説明

中国語入力装置およびプログラム

【課題】例えば中国語の初心者にとっても、ピンインの四声を容易且つ正確に入力することが可能になる中国語入力装置を提供する。
【解決手段】ピンイン検索画面Gpのピンイン入力エリアE1に所望の漢語のピンインの文字列をアルファベットキーの操作により入力表示させると、当該ピンイン文字列の先頭文字から順次母音の文字または二重母音,三重母音,鼻母音などの母音文字列が検索されて反転表示Hされる共に、手書き入力部16に四声入力画面16sが表示されて四声のユーザ入力が促される。そして、前記母音文字または母音文字列が反転表示Hされる都度、前記四声入力画面16sから四声(一声・二声・三声・四声・軽声)を選択的にタッチ入力すると、入力された四声記号snが前記検索された母音文字または母音文字列に付加されて表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば中国語を学習するのに適した中国語入力装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、キー入力表示された文字(列)をキーワード(検索文字(列))として辞書の見出し語を検索し、その意味内容を表示させるようにした電子辞書装置が実用されている。
【0003】
そして、前記辞書検索のためのキーワード(検索文字(列))を入力するために、キー入力部(キーボード)だけでなく手書き入力部も備え、ユーザが読めない漢字などもこの手書き入力部にて手書き入力して文字認識させ、前記キーワード(検索文字(列))として入力し、辞書検索表示させるようにした手書き入力機能付きの電子辞書装置も考えられている。
【0004】
また近年、電子辞書装置には、様々な言語に対応した辞書が集録されており、例えば中国語の場合では、通常のキーボードに備えられたかな文字キーやアルファベットキーなどからだけではその中国語(漢語)の文字を直接的に入力するのが困難なことがある。このため、中国語(漢語)辞書の検索においては、その発音であるピンインをアルファベットキーによって入力表示させると共に、同発音の声調である四声については、前記手書き入力部を利用して簡単に入力表示させ、対応する単語(見出し語)を検索するようにした電子辞書装置も考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−165443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記従来の電子辞書装置では、中国語のピンインをアルファベットキーにより入力するのと共に、手書き入力部を利用してハード的には簡単に四声を入力することができるものの、中国語の初心者にとっては、読みまでは分かっても四声を入力すべき音節の区切りまでは分からないことが多く、容易且つ正確にピンイン入力するのが困難な問題がある。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みなされたもので、例えば中国語の初心者にとっても、ピンインの四声を容易且つ正確に入力することが可能になる中国語入力装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の中国語入力装置は、ユーザ操作に応じて中国語のピンインに対応した英文字を入力する文字入力手段と、この文字入力手段により入力されたピンインに対応した英文字を表示させる文字表示制御手段と、この文字表示制御手段により表示されたピンインの文字を対象として、四声を入力すべきところの文字を検索する四声文字検索手段と、この四声文字検索手段により四声を入力すべきところの文字が検索された場合に、当該検索された文字を識別表示させると共に、四声のユーザ入力を促すガイドを表示させる入力ガイド表示制御手段と、この入力ガイド表示制御手段により表示されたガイドに従いユーザ入力された四声に応じた記号を前記四声文字検索手段により検索された文字に付加して表示させる四声記号表示制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載の中国語入力装置は、前記請求項1に記載の中国語入力装置において、前記四声文字検索手段は、前記文字表示制御手段により表示されたピンインの文字を対象として、その先頭の文字から順次、四声を入力すべきところの文字を検索し、前記入力ガイド表示制御手段は、前記四声文字検索手段により四声を入力すべきところの文字が検索された場合に、その都度、当該検索された文字を識別表示させると共に、四声のユーザ入力を促すガイドを表示させる、ことを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載の中国語入力装置は、前記請求項1または請求項2に記載の中国語入力装置において、前記四声を入力すべきところの文字は、母音の文字または当該母音の文字を含んだ重母音や鼻母音の文字列であることを特徴としている。
【0011】
