説明

ワイヤソー

【課題】異常状態データを的確に記憶し、異常原因の解析を容易にするワイヤソーを提供する。
【解決手段】複数の溝ローラー2間にワイヤ3を巻回してワイヤ列を形成し、このワイヤ列のワイヤ3を走行させ、加工物5を前記ワイヤ列に押し当てて加工物5を切り出すワイヤソー1において、ワイヤソー1の駆動状態に応じて変化する状態データを検出すると共に発生した異常を異常信号として検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された状態データを所定時間単位に順次記憶すると共に記憶領域が不足した際に最も古い状態データに最新の状態データを上書き記憶するようにした記憶手段24と、前記記憶した状態データを表示する表示手段29とを設け、前記検出手段で異常信号を検出した際、所定時間の間、状態データを記憶するとともに所定時間経過後に状態データの記憶を停止させて記憶手段24に記憶された状態データを表示手段29に表示するワイヤソー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行させたワイヤ列にシリコン、サファイア等の加工物を押し当てて切断するワイヤソーに関する。さらに詳しくは、ワイヤソーで加工物を切断する際のワイヤの張力変化等の各種装置の状態データを記録し、発生した不具合の原因を詳細に解析できるようにしたワイヤソーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ダイヤモンド等の砥粒を電着や樹脂によって芯線に固定した固定砥粒ワイヤを用い、この固定砥粒ワイヤを複数の溝が刻まれた複数本の溝ローラーに巻き回し、前記の溝ローラー間に形成されたワイヤ列にシリコンやサファイア等の加工物を押し付けて複数のウエハに切断する固定砥粒方式のワイヤソーが知られている。
【0003】
また、遊離砥粒を用い、この遊離砥粒をワイヤに付着させながらワイヤ列を加工物に押し付けて複数のウエハに切断する遊離砥粒方式のワイヤソーも知られている。
【0004】
上記両ワイヤソーにおいて、ワイヤに付与する張力、ワイヤ速度、ワイヤ往復動の時間、ワイヤ供給量、加工液の温度、溝ローラーの温度など各種の装置条件が設定され、それらの条件が制御しながら加工物を切断するワイヤソーが知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−276097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記のようなワイヤソーにおいては、加工物の切断時にワイヤ張力の異常やワイヤの供給量の不足、加工物の破片の溝ローラーへの噛み込みといった様々なトラブルにより、ワイヤが断線する問題がある。
【0007】
しかしながら、従来の特許文献1のようなワイヤソーは、各種装置状態データは逐次記録されるものの装置の切断完了までのデータを全て記憶するため、データの記憶間隔を広げたり、記憶容量を大きくしたりする必要があり、データ解析が詳細に行えない問題や、コストが高く付く問題があった。
【0008】
ワイヤソーにおいては、ワイヤ列中でワイヤが断線すると加工物全体及び溝ローラーが損傷を受け、損害が甚大となる問題があるが、この断線が発生した場合、どこに問題があって断線が発生したのかを特定することが非常に困難であり、原因が特定できずに完全な対策が行われないまま、次の加工を行うと断線が再発する問題があり、さらに損害が大きくなる問題があった。
【0009】
そこで、従来はこれらを解析するためにワイヤソーにオシロスコープを接続し、その波形を適時、専門の技術者が解析し、原因特定を行なったり、装置の制御プログラムを作成するプログラムツールに付属するトレース機能を使用して装置動作を行って解析したりする必要があり、専門の技術者を要する問題があった。このため、実際に装置を使用する担当者レベルでは、原因を特定できず、専門の技術者をトラブルの発生の度に派遣する必要があり、稼動停止時間が長くなったり、専門の技術者を派遣するなどコストが高く付く問題があった。
【0010】
また、従来の装置では作業時のデータを目一杯記録するために、記憶装置の容量が大きくなり、コストが高く付く問題や、記憶容量に限界があるために、記憶時間が長くなる場合は、データを記憶する間隔を広げなければならず、データ間隔が広くなってトラブルの解析を詳細に行なえない問題があった。特に条件数が増えると記憶する情報量も増え、データの記憶間隔を広げなければならない問題がある一方、トラブルの解析には多くの条件の詳細なデータが必要となるといった相反する問題があった。
