説明

不織布印刷媒体および製造方法

本不織布印刷媒体は、熱可塑性ポリマー連続フィラメントから形成された第一不織布層およびその第一不織布層に接着している少なくとも1つの追加不織布層を含んで、一体型の複合シート材を形成している。前記第一不織布層は、印刷インクを受けられるようにした外面を有し、ならびに本不織布印刷媒体は、ASTM D−737−80に従って75CFM以下、好ましい実施形態では25CFM以下の気孔率を有する。前記第一不織布層は、前記熱可塑性ポリマー連続フィラメントを互いに接着させるとともに、前記第一不織布層を前記1つ以上の追加不織布層に接着させる熱可塑性ポリマーバインダーを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷用の媒体としての使用に適する不織布に関する。さらに具体的には、本発明は、インクジェットプリンタまたは他の従来の印刷プロセスによる印刷に適する不織布に関する。
【背景技術】
【0002】
おそらく紙が最も広く使用されている印刷用の媒体であるが、強度、防水性、耐候性、永久保存性または他の物理的性質が足りないために紙を使用することができない多くの用途がある。例えば、屋外の看板または旗は、風、雨、凍結および紫外線への暴露などの天候要因に耐えることができなければならない。これらの用途のために、ビニル被覆織布、フィルム、および不織布などの様々な代替印刷媒体が開発された。例えば、DuPontは、グラフィックスおよび印刷用にTyvek(登録商標)という商標の不織布を販売している。Tyvekは、熱および圧力によって互いに接着させた非常に細い高密度ポリエチレン繊維から製造されるフラッシュ紡糸不織布である。ポリエチレンは、比較的低い融点を有するため、Tyvekは、約175°Fを越える温度を必要とする印刷プロセスには推奨されない。
【0003】
印刷媒体としての不織布の使用は、例えば米国特許第5,240,767号および同第5,853,861号などの様々な先行特許書類において提案されている。しかし、不織布を商業的に許容される印刷基材にするために必要な不織布の構造および物理的性質には、ほとんど注意が払われていない。従来の製造方法による不織布の製造に付き物の問題の1つは、繊維の堆積が一様でなかったり、可変的であったりすることがあり、その結果、その材料を印刷媒体としての使用には魅力がないまたは適さないものにする厚い箇所と薄い箇所または他の基本重量のばらつきが生じることである。結果として、印刷媒体として商業的に許容される不織布はほとんどない。
【0004】
本発明は、例えば、インクジェット印刷およびレーザー印刷、ならびにより伝統的なフレキソ印刷法、石版印刷法、凸版印刷法、グラビア印刷法およびオフセット印刷法などの様々な商業印刷作業における使用に適する、充分に均一な厚さおよび基本重量ならびに充分な構造特性を不織布にもたらす課題に取り組んでいる。
【発明の開示】
【0005】
本発明の不織布印刷媒体は、熱可塑性ポリマー連続フィラメントで形成された第一不織布層と、第一不織布層に接着(bond)している少なくとも1つの追加不織布層とを備えて、一体型の複合シート材料を形成している。第一不織布層は、印刷インクを受容するためのカレンダ処理外面を有し、本不織布印刷媒体は、ASTM D−737−80に従って75CFM以下、好ましい実施形態では25CFMの気孔率を有する。第一不織布層は、熱可塑性ポリマー連続フィラメントを互いに接着させるとともに、第一不織布層を1つ以上の追加不織布層に接着させる熱可塑性ポリマーバインダーを含む。1つの有利な実施形態において、第一層の連続フィラメントは、三裂葉断面を有し、ポリエステルから形成される。特定の実施形態において、第一不織布層は、三裂葉断面のポリエステルホモポリマーマトリックス連続フィラメントから形成されるスパンボンド不織布、および前記マトリックス連続フィラメントを接着させる、より低い融点のポリエステルコポリマーの繊維状バインダーを含み、ならびにこの複合体の少なくとも1つ追加不織布層は、第一不織布層に接着している第二スパンボンド不織布(この第二スパンボンド不織布は、三裂葉断面のポリエステルホモポリマーマトリックス連続フィラメントから形成される)、および前記マトリックス連続フィラメントを接着させる、より低い融点のポリエステルコポリマーの繊維状バインダーを含む。
【0006】
本発明の前記および他の目的、特徴および利点は、以下の発明の詳細な説明および図面から明らかになるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
さて、ここからは、添付の図面を参照しながら、本発明をより詳細に説明しよう。これらの図面は、本発明の一部の実施形態を示すものであり、全てを示すものではない。実際、本発明は、多くの異なる形態で具体化することができ、本明細書に記載する実施形態に限定されると解釈すべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が該当する法的必要条件を満たすために提供するものである。全体を通して、同じ数字が、同じ要素を指す。
【0008】
本発明の具体例としての印刷媒体を図1に示す。媒体10は、対向して(opposing face-to-face relationship)互いに接着された少なくとも2つの不織布層を含む複合不織布を含む。この複合媒体は、「層」を含むと述べているが、この用語は、本印刷媒体内の様々な領域に存在し得る異なる組成物および/または構造に関する論議を助長するために使用しているに過ぎない。本媒体は、そのような「層」から形成されていると述べているが、それにもかかわらず、その厚さ全体を通して凝集性を示す一体型構造を提供する。
