説明

ワイヤーハーネスの保護構造及び管体の製造方法

【課題】 ワイヤーハーネスの損傷を確実に防止することができるワイヤーハーネスの保護構造、及び、これに用いられる管体の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るワイヤーハーネスの保護構造1では、少なくとも一端にコネクタ10が取り付けられたワイヤーハーネス20がコルゲートチューブ30により外装される。コルゲートチューブ30は、長尺状の本体部31と、本体部31のコネクタ10側に位置し、本体部31よりもコルゲートチューブ30の外方に拡大する拡大端部32とを備える。拡大端部32は、コネクタ10に当接する拡大開口端32Aを有する。コルゲートチューブ30は、前記拡大開口端32Aがコネクタ10に当接した状態でワイヤーハーネス20に取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一端にコネクタ(被取付部品)が取り付けられたワイヤーハーネスが管体により外装されたワイヤーハーネスの保護構造、及び、これに用いられる管体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車などの車体に配索される複数本の電線からなるワイヤーハーネスは、長尺状(円筒状)のコルゲートチューブ(管体)により外装されることで、他の部材との干渉や飛石などの衝撃から保護されている。
【0003】
このワイヤーハーネスの端末にコネクタ(被取付部品)が取り付けられている場合、コルゲートチューブは、コネクタ側のワイヤーハーネスの端末を完全に覆うことが難しく、ワイヤーハーネスの端末の一部が露出してしまう。この場合、車体へのワイヤーハーネスの組付作業時に、ワイヤーハーネスの露出部分に他の部材(例えば、車体パネルや各種機器)が接触して、ワイヤーハーネスが損傷してしまう。
【0004】
そこで、コルゲートチューブの一端側に複数のスリットが周方向に所定の間隔をあけて形成され、複数のスリットにより分割された小片を外方へ拡開されることで、ワイヤーハーネスの端末を覆うワイヤーハーネスの保護構造が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−59577号公報(第2〜第4頁、第1及び第2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来のワイヤーハーネスの保護構造では、コルゲートチューブの一端側に複数のスリットを形成する必要があり、複数のスリットを形成する工数が増大し、製造コストが増大するという問題があった。
【0007】
また、従来のワイヤーハーネスの保護構造では、ワイヤーハーネスにコルゲートチューブを装着する際、複数のスリットにより分割された小片のエッジ部分がワイヤーハーネスに接触し、ワイヤーハーネスが損傷するおそれもあった。
【0008】
そこで、本発明は、製造コストを抑制しつつ、ワイヤーハーネスの損傷を確実に防止することができるワイヤーハーネスの保護構造、及び、これに用いられる管体の製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、少なくとも一端に被取付部品(例えば、コネクタ10)が取り付けられたワイヤーハーネス(ワイヤーハーネス20)が管体(コルゲートチューブ30)により外装されたワイヤーハーネスの保護構造(ワイヤーハーネスの保護構造1)であって、前記管体は、長尺状の本体部(本体部31)と、前記本体部の前記被取付部品側に位置し、前記本体部よりも前記管体の外方に拡大する拡大端部(拡大端部32)とを備え、前記拡大端部は、前記被取付部品に当接する拡大開口端(拡大開口端32A)を有し、前記管体は、前記拡大開口端が前記被取付部品に当接した状態で前記ワイヤーハーネスに取り付けられることを要旨とする。
【0010】
かかる特徴によれば、管体は、本体部と、拡大端部とを備える。つまり、従来のような複数のスリットをコルゲートチューブに形成する必要がない。このため、複数のスリットを形成する工数が低減し、製造コストを抑制することができる。また、ワイヤーハーネスにコルゲートチューブを取り付ける際、従来のような複数のスリットにより分割された小片のエッジ部分がワイヤーハーネスに接触することをも防止でき、ワイヤーハーネスの損傷を確実に防止できる。
【0011】
