説明

不良品の排出方法

【課題】不良品排出の制御を行いながら良品の排出を最小限にすることができる方法を提供すること。
【解決手段】欠陥の検出位置から長尺帯状シートの加工位置までの走行距離と、搬送方向の製品の長さLに基づき、検出された欠陥がどの製品のどこに位置するかを予想する。製品中における予想された欠陥の位置に応じて、欠陥の検出位置に対応するシフトレジスタにのみ欠陥検出ビットを立てて不良品と設定するか、又は欠陥の検出位置に対応するシフトレジスタに欠陥検出ビットを立てるのに加え、その前側及び/又は後側に位置するシフトレジスタの1個又は2個以上に欠陥検出ビットを立てて不良品と設定し、下流の不良品排出位置で該不良品を排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続的に製造される個々の製品から不良品を排出する不良品の排出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に帯状シートに、例えば、介在物を貼付したり、シールや裁断をする等の加工をする場合、シートは巻回されたロールから巻き出されて供給される。巻き出されたシートには、目的とする個々の製品ピッチに対応するようなマークなどが付されていない場合が多い。個々の製品の加工では、最初に加工した位置を基準にして、次工程の加工位置を合わせて加工する。原反シートに含まれる不良部の検査は、最初の加工前に行われるのが通常なので、不良部がどの製品に入るかは、検査位置から最初の加工位置までのシート長さで決まる。ところが、シートがその搬送途中に伸縮する場合はこの長さが変化するので、シートの不良部が含まれる製品を確実に排出するために、1カ所の不良部に対して3〜5個以上の製品を不良品として排出している。この排出された不良品中には実際には良品が多数含まれている。不良率が0.1%程度であれば、不良品1個に対して良品を3〜4個を排出しても、経済的に大きな問題にはならないが、不良率が例えば2%程度に高くなると、良品の排出は無視できない数になる。
【0003】
各工程の品質検査は、最終製品でどれが不良なのかが判ればよいので、不良部にマーキングを施して、不良品排出部でその不良マークを検出して排除することが行われている。例えば本出願人は先に、不良品を検出する検出手段と、検出手段で検出された不良品を含む所定数の製品を排出品として排出する排出手段と、排出手段で排出された排出品に排出順位を示す符号を付するマーキング手段とを備えた不良品の排出システムを提案した(特許文献1参照)。この排出システムによれば、不良品の排出タイミングを、手間をかけずに容易に調整することができるという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−79187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、不良品を確実に排除するためには、各検査機位置に対応した数の確実なマーキング装置とその検出装置が必要であり、その結果、製造装置が高価になり、またマーキングしてもそれが製品内部に入ってしまった場合には、後からの検出が容易でないことも多い。更に、マーキングする位置は、製品中で欠陥が実際に存在している位置とは無関係である。
【0006】
したがって本発明の課題は、前述した従来技術の改良にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、走行する長尺帯状シートに一又は二以上の加工を行い長尺帯状加工品を製造し、然る後、該加工品をその長手方向と交差する方向に裁断又は打ち抜いて個々の製品を製造する装置を用い、
該装置は、該長尺帯状シートに含まれる欠陥を検出し、該欠陥を含む製品を、前記の裁断後に不良品として排出し、かつ製品の製造工程に連動してシフト信号を発生させるようになされており、
長尺帯状シートに欠陥が検出されたら、該装置の制御部に備えられたシフトレジスタに欠陥検出ビットを立て、
該シフトレジスタにおいて、前記シフト信号の発生ごとに、欠陥検出ビットを1ビットずつシフトさせていき、
シフトされた該欠陥検出ビットが、不良品の排出位置として予め該シフトレジスタに設定されたビットに到達したら、そのときに該装置の不良品排出位置にある製品を不良品として排出する、不良品の排出方法であって、
欠陥の検出位置から長尺帯状シートの加工位置までの走行距離と、搬送方向の製品の長さLに基づき、検出された欠陥がどの製品のどこに位置するかを予想し、
(イ)製品中における予想された欠陥の位置に応じて、欠陥の検出位置に対応するシフトレジスタにのみ欠陥検出ビットを立てて不良品と設定するか、又は
(ロ−1)欠陥の検出位置に対応するシフトレジスタに欠陥検出ビットを立てるのに加え、その前側及び/又は後側に位置するシフトレジスタの1個又は2個以上に欠陥検出ビットを立てて不良品と設定し、下流の不良品排出位置で該不良品を排出するか、若しくは
