説明

一体型無線ポインティング装置、これを内蔵した端末機器、及び無線ポインティング装置を用いたポインティング方法

【課題】ポインティング装置に無線機能を結合させた超小型無線ポインティング装置を提供し、前記ポインティング装置に指紋センサを一体化させて別途の指紋認証手続きなしにポインタを作動する間に指紋データを収集し、既存登録の指紋と現ユーザの指紋を比較し得るようにする一体型超小型無線ポインティング装置を提供する。
【解決手段】本発明の無線ポインティング装置は、被写体を照明する発光手段と、前記照明される光を受けて映像を取得する映像取得面と、前記映像取得面から反射される光を集めて反対側に結像する結像手段と、前記結像手段によって結像された映像を電気的信号に変換する受光手段と、前記受光手段の出力を用いて前記映像の動きの変化を検出する動き検出手段と、前記動き検出手段のデータを伝送する無線通信手段とを含んでなり、前記被写体は手指の表面、格子または認識可能なパターンであることに技術的特徴がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線ポインティング装置、これを内蔵した端末機、及び無線ポインティング装置を用いたポインティング方法に係り、さらに詳しくは、一般なポインティング装置に無線機能を結合させた超小型無線ポインティング装置、前記超小型無線ポインティング装置を端末機器に一体化させた無線ポインティング装置を内蔵した端末機器、及び前記無線ポインティング装置を用いた指紋認識によってユーザを確認し電子装置の使用を制限する無線ポインティング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、使用が拡散しつつある両方向セットトップボックス(set−top box)は、TVと連動して使用され、これにより入出力装置としてキーボードよりはリモートコントロールが好まれている。従来の電子装置制御用リモートコントロールは、数字または方向キーボタンを用いてメニューの間を移動し選択し得るように実現されている。ところが、ユーザの便宜のために、グラフィックユーザインターフェース(GUI:Graphic User Interface)が普遍化するにつれて、ポインタ装置がキーボタンでメニューを移動し選択する機能を代理した。
【0003】
一方、大型TVなどのマルチメディア製品は、事業者とユーザ間の単方向通信方式から外れて両方向通信方式を採用し、ホームショッピングまたはインターネットの取引までも可能になった。これにより、個人情報の保護及び安全な決済方式を保障し、許可されていない者の使用と不正決済を防ぐために、個人認証プログラム及び暗証番号などの機能を提供しているが、これは他人に流出するおそれがある。
【0004】
最近、自分のみが固有に持っている指紋を用いて安全な決済方式を実現するための方法が試みられている。ところが、指紋を用いる場合、指紋センサが別途に必要であって、認証の際に指紋センサに手指を接触させて指紋を比較させなければならないという煩わしさがあり、またユーザが指紋認証に対する拒否感をおこすおそれがあるという問題点がある。
【0005】
従来の技術である韓国公開特許第2003−0000163号は、コンピュータ内の情報が流出して無断で使用されることを防止するために、保安用無線マウスを介して入力された音声から抽出した音声パラメータを用いて話者を識別し、その識別結果に基づいてシステム全体動作を制御するコンピュータ保安用無線マウスに関するものである。また、別の従来の技術である韓国公開特許第2004−0012441号は、個人認識機能付きマウスを操作するとき、平手の血管画像を撮影し、当該血管によってユーザを認識して個人認証及び個人識別を可能にする装置に関するものである。ところが、前述した従来の技術は、音声認識モジュールや血管画像撮影部、個人認証識別のための認識部などの装置をマウス本体に内蔵しなければならないため、例えばマウスなどの他の付属物の接続が難しい小型装置に適用し難いという問題点がある。
【0006】
一方、キーボードは、コンピュータと対話するための主要入力装置の一つであって、多数のキーが所定の規則によって配列されているキーパッドが押されることによるキー値を生成するキーマトリックスと、前記キーマトリックスで生成したキー値をコンピュータ本体へ送る前に一時記憶するキーボードバッファと、キーボードの全てを統制するキーボードコントローラとから構成される。また、前記キーボードは、内部にマウスの役割をするトラックボール(Trackball)やタッチパッド(Touch Pad)などのポインティング手段を備えている。マウスは、コンピュータ周辺入力装置の一つであって、画面上のポインタを自由に動かすことが可能な装置である。前記マウスは、画面上のメニューを速い速度で選択して実行することができ、ユーザの所望する位置を指定することができる。
