説明

ロールコータアセンブリシステム

パーツローディングシステムを有する搬送システムと、塗布システムと、塗布された流体材料を硬化する硬化システムとを有する、流体材料を塗布するロールコータアセンブリシステム。該搬送システムは、処理されるべきアイテムを移動可能なように支持し、該塗布システムおよび該硬化システムに搬送する複数のワークステーションを有する連続コンベヤであり、該搬送システムおよび該ローディングシステムのコンベヤは、該コンベヤの双方を動作する単一の駆動メカニズムを有しており、これにより、該円筒状アイテムは、該パーツローディングシステムの円筒状ホイールの内部で、取り囲むように円周状に位置されたステーションに提供されており、搬送システムおよびローディングシステムのコンベヤは両コンベヤを動作する単一の駆動メカニズムを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本出願は、2004年11月15日付けで出願された米国特許出願第60/627,990号の優先権を主張するもので、該出願の内容全体は、本明細書に参考として援用される。
【0002】
(発明の背景)
(1.発明の分野)
本発明は、改善された製造アセンブリシステムに関するもので、より具体的には、ロールコーティングに対する改善された自動アセンブリシステムに関し、その他の点では、さらに製造および出荷のために製造される製品を準備することに関する。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の背景)
以前は、製造アセンブリシステムは、パーツの製造を完了するために、様々な人的介入が必要とされてきたために、貧弱なパーツ品質をもたらす結果となり得た。このようなパーツを製造システムに、一貫して、連続的に、アシストなしに供給すると、維持することが、困難になり得る。さらに、パーツにコーティング材を塗布する製造システムは、スプレイシステムを用いて、このようなコーティング材を塗布することが多い。スプレイコーティングシステムは、非効率であるという不利な点を有する。材料のスプレイ塗布の間に、スプレイ中の材料の大半は、「浪費」され得るか、あるいはコーティングされるべきパーツに決して塗布され得ない。
【0004】
このような材料浪費は、高価になり得る一方で、また、環境の中に溶媒または揮発性有機成分材料を放出する結果となり得る。このような材料は、環境の中に放出されてはならないので、従来のシステムは、このような「浪費」材料を回収するために、追加の費用を必要とし得た。回収システムは、典型的には、動作するのに費用が掛かり、また、追加の廃棄物処理問題(例えば、回収システムから取り出された排水)が結果として生じ得る。従来技術のシステムの例は、特許文献1および特許文献2に見出され、これらの特許文献の内容は、本明細書に参考として援用される。
【0005】
本システムは、改善された製品品質を提供することに加え、パーツを正確に連続的に供給する改善システムを提供する。本システムは、また、製造における変更およびパーツの要求に起因し、システムが休止する時間を短縮し、製造プロセスの柔軟性を提供する。
【特許文献1】米国特許第5,183,509号明細書
【特許文献2】米国特許第5,275,664号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の概要)
本製造アセンブリシステムは、モジュラー設計であり、ステップフィーダシステムを有するインフィード(infeed)アセンブリコンベヤモジュールと、このインフィードアセンブリモジュールとロールコーティングアセンブリモジュールとの間に製造されるパーツを移動するための搬送アセンブリモジュールとを有する。
【0007】
このロールコーティングアセンブリモジュールは、事前加熱と、第一のコーティング塗布またはプライマ塗布および加熱と、第二のコーティング塗布または接着塗布と、第三のコーティング塗布または第二の接着塗布とのような様々なパーツ処理手順を含み得る。また、コーティングされて製造されたパーツを冷却し、完成パーツコンベヤに戻すことの可能な戻りコンベヤシステムも提供される。
【0008】
本製造システムは、このシステムを取り囲む内部陰圧環境を使用可能な実質的に閉じたシステムである。密封システムは、システム内の溶媒のモニタおよび制御が可能であり、また、このシステムは、塗布されているコーティング材の粘性もモニタする。また、材料またはコーティング材の状態は、粘性モニタシステムによってモニタされる。このモニタシステムは、塗布中の材料が、所望の状態の範囲に維持されていることを確認する。完成製品の品質チェックは、システムの外部に位置する様々な電子アイセンサを用いて提供される。このシステムは、必要に応じて、モジュールが追加、変更、あるいは取り出され得るので、製造プロセスに柔軟性を提供する。
【0009】
