説明

不正な位置をとっている縦方向のプリフォームを選択的に除去するための装置を備えたプリフォーム供給装置

本発明は、ボトルのような容器をブロー成形するための器械に供給するように特にデザインされた、プリフォームの搬送システム(20)であって、このシステムは、プリフォーム(10)の進行する縦方向に上流から下流に、少なくとも1つのソーティング及び整列用装置(28)を有し、この装置の上部端には、雑然とプリフォーム(10)が供給され、この装置の底部端は、少なくとも2つの整列用ローラ(38)を有し、これらローラは、ほぼ平行でそれぞれの軸(A1、A2)の回りに回転され、また、水平に対して傾斜された搬送レール(30)の中にプリフォーム(10)を置いて、これらプリフォームを器械(22)に搬送するようにデザインされている、タイプであり、また、このシステムは、この器械(22)の上流に、不正な位置をとっているプリフォームを除去するフィルタ手段(48)を有するタイプであるシステムを提案する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に容器をブロー成形する器械にプリフォームを供給するようにデザインされ、不正な位置をとっているプリフォームを除去するための機能強化されたフィルタ手段を有する、プリフォームの搬送システムに関する。
【0002】
この搬送システムは、特に、容器を、特にボトル又はフラスコのような中空容器を製造するための、PET(ポリエチレンテレフララート)で作られるプリフォームをブロー成形又は延伸ブロー成形するための装置に応用するという事情で説明される。
【背景技術】
【0003】
特に、既知の技術によれば、このような容器は、通常、2つの工程で製造されている。第1の工程では、PETからなるプリフォームが射出成形され、第2の工程では、このプリフォームは、直接的に又は間接的にブロー成形される。
【0004】
現在、プリフォームは、多くの場合、第1の器械を用いて射出により製造され、それから、特定のブロー成形器械で(on)第2の器械を用いて、容器の最終的な形状にブロー成形される。このような技術により、例えば、瓶詰め位置の可能な限り近くでブロー成形操作を実行することができる。射出操作は、どこで実行されてもよい。
【0005】
射出器械とブロー成形器械とが2つの完全に独立した機会である場合、ブロー成形器械を有する装置は、通常、プリフォーム搬送システムを備えている。
【0006】
WO−A−02/36466の文書には、従来技術によるプリフォーム搬送システムの例が記載されている。
【0007】
この文書の図1は、容器をブロー成形するための器械に供給するようにデザインされている従来のタイプのプリフォーム搬送システムを概略的に示している。
【0008】
このようなシステムにおいて、プリフォームは、多くの場合、搬送システムの箱又はホッパーの中へと雑然と流し込まれる。
【0009】
プリフォームは、この箱からエレベータコンベアにより拾い出され、このエレベータコンベアは次にプリフォームを所定の速度でソーティング及び整列用装置の上端に流し込む。この装置は、通常、水平(the horizontal)に対して傾斜され、互いにほぼ平行な、2つの整列用ローラを有している。これら2つのローラは、反対方向に回転され、互いに離間され、この結果、これら2つのローラに沿って間隔が存在することができ、この間隔は、プリフォームの胴部の寸法よりもわずかに大きい寸法である。しかしながら、これら2つの整列用ローラの間隔は、2つのローラの間の横方向の間隔が、プリフォームのネックの元に位置している支持フランジの寸法よりも小さいような間隔である。
【0010】
この装置は、重力の効果により、プリフォームが装置の底部、すなわち、2つのローラが延びている部分へと押されるように構成されている。このように、単に重力により、各プリフォームは、そのフランジにより2つのローラの間に支持され一方で胴部を2つのローラの間にぶら下げるように、装置の中の2つのローラの間に位置する傾向がある。ローラの回転運動と傾斜とにより、一方では、プリフォームが上述の好ましい位置に次々と位置し、他方では、プリフォームは、ローラの縦方向の軸に沿って、装置の出口に向かって摺動する。この装置の出口では、プリフォームは、例えば、ブロー成形器械に接続された搬送レールにより形成されている経路指定通路(routing channel)の中に集められている。この搬送レールでは、プリフォームは、このように連続的なラインで集まるのがこのましい。
【0011】
しかしながら、プリフォームは、ソーティング及び整列用装置に雑然と流し込まれるので、プリフォームがランダムな特性で位置するために、これらプリフォームのうちのいくつかは、2つのローラの間で正しい位置をとることができずに出口に到着し得る。
