説明

三方切換弁

【課題】2つの流路連通状態のうちいずれの状態からも直接に、全ての流路を閉止する状態が維持される全閉状態へ移行でき、一方の流路連通状態から他方の流路連通状態へ切換える途中に全ての流路が同時に開放されることがない三方切換弁を提供する。
【解決手段】一対の本体ピストン131a,131bが接続され、弁体141と、弁座146とを収納する本体ピストン室112と、本体ピストン131aとロッド155を介して接離可能なストッパピストン151を収納し、本体ピストン室112よりも断面積が大きいストッパピストン室115と、がケース本体111内に設けられ、本体ピストン室112には、高圧継手Hが接続されると共に、弁座146の位置に中圧継手Mおよび低圧継手Lが接続されている。圧駆動により本体ピストン131a,131bおよびストッパピストン151を移動させることで、弁体141を3つの停止位置で制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば冷凍装置、エアコンなどの空気調和機の冷媒回路において、流路を切換えるために用いられる三方切換弁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷凍サイクルに使用されるスライド式の三方切換弁は、弁室内の弁座面に摺接し、該弁室内の弁座面に対して軸線方向に摺動することにより、前記弁座面に開口している流路を開閉して流路の切換や流量制御を行っている。
【0003】
具体的には、弁ケーシングに構成される第1圧力室および第2圧力室の圧力をパイロットバルブによって切換えることにより、弁ケーシングに設けられた2つの出口管をそれぞれシールするようにスライド弁を移動させ、これにより流路の切換を行う複動型流路切換弁がある(例えば、特許文献1)。
【0004】
また、電磁ソレノイド装置のプランジャに連結されたブロック状の弁体の前面が、弁室内の弁座面に摺接し、該弁室内の弁座面に対して軸線方向に摺動することにより、弁座面に開口しているポートを開閉し、これにより流路の切換を行う直動スライド式電磁弁がある(例えば、特許文献2)。
【特許文献1】特開平5−340482号公報
【特許文献2】特開2004−218773号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
三方切換弁には3つの流路が接続され、そのうち2組の流路を連通させる第1の連通状態と、これとは別の2組の流路を連通させる第2の連通状態との間で切換を行うのであるが、特許文献1,2における従来の三方切換弁では、3つの流路を同時に閉止する状態を維持することができなかった。すなわち、上記第1の連通状態と、第2の連通状態との2箇所の位置で停止するようにスライド弁を制御しているので、3つの流路を同時に閉止する状態を加えた3箇所の位置でスライド弁を制御することができなかった。
【0006】
しかし、いずれの流路状態においてもシステム停止状態または冷媒非導通状態へ直接に移行できることが、高低圧冷媒の混合を抑制し、システム効率を向上させる点で重要である。
【0007】
また、特許文献1の三方切換弁では、上記第1の連通状態と、第2の連通状態との間で流路の切換を行う途中に、過渡的に3つの流路が同時に開放される場合がある。3つの流路が同時に開放されると、3つの流路からの流体が混合する。高圧冷媒と低圧冷媒が混合すると、システム効率が低下し、省エネルギー化の障害となる。
【0008】
本発明は、2つの流路連通状態のうちいずれの状態からも直接に、全ての流路を閉止する状態が維持される全閉状態へ移行でき、且つ、一方の流路連通状態から他方の流路連通状態へ切換える途中に全ての流路が同時に開放されることがない三方切換弁を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の三方切換弁は、シリンダ状のケース本体内に、
一対の本体ピストンと、前記ケース本体の内側面に配置された弁座と、該弁座を摺動す
るスライド部および該弁座との間で空洞を形成するカップ部からなり、両側に前記一対の本体ピストンが接続された弁体と、を収納する本体ピストン室と、
一方の前記本体ピストンとロッドを介して接離可能なストッパピストンを収納し、前記本体ピストン室の一端側に設けられ、該本体ピストン室よりも断面積が大きいストッパピストン室と、が設けられ、
前記本体ピストン室における前記一対の本体ピストンの間に流路開口が位置するように、高圧継手が前記ケース本体に接続され、
前記本体ピストン室における前記弁座の位置に、前記弁体の移動方向へそれぞれの流路開口が並ぶように、中圧継手および低圧継手が前記ケース本体に接続され、
圧駆動により、前記ストッパピストンが、前記ストッパピストン室の外側端部へ押圧されて当接すると共に、前記一対の本体ピストンが、前記本体ピストン室の前記ストッパピストン側端部に押圧されて当接する状態とし、前記カップ部が前記中圧継手の流路開口と前記低圧継手の流路開口とを覆う位置に前記弁体を位置させ、これにより前記中圧継手から前記低圧継手への流路を開放し、
圧駆動により、前記ストッパピストンが、前記ストッパピストン室の内側端部へ押圧されて当接すると共に、前記一対の本体ピストンが、前記ストッパピストン側へ押圧されて一方の前記本体ピストンが前記ロッドを介して前記ストッパピストンに当接する状態とし、前記スライド部が前記中圧継手の流路開口を覆うと共に前記カップ部が前記低圧継手の流路開口を覆う位置に前記弁体を位置させ、これにより前記高圧継手、中圧継手、低圧継手の全ての流路を閉止し、
圧駆動により、前記一対の本体ピストンが、前記ストッパピストンとは反対側へ押圧されて、前記中圧継手の流路開口が開放されると共に前記スライド部が前記低圧継手の流路開口を覆う位置に前記弁体を位置させ、これにより前記高圧継手から前記中圧継手への流路を開放することを特徴とする。
【0010】
上記の三方切換弁によれば、中圧継手から低圧継手への流路を開放した状態と、高圧継手から中圧継手への流路を開放した状態と、全閉状態との3つの状態に弁体を停止させることができる。すなわち、全閉状態を維持することができ、さらに、中圧継手から低圧継手への流路を開放した状態と、高圧継手から中圧継手への流路を開放した状態とのいずれの状態であっても、全閉状態へ直接に移行できる。
【0011】
したがって、いずれの流路状態においてもシステム停止状態または冷媒非導通状態へ直接に移行することができるので、高低圧冷媒が混合せず、システム効率が向上し、省エネルギー化が図れる。
【0012】
さらに、中圧継手から低圧継手への流路を開放した状態と、高圧継手から中圧継手への流路を開放した状態とを切換える途中において、流路を全閉状態とすることができ、高圧継手、中圧継手、および低圧継手の3つの流路が全て開放されることがない。したがって、3つの流路からの流体が混合せずに流路を切換えることができ、高低圧冷媒が混合せず、システム効率が向上し、省エネルギー化が図れる。
【0013】
本発明の三方切換弁は、シリンダ状の第1のケース本体内に、
一対の第1のピストンと、前記第1のケース本体の内側面に配置された第1の弁座と、両側に前記一対の第1のピストンが接続された第1の弁体と、を収納する第1のピストン室が設けられ、
前記第1のピストン室における前記一対の第1のピストンの間に流路開口が位置するように、高圧継手が前記第1のケース本体に接続され、
前記第1のピストン室における前記第1の弁座の位置で、中継継手が前記第1のケース本体に接続された二方切換弁部と、
シリンダ状の第2のケース本体内に、
一対の第2のピストンと、前記第2のケース本体の内側面に配置された第2の弁座と、前記第2の弁座との間で空洞を形成するカップ部からなり両側に前記一対の第2のピストンが接続された第2の弁体と、を収納する第2のピストン室が設けられ、
前記第2のピストン室における前記一対の第2のピストンの間に流路開口が位置するように、前記中継継手が前記第2のケース本体に接続され、
前記第2のピストン室における前記第2の弁座の位置に、前記第2の弁体の移動方向へそれぞれの流路開口が並ぶように、中圧継手および低圧継手が前記第2のケース本体に接続された三方切換弁部と、を備え、
前記二方切換弁部において、前記一対の第1のピストンに対する圧駆動により、前記中継継手の流路開口が開放される位置に前記第1の弁体を位置させ、これにより前記高圧継手から前記中継継手への流路を開放し、前記三方切換弁部において、前記一対の第2のピストンに対する圧駆動により、前記第2の弁体のカップ部が前記中圧継手の流路開口と前記低圧継手の流路開口とを覆う位置に前記第2の弁体を位置させ、これにより前記中圧継手から前記低圧継手への流路を開放し、
前記二方切換弁部において、前記一対の第1のピストンに対する圧駆動により、前記第1の弁体が前記中継継手の流路開口を覆う位置に前記第1の弁体を位置させ、これにより前記高圧継手から前記中継継手への流路を閉止し、前記三方切換弁部において、前記一対の第2のピストンに対する圧駆動により、前記中圧継手の流路開口が開放されると共に前記カップ部が前記低圧継手の流路開口を覆う位置に前記第2の弁体を位置させ、これにより前記高圧継手、中圧継手、低圧継手の全ての流路を閉止し、
前記二方切換弁部において、前記一対の第1のピストンに対する圧駆動により、前記中継継手の流路開口が開放される位置に前記第1の弁体を位置させ、これにより前記高圧継手から前記中継継手への流路を開放し、前記三方切換弁部において、前記一対の第2のピストンに対する圧駆動により、前記中圧継手の流路開口が開放されると共に前記カップ部が前記低圧継手の流路開口を覆う位置に前記第2の弁体を位置させ、これにより前記高圧継手から前記中圧継手への流路を開放することを特徴とする。
【0014】
上記の三方切換弁によれば、中圧継手から低圧継手への流路を開放した状態と、高圧継手から中圧継手への流路を開放した状態と、全閉状態との3つの状態に弁体を停止させることができる。すなわち、全閉状態を維持することができ、さらに、中圧継手から低圧継手への流路を開放した状態と、高圧継手から中圧継手への流路を開放した状態とのいずれの状態であっても、全閉状態へ直接に移行できる。
【0015】
したがって、いずれの流路状態においてもシステム停止状態または冷媒非導通状態へ直接に移行することができるので、高低圧冷媒が混合せず、システム効率が向上し、省エネルギー化が図れる。
【0016】
さらに、中圧継手から低圧継手への流路を開放した状態と、高圧継手から中圧継手への流路を開放した状態とを切換える途中において、流路を全閉状態とすることができ、高圧継手、中圧継手、および低圧継手の3つの流路が全て開放されることがない。したがって、3つの流路からの流体が混合せずに流路を切換えることができ、高低圧冷媒が混合せず、システム効率が向上し、省エネルギー化が図れる。
【0017】
本発明の三方切換弁は、シリンダ状のケース本体内に、
前記ケース本体の内側面に配置された弁座と、該弁座を摺動するスライド部および該弁座との間で空洞を形成するカップ部からなる弁体と、を収納する弁体収納室と、
前記弁体に接続された本体ピストンを収納し、前記弁体収納室の一端側に設けられた本体ピストン室と、
前記本体ピストンとロッドを介して接離可能なストッパピストンを収納し、前記本体ピストン室の前記弁体収納室とは反対側に設けられ、前記本体ピストン室よりも断面積が大
きいストッパピストン室と、が設けられ、
前記弁体収納室に流路開口が位置するように、高圧継手が前記ケース本体に接続され、
前記弁体収納室における前記弁座の位置に、前記弁体の移動方向へそれぞれの流路開口が並ぶように、中圧継手および低圧継手が前記ケース本体に接続され、
圧駆動により、前記ストッパピストンが、前記ストッパピストン室の外側端部へ押圧されて当接すると共に、前記本体ピストンが、前記本体ピストン室の前記ストッパピストン側端部に押圧されて当接する状態とし、前記カップ部が前記中圧継手の流路開口と前記低圧継手の流路開口とを覆う位置に前記弁体を位置させ、これにより前記中圧継手から前記低圧継手への流路を開放し、
圧駆動により、前記ストッパピストンが、前記ストッパピストン室の内側端部へ押圧されて当接すると共に、前記本体ピストンが、前記ストッパピストン側へ押圧されて前記ロッドを介して前記ストッパピストンに当接する状態とし、前記スライド部が前記中圧継手の流路開口を覆うと共に前記カップ部が前記低圧継手の流路開口を覆う位置に前記弁体を位置させ、これにより前記高圧継手、中圧継手、低圧継手の全ての流路を閉止し、
圧駆動により、前記本体ピストンが、前記ストッパピストンとは反対側へ押圧されて、前記中圧継手の流路開口が開放されると共に前記スライド部が前記低圧継手の流路開口を覆う位置に前記弁体を位置させ、これにより前記高圧継手から前記中圧継手への流路を開放することを特徴とする。
【0018】
上記の三方切換弁によれば、中圧継手から低圧継手への流路を開放した状態と、高圧継手から中圧継手への流路を開放した状態と、全閉状態との3つの状態に弁体を停止させることができる。すなわち、全閉状態を維持することができ、さらに、中圧継手から低圧継手への流路を開放した状態と、高圧継手から中圧継手への流路を開放した状態とのいずれの状態であっても、全閉状態へ直接に移行できる。
【0019】
