説明

下部尿路障害の処置に有用なα−アミノアミド誘導体

下部尿路障害を処置するために特定のα−アミノアミド誘導体を使用する方法。本発明の治療剤は、実質的に副作用を伴わずに、下部尿路障害を軽減するか、止めることさえ可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規および公知のα−アミノアミド誘導体、ナトリウムチャンネルブロッカーの化学物質類、ならびに下部尿路障害を処置するためのその使用、そしてそれを含有する医薬組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
毎年世界中で、何百万もの人々の生活の質に影響をおよぼす、下部尿路(LUT)障害は、過活動膀胱(OAB)、前立腺炎および前立腺痛(prostadynia)、間質性膀胱炎、良性前立腺肥大、ならびに尿失禁を含むが、これらに限定されない。
【0003】
OABは、失禁を伴うか伴わない下部尿路症候の症候群を記述するために臨床医学で現在用いる最も一般的な用語である。症候は通常、尿意逼迫、頻尿、夜間多尿、困難または不完全な排出、および時折の疼痛を含む。膀胱過活動の原因は、神経の疾病または損傷、膀胱出口閉鎖、尿道脱力、高齢の患者における圧迫筋機能亢進および収縮性の低下、新規な排尿反射の出現、ならびにいわゆる突発性膀胱過活動を含む。神経性過活動膀胱(neurogenic overactive bladder)は、障害、たとえば卒中、パーキンソン病、糖尿病、多発性硬化症、末梢神経病、または脊髄病変に起因する神経の損傷の結果として生じる。対照してみると、非神経性OABは、膀胱結石、筋肉疾患、尿路感染、または薬剤副作用を含む非神経の異常の結果生じる可能性がある。OABは、炎症の病状、ホルモンの不均衡、および前立腺肥大を含む種々の要因から生じる膀胱の感覚ニューロンの過敏性の結果として起こる可能性もある。
【0004】
前立腺炎は、前立腺の炎症の病状を記述するための用語である。前立腺炎はほとんどの場合細菌性感染の結果として起こると考えられるが、感染の証拠が必ずしも見つかるわけではない。感染したまたは炎症を起こした前立腺は、深刻な合併症を伴う疼痛性排尿を起こすおそれがある。4つのタイプの前立腺炎:急性細菌性前立腺炎、慢性細菌性前立腺炎、非細菌性前立腺炎、および前立腺の炎症を伴わない慢性非細菌性前立腺炎の疼痛性症候に関連する病状である前立腺痛(慢性の骨盤の疼痛症候群とも言う)がある。
【0005】
間質性膀胱炎(IC)は、頻繁な、逼迫した、そして疼痛性の排尿、ならびに骨盤の不快を起こす、膀胱の慢性の炎症性病状である。一般的な膀胱炎(細菌性感染により起こる膀胱の炎症)とは異なり、ICには病原体が見られない。
【0006】
良性前立腺肥大(BPH)は、40才を越える男性では極めて一般的な非悪性の前立腺の拡大である。前立腺は、2つの異なる方法で成長する。成長の1つのタイプでは細胞が尿道の周囲に増え、第2のタイプでは細胞が尿道および膀胱出口領域の中に成長する。この成長の第2のタイプは、通常外科的処置が必要である。BPHの一般的な症候は、尿中の血液、排尿後に膀胱が完全に空にならない感覚、頻繁な排尿、夜間多尿、逼迫した排尿の必要、失禁を含む。BPHの深刻な場合における、別の症候は急性の尿閉である。
【0007】
LUTの機能は、尿を蓄えそして周期的に放出することである。これは、貯蔵と、自律神経系の交感神経および副交感神経の構成分ならびに運動神経路の両方を包含する排尿反射との調和的な総合を必要とする。
【0008】
尿失禁(UI)は、下部尿路が尿を適切に蓄えない時に起こる、尿の不随意の減少である。3つのタイプのUI:切迫、緊張性、および混合がある。切迫UIは過活動膀胱のせいであると考えられ、一方、緊張性UIは尿道の出口抵抗の低下のせいであると考えられる。混合UIは、両方の構成を含む。症候は、頻尿、尿意逼迫、夜間多尿、尿の不測の減少である。副交感神経排尿反射の意識的な制御が損なわれた場合、OABおよび/またはUIの病状が現れ、深刻な健康上および社会生活を営む上での問題を引き起こす。
【0009】
排尿反射を抑制する薬剤は、OABおよびUIを処置するのに有効である可能性がある。OABを抑制するためのターゲットの1つは、一次求心性ニューロンおよび膀胱におけるその末梢終末にある。活動電位の開始および/または一次求心性線維に沿ってイオンチャンネルの調節を介する伝達を抑制する治療剤は、排尿反射の活性化に対する容積閾値を増やし、したがって膀胱過活動および尿意逼迫を低減することが期待される。
【0010】
OABに対する現在の処置は、抗ムスカリン作用薬、食餌の変更、膀胱トレーニングプログラム、電気的刺激、および外科的処置を含む。
【0011】
現在のところ、前立腺炎および前立腺痛に対する確立された処置はない。多くの場合、抗生物質、COX−2インヒビター、およびα−アドレナリンブロッカーが処方されるが、その有効性は確立されていない。
【0012】
抗ヒスタミン薬、ペントサンポリ硫酸ナトリウム(sodium pentosanpolysulfate)、ジメチルスルホキシド、ステロイド、三環系抗鬱薬、および麻薬アンタゴニストの投与を含むICに対する処置は、一般に成功していない。
【0013】
BPHに対する非侵襲療法は、アンドロゲン除去療法、ならびに5α−レダクターゼインヒビターおよびα−アドレナリンブロッカーの使用を含むが、有効性が最小限である。
【0014】
LUT障害に対する既存の療法および処置は、上述したような限界を伴うので、新規の療法および処置が望まれている。
【0015】
しかし、多数の治療剤が入手できるにもかかわらず、その使用は、有効性が限られ、そして個人が耐えることが難しいことが分かっている副作用、たとえば口の乾燥、目の乾燥、膣の乾燥、動悸、心律動の変調、眠気、特に高齢者における精神錯乱、および便秘を被る。
【0016】
膀胱機能障害において、ナトリウムチャンネルが発現している感覚求心性ニューロンは過敏な状態にされるので、ナトリウムチャンネル活性をブロックすることは、下部尿路障害の処置のための新規な方策に相当すると考えるのは妥当であると思われる。
【0017】
本発明は、既存の処置の代替としての治療法において、インビボで、本発明の特定のα−アミノアミド化合物を使用することにより、種々の下部尿路障害を処置するための迅速で極めて効果的な方法を提供する。
【0018】
WO90/14334、WO94/22808、WO97/05102、WO97/0511およびWO99/35125(これらのテキストは、参照により本明細書に組み入れられる)には、中枢神経系に作用し、抗癲癇剤、抗パーキンソン剤、神経保護剤、抗鬱薬および抗痙攣性催眠剤として有用な置換ベンジルアミノプロピオンアミド化合物が開示されている(Pevarello P. et al. (1998), "Synthesis and anticonvulsant activity of a new class of 2-[(arylalkyl)amino]alkanamide derivatives", J. Med. Chemistry, 41: 579-590も参照)。WO99/35125およびWO99/35123には、中枢神経系に作用し、鎮痛剤として有用な置換ベンジルアミノプロパンアミド化合物が開示されている(Veneroni O. et al. (2003) "Anti-allodynic effect of NW-1029, a novel Na+ channel blocker, in experimental animal models of inflammatory and neuropathic pain", Pain 102(1-2): 17-25も参照)。
【0019】
発明の詳細な説明
本発明は、下部尿路障害を処置するための薬物を製造するための式Iの化合物の使用に関するものである。本発明による化合物は、式(I):
【0020】
【化3】