【0012】
動作テストの結果、特に、プリフォームがこのようなシステムの中でとる可能性のある様々な不正な位置を特定することができた。
【0013】
当然、このように不正な位置をとっているプリフォームは、どんな状況でも器械に到達してはならない。これが、プリフォーム搬送システムが排出ホイールのような、これらのプリフォームを除去するようにデザインされているフィルタ手段を有する理由である。
【0014】
これらの搬送システムで、これらの不正に位置しているプリフォームを除去する機能を強化するために、WO−A−02/36466の文書では、フィルタ手段として、整列用ローラの情報に配置されている排出ホイールが提案されている。これは、不正な位置をとっているプリフォーム、特に、「はめこまれて直立した」タイプのプリフォーム、すなわち、互いに垂直方向に重ねられているプリフォームを排出するためである。
【0015】
しかしながら、このような排出ホイールは、完全に満足のいくものではない。これは、このような排出ホイールが、全てのタイプの不正な位置をとっているプリフォームをうまく除去できず、したがって、この排出ホイールによって、完全に信頼できる搬送システムを達成することができないからである。
【0016】
プリフォームが、横たわって縦方向を向いている、すなわち、2つのローラの軸に平行に、又は、搬送レールに平行に延びている、不正な位置を占めるように、不正な位置をとり得るプリフォームもあることが、とりわけ明らかにされた。
【0017】
特に、寝ているプリフォームと呼ばれる、このようなプリフォームは、現在の除去手段、特にWO−A−02/36466の文書による排出ホイールによっては、除去されず、結果として、レールによって器械に搬送され、そこでは、装置の中で損傷を引き起こす危険がある。当然、このような寝ているプリフォームは、1つだけか、そうでなければ、少なくとも1つの他の横たわっているプリフォームとはめ込まれていてもよい。
【0018】
加えて、このような寝ているプリフォームがあると、詰まりが引き起こされるかもしれず、これにより、搬送されるプリフォームのラインの中断が起こり得て、プリフォームの供給の停止さえも起こり得て、この結果、プリフォームの不足のためにブロー成形器械の停止が起こり得る。
【0019】
当然、このような停止により、ブロー成形器械の下流に位置している瓶詰めのラインの停止が起こるので、このような停止は、望ましくない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
したがって、本発明の目的は、特別にこのタイプの不正な位置をとっているプリフォームを処理するようにデザインされ、WO−A−02/36466の文書の中で説明されているようなプリフォーム搬送システムで、特に、しかしこれに限定されずに(not exclusively)、適用されることに適している、新しい選択的な除去装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
この目的のために、本発明は、ボトルのような容器をブロー成形するための器械に供給するように特にデザインされた、プリフォームの搬送システムであって、このシステムは、プリフォームの進行する縦方向に上流から下流に、少なくとも1つのソーティング及び整列用装置を有し、この装置の上部端には、雑然とプリフォームが供給され、この装置の底部端は、少なくとも2つの整列用ローラを有し、これらローラは、ほぼ平行でそれぞれの軸を中心として回転され、また、水平に対して傾斜された搬送レールにプリフォームを置いて、これらプリフォームを器械に搬送するようにデザインされている、タイプであり、また、このシステムは、この器械の上流に、不正な位置をとっているプリフォームを除去するフィルタ手段を有するタイプである、プリフォームを供給数するシステムにおいて、このフィルタ手段は、整列用ローラの下流で、少なくとも1つの選択的除去装置を有し、この選択的除去装置は、寝ているプリフォームと呼ばれるプリフォーム、すなわち、ローラからレール上にただ1つで又はそうでなければ、はめ込まれて、横たわり、縦方向に向いて到着し、また、搬送レールの上でほぼ縦方向に延びているプリフォームを除去するように配置されていることを特徴とするプリフォームの搬送システムを提案する。
【0022】