したがって、いずれの流路状態においてもシステム停止状態または冷媒非導通状態へ直接に移行することができるので、高低圧冷媒が混合せず、システム効率が向上し、省エネルギー化が図れる。
【0020】
さらに、中圧継手から低圧継手への流路を開放した状態と、高圧継手から中圧継手への流路を開放した状態とを切換える途中において、流路を全閉状態とすることができ、高圧継手、中圧継手、および低圧継手の3つの流路が全て開放されることがない。したがって、3つの流路からの流体が混合せずに流路を切換えることができ、高低圧冷媒が混合せず、システム効率が向上し、省エネルギー化が図れる。
【0021】
本発明の三方切換弁は、シリンダ状のケース本体内に、
前記ケース本体の内側面に配置された弁座と、前記弁座を摺動するスライド部からなる第1の弁体と、前記弁座との間で空洞を形成するカップ部からなる第2の弁体と、を収納する弁体収納室と、
前記第1の弁体に接続された第1のピストンを収納し、前記弁体収納室の一端側に設けられた第1のピストン室と、
前記第2の弁体に接続された第2のピストンを収納し、前記弁体収納室の他端側に設けられた第2のピストン室と、が設けられ、
前記弁体収納室に流路開口が位置するように、高圧継手が前記ケース本体に接続され、
前記弁体収納室における前記弁座の位置に、それぞれの流路開口が並ぶように、中圧継手および低圧継手が前記ケース本体に接続され、
圧駆動により、前記第1のピストンが前記第1のピストン室の外側端部へ押圧されて当接すると共に、前記第2のピストンが前記第2のピストン室の内側端部へ押圧されて当接する状態とし、前記カップ部が前記中圧継手の流路開口と前記低圧継手の流路開口とを覆う位置に前記第2の弁体を位置させ、これにより前記中圧継手から前記低圧継手への流路
を開放し、
圧駆動により、前記第2のピストンが前記第2のピストン室の外側端部へ押圧されて当接すると共に、前記第1のピストンが前記第1のピストン室の内側端部へ押圧されて当接する状態とし、前記第1の弁体が前記中圧継手の流路開口を覆うと共に前記第2の弁体の前記カップ部が前記低圧継手の流路開口を覆う位置に前記第1および第2の弁体を位置させ、これにより前記高圧継手、中圧継手、低圧継手の全ての流路を閉止し、
圧駆動により、前記第1のピストンが前記第1のピストン室の外側端部へ押圧されて当接すると共に、前記第2のピストンが前記第2のピストン室の外側端部へ押圧されて当接し、前記第1の弁体が前記中圧継手の流路開口を開放すると共に、前記カップ部が前記低圧継手の流路開口を覆う位置に前記第2の弁体を位置させ、これにより前記高圧継手から前記中圧継手への流路を開放することを特徴とする。
【0022】
上記の三方切換弁によれば、中圧継手から低圧継手への流路を開放した状態と、高圧継手から中圧継手への流路を開放した状態と、全閉状態との3つの状態に弁体を停止させることができる。すなわち、全閉状態を維持することができ、さらに、中圧継手から低圧継手への流路を開放した状態と、高圧継手から中圧継手への流路を開放した状態とのいずれの状態であっても、全閉状態へ直接に移行できる。
【0023】
したがって、いずれの流路状態においてもシステム停止状態または冷媒非導通状態へ直接に移行することができるので、高低圧冷媒が混合せず、システム効率が向上し、省エネルギー化が図れる。
【0024】
さらに、中圧継手から低圧継手への流路を開放した状態と、高圧継手から中圧継手への流路を開放した状態とを切換える途中において、流路を全閉状態とすることができ、高圧継手、中圧継手、および低圧継手の3つの流路が全て開放されることがない。したがって、3つの流路からの流体が混合せずに流路を切換えることができ、高低圧冷媒が混合せず、システム効率が向上し、省エネルギー化が図れる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の三方切換弁によれば、2つの流路連通状態のうちいずれの状態からも直接に、全ての流路を閉止する状態が維持される全閉状態へ移行できる。
本発明の三方切換弁によれば、一方の流路連通状態から他方の流路連通状態へ切換える途中に全ての流路が同時に開放されることがないので、高圧冷媒と低圧冷媒との混合が防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面を参照しながら本発明について説明する。図1〜図3は、本発明の三方切換弁における第1の実施例を示した断面図であり、図1は中圧継手から低圧継手への流路が開放された状態、図2は高圧継手、中圧継手、低圧継手の全ての流路が閉止された全閉状態、図3は高圧継手から中圧継手への流路が開放された状態を示している。
【0027】
本実施例の三方切換弁は、冷媒流路を構成する中圧継手から低圧継手への流路と、高圧継手から中圧継手への流路との切換を行うものである。
図1に示したように、本実施例の三方切換弁100は、シリンダ状のケース本体111を備えている。ケース本体111は、その両端部が蓋体113,116によって封止されている。ケース本体111の内部には、本体ピストン室112と、その一端側に配置されたストッパピストン室115とが設けられている。
【0028】
本体ピストン室112には、一対の本体ピストン131a,131bと、弁体141と、弁座146と、が収納されている。
本体ピストン131aは、ガイド144を介して弁体141の一方側に接続されている。また、本体ピストン131bは、ガイド145を介して弁体141の他方側に接続されている。ガイド144とガイド145は一体部品であるため平板であり、本体ピストン131aと弁体141とを接続するガイド144には、貫通孔144aが設けられている。
【0029】
本体ピストン131aは、ピストンガイド132aと補強板134aとによって、パッキン133aを挟んだ構造になっている。本体ピストン131bも同様に、ピストンガイド132bと補強板134bとによってパッキン133bを挟んだ構造になっている。本体ピストン131a,131bはそれぞれ、ケース本体111の内面に対して摺動しながら本体ピストン室112内をケース本体111の長手方向に移動する。
【0030】
弁体141は、弁体141の移動方向へ並ぶように配置されたスライド部142およびカップ部143から構成されている。スライド部142は、その下面が弁座146に当接し、弁座146を摺動する。カップ部143は、カップ状の容器を裏返した形状であり、弁座146との間で空洞を形成する。
【0031】
弁座146は、ケース本体111の内側面に配置されている。
ストッパピストン室115には、ストッパピストン151が収納されている。ストッパピストン151は、ピストンガイド152とパッキンガイド154とによって、パッキン153を挟んだ構造になっている。ストッパピストン151は、ケース本体111の内面に対して摺動しながらストッパピストン室115内をケース本体111の長手方向に移動する。ストッパピストン151にはロッド155が接続されており、ストッパピストン151はロッド155を介して本体ピストン131aと接離する。ロッド155は、パッキン119と摺動しながら移動し、これによりストッパピストン室115と後述する本体ピストン131aの外側室とが気密に隔離されるようになっている。
【0032】
ストッパピストン室115の断面積は、本体ピストン室112の断面積よりも大きくなっている。
ケース本体111には、高圧継手H、中圧継手M、低圧継手Lがそれぞれ接続されている。高圧継手Hは、高圧hの流体を吸入する流路に連通されており、本体ピストン室112における本体ピストン131aと本体ピストン131bの間に流路開口161が位置するようにケース本体111に対して接続されている。
【0033】
中圧継手Mは、中圧mの流体を吸入および排出する流路に連通されており、本体ピストン室112における弁座146の位置に流路開口162が位置するようにケース本体111に対して接続されている。
【0034】
低圧継手Lは、低圧lの流体を排出する流路に連通されており、本体ピストン室112における弁座146の位置に流路開口163が位置するようにケース本体111に対して接続されている。中圧継手Mの流路開口162と低圧継手Lの流路開口163はそれぞれ、ストッパピストン室115側から弁体141の移動方向へ並ぶように配置されている。
【0035】
以上のような構成を備えた本実施例の三方切換弁100は、高圧継手Hからの高圧流体による高圧hと、低圧継手Lからの低圧流体による低圧lとによって本体ピストン131a,131bおよびストッパピストン151を圧駆動し、これにより弁体141を図1〜図3の3つの停止位置に移動させる。
【0036】
弁体141を圧駆動の切換により移動させるために、本実施例では図1に示したように、電磁駆動により圧切換を行うストッパ電磁部191および本体電磁部195を備えている。なお、これらのストッパ電磁部191および本体電磁部195の基本構造は、公知の
電磁弁と同様である。
【0037】
ストッパ電磁部191は、プランジャ193と、通電のオンオフによって、弾性力により付勢されたプランジャ193を2つの停止位置の間で移動させる電磁コイル192と、プランジャ193の先端部に設けられた弁体194と、を備えている。その弁室は、4つの流路に連通されている。そのうち第1の流路は、高圧継手Hに連通されている。第2の流路は、ストッパピストン室115におけるストッパピストン151の外側室にキャピラリチューブAを介して連通されている。第3の流路は、低圧継手Lに連通されている。第4の流路は、ストッパピストン室115におけるストッパピストン151の内側室にキャピラリチューブBを介して連通されている。
【0038】
電磁コイル192への通電のオンオフによって弁を移動させて、高圧継手HとキャピラリチューブBが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブAが連通した状態と、高圧継手HとキャピラリチューブAが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブBが連通した状態と、を切換できるようになっている。
【0039】
本体電磁部195は、弾性力により付勢されたプランジャ197と、通電のオンオフによってプランジャ197を2つの停止位置の間で移動させる電磁コイル196と、プランジャ197の先端部に設けられた弁体198と、を備えている。その弁室は、4つの流路に連通されている。そのうち第1の流路は、高圧継手Hに連通されている。第2の流路は、本体ピストン室112における本体ピストン131aの外側室にキャピラリチューブCを介して連通されている。第3の流路は、低圧継手Lに連通されている。第4の流路は、本体ピストン室112における本体ピストン131bの外側室にキャピラリチューブDを介して連通されている。
【0040】
電磁コイル196への通電のオンオフによって弁を移動させて、高圧継手HとキャピラリチューブCが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブDが連通した状態と、高圧継手HとキャピラリチューブDが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブCが連通した状態と、を切換できるようになっている。
【0041】
以下に、中圧継手Mから低圧継手Lへの流路を開放した状態と、高圧継手H、中圧継手M、低圧継手Lの全ての流路を閉止した全閉状態と、高圧継手Hから中圧継手Mへの流路を開放した状態と、の間で圧切換により弁体141を移動させる操作を説明する。
【0042】
図1に示した状態、すなわち中圧継手Mから低圧継手Lへの流路を開放した状態では、ストッパ電磁部191の通電をオンにして、高圧継手HとキャピラリチューブBが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブAが連通した状態とする。一方、本体電磁部195の通電をオフにして、高圧継手HとキャピラリチューブDが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブCが連通した状態とする。
【0043】
これにより、ストッパピストン151は、キャピラリチューブBからの高圧hを内面で受け、キャピラリチューブAからの低圧lを外面で受ける。本体ピストン131aは、高圧継手Hからの高圧hを内面で受け、キャピラリチューブCからの低圧lを外面で受ける。本体ピストン131bは、キャピラリチューブDからの高圧hを外面で受け、高圧継手Hからの高圧hを内面で受ける。
【0044】
上記の圧力状態によって、ストッパピストン151はストッパピストン室115の外側端部118へ当接し、一対の本体ピストン131a,131bは、本体ピストン131aが本体ピストン室112の端部114に当接するまでストッパピストン室115側へ移動する。
【0045】
これにより、弁体141は、カップ部143が中圧継手Mの流路開口162と低圧継手Lの流路開口163とを覆う位置に配置され、カップ部143の内部空洞を介して中圧継手Mから低圧継手Lへの流路が開放される。
【0046】
