説明

並列光送信機の光出力パワーフィードバック式モニタリング・システムの光クロストークを補償する方法及び装置

【課題】レーザがイネーブル及び/又はディセーブルされることによって引き起こされる、光出力パワーモニタリング・システム内の光クロストークにおける変動を補償する。
【解決手段】モニタ用フォトダイオード136は、受け取った光データ信号138の一部142をアナログ電気信号143に変換する。ADC137はこのアナログ電気信号を複数ビットのディジタル値144に変換する。このディジタル値は閉ループ制御回路133にフィードバックされる。レーザ・ダイオード駆動回路は、ディジタル値をあらかじめ選択されたディジタル基準値150と比較して、駆動信号156を発生する。この駆動信号は電流源134を駆動する。この電流源はレーザ・ダイオード135のバイアス電流を変化させ、これによりレーザ・ダイオードの平均出力パワーレベルを実質的に一定に維持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、並列光送信機及び光トランシーバに関する。さらに詳細には、本発明は、並列光送信機及び光トランシーバの光出力パワーフィードバック式モニタリング・システムにおける光クロストークを補償することに関する。
【背景技術】
【0002】
光通信システムでは、レーザが光送信機や光トランシーバの中で使用されて、電気データ信号を光データ信号に変換する。この光データ信号は、次に、一般的には光ファイバーである光導波路上を、光受信機又は光トランシーバなどの対象とする宛先に送信される。並列光送信機及び光トランシーバは複数の光送信チャネルを備えており、それぞれの光送信チャネルは、それぞれ光チャネル上を送信されるそれぞれの光データ信号を発生するためにそれぞれレーザを有している。多くの並列光送信機及び光トランシーバでは、少なくとも1つのレーザの出力パワーレベルが、光出力パワーフィードバック式モニタリング・システムによってモニタされる。このモニタリング・システムはレーザの変調及び/又はバイアス電流を調整して、レーザの平均出力パワーレベルが所望の、必要な一定のレベルに維持される。一般に、この調整は、平均出力パワーレベルが所定の実質的に一定のレベルに維持されるように行われる。
【0003】
モニタ用フォトダイオードを使用して送信機用レーザの後部(又は、光学レンズを通って後方に反射された出力パワーの一部)から出力される光を検出して、レーザの平均の光出力パワーレベルを測定及び制御するためにこの光フィードバックを使用することは、光通信産業では良く行われている。一般的に、レーザの平均の送信出力パワーレベルPAVGは、レーザのバイアス電流IBIASを調整することによって制御されることができる。このため、PAVGが要求レベルよりも減少されていることを光フィードバックが示すと、応分の量だけIBIASが増加することにより、PAVGが要求レベルまで増加する。同様に、PAVGが要求レベルを超えて増加したことを光フィードバックが示すと、適切な量だけIBIASを減少させることにより、PAVGを要求レベルまで低下させる。
【0004】
図1は、既知の並列光送信機又は光トランシーバによる光出力パワーフィードバック式モニタリング・システムの代表的な構成のブロック図を例示している。このフィードバック式モニタリング・システムは、n個のフィードバック制御ループ2〜2を備えている。ここで、nは、光送信機又は光トランシーバ内の光送信チャネルの数である。これらのフィードバック制御ループ2〜2は同一の構成である。この光出力パワーフィードバック式モニタリング・システムが動作する方法は、フィードバック制御ループ2を参照して説明される。このフィードバック制御ループ2は、レーザ・ダイオード駆動回路3、電流源4、レーザ・ダイオード5、モニタ用フォトダイオード6、及びアナログ−ディジタル変換器(ADC)7を備えている。レーザ・ダイオード5は電気データ信号(図示せず)で変調されて、光データ信号8を発生する。この光データ信号8は、光ファイバー11の端部に結合光学素子9を介して光結合される。この結合光学素子9は、光データ信号8の一部をモニタ用フォトダイオード6に光結合する。
【0005】
モニタ用フォトダイオード6は、受け取った光データ信号8の一部12をアナログ電気信号13に変換する。ADC7は、アナログ電気信号を複数ビットのディジタル・フィードバック信号14に変換する。このディジタル・フィードバック信号14は、レーザ・ダイオード駆動回路3にフィードバックされる。駆動回路3は、ディジタル・フィードバック信号14をあらかじめ選択されたディジタル基準信号15と比較して、駆動信号16を発生する。この駆動信号16は電流源4を駆動する。この電流源4はレーザ・ダイオード5のバイアス電流を変化させて、レーザ・ダイオード5の平均出力パワーレベルを所定の実質的に一定レベルに維持する。
【0006】
幾つかの事例では、1つのフィードバック制御ループ2が、レーザ・ダイオード5のうちの1つの出力パワーレベルをモニタするために使用される。この場合、全てのレーザ・ダイオード5の全てのバイアス電流は、1つのレーザ・ダイオード5からの出力フィードバックに基づいた同じ値によって調整される。別の事例では、並列光送信機又は光トランシーバの各光チャネルは、図1に示されているように、それぞれフィードバック制御ループ2を有している。
【0007】