【0011】
また、ワイヤソーにおいては、その異常が発生した直後の装置の状態データだけではなく、その発生に至るまでの状態データ及び異常検出後もしばらくの間、状態データを記録しておかないと詳細なデータの解析が行なえない問題があった。
【0012】
上記のように異常検出時の装置の状態データだけでなく、異常検出前の装置の状態データも残しておくのは、ワイヤソーにおいてはワイヤの供給から回収までの工程が長く、どの検出センサで装置が異常停止するかわからないため、異常が発生する兆候の装置の状態データを記録し、解析を詳細に行なってどの部位に異常があったか特定することが必要となるからである。
【0013】
また、異常検出後もしばらくの間、装置状態データを記録しておくのは、ワイヤソーにおいては、各種モータ等を使用しており、異常検出後もモータ等の慣性力によって装置が完全に停止状態になるまである程度の時間を要するため、それらの影響も加味して詳細にデータを解析する必要があるからである。
【0014】
ところが、従来の特許文献1のようなワイヤソーでは、記録する装置の状態データの間隔が長く、原因特定を行なうにはデータが不足していたり、途中で記憶容量が足りなくなった場合に異常発生時にデータが残っていなかったりする問題があった。さらに、異常発生部位だけでなく、広く全体にデータを取るため、必要なデータが煩雑化し、解析が困難となる問題があった。
【0015】
そこで本発明は、異常が発生した周辺のデータに着目し、その異常が発生した際にその発生時のデータ及び前後周辺のデータを詳細に保持するようにしたワイヤソーの状態記憶装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
そこで本発明は、複数本の溝ローラー間にワイヤを多数回巻回してワイヤ列を形成し、このワイヤ列のワイヤを往復動又は一方向に走行させ、加工テーブルに固定された加工物を前記ワイヤ列に押し当ててこの加工物を多数枚に切り出すワイヤソーにおいて、ワイヤソーの駆動状態に応じて変化する装置の状態データを検出するとともにワイヤソーに発生した異常を異常信号として検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された装置の状態データを所定の時間単位に順次記憶するとともに記憶領域が不足した際には最も古い状態データに最新の状態データを上書き記憶するようにした記憶手段と、前記記憶した装置の状態データを表示する表示手段とを設け、前記検出手段で異常信号を検出した際、予め設定された所定時間の間、装置の状態データを記憶するとともに前記所定時間経過後に状態データの記憶を停止させて前記記憶手段に記憶された状態データを表示手段に表示するようにした構成を採用したワイヤソーである。
【0017】
本発明の検出手段には、例えば速度検出機能を有する主軸モータ、テンションアームの角度変化を検出するエンコーダ、ワイヤの断線を通電状態や接触による張力変化等で検知する断線検知センサ、供給リールを回転駆動しその回転数を検出する供給リールモータが挙げられる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、必要以上にデータを記憶する必要がないので、データ記憶容量を最低限の大きさにでき、コストを下げることができるとともにデータの記憶間隔を細かく設定して、異常発生時のデータを詳細に解析することができ、異常原因の特定が容易に行なえるようになる。
【0019】
また、本発明によれば、必要最低限のデータ記憶容量で多数の検出手段を設けることができ、コストをかけずにより多くの検出手段を設けることができるので、原因特定が容易になる。
【0020】
さらに、本発明によれば、異常発生時の装置の状態データ及びその前後周辺の状態データを直接表示画面に表示するようにしたので、専門の技術者を要すことなく、作業者が原因を特定して、装置条件を設定することができ、簡便性の向上と技術者派遣のコスト削減及び異常対策による作業停止時間の短縮ができる。
【0021】
また、本発明によれば、異常を検出した時点だけでなく、その前後の装置の状態データも記録されているので、異常に至った経緯や異常検出後の装置が完全に停止するまでの状態データも記憶でき、ワイヤソーにおける異常の特定が容易に行なえるようになる。
【0022】
