説明

不飽和化合物の精製方法、及び製造装置

本発明は、装置内で精製を行う不飽和化合物の精製方法であって、当該装置が少なくとも2つの蒸発器を有し、かつこれらの蒸発器は前記不飽和化合物の一部が1つの循環に送られるように接続されており、この際に第一の蒸発器で凝縮された蒸発物が単離され、かつ第二の蒸発器で凝縮された蒸発物が第一の蒸発器に導入される方法に関し、本方法は、凝縮された蒸発物を第一の蒸発器で精製すべき混合物から単離する質量流量が、凝縮された蒸発物を第二の蒸発器から第一の蒸発器に導入する質量流量よりも少ないことを特徴とする。さらに本発明は本方法を実施するための装置を記載し、当該装置は少なくとも3つの蒸発器を有し、これらの蒸発器は、第一の蒸発器の液相に残る残留物を、第二の蒸発器に導入することができ、第二の蒸発器の凝縮された蒸発物を第一の蒸発器に、及び第二の蒸発器の液相に残る残留物を第三の蒸発器に導入することができ、かつ第三の蒸発器の凝縮された蒸発物を、第二の蒸発器に導入することができるように、相互に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不飽和化合物の精製方法に関する。加えて本発明は、当該方法を実施するための装置を記載する。
【0002】
沸点が高い不飽和化合物は、精製の際に副生成物を形成する傾向がある。このことによって当該化合物の単離との関連で、多様な問題が生じる。例えば、不飽和化合物の重合により、生成装置内に堆積物が形成されることがある。従って生成物の高品質を保証するためには、この装置を時々清掃する必要がある。
【0003】
先行技術
加えて副生成物の形成は、総収率の減少につながる。構造体がより少ないことが原因で僅少な圧力低下を有する1つの塔を備える蒸留釜で精製すると、これらの問題を回避することができる。しかしながらこのことによって、最適な分離性能を達成することはできない。他方、可能な限り純粋な生成物を提供することが、いろいろな面で必要である。特に問題のある化合物に該当するのは、とりわけグリコールエステル、例えばヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートである。ポリマーの他に、これらの化合物はジ(メタ)アクリラートを形成することがあり、これらは特に望ましくない。前述の問題を解決するために、すでに努力がなされてきた。
【0004】
例えば印刷文献CN1502601は、多くの工程を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートの精製方法を記載している。この際に個々の工程は、連続的に接続されている。第一の薄膜蒸発器では、難揮発性の化合物が分離される。蒸発された生成物は凝縮され、そして流下薄膜式蒸発器に誘導される。薄膜式蒸発器で、精製すべき化合物を易揮発性成分から精製する。さらなる薄膜式蒸発器で、塔頂を通じてこの生成物を取り出し、難揮発性成分は僅少な生成物割合で第一の薄膜式蒸発器に返送される。これに相応して生成物は、循環には送られない。文献CN1502601に記載された方法に従って精製されたヒドロキシプロピル(メタ)アクリラートは、約98.7%の純度を示した。
【0005】
さらに文献EP-A-1 090 904は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートの精製方法を記載している。本方法では、薄膜式蒸発器とともに蒸留釜を使用し、この際に蒸留釜の塔底液が薄膜式蒸発器に導入される。蒸留釜の塔は、圧力低下につながる構造体を有さない。この手法によって、ジエステル含分が僅少で、比較的高純度の精製された生成物が得られる。しかしながら純粋な蒸留と比較して、純度は98.1%から98.5%に僅かに上昇するだけである。ここで重要なのは、滞留時間を短いままに保つことができることである。蒸発された生成物を薄膜式蒸発器から蒸留釜に大量に返送することは、定量的に記載されていない。
【0006】
前述の方法はすでに、従来の先行技術と比較して改善点を示している。とは言え、純度、並びに不飽和化合物の収率をさらに改善させることに対しては、継続的な需要がある。
【0007】
課題
先行技術を考慮した上で本発明の課題は、高収率で特に純粋な生成物につながる、不飽和化合物の精製方法を提供することである。
【0008】
さらなる課題はとりわけ、精製の際の副生成物形成が特に僅少な方法を確立することであった。とりわけ本方法は、精製用装置内で堆積物が僅かにしか形成されないことにつながるのが望ましかった。このことにより、清掃処置が原因となって装置の稼働を中断させる必要がなくなり、より長い持続的な装置稼働が可能となるのが望ましかった。
【0009】
さらに本方法は、可能な限り容易に、かつコスト的に有利に行うことができるのが望ましかった。
【0010】
そこでさらに、本発明の課題は、相応する方法を実施するための装置を提供することであった。この際、当該装置は、容易な方法で清掃することができるのが望ましかった。
