ロールタイプ自動包装機における縦シールロール機構
【課題】ペアパック内の二つの内容物を使用直前に混合し、その後に開封して用いることができるペアパックタイプ包装袋を製造するロールタイプ自動包装機の縦シールロール機構を提供する。
【解決手段】縦シールロール機構は、互いに噛み合う一対の縦シールロールを二組配備すると共に、一方の縦シールロールはペアパックタイプ包装袋の外縁端部の縦シールを担当し、他方の縦シールロールはペアパックタイプ包装袋の中央部の縦シールを担当するように構成し、上記二組の縦シールロールには、ペアパックタイプ包装袋に対して最適なヒートシールを施すために、それぞれ個別の押圧設定機構と個別のシール温度設定機構を配備する。
【解決手段】縦シールロール機構は、互いに噛み合う一対の縦シールロールを二組配備すると共に、一方の縦シールロールはペアパックタイプ包装袋の外縁端部の縦シールを担当し、他方の縦シールロールはペアパックタイプ包装袋の中央部の縦シールを担当するように構成し、上記二組の縦シールロールには、ペアパックタイプ包装袋に対して最適なヒートシールを施すために、それぞれ個別の押圧設定機構と個別のシール温度設定機構を配備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、包装フィルムに対して縦ヒートシール及び横ヒートシールを施してペアパックタイプ包装袋を製造するロールタイプ自動包装機の縦シールロール機構に関し、特に、二組の縦シールロールを配備した縦シールロール機構に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来のロールタイプ自動包装機は、原反ロール状の包装フィルムを繰り出し機構によって上方に引き出し、最上位置にあるガイドロールによって垂直下方に方向転換させ、折り畳み機構によって幅方向に二つ折りにし、次いでこの二つ折り状態の包装フィルムを一対の縦シールロールに導いて縦シールを施す。この縦シールによって二つ折りされた包装フィルムは両端部が接合して円筒状になり、その後、この円筒状包装フィルムは一対の第一横シールロールに導かれて横シールが施されて袋状になり、充填機構によって包装袋の内容物が投入された後、再び第一横シールロールによって包装袋の投入口に対して横シールが施されて封止状態となる。
【０００３】
次に、第一横シールロールによって横シールされた部分に対して、一対の第二横シールロールを用いて再度横シールを施してシール強度を増やした後、この連包状態の包装袋は、第一及び第二のカッター装置に導かれ、横シール中央付近に対して切り離し加工若しくはミシン目加工が施されて個別包装袋となる。
【０００４】
従来のロールタイプ自動充填包装機には、二つ折りされた包装フィルムを挟んで縦シールを施す一対の縦シールロール機構が一組配備されており、このような従来のロールタイプ自動充填包装機において、ペアパックタイプの包装袋を製造する場合は、袋外縁端部の縦シール部分を担当する縦シールロール刃と、袋中央部の縦シール部分を担当する縦シールロール刃の、二つの縦シール刃を一組の縦シールロール機構に組み入れて運用していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開平１１−３２１８１９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、上記先行技術の縦シールロールでは、袋外縁端部の縦シール部分と袋中央部の縦シール部分のシール強度が同じ値になり、同じシール状態の袋が並列に出来上がる一種類のペアパックのみの提供となっていた。
【０００７】
即ち、このようなペアパック包装袋では、内容物の漏れがないようにする事項を優先するため、全ての縦シール部分のシール強度を強くしており、ペアパックの開封の際、２回の開封動作が必要になり、開封に関する手間が掛かるという問題があった。
【０００８】
近年ペアパック包装袋の用途が拡大し、いろいろな内容物がペア状態で包装されてきたが、例えば「餃子のたれ」と「ラー油」の包装形態では、開封前に上記二つの内容物「餃子のたれ」と「ラー油」を一旦混合してから用いれば、一回の開封で所定の効果を発揮することができる。また、二液混合タイプの接着剤等の場合も、使用直前に混合してから開封して用いれば、開封に関する手間が大幅に省略できる。
【０００９】
このようなペアパック包装袋の用途を実現するために、袋外縁端部の縦シール部分においては、確実にシールするために、シール強度を規定のシール強度である強めに設定し、袋中央部の縦シール部分においては、開封前に互いの内容物を混合し易くするために、シール強度を規定のシール強度より大幅に弱めに設定することが求められていたが、上記先行技術の縦シールロールでは、実現困難であった。
【００１０】
また、従来のロールタイプ自動包装機において、ペアパックタイプ包装袋における容積比率を変更する場合は、予め縦シールロールが冷えている状態で、袋中央の縦シール刃の取り付け状態を緩め、その後に縦シール刃の位置変更をする必要があり、容積比率設定変更に関する手間が掛かるという問題があった。
【００１１】
本発明は、上記従来のロールタイプ自動包装機におけるペアパックタイプ包装袋の二本の縦シールにおいて、任意のシール強度をそれぞれ自由に施すことができ、しかもペアパック袋の容積比率設定変更が容易に実施できるロールタイプ自動充填包装機の縦シールロール機構を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【００１２】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項１に係る自動包装機用縦シールロール機構は、互いに折り曲げられた包装フィルムを垂直下方に引き下ろしながら重ね合わされた包装フィルムに対してヒートシールを施す自動包装機用縦シールロール機構であって、上記縦シールロール機構は、互いに噛み合う一対の縦シールロールを二組配備すると共に、一方の縦シールロールはペアパックタイプ包装袋の外縁端部の縦シールを担当し、他方の縦シールロールはペアパックタイプ包装袋の中央部の縦シールを担当するように構成し、上記二組の縦シールロールには、ペアパックタイプ包装袋に対して最適なヒートシールを施すために、それぞれ個別の押圧設定機構と個別のシール温度設定機構を配備している。