また、本発明によれば、異常発生時の装置の状態データが装置に自動的に保存されるため、ユーザーが解析できない場合でも装置から状態データをUSBメモリ等で取り出し、専門の技術者にメール等で送付して解析を進めることができるので、技術者派遣のコストを削減でき、また異常対策を早急に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係るワイヤソーの説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るワイヤソーの制御部の構成図である。
【図3】本発明のワイヤソーの動作フロー図である。
【図4】本発明のワイヤソーの内部メモリ部の記憶処理に係る説明図である。
【図5】本発明のワイヤソーの内部メモリ部の記憶処理に係る説明図である。
【図6】本発明のワイヤソーの表示装置に示すグラフの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明のワイヤソーの一実施形態について図1乃至図6に基づいて説明する。
【0025】
図1は、本発明のワイヤソーの説明図であり、ワイヤソー1の中央部には複数の溝(図示しない)が刻まれた2本の溝ローラー2a、2bが間隔をおいて設けられ、一本のワイヤ3が前記溝ローラー2a、2bに巻き回されワイヤ列を形成している。
【0026】
前記ワイヤ列上には加工テーブル6がテーブル駆動モータ8によって昇降自在に設けられ、この加工テーブル6の下方には、ダミー部材4と接着された加工物5が図示しない適宜な固定手段によって貼付け台7を介して保持されており、加工物5を往復動又は一方向に走行するワイヤ3に押し付けてウエハ状に切断するようになっている。
【0027】
また、前記溝ローラー2a、2b上にはワイヤ3に向けて加工液37を噴出する2つのノズル39、39が設けられ、ワイヤ3にダイヤモンド等の砥粒が固定された固定砥粒方式の場合は界面活性剤等を含有する冷却液等の加工液37が、遊離砥粒方式の場合には砥粒を含んだ加工液37が前記ノズル39からワイヤ3に付着させられるようになっている。
【0028】
また、上記ワイヤ3は、供給リール9から供給リールモータ18の駆動により供給され、供給トラバーサ10によってトラバースされながら、複数のガイドローラー11を経た後、テンションアーム13によってワイヤ3に張力を付与されるダンサローラー12を経由し、さらにガイドローラー14、16を経て溝ローラー2a、2bに導かれる。なお、図示省略するが、溝ローラー2a、2bを経たワイヤ3は供給側とほぼ対称となるガイドローラーや回収トラバーサを経て回収リールに巻き取られるようになっている。
【0029】
図2は、本発明のワイヤソーの制御部に係る構成図であり、ワイヤソー1全体を制御する制御部21が設けられ、この制御部21からワイヤソー1の各種制御データ等が出力される外部出力部28が制御部21に接続されている。
【0030】
上記制御部21は、各種制御データを処理するCPU23と各種装置の状態データを記憶する内部メモリ(記憶装置)24が設けられ、処理を高速で行うことができる。
【0031】
また、上記CPU23は、各種の操作スイッチ31や加工液37の供給のバルブ40が接続された入出力インターフェース25と、ワイヤ3のワイヤ列内での断線を検出する断線検知センサ34や張力検出用ロードセル15が接続された入力インターフェース26と、各種のモータが接続されたコントローラ27から構成されている。
【0032】
また、外部出力部28は、前記制御部21で得られ、内部メモリ24に記憶された装置の状態データを処理し、適宜グラフ化して表示する表示装置29と、前記内部メモリ24に記憶されたデータを各種のメモリカードやハードディスク等に保存する補助記憶装置30とから構成されている。
【0033】
また、上記供給リールモータ18はサーボモータが用いられ、この供給リールモータ18はドライバ36を介してコントローラ27に接続されて、供給リールモータ18の回転数を検出するようになっており、この状態データを内部メモリ24に記憶するようになっている。また、回収リールモータ20も供給側と同様に回収リールモータ20の回転数が検出可能になっており、内部メモリ24に前記回転数を状態データとして記憶するようになっている。
【0034】
また、上記供給トラバーサ10には、サーボモータからなる供給トラバーサ駆動モータ19がドライバ33を介してコントローラ27に接続され、トラバーサ位置を検出し、この状態データを内部メモリ24に記憶するようになっている。
