上皮成長因子受容体キナーゼ阻害剤に対する抗がん反応を予測するための生物学的マーカー
本発明は、EGFRキナーゼ阻害剤を用いてがん患者の治療の有効性を予測するための診断方法を提供する。これらの方法は、EGFRキナーゼ阻害剤を用いた治療の有効性が、患者の腫瘍細胞が生物マーカーであるビメンチンおよびEカドヘリンを高レベルで発現するか、または低レベルで発現するかにより予測されるという驚くべき発見に基づいており、これにより、腫瘍が生物マーカーであるビメンチンおよびEカドヘリンの少なくとも1つを高レベルで発現する患者は、腫瘍がビメンチンおよびEカドヘリンの両方を低レベルで発現する患者よりも長期にわたる生存率および進行のない生存を有する。本発明は、患者において腫瘍または腫瘍転移を治療するための方法であって:腫瘍細胞が生物マーカーであるビメンチンおよびEカドヘリンの少なくとも1つを高レベルで発現するか否かを判断することによって、EGFRキナーゼ阻害剤に対する患者の反応性が有望であることを診断する工程、および特に阻害剤の有効性が予測される場合に、前記患者に治療上有効な量のEGFRキナーゼ阻害剤(例えば、エルロチニブ)を投与する工程を含む方法をさらに提供する。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
EGFRキナーゼ阻害剤を用いたがん患者の治療の有効性を予測する方法であって:患者の腫瘍細胞によって発現される生物マーカーEカドヘリンのレベルを評価する工程;腫瘍がEカドヘリンを高い発現レベルで発現するか、または低い発現レベルで発現するかを決定する工程;および治療の有効性を予測する工程を含み、高レベルのEカドヘリンは、治療がより有効であろうことを示し;かつがん患者の治療の有効性は、治療に応答したより長い全生存またはより長い無増悪生存のいずれかによって示される方法。
【請求項2】
がんを患う患者を治療するための方法であって:患者の腫瘍細胞により発現される生物マーカーEカドヘリンのレベルを評価することによって、EGFRキナーゼ阻害剤を用いたがん患者の治療の有効性を予測する工程;腫瘍がEカドヘリンを高い発現レベルで発現するか、または低い発現レベルで発現するかを決定する工程;および治療の有効性を予測する工程であって、高レベルのEカドヘリンは、治療がより有効であろうことを示し;かつがん患者の治療の有効性は、治療に応答したより長い全生存またはより長い無増悪生存のいずれかによって示される工程;および患者に治療上有効な量のEGFRキナーゼ阻害剤を投与する工程を含む方法。
【請求項3】
患者が生物マーカーEカドヘリンを高レベルで発現する腫瘍細胞を有することによって、治療に応答してより長い全生存またはより長い無増悪生存を有し得ると予測される場合、上記患者に治療上有効な量のEGFRキナーゼ阻害剤を投与する工程を含む、がん患者を治療するための方法。
【請求項4】
上記腫瘍細胞は、非小細胞肺がん、膵臓がん、乳がん、頭頚部がん、胃がん、大腸がん、または卵巣がんである、請求項1、2または3の方法。
【請求項5】
上記EGFRキナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、ゲフィチニブ、カネルチニブ、バンデタニブ、セツキシマブ、パニツムマブ、またはマツズマブである、請求項1、2または3の方法。
【請求項6】
Eカドヘリンの発現レベルがEカドヘリンタンパク質を測定することにより評価される、請求項1、2または3の方法。
【請求項7】
Eカドヘリンの発現レベルが免疫組織化学によって評価される、請求項6の方法。
【請求項8】
Eカドヘリンの発現レベルが標準化された評価系の使用によって決定される、請求項7の方法。
【請求項9】
Eカドヘリンの高い発現レベルは、40%以上の腫瘍細胞がEカドヘリンについて+2または+3の染色強度を有することによって示される、請求項8の方法。
【請求項10】
Eカドヘリンの発現レベルがEカドヘリンのmRNAを測定することにより評価される、請求項1、2または3の方法。
【請求項1】
EGFRキナーゼ阻害剤を用いたがん患者の治療の有効性を予測する方法であって:患者の腫瘍細胞によって発現される生物マーカーEカドヘリンのレベルを評価する工程;腫瘍がEカドヘリンを高い発現レベルで発現するか、または低い発現レベルで発現するかを決定する工程;および治療の有効性を予測する工程を含み、高レベルのEカドヘリンは、治療がより有効であろうことを示し;かつがん患者の治療の有効性は、治療に応答したより長い全生存またはより長い無増悪生存のいずれかによって示される方法。
【請求項2】
がんを患う患者を治療するための方法であって:患者の腫瘍細胞により発現される生物マーカーEカドヘリンのレベルを評価することによって、EGFRキナーゼ阻害剤を用いたがん患者の治療の有効性を予測する工程;腫瘍がEカドヘリンを高い発現レベルで発現するか、または低い発現レベルで発現するかを決定する工程;および治療の有効性を予測する工程であって、高レベルのEカドヘリンは、治療がより有効であろうことを示し;かつがん患者の治療の有効性は、治療に応答したより長い全生存またはより長い無増悪生存のいずれかによって示される工程;および患者に治療上有効な量のEGFRキナーゼ阻害剤を投与する工程を含む方法。
【請求項3】
患者が生物マーカーEカドヘリンを高レベルで発現する腫瘍細胞を有することによって、治療に応答してより長い全生存またはより長い無増悪生存を有し得ると予測される場合、上記患者に治療上有効な量のEGFRキナーゼ阻害剤を投与する工程を含む、がん患者を治療するための方法。
【請求項4】
上記腫瘍細胞は、非小細胞肺がん、膵臓がん、乳がん、頭頚部がん、胃がん、大腸がん、または卵巣がんである、請求項1、2または3の方法。
【請求項5】
上記EGFRキナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、ゲフィチニブ、カネルチニブ、バンデタニブ、セツキシマブ、パニツムマブ、またはマツズマブである、請求項1、2または3の方法。
【請求項6】
Eカドヘリンの発現レベルがEカドヘリンタンパク質を測定することにより評価される、請求項1、2または3の方法。
【請求項7】
Eカドヘリンの発現レベルが免疫組織化学によって評価される、請求項6の方法。
【請求項8】
Eカドヘリンの発現レベルが標準化された評価系の使用によって決定される、請求項7の方法。
【請求項9】
Eカドヘリンの高い発現レベルは、40%以上の腫瘍細胞がEカドヘリンについて+2または+3の染色強度を有することによって示される、請求項8の方法。
【請求項10】
Eカドヘリンの発現レベルがEカドヘリンのmRNAを測定することにより評価される、請求項1、2または3の方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公表番号】特表2012−524280(P2012−524280A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506196(P2012−506196)
【出願日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/031144
【国際公開番号】WO2010/120966
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(511205552)オーエスアイ・ファーマシューティカルズ,エルエルシー (14)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/031144
【国際公開番号】WO2010/120966
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(511205552)オーエスアイ・ファーマシューティカルズ,エルエルシー (14)
【Fターム(参考)】
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