(ロ−2)欠陥の検出位置に対応するシフトレジスタに欠陥検出ビットを立てるのに加え、該欠陥検出ビットが、不良品の排出位置として予め該シフトレジスタに設定されたビットに到達したときに、該欠陥検出ビットの前側及び/又は後側に位置するシフトレジスタの1個又は2個以上に欠陥検出ビットを立てて不良品と設定し、該不良品を排出する不良品の排出方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、不良品排出の制御を行いながら、排出された製品に含まれる良品の排出数を最小限にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の方法を実施することで得られる製品の一例を示す一部破断斜視図である。
【図2】図2には、本発明の方法を実施するために用いられる好適な装置の一例を示す模式図である。
【図3】図3(a)〜(c)は、本発明の方法の基本となる制御方法の概念図である。
【図4】図4(a)〜(c)は、シフトレジスタにおける欠陥検出ビットの位置と、第1原反シートにおける欠陥の存在する位置との関係を示す模式図である。
【図5】図5は、長尺帯状シートの伸長又は縮小が小さい場合における、予想された欠陥の位置と、実際の欠陥の位置との関係を説明するための図である。
【図6】図6は、長尺帯状シートの伸長又は縮小が小さい場合における、予想された欠陥の位置と、実際の欠陥の位置との関係を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の方法を実施することで得られる製品の一例が示されている。同図に示す製品1は、第1シート1aと、第2シート1bと、両シート間に配置された介在物1cとを備えている。第1シート1a及び第2シート1bは、同形のものであり、例えば各種の合成樹脂フィルムや、各種の繊維シートなどから構成されている。両シート1a,1bは同一の材料から構成されていてもよく、あるいは異なる材料から構成されていてもよい。第1シート1a及び/又は第2シート1bは、伸長性及び/又は収縮性を有している場合がある。なお、巻回体より繰り出されたシートは加工のための搬送中に、巻回体の状態、シートの材料、搬送テンション等の要因により、伸長してしまう場合、収縮してしまう場合、伸長及び収縮の両方の挙動が生じる場合があり、以降、搬送によるシートの伸長性及び収縮性の両方を説明する場合には、便宜的にこれらを総称して「伸縮性」と表わすこともある。
【0011】
介在物1cとしては、製品1の具体的な用途に応じて各種の材料が用いられる。介在物1cは、所定の厚みを有しており、第1シート1a及び第2シート1bよりも小型のものである。第1シート1a及び第2シート1bは、介在物1cの周縁から外方に延出しており、両シート1a,1bの延出部が互いに接合されて、介在物1cを両シート1a,1b間に形成される空間内に密封している。
【0012】
介在物1cとしては、例えば粉粒体と液体との混練成形物、粉粒体の圧縮成形物、繊維積繊体、1プライ又はマルチプライの紙、金属板や木材板等の剛直体、それらの2種以上の組み合わせなどが用いられる。
【0013】
図2には、本発明の方法を実施するために用いられる好適な装置の一例が示されている。同図に示す装置10は、第1原反シート供給部20、第2原反シート供給部30、介在物供給部40、シート重合部50、封止部60、裁断部70及び不良品排出部80を備えている。
【0014】
第1原反シート供給部20においては、第1原反シート21の巻回体からなる繰り出しロール22から連続帯状の第1原反シート21が繰り出される。第1原反シート21は、先に述べた図1に示す第1シート1aの原料となるものである。繰り出された第1原反シート21は、第1欠陥検出部23を通過する。第1欠陥検出部23は、光源24と受光センサ25との組み合わせを備えている。光源24と受光センサ25とは、第1原反シート21を挟んで対向する位置に配置されている。第1欠陥検出部23は主として、第1原反シート21に存在するピンホール、異物混入等の欠陥を検出するために用いられる。受光センサ25によって欠陥が検出された場合、欠陥の検出を知らせる信号が、受光センサ25より装置10の制御部(図示せず)に送信される。
【0015】
第1欠陥検出部23を通過した第1原反シート21は、次にダンサーロール26を通過する。ダンサーロール26は、上下方向に移動が可能な構造になっており、第1原反シート21の張力を一定にする目的で用いられる。
【0016】
第2原反シート供給部30は、上述した第1原反シート供給部20とほぼ同様の構成になっている。すなわち、第2原反シート31の巻回体からなる繰り出しロール32から連続帯状の第2原反シート31が繰り出される。第2原反シート31は、先に述べた図1に示す第2シート1bの原料となるものである。繰り出された第2原反シート31は、光源34と受光センサ35との組み合わせを備えた第2欠陥検出部33を通過する。受光センサ35によって欠陥が検出された場合、欠陥の発生を知らせる信号が、受光センサ35より装置10の制御部(図示せず)に送信される。第2欠陥検出部33を通過した第2原反シート31は、ダンサーロール36を通過する。
【0017】