ロールコーティングアセンブリモジュールは、ローラ/塗布機アセンブリユニット、または移動可能な塗布ユニットを含む。このユニットは、ローラに装着された垂直カート部材であり、この部材は、このシステムを用いて塗布されるべき所望のプライマ、接着剤、または他のコーティング補給を支持する。さらに、ローラ/塗布機アセンブリは、密封されたシステムの内部で使用されるシステムアセンブリを支持する。具体的には、カートは、システムのベース部材を有する密封された係合部の中へとローリングされ、ローラ塗布機が、システム補給ユニットと通信し、この補給ユニットは、製造中のパーツに塗布されるべき材料またはコーティング材を補給する。
【0010】
また、新たなパーツローダアセンブリも提供される。パーツローダによって、パーツローディングに対するシステム動作をストップする必要なしに、連続ローディングが可能となる。パーツローダは、パーツを回転して、パーツをホイールの中へ、さらなるコンベヤの上へと処理するために提供された開口部を有する円筒状ホイールを用いる。
【0011】
視覚システムは、パーツが適切に供給されているか否かをシステムに通知するために使用される。パーツが一切供給されていない場合、クラッチが作動され、パーツが提供されるまでホイールを定位置に維持する。パーツローダ用の駆動ベルトは、コンベヤ用のベルト駆動と同じである。これは、パーツが、ロードされる速度と同じ速度で、常にローダに提供されるようにするためである。さらに、複数のパーツが、そのパーツローダホイール内の同じスロットに提供され得る。
【0012】
パーツは、スキーシステムを用いてシステムから取り出される。このスキーシステムは、パーツをそのコンベヤピンから外し、待機中の取り出しまたは戻りコンベヤシステムの上へとドライブする。デュアル取り出しシステムが提供されるが、これによって、一度、テークアウェートートまたは他の取り出しコンテナが満たされると、パーツは、そのフルに入ったテークアウェーコンテナが、空のコンテナに置換されるまで、代替のコンテナに提供される。また、不適切にコーティングされたパーツが自動的に除去される視覚システムも提供される。
【0013】
本製造アセンブリシステムの他の特徴および利点は、本明細書の一部を形成する添付図面を参照して、好ましい実施形態の以下の詳細な説明から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(図面の詳細な説明)
ここで、本実施形態の説明に移ると、図1〜図3Dに示されるマルチステーション製造アセンブリシステムは、製造されるべきアイテムCの完成と関連して使用されるべき製造プロセスに柔軟性を提供する。システム10は、モジュラーフレーム11上に支持され、製造されるべきアイテムCを連続的に供給するコンベヤに沿って置かれたワークステーションを含む。
【0015】
全てのシステム動作は、自動であり、SLC 5/05 PLCのようなAllen Bradleyプログラマブルロジックコントローラによって制御される。追加として、システムは、Allen Bradley RS Logix 500ソフトウェアと、様々な他のAllen Bradleyシステムコントローラ(例えば、IECスタイルの押しボタンスイッチ)と、Guard Master安全リレー・緊急停止ボタンと、他の従来型コントローラとを用いてプログラミングされる。これらの全ては、当業者には周知であり、本明細書においては、集合的に中央制御システム25と称される。中央制御システム25と、その多数のコントローラ、ドライブ、センサ、およびスイッチコンポーネントとは、Parker Automation CTC PS10カラータッチのようなオペレータインターフェース端末26に提供される。この端末26は、制御アーム上に図1で示され、この制御アームは、この端末が、全ての設備および二次設備をクリアして、オペレータによって望まれる位置にすることができる。
【0016】
中央制御システム25の所定の環境コンポーネントと、電気コンポーネントと、バルブコンポーネントとは、図示されるように、モジュラーフレーム内に位置されるキャビネット27内に提供される。改善されたキャビネット27は、完全に絶縁され、絶縁ドアを含み、絶縁ドアには、電気的コンポーネントが装着され得て、また修理および清掃のために制御に容易なアクセスを可能にする。追加システムユニットは、またモジュラーフレームに、好ましくはコーナー位置で固定され得る。これは、近接するドアまたは安全パネルを取り外すと、これらの追加システムユニットへのアクセスが容易に提供されるようにするためである。同様に、電気接続が、フレーム開口部に近接して提供され、接続は、好ましくは、迅速に接続を外すことのできるタイプのコンポーネントであり、モジュラーシステムコンポーネントの迅速な変更を許容する。
【0017】