また、この目的のために、本発明は、ボトルのような容器をブロー成形するための器械に供給するように特にデザインされた、プリフォームの搬送システムであって、このシステムは、プリフォームの進行する縦方向に上流から下流に、少なくとも1つのソーティング及び整列用装置を有し、この装置の上部端には、雑然とプリフォームが供給され、この装置の底部端は、少なくとも2つの整列用ローラを有し、これらローラは、ほぼ平行で、それぞれの軸を中心として回転され、また、水平に対して傾斜された搬送レールにプリフォームを置いて、これらプリフォームを器械に搬送するようにデザインされている、タイプであり、また、このシステムは、この器械の上流に、不正な位置をとっているプリフォームを除去するフィルタ手段を有するタイプである、プリフォームの搬送システムにおいて、このフィルタ手段は、整列用ローラの下流で、少なくとも1つの選択的除去装置を有し、この選択的除去装置は、寝ているプリフォームと呼ばれるプリフォーム、すなわち、ローラからレール上にただ1つで又はそうでなければ、はめ込まれて、横たわり、縦方向に向いて到着し、また、搬送レールの上でほぼ縦方向に延びているプリフォームを除去するように配置され、また、この選択的除去装置は、駆動アクチュエータにより動作が制御される可動な除去手段を有することを特徴とするプリフォームの搬送システムを提案する。
【0023】
本発明に係る搬送システムにより、このようなシステムの信頼性は、様々な場合の不正な位置をとっているプリフォーム、特に、寝ているプリフォームの場合を、体系的に処理することにより、高められる。
【0024】
本発明に係るシステムにより、既知のシステムに見られるローラの長さよりもローラの長さをかなり短くすることができることが、分かったことは、驚くべきことである。
【0025】
本発明の示唆による搬送システムが、非常に高速の、すなわち、例えば、毎時間40000個を越える容器をブロー成形することができる、器械を備えている自動装置に適用されることが可能であることは、有利である。
【0026】
本発明の他の態様に係われば、
選択的除去装置は、駆動アクチュエータにより動作が制御される、可動な除去手段を有する。
【0027】
選択的除去装置は、検出手段を有し、この検出手段は、レールの上に少なくとも1つの寝ているプリフォームがあることを示す検出信号をアクチュエータに送ることができる。
【0028】
検出手段は、少なくとも1つのセンサを有し、このセンサは、レールの上方の所定の高さに配置され、この結果、径方向のフランジの位置に従って、寝ているプリフォームを発見する。
【0029】
可動な除去手段は、可動なレールの少なくとも一部分からなっており、この部分は、寝ているプリフォームが検出された時、プリフォームを搬送する位置と、プリフォームが回収手段並びに/もしくは再循環の手段へと除去される、引っ込められた除去位置との間を、アクチュエータにより動かされることができる。
【0030】
レールのこの部分は、横方向外側に並進されるように取り付けられており、引っ込められた位置で、落とし穴(trap door)を形成し、この結果、レールのこの可動な部分の上にある全てのプリフォームが重力により落ちるものとする。
【0031】
システムは、寝ているプリフォームが検出された時に、可動な除去手段の上流に位置している、プリフォームのラインを停止するための手段を有している。
【0032】
停止手段は、少なくとも1つの停止アームからなり、この停止アームは、引っ込められた静止位置と、停止位置との間で回動するように取り付けられ、この停止位置では、このアームの一部分が、先頭のプリフォームと呼ばれるプリフォームのネックの一部分と相互に作用し、この結果、レールの可動部分が、その引っ込められた除去位置に動かされた時に、このレールの可動部分の上流に位置するプリフォームのラインを動かないようにする。
【0033】
このアームの停止部分は、先頭のプリフォームのネックと接線で接するようにデザインされた曲線的な輪郭を有する。
【0034】
フィルタ手段は、少なくとも1つの排出ホイールを有し、この排出ホイールは、「はめ込まれて直立した」位置のプリフォームのような、他のタイプの不正な位置をとっているプリフォームを排出するようにデザインされ、寝ているプリフォームを選択的に除去するための装置の上流に配置されている。
【0035】
本発明の他の態様と有利な点とは、以下の詳細な説明を読み、図面を見ると直ちに明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下の説明では、同一の参照符号は、同一部分又は同様の機能を有する部分を示している。
【0037】
慣例により、そして、非限定的に、「下流」又は「上流」という語そして「縦方向」、「横方向」又は「垂直」の方向は、プリフォームの進む方向に関して、そして、図中に示されている三面体(L,V,T)に従って、それぞれ部材又は位置を示すために用いられる。