請求項4に記載の中国語入力装置は、前記請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の中国語入力装置において、中国語の辞書を記憶する辞書記憶手段と、前記四声記号表示制御手段により四声に応じた記号が付加されて表示されたピンインの文字に対応する中国語を、前記辞書記憶手段により記憶された中国語の辞書から検索する辞書検索手段と、をさらに備えたことを特徴としている。
【0012】
請求項5に記載の中国語入力装置は、前記請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の中国語入力装置において、中国語の辞書を記憶する辞書記憶手段と、この辞書記憶手段により記憶された中国語の辞書に含まれる中国語を発音の問題として表示させる問題表示制御手段と、前記四声記号表示制御手段により四声に応じた記号が付加されて表示されたピンインが、前記問題表示制御手段により表示された中国語に対応するピンインとして正しいか否かを、前記辞書記憶手段により記憶された中国語の辞書に基づき判断するピンイン判断手段と、このピンイン判断手段による判断結果を表示させる判断結果表示制御手段と、をさらに備えたことを特徴としている。
【0013】
請求項6に記載のプログラムは、コンピュータを、ユーザ操作に応じて中国語のピンインに対応した英文字を入力する文字入力手段、この文字入力手段により入力されたピンインに対応した英文字を表示部に表示させる文字表示制御手段、この文字表示制御手段により表示されたピンインの文字を対象として、四声を入力すべきところの文字を検索する四声文字検索手段、この四声文字検索手段により四声を入力すべきところの文字が検索された場合に、当該検索された文字を識別表示させると共に、四声のユーザ入力を促すガイドを表示部に表示させる入力ガイド表示制御手段、この入力ガイド表示制御手段により表示されたガイドに従いユーザ入力された四声に応じた記号を前記四声文字検索手段により検索された文字に付加して表示させる四声記号表示制御手段、として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、例えば中国語の初心者にとっても、ピンインの四声を容易且つ正確に入力することが可能になる中国語入力装置およびプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の中国語入力装置の実施形態に係る手書き入力機能付き電子辞書装置10の外観構成を示す正面図。
【図2】前記手書き入力機能付き電子辞書装置10の電子回路の構成を示すブロック図。
【図3】前記電子辞書装置10による中国語辞書検索処理を示すフローチャート。
【図4】前記電子辞書装置10の中国語辞書検索処理に伴い初期表示される検索文字(文字列)入力方式の選択画面Gsを示す図。
【図5】前記電子辞書装置10の中国語辞書検索処理に伴うピンイン入力処理を示すフローチャート。
【図6】前記電子辞書装置10のピンイン入力処理に従った表示動作の具体例(その1)を示す図。
【図7】前記電子辞書装置10のピンイン入力処理に従った表示動作の具体例(その2)を示す図。
【図8】前記電子辞書装置10により中国語の発音を学習するための学習問題処理を示すフローチャート。
【図9】前記電子辞書装置10による中国語の学習問題処理に伴い表示される出題画面Gmを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
図1は、本発明の中国語入力装置の実施形態に係る手書き入力機能付き電子辞書装置10の外観構成を示す正面図である。
【0018】
この電子辞書装置10は、その本体ケース11と蓋体ケース12とがヒンジ部13を介して展開/閉塞可能な折り畳み型ケースを備えて構成される。この折り畳み型ケースを展開した本体ケース11の表面には、各種文字・記号キー14a、辞書指定キー14b、訳/決定キー14c、カーソルキー14dなどを備えたキー入力部14、スピーカ15L,15R、手書き入力部16が設けられる。
【0019】
この手書き入力部16は、ユーザがタッチペンPや指等でタッチした位置を検出するタッチ位置検出装置と表示装置が一体となった構造であり、例えば、キー入力部14の中央手前側において256×64ドットの液晶表示画面に透明タブレットを重ねて構成される。この手書き入力部16の入力領域は、必要に応じて、手書き文字を入力するための手書き文字入力領域や各種機能のボタン入力領域、あるいは各入力領域が混在する領域に切り替えられる。この手書き入力部16での手書き入力に伴う軌跡はその液晶表示画面にエコーバックして表示される。
【0020】
なお、この手書き入力部16の入力領域は、後述するように、漢語辞書などを指定した中国語のピンインからの検索モードでは、当該ピンイン(発音)の四声(声調)をタッチ入力するための四声入力画面16s(図6・図7参照)に切り替わる。
【0021】