また、拡大端部は、本体部よりも管体の外方に拡大する。つまり、拡大端部が本体部よりも広くなるため、拡大端部がワイヤーハーネスの端末(すなわち、被取付部品からワイヤーハーネスが引き出される箇所)を確実に覆うことができる。このため、管体と被取付部品との間でワイヤーハーネスが露出することを防止でき、ワイヤーハーネスの損傷を確実に防止できる。
【0012】
特に、管体は、拡大開口端が被取付部品に当接した状態でワイヤーハーネスに取り付けられる。これにより、拡大開口端が被取付部品に当接することに伴い、管体と被取付部品との間でワイヤーハーネスが露出することを確実に防止できるため、ワイヤーハーネスの損傷をより確実に防止できる。
【0013】
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記管体には、前記管体の長手方向に沿った1つのスリット(スリット30A)が形成されることを要旨とする。
【0014】
かかる特徴によれば、管体には、1つのスリットが形成される。これにより、スリットの開口から管体をワイヤーハーネスに取り付けることができる。このため、ワイヤーハーネスの損傷を最小限に防止しながら、ワイヤーハーネスへの管体の(いわゆる、装着性)をも向上させることができる。
【0015】
本発明の第3の特徴は、本発明の第1又は第2の特徴に係り、前記拡大端部は、前記本体部側から前記被取付部品側に向かって徐々に拡大することを要旨とする。
【0016】
かかる特徴によれば、拡大端部は、本体部側から被取付部品側に向かって徐々に拡大する。これにより、拡大開口端が被取付部品に当接し易くなり、管体と被取付部品との間でワイヤーハーネスが露出することをより確実に防止できる。
【0017】
また、拡大端部におけるスリットが本体部におけるスリットよりも広くなるため、この拡大端部におけるスリット側からワイヤーハーネスに向けて挿入するように、管体をワイヤーハーネスに取り付けることができる。このため、ワイヤーハーネスへの管体の取付性(いわゆる、装着性)をより確実に向上させることができる。
【0018】
本発明の第4の特徴は、少なくとも一端に被取付部品が取り付けられたワイヤーハーネスを外装する管体の製造方法であって、前記管体における長尺状の本体部の一端を前記管体の外方に拡大する治具に、前記管体をセットするステップと、前記治具にセットされた前記管体に熱処理を施すことによって、前記本体部の一端に前記管体の外方に拡大する拡大端部を形成するステップとを含むことを要旨とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の特徴によれば、ワイヤーハーネスの損傷を確実に防止することができるワイヤーハーネスの保護構造、及び、これに用いられる管体の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本実施形態に係るワイヤーハーネスの保護構造1を示す分解斜視図である。
【図2】図2(a)は、本実施形態に係るコルゲートチューブ30のみを示す上面側からの斜視図であり、図2(b)は、本実施形態に係るコルゲートチューブ30のみを示す下面側からの斜視図である。
【図3】図3(a)は、本実施形態に係るコルゲートチューブ30を示す上面図であり、図3(b)は、本実施形態に係るコルゲートチューブ30を示す下面図であり、図3(c)は、本実施形態に係るコルゲートチューブ30を示す側面図であり、図3(d)は、本実施形態に係るコルゲートチューブ30を示す正面図である。
【図4】図4は、本実施形態に係るコルゲートチューブ30の製造方法を示す図である。
【図5】図5は、本実施形態に係るコルゲートチューブ30をワイヤーハーネス20に組み付ける方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明に係るワイヤーハーネスの保護構造の実施形態について、図面を参照しながら説明する。具体的には、(1)ワイヤーハーネスの保護構造の説明、(2)コルゲートチューブの製造方法、(3)コルゲートチューブの組付方法、(4)作用・効果、(5)その他の実施形態について説明する。
【0022】
なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
【0023】
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
【0024】
(1)ワイヤーハーネスの保護構造の説明