図1に示されている光出力パワーレベルフィードバック式モニタリング・システムの1つの欠点は、1つ以上の隣接した及び隣接してない光チャネルのレーザ・ダイオード5が発生するレーザ光の一部分における光クロストークを受け取る可能性があることである。この光クロストークは、レーザ・ダイオード5のバイアス電流の調整量において誤差を生じさせる可能性があり、これにより、レーザ・ダイオード5の平均光出力パワーレベルを適切なレベルに維持することにおいて失敗が生じる可能性がある。このことは、1つ以上のレーザ・ダイオード5がイネーブル又はディセーブルにされる場合に特に当てはまる。例えば、フィードバック制御ループ2のレーザ・ダイオード5がディセーブルの場合、フィードバック制御ループ2のレーザ・ダイオード5からの光クロストークがないため、フィードバック制御ループ2n−1のフォトダイオード6が受け取る光は少なくなる。その結果、ディジタル・フィードバック信号14は不自然に低い値になり、これは結果として、駆動信号16を極めて大きくすることがある。その結果として、フィードバック制御ループ2n−1の電流源4は、レーザ・ダイオード5の光出力パワーレベルを必要以上に増加させ、結果としてリンク性能の劣化、目の安全問題、及び他の問題が生じる可能性がある。
【0008】
従って、光クロストークの有無を、並列光送信機及び光受信機の中で使用される光出力パワーフィードバック式モニタリング・システムの中で補償することができる方法及び装置に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、レーザがイネーブル及び/又はディセーブルされることによって引き起こされる光出力パワーモニタリング・システム内の光クロストークにおける変動を補償するための、並列光送信機又は光トランシーバにおいて使用される方法及び装置を提供する。この装置は、n個のフィードバック制御ループ、メモリ装置、及びコントローラを備えている。ここで、nは並列光送信機又は光トランシーバ内の光送信チャネルの2以上の数である。各フィードバック制御ループは、少なくとも1つのレーザ・ダイオード駆動回路、レーザ・ダイオード、結合光学素子、及びフォトダイオードを備えている。レーザ・ダイオードがバイアスされて光信号を発生すると、結合光学素子はレーザ・ダイオードによって発生された光信号の少なくとも一部をフォトダイオード上に結合する。このフォトダイオード上に結合された光信号の少なくとも一部は、光フィードバック信号になる。フォトダイオードは光フィードバック信号を電気フィードバック信号に変換する。この電気フィードバック信号は、レーザ・ダイオード駆動回路の第1の入力端子に入力される。
【0010】
メモリ装置は、内部に記憶されたn個のオリジナル基準値を有している。コントローラは、通常の動作モードで動作する場合、n個のオリジナル基準値をメモリ装置から検索して、それぞれのフィードバック制御ループのそれぞれのレーザ・ダイオード駆動回路のそれぞれの第2の入力端子に印加するように構成される。それぞれのオリジナル基準値をそれぞれのレーザ・ダイオード駆動回路の第2の入力端子に印加する前に、コントローラは、1つ以上のフィードバック制御ループに存在する又は存在しない光クロストークの大きさの変化を補償するために、オリジナル基準値に対して調整を行う必要があるか否かを判断する。コントローラが調整をオリジナル基準値に対して行う必要があると判断した場合、コントローラはオリジナル基準値を調整して、新しい基準値を生成し、それぞれの新しい基準値をレーザ・ダイオード駆動回路のそれぞれの第2の入力端子に印加する。
【0011】
この方法には、下記のステップが含まれる。n個のフィードバック制御ループにおいて、nは並列光送信機又は光トランシーバ内の光送信チャネルの数であり、n個のそれぞれのフィードバック制御ループのn個のそれぞれのレーザ・ダイオードがイネーブルにされる。各レーザ・ダイオードは、それぞれのフィードバック制御ループのそれぞれのレーザ・ダイオード駆動回路によって駆動され、また各レーザ・ダイオード駆動回路は少なくとも第1及び第2の入力端子を有している。第1の入力端子は、電気フィードバック信号を受け取る。この電気フィードバック信号は、それぞれのフィードバック制御ループのそれぞれのフォトダイオードによって検出されたそれぞれのレーザ・ダイオードの光出力パワーレベルに基づいている。それぞれの基準値は、それぞれのレーザ・ダイオード駆動回路のそれぞれの第2の入力端子に印加される。並列光送信機又は光トランシーバのコントローラでは、1つ以上のフィードバック制御ループに存在する又は存在しない光クロストークの大きさの変化を補償するために、オリジナル基準値に対して調整を行う必要があるか否かを判断する。コントローラが調整を行う必要があると判断した場合、コントローラはオリジナル基準値を調整して、新しい基準値を生成し、それぞれの新しい基準値をレーザ・ダイオード駆動回路のそれぞれの第2の入力端子に印加する。
【0012】
本発明のこれらの及び他の特徴や利点は、下記の説明、図面及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】既知の並列光送信機又は光トランシーバの光出力パワーフィードバック式モニタリング・システムに関する代表的な構成のブロック図である。
【図2】並列光送信機又は光トランシーバのレーザ・ダイオードの光出力パワーをモニタ及び制御するための一実施形態に基づいた装置のブロック図である。
