説明

ワイヤレス回答収集システム

【課題】簡単かつ安価な回答端末を用いてアンケート等の回答を収集することが出来るワイヤレス回答収集システムを提供する。
【解決手段】回答端末(10)は、無線通信を行うための双方向アクティブ型無線ICタグと操作スイッチとLEDとマイコンを具備し、双方向アクティブ型無線ICタグで回答要求を無線受信すると操作スイッチの操作状態を双方向アクティブ型無線ICタグから無線送信すると共に双方向アクティブ型無線ICタグで受領通知を無線受信するとLEDで報知する。集計処理装置(40)は、回答端末(10)に各々に対して送受信機(21,22)から回答要求を無線送信すると共に操作スイッチ(2)の操作状態を送受信機(21,22)で無線受信すると送受信機(21,22)から受領通知を無線送信する。
【効果】回答端末(10)の構成が簡単かつ安価になる。光で回答者に回答の受領を報知するため、回答者に回答した手応えを与えることが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレス回答収集システムに関し、さらに詳しくは、簡単かつ安価な回答端末を用いてアンケート等の回答を収集することが出来るワイヤレス回答収集システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回答端末としてPHSを用いたワイヤレス回答収集システム(例えば、特許文献1参照)や、回答端末としてMCA無線機を用いたワイヤレス回答収集システム(例えば、特許文献2参照)が知られている
【特許文献1】特開平9−270865号公報
【特許文献2】特開平11−39351号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来のワイヤレス回答収集システムは、回答端末としてPHSやMCA無線機を用いており、回答端末が複雑かつ高価になる問題点があった。
そこで、本発明の目的は、簡単かつ安価な回答端末を用いてアンケート等の回答を収集することが出来るワイヤレス回答収集システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の観点では、本発明は、複数の回答者がそれぞれ持つ回答端末(10)と、前記回答端末(10)と無線通信する送受信機(21,22)と、前記送受信機(21,22)を介して前記回答端末(10)と通信し回答を収集する処理装置(40)とを具備してなるワイヤレス回答収集システムであって、前記回答端末(10)は、無線通信を行うための双方向アクティブ型無線ICタグ(1)と、回答者が回答のために操作する操作スイッチ(2)と、光または音で回答者に報知する報知手段(3,4)と、前記双方向アクティブ型無線ICタグ(1)で回答要求を無線受信すると前記操作スイッチ(2)の操作状態を前記双方向アクティブ型無線ICタグ(1)から無線送信すると共に前記双方向アクティブ型無線ICタグ(1)で受領通知を無線受信すると前記報知手段(3,4)で報知する制御を行う制御手段(5)とを具備し、前記処理装置(40)は、前記回答端末(10)に各々に対して前記送受信機(21,22)から前記回答要求を無線送信すると共に前記操作スイッチ(2)の操作状態を前記送受信機(21,22)で無線受信すると前記送受信機(21,22)から受領通知を無線送信することを特徴とするワイヤレス回答収集システム(100)を提供する。
上記第1の観点によるワイヤレス回答収集システムでは、回答端末(10)が双方向アクティブ型無線ICタグ(1)を備えて無線通信を行うため、構成が簡単かつ安価になる。さらに、回答端末(10)に報知手段(3,4)を備えて光または音で回答者に回答の受領を報知するため、回答者に回答した手応えを与えることが出来る。
【0005】
第2の観点では、本発明は、上記第1の観点によるワイヤレス回答収集システム(100)において、前記処理装置(40)は、複数の前記送受信機(21,22)で時間をずらせて同一の前記回答端末(10)と無線通信することを特徴とするワイヤレス回答収集システム(100)を提供する。
上記第2の観点によるワイヤレス回答収集システムでは、複数の送受信機(21,22)で同一の回答端末(10)と無線通信するため、信頼性を向上できる。また、時間をずらせて通信するため、フェージングや混信を回避することが出来る。
【発明の効果】
【0006】
本発明のワイヤレス回答収集システムによれば、回答端末の構成が簡単かつ安価で済む。さらに、回答が受け付けられたことを回答者が手元で確認でき、回答者に手応えを与えることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0008】
図1は、実施例1にかかるワイヤレス回答収集システム100を示す構成説明図である。