【0035】
また、溝ローラー2a、2bをそれぞれ駆動する主軸モータ17a、17bもサーボモータが用いられ、ドライバ35を介してコントローラ27に接続されて、主軸モータ速度を検出するようになっており、内部メモリ24に主軸モータ速度を状態データとして記憶するようになっている。
【0036】
また、テンションアーム13は、サーボモータからなるテンションアーム駆動モータ22に接続されており、ダンサローラー12を駆動してワイヤ3に所定の張力を付与するようになっており、このテンションアーム駆動モータ22でテンションアーム13の変動角をエンコーダで読み取って、ドライバ32、コントローラ27を介して内部メモリ24にその変動角の状態データを記憶するようになっている。
【0037】
上記入出力インターフェース25、入力インターフェース26、コントローラ27はそれぞれCPU23と接続され、このCPU23によりワイヤソー1は制御されるようになっており、各モータやセンサの状態はそれぞれ装置の状態データとして内部メモリ24に記憶される。なお、内部メモリ24は、各種記憶する条件数に応じて複数設けることができる。
【0038】
次に、本発明のワイヤソーの状態データの記憶動作について図3乃至図6に基づいて説明する。
【0039】
図3はワイヤソー1の動作を表すフロー図であり、装置起動a1を行うとまず内部メモリ24に記憶されていた装置の状態データがクリア処理a2され、装置起動に伴う各モータやセンサ等の状態データが内部メモリ24に処理a3のように記憶され始める。なお、この状態データの記憶間隔は、予め決定しておき、図示しない適宜の入力手段で制御部21に入力しておく。
【0040】
装置の1つ目の状態データが記憶された後、ワイヤ3の断線等の異常信号が検知されたか否かが判断処理a4され、異常信号が検知されなければ装置状態データを内部メモリ24に記憶する処理a3が行われる。なお、図示しないが異常信号の発生がなく正常に装置が停止した場合は、装置の状態データの記録をその時点で停止する。
【0041】
上記の判断処理a4でワイヤソー1の異常信号が検知されると所定時間が経過したか否かの判断処理a5が行われ、所定時間が経過するまでの間、内部メモリ24に装置状態データを記憶する処理a6が行われる。ここで、前記所定時間は、装置起動前に予め設定することができる。
【0042】
なお、上記の異常信号は、例えばワイヤ3の張力のある一定量以上の変化や断線検知センサでの断線検出時、張力検出用ロードセルでの異常値の検出時等に発するようにしておけば良い。
【0043】
前記の所定時間が経過すると内部メモリ24への記憶を停止処理a7し、装置の状態データを表示装置のグラフ化機能もしくは制御部21の処理機能でグラフ化して表示する処理a8を行うとともに内部メモリ24に記憶されていた状態データを補助記憶装置30に出力し保存する。
【0044】
以上が、本発明のワイヤソーの主要な動作であり、次に上記内部メモリ24に必要な状態データ(異常発生時のその前後の状態データ)を記憶し、残すための内部メモリ24の記憶領域38への記憶方法について図4及び図5に基づいて説明する。
【0045】
図4(a)乃至(d)は装置の状態データを内部メモリ24の記憶領域38に順次記憶していく場合の説明図であり、記憶領域38は複数の領域に分割されて、例えばM1からMnまでの領域が設けられている。
【0046】
図4(a)のように最初の状態データは領域M1に記憶される。続いて図4(b)のように順次連続する領域M2から最終領域Mnまで記憶されていく。
【0047】
次に図4(c)のように記憶領域38が全て埋まった後は、その時点で一番古い状態データが記憶されている領域M1に最新の状態データを上書きで記憶する(図示クロスハッチ部分)。このようにすることで最新に近いデータが記憶されて残るようになる。
【0048】
続いて図4(d)のごとく、順次一番古い状態データが記憶されている領域M2に最新の状態データが上書き記憶されていく。
【0049】
次に装置起動中にワイヤ3が断線するなどの異常が発生した場合の記憶領域38への状態データの記憶方法について図5に基づいて説明する。
【0050】
図5は時間経過と記憶領域38との関係を表した説明図であり、時間経過と異常信号の入力状態の関係を表したチャートを上部に示し、前記チャートの各時間毎の記憶領域38への状態データの記憶状況を前記チャートの下部に表したものである。