【0007】
コンピュータの普及に伴ってキーボードとマウスに無線機能を内蔵する製品の活用が増加している。現在、ボールマウスを装着した無線キーボードが多量に出始まっているが、前記ボールマウスは、大きさが大きく、重さが重く、ボールに直接手を接触する方式なので、ボールに異物が付いて誤作動が発生する場合が多く、信頼性が低いという問題点がある。
【0008】
別の入力装置であるジョイスティックは、方向情報と速度情報を提供するが、精密制御のために高度の訓練と集中力が必要である。図1は従来のジョイスティックを例示した図である。図1の(a)〜(c)に示すように、大部分のゲーム用ジョイスティック、産業用ジョイスティックまたは航空機用ジョイスティックなどは、上下左右の4方向にのみ動く。したがって、従来のジョイスティックを用いては精密な制御が困るという問題点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、かかる従来の技術の問題点を解決するためのもので、その目的とするところは、従来のポインティング装置に無線機能を結合させた超小型無線ポインティング装置を提供し、前記ポインティング装置に指紋センサを一体化させて別途の指紋認証手続きなしにポインタを作動する間に指紋データを収集し、既存登録の指紋と現ユーザの指紋を比較し得るようにする一体型超小型無線ポインティング装置を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、現在ユーザの指紋と登録指紋とが一致すれば、メニュー項目に、決済サービス及び個人情報を必要とするメニューを選択し得るように表示し、一致しなければ、単純なポインティング装置としてのみ使用し得るようにし、決済及び個人情報が必要なサービスはメニュー項目に表示しないように実現することによりメニューの選択が便利であり、個人情報流出防止及び他人の電子装置の使用を制限することが可能な無線ポインティング方法を提供することにある。
【0011】
本発明の別の目的は、外部からの異物浸透を防止し、一体型に製作された超小型ポインティング装置をキーボードまたはジョイスティックに装着してキーボードとマウス、ジョイスティックとマウスを一つの無線装置としてコンピュータと連結することにより、どこでも使用可能な一体型ポインティング装置を内蔵したキーボード及びジョイスティックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の前記目的は、被写体を照明する発光手段と、前記照明される光を受けて映像を取得する映像取得面と、前記映像取得面から反射される光を集めて反対側に結像する結像手段と、前記結像手段によって結像された映像を電気的信号に変換する受光手段と、前記受光手段の出力を用いて前記映像の動きの変化を検出する動き検出手段とを含んでなるポインティング装置において、前記動き検出手段のデータを伝送する無線通信手段を含んでなり、前記被写体は手指の表面、格子または認識可能なパターンである、無線ポインティング装置によって達成される。
【0013】
本発明の他の目的は、被写体を照明する発光手段と、前記照明される光を受けて映像を取得する映像取得面と、前記映像取得面から反射される光を集めて反対側に結像する結像手段と、前記結像手段によって結像された映像を電気的信号に変換する受光手段と、前記受光手段の出力を用いて前記映像の動きの変化を検出する動き検出手段とを含んでなるポインティング装置において、前記受光手段によって伝達された指紋イメージを比較する指紋比較手段、前記動き検出手段、及び指紋比較手段のデータを伝送する無線通信手段を含んでなる、無線ポインティング装置によって達成される。
【0014】
本発明の別の目的は、指紋認証機能を備えた無線ポインティング装置が指紋イメージを獲得及び抽出する段階と、前記抽出した指紋イメージの変位データを計算する段階と、前記計算された変位データ値によってポインタ座標値を計算及び移動する段階とからなる無線ポインティング方法において、(a)前記指紋認証機能を備えた無線ポインティング装置が指紋イメージを獲得した後、既に登録された指紋イメージと比較して指紋の特徴点を比較する段階と、(b)前記(a)段階の特徴点比較の後、メニューがディスプレイされる段階と、(c)前記(b)段階のディスプレイされたメニューから、ユーザの所望するメニューが前記無線ポインティング装置を介して選択される段階からなる、無線ポインティング方法によって達成される。