【００１３】
また、本発明の請求項２に係る自動包装機用縦シールロール機構は、前記ペアパックタイプ包装袋の外縁端部の縦シールを担当する縦シールロールにおける押圧設定機構とシール温度設定機構に対しては、液漏れが発生しない強めのシール強度となる設定を行い、前記ペアパックタイプ包装袋の中央部の縦シールを担当する縦シールロールにおける押圧設定機構とシール温度設定機構に対しては、ペアパックの内どちらかの袋部分を押すことにより、縦シールが容易に剥がれて互いの内容物を混合できる弱めのシール強度となる設定を行っている。
【００１４】
本発明の請求項１と請求項２に係る自動包装機用縦シールロール機構によって製造されたペアパック包装袋よれば、ペアパック内の二つの内容物を使用直前に混合し、その後に開封して用いることが可能になり、開封に関する手間が大幅に省略できる。
【００１５】
また、本発明の請求項３に係るペアパックタイプ包装袋の中央部の縦シールを担当する縦シールロール機構は、ユニット構造を採用し、上記ユニット構造には一対の縦シールロール全体を正面視左右方向に移動できる位置調節機構が付与されている。
【００１６】
本発明の請求項３に係る自動包装機用縦シールロール機構の位置調節機構によれば、ペアパック袋の容積比率設定変更が容易に実施できる。
【発明の効果】
【００１７】
以上説明したように、本発明に係るロールタイプ自動包装機の縦シール機構によれば、ペアパック包装袋の袋外縁端部の縦シール部分に対してはシール強度を規定のシール強度である強めに設定し、ペアパック包装袋の袋中央部の縦シール部分に対してはシール強度を規定のシール強度より大幅に弱めに設定することにより、ペアパック内の二つの内容物を使用直前に混合し、その後に開封して用いることが可能になり、開封に関する手間が大幅に省略できるという優れた効果を奏し得る。
【００１８】
また、本発明に係るロールタイプ自動包装機の縦シール機構によれば、縦シールロールが熱い状態においても、ペアパックタイプ包装袋中央部の縦シール位置が簡単に変更可能となり、ペアパック袋の容積比率設定変更が容易に実施できるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【００１９】
【図１】本発明に係るロールタイプ自動包装機の一構成例を示す正面図である。
【図２】本発明に係る縦シール機構の構造を説明した概略説明図である。
【図３】本発明に係る自動包装機によって作られる連続したペアパック包装袋の外観図である。
【図４】本発明に係る自動包装機の縦シール機構及び横シール機構を中心に抜き出して説明した概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【００２０】
まず、図１を用いて、本発明に係るロールタイプ自動包装機の全体構成について説明する。図１は、本発明に係るロールタイプ自動包装機の一構成例を示す正面図である。図１に示すように、ロールタイプ自動包装機１（以下、自動包装機１と略す）の正面右側にはリールが設けられている。このリールには包装フィルムを巻回した原反ロールＦＨが脱着交換可能に保持されている。
【００２１】
また、自動包装機１の上部にはフィルム折り返しロール２と包装フィルムを長手方向に二つ折りするフィルム折畳機構３とこの二つ折りされた包装フィルム内に二種類の内容物を送り込む充填パイプ４と充填パイプ５がある。
【００２２】
自動包装機１前面には上側から第一縦シール装置６、第二縦シール装置７、第一横シール装置８、第二横シール装置９、刻印ロール装置１０、ノッチカッター装置１１、横カッター装置１２、ダイカット装置１３が備えられている。さらに、自動包装機１右側には自動包装機１の動作コントロール並びに動作指示を行っている制御ボックス１４と操作ボックス１５が設けられている。
【００２３】
縦シール機構は、第一縦シール装置６と第二縦シール装置７で構成され、これら二つの縦シール装置として図１中においては、前面側の二つの縦シールロール（移動側シールロール）が表記されている。これに対して背面側（紙面裏側）の二つの縦シールロールは、前面側縦シールロールと紙面垂直方向に対向した状態で設けられ、自動包装機１に固定されている（固定側シールロール）。
【００２４】
横シール機構は、第一横シール装置８と第二横シール装置９で構成され、これら二つの横シール装置として図１中においては、上記縦シール機構と同様に、前面側の二つの横シールロール（移動側シールロール）が表記されている。これに対して背面側（紙面裏側）の二つの横シールロールは、前面側横シールロールと紙面垂直方向に対向した状態で設けられ、自動包装機１の機台に固定されている（固定側シールロール）。
【００２５】
また、包装フィルムは、透明又は半透明な材料から構成され、例えば、ＰＥＴ等のベースフィルム、このベースフィルムよりも融点の低いポリエチレン等のヒートシールフィルムから構成される。また、包装フィルムは、ベースフィルム、中間フィルム、ヒートシールフィルムの３層構造を有してもよい。
【００２６】