【0021】
(式中、Rは、場合によりハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシまたはトリフルオロメチルから独立に選択される1つまたは2つの置換基で置換された、フリル、チエニル、もしくはピリジル環またはフェニル環であり;
1は、水素またはC1〜C6アルキルまたはC3〜C7シクロアルキルであり;
2およびR3は、水素;場合によりヒドロキシまたはフェニルで置換されたC1〜C4アルキル;場合によりフェニル環がC1〜C6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシまたはトリフルオロメチルから独立に選択される1つまたは2つの置換基で置換されたフェニルから独立に選択されるか;あるいはR2およびR3は、これらが結合した炭素原子と共に、C3〜C6シクロアルキル環を形成し;
4、R5は、独立に、水素、C1〜C6アルキルまたはC3〜C7シクロアルキルであるか;あるいはR4およびR5は、これらが結合した窒素原子と共に、原子数5〜7の飽和複素環を形成し;
Xは、CH2、O、Sであり;
Y、Zは、水素であるか、あるいは一緒になって5〜7の飽和または不飽和の炭素環または複素環を形成する)のα−アミノアミド化合物、またはその異性体、混合物、および薬学的に許容される塩である。
【0022】
アルキルおよびアルコキシ基は、分岐状でも直鎖状であってもよい。
【0023】
本発明の化合物の薬学的に許容される塩は、たとえば無機酸、たとえば硝酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸およびリン酸など、または有機酸、たとえば酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸およびサリチル酸などとの酸付加塩を含む。
【0024】
式(I)の化合物のいくつかは、不斉炭素原子を有することができ、したがってラセミ混合物としてまたは個々の光学異性体(鏡像異性体)として存在することができる。したがって、式(I)のα−アミノアミドの「薬学的に許容される塩」なる用語は、その範囲内に、全ての可能な異性体およびその混合物、ならびに任意の薬学的に許容される代謝物、バイオプレカーサー(bioprecursor)および/またはプロドラッグ、すなわち、式(I)のα−アミノアミドとは異なる構造式を有し、しかも哺乳類、特にヒトに投与すると直接にまたは間接的にインビボで式(I)の化合物に変換される化合物を含むものでもある。
【0025】
XおよびYは、相互にメタまたはパラ位にあるのが好ましい。
【0026】
YがZと共に、ジヒドロベンゾフランまたはジヒドロベンゾチオフェンまたはジヒドロベンゾ(チオ)ピランまたはテトラヒドロベンゾ(チオ)オキセピン複素環を形成する式(I)の化合物は、新規であり、本発明の別の目的である。
【0027】
好ましくは、式Iの化合物において、Rは、場合によりハロゲン、トリフルオロメチル、メトキシ、またはチエニル環から独立に選択される1つまたは2つの置換基で置換されたフェニル環であり;
・R1が、水素またはC1〜C4アルキルであり;
・R2およびR3の一方が水素であり、他方が場合によりヒドロキシで置換されたC1〜C4アルキル、または場合により1つもしくは2つのハロゲン原子で置換されたフェニルであるか、R2およびR3が両方ともメチルであるか、あるいはこれらが結合した原子と共にシクロプロピルまたはシクロペンチル環を形成し;
・R4、R5が、水素またはC1〜C4アルキルであるか、あるいはこれらが結合した窒素と共に、ピロリジンまたはピペリジン環を形成するもの、およびその薬学的に許容される塩である。
【0028】
本発明により使用する化合物の例は、
2−(4−フェネチル−ベンジルアミノ)−プロパンアミド;
2−(4−ベンジルオキシベンジルアミノ)−プロパンアミド;
2−(3−ベンジルオキシベンジルアミノ)−プロパンアミド;
2−(4−ベンジルチオベンジルアミノ)−プロパンアミド;
2−(4−ベンジルオキシ−ベンジルアミノ)−3−N,N−ジメチル−ブタンアミド;
2−[4−(2−メトキシベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド;
2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド;
2−[3−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド;
2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド;
2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−2−メチル−プロパンアミド;
2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−N−メチル−プロパンアミド;
2−[3−(3−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド;
2−[4−(3−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド;
2−[4−(3−メトキシベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド;
2−[4−(3−シアノベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド;
2−[4−(3−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド;
2−[4−(3−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−2−メチル−プロパンアミド;
2−[4−(3−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−N−メチル−プロパンアミド;
2−[4−(4−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド;
2−[4−(3−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−2−メチル−プロパンアミド;
2−[4−(2−クロロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド;
2−[4−(3−クロロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド;
2−(4−ベンジルオキシベンジルアミノ)−3−ヒドロキシ−プロパンアミド;
2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−3−ヒドロキシ−プロパンアミド;
2−[4−(3−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−3−ヒドロキシ−プロパンアミド;
2−(4−ベンジルオキシベンジルアミノ)−3−ヒドロキシ−N−メチル−プロパンアミド;
2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−3−ヒドロキシ−N−メチル−プロパンアミド;
2−[4−(3−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−3−ヒドロキシ−N−メチル−プロパンアミド;
2−[4−(2−クロロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−3−ヒドロキシ−N−メチル−プロパンアミド;
2−[4−(3−シアノベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−3−ヒドロキシ−N−メチル−プロパンアミド;
2−[4−(3−シアノベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−2−メチル−3−ヒドロキシ−N−メチル−プロパンアミド;
2−[4−(3−クロロベンジルオキシ)−フェニルエチルアミノ]−プロパンアミド;
2−{4−[2−(3−フルオロフェニル)−エチルオキシ]ベンジルアミノ}−プロパンアミド;
2−{4−[2−(3−フルオロフェニル)−エチル]ベンジルアミノ}−プロパンアミド;
2−[N−(4−ベンジルオキシベンジル)−N−メチルアミノ]−プロパンアミド;
2−{4−[(3−クロロベンジルオキシ)−フェニルエチル]−アミノ}−プロパンアミド;
2−[4−ベンジルチオベンジルアミノ]−プロパンアミド;
2−[4−(2−フルオロベンジルチオ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド;
2−[4−(3−フルオロベンジルチオ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド;
2−[4−(3−フェニルプロピルオキシ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド;
2−[4−(4−フェニルブチルオキシ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド;
2−[4−(5−フェニルペンチルオキシ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド;2−(4−ベンジルオキシベンジルアミノ)−3−フェニル−N−メチル−プロパンアミド;
2−(4−ベンジルオキシベンジルアミノ)−3−ヒドロキシ−N−メチル−ブタンアミド;
2−(4−ベンジルオキシベンジルアミノ)−3−メチル−N−メチル−ブタンアミド;
2−(4−ベンジルオキシベンジルアミノ)−2−フェニル−アセトアミド;
2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
2−[4−(3−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジル−N−メチルアミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
2−[4−(3−フルオロベンジルオキシ)−ベンジル−N−メチルアミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
2−[4−(3−クロロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−2−(2−フルオロフェニル)−アセトアミド;
2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−2−(3−フルオロフェニル)−アセトアミド;
2−[4−(3−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−2−(2−フルオロフェニル)−アセトアミド;
2−[4−(3−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−2−(3−フルオロフェニル)−アセトアミド;
2−[4−(3−クロロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−2−(3−フルオロフェニル)−アセトアミド;
2−(4−(2−チエニルオキシ)−ベンジルアミノ)−プロパンアミド;
を含む。
【0029】
式(I)の新規な化合物の例は、2−[(3−ベンジル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル)−アミノ]−プロパンアミド;
2−[(3−ベンジル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル)−アミノ]−N−メチル−プロパンアミド;
2−{3−[2−(2−フルオロ−ベンジル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド;
2−{3−[2−(2−フルオロ−ベンジル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル}−アミノ)−N−メチル−プロパンアミド;
2−{3−[2−(3−フルオロ−ベンジル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド;
2−{3−[2−(3−フルオロ−ベンジル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル}−アミノ)−N−メチル−プロパンアミド;
2−[(3−フェネチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル)−アミノ]−プロパンアミド;
2−[(3−フェネチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル)−アミノ]−N−メチル−プロパンアミド;
2−{3−[2−(2−フルオロ−フェネチル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド;
2−{3−[2−(2−フルオロ−フェネチル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル}−アミノ)−N−メチル−プロパンアミド;
2−{3−[2−(3−フルオロ−フェネチル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド;
2−{3−[2−(3−クロロ−フェネチル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド;
2−{3−[2−(3−フルオロ−フェネチル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル}−アミノ)−N−メチル−プロパンアミド;
2−[(3−フェネチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾピラン−6−イルメチル)−アミノ]−プロパンアミド;
2−[(4−フェネチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾオキセピン−7−イルメチル)−アミノ]−プロパンアミド;
2−[(3−ベンジル−2,3−ジヒドロ−ベンゾチオフェン−5−イルメチル)−アミノ]−プロパンアミド;
2−{3−[2−(2−フルオロ−ベンジル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾチオフェン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド;
2−{3−[2−(3−フルオロ−ベンジル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾチオフェン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド;
2−[(3−フェネチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾチオフェン−5−イルメチル)−アミノ]−プロパンアミド;
2−{3−[2−(2−フルオロ−フェネチル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾチオフェン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド;
2−{3−[2−(3−フルオロ−フェネチル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾチオフェン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド;
2−{3−[2−(3−フルオロ−フェネチル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾチオフェン−5−イルメチル}−アミノ)−N−メチル−プロパンアミドまたはその異性体、混合物、および薬学的に許容される塩を含む。
【0030】
