4は測定位置にある測定装置に対応する電気的概略図である。
【図5】図5は本発明のセンサーの検出領域の横断方向断面図(図3のAA視 )である。
【図6】図6は“V”形の検出領域を有する本発明の実施例を示す。
【図7】図7は互いに平行な2つの検出領域を有する本発明の実施例を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つのローラ(RA、RB)間の締め付け時の接触領域の幅(LT)を測定する装置であって、前記ローラ間に少なくとも1つの薄いセンサーを挿入することにより作動し、
この装置は、一方において、試験すべきローラ間に前記センサーを挿入するための操作部(12)を有すると共に、他方において、前記センサーを備えた測定部を有し、この測定部の形状は、センサーが測定位置にある時に、センサーを操作部に連結する機械的連結部(131)がニップ領域内に(又は前記ニップ領域(ZP)に関して操作部とは反対側に)位置するように、配置された折返し(14)を有することを特徴とする装置。
【請求項2】
前の請求項に基づく装置であって、測定部は舌状部(13)を有し、この舌状部の一端は操作部へ向かう折返し(14)を形成し、この折返しは舌状部のうち前記折返しを保持する部分(131)よりも操作部により近い領域にセンサーを担持していることを特徴とする装置。
【請求項3】
前の請求項に基づく装置であって、センサーはローラ間への異なる挿入深さで測定を行うことの可能な直線状の検出領域を有し、この検出領域の少なくとも一端は端部マーカーを形成する領域(25、26)を有し、この端部マーカーの検出特性は測定すべきニップ領域(ZP)が前記端部点に出会った時に大幅に異なる測定値を出力するように選ばれていることを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項1から3のいづれかに基づく装置であって、センサーは舌状部(13)の挿入軸線を中心とする対称を示すラインに沿って検出領域を有し、このラインはそのラインの異なる2つの部分においてニップ領域(ZT)が検出領域を横断するように配置されており、その合計長さ(LT3、LT4)は前記舌状部の挿入角度(A)からほぼ独立した値を有することを特徴とする装置。
【請求項5】
前記請求項のいづれかに基づく装置であって、センサーは作動領域内に互いに向かい合って配置された抵抗トラック(21)と導電性トラック(22)とを備えた少なくとも1つの直線状の検出領域を有し、締め付けはこれらのトラックを接触領域(ZT)の幅(LT)にわたって互いに接触させ、もって、抵抗トラック(21)の全部又は電流が流れた部分からなる電気回路のオーム抵抗(R0)を変化させ、斯くしてこの抵抗又はその変化を検出することを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項3および5に基づく装置であって、抵抗トラック(21)および導電性トラック(22)のデザインは、接触領域が直線状検出領域の少なくとも一端に出会った時に回路の抵抗(R0)の少なくとも一部を短絡し、もって端部マーカー(25、26)を形成するように配置されていることを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項5又は6に基づく装置であって、舌状部(13)は向かい合った面に抵抗トラック(21)と導電性トラック(22)とを担持した少なくとも2枚のフィルム(31、32)の堆積体であり、前記トラックは抵抗特性および導電性特性を夫々有するインクで形成されていることを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項5から7のいづれかに基づく装置であって、少なくとも1つの直線状検出領域は、ローラによる締め付けを受けない限り、向かい合ったトラック(21、22)が互いに接触することがないようにするに充分な厚さの絶縁体(341、342)を担持する少なくとも1つの領域を有することを特徴とする装置。
【請求項9】
向かい合ったトラック(21、22)は、互いに少なくとも1つのカーボンベースの物質による電気接触を形成すると共に、作動領域の少なくとも一部の周りに校正された空間を形成する少なくとも1つの絶縁ニス層によって離間されていることを特徴とする前の請求項に基づく装置。
【請求項10】
請求項7から9のいづれかに基づく装置であって、フィルム(31、32)間の空間は作動領域の周りでほぼ気密に閉鎖されていることを特徴とする装置。
【請求項11】
