説明

両立しないオレフィン重合触媒系間の変移方法

第1触媒系と第2触媒系とが両立性のない、一反応器中おけるオレフィン重合のための、当該第1触媒系から第2触媒系へ変移させる方法が記載される。当該方法は、 a)第1触媒系の共存下で行った第1オレフィン重合反応を停止し;そして b)それぞれ、第1ポリオレフィン画分および第2ポリオレフィン画分を製造する触媒成分(A)および(B)を含む第2触媒系の共存下で第2オレフィン重合反応を行う工程を含み、 ここで、第1ポリオレフィン画分のMは第2ポリオレフィン画分のMよりも小さく、触媒成分(A)の開始時の活性が触媒成分(B)の開始時の活性を上回る、方法。この方法のため、第1重合反応後、反応器を空にする必要性がなく、第2触媒系で得られるポリマーの所望の品質を達成するのに必要な変移時間が、生成物の迅速で且つ信頼のある変更を可能にするのに足る程度に短い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両立しない重合触媒系間、特に、オレフィン重合用触媒系間の、一つの反応器における、変移(transitioning)方法に関する。
さらに詳細には、本発明は、第2触媒系が第1および第2ポリオレフィン画分をそれぞれ生成する触媒成分(A)および(B)を含む、上記に記載した方法に関する。
【0002】
本願明細書および特許請求の範囲では、「触媒系」という用語は、少なくとも1種の触媒成分、すなわち、オレフィン重合反応を触媒する成分、ならびに、場合により、さらに、触媒成分を活性化する試薬(助触媒もしくは活性剤としても知られている)、担体および当業界で周知のいずれかのその他の成分、を含む系を示す。
【0003】
本願明細書および特許請求の範囲では、「混合触媒系」という用語は、少なくとも二種の触媒成分を含む触媒系を示すのに使用される。
特記しない限り、本願明細書および特許請求の範囲では、「重合」という用語は、単独重合または共重合を示すのに使用される。
【0004】
特記しない限り、本願明細書および特許請求の範囲では、「ポリマー」という用語は、ホモポリマーまたはモノマーと少なくとも一種のコモノマーとを含むコポリマーを示すのに使用される。
【0005】
前記方法は、ポリオレフィン、特にポリエチレン(これに限定されない)、の製造における上記変移を行うのに有用である。
特記しない限り、本願明細書および特許請求の範囲では、「ポリエチレン」という用語は、エチレンホモポリマーまたはエチレンと少なくとも一種の別のコモノマーとのコポリマーを示すのに使用される。
【0006】
特記しない限り、本願明細書および特許請求の範囲では、「エチレンホモポリマー」という用語は、繰り返しエチレンモノマー単位を含むポリマーであって、異なる種の可能なコモノマーが限定された量で存在し、いずれの場合も、ポリマーの融点Tが125℃またはそれ以上であるようなポリマーを示すのに使用され、ここで、融点Tは、次により良く記載される溶融ピークの最大点の温度である。Tは、ISO11357−3に準拠し、温度が200℃に達するまで20℃/分の加熱速度で第1加熱し、温度が−10℃に達するまで20℃/分の冷却速度で動的結晶化、さらに、温度が200℃に達するまで20℃/分の加熱速度で第2加熱することにより測定する。したがって、融点Tm(第2加熱の溶融ピークの最大点の温度)が、エンタルピー曲線対第2加熱温度が最大を示す温度である。
【0007】
特記しない限り、本願明細書および特許請求の範囲では、「エチレンコポリマー」という用語は、繰り返しエチレンモノマー単位およびさらに少なくとも一種の異なるコモノマーを含むポリマーであって、125℃未満の融点を有するポリマーを示すのに使用される。
【0008】
上記方法は、それのみではないが、オレフィン類、特にエチレンの重合に使用される、チグラー・ナッタ触媒系とシングルサイト触媒成分および非−シングルサイト触媒成分を含む混合触媒系との間で変移する場合、それのみで有用ではないが、気相、好ましくは、流動床反応器中で上記変移を行う。
【背景技術および従来技術】
【0009】
気相オレフィン重合法はオレフィン類の重合のための経済的な方法である。かかる気相重合法は、特に、気相流動床反応器中で行い、当該反応器中では、ポリマー粒子が適当なガス流により懸濁状態にある。この種の方法は、例えば、欧州特許出願EP−A−0475603号、EP−A−0089691号およびEP−A−0571826号に記載されており、これらの公報の内容を参照として本願明細書中に含める。
【0010】
同一反応器中で異なるグレードのポリマーを製造するために、時々、触媒系を変移
する必要性がある。したがって、反応器に要求される柔軟性および製造プラントに依存して、一定の頻度で、第1ポリマーを製造する第1触媒系を使用することと第2ポリマーを製造する第2触媒系を使用することの必要性がある。この変移は、第1触媒系および第2触媒系が互いに両立するとき、すなわち、双方の触媒系が実質的に同じプロセス条件下(通常、温度、圧力、モル質量調整剤の量等)、実質的に活性の損失なく操作できるときには実質的問題を含まない。
【0011】
しかし、第1触媒系から、当該第1触媒系と両立性のない第2触媒系への変移は、製品の量と質に関して製造の適切な継続性を確実にするのに問題をもたらし、多くの努力の対象である。
【0012】
本願明細書および特許請求の範囲では、二種の触媒系が、プロセス条件に対しておよび/またはモノマー類またはプロセスで使用するいずれかのプロセス試薬、例えば、水素のような分子量調整剤、コモノマー類もしくは耐電防止剤に対して異なる方法で応答する場合、そして、この異なる応答性が原因で、第1触媒系から第2触媒系への変移により得られるポリマーが許容できない特性(例えば、分子量および/または溶融流量とおよび/または各々の目的値からはずれた溶融比、ゲルの存在および微細性、不充分な環境亀裂抵抗)またはプロセス生産性が許容できないほど低い(例えば、反応器中にチャンクもしくはシートのため)場合、互いに両立性がない。
【0013】
この定義は、触媒系の部分を構成する成分のいずれかおよび上述に適用する。したがって、本願明細書および特許請求の範囲では、二種の触媒系は、第1触媒系の少なくとも一成分が第2触媒系の少なくとも一成分と両立性がない場合、互いに両立性がない。
【0014】
例えば、メタロセン触媒のようなシングルサイト触媒は、チグラー・ナッタ触媒とたいてい両立性がない。例えば、予め定めた溶融流量を有するポリエチレンを製造するために、チグラー・ナッタ触媒は高水素濃度(例証的例では、1のオーダーの水素対エチレンの比率)で操作する必要があるからである。
【0015】
例証的例では、シングルサイト触媒はメタロセン触媒を含む。シングルサイト触媒は、例えば、メタロセン類(場合により、環状化合物で置換されても良い、シクロペンタジエニル誘導体類を含む)、フェノキシミン誘導体類、ならびに、2もしくは3配位窒素原子を持つ中性または荷電二座もしくは三座窒素リガンドからなる群から選択される化合物を含む。
【0016】
本願明細書および特許請求の範囲では、「メタロセン触媒」という表現は、少なくとも一つのシクロペンタジエニル遷移金属錯体を含み、通常、下記の式:
【0017】
【化1】