単独でまたは他の式(I)の化合物と組み合わせてを用いることができる好ましい式(I)の化合物は、(S)−(+)−2−[3−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド;(S)−(+)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド(NW−1029)、(S)−(+)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−N−メチル−プロパンアミド (S)−(+)−2−[3−(3−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド、(S)−(+)−2−[4−(3−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド、(R)−2−(4−ベンジルオキシベンジルアミノ)−3−フェニル−N−メチル−プロパンアミド;(2R,3S)−2−(4−ベンジルオキシベンジルアミノ)−3−ヒドロキシ−N−メチル−ブタンアミド;(S)−(+)−2−[4−(3−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−N−メチル−プロパンアミド、(S)−(+)−2−(4−フェネチル−ベンジルアミノ)−プロパンアミド、(R)−(−)−2−(4−ベンジルオキシ−ベンジルアミノ)−3−N,N−ジメチル−ブタンアミド、(S)−(+)−2−(4−ベンジルチオベンジルアミノ)−プロパンアミド、及び2−[(3−フェネチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル)−アミノ]−N−メチル−プロパンアミド及び(2R/3’S,R)−2−[(3−フェネチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル)−アミノ]−N−メチル−プロパンアミド、2−{3−[2−(2−フルオロ−フェネチル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾチオフェン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド、2−{3−[2−(3−フルオロ−フェネチル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾチオフェン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド、(2R/3′S,R)−2−{3−[2−(2−フルオロ−フェネチル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾチオフェン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド、(2R/3′S,R)−2−{3−[2−(3−フルオロ−フェネチル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾチオフェン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミドである。
【0031】
式Iの公知化合物の製造は、W090/14334、W094/22808、W097/05102、W097/0511、W099/35125、およびW099/35123に開示されている。
【0032】
新規な化合物の製造は、塩基(たとえば、NaH)および適切な触媒、たとえばクラウンエーテルの存在下で、4−ヒドロキシ−3−ヨード−安息香酸のエステルと、適切な置換4−フェニルブタ−2−エニルブロミドまたはエチルシンナミルブロミドとを反応させることにより行うことができる。次に、得られた3−ヨード−4−{[(2E)−4−フェニル−ブタ−2−エニル]−オキシ}ベンゾエートまたは3−ベンジル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−カルボキシレートエステルを、AIBNおよび水素化トリブチルスズの存在下での閉環により、対応する3−(2−フェニルエチル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−カルボキシレートまたは3−ベンジル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−カルボキシレートに変換する。5−カルボキシレート基の5−ヒドロキシメチル基への公知方法による還元、次に5−カルボキシアルデヒド基への酸化は、中間体化合物を与え、これと、式NHR1−CR23CONR45(式中、R1〜R5は、前述と同じ意味を持つ)のアミンとの還元的アミノ化により、所望のベンゾフラン誘導体を得る。同様に、4−メルカプト−3−ヨード−安息香酸エステルから出発して、対応するベンゾチオフェン誘導体を得ることができる。
【0033】
1態様では、治療される患者は、下部尿路障害の症候の緩和、予防、または抑制が必要な、ヒトを含む哺乳類である。
【0034】
特に、上述した治療が必要な哺乳類は、1日当り約0.3〜約100mg/kg体重の範囲にある前記定義の式(I)のα−アミノアミドの投与量を投薬される。本明細書で用いる「処置」は、哺乳類、特にヒトへの、処置または適用による任意の手当てを含み、a)疾患/障害にかかりやすいがそれを有するとまだ診断されていない被験者において疾患または障害が生じることから予防すること;b)疾患/障害、または病状を抑制すること、すなわち、その進行を止めること;あるいはc)疾患/障害、または病状を緩和すること、すなわち、疾患/障害、または病状を退行させることを意味する。
【0035】
したがって、ヒトを含む哺乳類における下部尿路障害を抑制し、緩和し、そして予防することができる。式(I)のα−アミノアミド化合物を1種以上投与することにより治療することができる哺乳類における下部尿路障害の例は、過活動膀胱(OAB)、前立腺炎および前立腺痛、間質性膀胱炎、良性前立腺肥大ならびに尿失禁を含むが、これらに限定されない。別の局面では、本発明は、下部尿路障害において活性を有する薬学的に許容される組成物の活性剤として投与される式(I)のα−アミノアミドを含み、これは当技術分野において公知の従来の方法により、たとえば活性剤と、薬学的に許容される、治療上不活性な有機および/または無機キャリヤまたは賦形剤材料とを混合することにより調製することができる。
【0036】
「組合せ治療」(または「共治療」)は、本発明の式(I)のα−アミノアミド化合物と、少なくとももう一つの薬剤(これらの治療剤の共作用から有益な効果を得ることを意図した特定の治療投薬計画の一部として)との投与を含む。このような組合せの利点は、従来の治療剤(すなわち、本発明の薬剤以外)の投与量の削減と、その結果このような従来の薬剤の副作用の軽減を含む。組合せの有益な効果は、治療剤の組合せから生じる薬物動態学または薬力学的共作用を含むが、これらに限定されない。これらの治療剤の組合せでの投与は通常、規定した期間(選択した組み合わせに応じて、通常、分、時間、日、または週間のオーダー)にわたって行う。「組合せ治療」は、通常はそうではないが、本発明により想定される組合せを付随的および恣意的にもたらす、別々の単独治療の投薬計画の一部としての、2種以上のこれらの治療剤の投与を包含することができる。「組合せ治療」は、各治療剤を異なる時間に投与する逐次法でのこれらの治療剤の投与、ならびに、少なくとも2種の治療剤を実質的に同時になす方法でのこれらの治療剤の投与を包含する。実質的に同時の投与は、たとえば、各治療剤の固定された比を有する1個のカプセル、または治療剤それぞれに対して1個のカプセルを複数、被験者に投与することにより行うことができる。各治療剤の逐次または実質的に同時の投与は、経口経路、静脈内経路、筋内経路、および粘膜組織を介する直接の吸収を含むがこれらに限定されない任意の適切な経路により行うことができる。治療剤を同じ経路によりまたは異なる経路により投与することができる。たとえば、選択した組み合わせの第一の治療剤を静脈内注射により投与し、一方、組み合わせの他の治療剤は経口的に投与してもよい。
【0037】
あるいはまた、たとえば、全ての治療剤を経口的に投与しても、全ての治療剤を静脈内注入により投与してもよい。治療剤を投与する順序は、厳密には重大ではない。「組合せ治療」は、上述した治療剤の投与と、他の生物活性成分および非薬剤療法(たとえば、外科的処置または放射線治療)とのさらなる組み合わせを包含することもできる。組合せ治療が、さらに非薬剤処置を含む場合には、治療剤および非薬剤処置の組合せの共作用から有益な効果を得る限り、非薬剤処置は任意の適切な時間行うことができる。たとえば、適切な場合、非薬剤処置を治療剤の投与から一時的(おそらく日のオーダー、さらには週間のオーダー)に除いた時、それでも有益な効果を得る。
【0038】
本発明のα−アミノアミド組成物は、種々の投与形態で、たとえば、経口的に、錠剤、トローチ、カプセル、糖衣錠もしくはフィルムコーティング錠剤、溶液、エマルション、または懸濁液の形態で;経腸的に、座薬の形態で;非経口的に、たとえば、筋内または静脈内の注射もしくは輸液により;ならびに経皮的に、パッチ、軟膏、エマルション、ローション、溶液、ゲル、クリーム、および点鼻スプレーの形態で投与することができる。
【0039】
このような組成物の調製に有用で、適切な、薬学的に許容され、治療上不活性な有機および/または無機キャリヤまたは賦形剤材料は、たとえば水、ゼラチン、アラビアゴム、ラクトース、スターチ、セルロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、植物油、シクロデキストリン、ポリアルキレングリコールなどを含む。式(I)のα−アミノアミド組成物は滅菌することができ、そして当業者に周知のさらなる成分、たとえば、防腐剤、安定剤、湿潤剤、または乳化剤、たとえば、パラフィン油、マンナイトモノオレエート(mannide monooleate)、浸透圧を調節するための塩、緩衝剤などを含有することができる。
【0040】
さらに、固体の経口用形態は、活性剤と共に、希釈剤、たとえば、ラクトース、デキストロース、サッカロース、セルロース、コーンスターチ、またはジャガイモスターチ;滑剤、たとえば、シリカ、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウムもしくはマグネシウム、および/またはポリエチレングリコール;結合剤、たとえば、スターチ、アラビアゴム、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、またはポリビニルピロリドン;離解剤、たとえば、スターチ、アルギン酸、アルギン酸塩、またはグリコール酸ナトリウムスターチ;発泡混合物;染料;甘味料;湿潤剤、たとえばレシチン、ポリソルベート、ラウリルスルフェート;ならびに、一般に、薬学的組成物に用いる無毒で薬理学的に不活性な物質を含有することができる。医薬製剤は、任意の公知方法、たとえば混合、造粒、錠剤成形、糖コーティング、またはフィルムコーティング工程によって製造することができる。
【0041】
経口組成物は、従来の方法、たとえば腸溶コーティングを錠剤および顆粒に付着することにより調製することができる持効性組成物を含む。
【0042】
経口投与用の液体分散液は、たとえば、シロップ剤、エマルション、および懸濁液とすることができる。シロップ剤は、キャリヤとして、たとえばサッカロース、あるいはサッカロースとグリセリンおよび/またはマンニトールおよび/またはソルビトールとをさらに含有することができる。
【0043】
懸濁液およびエマルションは、キャリヤとして、たとえば、天然ゴム、寒天、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、またはポリビニルアルコールを含有することができる。筋内注射用の懸濁液または溶液は、活性化合物と共に、薬学的に許容されるキャリヤ、たとえば、滅菌水、オリーブ油、オレイン酸エチル、グリコール、たとえばプロピレングリコール、所望であれば、適切な量の塩酸リドカインを含有することができる。静脈内注射または輸液用溶液は、キャリヤとして、たとえば滅菌水を含有することができ、あるいは好ましくは滅菌した、水性の、または等張の生理食塩水溶液の形態とすることができる。
【0044】
座薬は、活性剤と共に、薬学的に許容されるキャリヤ、たとえば、ココア脂、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル界面活性剤、またはレシチンを含有することができる。
【0045】
式(I)のα−アミノアミドを含む組成物は通常、たとえば単位投与形態当り活性成分20〜7000mgを含有する投与量単位の形態である。適切な処置は、クリアランス速度に応じて1日1回または2回または3回与える。したがって、望ましい投与量は、単回投与で、または適切な間隔、たとえば1日当り2〜4回またはそれ以上のサブ投与で投薬する分割投与として含有できる。
【0046】
式(I)のα−アミノアミドを含む薬学的組成物は、投与単位、たとえば、カプセル、錠剤、粉末注入、茶匙1杯、座薬など当り、活性剤約20〜7000mgを含有することができる。
【0047】
投与する治療上効果的な最適投与量は、当業者により容易に決定され、そして基本的には、製剤の強度によって、投与方法によって、さらに処置される下部尿路障害の進行によって変化する。さらに、被験者の年齢、体重、食事、および投与の時間を含む処置される特定の被験者に関連する要因が、投与量を適切な治療上効果的なレベルに調節する必要をもたらす。
【0048】
前記定義の本発明の使用および方法から得る利点は多く、基本的には全てのタイプの下部尿路障害を予防および治療する可能性を含む。
【0049】
式Iの代表的な化合物、(S)−(+)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド(NW−1029)の、排尿機能への効果を、次の「酢酸による急性の膀胱過敏」および「シクロホスファミド(CYP)による中庸の膀胱過敏」のラットモデルにおいて試験した。
【0050】
連続注入膀胱内圧測定図(continuous infusion cystometrogram、0.04ml/min)を用いて、膀胱容量の見積りを与える収縮の間の間隔(ICI)を測定した。各動物において、薬剤の投与量を増やして静脈内に投与することにより、累積用量応答曲線を得た。
【0051】
ラットにおける酢酸による急性の膀胱過敏
手順:
麻酔をかけた大人のメスのSprague Dawleyラット(170〜200g)を用いて、実験を行った。
【0052】
正中線腹部切開によって、カテーテル(PE−50)を、膀胱ドームを通って膀胱へ挿入し、次に、0.15%の酢酸を連続的に注入する間、膀胱活動をモニターするために膀胱内圧を測定した。NW−1029処置したラットにおいて、酢酸の膀胱内注入前および後に、収縮の間の間隔(ICI)、極大収縮圧力、および膀胱反射収縮を誘発する圧力閾値を測定した。
【0053】
結果:
麻酔をかけたラットにおける、連続的な酢酸の膀胱内注入は、膀胱を刺激し、ICIを減らした。麻酔をかけたラットにおいて、NW−1029(3、10、および30mg/kg)は、ICIのAA誘発性の低下の有意な逆転を起こした(図1)。
【0054】
ラットにおけるシクロホスファミド(CYP)による中庸膀胱過敏
手順:
覚醒したおよび麻酔をかけた両方の大人のメスのSprague Dawleyラット(170〜200g)を用いて、実験を行った。
【0055】
アクロレインに代謝され尿中に排出される刺激薬であるCYPにより化学的膀胱炎を誘発した。実験の1日前にCYP(150mg/kg/ip)を投与した。
【0056】
NW−1029を、0.1〜10mg/kg/ivの投与量範囲で投与した。
【0057】
結果:
CYPを用いる前処理は、膀胱過敏、および排尿間のICIが約150〜200secである極めて頻繁な排尿を起こす。NW−1029の投与(投与量範囲0.1〜10mg/kg/iv)は、覚醒したおよび麻酔をかけた両方のラットにおいて、ICIを有意に増やした(図2〜3)。
【0058】
以下、本発明の好ましい態様をより詳細に具体的に説明するために、実施例を示す。
【0059】
実施例1
2−[(3−フェネチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル)−アミノ]−N−メチル−プロパンアミド
メタノール(10ml)中のN−メチル−アラニンアミド塩酸塩(0.50g、3.61mmol)の溶液に、モレキュラーシーブ(1.00g)の存在下で、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.36g、5.69mmol)、およびメタノール(10ml)中の3−(2−フェニルエチル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−カルボキシアルデヒド(0.90g、3.61mmol)の溶液を、室温で加えた。反応混合物を、アルゴン雰囲気下、攪拌しながら、12時間保持した。次に、溶剤を真空下で蒸発させ、残留物をシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール=98/2)で精製し、標題の化合物0.93g(収率77%)を得た。
【0060】
【表1】