舌状部(13)のうちセンサーを形成する部分(14)は、作動領域の周りのフィルム(31、32)間の空間がニップ領域の両側に連通するように配置されていることを特徴とする前の請求項に基づく装置。
【請求項12】
請求項7から11のいづれかに基づく装置であって、舌状部(13)のフィルム(31、32)は検出用トラック(21、22)と同じ面に描かれかつ前記検出用トラックを少なくとも1つの電気的測定装置(10)に接続する接続用導電性トラック(23、24、221)を備え、前記舌状部は少なくとも1つの接続部を備え、この接続部ではトラックを担持した少なくとも1つのフィルムは、接続用トラック(220、230、240)を担持したその表面が前記舌状部の外側面上に現れるように、切欠かれ(310、320)又は折り曲げられていることを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項2から12のいづれかに基づく装置であって、舌状部(13)は当該舌状部の残部よりもより大きな柔軟性を有しかつ操作部(12)とセンサーを担持した折返し(14)との間に位置する部分(132)を有し、前記柔軟な部分(132)は前記操作部から伝達された機械的応力を低減させる関節結合を形成ことを特徴とする装置。
【請求項14】
2つのローラ間に挿入された薄いセンサー内での、締め付け長さにわたる導電性トラック(22)との接触により短絡される抵抗トラック(21)を有する電気回路の、基準値に対する、オーム抵抗の減少の測定を利用する交換可能なセンサーを備えた装置により、2つのローラ(RA、RB)間の締め付け時の接触領域の幅(LT)を測定する方法であって、
この方法は、同一のセンサーを用いて1セッションの複数の測定を行い、かつ、セッションの初めに次の段階を包含し:
−休止状態における電気回路のオーム抵抗の測定、および、得られた値(即ち、初期値)と当該センサーに関連する値範囲(即ち、広い範囲)との比較;
−もし初期値が広い範囲の内側に位置するならば、当該センサーに関連しかつ初期値から得られた値範囲(即ち、狭い範囲)の記憶;
この方法は、更に、前記セッションの最中に、次の段階を反復することを包含する:
−前記電気回路のオーム抵抗の測定、および、得られた値と狭い範囲との比較;
−もし得られた値が狭い範囲の内側にあるならば、得られた値に基づいて定めた新たな狭い範囲の記憶;
−もし得られた値が狭い範囲の外側にあるならば、得られた値と狭い範囲に依存する基準値とに基づいて定めた、測定値の計算。
【請求項15】
2つのローラ間に挿入された薄いセンサー内での、締め付け長さにわたる導電性トラック(22)との接触により短絡される抵抗トラック(21)を有する電気回路の、基準値に対する、オーム抵抗の減少の測定を利用する交換可能なセンサーを備えた装置により、2つのローラ(RA、RB)間の締め付け時の接触領域の幅(LT)を測定する方法であって、
この方法は:
一方において、特定のセンサーに関連する較正であって、次の段階を包含する較正;
−前記ローラが一定速度で又は既知のコースで連続回転する最中の、ローラ間へのセンサーの挿入;
−この挿入の最中の、前記センサー上の異なる測定位置に対応する異なる挿入深さにおける複数の測定の自動的な実施;
−前記センサーに対応し、かつ、夫々それらの対応する測定位置に関連づけられた前記測定又はそれらの変化からなる、プロフィルの記憶;および、
他方において、前記センサーを用いた、次の段階を包含する少なくとも1つの接触幅(LT)の測定:
−接触幅の測定値および前記測定のためのセンサー上の測定位置を出力する少なくとも1つの抵抗の測定;
−前記測定位置と当該センサーに対応するプロフィルから得られた少なくとも1つのデータとの比較;
−前記比較の結果に応じて、接触幅(LT)の訂正値を与えるための測定値の修正;
を包含することからなる方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−537780(P2008−537780A)
【公表日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−504806(P2008−504806)
【出願日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際出願番号】PCT/FR2006/000767
【国際公開番号】WO2006/106239
【国際公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(507332756)
【Fターム(参考)】