【0038】
図1は、非常に概略的に、本発明に従って、横たわったプリフォームを選択的に除去するための装置を有している、従来技術による、プリフォームを供給するためのシステム20を示している。
【0039】
拡大図は、このような搬送システム20で使われる可能性があるプリフォーム10の一例を詳細に示している。
【0040】
既知のように、このようなプリフォーム10は、軸方向の端部の一方で閉じられているほぼ管状の胴部12を有し、その他方の端部には、最終的な容器のネックの最終的な形状のネック14を有している。
【0041】
このプリフォーム10のネック14は、ねじ山16と、このネックの基部で径方向外側に向けて延びている環状の支持フランジ18とを有している。
【0042】
このような搬送システム20は、例えば、ブロー成形器械22にプリフォーム10を供給するようにデザインされている。
【0043】
この搬送システム20は、上流に収納用箱24又はホッパーを有しており、この中には、複数のプリフォーム10が、雑然と収納されている。プリフォーム10をソーティング及び整列用装置28の上端に流し込むために、エレベータ26により、収納用箱24からプリフォーム10を採取することができる。このソーティング及び整列用装置28の中では、プリフォーム10が、ネック14を上向きにして向けられ、ブロー成形器械22のような器械にプリフォーム10を搬送する搬送レール30に下流側に連続的に供給されるように一列に整列されている。
【0044】
収納用箱24、エレベータ26、及びソーティング及び整列用装置28からなる搬送レール30に供給する手段は、例としてのみ与えられ、決して限定しているのではない。
【0045】
システム20は、排出された不正に位置しているプリフォームを回収する手段を有していることが好ましい。特に、この操作の間に損傷を受けなかったプリフォーム10が、システム20で再使用されることができるならば有利である。
【0046】
この回収手段は、例えば、底が回収用箱34と連絡している回収用ホッパー32からなり、不正に位置し排出されたプリフォーム10が回収用箱の中へと落ちる。
【0047】
変形例として、回収手段は、再循環ベルトを有しており、この再循環ベルトにより、排出されたプリフォームを収納用箱24に戻すことができる。しかしながら、このような再循環ベルトにより排出されたプリフォームの処理を自動化することができるものの、この再循環ベルトは、特に互いに重なっている複数のプリフォームを搬送システムに再び導入する危険性を有する。
【0048】
既知の方法では、ソーティング及び整列用装置28は、例えば、2つの垂直な側壁36を備える箱からなっている。この箱の底は、ほぼ平行な軸A1、A2を有し、この箱の長さ全体に沿って延びている2つのローラにより形成されている。これら軸A1、A2は、ソーティング及び整列用装置28の傾きの勾配に整合する勾配で水平面(horizontal)に対して傾斜している。
【0049】
図2、3に見られるように、2つのローラ38は、横向きの寸法が、図1に示されているタイプのプリフォーム10の胴部12の直径よりもわずかに大きい間隔をこれらローラの間に許容するために、互いに離間されている。
【0050】
この結果、プリフォーム10のネック14の外側径方向のフランジ18の直径は、2つのローラ38を離間している間隔の横向きの寸法よりも大きい。このように、プリフォーム10がこれらローラ38の上にある時、その胴部12は、2つのローラ38の間の間隔の中へと落ち込むことができるが、この場合、プリフォームは、フランジ18により保持され、それぞれ、ほぼ垂直な位置でネック14を上向きにして向けられて整列されている。
【0051】
プリフォーム10の位置を正しくとることを促進するために、各ローラ38は、それぞれの軸A1又はA2の回りに回転する動きで駆動されている。これら2つのローラ38は図に示されている方向か又は各々がこれとは逆方向に、互いに反対方向に回転している。
【0052】
ソーティング及び整列用装置28の中へ流し込まれる全てのプリフォームがこれらローラ38と確実に接触させるために、箱の側壁36の底部が、傾斜された面により形成されており、これら面により、全てのプリフォームが、これらローラ上で、ホッパーの中央に向けられることが図2に見ることができる。
【0053】
ソーティング及び整列用装置28に、不正に位置付けられたプリフォームを除去するためのフィルタリング手段が取り付けられていれば有利である。この場合、このフィルタリング手段は、不正に位置付けられているプリフォームを除去するための第1の装置を形成している排出ホイール40を有している。