介在物供給部40は、介在物1cの製造部(図示せず)において製造された介在物1cが、無端ベルト41によって所定の間隔をおいて搬送されるようになっている。無端ベルト41上に載置された介在物1cは、第1原反シート21と合流し、第1原反シート21の面上に乗り移る。第1原反シート21の幅は、介在物1cの幅よりも大きくなっている。介在物1cは、第1原反シート21の幅方向の中央部に載置される。第1原反シート21は介在物供給部40の位置で介在物1cと合体するのでこの位置で裁断部が決定される。
【0018】
シート重合部50においては、介在物1cを所定の間隔で載置した第1原反シート21の上面に、第2原反シート供給部30から繰り出された第2原反シート31が重ね合わされる。第2原反シート31の幅は、第1原反シート21の幅と同じになっており、第2原反シート31の重ね合わせによって、介在物1cはその全体が両原反シート21,31によって被覆される。第2原反シート31は、シート重合部50の位置で介在物1cと合体するので、この位置でも裁断部が決定される。
【0019】
封止部60においては、両原反シート21,31によって被覆された状態の介在物1cの周縁外方の位置において、両原反シート21,31が接合される。接合は、両原反シート21,31の材質に応じて適切な手段が用いられる。接合手段としては、熱融着、超音波接合、接着剤による接着などの公知の方法が挙げられる。両原反シート21,31の接合は、介在物1cの周縁外方の位置において連続接合線が形成されるように行ってもよく、あるいは接合線が不連続に形成されるように行ってもよい。いずれの接合形態を採用する場合であっても、接合線は、介在物1cの周縁外方の位置において、該介在物1cを取り囲むように、実質的に閉じた形状となるように形成される。
【0020】
封止部60における加工によって、両原反シート21,31と、その間に所定の間隔をおいて配置された複数の介在物1cとから構成される長尺帯状加工品100が形成される。この長尺帯状加工品100は、先に述べた図1に示す製品1が一方向に複数個連続して結合した状態のものに対応する。
【0021】
封止部60よりも下流側の位置には、位置合わせセンサ61a,61bが設置されている。位置合わせセンサ61a,61bは、長尺帯状加工品100の上側に位置している。位置合わせセンサ61a,61bは、例えば長尺帯状加工品100における介在部1cの前端縁又は後端縁の位置を検出して制御部(図示せず)に送信する。制御部(図示せず)では、位置合わせセンサ61a,61bからの検出信号に基づき、位置合わせセンサ61a,61bが位置する箇所よりも下流の位置において長尺帯状加工品100に対して行われる裁断等のタイミングを制御する。すなわち、裁断等の位置合わせを制御する。位置合わせセンサ61a,61bによって検出される介在部1cの前端縁又は後端縁の位置は、目的とする製品1の長さの基準位置となる。つまり、一つの介在部1cの前端縁から、それに隣り合う別の介在部1cの前端縁までの距離が、搬送方向における製品1の長さLに相当する。
【0022】
長尺帯状加工物100に対する前記の裁断は、例えば介在物1cと、それに隣り合う介在物1cとの中間の位置で行われる。位置合わせセンサ61a,61bはこの裁断の位置合わせの目的で用いられる。この裁断は一定間隔で行われるのではなく、位置合わせセンサ61a,61bからの検出信号に基づき、適正な位置での裁断が行われるように裁断ごとにタイミングが調整されている。このように、位置合わせセンサ61a,61bは、長尺帯状加工物100に施す裁断等のタイミングを合わせる目的で用いられる。
【0023】
裁断部70は、カッターロール71とアンビルロール72とを備えている。カッターロール71及びアンビルロール72は、長尺帯状加工品100を挟んで対向する位置において、それらのロールの回転軸が、長尺帯状加工品100の搬送方向と直交するように配置されている。裁断部70においては長尺帯状加工品100が裁断される。裁断は、長尺帯状加工品100において、搬送方向に前後する介在物1cの間の略中央部の位置において行われる。裁断は、長尺帯状加工品100の長手方向と交差する方向に行われる。この裁断は、搬送方向と直交する方向でも斜めに交差する方向でもよい。また、直線状の裁断だけでなく、波状等の裁断形状をしていてもよい。裁断部70における長尺帯状加工品100の裁断によって、目的とする製品1が製造される。この裁断と同時に、裁断部70から信号が発生し、制御部へと送信される。以下、この信号のことを「シフト信号」と呼ぶ。シフト信号は、裁断ごとに発生するので、シフト信号間の時間は、製品1が長さLだけ移動するのに要する時間である。
【0024】
このようにして得られた製品1は、無端ベルト81によって搬送されて不良品排出部80に向かう。製品1を挟んで無端ベルト81の上側には複数の監視センサ82a,82b,82cが設置されている。これらの監視センサ82a,82b,82cは、無端ベルト81上を搬送される製品1の数に対応する数が設置されている。これらの監視センサ82a,82b,82cによって、無端ベルト81上を搬送される製品1のピッチずれが正確に測定される。
【0025】
不良品排出部80においては、先に述べた第1原反シート供給部20及び第2原反シート供給部30にそれぞれ設置されている受光センサ25,35から制御部(図示せず)に送信された欠陥の検出信号に基づき、該制御部が、欠陥を含む製品1’を排出する命令を発する。この排出命令に基づき、公知の排出装置(図示せず)によって欠陥を含む製品、すなわち不良品1’が排出される。欠陥を含まない製品1は、梱包等の後工程へと搬送される。