【図3】図2に示された装置を較正する一実施形態に基づいた方法を示すフローチャートである。
【図4】図3に示された較正プロセスが実行された後で、図2に示された装置で通常の動作モードを実行するための一実施形態に基づいた方法を示すフローチャートである。
【図5】図2に示された装置を較正する別の実施形態による方法を示すフローチャートである。
【図6】図5に示された較正プロセスが実行された後で、図2に示された装置で通常の動作モードを実行するための別の実施形態に基づいた方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態によれば、レーザがイネーブル及び/又はディセーブルされることによって引き起こされる、光出力パワーモニタリング・システム内の光クロストークにおける変動を補償するために並列光送信機又は光トランシーバの中で使用するための方法及び装置が提供される。特に、この方法及び装置によって、他の光チャネルの1つ以上のレーザがディセーブルであるか又はイネーブルであるかの判断に基づいて、各光チャネルの基準値に対して調整が行われる。これらの調整を行うことによって、各チャネルの各レーザの平均光出力パワーレベルは、1つ以上の他のチャネルの1つ以上のレーザがイネーブル又はディセーブルであっても、望ましい又は必要なレベルに維持されることができる。
【0015】
図2は、一実施形態による装置100のブロック図を例示している。この装置100は、並列光送信機又は光トランシーバの中で使用するための光出力パワーフィードバック式モニタリング・システムである。この装置は、コントローラ110、メモリ装置120、及びn個のフィードバック制御ループ130〜130を備えている。ここで、nは、光送信機又は光トランシーバ内の光送信チャネルの数である。フィードバック制御ループ130〜130は、同じ構成である。このため、簡潔にするために、装置100が通常の動作モードの間に動作する方法は、フィードバック制御ループ130、並びにコントローラ110及びメモリ装置120を参照して説明される。
【0016】
このフィードバック制御ループ130は、レーザ・ダイオード駆動回路133、電流源134、レーザ・ダイオード135、モニタ用フォトダイオード136、及びADC137を備えている。レーザ・ダイオード135は、電気データ信号(図示せず)で変調されて、光データ信号138を発生する。この光データ信号138は、光ファイバー141の端部に結合光学素子139を介して光結合される。この結合光学素子139は、光データ信号138の一部142をモニタ用フォトダイオード136に光結合する。光データ信号138の一部142は、レーザ・ダイオード135のバイアス電流を調整するために使用される光フィードバックである。
【0017】
モニタ用フォトダイオード136は、受け取った光データ信号138の一部142をアナログ電気信号143に変換する。ADC137は、このアナログ電気信号を複数ビットのディジタル値144に変換する。このディジタル値144は、閉ループ制御回路133にフィードバックされる。レーザ・ダイオード駆動回路133は、ディジタル値144をあらかじめ選択されたディジタル基準値150と比較して、駆動信号156を発生する。この駆動信号156は電流源134を駆動する。この電流源134はレーザ・ダイオード135のバイアス電流を変化させ、これによりレーザ・ダイオード135の平均出力パワーレベルを所定の実質的に一定レベルに維持する。
【0018】
図3は、装置100が前述した通常の動作モードを実行する前に、装置100が行う較正プロセスを示すフローチャートである。較正プロセスの一実施形態が、図3を参照してここで説明される。第1の較正動作段階の間に、並列光送信機又は光トランシーバに電源が投入されて、フィードバック制御ループ130〜130が前述された通常の方法で動作し、光フィードバック信号142に基づいてレーザ・ダイオード135のバイアス電流を調整する。このステップは、図3にブロック201で示されている。この較正段階の間に、全てのレーザ・ダイオード135がイネーブルにされ、レーザ・ダイオード135の平均光出力パワーレベルが実質的に一定のあるレベルに維持されているとコントローラ110が判断するまで、各基準値150が調整される。対応する基準値は、ブロック202で示されるように、メモリ装置120に記憶される。これにより、n個の光チャネルのそれぞれに対して、対応する基準値がメモリ装置120の中に含まれる。
【0019】
第2の較正動作段階の間に、1つを除いた全てのレーザ・ダイオード135がイネーブルにされ、そしてメモリ装置120に記憶された基準値が、イネーブルにされたレーザ・ダイオード135に関連したレーザ・ダイオード駆動回路133に与えられる。このステップは、図3のブロック203に示されている。イネーブルにされたレーザ・ダイオード135のうちの選択された1つに対して、ブロック204で示されているように、レーザ・ダイオード135の平均光出力パワーレベルが実質的に一定のあるレベルに維持されているとコントローラ110が判断するまで、コントローラ110は対応する基準値を調整する。コントローラ110は、ブロック205で示されているように、記憶された基準値と調整された基準値との間の差を計算して、この差をクロストーク項としてメモリ装置120に記憶する。次に、ブロック206で示されているように、クロストーク項が、フィードバック制御ループ130〜130の全てのnに対して計算されたかどうかの判断がなされる。計算された場合、このプロセスは終了する。計算されていない場合は、ブロック207で示されるように、ディセーブルされたレーザ・ダイオード135がイネーブルにされ、それと同時に、選択された1つを除く他の全てのレーザ・ダイオード135もイネーブルにされる。次に、プロセスはブロック204で示されたステップに戻り、次のクロストーク項が計算され、そしてメモリ装置120に記憶される。