また蓋体ケース12の表面には、そのほぼ全域に例えば480×320ドットのバックライト付き表示部(液晶表示画面)17が設けられる。
【0022】
図2は、前記手書き入力機能付き電子辞書装置10の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0023】
この電子辞書装置10は、各種の記憶媒体に記録されたプログラム、又は、伝送されたプログラムを読み込んで、その読み込んだプログラムによって動作が制御されるコンピュータによって構成され、その電子回路には、CPU(central processing unit)21が備えられる。
【0024】
CPU21は、メモリ22内に予め記憶された装置制御プログラム、あるいはROMカードなどの外部記憶媒体23から記憶媒体読取部24を介して前記メモリ22に読み込まれた装置制御プログラム、あるいはインターネットN上のWebサーバ(この場合はプログラムサーバ)30から電送制御部(通信部)25を介して前記メモリ22に読み込まれた装置制御プログラムに応じて、回路各部の動作を制御するもので、前記メモリ22に記憶された装置制御プログラムは、キー入力部14や手書き入力部16からのユーザ操作に応じた入力信号、あるいは電送制御部25を介して接続されるインターネットN上の各Webサーバ30…との通信信号、あるいは記憶媒体読取部24を介して外部接続されるEEPROM,RAM,ROMなどのメモリカード(記憶媒体)23との接続通信信号に応じて起動される。
【0025】
前記CPU21には、前記メモリ22、記憶媒体読取部24、電送制御部25、キー入力部14、手書き入力部16が接続される他に、表示部17などが接続される。
【0026】
メモリ22には、当該電子辞書装置10の全体の動作を司るシステムプログラムや電送制御部25を介してインターネットN上の各Webサーバ30…や図示しないユーザPC(Personal Computer)などとデータ通信するための通信プログラムが記憶される他に、辞書データ(22c)に基づく検索文字列(キーワード/ピンイン)の入力に応じた見出し語検索処理と指定の見出し語に対応した訳語・意味内容・例文(用例)などの各種説明情報の読み出し表示処理など、辞書データ(22c)に基づく検索処理全般を制御するための辞書検索処理プログラム22a、手書き入力部16にて手書き入力表示された手書きの文字を文字認識するための文字認識処理プログラム22bが記憶される。
【0027】
また、このメモリ22には、辞書データメモリ22c、文字認識変換候補バッファ22d、表示データメモリ22e、入力文字メモリ22f、検索文字列(キーワード/ピンイン)メモリ22g、ワークエリア22hなどが用意される。
【0028】
辞書データメモリ22cには、「国語辞書」「英和辞書」「和英辞書」「英英辞書」「漢語(中国語)辞書」などと共に、「広○辞」、「漢○源」など、種類の異なる辞書データが予め、あるいはダウンロードされて複数辞書記憶される。
【0029】
文字認識変換候補バッファ22dには、前記手書き入力部16において入力表示された手書き文字が前記文字認識処理プログラム22bに従って文字認識処理される際に、その認識変換された候補文字が例えば第1候補文字から第10候補文字まで記憶される。
【0030】
表示データメモリ22eには、表示部17の表示画面に対応した表示データの記憶領域と手書き入力部16の表示画面に対応した表示データの記憶領域とを有し、それぞれその表示画面に表示すべきデータがビットマップのパターンデータとして展開記憶される。
【0031】
入力文字メモリ22fには、前記辞書検索処理プログラム22aに従ってキー入力部14や手書き入力部16によりユーザ入力された数字・文字・記号などの入力データが記憶保持される。
【0032】
検索文字列(キーワード/ピンイン)メモリ22gには、辞書検索処理の対象として入力あるいは指定された文字や文字列が記憶される他、漢語(中国語)辞書をその発音から検索するピンイン入力モードではピンインの文字や文字列が記憶される。
【0033】
ワークエリア22hには、前記辞書検索処理プログラム22aや文字認識処理プログラム22bなどの各種の装置制御プログラムに従いCPU21に入出力される種々のデータが必要に応じて記憶される。
【0034】
次に、前記構成の手書き入力機能付き電子辞書装置10の動作について説明する。
【0035】
ここでは、漢語(中国語)辞書の検索のため、手書き入力部16を使用して入力した文字(文字列)あるいはピンインを検索文字列(キーワード/ピンイン)として辞書検索する場合の動作を主体に説明し、キー入力部14を使用して入力した単語としての文字(文字列)を検索文字列(キーワード)として辞書検索する場合の動作については通常動作と同様であるためその説明を省略する。
【0036】
図3は、前記電子辞書装置10による中国語辞書検索処理を示すフローチャートである。
【0037】
図4は、前記電子辞書装置10の中国語辞書検索処理に伴い初期表示される検索文字(文字列)入力方式の選択画面Gsを示す図である。