【0009】
不織布の第一層16は、好ましくは、複数の熱可塑性ポリマー連続フィラメントで形成されたスパンボンド不織布である。さらに詳細には、このスパンボンド布は、典型的には約80から100重量%熱可塑性ポリマー連続フィラメントを含む。本明細書で用いる用語「フィラメント」および「連続フィラメント」は、数フィートまたはそれ以上の長さなどの限界がないまたは最大の長さの繊維状材料を指すために一般的な意味で用いている。周知のように、スパンボンド不織布は、多数のオリフィスを有する紡糸口金を通して熱可塑性繊維形成性ポリマーを押し出してフィラメントを成形し、押し出されたポリマーフィラメントを機械的にまたは高速空気流で延伸または繊細化し、これらのフィラメントを捕集面上にランダムに堆積させてウェブを形成し、フィラメントを接着させて強い凝集布を形成することにより製造される。フィラメントあたりのデニール(「dpf」)で表される、第一層16内のフィラメントの繊度は、典型的には約1から10dpf、例えば約4から6dpfの範囲である。一定の好ましい実施形態において、第一層16内のスパンボンドフィラメントは、約4dpfの繊度を有し、詳細には三裂葉断面形を有する4dpf繊維である。別の実施形態では、前記スパンボンドフィラメントは、複数のデニールが混ざったものを有することができる。
【0010】
スパンボンド第一層16内の連続フィラメントは、許容される機械的性質および耐薬品性をもたらすあらゆる繊維形成性熱可塑性ポリマーから形成され得る。例えば、ポリマー連続フィラメントは、ポリエステルホモポリマーおよび/またはコポリマーから形成されたものであってもよいし、ポリアミドホモポリマーおよび/もしくはコポリマーまたはそれらの混合物から形成されたものであってもよい。具体例としてのポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートである。具体例としてのポリアミドには、ナイロン6およびナイロン6,6が挙げられる。本発明の有利な特定の実施形態において、第一層16内の連続フィラメントは、ポリエチレンテレフタレートから形成される。これらのフィラメントは、従来の添加剤、例えば、安定剤、UV阻害剤、顔料、漂白剤、艶消剤、蛍光増白剤などをさらに含んでもよい。
【0011】
第一層16は、三裂葉形、四裂葉形、五裂葉形、円形、楕円形およびダンベル形を含む様々な断面のスパンボンド連続フィラメントから形成され得る。第一層16内に単一の断面が含まれていてもよいし、異なる断面のフィラメントの混合物が含まれていてもよい。本発明の好ましい実施形態において、第一層16は、三裂葉断面を有するスパンボンドフィラメントから形成される。フィラメントの三裂葉断面は、印刷の鮮明度を高める一方で、光沢のある外観を生じるために光を反射するというよりむしろ光を吸収するように見える材料の基となる。三裂葉形フィラメントは、インクおよびインク受容性塗料の捕捉も強化する。
【0012】
本出願人は、かなり均一な構造を有するスパンボンド層は、特に熱カレンダロールを使用してカレンダ処理された場合、予想外に平滑な印刷表面を合成印刷媒体にもたらすことができることを発見した。平滑なカレンダロールを使用して、完全に平滑な表面を布に設けることができ、または適切に型押しされたカレンダロールを使用して、キャンバスまたは他の布をまねる均一な織目の写った表面を布に設けることができる。カレンダ処理前の第一層16についての具体例としてのかさ密度は、一般に約0.100g/ccから0.250g/ccの範囲であり、例えば、約0.100g/ccから0.150g/ccの範囲のかさ密度である。
【0013】
第一層16内の適切な層間接着強さをもたらすために、スパンボンド第一層16内の連続フィラメントは、互いに接触点で接着させる。スパンボンド第一層16内の連続フィラメントは接着しているが、その不織布の構造は可撓性のままであり、有益なインク輸送性をもたらすために充分多孔質である。第一層16内の接着は、熱的にまたは超音波エネルギーにより、例えば、熱可塑性バインダーフィラメントの融解、熱可塑性樹脂の接着などにより達成することができる。この接着は、その不織布構造全体にわたっていてもよく(「面接着」として知られている)、これは均一に平滑な印刷外面が望まれる場合に好ましく、または散在する領域での接着であってもよく(一般に、「点接着」と呼ばれる)、これは有益な織目の写った表面を印刷面にもたらすことができる。有利な特定の実施形態では、第一層16は、繊維状バインダーを使用して接着される。この繊維状バインダーは、第一層16内に、その製造プロセス中にバインダー連続フィラメントとして適切な接着レベルをもたらすために有効な量で含めることができる。このバインダーは、第一層16内に約2から20重量パーセントの範囲の量、例えば約10重量パーセントの量で典型的には存在する。本発明の別の態様において、第一層16内のスパンボンドフィラメントは、熱可塑性バインダーポリマーを成分として含む多成分繊維であってもよい。例えば、そのような別の実施形態におけるスパンボンドフィラメントは、鞘がバインダーポリマーから形成される鞘/芯構造を有してもよい。
【0014】