【0018】
(式中、Cpは置換もしくは無置換シクロペンタジエニル環もしくはその誘導体であり、Mは遷移金属、好ましくは、第4、5または6族金属であり、Rは1〜20炭素原子を有するヒドロカルビル基もしくはヒドロカルボキシ基であり、そしてXはハロゲンである)を有する化合物を示す。通常、本明細書中で言及するメタロセン触媒成分は、少なくとも一つの金属原子に結合された一以上のかさ高リガンドを有する半もしくは全サンドウィッチ化合物を含む。典型的なメタロセン触媒成分は、通常、一以上の嵩高リガンドおよび少なくとも一つの金属原子に結合した一以上の脱離基を含有するとして記載される。本願明細書および特許請求の範囲の目的のため、脱離基という用語は、嵩高リガンドメタロセン触媒から引き抜き、1種以上のオレフィン類を重合できるメタロセン触媒カチオンを形成できるいずれかのリガンドである。
【0019】
嵩高リガンドは、通常、一つ以上の開環もしくは縮合環またはそれらの組み合わせにより表す。これらの環または環系は、典型的には、第13族〜第16族から選択される原子から構成され、好ましくは、これらの原子は炭素、窒素、酸素、ケイ素、リン、硼素およびアルミニウムまたはこれらの組み合わせからなる群から選択される。最も好ましくは、環または環系は、シクロペンタジエニルリガンドもしくはシクロペンタジエニル型リガンド構造またはペンタジエン、シクロオクタテトラエンジイルもしくはイミドリガンドのようなその他の類似の官能性リガンド構造のような炭素原子から構成されるが、これらに限定されない。金属原子は、好ましくは、元素の周期律表の第3族〜第16族およびランタノイドもしくはアクチノイド系から選択される。好ましくは、金属は、第4族〜第12族、より好ましくは、第4、5および6族の遷移金属であり、そして、最も好ましい金属は第4族である。
【0020】
しかし、例えば、メタロセン触媒のようなシングルサイト触媒は、低水素濃度(例えば、0.06モル%オーダーのセンチモル%)で操作しなければならない。
したがって、チグラー・ナッタ触媒を低水素で操作する場合、当該触媒は非常に高分子量のポリマーを生成し、一方、メタロセン触媒を低水素で操作する場合、当該触媒は低分子量ポリマーを生成する。チグラー・ナッタ触媒とメタロセン触媒とを組み合わせ、低水素濃度で操作すると、超高分子量鎖を含有するポリマーをもたらし、プロセスを続けるとゲル化してしまう。
【0021】
上述触媒系の変移を行うために、最新技術の最も一般的な方法は、失活時により第1重合反応を停止させ、反応器を空にし、反応器を洗浄し、第2触媒系を導入することにより再度重合を開始する。したがって、例えば、WO00/58377号公報は、二種の両立性のない触媒系間の不連続変更法を開示し、当該方法では、第1重合反応を停止させ、反応器からポリマーを取り除き、反応器を窒素で迅速パージし、ポリマー粒子の新種床(seedbed)を反応器に導入し、次いで、第2重合反応を開始する。しかし、一方で、反応器の開放は、反応器の再開に悪影響を及ぼす壁上への蓄積をもたらし、他方、かかる方法は重合プロセスの非連続が不可避的に必要であり、第1重合反応および第2重合反応間に受け入れることのできない長時間の停止が避けられない。
【0022】
出願WO95/26370号公報は、第1触媒系により触媒された重合反応から、メタロセン触媒を含む第2触媒系により触媒された重合反応へ変移する方法を記載し、ここで、第1および第2触媒系は両立性がない。WO95/26370号公報によれば、第1触媒系の反応器への導入を停止し、不可逆的触媒キラーおよび場合により可逆的触媒キラーを反応器中に導入し、次いで、第2触媒系を反応器中に導入する。WO95/26370号公報により記載された触媒系中、メタロセン触媒を含む混合触媒系は、一般に、予想できるが、第1触媒系から混合型の第2触媒系を変移することについて特定の教示はない。
【0023】
WO2007/059867号公報は、第1触媒を使用する重合から、気相反応器中で第1触媒と両立性のない第2触媒を使用する重合に変更する方法を記載し、当該方法は、第1触媒を使用する重合反応を停止する工程、少なくとも一種の失活剤を伴う重合条件下で反応器をフラッシュする工程、第2触媒を反応器中に導入する工程、そして第2触媒を使用する重合を継続する工程を含む。第2触媒は混合触媒である。粒子床を維持させる可能性について一般的言及がなされているが、WO2007/059867号公報の教示は依然として、反応器を空にし、新たな粒子床で反応器を満たす方法である。
【0024】
さらに、これらの先行文献の教示の観点でさえ、依然として、上記変移を行うのに使用する変移時間を減少させる必要性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
発明者は、一反応器中の両立性のない触媒系間の有効で迅速な変移を行う必要性を理解しており、ここで、異なる特性、通常、異なる分子量の個々のポリマー画分を製造することを意図した、一触媒成分のみを含むか、少なくとも二触媒成分(すなわち、複数の異種の活性種を含む混合触媒系)を含むかのいずれかの異なる触媒系を複数の重合反応を行うのに使用し、こうして、とりわけ、同一反応器中で単峰性および多峰性ポリマーの双方を製造することができる。
【0026】
公知のように、一触媒成分のみを含む触媒系により製造される、単峰性ポリマーは、単峰性分子量分布曲線、すなわち、一定の分子量を有する単一ポリマー画分の存在のため単一のピークを有する曲線、を示し、一方、例えば、各々、異なる分子量を有する異なるポリマーをもたらす、少なくとも異なる二成分触媒成分を含む混合触媒系により製造される多峰性ポリマーは、通常、異なる分子量を有する複数のポリマー画分の存在のため二つ以上の分子量ピークを示す分子量分布曲線を示す。
【0027】
ポスト反応器または溶融ブレンド処理(多段階反応器の使用)、ならびにこのような多峰性ポリマーを製造できる混合触媒系を使用することによる単一反応器中の触媒重合を含む、多峰性ポリマーを製造する別の種々の公知方法中、混合触媒系による触媒重合が好適である。単一触媒系により単一反応器中で良好な混合品質を示すポリマーを製造できるからである。
【0028】
例えば、本発明の好適ポリマー、すなわち、ポリエチレンに関して、本願明細書および特許請求の範囲では、「多峰性ポリエチレン」という表現は、異なる分子量を有する少なくとも二種のポリマー画分の存在のために、少なくとも二つの分子量ピーク、または最大ピークの側部に少なくとも一つの変曲点を有する、少なくとも二峰性分子量分布曲線を有するポリエチレンを示すのに使用される。多峰性ポリエチレンは、異なる分子量を有する少なくとも三種ポリマーの存在のため、三もしくはそれ以上の分子量ピーク(すなわち最大ピークの側部に少なくとも二個の変曲点)を示すこともできる。
【0029】
したがって、本発明の目的の一つは、特に、同一反応器中で続いて使用されることが意図された二種の両立性のない触媒系の少なくとも第2が混合型(すなわち第1触媒成分および第2触媒成分を含む)ときに、できるだけ短い時間で信頼できる触媒変移を可能にする方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0030】
発明者は、驚いたことに、第2触媒系を用いて、当該第2触媒系と両立性のない第1触媒系から切り替えた後、可能な限り短時間で予め定めた目的特性を達成する多峰性ポリマーを得るために、第2重合反応を、第2重合反応の開始時に、二種の触媒成分のうち、他の触媒より一層活性な触媒を得るように行うのが都合良いことを見出した。もし、二種の触媒のうちの一方が予め定めた開始時の間により一層活性であると、事実、ポリマーの目標特性を、第1重合の停止後短時間で達成できる。換言すれば、第2重合反応の予め定めた開始時間の間に第2触媒系の二種の触媒成分の相対活性の差により改良したより効率的な変移が達成されることが、驚いたことに、見出された。
【0031】
より特定的には、発明者は、第2重合反応が、相対的に低い分子量を有するポリマー画分をもたらす触媒成分の活性に関して、相対的に高い分子量を有するポリマー画分をもたらす触媒成分の開始時活性のないもしくは開始時相対的に低い活性で好ましくは開始するのが都合良いことを、驚いたことに見出した。
【0032】
特許請求の範囲の文言にしたがい、そして、下記に詳細に述べるように、第2重合反応の開始時に、他の触媒成分に関して、好ましくは、不活性もしくは活性が低いこの触媒成分が、第2触媒系の第2触媒成分である。
【0033】
さらに、発明者は、第2重合反応は、相対的により広い分子量分布を有するポリマー画分をもたらす触媒成分の活性に関して、相対的により狭い分子量分布を有するポリマー画分をもたらす触媒成分の開始時の非活性もしくは開始時の相対的により低い活性で、好ましくは開始するのが都合がよいということを、驚いたことに見出した。
【0034】
したがって、本発明は、一反応器中おけるオレフィン重合のための、第1触媒系から第2触媒系へ変移する方法を提供し、第1触媒系は第2触媒系と両立性がなく、前記方法は、
a)第1触媒系の共存下で行った第1オレフィン重合反応を停止し;そして
b)それぞれ、第1ポリオレフィン画分および第2ポリオレフィン画分を製造する触媒成分(A)および(B)を含む第2触媒系の共存下で第2オレフィン重合反応を行い、
ここで、第1ポリオレフィン画分のMは第2ポリオレフィン画分のMよりも小さく、触媒成分(A)の開始時の活性が触媒成分(B)の開始時の活性を上回る。
【0035】
本願明細書中および特許請求の範囲では、Mは、「重量平均モル質量」(重量平均分子量)であり、Mは、「数平均モル質量」(数平均分子量)であり、M/Mは多分散性であり:MおよびMは詳細な例中で定義する通りに決定する。特記しない限り、「分子量」という用語は、Mとして理解される。
【0036】
換言すれば、第2重合反応は、第2触媒系の第1触媒成分(A)および第2触媒成分(B)間の相対活性に差異を設けるように、特に、予め定めた時間の間で、相対的により低い分子量を有するポリオレフィン画分をもたらす触媒成分(すなわち、触媒成分(A))と比較したとき、相対的に高い分子量を有するポリオレフィン画分をもたらす触媒成分(すなわち、触媒成分(B))が相対的に低い活性となるように、開始時に行う。
【0037】
このようにして、第2重合反応の結果として、相対的に低い分子量を有するポリマー画分が、相対的に高い分子量を有するポリマー画分を超える多峰性ポリマーが、最初に得られる(もしあれば)。
【0038】
有利なことに、本発明の方法により与えられる工程の組合せのおかげで、反応器を空にする必要性がないばかりでなく、第2触媒系で製造される多峰性ポリマーの所望の品質を達成するのに必要な変移時間が、第1(単峰性または多峰性のいずれか)ポリマー、すなわち、第1重合反応で得られるポリマーから、第2多峰性ポリマー、すなわち、第2重合反応で得られるポリマーへ製造への迅速で且つ信頼のある変更を可能にするのに足る程度に短い。
【0039】
さらに、特にフィルム用途に望ましい、微細物の減少を有利に達成する。
上記工程a)およびb)は、好ましくは、連続式、すなわち、その間に中間工程がなく、特に、反応器を空にする工程がなく行われる。有利なことに、例えば、流動床を使用する好適な実施態様に言及すると、反応器を空にし、新たな床を形成するために新たなポリマー粉末で再び反応器を満たす必要がない。
【0040】
好ましくは、第2重合反応は、予め定めた開始時間の間に、相対的により広い分子量分布を示すポリマー画分をもたらす触媒成分の活性に比較するとき、相対的により狭い分子量分布を示すポリマー画分をもたらす触媒成分を相対的により低い活性にするように行う。
【0041】
第1ポリマーおよび第2ポリマーはポリオレフィン類、好ましくは、ポリエチレンまたはポリプロピレンである。好ましくは、これらの2種のポリオレフィン類の各々はポリエチレンである。第2ポリマーの少なくとも第1および少なくとも第2ポリマー画分の双方はエチレンポリマー画分である。
【0042】
これらの二つのオレフィン重合反応で製造される第1ポリマーもしくは第2ポリマーまたは双方のポリマーのいずれかが、好ましくは、ポリエチレンであり、好ましくは、エチレンと少なくとも1種のコモノマー、好ましくは、α−オレフィンである。好適なα−オレフィン類は3〜12個の炭素原子、好ましくは、3〜10個の炭素原子を有するオレフィン、例えば、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチルー1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン等を含む。特に好適なコモノマーは、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチルー1−ペンテン、1−オクテンを含み、さらにより好ましくは、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンを含む。
【0043】
下記の考察が、好適な実施態様として、エチレンの単独重合に、エチレンと少なくとも1種のコモノマーとの共重合に、たとえ言及したとしても、当該考察は同様にあらゆる種類のオレフィン類の重合に適用することを意図する。
【0044】
反応器は、好ましくは、気相反応器、好ましくは、連続式気相反応器、特に、気相流動床反応器である。しかし、本発明の方法は、その他の相や反応器も適用できる。例えば、オレフィン類の重合のために使用される慣用的な反応器のいずれか中のバルク状、懸濁状もしくは超臨界媒体状を適用できる。換言すれば、溶液法、懸濁法、撹拌気相法および気相流動床法総てが可能である。
【0045】
好ましくは、第1触媒系は触媒成分および触媒成分を活性化する薬剤(助触媒)を含む。好ましくは、第1触媒系は1種の触媒成分のみ、すなわち、単峰性ポリマーを製造する目的とする、唯一の活性触媒成分のみを有する触媒成分を含む。好ましくは、第1触媒系はチグラー・ナッタ触媒系である。
【0046】
好適な実施態様では、チグラー・ナッタ触媒系は、少なくとも1種のチグラー・ナッタ触媒成分、例えば、1種もしくは2種のチグラー・ナッタ触媒成分を含む。好ましくは、チグラー・ナッタ触媒系は、1種のチグラー・ナッタ触媒成分を含む。当業界で知られているように、チグラー・ナッタ触媒成分は、一般に、ベース金属アルキルもしくはハライドと遷移金属塩との錯体からなる。好ましくは、チグラー・ナッタ触媒系は、チグラー・ナッタ触媒成分および追加としてチグラー・ナッタ触媒成分を活性化する薬剤を含む。
【0047】
好ましくは、チグラー・ナッタ触媒成分を活性化する薬剤は有機金属化合物、好ましくは、有機金属化合物、好ましくは、1、2または3族の金属からなる有機金属化合物を含む。好ましくは、第1活性剤は、好ましくは、有機金属アルキル類、アルコキシド類、およびハライド類からなる群から選択される。
【0048】
好適な有機金属化合物は、リチウムアルキル類、マグネシウムもしくは亜鉛アルキル類、マグネシウムアルキルハライド類、アルミニウムアルキル類、シリコンアルキル類、シリコンアルコキシド類およびシリコンアルキルハライド類を含む。より好ましくは、有機金属化合物はアルミニウムアルキル類およびマグネシウムアルキル類を含む。さらにより好ましくは、有機金属化合物はアルミニウムアルキル類を含み、好ましくは、トリアルキルアルミニウム化合物類を含む。好ましくは、アルミニウムアルキル類は、例えば、トリメチルアルミニウム(TMAL)、トリエチルアルミニウム(TEAL)、トリ−イソブチルアルミニウム(TIBAL)およびトリ−n−ヘキシルアルミニウム(TNHAL)等を含む。
【0049】
別の実施態様では、第1触媒系はメタロセン触媒を含む。別の実施態様では、第1触媒系はフィリップスを含む。知られているように、フィリップス触媒は、酸化クロム系触媒である。
【0050】
好ましくは、第2触媒系はシングルサイト触媒成分および非シングルサイト触媒成分を含む。
本願明細書中および特許請求の範囲では、「シングルサイト系触媒」という表現は、モノマー、特に、オレフィンモノマー、好ましくは、エチレン、と、場合により、少なくとも1種のコモノマー、好ましくは、α−オレフィンとを、狭い分子量分布を示す、それぞれポリオレフィン、ポリエチレンを得るように、重合できる配位金属錯体を含む触媒成分を示すのに使用する。
【0051】
本明細書中および特許請求の範囲では、ポリオレフィン、好ましくは、ポリエチレンは、それぞれ、ポリオレフィン、ポリエチレンが、5以下、好ましくは、1.5〜5の範囲、より好ましくは、1.5〜3の範囲、さらにより好ましくは、2〜3の範囲の多分散性M/Mを示すとき、狭い範囲の分子量分布を示す。
【0052】
本明細書中および特許請求の範囲では、「非−シングルサイト触媒成分」という表現は、5よりも高い多分散性を示すポリオレフィンをもたらす触媒成分を示すのに使用する。例証のため、非メタロセン型の少なくとも一つのリガンド、チグラー・ナッタ触媒およびフィリップス触媒を含む遷移金属配位化合物が非−シングルサイト触媒の例として考えられ得る。
【0053】
好ましくは、第2触媒系は、非−メタロセン型の少なくとも一つのリガンドおよびシングルサイト系触媒、好ましくは、後周期遷移金属触媒成分を含む。好ましくは、第2触媒系は、第1触媒成分として、配位重合によるオレフィンポリマーのためのメタロセン触媒成分を含む、より好ましくは、元素の周期表の8族〜10族に基づく、さらにより好ましくは、Fe、Ni、Pd、Coからなる群から選択される後遷移金属触媒成分を含む。
【0054】
好ましくは、第2触媒の第1触媒成分は、好ましくは、少なくとも二つのオルト、オルト−分布化アリール基を有する三座リガンドを有する、好ましくは、鉄触媒成分を含む。好適な鉄触媒成分は、特許出願WO2005/103100号公報に記載されている鉄触媒成分であることができる。
【0055】
好適な鉄触媒成分は、一般式(I):
【0056】
【化2】