図2に示した状態、すなわち高圧継手H、中圧継手M、低圧継手Lの全ての流路を閉止した全閉状態では、ストッパ電磁部191の通電をオフにして、高圧継手HとキャピラリチューブAが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブBが連通した状態とする。一方、本体電磁部195の通電をオフにして、高圧継手HとキャピラリチューブDが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブCが連通した状態とする。
【0047】
これにより、ストッパピストン151は、キャピラリチューブAからの高圧hを外面で受け、キャピラリチューブBからの低圧lを内面で受ける。本体ピストン131aは、高圧継手Hからの高圧hを内面で受け、キャピラリチューブCからの低圧lを外面で受ける。本体ピストン131bは、キャピラリチューブDからの高圧hを外面で受け、高圧継手Hからの高圧hを内面で受ける。
【0048】
上記の圧力状態によって、ストッパピストン151はストッパピストン室115の内側端部117へ当接する。ここで、ストッパピストン室115の断面積が本体ピストン室112の断面積よりも大きいため、高圧hの受圧面積がより大きいストッパピストン151の外面の押圧力が、本体ピストン131bの外面の押圧力よりも大きくなる。これによって、一対の本体ピストン131a,131bは、ストッパピストン室115側へ移動するが、本体ピストン131aがロッド155に当接して停止する。つまり、ストッパピストン151は、一対の本体ピストン131a,131bを図中右方向へ押圧した状態でストッパピストン室115の内側端部117へ当接する。
【0049】
これにより、弁体141は、スライド部142が中圧継手Mの流路開口162を覆うと共にカップ部143が低圧継手Lの流路開口163を覆う位置に配置され、高圧継手H、中圧継手M、低圧継手Lの全ての流路が閉止される。
【0050】
図3に示した状態、すなわち高圧継手Hから中圧継手Mへの流路を開放した状態では、ストッパ電磁部191の通電をオフにして、高圧継手HとキャピラリチューブAが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブBが連通した状態とする。一方、本体電磁部195の通電をオンにして、高圧継手HとキャピラリチューブCが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブDが連通した状態とする。
【0051】
これにより、ストッパピストン151は、キャピラリチューブAからの高圧hを外面で受け、キャピラリチューブBからの低圧lを内面で受ける。本体ピストン131aは、キャピラリチューブCからの高圧hを外面で受け、高圧継手Hからの高圧hを内面で受ける。本体ピストン131bは、高圧継手Hからの高圧hを内面で受け、キャピラリチューブDからの低圧lを外面で受ける。
【0052】
上記の圧力状態によって、ストッパピストン151はストッパピストン室115の内側端部117へ当接し、一対の本体ピストン131a,131bは、本体ピストン131bが蓋体113に当接するまでストッパピストン室115とは反対側へ移動する。
【0053】
これにより、弁体141は中圧継手Mの流路開口162よりも図中右側へ移動し、スライド部142が低圧継手Lの流路開口163を覆う位置に配置される。そして、ガイド144の貫通孔144aが高圧継手Hの流路開口161と中圧継手Mの流路開口162との間に配置され、高圧継手Hから中圧継手Mへの流路が開放される。
【0054】
なお、上記の各状態への弁体141の移動を終了した後、より適切な圧力状態とするために、キャピラリチューブA〜Dからの高圧hまたは低圧lを適宜の圧力に変更するようにしてもよい。
【0055】
以上の三方切換弁100によれば、中圧継手Mから低圧継手Lへの流路を開放した状態と、高圧継手Hから中圧継手Mへの流路を開放した状態と、全閉状態との3つの状態に弁体141を停止させることができる。すなわち、全閉状態を維持することができ、さらに、中圧継手Mから低圧継手Lへの流路を開放した状態と、高圧継手Hから中圧継手Mへの流路を開放した状態とのいずれの状態であっても、全閉状態へ直接に移行できる。したがって、いずれの流路状態においてもシステム停止状態または冷媒非導通状態へ直接に移行することができるので、高低圧冷媒が混合せず、システム効率が向上し、省エネルギー化が図れる。
【0056】
また、中圧継手Mから低圧継手Lへの流路を開放した状態と、高圧継手Hから中圧継手Mへの流路を開放した状態とを切換える途中において、流路を全閉状態とすることができ、高圧継手H、中圧継手M、および低圧継手Lの3つの流路が全て開放されることがない。したがって、3つの流路からの流体が混合せずに流路を切換えることができ、高低圧冷媒が混合せず、システム効率が向上し、省エネルギー化が図れる。
【0057】
また、中圧継手Mから低圧継手Lへの流路を開放した状態と、高圧継手Hから中圧継手Mへの流路を開放した状態と、全閉状態との全ての状態において、弁体141は高圧継手Hからの高圧hの流体によって弁座146へ加圧されているので、常に弁体141と弁座146との接触面において確実な密閉状態が得られ、互いの接触面の間から流体が漏れ出すことを防止できる。
【0058】
なお、第1の実施例において、図19に示したように、平板状のガイド144を貫通し、高圧継手Hおよび中圧継手Mと同程度の内径を有する配管165を設けるようにしてもよい。これによって、高圧継手Hから中圧継手Mへの流路が開放された図3の状態において、配管165が高圧継手Hの流路開口161と中圧継手Mの流路開口162との間に配置され、流体は高圧継手Hから配管165を経由して中圧継手Mへ流通するので、良好な流通状態が得られる。
【0059】
図4〜図6は、上述した三方切換弁の変形例を示した断面図であり、図4は中圧継手から低圧継手への流路が開放された状態、図5は高圧継手、中圧継手、低圧継手の全ての流路が閉止された全閉状態、図6は高圧継手から中圧継手への流路が開放された状態を示している。なお、上述した第1の実施例に対応する部材等は同一の符号で表しその詳細な説明を省略する。
【0060】
この変形例における三方切換弁100は、基本的な構成は上記第1の実施例と同様であるが、ストッパピストン室115と、本体ピストン室112における本体ピストン131aの外側室とを連通させる連通孔164を設けてこれらの室を同圧とし、上記第1の実施例におけるキャピラリチューブBとパッキン119を省略している。
【0061】
以下に、中圧継手Mから低圧継手Lへの流路を開放した状態と、高圧継手H、中圧継手M、低圧継手Lの全ての流路を閉止した全閉状態と、高圧継手Hから中圧継手Mへの流路を開放した状態と、の間で圧切換により弁体141を移動させる操作を説明する。
【0062】
図4に示した状態、すなわち中圧継手Mから低圧継手Lへの流路を開放した状態では、ストッパ電磁部191の通電をオンにして、低圧継手LとキャピラリチューブAが連通し
た状態とする。一方、本体電磁部195の通電をオフにして、高圧継手HとキャピラリチューブDが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブCが連通した状態とする。
【0063】
これにより、ストッパピストン151は、ストッパピストン室115におけるストッパピストン151の内側室に連通孔164を介して連通した本体ピストン131aの外側室に接続されたキャピラリチューブCからの低圧lを内面で受け、キャピラリチューブAからの低圧lを外面で受ける。本体ピストン131aは、高圧継手Hからの高圧hを内面で受け、キャピラリチューブCからの低圧lを外面で受ける。本体ピストン131bは、キャピラリチューブDからの高圧hを外面で受け、高圧継手Hからの高圧hを内面で受ける。
【0064】
上記の圧力状態によって、ストッパピストン151はストッパピストン室115の外側端部118へ当接し、一対の本体ピストン131a,131bは、本体ピストン131aが本体ピストン室112の端部114に当接するまでストッパピストン室115側へ移動する。
【0065】
これにより、弁体141は、カップ部143が中圧継手Mの流路開口162と低圧継手Lの流路開口163とを覆う位置に配置され、カップ部143の内部空洞を介して中圧継手Mから低圧継手Lへの流路が開放される。
【0066】
図5に示した状態、すなわち高圧継手H、中圧継手M、低圧継手Lの全ての流路を閉止した全閉状態では、ストッパ電磁部191の通電をオフにして、高圧継手HとキャピラリチューブAが連通した状態とする。一方、本体電磁部195の通電をオフにして、高圧継手HとキャピラリチューブDが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブCが連通した状態とする。
【0067】
これにより、ストッパピストン151は、キャピラリチューブAからの高圧hを外面で受け、キャピラリチューブCからの低圧lを連通孔164を介して内面で受ける。本体ピストン131aは、高圧継手Hからの高圧hを内面で受け、キャピラリチューブCからの低圧lを外面で受ける。本体ピストン131bは、キャピラリチューブDからの高圧hを外面で受け、高圧継手Hからの高圧hを内面で受ける。
【0068】
上記の圧力状態によって、ストッパピストン151はストッパピストン室115の内側端部117へ当接する。ここで、ストッパピストン室115の断面積が本体ピストン室112の断面積よりも大きいため、高圧hの受圧面積がより大きいストッパピストン151の外面の押圧力が、本体ピストン131bの外面の押圧力よりも大きくなる。これによって、一対の本体ピストン131a,131bは、ストッパピストン室115側へ移動するが、本体ピストン131aがロッド155に当接して停止する。つまり、一対の本体ピストン131a,131bを図中右方向へ押圧した状態でストッパピストン室115の内側端部117へ当接する。
【0069】
これにより、弁体141は、スライド部142が中圧継手Mの流路開口162を覆うと共にカップ部143が低圧継手Lの流路開口163を覆う位置に配置され、高圧継手H、中圧継手M、低圧継手Lの全ての流路が閉止される。
【0070】
図6に示した状態、すなわち高圧継手Hから中圧継手Mへの流路を開放した状態では、ストッパ電磁部191の通電をオフにして、高圧継手HとキャピラリチューブAが連通した状態とする。一方、本体電磁部195の通電をオンにして、高圧継手HとキャピラリチューブCが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブDが連通した状態とする。
【0071】
これにより、ストッパピストン151は、キャピラリチューブAからの高圧hを外面で受け、キャピラリチューブCからの高圧hを連通孔164を介して内面で受ける。本体ピストン131aは、キャピラリチューブCからの高圧hを外面で受け、高圧継手Hからの高圧hを内面で受ける。本体ピストン131bは、高圧継手Hからの高圧hを内面で受け、キャピラリチューブDからの低圧lを外面で受ける。
【0072】
上記の圧力状態によって、ストッパピストン151は停止状態となり、一対の本体ピストン131a,131bは、本体ピストン131bが蓋体113に当接するまでストッパピストン室115とは反対側へ移動する。
【0073】
これにより、弁体141は中圧継手Mの流路開口162よりも図中右側へ移動し、スライド部142が低圧継手Lの流路開口163を覆う位置に配置される。そして、ガイド144の貫通孔144aが高圧継手Hの流路開口161と中圧継手Mの流路開口162との間に配置され、高圧継手Hから中圧継手Mへの流路が開放される。
【0074】
図7〜図9は、本発明の三方切換弁における第2の実施例を示した断面図であり、図7は中圧継手から低圧継手への流路が開放された状態、図8は高圧継手、中圧継手、低圧継手の全ての流路が閉止された全閉状態、図9は高圧継手から中圧継手への流路が開放された状態を示している。
【0075】
本実施例の三方切換弁は、冷媒流路を構成する中圧継手から低圧継手への流路と、高圧継手から中圧継手への流路との切換を行うものである。
図7に示したように、本実施例の三方切換弁200は、二方切換弁部211と、三方切換弁部231と、から構成されている。
【0076】
二方切換弁部211は、シリンダ状の第1のケース本体212を備えている。第1のケース本体212は、その両端部が蓋体214,215によって封止されている。第1のケース本体212の内部には、第1のピストン室213が設けられている。第1のピストン室213には、一対の第1のピストン221a,221bと、第1の弁体225と、第1の弁座228と、が収納されている。
【0077】
第1のピストン221aは、ガイド226を介して第1の弁体225の一方側に接続されている。また、第1のピストン221bは、ガイド227を介して第1の弁体225の他方側に接続されている。ガイド226,227はロッド形状または平板形状であり、平板形状である場合には、第1のピストン221aと第1の弁体225とを接続するガイド226には、高圧継手Hから中継継手Rへの流路を開放した際に流体の良好な流通を確保するために不図示の貫通孔が設けられる。
【0078】