【0015】
本発明の別の目的は、被写体を照明する発光手段と、前記照明される光を受けて映像を取得する映像取得面と、前記映像取得面から反射される光を集めて反対側に結像する結像手段と、前記結像手段によって結像された映像を電気的信号に変換する受光手段と、前記受光手段の出力を用いて前記映像の動きの変化を検出する動き検出手段と、前記動き検出手段のデータを伝送する無線通信手段とを含んでなる、一体型ポインティング装置を内蔵したキーボード及びジョイスティックによって達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の前記目的、技術的構成及びそれによる作用効果に関する詳細な事項は、本発明の好適な実施例を示している図面を参照した以下の詳細な説明によってさらに明確に理解されるであろう。
【0017】
図2は、本発明による無線ポインティング装置を含んだ電子装置の構成図である。図2に示すように、指紋認証機能の無線ポインティング装置100の発光手段120から発生した光は、手指の表面に照らされる。この光は、前記手指の表面のパターンによって反射される。手指の表面から反射された光は、結像手段110を介して受光手段130上に像を形成する。前記形成された像は、受光手段130によってデジタル指紋イメージに変換される。このような指紋イメージの獲得は、時間軸上で非常に速い速度で連続して施行される。前記受光手段130から2次元動き及び指紋イメージを検出して動き検出手段150及び指紋比較手段160へデータを送ると、無線通信手段170から前記動き検出手段150及び指紋比較手段160のデータを伝送する。前記伝送されたデータを電子装置200の無線通信手段220で受信してメイン電子装備210を制御する。前記指紋認証機能の無線ポインティング装置100は例えばリモートコントロールなどの装置を含み、前記電子装置200はTVやオーディオなどの装置を含む。
【0018】
本発明による無線ポインティング装置100は、映像取得面110、発光手段120、受光手段130、結像手段140、動き検出手段150、指紋比較手段160及び無線通信手段170から構成されている。
【0019】
発光手段120は、移動させようとする被写体へ光を発散する装置であって、発光ダイオード、レーザーダイオードまたは有機EL(electroluminescence)を用いることが好ましい。
【0020】
映像取得面110は、前記発光手段120から照明される光を受け、動きデータを取得する装置である。前記映像取得面は、手指などの被写体と結像手段140の結像面間の距離を一定に維持しながら、前記手指が接触する面が平らで透明な材質からなる透明部材を使用する。前記被写体は、手指の表面、格子または認識可能なパターンであることが好ましい。
【0021】
前記透明部材を備えたハウジングは、映像取得面110の損傷防止または汚染防止のためにコートすることが好ましい。また、前記映像取得面110は、結像手段140から所定の距離離れた仮想平面であってもよい。
【0022】
結像手段140は、前記発光手段120から手指などの被写体に発散された光によって映像取得面110から反射される光を集め、反対側に結像する道具である。前記結像手段140は、光学レンズを含み、好ましくは球面、非球面またはホログラムを用いたレンズを使用する。
【0023】
受光手段130は、前記結像手段140によって集光されたアナログイメージを感知してデジタルイメージに変換する装置である。前記受光手段130は、複数のCMOSイメージセンサまたはCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサが2次元的に配置された光センサアレイを含み、小型携帯用機器に適するようにコンパクトに製作され、小さいサイズの指紋イメージを獲得する。
【0024】
動き検出手段150は、前記受光手段130から受信したデジタルイメージを介して動きの程度を把握する装置である。前記動き検出手段150は、運動追跡(Motion Estimation)方式を用いて指紋の移動による前記特徴点の変位データ(方向及び距離)を計算することにより、前記指紋の動きの程度を把握する。このような動き検出手段150は運動追跡機(Motion Estimator)を用いる。
