ロール状物品用の収納設備
【課題】物品処理能力が高いロール状物品用の収納設備を提供すること。
【解決手段】ロール状物品(A)に両端が突出する状態で挿入された支持棒(1)の両端部を支持してロール状物品(A)を収納する複数の収納部(2)と、支持棒(1)の両端部を支持してロール状物品(A)を収納部(2)と入出庫口(EX)とに搬送する物品搬送装置(5)と、入出庫口(EX)において、ロール状物品(A)を外部との間で搬出入自在で、かつ、ロール状物品(A)を物品搬送装置(5)との間で移載自在な入出庫装置(6,7,8)と、外部から入出庫装置に搬入されたロール状物品(A)に対して支持棒(1)を挿入し、物品搬送装置(5)から入出庫装置に移載されたロール状物品(A)から支持棒(1)を離脱する支持棒挿脱装置(9)との間で支持棒(1)を受け渡し及び受け取り自在で、かつ、複数の支持棒(1)を保管可能な支持棒保管装置(10)が入出庫口(EX)に設けられているロール状物品用の収納設備。
【解決手段】ロール状物品(A)に両端が突出する状態で挿入された支持棒(1)の両端部を支持してロール状物品(A)を収納する複数の収納部(2)と、支持棒(1)の両端部を支持してロール状物品(A)を収納部(2)と入出庫口(EX)とに搬送する物品搬送装置(5)と、入出庫口(EX)において、ロール状物品(A)を外部との間で搬出入自在で、かつ、ロール状物品(A)を物品搬送装置(5)との間で移載自在な入出庫装置(6,7,8)と、外部から入出庫装置に搬入されたロール状物品(A)に対して支持棒(1)を挿入し、物品搬送装置(5)から入出庫装置に移載されたロール状物品(A)から支持棒(1)を離脱する支持棒挿脱装置(9)との間で支持棒(1)を受け渡し及び受け取り自在で、かつ、複数の支持棒(1)を保管可能な支持棒保管装置(10)が入出庫口(EX)に設けられているロール状物品用の収納設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール状物品に両端が突出する状態で挿入された支持棒の両端部を支持してロール状物品を収納する複数の収納部と、前記支持棒の両端部を支持してロール状物品を前記収納部と入出庫口とに搬送する物品搬送装置と、前記入出庫口において、ロール状物品を外部との間で搬出入自在で、かつ、ロール状物品を前記物品搬送装置との間で移載自在な入出庫装置と、外部から前記入出庫装置に搬入されたロール状物品に対して前記支持棒を挿入し、前記物品搬送装置から前記入出庫装置に移載されたロール状物品から前記支持棒を離脱する支持棒挿脱装置が設けられているロール状物品用の収納設備に関する。
【背景技術】
【0002】
上記ロール状物品用の収納設備の従来例として、支持棒挿脱装置にてロール状物品から離脱された支持棒を、ロール状物品を収納する収納部にて保管するように構成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
説明を加えると、上記従来のロール状物品用の収納設備では、ロール状物品を出庫する場合、支持棒が挿入された状態で収納部に収納されているロール状物品を、物品搬送装置により支持棒ごと収納部から取り出して、入出庫口における入出庫装置まで搬送した後、支持棒挿脱装置にて当該ロール状物品から支持棒を離脱させ、離脱した支持棒を物品搬送装置にて収納部まで搬送し空き状態となっている収納部に収納する。また、ロール状物品を入庫する場合、収納部に単体で収納されている支持棒を、物品搬送装置により入出庫口まで搬送した後、入出庫装置に外部から搬入されたロール状物品に支持棒挿脱装置にて当該支持棒を挿入し、支持棒が挿入された状態のロール状物品を物品搬送装置にて収納部まで搬送し収納する。
【0004】
【特許文献1】特開2007−137605号公報(図1、図3、図16及び図19並びに段落「0080」及び段落「0090」)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のロール状物品用の収納設備であると、出庫作業においてロール状物品から離脱された支持棒を保管するためには、物品搬送装置が保管対象の支持棒を入出庫口から収納部まで搬送しなければならない。また、入庫処理において支持棒をロール状物品に挿入するためには、物品搬送装置が挿入対象の支持棒をそれが保管されている収納部から入出庫口まで搬送しなければならない。
【0006】
このため、従来のロール状物品用の収納設備であると、入庫作業時及び出庫作業時に物品搬送装置が物品を収納部と入出庫口との間で搬送する時間に加えて支持棒を収納部と入出庫口との間で搬送する時間が発生することから、単位時間当たりに入出庫処理できるロール状物品の個数が制限されてしまい、物品処理能力が低くなってしまっていた。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みて為されたものであって、その目的は、物品処理能力が高いロール状物品用の収納設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために、本発明にかかるロール状物品用の収納設備は、ロール状物品に両端が突出する状態で挿入された支持棒の両端部を支持してロール状物品を収納する複数の収納部と、前記支持棒の両端部を支持してロール状物品を前記収納部と入出庫口とに搬送する物品搬送装置と、前記入出庫口において、ロール状物品を外部との間で搬出入自在で、かつ、ロール状物品を前記物品搬送装置との間で移載自在な入出庫装置と、外部から前記入出庫装置に搬入されたロール状物品に対して前記支持棒を挿入し、前記物品搬送装置から前記入出庫装置に移載されたロール状物品から前記支持棒を離脱する支持棒挿脱装置が設けられているものであって、その第1特徴構成は、前記支持棒挿脱装置との間で前記支持棒を受け渡し及び受け取り自在で、かつ、複数の前記支持棒を保管可能な支持棒保管装置が前記入出庫口に設けられている点にある。
【0009】
すなわち、入出庫口に設けられた支持棒保管装置は、支持棒挿脱装置との間で支持棒を受け渡し及び受け取り自在であり、また、複数の支持棒を保管できるので、支持棒保管装置は、支持棒挿脱装置から受け取った支持棒を保管して、保管している支持棒を支持棒挿脱装置に受け渡すことができる。
【0010】
つまり、収納部より取り出したロール状物品から支持棒を離脱してから外部へ搬出する出庫作業において、支持棒挿脱装置にてロール状物品から離脱された支持棒を、支持棒保管装置がその支持棒を受け取って保管することができ、また、外部から搬入されたロール状物品に支持棒を挿入してから収納部に収納する入庫作業において、支持棒挿脱装置にてロール状物品に挿入すべき支持棒として、支持棒保管装置が保管している支持棒を用いることができる。
【0011】
したがって、出庫作業において支持棒挿脱装置にて離脱された支持棒及び入庫作業において支持棒挿脱装置にて挿入すべき支持棒は、物品搬送装置によって搬送されることなく支持棒挿脱装置との間で受け取り及び受け渡しされるので、物品搬送装置は離脱した支持棒や挿入すべき支持棒を搬送せずに別のロール状物品の搬送処理を行うことができる。
【0012】
このように、本発明の第1特徴構成によると、物品処理能力が高いロール状物品用の収納設備を得るに至った。
【0013】
本発明にかかるロール状物品用の収納設備の第2特徴構成は、第1特徴構成において、前記支持棒保管装置が、前記支持棒挿脱装置との間で前記支持棒を受け取り及び受け渡す授受位置及びその授受位置の下方に設定された準備位置の間で前記支持棒を昇降させる昇降操作具と、前記授受位置で受け取った前記支持棒を前記準備位置に搬送可能な形態で保管する保管部とを備えている点にある。
【0014】
すなわち、支持棒保管装置は、授受位置にて支持棒挿脱装置との間で支持棒を受け取り及び受け渡すので、支持棒挿脱装置から支持棒を受け取る位置と支持棒挿脱装置に支持棒を受け渡す位置とが同じでよく、受け渡された支持棒を挿入する場合と受け渡すべき支持棒を離脱する場合とで支持棒の移動経路が同じになるように支持棒挿脱装置を構成することができる。したがって、支持棒挿脱装置の構成の簡素化を図ることができる。
【0015】
また、支持棒保管装置は、授受位置で受け取った支持棒を準備位置に搬送可能な形態で保管する保管部を備えて、準備位置に搬送された支持棒を授受位置まで昇降させる昇降操作具を備えているので、授受位置で受け取って保管部で保管している支持棒を、昇降操作具にて授受位置に戻すことができる。そして、昇降操作具は、支持棒を昇降させるだけの簡単な構成であるから、支持棒保管装置は、簡単な構成により、授受位置で受け取った支持棒を授受位置に戻すことができる。
【0016】
このように、本発明の第2特徴構成によると、支持棒挿脱装置及び支持棒保管装置の構成の簡素化を図ることができるロール状物品用の収納設備を得るに至った。
【0017】
本発明にかかるロール状物品用の収納設備の第3特徴構成は、第2特徴構成において、前記保管部が、前記支持棒が転動する傾斜部を備えて、前記授受位置で受け取った前記支持棒が前記準備位置まで前記傾斜部に沿って移動可能に構成され、かつ、前記傾斜部において前記支持棒を保管するように構成されている点にある。
【0018】
すなわち、保管部が、支持棒が転動する傾斜部を備えて、授受位置で受け取った支持棒が準備位置まで傾斜部に沿って移動可能に構成されているので、支持棒が傾斜部に沿って自重により移動することが可能となる。したがって、授受位置で受け取った支持棒が準備位置まで移動するまでの移動経路において、支持棒が機械的な搬送作動により搬送される部分をできるだけ少なくし、故障の可能性がある機械的な作動箇所を減らして信頼性の高い装置とすることができる。
【0019】
また、支持棒が転動する傾斜部において支持棒を保管するので、授受位置で受け取った支持棒を保管するための空間と支持棒を準備位置まで移動させるための空間を兼用することになり、装置を小型化することができる。したがって、設備全体の省スペース化を図ることができる。
【0020】
このように、本発明の第3特徴構成によると、信頼性が高く、しかも、省スペース化を図ることができるロール状物品用の収納設備を得るに至った。
【0021】
本発明にかかるロール状物品用の収納設備の第4特徴構成は、第1〜第3特徴構成のいずれかにおいて、前記支持棒保管装置が、保管している前記支持棒の数が保管許容上限数に達した場合に前記支持棒を回収する回収部に対して前記支持棒を排出する排出手段を備えて構成されている点にある。
【0022】
すなわち、排出手段は、支持棒保管装置が保管している支持棒の数が保管許容上限数に達した場合に支持棒を回収する回収部に対して支持棒を排出するので、支持棒保管装置に保管許容上限数の支持棒が保管された状態となっても、保管している支持棒を排出手段が回収部に排出することで保管している支持棒の数を減らし、保管している支持棒の数を保管許容上限数よりも少なくして、その後も、支持棒挿脱装置により離脱された支持棒を支持棒保管装置にて受け取って保管することができる。
【0023】
したがって、収納設備から保管許容上限数よりも多いロール状物品を連続して出庫する場合に、支持棒挿脱装置にて離脱された支持棒が次々に支持棒保管装置に保管されて、支持棒保管装置に保管許容上限数の支持棒が保管された状態となっても、その後も、支持棒挿脱装置から受け取って支持棒を保管することができる。
【0024】
このように、本発明の第4特徴構成によると、支持棒保管装置の許容上限数に拘らず収納設備から連続して出庫することができるロール状物品用の収納設備を得るに至った。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明のロール状物品用の収納設備の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1及び図2に示すように、本収納設備は、ロール状物品Aに両端が突出する状態で挿入された支持棒1の両端部を支持してロール状物品Aを収納する収納部2が縦横に設けられた物品収納棚3を4棟備えている。対をなす第1物品収納棚3aと第2物品収納棚3aの間、及び、同じく対をなす第3物品収納棚3cと第4物品収納棚3dの間に形成されるクレーン走行経路Lcの床面には、走行レール4が敷設されている。そして、支持棒1の両端部を支持してロール状物品Aを収納部2と入出庫口EXとに搬送する物品搬送装置としてのスタッカークレーン5が、この走行レール5に沿って往復移動自在に設けられている。
【0026】
収納部2には、ロール状物品Aに挿入された支持棒1の両端部を支持載置する対をなす支持棒受け部が物品出し入れ方向に間隔を空けて2対設けられており、1つの収納部2には、物品出し入れ方向に並ぶ奥側収納位置及び手前側収納位置の2個の収納位置が形成されている。このように、収納部2には、2個のロール状物品Aを物品出し入れ方向に並べて収納できるダブルディープタイプの収納部にて構成されている。なお、各収納部に収納されるロール状物品Aは複数の種類があり、軸芯方向の長さが物品の種類によって異なっているが、図面では省略して、全てのロール状物品Aを同一の幅にて図示している。
【0027】
スタッカークレーン5は、走行レール5上に設置された走行台車5Dと、走行方向の前後で間隔を空けて走行台車5Dに設けた一対の昇降マスト5Mに沿って昇降自在なキャリッジ5Cとを備えている。キャリッジ5Cには、ロール状物品Aに両端が突出する状態で挿入された支持棒1の両端部を支持する前後一対の出退受け部5Uが、それらの設置間隔が、収納部2における支持棒受け部の設置間隔よりも幅狭となるように設けられている。これにより、出退受け部5Uの出退方向側面視で、収納部2における支持棒受け部と前後一対の出退受け部5Uの出退方向の位置が一致するまで出退受け部5Uを突出させてからキャリッジ5Cが昇降(上昇又は下降)作動することで、収納部2に対する移載作業(掬い作業又は降ろし作業)が行えるようになっている。
【0028】
また、出退受け部5Uは、走行台車5Dの走行方向で左右いずれの方向にも出退操作自在に構成されており、収納部2との間でロール状物品Aを移載するときは、出退受け部5Uの出退ストロークを、収納部2の手前側収納位置に対応させたシングルリーチと収納部2の奥側収納位置に対応させたダブルリーチとで切り換えられるようになっている。
【0029】
入出庫口EXには、支持棒1が挿入されたロール状物品Aを吊り下げ支持した状態で物品収納棚3の並び方向に搬送する天井トラバーサ6と、支持棒1が挿入されたロール状物品Aを載置支持した状態で、トラバーサ側移載位置Ldxとクレーン側移載位置Ldyに亘る台車走行経路Ldに沿って往復走行移動する自走式の中継台車7と、外部との間で搬出入されるロール状物品Aを、搬出入用の下限位置PALと下限位置PALよりも上方に設定され支持棒1を挿脱操作するための上限位置PAHとの間で略垂直方向に昇降させる昇降装置8と、上限位置PAに位置するロール状物品Aに対して支持棒1を挿入し、また、上限位置PAHに位置するロール状物品Aから支持棒1を離脱する挿脱兼用の支持棒挿脱装置9と、支持棒挿脱装置9との間で支持棒1を受け渡し及び受け取り自在で、かつ、複数の支持棒1を保管可能な支持棒保管装置10とが設けられている。
【0030】
天井トラバーサ6は、入出庫口EXにおける中継台車7のトラバーサ側移載位置Ldx側の領域において中継台車7と昇降装置8との間で、支持棒1が挿入されたロール状物品Aを吊り下げ支持状態で搬送する。天井トラバーサ6は、床面Fに立設された複数の支柱11の上端部に接続された一対のガイドレール12に沿って案内走行する走行体6Dを備えており、この走行体6Dには、その直下で昇降自在なチャック6Cが設けられている。チャック6Cは、支持棒1の両端部に外嵌されるキャップ部を下端部に備えた一対のチャックアーム備え、この一対のチャックアームの間隔が支持棒1の長さL(本実施形態では2.5[m])に略一致する接近位置と、一対のチャックアームの間隔がチャック6Cの昇降が可能な程度に支持棒1の長さLより長くなる離間位置とに切り換えられるように、一対のチャックアームを互いに接近離間操作自在に構成されている。
【0031】
中継台車7は、第1物品収納棚3a〜第4物品収納棚3dまでの設置位置に対応させて、2対4台設けられており、4台の中継台車7の台車走行経路Ldが、平行に並ぶ状態で設定されている。
【0032】