【0061】
同様に次の化合物も合成した:
2−[(3−フェネチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル)−アミノ]−プロパンアミド;
2−{3−[2−(2−フルオロ−フェネチル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド;
2−{3−[2−(2−フルオロ−フェネチル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル}−アミノ)−N−メチル−プロパンアミド;
2−{3−[2−(3−フルオロ−フェネチル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド;
2−{3−[2−(3−クロロ−フェネチル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド;
2−{3−[2−(3−フルオロ−フェネチル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル}−アミノ)−N−メチル−プロパンアミド;
2−[(3−フェネチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾピラン−6−イルメチル)−アミノ]−プロパンアミド;
2−[(4−フェネチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾオキセピン−7−イルメチル)−アミノ]−プロパンアミド;
2−[(3−フェネチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾチオフェン−5−イルメチル)−アミノ]−プロパンアミド;
2−{3−[2−(3−フルオロ−フェネチル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾチオフェン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド;
2−{3−[2−(3−フルオロ−フェネチル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾチオフェン−5−イルメチル}−アミノ)−N−メチル−プロパンアミド。
【0062】
実施例2
2−[(3−ベンジル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル)−アミノ]−N−メチル−プロパンアミド
メタノール(10ml)中の(S)−N−メチル−アラニンアミド塩酸塩(0.50g、3.6mmol)の溶液に、モレキュラーシーブ(1.00g)の存在下で、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.44g、6.9mmol)、およびメタノール(10ml)中の3−ベンジル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−カルバルデヒド(0.75g、3.6mmol)の溶液を、室温で加えた。反応混合物を、アルゴン雰囲気下、攪拌しながら、12時間保持した。次に、溶剤を真空下で蒸発させ、残留物をシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製し、標題の化合物0.58g(収率50%)を得た。
【0063】
【表2】