【0025】
指紋比較手段160は、既存に格納されているユーザの指紋と受光手段130から伝達された指紋イメージの特徴点を比較し、現ユーザが登録ユーザか非登録ユーザか(現使用者が登録使用者と非登録使用者の可否)を判断する。
【0026】
ここで、前記受光手段130、前記動き検出手段150及び前記指紋比較手段160は一つのICチップに構成され、前記映像取得面110及び結像手段140は一体型に構成されることが好ましい。
【0027】
無線通信手段170は、前記動き検出手段150及び指紋比較手段160のデータをRF(Radio Frequency)、ブルートゥース(Bluetooth)、無線LAN(WLAN)、赤外線通信(IrDA)、ウルトラサウンド(Ultrasound)を介して伝送するものである。別の実施例において、本発明による無線ポインティング装置をキーボードまたはジョイスティクなどの端末機器に装着する場合、前記無線通信手段170は、前記端末機器とポインティング装置のデータを統合したプロトコールによってデータを伝送することにより、端末機器の入力データ値も無線通信手段170を介して電子装置200へ伝送することができる。したがって、前記無線通信手段170は、ポインティング装置と端末機器のデータを多重化して伝送し得るように装着することにより、小型化と電力節減が可能になる。
【0028】
本発明の別の実施例において、無線ポインティング装置を構成する映像取得面110、発光手段120、受光手段130、結像手段140、動き検出手段150及び指紋比較手段160は、一体型に封印された超小型が好ましい。これに加えて、一体型に封印された超小型ポインティング装置は、接触センサを内蔵しているため、手指またはポインティング制御の際に使用する物体が接触したときにのみ光源をオンにして正常動作するようにすることにより、電力の消耗を減らし、ひいてはユーザの目を保護するために、光源がユーザの目に照らされるのを防止することが好ましい。
【0029】
本発明による無線ポインティング装置は、前記結像手段140と映像取得面110との間に、平行光に近い照明構造のために光ガイド構造物(図示せず)を含むこともできる。前記光ガイド構造物を用いて、映像取得面110に伝達される光を平行光に近い照明構造に作ることにより、照明条件の変化による影響を最小化し、発光手段120から発散する光を空間的に均一に分布させて所定の領域の明るさを一定に維持する。
【0030】
本発明による電子装置200は、メイン電子装備210と無線通信手段220とから構成されている。前記メイン電子装備210は、TVやオーディオなどの装置を意味し、前記無線通信手段220は、指紋認証機能の無線ポインティング装置100の無線通信手段170が伝送したデータを受信する。
【0031】
また、本発明の無線ポインティング装置は、指紋認証機能なしに単独で使用できる。前記無線ポインティング装置は、映像取得面、発光手段、受光手段、結像手段、動き検出手段及び無線通信手段から構成され、指紋認証なしにも無線ポインティング装置として使用可能である。
【0032】
指紋認証のない無線ポインティング装置を詳細に考察すると、発光手段から発生した光は手指の表面に照らされ、この光は前記手指の表面のパターンによって反射される。手指の表面から反射された光は、結像手段を介して受光手段に像を形成する。前記形成された像は、受光手段によってデジタル指紋イメージに変換される。
【0033】
上述したような指紋イメージ獲得は、時間軸上で非常に速い速度で連続して施行される。前記受光手段から2次元動き及び指紋イメージを検出して動き検出手段へデータを送ると、無線通信手段から前記動き検出手段のデータを伝送する。前記伝送データを用いて電子装置の無線通信手段でメイン電子装備を制御する。
【0034】
図3は、本発明による無線ポインティング装置が実装されたリモートコントローラを示す実施例である。図3の(a)は、リモートコントローラの中央部にポインティング装置300を実装してキー入力と共に無線でデータを送信することが可能な実施例を示す。図3の(b)は、リモートコントローラの上部にポインティング装置300を実装してキー入力と共に無線でデータを送信することが可能な実施例を示す。
【0035】