包装フィルムは、リールに取り付けられた原反ロールＦＨから引き出される。引き出された包装フィルムＦは、自動包装機１の上部の折り返しロール２に掛け渡されて直下のフィルム折畳機構３に送られる。このフィルム折畳機構３は、包装フィルムを長手方向に二つ折りするもので、二つ折りされた包装フィルムＦＸは、この二つ折りされた包装フィルム内に内容物を送り込む充填パイプ４と充填パイプ５を挟み込みつつ、縦シール機構の第一縦シール装置６に送られて二つ折りされた包装フィルムの両端部分に対して縦シールが施され、その後、第二縦シール装置７に送られて二つ折りされた包装フィルムの中央部分に対して縦シールが施され、包装フィルムＦＸは二つの筒状形態になる。
【００２７】
二つの筒状の包装フィルムＦＸは、第一横シール装置８の横シールロールにより、包装フィルムの横方向（幅方向）にシールされ、この横シールにより包装袋の底部が形成される。二つの有底筒状に形成された包装フィルムＦＸ内に充填パイプ４と充填パイプ５が挿入されており、この充填パイプ４と充填パイプ５を通して二種類の内容物が包装袋内に充填される。
【００２８】
その後、第一横シール装置８の横シールロールは、二種類の内容物が充填された包装フィルムＦＸの開口側を横シールし、これにより、有底筒状の包装フィルムに充填された二種類の内容物は封止されてペアパック包装袋形態となる。この包装袋は直下の第二横シール装置９の横シールロールに送られる。この第二横シールロール９は、第一横シール装置８によって形成された横シール部分を再度横シールして、その横シール部分をより確実にするための線条シール等を形成する。
【００２９】
そして、刻印ロール装置１０により出来上がった連続包装袋の横シール部分に対して、番号若しくは記号等で構成された各種情報が刻印され、ノッチカッター装置１１により縦シール部分に対して開封用の切り込みノッチが形成され、横カッター装置１２により横シール中央部分に対してミシン目加工若しくは切断加工されて個別の包装袋形態とし、ダイカット装置１３により個別包装袋の余分な部分を切り離して所定形状の包装袋になるように打ち抜かれる。
【００３０】
なお、上記刻印ロール装置１０、ノッチカッター装置１１、横カッター装置１２、ダイカット装置１３は、自動包装機１によって作り上げられる包装袋の形態に応じて任意に選択可能な構成になっており、自動包装機１本体より着脱可能なユニット形式になっている。このような構成にすることによって、上記各装置自体の着脱が簡単になり、追加搭載工事の容易化と工事費用のコストダウンを可能にしている。
【００３１】
図２は、本発明に係る縦シール機構の構造を説明した概略説明図である。図２に示すように、縦シール機構は、第一縦シール装置６と第二縦シール装置７で構成され、第一縦シール装置６には、二つ折りされた包装フィルムＦＸを挟んで縦シールする所謂ヒートシール刃６２、６３が一対の縦シールロール６０、６１の正面視左側に配備されている。このヒートシール刃６２、６３は、二つ折り状態の包装フィルムＦＸ両端部に対して確実に縦シール１００を施すと共に包装フィルムを垂直下方に送り出す役目を担っており、このため、一対のヒートシール刃６２、６３の表面には滑り止めのための碁盤目凸凹加工等が行われている。
【００３２】
また、一対の縦シールロール６０、６１の正面視右側には、互いの縦シールロールを平行に保つための保持外輪６４、６５が配備されており、この状態において、一対の縦シールロール６０、６１には、挟み込まれた包装フィルムＦＸに対して所定の縦ヒートシールを施すために、互いの軸間に押圧力ａが付加されている。さらに、一対の縦シールロール６０、６１の軸内には、カートリッジヒータ等が埋め込まれており、挟み込まれた包装フィルムＦＸに対して所定の縦ヒートシールを施すために、シールロール温度Ａに設定されている。
【００３３】
一方、第二縦シール装置７には、二つ折りされた包装フィルムＦＸを挟んで縦シールする所謂ヒートシール刃７２、７３が一対の縦シールロール７０、７１の正面視左側に配備されている。このヒートシール刃７２、７３は、二つ折り状態の包装フィルムＦＸ中央部に対して確実に縦シール１０１を施すと共に包装フィルムを垂直下方に送り出す役目を担っており、このため、一対のヒートシール刃７２、７３の表面には滑り止めのための碁盤目凸凹加工等が行われている。
【００３４】
また、一対の縦シールロール７０、７１の正面視右側には、互いの縦シールロールを平行に保つための保持外輪７４、７５が配備されており、この状態において、一対の縦シールロール７０、７１には、挟み込まれた包装フィルムＦＸに対して所定の縦ヒートシールを施すために、互いの軸間に押圧力ｂが付加されている。さらに、一対の縦シールロール７０、７１の軸内には、カートリッジヒータ等が埋め込まれており、挟み込まれた包装フィルムＦＸに対して所定の縦ヒートシールを施すために、シールロール温度Ｂに設定されている。
【００３５】
このように、本発明の縦シール機構における第一縦シール装置６と第二縦シール装置７は、それぞれ個別に縦シールロール軸間の押圧力とシールロール温度を設定することが可能になり、ペアパック包装袋の用途に応じて挟み込まれた包装フィルムＦＸに対して任意のシール強度の縦シールを施すことになる。即ち、ペアパック包装袋の袋外縁端部の縦シール部分に対しては、縦シールロール軸間の押圧力とシールロール温度を高くしてシール強度を規定のシール強度である強めに設定し、ペアパック包装袋の袋中央部の縦シール部分に対しては、縦シールロール軸間の押圧力とシールロール温度を低くしてシール強度を規定のシール強度より大幅に弱めに設定することにより、ペアパック内の二つの内容物を使用直前に混合し、その後に開封して用いることが可能になった。
【００３６】