【0020】
図4は、図3に示されているフローチャートによって表された較正プロセスの間に計算されたクロストーク項を用いて、通常の動作モードの間に光クロストーク補償を実行する方法を示したフローチャートである。光クロストーク補償は、1つ以上のレーザ・ダイオード135がディセーブル又はイネーブルされているとの判断に基づいて、関連したクロストーク項により基準値を増加又は減少することによって実行される。
【0021】
ブロック221に示されているように、全てのレーザ・ダイオードがイネーブルの場合、図3のブロック201でメモリ装置120内に記憶された基準値がフィードバック制御ループ130〜130で使用されて、レーザ・ダイオード135のバイアス電流に対して行われる調整を決定する。ブロック222で示されるように、前にイネーブルされたレーザ・ダイオード135がディセーブルにされる場合、全てのイネーブルされたレーザ・ダイオード135に対して、ブロック201でメモリ装置120に記憶された対応する基準値が、ブロック205においてメモリ装置120に記憶されたそれぞれのクロストーク項によってそれらを減少することによって調整される。ブロック223で示されるように、減少された基準値が次に、イネーブルされたフィードバック制御ループ130〜130のどれにでも使用されて、イネーブルされたループのレーザ・ダイオード135のバイアス電流に対して行われる調整を決定する。ブロック224に示されるように、前にディセーブルされたレーザ・ダイオード135がイネーブルにされる場合、全てのイネーブルされたレーザ・ダイオード135に対して、ブロック201でメモリ装置120に記憶された対応する基準値が、ブロック205においてメモリ装置120に記憶されたそれぞれのクロストーク項によってそれらを増加することによって調整される。ブロック225に示されるように、増加された基準値が次に、イネーブルされたフィードバック制御ループ130〜130のどれにでも使用されて、イネーブルされたループのレーザ・ダイオード135のバイアス電流に対して行われる調整を決定する。
【0022】
光クロストークの強度は、光フィードバック信号(図2の点線142)の強度に非常に依存する。光クロストークの強度に依存することに関して、光クロストークの補償を実行する場合、最も近い隣接した光チャネルからのクロストークだけしか考えないことは十分ではない。そのため、最も近い隣接したチャネル及び最も近い隣接したチャネでないチャネル(例えば、2個及び3個離れたチャネル)からの光クロストークの影響を考慮することが一般に望ましい。例えば、並列光送信機又は光トランシーバ内に12個の光送信チャネルがある(すなわち、n=12)と仮定して、フィードバック制御ループ130(ビクティムチャネル(victim channel))内の光クロストークを補償する場合、フィードバック制御ループ130及び130(最も近い隣接チャネル)からの光クロストーク並びにフィードバック制御ループ130、130、130及び130(ビクティムチャネルから2個及び3個離れた最も近い隣接チャネルでないチャネル)からの光クロストークが考慮される。従って、前述された較正プロセスの間の光クロストーク項の計算は、最も近い隣接した光チャネルからの光クロストーク及び最も近い隣接した光チャネルでない光チャネルからの光クロストークを考慮する方法で実行される。
【0023】
図5は、図3を参照して上述された較正プロセスのさらに詳細な説明を示すフローチャートを例示している。この図は、光クロストーク項の計算が、最も近い隣接した光チャネル及び最も近い隣接した光チャネルでない光チャネルによってもたらされる光クロストークを考慮する方法をより詳細に示している。較正の開始時に、全てのレーザ・ダイオード135がイネーブルにされ、各基準値150は、各レーザ・ダイオード135の平均光出力パワーレベルが実質的に一定のあるレベルで維持されているとコントローラ110が判断するまで調整される。このステップは、ブロック251に示されている。変数iは、ブロック252に示されているように、i=1に初期化される。iの値は、1からnまでの範囲にわたる。ここで、前述したように、nは並列光送信機又は受信機内の光送信チャネルの数である。光チャネルiのレーザ・ダイオード135に対する基準値Rは、ブロック253に示されているように、メモリ装置120内の光チャネルiに関連した対応するメモリ位置に記憶される。
【0024】
ブロック254において、iの値がn以下であるか否かの判断が行われる。それがn以下である場合、プロセスはブロック255に進み、そこでiの値がi=i+1にインクリメントされる。次に、プロセスはブロック253に戻り、このブロックで、光チャネルiの基準値が光チャネルiに関連した対応するメモリ位置に記憶される。ブロック253〜255から成るループが、n個の光チャネルの全てに対する基準値Rがメモリ装置120内の対応するメモリ位置に記憶されるまで繰り返される。ブロック254でなされた判断が否定の場合、プロセスはブロック256に進み、ここでiの値が1に再度設定される。