図1は、少なくとも1つの開放端を有する円筒状アイテムCの外周に、コーティング材料を塗布するためのロールコータアセンブリとして、製造アセンブリシステム10を示す。システム10は、パーツ補給システム14と、システム10を介して製造中のパーツを移動する搬送または移送システム16とを有する。また、ロールコーティングモジュールまたは塗布モジュール18と、ロールコーティングモジュール18にコーティングされるべき材料を補給する材料補給システムモジュール24と、円筒状アイテムCに塗布される材料Mを硬化する硬化システム19と、完成した円筒状アイテムを取り出すテークアウェーシステムまたは取り出しシステム22とが提供される。制御システム25は、システム10を介する円筒状アイテムの位置と移動とを、所望の位置と特定の速度とに制御する。フレーム11は、搬送システム16と、材料補給システムモジュール24と、ロールコータアセンブリモジュール18と、硬化システム19とを支持し、規定する金属支持部材を備える。
【0018】
図示されたシステム10の実施形態は、多数のステーションでコーティング材料を塗布するために、複数の塗布システム18および硬化システム19を含むことは、理解されるべきである。第一のステーション30で、アイテムCは、事前加熱され得るか、さもなくば、後のステーションのために準備され得る。第二のステーション32で、第一のコーティング材料またはプライマ材料は、アイテムに塗布され得る。次いで、アイテムは、搬送システム19で第一の硬化処理に進み、第二および/または第三の塗布システム32、34、35へと出て、ここで、二次および/または任意の最終材料が、アイテムに塗布される。次いで、アイテムは、第二および/または第三の硬化システムに進み、その後、テークアウェーまたは完成パーツコンベヤシステム42に出る。所望の円筒状アイテムの製造を完成するために、単一の塗布および硬化システムが使用されることも、あるいは塗布および硬化システムの複数の組み合わせが使用されることもあり得る。第一、第二および第三の塗布システムと、関連する硬化システムとは、実質的には同様であるので、システムのそれぞれは、主な表示を用いて参照され、システム間でのわずかな相違点のみが、システム間でハイライトされて、さらに詳細に示される。
【0019】
図1、図2、図7、および図8に示されるように、搬送システム16と、塗布システム18と、硬化システム19とは、壁とヒンジ付きドアまたはカバー28とで封入されている。壁とヒンジ付きドアまたはカバー28も、また、フレーム11上で支持される。開口部を有する壁およびドア28を使用すると、動作の間に、システムをオペレータが見ることができる一方で、システムの移動するパーツが露出すること、あるいは材料塗布からの噴霧(fume)の流出を防ぐことができる。壁およびカバー28の開口部29は、透明な合成樹脂材料(例えば、Tempered Glass)を用いて密封される。
【0020】
カバーまたはドアのインターロックスイッチは、各ヒンジ付きカバー28に近接して置かれ、制御システム25と電気的に相互接続される。カバー28は、システム10の動作の間に、手動で開かれる場合、インターロックスイッチが作動して、動作が停止する。このような安全インターロックによって、オペレータが、動作中にシステムにアクセスし得ないことを確実にする。
【0021】
本発明の好ましいパーツ補給システム14は、図9〜図11および図1〜図3に、最適に示される。このパーツ補給システム14は、従来のステップフィーダシステム30を含む。図1Cに示されるように、ステップフィーダシステム30は、システム10のフレーム11に近接して支持される。円筒状アイテムCは、ステップフィーダシステム30のローディングコンテナに供給され、パーツ補給システム14のパーツローディングシステム36によって移動する。
【0022】
本発明のパーツローディングシステム36は、図9A〜図10Fに最も詳細に描かれ、円筒状アイテムCを搬送システム16に提供する。図9Aおよび図10Aに示されるように、ローディングシステム36は、本体37を含み、この本体37は、システムフレーム11上に支持される。本体37は、従来の連続Vブロックコンベヤシステム38を支持し、このコンベヤシステム38は、円筒状アイテムCを搬送システム16に搬送する。図11に示されるように、コンベヤシステム38は、アイテムCを支持するV字型ブロック40を有する連続チェーン39を含む。Vブロック40は、チェーン39に固定され、このチェーン39は、従来の第一および第二のスプロケット(sprocket)と係合し、これらのスプロケットは、フランジベアリング上で支持される駆動シャフトによって回転される。シャフトおよびスプロケットは、主駆動メカニズムによって駆動され、このメカニズムは、図9Aに示されるようなローディングシステム36と搬送システム16との双方のコンベヤを動作する。
【0023】
図示された実施において、主駆動メカニズムは、従来型ギヤモータを含む。従来型の駆動シャフトおよびスプロケットは、図に模式的に示されるように、一連のチェーンドライブによって、主駆動メカニズムと相互接続される。単一の主駆動メカニズムが動作すると、円筒状アイテムCがシステム10を介して移動するとき、同期された移動を維持することが可能になる。