各中継台車7は、台車走行経路Ldを走行移動するが、積極的な移載作動は行わない。すなわち、トラバーサ側移載位置Ldxにおいて停止している中継台車7に対して天井トラバーサ6の移載作動(具体的には、走行体6Dの走行作動、チャック6Cの昇降作動、及び、一対のチャックアームの接近離間作動)により支持棒1が挿入されたロール状物品Aが移載され、また、クレーン側移載位置Ldyにおいて停止している中継台車7に対して、スタッカークレーン5の移載作動(具体的には、走行台車5Dの走行作動、キャリッジ5Cの昇降作動、及び、出退受け部5Uの出退作動)により支持棒1が挿入されたロール状物品Aが移載される。なお、中継台車7には、前後一対の支持棒受け部が設けられており、これらにて支持棒1の両端部が受止め支持されることで、支持棒1が挿入されたロール状物品Aを載置支持することができるようになっている。
【0033】
昇降装置8は、図3〜図5にも示すように、ロール状物品Aの中空軸芯の両端部を載置支持する転動防止用の専用載置台13Dに載置された状態で手押し搬送台車13にて外部から搬入されるロール状物品Aを、手押し搬送台車13の底板13Bを下方支持する一対の昇降水平アーム14を昇降操作して、下限位置PALと上限位置PAHとの間で昇降させる。
【0034】
一対の昇降水平アーム14の一方の根元側箇所及び他方の先端側箇所の横側部には、手押し搬送台車13の底板13Bに設けられた系合孔27に系合する上向きの系合ピン28が設けられている。底板13Bの系合孔27に系合ピン28を系合させた状態で、昇降水平アーム14を底板13Bの裏面に当接させて昇降操作することにより、手押し搬送台車13が昇降水平アーム14上で位置すれを起こさないようにしている。
【0035】
昇降水平アーム14は昇降体15に設けられており、昇降体15は、角パイプ鋼材を平面視コの字状に枠組みして構成されたベースフレーム枠体16に設けられた一対の縦フレーム17に対して、一対のリニアガイド18を介して上下方向に摺動自在に連結されている。昇降装置8は、ベースフレーム16に設けられた昇降装置電動シリンダM1の伸縮作動により昇降操作される一対の昇降アーム22と、昇降アーム22と昇降体15を接続する接続プレート23とからなる昇降操作機構24を備えており、昇降装置電動シリンダM1を伸縮作動させることで、昇降体15を上昇操作及び下降操作できるように構成されている。
【0036】
なお、ベースフレーム16には、ロール状物品Aの下限位置PALに対応した昇降高さに位置する昇降体15を検出する光電スイッチ25及びロール状物品Aの上限位置PAHに対応した昇降高さに位置する昇降体15を検出するリミットスイッチ26が設けられており、ベースフレーム16の横脇に設けられた昇降装置コントローラH1が、これらのスイッチの検出情報に基づいて、昇降装置電動シリンダM1の回転駆動を制御するようになっている。
【0037】
昇降装置8に対する台車搬出入方向視で、昇降体15の左右両端部及び中央部には、手押し搬送台車13の底板13Bの搬入方向奥側の端辺が当接する当り止め19が位置調整自在に設けられている。また、ベースフレーム16の左右のサイドフレーム20にはブラケットを介して複数のガイドローラ21が設けられている。これらのガイドローラ21は、台車搬出入方向で最奥端に位置するガイドローラ21の左右設置間隔が手押し搬送台車13の底板13Bの横幅と略同じ距離に、かつ、台車搬出入方向で手前側ほどガイドローラ21の左右設置間隔が広くなる状態で左右対称に設けられている。これにより、外部から手押し操作される手押し搬送台車13を搬入方向への簡単な押し操作するだけで、手押し搬送台車13の底板13Bが備える系合孔27と昇降水平アーム14の系合ピン28を系合させることができる所定の昇降用搬入位置に位置決めできるようになっている。
【0038】
入出庫口EXの昇降装置8に外部からロール状物品Aが手押し搬送台車13にて搬入されると、当該ロール状物品Aが手押し搬送台車13ごと上限位置PAHまで上昇操作され、支持棒挿脱装置9にて支持棒1が挿入された後、天井トラバーサ6にて支持棒1の両端部を挟持するようにして吊り上げることで当該ロール状物品Aは支持棒1の両端部にて吊り下げ支持された状態となり、上位の管理コンピュータにより指定された中継台車7についてのトラバーサ側移載位置Ldxまで吊り下げ搬送される。そして、トラバーサ側移載位置Ldxに位置する中継台車7に載置され、当該中継台車7がロール状物品Aを支持棒1の両端部を載置支持しながらクレーン側移載位置Ldyまで台車走行経路Ldに沿って走行する。そして、対応するスタッカークレーン5が、クレーン側移載位置Ldyに位置する中継台車7からロール状物品Aを支持棒1の両端部の内側寄りの箇所を下方支持するようにして掬い取って、上位の管理コンピュータにより指定された収納部2まで搬送し、当該ロール状物品Aを目的の収納部2に収納する。
【0039】
また、収納部2からスタッカークレーン5にて掬い取ったロール状物品Aは、当該スタッカークレーン5に対応する台車走行経路Ldのクレーン側移載位置Ldyに位置する中継台車7に載置される。そして、当該中継台車7がロール状物品Aを支持棒1の両端部を載置支持した状態でクレーン側移載位置Ldyから台車走行経路Ldに沿ってトラバーサ側移載位置Ldxまで走行した後、天井トラバーサ6がトラバーサ側移載位置Ldxに位置する中継台車7からロール状物品Aを支持棒1の両端部を挟持するようにして吊り上げることで当該ロール状物品Aは吊り下げ支持された状態となり、昇降装置8の上方空間まで吊り下げ搬送される。そして、ロール状物品Aの上限位置PAHに対応する高さまで昇降装置8にて上昇操作された手押し搬送台車13の専用載置台13Dに載置され、その後、支持棒挿脱装置9にて支持棒1が離脱されてから、当該ロール状物品Aが手押し搬送台車13ごと下限位置PALまで下降操作される。その後、作業者により手押し搬送台車13が搬出入方向手前側に引き抜かれることで、ロール状物品Aが搬出される。
【0040】
このように、入出庫口EXに天井トラバーサ6、中継台車7、及び、昇降装置8が設けることにより、入出庫口EXにおいて、ロール状物品Aを外部との間で搬出入自在で、かつ、ロール状物品Aをスタッカークレーン5との間で移載するようになっている。つまり、本実施形態では、天井トラバーサ6、中継台車7、及び、昇降装置8により本発明の入出庫装置が構成されている。そして、支持棒挿脱装置9が、外部から昇降装置8に搬入されるロール状物品Aに対して支持棒1を挿入し、スタッカークレーン5から中継台車7に移載され天井トラバーサ6にて昇降装置8まで搬送されるロール状物品Aから支持棒1を離脱するようになっている。
【0041】
支持棒挿脱装置9は、図1、図2、図4及び図5に示すように、親機9Aと子機9Bとで構成されている。親機9Aは、図6にも示すように、支持棒1の挿脱方向に平面視で細長の矩形状となる基台29と、この基台29の上部で基台29の長手方向に沿って往復水平移動自在に設けられたスライドチャック装置30と、基台29の内部空間の前方側(昇降装置8側)の位置において昇降自在な補助ガイド31とで構成されている。子機9Bは、昇降装置8を挟んで親機9Aと反対側に設けられており、基台32と、この基台32の上部に設けられ、支持棒1の挿脱方向及び上下方向に先端支持部59を移動自在に備えた子機ガイド33とで構成されている。
【0042】
親機9Aの基台29は、断面視が縦長矩形状の角パイプにて構成された水平方向に沿う左右一対の上部フレーム34を備え、一対の上部フレーム34の上端面に上部フレーム34の長手方向に沿ったリニアガイド35が、また、一対の上部フレーム34の各内側面には、上部フレーム34の両端部に設けられた前スプロケット36F及び後スプロケット36Rの間に亘って縦向きの巻回面となるように巻回された一対の駆動チェーン37、並びに、駆動チェーン37の巻回上側部分の下面を支持する上部チェーンガイド38U及び駆動チェーン37の巻回下側部分の下面を支持する下部チェーンガイド38Dが設けられている。左右の後スプロケット36Rは、基台29の後端部で左右の上部フレーム34に回転自在に取り付けられたドライブシャフト39に左右の上部フレーム34の内側で固定されており、スライドチャック操作用のギヤ付き電動モータM2にてドライブシャフト39を正逆回転駆動させることにより、スライドチャック装置30が前進する方向及び後退する方向に、一対の駆動チェーン37を同期して回動させることができるようになっている。
【0043】
また、基台29の右側の外側部には、スライドチャック装置30に対する電力ケーブルや制御ケーブルが内装されたケーブルベア40及びこれを下方支持するケーブルベアトレー41が取り付けられている。そして、同じく右側の外側部には、スライドチャック装置30が備える検出板42を検出するチャック位置検出用光電スイッチ43が、上部フレーム34にブラケットを介して上部フレーム34の前端部及び後端部の夫々に取り付けられた長尺状のセンサ取り付けレール44における複数箇所に取り付けられ、上部フレーム34とケーブルベアトレー41との隙間で上部フレーム34の長手方向に沿って並ぶように設けられている。
【0044】
親機9Aのスライドチャック装置30は、前記リニアガイド35に対して摺動自在に系合する前後左右4個のスライダ45を底面に備えたスライド枠体46の前端部に、縦向きの取り付け用フレーム47を左右に並べて立設し、スライド枠体46及び取り付け用フレーム47の前端側にチャックユニット30cを備えている。
【0045】
チャックユニット30cは、取り付け用フレーム47に接続されるバックプレートに水平状態で設けられた上面プレート及び下面プレートの夫々に、互いに対向する向きで上下に配設された一対の挟持体48を備えている。一対の挟持体48の表面側には、平面視で左右中心箇所が支持棒1の外周形状に合わせて裏面側に凹んでいる凹入部が形成されており、挟持体48の夫々を上下操作するべく縦向きに伸縮する挟持体操作用電動シリンダM3のロッド先端が挟持体48の裏面側に接続されている。
【0046】
そして、一対の挟持体操作用電動シリンダM3を同期して伸縮作動させることで、支持棒1を挟持するべく支持棒1の直径と略同じ距離まで互いに接近する接近位置と、支持棒1の直径よりも十分長い距離まで互いに離間する離間位置とに切り換え操作できるようになっている。なお、バックプレート及び一対の挟持体48の凹入部には、支持棒1やチャックユニット30cの損傷を防止するためのゴムパッド49が設けられている。
【0047】
また、スライドチャック装置30のスライド枠体46の底面には、チェーン連結部50が設けられており、基台29側に設けられた駆動チェーン37の巻回上側において、駆動チェーン37の両端部がチェーン連結部50に連結されている。これにより、駆動チェーン37を回動させると、スライドチャック装置30が駆動チェーン37に引っ張られて前後にスライド操作されるようになっている。
【0048】
そして、親機9A及び子機9Bの作動を制御する支持棒挿脱装置コントローラH2(図12参照)が、スライドチャック操作用電動モータM2及び挟持体操作用電動シリンダM3の作動を制御して、支持棒1における親機9A及び子機9Bの並び方向で親機9A側の端部(以下、根元部1Nともいう。)を一対の挟持体48にて挟持した状態でスライドチャック装置30を前進させることで上限位置PAHに位置するロール状物品Aに対して支持棒1を挿入し、また、支持棒1の根元部1Nを一対の挟持体48にて挟持した状態でスライドチャック装置30を後退させることで上限位置PAHに位置するロール状物品Aから支持棒1を離脱させることができるようになっている。
【0049】
補助ガイド31は、図6及び図10に示すように、基台29の左右の下部フレーム29Bに跨って設けられた固定部材51と、スリーブ端部に取付フランジを備えた縦軸心のボールブッシュ52と、ボールブッシュ52に挿通され上下に直動自在なリニアシャフト53と、このリニアシャフト53の上下端部に連結されたコノ字ブラケット54と、コノ字ブラケット54に固定され先端部にローラ付きの凹入部が形成された支持部55Tを備えた伸縮式の支持体55と、リニアシャフト53を上下直動操作するようにリニアシャフト53の軸心と平行となるように設けられた補助ガイド操作用電動シリンダM6とで構成されている。
【0050】
支持棒挿脱装置コントローラH2が補助ガイド操作用電動シリンダM6を伸縮させることで、支持体55を上下操作して、さらに支持体55自体を伸縮させることで、先端のローラ付き支持部55Tが支持棒1を下方で左右移動自在に支持する支持位置と支持位置より下方に設定された待機位置とに切り替え操作されるようになっている。
【0051】
子機9Bの子機ガイド33は、図4及び図5に示すように、基台32に設けられた昇降操作機構62を介して基台32の上部において上下昇降操作自在に取り付けられたガイドユニット56を備えている。ガイドユニット56は、スリーブ端部に取付フランジを備えた横軸心のボールブッシュ57を左右に並べて備えている支持ブラケット58と、先端部に先端支持部59を備え、ボールブッシュ57に挿通されて左右往復移動自在に支持ブラケット58に設けられた一対のリニアシャフト60、及び、一対のリニアシャフト60の平面視左右中間位置に設けられ、先端支持部59にその出力ロッドが連結された子機側電動シリンダ61等で構成されている。なお、図示は省略するが、支持棒1や先端支持部59の損傷を防止するためのゴムパッドが先端支持部59の底面の左右中央部等に設けられている。
【0052】
先端支持部59は、昇降操作機構62による上下昇降及び子機側電動シリンダ61による前後移動により、ロール状物品Aに支持棒1を挿入するとき、及び、ロール状物品Aから支持棒1を離脱するときに、支持棒1における親機9A及び子機9Bの並び方向で子機9B側の端部1F(以下、先端部1Fともいう。)を下方支持できるようになっている。なお、先端支持部59の位置制御は、支持棒挿脱装置コントローラH2が子機側電動シリンダ61や昇降操作機構62が備える子機側電動モータM7を原点位置からの変位量に基づいて制御することで行われる。
【0053】
支持棒挿脱装置9の親機9Aのスライドチャック装置30及び補助ガイド31並びに子機9Bのガイドユニット56は、昇降装置8により昇降用搬入位置から垂直に上昇操作されて上限位置PAHに位置するロール状物品Aに対して支持棒1を挿脱操作できるように、各装置の平面視左右中心位置が上限位置PAHに位置するロール状物品Aの平面視左右中心位置に一致するように設置位置が調整されている。
【0054】
図10を参照しながら、支持棒挿脱装置9による支持棒1の挿脱操作について簡単に説明する。まず、支持棒1の挿入操作では、挿入開始直前には、スライドチャック装置30が後退限P1よりも若干前側に設定された挟持体操作位置P2に位置し、補助ガイド31が支持位置に位置している。つまり、支持棒1の根元部1Nがスライドチャック装置30にて支持され、支持棒1の先端部1Fより若干根元側箇所が補助ガイド31における支持部55Tにて支持されている(図10(a)参照)。この状態から、電動モータM2を回転駆動させて挿入操作が開始されると、スライドチャック装置30が補助ガイド31に近接する引継ぎ用設定位置P3まで前進し、先端部1Fが子機9A側に所定量突出した状態になると、電動モータM2の回転駆動を停止させスライドチャック装置30を停止させることで、挿入操作を一旦停止させる(図10(b)参照)。支持棒1を移動させずに、子機9Bの先端支持部59にて支持棒1の先端部1Fを支持させた後、補助ガイド31における支持部55Tを待機位置まで下降させて、親機9Aにて根元部1Nが、子機9Bにて先端部1Fが支持される状態とする。そして、再び電動モータM2を回転駆動させてスライドチャック装置30の前進を再開させ、前進限P4まで前進させる(図10(c)参照)。このとき、子機9Bの先端支持部59をスライドチャック装置30の前進と同調させるべく、子機9Bの電動シリンダ61を短縮作動させる。
【0055】
次に、支持棒1の離脱操作では、離脱操作開始直前には、スライドチャック装置30が前進限P4に位置し、補助ガイド31は待機位置に位置し、支持棒1の根元部1Nがスライドチャック装置30にて支持され、支持棒1の先端部1Fが子機9Bの先端支持部59にて支持されている(図10(c)参照)。この状態から、電動モータM2を回転駆動させて離脱操作が開始されると、スライドチャック装置30が補助ガイド31の設置箇所を超えて前記引継ぎ用設定位置P3まで後退し、先端部1Fが子機9A側に所定量だけ突出した状態になると、電動モータM2の回転駆動を停止させスライドチャック装置30を停止させることで、離脱操作を一旦停止させる(図10(b)参照)。そして、補助ガイド31における支持部55Tを支持位置まで上昇させて支持棒1の中間箇所を支持させることで、親機9Aのスライドチャック装置30にて根元部1Nを、親機9Aの補助ガイド31における支持部55Tにて支持棒1の中間部を支持する状態とする。そして、再び電動モータM2を回転駆動させてスライドチャック装置30の後退を再開させ、後退限P1よりも前側に設定された挟持体操作位置P2まで後退させる(図10(a)参照)。なお、子機9Bの先端支持部59は、スライドチャック装置30の後退再開後、原点位置に復帰させておく。