図３は、本発明に係る自動包装機によって作られる連続したペアパック包装袋の外観図である。図３に示すように、二つ折りされた包装フィルムの両端部分に対して縦シール機構の第一縦シール装置６によって縦シール１００が施され、二つ折りされた包装フィルムの中央部分に対して縦シール機構の第二縦シール装置７によって縦シール１０１が施され、包装フィルムは二つの筒状形態になる。
【００３７】
この二つの筒状の包装フィルムに対して第一横シール装置８と第二横シール装置９の横シールロールにより、包装フィルムの幅方向に横シール１１０が施されて有底筒部１２０と１３０がペアパック状態になる。また、横シール１１０と横シール１１１とによって包装袋部１２１と１３１もペアパック状態になる。
【００３８】
このように、二つ折りされた包装フィルムが垂直下方に引き下ろされながら縦シール及び横シールが施されて、連続したペアパック包装袋となるが、このペアパック包装袋を製造する際に、第二縦シール装置７によって作られる縦シール１０１のシール強度を本発明のように規定のシール強度より大幅に弱めに設定し、第一縦シール装置６によって作られる縦シール１００並びに横シール１１０と横シール１１１のシール強度を規定のシール強度である強めに設定する。
【００３９】
この結果、ペアパック包装袋部の内どちらかの袋部分１２１若しくは１３１を押すことにより、縦シール１０１が容易に剥がれて互いの内容物を開封前に混合することができる。
【００４０】
図４は、本発明に係る自動包装機の縦シール機構及び横シール機構を中心に抜き出して説明した概略正面図である。図４に示すように、自動包装機の正面右側にはリールが設けられており、このリールには包装フィルムを巻回した原反ロールＦＨが脱着交換可能に保持されている。原反ロールＦＨから引き出された包装フィルムＦは、自動包装機の上部の折り返しロール２に掛け渡されて直下のフィルム折畳機構３に送られ、二つ折りされた包装フィルム内に内容物を送り込む充填パイプ４と充填パイプ５を挟み込みつつ、縦シール機構の第一縦シール装置６に送られて二つ折りされた包装フィルムの両端部分に対して縦シール１００が施され、その後、第二縦シール装置７に送られて二つ折りされた包装フィルムの中央部分に対して縦シール１０１が施される。
【００４１】
次に、第一横シール装置８と第二横シール装置９の横シールロールにより、包装フィルムの幅方向に横シール１１０、１１１が施されてペアパック状態の包装袋部１２１と１３１が出来上がる。
【００４２】
一方、第二縦シール装置７の一対の縦シールロール全体は、ユニット盤２０に搭載されており、このユニット盤２０は、ラック歯車及びピニオン歯車等で構成された位置調節機構２１によって正面視左右方向に移動できる。この結果、自動包装機の運転中である第二縦シールロールの温度が高い状態であっても、ペアパックタイプ包装袋中央部の縦シール位置が簡単に変更可能となり、ペアパック袋の容積比率設定変更が容易に実施できる。
【００４３】
このことは、従来のように、ペアパックタイプ包装袋における容積比率を変更する場合、予め自動包装機の運転を停止して縦シールロールの温度を常温まで下げ、その後、工具等を用いてペアパックタイプ包装袋中央部の縦シール刃の位置を手動で変更するという手間を排除することができ、生産効率の上昇に寄与できる。
【００４４】
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、特許請求の範囲における発明特定事項とそれぞれ対応関係を有するが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形を施すことができる。
【符号の説明】
【００４５】
１ ロールタイプ自動包装機
２ フィルム折り返しロール
３ フィルム折畳機構
４、５ 充填パイプ
６ 第一縦シール装置
７ 第二縦シール装置
８ 第一横シール装置
９ 第二横シール装置
１０ 刻印ロール装置
１１ ノッチカッター装置
１２ 横カッター装置
１３ ダイカット装置
１４ 制御ボックス
１５ 操作ボックス
２０ ユニット盤
２１ 位置調節機構
６０、６１ 第一縦シール装置の縦シールロール
７０、７１ 第二縦シール装置の縦シールロール
６２、６３ 第一縦シール装置のヒートシール刃
７２、７３ 第二縦シール装置のヒートシール刃
６４、６５ 第一縦シール装置の保持外輪
７４、７５ 第二縦シール装置の保持外輪
【技術分野】
【０００１】
本発明は、包装フィルムに対して縦ヒートシール及び横ヒートシールを施してペアパックタイプ包装袋を製造するロールタイプ自動包装機の縦シールロール機構に関し、特に、二組の縦シールロールを配備した縦シールロール機構に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来のロールタイプ自動包装機は、原反ロール状の包装フィルムを繰り出し機構によって上方に引き出し、最上位置にあるガイドロールによって垂直下方に方向転換させ、折り畳み機構によって幅方向に二つ折りにし、次いでこの二つ折り状態の包装フィルムを一対の縦シールロールに導いて縦シールを施す。この縦シールによって二つ折りされた包装フィルムは両端部が接合して円筒状になり、その後、この円筒状包装フィルムは一対の第一横シールロールに導かれて横シールが施されて袋状になり、充填機構によって包装袋の内容物が投入された後、再び第一横シールロールによって包装袋の投入口に対して横シールが施されて封止状態となる。
【０００３】
次に、第一横シールロールによって横シールされた部分に対して、一対の第二横シールロールを用いて再度横シールを施してシール強度を増やした後、この連包状態の包装袋は、第一及び第二のカッター装置に導かれ、横シール中央付近に対して切り離し加工若しくはミシン目加工が施されて個別包装袋となる。
【０００４】