【0054】
この排出ホイール40により、ソーティング及び整列用装置28の底部端に近づいた際に、2つのローラ38の間で向きをつけられ、整列されていないプリフォーム10を除去することができる。
【0055】
排出ホイール40は、2つの整列用ローラ38の2つの軸A1、A2により規定される平面に平行で、また、垂直方向にこの平面の上方の平面で延びている中心シャフト42を本質的に有している。排出ホイール40の中心シャフト42の軸A3は、軸A1、A2の方向に対する垂線に対して、例えば、45°のオーダで傾斜していると、有利である。
【0056】
この軸A3の傾斜は、ソーティング及び整列用装置28の中でのプリフォーム10の進行速度に依存している。すなわち、この角度は、したがって、システムの幾何学的形状と供給速度とにしたがって、20°と45°との間で変化してもよい。
【0057】
シャフト42は、その軸A3の回りに回転させるために(図示されていない)独立モータのようなシステムに接続されており、このシステムは、このシャフトを、例えば、毎分250回転のオーダのスピードで駆動している。
【0058】
このシャフト42には、複数の径方向のへら44が設けられており、この例では、これらへらは、軸A3のまわりに角度方向に等間隔に分布し合計で4つであり、また、これらは、例えば、柔軟な弾性体で作られている。
【0059】
これらへら44は、排出ホイール40が、その軸A3のまわりに回転された時、ホッパー28の中の2つのローラ38の上方に位置している横方向の空間のほぼ全てをスイープするように、軸A3に沿って延びている。
【0060】
変形例として、これらへら44を、柔軟な径方向のねじ山に置き換えてもよい。この場合、排出ホイール40は、回転ブラシの形態をとる。
【0061】
ソーティング及び整列用装置28は、排出ホイール40と対向させて、少なくとも1つの側面の開口部46を有する。この開口部は、排出ホイール40と同じ高さで、この排出ホイールのプリフォームの進行方向に関して上流側に、位置し、この開口部により、排出されたプリフォームを回収用ホッパー32に取り除くことができるようにデザインされている。
【0062】
軸A3の回りに回転されているホイール40が、2つのローラ38の間で正しい向きを向いている、すなわち、ほぼ垂直な、プリフォーム10と接触せずに、これらローラ38のすぐ上方に位置している空間をスイープするように、ホイール40は垂直方向に位置がとられ、パドル44の径方向の寸法が選ばれている。
【0063】
この結果、正しい向きを向いたプリフォームは、排出ホイールに接触されずに、この排出ホイール40の下方を通過する。
【0064】
他方では、いくつかの不正な位置をとっているプリフォームは、排出ホイール40の下方を通過せずに、この結果、除去される。
【0065】
特に、「はめこまれて直立した」位置の1組のプリフォーム10の場合は、そのようになる。1組のプリフォームのうち上のプリフォームが、排出ホイール40によりスイープされ、側面の除去用の開口部46に向けて、直接投げられる。
【0066】
このように、排出ホイール40により、不正な位置をとっているプリフォームを直接排出することで、特に高速供給装置において、多くの詰まりの原因となる可能性のある不正な位置をとっているプリフォームが、ソーティング及び整列用装置28の中で蓄積することを防止することができる。
【0067】
しかしながら、図2、3で見られるように、排出ホイール40により、全ての不正な位置をとっているプリフォームを体系的に除去することはできない。
【0068】
特に、1組のはめこまれたプリフォーム11が、図2、3に示されているように、「寝ている(lying)」と呼ばれる位置、すなわち、2つのローラ38の間に横たわって、胴部12からネック14までが、これらローラ38の軸A1、A2に平行に延びるように縦方向を向いている位置をとることができる。
【0069】
はめこまれて横たわっているそのような組11のプリフォームは、特に、それが、ローラ38の中で正しい位置をとっている他のプリフォーム10のネック14の間に縦方向に割り込んでいる時は、ホイール40の下方をなんとか通過してしまう。当然、それが、ただ1つの横たわっているプリフォーム10であろうと、はめこまれたプリフォームの組11であろうと、状況は、同様である。
【0070】
このような供給装置20が、特に損傷させたり詰まったりする危険もなく、装置が信頼性のある動作を確実に行なうように、様々なタイプの不正な位置をとっているプリフォームを除去できるフィルタ手段48を持たなければいけないことは有利である。
【0071】