まず、本実施形態に係るワイヤーハーネスの保護構造1について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るワイヤーハーネスの保護構造1を示す分解斜視図である。図2(a)は、本実施形態に係るコルゲートチューブ30のみを示す上面側からの斜視図であり、図2(b)は、本実施形態に係るコルゲートチューブ30のみを示す下面側からの斜視図である。図3(a)は、本実施形態に係るコルゲートチューブ30を示す上面図であり、図3(b)は、本実施形態に係るコルゲートチューブ30を示す下面図であり、図3(c)は、本実施形態に係るコルゲートチューブ30を示す側面図であり、図3(d)は、本実施形態に係るコルゲートチューブ30を示す正面図である。
【0025】
図1に示すように、ワイヤーハーネスの保護構造1では、少なくとも一端にコネクタ10(被取付部品)が取り付けられたワイヤーハーネス20がコルゲートチューブ30(管体)により外装されている。
【0026】
ワイヤーハーネス20を構成する複数本の電線の端末には、端子金具(不図示)が圧着されており、この端子金具がコネクタ10内に挿入されて係止固定されている。このワイヤーハーネス20において特に保護が必要な部分が、コルゲートチューブ30により外装される。本実施形態では、コルゲートチューブ30が覆い難いとされるワイヤーハーネス20の端末(端子金具)の近傍がコルゲートチューブ30により外装される。
【0027】
図2及び図3に示すように、コルゲートチューブ30は、略円筒状の樹脂製の部材(例えば、外周面に凹凸を有するチューブ)によって形成されている。このコルゲートチューブ30には、コルゲートチューブ30の長手方向LDに沿った1つスリット30Aが形成されている。また、コルゲートチューブ30は、長尺状の本体部31と、本体部31のコネクタ10側に位置する拡大端部32とを備える。
【0028】
拡大端部32は、熱処理が施されるによって、本体部31よりもコルゲートチューブ30の外方に向けて拡大するように形成されている。本実施形態では、拡大端部32は、本体部31側からコネクタ10側に向かって徐々に拡大している。
【0029】
拡大端部32は、コネクタ10に当接する拡大開口端32Aを有している。この拡大開口端32Aは、コルゲートチューブ30の最も小径の位置、すなわち、外周面の凹部分に形成されている(図3参照)。
【0030】
このようなコルゲートチューブ30は、拡大端部32の拡大開口端32Aがコネクタ10に当接した状態で、ワイヤーハーネス20に取り付けられる。本実施形態では、コルゲートチューブ30(少なくとも拡大端部32)は、所定のテープ(不図示)によりコネクタ10と固定される。
【0031】
(2)コルゲートチューブの製造方法
次に、上述したワイヤーハーネス20を外装するコルゲートチューブ30の製造方法について、図面を参照しながら説明する。図4は、本実施形態に係るコルゲートチューブ30の製造方法を示す図である。
【0032】
図4(a)に示すように、コルゲートチューブ30には、予めスリット30Aが形成されている。図4(b)に示すように、このコルゲートチューブ30における長尺状の本体部31の一端(コネクタ10側)をコルゲートチューブ30の外方に拡大する治具100に、コルゲートチューブ30(本体部31)をセットする。具体的には、治具100に設けられる拡大端成型突起110に、コルゲートチューブ30をセットする。なお、拡大端成型突起110は、板状の本体板120から突出し、所望の拡大端部32の形状(本実施形態では楕円錐状)をなしている。
【0033】
次いで、図4(c)に示すように、治具100にセットされたコルゲートチューブ30に熱処理を施すことによって、本体部31の一端にコルゲートチューブ30の外方に拡大する拡大端部32を形成する。なお、コルゲートチューブ30に必ずしも熱処理を施すことにより拡大端部32を形成するものに限らず、コルゲートチューブ30に拡大端部32を形成できる処理(例えば、レーザー加工処理)であればよい。
【0034】
(3)コルゲートチューブの組付方法
次に、上述したコルゲートチューブ30をワイヤーハーネス20に組み付ける方法について、図面を参照しながら説明する。図5は、本実施形態に係るコルゲートチューブ30をワイヤーハーネス20に組み付ける方法を示す図である。
【0035】