【0024】
図9Bに模式的に示されるように、システム10を介してアイテムCを移動するための搬送または移送システム16は、本明細書に記載されたように、連続チェーンのピン型コンベヤシステムであり、このコンベヤシステムは、内部表面上で円筒状アイテムCを支持する多数のピンアセンブリステーション64を有する。多数のドライブおよびテークアップスプロケットは、システム10のフレーム11に沿って支持される。従来型スプロケットは、図示されるように、ギヤモータによって、相互接続された主チェーン65を経由して駆動される。
【0025】
円筒状アイテムCは、ステップフィーダシステム30上に、それらのアイテムの軸方向に並んだ位置から、パーツローディングシステム36のパーツローダアセンブリ37内に、それらのアイテムが捕捉されるまで、軸方向に移動する。図10A〜図10F、ならびに図12Aおよび図12Bに図示されるように、パーツローダアセンブリ37は、パーツをロードするためにシステム動作をストップする必要なしに、回転して、パーツを連続的にロードする。パーツローダアセンブリ37は、開口部50を有する円筒状ホイール48を含む。この開口部50は、ホイール48内にアイテムCを捕捉または係合するために、提供されたステーションに対する円筒状ホイールの周囲を取り囲むように位置される。円筒状ホイール48がさらに回転すると、パーツは、円筒状ホイールの中にあるそれらのパーツのステーションから、コンベヤシステム38のV字型ブロック40の上に移動させる。回転の間、アイテムは、カバー49によって、ホイール48内に維持され得る。V字型ブロックは、ロールコータ塗布システム18に向かう方向に移動すると、V字型ブロックの中で支持された各円筒状アイテムの開放端は、図10A〜図10Dに示される傾斜スキー部材によって、搬送システム16のピンアセンブリステーション64の上にバイアスされる。
【0026】
制御システム25と相互接続された視覚システム52は、パーツが適切に供給されているかどうかをシステムに通知するために使用される。パーツが供給されていない場合、クラッチが作動し、パーツが提供されるまで、ホイールを定位置に維持する。ホイール48内でアイテムが詰まった(jammed)場合に、追加のクラッチメカニズムも、また提供される。クラッチメカニズムは、また、システム内でのホイールの回転と位置に対してアラインされた位置にホイールを維持するために作動する。パーツローダアセンブリ37用の駆動ベルトは、コンベヤシステム38および搬送システム16用のベルト駆動と同じである。これは、パーツCが、ロードされる速度と同じ速度で、常に提供されるようにするためである。さらに、サイズと設計が許されれば、複数のパーツアイテムCが、パーツローダアセンブリ37のホイール48内の同じスロットに提供され得る。
【0027】
パーツローダアセンブリ37のホイール48内の開口部50の内部に、一度位置されると、ホイールは、ローディングシステムコンベヤ36上のV字型ブロック40によって形成されるV字型の中に、捕捉されたアイテムCが移動するまで回転する。V字型ブロックは、塗布システム18に向かう方向に移動すると、V字型ブロック40の中に支持された各円筒状アイテムCの開放端Eは、内部表面上でアイテムを支持するピンアセンブリワークステーション64との係合部の中へと移動する。V字型ブロックは、ピンに対して選択された高さに位置し、この高さは、円筒状アイテムCの直径に依存する。図14Aおよび図14Bに示されるように、様々な位置が、制御システム25によって確立され、ピンアセンブリを移動し、処理されるべきパーツに対して所望の高さまで追跡する。2つの異なる直径を有するパーツが、図11の2つの異なる位置に、ピンアセンブリ64と係合して示される。
【0028】
円筒状アイテムが、そのそれぞれのピンアセンブリ64に適切に供給されない場合、システム16は、また安全インターロックを含み、この安全インターロックは、通常の動作条件を検出するために作動する。圧力が、通常の動作条件を超える場合、安全インターロックのバネが、定位置を外れてバイアスされ、システム全体の移動をストップする。
【0029】
円筒状アイテムCが、一度搬送システム16のピンアセンブリワークステーション64上で係合すると、円筒状アイテムCは、コーティング材料Mを塗布するロールコーティング塗布システム18の中に移動する。ロールコーティングモジュールまたは塗布システム18は、前述のキャビネット内に、完全に含まれ、乾燥および硬化システム11を経由して換気され、塗布システム18および硬化システム11を封入する壁およびカバー28を通過する材料からの噴霧流動を低減する。
【0030】
本実施形態で、図13に示され、図示されたピンアセンブリワークステーション64は、ピンを含む。ピンのその一端は、主チェーン65の中空リンクの中の開口部を介して係合される。一度ピンのその一端77が中空リンクを介して係合されると、保持リングは、ピンの一端の中に形成される溝の内部に係合される。溝および保持リングは、システム10の動作の間、主チェーン65からのピンの取り外しに抵抗する。摩耗または他の損傷で、ピンを置換する必要がある場合、一度保持リングが取り外されると、ピンは、リンクから容易に取り外され得、置換され得る。