【0056】
このように、支持棒挿脱装置9はこの1台で支持棒1の挿入及び離脱の双方の作業を自動で行える挿脱兼用の装置となっている。しかも、支持棒挿脱装置9による支持棒1の挿入操作時及び離脱操作時には、支持棒1は、スライドチャック装置30、及び、補助ガイド31又は子機9Bの先端支持部59により、根元部1N及び根元部1Nから離れた他の箇所(例えば先端部1F)にて支持されており、水平状態が維持できるようになっている。これにより、ロール状物品Aの支持棒挿入孔内面側に支持棒1が接触すること防止して、塵埃が発生しないようにしている。
【0057】
なお、ロール状物品Aの横幅が長いために支持棒1の根元部1Nを挟持しているスライドチャック装置30が引継ぎ用設定位置P3に位置しても支持棒1の先端部1Fがロール状物品Aの中空軸芯から突出しないような場合に対応するために、子機9Bの先端支持部59をロール状物品Aの中空軸芯内に進入できる程度に小型に構成して、ロール状物品Aの中空軸芯内において支持棒1の先端部1Fを先端支持部59にて支持するように構成してもよい。
【0058】
支持棒保管装置10は、一部の構造を支持棒挿脱装置9の親機9Aに入り込ませるようにして近接させて設置されており、支持棒挿脱装置9にて離脱された支持棒1の前後位置を変化させることなくそのままの前後位置で、受け取り及び保管し、また、保管している支持棒1をそのままの前後位置で支持棒挿脱装置9に供給できるようになっている。
【0059】
支持棒保管装置10は、図2、図7及び図8に示すように、親機9Aの基台29の内部空間に位置する昇降ユニット10Eと親機9Aの基台29の左側部に近接して設けられた保管ユニット10Bとを備えている。
【0060】
昇降ユニット10Eは、図6にも示すように、上端部に前後一対の支持棒受け63を備えた昇降体64と、この昇降体64を昇降操作する昇降リンク機構65とで構成されている。
【0061】
昇降体64は、親機9Aの左右の下部フレーム29Bに跨って設けられた前後一対の固定部材66にボールブッシュ67により上下摺動自在に設けられた前後一対のリニアシャフト68と、これらのリニアシャフト68の上端部が裏面に接続されリニアシャフト68と一体昇降する水平向きの昇降平板69とで構成されている。そして、昇降平板69の表面の前端部及び後端部に前記一対の支持棒受け63が取り付けられている。支持棒受け63は、左側(保管ユニット10Bが設置された側)が右側(支持棒挿脱装置10のケーブルベア40等が設けられている側)よりも低く形成されたJ字形状の縦断面形状で、底面にゴムパッドが敷設された支持棒1載置用の凹入部70を備えている。
【0062】
昇降リンク機構65は、親機9Aの基台29の左右の下部フレーム29Bに跨って設けられた固定部材71の上部に前後一対の軸受部材72を介して取り付けられている。昇降リンク機構65は、軸受部材72に回転自在に支持される水平向きのクランクシャフト73、クランクシャフト73に根元側が連結されクランクシャフト73の回転により揺動操作されるクランクアーム74、クランクアーム74の揺動端部における横軸心周りに揺動自在に下端部が枢支連結されたクランクロッド75を前後一対ずつ備えて構成されている。クランクロッド75の上端部は、前記昇降平板69の裏面において下方側に突設された前後一対のシャフト支持用の軸受76に回転自在に支持された昇降操作用シャフト77に対して遊転自在に連結されている。
【0063】
なお、昇降リンク機構65が取り付けられている固定部材71の前後中心は、昇降ユニット10Eについての前後一対の固定部材66の前後中心に一致しており、前後一対のクランクロッド75の夫々が、昇降操作用シャフト77の前端部及び後端部をバランスよく昇降操作できるようになっている。
【0064】
そして、昇降リンク操作用のギヤ付き電動モータM4が固定部材71の上部に設けられており、この昇降リンク操作用電動モータM4にてクランクシャフト73が回転駆動されると、昇降リンク機構65が下死点と上死点との間で作動し、これにより、昇降体64が上昇限度位置と下降限度位置とに往復昇降操作されるようになっている。
【0065】
支持棒挿脱装置9にて離脱された支持棒1を、昇降リンク機構65が上死点に位置するときの支持棒受け63で受け取り、また、昇降リンク機構65が上死点に位置するときの支持棒受け63にて受止め支持されている支持棒1が、支持棒挿脱装置9に受け渡される。したがって、本実施形態では、昇降リンク機構65が上死点に位置するときの支持棒受け63にて支持されている支持棒1の位置が授受位置Psrである。そして、後述するように、昇降リンク機構65が下死点に位置するとき支持棒受け63は、保管ユニット10Bから転動してくる支持棒1を受止め支持して授受位置Psrまで上昇させるので、昇降リンク機構65が下死点に位置するときの支持棒受け63にて受止め支持される支持棒1の位置が準備位置Pjである。
【0066】
このように、昇降ユニット10Eは、支持棒挿脱装置9との間で支持棒1を受け取り及び受け渡す授受位置Psr及びその授受位置の下方に設定された準備位置Pjの間で支持棒1を昇降させるので、本発明の昇降操作具に相当する。
【0067】
なお、昇降リンク操作用電動モータM4は、昇降リンク機構65のクランクアーム74が基台29の内部空間の右半分の領域において下向きと上向きとの間で揺動操作されるように、後述する保管装置コントローラH3(図12参照)が、昇降リンク操作用電動モータM4の回転駆動方向及び回転駆動量が制御される。クランクシャフト73には、クランクシャフト73と一体回転する検出板が設けられており、保管装置コントローラH3は、昇降リンク機構65が下死点になるときにこの検出板を検出する下死点検出センサの検出情報に基づいて、昇降リンク機構65が下死点であることを判別できるようになっている。
【0068】
保管ユニット10Bは、図7〜図9に示すように、断面視コノ字状、L字状、矩形状の各種の直線状のフレーム部材を組み合わせて枠組みされた本体フレーム78と、これに上下ニ段に設けられる2つの棚アッシー79と、本体フレーム78における支持棒挿脱装置9と反対側の側面部で支持棒1を下降操作する棚間中継装置80と、保管している支持棒1の数が保管許容上限数Nmax(本実施形態では15本)に達した場合に支持棒1を回収する回収部としての回収トレー81と、この回収トレー81に対して支持棒1を排出する排出手段としての揺動中継レール82とを備えて構成されている。
【0069】
棚アッシー79は、断面視矩形状で、長手方向の長さが本体フレーム78の前後長に対応した長さである左右一対のサイドフレーム83が、本体フレーム78の左右幅よりも短い間隔を隔てて設けられ、これらの一対のサイドフレーム83を連結する断面視矩形状の連結フレーム84が、これらの一対のサイドフレーム83の前端部、後端部、及び、中間部の夫々の箇所にて本体フレーム78の左右幅方向に沿って設けられて構成されたフレーム枠体85を備え、このフレーム枠体85の上面側に、前後一対の支持棒受けレール86が、平面視で一方の端部側部分を対応するサイドフレーム83から突出させた状態で、かつ、他方の端部を対応するサイドフレーム83の端面に揃えた状態で、フレーム枠体85の横幅方向に沿って取り付けられている。支持棒受けレール86の下面には、支持棒受けレール86の前後幅よりも幅広の取付プレート87が溶接にて取り付けられており、フレーム枠体85のサイドフレーム83の上面に溶接にて取り付けられた台座プレート88に、取付プレート87の支持棒受けレール86から前後にはみ出した部分がボルト固定されている。なお、フレーム枠体85の前後の端部には、前後方向(支持棒1の軸心方向)のずれを規制する案内板がフレーム枠体85の幅方向に沿って取り付けられている。
【0070】
棚アッシー79のフレーム枠体85には、支持棒受けレール86が取り付けられた位置よりも前後方向で外側(前後中心より前後端部側)の箇所には、支持棒1を受止め支持して支持棒1が枠体幅方向に転動することを阻止するストッパSPが設けられている。後述するように、棚アッシー79は、支持棒1が支持棒受けレール86のサイドフレーム83から突出している側から突出していない側に転動できるように、支持棒受けレール86が長手方向で傾斜する状態で本体フレーム78に対して連結高さを異ならせて設けられる。つまり、前後一対の支持棒受けレール86の上面にて支持棒1が転動する傾斜搬送面Sが形成される。ストッパSPは、この傾斜搬送面Sと直交する略上向きの直動方向となる電動シリンダM8を備えており、電動シリンダM8の出力ロッドの先端部に取り付けられた受止めプレートを、傾斜搬送面Sよりも下方に位置して支持棒1の転動を許可する引退位置と、傾斜搬送面Sよりも上方に位置して支持棒1の転動を阻止する突出位置とに切り換え操作自在に構成されている。
【0071】
ストッパSPとしては、支持棒受けレール86の長手方向で傾斜上流側、つまり、支持棒受けレール86がサイドフレーム83から突出している側に位置する箇所で支持棒1を受止め支持する上流ストッパSP1と、支持棒受けレール86の長手方向で傾斜下流側、つまり、支持棒受けレール86のサイドフレーム83から突出していない側に位置する箇所で支持棒1を受止め支持する下流ストッパSP3と、支持棒受けレール86の長手方向で上流ストッパSP1及び下流ストッパSP3の間に位置する箇所で支持棒1を受止め支持する中間ストッパSP2との3組計6個のストッパSPが棚アッシー79に備えられている。
【0072】
ストッパSPの電動シリンダM8は保管装置コントローラH3により各別に制御される。これにより、突出位置の下流ストッパSP3を引退位置にしたときに、支持棒受けレール86のサイドフレーム83から突出していない側に支持棒1を一本ずつ転動させることができるように、突出位置の中間ストッパSP2で支持棒1を傾斜搬送面Sの上流側で堰き止めた状態で保管することができるようになっている。また、図11(a)及び(c)に示すように、傾斜搬送面Sの最上流から転動してくる支持棒1を突出位置の上流ストッパSP1で受止めてから、下流側への転動を許容するようにして、転動による支持棒1の姿勢の乱れをできるだけ抑制している。なお、上流ストッパSP1及び下流ストッパSP3の受止めプレート上端部には転動してくる支持棒1に当接する樹脂製の緩衝部材を設けてある。中間ストッパSP2は、保管状態で静止している支持棒1の直近下流箇所に受止めプレートの上端部を差し込むように突出させることができるように、樹脂製の干渉体は設けられていない。
【0073】
本体フレーム78の上段に設けられた上段棚アッシー79Uには、サイドフレーム83から突出している支持棒受けレール86と同側に同量だけサイドフレーム83から突出する退避位置と、サイドフレーム83からの突出量が増大する方向に設定された受取位置とに出退自在なスライドテーブル89を備えた前後一対の支持棒受取装置90が設けられている。
【0074】
各支持棒受取装置90は、フレーム枠体85の上面側で、支持棒受けレール86よりも前後方向で中心側において前記支持棒受けレール86に隣接するように、かつ、スライドテーブル89の上面が前記支持棒受けレール86と同一傾斜平面をなすように、前後一対の台座プレート88の夫々に取り付けられている。
【0075】
台座プレート88は、昇降ユニット10Eにおける昇降平板69の前後長によりも若干長い間隔を隔てて上段棚アッシー79Uの上面に設けられており、平面視において、一対の支持棒受取装置90の間の右横側に昇降ユニット10Eにおける昇降平板69が位置するようになっている(図7参照)。また、各支持棒受取装置90は、スライドテーブル89が受取位置に位置するときに、スライドテーブル89の右側端部の位置が昇降ユニット10Eにおける昇降平板69の右側端辺の位置に平面視において一致するように取り付け位置が設定されている。
【0076】
支持棒受取装置90は、左右のサイドフレーム83に設けられた左右の台座プレート88にボルト固定されるベースプレート91を備えており、ベースプレート91には、スライドテーブル89の出退方向(支持棒受けレール86の長手方向であり、フレーム枠体85の横幅方向)に沿ったリニアガイド92と、スライドテーブル89を出退操作するスライドテーブル操作用の直動形の電動シリンダM5とがベースプレート91の幅方向に並べて取り付けられている。スライドテーブル89の裏面には、リニアガイド92に摺動自在に係合するスライダ93が出退方向で後退側の前後2箇所において取り付けられており、スライドテーブル89の幅方向でこのスライダ93に隣接する箇所において電動シリンダM5の出力ロッドが連結されている。
【0077】
そして、電動シリンダM5を正逆転に回転駆動させることで、スライドテーブル89を、支持棒1を載置支持している支持棒受け63が下降するに伴って支持棒1を受け取る受取位置と、前後移動するスライドチャック装置30や準備位置Pjから授受位置Psrまで上昇操作される支持棒1との干渉を避けることができる退避位置とに出退操作できるようになっている。
【0078】
上段棚アッシー79Uは、本体フレーム78の右側(昇降ユニット10E側)に位置する右前縦フレーム78RF及び右後縦フレーム78RBの上部に、支持棒受けレール86が突出している側のサイドフレーム83の前後端部が連結され、また、本体フレーム78の前面部及び後面部の上部において左右方向に沿って略水平に設けられた前後一対の前面上部横フレーム78FSH及び後面上部横フレーム78BSHに、支持棒受けレール86が突出していない側のサイドフレーム83の前後端部が連結されている。
【0079】
支持棒受けレール86が突出している側のサイドフレーム83の連結高さは、支持棒受けレール86が突出していない側のサイドフレーム83の連結高さよりも低くなっており、上段棚アッシー79Uは、支持棒受けレール86が突出している側から支持棒受けレール86が突出していない側に向かって下向きに傾斜するように取り付けられている。したがって、上段棚アッシー79Uは、図11(a)及び(b)に示すように、授受位置Psrで受け取った支持棒1が、支持棒受けレール86に載置支持されながら支持棒受けレール86の上面にて形成される下向きの傾斜面Su(以下、上段傾斜搬送面Suという)に沿って、棚間中継装置80側に自重により転動できるようになっている。
【0080】
下段棚アッシー79Dは、本体フレーム78の右側(昇降ユニット10E側)で前後に配置された右前縦フレーム78RF及び右後縦フレーム78RBのそれぞれの中間高さ部分に、支持棒受けレール86が突出していない側のサイドフレーム83の前後端部が連結され、また、本体フレーム78の前面部及び後面部の中間高さ部分において左右方向に沿って略水平に設けられた前後一対の前面中間部横フレーム78FSM及び後面中間部横フレーム78BSMに、支持棒受けレール86が突出している側のサイドフレーム83の前後端部が連結されている。
【0081】
支持棒受けレール86が突出していない側のサイドフレーム83の連結高さは、支持棒受けレール86が突出している側のサイドフレーム83の連結高さよりも低くなっており、下段棚アッシー79Dは、支持棒受けレール86が突出している側から支持棒受けレール86が突出していない側に向かって下向きに傾斜するように取り付けられている。したがって、下段棚アッシー79Dは、図11(c)に示すように、棚間中継装置80から受け取った支持棒1が、支持棒受けレール86に載置支持されながら支持棒受けレール86の上面にて形成される下向き傾斜面Sd(以下、下段傾斜搬送面Sdという)に沿って、昇降ユニット10E側に自重により転動できるようになっている。
【0082】
そして、上段棚アッシー79U及び下段棚アッシー79Dは、夫々に設けられた下流ストッパSP3を突出位置にしておくことで、上段棚アッシー79Uの上段傾斜搬送面Su及び下段棚アッシー79Dの下段傾斜搬送面Sdの傾斜方向に沿って並ぶ状態で複数の支持棒1を保管できるようになっている。
【0083】