【0026】
次に、以上の装置10を用いた不良品の排出方法について説明する。まず、基本となる制御方法について説明する。図3には、基本となる制御方法の概念図が示されている。なお、以下の説明は、第1原反シート21に欠陥が検出された場合を例にとり説明するが、第2原反シート31に欠陥が検出された場合も同様の制御が行われる。
【0027】
第1原反シート21に欠陥が検出されると、その検出信号が、第1欠陥検出部23から装置10の制御部(図示せず)に送信される。制御部においては、欠陥の検出信号を受信すると、図3(a)に示すように、該制御部に備えられた演算手段におけるシフトレジスタの0ビット目に欠陥検出ビットを立てる。すなわちシフトレジスタの0ビット目の状態を1にしてフラグを立てる。図3(a)において、黒く塗りつぶされた位置が、欠陥検出ビット(フラグ)が立っているビットである。
【0028】
シフトレジスタに記憶された検欠陥出ビットは、制御部がシフト信号を受信するごとに1ビットずつ上位ビットにシフトしていくようになっている。シフト信号は、上述したとおり、裁断部70において長尺帯状加工品100を裁断するたびに発生するようになっている。図3(b)には、図3(a)に示す状態を基準として、シフト信号が1回発生した後のシフトレジスタの状態が示されている。同図から明らかなように、図3(a)に示す状態のシフトレジスタと比較して、欠陥検出ビットが立っている位置が、上位側に1ビットシフトしている。なお、短い間隔で複数の欠陥があり、次のシフト信号の間において複数の検出信号があった場合には、シフト信号の間であれば、発生ずる欠陥検出ビットは1つである。
【0029】
シフト信号の発生ごとに欠陥検出ビットがシフトしていくことから明らかなように、シフトレジスタにおける欠陥検出ビットは、第1原反シート21における欠陥が、装置10の製造ラインのどの位置に対応しているかを表している。具体的には、欠陥検出ビットがシフトレジスタの0ビット目に記憶されている場合は、第1原反シート21における欠陥は、第1欠陥検出部23に位置している。欠陥検出ビットがシフトレジスタの1ビット目に記憶されている場合は、欠陥は、製品1の長さLを基準として第1欠陥検出部23の位置から1ピッチ下流側に位置している。したがって、第1欠陥検出部23の位置から、不良品排出部80の位置までの長さが決定されれば、その長さと、製品1の長さとの関係から、シフトレジスタの最上位ビットが決定される。図3(a)〜(c)では、シフトレジスタの最上位ビットは133となっている。したがって、欠陥検出ビットがシフトしていき、シフトレジスタの133ビット目に位置するとき、第1原反シート21における欠陥が、不良品排出部80に到達していることになる。この状態を図3(c)に示す。このように、シフトされた欠陥検出ビットが、不良品の排出位置として予めシフトレジスタに設定されたビット(図3では133ビット)に到達したら、そのときに装置10の不良品排出部80にある製品1を不良品1’として排出する。
【0030】
本方法においては、第1原反シート21に欠陥が検出されたとき、その欠陥が、どの製品のどの位置に入るかを予想する点に特徴の一つを有する。具体的には、欠陥の検出位置である第1欠陥検出部23の位置から、加工工程の一つである第1原反シート21と介在物1cとの合体工程が行われる位置G1(図2参照)までの走行距離、及び製品1の長さL(製品1の搬送方向に沿う長さ)に基づき、第1原反シート21に検出された欠陥が、製品中のどこに位置するかを、装置10の制御部(図示せず)によって予想する。
【0031】
検出された欠陥が製品中のどこに位置するか予想するために、具体例を説明する。まず、加工機の状態及びシートの伸縮率が通常生産時の平均と考えられる標準状態において、基準信号(通常はシフト信号を使用)が出力された時の、検出部23の位置から加工位置までの第1原反シート21の走行距離Dを求める。ここでは加工位置は合体位置G1(図2参照)とし、また切断予定位置は、製品1の搬送方向に沿って隣り合う2個の介在物1cの中間位置(製品の前端となる)とした。このDを製品1の長さLで割った商Nと剰余Mを算出しておく。そして、第1欠陥検出部23から出力された欠陥の検出を知らせる信号と基準信号との距離的な差をPとした場合に、この欠陥が合体位置G1に来たときの、裁断予定位置から欠陥位置までの距離はP+Mと予測できる。このP+Mを、製品における欠陥位置Aとする。また、検出部23から不良品排出位置までの欠陥検出ビットがシフトする個数は、合体位置G1から不良品排出位置までのシフト数にNを加えたものとなる。なお、P+MがLを超えたときは(P+M−L)を欠陥位置Aとし、シフト数はN+1を欠陥位置Aのシフト数に加えた数になる。
【0032】
同様に、欠陥の検出位置である第2欠陥検出部33の位置から、加工工程の一つである第2原反シート31と介在物1cとの合体工程が行われる位置G2(図2参照)までの走行距離、及び製品1の長さL(製品1の搬送方向に沿う長さ)に基づき、第2原反シート31に検出された欠陥が、製品中のどこに位置するかを、装置10の制御部(図示せず)によって予想する。具体的には前述の第1原反シート21と同様に行う。以下、の説明においては、位置G1及び位置G2を総称して「合体位置」と言う。