【0031】
ピンアセンブリワークステーション64および主チェーン65は、上部チェーンガイドと下部チェーンガイドとの間で支持されたパーツローディングシステム36および搬送システム16を介して移動する。
【0032】
本発明のシステムのロールコータ塗布モジュールまたはシステム18は、図5および図6に示される。図1、図2、および図4A〜図4Cに示されるように、モジュール18は、コーティングされるべき材料を材料補給システム24を介して補給される。材料補給システム24は、可動装着プレート112上で支持されたタンク111を含む。装着プレート112は、ローラ上で支持される。これは、この装着プレート上で支持される材料補給タンクの移動を容易にするためである。塗布システム18が動作する間、タンク111は、任意の所望の材料を含み得る。システム10は、図4A、図4B、および図4C、図4Dの実施形態によって示されるような材料補給システムの様々な実施形態を含み得る。
【0033】
ロールコーティングモジュール18は、ドクターロール102およびコーティングロール104をそれぞれ含む。これらのロールは、水平で、軸方向に間隔を空けている。円筒状アイテムCの外径は、アイテムがピンアセンブリワークステーション64上で移動するとき、コーティングロール104と係合され、材料Mを塗布する。
【0034】
図6に図示された実施形態において、ギヤモータ105がギヤを回す。ギヤは、遊びギヤと係合する。このギヤは、遊びギヤと係合する。遊びギヤは、ドクターロール102と係合する。ドクターロール102は、コーティングロール104と係合する。これによって、ドクターロール102とコーティングロール104とは、確実に噛み合うことが保証される。スリップまたはスライドも全く生じ得ない。この結果、コーティングは、より高品質で、より一貫性があるものとなる。コーティングロールおよびドクターロールは、従来型ベアリングを有しないが、それらの貯蔵槽106の上にある中央シャフト上で支持される。これによって、従来型ベアリングによる汚染が排除され、任意の止め具を取り外すことなく、清掃のために、双方のロールを取り出すことができる。
【0035】
この設計は、また非常に小さな流体用貯蔵槽106を有する。このため、大気に露出されるコーティング材料の量を大幅に低減できる。この結果、雰囲気に放出される揮発性分がより少なくなり、コーティング材料の劣化もより少なくなる。貯蔵槽を小さく設計することで、コーティングロールおよびドクターロールは、コーティング材料を混合するのに役立つ。材料の絶え間ない循環は、粘性管理システムを用いて制御される。このシステムは、コーティング材料の状態をモニタし、中央制御システム25に材料情報を提供する。貯蔵槽106は、定期的な清掃のために、容易に取り外される。この貯蔵槽106は、2つの直角掛けネジで、定位置に置かれ、垂直に取り出される。
【0036】
コーティングロール104は、吸収性繊維(absorbent fabric)の層によって覆われることが好ましい。この層は、円筒状アイテムCの外部表面に係合し、材料Mを塗布する。コーティングロールおよびドクターロールの表面152、154は、アイテムに所望の厚さで塗布されるべき材料を保持する任意の材料、あるいは構成(例えば、溝付き、または粗い)であり得ることは、理解されるべきである。
【0037】
アイテムCに塗布されるべき材料の量は、円筒状アイテムCとコーティングロール104との間の係合部の長さと、搬送システム16およびコーティングロール104の速度とによって、主に決定される。これらの長さおよび速度は、いずれも必要に応じて変動し得る。搬送システムの速度を変動させることによって、ピンアセンブリワークステーション62でのアイテムの速度は、必要に応じて、増加または減少し得る。さらに、速度は、手動で、タッチスクリーン26を用いて増加され得るし、あるいはその速度が一度確立されれば、円筒状アイテムCのサイズに基づき、制御システム25によって自動的に制御され得る。コーティングロール104の重量も、また材料の厚さを決定する要因の一つである。コーティングロールシャフト上に装着された従来型ウォッシャ(washer)を追加または取り外す形で、コーティングロールの重量を重くするか、あるいは軽くすることによって、所望のコーティングロール104の重量が達成される。
【0038】
塗布システム18のギヤモータ105の速度は、9rpm〜45rpmの間で変動し得る。塗布システム18の速度を変動させることによって、アイテムCに塗布される材料の速度は、必要に応じて、増加または減少され得る。塗布システム18の速度は、手動で、タッチスクリーン26を用いて増加され得るし、あるいはその速度が一度確立されれば、制御システム25によって自動的に制御され得る。システム16、18の動作する方向と、それゆえコーティングロール104の動作する方向も、また、ロールと円筒状アイテムとの所望の係合時間を得るために変動し、材料を所望の厚さで塗布し得る。