【0038】
キー入力部14における辞書指定キー14bにより今回の辞書検索で使用したい辞書(例えば中国語辞書である「漢語辞書」)が指定入力されると、図4に示すように、ピンインを入力して検索するピンイン入力モード[A]、または手書き文字認識により検索文字列の漢字を入力して検索する手書き入力モード[B]の何れかを選択するための入力方式選択画面Gsが表示部17に表示される(ステップS1)。
【0039】
この入力方式選択画面Gsにおいて、ピンイン入力モード[A]が選択されると(ステップS2(Yes))、図5におけるピンイン入力処理に移行される(ステップSA)。
【0040】
図5は、前記電子辞書装置10の中国語辞書検索処理に伴うピンイン入力処理を示すフローチャートである。
【0041】
図6は、前記電子辞書装置10のピンイン入力処理に従った表示動作の具体例(その1)を示す図である。
【0042】
ピンイン入力処理が起動されると、図6(A)に示すように、ピンイン入力エリアE1を設けたピンイン検索画面Gpが表示部17に表示され、キー入力部14の各種文字・記号キー14aのアルファベットキーの操作に応じたピンイン入力の待機状態になる(ステップA1)。
【0043】
前記ピンイン検索画面Gpにおいて、ピンイン入力エリアE1に所望の漢語のピンインとしてその読みの文字だけがアルファベットキーの操作により例えば「pinyin」と入力表示されると(ステップA2(Yes))、当該入力されたピンインの読みの文字列「pinyin」に含まれる母音の文字がその先頭の文字から順次検索される(ステップA3)。
【0044】
ここで、最初の母音の文字「i」が検索されると(ステップA4(Yes))、当該検索された母音文字「i」に連続する文字をも含んだ二重母音、三重母音、鼻母音が検索される(ステップA5)。
【0045】
そして、前記ピンインの文字列「pinyin」の最初の母音文字「i」について、連続する文字をも含んだ二重母音、三重母音、鼻母音は無いと判断されると(ステップA6(No))、図6(B)に示すように、前記最初の母音文字「i」が反転表示Hされると共に(ステップA7a)、手書き入力部16に対し四声入力画面16sが表示される(ステップA8)。
【0046】
この四声入力画面16sにおいて、前記反転表示Hされた最初の母音文字「i」に応じた四声(この場合は「一声」)がタッチペンPにより選択タッチされると(ステップA9(Yes))、図6(C)に示すように、同反転表示Hされた最初の母音文字「i」に、選択された四声記号(この場合は「一声」の記号s1)が付加されて表示される(ステップA10)。
【0047】
そして、前記四声記号“s1”を入力付加したピンインの文字「i」以降の文字列に含まれる母音の文字がさらに検索される(ステップA10→A3)。
【0048】
ここで、2番目の母音の文字「i」が検索された後(ステップA4(Yes))、当該検索された母音文字「i」に連続する二重母音、三重母音、鼻母音は無いと判断されると(ステップA5,A6(No))、図6(C)に示すように、前記2番目の母音文字「i」が反転表示Hされると共に(ステップA7a)、手書き入力部16に対し四声入力画面16sが表示される(ステップA8)。
【0049】
この四声入力画面16sにおいて、前記反転表示Hされた2番目の母音文字「i」に応じた四声(この場合も「一声」)がタッチペンPにより選択タッチされると(ステップA9(Yes))、図6(D)に示すように、同反転表示Hされた2番目の母音文字「i」に、選択された四声記号(この場合も「一声」の記号s1)が付加されて表示される(ステップA10)。
【0050】
そして、前記四声記号“s1”を入力付加したピンインの2番目の母音文字「i」以降の文字列に含まれる母音の文字がさらに検索される(ステップA10→A3)。
【0051】
この後、更なる母音文字は検索されないと判断されると(ステップA4(No))、前記ピンイン入力エリアE1に入力されたピンインの文字列「pinyin」が四声記号snの付加された状態で確定される(ステップA11)。
【0052】
すると、前記漢語辞書(22c)から、前記ピンイン入力エリアE1にて確定されたピンインの文字列「pinyin」に対応付けられて記憶されている見出し語が検索され、図6(D)に示すように、見出し語一覧エリアE2に表示される(ステップS4)。
【0053】
そして、前記見出し語一覧エリアE2においてカーソルCuにより選択されているところの見出し語「(漢語のピン)音」に対応した説明情報が、前記漢語辞書から読み出され、説明情報表示エリアE3に表示される(ステップS5)。
【0054】
図7は、前記電子辞書装置10のピンイン入力処理に従った表示動作の具体例(その2)を示す図である。
【0055】