【0033】
本明細書で言う前記の「走行距離」とは、走行経路中にダンサーロールが存在していない場合には、装置10の設計上の走行距離に相当するが、図2に示すように走行経路中にダンサーロールが存在している場合には、該ダンサーロールの上下動に起因して変化する実際の走行距離のことを言う。例えば第1原反シート21の走行中にダンサーロール26がx(mm)下降した場合には、第1原反シート21の走行距離は、装置10の設計上の走行距離に2xを加えた値となり、x(mm)上昇した場合には、第1原反シート21の走行距離は、装置10の設計上の走行距離に2xを引いた値となる。また、第2原反シート31の走行中にダンサーロール36がx(mm)上昇した場合には、第2原反シート31の走行距離は、装置10の設計上の走行距離に2xを加えた値となり、x(mm)下降した場合には、第2原反シート31の走行距離は、装置10の設計上の走行距離に2xを引いた値となる。ダンサーロール26、36の上下動の程度は、その位置をセンサによって監視することで測定することができる。
【0034】
予想された欠陥の位置が、製品1の搬送方向の中央域であれば、ダンサーロールの上下動の程度が、製品ピッチ(製品の長さL)の1/2に近い値であっても、隣の製品に欠陥が入ることがないため、欠陥検出ビットが、不良品の排出位置として予めシフトレジスタに設定されたビットに到達したときに、装置10の不良品排出部80にある製品1のみを排出する。なお、製品ピッチの1/2と比較するダンサーロールの上下動は2xである。この状態を図4(a)に示す。第1欠陥検出部23で検出された第1原反シート21の欠陥DPは、シフトレジスタの0ビット目に欠陥検出ビットとして記憶され、それがシフト信号の発生に連れてシフトしていき、シフトレジスタの133ビット目までシフトすると、第1原反シート21の欠陥DPは不良品排出部80に到達している。
【0035】
これに対して、予想された欠陥DPの位置が、製品1の搬送方向の前端側に偏倚していた場合には、ダンサーロールの変位が僅かな場合であっても、隣の製品に欠陥が入る可能性がある。そこで、シフトレジスタの最上位ビットに欠陥検出ビットが立ったとき、不良品排出部80にある製品1を排出するとともに、それに先だって、該製品1の搬送方向の前側に位置する1又は2以上の製品1も排出するようにすれば、不良品1’を確実に排出することができる。一方、予想された欠陥の位置が、製品1の搬送方向の後端側に偏倚していた場合には、シフトレジスタの最上位ビットに欠陥検出ビットが立ったとき、不良品排出部80にある製品1を排出するとともに、該製品1の搬送方向の後側に位置する1又は2以上の製品1も引き続き排出するようにすれば、不良品1’を確実に排出することができる。
【0036】
ダンサーロール26,36の基準位置は、装置10の定常運転状態でのダンサーロール26,36のロール位置と定める。その状態での第1欠陥検出部23の位置からシート重合部50の位置までの原反シート21,31の走行距離を、装置10の設計上の走行距離とする。
【0037】
以上の制御方法によって、欠陥を含む製品1を不良品1’として確実に排出することができる。しかも、不良品1’の前側及び/又は後側に位置する良品の製品1の排出数を必要最低限にとどめることができる。
【0038】
ダンサーロール26,36の上下動に起因して原反シート21,31の実際の走行距離が変動することに加え、原反シート21,31が伸長性又は収縮性を有している場合には、上述したダンサーロール26,36の上下動に起因する原反シート21,31の走行距離の変動を加味した制御だけでは、不良品1’を確実に排出できない場合がある。例えば第1原反シート21が伸長した場合には、図4(b)に示すように、欠陥検出ビットがシフトレジスタの最上位ビットまでシフトしたときに、実際の欠陥の位置DRが、予想された欠陥の位置DPよりも上流側にあり、不良品排出部80に未だ到達していない状態が生じる。一方、第1原反シート21が収縮した場合には、図4(c)に示すように、欠陥検出ビットがシフトレジスタスタの最上位ビットまでシフトしたときに、実際の欠陥の位置DRが、予想された欠陥の位置DPよりも下流側にあり、不良品排出部80を既に通過してしまっている状態が生じる。欠陥検出ビットがシフトレジスタの最上位ビットまでシフトしたときに、図4(b)及び(c)に示す状態になっていると、不良品1’が排出されず、その代わりに、該不良品1’の前側又は後側に位置する良品の製品1が排出されてしまう。したがって、排出されなかった不良品1’は良品の製品として販売されてしまう。
【0039】