棚間中継装置80は、本体フレーム78の左側部において、昇降ユニット10Eに対向する位置に設置されている。棚間中継装置80の前後一対の支持棒受け94が、上段棚アッシー79Uの支持棒受けレール86の仮想延長線上に位置するときの受取位置と、下段棚アッシー79Dの支持棒受けレール86のサイドフレーム83から突出している端部に位置する供給位置との間で昇降操作されるように構成されている。
【0084】
棚間中継装置80は、昇降ユニット10Eの昇降体64との共用を図るべく、一部の構成が昇降体64と略同様に構成されているので、その装置構成の詳しい説明は省略する。なお、昇降ユニット10Eでは、昇降リンク機構65を上死点と下死点との間で揺動作動させ支持棒受け63を昇降させているが、棚間中継装置80では、ガススプリングにより支持棒受け94が昇降するように構成されている。
【0085】
すなわち、支持棒受け94はガススプリングにより受取位置に復帰付勢された状態で設けられており、支持棒受け94に支持棒1が載置されていないときは、持棒受け94は受取位置にて位置しており、支持棒受け94に支持棒1が載置されると、支持棒1の自重によりガススプリングが縮退して持棒受け94が供給位置まで下降するようになっている。
【0086】
したがって、図11に示すように、棚間中継装置80の支持棒受け94を受取位置に位置させておけば、上段棚アッシー79Uの支持棒受けレール86にて形成された上段傾斜搬送面Suに沿って転動してくる支持棒1を支持棒受け94の凹入部にて受止め支持した後、支持棒受け94が自重により下降する。そして、支持棒1の下端部分が下段棚アッシー79Dの支持棒受けレール86に当接した後は支持棒受け94が慣性により継続して下降し、支持棒1が支持棒受け94の凹入部から下段棚アッシー79Dの支持棒受けレール86に引き継がれ、支持棒1は、下段棚アッシー79Dの支持棒受けレール86にて形成された下段傾斜搬送面Sdに沿って転動し、支持棒受け94は受取位置まで復帰上昇する。
【0087】
なお、支持棒1が連続して支持棒挿脱装置9に受け渡されて、支持棒保管装置10にて保管している支持棒1が不足する場合には、作業員により、棚間中継装置80の支持棒受け94を受取位置に位置させた状態で新たな支持棒1を下段棚アッシー79Dの支持棒受けレール86上に供給することで対応できるようになっている。
【0088】
下段棚アッシー79Dの右側に位置する基台29の空間内には、下段傾斜搬送面Sdの下流側端部と準備位置Pjとに亘る中継搬送面Scを形成する前後一対の揺動中継レール82が、基台29に取り付けられている。揺動中継レール82は、その長手方向が下段棚アッシー79Dの支持棒受けレール86の仮想延長線上に一致して中継搬送面Scを形成する中継姿勢と、下段棚アッシー79Dの端部が回収トレー81側に位置する排出姿勢との間で、基台29側に設定された横軸心周りに揺動自在に取り付けられている。
【0089】
揺動中継レール82は、図外の付勢用のコイルスプリングにより中継姿勢に弾性付勢されており、本体フレーム78には、揺動中継レール82を中継姿勢にて固定するロック状態と、排出姿勢への揺動を許容する解除状態とに切り換え自在な図外のロック機構を備えている。ロック機構は、通常時は、ロック状態となっており、保管ユニット10Bに保管されている支持棒1の保管数Nが保管許容上限数Nmaxに達した場合に、電動シリンダ等のアクチュエータの作動により解除状態に切り換えられる。
【0090】
ロック機構は、保管装置コントローラH3が、上段傾斜搬送面Su及び下段傾斜搬送面Sdに保管されている支持棒1の保管数Nに応じて、ロック機構のアクチュエータの作動を制御することにより切り換え制御される。説明を加えると、保管ユニット10Bに保管されている支持棒1の数は、保管装置コントローラH3が実行する、保管数管理手段Hnとしての保管数管理処理により管理されている。すなわち、保管装置コントローラH3は、保管数管理処理において、支持棒挿脱装置9から支持棒1を受け取るときに実行される受取制御を実行した回数と支持棒挿脱装置9に対して支持棒1を受け渡すときに実行される受渡制御を実行した回数とに基づいて、支持棒1の保管数Nを管理する。そして、保管装置コントローラH3は、保管数Nが、保管許容上限数Nmaxを超えた場合には、電動シリンダ等のアクチュエータを作動させてロック機構を解除状態に切り換えるようになっている。なお、保管数管理処理では、後述するように支持棒1を排出したときには、受渡制御を実行した回数に基づく処理とは別に保管数Nを1だけディクリメントする。
【0091】
ロック機構がロック状態に切り換えられていると、図11(c)に示すように、下段傾斜搬送面Sdに沿って転動してきた支持棒1が、揺動中継レール82に乗り移り、そのまま、中継姿勢の揺動中継レール82にて形成される中継搬送面Scに沿って準備位置Pjまで転動し、下降限度位置に位置している昇降ユニット10Eの昇降体64にて受止め支持される。
【0092】
ロック機構が解除状態に切り換えられると、下段傾斜搬送面Sdに沿って転動してきた支持棒1が、揺動中継レール82まで転動して乗り移ると、当該支持棒1の自重により、揺動中継レール82が排出姿勢側に揺動して、揺動中継レール82の傾斜方向が逆転する、これにより、支持棒1は、揺動中継レール82の途中部分から逆向きに転動し、準備位置Pjまで到達することなく、回収トレー81に排出される。揺動中継レール82に対する支持棒1による荷重がなくなると、揺動中継レール82が付勢力により中継姿勢に揺動復帰する。
【0093】
以上のように、保管ユニット10Bは、昇降ユニット10Eの支持棒受け63にて授受位置Psrの支持棒1を受け取り、受け取った支持棒1を揺動中継レール82を介して準備位置Pjに搬送できるようになっている。したがって、保管ユニット10Bは、本発明の保管部として機能している。
【0094】
また、保管ユニット10Bは、支持棒1が転動する傾斜部として、上段棚アッシー79Uの支持棒受けレール86、スライドテーブル89、下段棚アッシー79Dの支持棒受けレール86、及び、揺動中継レール82を備えて、授受位置Psrで受け取った支持棒1が準備位置Pjまでこれらの部材に沿って移動可能に構成され、かつ、傾斜部としての上段棚アッシー79Uの支持棒受けレール86及び下段棚アッシー779Dの支持棒受けレール86において支持棒1を保管するように構成されている。
【0095】
図12に示すように、上記昇降装置コントローラH1、支持棒挿脱コントローラH2、及び、保管装置コントローラH3は、総合に通信可能に接続されており、昇降装置8、支持棒挿脱装置9及び支持棒保管装置10の作動を連携して制御する。以下に、これらのコントローラの連携による制御動作のうち、支持棒挿脱装置9にて支持棒1が離脱されてから支持棒保管装置10に受け取られるまでの受取制御における動作、及び、支持棒保管装置10に保管されている支持棒1が支持棒挿脱装置9に対して受け渡されるまでの受渡制御における動作についてだけ、図13及び図14に示すフローチャートに基づいて簡単に説明する。
【0096】
なお、支持棒保管装置10は、支持棒1の受け取りや受け渡しを行うまでの待機状態では、昇降ユニット10Eの支持棒受け63は準備位置Pjに位置しており、保管ユニット10Bにおける上段棚アッシー79Uが備えるスライドテーブル89は引退位置に位置しており、上段棚アッシー79U及び下段棚アッシー79Dの下流ストッパSP3は突出位置に位置しており、ロック機構はロック状態となっている。
【0097】
前述したように、支持棒1を離脱する操作で、ライドチャック装置30が挟持体操作位置P2まで後退すると、支持棒挿脱装置9による支持棒1の離脱操作が完了し、支持棒挿脱コントローラH2が保管装置コントローラH3に支持棒離脱完了信号を出力する。これにより受取制御が開始される。受取制御では、図13に示すように、保管装置コントローラH3が、ステップ#R1(以下ステップという語を省略する)で、昇降ユニット10Eの支持棒受け63を上昇限度位置まで上昇させる。その後、支持棒挿脱コントローラH2が、#R2でスライドチャック装置30の一対の挟持体48を離間位置まで開き操作するとともに、#R3で支持位置にある補助ガイド31の支持部55Tを待機位置まで下降させる。下側の挟持体48と支持部55Tの下降操作を同調させることで、支持棒1が水平状態を維持したまま下降する。こうして、支持棒1が水平状態を維持したまま下降するに伴って、上昇限度位置に位置する前後一対の支持棒受け63に支持棒1が受け渡される。
【0098】
#R2及び#R3の処理が完了すると、支持棒挿脱コントローラH2が、#R4で、スライドチャック装置30を後退限P1まで後退させる。そして、#R2〜#R4の処理が完了するまでに、保管装置コントローラH3が、#R5で、前後一対のスライドテーブル89を受取位置まで斜め上方に突出させる。これにより、保管ユニット10Bの上段棚アッシー79U側に傾斜した前後一対のスライドテーブル89が、前後一対の支持棒受け63の前後両脇下方において、授受位置Psrにある支持棒1が下降した場合に、それを受止められる状態となる。
【0099】
#R6で、保管装置コントローラH3が、昇降ユニット10Eの支持棒受け63を上昇限度位置から下降限度位置まで下降させる。これにより、授受位置Psrに位置する支持棒1は下降操作されて、前後一対のスライドテーブル89に受止め支持され、スライドテーブル89及び支持棒受け63にて形成される上段傾斜搬送面Suに沿って転動し、上端棚アッシー79Uの上流ストッパSP1にて受止められる(図11(a)参照)。こうして支持棒1が保管ユニット10Bに受け継がれた後は、保管装置コントローラH3がスライドテーブル89を退避位置まで引退させる。
【0100】
次に、受渡制御について説明する。受渡制御は、支持棒挿脱装置コントローラH2から保管装置コントローラH3に対して支持棒要求信号が出力されると開始される。受渡制御では、図14に示すように、#S1で、保管装置コントローラH3が下段棚アッシー79Dの下流ストッパSP3を引退位置まで下降させて、受け渡し対象の支持棒1を準備位置Pjまで転動させる(図11(c)参照)。そして、例えば、先行する支持棒1の挿入操作が完了した直後のように、スライドチャック装置30が後退限P1に位置していなければ、支持棒挿脱装置コントローラH2が、#S2で、スライドチャック装置30を後退限P1まで後退させる。その後、#S3で、保管装置コントローラH3が、下降限度位置に位置する昇降ユニット10Eの支持棒受け63を上昇限度位置まで上昇させて、支持棒1を準備位置Pjから授受位置Psrまで上昇させる。
【0101】
そして、支持棒挿脱装置コントローラH2が、#S4で、スライドチャック装置30を挟持体操作位置P2まで前進させた後、#S5で、スライドチャック装置30の一対の挟持体48を接近位置まで閉じ操作するとともに、#S6で補助ガイド31の支持部55Tを支持位置まで上昇させる(図10(a)参照)。これにより、授受位置Psrに位置する支持棒1が支持棒挿脱装置10に受け渡される。なお、下方側の挟持体48と支持部55Tとが略同時に支持棒に当接するように、補助ガイド31の上昇操作は、挟持体48の閉じ操作よりも早く開始されるように設定されている。
【0102】
#S5及び#S6の処理が完了すると、保管装置コントローラH3が、#S7で、上昇限度位置に位置している昇降ユニット10Eの支持棒受け63を下降限度位置まで下降させる。こうして、受渡制御が終了すると、支持棒1をロール状物品Aに挿入するべく、支持棒挿脱装置コントローラH2がスライドチャック装置30を前進させて、挿入操作(図10参照)が開始される。
【0103】
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
【0104】
(1)上記実施形態では、支持棒保管装置が、授受位置で支持棒を受け取り、供給位置に支持棒を搬送可能な状態で保管するように構成されたものを例示したが、これに限らず、例えば、支持棒保管装置が、支持棒を各別に保管する個別保管部を回転周方向に並べて構成され、かつ、これらの個別保管部を回転周方向に沿って一体回転自在に構成された回転式の保管装置にて構成し、回転周方向におおける特定の1箇所又は複数箇所において、個別保管部との間で支持棒を受け取り及び受け渡し自在に構成されたものであってもよく、支持棒保管装置の具対構成は、種々のものが考えられる。
【0105】
(2)上記実施形態では、支持棒保管装置が、支持棒の軸心が横向きになる状態で支持棒を保管するように構成されたものを例示したが、これに代えて、支持棒保管装置が、支持棒の軸心が縦向きになる状態で支持棒を保管するように構成されたものであってもよい。
【0106】
(3)上記実施形態では、傾斜部として、上下に二段の傾斜部を備えたものを例示したが、これに限らず、単一又は3段以上の傾斜部を備えたものであってもよい。また、上記実施形態では、棚間中継装置80により上段傾斜搬送面Suから下段傾斜搬送面Sdに支持棒1が中継されるものを例示したが、これに代えて、棚間中継装置80を設けずに、上段傾斜搬送面Suから下段傾斜搬送面Sdに支持棒1が移行させるものであってもよい。例えば、段棚アッシー79のフレーム枠体85の左右幅を長くして、支持棒受けレール86の長さを延長する、又は、フレーム枠体85の左右幅をそのままにして支持棒受けレール86の長さを延長する等して、上段棚アッシー79Uにおける上段搬送面Suの搬送下流端と下段棚アッシー79Dにおける下段搬送面Sdの搬送上流端とを極力近接させることにより、棚間中継装置80を設けなくとも、支持棒1を上段搬送面Suの搬送下流端から下段搬送面Sdの搬送上流端に落下させることにより、上段傾斜搬送面Suから下段傾斜搬送面Sdに支持棒1を移行させることができる。この場合、上段傾斜搬送面Su及び下段傾斜搬送面Sdの搬送距離も長くなるので、保管許容上限数Nmaxを増大させることができる。
【0107】
(4)上記実施形態では、支持棒保管装置が、支持棒を回収する回収部に対して支持棒を排出する排出手段を備えたものを例示したが、支持棒保管装置が排出手段を備えていないものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】収納設備の全体平面図
【図2】入出庫口の一部を示す斜視図
【図3】昇降装置の横断平面図
【図4】昇降装置及び手押し搬送台車の平面図
【図5】昇降装置及び手押し搬送台車の正面図
【図6】支持棒挿脱装置の親機及び支持棒保管装置の昇降ユニットの側面図
【図7】支持棒挿脱装置の親機及び支持棒保管装置の平面図
【図8】支持棒挿脱装置の親機及び支持棒保管装置の縦断背面図
【図9】支持棒保管装置の保管ユニットの斜視図
【図10】支持棒挿脱装置が支持棒をロール状物品に挿入するときの説明図
【図11】支持棒保管装置が支持棒を受け取った後の支持棒の移動を説明する図
【図12】制御ブロック図
【図13】受取制御にフローチャート
【図14】受渡制御のフローチャート
【符号の説明】
【0109】
A ロール状物品
EX 入出庫口
Psr 授受位置
Pj 準備位置
1 支持棒
2 収納部
5 物品搬送装置
6,7,8 入出庫装置
9 支持棒挿脱装置
10 支持棒保管装置
10E 昇降操作具
10B 保管部
81 回収部
82 排出手段
86 傾斜部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール状物品に両端が突出する状態で挿入された支持棒の両端部を支持してロール状物品を収納する複数の収納部と、前記支持棒の両端部を支持してロール状物品を前記収納部と入出庫口とに搬送する物品搬送装置と、前記入出庫口において、ロール状物品を外部との間で搬出入自在で、かつ、ロール状物品を前記物品搬送装置との間で移載自在な入出庫装置と、外部から前記入出庫装置に搬入されたロール状物品に対して前記支持棒を挿入し、前記物品搬送装置から前記入出庫装置に移載されたロール状物品から前記支持棒を離脱する支持棒挿脱装置が設けられているロール状物品用の収納設備に関する。
【背景技術】
【0002】
上記ロール状物品用の収納設備の従来例として、支持棒挿脱装置にてロール状物品から離脱された支持棒を、ロール状物品を収納する収納部にて保管するように構成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