【0057】
の少なくとも一つのリガンドとの遷移金属錯体である。式中、変動記号は下記の通りである。
FおよびGは、互いに独立して、好ましくは、
【0058】
【化3】

【0059】
からなる群から選択され、
−Rは、互いに独立して、水素、C−C22−アルキル、C−C22−アルケニル、C−C22アリール、アルキル基中1〜10個の炭素原子を有し、アリール基中6〜20個の炭素原子を有するアリールアルキル、NR12A、OR12A、ハロゲン、SiR11Aまたは5員ヘテロ環、6員ヘテロ環または7員ヘテロ環(N、P、OもしくはSからの少なくとも一つの原子を含む)であり、ここで、有機基R3A−R10Aはハロゲン、NR12A、OR12AもしくはSiR11Aにより置換してもよく、および/または各場合に2個の基R3A−R5Aおよび/または各場合に2個の基R6A−R10Aは互いに結合して5員環、6員環または7員環を形成することもでき、および/または各場合に2個の基R3A−R5Aおよび/または各場合に2個の基R6A−R10Aは互いに結合して5員ヘテロ環、6員ヘテロ環または7員ヘテロ環(N、P、OもしくはSからの少なくとも一つの原子を含む)を形成することができ、
11Aは、互いに独立して、水素、C−C22−アルキル、C−C22−アルケニル、C−C22アリール、アルキル基中1〜10個の炭素原子を有し、アリール基中6〜20個の炭素原子を有するアリールアルキルであり、および/または2個の基R11Aは、互いに結合して5員または6員環を形成することもでき、
12Aは、互いに独立して、水素、C−C22−アルキル、C−C22−アルケニル、C−C22アリール、アルキル基中1〜10個の炭素原子を有し、アリール基中6〜20個の炭素原子を有するアリールアルキル、またはSiR11Aであり、ここで、有機基R12Aはハロゲンにより置換することもでき、および/または各場合に2個の基R12Aは互いに結合して5員環または6員環を形成することもでき、
、Rは、互いに独立して、水素、C−C20−アルキル、C−C20−アルケニル、C−C20アリール、アルキル基中1〜10個の炭素原子を有し、アリール基中6〜20個の炭素原子を有するアリールアルキル、またはSiR11Aであり、ここで、R、Rはハロゲンにより置換することもでき、および/または各場合に2個の基R、Rは互いに結合して5員環または6員環を形成することもでき、
、Rは、互いに独立して、水素、C−C20−アルキル、C−C20−アルケニル、C−C20アリール、アルキル基中1〜10個の炭素原子を有し、アリール基中6〜20個の炭素原子を有するアリールアルキル、またはSiR11Aであり、ここで、R、Rはハロゲンにより置換することもでき、および/または各場合に2個の基R、Rは互いに結合して5員環または6員環を形成することもでき、
−Eは、互いに独立して、炭素または窒素であり、
uは、互いに独立して、窒素としてE−Eについて0であり、炭素としてE−Eについて1であり、
Xは、互いに独立して、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、水素、C−C10−アルキル、C−C10−アルケニル、C−C20アリール、アルキル基中1〜10個の炭素原子を有し、アリール基で中6〜20個の炭素原子を有するアリールアルキル、NR13A、OR13A、SR13A、SO13A、OC(O)R13A、CN、SCN、β−ジケトネート、CO、BF、PFまたは嵩高非配位アニオン類であり、ここで、有機基Xはハロゲンおよび/または少なくとも一つのR13Aにより置換することもでき、X基は、場合により、互いに結合してもよく、
13Aは、互いに独立して、水素、C−C22−アルキル、C−C22−アルケニル、C−C22アリール、アルキル基中1〜10個の炭素原子を有し、アリール基中6〜20個の炭素原子を有するアリールアルキル、またはSiR14Aであり、ここで、有機基R13Aはハロゲンにより置換することもでき、および/または各場合に2個の基R13Aは互いに結合して5員環または6員環を形成することもでき、
14Aは、互いに独立して、水素、C−C20−アルキル、C−C20−アルケニル、C−C20アリール、アルキル基中1〜10個の炭素原子を有し、アリール基中6〜20個の炭素原子を有するアリールアルキルであり、ここで、有機基R14Aはハロゲンにより置換することもでき、および/または各場合に2個の基R14Aは互いに結合して5員環または6員環を形成することもでき、
Sは、1、2、3または4であり、tは0〜4である。
【0060】
好適な実施態様では、少なくとも1種の鉄触媒は、式(II):
【0061】
【化4】