【0064】
2−[(3−ベンジル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル)−アミノ]−プロパンアミド;
2−{3−[2−(2−フルオロ−ベンジル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル}−アミノ)−N−メチル−プロパンアミド;
2−{3−[2−(3−フルオロ−ベンジル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド;
2−{3−[2−(3−フルオロ−ベンジル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル}−アミノ)−N−メチル−プロパンアミド;
2−[(3−ベンジル−2,3−ジヒドロ−ベンゾチオフェン−5−イルメチル)−アミノ]−プロパンアミド;
2−{3−[2−(2−フルオロ−ベンジル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾチオフェン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド;
2−{3−[2−(3−フルオロ−ベンジル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾチオフェン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド。
【0065】
実施例3〜6:中間体の製造
実施例3
3−(2−フェニルエチル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−カルバルデヒド
塩化メチレン(20ml)中のPCC(3.69g、17.10mmol)の懸濁液に、塩化メチレン(100ml)中の3−(2−フェニルエチル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル−メタノール(3.32g、13.16mmol)の溶液を、室温で加えた。12時間攪拌後、ジエチルエーテル(300ml)を加え、沈殿した黒色固体をろ過し、ジエチルエーテルで数回洗浄した。ろ液を真空下で濃縮し、残留物をシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=95/5〜9/1)で精製し、標題の化合物0.202g(収率67%)を得た。
【0066】
【表3】