【0011】
解決法
前記課題並びに他の明確に挙げられていなが、これまで導入的に議論された関連から容易に導き出せるか又は推測できる課題は、請求項1のすべての特徴を有する方法により解決される。本発明による方法の適切な変形は、下位請求項で保護される。本方法実施のための装置については、請求項20が問題の解決を記載している。
【0012】
これに相応して本発明の対象は、装置内で精製を行う不飽和化合物の製造方法であって、当該装置が少なくとも2つの蒸発器を有し、かつこれらの蒸発器は前記不飽和化合物の一部が1つの循環に送られるように接続されており、この際に第一の蒸発器で凝縮された蒸発物が単離され、かつ第二の蒸発器で凝縮された蒸発物が第一の蒸発器に導入される精製方法であり、本方法は凝縮された蒸発物を第一の蒸発器で精製すべき混合物から単離する質量流量が、凝縮された蒸発物を第二の蒸発器から第一の蒸発器に導入する質量流量よりも少ないことを特徴とする。
【0013】
このことにより、特に良好な特性プロフィールを有する先に記載した種類の方法を、予期できなかったやり方で提供することができる。意外なことに、とりわけ特に高い純度の生成物が非常に良好な収率で得られる。
【0014】
さらに、精製の際の副生成物形成は、特に僅少である。この際、本方法は、精製用装置内で堆積物が僅かにしか形成されないことにつながる。このことにより、装置の稼働を中断させる必要が無くなり、より長い継続的な装置稼働を行うことができる。
【0015】
加えて本発明による方法は、非常に容易であり、かつコスト的に有利に行うことができる。
【0016】
さらに本発明は、相応する方法を実施するための装置を提供し、この際に当該装置は容易に清掃することができる。
【0017】
本発明の方法はとりわけ、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する不飽和化合物の精製に役立つ。特に興味深いのは、とりわけ1,013mbarで、約150℃〜約300℃の沸点を有する化合物である。適切には本発明による方法はとりわけ、グリコールエステルの精製に使用することができる。これに属するのは例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリラート、例えば2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート、及び異性体、ヒドロキシブチル(メタ)アクリラート、及び異性体、並びに上記化合物から成る混合物である。これらの化合物の製造は一般的に公知であり、この際に有用な指摘は、とりわけ先に引用した先行技術に見られる。従ってこれらの化合物はとりわけ、(メタ)アクリル酸とエポキシド、例えばエチレンオキシド又はプロピレンオキシドとの反応により得ることができる。
【0018】
精製は安定剤の存在下で行うことができ、この際にこれらの安定剤は既に不飽和化合物の製造のために多様に用いることができる。従って分別されるべき多くの混合物は既にこれらの化合物を有しており、この際にこれらの化合物は場合により後で添加してもよい。好ましい安定剤に属するのはとりわけ、フェノール化合物、例えばヒドロキノン、メチルヒドロキノン、t−ブチルヒドロキノン、2,6−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、及びヒドロキノンモノメチルエーテル;p−フェニレンジアミン、例えばN−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、及びN,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン;アミン、例えばチオジフェニルアミン、及びフェノチアジン;銅ジアルキルジチオカルバマート、例えば銅ジブチルジチオカルバマート、銅ジエチルジチオカルバマート、及び銅ジメチルジチオカルバマート;ニトロ化合物、例えばニトロソジフェニルアミン、イソアミルニトリット、N−ニトロソシクロヘキシルヒドロキシルアミン、N−ニトロソ−N−フェニル−N−ヒドロキシルアミン、及びこれらの塩;及びN−オキシル化合物、例えば2,2,4,4−テトラメチルアゼチジン−1−オキシル、2,2−ジメチル−4,4−ジプロピルアゼチジン−1−オキシル、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル、2,2,5,5−テトラメチル−3−オキソピロリジン−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、6−アザ−7,7−ジメチルスピロ[4,5]デカン−6−オキシル、2,2,6,6−テトラメチル−4−アセトキシピペリジン−1−オキシル、及び2,2,6,6−テトラメチル−4−ベンゾイルオキシピペリジン−1−オキシルである。これらの化合物は、好ましくは0.0001質量%〜1質量%の範囲、特に好ましくは0.0005質量%〜0.5質量%の範囲の量で、精製すべき混合物に含まれていてよい。