【0062】
式中、変動記号は下記の意味を示す。
−Rは、互いに独立して、水素、C−C22−アルキル、C−C22−アルケニル、C−C22アリール、アルキル基中1〜10個の炭素原子を有し、アリール基中6〜20個の炭素原子を有するアリールアルキル、または5員ヘテロ環、6員ヘテロ環または7員ヘテロ環(N、P、OもしくはSからの少なくとも一つの原子を含む)であり、ここで、有機基R−Rはハロゲン、NR16、OR16もしくはSiR17により置換してもよく、および/または2個の基R−RはR−Rと結合して5員環、6員環または7員環を形成することもでき、
−R15は、互いに独立して、水素、C−C22−アルキル、C−C22−アルケニル、C−C22アリール、アルキル基中1〜10個の炭素原子を有し、アリール基中6〜20個の炭素原子を有するアリールアルキル、NR16、OR16、ハロゲン、SiR17または5員ヘテロ環、6員ヘテロ環もしくは7員ヘテロ環(N、P、OもしくはSからの少なくとも一つの原子を含む)であり、ここで、有機基R−R15はハロゲン、NR16、OR16もしくはSiR17により置換してもよく、および/または各場合に2個の基R−Rは互いにおよび/または互いにR−R10も互いに結合して5員環、6員環、または7員環を形成でき、および/または各場合に2個の基R11−R15も互いに結合して5員環、6員環、または7員環を形成でき、および/または各場合に2個の基R−Rは互いに結合しおよび/または各場合に2個の基R−R10は互いに結合して5員ヘテロ環、6員ヘテロ環、または7員ヘテロ環を形成でき、および/またはR11−R15は互いに結合して5員ヘテロ環、6員ヘテロ環、または7員ヘテロ環を形成し(N、P、OもしくはSからの少なくとも一つの原子を含む)であり、ここで、少なくとも一つのR−R15は塩素、臭素、ヨウ素、CFまたはOR11であり、
ここで、R−R、およびR11−R13からなる群の少なくとも一つのR基は塩素、臭素、ヨウ素、CFまたはOR11であり、
16は、互いに独立して、水素、C−C22−アルキル、C−C22−アルケニル、C−C22アリール、アルキル基中1〜10個の炭素原子を有し、アリール基中6〜20個の炭素原子を有するアリールアルキルまたはSiR17であり、ここで、有機基R16はハロゲンにより置換することもでき、各場合に2個のR16基が結合して5員環または6員環を形成し、
17は、互いに独立して、水素、C−C22−アルキル、C−C22−アルケニル、C−C22アリール、アルキル基中1〜10個の炭素原子を有し、各場合に2個のR17基は結合して5員環または6員環を形成し、
−Eは、互いに独立して、炭素、窒素またはリンであり、特に炭素であり、
uは互いに独立して、窒素またはリンとしてE−Eについて0であり、炭素としてE−Eについて1であり、
Xは、互いに独立して、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、水素、C−C10−アルキル、C−C10−アルケニル、C−C20アリール、アルキル基中1〜10個の炭素原子を有し、アリール基で6〜20個の炭素原子を有するアリールアルキルであり、ここで、有機基XはR18、NR18、OR18、SR18、SO18、OC(O)R18、CN、SCN、β−ジケトネート、CO、BF、PFまたは嵩高非配位アニオン類により置換することもでき、X基は、適切な場合、互いに結合してもよく、
18は、互いに独立して、水素、C−C20−アルキル、C−C20−アルケニル、C−C20アリール、アルキル基中1〜10個の炭素原子を有し、アリール基中6〜20個の炭素原子を有するアリールアルキルまたはSiR19であり、ここで、有機基R18はハロゲンまたは窒素含有基および酸素含有基により置換することもでき、および各場合に2個の基R18は結合して5員環または6員環を形成することもでき、
19は、互いに独立して、水素、C−C20−アルキル、C−C20−アルケニル、C−C20アリール、アルキル基中1〜10個の炭素原子を有し、アリール基中6〜20個の炭素原子を有するアリールアルキルであり、ここで、有機基R19はハロゲンまたは窒素含有基および酸素含有基により置換することもでき、および各場合に2個の基R19は結合して5員環または6員環を形成することもでき、
sは、1、2、3または4.特に、2またhは3であり、
Dは中性ドナーであり、tは0〜4、特に、0、1または2である。
【0063】
好ましくは、R−RおよびR11−R13からなる群のうちの少なくとも1個のR基は塩素、臭素、ヨウ素、CFまたはOR11である。
分子中の3原子E−Eは同一または異なることができる。Eがリンの場合、E〜Eは、好ましくは、各々炭素である。Eが窒素の場合、EおよびEは、各々好ましくは、窒素または炭素であり、特に、炭素である。
【0064】
uは、互いに独立して、窒素または炭素としてE−Eについて0であり、炭素としてE−Eについて1である。
−Rは広い範囲内で変動できる。可能な炭素有機置換基R−Rは、例えば、次の物である。すなわち、線状もしくは分岐してもよいC−C22−アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシルまたはn−ドデシルであり、置換基としてC−C10−アルキルおよび/またはC−C10−アリール基を有することができる5〜7員シクロアルキル、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニルまたはシクロドデシルであり、線状、環状もしくは分岐であることができ、二重結合が中間もしくは末端にあることができるC−C22−アルケニル、例えば、ビニル、1−アリル、2−アリル、3−アリル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロオクテニルまたはシクロオクタジエニルであり、さらにアルキル基により置換できるC−C22アリール、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル、アントラニル、o-、m-、p-メチルフェニル、2,3−、2,4−、2,5−もしくは2,6-ジメチルフェニル、2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,5−、2,4,6−もしくは3,4,5−トリメチルフェニルであり、または、さらにアルキル基により置換できるアリールアルキル、例えば、ベンジル、o-、m-、p-メチルベンジル、1−、もしくは2−エチルフェニルであり、ここで、2個のR−R基は結合して、5員環、6員環または7員環を形成することもでき、および/または隣接するR−R基の2個が結合して、N、P、OおよびSからなる群からの少なくとも1原子を含有する5員ヘテロ環、6員ヘテロ環または7員ヘテロ環を形成することもでき、および/または有機基R−R基はフッ素、塩素や臭素のようなハロゲンにより置換することもできる。さらに、R−R15は、アミノNR16もしくはSiR17、アルコキシもしくはアリールオキシOR16、例えば、ジメチルアミノ、N−ピロリジニル、ピコリニル、メトキシ、エトキシもしくはイソプロピルまたはフッ素、塩素や臭素のようなハロゲンであることもできる。さらに可能なR16基およびR17基は以下にさらに詳細に記載する。2個のR16基および/またはR17基が結合して5員環または6員環を形成することもできる。SiR17基は、酸素または窒素を介してE−Eに結合することもできる。R17についての例はトリメチルシリルオキシ、トリエチルシリルオキシ、ブチルジメチルシリルオキシ、トリブチルシリルオキシまたはトリ−tert−ブチルシリルオキシである。
【0065】
置換基R−R15は、R−R15のうちの少なくとも1個のRが塩素、臭素、およびヨウ素、CFまたはOR11である限り、広い範囲で変動できる。可能な炭素有機置換基R−R15は、例えば、次の、線状もしくは分岐してもよいC−C22−アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシルまたはn−ドデシルであり、置換基としてC−C10−アルキル基および/またはC−C10−アリール基を有することができる5〜7員シクロアルキル、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニルまたはシクロドデシルであり、線状、環状もしくは分岐であることができ、二重結合が中間もしくは末端にあることができるC−C22−アルケニル、例えば、ビニル、1−アリル、2−アリル、3−アリル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロオクテニルまたはシクロオクタジエニルであり、さらにアルキル基により置換できるC−C22アリール、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル、アントラニル、o-、m-、p-メチルフェニル、2,3−、2,4−、2,5−もしくは2,6-ジメチルフェニル、2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,5−、2,4,6−もしくは3,4,5−トリメチルフェニルであり、または、さらにアルキル基により置換できるアリールアルキル、例えば、ベンジル、o-、m-、p-メチルベンジル、1−、もしくは2−エチルフェニルであり、ここで、2個のR−R基および/または2個の隣接するR−R15基は結合して、5員環、6員環または7員環を形成することもでき、および/または2個の隣接するR−R基および/または2個の隣接するR−R15基が結合して、N、P、OおよびSからなる群からの少なくとも1原子を含有する5員ヘテロ環、6員ヘテロ環または7員ヘテロ環を形成することもでき、および/または有機基R−R基および/またはR−R15基はフッ素、塩素や臭素のようなハロゲンにより置換することもできる。さらに、R−R15は、アミノNR16もしくはSiR17、アルコキシもしくはアリールオキシOR16、例えば、ジメチルアミノ、N−ピロリジニル、ピコリニル、メトキシ、エトキシもしくはイソプロピルまたはフッ素、塩素や臭素のようなハロゲンであることもできる。さらに可能なR16基およびR17基は以下にさらに十分に記載する。2個のR16基および/またはR17基が結合して5員環または6員環を形成することもできる。SiR17基は、酸素または窒素を介してE−Eに結合することもできる。R17についての例はトリメチルシリルオキシ、トリエチルシリルオキシ、ブチルジメチルシリルオキシ、トリブチルシリルオキシまたはトリ−tert−ブチルシリルオキシである。
【0066】
好適なR−R基は、水素、メチル、トリフルオロメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、ビニル、アリル、ベンジル、フェニル、オルト−ジアルキル、もしくは−ジクロロ−置換フェニル類、トリアルキル−もしくはトリクロロ−置換フェニル類、ナフチル、ビフェニルおよびアントラニルである。特に好適なオルガノシリコン置換基は、アルキル基中に10個の炭素原子を有するトリアルキルシリル基であり、特に、トリメチルシリル基である。
【0067】
好適なR−R15基は、水素、メチル、トリフルオロメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、ビニル、アリル、ベンジル、フェニル、フッ素、塩素および臭素であり、R−R15基の少なくとも1個は塩素、臭素、ヨウ素、CFまたはOR11である。
【0068】
好ましくは、R−R、およびR11−R13からなる群の少なくとも1個のR基は塩素、臭素、またはCFであり、R−R、およびR11−R13からなる群の少なくとも1個のR基は水素、またはC−C−アルキルであり、ここで、アルキルは線状または分岐であることができ、特に、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、またはtert−ブチルである。
【0069】
特に、R−R、およびR11−R13からなる群の少なくとも1個のR基は塩素または臭素であり、R−R、およびR11−R13からなる群の少なくとも1個のR基は水素、またはメチルである。
【0070】
好ましくは、Rおよび/またはR11基は塩素または臭素であり、R、R、R12および/またはR13基は水素、またはメチルである。本発明の別の好適な実施態様では、RおよびR、および/またはR11およびR13基は塩素または臭素であり、そしてRおよび/またはR12は、水素またはメチルである。別の好適な実施態様では、RおよびR11は同一であり、および/またはRおよびR12は同一であり、および/またはRおよびR13は同一であり、ここで、同一の他のRの少なくとも一対は塩素または臭素である。別の好適な実施態様では、RおよびR11は異なり、および/またはRおよびR12は異なり、および/またはRおよびR13は異なり、ここで、少なくとも残余のRは塩素または臭素である。特に好適なのは鉄成分であり、少なくとも一つの残余Rにおいて、R−R、および/またはR11−R13基は塩素である。
【0071】
特に、R、R10、R14およびR15からなる群の少なくとも1個のR基は、水素、またはハロゲン類により置換もできるC−C22−アルキルであり、例えば、メチル、トリフルオロメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、またはビニルである。特に好適なものは、R、R10、R14およびR15が水素、またはメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチルであり、好ましくは、水素である。特に、R、R10、R14およびR15は同一である。
【0072】
16の変動は、例えば、溶解度のような物理特性を精緻に調整することが可能となる。可能な炭素有機置換基R16は、例えば、次の、線状もしくは分岐してもよいC−C20−アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシルまたはn−ドデシルであり、置換基としてC−C10−アリール基を有することができる5〜7員シクロアルキル、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニルまたはシクロドデシルであり、線状、環状もしくは分岐であることができ、二重結合が中間もしくは末端にあることができるC−C20−アルケニル、例えば、ビニル、1−アリル、2−アリル、3−アリル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロオクテニルまたはシクロオクタジエニルであり、さらにアルキル基および/またはN−含有基もしくはO−含有基により置換できるC−C20アリール、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル、アントラニル、o-、m-、p-メチルフェニル、2,3−、2,4−、2,5−もしくは2,6-ジメチルフェニル、2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,5−、2,4,6−もしくは3,4,5−トリメチルフェニル、2−メトキシフェニル、2−N,N−ジメチルアミノフェニルであり、または、さらにアルキル基により置換できるアリールアルキル、例えば、ベンジル、o-、m-、p-メチルベンジル、1−、もしくは2−エチルフェニルであり、ここで、2個のR16基は結合して、5員環、もしくは6員環を形成することもでき、およびR16有機基はフッ素、塩素や臭素のようなハロゲンにより置換することもできる。
【0073】
有機ケイ素置換基SiR17中の可能なR17基は、R−Rについて上述したのと同一の基であり、ここで、2個のR17基は結合して、5員環、もしくは6員環を形成することもでき、例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、ブチルジメチルシリル、トリブチルシリル、トリアリルシリル、トリフェニルシリルもしくはジメチルフェニルシリルである。R17基として、C−C10−アルキルを使用するのに好適なものは、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル等であり、さらに、ビニル、アリル、ベンジルおよびフェニル等である。
【0074】
リガンドXは、例えば、鉄触媒成分の合成に使用される適切な出発金属化合物の選択からもたらされ、後に変動させることもできる。可能なリガンドXは、特に、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素のようなハロゲン類であり、特に、塩素である。アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ビニル、アリル、フェニルまたはベンジルも有用なリガンドXであり、有機基XはR16により置換もできる。さらに、リガンドXとして、純粋な例としてそして網羅的ではないが、トリフルオロアセテート、BF、PFおよび弱配位性もしくは非配位性アニオン類(Chem.Rev.,S.Strauss,1993,93,927−942)、例えば、B(Cを挙げることができる。アミド類、アルコキシド類、スルホネート類、カルボキシレート類およびβ−ジケトネート類も特に有用なリガンドXである。これらの置換リガンドXのいくらかは、廉価で入手でき容易に入手できる出発物質であるので、特に好ましく使用される。したがって、特に好適な実施態様は、Xがジメチルアミド、メトキシド、エトキシド、イソプロポキシド、フェノキシド、ナフトキシド、トリフレート、p-トルエンスルホネート、アセテートまたはアセチルアセトネートである。
【0075】
リガンドXの数sは、鉄の酸化状態に依存する。したがって、一般論としてリガンドX数sを与えることができない。触媒として活性な錯体中の鉄の酸化状態は当業者に普通に知られている。しかし、酸化状態が活性触媒の酸化状態に対応していない錯体を使用することもできる。次いで、このような錯体を、適切な活性剤により、適切に還元または酸化することもできる。酸化状態+3または+2の鉄錯体を使用するのが好適である。
【0076】
Dは非電荷ドナー、特に、非電荷ルイス塩基またはルイス酸、例えば、アミン類、アルコール類、エーテル類、ケトン類、アルデヒド類、エステル類、スルフィド類またはホスフィン類であり、鉄中心、あるいは鉄触媒成分の製造からの残留溶媒として依然として存在するそれ以外のものに結合できる。
【0077】
リガンドDの数tは、0〜4であることができ、鉄錯体を製造する鉄錯体の溶媒および得られた錯体を乾燥する時間にしばしば依存し、したがって、0.5や1.5のような非整数であることもできる。特に、tは0、1〜2である。
【0078】
式(II)の好適な鉄触媒成分は、2,6−ビス[1−(2−クロロ−4,6−ジメチルフェニルイミノ)エチル]ピリジン鉄(II)クロリド;2,6−ビス[1−(2−クロロ−6−メチルフェニルイミノ)エチル]ピリジン鉄(II)ジクロリド、2,6−ビス[1−(2,6−ジクロロフェニルイミノ)エチル]ピリジン鉄(II)ジクロリド、2,6−ビス[1−(2,4−ジクロロ−6−メチルフェニルイミノ)エチル]ピリジン鉄(II)ジクロリド、2,6−ビス[1−(2,6−ジフルオロフェニルイミノ)エチル]ピリジン鉄(II)ジクロリド、2,6−ビス[1−(2,6−ジブロモフェニルイミノ)エチル]ピリジン鉄(II)ジクロリドまたは各々のジブロミド類もしくはトリブロミド類である。
【0079】
鉄錯体の製造は、例えば、J.Am.Chem.Soc.120,p.4049ff.(1998)、J.Chem.Soc.Chem.Commun.1998,849、および特許出願WO98/27124号公報に記載されている。
【0080】
好ましくは、第2触媒系は、第2触媒成分として、配位重合によるオレフィンポリマー類用前周期遷移金属触媒、より好ましくは、元素の周期表の4〜6族に基づく触媒、さらにTi、V、Cr、Zr、Hfからなる群からより好ましくは選択される触媒を含む。
【0081】
好ましくは、第2触媒系の第2触媒成分は、元素の周期表の4〜6族の金属のモノシクロペンタジエニル錯体を含み、そのシクロペンタジエニルが、好ましくは、非電荷ドナーまたはハフノセンにより置換され得る。
【0082】
本発明の目的のため、非電荷ドナーは、周期表の15または16族の元素を含有する非電荷官能基である。シクロペンタジエニル錯体の例は、特許出願WO2005/103100号公報に記載されている。
【0083】
第2触媒系の第2触媒成分として適当な好適なシングルサイト触媒成分は、元素の周期表の4〜6族の金属のモノシクロペンタジエニル錯体に基づく重合触媒,好ましくは、ハフノセン触媒成分、例えば、シクロペンタジエニル錯体であることができる。シクロペンタジエニル錯体は、例えば、橋架けもしくは非橋架けビスシクロペンタジエニル錯体(例えば、EP129368号、EP561479号、EP545304号およびEP576970号公報に記載)、モノシクロペンタジエニル錯体、例えば、橋架けアミドシクロペンタジエニル錯体(例えば、EP416815号公報に記載)、多核シクロペンタジエニル(EP632063号公報に記載)、pi-リガンド−置換テトラヒドロペンタレン(EP659758号公報に記載)またはpi−リガンド−置換テトラヒドロインデン(EP661300号公報に記載)であることができる。
【0084】
特に好適なハフノセンは、下記の一般式:
【0085】
【化5】