【0025】
次に、プロセスはブロック257に進み、ここでチャネルiのレーザ・ダイオード135がディセーブルにされる。変数jが次に、ブロック258に示されているように、1に初期化される。このjの値は、1からnの範囲で変化する。次に、ブロック259で、jがiに等しいかどうかについての判断がなされる。プロセスのこの時点で、jはiに等しくなり、プロセスはブロック261に進み、ここでjの値はj=j+1にインクリメントされる。プロセスは次にブロック259に戻り、j=1かどうかについての判断が行われる。プロセスのこの時点で、jは1に等しくないため、プロセスはブロック262に進む。ブロック262では、ディセーブルにされている光チャネルiのレーザ・ダイオード135からの結果として生じる光チャネルjに対する新しい基準値Rijが測定され、R−Rij間の差に等しい光クロストーク項Cijがメモリ装置120内の対応するメモリ位置に記憶される。次に、jの値がn未満であるかどうかに関する判断が、ブロック263で行われる。jがn未満である場合は、プロセスはブロック261に進み、そこでjの値がj=j+1にインクリメントされる。プロセスは次に、ブロック259に戻る。このようにjの値がn以上でない限り、チャネルi以外のチャネルのレーザ・ダイオードに対する新しい基準値及び対応するクロストーク項の計算が継続されて、メモリ装置120内に記憶される。
【0026】
ブロック263で行われた判断に否定の応答がなされた場合、プロセスはブロック264に進み、このブロックで光チャネルiのレーザ・ダイオード135がイネーブルにされる。光チャネルiのレーザ・ダイオード135がイネーブルにされると、ブロック253でメモリに記憶された基準値Rが使用されて、チャネルiのレーザ・ダイオード135のバイアス電流に対する調整が決定される。次に、iの現在の値がn未満であるかどうかについての判断が、ブロック265で行われる。n未満でない場合は、全てのチャネルに対する全ての基準値とクロストーク項が計算されてメモリ装置120に記録されているので、較正プロセスは終了する。ブロック265でなされた決定が肯定の応答である場合、プロセスはブロック266に進み、iの値が1だけインクリメントされる。プロセスは次にブロック257に戻り、チャネルiのレーザ・ダイオード135がディセーブルにされる。ブロック257〜266によって示されるループは、各レーザ・ダイオードが個別にディセーブルにされまた対応するクロストーク項Cijが計算されて、メモリ装置120内の対応する位置に記憶されるまで繰り返される。
【0027】
図6は、通常の動作モードのさらに詳細な説明を提供するフローチャートを例示しており、クロストーク補償が最も近い隣接した光チャネル及び最も近い隣接した光チャネルでない光チャネルによってもたらされる光クロストークを考慮する方法をより詳細に例示している。図5を参照して前述された較正プロセスが実行された後で、全てのレーザ・ダイオード135がイネーブルにされ、基準値が図5のブロック253においてメモリ内に記憶された値に対して設定される。前述されたように、これらの基準値は、ブロック301で示されているように、レーザ・ダイオード駆動回路133がレーザ・ダイオード135の平均光出力パワーレベルを実質的に一定のあるレベルに維持する値である。パラメータMON_REF〜MON_REFのセットが用いられて、それぞれ光送信チャネル130〜130(図2)に対する基準値が示される。
【0028】
ブロック302において、光チャネルiのレーザ・ダイオード135がディセーブルであるか又はイネーブルであるかについての判断が行われる。ここで、iは1からnの範囲で変化し、jには等しくない。ブロック302の判断が否定で応答される場合、ブロック302の判断が繰り返される。光チャネルiのレーザ・ダイオード135がイネーブル又はディセーブルされるとの判断がブロック302で行われる場合、次に、チャネルiのレーザ・ダイオード135がディセーブルされるか否かの決定がブロック303でなされる。ディセーブルされない場合、ブロック304において、チャネルiのレーザ・ダイオード135がイネーブルされるか否かの決定がなされる。否定の場合、プロセスはブロック302に戻る。イネーブルされる場合は、ブロック305において、チャネルiが以前イネーブルされたか否かの判断がなされる。イネーブルされた場合、プロセスはブロック302に戻る。否定の場合は、プロセスはブロック306に進み、そこで光送信チャネルiに対して使用される基準値がMON_REFに等しく設定される。プロセスは次にブロック307に進み、そこで光送信チャネルjに対する基準値MON_REFが、それぞれクロストーク項によって増加される。ここで、jは1からnまで変化し、iには等しくない。
【0029】
ブロック303において、判断が肯定で応答される場合、プロセスはブロック308に進み、そこでチャネルiが以前ディセーブルされたかどうかについて判断がなされる。ディセーブルされた場合、プロセスはブロック302に戻る。ディセーブルされなかった場合は、プロセスはブロック309に進み、光送信チャネルiのレーザ・ダイオード135がディセーブルされる。次に、プロセスはブロック311に進み、そこで光送信チャネルjに対する基準値MON_REFが、それぞれクロストーク項Cijだけ減少される。
【0030】