説明を加えると、上記従来のロール状物品用の収納設備では、ロール状物品を出庫する場合、支持棒が挿入された状態で収納部に収納されているロール状物品を、物品搬送装置により支持棒ごと収納部から取り出して、入出庫口における入出庫装置まで搬送した後、支持棒挿脱装置にて当該ロール状物品から支持棒を離脱させ、離脱した支持棒を物品搬送装置にて収納部まで搬送し空き状態となっている収納部に収納する。また、ロール状物品を入庫する場合、収納部に単体で収納されている支持棒を、物品搬送装置により入出庫口まで搬送した後、入出庫装置に外部から搬入されたロール状物品に支持棒挿脱装置にて当該支持棒を挿入し、支持棒が挿入された状態のロール状物品を物品搬送装置にて収納部まで搬送し収納する。
【0004】
【特許文献1】特開2007−137605号公報(図1、図3、図16及び図19並びに段落「0080」及び段落「0090」)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のロール状物品用の収納設備であると、出庫作業においてロール状物品から離脱された支持棒を保管するためには、物品搬送装置が保管対象の支持棒を入出庫口から収納部まで搬送しなければならない。また、入庫処理において支持棒をロール状物品に挿入するためには、物品搬送装置が挿入対象の支持棒をそれが保管されている収納部から入出庫口まで搬送しなければならない。
【0006】
このため、従来のロール状物品用の収納設備であると、入庫作業時及び出庫作業時に物品搬送装置が物品を収納部と入出庫口との間で搬送する時間に加えて支持棒を収納部と入出庫口との間で搬送する時間が発生することから、単位時間当たりに入出庫処理できるロール状物品の個数が制限されてしまい、物品処理能力が低くなってしまっていた。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みて為されたものであって、その目的は、物品処理能力が高いロール状物品用の収納設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために、本発明にかかるロール状物品用の収納設備は、ロール状物品に両端が突出する状態で挿入された支持棒の両端部を支持してロール状物品を収納する複数の収納部と、前記支持棒の両端部を支持してロール状物品を前記収納部と入出庫口とに搬送する物品搬送装置と、前記入出庫口において、ロール状物品を外部との間で搬出入自在で、かつ、ロール状物品を前記物品搬送装置との間で移載自在な入出庫装置と、外部から前記入出庫装置に搬入されたロール状物品に対して前記支持棒を挿入し、前記物品搬送装置から前記入出庫装置に移載されたロール状物品から前記支持棒を離脱する支持棒挿脱装置が設けられているものであって、その第1特徴構成は、前記支持棒挿脱装置との間で前記支持棒を受け渡し及び受け取り自在で、かつ、複数の前記支持棒を保管可能な支持棒保管装置が前記入出庫口に設けられている点にある。
【0009】
すなわち、入出庫口に設けられた支持棒保管装置は、支持棒挿脱装置との間で支持棒を受け渡し及び受け取り自在であり、また、複数の支持棒を保管できるので、支持棒保管装置は、支持棒挿脱装置から受け取った支持棒を保管して、保管している支持棒を支持棒挿脱装置に受け渡すことができる。
【0010】
つまり、収納部より取り出したロール状物品から支持棒を離脱してから外部へ搬出する出庫作業において、支持棒挿脱装置にてロール状物品から離脱された支持棒を、支持棒保管装置がその支持棒を受け取って保管することができ、また、外部から搬入されたロール状物品に支持棒を挿入してから収納部に収納する入庫作業において、支持棒挿脱装置にてロール状物品に挿入すべき支持棒として、支持棒保管装置が保管している支持棒を用いることができる。
【0011】
したがって、出庫作業において支持棒挿脱装置にて離脱された支持棒及び入庫作業において支持棒挿脱装置にて挿入すべき支持棒は、物品搬送装置によって搬送されることなく支持棒挿脱装置との間で受け取り及び受け渡しされるので、物品搬送装置は離脱した支持棒や挿入すべき支持棒を搬送せずに別のロール状物品の搬送処理を行うことができる。
【0012】
このように、本発明の第1特徴構成によると、物品処理能力が高いロール状物品用の収納設備を得るに至った。
【0013】
本発明にかかるロール状物品用の収納設備の第2特徴構成は、第1特徴構成において、前記支持棒保管装置が、前記支持棒挿脱装置との間で前記支持棒を受け取り及び受け渡す授受位置及びその授受位置の下方に設定された準備位置の間で前記支持棒を昇降させる昇降操作具と、前記授受位置で受け取った前記支持棒を前記準備位置に搬送可能な形態で保管する保管部とを備えている点にある。
【0014】
すなわち、支持棒保管装置は、授受位置にて支持棒挿脱装置との間で支持棒を受け取り及び受け渡すので、支持棒挿脱装置から支持棒を受け取る位置と支持棒挿脱装置に支持棒を受け渡す位置とが同じでよく、受け渡された支持棒を挿入する場合と受け渡すべき支持棒を離脱する場合とで支持棒の移動経路が同じになるように支持棒挿脱装置を構成することができる。したがって、支持棒挿脱装置の構成の簡素化を図ることができる。
【0015】
また、支持棒保管装置は、授受位置で受け取った支持棒を準備位置に搬送可能な形態で保管する保管部を備えて、準備位置に搬送された支持棒を授受位置まで昇降させる昇降操作具を備えているので、授受位置で受け取って保管部で保管している支持棒を、昇降操作具にて授受位置に戻すことができる。そして、昇降操作具は、支持棒を昇降させるだけの簡単な構成であるから、支持棒保管装置は、簡単な構成により、授受位置で受け取った支持棒を授受位置に戻すことができる。
【0016】
このように、本発明の第2特徴構成によると、支持棒挿脱装置及び支持棒保管装置の構成の簡素化を図ることができるロール状物品用の収納設備を得るに至った。
【0017】
本発明にかかるロール状物品用の収納設備の第3特徴構成は、第2特徴構成において、前記保管部が、前記支持棒が転動する傾斜部を備えて、前記授受位置で受け取った前記支持棒が前記準備位置まで前記傾斜部に沿って移動可能に構成され、かつ、前記傾斜部において前記支持棒を保管するように構成されている点にある。
【0018】
すなわち、保管部が、支持棒が転動する傾斜部を備えて、授受位置で受け取った支持棒が準備位置まで傾斜部に沿って移動可能に構成されているので、支持棒が傾斜部に沿って自重により移動することが可能となる。したがって、授受位置で受け取った支持棒が準備位置まで移動するまでの移動経路において、支持棒が機械的な搬送作動により搬送される部分をできるだけ少なくし、故障の可能性がある機械的な作動箇所を減らして信頼性の高い装置とすることができる。
【0019】
また、支持棒が転動する傾斜部において支持棒を保管するので、授受位置で受け取った支持棒を保管するための空間と支持棒を準備位置まで移動させるための空間を兼用することになり、装置を小型化することができる。したがって、設備全体の省スペース化を図ることができる。
【0020】
このように、本発明の第3特徴構成によると、信頼性が高く、しかも、省スペース化を図ることができるロール状物品用の収納設備を得るに至った。
【0021】
本発明にかかるロール状物品用の収納設備の第4特徴構成は、第1〜第3特徴構成のいずれかにおいて、前記支持棒保管装置が、保管している前記支持棒の数が保管許容上限数に達した場合に前記支持棒を回収する回収部に対して前記支持棒を排出する排出手段を備えて構成されている点にある。
【0022】
すなわち、排出手段は、支持棒保管装置が保管している支持棒の数が保管許容上限数に達した場合に支持棒を回収する回収部に対して支持棒を排出するので、支持棒保管装置に保管許容上限数の支持棒が保管された状態となっても、保管している支持棒を排出手段が回収部に排出することで保管している支持棒の数を減らし、保管している支持棒の数を保管許容上限数よりも少なくして、その後も、支持棒挿脱装置により離脱された支持棒を支持棒保管装置にて受け取って保管することができる。
【0023】
したがって、収納設備から保管許容上限数よりも多いロール状物品を連続して出庫する場合に、支持棒挿脱装置にて離脱された支持棒が次々に支持棒保管装置に保管されて、支持棒保管装置に保管許容上限数の支持棒が保管された状態となっても、その後も、支持棒挿脱装置から受け取って支持棒を保管することができる。
【0024】
このように、本発明の第4特徴構成によると、支持棒保管装置の許容上限数に拘らず収納設備から連続して出庫することができるロール状物品用の収納設備を得るに至った。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明のロール状物品用の収納設備の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1及び図2に示すように、本収納設備は、ロール状物品Aに両端が突出する状態で挿入された支持棒1の両端部を支持してロール状物品Aを収納する収納部2が縦横に設けられた物品収納棚3を4棟備えている。対をなす第1物品収納棚3aと第2物品収納棚3aの間、及び、同じく対をなす第3物品収納棚3cと第4物品収納棚3dの間に形成されるクレーン走行経路Lcの床面には、走行レール4が敷設されている。そして、支持棒1の両端部を支持してロール状物品Aを収納部2と入出庫口EXとに搬送する物品搬送装置としてのスタッカークレーン5が、この走行レール5に沿って往復移動自在に設けられている。
【0026】
収納部2には、ロール状物品Aに挿入された支持棒1の両端部を支持載置する対をなす支持棒受け部が物品出し入れ方向に間隔を空けて2対設けられており、1つの収納部2には、物品出し入れ方向に並ぶ奥側収納位置及び手前側収納位置の2個の収納位置が形成されている。このように、収納部2には、2個のロール状物品Aを物品出し入れ方向に並べて収納できるダブルディープタイプの収納部にて構成されている。なお、各収納部に収納されるロール状物品Aは複数の種類があり、軸芯方向の長さが物品の種類によって異なっているが、図面では省略して、全てのロール状物品Aを同一の幅にて図示している。
【0027】
スタッカークレーン5は、走行レール5上に設置された走行台車5Dと、走行方向の前後で間隔を空けて走行台車5Dに設けた一対の昇降マスト5Mに沿って昇降自在なキャリッジ5Cとを備えている。キャリッジ5Cには、ロール状物品Aに両端が突出する状態で挿入された支持棒1の両端部を支持する前後一対の出退受け部5Uが、それらの設置間隔が、収納部2における支持棒受け部の設置間隔よりも幅狭となるように設けられている。これにより、出退受け部5Uの出退方向側面視で、収納部2における支持棒受け部と前後一対の出退受け部5Uの出退方向の位置が一致するまで出退受け部5Uを突出させてからキャリッジ5Cが昇降(上昇又は下降)作動することで、収納部2に対する移載作業(掬い作業又は降ろし作業)が行えるようになっている。
【0028】
また、出退受け部5Uは、走行台車5Dの走行方向で左右いずれの方向にも出退操作自在に構成されており、収納部2との間でロール状物品Aを移載するときは、出退受け部5Uの出退ストロークを、収納部2の手前側収納位置に対応させたシングルリーチと収納部2の奥側収納位置に対応させたダブルリーチとで切り換えられるようになっている。
【0029】
入出庫口EXには、支持棒1が挿入されたロール状物品Aを吊り下げ支持した状態で物品収納棚3の並び方向に搬送する天井トラバーサ6と、支持棒1が挿入されたロール状物品Aを載置支持した状態で、トラバーサ側移載位置Ldxとクレーン側移載位置Ldyに亘る台車走行経路Ldに沿って往復走行移動する自走式の中継台車7と、外部との間で搬出入されるロール状物品Aを、搬出入用の下限位置PALと下限位置PALよりも上方に設定され支持棒1を挿脱操作するための上限位置PAHとの間で略垂直方向に昇降させる昇降装置8と、上限位置PAに位置するロール状物品Aに対して支持棒1を挿入し、また、上限位置PAHに位置するロール状物品Aから支持棒1を離脱する挿脱兼用の支持棒挿脱装置9と、支持棒挿脱装置9との間で支持棒1を受け渡し及び受け取り自在で、かつ、複数の支持棒1を保管可能な支持棒保管装置10とが設けられている。
【0030】
天井トラバーサ6は、入出庫口EXにおける中継台車7のトラバーサ側移載位置Ldx側の領域において中継台車7と昇降装置8との間で、支持棒1が挿入されたロール状物品Aを吊り下げ支持状態で搬送する。天井トラバーサ6は、床面Fに立設された複数の支柱11の上端部に接続された一対のガイドレール12に沿って案内走行する走行体6Dを備えており、この走行体6Dには、その直下で昇降自在なチャック6Cが設けられている。チャック6Cは、支持棒1の両端部に外嵌されるキャップ部を下端部に備えた一対のチャックアーム備え、この一対のチャックアームの間隔が支持棒1の長さL(本実施形態では2.5[m])に略一致する接近位置と、一対のチャックアームの間隔がチャック6Cの昇降が可能な程度に支持棒1の長さLより長くなる離間位置とに切り換えられるように、一対のチャックアームを互いに接近離間操作自在に構成されている。
【0031】
中継台車7は、第1物品収納棚3a〜第4物品収納棚3dまでの設置位置に対応させて、2対4台設けられており、4台の中継台車7の台車走行経路Ldが、平行に並ぶ状態で設定されている。
【0032】
各中継台車7は、台車走行経路Ldを走行移動するが、積極的な移載作動は行わない。すなわち、トラバーサ側移載位置Ldxにおいて停止している中継台車7に対して天井トラバーサ6の移載作動(具体的には、走行体6Dの走行作動、チャック6Cの昇降作動、及び、一対のチャックアームの接近離間作動)により支持棒1が挿入されたロール状物品Aが移載され、また、クレーン側移載位置Ldyにおいて停止している中継台車7に対して、スタッカークレーン5の移載作動(具体的には、走行台車5Dの走行作動、キャリッジ5Cの昇降作動、及び、出退受け部5Uの出退作動)により支持棒1が挿入されたロール状物品Aが移載される。なお、中継台車7には、前後一対の支持棒受け部が設けられており、これらにて支持棒1の両端部が受止め支持されることで、支持棒1が挿入されたロール状物品Aを載置支持することができるようになっている。
【0033】
昇降装置8は、図3〜図5にも示すように、ロール状物品Aの中空軸芯の両端部を載置支持する転動防止用の専用載置台13Dに載置された状態で手押し搬送台車13にて外部から搬入されるロール状物品Aを、手押し搬送台車13の底板13Bを下方支持する一対の昇降水平アーム14を昇降操作して、下限位置PALと上限位置PAHとの間で昇降させる。
【0034】
一対の昇降水平アーム14の一方の根元側箇所及び他方の先端側箇所の横側部には、手押し搬送台車13の底板13Bに設けられた系合孔27に系合する上向きの系合ピン28が設けられている。底板13Bの系合孔27に系合ピン28を系合させた状態で、昇降水平アーム14を底板13Bの裏面に当接させて昇降操作することにより、手押し搬送台車13が昇降水平アーム14上で位置すれを起こさないようにしている。
【0035】
昇降水平アーム14は昇降体15に設けられており、昇降体15は、角パイプ鋼材を平面視コの字状に枠組みして構成されたベースフレーム枠体16に設けられた一対の縦フレーム17に対して、一対のリニアガイド18を介して上下方向に摺動自在に連結されている。昇降装置8は、ベースフレーム16に設けられた昇降装置電動シリンダM1の伸縮作動により昇降操作される一対の昇降アーム22と、昇降アーム22と昇降体15を接続する接続プレート23とからなる昇降操作機構24を備えており、昇降装置電動シリンダM1を伸縮作動させることで、昇降体15を上昇操作及び下降操作できるように構成されている。
【0036】
なお、ベースフレーム16には、ロール状物品Aの下限位置PALに対応した昇降高さに位置する昇降体15を検出する光電スイッチ25及びロール状物品Aの上限位置PAHに対応した昇降高さに位置する昇降体15を検出するリミットスイッチ26が設けられており、ベースフレーム16の横脇に設けられた昇降装置コントローラH1が、これらのスイッチの検出情報に基づいて、昇降装置電動シリンダM1の回転駆動を制御するようになっている。
【0037】
昇降装置8に対する台車搬出入方向視で、昇降体15の左右両端部及び中央部には、手押し搬送台車13の底板13Bの搬入方向奥側の端辺が当接する当り止め19が位置調整自在に設けられている。また、ベースフレーム16の左右のサイドフレーム20にはブラケットを介して複数のガイドローラ21が設けられている。これらのガイドローラ21は、台車搬出入方向で最奥端に位置するガイドローラ21の左右設置間隔が手押し搬送台車13の底板13Bの横幅と略同じ距離に、かつ、台車搬出入方向で手前側ほどガイドローラ21の左右設置間隔が広くなる状態で左右対称に設けられている。これにより、外部から手押し操作される手押し搬送台車13を搬入方向への簡単な押し操作するだけで、手押し搬送台車13の底板13Bが備える系合孔27と昇降水平アーム14の系合ピン28を系合させることができる所定の昇降用搬入位置に位置決めできるようになっている。