【0067】
同様に、3−ベンジル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル−メタノールから出発して、3−ベンジル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−カルバルデヒドを、収率85%で得た。
【0068】
【表4】

【0069】
実施例4
3−(2−フェニルエチル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル−メタノール
トルエン(160ml)中の3−(2−フェニルエチル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−カルボン酸エチル(4.78g、1.613mmol)の溶液に、トルエン中のDIBALの1.5M溶液(24ml、35.48mmol)を、−30℃で加えた。反応混合物を、アルゴン雰囲気下、攪拌しながら、同じ温度で30分保持した。次に、3NHCl(100ml)を加え、有機層を分離した。水層を酢酸エチル(3×50ml)で抽出し、集めた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶剤をロータリーエバポレータで除去した。粗生成物(4.05g、収率99%)をこれ以上精製せずに続く工程で使用した。
【0070】
【表5】

【0071】
同様に、3−ベンジル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−カルボン酸エチルから出発して、3−ベンジル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル−メタノールを、収率62%で得た。
【0072】
【表6】

【0073】
実施例5
3−(2−フェニルエチル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−カルボン酸エチル
ベンゼン(900ml)中の3−ヨード−4−{[(2E)−4−フェニル−ブタ−2−エニル]−オキシ}安息香酸エチル(13.42g、31.73mmol)およびAIBN(0.52g、3.17mmol)の溶液に、水素化トリブチルスズ(12ml、44.43mol)を、室温で加え、反応混合物を加熱還流した。2時間後、溶剤を真空下で除去した。残留物をシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=95/5)で精製し、標題の化合物9.14g(収率97%)を得た。
【0074】
【表7】

【0075】
同様に、3−ヨード−4−[(2E)−3−フェニル−プロパ−2−エニル)−オキシ]−安息香酸エチルから出発して、3−ベンジル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−カルボン酸エチルを収率90%で得た。
【0076】
【表8】

【0077】
実施例6
3−ヨード−4−{[(2E)−4−フェニル−ブタ−2−エニル]−オキシ}−安息香酸エチル
THF(40ml)中のNaH(0.82g、20.5mmol)の懸濁液に、THF(40ml)中の4−ヒドロキシ−3−ヨード−安息香酸エチル(5.0g、17.1mmol)の溶液、次に15−クラウン−5(4.0ml、25.6mmol)、最後にTHF(50ml)中の4−フェニルブタ−2−エニルブロミド(5.41g、25.6mmol)の溶液を、0℃で順々に加えた。反応混合物を、攪拌しながら室温で10分保持し、次に50℃に6時間温めた。室温で平衡化後、3NHCl(30ml)を加え、混合物を分液漏斗に注いだ。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(3×30ml)で抽出した。集めた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶剤をロータリーエバポレータで除去した。残留物をシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=95/5)で精製し、標題の化合物5.94g(収率82%)を得た。
【0078】
【表9】

【0079】
同様に、エチルシンナミルブロミドから出発して、3−ヨード−4−{[(2E)−3−フェニルプロパ−2−エニル]−オキシ}−安息香酸エチルを、収率72%で得た。
【0080】
【表10】

【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】ラットにおける酢酸による急性の膀胱過敏の試験でのNW−1029の効果を示す。
【図2】ラットにおけるCYPによる中庸膀胱過敏の試験での覚醒ラットへのNW−1029の効果を示す。
【図3】ラットにおけるCYPによる中庸膀胱過敏の試験での麻酔ラットへのNW−1029の効果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部尿路障害を処置するための薬物を製造するための、式(I):
【化1】