【0039】
ピンアセンブリワークステーション64上の塗布システム18を出ると、外部表面に材料Mを塗布された円筒状アイテムは、硬化システム19の中に移動する。図示された実施形態において、第一またはプライマ塗布システム18は、プライマ材料を塗布し、次いで、アイテムは、第一またはプライマ硬化システム19に移動する。次のステーションに移動する前に、パーツは、視覚システム70によって、視覚的に検査される。この視覚システム70は、パーツ上のコーティング材の品質管理用にチェックするために、システム10に組み込まれる。パーツは、欠陥があれば、図9A、図9Bおよび図15A〜図15Cに示されるパーツ仕分け機72が、そのパーツを別のプロセストラックにシフトする。このトラック上で、このパーツは、スキーを滑って、システム10から外される。これによって、不良パーツ上に、追加処理することと、材料を無駄に追加コーティングすることとを排除できる。これによって、また、より高い品質が保証される。なぜなら、不良パーツは、不十分なベースまたはプライマのコーティングの上に、追加のコーティングを行って改善されないからである。
【0040】
プライマ硬化システム19を出ると、アイテムは、搬送システム16を経由して、ロールコータ塗布モジュール18の第二、第三または最終ステーション32、34、35に移動する。各ロールコータシステム18から、アイテムは、硬化システム19に移動する。上述されたように、必要とされる製造プロセスに依存して、単一の塗布および硬化システム、あるいは複数の塗布および硬化システムが組み合わされ得る。第一またはプライマ硬化システム19および後続の塗布ステーションの特徴および動作は、第一のシステム18、19と関連して検討されているので、これらのシステムのさらなる検討は、必要とされない。
【0041】
図示された硬化システム19は、密封ドア28の背後で、その内部に乾燥チャンバ160を含む。この乾燥チャンバ160は、搬送システム16内にあるアイテムC上の材料Mを乾燥する。乾燥チャンバは、チャンバ160の中に周囲大気を提供する換気システム162と、そのチャンバから大気および材料噴霧を放出するために使用される排気システム164とを含む。図1Aおよび図1Bに示されるように、乾燥チャンバ160は、フレーム11によって形成され、Tempered Glassによる壁およびカバー28によって封入される。
【0042】
搬送システム16は、主チェーン65を経由して、乾燥チャンバ160を介して、ピンアセンブリワークステーション64を移動させる。チェーン65は、フレーム11の垂直支持部材上のチャンバ160内に装着されたコーナースプロケットの上に係合される。システム10は、水ベースの接着剤用の硬化オーブン内にある追加チェーンを設置するように設計される。
【0043】
換気システム162は、乾燥チャンバ160の背後に位置するファンアセンブリを経由して周囲大気を乾燥チャンバ160の中に取り入れる。排気システム164は、ファンアセンブリを経由して、大気および噴霧を乾燥チャンバ160から取り出す。排気システム164のファンアセンブリは、チャンバを介して上方向に向けて出て行く大気を引き込む。排気ファンアセンブリ178の動作の間、陰圧エリアが、関連塗布システム18に隣接して形成され、塗布システム18から排気システム164を経由して、干渉する噴霧を除去する。換気システムファンアセンブリおよび排気システムファンアセンブリの動作を維持し、制御することによって、乾燥チャンバを介しての円筒状アイテムの上における大気流れは、所望のレートで、アイテムを乾燥するために制御され得る。
【0044】
排気システム164の制御によって、任意の環境排気要求の制御が追加的に可能となる。これは、ファンアセンブリを用いて乾燥チャンバを出て行く排気のレートを確立することでなされる。適切な排気要求が維持されることを確保するために、エアフロー安全センサが、ファンアセンブリと連携して提供される。エアフローセンサは、ファンアセンブリと制御システム25との間で、電気的に相互接続される。ファンアセンブリの動作が、環境排気要求で維持するのに必要とされる動作よりも小さい場合、システム10の動作は、遮断される。排気ファンアセンブリの満足いく動作をシステム10の動作と相互接続することで、システム内で、排気噴霧が増加することは、全くない。ファンアセンブリの手動動作は、またタッチスクリーン26を経由して提供される。
【0045】