【0019】
この精製は、少なくとも2つの蒸発器を有する装置で行う。本発明の範囲において「蒸発器」という言葉は、気相への不飽和化合物の移送に適切な装置である。これに該当するのはとりわけ、薄膜式蒸発器、例えば流下薄膜式蒸発器、及び回転ワイプシステムを有する蒸発器、並びに循環式蒸発器、例えば強制循環式の、又は自然循環式の蒸発器である。短経路蒸発器(Kurzwegverdampfer)もまた、使用することができる。このような装置は公知である(Ullmanns Encyclopedia of Industhal Chemistry (6. Auflage), Verlag Wiley-VCH, Weinheim 2003, Band 36, 505ページ参照)。
【0020】
本発明による方法を実施するための装置では、不飽和化合物の一部を1つの循環に送ることができるように少なくとも2つの蒸発器が接続されており、この際に第一の蒸発器で凝縮された蒸発物が単離され、かつ第二の蒸発器で凝縮された蒸発物が第一の蒸発器に導入される。
【0021】
既に説明したようにこれらの蒸発器は、不飽和化合物の一部を1つの循環に送ることができるように、相互に接続されている。これはつまり、気相に移送されなかった第一の蒸発器に残っている組成物の一部が、第二の蒸発器、例えばその塔底に移送されるということである。この塔底はとりわけ、難揮発性化合物を高い割合で含む。本発明によれば凝縮された蒸発物を第一の蒸発器で精製すべき混合物から単離する質量流量が、凝縮された蒸発物を第二の蒸発器から第一の蒸発器に導入する質量流量よりも少ない。特に興味深いのはとりわけ、精製すべき混合物から凝縮された蒸発物を第一の蒸発器で単離する質量流量(3)対、凝縮された蒸発物を第二の蒸発器から第一の蒸発器に導入する質量流量(6)の比が、好適には0.4〜1.5の範囲、特に好ましくは0.5〜0.8の範囲にある方法である。これにより、第一の蒸発器に導入される組成物(2)の高い割合が塔底を通じて第二の蒸発器に導入される(4)。この割合は、先に述べた2つの質量流量の比から得られる。
【0022】
特別な実施態様によれば、本発明による方法を、少なくとも3つの蒸発器を備え、この際に第一と第二の蒸発器との間に1つの循環が(4&6)、かつ第二と第三の蒸発器の間に1つの循環(7&9)が形成され、この際に先にした説明は、循環について相応して通用する。
【0023】
この際に、第二の蒸発器から凝縮された蒸発物を第一の蒸発器に導入する質量流量(6)対、凝縮された蒸発物を第三の蒸発器から第二の蒸発器に導入する質量流量(9)の比が、0.75〜35の範囲、特に好ましくは2〜10の範囲にあってよい。本発明による方法のこの構成により、とりわけ収率を意想外に上昇させることができる。
【0024】
精製すべき混合物は好適には、第一の、及び/又は第二の蒸発器に導入することができる。特に興味深いのはとりわけ、精製すべき混合物の少なくとも一部を、まず第一の蒸発器に導入し、かつ精製すべき混合物のさらなる一部を、まず第二の蒸発器に導入する方法である。
【0025】
適切には、第一の蒸発器に導入される精製すべき混合物の部分対、第二の蒸発器に導入される精製すべき混合物の部分のモル比が、9:1〜0.1:1の範囲、特に好ましくは8:1〜2:1の範囲にあってよい。
【0026】
蒸発器の種類は、本発明による方法の実施にとってはそれ自体、二次的な重要性しかない。ただし、循環式蒸発器を第一の、及び第二の蒸発器として使用することが適切であると証明されている。第三の蒸発器としては好適には、薄膜式蒸発器を使用する。
【0027】
本発明による精製方法は、広い圧力範囲、及び広い温度範囲で実施することができる。副生成物の形成を可能な限り僅少に保つために、適切には温度を低いレベルに維持する。これに相応して、本発明による方法は好適には、僅少な圧力で実施する。他方、非常に僅少な圧力の保持は、非常に高コストになる。
【0028】
従って特に適切には、不飽和化合物を好適には0.1mbar〜20mbarの範囲、特に好ましくは1mbar〜10mbarの範囲の圧力で気相に移送させる。
【0029】
この際に必要な温度は、その都度の不飽和化合物の蒸気圧曲線から得られる。不飽和化合物が気相に移送される温度は一般的に、好適には50〜150℃の範囲、特に好ましくは60℃〜110℃の範囲である。
【0030】
本発明の特別な態様によれば、第一の蒸発器は好適には、1.5〜2Pa0.5のガス負荷係数で稼働させる。適切には第一の蒸発器を稼働させるガス負荷温度は、好ましくは0.8〜3.0Pa0.5の範囲である。ガス負荷係数(F係数)は、ガス排出のための管の内空断面積に基づくガス速度と、ガス密度の平方根との積から計算される(Klaus Sattler, Till Adrian, Thermische Trennverfahren (3. Auflage), VCH-Verlag, Weinheim 2001 , 234ページ参照)。