【0086】
のハフニウム錯体であり、式中、置換基および記号は下記の意味:
は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、水素、C−C10−アルキル、C−C10−アルケニル、C−C15−アリール、アルキル部中1〜10個の炭素原子有し、アリール部中6〜20個の炭素原子を有するアリールアルキル、−OR6Bまたは−NR6B7Bであり、または2個のXは置換もしくは無置換ジエンリガンドを形成し、特に、1,3−ジエンリガンドであり、X基は同一または異なり、互いに結合することができ、
1B−E5Bは、各々炭素であり、E1B−E5Bの1個以下がリンもしくは窒素であり、好ましくは,炭素であり、
tは、Hfの価数に依存して、1、2もしくは3であり、一般式(I)のメタロセンが非電荷であるようにし、ここで、
6BおよびR7Bは、各々、C−C10−アルキル、C−C15−アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、フルオロアルキルもしくはフルオロアリールであり、各々が、アルキル部中1〜10個の炭素原子有し、アリール部中6〜20個の炭素原子を有し、そして
1B〜R5Bは、各々、互いに独立して、水素、C−C22−アルキル、置換基としてC−C10−アルキル基を有することができる5員〜7員シクロアルキルもしくはシクロアルケニルであり、C−C22−アルケニル、C−C22−アリール、アルキル部中1〜16個の炭素原子有し、アリール部中6〜21個の炭素原子を有するアリールアルキル、NR8B、N(SiR8B、OR8B、OSiR8B、SiR8Bであり、ここで、有機基R1B−R5Bはハロゲンにより置換することもでき、および/または2個のR1B−R5B基、特に、隣接する基が結合して,5員環、6員環もしくは7員環を形成することもでき、および/または2個の隣接するR1D−R5D基が結合して、N、P、OおよびSからなる群より少なくとも1原子を含有する5員、6員もしくは7員ヘテロ環を形成し、ここで、
8B基は同一または異なることができ、各々、C−C10−アルキル、C−C10−シクロアルキル、C−C15−アリール、C−C−アルコキシもしくはC−C10−アリールオキシであり、および
1Bは、Xもしくは
【0087】
【化6】

【0088】
ここで、R9B〜R13B基は、各々、互いに独立して、水素、C−C22−アルキル、置換基としてC−C10−アルキル基を有することができる5員〜7員シクロアルキルもしくはシクロアルケニルであり、C−C22−アルケニル、C−C22−アリール、アルキル部中1〜16個の炭素原子有し、アリール部中6〜21個の炭素原子を有するアリールアルキル、NR14B、N(SiR14B、OR14B、OSiR14B、SiR14Bであり、ここで、有機基R9B−R13Bはハロゲンにより置換することもでき、および/または2個のR1B−R5B基、特に、隣接する基が結合して,5員環、6員環もしくは7員環を形成することもでき、および/または2個の隣接するR9B−R13B基が結合して、N、P、OおよびSからなる群より少なくとも1原子を含有する5員、6員もしくは7員ヘテロ環を形成し、ここで、
14B基は同一または異なることができ、各々、C−C10−アルキル、C−C10−シクロアルキル、C−C15−アリール、C−C−アルコキシもしくはC−C10−アリールオキシであり、
6B−E10Bは、各々炭素であり、E6B−E10Bの1個以下がリンもしくは窒素であり、好ましくは,炭素であり、または
ここで、R4BおよびZ1B基が一緒に−R15B−A1B−基を形成し、
15Bは、
【0089】
【化7】

【0090】
=BR16B、=BNR16B17B、=AlR16B、−Ge−、−Sn−、−O−、−S−、=SO、=SO、=NR16B、=CO、=PR16Bもしくは=P(O)R16Bであり、ここで、
16B−R21Bは、同一または異なることができ、各々、水素原子、ハロゲン原子、トリメチルシリル基、C−C10−アルキル基、C−C10−フルオロアルキル基、C−C10−フルオロアリール基、C−C10−アリール基、C−C10−アルコキシ基、C−C15−アルキルアリールオキシ基、C−C10−アルケニル基、C−C40−アリールアルキル基、C−C40−アリールアルケニル基、もしくはC−C40−アルキルアリール基もしくは2個の隣接する基がそれらを結合する原子と一緒になって4〜15個の炭素原子を有する飽和もしくは不飽和環を形成し、そして、
2B−M4Bは、各々、シリコン、ゲルマニウムもしくはスズであり、好ましくはシリコンであり、
1Bは、
【0091】
【化8】