第一層16において使用されるバインダーフィラメントは、連続フィラメントより少なくとも約10℃低い融解または軟化温度を示すポリマーから一般に形成される。これらのバインダーフィラメントは、全て同じポリマーから形成されてもよいし、またはより高い融点のバインダーフィラメントとより低い融点のバインダーフィラメントの混合物を含んでもよい。例えば、これらのバインダーフィラメントは、第一の部分がより低い融解温度、例えば約225°Fを有し、第二の部分がより高い融解温度、例えば約375°Fを有するフィラメントの混合物を含んでもよい。具体例としてのバインダーフィラメントは、1つ以上のより低い融点のポリマーまたはコポリマー、例えばポリエステルコポリマーから形成され得る。本発明の1つの有利な実施形態において、スパンボンド層は、ポリエチレンイソフタレートなどのより低い融点のポリエステルコポリマーから形成されたバインダーフィラメントを散在させたポリエステルホモポリマーマトリックスフィラメント(ポリエチレンテレフタレート)を押し出すことによって製造される。製造プロセス中に第一層16のより高い融点のマトリックス連続フィラメントが接着して凝集層を形成したとき、より低い融点のバインダーフィラメントは、典型的には軟化し、流動して、交差点でそれらのマトリックスフィラメントを接着させ、その後はバインダー連続フィラメントとして必ずしも容易に特定できないことがあることは、理解されるであろう。
【0015】
基本重量および厚の均一性を強化するために、第一層16を、同じ構成または異なる構造の少なくとも1つの追加不織布層に積層する。2つ以上の層を互いに積層することにより、個々の層における基本重量のあらゆる不均一性の影響が低減される。図1に示す実施形態では、第二不織布層17が第一層16に接着しており、この第二層が、複合媒体10の背面を形成している。図1に図示する実施形態において、第一層16と第二層17の両方が、連続フィラメントで形成されたスパンボンド不織布である。他の実施形態において、複合支持体10は、互いに積層された3つ、4つまたはそれ以上のスパンボンド不織布層を含むことができる。さらに他の実施形態では、エアレイド不織布、カード不織布、スパンレース不織布または湿式不織布などの別の不織布構造の中間不織布層を1つまたはそれ以上、この複合体に組み込むことができる。少なくとも2つのスパンボンド層を含む実施形態については、それぞれのスパンボンド層を含む繊維および材料が、同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、それらのスパンボンド層は、組成、デニール、基本重量または繊維断面が異なっていてもよい。
【0016】
示された実施形態では、第二層18も、より高い融点のマトリックスフィラメントとより低い融点のバインダーを含む、複数の実質的に連続的な熱可塑性ポリエステルフィラメントから形成されたスパンボンド不織布である。第二層18に供給されるバインダーフィラメントは、それらのマトリックスフィラメントより少なくとも約10℃低い融解または軟化温度を示すポリマーから一般には形成される。これらのバインダーフィラメントは、全てが同じポリマーから形成されてもよいし、より高い融点のバインダーフィラメント組成物とより低い融点のバインダーフィラメント組成物の混合物を含んでもよい。例えば、これらのバインダーフィラメントは、第一の部分がより低い融解温度、例えば約225°Fを有し、第二の部分がより高い融解温度、例えば約375°Fを有するフィラメントの混合物を含んでもよい。具体例としてのバインダーフィラメントは、1つ以上の低融点ポリオレフィンポリマーもしくはコポリマー、1つ以上の低融点ポリエステルポリマーもしくはコポリマー、またはこれらの混合物から形成され得る。本発明の1つの有利な実施形態において、バインダーフィラメントは、低融点ポリエステルコポリマー、特にポリエチレンイソフタレートコポリマーから形成され、マトリックスフィラメントは、ポリエチレンテレフタレートホモポリマーで形成される。
【0017】
第二層18の製造において使用されるバインダーフィラメントは、当分野において知られているいずれの断面を有してもよい。好ましい実施形態において、第二層18のバインダーフィラメントは、最初に形成されるような円形断面を有する。これらのバインダーフィラメントは、不織布接着用の当分野において知られているものに矛盾しない1つのデニールまたは複数のデニールの混合物を有することができる。
【0018】
印刷媒体10の1つの重要な特性は、その基本重量である。自動給紙プリンタにおける望ましい操作のために、印刷媒体は、少なくとも約3オンス/平方ヤード(osy)(少なくとも約102グラム/平方メートル)の基本重量を有さなければならない。印刷媒体は、好ましくは、3から12オンス/平方ヤード(102〜407グラム/平方メートル)の基本重量を有する。3.0から4.0オンス/平方ヤード(102から136グラム/平方メートル)の基本重量を有する布が特に適する。補強シート材料が望まれる用途では、より高い重量を首尾よく使用することができる。
【0019】
複合印刷媒体10は、相当強く、耐引き裂き性を有する。この印刷媒体は、縦方向(MD)と横方向(XD)の両方に関して少なくとも100ポンドの、さらに望ましくは少なくとも120ポンドの、およびより重い基本重量については200ポンドを超えるグラブ引張強さを有することを特徴とする。2つの異なる重量の本発明の非塗被印刷媒体の代表的な引張特性を表1に与える。
【0020】
【表1】

【0021】
グラブ引張強さは、Instron(登録商標)試験機などの引張試験機でプレカットサンプルを伸ばし、破断させるために必要な力である。標準試験法ASTM 4632−96に従って、サンプルを縦方向(MD)および横方向(XD)から試験する。基本重量は、ASTM D2776−96に従って測定する。
【0022】