第1のピストン221aは、ピストンガイド222aと補強板224aとによって、パッキン223aを挟んだ構造になっている。第1のピストン221bも同様に、ピストンガイド222bと補強板224bとによって、パッキン223bを挟んだ構造になっている。第1のピストン221a,221bはそれぞれ、第1のケース本体212の内面に対して摺動しながら第1のピストン室213内を第1のケース本体212の長手方向に移動する。
【0079】
第1の弁体225は、カップ部225aから構成されている。カップ部225aは、カップ状の容器を裏返した形状であり、第1の弁座228との間で空洞を形成する。なお、第1の弁座228に配置された中継継手Rの流路開口262を閉止できる構造であれば、第1の弁体225は他の構造であってもよい。
【0080】
第1の弁座228は、第1のケース本体212の内側面に配置されている。
第1のケース本体212には、高圧継手Hおよび中継継手Rがそれぞれ接続されている。高圧継手Hは、高圧hの流体を吸入する流路に連通されており、第1のピストン室213における第1のピストン221a,221bの間に流路開口261が位置するように第1のケース本体212に対して接続されている。
【0081】
中継継手Rは、三方切換弁部231の第2のピストン室233に連通されており、第1のピストン室213における第1の弁座228の位置に流路開口262が位置するように第1のケース本体212に対して接続されている。
【0082】
三方切換弁部231は、シリンダ状の第2のケース本体232を備えている。第2のケース本体232は、その両端部が蓋体234,235によって封止されている。第2のケース本体232の内部には、第2のピストン室233が設けられている。第2のピストン室233には、一対の第2のピストン241a,241bと、第2の弁体245と、第2の弁座248と、が収納されている。
【0083】
第2のピストン241aは、ガイド246を介して第2の弁体245の一方側に接続されている。また、第2のピストン241bは、ガイド247を介して第2の弁体245の他方側に接続されている。ガイド246,247はロッド形状または平板形状であり、平板形状である場合には、第2のピストン241aと第2の弁体245とを接続するガイド246には、中継継手Rから中圧継手Mへの流路を開放した際に流体の良好な流通を確保するために不図示の貫通孔が設けられる。
【0084】
第2のピストン241aは、ピストンガイド242aと補強板244aとによって、パッキン243aを挟んだ構造になっている。第2のピストン241bも同様に、ピストンガイド242bと補強板244bとによって、パッキン243bを挟んだ構造になっている。第2のピストン241a,241bはそれぞれ、第2のケース本体232の内面に対して摺動しながら第2のピストン室233内を第2のケース本体232の長手方向に移動する。
【0085】
第2の弁体245は、カップ部245aから構成されている。カップ部245aは、カップ状の容器を裏返した形状であり、第2の弁座248との間で空洞を形成する。
第2の弁座248は、第2のケース本体232の内側面に配置されている。
【0086】
第2のケース本体232には、中継継手R、中圧継手M、低圧継手Lがそれぞれ接続されている。中継継手Rは、二方切換弁部211の第1のピストン室213に連通されており、第2のピストン室231における第2のピストン241a,241bの間に流路開口が位置するように第2のケース本体232に対して接続されている。
【0087】
中圧継手Mは、中圧mの流体を吸入および排出する流路に連通されており、第2のピストン室233における第2の弁座248の位置に流路開口263が位置するように第2のケース本体232に対して接続されている。
【0088】
低圧継手Lは、低圧lの流体を排出する流路に連通されており、第2のピストン室233における第2の弁座248の位置に流路開口264が位置するように第2のケース本体232に対して接続されている。中圧継手Mの流路開口263と低圧継手Lの流路開口264はそれぞれ、第2のピストン241a側から第2の弁体245の移動方向へ並ぶように配置されている。
【0089】
以上のような構成を備えた本実施例の三方切換弁200は、高圧継手Hからの高圧流体
による高圧hと、中圧継手Mからの中圧流体による中圧mと、低圧継手Lからの低圧流体による低圧lとによって第1のピストン221a,221bおよび第2のピストン241a,241bを圧駆動し、これにより第1の弁体225および第2の弁体245を図7〜図9のそれぞれ2つの停止位置に移動させる。
【0090】
第1の弁体225および第2の弁体245を圧駆動の切換により移動させるために、本実施例では図7に示したように、電磁駆動により圧切換を行う第1の電磁部291および第2の電磁部295を備えている。なお、これらの第1の電磁部291および第2の電磁部295の基本構造は、公知の電磁弁と同様である。
【0091】
第1の電磁部291は、プランジャ293と、通電のオンオフによって、弾性力により付勢されたプランジャ293を2つの停止位置の間で移動させる電磁コイル292と、プランジャ293の先端部に設けられた弁体294と、を備えている。その弁室は、4つの流路に連通されている。そのうち第1の流路は、高圧継手Hに連通されている。第2の流路は、第1のピストン室213における第1のピストン221aの外側室にキャピラリチューブCを介して連通されている。第3の流路は、低圧継手Lに連通されている。第4の流路は、第1のピストン室213における第1のピストン221bの外側室にキャピラリチューブDを介して連通されている。
【0092】
電磁コイル292への通電のオンオフによって弁体294を移動させて、高圧継手HとキャピラリチューブCが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブDが連通した状態と、高圧継手HとキャピラリチューブDが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブCが連通した状態と、を切換できるようになっている。
【0093】
第2の電磁部295は、プランジャ297と、通電のオンオフによって、弾性力により付勢されたプランジャ297を2つの停止位置の間で移動させる電磁コイル296と、プランジャ297の先端部に設けられた弁体298と、を備えている。その弁室は、4つの流路に連通されている。そのうち第1の流路は、中継継手Rに連通されている。第2の流路は、第2のピストン室233における第2のピストン241bの外側室にキャピラリチューブAを介して連通されている。第3の流路は、低圧継手Lに連通されている。第4の流路は、第2のピストン室233における第2のピストン241aの外側室にキャピラリチューブBを介して連通されている。
【0094】
電磁コイル296への通電のオンオフによって弁体298を移動させて、中継継手RとキャピラリチューブAが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブBが連通した状態と、中継継手RとキャピラリチューブBが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブAが連通した状態と、を切換できるようになっている。
【0095】
以下に、中圧継手Mから低圧継手Lへの流路を開放した状態と、高圧継手H、中圧継手M、低圧継手Lの全ての流路を閉止した全閉状態と、高圧継手Hから中圧継手Mへの流路を開放した状態と、の間で圧切換により第1の弁体225および第2の弁体245を移動させる操作を説明する。
【0096】
図7に示した状態、すなわち中圧継手Mから低圧継手Lへの流路を開放した状態では、第1の電磁部291の通電をオンにして、高圧継手HとキャピラリチューブCが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブDが連通した状態とする。一方、第2の電磁部295の通電をオンにして、中継継手RとキャピラリチューブAが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブBが連通した状態とする。
【0097】
これにより、二方切換弁部211において、第1のピストン221aは、キャピラリチ
ューブCからの高圧hを外面で受け、高圧継手Hからの高圧hを内面で受ける。第1のピストン221bは、高圧継手Hからの高圧hを内面で受け、キャピラリチューブDからの低圧lを外面で受ける。
【0098】
上記の圧力状態によって、一対の第1のピストン221a,221bは、第1のピストン221bが蓋体215に当接する位置に配置され、これにより、第1の弁体225は、カップ部225aが中継継手Rの流路開口262を開放する位置に配置される。その結果、高圧継手Hから中継継手Rへの流路が開放される。
【0099】
一方、三方切換弁部231において、第2のピストン241aは、中継継手Rからの高圧hを内面で受け、キャピラリチューブBからの低圧lを外面で受ける。第2のピストン241bは、キャピラリチューブAからの高圧hを外面で受け、中継継手Rからの高圧hを内面で受ける。
【0100】
上記の圧力状態によって、一対の第2のピストン241a,241bは、第2のピストン241aが蓋体234に当接する位置に配置され、これにより、第2の弁体245は、カップ部245aが中圧継手Mの流路開口263と低圧継手Lの流路開口264とを覆う位置に配置される。その結果、カップ部245aの内部空洞を介して中圧継手Mから低圧継手Lへの流路が開放される。
【0101】
図8に示した状態、すなわち高圧継手H、中圧継手M、低圧継手Lの全ての流路を閉止した全閉状態では、第1の電磁部291の通電をオフにして、高圧継手HとキャピラリチューブDが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブCが連通した状態とする。一方、第2の電磁部295の通電をオフにして、中継継手RとキャピラリチューブBが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブAが連通した状態とする。
【0102】
これにより、二方切換弁部211において、第1のピストン221aは、高圧継手Hからの高圧hを内面で受け、キャピラリチューブCからの低圧lを外面で受ける。第1のピストン221bは、キャピラリチューブDからの高圧hを外面で受け、高圧継手Hからの高圧hを内面で受ける。
【0103】
上記の圧力状態によって、一対の第1のピストン221a,221bは、第1のピストン221aが蓋体214に当接する位置に配置され、これにより、第1の弁体225は、カップ部225aが中継継手Rの流路開口262を覆う位置に配置される。その結果、高圧継手Hから中継継手Rへの流路が閉止される。
【0104】
一方、三方切換弁部231において、第2のピストン241aは、キャピラリチューブBからの中圧mを外面で受け、中継継手Rからの中圧mを内面で受ける。第2のピストン241bは、中継継手Rからの中圧mを内面で受け、キャピラリチューブAからの低圧lを外面で受ける。
【0105】
上記の圧力状態によって、一対の第2のピストン241a,241bは、第2のピストン241bが蓋体235に当接する位置に配置され、これにより、第2の弁体245は、中圧継手Mの流路開口263を開放すると共にカップ部245aが低圧継手Lの流路開口264を覆う位置に配置される。
【0106】
以上のようにして、高圧継手H、中圧継手M、低圧継手Lの全ての流路が閉止される。
図9に示した状態、すなわち高圧継手Hから中圧継手Mへの流路を開放した状態では、第1の電磁部291の通電をオンにして、高圧継手HとキャピラリチューブCが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブDが連通した状態とする。一方、第2の電磁部2
95の通電をオフにして、中継継手RとキャピラリチューブBが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブAが連通した状態とする。
【0107】
これにより、二方切換弁部211において、第1のピストン221aは、キャピラリチューブCからの高圧hを外面で受け、高圧継手Hからの高圧hを内面で受ける。第1のピストン221bは、高圧継手Hからの高圧hを内面で受け、キャピラリチューブDからの低圧lを外面で受ける。
【0108】
上記の圧力状態によって、一対の第1のピストン221a,221bは、第1のピストン221bが蓋体215に当接する位置に配置され、これにより、第1の弁体225は、カップ部225aが中継継手Rの流路開口262を開放する位置に配置される。その結果、高圧継手Hから中継継手Rへの流路が開放される。
【0109】
一方、三方切換弁部231において、第2のピストン241aは、キャピラリチューブBからの高圧hを外面で受け、中継継手Rからの高圧hを内面で受ける。第2のピストン241bは、中継継手Rからの高圧hを内面で受け、キャピラリチューブAからの低圧lを外面で受ける。
【0110】
上記の圧力状態によって、一対の第2のピストン241a,241bは、第2のピストン241bが蓋体235に当接する位置に配置され、これにより、第2の弁体245は、中圧継手Mの流路開口263を開放すると共にカップ部245aが低圧継手Lの流路開口264を覆う位置に配置される。その結果、中継継手Rから中圧継手Mへの流路が開放される。