例えば図7(A)に示すように、ピンイン検索画面Gpにおいて、ピンイン入力エリアE1に所望の漢語のピンインとしてその読みの文字だけがアルファベットキーの操作により例えば「hailiang」と入力表示されると(ステップA1,A2(Yes))、当該入力されたピンインの読みの文字列「hailiang」に含まれる母音の文字がその先頭の文字から順次検索される(ステップA3)。
【0056】
ここで、最初の母音の文字「a」が検索されると(ステップA4(Yes))、当該検索された母音文字「i」に連続する文字をも含んだ二重母音、三重母音、鼻母音が検索される(ステップA5)。
【0057】
そして、前記ピンインの文字列「hailiang」の最初の母音文字「a」について、連続する文字をも含んだ二重母音「ai」が検索されると(ステップA6(Yes))、図7(B)に示すように、前記二重母音である文字列「ai」が反転表示Hされると共に(ステップA7b)、手書き入力部16に対し四声入力画面16sが表示される(ステップA8)。
【0058】
この四声入力画面16sにおいて、前記反転表示Hされた二重母音の文字列「ai」に応じた四声(この場合は「三声」)がタッチペンPにより選択タッチされると(ステップA9(Yes))、図7(C)に示すように、同反転表示Hされた二重母音の文字列「ai」の後寄りの母音文字「i」に、選択された四声記号(この場合は「三声」の記号s3)が付加されて表示される(ステップA10)。
【0059】
そして、前記四声記号“s3”を入力付加したピンインの二重母音文字「ai」以降の文字列に含まれる母音の文字がさらに検索される(ステップA10→A3)。
【0060】
ここで、次の母音の文字「i」が検索された後(ステップA4(Yes))、当該検索された母音文字「i」に連続する文字をも含んだ鼻母音「iang」が検索されると(ステップA5,A6(Yes))、図7(C)に示すように、前記鼻母音である文字列「iang」が反転表示Hされると共に(ステップA7b)、手書き入力部16に対し四声入力画面16sが表示される(ステップA8)。
【0061】
この四声入力画面16sにおいて、前記反転表示Hされた鼻母音の文字列「iang」に応じた四声(この場合は「四声」)がタッチペンPにより選択タッチされると(ステップA9(Yes))、図7(D)に示すように、同反転表示Hされた鼻母音の文字列「iang」の後寄りの母音文字「a」に、選択された四声記号(この場合は「四声」の記号s4)が付加されて表示される(ステップA10)。
【0062】
そして、前記四声記号“s4”を入力付加したピンインの鼻母音の文字列「iang」以降の文字列に含まれる母音の文字がさらに検索される(ステップA10→A3)。
【0063】
この後、更なる母音文字は検索されないと判断されると(ステップA4(No))、前記ピンイン入力エリアE1に入力されたピンインの文字列「hailiang」が四声記号snの付加された状態で確定される(ステップA11)。
【0064】
すると、前記漢語辞書から、前記ピンイン入力エリアE1にて確定されたピンインの文字列「hailiang」に対応付けられて記憶されている見出し語が検索され、図7(D)に示すように、見出し語一覧エリアE2に表示される(ステップS4)。
【0065】
そして、前記見出し語一覧エリアE2においてカーソルCuにより選択されているところの見出し語「海量」に対応した説明情報が、前記漢語辞書から読み出され、説明情報表示エリアE3に表示される(ステップS5)。
【0066】
一方、前記中国語辞書検索処理にて初期表示される入力方式選択画面Gs(図4参照)において、手書き文字認識により検索文字列の漢字を入力する手書き入力モード[B]が選択された場合には(ステップS2(No))、漢字の検索文字入力エリアを有する辞書検索画面が表示部17に表示され、手書き入力部16からの手書きによる検索文字列(キーワード)の入力待機状態となる。
【0067】
そして、手書き入力部16にて入力された手書き文字が検索文字列として文字認識され、前記辞書検索画面内の検索文字入力エリアに入力表示されると(ステップS3)、当該検索文字列に対応した見出し語が漢語辞書から検索され、見出し語一覧エリアE2に表示される(ステップS4)。すると、この見出し語一覧エリアE2においてカーソルCuにより選択されているところの見出し語に対応した説明情報が、前記漢語辞書から読み出され、説明情報表示エリアE3に表示される(ステップS5)。
【0068】
したがって、前記構成の電子辞書装置10の中国語辞書検索処理に伴うピンイン入力機能によれば、ピンイン検索画面Gpのピンイン入力エリアE1に所望の漢語のピンインの文字列をアルファベットキーの操作により入力表示させると、当該ピンイン文字列の先頭文字から順次母音の文字または二重母音,三重母音,鼻母音などの母音文字列が検索されて反転表示Hされる共に、手書き入力部16に四声入力画面16sが表示されて四声のユーザ入力が促される。そして、前記母音文字または母音文字列が反転表示Hされる都度、前記四声入力画面16sから四声(一声・二声・三声・四声・軽声)を選択的にタッチ入力することで、入力された四声記号snが前記検索された母音文字または母音文字列に付加されて表示される。