そこで、第1原反シート21(及び/又は第2原反シート31)が、伸長性又は収縮性を有している場合には、上述の制御に加えて、以下に述べる制御を行うことが好ましい。すなわち、欠陥の検出位置である欠陥検出部23,33の位置から、加工位置である合体位置G1,G2までにおける原反シート21,31の伸長又は収縮に起因する長さの変動量を予め測定しておく。具体的には、使用される原反シートから引っ張り強度の高いシート、小さいシート、平均的なシートを抽出し、予め一定ピッチでマークを付けておき、それぞれ装置にセットし、生産状態で許容される範囲の張力(最大値、平均値、最小値)を与え、検出位置から合体位置までの走行距離における伸長及び収縮の度合いを求める。平均値の張力と比べた伸長及び収縮のそれぞれ最大値を求め、更に安全率を加味して、合体位置までの原反シートの長さの変動量の最大値を決定し、欠陥検出部(欠陥の検出位置)から合体位置(加工位置)までの長尺帯状シートの伸長時の変動の最大値をB1とし、収縮時の変動の最大値をB2とする。そして、この変動量B1、B2と、製品1中における予測された欠陥の位置Aとの大小関係に基づき、不良品の排出を制御する。具体的な排出の制御は以下のとおりである。なお、製品1中における予測された欠陥の位置Aは、製品1の搬送方向前側(下流)からの距離で表される(後述する図5及び図6参照)。
【0040】
まず、(B1+B2)≦Lのときについて、図5を用いて説明する。製品長さL内に伸縮の変動が収まる場合である。図5のように、製品1をその上流側よりb1、b3、b2の3つの領域にわける。領域b1は上流の切断予定位置S1から伸長時の変動の最大値B1で確定され、領域b2は下流の切断予定位置S2から収縮時の変動の最大値B2で確定され、領域b1と領域b2の間を領域b3とする。欠陥が領域b1にある場合には、搬送方向下流に最大量の収縮(B2)が発生しても、欠陥は下流側の製品1Bに入ることはないが、搬送方向上流に最大量の伸長(B1)が発生した場合には、欠陥は上流側の製品1Aに入る可能性がある。欠陥が領域b2にある場合には、搬送方向上流に最大量の伸長(B1)が発生しても、欠陥は上流側の製品1Aに入ることはないが、搬送方向下流に最大量の収縮(B2)が発生した場合には、欠陥は上流側の製品1Aに入る可能性がある。一方、欠陥が領域b3にある場合には、搬送方向下流に最大量の収縮(B2)が発生しても、あるいは搬送方向上流に最大量の伸長(B1)が発生しても、欠陥は下流側の製品1Bや上流側の製品1Aに入ることはない。
【0041】
したがって、欠陥が領域b3に位置する、A>B2かつ(L−A)>B1を満たす関係にある場合には、欠陥の検出位置に対応する1つのシフトレジスタにのみ欠陥検出ビットを立てておき、シフト後、不良品排出位置で、その製品1個のみを不良品として排出する。
【0042】
これに対して、欠陥が領域b2に位置する、A≦B2である場合には、該欠陥は、搬送方向下流に収縮が発生した場合には、下流の裁断予定位置S2を越えて下流側の製品1Bに入る可能性があるため、欠陥の検出位置に対応するシフトレジスタに加え、製品の搬送方向の前側(下流側)に対応するシフトレジスタにも欠陥検出ビット立てておき、該ビットが不良品の排出位置として予めシフトレジスタに設定されたビットにシフトしたら、不良品排出位置で合計2個の製品1を不良品として排出する。
【0043】
一方、欠陥が領域b1に位置する、(L−A)≦B1ならば、該欠陥は、搬送方向上流に伸長が発生した場合には、上流の裁断予定位置S1を越えて上流側の製品1Aに入る可能性があるため、欠陥の検出位置に対応するシフトレジスタに加え、前記製品の搬送方向の後側(上流側)に対応するシフトレジスタにも欠陥検出ビット立てておき、該ビットが不良品の排出位置として予めシフトレジスタに設定されたビットにシフトしたら、不良品排出位置で合計2個の製品1を不良品として排出する。
【0044】
次に、変動量の最大値が大きい場合、例えば(B1+B2)>Lのときについて図6を用いて説明する。このとき、B1及びB2はそれぞれL以下とする。前述と同様に、製品1中における予測された欠陥の位置Aは、製品1の搬送方向前側(下流)からの距離で表される。図6に示すように、製品1をその上流側よりc1、c3、c2の3つの領域にわける。上流の切断予定位置S1から伸長時の変動の最大値B1と下流の切断予定位置から収縮時の変動の最大値B2とで確定された中央の領域を領域c3とする。上流の切断予定位置S1から伸長時の変動の最大値B1の範囲であり、かつ領域c3を除いた領域を領域c1とする。また、下流の切断予定位置S2から収縮時の変動の最大値B2の範囲であり、かつ領域c3を除いた領域を領域c2とする。
【0045】
欠陥が領域c1にある場合は、最大量の収縮(B2)が発生しても下流側の製品1Bに欠陥が入ることはなく、また欠陥が領域c2にあるときは、最大量の伸長(B1)が発生しても上流の製品1Aに欠陥が入ることはない。一方、欠陥が領域c3にある場合には、搬送方向下流に最大量の収縮(B2)が発生すると欠陥は下流側の製品1Bに入る可能性があり、搬送方向上流に最大量の伸長(B1)が発生すると欠陥は上流側の製品1Aに入る可能性がある。
【0046】
従って、欠陥が領域c3に位置する、A<B2かつ(L−A)<B1を満たす関係にある場合には、欠陥の検出位置に対応するシフトレジスタに加え、製品の搬送方向の後側(上流側)および前側(下流側)に対応するシフトレジスタにも欠陥検出ビットを立てておき、該ビットが不良品の排出位置として予めシフトレジスタに設定されたビットにシフトしたら、不良品排出位置で合計3個の製品1を不良品として排出する。