【0092】
−NR22B、−PR22Bもしくは無置換、置換もしくは縮合、ヘテロ環系であり、
22Bは、各々、互いに独立して、C−C10−アルキル、C−C15−アリール、C−C10−シクロアルキル、C−C18−アルキルアリールもしくはSi(R23Bであり、
23Bは、水素、C−C10−アルキル,置換基としてC−C−アルキルを有することができるC−C15−アリールもしくはC−C10−シクロアルキルであり、
vは、1もしくはA1Bが無置換、置換もしくは縮合、ヘテロ環系であるとき、0であることができ、または
4BおよびR12B基が一緒になって−R15B−基を形成する。
【0093】
1B、例えば、橋架けR15Bと一緒になって、アミン、エーテル、チオエーテールもしくはリンを形成できる。しかし、A1Bは、環炭素に加えて、酸素、硫黄、窒素およびリンからなる群からのヘテロ原子を含有できる,無置換、置換もしくは縮合、ヘテロ環芳香族環系であることができる。炭素に加えて環原子として1〜4個の窒素原子および/または硫黄原子もしくは酸素原子を含有できる5員ヘテロアリール基の例は、2−フリル、2−チエニル、2−ピローリル、3−イソキサゾイル、5−イソキサゾイル、3−イソチアゾイル、5−イソチアゾイル、1−ピラゾイル、3−ピラゾイル、5−ピラゾイル、2−オキサゾイル、4−オキサゾイル、5−オキサゾイル、2−チアゾイル、4−チアゾイル、5−チアゾイル、2−イミダゾイル、4−イミダゾイル、5−イミダゾイル、1,2,4−オキサジアゾル−3−イル、1,2,4−オキサジアゾル−5−イル、1,3,4−オキサジアゾル−2−イル、および1,2,4−トリアゾル−3−イルである。1〜4個の窒素原子および/またはリン原子を含有できる6員ヘテロアリール基の例は、2−ピリジニル、2−ホスファベンゼニル、3−ピリダジニル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、2−ピラジニル、1,3,5−トリアジン−2−イルおよび1,2,4−トリアジン−3−イル、1,2,4−トリアジン−5−イルおよび1,2,4−トリアジン−6−イルである。5員ヘテロアリール基および6員ヘテロアリール基は、C1−10−アルキル、C−C10−アリール、アルキル部中1〜10個の炭素原子およびアリール部中6〜10個の炭素原子を有するアルキルアリール、トリアルキルシリル、またはフッ素、塩素や臭素のようなハロゲンにより置換されることもでき、または1種以上の芳香族もしくは複素環式芳香族と縮合されることもできる。ベンゾ−縮合5員環ヘテロアリール基の例は、2−インドリル、7−インドリル、2−クマロニル、7−クマロニル、2−チオナフテニル、7−チオナフテニル、3−インダゾリル、7−インダゾリル、2−ベンズイミダゾリルおよび7−ベンズイミダゾリルである。ベンゾ−縮合6員環ヘテロアリール基の例は、2−キノリル、8−キノリル、3−シノリル、8−シノリル、1−フタラジル、2−キナゾリル、4−キナゾリル、8−キナゾリル、5−キノキサリル、4−アクリジル、1−フェナントリジルおよび1−フェナジルである。ヘテロ環の命名および番号付与は、L.Fieser and M. Fieser, Lehrbuch der organischen Chemie, 3rdrevised edition, Verlag Chemie, Weinheim 1957を採用した。
【0094】
一般式(III)中のX基は、好ましくは、同一であり、好ましくは、フッ素、塩素、臭素、C−C−アルキルもしくはアラルキルであり、特に、塩素、メチルもしくはベンジルである。
【0095】
このような錯体の合成は,それ自身公知の方法により行うことができ、適切に置換した環状炭化水素アニオンとハフニウムのハロゲン化物との反応が好適である。適切な製造法の例は、例えば、Journal of Organometallic Chemistry, 369 (1989), 359-370に記載されている。
【0096】
ハフノセン類はRac体またはプソイドRac体で使用できる。プソイドRac体という用語は、2個のシクロペンタジエニルリガンドが、錯体のその他の総ての置換基を無視するとき互いに対してRac配置である錯体を指す。
【0097】
適切なハフノセン類の例は、とりわけ、メチレンビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、メチレンビス(3−メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、メチレンビス(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、メチレンビス(インデニル)ハフニウムジクロリド、メチレンビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロリド、イソプロピリデンビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、イソプロピリデンビス(3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、イソプロピリデンビス(3−メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、イソプロピリデンビス(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、イソプロピリデンビス(3−フェニルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、イソプロピリデンビス(インデニル)ハフニウムジクロリド、イソプロピリデンビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(インデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロリド、エチレンビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ハフニウムジクロリド、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロリド、テトラメチルエチレン−9−フルオレニル−シクロペンタジエニルハフニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(3−tert−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(3−tert−ブチル−5−エチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(2−メチルインデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(2−イソプロピリデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(2−tert−ブチルインデニル)ハフニウムジクロリド、ジエチルシランジイルビス(2−メチルインデニル)ハフニウムジブロミド、ジメチルシランジイルビス(3−メチル−5−メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(3−エチルー5−イソプロピルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(2−エチルインデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(2−メチルー4,5−ベンズインデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(2−エチルー4,5−ベンズインデニル)ハフニウムジクロリド、メチルフェニルシランジイルビス(2−メチル−4,5−ベンズインデニル)ハフニウムジクロリド、メチルフェニルシランジイルビス(2−エチル−4,5−ベンズインデニル)ハフニウムジクロリド、ジフェニルシランジイルビス(2−メチル−4,5−ベンズインデニル)ハフニウムジクロリド、ジフェニルシランジイルビス(2−エチル−4,5−ベンズインデニル)ハフニウムジクロリド、ジフェニルシランジイルビス(2−メチルインデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(2−エチル−4−フェニルインデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(2−メチル−4−(1−ナフチル)インデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(2−エチル−4−(1−ナフチル)インデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(2−プロピル−4−(1−ナフチル)インデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(2−i−ブチル−4−(1−ナフチル)インデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(2−プロピル−4−(9−フェナントリル)インデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(2−メチル−4−イソプロピルインデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(2,7−ジメチル−4−イソプロピリデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(2−メチル−4−[3’,5’−ジメチルフェニル]インデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(2−メチル−4−[4’−tert−ブチルフェニル)ハフニウムジクロリド、ジエチルシランジイルビス(2−メチル−4−[4’−tert−ブチルフェニル]インデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(2−エチル−4−[4’−tert−ブチルフェニル]インデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(2−プロピル−4−[4’−tert−ブチルフェニル]インデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(2−イソプロピル−4−[4’−tert−ブチルフェニル]インデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(2−n−ブチル−4−[4’−tert−ブチルフェニル]インデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシランジイルビス(2−ヘキシル−4−[4’−tert−ブチルフェニル]インデニルハフニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(2−イソプロピル−4−フェニルインデニル)(2−メチル−4−フェニルインデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(2−イソプロピル−4−(1−ナフチル)インデニル)(2−メチル−4−(1−ナフチル)インデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(2−イソプロピル−4−[4’−tert−ブチルフェニル]インデニル)(2−メチル−4−[4’−tert−ブチルフェニル]インデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(2−イソプロピル−4−[4’−tert−ブチルフェニル]インデニル)(2−エチル−4−[4’−tert−ブチルフェニル]インデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(2−イソプロピル−4−[4’−tert−ブチルフェニル]インデニル(2−メチル−4−[3’,5’−ビス−tert−ブチルフェニル]インデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(2−イソプロピル−4−[4’−tert−ブチルフェニル]インデニル)(2−メチル−4−[1’−ナフチル]インデニル)ハフニウムジクロリドおよびエチレン(2−イソプロピル−4−[4’−tert−ブチルフェニル]インデニル)(2−メチル−4−[4’−tert−ブチルフェニル]インデニル)ハフニウムジクロリド、および対応するジメチルハフニウム、モノクロロモノ(アルキルアリールオキシ)−ハフニウムおよびジ(アルキルアリールオキシ)ハフニウム化合物である。錯体は、rac体、meso体あるいはこれらの混合物で使用できる。
【0098】
上記一般式のハフノセン類中、下記式のものが好適である。
【0099】
【化9】