図4は、本発明による無線ポインティング装置が実装されたボールペンを示す実施例である。図4に示すように、本発明の無線ポインティング装置は、ボールペンにポインティング装置300を実装して家庭内の電子機器を制御することができる。前記無線ポインティング装置300は、無線通信手段が備えられて電子機器の無線通信手段とデータを送受信する。
【0036】
図5は、本発明による無線ポインティング装置を内蔵したキーボードを示す実施例である。図5の(a)を参照すると、キーボード本体にポインティング装置200を所定の位置に実装してキーボードとポインティング装置の入力データ値を無線で送信することができる。図5の(b)はノートブックのスペースバー部分にポインティング装置200を実装した実施例を示す図である。図5の(c)は巻物状のキーボード本体にポインティング装置200を所定の位置に実装した実施例を示すもので、キーボードを半折にしたり多数回折り畳んだりしても、前記巻物状のキーボードで適用できるようにした。前記折られる部分は、フレキシブルPCBまたは弾力の良いコネクタを用いて、折曲の際に断たないように構成する。本発明によるキーボードは、ポインティング装置に結合した少なくとも一つの選択ボタンをさらに含んで、ポンティング装置によって移動したポインタを用いて対象を選択し或いは実行命令を入力するために使用される。また、主電源として二次電池を使用することが好ましい。
【0037】
図6は、本発明による無線ポインティング装置を内蔵したジョイスティックを示す実施例である。図6の(a)を参照すると、ゲーム用ジョイスティック本体の所定の位置にポインティング装置300を実装してジョイスティックとポインティング装置の入力データ値を無線で送信することができる。図6の(b)は産業用ジョイスティック本体にポインティング装置300を実装した実施例を示す図である。本発明によるジョイスティックは、ポインティング装置に結合した少なくとも一つの選択ボタンをさらに含んで、ポインティング装置によって移動したポインタを用いて対象を選択し、或いは実行命令を入力するために使用される。また、主電源として二次電池を使用することが好ましい。
【0038】
図7は、本発明による無線ポインティング方法の動作流れ図である。図7を参照すると、初期化(S100)されたポインティング装置の映像取得面に手指を接触すると(S110)、M×Nピクセルサイズの指紋イメージを獲得する(S120)。
【0039】
前記指紋イメージは、一つの指紋獲得センサで設定された周期によって獲得される全体指紋イメージの特徴点を用いてユーザ認証を行うと同時に、前記全体指紋イメージから設定された周期によって小さいサイズの指紋イメージを抽出してポインタの調節を行うことができる。前記全体指紋イメージは、ユーザの認証に必要なサイズであって、90×90ピクセル〜400×400ピクセルのサイズを持つことが好ましい。前記小さいサイズの指紋イメージは、ポインタの調節に必要なサイズであって、15×15ピクセル〜80×80ピクセルのサイズを持つことが好ましい。
【0040】
前記M×Nピクセルサイズの指紋イメージが獲得(S120)されると、ユーザ認証過程とポインタ調節過程の2つの過程を行うことができる。前記ユーザ認証過程とポインタ調節過程は、それぞれの予め設定された周期によって行われ、相互独立に行われる。
【0041】
したがって、ユーザが指紋を用いてポインタを調節する前記ポインタ調節過程の間、予め設定された周期によって前記ユーザ認証過程が自然に行われるのである。これは、ユーザに対する指紋認証過程を特に要求せず、ポインタ調節途中で自動に指紋を認証し、その指紋認証結果に基づいて当該装置に対するユーザのアクセスを開放または制限することができる。
【0042】
まず、前記ユーザ認証過程が行われる場合、前記獲得された指紋イメージの特徴点を抽出し(S130)、前記特徴点を比較して(S140)、特徴点が一致するか否かを判断する(S150)。もし特徴点が一致する場合には、ユーザ認証が行われて当該ユーザのアクセスを開放し(S160)、もし特徴点が一致しない場合には、ユーザ認証が拒否されてアクセスを制限する(S170)。
【0043】
前記ユーザ認証過程(S160)及びユーザ認証拒否過程(S170)の場合、ディスプレイされる情報の程度が異なる。すなわち、前記ユーザ認証過程(S160)で正当なユーザと認証されると、格納された全体情報がディスプレイされるが、前記ユーザ認証拒否過程(S170)を経ると、正当なユーザと認証されなかったため、使用許可されたメニューのみがディスプレイされる。
【0044】