従来のロールタイプ自動充填包装機には、二つ折りされた包装フィルムを挟んで縦シールを施す一対の縦シールロール機構が一組配備されており、このような従来のロールタイプ自動充填包装機において、ペアパックタイプの包装袋を製造する場合は、袋外縁端部の縦シール部分を担当する縦シールロール刃と、袋中央部の縦シール部分を担当する縦シールロール刃の、二つの縦シール刃を一組の縦シールロール機構に組み入れて運用していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開平１１−３２１８１９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、上記先行技術の縦シールロールでは、袋外縁端部の縦シール部分と袋中央部の縦シール部分のシール強度が同じ値になり、同じシール状態の袋が並列に出来上がる一種類のペアパックのみの提供となっていた。
【０００７】
即ち、このようなペアパック包装袋では、内容物の漏れがないようにする事項を優先するため、全ての縦シール部分のシール強度を強くしており、ペアパックの開封の際、２回の開封動作が必要になり、開封に関する手間が掛かるという問題があった。
【０００８】
近年ペアパック包装袋の用途が拡大し、いろいろな内容物がペア状態で包装されてきたが、例えば「餃子のたれ」と「ラー油」の包装形態では、開封前に上記二つの内容物「餃子のたれ」と「ラー油」を一旦混合してから用いれば、一回の開封で所定の効果を発揮することができる。また、二液混合タイプの接着剤等の場合も、使用直前に混合してから開封して用いれば、開封に関する手間が大幅に省略できる。
【０００９】
このようなペアパック包装袋の用途を実現するために、袋外縁端部の縦シール部分においては、確実にシールするために、シール強度を規定のシール強度である強めに設定し、袋中央部の縦シール部分においては、開封前に互いの内容物を混合し易くするために、シール強度を規定のシール強度より大幅に弱めに設定することが求められていたが、上記先行技術の縦シールロールでは、実現困難であった。
【００１０】
また、従来のロールタイプ自動包装機において、ペアパックタイプ包装袋における容積比率を変更する場合は、予め縦シールロールが冷えている状態で、袋中央の縦シール刃の取り付け状態を緩め、その後に縦シール刃の位置変更をする必要があり、容積比率設定変更に関する手間が掛かるという問題があった。
【００１１】
本発明は、上記従来のロールタイプ自動包装機におけるペアパックタイプ包装袋の二本の縦シールにおいて、任意のシール強度をそれぞれ自由に施すことができ、しかもペアパック袋の容積比率設定変更が容易に実施できるロールタイプ自動充填包装機の縦シールロール機構を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【００１２】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項１に係る自動包装機用縦シールロール機構は、互いに折り曲げられた包装フィルムを垂直下方に引き下ろしながら重ね合わされた包装フィルムに対してヒートシールを施す自動包装機用縦シールロール機構であって、上記縦シールロール機構は、互いに噛み合う一対の縦シールロールを二組配備すると共に、一方の縦シールロールはペアパックタイプ包装袋の外縁端部の縦シールを担当し、他方の縦シールロールはペアパックタイプ包装袋の中央部の縦シールを担当するように構成し、上記二組の縦シールロールには、ペアパックタイプ包装袋に対して最適なヒートシールを施すために、それぞれ個別の押圧設定機構と個別のシール温度設定機構を配備している。
【００１３】
また、本発明の請求項２に係る自動包装機用縦シールロール機構は、前記ペアパックタイプ包装袋の外縁端部の縦シールを担当する縦シールロールにおける押圧設定機構とシール温度設定機構に対しては、液漏れが発生しない強めのシール強度となる設定を行い、前記ペアパックタイプ包装袋の中央部の縦シールを担当する縦シールロールにおける押圧設定機構とシール温度設定機構に対しては、ペアパックの内どちらかの袋部分を押すことにより、縦シールが容易に剥がれて互いの内容物を混合できる弱めのシール強度となる設定を行っている。
【００１４】
本発明の請求項１と請求項２に係る自動包装機用縦シールロール機構によって製造されたペアパック包装袋よれば、ペアパック内の二つの内容物を使用直前に混合し、その後に開封して用いることが可能になり、開封に関する手間が大幅に省略できる。
【００１５】
また、本発明の請求項３に係るペアパックタイプ包装袋の中央部の縦シールを担当する縦シールロール機構は、ユニット構造を採用し、上記ユニット構造には一対の縦シールロール全体を正面視左右方向に移動できる位置調節機構が付与されている。
【００１６】
本発明の請求項３に係る自動包装機用縦シールロール機構の位置調節機構によれば、ペアパック袋の容積比率設定変更が容易に実施できる。
【発明の効果】
【００１７】
以上説明したように、本発明に係るロールタイプ自動包装機の縦シール機構によれば、ペアパック包装袋の袋外縁端部の縦シール部分に対してはシール強度を規定のシール強度である強めに設定し、ペアパック包装袋の袋中央部の縦シール部分に対してはシール強度を規定のシール強度より大幅に弱めに設定することにより、ペアパック内の二つの内容物を使用直前に混合し、その後に開封して用いることが可能になり、開封に関する手間が大幅に省略できるという優れた効果を奏し得る。
【００１８】
また、本発明に係るロールタイプ自動包装機の縦シール機構によれば、縦シールロールが熱い状態においても、ペアパックタイプ包装袋中央部の縦シール位置が簡単に変更可能となり、ペアパック袋の容積比率設定変更が容易に実施できるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【００１９】