【0111】
以上のようにして、中継継手Rを介して高圧継手Hから中圧継手Mへの流路が開放される。
なお、上記の各状態への第1の弁体225および第2の弁体245の移動を終了した後、より適切な圧力状態とするために、キャピラリチューブA〜Dからの高圧h、中圧mまたは低圧lを適宜の圧力に変更するようにしてもよい。
【0112】
以上の三方切換弁200によれば、中圧継手Mから低圧継手Lへの流路を開放した状態と、高圧継手Hから中圧継手Mへの流路を開放した状態と、全閉状態との3つの状態に弁体を停止させることができる。すなわち、全閉状態を維持することができ、さらに、中圧継手Mから低圧継手Lへの流路を開放した状態と、高圧継手Hから中圧継手Mへの流路を開放した状態とのいずれの状態であっても、全閉状態へ直接に移行できる。したがって、いずれの流路状態においてもシステム停止状態または冷媒非導通状態へ直接に移行することができるので、高低圧冷媒の混合が抑制され、システム効率が向上し、省エネルギー化が図れる。
【0113】
また、中圧継手Mから低圧継手Lへの流路を開放した状態と、高圧継手Hから中圧継手Mへの流路を開放した状態と、全閉状態との全ての状態において、第1の弁体225は高圧継手Hからの高圧hの流体によって弁座228へ加圧され、第2の弁体245は中圧継手Rからの高圧hまたは中圧mの流体によって弁座248へ加圧されているので、常にこれらの接触面において確実な密閉状態が得られ、互いの接触面の間から流体が漏れ出すことを防止できる。
【0114】
図10〜図12は、本発明の三方切換弁における第3の実施例を示した断面図であり、図10は中圧継手から低圧継手への流路が開放された状態、図11は高圧継手、中圧継手、低圧継手の全ての流路が閉止された全閉状態、図12は高圧継手から中圧継手への流路が開放された状態を示している。
【0115】
本実施例の三方切換弁は、冷媒流路を構成する中圧継手から低圧継手への流路と、高圧継手から中圧継手への流路との切換を行うものである。
図10に示したように、本実施例の三方切換弁300は、シリンダ状のケース本体311を備えている。ケース本体311は、その両端部が蓋体313,319によって封止されている。ケース本体311の内部には、弁体収納室312と、弁体収納室312の一端側に配置された本体ピストン室315と、本体ピストン室315の他端側に配置されたストッパピストン室318とが設けられている。
【0116】
弁体収納室312には、弁体341と、弁座345と、が収納されている。弁体341は、弁体341の移動方向へ並ぶように配置されたスライド部342およびカップ部343から構成されている。スライド部342は、その下面が弁座345に当接し、弁座345を摺動する。カップ部343は、カップ状の容器を裏返した形状であり、弁座345との間で空洞を形成する。
【0117】
弁座345は、ケース本体311の内側面に配置されている。
本体ピストン室315には、本体ピストン331が収納されている。本体ピストン331は、ロッド形状のガイド344を介して弁体収納室312内の弁体341の一方側に接続されている。
【0118】
本体ピストン331は、ピストンガイド332とパッキンガイド334とによって、パッキン333を挟んだ構造になっている。本体ピストン331は、ケース本体311の内面に対して摺動しながら本体ピストン室315内をケース本体311の長手方向に移動する。
【0119】
ストッパピストン室318には、ストッパピストン351が収納されている。ストッパピストン351は、ピストンガイド352とパッキンガイド354とによって、パッキン353を挟んだ構造になっている。ストッパピストン351は、ケース本体311の内面に対して摺動しながらストッパピストン室318内をケース本体311の長手方向に移動する。ストッパピストン351にはロッド355が接続されており、ストッパピストン351はロッド355を介して本体ピストン331と接離する。ロッド355は、パッキン322と摺動しながら移動し、これによりストッパピストン室318と後述する本体ピストン331の外側室とが気密に隔離されるようになっている。
【0120】
ストッパピストン室318の断面積は、本体ピストン室315の断面積よりも大きくなっている。
ケース本体311には、高圧継手H、中圧継手M、低圧継手Lがそれぞれ接続されている。高圧継手Hは、高圧hの流体を吸入する流路に連通されており、弁体収納室312に流路開口361が位置するようにケース本体311に対して接続されている。
【0121】
中圧継手Mは、中圧mの流体を吸入および排出する流路に連通されており、弁体収納室312における弁座345の位置に流路開口362が位置するようにケース本体311に対して接続されている。
【0122】
低圧継手Lは、低圧lの流体を排出する流路に連通されており、弁体収納室312における弁座345の位置に流路開口363が位置するようにケース本体311に対して接続されている。中圧継手Mの流路開口362と低圧継手Lの流路開口363はそれぞれ、本体ピストン室315側から弁体341の移動方向へ並ぶように配置されている。
【0123】
以上のような構成を備えた本実施例の三方切換弁300は、高圧継手Hからの高圧流体
による高圧hと、低圧継手Lからの低圧流体による低圧lによって本体ピストン331およびストッパピストン351を圧駆動し、これにより弁体341を図10〜図12の3つの停止位置に移動させる。
【0124】
弁体341を圧駆動の切換により移動させるために、本実施例では図10に示したように、電磁駆動により圧切換を行うストッパ電磁部391および本体電磁部395を備えている。なお、これらのストッパ電磁部391および本体電磁部395の基本構造は、公知の電磁弁と同様である。
【0125】
ストッパ電磁部391は、プランジャ393と、通電のオンオフによって、弾性力により付勢されたプランジャ393を2つの停止位置の間で移動させる電磁コイル392と、プランジャ393の先端部に設けられた弁体394と、を備えている。その弁室は、4つの流路に連通されている。そのうち第1の流路は、高圧継手Hに連通されている。第2の流路は、ストッパピストン室318におけるストッパピストン351の外側室にキャピラリチューブAを介して連通されている。第3の流路は、低圧継手Lに連通されている。第4の流路は、ストッパピストン室318におけるストッパピストン351の内側室にキャピラリチューブBを介して連通されている。
【0126】
電磁コイル392への通電のオンオフによって弁を移動させて、高圧継手HとキャピラリチューブBが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブAが連通した状態と、高圧継手HとキャピラリチューブAが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブBが連通した状態と、を切換できるようになっている。
【0127】
本体電磁部395は、弾性力により付勢されたプランジャ397と、通電のオンオフによってプランジャ397を2つの停止位置の間で移動させる電磁コイル396と、プランジャ397の先端部に設けられた弁体398と、を備えている。その弁室は、4つの流路に連通されている。そのうち第1の流路は、高圧継手Hに連通されている。第2の流路は、本体ピストン室315における本体ピストン331の外側室にキャピラリチューブCを介して連通されている。第3の流路は、低圧継手Lに連通されている。第4の流路は、本体ピストン室315における本体ピストン331の内側室にキャピラリチューブDを介して連通されている。
【0128】
電磁コイル396への通電のオンオフによって弁を移動させて、高圧継手HとキャピラリチューブCが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブDが連通した状態と、高圧継手HとキャピラリチューブDが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブCが連通した状態と、を切換できるようになっている。
【0129】
以下に、中圧継手Mから低圧継手Lへの流路を開放した状態と、高圧継手H、中圧継手M、低圧継手Lの全ての流路を閉止した全閉状態と、高圧継手Hから中圧継手Mへの流路を開放した状態と、の間で圧切換により弁体341を移動させる操作を説明する。
【0130】
図10に示した状態、すなわち中圧継手Mから低圧継手Lへの流路を開放した状態では、ストッパ電磁部391の通電をオンにして、高圧継手HとキャピラリチューブBが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブAが連通した状態とする。一方、本体電磁部395の通電をオフにして、高圧継手HとキャピラリチューブDが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブCが連通した状態とする。
【0131】
これにより、ストッパピストン351は、キャピラリチューブBからの高圧hを内面で受け、キャピラリチューブAからの低圧lを外面で受ける。本体ピストン331は、キャピラリチューブDからの高圧hを内面で受け、キャピラリチューブCからの低圧lを外面
で受ける。
【0132】
上記の圧力状態によって、ストッパピストン351はストッパピストン室318の外側端部321へ当接する。本体ピストン331は、本体ピストン331が本体ピストン室315の端部317に当接するまでストッパピストン室318側へ移動する。
【0133】
これにより、弁体341は、カップ部343が中圧継手Mの流路開口362と低圧継手Lの流路開口363とを覆う位置に配置され、カップ部343の内部空洞を介して中圧継手Mから低圧継手Lへの流路が開放される。
【0134】
図11に示した状態、すなわち高圧継手H、中圧継手M、低圧継手Lの全ての流路を閉止した全閉状態では、ストッパ電磁部391の通電をオフにして、高圧継手HとキャピラリチューブAが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブBが連通した状態とする。一方、本体電磁部395の通電をオフにして、高圧継手HとキャピラリチューブDが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブCが連通した状態とする。
【0135】
これにより、ストッパピストン351は、キャピラリチューブAからの高圧hを外面で受け、キャピラリチューブBからの低圧lを内面で受ける。本体ピストン331は、キャピラリチューブDからの高圧hを内面で受け、キャピラリチューブCからの低圧lを外面で受ける。
【0136】
上記の圧力状態によって、ストッパピストン351はストッパピストン室318の内側端部320へ当接する。ここで、ストッパピストン室318の断面積が本体ピストン室315の断面積よりも大きいため、高圧hの受圧面積がより大きいストッパピストン351の外面の押圧力が、本体ピストン331の外面の押圧力よりも大きくなる。これによって、本体ピストン331はストッパピストン318側へ移動するが、本体ピストン331がロッド355に当接して停止する。つまり、ストッパピストン351は、本体ピストン331を図中右方向へ押圧した状態でストッパピストン室318の内側端部320へ当接する。
【0137】
これにより、弁体収納室312内の弁体341は、スライド部342が中圧継手Mの流路開口362を覆うと共にカップ部343が低圧継手Lの流路開口363を覆う位置に配置され、高圧継手H、中圧継手M、低圧継手Lの全ての流路が閉止される。
【0138】
図12に示した状態、すなわち高圧継手Hから中圧継手Mへの流路を開放した状態では、ストッパ電磁部391の通電をオフにして、高圧継手HとキャピラリチューブAが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブBが連通した状態とする。一方、本体電磁部395の通電をオンにして、高圧継手HとキャピラリチューブCが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブDが連通した状態とする。
【0139】
これにより、ストッパピストン351は、キャピラリチューブAからの高圧hを外面で受け、キャピラリチューブBからの低圧lを内面で受ける。本体ピストン331は、キャピラリチューブCからの高圧hを外面で受け、キャピラリチューブDからの低圧lを内面で受ける。
【0140】
上記の圧力状態によって、ストッパピストン351はストッパピストン室318の内側端部320へ当接し、本体ピストン331は、本体ピストン室315の端部316に当接するまでストッパピストン室318とは反対側へ移動する。
【0141】
これにより、弁体341は中圧継手Mの流路開口362よりも図中右側へ移動し、スラ
イド部342が低圧継手Lの流路開口363を覆う位置に配置される。これにより、高圧継手Hから中圧継手Mへの流路が開放される。
【0142】