図5(a)に示すように、コルゲートチューブ30の拡大端部32に形成されるスリット30A側からワイヤーハーネス20に向かって挿入する。そして、図5(b)に示すように、拡大端部32の拡大開口端32Aがコネクタ10に当接するように、コルゲートチューブ30をワイヤーハーネス20に取り付ける。その後、図示を省略しているが、所定のテープによって、コルゲートチューブ30(少なくとも拡大端部32)とコネクタ10とを固定する。
【0036】
(4)作用・効果
以上説明した本実施形態では、コルゲートチューブ30は、本体部31と、拡大端部32とを備える。つまり、従来のような複数のスリットをコルゲートチューブ30に形成する必要がない。このため、複数のスリットを形成する工数が低減し、製造コストを抑制することができる。また、ワイヤーハーネス20にコルゲートチューブ30を取り付ける際、従来のような複数のスリットにより分割された小片のエッジ部分がワイヤーハーネス20に接触することをも防止でき、ワイヤーハーネス20の損傷を確実に防止できる。
【0037】
また、拡大端部32は、本体部31よりもコルゲートチューブ30の外方に拡大する。つまり、拡大端部32が本体部31よりも広くなるため、拡大端部32がワイヤーハーネス20の端末(すなわち、コネクタ10からワイヤーハーネス20が引き出される箇所)を確実に覆うことができる。このため、コルゲートチューブ30とコネクタ10との間でワイヤーハーネス20が露出することを防止でき、ワイヤーハーネス20の損傷を確実に防止できる。
【0038】
特に、コルゲートチューブ30は、拡大開口端32Aがコネクタ10に当接した状態でワイヤーハーネス20に取り付けられる。これにより、拡大開口端32Aがコネクタ10に当接することに伴い、コルゲートチューブ30とコネクタ10との間でワイヤーハーネス20が露出することを確実に防止できため、ワイヤーハーネス20の損傷をより確実に防止できる。
【0039】
本実施形態では、コルゲートチューブ30には、1つのスリット30Aが形成される。これにより、スリット30Aの開口からコルゲートチューブ30をワイヤーハーネス20に取り付けることができる。このため、ワイヤーハーネス20の損傷を最小限に防止しながら、ワイヤーハーネス20へのコルゲートチューブ30の取付性(いわゆる、装着性)をも向上させることができる。
【0040】
また、ワイヤーハーネス20が損傷を受けやすい側(例えば、車体上方側)のみをコルゲートチューブ30により保護し、ワイヤーハーネス20が損傷を受けにくい側(例えば、車体下方側)にスリット30Aの開口を配置させることが可能となる。このため、スリット30Aが形成されていないコルゲートチューブ30に拡大端部32を設ける場合と比較して、コルゲートチューブ30の材料費を削減でき、製造コストを抑制することができる。
【0041】
本実施形態では、拡大端部32は、本体部31側からコネクタ10側に向かって徐々に拡大する。これにより、拡大開口端32Aがコネクタ10に当接し易くなり、コルゲートチューブ30とコネクタ10との間でワイヤーハーネス20が露出することをより確実に防止できる。
【0042】
また、拡大端部32におけるスリット30Aが本体部31におけるスリット30Aよりも広くなるため、この拡大端部32におけるスリット30A側からワイヤーハーネス20に向けて挿入するように、コルゲートチューブ30をワイヤーハーネス20に取り付けることができる。このため、ワイヤーハーネス20へのコルゲートチューブ30の取付性(いわゆる、装着性)をより確実に向上させることができる。
【0043】
本実施形態では、拡大端部32は、熱処理が施されるによって形成される。これにより、コルゲートチューブ30を治具100等により装着して熱処理を施すのみであるため、本体部31に別体の拡大端部32を取り付ける場合などと比べて、コルゲートチューブ30に拡大端部32を容易に形成することができる。
【0044】
本実施形態では、拡大開口端32Aは、コルゲートチューブ30の最も小径の位置、すなわち、外周面の凹部分に形成されている。これにより、拡大開口端32Aに形成される端縁部分がコルゲートチューブ30の長手方向LDに向かって突出しない。このため、ワイヤーハーネス20へのコルゲートチューブ30の取付時において、拡大開口端32Aに形成される端縁部分がワイヤーハーネス20に接触しないため、ワイヤーハーネス20の損傷をより防止し易くなる。
【0045】
(5)その他の実施形態
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【0046】