【0038】
入出庫口EXの昇降装置8に外部からロール状物品Aが手押し搬送台車13にて搬入されると、当該ロール状物品Aが手押し搬送台車13ごと上限位置PAHまで上昇操作され、支持棒挿脱装置9にて支持棒1が挿入された後、天井トラバーサ6にて支持棒1の両端部を挟持するようにして吊り上げることで当該ロール状物品Aは支持棒1の両端部にて吊り下げ支持された状態となり、上位の管理コンピュータにより指定された中継台車7についてのトラバーサ側移載位置Ldxまで吊り下げ搬送される。そして、トラバーサ側移載位置Ldxに位置する中継台車7に載置され、当該中継台車7がロール状物品Aを支持棒1の両端部を載置支持しながらクレーン側移載位置Ldyまで台車走行経路Ldに沿って走行する。そして、対応するスタッカークレーン5が、クレーン側移載位置Ldyに位置する中継台車7からロール状物品Aを支持棒1の両端部の内側寄りの箇所を下方支持するようにして掬い取って、上位の管理コンピュータにより指定された収納部2まで搬送し、当該ロール状物品Aを目的の収納部2に収納する。
【0039】
また、収納部2からスタッカークレーン5にて掬い取ったロール状物品Aは、当該スタッカークレーン5に対応する台車走行経路Ldのクレーン側移載位置Ldyに位置する中継台車7に載置される。そして、当該中継台車7がロール状物品Aを支持棒1の両端部を載置支持した状態でクレーン側移載位置Ldyから台車走行経路Ldに沿ってトラバーサ側移載位置Ldxまで走行した後、天井トラバーサ6がトラバーサ側移載位置Ldxに位置する中継台車7からロール状物品Aを支持棒1の両端部を挟持するようにして吊り上げることで当該ロール状物品Aは吊り下げ支持された状態となり、昇降装置8の上方空間まで吊り下げ搬送される。そして、ロール状物品Aの上限位置PAHに対応する高さまで昇降装置8にて上昇操作された手押し搬送台車13の専用載置台13Dに載置され、その後、支持棒挿脱装置9にて支持棒1が離脱されてから、当該ロール状物品Aが手押し搬送台車13ごと下限位置PALまで下降操作される。その後、作業者により手押し搬送台車13が搬出入方向手前側に引き抜かれることで、ロール状物品Aが搬出される。
【0040】
このように、入出庫口EXに天井トラバーサ6、中継台車7、及び、昇降装置8が設けることにより、入出庫口EXにおいて、ロール状物品Aを外部との間で搬出入自在で、かつ、ロール状物品Aをスタッカークレーン5との間で移載するようになっている。つまり、本実施形態では、天井トラバーサ6、中継台車7、及び、昇降装置8により本発明の入出庫装置が構成されている。そして、支持棒挿脱装置9が、外部から昇降装置8に搬入されるロール状物品Aに対して支持棒1を挿入し、スタッカークレーン5から中継台車7に移載され天井トラバーサ6にて昇降装置8まで搬送されるロール状物品Aから支持棒1を離脱するようになっている。
【0041】
支持棒挿脱装置9は、図1、図2、図4及び図5に示すように、親機9Aと子機9Bとで構成されている。親機9Aは、図6にも示すように、支持棒1の挿脱方向に平面視で細長の矩形状となる基台29と、この基台29の上部で基台29の長手方向に沿って往復水平移動自在に設けられたスライドチャック装置30と、基台29の内部空間の前方側(昇降装置8側)の位置において昇降自在な補助ガイド31とで構成されている。子機9Bは、昇降装置8を挟んで親機9Aと反対側に設けられており、基台32と、この基台32の上部に設けられ、支持棒1の挿脱方向及び上下方向に先端支持部59を移動自在に備えた子機ガイド33とで構成されている。
【0042】
親機9Aの基台29は、断面視が縦長矩形状の角パイプにて構成された水平方向に沿う左右一対の上部フレーム34を備え、一対の上部フレーム34の上端面に上部フレーム34の長手方向に沿ったリニアガイド35が、また、一対の上部フレーム34の各内側面には、上部フレーム34の両端部に設けられた前スプロケット36F及び後スプロケット36Rの間に亘って縦向きの巻回面となるように巻回された一対の駆動チェーン37、並びに、駆動チェーン37の巻回上側部分の下面を支持する上部チェーンガイド38U及び駆動チェーン37の巻回下側部分の下面を支持する下部チェーンガイド38Dが設けられている。左右の後スプロケット36Rは、基台29の後端部で左右の上部フレーム34に回転自在に取り付けられたドライブシャフト39に左右の上部フレーム34の内側で固定されており、スライドチャック操作用のギヤ付き電動モータM2にてドライブシャフト39を正逆回転駆動させることにより、スライドチャック装置30が前進する方向及び後退する方向に、一対の駆動チェーン37を同期して回動させることができるようになっている。
【0043】
また、基台29の右側の外側部には、スライドチャック装置30に対する電力ケーブルや制御ケーブルが内装されたケーブルベア40及びこれを下方支持するケーブルベアトレー41が取り付けられている。そして、同じく右側の外側部には、スライドチャック装置30が備える検出板42を検出するチャック位置検出用光電スイッチ43が、上部フレーム34にブラケットを介して上部フレーム34の前端部及び後端部の夫々に取り付けられた長尺状のセンサ取り付けレール44における複数箇所に取り付けられ、上部フレーム34とケーブルベアトレー41との隙間で上部フレーム34の長手方向に沿って並ぶように設けられている。
【0044】
親機9Aのスライドチャック装置30は、前記リニアガイド35に対して摺動自在に系合する前後左右4個のスライダ45を底面に備えたスライド枠体46の前端部に、縦向きの取り付け用フレーム47を左右に並べて立設し、スライド枠体46及び取り付け用フレーム47の前端側にチャックユニット30cを備えている。
【0045】
チャックユニット30cは、取り付け用フレーム47に接続されるバックプレートに水平状態で設けられた上面プレート及び下面プレートの夫々に、互いに対向する向きで上下に配設された一対の挟持体48を備えている。一対の挟持体48の表面側には、平面視で左右中心箇所が支持棒1の外周形状に合わせて裏面側に凹んでいる凹入部が形成されており、挟持体48の夫々を上下操作するべく縦向きに伸縮する挟持体操作用電動シリンダM3のロッド先端が挟持体48の裏面側に接続されている。
【0046】
そして、一対の挟持体操作用電動シリンダM3を同期して伸縮作動させることで、支持棒1を挟持するべく支持棒1の直径と略同じ距離まで互いに接近する接近位置と、支持棒1の直径よりも十分長い距離まで互いに離間する離間位置とに切り換え操作できるようになっている。なお、バックプレート及び一対の挟持体48の凹入部には、支持棒1やチャックユニット30cの損傷を防止するためのゴムパッド49が設けられている。
【0047】
また、スライドチャック装置30のスライド枠体46の底面には、チェーン連結部50が設けられており、基台29側に設けられた駆動チェーン37の巻回上側において、駆動チェーン37の両端部がチェーン連結部50に連結されている。これにより、駆動チェーン37を回動させると、スライドチャック装置30が駆動チェーン37に引っ張られて前後にスライド操作されるようになっている。
【0048】
そして、親機9A及び子機9Bの作動を制御する支持棒挿脱装置コントローラH2(図12参照)が、スライドチャック操作用電動モータM2及び挟持体操作用電動シリンダM3の作動を制御して、支持棒1における親機9A及び子機9Bの並び方向で親機9A側の端部(以下、根元部1Nともいう。)を一対の挟持体48にて挟持した状態でスライドチャック装置30を前進させることで上限位置PAHに位置するロール状物品Aに対して支持棒1を挿入し、また、支持棒1の根元部1Nを一対の挟持体48にて挟持した状態でスライドチャック装置30を後退させることで上限位置PAHに位置するロール状物品Aから支持棒1を離脱させることができるようになっている。
【0049】
補助ガイド31は、図6及び図10に示すように、基台29の左右の下部フレーム29Bに跨って設けられた固定部材51と、スリーブ端部に取付フランジを備えた縦軸心のボールブッシュ52と、ボールブッシュ52に挿通され上下に直動自在なリニアシャフト53と、このリニアシャフト53の上下端部に連結されたコノ字ブラケット54と、コノ字ブラケット54に固定され先端部にローラ付きの凹入部が形成された支持部55Tを備えた伸縮式の支持体55と、リニアシャフト53を上下直動操作するようにリニアシャフト53の軸心と平行となるように設けられた補助ガイド操作用電動シリンダM6とで構成されている。
【0050】
支持棒挿脱装置コントローラH2が補助ガイド操作用電動シリンダM6を伸縮させることで、支持体55を上下操作して、さらに支持体55自体を伸縮させることで、先端のローラ付き支持部55Tが支持棒1を下方で左右移動自在に支持する支持位置と支持位置より下方に設定された待機位置とに切り替え操作されるようになっている。
【0051】
子機9Bの子機ガイド33は、図4及び図5に示すように、基台32に設けられた昇降操作機構62を介して基台32の上部において上下昇降操作自在に取り付けられたガイドユニット56を備えている。ガイドユニット56は、スリーブ端部に取付フランジを備えた横軸心のボールブッシュ57を左右に並べて備えている支持ブラケット58と、先端部に先端支持部59を備え、ボールブッシュ57に挿通されて左右往復移動自在に支持ブラケット58に設けられた一対のリニアシャフト60、及び、一対のリニアシャフト60の平面視左右中間位置に設けられ、先端支持部59にその出力ロッドが連結された子機側電動シリンダ61等で構成されている。なお、図示は省略するが、支持棒1や先端支持部59の損傷を防止するためのゴムパッドが先端支持部59の底面の左右中央部等に設けられている。
【0052】
先端支持部59は、昇降操作機構62による上下昇降及び子機側電動シリンダ61による前後移動により、ロール状物品Aに支持棒1を挿入するとき、及び、ロール状物品Aから支持棒1を離脱するときに、支持棒1における親機9A及び子機9Bの並び方向で子機9B側の端部1F(以下、先端部1Fともいう。)を下方支持できるようになっている。なお、先端支持部59の位置制御は、支持棒挿脱装置コントローラH2が子機側電動シリンダ61や昇降操作機構62が備える子機側電動モータM7を原点位置からの変位量に基づいて制御することで行われる。
【0053】
支持棒挿脱装置9の親機9Aのスライドチャック装置30及び補助ガイド31並びに子機9Bのガイドユニット56は、昇降装置8により昇降用搬入位置から垂直に上昇操作されて上限位置PAHに位置するロール状物品Aに対して支持棒1を挿脱操作できるように、各装置の平面視左右中心位置が上限位置PAHに位置するロール状物品Aの平面視左右中心位置に一致するように設置位置が調整されている。
【0054】
図10を参照しながら、支持棒挿脱装置9による支持棒1の挿脱操作について簡単に説明する。まず、支持棒1の挿入操作では、挿入開始直前には、スライドチャック装置30が後退限P1よりも若干前側に設定された挟持体操作位置P2に位置し、補助ガイド31が支持位置に位置している。つまり、支持棒1の根元部1Nがスライドチャック装置30にて支持され、支持棒1の先端部1Fより若干根元側箇所が補助ガイド31における支持部55Tにて支持されている(図10(a)参照)。この状態から、電動モータM2を回転駆動させて挿入操作が開始されると、スライドチャック装置30が補助ガイド31に近接する引継ぎ用設定位置P3まで前進し、先端部1Fが子機9A側に所定量突出した状態になると、電動モータM2の回転駆動を停止させスライドチャック装置30を停止させることで、挿入操作を一旦停止させる(図10(b)参照)。支持棒1を移動させずに、子機9Bの先端支持部59にて支持棒1の先端部1Fを支持させた後、補助ガイド31における支持部55Tを待機位置まで下降させて、親機9Aにて根元部1Nが、子機9Bにて先端部1Fが支持される状態とする。そして、再び電動モータM2を回転駆動させてスライドチャック装置30の前進を再開させ、前進限P4まで前進させる(図10(c)参照)。このとき、子機9Bの先端支持部59をスライドチャック装置30の前進と同調させるべく、子機9Bの電動シリンダ61を短縮作動させる。
【0055】
次に、支持棒1の離脱操作では、離脱操作開始直前には、スライドチャック装置30が前進限P4に位置し、補助ガイド31は待機位置に位置し、支持棒1の根元部1Nがスライドチャック装置30にて支持され、支持棒1の先端部1Fが子機9Bの先端支持部59にて支持されている(図10(c)参照)。この状態から、電動モータM2を回転駆動させて離脱操作が開始されると、スライドチャック装置30が補助ガイド31の設置箇所を超えて前記引継ぎ用設定位置P3まで後退し、先端部1Fが子機9A側に所定量だけ突出した状態になると、電動モータM2の回転駆動を停止させスライドチャック装置30を停止させることで、離脱操作を一旦停止させる(図10(b)参照)。そして、補助ガイド31における支持部55Tを支持位置まで上昇させて支持棒1の中間箇所を支持させることで、親機9Aのスライドチャック装置30にて根元部1Nを、親機9Aの補助ガイド31における支持部55Tにて支持棒1の中間部を支持する状態とする。そして、再び電動モータM2を回転駆動させてスライドチャック装置30の後退を再開させ、後退限P1よりも前側に設定された挟持体操作位置P2まで後退させる(図10(a)参照)。なお、子機9Bの先端支持部59は、スライドチャック装置30の後退再開後、原点位置に復帰させておく。
【0056】
このように、支持棒挿脱装置9はこの1台で支持棒1の挿入及び離脱の双方の作業を自動で行える挿脱兼用の装置となっている。しかも、支持棒挿脱装置9による支持棒1の挿入操作時及び離脱操作時には、支持棒1は、スライドチャック装置30、及び、補助ガイド31又は子機9Bの先端支持部59により、根元部1N及び根元部1Nから離れた他の箇所(例えば先端部1F)にて支持されており、水平状態が維持できるようになっている。これにより、ロール状物品Aの支持棒挿入孔内面側に支持棒1が接触すること防止して、塵埃が発生しないようにしている。
【0057】
なお、ロール状物品Aの横幅が長いために支持棒1の根元部1Nを挟持しているスライドチャック装置30が引継ぎ用設定位置P3に位置しても支持棒1の先端部1Fがロール状物品Aの中空軸芯から突出しないような場合に対応するために、子機9Bの先端支持部59をロール状物品Aの中空軸芯内に進入できる程度に小型に構成して、ロール状物品Aの中空軸芯内において支持棒1の先端部1Fを先端支持部59にて支持するように構成してもよい。
【0058】
支持棒保管装置10は、一部の構造を支持棒挿脱装置9の親機9Aに入り込ませるようにして近接させて設置されており、支持棒挿脱装置9にて離脱された支持棒1の前後位置を変化させることなくそのままの前後位置で、受け取り及び保管し、また、保管している支持棒1をそのままの前後位置で支持棒挿脱装置9に供給できるようになっている。
【0059】
支持棒保管装置10は、図2、図7及び図8に示すように、親機9Aの基台29の内部空間に位置する昇降ユニット10Eと親機9Aの基台29の左側部に近接して設けられた保管ユニット10Bとを備えている。
【0060】
昇降ユニット10Eは、図6にも示すように、上端部に前後一対の支持棒受け63を備えた昇降体64と、この昇降体64を昇降操作する昇降リンク機構65とで構成されている。
【0061】
昇降体64は、親機9Aの左右の下部フレーム29Bに跨って設けられた前後一対の固定部材66にボールブッシュ67により上下摺動自在に設けられた前後一対のリニアシャフト68と、これらのリニアシャフト68の上端部が裏面に接続されリニアシャフト68と一体昇降する水平向きの昇降平板69とで構成されている。そして、昇降平板69の表面の前端部及び後端部に前記一対の支持棒受け63が取り付けられている。支持棒受け63は、左側(保管ユニット10Bが設置された側)が右側(支持棒挿脱装置10のケーブルベア40等が設けられている側)よりも低く形成されたJ字形状の縦断面形状で、底面にゴムパッドが敷設された支持棒1載置用の凹入部70を備えている。