なお、上記の各状態への弁体341の移動を終了した後、より適切な圧力状態とするために、キャピラリチューブA〜Dからの高圧hまたは低圧lを適宜の圧力に変更するようにしてもよい。
【0143】
以上の三方切換弁300によれば、中圧継手Mから低圧継手Lへの流路を開放した状態と、高圧継手Hから中圧継手Mへの流路を開放した状態と、全閉状態との3つの状態に弁体341を停止させることができる。すなわち、全閉状態を維持することができ、さらに、中圧継手Mから低圧継手Lへの流路を開放した状態と、高圧継手Hから中圧継手Mへの流路を開放した状態とのいずれの状態であっても、全閉状態へ直接に移行できる。したがって、いずれの流路状態においてもシステム停止状態または冷媒非導通状態へ直接に移行することができるので、高低圧冷媒が混合せず、システム効率が向上し、省エネルギー化が図れる。
【0144】
また、中圧継手Mから低圧継手Lへの流路を開放した状態と、高圧継手Hから中圧継手Mへの流路を開放した状態とを切換える途中において、流路を全閉状態とすることができ、高圧継手H、中圧継手M、および低圧継手Lの3つの流路が全て開放されることがない。したがって、3つの流路からの流体が混合せずに流路を切換えることができ、高低圧冷媒が混合せず、システム効率が向上し、省エネルギー化が図れる。
【0145】
また、中圧継手Mから低圧継手Lへの流路を開放した状態と、高圧継手Hから中圧継手Mへの流路を開放した状態と、全閉状態との全ての状態において、弁体341は高圧継手Hからの高圧hの流体によって弁座345へ加圧されているので、常に弁体341と弁座345との接触面において確実な密閉状態が得られ、互いの接触面の間から流体が漏れ出すことを防止できる。
【0146】
図13〜図15は、本発明の三方切換弁における第4の実施例を示した断面図であり、図13は中圧継手から低圧継手への流路が開放された状態、図14は高圧継手、中圧継手、低圧継手の全ての流路が閉止された全閉状態、図15は高圧継手から中圧継手への流路が開放された状態を示している。
【0147】
本実施例の三方切換弁は、冷媒流路を構成する中圧継手から低圧継手への流路と、高圧継手から中圧継手への流路との切換を行うものである。
図13に示したように、本実施例の三方切換弁400は、シリンダ状のケース本体411を備えている。ケース本体411は、その両端部が蓋体416,420によって封止されている。ケース本体411の内部には、弁体収納室412と、その一端側に配置された第1のピストン室415と、他端側に配置された第2のピストン室419とが設けられている。なお、弁体収納室412と、第1のピストン室415および第2のピストン室419を区画する位置を点線で示している。
【0148】
弁体収納室412には、一対のピストン438,458と、第1の弁体435と、第2の弁体455と、弁座463と、が収納されている。ピストン438は、ロッド形状のガイド437を介して第1の弁体435の一方側に接続されている。また、ピストン458は、ロッド形状のガイド457を介して第2の弁体455の他方側に接続されている。
【0149】
ピストン438は、ピストンガイド439と補強板441とによって、パッキン440を挟んだ構造になっている。ピストン458も同様に、ピストンガイド459と補強板461とによってパッキン460を挟んだ構造になっている。ピストン438,458はそ
れぞれ、ケース本体411の内面に対して摺動しながら弁体収納室412内をケース本体411の長手方向に移動する。
【0150】
第1の弁体435は、スライド部436を備えている。スライド部436は、その下面が弁座463に当接し、弁座463を摺動する。
第2の弁体455は、カップ部456を備えている。カップ部456は、カップ状の容器を裏返した形状であり、弁座463との間で空洞を形成する。第1の弁体435と第2の弁体455はそれぞれ、これらの移動方向へ並ぶように、互いに接離可能に配置されている。
【0151】
弁座463は、ケース本体411の内側面に配置されている。
第1のピストン室415には、第1のピストン431が収納されている。第1のピストン431は、ピストンガイド432とパッキンガイド434とによって、パッキン433を挟んだ構造になっている。第1のピストン431は、ケース本体411の内面に対して摺動しながら第1のピストン室415内をケース本体411の長手方向に移動する。第1のピストン431は、ロッド442を介してピストン438に接続されている。
【0152】
第1のピストン室415の断面積は、弁体収納室412の断面積よりも大きくなっている。これにより、第1のピストン431の駆動圧と、ピストン438の駆動圧とが同圧である場合でも、受圧面積がより大きい第1のピストン431によってピストン438を押して、第1の弁体435を移動できるようになっている。また、第2のピストン室419の断面積も同様に弁体収納室412の断面積よりも大きくなっており、第2のピストン451の駆動圧とピストン458の駆動圧とが同圧である場合も、受圧面積がより大きい第2のピストン451によってピストン458を押して、第2の弁体455を移動できるようになっている。
【0153】
ケース本体411には、高圧継手H、中圧継手M、低圧継手Lがそれぞれ接続されている。高圧継手Hは、高圧hの流体を吸入する流路に連通されており、弁体収納室412におけるピストン438とピストン458の間に流路開口471が位置するようにケース本体411に対して接続されている。
【0154】
中圧継手Mは、中圧mの流体を吸入および排出する流路に連通されており、弁体収納室412における弁座463の位置に流路開口472が位置するようにケース本体411に対して接続されている。
【0155】
低圧継手Lは、低圧lの流体を排出する流路に連通されており、弁体収納室412における弁座463の位置に流路開口473が位置するようにケース本体411に対して接続されている。中圧継手Mの流路開口472と低圧継手Lの流路開口473はそれぞれ、第1のピストン室415側から第1の弁体435および第2の弁体455の移動方向へ並ぶように配置されている。
【0156】
以上のような構成を備えた本実施例の三方切換弁400は、高圧継手Hからの高圧流体による高圧hと、低圧継手Lからの低圧流体による低圧lとによって第1のピストン431、ピストン438、第2のピストン451、およびピストン458を圧駆動し、これにより第1の弁体435および第2の弁体455を図13〜図15の3つの停止位置に移動させる。
【0157】
第1の弁体435および第2の弁体455を圧駆動の切換により移動させるために、本実施例では図13に示したように、電磁駆動により圧切換を行う第1の電磁部491および第2の電磁部495を備えている。なお、これらの第1の電磁部491および第2の電
磁部495の基本構造は、公知の電磁弁と同様である。
【0158】
第1の電磁部491は、プランジャ493と、通電のオンオフによって、弾性力により付勢されたプランジャ493を2つの停止位置の間で移動させる電磁コイル492と、プランジャ493の先端部に設けられた弁体494と、を備えている。その弁室は、4つの流路に連通されている。そのうち第1の流路は、高圧継手Hに連通されている。第2の流路は、第1のピストン室415における第1のピストン431の外側室にキャピラリチューブAを介して連通されている。第3の流路は、低圧継手Lに連通されている。第4の流路は、第1のピストン室415における第1のピストン431の内側室にキャピラリチューブBを介して連通されている。
【0159】
電磁コイル492への通電のオンオフによって弁体494を移動させて、高圧継手HとキャピラリチューブBが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブAが連通した状態と、高圧継手HとキャピラリチューブAが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブBが連通した状態と、を切換できるようになっている。
【0160】
第2の電磁部495は、弾性力により付勢されたプランジャ497と、通電のオンオフによってプランジャ497を2つの停止位置の間で移動させる電磁コイル496と、プランジャ497の先端部に設けられた弁体498と、を備えている。その弁室は、4つの流路に連通されている。そのうち第1の流路は、高圧継手Hに連通されている。第2の流路は、第2のピストン室419における第2のピストン451の内側室にキャピラリチューブCを介して連通されている。第3の流路は、低圧継手Lに連通されている。第4の流路は、第2のピストン室419における第2のピストン451の外側室にキャピラリチューブDを介して連通されている。
【0161】
電磁コイル496への通電のオンオフによって弁体498を移動させて、高圧継手HとキャピラリチューブDが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブCが連通した状態と、高圧継手HとキャピラリチューブCが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブDが連通した状態と、を切換できるようになっている。
【0162】
以下に、中圧継手Mから低圧継手Lへの流路を開放した状態と、高圧継手H、中圧継手M、低圧継手Lの全ての流路を閉止した全閉状態と、高圧継手Hから中圧継手Mへの流路を開放した状態と、の間で圧切換により第1の弁体435および第2の弁体455を移動させる操作を説明する。
【0163】
図13に示した状態、すなわち中圧継手Mから低圧継手Lへの流路を開放した状態では、第1の電磁部491の通電をオンにして、高圧継手HとキャピラリチューブBが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブAが連通した状態とする。一方、第2の電磁部495の通電をオンにして、高圧継手HとキャピラリチューブDが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブCが連通した状態とする。
【0164】
これにより、第1のピストン431は、キャピラリチューブBからの高圧hを内面で受け、キャピラリチューブAからの低圧lを外面で受ける。ピストン438は、高圧継手Hからの高圧hを内面で受け、キャピラリチューブBからの高圧hを外面で受ける。第2のピストン451は、キャピラリチューブDからの高圧hを外面で受け、キャピラリチューブCからの低圧lを内面で受ける。ピストン458は、高圧継手Hからの高圧hを内面で受け、キャピラリチューブCからの低圧lを外面で受ける。
【0165】
上記の圧力状態によって、第1のピストン431は図中左側に押圧されて第1のピストン室415の外側端部418へ当接し、第2のピストン451も図中左側に押圧されて第
2のピストン室419の内側端部421へ当接する。
【0166】
これにより、第2の弁体455のカップ部456が中圧継手Mの流路開口472と低圧継手Lの流路開口473とを覆う位置に配置され、カップ部456の内部空洞を介して中圧継手Mから低圧継手Lへの流路が開放される。
【0167】
図14に示した状態、すなわち高圧継手H、中圧継手M、低圧継手Lの全ての流路を閉止した全閉状態では、第1の電磁部491の通電をオフにして、高圧継手HとキャピラリチューブAが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブBが連通した状態とする。一方、第2の電磁部495の通電をオフにして、高圧継手HとキャピラリチューブCが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブDが連通した状態とする。
【0168】
これにより、第1のピストン431は、キャピラリチューブAからの高圧hを外面で受け、キャピラリチューブBからの低圧lを内面で受ける。ピストン438は、高圧継手Hからの高圧hを内面で受け、キャピラリチューブBからの高圧hを外面で受ける。第2のピストン451は、キャピラリチューブCからの高圧hを内面で受け、キャピラリチューブDからの低圧lを外面で受ける。ピストン458は、高圧継手Hからの高圧hを内面で受け、キャピラリチューブCからの高圧hを外面で受ける。
【0169】
上記の圧力状態によって、第1のピストン431は図中右側に押圧されて第1のピストン室415の内側端部417へ当接し、第2のピストン451も図中右側に押圧されて第2のピストン室419の外側端部422へ当接する。
【0170】
これにより、第1の弁体435は、スライド部436が中圧継手Mの流路開口472を覆う位置に配置され、第2の弁体455は、カップ部456が低圧継手Lの流路開口473を覆う位置に配置される。これにより、高圧継手H、中圧継手M、低圧継手Lの全ての流路が閉止される。
【0171】
図15に示した状態、すなわち高圧継手Hから中圧継手Mへの流路を開放した状態では、第1の電磁部491の通電をオンにして、高圧継手HとキャピラリチューブBが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブAが連通した状態とする。一方、第2の電磁部495の通電をオフにして、高圧継手HとキャピラリチューブCが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブDが連通した状態とする。