図3〜図6を参照して前述されたプロセスは、本発明の方法の可能な実施形態の実例であることに注目すべきである。種々の修正が、本発明から逸脱することなく、図3〜図6を参照して前述されたプロセスに対して行われることができる。例えば、これらの図面の中のブロックによって示されたステップの順序は、場合によっては、変更されることができ、またブロックによって示された幾つかのステップは、結合されるか又は完全に削除されることができる。これらのフローチャートによって示されたプロセスは修正されることができ、また全てのそのような修正は本発明の範囲の中に含まれることは、当業者は理解されよう。例えば、図5に関連して、ブロック251と252は入れ換えることができる。本発明の装置は、図2に示された構成に限定されないことにも注意されたい。例えば、フィードバック制御ループ130〜130のそれぞれが、それ自体ADC137を有しているとして示されているが、フィードバック制御ループ130〜130によって共有された1つのADCが、この目的のために使用されうる。別の実施例として、各光送信チャネルがそれ自体フィードバック制御ループ130〜130を有する必要はない。
【0031】
図3〜6を参照して上述されたプロセスは、コントローラ110によって実行される。このコントローラ110は、装置100が使用される送信機又はトランシーバの主コントローラとすることができる、又は特にレーザ・ダイオード135の光出力パワーレベルをモニタ及び制御するために使用される別個のコントローラ装置とすることができる。コントローラ110は、図2〜6を参照して上述された処理業務を実行できる任意の種類の計算装置とすることができる。例えば、コントローラ110は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル・ロジック・アレイ(PLA)、プログラマブル・ゲート・アレイ(PGA)、状態機械などとすることができる。本発明のアルゴリズムは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はその組合せの中で実行されうる。このアルゴリズムの一部又は全てがソフトウェア又はファームウェアで実行される場合、対応するコンピュータ・コードが一般に、メモリ装置120などの1つ以上のコンピュータ可読の媒体装置の中に記憶される。このコンピュータ可読の媒体装置はコントローラ110と1つのICの中に一体化される、又は別個のICの中で実装されることができる。このコンピュータ可読の媒体は、固体のメモリ装置である必要はないが、使用される目的に対して適当な任意の種類のメモリ素子とすることができる。適当なメモリ装置には、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リードオンリー・メモリ(ROM)、プログラマブル・リードオンリー・メモリ(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、磁気ディスク、磁気テープ、フラッシュ・メモリなどが含まれる。アルゴリズムの全て又は一部がコントローラ110内のハードウェアで実行される場合、このハードウェアは、例えば、1つ以上の状態機械の形態で実行されることができる。
【0032】
本発明の原理及び概念を示すために、また本発明が実行される方法に関する幾つかの実施例を提供するために、幾つかの例示的な実施形態を参照して本発明が説明されたことに注意されたい。本願で提供された説明に照らして、当業者には明らかなように、本発明はこれらの実施形態に限定されることはない。本願で説明された実施形態に対して修正を行うことができ、全てのそのような修正は本発明の範囲に入ることは当業者は理解されよう。
【符号の説明】
【0033】
110:コントローラ
120:メモリ装置
133:レーザ・ダイオード駆動回路
134:電流源
135:レーザ・ダイオード
136:モニタ用フォトダイオード
137:ADC
139:結合光学素子
141:光ファイバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列光送信機又は光トランシーバの光出力パワーフィードバック式モニタリング・システムにおける光クロストークを補償する装置であって、
n個のフィードバック制御ループと、
n個のオリジナル基準値が中に記憶されたメモリ装置と、
通常の動作モードで動作する場合、前記n個のオリジナル基準値が前記メモリ装置から検索されて、前記それぞれのフィードバック制御ループのそれぞれのレーザ・ダイオード駆動回路のそれぞれの第2の端子に与えられるように構成されたコントローラと、
を具備し、
前記nは前記並列光送信機又は光トランシーバ内の光送信チャネルの2以上の数であり、前記各フィードバック制御ループは、少なくとも1つのレーザ・ダイオード駆動回路、レーザ・ダイオード、結合光学素子、及びフォトダイオードを有しており、前記レーザ・ダイオードは光信号を発生するように変調され、前記結合光学素子は前記レーザ・ダイオードによって発生された光信号の少なくとも一部を前記フォトダイオード上に結合し、該フォトダイオード上に結合された光信号の一部は光フィードバック信号になり、前記フォトダイオードは前記光フィードバック信号を電気フィードバック信号に変換し、該電気フィードバック信号は、前記レーザ・ダイオード駆動回路の第1の端子に入力され、