【0047】
これに対して、欠陥が領域c1に位置する、A>B2ならば、搬送方向上流に伸長が発生した場合には、該欠陥は上流の裁断予定位置S1を越えて上流側の製品1Aに入る可能性があるため、欠陥の検出位置に対応するシフトレジスタに加え、前記製品の搬送方向の後側(上流側)に対応するシフトレジスタにもビット立てておき、該ビットが不良品の排出位置として予めシフトレジスタに設定されたビットにシフトしたら、不良品排出位置で合計2個の製品1を不良品として排出する。
【0048】
一方、欠陥が領域c2に位置する、(L−A)>B1である場合には、搬送方向下流に収縮が発生した場合には、該欠陥は下流の裁断予定位置S2を越えて下流側の製品1Bに入る可能性があるため、欠陥の検出位置に対応するシフトレジスタに加え、製品の搬送方向の前側(下流側)に対応するシフトレジスタにも欠陥検出ビット立てておき、該ビットが不良品の排出位置として予めシフトレジスタに設定されたビットにシフトしたら、不良品排出位置で合計2個の製品1を不良品として排出する。
【0049】
この方法に従い、欠陥検出部23から合体位置G1までの間における原反シート21の伸長又は収縮に起因する長さの変動量B1,B2を予め測定しておき、その値と、予想された欠陥の位置Aとの関係に基づき、排出する製品1を決定する。また、同様に欠陥検出部33から合体位置G2までの間における原反シート31の伸長又は収縮に起因する長さの変動量B1,B2を予め測定しておき、その値と、予想された欠陥の位置Aとの関係に基づき、排出する製品1を決定する。そして、原反シート21と原反シート31のそれぞれの欠陥から設定された不良品を総合して、不良品排出位置で排出する。このように排出される不良品の数を制御することで、良品の製品1の排出数を必要最低限にとどめることができる。
【0050】
前記の変動量B1,B2を求めるときの欠陥検出部23,33の位置から合体位置G1,G2の位置までの原反シート21,31の伸長又は収縮の程度は、例えば、原反シート21,31に何らかの手段でマーキングを施しておき、該マーキングが欠陥検出部23,33を通過するときにマーキングを検出し、かつ該マーキングが合体位置G1,G2を通過するときにもマーキングを検出することで測定することが好ましい。しかし、マーキングのための部材を装置10に別途に付設することは経済的でない。そこで、原反シート21,31の継ぎ合わせ時(繰り出しロール22,32の取り替え時)に該シート21,31に貼付されるスプライシングテープを利用し、該テープをマーキングとして利用することが有利である。この観点から、スプライシングテープとして、その存在が光学的に容易に検出できる材料、例えばアルミニウムテープ等を用いることが好ましい。
【0051】
以上の説明は、欠陥を検出したときに不良品に欠陥検出ビットを立てることを基本として、該欠陥検出ビットの前側及び/又は後側に位置するシフトレジスタの1個又は2個以上にも欠陥検出ビットを立てるものであるが、これに代えて、欠陥検出ビットが、不良品の排出位置として予め該シフトレジスタに設定されたビットに到達したときに、該欠陥検出ビットの前側及び/又は後側に位置するシフトレジスタの1個又は2個以上に欠陥検出ビットを立てて不良品と設定し、該不良品を排出するようにしてもよい。
【0052】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されず、当業者の通常の知識の範囲内で適宜の改変が可能である。
【0053】
例えば、変動量の最大値がさらに大きい場合、例えば(B1+B2)>2Lの場合や、B1,B2がそれぞれL以上の場合、同様の考え方で、不良品の排出のためシフトレジスタに立てる欠陥検出ビットは、欠陥の検出位置に対応するシフトレジスタに加え、更に該シフトレジスタの前後の複数のシフトレジスタにも立てられる。
【0054】
また、原反シートの変動量を予め測定しておくための、欠陥検出位置からの加工位置を、前記実施形態においては原反シートと介在物との合体位置としたが、これには制限されず、封止部等の他の位置を加工位置としてもよい。
【0055】
また前記の実施形態においては、長尺帯状加工品100をその長手方向と交差する方向に裁断して製品1を製造したが、これに代えて、長尺帯状加工品100を打ち抜いて製品1を製造してもよい。
【0056】
また前記の実施形態においては、長尺帯状加工品100を裁断するたびにシフト信号を発生させたが、シフト信号の発生はこの場合に限られず、製品の製造工程に連動する限り、他の工程においてシフト信号を発生させてもよい。例えば、原反シート21,31を封止するときにシフト信号を発生させてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 製品
1’不良品
1c 介在物
10 製造装置
20 第1原反シート供給部
21 第1原反シート
25 受光センサ
30 第2原反シート供給部
31 第2原反シート
35 受光センサ
40 介在物供給部
50 シート重合部
60 封止部
61a,61b 位置合わせセンサ
70 裁断部
80 不良品排出部
82a,82b,82c 監視センサ