【0031】
本発明はさらに、本発明による方法を実施するための好ましい装置を提供する。本発明による装置は、少なくとも3つの蒸発器を有し、液相に残る第一の蒸発器の残留物を、第二の蒸発器に誘導することができ、第二の蒸発器の凝縮された蒸発物を第一の蒸発器に、及び第二の蒸留器の液相に残る残留物を第三の蒸発器に誘導することができ、かつ第三の蒸発器の凝縮された蒸発物を、第二の蒸発器に誘導することができるように、これらの装置が相互に接続されている。
【0032】
本発明の装置の特別な実施態様によれば、当該装置は少なくとも2つの循環式蒸発器と、1つの薄膜式蒸発器を有する。適切には精製すべき混合物をまず循環式蒸発器に誘導し、この際に好適には薄膜式蒸発器を第三の蒸発器として使用する。
【0033】
蒸発器で生じる蒸発物は、通常の接続部によって装置のさらなる構成要素に誘導することができる。蒸発後にガスを排出するため、一般的には、とりわけ管を使用する。好適にはどの蒸発器も1つの塔を有し、その結果装置は少なくとも3つの塔を含む。ここで「塔」という言葉は、この中に単純な管も含まれるものと包括的に理解されるべきである。本発明の特別な態様によれば、直径がとりわけ0.05m〜5m、特に好ましくは0.3m〜3mの範囲の塔を使用することができる。この際に適切には、とりわけ、僅少な圧力低下作用をもたらす塔を使用する。特に重要なのは、とりわけF係数が0.8〜3.0Pa0.5、好適には1.5〜2.0Pa0.5の範囲で、0.5〜10の範囲、好適には1mbar〜5mbarの範囲の圧力低下につながる塔である。これに相応して好適には、充填物又は構造体を有さない塔を使用する。しかしながらここから除外されているのは、ミストセパレータ(デミスタ)であり、これは、選択される条件では一般的に蒸発しないがミスト中に同伴され得る化合物を、塔底に留まらせることに役立つ。
【0034】
好適には、気相に移送される組成物を、次の蒸発器に導入する前に凝縮することができる(凝縮された蒸発物)。これに相応して、異なる蒸発器の間に、冷却器が設置されていてよい。これに相応して、本発明を実施するための好ましい装置は、3つの相互に接続された蒸留釜を含むことができる。
【0035】
しかしながら本発明は、3つの蒸発器若しくは3つの蒸発釜を有する装置に限定されない。さらなる実施態様によれば、本発明による装置は、4つ、5つ、又は5つより多い蒸発器を有することができ、これらは相応して先述の原則に相応して相互に接続されていてよく、その結果2つの蒸発器の間にはそれぞれ1つの循環が形成される。
【0036】
より詳しい説明のために、本発明を図1を用いて記載するが、このことによって本発明が限定されるべきではない。
【0037】
図1は、本発明を実施するための好ましい装置の概略図である。第一の循環式蒸発器(1)に、質量流(2)を通じて生成物から得られるヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートが導入される。循環式蒸発器は、1mbar〜10mbarの範囲の圧力で稼働させることができ、この際にそれぞれのエステルによって55℃〜120℃の温度範囲が生じる。留出物を凝縮し、そして質量流(3)を通じて装置から誘導する。このために必要な冷却器は、蒸発器とともに一つのユニットを形成するか、又は個別のユニットとして構成されていてよい。導入されるエステルの蒸発しない含分は、質量流(4)を通じて第二の循環式蒸発器(5)(この蒸発器内で供給されるエステルの大部分が蒸発される)に誘導することができ、そして凝縮後、質量流(6)を通じて第一の循環式蒸発器(1)に移送される。第二の循環式蒸発器(5)で形成される残留物は、質量流(7)を通じて薄膜式蒸発器(8)に誘導される。薄膜式蒸発器(8)では同様に、導入される混合物の一部が気相に移送され、凝縮され、そして質量流(9)を通じて第二の循環式蒸発器(5)に導入される。薄膜式蒸発器(8)に残っている残分は、質量流(10)を通じて装置から排出される。
【0038】
蒸発器(5)若しくは(8)は好適には同様に、1〜10mbarの範囲の圧力で、及び55〜120℃の温度で稼働することができる。好適には、精製される化合物を質量流(3)を通じて装置から排出する質量流量対、生成物から得られるヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートを質量流(2)を通じて装置に導入する質量流量の比が、0.85〜0.97、好ましくは0.90〜0.95の範囲になるように、装置を調節する。
【0039】
特に有利には、高沸点性化合物を、第一の循環式蒸発器(1)からの高質量流量で第二の循環式蒸発器(5)への導管(4)によって移送する。高沸点性化合物と共に、第一の循環式蒸発器(1)から導管(4)によって第二の循環式蒸発器(5)に移送する質量流量対、生成物から得られるヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートを導管(2)を通じて装置に導入する質量流量の比は、好適には0.75〜2の範囲、特に好ましくは1.20〜1.80の範囲である。