円筒状アイテムが、乾燥チャンバ160内で、一度硬化されると、これらのアイテムは、最終パーツ仕分け機182によって、搬送システム16上のこれらのアイテムのピンアセンブリワークステーション64から取り出される。図16A〜図16Cに示されるように、最終パーツ仕分け機182は、2つの排出レーンを有し、システムの出力に、最終パーツコンテナの変更を可能にするドウェル(dwell)またはバッファを提供する。これは、スキーを滑ったパーツを第二のトラックに切り換えることによって達成される。この第二のトラック上に、スキーは、それより前のスキーより遠い距離に置かれる。この距離は、完成パーツコンテナを変更するドウェルを提供する。トートまたは取り出しコンテナ62が変更されるとき、ドウェルが次のトート変更に使用され得るように、放出は、第一のスキーにスイッチバックする。この変更が起こるとき、パーツは、同時に双方のスキーから落ちる。
【0046】
最終パーツ仕分け機182を出ると、硬化された円筒状アイテムCは、上述の取り出しコンテナ62を用いる完成パーツコンベヤまたはテークアウェーシステム22に預けられる。テークアウェー22は、アイテムをさらに後続の処理ステーションまたは最終処理ステーションを移送するために使用され得る。代替として、アイテムは、コンベヤシステムを経由して、次の処理ステーションまたは最終処理ステーションに提供される。
【0047】
これにより、円筒状アイテムCに材料を塗布するシステムが以上に記載されたが、このシステムは、手動でも、自動でも制御され得る。図示された実施形態において、パーツ補給システム14、搬送システム16、塗布システム18、および硬化システム19の速度および高さのような動作パラメータは、中央制御システム25の中にプログラムされる。このシステムに対する所望の動作パラメータは、円筒状アイテムCのサイズと、塗布されるべき材料Mとによって、実験的に決定される。所望のパラメータが一度確立されると、これらのパラメータは、様々なアイテムと、塗布されるべき材料に対する制御システム25の中に入力される。パラメータが、制御システム25の中に一度プログラムされると、システム10の中の複数のシステムは、所望のアイテムに所望の材料を塗布するために、容易に、自動的に変更され得る。これは、タッチスクリーン26を用いて、所望の製造されるべき円筒状アイテムと材料との名称を入力することによってなされる。アイテムと、製造されるべきアイテムと材料とに関する命令を受信すると、次いで、制御システムは、様々なシステムの必要な動作設定を調整し、所望の結果を生成する。
【0048】
システム10の好ましい形式が、以上に記載されてきた。しかしながら、本開示を考慮すると、好ましい実施形態に自明な改変をすることで、他のシステムにおいても匹敵する特徴と利点を達成することは、当業者にとって明らかであると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1は、本出願に従って、製造する円筒状アイテムに材料を塗布する製造アセンブリシステムの模式的な部分透視図を示す。
【図2】図2は、図1の模式的な部分透視図を示すが、システムを介して、パーツを移動するコンベヤモジュールからロールコーティングアセンブリモジュールおよび材料補給システムモジュールが除去されている。
【図3】図3A、図3B、および図3Cは、それぞれ図1に示されるシステムの模式的な部分上面図、側面図および正面図である。
【図4】図4Aおよび図4Bは、それぞれ本出願に従う材料補給システムモジュールおよびロールコーティングアセンブリモジュールの模式的な透視右側面図および透視左側面図である。図4Cおよび図4Dは、図4Aおよび図4Bに示される材料補給システムモジュールおよびロールコーティングアセンブリモジュールの代替的な実施形態の模式的な透視右側面図および透視左側面図である。
【図5】図5は、ロールコーティングアセンブリモジュールの模式的な透視図を示す。
【図6】図6は、図5のロールコーティングモジュールの線B−Bに沿って取られた模式的な断面図を示す。
【図7】図7は、ロールコータ塗布機および硬化システム、ならびに制御システムを収納する密封キャビネットの模式的な透視図を示す。
【図8】図8は、オープンアクセス位置におけるキャビネットの模式的な透視図を示す。
【図9】図9Aおよび図9Bは、搬送または移送アセンブリシステムの模式的な正面図および上面図をそれぞれ示す。
【図10】図10A〜図10Fは、パーツローディングシステムおよびパーツローディングアセンブリの模式的な側面図、線A−Aに沿った断面図、透視側面図、透視裏面図、および端面図をそれぞれ示す。
【図11】図11は、パーツローディングシステムと、製造されるべきアイテムと係合されたピンアセンブリとの模式的な断面図であり、そのアイテムは、模式的に2つの異なるサイズで示され、そのピンアセンブリは、アイテムに適応して調整される。
【図12】図12Aおよび図12Bは、パーツローディングアセンブリの模式的な透視裏面図および正面図をそれぞれ示す。
【図13】図13は、ピンアセンブリの透視図を模式的に示し、このピンアセンブリは、製造されるべきアイテムを支持し、搬送または移送システム上に装着される。
【図14】図14Aおよび図14Bは、図11に示されるパーツのラインに沿って製造されるべき異なる側面パーツに適応するピンアセンブリの上部位置と下部位置との双方での模式的な側面図示す。