【0172】
これにより、第1のピストン431は、キャピラリチューブBからの高圧hを内面で受け、キャピラリチューブAからの低圧lを外面で受ける。第2のピストン451は、キャピラリチューブCからの高圧hを外面で受け、キャピラリチューブDからの低圧lを内面で受ける。
【0173】
上記の圧力状態によって、第1のピストン431は図中左側に押圧されて第1のピストン室415の外側端部418へ当接し、第2のピストン451は図中右側に押圧されて第2のピストン室419の外側端部422へ当接する。
【0174】
これにより、第1の弁体435および第2の弁体455が互いに離反すると共に、第1の弁体435は、中圧継手Mの流路開口472を開放する位置に配置され、第2の弁体455は、カップ部456が低圧継手Lの流路開口473を覆う位置に配置される。これにより、高圧継手Hから中圧継手Mへの流路が開放される。
【0175】
なお、上記の各状態への第1の弁体435および第2の弁体455の移動を終了した後、より適切な圧力状態とするために、キャピラリチューブA〜Dからの高圧hまたは低圧
lを適宜の圧力に変更するようにしてもよい。
【0176】
以上の三方切換弁400によれば、中圧継手Mから低圧継手Lへの流路を開放した状態と、高圧継手Hから中圧継手Mへの流路を開放した状態と、全閉状態との3つの状態に第1の弁体435および第2の弁体455を停止させることができる。すなわち、全閉状態を維持することができ、さらに、中圧継手Mから低圧継手Lへの流路を開放した状態と、高圧継手Hから中圧継手Mへの流路を開放した状態とのいずれの状態であっても、全閉状態へ直接に移行できる。したがって、いずれの流路状態においてもシステム停止状態または冷媒非導通状態へ直接に移行することができるので、高低圧冷媒が混合せず、システム効率が向上し、省エネルギー化が図れる。
【0177】
また、中圧継手Mから低圧継手Lへの流路を開放した状態と、高圧継手Hから中圧継手Mへの流路を開放した状態とを切換える途中において、流路を全閉状態とすることができ、高圧継手H、中圧継手M、および低圧継手Lの3つの流路が全て開放されることがない。したがって、3つの流路からの流体が混合せずに流路を切換えることができ、高低圧冷媒が混合せず、システム効率が向上し、省エネルギー化が図れる。
【0178】
また、中圧継手Mから低圧継手Lへの流路を開放した状態と、高圧継手Hから中圧継手Mへの流路を開放した状態と、全閉状態との全ての状態において、第1の弁体435および第2の弁体455は高圧継手Hからの高圧hの流体によって弁座463へ加圧されているので、常に第1の弁体435および第2の弁体455と弁座463との接触面において確実な密閉状態が得られ、互いの接触面の間から流体が漏れ出すことを防止できる。
【0179】
図16〜図18は、上述した第4の実施例における三方切換弁の変形例を示した断面図であり、図16は中圧継手から低圧継手への流路が開放された状態、図17は高圧継手、中圧継手、低圧継手の全ての流路が閉止された全閉状態、図18は高圧継手から中圧継手への流路が開放された状態を示している。なお、上述した第4の実施例に対応する部材等は同一の符号で表しその詳細な説明を省略する。
【0180】
この変形例における三方切換弁400は、基本的な構成は上記第4の実施例と同様であるが、ピストン438,458を設ける代わりに、ガイド437が摺動するパッキン464およびガイド457が摺動するパッキン465を設けて、弁体収納室412と第1のピストン室415とをパッキン464によって気密に区画し、弁体収納室412と第2のピストン室419とをパッキン465によって気密に区画している。弁体収納室412は、端部413から端部414までの空間で構成され、この弁体収納室412に流路開口471が位置するように高圧継手Hがケース本体411に対して接続され、弁座463の位置に流路開口472および流路開口473が位置するように中圧継手Mおよび低圧継手Lがケース本体411に対して接続されている。
【0181】
図16に示したように、この変形例の三方切換弁400では、第1のピストン431が、ロッド形状のガイド437を介して第1の弁体435の一方側に接続されている。また、第2のピストン451が、ロッド形状のガイド457を介して第2の弁体455の他方側に接続されている。
【0182】
以上のような構成を備えたこの変形例の三方切換弁400は、高圧継手Hからの高圧流体による高圧hと、低圧継手Lからの低圧流体による低圧lとによって第1のピストン431および第2のピストン451を圧駆動し、これにより第1の弁体435および第2の弁体455を図16〜図18の3つの停止位置に移動させる。
【0183】
以下に、中圧継手Mから低圧継手Lへの流路を開放した状態と、高圧継手H、中圧継手
M、低圧継手Lの全ての流路を閉止した全閉状態と、高圧継手Hから中圧継手Mへの流路を開放した状態と、の間で圧切換により第1の弁体435および第2の弁体455を移動させる操作を説明する。
【0184】
図16に示した状態、すなわち中圧継手Mから低圧継手Lへの流路を開放した状態では、第1の電磁部491の通電をオンにして、高圧継手HとキャピラリチューブBが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブAが連通した状態とする。一方、第2の電磁部495の通電をオンにして、高圧継手HとキャピラリチューブDが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブCが連通した状態とする。
【0185】
これにより、第1のピストン431は、キャピラリチューブBからの高圧hを内面で受け、キャピラリチューブAからの低圧lを外面で受ける。第2のピストン451は、キャピラリチューブDからの高圧hを外面で受け、キャピラリチューブCからの低圧lを内面で受ける。
【0186】
上記の圧力状態によって、第1のピストン431は図中左側に押圧されて第1のピストン室415の外側端部418へ当接し、第2のピストン451も図中左側に押圧されて第2のピストン室419の内側端部421へ当接する。
【0187】
これにより、第2の弁体455のカップ部456が中圧継手Mの流路開口472と低圧継手Lの流路開口473とを覆う位置に配置され、カップ部456の内部空洞を介して中圧継手Mから低圧継手Lへの流路が開放される。
【0188】
図17に示した状態、すなわち高圧継手H、中圧継手M、低圧継手Lの全ての流路を閉止した全閉状態では、第1の電磁部491の通電をオフにして、高圧継手HとキャピラリチューブAが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブBが連通した状態とする。一方、第2の電磁部495の通電をオフにして、高圧継手HとキャピラリチューブCが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブDが連通した状態とする。
【0189】
これにより、第1のピストン431は、キャピラリチューブAからの高圧hを外面で受け、キャピラリチューブBからの低圧lを内面で受ける。第2のピストン451は、キャピラリチューブCからの高圧hを内面で受け、キャピラリチューブDからの低圧lを外面で受ける。
【0190】
上記の圧力状態によって、第1のピストン431は図中右側に押圧されて第1のピストン室415の内側端部417へ当接し、第2のピストン451も図中右側に押圧されて第2のピストン室419の外側端部422へ当接する。
【0191】
これにより、第1の弁体435は、スライド部436が中圧継手Mの流路開口472を覆う位置に配置され、第2の弁体455は、カップ部456が低圧継手Lの流路開口473を覆う位置に配置される。これにより、高圧継手H、中圧継手M、低圧継手Lの全ての流路が閉止される。
【0192】
図18に示した状態、すなわち高圧継手Hから中圧継手Mへの流路を開放した状態では、第1の電磁部491の通電をオンにして、高圧継手HとキャピラリチューブBが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブAが連通した状態とする。一方、第2の電磁部495の通電をオフにして、高圧継手HとキャピラリチューブCが連通すると共に低圧継手LとキャピラリチューブDが連通した状態とする。
【0193】
これにより、第1のピストン431は、キャピラリチューブBからの高圧hを内面で受
け、キャピラリチューブAからの低圧lを外面で受ける。第2のピストン451は、キャピラリチューブCからの高圧hを内面で受け、キャピラリチューブDからの低圧lを外面で受ける。
【0194】
上記の圧力状態によって、第1のピストン431は図中左側に押圧されて第1のピストン室415の外側端部418へ当接し、第2のピストン451は図中右側に押圧されて第2のピストン室419の外側端部422へ当接する。
【0195】
これにより、第1の弁体435は、中圧継手Mの流路開口472を開放する位置に配置され、第2の弁体455は、カップ部456が低圧継手Lの流路開口473を覆う位置に配置される。これにより、高圧継手Hから中圧継手Mへの流路が開放される。
【0196】
以上、本発明の三方切換弁の実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲内において各種の変形、変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0197】
【図1】図1は、本発明の三方切換弁における第1の実施例を示した断面図であり、中圧継手から低圧継手への流路が開放された状態を示している。
【図2】図2は、本発明の三方切換弁における第1の実施例を示した断面図であり、高圧継手、中圧継手、低圧継手の全ての流路が閉止された全閉状態を示している。
【図3】図3は、本発明の三方切換弁における第1の実施例を示した断面図であり、高圧継手から中圧継手への流路が開放された状態を示している。
【図4】図4は、本発明の三方切換弁における変形例を示した断面図であり、中圧継手から低圧継手への流路が開放された状態を示している。
【図5】図5は、本発明の三方切換弁における変形例を示した断面図であり、高圧継手、中圧継手、低圧継手の全ての流路が閉止された全閉状態を示している。
【図6】図6は、本発明の三方切換弁における変形例を示した断面図であり、高圧継手から中圧継手への流路が開放された状態を示している。
【図7】図7は、本発明の三方切換弁における第2の実施例を示した断面図であり、中圧継手から低圧継手への流路が開放された状態を示している。
【図8】図8は、本発明の三方切換弁における第2の実施例を示した断面図であり、高圧継手、中圧継手、低圧継手の全ての流路が閉止された全閉状態を示している。
【図9】図9は、本発明の三方切換弁における第2の実施例を示した断面図であり、高圧継手から中圧継手への流路が開放された状態を示している。
【図10】図10は、本発明の三方切換弁における第3の実施例を示した断面図であり、中圧継手から低圧継手への流路が開放された状態を示している。
【図11】図11は、本発明の三方切換弁における第3の実施例を示した断面図であり、高圧継手、中圧継手、低圧継手の全ての流路が閉止された全閉状態を示している。
【図12】図12は、本発明の三方切換弁における第3の実施例を示した断面図であり、高圧継手から中圧継手への流路が開放された状態を示している。
【図13】図13は、本発明の三方切換弁における第4の実施例を示した断面図であり、中圧継手から低圧継手への流路が開放された状態を示している。
【図14】図14は、本発明の三方切換弁における第4の実施例を示した断面図であり、高圧継手、中圧継手、低圧継手の全ての流路が閉止された全閉状態を示している。
【図15】図15は、本発明の三方切換弁における第4の実施例を示した断面図であり、高圧継手から中圧継手への流路が開放された状態を示している。
【図16】図16は、本発明の三方切換弁における変形例を示した断面図であり、中圧継手から低圧継手への流路が開放された状態を示している。
【図17】図17は、本発明の三方切換弁における変形例を示した断面図であり、高圧継手、中圧継手、低圧継手の全ての流路が閉止された全閉状態を示している。
【図18】図18は、本発明の三方切換弁における変形例を示した断面図であり、高圧継手から中圧継手への流路が開放された状態を示している。
【図19】図19は、第1の実施例において本体ピストンと弁体とを接続するガイドに配管を設けた例を示した部分拡大断面図である。
【符号の説明】
【0198】
100 三方切換弁
111 ケース本体
112 本体ピストン室
113 蓋体
114 端部
115 ストッパピストン室
116 蓋体
117 内側端部
118 外側端部
119 パッキン
131a,131b 本体ピストン
132a,132b ピストンガイド
133a,133b パッキン
134a,134b 補強板
141 弁体
142 スライド部
143 カップ部
144 ガイド
144a 貫通孔
145 ガイド
146 弁座
151 ストッパピストン
152 ピストンガイド
153 パッキン
154 パッキンガイド