【0040】
適切には、第二の循環式蒸発器(5)で凝縮された蒸発物を導管(6)を通じて第一の循環式蒸発器(1)に移送する質量流量対、生成物から得られるヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートを導管(2)を通じて装置に導入する質量流量の比は、0.75〜1.90の範囲、特に好ましくは1.25〜1.75の範囲であるが、このことによって限定されるべきではない。
【0041】
第二の循環式蒸発器(5)で得られる残留物、高沸点性の化合物は、薄膜式蒸発器(8)に導入される。この際に好適には、この高沸点性化合物を導管(7)を通じて薄膜式蒸発器(8)に移送する質量流量対、生成物から得られるヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートを導管(2)を通じて装置に導入する質量流量の比が、0.05〜1.25の範囲、特に好ましくは0.10〜0.50であるように、装置を調整する。
【0042】
薄膜式蒸発器(8)で形成される気相は、凝縮後第二の循環式蒸発器(5)に移送される。好適には、凝縮された蒸発物を第二の循環式蒸発器(5)に移送する質量流量対、生成物から得られるヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートを導管(2)を通じて装置に導入する質量流量の比が、0.01〜1.20の範囲、特に好適には0.05〜0.50の範囲である。
【0043】
薄膜式蒸発器(8)で得られる残留物は、装置から排出される。適切には、薄膜式蒸発器(8)で得られる残留物を装置から排出する質量流量対、生成物から得られるヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートを導管(2)を通じて装置に導入する質量流量の比が、0.03〜0.15、特に好ましくは0.05〜0.10である。
【0044】
図1に従って、本装置をヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートとの関連で記載した。質量流量、とりわけ個々の質量流量の比は、他の不飽和化合物、とりわけ他のグリコールエステルにも同様に当てはまる。同様のことは、他の種類の蒸発器、又は3つより多い蒸発器を含む装置にも当てはまる。精製すべき混合物を1つより多い質量流量を通じて装置に誘導する場合、先に記載した値は、装置に導入される全量を有する質量流量に対する。
【0045】
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、これにより本発明が限定されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明を実施するための好ましい装置の概略図である。
【0047】
実施例1
図1に記載した装置で、14日間にわたって行われた継続試験で、2−ヒドロキシエチルメタクリラートを精製した。第一の循環式蒸発器(1)は、約2mbar〜3mbarの圧力で、及び約66〜72℃の温度で稼働させた。先に実施した生成物から得られた2−ヒドロキシエチルメタクリラートを導管(2)を通じて装置に導入した供給量は、平均で1.605kg/hであった。第一の循環式蒸発器(1)から得られた蒸発物を、装置から導管(3)を通じて導出した質量流量は、平均で1.518kg/hであった。
【0048】
第一の循環式蒸発器(1)で得られた残留物を、平均で1.930kg/hの質量流量で導管(4)を通じて第二の循環式蒸発器(5)に誘導した。第二の循環式蒸発器(5)は、約2mbar〜3mbarの圧力で、及び約66℃〜74℃の温度で稼働させ、この際、凝縮された蒸発物は平均で1.843kg/hの質量流量で導管(6)を通じて第一の循環式蒸発器(1)に誘導した。
【0049】
第二の循環式蒸発器(5)で得られた残留物を、平均で0.580kg/hの質量流量で導管(7)を通じて薄膜式蒸発器(8)に誘導した。薄膜式蒸発器(8)は、約2mbar〜3mbarの圧力で、及び約68℃〜78℃の温度で稼働させ、この際、凝縮された蒸発物は平均で0.493kg/hの質量流量で導管(9)を通じて循環式蒸発器(5)に誘導した。平均で0.087kg/hの得られた残留物を、導管(10)を通じて装置から排出した。
【0050】
導管(2)を通じて装置に導入された2−ヒドロキシエチルメタクリラートは、約95.0%の純度を有していた。精製された2−ヒドロキシエチルメタクリラートは、99.1%の純度を示した。収率は、94.6%であった。この装置は、この継続試験後、形成されたポリマーの痕跡を示さなかった。
【0051】
実施例2