【0051】
t0は装置起動時を表し、t1は記憶領域38の領域Mn−4まで状態データが記憶された時点を表し、t2は異常信号の入力があった時点であり、領域が満杯まで記憶され領域M1に最新の状態データが上書きされた状態を表し、t3は所定の時間T2が経過し、状態データが領域M6まで上書き記憶されて状態データの記憶を停止した時点を表す。
【0052】
上記のように本発明においては異常信号を検知したt2の時点を境に異常信号検知までに残った装置状態データ(T1時間分の記憶データ)と異常信号検知後、所定の時間(T2)の状態データの両方を残すことができ、異常発生までの予兆と異常発生後ワイヤソー1の挙動がどのようになるかまでを記録できるので、ワイヤソー1の異常箇所の特定が容易になる。
【0053】
図6はワイヤソー1に異常が発生した場合に本発明のワイヤソー1の表示装置29に表示されたグラフの一例であり、供給側の状態を表すグラフである。
【0054】
上記のグラフからワイヤソー1において異常発生までは主軸モータ17a、供給リールモータ18は正常に動作(図示はワイヤ3が往復動作している場合)しており、断線検知センサ34(本実施例ではワイヤ列内部で発生した断線を検知する)も正常に動作していることがわかる(すなわち、ワイヤ列内部で断線が起こったものではないことがわかる)。また、異常信号発生時点で左側のテンションアーム13の張力変動が大きく、その時点で左側張力検出用ロードセル15の数値が急落しており、テンションアーム13の周辺でワイヤ3が断線したことが特定できる。
【0055】
図示していないが、この時の加工テーブル6の位置やトラバーサ位置の検出等を行なえば、さらに原因の特定が容易となる。
【0056】
本発明は、上記の実施形態に限定されず、上記以外の各種センサ等を接続でき、内部メモリの記憶容量も適宜変更できる。
【符号の説明】
【0057】
1 ワイヤソー
2a 溝ローラー
2b 溝ローラー
3 ワイヤ
4 ダミー部材
5 加工物
6 加工テーブル
7 貼付け台
8 テーブル駆動モータ
9 供給リール
10 供給トラバーサ
11 ガイドローラー
12 ダンサローラー
13 テンションアーム
14 ガイドローラー
15 張力検出用ロードセル
16 ガイドローラー
17a 主軸モータ
17b 主軸モータ
18 供給リールモータ
19 供給トラバーサ駆動モータ
20 回収リールモータ
21 制御部
22 テンションアーム駆動モータ
23 CPU
24 内部メモリ(記憶装置)
25 入出力インターフェース
26 入力インターフェース
27 コントローラ
28 外部出力部
29 表示装置
30 補助記憶装置
31 操作スイッチ
32 ドライバ
33 ドライバ
34 断線検知センサ
35 ドライバ
36 ドライバ
37 加工液
38 記憶領域
39 ノズル
40 バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本の溝ローラー間にワイヤを多数回巻回してワイヤ列を形成し、このワイヤ列のワイヤを往復動又は一方向に走行させ、加工テーブルに固定された加工物を前記ワイヤ列に押し当ててこの加工物を多数枚に切り出すワイヤソーにおいて、
ワイヤソーの駆動状態に応じて変化する装置の状態データを検出するとともにワイヤソーに発生した異常を異常信号として検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された装置の状態データを所定の時間単位に順次記憶するとともに記憶領域が不足した際には最も古い状態データに最新の状態データを上書き記憶するようにした記憶手段と、
前記記憶した装置の状態データを表示する表示手段とを設け、
前記検出手段で異常信号を検出した際、予め設定された所定時間の間、装置の状態データを記憶するとともに前記所定時間経過後に状態データの記憶を停止させて前記記憶手段に記憶された状態データを表示手段に表示するようにしたことを特徴とするワイヤソー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−104688(P2011−104688A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−260746(P2009−260746)
【出願日】平成21年11月16日(2009.11.16)
【出願人】(000132954)株式会社タカトリ (65)
【Fターム(参考)】