155 ロッド
H 高圧継手
M 中圧継手
L 低圧継手
161 流路開口
162 流路開口
163 流路開口
164 連通孔
165 配管
A キャピラリチューブ
B キャピラリチューブ
C キャピラリチューブ
D キャピラリチューブ
191 ストッパ電磁部
192 電磁コイル
193 プランジャ
194 弁体
195 本体電磁部
196 電磁コイル
197 プランジャ
198 弁体
200 三方切換弁
211 二方切換弁部
212 第1のケース本体
213 第1のピストン室
214 蓋体
215 蓋体
221a,221b 第1のピストン
222a,222b ピストンガイド
223a,223b パッキン
224a,224b 補強板
225 第1の弁体
225a カップ部
226 ガイド
227 ガイド
228 第1の弁座
231 三方切換弁部
232 第2のケース本体
233 第2のピストン室
234 蓋体
235 蓋体
241a,241b 第2のピストン
242a,242b ピストンガイド
243a,243b パッキン
244a,244b 補強板
245 第2の弁体
245a カップ部
246 ガイド
247 ガイド
248 第2の弁座
H 高圧継手
R 中継継手
M 中圧継手
L 低圧継手
261 流路開口
262 流路開口
263 流路開口
264 流路開口
A キャピラリチューブ
B キャピラリチューブ
C キャピラリチューブ
D キャピラリチューブ
291 第1の電磁部
292 電磁コイル
293 プランジャ
294 弁体
295 第2の電磁部
296 電磁コイル
297 プランジャ
298 弁体
300 三方切換弁
311 ケース本体
312 弁体収納室
313 蓋体
314 端部
315 本体ピストン室
316 端部
317 端部
318 ストッパピストン室
319 蓋体
320 内側端部
321 外側端部
322 パッキン
331 本体ピストン
332 ピストンガイド
333 パッキン
334 パッキンガイド
341 弁体
342 スライド部
343 カップ部
344 ガイド
345 弁座
351 ストッパピストン
352 ピストンガイド
353 パッキン
354 パッキンガイド
355 ロッド
H 高圧継手
M 中圧継手
L 低圧継手
361 流路開口
362 流路開口
363 流路開口
A キャピラリチューブ
B キャピラリチューブ
C キャピラリチューブ
D キャピラリチューブ
391 ストッパ電磁部
392 電磁コイル
393 プランジャ
394 弁体
395 本体電磁部
396 電磁コイル
397 プランジャ
398 弁体
400 三方切換弁
411 ケース本体
412 弁体収納室
413 端部
414 端部
415 第1のピストン室
416 蓋体
417 内側端部
418 外側端部
419 第2のピストン室
420 蓋体
421 内側端部
422 外側端部
431 第1のピストン
432 ピストンガイド
433 パッキン
434 パッキンガイド
435 第1の弁体
436 スライド部
437 ガイド
438 ピストン
439 ピストンガイド
440 パッキン
441 補強板
442 ロッド
451 第2のピストン
452 ピストンガイド
453 パッキン
454 パッキンガイド
455 第2の弁体
456 カップ部
457 ガイド
458 ピストン
459 ピストンガイド
460 パッキン
461 補強板
462 ロッド
463 弁座
464 パッキン
465 パッキン
H 高圧継手
M 中圧継手
L 低圧継手
471 流路開口
472 流路開口
473 流路開口
A キャピラリチューブ
B キャピラリチューブ
C キャピラリチューブ
D キャピラリチューブ
491 第1の電磁部
492 電磁コイル
493 プランジャ
494 弁体
495 第2の電磁部
496 電磁コイル
497 プランジャ
498 弁体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダ状のケース本体内に、
一対の本体ピストンと、前記ケース本体の内側面に配置された弁座と、該弁座を摺動するスライド部および該弁座との間で空洞を形成するカップ部からなり、両側に前記一対の本体ピストンが接続された弁体と、を収納する本体ピストン室と、
一方の前記本体ピストンとロッドを介して接離可能なストッパピストンを収納し、前記本体ピストン室の一端側に設けられ、該本体ピストン室よりも断面積が大きいストッパピストン室と、が設けられ、
前記本体ピストン室における前記一対の本体ピストンの間に流路開口が位置するように、高圧継手が前記ケース本体に接続され、
前記本体ピストン室における前記弁座の位置に、前記弁体の移動方向へそれぞれの流路開口が並ぶように、中圧継手および低圧継手が前記ケース本体に接続され、
圧駆動により、前記ストッパピストンが、前記ストッパピストン室の外側端部へ押圧されて当接すると共に、前記一対の本体ピストンが、前記本体ピストン室の前記ストッパピストン側端部に押圧されて当接する状態とし、前記カップ部が前記中圧継手の流路開口と前記低圧継手の流路開口とを覆う位置に前記弁体を位置させ、これにより前記中圧継手から前記低圧継手への流路を開放し、
圧駆動により、前記ストッパピストンが、前記ストッパピストン室の内側端部へ押圧されて当接すると共に、前記一対の本体ピストンが、前記ストッパピストン側へ押圧されて一方の前記本体ピストンが前記ロッドを介して前記ストッパピストンに当接する状態とし、前記スライド部が前記中圧継手の流路開口を覆うと共に前記カップ部が前記低圧継手の流路開口を覆う位置に前記弁体を位置させ、これにより前記高圧継手、中圧継手、低圧継手の全ての流路を閉止し、
圧駆動により、前記一対の本体ピストンが、前記ストッパピストンとは反対側へ押圧されて、前記中圧継手の流路開口が開放されると共に前記スライド部が前記低圧継手の流路開口を覆う位置に前記弁体を位置させ、これにより前記高圧継手から前記中圧継手への流路を開放することを特徴とする三方切換弁。
【請求項2】
シリンダ状の第1のケース本体内に、
一対の第1のピストンと、前記第1のケース本体の内側面に配置された第1の弁座と、両側に前記一対の第1のピストンが接続された第1の弁体と、を収納する第1のピストン室が設けられ、
前記第1のピストン室における前記一対の第1のピストンの間に流路開口が位置するように、高圧継手が前記第1のケース本体に接続され、
前記第1のピストン室における前記第1の弁座の位置で、中継継手が前記第1のケース本体に接続された二方切換弁部と、
シリンダ状の第2のケース本体内に、
一対の第2のピストンと、前記第2のケース本体の内側面に配置された第2の弁座と、前記第2の弁座との間で空洞を形成するカップ部からなり両側に前記一対の第2のピストンが接続された第2の弁体と、を収納する第2のピストン室が設けられ、
前記第2のピストン室における前記一対の第2のピストンの間に流路開口が位置するように、前記中継継手が前記第2のケース本体に接続され、
前記第2のピストン室における前記第2の弁座の位置に、前記第2の弁体の移動方向へそれぞれの流路開口が並ぶように、中圧継手および低圧継手が前記第2のケース本体に接続された三方切換弁部と、を備え、
前記二方切換弁部において、前記一対の第1のピストンに対する圧駆動により、前記中継継手の流路開口が開放される位置に前記第1の弁体を位置させ、これにより前記高圧継手から前記中継継手への流路を開放し、前記三方切換弁部において、前記一対の第2のピストンに対する圧駆動により、前記第2の弁体のカップ部が前記中圧継手の流路開口と前
記低圧継手の流路開口とを覆う位置に前記第2の弁体を位置させ、これにより前記中圧継手から前記低圧継手への流路を開放し、
前記二方切換弁部において、前記一対の第1のピストンに対する圧駆動により、前記第1の弁体が前記中継継手の流路開口を覆う位置に前記第1の弁体を位置させ、これにより前記高圧継手から前記中継継手への流路を閉止し、前記三方切換弁部において、前記一対の第2のピストンに対する圧駆動により、前記中圧継手の流路開口が開放されると共に前記カップ部が前記低圧継手の流路開口を覆う位置に前記第2の弁体を位置させ、これにより前記高圧継手、中圧継手、低圧継手の全ての流路を閉止し、
前記二方切換弁部において、前記一対の第1のピストンに対する圧駆動により、前記中継継手の流路開口が開放される位置に前記第1の弁体を位置させ、これにより前記高圧継手から前記中継継手への流路を開放し、前記三方切換弁部において、前記一対の第2のピストンに対する圧駆動により、前記中圧継手の流路開口が開放されると共に前記カップ部が前記低圧継手の流路開口を覆う位置に前記第2の弁体を位置させ、これにより前記高圧継手から前記中圧継手への流路を開放することを特徴とする三方切換弁。
【請求項3】
シリンダ状のケース本体内に、
前記ケース本体の内側面に配置された弁座と、該弁座を摺動するスライド部および該弁座との間で空洞を形成するカップ部からなる弁体と、を収納する弁体収納室と、
前記弁体に接続された本体ピストンを収納し、前記弁体収納室の一端側に設けられた本体ピストン室と、
前記本体ピストンとロッドを介して接離可能なストッパピストンを収納し、前記本体ピストン室の前記弁体収納室とは反対側に設けられ、前記本体ピストン室よりも断面積が大きいストッパピストン室と、が設けられ、
前記弁体収納室に流路開口が位置するように、高圧継手が前記ケース本体に接続され、
前記弁体収納室における前記弁座の位置に、前記弁体の移動方向へそれぞれの流路開口が並ぶように、中圧継手および低圧継手が前記ケース本体に接続され、
圧駆動により、前記ストッパピストンが、前記ストッパピストン室の外側端部へ押圧されて当接すると共に、前記本体ピストンが、前記本体ピストン室の前記ストッパピストン側端部に押圧されて当接する状態とし、前記カップ部が前記中圧継手の流路開口と前記低圧継手の流路開口とを覆う位置に前記弁体を位置させ、これにより前記中圧継手から前記低圧継手への流路を開放し、
圧駆動により、前記ストッパピストンが、前記ストッパピストン室の内側端部へ押圧されて当接すると共に、前記本体ピストンが、前記ストッパピストン側へ押圧されて前記ロッドを介して前記ストッパピストンに当接する状態とし、前記スライド部が前記中圧継手の流路開口を覆うと共に前記カップ部が前記低圧継手の流路開口を覆う位置に前記弁体を位置させ、これにより前記高圧継手、中圧継手、低圧継手の全ての流路を閉止し、
圧駆動により、前記本体ピストンが、前記ストッパピストンとは反対側へ押圧されて、前記中圧継手の流路開口が開放されると共に前記スライド部が前記低圧継手の流路開口を覆う位置に前記弁体を位置させ、これにより前記高圧継手から前記中圧継手への流路を開放することを特徴とする三方切換弁。
【請求項4】
シリンダ状のケース本体内に、
前記ケース本体の内側面に配置された弁座と、前記弁座を摺動するスライド部からなる第1の弁体と、前記弁座との間で空洞を形成するカップ部からなる第2の弁体と、を収納する弁体収納室と、
前記第1の弁体に接続された第1のピストンを収納し、前記弁体収納室の一端側に設けられた第1のピストン室と、
前記第2の弁体に接続された第2のピストンを収納し、前記弁体収納室の他端側に設けられた第2のピストン室と、が設けられ、
前記弁体収納室に流路開口が位置するように、高圧継手が前記ケース本体に接続され、
前記弁体収納室における前記弁座の位置に、それぞれの流路開口が並ぶように、中圧継手および低圧継手が前記ケース本体に接続され、
圧駆動により、前記第1のピストンが前記第1のピストン室の外側端部へ押圧されて当接すると共に、前記第2のピストンが前記第2のピストン室の内側端部へ押圧されて当接する状態とし、前記カップ部が前記中圧継手の流路開口と前記低圧継手の流路開口とを覆う位置に前記第2の弁体を位置させ、これにより前記中圧継手から前記低圧継手への流路を開放し、
圧駆動により、前記第2のピストンが前記第2のピストン室の外側端部へ押圧されて当接すると共に、前記第1のピストンが前記第1のピストン室の内側端部へ押圧されて当接する状態とし、前記第1の弁体が前記中圧継手の流路開口を覆うと共に前記第2の弁体の前記カップ部が前記低圧継手の流路開口を覆う位置に前記第1および第2の弁体を位置させ、これにより前記高圧継手、中圧継手、低圧継手の全ての流路を閉止し、
圧駆動により、前記第1のピストンが前記第1のピストン室の外側端部へ押圧されて当接すると共に、前記第2のピストンが前記第2のピストン室の外側端部へ押圧されて当接し、前記第1の弁体が前記中圧継手の流路開口を開放すると共に、前記カップ部が前記低圧継手の流路開口を覆う位置に前記第2の弁体を位置させ、これにより前記高圧継手から前記中圧継手への流路を開放することを特徴とする三方切換弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−85494(P2007−85494A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−276792(P2005−276792)
【出願日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(000143949)株式会社鷺宮製作所 (253)
【Fターム(参考)】