【図15】図15A〜図15Cは、欠陥パーツを適切な取り出しコンテナまたはコンベヤに導き、許容可能なパーツが続けて処理されることを可能にする中間パーツ仕分け機の模式的な透視図、端面図、および側面図をそれぞれ示す。
【図16】図16A〜図16Cは、欠陥パーツおよび完成パーツをそのそれぞれの適切な取り出しコンテナまたはコンベヤに導く最終パーツ仕分け機の模式的な透視図、端面図、および側面図をそれぞれ示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状アイテムの外径に材料を塗布する製造アセンブリシステムであって、
該システムは、コントローラと、フレームと、搬送システムと、塗布システムと、円筒状アイテムに塗布された該材料を硬化するための硬化システムとを備え、該塗布システムと、該硬化システムと、該搬送システムの一部分とは、該システムから材料噴霧の流動を防ぐために封入され、
該コントローラは、材料の該アイテムへの塗布と、該アイテムの移動とを、該塗布されている材料に依存して、該搬送システムと、該塗布システムと、該硬化システムとを介して、自動的に制御するために事前にプログラミングされたコンピュータを備え、
該フレームは、該搬送システムを支持するためであり、
該搬送システムは、連続コンベヤを備え、該連続コンベヤは、円筒状アイテムを移動可能なように支持し、該塗布システムおよび該硬化システムに搬送する複数のワークステーションを有しており、
該塗布システムは、第一および第二の水平で、軸方向に間隔を空けた塗布ロールであって、該塗布ロールのそれぞれは、1つ以上の円筒状アイテムが、1つ以上のワークステーションで支持され、該所望の材料を塗布されるとき、該円筒状アイテムの外径と係合可能である、塗布ロールと、該ロールが、該円筒状アイテムと係合する間に、該塗布ロールと係合する材料を有する材料タンクを有する貯蔵槽システムとを備え、
該円筒状アイテムは、連続コンベヤを備えるパーツローディングシステムを経由して、該ワークステーションに提供され、該搬送システムおよび該ローディングシステムの該コンベヤは、該コンベヤの双方を動作する単一の駆動メカニズムを有しており、こうして、該円筒状アイテムは、該パーツローディングシステムの円筒状ホイールの内部で、取り囲むように円周状に位置されたステーションに提供され、該円筒状ホイールは回転して、該円筒状アイテムを係合し、該コントローラによって同期された該駆動メカニズムとそれぞれのコンベヤとの移動によって、該円筒状アイテムを該円筒状ホイールの中央軸の周りの該円筒状ホイールの該ステーションから出し入れして移動させ、該搬送システムコンベヤの中に移動させる、システム。
【請求項2】
前記パーツローディングシステムは、前記円筒状ホイール内部で前記円筒状アイテムが正しい位置および配置にあるかを確認する視覚システムを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
クラッチメカニズムが、前記パーツローディングシステムの前記円筒状ホイールの内部に提供され、該円筒状ホイールは、前記視覚システムから通知を受けると、あるいは不適切なパーツをローディングすると、該円筒状ホイールの回転をストップするように動作する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記システム内での前記アイテムの処理は、陰圧を支持する封入環境内で実施される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
視覚システムが、視覚品質検査に基づいて、完成品を許容または拒絶するために提供される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記視覚システムによって欠陥パーツが検出されると、パーツ仕分け機が動作を稼動し、該欠陥パーツを前記システムから取り出す、請求項5に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図10F】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【公表番号】特表2008−520411(P2008−520411A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−541448(P2007−541448)
【出願日】平成17年11月15日(2005.11.15)
【国際出願番号】PCT/US2005/041433
【国際公開番号】WO2006/055583
【国際公開日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(507158684)マニュファクチュアリング テクノロジーズ インターナショナル コーポレイション (1)
【Fターム(参考)】