このワイヤレス回答収集システム100は、複数の回答者がそれぞれ持つ回答端末10と、回答端末10と無線通信する送受信機21,22と、回答者に対して質問やメッセージを表示するための表示装置30と、送受信機21,22および表示装置30と通信線で接続されると共に送受信機21,22を介して回答端末10と通信し且つ表示装置30の表示内容を変更して質問と回答の収集を進める集計処理装置40とを具備している。
【0009】
図2は、回答端末10の外観図である。
回答端末10は、回答者が回答のために操作する3個の操作スイッチ2と、各操作スイッチ2に対応する緑,橙,赤のLED3と、ブザー4とを有する。ケース6は、片手で持てるサイズである。
【0010】
図3は、回答端末10の構成図である。
回答端末10は、無線通信を行うための双方向アクティブ型無線ICタグ1と、操作スイッチ2と、LED3と、ブザー4と、双方向アクティブ型無線ICタグ1で回答要求を無線受信すると操作スイッチ2の操作状態を双方向アクティブ型無線ICタグ1から無線送信すると共に双方向アクティブ型無線ICタグ1で受領通知を無線受信するとLED3で報知する制御を行うマイコン5とを具備している。
【0011】
図4は、回答端末10の動作を示すフロー図である。
ステップR1では、すべてのLED3を消灯する。
ステップR2では、操作結果の記憶をクリアする。
ステップR3では、自IDと一致する「操作許可」コマンドを無線受信するまで待機し、無線受信したらステップR4へ進む。
【0012】
ステップR4では、すべてのLED3を点灯し、1秒間、ブザー4を鳴らす。
ステップR5では、操作スイッチ2が操作されたならステップR6へ進み、操作スイッチ2が操作されてないならステップR8へ進む。
ステップR6では、操作された操作スイッチ2に対応するLED3を高速点滅する。
ステップR7では、操作結果を記憶する。
【0013】
ステップR8では、自IDと一致する「回答要求」コマンドを無線受信してないならステップR9へ進み、無線受信したらステップR10へ進む。
ステップR9では、自IDと一致する「初期化」コマンドを無線受信してないならステップR4に戻り、無線受信したらステップR1に戻る。
【0014】
ステップR10では、記憶していた操作結果を無線送信する。
ステップR11では、操作されてない操作スイッチ2に対応するLED3を低速点滅する。
【0015】
ステップR12では、自IDと一致する「受領通知」を無線受信してないならステップR13へ進み、無線受信したらステップR14へ進む。
ステップR13では、自IDと一致する「初期化」コマンドを無線受信してないならステップR12に戻り、無線受信したらステップR1に戻る。
【0016】
ステップR14では、1秒間、操作された操作スイッチ2に対応するLED3を低速点滅し、操作されてない操作スイッチ2に対応するLED3を高速点滅する。そして、ステップR1に戻る。
【0017】
図5は、集計処理装置40の質問および回答収集の動作を示すフロー図である。
ステップP1では、表示装置30に質問を表示する。
ステップP2では、予め登録されている多数の回答端末10のIDの中から一つを選び、そのIDの回答端末10へ第1送受信機21から「操作許可」コマンドを送信する。一定時間(例えば200ms)経過後、同一の回答端末10へ第2送受信機22から「操作許可」コマンドを送信する。これを、予め登録されている多数の回答端末10のIDの全てについて繰り返す。
【0018】
ステップP3では、予め登録されている多数の回答端末10のIDの中から一つを選び、そのIDの回答端末10へ第1送受信機21から「回答要求」コマンドを送信する。
【0019】
ステップP4では、選んだIDの回答端末10から操作結果を受信してないならステップP5へ進み、受信したならステップP10へ進む。
ステップP5では、所定の待機時間(例えば200ms)を経過するまではステップP4に戻り、経過したらステップP6へ進む。
【0020】
ステップP6では、選んだIDの回答端末10へ第2送受信機22から「回答要求」コマンドを送信する。
【0021】
ステップP7では、選んだIDの回答端末10から操作結果を受信してないならステップP8へ進み、受信したならステップP10へ進む。
ステップP8では、所定の待機時間(例えば200ms)を経過するまではステップP7に戻り、経過したらステップP9へ進む。
【0022】
ステップP9では、選んだIDの回答端末10の障害を記録する。そして、ステップP12へ進む。
【0023】
ステップP10では、選んだIDの操作結果を記録する。
ステップP11では、選んだIDの回答端末10へ第1送受信機21から「受領通知」を送信する。一定時間(例えば200ms)経過後、同一の回答端末10へ第2送受信機22から「受領通知」を送信する。
【0024】