例えば、本発明の実施形態は、次のように変更することができる。具体的には、管体としては、外周面に凹凸を有するコルゲートチューブ30によって形成されているものとして説明したが、これに限定されるものではなく、外周面に凹凸を有しないコルゲートチューブであってもよく、ワイヤーハーネス20を覆うものであればよい。
【0047】
また、被取付部品としては、コネクタ10であるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、アクチュエータなどワイヤーハーネス20の端部に取り付けられるものであればよい。
【0048】
また、コルゲートチューブ30(少なくとも拡大端部32)は、所定のテープによりコネクタ10と固定されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、コネクタ10と固定されなくてもよく、ワイヤーハーネス20に取り付けられればよい。
【0049】
また、拡大開口端32Aは、コルゲートチューブ30の最も小径の位置に形成されているものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、コルゲートチューブ30の最も大径の位置、すなわち、外周面の凸部分に形成されていてもよい。
【0050】
また、コルゲートチューブ30には、スリット30Aが形成されているものとして説明したが、これに限定されるものではなく、スリット30Aが形成されていなくてもよい。
【0051】
また、拡大端部32は、本体部31側からコネクタ10側に向かって徐々に拡大しているものとして説明したが、これに限定されるものではなく、本体部31の径よりも大きい径を有していればよい。つまり、拡大端部32は、楕円錐状であってもよく、円錐状や三角錐状、四角錐状など様々な形状であってもよい。すなわち、治具100に設けられる拡大端成型突起110の形状についても、製造する所望の拡大端部32の形状であればよい。
【0052】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められる。
【符号の説明】
【0053】
1…ワイヤーハーネスの保護構造
10…コネクタ(被取付部品)
20…ワイヤーハーネス
30…コルゲートチューブ(管体)
30A…スリット
31…本体部
32…拡大端部
32A…拡大開口端
100…治具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一端に被取付部品が取り付けられたワイヤーハーネスが管体により外装されたワイヤーハーネスの保護構造であって、
前記管体は、
長尺状の本体部と、
前記本体部の前記被取付部品側に位置し、前記本体部よりも前記管体の外方に拡大する拡大端部とを備え、
前記拡大端部は、前記被取付部品に当接する拡大開口端を有し、
前記管体は、前記拡大開口端が前記被取付部品に当接した状態で前記ワイヤーハーネスに取り付けられることを特徴とするワイヤーハーネスの保護構造。
【請求項2】
請求項1に記載のワイヤーハーネスの保護構造であって、
前記管体には、前記管体の長手方向に沿った1つのスリットが形成されることを特徴とするワイヤーハーネスの保護構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のワイヤーハーネスの保護構造であって、
前記拡大端部は、前記本体部側から前記被取付部品側に向かって徐々に拡大することを特徴とするワイヤーハーネスの保護構造。
【請求項4】
少なくとも一端に被取付部品が取り付けられたワイヤーハーネスを外装する管体の製造方法であって、
前記管体における長尺状の本体部の一端を前記管体の外方に拡大する治具に、前記管体をセットするステップと、
前記治具にセットされた前記管体に熱処理を施すことによって、前記本体部の一端に前記管体の外方に拡大する拡大端部を形成するステップと
を含むことを特徴とする管体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−20717(P2013−20717A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150830(P2011−150830)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】