支持体の適性に影響を及ぼすもう1つの重要な特性は、そのインク輸送性である。インクは、媒体に多少浸透するが、インクがそのウェブの内部に広がって色を濁らせるほど多くは浸透しないことが望ましい。従って、媒体には、ある程度の多孔性が必要である。媒体の多孔性は、所与の圧力で所与の面積のウェブを通る空気の流れを確かめる標準的な透気度測定法により測定することができる。標準試験法ASTM D−737−80をこのために用いることができる。好ましくは、媒体は、ASTM D−737−80により測定して75CFM以下、さらに望ましくは50CFM以下の気孔率を有する。好ましい通気度は、5CFMから25CFMの間である。
【0023】
本発明の複合印刷媒体10は、比較的不活性なポリマーからもっぱら形成することができ、木材パルプまたは他の反応性もしくは分解性材料が存在しないので、特に有利な永久保存性を有する。本印刷媒体は、軽量、且つ、可撓性であり、紙とは対照的に折り畳んだ後でさえ折りじわが付きにくい。さらに、折りじわ、引き裂きまたは引張強度の損失を伴わずに繰り返し折り畳み、開くことに耐えることができる。加えて、本印刷媒体は、水または高湿度環境への暴露による影響を受けにくいように、本質的に疎水性の合成ポリマーからもっぱら製造することができる。本印刷媒体の連続フィラメント接着構造は、空中浮遊粒子を避けなければならないクリーンルームなどの用途で使用することができる、クリーンな、けば立たない材料の実現を確実にする。本印刷媒体は、カールおよびしわが付きにくく、もつれやほつれがないきれいな切り口を作る。強度を失わずに、接着させることができ、縫うことができ、穴を開けることができ、ステープルで留めることができ、またはピンで留めることができる。
【0024】
図2は、本発明の複合印刷媒体10の製造に適するプロセスおよび装置を図示するものである。2つのスパンボンド不織ウェブ16、18を、それぞれのロール84および86から巻き出し、互いに対向して(opposing face-to-face relationship)重ね合わさった関係にする。重ね合わせ層88を、次に、第一ニップ90を通して長手方向に運ぶ。第一ニップ90内で、第一スパンボンド布層16中に存在する、より低い融点のコポリマーバインダーおよび第二層18中に存在するコポリマーバインダーを、バインダーが軟化および溶融しはじめて、追加の接着剤およびバインダーを一切必要とせずに層を互いに接着させる時点まで加熱する。第一ニップ90は、当業者に既知のような従来の手法で構成される。図2に図示する実施形態において、第一ニップ90は、一対の共働カレンダロール94および96により規定される。前記ロールは、好ましくは、平滑であり、有利にはスチールから形成される。好ましくは、これらの協働カレンダロール94および96によって固定間隙ニップが生じる。この固定間隙ニップにより、いかに過剰な圧力を掛けられたとしても重ね合わせ層88は目標間隙厚より薄い第一ニップ90を出ないことが保障される。図2に図示する有利な実施形態では、一番上のロール97を用いて、第一ニップ90に圧力を掛ける。
【0025】
第一ニップ90の温度および圧力を含む接着条件は、種々のポリマーについて当分野において知られている。ポリエチレンテレフタレート不織布スパンボンドフィラメントを含み、さらにポリエチレンイソフタレートバインダーフィラメントおよび/または繊維を含む複合印刷媒体については、好ましくは、第一ニップ90を約120℃から230℃の間、好ましくは約200℃から225℃の温度に加熱する。第一ニップ90は、典型的には約40から350ポンド/リニアインチ(pli)、例えば約80から200pliの範囲の圧力でランする。
【0026】
破線によって示す代替実施形態では、2つの重ね合わせ層88は、ロール94と96の間のニップ90を通過させる前に、例えば、最上ロール97の上を通し、次に、約200℃の温度に加熱された、ロール97と94とで規定されるニップを通過させることにより、追加のロールの周囲に一部巻きつけることができる。重ね合わせウェブ88をカレンダロール94、96の前にさらなる熱ロール97の上を通すことにより、重ね合わせ層88は、ニップ90に入る前に予熱される。このような予熱により、接着速度を上げることができる。
【0027】
ここで図2に戻って、第一ニップ90を出て行く重ね合わせ層は、次に、第二ニップ98に入る。この第二ニップ98は、上のロール96と下のロール104によって作られる。ロール96および104は、好ましくはスチールである。
【0028】
第二ニップ98内の圧力は、第一ニップ90内の圧力より典型的には高く、第一ニップ90を出て行く重ね合わせ層は、さらに加圧される。従って、第二ニップ98によって作られる間隙は、第一ニップ90によって生じる間隙より狭い。第二ニップ98内の圧力は、典型的には約120から1100pli、例えば約180から320pliである。第二ニップ98を例えば約120から230℃の範囲の温度、好ましくは約200℃から225℃の範囲の温度に、さらに加熱してもよい。層内の熱可塑性コポリマーバインダーの存在のため、2つの層16、18は、追加の接着組成物を必要とせずに、互いに接着することとなって、一体型の凝集性複合不織布を形成する。第二ニップ98を出て行く得られた接着複合支持体14は、冷却ロール106の上を通して輸送し、従来の手段によりロール112に巻き取ることができる。
【0029】