【図１】本発明に係るロールタイプ自動包装機の一構成例を示す正面図である。
【図２】本発明に係る縦シール機構の構造を説明した概略説明図である。
【図３】本発明に係る自動包装機によって作られる連続したペアパック包装袋の外観図である。
【図４】本発明に係る自動包装機の縦シール機構及び横シール機構を中心に抜き出して説明した概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【００２０】
まず、図１を用いて、本発明に係るロールタイプ自動包装機の全体構成について説明する。図１は、本発明に係るロールタイプ自動包装機の一構成例を示す正面図である。図１に示すように、ロールタイプ自動包装機１（以下、自動包装機１と略す）の正面右側にはリールが設けられている。このリールには包装フィルムを巻回した原反ロールＦＨが脱着交換可能に保持されている。
【００２１】
また、自動包装機１の上部にはフィルム折り返しロール２と包装フィルムを長手方向に二つ折りするフィルム折畳機構３とこの二つ折りされた包装フィルム内に二種類の内容物を送り込む充填パイプ４と充填パイプ５がある。
【００２２】
自動包装機１前面には上側から第一縦シール装置６、第二縦シール装置７、第一横シール装置８、第二横シール装置９、刻印ロール装置１０、ノッチカッター装置１１、横カッター装置１２、ダイカット装置１３が備えられている。さらに、自動包装機１右側には自動包装機１の動作コントロール並びに動作指示を行っている制御ボックス１４と操作ボックス１５が設けられている。
【００２３】
縦シール機構は、第一縦シール装置６と第二縦シール装置７で構成され、これら二つの縦シール装置として図１中においては、前面側の二つの縦シールロール（移動側シールロール）が表記されている。これに対して背面側（紙面裏側）の二つの縦シールロールは、前面側縦シールロールと紙面垂直方向に対向した状態で設けられ、自動包装機１に固定されている（固定側シールロール）。
【００２４】
横シール機構は、第一横シール装置８と第二横シール装置９で構成され、これら二つの横シール装置として図１中においては、上記縦シール機構と同様に、前面側の二つの横シールロール（移動側シールロール）が表記されている。これに対して背面側（紙面裏側）の二つの横シールロールは、前面側横シールロールと紙面垂直方向に対向した状態で設けられ、自動包装機１の機台に固定されている（固定側シールロール）。
【００２５】
また、包装フィルムは、透明又は半透明な材料から構成され、例えば、ＰＥＴ等のベースフィルム、このベースフィルムよりも融点の低いポリエチレン等のヒートシールフィルムから構成される。また、包装フィルムは、ベースフィルム、中間フィルム、ヒートシールフィルムの３層構造を有してもよい。
【００２６】
包装フィルムは、リールに取り付けられた原反ロールＦＨから引き出される。引き出された包装フィルムＦは、自動包装機１の上部の折り返しロール２に掛け渡されて直下のフィルム折畳機構３に送られる。このフィルム折畳機構３は、包装フィルムを長手方向に二つ折りするもので、二つ折りされた包装フィルムＦＸは、この二つ折りされた包装フィルム内に内容物を送り込む充填パイプ４と充填パイプ５を挟み込みつつ、縦シール機構の第一縦シール装置６に送られて二つ折りされた包装フィルムの両端部分に対して縦シールが施され、その後、第二縦シール装置７に送られて二つ折りされた包装フィルムの中央部分に対して縦シールが施され、包装フィルムＦＸは二つの筒状形態になる。
【００２７】
二つの筒状の包装フィルムＦＸは、第一横シール装置８の横シールロールにより、包装フィルムの横方向（幅方向）にシールされ、この横シールにより包装袋の底部が形成される。二つの有底筒状に形成された包装フィルムＦＸ内に充填パイプ４と充填パイプ５が挿入されており、この充填パイプ４と充填パイプ５を通して二種類の内容物が包装袋内に充填される。
【００２８】
その後、第一横シール装置８の横シールロールは、二種類の内容物が充填された包装フィルムＦＸの開口側を横シールし、これにより、有底筒状の包装フィルムに充填された二種類の内容物は封止されてペアパック包装袋形態となる。この包装袋は直下の第二横シール装置９の横シールロールに送られる。この第二横シールロール９は、第一横シール装置８によって形成された横シール部分を再度横シールして、その横シール部分をより確実にするための線条シール等を形成する。
【００２９】
そして、刻印ロール装置１０により出来上がった連続包装袋の横シール部分に対して、番号若しくは記号等で構成された各種情報が刻印され、ノッチカッター装置１１により縦シール部分に対して開封用の切り込みノッチが形成され、横カッター装置１２により横シール中央部分に対してミシン目加工若しくは切断加工されて個別の包装袋形態とし、ダイカット装置１３により個別包装袋の余分な部分を切り離して所定形状の包装袋になるように打ち抜かれる。
【００３０】
なお、上記刻印ロール装置１０、ノッチカッター装置１１、横カッター装置１２、ダイカット装置１３は、自動包装機１によって作り上げられる包装袋の形態に応じて任意に選択可能な構成になっており、自動包装機１本体より着脱可能なユニット形式になっている。このような構成にすることによって、上記各装置自体の着脱が簡単になり、追加搭載工事の容易化と工事費用のコストダウンを可能にしている。
【００３１】
図２は、本発明に係る縦シール機構の構造を説明した概略説明図である。図２に示すように、縦シール機構は、第一縦シール装置６と第二縦シール装置７で構成され、第一縦シール装置６には、二つ折りされた包装フィルムＦＸを挟んで縦シールする所謂ヒートシール刃６２、６３が一対の縦シールロール６０、６１の正面視左側に配備されている。このヒートシール刃６２、６３は、二つ折り状態の包装フィルムＦＸ両端部に対して確実に縦シール１００を施すと共に包装フィルムを垂直下方に送り出す役目を担っており、このため、一対のヒートシール刃６２、６３の表面には滑り止めのための碁盤目凸凹加工等が行われている。