ステップP12では、選んだIDの回答端末10へ第1送受信機21から「初期化」コマンドを送信する。一定時間(例えば200ms)経過後、同一の回答端末10へ第2送受信機22から「初期化」コマンドを送信する。
【0025】
ステップP13では、予め登録されている多数の回答端末10のIDの全てについてステップP3〜P12を繰り返す。
【0026】
実施例1のワイヤレス回答収集システム100によれば、次の効果が得られる。
(1)回答端末10が双方向アクティブ型無線ICタグ1を備えて無線通信を行うため、構成が簡単かつ安価になる。
(2)回答端末10でLED3を点灯し、ブザー4を鳴らすことにより、回答者に回答を促すことが出来る。
(3)操作者が操作した操作スイッチ2に対応するLED3を高速点滅することにより、自分の回答を視認できる。また、他のLED3の点灯を維持することにより、押し直しが可能であることを回答者に示唆することが出来る。
(4)操作結果を無線送信すると、回答端末10で操作されてない操作スイッチ2に対応するLED3を低速点滅することにより、自分の回答が送信されたことを回答者に判らせることが出来る。なお、どの操作スイッチ2も操作しなければ、全てのLED3が低速点滅になる。
(5)送信した操作結果が受け付けられたときに、回答端末10で操作された操作スイッチ2に対応するLED3を低速点滅し且つそれ以外のLED3を高速点滅することにより、自分の回答が受け付けられた手応えを回答者に与えることが出来る。
(6)複数の送受信機21,22で同一の回答端末10と無線通信するため、信頼性を向上できる。また、時間をずらせて通信するため、フェージングや混信を回避することが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明のワイヤレス回答収集システムは、テレビスタジオやイベント会場などでアンケートやクイズを行うのに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】実施例1に係るワイヤレス回答収集システムを示す構成説明図である。
【図2】実施例1に係る回答端末を示す外観図である。
【図3】実施例1に係る回答端末を示す構成説明図である。
【図4】実施例1に係る回答端末の動作を示すフロー図である。
【図5】実施例1に係る集計処理装置の質問および回答収集の動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0029】
1 双方向アクティブ型無線タグ
2 操作スイッチ
3 LED
4 ブザー
5 マイコン
10 回答端末
21,22 送受信機
30 表示装置
40 集計処理装置
100 ワイヤレス回答収集システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の回答者がそれぞれ持つ回答端末(10)と、前記回答端末(10)と無線通信する送受信機(21,22)と、前記送受信機(21,22)を介して前記回答端末(10)と通信し回答を収集する処理装置(40)とを具備してなるワイヤレス回答収集システムであって、
前記回答端末(10)は、無線通信を行うための双方向アクティブ型無線ICタグ(1)と、回答者が回答のために操作する操作スイッチ(2)と、音または光で回答者に報知する報知手段(3,4)と、前記双方向アクティブ型無線ICタグ(1)で回答要求を無線受信すると前記操作スイッチ(2)の操作状態を前記双方向アクティブ型無線ICタグ(1)から無線送信すると共に前記双方向アクティブ型無線ICタグ(1)で受領通知を無線受信すると前記報知手段(3,4)で報知する制御を行う制御手段(5)とを具備し、
前記処理装置(40)は、前記回答端末(10)に各々に対して前記送受信機(21,22)から前記回答要求を無線送信すると共に前記操作スイッチ(2)の操作状態を前記送受信機(21,22)で無線受信すると前記送受信機(21,22)から受領通知を無線送信することを特徴とするワイヤレス回答収集システム(100)。
【請求項2】
請求項1に記載のワイヤレス回答収集システム(100)において、前記処理装置(40)は、複数の前記送受信機(21,22)で時間をずらせて同一の前記回答端末(10)と無線通信することを特徴とするワイヤレス回答収集システム(100)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−150690(P2007−150690A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−341986(P2005−341986)
【出願日】平成17年11月28日(2005.11.28)
【出願人】(000003414)東京特殊電線株式会社 (173)
【出願人】(502247961)株式会社メディアリンク・アイ (6)
【Fターム(参考)】