複合印刷媒体10は、被覆されていないカレンダ処理済み状態で使用することができ、または片面もしくは両面にインク受容性塗膜を設けることができる。塗料は、カレンダ処理の前もしくは後またはそれら両方において塗布することができる。適する塗料には、塗被紙の製造に従来から使用されている種類の塗料組成物が挙げられる。このような塗料組成物は、典型的には水性または他の溶剤系バインダーを有し、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、クレー、酸化チタン、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化スズ、水酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、タルク、硫酸バリウムおよびケイ酸カルシウム、ベーマイト、擬似ベーマイト、珪藻土、スチレンプラスチック顔料、尿素樹脂プラスチック顔料およびベンゾグアナミンプラスチック顔料などの顔料および充填剤を含むことができる。具体例としてのバインダーには、ポリビニルアルコール、スチレン−ブタジエンポリマー、アクリル系ポリマー、スチレン−アクリル系ポリマー、ならびに酢酸ビニルおよびエチレン−酢酸ビニルポリマーが挙げられる。このようなバインダーの市販の例には、アクリル系ポリマー、例えばRHOPLEX B−15およびRHOPLEX P−376、ならびに酢酸ビニル/アクリル系ポリマー、例えばPolyco 2152およびPolyco 3250(全て、Rohm and Hass Company製)、ならびにスチレン/ブタジエンポリマー、例えばDow Chemical Company製のCP 620が挙げられる。塗料組成物は、難燃剤、蛍光増白剤、耐水剤、抗菌物質、紫外線安定剤および吸収剤などの添加剤をさらに含むことができる。塗料組成物は、印刷業務において使用することを意図した特定の印刷技法に合わせて作ることができる。従って、例えば、インクジェット印刷のための印刷媒体には、インクジェットプロセスにおいて使用される溶剤系もしくは水性染料または顔料を受容する塗膜を設けることができ、一方、レーザー印刷用の媒体は、レーザー印刷において使用されるトナーを受容する塗膜を有するであろう。このタイプに適する塗料組成物は、様々な供給業者から市販されており、特定の最終用途の印刷アプリケーションに適する塗料調合物を容易に入手することができる。
【0030】
印刷媒体が、写真などの高解像度画像のためと意図される場合、望ましくは、その表面を平滑なカレンダロールでカレンダ処理して、10μm以下、好ましくは5μm以下の表面粗さRzを達成する。周知のように、この表面粗さパラメータRzは、5つのRmax値の平均を表し、この場合、Rmaxは、5つのサンプル長のいずれかにおける最大の山から谷への高さを表す。表面粗さパラメータRzは、例えばQualitest International Inc.またはEdmund Opticsから入手できるものなどの市販の表面粗さ測定器を使用して、容易に測定することができる。
【0031】
本発明の特定の実施形態をさらに説明する目的で、以下の実施例を提供する。しかし、これらの実施例で与える特定の詳細に本発明が限定されないことは、理解されるはずである。
【実施例1】
【0032】
Reemay Eliteという呼称でBBA Nonwovensが製造している1.0オンス/平方ヤードのスパンボンド不織布3枚(各々、ポリエチレンイソフタレートコポリマーバインダーフィラメントとともに押し出し、その後、全体にわたって熱により接着したポリエチレンテレフタレートホモポリマー連続フィラメントからなる)を併せることにより、印刷媒体を製造した。これらの3層は、熱カレンダに通すことにより、熱により互いに積層させた。層中に存在するポリエチレンイソフタレートコポリマーを熱カレンダにより活性化し、層を互いに接着させて一体型凝集布にした。得られた複合体は、非常に均一であったため、インクジェットプリンタ用に可能な印刷媒体と考えられた。実験は、パーソナルコンピュータと接続して使用する高解像度HPインクジェットプリンタで行った。カレンダ処理した熱積層物を、高解像度に設定した前記プリンタに送って通したところ、結果は、非常に驚くべきものであった。印刷の鮮明度は、HP premium Plus Ink Jet Photo Paperに匹敵するものであったが、不織ウェブのカレンダ処理特性が、印刷されたページに非常に快いキャンバス様または織布様外観を与えていた。さらなる利点は、カレンダ処理スパンボンド印刷媒体上に生じた印刷画像が、非常に硬いHP写真用紙と比較して非常に柔軟なシートであることだった。
【実施例2】
【0033】
実施例1のカレンダ処理ポリエステルスパンボンド布上の印刷は、相当満足なものであり、良好な色およびディテールを示すが、従来のインクジェット塗膜に対する前記ポリエステルの受容性および長期安定性は、その媒体にインクジェット受容性塗料を塗布することにより強化することができる。典型的には、これらの塗料組成物は、ポリビニルアルコール、酢酸ビニルコポリマー、または他のポリマーおよびコポリマーを含むポリマーバインダー中の顔料分散体である。インクジェット受容性塗料が適合性であり、使用できることを証明するために、実施例1のカレンダ処理不織布のシートに様々な塗料レベルを塗布した。2つの塗料を評価した:Bercen Inc.,1381 Cranston Street,Cranston,Rhode Islandによって製造されたBerjet(登録商標)2006および2007。これらの塗料化合物を、7.5lb/連(3300平方フィート)から17.5lb/連(〜25グラム/平方メートル)の間のレベルで塗布した。Sun Process Converting Inc.,1660 Kenneth Drive,Mt.Prospect,ILからの別の塗料組成物も評価した。塗被印刷媒体を、最高の印刷品質に設定したHP CP 1160およびHP 7150プリンタに通したところ、画像品質、鮮明度および色彩明度は、HPの最高のPremium Plus Photo Paperに匹敵するかそれより良好であった。表面にじみおよび色移りがないことに注目された。