前記それぞれのオリジナル基準値を前記それぞれのレーザ・ダイオード駆動回路の前記第2の端子に印加する前に、前記コントローラは、前記1つ以上のフィードバック制御ループに存在する又は存在しない光クロストークの大きさの変化を補償するために、前記オリジナル基準値に対して調整を行う必要があるか否かを判断し、調整を行う必要があると前記コントローラが判断した場合、該コントローラは、前記オリジナル基準値を調整して新しい基準値を生成し、該それぞれの新しい基準値を前記レーザ・ダイオード駆動回路の前記それぞれの第2の端子に印加する、
装置。
【請求項2】
前記光クロストークが、前記1つ以上のフィードバック制御ループから1つ以上の他のフィードバック制御ループのフォトダイオードに伝わる光フィードバック信号の一部に対応する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記コントローラが、前記1つ以上のレーザ・ダイオードがイネーブル又はディセーブルにされたかどうかに関する前記コントローラの判断に基づいて、前記オリジナル基準値に対して調整を行う必要があるかどうかを判断する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記1つ以上のレーザ・ダイオードが以前ディセーブルにされた後でイネーブルにされたかどうかに関する前記コントローラによる判断に基づいて、及び前記1つ以上のレーザ・ダイオードが以前イネーブルにされた後でディセーブルにされたかどうかに関する前記コントローラによる判断に基づいて、前記メモリ装置から検索された前記オリジナル基準値に対して調整を行う必要があるかどうかを前記コントローラが判断する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記1つ以上のレーザ・ダイオードが以前ディセーブルにされた後でイネーブルにされたと前記コントローラが判断した場合、該コントローラは、前記オリジナル基準値を増加することによって新しい基準値を得る、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記1つ以上のレーザ・ダイオードが以前イネーブルにされた後でディセーブルにされたと前記コントローラが判断した場合、該コントローラは、前記オリジナル基準値を減少することによって新しい基準値を得る、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記コントローラが通常の動作モードで動作する前に、該コントローラは較正プロセスを実行し、その間に前記オリジナル基準値が計算されて前記メモリ装置内に記憶され、かつそれぞれのクロストーク項が計算されて前記メモリ装置内に記憶され、各クロストーク項は、それぞれのオリジナル基準値とそれぞれの新しい基準値との間の差に等しい、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記コントローラが、前記それぞれの新しい基準値を得るために、前記それぞれのクロストーク項を前記それぞれのオリジナル基準値に加算する又はそれから減算することによって、前記オリジナル基準値を調整して前記新しい基準値を得る、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
並列光送信機又は光トランシーバにおいて光クロストークに対する較正を実行して、前記並列光送信機又は光トランシーバのレーザ・ダイオードの光出力パワーレベルをモニタ及び制御するために使用される基準値を得る装置であって、
メモリ装置と、
較正プロセスを実行するように構成されたコントローラと、
を具備し、前記較正プロセスが、
n個の前記レーザ・ダイオードをイネーブルにすること、及びそれぞれのレーザ・ダイオード駆動回路のそれぞれの第2の端子に印加されるそれぞれの初期の基準値を、前記レーザ・ダイオードの平均光出力パワーレベルが実質的に一定のあるレベルに維持されるまで調整することと、
前記調整された初期の基準値をそれぞれのオリジナル基準値として前記メモリ装置内に記憶することと、
j個のレーザ・ダイオードをイネーブルにすることと、
i番目のレーザ・ダイオードをディセーブルにすることと、
前記メモリ装置内に記憶されたそれぞれのオリジナル基準値を、前記並列光送信機又は光トランシーバの前記それぞれのフィードバック制御ループの前記それぞれのレーザ・ダイオード駆動回路の前記それぞれの第2の端子に印加することと、
前記それぞれのレーザ・ダイオード駆動回路の前記それぞれの第2の端子に印加された前記それぞれのオリジナル基準値を、前記それぞれのレーザ・ダイオードの平均光出力パワーレベルが実質的に一定のあるレベルに維持されるまで調整することと、
前記メモリ装置内に、前記それぞれの調整されたオリジナル基準値と前記それぞれのオリジナル基準値との間のそれぞれの差の値を、それぞれの光クロストーク項として記憶することと、
を含み、
前記nは2以上であり、
前記jは1からnまで変化する正の整数であり、
前記iは値が1からnまで変化する、jには等しくない正の整数であり、
前記それぞれの調整されたオリジナルの基準値は、前記それぞれの新しい基準値に対応し、
前記それぞれの光クロストーク項は、前記それぞれの差に対応する、
装置。
【請求項10】
並列光送信機又は光トランシーバの光出力パワーフィードバック式モニタリング・システムにおける光クロストークを補償する方法であって、
n個のフィードバック制御ループにおいて、該n個のフィードバック制御ループのそれぞれのレーザ・ダイオードをイネーブルにするステップと、