本発明に係われば、このフィルタ手段48は、整列用ローラ38の下流で、寝ているプリフォームと呼ばれるプリフォーム10、すなわち、レール上のローラから横たわって、縦方向に向いて到着し、また、搬送レール30上にほぼ縦方向に延びているプリフォーム、を選択的に除去するための少なくとも1つの装置50を有している。
【0072】
この選択的除去装置50は、可動な除去手段52を有し、この除去手段は、動作を、駆動アクチュエータ54と、このアクチュエータ54にレール上に少なくとも1つの寝ているプリフォーム10があることを示す検出信号を供給することができる検出手段56とにより制御されている。
【0073】
この検出手段56は、少なくとも1つのセンサ58を有し、このセンサは、プリフォームの径方向のフランジの位置に従って、寝ているプリフォーム10を同定できるように、レール30の所定の高さだけ上方に配置されている。
【0074】
システム20が、装置50の可動な除去手段52の上流に位置し、寝ているプリフォーム10が検出された時に、プリフォームのラインを停止させるための手段を有していると有利である。
【0075】
図4、5は、特に、寝ているプリフォーム10を選択的に除去するためのそのような装置50の好ましい実施の形態を示している。
【0076】
この実施の形態に係われば、可動な除去手段52は、可動なレールの少なくとも一部分60からなっており、この部分は、寝ているプリフォーム10がセンサ58により検出された時に、アクチュエータ54により除去のための引っ込められた位置に動かされることができる。
【0077】
可動なレールのこの部分60のアクチュエータ54は、例えば、空気圧式又は液圧式のシリンダ62からなっており、このシリンダは、この部分60に固定されて取り付けられている作動ロッド64を有している。
【0078】
この場合、レールのこの部分60は、並進運動可能なように、より正確には、横方向にレール30で搬送されているプリフォーム10のラインに対して外向きに可動なように取り付けられている。
【0079】
この部分60は、複数のピン66を有し、これらピンは、この部分60が搬送のための位置と除去のための引っ込められた位置とのそのそれぞれの位置の間で動く際に、案内の手段を形成するように、整合する複数の開口部68の中を摺動する。
【0080】
選択的除去装置50の動作が、これから以下で詳細に説明される。
【0081】
まず、センサ58が、はめこまれ横たわっているプリフォームの組11のうちの第1のプリフォーム10の径方向のフランジ18があることを検出する。このセンサ58は、例えば、赤外線の光学センサ、又はフランジが接触する接触器(contactor)のような他の機械的なタイプでよい。
【0082】
横たわっているプリフォーム10の径方向のフランジ18だけを検出するように、レール30の上方で横方向にそして垂直方向に配置され、この結果、特に、正しい位置をとり、レール30の上面に載っているプリフォーム10のフランジ18は、検出されることなくこのセンサ58の下方を通過する。
【0083】
このセンサ58が横たわっているプリフォームを検出した時は、それからアクチュエータ54を駆動するような検出信号を供給する。
【0084】
それから、この信号により、アクチュエータ54は、図4に示されている、搬送のための位置から、図5に示されている、引っ込められた位置へと部分60を動かすように制御される。
【0085】
この部分60は、この結果、落とし穴を形成し、この落とし穴により、引っ込められた位置では、可動なレールのこの部分60上にある全てのプリフォーム10、11は、重力により落される。
【0086】
図1に示されているもう1つの回収用箱70のような、回収の手段並びに/もしくは再循環の手段が設けられていると好ましい。
【0087】
選択的除去装置50が、センサ58が横たわっているプリフォームを検出した時に、可動なレールの部分60の上流に位置しているプリフォームのラインを停止するための手段72を有していると、有利である。
【0088】
この停止手段72は、可動であり、例えば、選択的除去装置50の様々な手段の動作を同期するように、センサ58の検出信号により駆動される(図示されていない)アクチュエータにより、動かされる。
【0089】
この場合、この停止手段72は、停止アーム74からなり、この停止アームは、図4に示されている、引っ込められた静止位置と、図5に示されている、停止位置との間を回動するように取り付けられている。
【0090】
この停止位置では、このアーム74の一部76が、先頭の(leading)プリフォームと呼ばれるプリフォーム10の、ネック14のような一部と相互に作用し、アクチュエータ54が、引っ込められた除去のための位置へと動く前に、可動なレールの部分60の上流に位置しているプリフォームのラインを停止させるものとする。