【0034】
本印刷媒体は、狭い書式のインクジェット印刷、広い書式の商用インクジェット印刷、消費者インクジェット印刷(典型的には、PCに接続されたもの)、スクリーン印刷、フレキソ印刷、石版印刷、オフセット印刷、凸版印刷およびグラビア印刷を含む様々な印刷アプリケーションのための印刷媒体として、幅広い用途を有する。高温に対する卓越した耐性のため、高温フューザロールを利用する白黒およびカラーレーザープリンタにおいて印刷媒体として使用することができる。本印刷媒体は、写真印刷用および高解像度が必要とされる他のアプリケーション用に優れている。本印刷媒体は、滅菌包装製造業者によって行われる、高い印刷解像度が可撓性で高強度の包装材料において求められるような印刷に適する。本発明の非塗被のカレンダ処理製品を非塗被Tyvekと比較した試験は、Tyvekに勝る大きな改善を示す。Tyvekの典型的なインクジェット印刷では、インクが泳動すると画像の周りに影が現れるが、本発明の印刷媒体ではこれが発生しない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に従って形成した具体例としての印刷媒体の拡大断面図の略図である。
【図2】本発明の印刷媒体を製造するための具体例としてのプロセスの略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷インクを受容するための外面を有する、熱可塑性ポリマー連続フィラメントで形成された第一不織布層と、
一体型の複合シート材を形成するために、前記第一不織布層に接着している少なくとも1つの追加不織布層と
を備えてなる不織布印刷媒体であって、ASTM D−737−80に従って75CFM以下の気孔率を有する不織布印刷媒体。
【請求項2】
前記不織布印刷媒体の気孔率が、ASTM D−737−80に従って25CFM以下である請求項1に記載の印刷媒体。
【請求項3】
前記第一不織布層が、該第一不織布層の熱可塑性ポリマー連続フィラメントを互いに接着させる熱可塑性ポリマーバインダーを含み、該熱可塑性ポリマーバインダーが、前記第一不織布層を前記少なくとも1つの追加不織布層に接着させる請求項1に記載の印刷媒体。
【請求項4】
前記熱可塑性ポリマーバインダーが、最初は繊維の形態である請求項3に記載の印刷媒体。
【請求項5】
前記第一不織布層の連続フィラメントが、三裂葉断面を有する請求項3に記載の印刷媒体。
【請求項6】
前記熱可塑性ポリマー連続フィラメントが、ポリエステルから形成される請求項3に記載の印刷媒体。
【請求項7】
前記熱可塑性ポリマーバインダーが、前記連続フィラメントのポリエステルポリマーより低い融解温度を有するポリエステルコポリマーを含む請求項6に記載の印刷媒体。
【請求項8】
前記外面が、10μm以下の表面粗さRzを有する平滑なカレンダ処理面である請求項1に記載の印刷媒体。
【請求項9】
前記第一不織布層が、三裂葉断面のポリエステルホモポリマーマトリックス連続フィラメントから形成されたスパンボンド不織布と、前記マトリックス連続フィラメントを接着させる、より低い融点のポリエステルコポリマーの繊維状バインダーとを含む請求項1に記載の印刷媒体。
【請求項10】
前記少なくとも1つの追加不織布層が、前記第一布に接着している第二スパンボンド不織布(前記第二スパンボンド不織布は、三裂葉断面のポリエステルホモポリマーマトリックス連続フィラメントから形成される)と、それらのマトリックス連続フィラメントを接着させる、より低い融点のポリエステルコポリマーの繊維状バインダーとを含む請求項9に記載の印刷媒体。
【請求項11】
前記スパンボンド層のフィラメントが、フィラメントあたり約1から10デニールである、請求項1に記載の印刷媒体。
【請求項12】
全基本重量が、平方ヤードあたり少なくとも3オンスである請求項1に記載の印刷媒体。
【請求項13】
前記外面上にインク受容性組成物の塗膜を含む請求項1に記載の印刷媒体。
【請求項14】
CDとXDの両方に関して少なくとも120ポンドのグラブ引張強度を有する請求項1に記載の印刷媒体。
【請求項15】
印刷インクを受容するためのカレンダ処理外面を有し、ならびに三裂葉断面のポリエステルホモポリマーマトリックス連続フィラメントから形成されたスパンボンド不織布および該マトリックス連続フィラメントを接着させる、より低い融点のポリエステルコポリマーの繊維状バインダーを含む第一不織布層と、
前記第一不織布層に接着している第二不織布層であって、三裂葉断面のポリエステルホモポリマーマトリックス連続フィラメントから形成されたスパンボンド不織布および該第二不織布層のマトリックス連続フィラメントを接着させる、より低い融点のポリエステルコポリマーの繊維状バインダーを含む第二不織布層とを備え、
前記第一および第二不織布層中に存在する前記コポリマーバインダーが、前記第一不織布層と第二不織布層を互いに接着させる不織布印刷媒体であって、ASTM D−737−80に従って25CFM以下の気孔率を有する不織布印刷媒体。
【請求項16】
前記第一および第二不織布層が、もっぱらポリエステルから形成される請求項15に記載の印刷媒体。