したがって、正当なユーザでなければ、ユーザの個人情報、システムの制御情報、電子商取引などの有料サービスなどは、個人情報保護次元で他のユーザのアクセスを制限することができる。他の機能キーを用いて個人情報へのアクセスを試みる場合には、指紋認証を介してアクセスを試みることができる。
【0045】
前記ポインタ調節過程によれば、まず、前記獲得された指紋イメージからM×Nピクセルサイズの指紋イメージを抽出し(S180)、各指紋イメージの変位データを計算し(S190)、前記計算された変位データ値によってポインタ座標値を計算し(S200)、その座標へポインタを移動させてポインタを調節する(S210)。
【0046】
以上、本発明は好適な実施例を挙げて図示し説明したが、これらの実施例に限定されず、本発明の精神を逸脱しない範囲内において、当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば様々な変更及び修正が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0047】
したがって、本発明の無線ポインティング装置及びポインティング方法は、ポインティング装置と指紋センサを一体化してユーザの指紋イメージを意識的に確認しなくても、予め登録されたユーザか否かを確認すると同時に、登録されたユーザか否かによって使用可能な機能を制限し、個人情報の流出を防止することができるという効果がある。
【0048】
また、本発明による無線ポインティング装置をキーボードまたはジョイスティックに一体型に内蔵することにより、異物浸透の禁止と防水が可能であり、全体的なサイズを最小化するという利点があり、キーボードとポインティング装置、ジョイスティックとポインティング装置を一つの無線装置としてコンピュータに連結することにより、何処でも使用可能であり、サイズと重さを最小化して携帯することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1は、従来のジョイスティックを例示した図である。
【図2】図2は、本発明による無線ポインティング装置を含んだ電子装置の構成図である。
【図3】図3は、本発明による無線ポインティング装置が実装されたリモートコントローラを示す実施例である。
【図4】図4は、本発明による無線ポンティング装置が実装されたボールペンを示す実施例である。
【図5】図5は、本発明による無線ポインティング装置を内蔵したキーボードを示す実施例である。
【図6】図6は、本発明による無線ポインティング装置を内蔵したジョイスティックを示す実施例である。
【図7】図7は、本発明による無線ポインティング方法の動作流れ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を照明する発光手段と、
前記照明される光を受けて映像を取得する映像取得面と、
前記映像取得面から反射される光を集めて反対側に結像する結像手段と、
前記結像手段によって結像された映像を電気的信号に変換する受光手段と、
前記受光手段の出力を用いて前記映像の動きの変化を検出する動き検出手段とを含んでなるポインティング装置において、
前記被写体は手指の表面、格子または認識可能なパターンの中の一つであり、前記動き検出手段のデータを伝送する無線通信手段、
を特徴とする、無線ポインティング装置。
【請求項2】
前記被写体が手指の表面である場合には、
前記受光手段によって伝達された指紋イメージを比較する指紋比較手段を備え、前記無線通信手段は指紋比較手段のデータを追加に伝送することを特徴とする、請求項1に記載の無線ポインティング装置。
【請求項3】
前記無線通信手段は、RF、ブルートゥース、無線LAN、赤外線通信及びウルトラサウンドの(中の)いずれか一つであることを特徴とする、請求項1に記載の無線ポインティング装置。
【請求項4】
前記発光手段は、発光ダイオード、レーザーダイオード及び有機ELのいずれか一つであることを特徴とする、請求項1に記載の無線ポインティング装置。
【請求項5】
前記映像取得面は、結像手段から所定の距離離れている透明部材または仮想平面であることを特徴とする、請求項1に記載の無線ポインティング装置。
【請求項6】
前記結像手段は、球面、非球面またはホログラムを用いたレンズであることを特徴とする、請求項1に記載の無線ポインティング装置。
【請求項7】
前記発光手段から発生した光を被写体に誘導する光ガイド構造物をさらに含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の無線ポインティング装置。