【００３２】
また、一対の縦シールロール６０、６１の正面視右側には、互いの縦シールロールを平行に保つための保持外輪６４、６５が配備されており、この状態において、一対の縦シールロール６０、６１には、挟み込まれた包装フィルムＦＸに対して所定の縦ヒートシールを施すために、互いの軸間に押圧力ａが付加されている。さらに、一対の縦シールロール６０、６１の軸内には、カートリッジヒータ等が埋め込まれており、挟み込まれた包装フィルムＦＸに対して所定の縦ヒートシールを施すために、シールロール温度Ａに設定されている。
【００３３】
一方、第二縦シール装置７には、二つ折りされた包装フィルムＦＸを挟んで縦シールする所謂ヒートシール刃７２、７３が一対の縦シールロール７０、７１の正面視左側に配備されている。このヒートシール刃７２、７３は、二つ折り状態の包装フィルムＦＸ中央部に対して確実に縦シール１０１を施すと共に包装フィルムを垂直下方に送り出す役目を担っており、このため、一対のヒートシール刃７２、７３の表面には滑り止めのための碁盤目凸凹加工等が行われている。
【００３４】
また、一対の縦シールロール７０、７１の正面視右側には、互いの縦シールロールを平行に保つための保持外輪７４、７５が配備されており、この状態において、一対の縦シールロール７０、７１には、挟み込まれた包装フィルムＦＸに対して所定の縦ヒートシールを施すために、互いの軸間に押圧力ｂが付加されている。さらに、一対の縦シールロール７０、７１の軸内には、カートリッジヒータ等が埋め込まれており、挟み込まれた包装フィルムＦＸに対して所定の縦ヒートシールを施すために、シールロール温度Ｂに設定されている。
【００３５】
このように、本発明の縦シール機構における第一縦シール装置６と第二縦シール装置７は、それぞれ個別に縦シールロール軸間の押圧力とシールロール温度を設定することが可能になり、ペアパック包装袋の用途に応じて挟み込まれた包装フィルムＦＸに対して任意のシール強度の縦シールを施すことになる。即ち、ペアパック包装袋の袋外縁端部の縦シール部分に対しては、縦シールロール軸間の押圧力とシールロール温度を高くしてシール強度を規定のシール強度である強めに設定し、ペアパック包装袋の袋中央部の縦シール部分に対しては、縦シールロール軸間の押圧力とシールロール温度を低くしてシール強度を規定のシール強度より大幅に弱めに設定することにより、ペアパック内の二つの内容物を使用直前に混合し、その後に開封して用いることが可能になった。
【００３６】
図３は、本発明に係る自動包装機によって作られる連続したペアパック包装袋の外観図である。図３に示すように、二つ折りされた包装フィルムの両端部分に対して縦シール機構の第一縦シール装置６によって縦シール１００が施され、二つ折りされた包装フィルムの中央部分に対して縦シール機構の第二縦シール装置７によって縦シール１０１が施され、包装フィルムは二つの筒状形態になる。
【００３７】
この二つの筒状の包装フィルムに対して第一横シール装置８と第二横シール装置９の横シールロールにより、包装フィルムの幅方向に横シール１１０が施されて有底筒部１２０と１３０がペアパック状態になる。また、横シール１１０と横シール１１１とによって包装袋部１２１と１３１もペアパック状態になる。
【００３８】
このように、二つ折りされた包装フィルムが垂直下方に引き下ろされながら縦シール及び横シールが施されて、連続したペアパック包装袋となるが、このペアパック包装袋を製造する際に、第二縦シール装置７によって作られる縦シール１０１のシール強度を本発明のように規定のシール強度より大幅に弱めに設定し、第一縦シール装置６によって作られる縦シール１００並びに横シール１１０と横シール１１１のシール強度を規定のシール強度である強めに設定する。
【００３９】
この結果、ペアパック包装袋部の内どちらかの袋部分１２１若しくは１３１を押すことにより、縦シール１０１が容易に剥がれて互いの内容物を開封前に混合することができる。
【００４０】
図４は、本発明に係る自動包装機の縦シール機構及び横シール機構を中心に抜き出して説明した概略正面図である。図４に示すように、自動包装機の正面右側にはリールが設けられており、このリールには包装フィルムを巻回した原反ロールＦＨが脱着交換可能に保持されている。原反ロールＦＨから引き出された包装フィルムＦは、自動包装機の上部の折り返しロール２に掛け渡されて直下のフィルム折畳機構３に送られ、二つ折りされた包装フィルム内に内容物を送り込む充填パイプ４と充填パイプ５を挟み込みつつ、縦シール機構の第一縦シール装置６に送られて二つ折りされた包装フィルムの両端部分に対して縦シール１００が施され、その後、第二縦シール装置７に送られて二つ折りされた包装フィルムの中央部分に対して縦シール１０１が施される。
【００４１】
次に、第一横シール装置８と第二横シール装置９の横シールロールにより、包装フィルムの幅方向に横シール１１０、１１１が施されてペアパック状態の包装袋部１２１と１３１が出来上がる。
【００４２】
一方、第二縦シール装置７の一対の縦シールロール全体は、ユニット盤２０に搭載されており、このユニット盤２０は、ラック歯車及びピニオン歯車等で構成された位置調節機構２１によって正面視左右方向に移動できる。この結果、自動包装機の運転中である第二縦シールロールの温度が高い状態であっても、ペアパックタイプ包装袋中央部の縦シール位置が簡単に変更可能となり、ペアパック袋の容積比率設定変更が容易に実施できる。
【００４３】