【請求項17】
前記カレンダ処理外面上に、インク受容性組成物の塗膜を含む請求項15に記載の印刷媒体。
【請求項18】
前記第一および第二不織布層が、より低い融点のポリエステルコポリマーの前記バインダーフィラメントによって互いに直接接着される請求項15に記載の印刷媒体。
【請求項19】
前記第一不織布層と第二不織布層の間に配置され、それらに接着している少なくとも1つの中間不織布層をさらに備える請求項15に記載の印刷媒体。
【請求項20】
フィラメントあたり約1から10デニールのポリエチレンテレフタレートホモポリマーマトリックス連続フィラメントと、該マトリックス連続フィラメントを接着させる、より低い融点のポリエチレンイソフタレートコポリマーの繊維状バインダーとから形成された、表面粗さRzが10μm以下である外面を有する第一不織布層と、
前記第一不織布層に接着している第二不織布層であって、ポリエチレンテレフタレートホモポリマーマトリックス連続フィラメントと、該第二不織布層のマトリックス連続フィラメントを接着させる、より低い融点のポリエチレンイソフタレートコポリマーの繊維状バインダーとから形成された第二不織布層とを備え、
前記第一および第二不織布層中に存在するポリエチレンイソフタレートコポリマーバインダーが、前記第一不織布層と第二不織布層を互いに接着させる印刷媒体であって、平方ヤードあたり3から12オンスの基本重量を有し、ASTM D−737−80に従って25CFM以下の気孔率を有する不織布印刷媒体。
【請求項21】
熱可塑性ポリマー連続フィラメントの第一不織布層を形成するステップと、
第二不織布層を形成するステップと、
前記第一および第二不織布層を互いに重なるように方向付けるステップと、
複合不織布を形成するために、前記第一および第二不織布層を対向させて接着させるステップと、
印刷インクを受容するためのカレンダ処理外面を形成するために、前記第一不織布層の露出外面をカレンダ処理するステップと
を含む印刷媒体の製造方法であって、ASTM D−737−80に従って75CFM以下の気孔率を有する印刷媒体の製造方法。
【請求項22】
前記接着させるステップが、一対の協動カレンダロールの間のニップを通して前記印刷媒体を輸送することを含む請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記接着させるステップが、第二の一対の協動カレンダロール間の第二ニップを通して前記印刷媒体を輸送することをさらに含み、該第二ニップが第一ニップより高い圧力をかける請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第二ニップの間隙が、第一ニップの間隙より狭い請求項23に記載の方法。
【請求項25】
インク受容性塗膜を前記第一不織布層の外面に塗布するステップを含む請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記第一不織布層を形成するステップおよび前記第二不織布層を形成するステップが、三裂葉断面のポリエステルホモポリマーマトリックス連続フィラメントと、該マトリックス連続フィラメントを接着させる、より低い融点のポリエステルコポリマーの繊維状バインダーとからそれぞれのスパンボンド不織布層を形成することを含み、
前記第一不織布層および第二不織布層を対向させて接着させるステップが、前記第一および第二不織布層中に存在するコポリマーバインダーが軟化して溶融し、これらの層を互い接着させるために、それぞれの不織布層を加熱することを含む請求項21に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷インクを受容するための外面を有する、三裂葉断面の熱可塑性ポリマー連続マトリクスフィラメントと、該連続マトリクスフィラメントを互いに接着させるより低い融点の熱可塑性ポリマーとを含む第一スパンボンド不織布層と、
一体型の複合シート材を形成するために、前記第一不織布層に接着している少なくとも1つの追加不織布層と
を備えてなる不織布印刷媒体であって、
前記少なくとも1つの追加不織布層が、前記第一布に接着している第二スパンボンド不織布を含み、
第二スパンボンド不織布は、
三裂葉断面のポリエステルホモポリマーマトリックス連続フィラメントから形成される)と、
それらのマトリックス連続フィラメントを接着させる、より低い融点のポリエステルコポリマーの繊維状バインダーとを含み、
同一の熱可塑性ポリマーバインダーが、また、前記第一不織布層を前記少なくとも1つの追加不織布層に接着させる、
ASTM D−737−80に従って75CFM(2.12m3/分)以下の気孔率を有する不織布印刷媒体。
【請求項2】
前記不織布印刷媒体の気孔率が、ASTM D−737−80に従って25CFM(0.708m3/分)以下である請求項1に記載の印刷媒体。
【請求項3】
前記熱可塑性ポリマーバインダーが、最初は繊維の形態である請求項3に記載の印刷媒体。
【請求項4】
前記熱可塑性ポリマー連続フィラメントが、ポリエステルから形成される請求項3に記載の印刷媒体。
【請求項5】
前記熱可塑性ポリマーバインダーが、前記連続フィラメントのポリエステルポリマーより低い融解温度を有するポリエステルコポリマーを含む請求項4に記載の印刷媒体。
【請求項6】
前記外面が、10μm以下の表面粗さRzを有する平滑なカレンダ処理面である請求項1に記載の印刷媒体。
【請求項7】
前記スパンボンド層のフィラメントが、フィラメントあたり約1から10デニールである、請求項1に記載の印刷媒体。