【0100】
式(V)の化合物中、好適なものは、
は、フッ素、塩素、臭素、C−C−アルキルもしくはベンジルであり、2個のX基は置換もしくは無置換ブタジエンリガンドを形成し、
tは、1もしくは2であり、好ましくは、2であり、
1B〜R5Bは、各々、水素、C−C−アルキル、C−C−アリール、NR8B、OSiR8B、もしくはSi(R8Bであり、そして
9B〜R13Bは、各々、水素、C−C−アルキルもしくはC−C−アリール、NR14B、OSiR14B、もしくはSi(R14Bであり、または各々の場合2個の基R1B〜R5Bおよび/またはR9B〜R13BはC5環と一緒になって、インデニル、フルオレニルもしくは置換インデニルもしくはフルオレニル系を形成する。
【0101】
シクロペンタジエニル基が同一である式(V)のハフノセン類が特に有用である。
式(V)の特に適切なハフノセン化合物は、とりわけ、
ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ビス(インデニル)ハフニウムジクロリド、ビス(フルオレニル)ハフニウムジクロリド、ビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロリド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ビス(トロメトキシシリルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ビス(イソブチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ビス(3−ブテニルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ビス(1,3−ジ−tert−ブチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ビス(トリフルオロメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ビス(tert−ブチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ビス(フェニルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ビス(N,N−ジメチルアミノメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ビス(1−n−ブチル−3−メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、(シクロペンタジエニル)(n−ブチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、(メチルシクロペンタジエニル)(n−ブチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、(シクロペンタジエニル)(1−メチル−3−n−ブチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリドおよび対応するジメチルハフニウム化合物である。
【0102】
別の例は対応するハフノセン化合物であり、ここで、クロリドリガンドの1もしくは2はブロミドもしくはヨーダイドと置換される。
別の適切なメタロセンは、式(III)もしくは(V)に基づくものであり、ハフニウムの代わりに、前遷移金属化合物、例えば、Ti、Zr、V、Crからなる群から選択される異なる遷移金属が与えられる。
【0103】
例証により、第2触媒系は混合触媒系を含み、好ましくは、シングルサイト触媒成分(B)として少なくとも1種のメタロセン(例 ハフノセンもしくはジルコノセン)および非シングルサイト触媒成分(A)として非メタロセン型の少なくとも1種の遷移金属化合物を含み、好ましくは,後周期遷移金属、より好ましくは,鉄触媒成分、好ましくは、少なくとも2個のアリール基を持つ三座リガンドを有し、各々のアリール基がハロゲンおよび/またはアルキル置換基を持つ。
【0104】
本発明の方法では、上述したように、第1触媒系の共存下で行う、オレフィン重合反応を停止する(工程a))。
停止する工程a)は、好ましくは、工程:
a1)反応器中に第1触媒系の供給を中断すること;そして
a2)第1触媒系を、好ましくは不可逆的な方式で、失活させること
を行うことにより達成する。
【0105】
好ましくは、第1触媒系を失活させる工程a2)は、反応器中に第1触媒系を失活させる薬剤、好ましくは、不可逆的失活剤を供給することにより行う。
本発明の目的のため、第1触媒系を、好ましくは不可逆的に失活させるように、第1触媒系の成分の少なくとも1つと反応できる物質もしくは物質混合物を含むいずれかの失活剤を使用できる。
【0106】
好適なものは、第1触媒系を不可逆的に失活させる失活剤、すなわち、モノマー(類)を重合する触媒能力を不可逆的に失活させる薬剤、すなわち、失活剤を除去するまたは活性剤(助触媒)を供給するときでさえ、第1触媒系の反応性を観察できないような薬剤である。
【0107】
好ましくは、失活剤は、CO、CO、酸素、水、アルコール類、グリコール類、フェノール類、エーテル類、カルボニル化合物(例えば、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、エステル類、脂肪酸)、アセチレンのようなアルキン類、アミン類、アルコキシアミン類(例えば、市販品Atmer)、ニトリル、ニトラス化合物、ピリジン、ピロール類、カルボニルスルフィド、メルカプタン類、帯電防止剤(例えば、Costenoble,西独、から入手できるCostelan AS100)から、好ましくは、なる群を含む群から選択される。
【0108】
好ましくは、第1触媒系を失活させる薬剤は、酸素、水、アルコール類、グリコール類、フェノール類、一酸化炭素、二酸化炭素、エーテル類、カルボニル化合物,アルキン類、ニトラス化合物(nitrous compounds)から、好ましくは、なる群を含む群から選択される。
【0109】
第1触媒系としてチグラー・ナッタ触媒系を使用するとき、第1オレフィン重合反応を,好ましくは、以下に詳細に説明するように、アルコール、またはCO、CO、リーンエア(すなわち、酸素の割合が少ない空気)を供給することにより停止する。
【0110】
第1触媒系としてフィリップス触媒系を使用するとき、第1オレフィン重合反応を,好ましくは、CO、CO,酸素またはリーンエアを供給することにより停止する。
第1触媒系としてメタロセン触媒系を使用するとき、第1オレフィン重合反応を,好ましくは、CO、COまたはリーンエアを供給することにより停止する。
【0111】
好ましくは、特に、気相流動床反応器中で、反応が気相反応である好適な実施態様では、第1触媒系を失活させる薬剤は、重合条件下で揮発性である。
本発明の目的のため、揮発性失活剤は、気相反応器の再循環ガス系中の条件下で1000Paを超える蒸気圧を示す物質もしくはその混合物である。蒸気圧は,好ましくは、再循環ガス系中に存在する触媒の失活を完了するのを可能にするのに足る高さである。好適なのは、20℃で、1500Paを超える、好ましくは、2000Paを超える蒸気圧である。好適なのは、重合条件下気相流動床反応器中の温度以下の沸点を有する揮発性失活剤であり、その結果、当該失活剤は反応器中で完全に蒸発する。
【0112】
特に適切な揮発性失活剤は、例えば、低分子量アルコール類およびそれらのエーテル類、低分子量エステル類およびアミン類であり、それらは、通常の重合条件下、そして、好ましくは、再循環ガス系中の条件下でも充分な量の気相でそれらが存在できるのに足る蒸気圧を示す。好適なものは、C−C−アルコール類:メタノール(b.p.65℃、128hPa)、エタノール(b.p.78℃、60hPa)、1−プロパノール(97.4℃、18.7hPa)、2−プロパノール(82℃、43hPa)、1−ブタノール(117℃、6.7hPa)、2−ブタノール(99℃、17hPa)、tert−ブタノール(82.2℃、41.3hPa)であり、ここで、括弧内に示したのは沸点および、それぞれ、20℃における蒸気圧である。好適なのは、C−C−エーテル類でもある。特に好適なのは、2−プロパノールである。
【0113】
失活剤に加えて、さらに、帯電防止剤、スカベンジャー等の補助剤の使用も可能である。失活剤を計量するための容易性を改良するために、活性剤に不活性溶媒、例えば、ヘキサンのような飽和炭化水素を含ませることができる。
【0114】
使用する失活剤の量は、反応器の大きさや形状に依存する。例えば、少量で開始し、完全な失活が起こるまで量を増やす。さらに好適な失活剤は帯電防止作用を示す。その好適な実施態様では、失活剤を過剰に秤量する。
【0115】
代替として、第1オレフィン重合反応は、第1触媒系を反応器中に供給するのを中断し、反応器中の温度、圧力やモノマー濃度を低下もしくは上昇させることにより停止できるが、第1触媒系の特性に依存する。反応を停止させる,上述の方法のいずれか一つを組み合わせることも可能である。
【0116】
代替実施態様では、第1触媒系がチグラー・ナッタ触媒系を含み、第2触媒系がシングルサイト系触媒,好ましくはメタロセン触媒成分、および非−シングルサイト系触媒を含むときに特に好適であり、反応器中の第1オレフィン重合反応を停止する工程a)は下記の工程:
a1)反応器中に第1触媒系の供給を中断すること;そして
a2)反応器温度を上昇させること
を実施することにより行う。
【0117】
好ましくは、反応器温度を,第1オレフィン重合反応を実施する温度に関して、約10〜20℃上昇させる。例証では、第1オレフィン重合反応を約70℃〜90℃で行う場合、反応器中に第1触媒系の供給を中断した後、反応器温度を,好ましくは約80℃〜110℃、より好ましくは約90℃〜110℃に設定し、第1触媒系を失活させるように第1オレフィン重合反応器の温度よりもいずれの場合も高い温度にする。
【0118】
第1触媒系を失活させるために、失活剤の使用と、2種の触媒系の特性に依存する、温度の増減とを組み合わせ、一方で失活剤の量を、他方で温度の増減を減らすことができるようにできる。
【0119】
第1オレフィン重合反応を停止させる工程a)および上記した第2重合反応を行う工程b)は、好ましくは連続方式、すなわち、その間の中間工程なし,特に、反応器を空にする工程なしで行い、例えば、好適な実施態様に言及すると、床の高さを減らす流動床反応器を予測する。換言すれば、反応器が流動床反応器のとき、工程a)後、反応器中に存在する粒子を維持しながら,工程b)を行うことができる。
【0120】
代替実施態様では、工程a)後、工程b)前、粒子床全体を好ましくは低くする。このようにして、第1触媒系を失活させるのに必要な失活剤の量を有利に減らすことができる。第1触媒系を失活させる薬剤を使用するとき、好適には該方法は、好ましくは,過剰の失活剤を中和する工程をさらに含む。好ましくは、過剰の失活剤を中和する工程は,スカベンジャーを使用することにより実施する。好ましくは、過剰の失活剤を中和する工程は、反応器中に中和剤、好ましくは、有機金属化合物、より好ましくは、1、2もしくは3族からなる金属の有機金属化合物、より好ましくは、有機金属アルキル、より好ましくは、有機アルミニウム化合物を供給することにより実施する。
【0121】
好ましくは、有機金属化合物は、リチウムアルキル類、マグネシウムアルキル類もしくは亜鉛アルキル類、マグネシウムアルキルハライド類、アルミニウムアルキル類、シリコンアルキル類、シリコンアルコキシド類およびシリコンアルキルハライド類から好ましくはなるものを含む群から選択される。より好ましくは、有機金属化合物は、アルミニウムアルキル類およびマグネシウムアルキル類である。さらにより好ましくは、有機金属化合物はアルミニウムアルキル類であり、好ましくはトリアルキルアルミニウム化合物である。好ましくは、アルミニウムアルキル類は、例えば、トリメチルアルミニウム(TMAL)、トリエチルアルミニウム(TEAL)、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)およびトリ−n−ヘキシルアルミニウム(TNHAL)等である。好ましくは、過剰の失活剤を中和する工程は、第1触媒成分を活性化させる薬剤として使用したのと同じ化合物により行い、それは有機金属化合物、好ましくは有機アルミニウム化合物である。
【0122】
第2オレフィン重合反応は、触媒成分(B)の開始時の活性(すなわち、予め定めた時間の間)を超える開始時の活性の触媒成分(A)を用いて行う。
予め定めた時間は、好ましくは、第2触媒系の触媒成分により達成できる分子量の差に依存する。予め定めた時間は、好ましくは、予め定めた平均分子量、好ましくは、約80000を得る時間である。一旦、予め定めた分子量に達したら、2種の触媒成分(A)および(B)の相対活性は、目的ポリオレフィンのタイプに依存して自由に調整できる。換言すれば、一旦、予め定めた分子量に達したら、第2オレフィン重合反応を継続でき、第2触媒系の2種の触媒成分(A)および(B)間の相対活性を、開始時の条件に比較するとき異なる方式で調整でき、好ましくは、双方の触媒成分の最大活性を確保するか、または所望の目的生成物を得るそれらの活性間の所望の活性比を確保するようにする。
【0123】
第2触媒系の2種の触媒成分間の相対活性を、第2触媒系の触媒成分のうちの少なくとも1種の活性に影響を与える条件を変化させることにより調整でき、当該条件は、例えば、物理条件(例:温度、圧力)や化学条件である。
【0124】
好適な実施態様では、第2触媒系の触媒成分(B)を可逆的に失活させる薬剤の共存下で第2オレフィン重合反応を開始時に行う。好ましくは、第2触媒系の触媒成分(B)を可逆的に失活させる薬剤は、第1触媒系を失活させる薬剤と中和剤との間の反応から誘導される。
【0125】
代替実施態様では、第2触媒系の触媒成分(A)を活性化させる薬剤の共存下で第2オレフィン重合反応を開始時に行う。
当業界の熟達者の範囲内で、工程b)を行う多くの方法がある。原則として、第2触媒系の触媒成分(A)の開始時優性活性(すなわち、第2触媒成分(B)の活性を超える活性)をもたらすいずれかの方法が本発明の目的を達成できる。触媒成分(A)は、第2触媒系の触媒成分(B)と比較するとき、相対的により活性であり、例えば、触媒成分(A)を活性化させるが、触媒成分(B)の活性に実質的に作用しない薬剤を反応器中に導入することにより、触媒成分(B)よりも触媒成分(A)を一層活性化させる薬剤を反応器中に導入することにより、触媒成分(B)を失活させる薬剤を反応器中に導入することにより、あるいは、触媒成分(A)の開始時優性活性を促進させるいずれかの重合条件を開始時に設定することによりもたらす。
【0126】
気相で重合反応を行うとき、該方法は、好ましくは、工程a2)を実施後、好ましくは、工程b)の実施前にガス組成を調節する工程をさらに含む。好ましくは、当該方法は、第1重合反応後、床の高さを下げる工程をさらに含む。このようにして、失活剤の量を最小にするか、第1オレフィン重合反応から第2オレフィン重合反応への変更時間をさらに短くすることのいずれかを有利に可能にする。
【0127】
以下に、実施例を用いて本発明を例証するが、本発明はこれらに限定されない。
【実施例】
【0128】
連続気相流動床反応器中でポリマーの製造に言及して、実施例は、本発明の好適実施態様を例証する。ここでは、チグラー・ナッタ触媒系から、非−メタロセン後周期遷移金属触媒成分およびメタロセン成分を含む混合触媒系への変移を記載する。さらに詳細には、モノマーとしてエチレンとコモノマーとしてブテンとの第1重合反応を、55kg/時の生成量を示す気相流動床反応器中で行った。続いて、同じ反応器中で、モノマーとしてエチレンとコモノマーとしてヘキセンとの第2重合反応を行った。次の第1触媒系を使用して第1重合反応を行い、次の第2触媒系を使用して第2重合反応を行った。
【0129】
[実施例1(第1触媒系)]
第1触媒系として、触媒成分として、Avant Z218−1(Basellから入手)および活性剤としてトリ−イソブチルアルミニウム(TIBAL、ヘキサン中10wt%溶液)を含むチグラー・ナッタ触媒系を使用した。
【0130】
[実施例2(第2触媒系)]
第2触媒系として、下記に示す、非−メタロセン成分として、鉄−ビスイミン錯体およびメタロセン成分としてハフノセンに基づく混合触媒系を使用した。
【0131】
担体の前処理として、Sylopol 2326(Grace由来のスプレードライシリカゲル)を600℃で6時間か焼した。
WO98/27124号公報の実施例2に記載されている通りにして、2,6−ビス[1−(2−クロロ−4,6−ジメチルフェニルアミノ)エチル]ピリジンを製造し、これを、WO98/27124号公報の実施例8に記載されている通りにして、鉄(II)クロリドを使用することにより、2,6−ジアセチルピリジンビス(2−ジクロロ−4,6−ジメチルフェニルアニル)鉄ジクロリドを合成するために使用した。
【0132】
ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド[M=491.84g/モル]を、Crompton、Bergkamenから購入した。
上述のようにして製造した2,6−ジアセチルピリジンビス(2−クロロ−4,6−ジメチルフェニルアニル)鉄ジクロリド6.77g(11.98ミリモル)、およびビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド82.67g(127.3ミリモル)および5.31リットル MAO(Albemarleから市販のトルエン中4.75M、25.2モル)の混合物を、周囲温度で60分間撹拌し、続いて、撹拌しながら、0℃でa)中で記載した通りにして前処理した担体2400gに加えた。さらに、5.5リットルのトルエンを供給ラインより加えた。さらに2時間20℃で溶液を撹拌した(比(ΣFe+Hf):Al=1:140)。濾過後、次いで4.5リットルヘプタンを使用して洗浄工程を行った。最大値として3バール窒素圧で濾過を行った。窒素流中で30分間生成物を予備乾燥した。主要乾燥工程を、減圧中35℃でキャリヤーガスとして窒素を使用して行った。少ない撹拌下(5〜10U/分)約100ミリバールに減圧を維持した。自由流動粉末を微細篩がけした(篩:240μm)。5.1kgの触媒を得た。
【0133】
[実施例3(第1触媒系を使用する第1重合反応)]
エチレン、水素、プロパンおよびブテンの供給流を再循環ガス流ライン中に導入した。実施例1の触媒流を使用した。
【0134】
前接触容器を介してチグラー・ナッタ触媒成分を反応器中に導入した。連続して液体プロパンおよびTIBALを容器にさらに供給した。エチレン、水素およびブテンの流速を制御してガス組成目標値を維持した。総てのガス濃度をオンラインガスクロマトグラフにより測定した。
【0135】
触媒の供給速度を調整して生産速度を維持した。表面ガス速度を0.45m/秒を維持し、流動状態に反応器を維持した。25バールの圧力および80℃の反応器出口温度で反応器を操作した。反応器から不連続的に生成物を除去することにより、床質量を実質的に一定に維持した。排出容器中に生成物を排出し、ガスを再循環ガスラインを介して反応器に再循環して戻した。生成物を窒素によりパージし、炭化水素を除去し、触媒残留物を失活させるために湿潤窒素を用いて処理した。
【0136】
このようにして、MFR(190℃/5kg)が2および密度が0.945g/cmのポリマーを製造した。
表1に定常状態の条件設定を示す。
【0137】
【表1】