(式中、Rは、場合によりハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシまたはトリフルオロメチルから独立に選択される1つまたは2つの置換基で置換された、フリル、チエニル、もしくはピリジル環またはフェニル環であり;
1は、水素またはC1〜C6アルキルまたはC3〜C7シクロアルキルであり;
2およびR3は、水素;場合によりヒドロキシまたはフェニルで置換されたC1〜C4アルキル;場合によりフェニル環がC1〜C6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシまたはトリフルオロメチルから独立に選択される1つまたは2つの置換基で置換されたフェニルから独立に選択されるか;あるいはR2およびR3は、これらが結合した炭素原子と共に、C3〜C6シクロアルキル環を形成し;
4、R5は、独立に、水素、C1〜C6アルキルまたはC3〜C7シクロアルキルであるか;あるいはR4およびR5は、これらが結合した窒素原子と共に、原子数5〜7の飽和複素環を形成し;
Xは、CH2、O、Sであり;
Y、Zは、水素であるか、あるいは一緒になって5〜7の飽和または不飽和の炭素環または複素環を形成する)のα−アミノアミド化合物、またはその異性体、混合物、および薬学的に許容される塩である治療剤少なくとも1種の使用。
【請求項2】
該化合物が、2−[(3−ベンジル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル)−アミノ]−プロパンアミド;
2−[(3−ベンジル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル)−アミノ]−N−メチル−プロパンアミド;
2−{3−[2−(2−フルオロ−ベンジル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド;
2−{3−[2−(2−フルオロ−ベンジル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル}−アミノ)−N−メチル−プロパンアミド;
2−{3−[2−(3−フルオロ−ベンジル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド;
2−{3−[2−(3−フルオロ−ベンジル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル}−アミノ)−N−メチル−プロパンアミド;
2−[(3−フェネチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル)−アミノ]−プロパンアミド;
2−[(3−フェネチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル)−アミノ]−N−メチル−プロパンアミド;
2−{3−[2−(2−フルオロ−フェネチル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド;
2−{3−[2−(2−フルオロ−フェネチル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル}−アミノ)−N−メチル−プロパンアミド;
2−{3−[2−(3−フルオロ−フェネチル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド;
2−{3−[2−(3−クロロ−フェネチル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド;
2−{3−[2−(3−フルオロ−フェネチル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル}−アミノ)−N−メチル−プロパンアミド;
2−[(3−フェネチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾピラン−6−イルメチル)−アミノ]−プロパンアミド;
2−[(4−フェネチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾオキセピン−7−イルメチル)−アミノ]−プロパンアミド;
2−[(3−ベンジル−2,3−ジヒドロ−ベンゾチオフェン−5−イルメチル)−アミノ]−プロパンアミド;
2−{3−[2−(2−フルオロ−ベンジル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾチオフェン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド;
2−{3−[2−(3−フルオロ−ベンジル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾチオフェン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド;
2−[(3−フェネチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾチオフェン−5−イルメチル)−アミノ]−プロパンアミド;
2−{3−[2−(2−フルオロ−フェネチル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾチオフェン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド;
2−{3−[2−(3−フルオロ−フェネチル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾチオフェン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド;
2−{3−[2−(3−フルオロ−フェネチル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾチオフェン−5−イルメチル}−アミノ)−N−メチル−プロパンアミドから選択される、請求項1記載の使用。
【請求項3】
該化合物が、2−(4−フェネチル−ベンジルアミノ)−プロパンアミド;
2−(4−ベンジルオキシベンジルアミノ)−プロパンアミド;
2−(3−ベンジルオキシベンジルアミノ)−プロパンアミド;
2−(4−ベンジルチオベンジルアミノ)−プロパンアミド;
2−(4−ベンジルオキシ−ベンジルアミノ)−3−N,N−ジメチル−ブタンアミド;
2−[4−(2−メトキシベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド;
2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド;
2−[3−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド;
2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド;
2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−2−メチル−プロパンアミド;
2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−N−メチル−プロパンアミド;
2−[3−(3−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド;
2−[4−(3−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド;
2−[4−(3−メトキシベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド;
2−[4−(3−シアノベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド;
2−[4−(3−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド;
2−[4−(3−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−2−メチル−プロパンアミド;
2−[4−(3−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−N−メチル−プロパンアミド;
2−[4−(4−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド;
2−[4−(3−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−2−メチル−プロパンアミド;
2−[4−(2−クロロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド;
2−[4−(3−クロロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド;
2−(4−ベンジルオキシベンジルアミノ)−3−ヒドロキシ−プロパンアミド;
2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−3−ヒドロキシ−プロパンアミド;
2−[4−(3−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−3−ヒドロキシ−プロパンアミド;
2−(4−ベンジルオキシベンジルアミノ)−3−ヒドロキシ−N−メチル−プロパンアミド;
2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−3−ヒドロキシ−N−メチル−プロパンアミド;
2−[4−(3−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−3−ヒドロキシ−N−メチル−プロパンアミド;
2−[4−(2−クロロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−3−ヒドロキシ−N−メチル−プロパンアミド;
2−[4−(3−シアノベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−3−ヒドロキシ−N−メチル−プロパンアミド;
2−[4−(3−シアノベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−2−メチル−3−ヒドロキシ−N−メチル−プロパンアミド;
2−[4−(3−クロロベンジルオキシ)−フェニルエチルアミノ]−プロパンアミド;
2−{4−[2−(3−フルオロフェニル)−エチルオキシ]ベンジルアミノ}−プロパンアミド;
2−{4−[2−(3−フルオロフェニル)−エチル]ベンジルアミノ}−プロパンアミド;
2−[N−(4−ベンジルオキシベンジル)−N−メチルアミノ]−プロパンアミド;
2−{4−[(3−クロロベンジルオキシ)−フェニルエチル]−アミノ}−プロパンアミド;
2−[4−ベンジルチオベンジルアミノ]−プロパンアミド;
2−[4−(2−フルオロベンジルチオ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド;
2−[4−(3−フルオロベンジルチオ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド;
2−[4−(3−フェニルプロピルオキシ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド;
2−[4−(4−フェニルブチルオキシ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド;
2−[4−(5−フェニルペンチルオキシ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド;
2−(4−ベンジルオキシベンジルアミノ)−3−フェニル−N−メチル−プロパンアミド;
2−(4−ベンジルオキシベンジルアミノ)−3−ヒドロキシ−N−メチル−ブタンアミド;
2−(4−ベンジルオキシベンジルアミノ)−3−メチル−N−メチル−ブタンアミド;
2−(4−ベンジルオキシベンジルアミノ)−2−フェニル−アセトアミド;
2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
2−[4−(3−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジル−N−メチルアミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
2−[4−(3−フルオロベンジルオキシ)−ベンジル−N−メチルアミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
2−[4−(3−クロロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−2−(2−フルオロフェニル)−アセトアミド;
2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−2−(3−フルオロフェニル)−アセトアミド;
2−[4−(3−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−2−(2−フルオロフェニル)−アセトアミド;
2−[4−(3−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−2−(3−フルオロフェニル)−アセトアミド;
2−[4−(3−クロロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−2−(3−フルオロフェニル)−アセトアミド;
2−(4−(2−チエニルオキシ)−ベンジルアミノ)−プロパンアミドから選択される、請求項1記載の使用。
【請求項4】
前記下部尿路障害が、過活動膀胱(OAB)、前立腺炎および前立腺痛、間質性膀胱炎、良性前立腺肥大、ならびに前記病状の結果としての尿失禁である、請求項1の使用。
【請求項5】
α−アミノアミドが、(S)−(+)−2−[3−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド;(S)−(+)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド、(S)−(+)−2−[4−(2−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−N−メチル−プロパンアミド、(S)−(+)−2−[3−(3−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド、(S)−(+)−2−[4−(3−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−プロパンアミド、(R)−2−(4−ベンジルオキシベンジルアミノ)−3−フェニル−N−メチル−プロパンアミド;(2R,3S)−2−(4−ベンジルオキシベンジルアミノ)−3−ヒドロキシ−N−メチル−ブタンアミド;(S)−(+)−2−[4−(3−フルオロベンジルオキシ)−ベンジルアミノ]−N−メチル−プロパンアミド、(S)−(+)−2−(4−フェネチル−ベンジルアミノ)−プロパンアミド、(R)−(−)−2−(4−ベンジルオキシ−ベンジルアミノ)−3−N,N−ジメチル−ブタンアミド、(S)−(+)−2−(4−ベンジルチオベンジルアミノ)−プロパンアミド、及び2−[(3−フェネチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル)−アミノ]−N−メチル−プロパンアミド及び(2R/3’S,R)−2−[(3−フェネチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル)−アミノ]−N−メチル−プロパンアミド、2−{3−[2−(2−フルオロ−フェネチル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾチオフェン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド、2−{3−[2−(3−フルオロ−フェネチル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾチオフェン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド、(2R/3’S,R)−2−{3−[2−(2−フルオロ−フェネチル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾチオフェン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド、(2R/3’S,R)−2−{3−[2−(3−フルオロ−フェネチル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾチオフェン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミドである、請求項1〜4のいずれか1項の使用。
【請求項6】
式(I):
【化2】