【請求項8】
全基本重量が、平方ヤードあたり少なくとも3オンス(平方メートルあたり少なくとも0.102kg)である請求項1に記載の印刷媒体。
【請求項9】
前記外面上にインク受容性組成物の塗膜を含む請求項1に記載の印刷媒体。
【請求項10】
CDとXDの両方に関して少なくとも120ポンドのグラブ引張強度を有する請求項1に記載の印刷媒体。
【請求項11】
印刷インクを受容するためのカレンダ処理外面を有し、ならびに三裂葉断面のポリエステルホモポリマーマトリックス連続フィラメントから形成されたスパンボンド不織布該マトリックス連続フィラメントを互いに接着させる、より低い融点のポリエステルコポリマーの繊維状バインダーを含む第一不織布層と、
前記第一不織布層に接着している第二不織布層であって、三裂葉断面のポリエステルホモポリマーマトリックス連続フィラメントから形成されたスパンボンド不織布および該第二不織布層のマトリックス連続フィラメントを接着させる、より低い融点のポリエステルコポリマーの繊維状バインダーを含む第二不織布層とを備え、
前記第一および第二不織布層中に存在する前記コポリマーバインダーが、前記第一不織布層と第二不織布層を互いに接着させる不織布印刷媒体であって、
ASTM D−737−80に従って25CFM(0.708m3/分)以下の気孔率を有する不織布印刷媒体。
【請求項12】
前記第一および第二不織布層が、もっぱらポリエステルから形成される請求項11に記載の印刷媒体。
【請求項13】
前記カレンダ処理外面上に、インク受容性組成物の塗膜を含む請求項11に記載の印刷媒体。
【請求項14】
前記第一および第二不織布層が、より低い融点のポリエステルコポリマーの前記バインダーフィラメントによって互いに直接接着される請求項11に記載の印刷媒体。
【請求項15】
前記第一不織布層と第二不織布層の間に配置され、それらに接着している少なくとも1つの中間不織布層をさらに備える請求項11に記載の印刷媒体。
【請求項16】
フィラメントあたり約1から10デニールのポリエチレンテレフタレートホモポリマーマトリックス連続フィラメントと、該マトリックス連続フィラメントを接着させる、より低い融点のポリエチレンイソフタレートコポリマーの繊維状バインダーとから形成された、表面粗さRzが10μm以下である外面を有する第一不織布層と、
前記第一不織布層に接着している第二不織布層であって、ポリエチレンテレフタレートホモポリマーマトリックス連続フィラメントと、該第二不織布層のマトリックス連続フィラメントを接着させる、より低い融点のポリエチレンイソフタレートコポリマーの繊維状バインダーとから形成された第二不織布層と
を備え、
前記第一および第二不織布層中に存在するポリエチレンイソフタレートコポリマーバインダーが、前記第一不織布層と第二不織布層とを互いに接着させる印刷媒体であって、平方ヤードあたり3から12オンス(0.102kg/m2〜0.407kg/m2)の基本重量を有し、
ASTM D−737−80に従って25CFM(0.708m3/分)以下の気孔率を有する不織布印刷媒体。
【請求項17】
三裂葉断面の熱可塑性ポリマー連続フィラメント、および、該マトリックス連続フィラメントを接着させる、より低い融点のポリエステルコポリマーの第一不織布層を形成するステップと、
三裂葉断面の熱可塑性ポリマー連続フィラメント、および、マトリックス連続フィラメントを接着させる、より低い融点のポリエステルコポリマーの第二不織布層を形成するステップと、
前記第一および第二不織布層を互いに重なるように方向付けるステップと、
前記第一および第二不織布層を対向させ、前記第一および第二不織布層中に存在するポリマーバインダーが軟化して溶融し、これらの層を互い接着させるように、それぞれの層を加熱することにより、不織布複合体を形成するように接着させるステップと、
印刷インクを受容するためのカレンダ処理外面を形成するために、前記第一不織布層の露出外面をカレンダ処理するステップと
を含む印刷媒体の製造方法であって、
ASTM D−737−80に従って75CFM(2.12m3/分)以下の気孔率を有する印刷媒体の製造方法。
【請求項18】
前記接着させるステップが、一対の協動カレンダロールの間のニップを通して前記印刷媒体を輸送することを含む請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記接着させるステップが、第二の一対の協動カレンダロール間の第二ニップを通して前記印刷媒体を輸送することをさらに含み、該第二ニップが第一ニップより高い圧力をかける請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第二ニップの間隙が、第一ニップの間隙より狭い請求項19に記載の方法。
【請求項21】
インク受容性塗膜を前記第一不織布層の外面に塗布するステップを含む請求項17に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−527101(P2006−527101A)
【公表日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515196(P2006−515196)
【出願日】平成16年6月4日(2004.6.4)
【国際出願番号】PCT/US2004/017755
【国際公開番号】WO2005/000595
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(505450814)リーメイ,インコーポレイテッド (6)
【Fターム(参考)】