【0069】
このため、中国語の初心者であって、学習したい中国語の読みは分かりつつ四声を入力すべき音節の区切りまでは分からない場合でも、当該音節の区切りがガイドされながら容易且つ正確にピンイン入力することでき、ピンイン入力からの中国語辞書検索を行うことができる。
【0070】
図8は、前記電子辞書装置10により中国語の発音を学習するための学習問題処理を示すフローチャートである。
【0071】
図9は、前記電子辞書装置10による中国語の学習問題処理に伴い表示される出題画面Gmを示す図である。
【0072】
キー入力部14のメニューキー(辞書指定キー14bの1つ)の操作に応じて表示されるメニュー画面において、「中国語発音確認問題」の項目が選択されると、図9に示すように、当該中国語発音確認問題の出題画面Gmが表示部17に表示され(ステップT1)、前記図5におけるピンイン入力処理に移行される(ステップTA)。
【0073】
前記図9で示した出題画面Gmは、問題としての中国語(この場合は「裁定」)が表示される問題表示エリアEmと、この問題表示エリアEmに表示された中国語の発音を入力するためのピンイン回答エリアEpからなる。
【0074】
前記ピンイン回答エリアEpにおいて、前記問題表示エリアEmに表示された中国語「裁定」の発音に対応する読みだけをアルファベットキーにより文字入力すると(ステップA1,A2)、前記同様のピンイン入力処理(図5参照)に従い、当該ピンイン文字列の先頭文字から順次母音の文字または二重母音,三重母音,鼻母音などの母音文字列が検索されて反転表示Hされる共に、手書き入力部16に四声入力画面16sが表示されて四声のユーザ入力が促される(ステップA3〜A8)。そして、前記母音文字または母音文字列が反転表示Hされる都度、前記四声入力画面16sから四声(一声・二声・三声・四声・軽声)を選択的にタッチ入力すると(ステップA9)、入力された四声記号snが前記検索された母音文字または母音文字列に付加されて表示される(ステップA10)。
【0075】
こうして、前記ピンイン回答エリアEpに前記問題「裁定」の回答としてのピンインを入力表示させると、漢語辞書(22c)に記憶されている見出し語「裁定」に対応付けられたピンインのデータに基づき、当該回答のピンインが正解か不正解かが判断され(ステップT2)、表示部17にその判断結果が表示される(ステップT3)。
【0076】
このため、中国語の初心者であって、学習したい中国語の読みは分かりつつ四声を入力すべき音節の区切りまでは分からない場合でも、当該音節の区切りがガイドされならが容易にピンイン入力して回答することでき、中国語の発音を効率よく学習できる。
【0077】
なお、前記各実施形態において記載した電子辞書装置10による各処理の手法、すなわち、図3のフローチャートに示す中国語辞書検索処理、図5のフローチャートに示す前記中国語辞書検索処理に伴うピンイン入力処理、図8のフローチャートに示す中国語の発音を学習するための学習問題処理などの各手法は、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フロッピディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の外部記憶媒体23に格納して配布することができる。そして、中国語(漢語)辞書を含む辞書データベース(22c)を記憶した種々のコンピュータ端末は、この外部記憶媒体23に記憶されたプログラムを記憶媒体読取部24によってメモリ22に読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、前記各実施形態において説明した中国語辞書検索処理に伴うピンイン入力機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0078】
また、前記各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態として通信ネットワーク(インターネット)N上を伝送させることができ、この通信ネットワーク(インターネット)Nに接続されたコンピュータ端末(プログラムサーバ)30から前記のプログラムデータを取り込み、前述した中国語辞書検索処理に伴うピンイン入力機能を実現することもできる。
【0079】
なお、本願発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が異なる形態にして組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
【符号の説明】
【0080】
10 …手書き入力機能付き電子辞書装置
11 …本体ケース
12 …蓋体ケース
13 …ヒンジ部
14 …キー入力部
14a…各種文字・記号キー
14b…辞書指定キー
14c…訳/決定キー
14d…カーソルキー
15L,15R…スピーカ
16 …手書き入力部
16s…四声入力画面