【0062】
昇降リンク機構65は、親機9Aの基台29の左右の下部フレーム29Bに跨って設けられた固定部材71の上部に前後一対の軸受部材72を介して取り付けられている。昇降リンク機構65は、軸受部材72に回転自在に支持される水平向きのクランクシャフト73、クランクシャフト73に根元側が連結されクランクシャフト73の回転により揺動操作されるクランクアーム74、クランクアーム74の揺動端部における横軸心周りに揺動自在に下端部が枢支連結されたクランクロッド75を前後一対ずつ備えて構成されている。クランクロッド75の上端部は、前記昇降平板69の裏面において下方側に突設された前後一対のシャフト支持用の軸受76に回転自在に支持された昇降操作用シャフト77に対して遊転自在に連結されている。
【0063】
なお、昇降リンク機構65が取り付けられている固定部材71の前後中心は、昇降ユニット10Eについての前後一対の固定部材66の前後中心に一致しており、前後一対のクランクロッド75の夫々が、昇降操作用シャフト77の前端部及び後端部をバランスよく昇降操作できるようになっている。
【0064】
そして、昇降リンク操作用のギヤ付き電動モータM4が固定部材71の上部に設けられており、この昇降リンク操作用電動モータM4にてクランクシャフト73が回転駆動されると、昇降リンク機構65が下死点と上死点との間で作動し、これにより、昇降体64が上昇限度位置と下降限度位置とに往復昇降操作されるようになっている。
【0065】
支持棒挿脱装置9にて離脱された支持棒1を、昇降リンク機構65が上死点に位置するときの支持棒受け63で受け取り、また、昇降リンク機構65が上死点に位置するときの支持棒受け63にて受止め支持されている支持棒1が、支持棒挿脱装置9に受け渡される。したがって、本実施形態では、昇降リンク機構65が上死点に位置するときの支持棒受け63にて支持されている支持棒1の位置が授受位置Psrである。そして、後述するように、昇降リンク機構65が下死点に位置するとき支持棒受け63は、保管ユニット10Bから転動してくる支持棒1を受止め支持して授受位置Psrまで上昇させるので、昇降リンク機構65が下死点に位置するときの支持棒受け63にて受止め支持される支持棒1の位置が準備位置Pjである。
【0066】
このように、昇降ユニット10Eは、支持棒挿脱装置9との間で支持棒1を受け取り及び受け渡す授受位置Psr及びその授受位置の下方に設定された準備位置Pjの間で支持棒1を昇降させるので、本発明の昇降操作具に相当する。
【0067】
なお、昇降リンク操作用電動モータM4は、昇降リンク機構65のクランクアーム74が基台29の内部空間の右半分の領域において下向きと上向きとの間で揺動操作されるように、後述する保管装置コントローラH3(図12参照)が、昇降リンク操作用電動モータM4の回転駆動方向及び回転駆動量が制御される。クランクシャフト73には、クランクシャフト73と一体回転する検出板が設けられており、保管装置コントローラH3は、昇降リンク機構65が下死点になるときにこの検出板を検出する下死点検出センサの検出情報に基づいて、昇降リンク機構65が下死点であることを判別できるようになっている。
【0068】
保管ユニット10Bは、図7〜図9に示すように、断面視コノ字状、L字状、矩形状の各種の直線状のフレーム部材を組み合わせて枠組みされた本体フレーム78と、これに上下ニ段に設けられる2つの棚アッシー79と、本体フレーム78における支持棒挿脱装置9と反対側の側面部で支持棒1を下降操作する棚間中継装置80と、保管している支持棒1の数が保管許容上限数Nmax(本実施形態では15本)に達した場合に支持棒1を回収する回収部としての回収トレー81と、この回収トレー81に対して支持棒1を排出する排出手段としての揺動中継レール82とを備えて構成されている。
【0069】
棚アッシー79は、断面視矩形状で、長手方向の長さが本体フレーム78の前後長に対応した長さである左右一対のサイドフレーム83が、本体フレーム78の左右幅よりも短い間隔を隔てて設けられ、これらの一対のサイドフレーム83を連結する断面視矩形状の連結フレーム84が、これらの一対のサイドフレーム83の前端部、後端部、及び、中間部の夫々の箇所にて本体フレーム78の左右幅方向に沿って設けられて構成されたフレーム枠体85を備え、このフレーム枠体85の上面側に、前後一対の支持棒受けレール86が、平面視で一方の端部側部分を対応するサイドフレーム83から突出させた状態で、かつ、他方の端部を対応するサイドフレーム83の端面に揃えた状態で、フレーム枠体85の横幅方向に沿って取り付けられている。支持棒受けレール86の下面には、支持棒受けレール86の前後幅よりも幅広の取付プレート87が溶接にて取り付けられており、フレーム枠体85のサイドフレーム83の上面に溶接にて取り付けられた台座プレート88に、取付プレート87の支持棒受けレール86から前後にはみ出した部分がボルト固定されている。なお、フレーム枠体85の前後の端部には、前後方向(支持棒1の軸心方向)のずれを規制する案内板がフレーム枠体85の幅方向に沿って取り付けられている。
【0070】
棚アッシー79のフレーム枠体85には、支持棒受けレール86が取り付けられた位置よりも前後方向で外側(前後中心より前後端部側)の箇所には、支持棒1を受止め支持して支持棒1が枠体幅方向に転動することを阻止するストッパSPが設けられている。後述するように、棚アッシー79は、支持棒1が支持棒受けレール86のサイドフレーム83から突出している側から突出していない側に転動できるように、支持棒受けレール86が長手方向で傾斜する状態で本体フレーム78に対して連結高さを異ならせて設けられる。つまり、前後一対の支持棒受けレール86の上面にて支持棒1が転動する傾斜搬送面Sが形成される。ストッパSPは、この傾斜搬送面Sと直交する略上向きの直動方向となる電動シリンダM8を備えており、電動シリンダM8の出力ロッドの先端部に取り付けられた受止めプレートを、傾斜搬送面Sよりも下方に位置して支持棒1の転動を許可する引退位置と、傾斜搬送面Sよりも上方に位置して支持棒1の転動を阻止する突出位置とに切り換え操作自在に構成されている。
【0071】
ストッパSPとしては、支持棒受けレール86の長手方向で傾斜上流側、つまり、支持棒受けレール86がサイドフレーム83から突出している側に位置する箇所で支持棒1を受止め支持する上流ストッパSP1と、支持棒受けレール86の長手方向で傾斜下流側、つまり、支持棒受けレール86のサイドフレーム83から突出していない側に位置する箇所で支持棒1を受止め支持する下流ストッパSP3と、支持棒受けレール86の長手方向で上流ストッパSP1及び下流ストッパSP3の間に位置する箇所で支持棒1を受止め支持する中間ストッパSP2との3組計6個のストッパSPが棚アッシー79に備えられている。
【0072】
ストッパSPの電動シリンダM8は保管装置コントローラH3により各別に制御される。これにより、突出位置の下流ストッパSP3を引退位置にしたときに、支持棒受けレール86のサイドフレーム83から突出していない側に支持棒1を一本ずつ転動させることができるように、突出位置の中間ストッパSP2で支持棒1を傾斜搬送面Sの上流側で堰き止めた状態で保管することができるようになっている。また、図11(a)及び(c)に示すように、傾斜搬送面Sの最上流から転動してくる支持棒1を突出位置の上流ストッパSP1で受止めてから、下流側への転動を許容するようにして、転動による支持棒1の姿勢の乱れをできるだけ抑制している。なお、上流ストッパSP1及び下流ストッパSP3の受止めプレート上端部には転動してくる支持棒1に当接する樹脂製の緩衝部材を設けてある。中間ストッパSP2は、保管状態で静止している支持棒1の直近下流箇所に受止めプレートの上端部を差し込むように突出させることができるように、樹脂製の干渉体は設けられていない。
【0073】
本体フレーム78の上段に設けられた上段棚アッシー79Uには、サイドフレーム83から突出している支持棒受けレール86と同側に同量だけサイドフレーム83から突出する退避位置と、サイドフレーム83からの突出量が増大する方向に設定された受取位置とに出退自在なスライドテーブル89を備えた前後一対の支持棒受取装置90が設けられている。
【0074】
各支持棒受取装置90は、フレーム枠体85の上面側で、支持棒受けレール86よりも前後方向で中心側において前記支持棒受けレール86に隣接するように、かつ、スライドテーブル89の上面が前記支持棒受けレール86と同一傾斜平面をなすように、前後一対の台座プレート88の夫々に取り付けられている。
【0075】
台座プレート88は、昇降ユニット10Eにおける昇降平板69の前後長によりも若干長い間隔を隔てて上段棚アッシー79Uの上面に設けられており、平面視において、一対の支持棒受取装置90の間の右横側に昇降ユニット10Eにおける昇降平板69が位置するようになっている(図7参照)。また、各支持棒受取装置90は、スライドテーブル89が受取位置に位置するときに、スライドテーブル89の右側端部の位置が昇降ユニット10Eにおける昇降平板69の右側端辺の位置に平面視において一致するように取り付け位置が設定されている。
【0076】
支持棒受取装置90は、左右のサイドフレーム83に設けられた左右の台座プレート88にボルト固定されるベースプレート91を備えており、ベースプレート91には、スライドテーブル89の出退方向(支持棒受けレール86の長手方向であり、フレーム枠体85の横幅方向)に沿ったリニアガイド92と、スライドテーブル89を出退操作するスライドテーブル操作用の直動形の電動シリンダM5とがベースプレート91の幅方向に並べて取り付けられている。スライドテーブル89の裏面には、リニアガイド92に摺動自在に係合するスライダ93が出退方向で後退側の前後2箇所において取り付けられており、スライドテーブル89の幅方向でこのスライダ93に隣接する箇所において電動シリンダM5の出力ロッドが連結されている。
【0077】
そして、電動シリンダM5を正逆転に回転駆動させることで、スライドテーブル89を、支持棒1を載置支持している支持棒受け63が下降するに伴って支持棒1を受け取る受取位置と、前後移動するスライドチャック装置30や準備位置Pjから授受位置Psrまで上昇操作される支持棒1との干渉を避けることができる退避位置とに出退操作できるようになっている。
【0078】
上段棚アッシー79Uは、本体フレーム78の右側(昇降ユニット10E側)に位置する右前縦フレーム78RF及び右後縦フレーム78RBの上部に、支持棒受けレール86が突出している側のサイドフレーム83の前後端部が連結され、また、本体フレーム78の前面部及び後面部の上部において左右方向に沿って略水平に設けられた前後一対の前面上部横フレーム78FSH及び後面上部横フレーム78BSHに、支持棒受けレール86が突出していない側のサイドフレーム83の前後端部が連結されている。
【0079】
支持棒受けレール86が突出している側のサイドフレーム83の連結高さは、支持棒受けレール86が突出していない側のサイドフレーム83の連結高さよりも低くなっており、上段棚アッシー79Uは、支持棒受けレール86が突出している側から支持棒受けレール86が突出していない側に向かって下向きに傾斜するように取り付けられている。したがって、上段棚アッシー79Uは、図11(a)及び(b)に示すように、授受位置Psrで受け取った支持棒1が、支持棒受けレール86に載置支持されながら支持棒受けレール86の上面にて形成される下向きの傾斜面Su(以下、上段傾斜搬送面Suという)に沿って、棚間中継装置80側に自重により転動できるようになっている。
【0080】
下段棚アッシー79Dは、本体フレーム78の右側(昇降ユニット10E側)で前後に配置された右前縦フレーム78RF及び右後縦フレーム78RBのそれぞれの中間高さ部分に、支持棒受けレール86が突出していない側のサイドフレーム83の前後端部が連結され、また、本体フレーム78の前面部及び後面部の中間高さ部分において左右方向に沿って略水平に設けられた前後一対の前面中間部横フレーム78FSM及び後面中間部横フレーム78BSMに、支持棒受けレール86が突出している側のサイドフレーム83の前後端部が連結されている。
【0081】
支持棒受けレール86が突出していない側のサイドフレーム83の連結高さは、支持棒受けレール86が突出している側のサイドフレーム83の連結高さよりも低くなっており、下段棚アッシー79Dは、支持棒受けレール86が突出している側から支持棒受けレール86が突出していない側に向かって下向きに傾斜するように取り付けられている。したがって、下段棚アッシー79Dは、図11(c)に示すように、棚間中継装置80から受け取った支持棒1が、支持棒受けレール86に載置支持されながら支持棒受けレール86の上面にて形成される下向き傾斜面Sd(以下、下段傾斜搬送面Sdという)に沿って、昇降ユニット10E側に自重により転動できるようになっている。
【0082】
そして、上段棚アッシー79U及び下段棚アッシー79Dは、夫々に設けられた下流ストッパSP3を突出位置にしておくことで、上段棚アッシー79Uの上段傾斜搬送面Su及び下段棚アッシー79Dの下段傾斜搬送面Sdの傾斜方向に沿って並ぶ状態で複数の支持棒1を保管できるようになっている。
【0083】
棚間中継装置80は、本体フレーム78の左側部において、昇降ユニット10Eに対向する位置に設置されている。棚間中継装置80の前後一対の支持棒受け94が、上段棚アッシー79Uの支持棒受けレール86の仮想延長線上に位置するときの受取位置と、下段棚アッシー79Dの支持棒受けレール86のサイドフレーム83から突出している端部に位置する供給位置との間で昇降操作されるように構成されている。
【0084】
棚間中継装置80は、昇降ユニット10Eの昇降体64との共用を図るべく、一部の構成が昇降体64と略同様に構成されているので、その装置構成の詳しい説明は省略する。なお、昇降ユニット10Eでは、昇降リンク機構65を上死点と下死点との間で揺動作動させ支持棒受け63を昇降させているが、棚間中継装置80では、ガススプリングにより支持棒受け94が昇降するように構成されている。
【0085】
すなわち、支持棒受け94はガススプリングにより受取位置に復帰付勢された状態で設けられており、支持棒受け94に支持棒1が載置されていないときは、持棒受け94は受取位置にて位置しており、支持棒受け94に支持棒1が載置されると、支持棒1の自重によりガススプリングが縮退して持棒受け94が供給位置まで下降するようになっている。
【0086】
したがって、図11に示すように、棚間中継装置80の支持棒受け94を受取位置に位置させておけば、上段棚アッシー79Uの支持棒受けレール86にて形成された上段傾斜搬送面Suに沿って転動してくる支持棒1を支持棒受け94の凹入部にて受止め支持した後、支持棒受け94が自重により下降する。そして、支持棒1の下端部分が下段棚アッシー79Dの支持棒受けレール86に当接した後は支持棒受け94が慣性により継続して下降し、支持棒1が支持棒受け94の凹入部から下段棚アッシー79Dの支持棒受けレール86に引き継がれ、支持棒1は、下段棚アッシー79Dの支持棒受けレール86にて形成された下段傾斜搬送面Sdに沿って転動し、支持棒受け94は受取位置まで復帰上昇する。
【0087】
なお、支持棒1が連続して支持棒挿脱装置9に受け渡されて、支持棒保管装置10にて保管している支持棒1が不足する場合には、作業員により、棚間中継装置80の支持棒受け94を受取位置に位置させた状態で新たな支持棒1を下段棚アッシー79Dの支持棒受けレール86上に供給することで対応できるようになっている。
【0088】
下段棚アッシー79Dの右側に位置する基台29の空間内には、下段傾斜搬送面Sdの下流側端部と準備位置Pjとに亘る中継搬送面Scを形成する前後一対の揺動中継レール82が、基台29に取り付けられている。揺動中継レール82は、その長手方向が下段棚アッシー79Dの支持棒受けレール86の仮想延長線上に一致して中継搬送面Scを形成する中継姿勢と、下段棚アッシー79Dの端部が回収トレー81側に位置する排出姿勢との間で、基台29側に設定された横軸心周りに揺動自在に取り付けられている。
【0089】
揺動中継レール82は、図外の付勢用のコイルスプリングにより中継姿勢に弾性付勢されており、本体フレーム78には、揺動中継レール82を中継姿勢にて固定するロック状態と、排出姿勢への揺動を許容する解除状態とに切り換え自在な図外のロック機構を備えている。ロック機構は、通常時は、ロック状態となっており、保管ユニット10Bに保管されている支持棒1の保管数Nが保管許容上限数Nmaxに達した場合に、電動シリンダ等のアクチュエータの作動により解除状態に切り換えられる。