このことは、従来のように、ペアパックタイプ包装袋における容積比率を変更する場合、予め自動包装機の運転を停止して縦シールロールの温度を常温まで下げ、その後、工具等を用いてペアパックタイプ包装袋中央部の縦シール刃の位置を手動で変更するという手間を排除することができ、生産効率の上昇に寄与できる。
【００４４】
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、特許請求の範囲における発明特定事項とそれぞれ対応関係を有するが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形を施すことができる。
【符号の説明】
【００４５】
１ ロールタイプ自動包装機
２ フィルム折り返しロール
３ フィルム折畳機構
４、５ 充填パイプ
６ 第一縦シール装置
７ 第二縦シール装置
８ 第一横シール装置
９ 第二横シール装置
１０ 刻印ロール装置
１１ ノッチカッター装置
１２ 横カッター装置
１３ ダイカット装置
１４ 制御ボックス
１５ 操作ボックス
２０ ユニット盤
２１ 位置調節機構
６０、６１ 第一縦シール装置の縦シールロール
７０、７１ 第二縦シール装置の縦シールロール
６２、６３ 第一縦シール装置のヒートシール刃
７２、７３ 第二縦シール装置のヒートシール刃
６４、６５ 第一縦シール装置の保持外輪
７４、７５ 第二縦シール装置の保持外輪
【特許請求の範囲】
【請求項１】
互いに折り曲げられた包装フィルムを垂直下方に引き下ろしながら重ね合わされた包装フィルムに対してヒートシールを施す自動包装機用縦シールロール機構であって、
上記縦シールロール機構は、互いに噛み合う一対の縦シールロールを二組配備すると共に、一方の縦シールロールはペアパックタイプ包装袋の外縁端部の縦シールを担当し、他方の縦シールロールはペアパックタイプ包装袋の中央部の縦シールを担当するように構成し、
上記二組の縦シールロールには、ペアパックタイプ包装袋に対して最適なヒートシールを施すために、それぞれ個別の押圧設定機構と個別のシール温度設定機構を配備したことを特徴とする自動包装機用縦シールロール機構。
【請求項２】
前記ペアパックタイプ包装袋の外縁端部の縦シールを担当する縦シールロールにおける押圧設定機構とシール温度設定機構に対しては、液漏れが発生しない強めのシール強度となる設定を行い、
前記ペアパックタイプ包装袋の中央部の縦シールを担当する縦シールロールにおける押圧設定機構とシール温度設定機構に対しては、ペアパックの内どちらかの袋部分を押すことにより、縦シールが容易に剥がれて互いの内容物を混合できる弱めのシール強度となる設定を行うことを特徴とする請求項１記載の自動包装機用縦シールロール機構。
【請求項３】
前記ペアパックタイプ包装袋の中央部の縦シールを担当する縦シールロール機構は、ユニット構造を採用し、
上記ユニット構造には、一対の縦シールロール全体を正面視左右方向に移動できる位置調節機構が付与されていることを特徴とする請求項１と請求項２に記載の自動包装機用縦シールロール機構。
【請求項１】
互いに折り曲げられた包装フィルムを垂直下方に引き下ろしながら重ね合わされた包装フィルムに対してヒートシールを施す自動包装機用縦シールロール機構であって、
上記縦シールロール機構は、互いに噛み合う一対の縦シールロールを二組配備すると共に、一方の縦シールロールはペアパックタイプ包装袋の外縁端部の縦シールを担当し、他方の縦シールロールはペアパックタイプ包装袋の中央部の縦シールを担当するように構成し、
上記二組の縦シールロールには、ペアパックタイプ包装袋に対して最適なヒートシールを施すために、それぞれ個別の押圧設定機構と個別のシール温度設定機構を配備したことを特徴とする自動包装機用縦シールロール機構。
【請求項２】
前記ペアパックタイプ包装袋の外縁端部の縦シールを担当する縦シールロールにおける押圧設定機構とシール温度設定機構に対しては、液漏れが発生しない強めのシール強度となる設定を行い、
前記ペアパックタイプ包装袋の中央部の縦シールを担当する縦シールロールにおける押圧設定機構とシール温度設定機構に対しては、ペアパックの内どちらかの袋部分を押すことにより、縦シールが容易に剥がれて互いの内容物を混合できる弱めのシール強度となる設定を行うことを特徴とする請求項１記載の自動包装機用縦シールロール機構。
【請求項３】
前記ペアパックタイプ包装袋の中央部の縦シールを担当する縦シールロール機構は、ユニット構造を採用し、
上記ユニット構造には、一対の縦シールロール全体を正面視左右方向に移動できる位置調節機構が付与されていることを特徴とする請求項１と請求項２に記載の自動包装機用縦シールロール機構。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２０１１−１０６９（Ｐ２０１１−１０６９Ａ）
【公開日】平成２３年１月６日（２０１１．１．６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−１４３５０６（Ｐ２００９−１４３５０６）
【出願日】平成２１年６月１６日（２００９．６．１６）
【出願人】（５９６０９２５９５）三光機械株式会社 (102)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年１月６日（２０１１．１．６）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年６月１６日（２００９．６．１６）
【出願人】（５９６０９２５９５）三光機械株式会社 (102)
【Ｆターム（参考）】
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