17 …表示部
21 …CPU
22 …メモリ
22a…辞書検索処理プログラム
22b…文字認識処理プログラム
22c…辞書データメモリ
22d…文字認識変換候補バッファ
22e…表示データメモリ
22f…入力文字メモリ
22g…検索文字列(キーワード/ピンイン)メモリ
22h…ワークエリア
23 …外部記憶媒体
24 …記憶媒体読取部
25 …電送制御部(通信部)
30 …Webサーバ
N …通信ネットワーク(インターネット)
Gs …入力方式選択画面
Gp …ピンイン検索画面
Gm …出題画面
E1 …ピンイン入力エリア
E2 …見出し語一覧エリア
E3 …説明情報表示エリア
Em …問題表示エリア
Ep …ピンイン回答エリア
sn …四声記号
H …反転表示
Cu …カーソル
P …タッチペン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ操作に応じて中国語のピンインに対応した英文字を入力する文字入力手段と、
この文字入力手段により入力されたピンインに対応した英文字を表示させる文字表示制御手段と、
この文字表示制御手段により表示されたピンインの文字を対象として、四声を入力すべきところの文字を検索する四声文字検索手段と、
この四声文字検索手段により四声を入力すべきところの文字が検索された場合に、当該検索された文字を識別表示させると共に、四声のユーザ入力を促すガイドを表示させる入力ガイド表示制御手段と、
この入力ガイド表示制御手段により表示されたガイドに従いユーザ入力された四声に応じた記号を前記四声文字検索手段により検索された文字に付加して表示させる四声記号表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする中国語入力装置。
【請求項2】
前記四声文字検索手段は、前記文字表示制御手段により表示されたピンインの文字を対象として、その先頭の文字から順次、四声を入力すべきところの文字を検索し、
前記入力ガイド表示制御手段は、前記四声文字検索手段により四声を入力すべきところの文字が検索された場合に、その都度、当該検索された文字を識別表示させると共に、四声のユーザ入力を促すガイドを表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の中国語入力装置。
【請求項3】
前記四声を入力すべきところの文字は、母音の文字または当該母音の文字を含んだ重母音や鼻母音の文字列であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の中国語入力装置。
【請求項4】
中国語の辞書を記憶する辞書記憶手段と、
前記四声記号表示制御手段により四声に応じた記号が付加されて表示されたピンインの文字に対応する中国語を、前記辞書記憶手段により記憶された中国語の辞書から検索する辞書検索手段と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の中国語入力装置。
【請求項5】
中国語の辞書を記憶する辞書記憶手段と、
この辞書記憶手段により記憶された中国語の辞書に含まれる中国語を発音の問題として表示させる問題表示制御手段と、
前記四声記号表示制御手段により四声に応じた記号が付加されて表示されたピンインが、前記問題表示制御手段により表示された中国語に対応するピンインとして正しいか否かを、前記辞書記憶手段により記憶された中国語の辞書に基づき判断するピンイン判断手段と、
このピンイン判断手段による判断結果を表示させる判断結果表示制御手段と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の中国語入力装置。
【請求項6】
コンピュータを、
ユーザ操作に応じて中国語のピンインに対応した英文字を入力する文字入力手段、
この文字入力手段により入力されたピンインに対応した英文字を表示部に表示させる文字表示制御手段、
この文字表示制御手段により表示されたピンインの文字を対象として、四声を入力すべきところの文字を検索する四声文字検索手段、
この四声文字検索手段により四声を入力すべきところの文字が検索された場合に、当該検索された文字を識別表示させると共に、四声のユーザ入力を促すガイドを表示部に表示させる入力ガイド表示制御手段、
この入力ガイド表示制御手段により表示されたガイドに従いユーザ入力された四声に応じた記号を前記四声文字検索手段により検索された文字に付加して表示させる四声記号表示制御手段、
として機能させるようにしたプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−198241(P2010−198241A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−41365(P2009−41365)
【出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】