図1に記載した装置で、15日間にわたって行われた継続試験で、ヒドロキシプロピルメタクリラートを精製した。第一の循環式蒸発器(1)は、約2mbar〜3mbarの圧力で、及び約68〜78℃の温度で稼働させた。先に実施した生成物から得られたヒドロキシプロピルメタクリラートを導管(2)を通じて装置に導入した供給量は、平均で1.486kg/hであった。第一の循環式蒸発器(1)から得られた蒸発物を、装置から導管(3)を通じて導出した質量流量は、平均で1.403kg/hであった。
【0052】
第一の循環式蒸発器(1)で得られた残留物を、平均で1.540kg/hの質量流量で導管(4)を通じて第二の循環式蒸発器(5)に誘導した。
【0053】
第二の循環式蒸発器(5)は、約2mbar〜3mbarの圧力で、及び約70℃〜78℃の温度で稼働させ、この際、凝縮された蒸発物は平均で1.475kg/hの質量流量で導管(6)を通じて第一の循環式蒸発器(1)に誘導した。
【0054】
第二の循環式蒸発器(5)で得られた残留物を、平均で0.680kg/hの質量流量で導管(7)を通じて薄膜式蒸発器(8)に誘導した。薄膜式蒸発器(8)は、約2mbar〜3mbarの圧力で、及び約72℃〜82℃の温度で稼働させ、この際、凝縮された蒸発物は平均で0.615kg/hの質量流量で導管(9)を通じて循環式蒸発器(5)に誘導した。平均で0.065kg/hの得られた残留物を、導管(10)を通じて装置から排出した。
【0055】
導管(2)を通じて装置に導入されたヒドロキシプロピルメタクリラートは、約95.8%の純度を有していた。精製されたヒドロキシプロピルメタクリラートは、目的生成物について99.1%の純度を示した。収率は、94.4%であった。この装置は、この継続試験後、形成されたポリマーの痕跡を示さなかった。
【0056】
実施例3
図1に記載した装置で、11日間にわたって行われた継続試験で、2−ヒドロキシエチルアクリラートを精製した。第一の循環式蒸発器(1)は、約2mbar〜3mbarの圧力で、及び約58〜68℃の温度で稼働させた。先に実施した生成物から得られた2−ヒドロキシエチルアクリラートを導管(2)を通じて装置に導入した供給量は、平均で1.330kg/hであった。第一の循環式蒸発器(1)から得られた蒸発物を、装置から導管(3)を通じて導出した質量流量は、平均で1.060kg/hであった。
【0057】
第一の循環式蒸発器(1)で得られた残留物を、平均で2.100kg/hの質量流量で導管(4)を通じて第二の循環式蒸発器(5)に誘導した。第二の循環式蒸発器(5)は、約2mbar〜3mbarの圧力で、及び約60℃〜68℃の温度で稼働させ、この際、凝縮された蒸発物は平均で1.740kg/hの質量流量で導管(6)を通じて第一の循環式蒸発器(1)に誘導した。
【0058】
第二の循環式蒸発器(5)で得られた残留物を、平均で0.930kg/hの質量流量で導管(7)を通じて薄膜式蒸発器(8)に誘導した。薄膜式蒸発器(8)は、約2mbar〜3mbarの圧力で、及び約62℃〜72℃の温度で稼働させ、この際、凝縮された蒸発物は平均で0.660kg/hの質量流量で導管(9)を通じて循環式蒸発器(5)に誘導した。平均で0.270kg/hの得られた残留物を、導管(10)を通じて装置から排出した。
【0059】
導管(2)を通じて装置に導入された2−ヒドロキシエチルアクリラートは、約85.3%の純度を有していた。精製された2−ヒドロキシエチルメアクリラートは、99.0%の純度を示した。収率は、79.7%であった。この装置は、この継続試験後、形成されたポリマーの痕跡を非常に僅かに示した。
【0060】
比較例1
1つの循環式蒸発器と、1つの塔から成る装置で、14日間にわたって行われた継続試験で、2−ヒドロキシエチルメタクリラートを精製した。この装置は、約2mbar〜3mbarの圧力で、及び約65〜73℃の温度で稼働させた。先に実施した生成物から得られた2−ヒドロキシエチルメタクリラートを塔の中央に導入した供給量は、平均で1.605kg/hであった。得られた蒸発物を塔頂を通じて塔から導出した質量流量は、平均で1.495kg/hであった。平均で0.110kg/hの得られた残留物を、循環式蒸発器から、装置から排出した。
【0061】
装置に導入された2−ヒドロキシエチルメタクリラートは、約95.0%の純度を有していた。精製された2−ヒドロキシエチルメタクリラートは、98.5%の純度を示した。収率は、93.1%であった。
【0062】
この装置は、この継続試験後、形成されたポリマーの痕跡を著しく示した。
【0063】
比較例2
1つの循環式蒸発器と、1つの塔から成る装置で、15日間にわたって行われた継続試験で、ヒドロキシプロピルメタクリラートを精製した。この装置は、約2mbar〜3mbarの圧力で、及び約67〜79℃の温度で稼働させた。先に実施した生成物から得られたヒドロキシプロピルメタクリラートを塔の中央に導入した供給量は、平均で1.486kg/hであった。得られた蒸発物を塔頂を通じて塔から導出した質量流量は、平均で1.390kg/hであった。平均で0.096kg/hの得られた残留物を、循環式蒸発器から、装置から排出した。