100 長尺帯状加工物
P 予想された欠陥
R 実際の欠陥
1,G2 合体位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行する長尺帯状シートに一又は二以上の加工を行い長尺帯状加工品を製造し、然る後、該加工品をその長手方向と交差する方向に裁断又は打ち抜いて個々の製品を製造する装置を用い、
該装置は、該長尺帯状シートに含まれる欠陥を検出し、該欠陥を含む製品を、前記の裁断後に不良品として排出し、かつ製品の製造工程に連動してシフト信号を発生させるようになされており、
長尺帯状シートに欠陥が検出されたら、該装置の制御部に備えられたシフトレジスタに欠陥検出ビットを立て、
該シフトレジスタにおいて、前記シフト信号の発生ごとに、欠陥検出ビットを1ビットずつシフトさせていき、
シフトされた該欠陥検出ビットが、不良品の排出位置として予め該シフトレジスタに設定されたビットに到達したら、そのときに該装置の不良品排出位置にある製品を不良品として排出する、不良品の排出方法であって、
欠陥の検出位置から長尺帯状シートの加工位置までの走行距離と、搬送方向の製品の長さLに基づき、検出された欠陥がどの製品のどこに位置するかを予想し、
(イ)製品中における予想された欠陥の位置に応じて、欠陥の検出位置に対応するシフトレジスタにのみ欠陥検出ビットを立てて不良品と設定するか、又は
(ロ−1)欠陥の検出位置に対応するシフトレジスタに欠陥検出ビットを立てるのに加え、その前側及び/又は後側に位置するシフトレジスタの1個又は2個以上に欠陥検出ビットを立てて不良品と設定し、下流の不良品排出位置で該不良品を排出するか、若しくは
(ロ−2)欠陥の検出位置に対応するシフトレジスタに欠陥検出ビットを立てるのに加え、該欠陥検出ビットが、不良品の排出位置として予め該シフトレジスタに設定されたビットに到達したときに、該欠陥検出ビットの前側及び/又は後側に位置するシフトレジスタの1個又は2個以上に欠陥検出ビットを立てて不良品と設定し、該不良品を排出する不良品の排出方法。
【請求項2】
欠陥の検出位置から長尺帯状シートの加工位置までにおける長尺帯状シートの伸長又は収縮に起因する長さの変動量を予め測定しておき、
製品中における欠陥の位置と変動量との関係により下記の条件で不良品を排出する、請求項1記載の不良品の排出方法。
A:製品中における欠陥の位置であり、予想される製品の裁断位置の搬送方向の前側からの距離。
B1:予め測定した欠陥の検出位置から加工位置までの長尺帯状シートの伸長時の変動の最大値。
B2:予め測定した欠陥の検出位置から加工位置までの長尺帯状シートの収縮時の変動の最大値。
L:製品の長さ(規定値)。
(B1+B2)≦Lのときは、
(i−1)A>B2であり、かつ(L−A)>B1ならば、欠陥の検出位置に対応するシフトレジスタにのみ欠陥検出ビットを立てて1個の不良品を排出する。
(i−2)A≦B2ならば、欠陥の検出位置に対応するシフトレジスタに加え、前記製品の搬送方向の前側(下流側)に対応するシフトレジスタにも欠陥検出ビット立て、合計2個を不良品として排出する。
(i−3)(L−A)≦B1ならば、欠陥の検出位置に対応するシフトレジスタに加え、前記製品の搬送方向の後側(上流側)に対応するシフトレジスタにも欠陥検出ビット立て、合計2個を不良品として排出する。
【請求項3】
欠陥の検出位置から長尺帯状シートの加工位置までにおける長尺帯状シートの伸長又は収縮に起因する長さの変動量を予め測定しておき、
製品中における欠陥の位置と変動量との関係により下記の条件で不良品を排出する、請求項1記載の不良品の排出方法。
A:製品中における欠陥の位置であり、予想される製品の裁断位置の搬送方向の前側からの距離。
B1:予め測定した欠陥の検出位置から加工位置までの長尺帯状シートの伸長時の変動の最大値。
B2:予め測定した欠陥の検出位置から加工位置までの長尺帯状シートの収縮時の変動の最大値。
L:製品の長さ(規定値)。
(B1+B2)>Lの場合は(ただしB1及びB2はそれぞれL以下)、
(ii−1)A<B2かつ(L−A)<B1ならば、欠陥の検出位置に対応するシフトレジスタに加え、前記製品の搬送方向の後側(上流側)および前側(下流側)に対応するシフトレジスタにも欠陥検出ビット立て、合計3個を不良品として排出する。
(ii−2)A>B2ならば、欠陥の検出位置に対応するシフトレジスタに加え、前記製品の搬送方向の後側(上流側)に対応するシフトレジスタにも欠陥検出ビット立て、合計2個を不良品として排出する。
(ii−3)(L−A)>B1ならば、欠陥の検出位置に対応するシフトレジスタに加え、前記製品の搬送方向の前側(下流側)に対応するシフトレジスタにも欠陥検出ビット立て、合計2個を不良品として排出する。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−120994(P2012−120994A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−274839(P2010−274839)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】