(式中、Rは、場合によりハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシまたはトリフルオロメチルから独立に選択される1つまたは2つの置換基で置換された、フリル、チエニル、もしくはピリジル環またはフェニル環であり;
1は、水素またはC1〜C6アルキルまたはC3〜C7シクロアルキルであり;
2およびR3は、水素;場合によりヒドロキシまたはフェニルで置換されたC1〜C4アルキル;場合によりフェニル環がC1〜C6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシまたはトリフルオロメチルから独立に選択される1つまたは2つの置換基で置換されたフェニルから独立に選択されるか;あるいはR2およびR3は、これらが結合した炭素原子と共に、C3〜C6シクロアルキル環を形成し;
4、R5は、独立に、水素、C1〜C6アルキルまたはC3〜C7シクロアルキルであるか;あるいはR4およびR5は、これらが結合した窒素原子と共に、原子数5〜7の飽和複素環を形成し;
Xは、CH2、O、Sであり;
Y、Zは、一緒になってジヒドロベンゾフランまたはジヒドロベンゾチオフェンまたはジヒドロベンゾ(チオ)ピランまたはテトラヒドロベンゾ(チオ)オキセピン複素環を形成する)のα−アミノアミド化合物、その異性体、混合物、および薬学的に許容される塩。
【請求項7】
2−[(3−ベンジル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル)−アミノ]−プロパンアミド;
2−[(3−ベンジル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル)−アミノ]−N−メチル−プロパンアミド;
2−{3−[2−(2−フルオロ−ベンジル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド;
2−{3−[2−(2−フルオロ−ベンジル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル}−アミノ)−N−メチル−プロパンアミド;
2−{3−[2−(3−フルオロ−ベンジル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド;
2−{3−[2−(3−フルオロ−ベンジル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル}−アミノ)−N−メチル−プロパンアミド;
2−[(3−フェネチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル)−アミノ]−プロパンアミド;
2−[(3−フェネチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル)−アミノ]−N−メチル−プロパンアミド;
2−{3−[2−(2−フルオロ−フェネチル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド;
2−{3−[2−(2−フルオロ−フェネチル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル}−アミノ)−N−メチル−プロパンアミド;
2−{3−[2−(3−フルオロ−フェネチル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド;
2−{3−[2−(3−クロロ−フェネチル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド;
2−{3−[2−(3−フルオロ−フェネチル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イルメチル}−アミノ)−N−メチル−プロパンアミド;
2−[(3−フェネチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾピラン−6−イルメチル)−アミノ]−プロパンアミド;
2−[(4−フェネチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾオキセピン−7−イルメチル)−アミノ]−プロパンアミド;
2−[(3−ベンジル−2,3−ジヒドロ−ベンゾチオフェン−5−イルメチル)−アミノ]−プロパンアミド;
2−{3−[2−(2−フルオロ−ベンジル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾチオフェン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド;
2−{3−[2−(3−フルオロ−ベンジル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾチオフェン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド;
2−[(3−フェネチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾチオフェン−5−イルメチル)−アミノ]−プロパンアミド;
2−{3−[2−(2−フルオロ−フェネチル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾチオフェン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド;
2−{3−[2−(3−フルオロ−フェネチル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾチオフェン−5−イルメチル}−アミノ)−プロパンアミド;
2−{3−[2−(3−フルオロ−フェネチル)]−2,3−ジヒドロ−ベンゾチオフェン−5−イルメチル}−アミノ)−N−メチル−プロパンアミド;
またはこれらの異性体、混合物、および薬学的に許容される塩から選択される、請求項6記載の化合物。
【請求項8】
薬学的に許容される賦形剤および、活性剤として有効な量の請求項6または7の化合物を含む医薬組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−518763(P2007−518763A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−550030(P2006−550030)
【出願日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【国際出願番号】PCT/EP2005/000514
【国際公開番号】WO2005/070405
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(505196819)ニューロン・ファーマシューティカルズ・ソチエタ・ペル・アチオニ (12)
【氏名又は名称原語表記】NEWRON PHARMACEUTICALS S.P.A.
【Fターム(参考)】