それぞれのオリジナル基準値をそれぞれのレーザ・ダイオード駆動回路のそれぞれの第2の入力端子に印加するステップと、
前記並列光送信機又は光トランシーバのコントローラにおいて、前記1つ以上のフィードバック制御ループに存在する又は存在しない光クロストークの大きさの変化を補償するために、前記オリジナル基準値に対して調整を行う必要があるか否かを判断するステップと、
調整を行う必要があると前記コントローラが判断した場合、該コントローラは前記オリジナル基準値を調整して新しい基準値を生成し、該それぞれの新しい基準値を前記レーザ・ダイオード駆動回路の前記それぞれの第2の入力端子に印加するステップと、
を含み、
前記nは、前記並列光送信機又は光トランシーバ内の光送信チャネルの、2以上の数であり、前記各レーザ・ダイオードは、前記それぞれのフィードバック制御ループの前記それぞれのレーザ・ダイオード駆動回路によって駆動され、前記各レーザ・ダイオード駆動回路は少なくとも第1及び第2の入力端子を有し、前記第1の入力端子は、前記それぞれのフィードバック制御ループのそれぞれのフォトダイオードによって検出されたそれぞれのレーザ・ダイオードの光出力パワーレベルに基づく電気フィードバック信号を受け取る、
方法。
【請求項11】
前記光クロストークが、前記1つ以上のフィードバック制御ループから1つ以上の他のフィードバック制御ループのフォトダイオードに伝わる前記光フィードバック信号の一部に対応する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記コントローラが、前記1つ以上のレーザ・ダイオードがイネーブル又はディセーブルにされたかどうかに関する前記コントローラの判断に基づいて、前記オリジナル基準値に対して調整を行う必要があるかどうかを判断する、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記1つ以上のレーザ・ダイオードが以前ディセーブルにされた後でイネーブルにされたかどうかに関する前記コントローラによる判断に基づいて、及び前記1つ以上のレーザ・ダイオードが以前イネーブルにされた後でディセーブルにされたかどうかに関する前記コントローラによる判断に基づいて、前記メモリ装置から検索された前記オリジナル基準値に対して調整を行う必要があるかどうかを前記コントローラが判断する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記1つ以上のレーザ・ダイオードが以前ディセーブルにされた後でイネーブルにされたと前記コントローラが判断した場合、該コントローラは、前記オリジナル基準値を増加することによって前記新しい基準値を得る、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記1つ以上のレーザ・ダイオードが以前イネーブルにされた後でディセーブルにされたと前記コントローラが判断した場合、該コントローラは、前記オリジナル基準値を減少することによって前記新しい基準値を得る、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記コントローラが通常の動作モードで動作する前に、該コントローラが較正プロセスを実行するステップをさらに含み、該較正プロセスの間に前記オリジナル基準値が計算されて前記メモリ装置内に記憶され、かつそれぞれのクロストーク項が計算されて前記メモリ装置内に記憶され、各クロストーク項は、それぞれのオリジナル基準値とそれぞれの新しい基準値との間の差に等しい、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記コントローラが、前記それぞれの新しい基準値を得るために、前記それぞれのクロストーク項を前記それぞれのオリジナル基準値に加算する又はそれから減算することによって、前記オリジナル基準値を調整して前記新しい基準値を得る、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
以前イネーブルにされたレーザ・ダイオードがディセーブルにされる又はディセーブルにされたと前記コントローラが判断した場合、該コントローラは、前記それぞれのオリジナル基準値から前記それぞれのクロストーク項を減算することによって、前記オリジナル基準値を調整して前記新しい基準値を得る、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
以前ディセーブルにされたレーザ・ダイオードがイネーブルにされる又はイネーブルにされたと前記コントローラが判断した場合、該コントローラは、前記それぞれのオリジナル基準値に前記それぞれのクロストーク項を加算することによって、前記オリジナル基準値を調整して前記新しい基準値を得る、請求項17に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−239364(P2011−239364A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−64261(P2011−64261)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(506098789)アバゴ・テクノロジーズ・ファイバー・アイピー(シンガポール)プライベート・リミテッド (36)
【Fターム(参考)】