【0091】
アーム74の停止部分76は、先頭のプリフォームのネック14と接線で接触するようにデザインされた曲線的な輪郭を有している。この輪郭により、アーム74は、様々なタイプのプリフォームに合う可能性がある。
【0092】
変形例として、選択的除去部分60は、前のように横たわっているプリフォーム10を除去するように、回転して、例えば、縦方向の軸の回りに回動して動くことができるように取り付けられてもよい。
【0093】
横たわっているプリフォームを選択的に除去するための装置50は、排出ホイール40の下流に配置され、プリフォームの流れから他の不正な位置をとっているプリフォームが除去された、レール30の中で正しく整理され安定なプリフォームの流れに作用するものとするのが好ましい。
【0094】
このように、フィルタ手段48が、「はめこまれ直立した」位置をとっているプリフォームのような、他のタイプの不正な位置をとっているプリフォームを排出するようにデザインされ、横たわっているプリフォームを選択的に除去するための装置50の上流に配置されている、少なくとも1つの排出ホイール40を有していると有利である。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】寝ているタイプの不正な位置をとっているプリフォームをラインから選択的に除去するための本発明に係る装置を有しているプリフォーム搬送システムの概略的な側面図である。
【図2】排出ホイールのようなフィルタ手段によっては、除去されない可能性がある寝ているプリフォームを断面で示す、図1によるシステムの部分図である。
【図3】排出ホイールのようなフィルタ手段によっては、除去されない可能性がある寝ているプリフォームを上面図で示す、図1によるシステムの部分図である。
【図4】本発明の示唆による選択的除去装置の好ましい実施の形態の上面図を概略的に示し、除去手段を形成している可動なレールの部分の搬送位置を示している。
【図5】本発明の示唆による選択的除去装置の好ましい実施の形態の上面図を概略的に示し、除去手段を形成している可動なレールの部分の引っ込められた除去位置を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボトルのような容器をブロー成形するための器械に搬送するように特にデザインされた、プリフォームの搬送システム(20)であって、このシステムは、このプリフォーム(10)の進行する縦方向に上流から下流に、少なくとも1つのソーティング及び整列用装置(28)を具備し、この装置の上部端には、プリフォーム(10)が雑然と供給され、この装置の底部端は、少なくとも2つの整列用ローラ(38)を有し、これら整列用ローラは、ほぼ平行でそれぞれの軸(A1、A2)を中心として回転され、また、水平に対して傾斜された搬送レール(30)に前記プリフォーム(10)を置いて、これらプリフォームを前記器械(22)に搬送するようにデザインされている、タイプであり、また、このシステムは、この器械(22)の上流に、不正な位置をとっているプリフォームを除去するフィルタ手段(48)を具備するタイプである、プリフォームの搬送システムにおいて、このフィルタ手段(48)は、前記整列用ローラ(38)の下流で、少なくとも1つの選択的除去装置(50)を具備し、この選択的除去装置は、独立して寝ているプリフォームと呼ばれるプリフォーム(10)、すなわち、前記ローラからレール上に横たわり、縦方向に向いて到着し、また、前記搬送レール(30)の上でほぼ縦方向に延びているプリフォーム(10)を除去するように配置されていることを特徴とするプリフォームの搬送システム。
【請求項2】
前記選択的除去装置(50)は、駆動されるアクチュエータ(54)により動作が制御される、可動な除去手段(52)を有することを特徴とする請求項1に係るプリフォームの搬送システム。
【請求項3】