【0064】
装置に導入されたヒドロキシプロピルメタクリラートは、約95.0%の純度を有していた。精製されたヒドロキシプロピルメタクリラートは、98.7%の純度を示した。収率は、93.5%であった。
【0065】
この装置は、この継続試験後、形成されたポリマーの痕跡を著しく示した。
【0066】
比較例3
1つの循環式蒸発器と、1つの塔から成る装置で、8日間にわたって行われた継続試験で、2−ヒドロキシエチルアクリラートを精製した。この装置は、約2mbar〜3mbarの圧力で、及び約56〜70℃の温度で稼働させた。先に実施した生成物から得られた2−ヒドロキシエチルアクリラートを塔の中央に導入した供給量は、平均で1.330kg/hであった。得られた蒸発物を塔頂を通じて塔から導出した質量流量は、平均で0.950kg/hであった。平均で0.380kg/hの得られた残留物を、循環式蒸発器から、装置から排出した。
【0067】
装置に導入された2−ヒドロキシエチルエクリラートは、約85.3%の純度を有していた。精製された2−ヒドロキシエチルアクリラートは、98.5%の純度を示した。収率は、71.4%であった。この装置は8日後に、形成されたポリマー量が多すぎるため、停止させなければならなかった。
【符号の説明】
【0068】
1 第一の蒸発器、 2 質量流、 3 質量流、 4 質量流、 5 第二の蒸発器、 6 質量流、 7 質量流、 8 第三の蒸発器、 9 質量流、 10 質量流

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置内で精製を行う不飽和化合物の精製方法であって、
当該装置が少なくとも2つの蒸発器を有し、かつこれらの蒸発器は前記不飽和化合物の一部が1つの循環に送られるように接続されており、この際に第一の蒸発器で凝縮された蒸発物が単離され、かつ第二の蒸発器で凝縮された蒸発物が第一の蒸発器に導入される、精製方法において、
凝縮された蒸発物を第一の蒸発器で精製すべき混合物から単離する質量流量が、凝縮された蒸発物を第二の蒸発器から第一の蒸発器に導入する質量流量よりも少ないことを特徴とする、精製方法。
【請求項2】
前記不飽和化合物がグリコールエステルであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記グリコールエステルがヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートであることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
第一の蒸発器で凝縮された蒸発物を精製すべき混合物から単離する質量流量対、凝縮された蒸発物を第二の蒸発器から第一の蒸発器に導入する質量流量の比が、0.4〜1.5の範囲にあることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
第一の蒸発器で凝縮された蒸発物を精製すべき混合物から単離する質量流量対、凝縮された蒸発物を第二の蒸発器から第一の蒸発器に導入する質量流量の比が、0.5〜0.8の範囲にあることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記装置が少なくとも3つの蒸発器を有し、この際に第一と第二の蒸発器との間に1つの循環が、かつ第二と第三の蒸発器の間に1つの循環が形成されることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
第二の蒸発器から凝縮された蒸発物を第一の蒸発器に導入する質量流量対、第三の蒸発器の凝縮された蒸発物を第二の蒸発器に導入する質量流量の比が、0.75〜35の範囲にあることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
精製すべき混合物の少なくとも一部を、まず第一の蒸発器に導入することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
精製すべき混合物の少なくとも一部を、まず第二の蒸発器に導入することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
精製すべき混合物の少なくとも一部を、まず第一の蒸発器に導入し、かつ精製すべき混合物のさらなる一部を、まず第二の蒸発器に導入することを特徴とする、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
第一の蒸発器に導入される精製すべき混合物の一部対、第二の蒸発器に導入される精製すべき混合物の一部の量比が、9:1〜0.1:1であることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