【0090】
ロック機構は、保管装置コントローラH3が、上段傾斜搬送面Su及び下段傾斜搬送面Sdに保管されている支持棒1の保管数Nに応じて、ロック機構のアクチュエータの作動を制御することにより切り換え制御される。説明を加えると、保管ユニット10Bに保管されている支持棒1の数は、保管装置コントローラH3が実行する、保管数管理手段Hnとしての保管数管理処理により管理されている。すなわち、保管装置コントローラH3は、保管数管理処理において、支持棒挿脱装置9から支持棒1を受け取るときに実行される受取制御を実行した回数と支持棒挿脱装置9に対して支持棒1を受け渡すときに実行される受渡制御を実行した回数とに基づいて、支持棒1の保管数Nを管理する。そして、保管装置コントローラH3は、保管数Nが、保管許容上限数Nmaxを超えた場合には、電動シリンダ等のアクチュエータを作動させてロック機構を解除状態に切り換えるようになっている。なお、保管数管理処理では、後述するように支持棒1を排出したときには、受渡制御を実行した回数に基づく処理とは別に保管数Nを1だけディクリメントする。
【0091】
ロック機構がロック状態に切り換えられていると、図11(c)に示すように、下段傾斜搬送面Sdに沿って転動してきた支持棒1が、揺動中継レール82に乗り移り、そのまま、中継姿勢の揺動中継レール82にて形成される中継搬送面Scに沿って準備位置Pjまで転動し、下降限度位置に位置している昇降ユニット10Eの昇降体64にて受止め支持される。
【0092】
ロック機構が解除状態に切り換えられると、下段傾斜搬送面Sdに沿って転動してきた支持棒1が、揺動中継レール82まで転動して乗り移ると、当該支持棒1の自重により、揺動中継レール82が排出姿勢側に揺動して、揺動中継レール82の傾斜方向が逆転する、これにより、支持棒1は、揺動中継レール82の途中部分から逆向きに転動し、準備位置Pjまで到達することなく、回収トレー81に排出される。揺動中継レール82に対する支持棒1による荷重がなくなると、揺動中継レール82が付勢力により中継姿勢に揺動復帰する。
【0093】
以上のように、保管ユニット10Bは、昇降ユニット10Eの支持棒受け63にて授受位置Psrの支持棒1を受け取り、受け取った支持棒1を揺動中継レール82を介して準備位置Pjに搬送できるようになっている。したがって、保管ユニット10Bは、本発明の保管部として機能している。
【0094】
また、保管ユニット10Bは、支持棒1が転動する傾斜部として、上段棚アッシー79Uの支持棒受けレール86、スライドテーブル89、下段棚アッシー79Dの支持棒受けレール86、及び、揺動中継レール82を備えて、授受位置Psrで受け取った支持棒1が準備位置Pjまでこれらの部材に沿って移動可能に構成され、かつ、傾斜部としての上段棚アッシー79Uの支持棒受けレール86及び下段棚アッシー779Dの支持棒受けレール86において支持棒1を保管するように構成されている。
【0095】
図12に示すように、上記昇降装置コントローラH1、支持棒挿脱コントローラH2、及び、保管装置コントローラH3は、総合に通信可能に接続されており、昇降装置8、支持棒挿脱装置9及び支持棒保管装置10の作動を連携して制御する。以下に、これらのコントローラの連携による制御動作のうち、支持棒挿脱装置9にて支持棒1が離脱されてから支持棒保管装置10に受け取られるまでの受取制御における動作、及び、支持棒保管装置10に保管されている支持棒1が支持棒挿脱装置9に対して受け渡されるまでの受渡制御における動作についてだけ、図13及び図14に示すフローチャートに基づいて簡単に説明する。
【0096】
なお、支持棒保管装置10は、支持棒1の受け取りや受け渡しを行うまでの待機状態では、昇降ユニット10Eの支持棒受け63は準備位置Pjに位置しており、保管ユニット10Bにおける上段棚アッシー79Uが備えるスライドテーブル89は引退位置に位置しており、上段棚アッシー79U及び下段棚アッシー79Dの下流ストッパSP3は突出位置に位置しており、ロック機構はロック状態となっている。
【0097】
前述したように、支持棒1を離脱する操作で、ライドチャック装置30が挟持体操作位置P2まで後退すると、支持棒挿脱装置9による支持棒1の離脱操作が完了し、支持棒挿脱コントローラH2が保管装置コントローラH3に支持棒離脱完了信号を出力する。これにより受取制御が開始される。受取制御では、図13に示すように、保管装置コントローラH3が、ステップ#R1(以下ステップという語を省略する)で、昇降ユニット10Eの支持棒受け63を上昇限度位置まで上昇させる。その後、支持棒挿脱コントローラH2が、#R2でスライドチャック装置30の一対の挟持体48を離間位置まで開き操作するとともに、#R3で支持位置にある補助ガイド31の支持部55Tを待機位置まで下降させる。下側の挟持体48と支持部55Tの下降操作を同調させることで、支持棒1が水平状態を維持したまま下降する。こうして、支持棒1が水平状態を維持したまま下降するに伴って、上昇限度位置に位置する前後一対の支持棒受け63に支持棒1が受け渡される。
【0098】
#R2及び#R3の処理が完了すると、支持棒挿脱コントローラH2が、#R4で、スライドチャック装置30を後退限P1まで後退させる。そして、#R2〜#R4の処理が完了するまでに、保管装置コントローラH3が、#R5で、前後一対のスライドテーブル89を受取位置まで斜め上方に突出させる。これにより、保管ユニット10Bの上段棚アッシー79U側に傾斜した前後一対のスライドテーブル89が、前後一対の支持棒受け63の前後両脇下方において、授受位置Psrにある支持棒1が下降した場合に、それを受止められる状態となる。
【0099】
#R6で、保管装置コントローラH3が、昇降ユニット10Eの支持棒受け63を上昇限度位置から下降限度位置まで下降させる。これにより、授受位置Psrに位置する支持棒1は下降操作されて、前後一対のスライドテーブル89に受止め支持され、スライドテーブル89及び支持棒受け63にて形成される上段傾斜搬送面Suに沿って転動し、上端棚アッシー79Uの上流ストッパSP1にて受止められる(図11(a)参照)。こうして支持棒1が保管ユニット10Bに受け継がれた後は、保管装置コントローラH3がスライドテーブル89を退避位置まで引退させる。
【0100】
次に、受渡制御について説明する。受渡制御は、支持棒挿脱装置コントローラH2から保管装置コントローラH3に対して支持棒要求信号が出力されると開始される。受渡制御では、図14に示すように、#S1で、保管装置コントローラH3が下段棚アッシー79Dの下流ストッパSP3を引退位置まで下降させて、受け渡し対象の支持棒1を準備位置Pjまで転動させる(図11(c)参照)。そして、例えば、先行する支持棒1の挿入操作が完了した直後のように、スライドチャック装置30が後退限P1に位置していなければ、支持棒挿脱装置コントローラH2が、#S2で、スライドチャック装置30を後退限P1まで後退させる。その後、#S3で、保管装置コントローラH3が、下降限度位置に位置する昇降ユニット10Eの支持棒受け63を上昇限度位置まで上昇させて、支持棒1を準備位置Pjから授受位置Psrまで上昇させる。
【0101】
そして、支持棒挿脱装置コントローラH2が、#S4で、スライドチャック装置30を挟持体操作位置P2まで前進させた後、#S5で、スライドチャック装置30の一対の挟持体48を接近位置まで閉じ操作するとともに、#S6で補助ガイド31の支持部55Tを支持位置まで上昇させる(図10(a)参照)。これにより、授受位置Psrに位置する支持棒1が支持棒挿脱装置10に受け渡される。なお、下方側の挟持体48と支持部55Tとが略同時に支持棒に当接するように、補助ガイド31の上昇操作は、挟持体48の閉じ操作よりも早く開始されるように設定されている。
【0102】
#S5及び#S6の処理が完了すると、保管装置コントローラH3が、#S7で、上昇限度位置に位置している昇降ユニット10Eの支持棒受け63を下降限度位置まで下降させる。こうして、受渡制御が終了すると、支持棒1をロール状物品Aに挿入するべく、支持棒挿脱装置コントローラH2がスライドチャック装置30を前進させて、挿入操作(図10参照)が開始される。
【0103】
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
【0104】
(1)上記実施形態では、支持棒保管装置が、授受位置で支持棒を受け取り、供給位置に支持棒を搬送可能な状態で保管するように構成されたものを例示したが、これに限らず、例えば、支持棒保管装置が、支持棒を各別に保管する個別保管部を回転周方向に並べて構成され、かつ、これらの個別保管部を回転周方向に沿って一体回転自在に構成された回転式の保管装置にて構成し、回転周方向におおける特定の1箇所又は複数箇所において、個別保管部との間で支持棒を受け取り及び受け渡し自在に構成されたものであってもよく、支持棒保管装置の具対構成は、種々のものが考えられる。
【0105】
(2)上記実施形態では、支持棒保管装置が、支持棒の軸心が横向きになる状態で支持棒を保管するように構成されたものを例示したが、これに代えて、支持棒保管装置が、支持棒の軸心が縦向きになる状態で支持棒を保管するように構成されたものであってもよい。
【0106】
(3)上記実施形態では、傾斜部として、上下に二段の傾斜部を備えたものを例示したが、これに限らず、単一又は3段以上の傾斜部を備えたものであってもよい。また、上記実施形態では、棚間中継装置80により上段傾斜搬送面Suから下段傾斜搬送面Sdに支持棒1が中継されるものを例示したが、これに代えて、棚間中継装置80を設けずに、上段傾斜搬送面Suから下段傾斜搬送面Sdに支持棒1が移行させるものであってもよい。例えば、段棚アッシー79のフレーム枠体85の左右幅を長くして、支持棒受けレール86の長さを延長する、又は、フレーム枠体85の左右幅をそのままにして支持棒受けレール86の長さを延長する等して、上段棚アッシー79Uにおける上段搬送面Suの搬送下流端と下段棚アッシー79Dにおける下段搬送面Sdの搬送上流端とを極力近接させることにより、棚間中継装置80を設けなくとも、支持棒1を上段搬送面Suの搬送下流端から下段搬送面Sdの搬送上流端に落下させることにより、上段傾斜搬送面Suから下段傾斜搬送面Sdに支持棒1を移行させることができる。この場合、上段傾斜搬送面Su及び下段傾斜搬送面Sdの搬送距離も長くなるので、保管許容上限数Nmaxを増大させることができる。
【0107】
(4)上記実施形態では、支持棒保管装置が、支持棒を回収する回収部に対して支持棒を排出する排出手段を備えたものを例示したが、支持棒保管装置が排出手段を備えていないものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】収納設備の全体平面図
【図2】入出庫口の一部を示す斜視図
【図3】昇降装置の横断平面図
【図4】昇降装置及び手押し搬送台車の平面図
【図5】昇降装置及び手押し搬送台車の正面図
【図6】支持棒挿脱装置の親機及び支持棒保管装置の昇降ユニットの側面図
【図7】支持棒挿脱装置の親機及び支持棒保管装置の平面図
【図8】支持棒挿脱装置の親機及び支持棒保管装置の縦断背面図
【図9】支持棒保管装置の保管ユニットの斜視図
【図10】支持棒挿脱装置が支持棒をロール状物品に挿入するときの説明図
【図11】支持棒保管装置が支持棒を受け取った後の支持棒の移動を説明する図
【図12】制御ブロック図
【図13】受取制御にフローチャート
【図14】受渡制御のフローチャート
【符号の説明】
【0109】
A ロール状物品
EX 入出庫口
Psr 授受位置
Pj 準備位置
1 支持棒
2 収納部
5 物品搬送装置
6,7,8 入出庫装置
9 支持棒挿脱装置
10 支持棒保管装置
10E 昇降操作具
10B 保管部
81 回収部
82 排出手段
86 傾斜部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール状物品に両端が突出する状態で挿入された支持棒の両端部を支持してロール状物品を収納する複数の収納部と、
前記支持棒の両端部を支持してロール状物品を前記収納部と入出庫口とに搬送する物品搬送装置と、
前記入出庫口において、ロール状物品を外部との間で搬出入自在で、かつ、ロール状物品を前記物品搬送装置との間で移載自在な入出庫装置と、
外部から前記入出庫装置に搬入されたロール状物品に対して前記支持棒を挿入し、前記物品搬送装置から前記入出庫装置に移載されたロール状物品から前記支持棒を離脱する支持棒挿脱装置が設けられているロール状物品用の収納設備であって、
前記支持棒挿脱装置との間で前記支持棒を受け渡し及び受け取り自在で、かつ、複数の前記支持棒を保管可能な支持棒保管装置が前記入出庫口に設けられているロール状物品用の収納設備。
【請求項2】
前記支持棒保管装置が、
前記支持棒挿脱装置との間で前記支持棒を受け取り及び受け渡す授受位置及びその授受位置の下方に設定された準備位置の間で前記支持棒を昇降させる昇降操作具と、
前記授受位置で受け取った前記支持棒を前記準備位置に搬送可能な形態で保管する保管部とを備えている請求項1記載のロール状物品用の収納設備。
【請求項3】
前記保管部が、前記支持棒が転動する傾斜部を備えて、前記授受位置で受け取った前記支持棒が前記準備位置まで前記傾斜部に沿って移動可能に構成され、かつ、前記傾斜部において前記支持棒を保管するように構成されている請求項2記載のロール状物品用の収納設備。
【請求項4】
前記支持棒保管装置が、保管している前記支持棒の数が保管許容上限数に達した場合に前記支持棒を回収する回収部に対して前記支持棒を排出する排出手段を備えて構成されている請求項1〜3のいずれか1項記載のロール状物品用の収納設備。
【請求項1】
ロール状物品に両端が突出する状態で挿入された支持棒の両端部を支持してロール状物品を収納する複数の収納部と、
前記支持棒の両端部を支持してロール状物品を前記収納部と入出庫口とに搬送する物品搬送装置と、
前記入出庫口において、ロール状物品を外部との間で搬出入自在で、かつ、ロール状物品を前記物品搬送装置との間で移載自在な入出庫装置と、
外部から前記入出庫装置に搬入されたロール状物品に対して前記支持棒を挿入し、前記物品搬送装置から前記入出庫装置に移載されたロール状物品から前記支持棒を離脱する支持棒挿脱装置が設けられているロール状物品用の収納設備であって、
前記支持棒挿脱装置との間で前記支持棒を受け渡し及び受け取り自在で、かつ、複数の前記支持棒を保管可能な支持棒保管装置が前記入出庫口に設けられているロール状物品用の収納設備。
【請求項2】
前記支持棒保管装置が、
前記支持棒挿脱装置との間で前記支持棒を受け取り及び受け渡す授受位置及びその授受位置の下方に設定された準備位置の間で前記支持棒を昇降させる昇降操作具と、
前記授受位置で受け取った前記支持棒を前記準備位置に搬送可能な形態で保管する保管部とを備えている請求項1記載のロール状物品用の収納設備。
【請求項3】
前記保管部が、前記支持棒が転動する傾斜部を備えて、前記授受位置で受け取った前記支持棒が前記準備位置まで前記傾斜部に沿って移動可能に構成され、かつ、前記傾斜部において前記支持棒を保管するように構成されている請求項2記載のロール状物品用の収納設備。
【請求項4】
前記支持棒保管装置が、保管している前記支持棒の数が保管許容上限数に達した場合に前記支持棒を回収する回収部に対して前記支持棒を排出する排出手段を備えて構成されている請求項1〜3のいずれか1項記載のロール状物品用の収納設備。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−249057(P2009−249057A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−95180(P2008−95180)
【出願日】平成20年4月1日(2008.4.1)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月1日(2008.4.1)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】
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