ボトルのような容器をブロー成形するための器械に供給するように特にデザインされた、プリフォームの搬送システム(20)であって、このシステムは、プリフォーム(10)の進行する縦方向に上流から下流に、少なくとも1つのソーティング及び整列用装置(28)を具備し、この装置の上部端には、プリフォーム(10)が雑然と供給され、この装置の底部端は、少なくとも2つの整列用ローラ(38)を有し、これら整列用ローラは、ほぼ平行で、それぞれの軸(A1、A2)を中心として回転され、また、水平に対して傾斜された搬送レール(30)にプリフォーム(10)を置いて、これらプリフォームを前記器械(22)に搬送するようにデザインされている、タイプであり、また、このシステムは、この器械(22)の上流に、不正な位置をとっているプリフォームを除去するフィルタ手段(48)を具備するタイプである、プリフォームの搬送システムにおいて、このフィルタ手段(48)は、整列用ローラ(38)の下流で、少なくとも1つの選択的除去装置(50)を具備し、この選択的除去装置は、寝ているプリフォームと呼ばれるプリフォーム、すなわち、ローラからレール上にただ1つで又はそうでなければ、はめ込まれて、横たわり、縦方向に向いて到着し、また、搬送レール(30)の上でほぼ縦方向に延びているプリフォームを除去するように配置され、また、この選択的除去装置(50)は、駆動されるアクチュエータ(54)により動作が制御される可動な除去手段(52)を有することを特徴とするプリフォームの搬送システム。
【請求項4】
前記選択的除去装置(50)は、検出手段(56)を有し、この検出手段は、レール(30)の上に少なくとも1つの寝ているプリフォームがあることを示す検出信号を前記アクチュエータ(54)に送ることができることを特徴とする請求項2又は3に係るプリフォームの搬送システム。
【請求項5】
前記検出手段(56)は、少なくとも1つのセンサ(58)を有し、このセンサは、前記レール(30)の上方の所定の高さに配置され、この結果、径方向のフランジ(18)の位置に従って、寝ているプリフォームを発見する請求項4に係るプリフォームの搬送システム。
【請求項6】
前記可動な除去手段(52)は、可動なレールの少なくとも一部分(60)からなっており、この部分は、寝ているプリフォームが検出された時、プリフォームを搬送する位置と、プリフォームが回収手段並びに/もしくは再循環の手段(70)へと除去される、引っ込められた除去位置との間を、前記アクチュエータ(54)により動かされることができることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1に係るプリフォームの搬送システム。
【請求項7】
レールの前記部分(60)は、横方向外側に並進されるように取り付けられており、前記引っ込められた位置で、落とし穴を形成し、この結果、レールのこの可動な部分の上にある全てのプリフォームが重力により落ちるものとすることを特徴とする請求項6に係るプリフォームの搬送システム。
【請求項8】
寝ているプリフォームが検出された時に、可動な除去手段(52)の上流に位置している、プリフォーム(10)のラインを停止するための手段(72)を有していることを特徴とする前記全ての請求項のいずれか1に係るプリフォームの搬送システム。
【請求項9】
停止手段(72)は、少なくとも1つの停止アーム(74)からなり、この停止アームは、引っ込められた静止位置と、停止位置との間で回動するように取り付けられ、この停止位置では、このアーム(74)の一部分(76)が、先頭のプリフォームと呼ばれるプリフォームのネック(14)の一部分と相互に作用し、この結果、レールの可動部分が、その引っ込められた除去位置に動かされた時に、このレールの可動部分(60)の上流に位置するプリフォーム(10)のラインを動かないようにすることを特徴とする請求項8に係るプリフォームの搬送システム。
【請求項10】
前記アーム(74)の停止部分(76)は、前記先頭のプリフォームのネックと接線で接するようにデザインされている曲線的な輪郭を有することを特徴とする請求項9に係るプリフォームの搬送システム。
【請求項11】
前記フィルタ手段(48)は、少なくとも1つの排出ホイール(40)を有し、この排出ホイールは、「はめ込まれて直立した」位置のプリフォームのような、他のタイプの不正な位置をとっているプリフォームを排出するようにデザインされ、前記寝ているプリフォームを選択的に除去するための装置(50)の上流に配置されていることを特徴とする前記全ての請求項のいずれか1に係るプリフォームの搬送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−515359(P2007−515359A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−546150(P2006−546150)
【出願日】平成16年12月3日(2004.12.3)
【国際出願番号】PCT/EP2004/053258
【国際公開番号】WO2005/070793
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(506208528)スィデル・パルティスィパスィヨン (44)
【Fターム(参考)】