【請求項8】
前記受光手段は、CMOSイメージセンサまたはCCDイメージセンサであることを特徴とする、請求項1に記載の無線ポインティング装置。
【請求項9】
前記受光手段、前記動き検出手段及び前記指紋比較手段は一つのICチップに構成されることを特徴とする、請求項2に記載の無線ポインティング装置。
【請求項10】
前記映像取得面及び前記結像手段は一体型であることを特徴とする、請求項1に記載の無線ポインティング装置。
【請求項11】
前記ポインティング装置は、接触センサを内蔵しており、手指またはポインティング制御の際に使用する物体が接触センサに接触したときにのみ光源をオンにして動作することを特徴とする、請求項1に記載の無線ポインティング装置。
【請求項12】
指紋認証機能を備えた無線ポインティング装置が指紋イメージを獲得及び抽出する段階と、前記抽出した指紋イメージの変位データを計算する段階と、(及び)前記計算された変位データ値によってポインタ座標値を計算及び移動する段階とからなる無線ポインティング方法において、
(a)前記指紋認証機能を備えた無線ポインティング装置が指紋イメージを獲得した後、既に登録された指紋イメージと比較して指紋の特徴点を比較する段階と、
(b)前記(a)段階の特徴点比較の後、メニューがディスプレイされる段階と、
(c)前記(b)段階のディスプレイされたメニューから、ユーザの所望する(使用者の望む)メニューが前記無線ポインティング装置を介して選択される段階をさらに含んでなることを特徴とする、無線ポインティング方法。
【請求項13】
前記(b)段階は、ユーザ指紋の特徴点が一致する場合には、全体情報がディスプレイされ、ユーザ指紋の特徴点が一致しない場合には、使用許可されたメニューがディスプレイされることを特徴とする、請求項12に記載の無線ポインティング方法。
【請求項14】
請求項1に記載の無線ポインティング装置を備えたことを特徴とする、一体型ポインティング装置を内蔵したキーボード。
【請求項15】
前記無線ポインティング装置は、受光手段によって伝達された指紋イメージを比較する指紋比較手段をさらに含むことを特徴とする、請求項14に記載の一体型ポインティング装置を内蔵したキーボード。
【請求項16】
前記指紋比較手段は、指紋比較手段のデータを無線通信手段に伝送することを特徴とする、請求項15に記載の一体型ポインティング装置を内蔵したキーボード。
【請求項17】
前記無線ポインティング装置に結合した選択ボタンをさらに備え、
主電源として二次電池を使用することを特徴とする、請求項14に記載の一体型ポインティング装置を内蔵したキーボード。
【請求項18】
請求項1に記載の無線ポインティング装置を備えたことを特徴とする、一体型ポインティング装置を内蔵したジョイスティック。
【請求項19】
前記無線ポインティング装置は、受光手段によって伝達された指紋イメージを比較する指紋比較手段をさらに含むことを特徴とする、請求項18に記載の一体型ポインティング装置を内蔵したジョイスティック。
【請求項20】
前記指紋比較手段は、指紋比較手段のデータを無線通信手段に伝送することを特徴とする、請求項19に記載の一体型ポインティング装置を内蔵したジョイスティック。
【請求項21】
前記無線ポインティング装置に結合した選択ボタンをさらに備え、
主電源として二次電池を使用することを特徴とする、請求項18に記載の一体型ポインティング装置を内蔵したジョイスティック。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図2】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−538332(P2007−538332A)
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−526982(P2007−526982)
【出願日】平成17年5月17日(2005.5.17)
【国際出願番号】PCT/KR2005/001445
【国際公開番号】WO2005/124527
【国際公開日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(505078939)モビソル インコーポレーテッド (4)
【出願人】(503257778)コリア エレクトロニクス テクノロジ インスティチュート (9)
【Fターム(参考)】