第一の蒸発器が、循環式蒸発器であることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
第二の蒸発器が循環式蒸発器であることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
第一の、及び/又は第二の蒸発器が、強制循環式蒸発器であることを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
第一の、及び/又は第二の蒸発器が、自然循環式蒸発器であることを特徴とする、請求項1から14までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
第三の蒸発器が、薄膜式蒸発器であることを特徴とする、請求項1から15までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
出発原料が0.1mbar〜20mbarの範囲の圧力で気相に移送されることを特徴とする、請求項1から16までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記不飽和化合物が、40〜120℃の範囲の温度で気相に移送されることを特徴とする、請求項1から17までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
気相負荷係数が、0.8〜3.0Pa0.5の範囲にあることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
請求項1から19までのいずれか1項に記載の方法を実施するための装置であって、
当該装置が少なくとも3つの蒸発器を有し、液相に残る第一の蒸発器の残留物を、第二の蒸発器に誘導することができ、第二の蒸発器の凝縮された蒸発物を第一の蒸発器に、及び第二の蒸発器の液相に残る残留物を第三の蒸発器に誘導することができ、かつ第三の蒸発器の凝縮された蒸発物を、第二の蒸発器に誘導することができるように、これらの蒸発器が相互に接続されていることを特徴とする、装置。
【請求項21】
前記装置が、少なくとも2つの循環式蒸発器、及び1つの薄膜式蒸発器を有することを特徴とする、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記装置が、少なくとも3つの塔を有することを特徴とする、請求項20又は21に記載の装置。
【請求項23】
前記塔が、F係数0.8〜3.0Pa0.5の範囲、好適には1.5〜2.0Pa0.5の範囲で、0.5〜10Pa0.5の範囲、好適には1〜5mbarの範囲の圧力低下を有することを特徴とする、請求項21に記載の装置。
【請求項24】
前記塔が、ミストセパレータ(デミスタ)を有することを特徴とする、請求項21又は22に記載の装置。
【請求項25】
請求項1から19までのいずれか1項に記載の方法により得られる、不飽和化合物。
【請求項26】
前記化合物が、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートであることを特徴とする、請求項25に記載の化合物。
【請求項27】
前記化合物が、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリラートであることを特徴とする、請求項25に記載の化合物。
【請求項28】
前記化合物が、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラートであることを特徴とする、請求項25に記載の化合物。
【請求項29】
前記化合物が、ヒドロキシブチル(メタ)アクリラートであることを特徴とする、請求項25に記載の化合物。

【図1】
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【公表番号】特表2011−504475(P2011−504475A)
【公表日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−534422(P2010−534422)
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【国際出願番号】PCT/EP2008/061359
【国際公開番号】WO2009/065633
【国際公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(390009128)エボニック レーム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (293)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Roehm GmbH
【住所又は居所原語表記】Kirschenallee,D−64293 Darmstadt,Germany
【Fターム(参考)】