【0138】
[実施例4(第1重合反応から第2重合反応への変移)]
実施例3にしたがって実施した第1重合反応を、第1触媒系の供給(すなわち、Avant Z218−1およびTIBALの双方)を中断することにより、および第1触媒系を失活させる薬剤として、イソプロパノールを供給することにより停止した。使用するイソプロパノールの量を減らすために、イソプロパノールを供給する前に床レベルを100kg質量に落とした。続いて、2時間内に反応器中に40gのイソプロパノールを供給した。イソプロパノール供給後、直ちに生産性が減少した。続いて、反応器組成を表2に示す目標値に調整した。
【0139】
【表2】

【0140】
TIBAL供給を5g/時で開始し、床に直接供給した。2時間後、実施例2の混合触媒系を、8g/時の速度で供給されるように開始した。混合触媒系も、キャリヤーとしてガス状プロパンを使用することにより床に直接供給した。TIBAL供給を1g/時に下げた。混合触媒の供給を、供給速度が16g/時に達するまで、2g/時でゆっくりと上昇させた。2時間後、重合反応を検出できた。生産速度をゆっくりと上昇させた。3時間毎にサンプルを反応器から採取した。ポリマーのメルトインデックスを、MFR(190℃/2.16kg)が150g/10分に達するまで、急速に上昇させ、この段階で鉄触媒成分のみが活性であったことを示した。重合約6時間後、メルトインデックスが降下し始めた。さらに、目標濃度を維持するためのプラントへのヘキサン供給は徐々に増加した、これは、混合触媒系のハフニウム成分がその活性が今上昇していたことを意味する。水素およびヘキサン濃度を調整して、生成物目標を達成した。混合触媒供給の開始36時間後、生成物が目標を達成した。定常状態の条件設定を表3に示す。
【0141】
【表3】

【0142】
本願明細書および特許請求の範囲では、次の測定方法に言及する。
密度は、標準DIN EN ISO 1183−1:2004、方法A(浸漬)に準じる密度である。
溶融流量MFR(190/2.16)を、DIN EN ISO 1133:2005、条件D 荷重2.16kg下温度190℃に準じて決定した。
溶融流量MFR(190/5)を、DIN EN ISO 1133:2005、条件T 荷重5kg下温度190℃に準じて決定した。
溶融流量MFR(190/21.6)を、DIN EN ISO 1133:2005、条件G 荷重21.6kg下温度190℃に準じて決定した。
は重量平均モル質量(重量平均分子量)であり、Mは数平均モル質量(数平均分子量)である。モル質量、M、Mの決定を、DIN 55672−1:1995−2(発行1995年2月)に記載されている方法を使用して、高温ゲル透過クロマトグラフィーにより行った。記載したDIN標準に準じる偏差は次の通りである。溶媒1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)、装置および溶液の温度135℃、濃度検出器として、PolymerChar(Valencia、Paterna 46980、Spain)IR−4赤外検出器、TCBで使用可。次のプレカラムSHODEX UT−Gおよび連続して連結した分離カラムSHODEX UT 806M(3×)およびSHODEX UT 807 を装備したWATERS Alliance 2000を使用した。溶媒を窒素か減圧蒸留し、0.025重量%2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを用いて安定化させた。使用した流量は1ml/分であり、注入は500μl、ポリマー濃度は0.01%<濃度<0.05%w/wの範囲だった。分子量較正を、単分散ポリスチレン(PS)標準品(Polymer Laboratories:現在Varian,Inc.,Essex Road,Church Stretton,Shropshire,SY6 6AX,UK)580g/モル〜11600000g/モルの範囲、および追加ヘキサデカンを使用することにより確立した。次いで、較正曲線を、Universal Calibration 法(Benoit H., Rempp P. および Grubisic Z., & in J. Polymer Sci., Phys. Ed., 5, 753(1967))によりポリエチレンに対して適合させた。使用したMark−Houwingパラメーターは、135℃のTCB中で、有効な、PSについて、kPS=0.000121dl/g、qPS=706であり、PEについて、KPE=0.000406dl/g、qPE=0.725だった。データ記録、較正および算出を、それぞれ、NTGPC_Control_V6.02.03およびNTGPC_V6.4.24(hs GmbH, Hauptstrase 36, D-55437 Ober-Hilbersheim)を使用して実施した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一反応器中おけるオレフィン重合のための、第1触媒系から第2触媒系へ変移させる方法であって、第1触媒系は第2触媒系と両立性がなく、前記方法は、
a)第1触媒系の共存下で行った第1オレフィン重合反応を停止し;そして
b)それぞれ、第1ポリオレフィン画分および第2ポリオレフィン画分を製造する触媒成分(A)および(B)を含む第2触媒系の共存下で第2オレフィン重合反応を行い、
ここで、第1ポリオレフィン画分のMは第2ポリオレフィン画分のMよりも小さく、触媒成分(A)の開始時の活性が触媒成分(B)の開始時の活性を上回る、前記第1触媒系から第2触媒系へ変移させる方法。
【請求項2】
前記工程a)を、工程:
a1)反応器中に第1触媒系の供給を中断すること;そして
a2)第1触媒系を失活させること
により行う、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記工程a2)を、前記反応器中に第1触媒系を失活させる薬剤を供給することにより行う、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1触媒系が、触媒成分と当該触媒成分を活性化させる薬剤とを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1触媒系がチグラー・ナッタ触媒系である、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記チグラー・ナッタ触媒を活性化させる薬剤が、1、2または3族の金属の有機金属化合物を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
第2触媒系の触媒成分(A)が後周期遷移金属を含み、第2触媒系の触媒成分(B)がメタロセンである、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記第1触媒系を失活させる薬剤が、酸素、水、アルコール類、グリコール類、フェノール類、一酸化炭素、二酸化炭素、エーテル類、カルボニル化合物、アルキン類、ニトラス化合物を含む群から選択される、請求項3〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記第1触媒系を失活させる薬剤を過剰量秤量し、前記方法が、反応器中に中和剤を供給することにより、前記過剰の第1触媒系を失活させる薬剤を中和する工程をさらに含む、請求項3〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記中和剤が、第1触媒系を活性化させる薬剤として使用した化合物と同じである、請求項4を引用するとき、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
第2オレフィン重合反応を、第2触媒系の触媒成分(B)を可逆的に失活させる薬剤の共存下で開始時に行う、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
第2触媒系の触媒成分(B)を可逆的に失活させる薬剤が、第1触媒系を失活させる薬剤と中和剤との間の反応より誘導される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記反応器が連続気相反応器である、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。

【公表番号】特表2011−528738(P2011−528738A)
【公表日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−519077(P2011−519077)
【出願日】平成21年7月21日(2009.7.21)
【国際出願番号】PCT/EP2009/005280
【国際公開番号】WO2010/009860
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(500289758)バーゼル・ポリオレフィン・ゲーエムベーハー (118)
【Fターム(参考)】