説明

中空板材の折り曲げ用溝加工装置及び中空板材の折り曲げ用溝加工方法

【課題】中空板材の折り曲げ用溝を短時間で、かつ、精度よく形成でき、生産性及び品質などを向上させることができる中空板材の折り曲げ用溝加工装置及び中空板材の折り曲げ用溝加工方法の提供を目的とする。
【解決手段】折り曲げ用溝加工装置1は、加熱部材2、冷却部材3、溝加工部材4を備え、加熱部材2及び溝加工部材4が気泡ボード10を加熱し、この加熱の後に、冷却部材3及び溝加工部材4が強制的に冷却することによって、折り曲げ用溝11を形成する構成としてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中空板材の折り曲げ用溝加工装置及び中空板材の折り曲げ用溝加工方法に関し、特に、加熱部材、冷却部材及び溝加工部材を備えることにより、気泡ボードの折り曲げ用溝を短時間で、かつ、精度よく形成でき、生産性及び品質などを向上させることができる加工装置及び加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
気泡ボードなどの中空部を有する樹脂製の中空板材は、軽量でありながら優れた機械的強度を有することなどから、梱包用資材や建築用資材などとして使用されている。
また、折り曲げ用溝の形成された気泡ボードは、折りたたみコンテナ(リターナブルパレットコンテナとも呼ばれる。)などに使用されている。このコンテナは、コンテナ輸送やトラック輸送において、積載効率や輸送効率を格段に向上させることができ、環境保護や資源の有効活用の観点からも注目されている。
【0003】
上記のコンテナとして、たとえば、特許文献1に記載されたコンテナ(コンテナ部材)が挙げられる。
このコンテナは、パレットの上部において、パレットの周縁に直立して配置されるスリーブ(気泡ボード)を備えるコンテナであり、スリーブは、4つの側面を有する筒状部材であり、隣り合う側面が連結された4つの角部それぞれの外側において、角部を覆うように補強部材が固定されていることを特徴としている。
なお、上記のスリーブ(気泡ボード)には、折り曲げ部において、一つのV形状を有する折り曲げ用溝が形成されており、また、角部において、二つのV形状を有する折り曲げ用溝が形成されている。
【0004】
ここで、優れた特徴を有する気泡ボードをさらに有効に活用する上で、たとえば、上述したように、スリーブ(気泡ボード)に、折り曲げ用溝を加工(形成)する技術を向上させる必要がある。
このため、本発明に関連する様々な技術が提案されている。
【0005】
たとえば、特許文献2には、多数の突起部が形成された凹凸状シートとこの凹凸状シートにおける少なくとも突起部の先端側に接合された平坦状シートとを備える合成樹脂製気泡ボードを折り曲げ加工する合成樹脂製気泡ボードの折り曲げ加工方法の技術が開示されている。
この技術は、合成樹脂製気泡ボードにおける折り目を形成する折り曲げ部に、常温で罫線もしくは切れ目を形成する第1の工程と、折り曲げ部を加熱装置で加圧しながら所定温度に加熱する第2の工程と、合成樹脂製気泡ボードを折り曲げ部において所定角度で折り曲げた状態で保持する第3の工程とを有する方法としてある。
【0006】
また、特許文献3には、プラスチック段ボールを熱で溶かしながらV溝を作るV型刃と、このV型刃を取り付けるための取付部材とを有し、V型刃を取付部材から離間させて配置すると共に、V型刃と取付部材とを二本以上の吊りアームで連結したことを特徴とするプラスチック段ボールの曲げ加工装置の技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−114883号公報
【特許文献2】特開2007−152876号公報
【特許文献3】特開平7−16918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した特許文献1に記載されたコンテナに用いられる気泡ボードは、繰り返し折り曲げることの可能な、あるいは、繰り返し折りたたまれることの可能な折り曲げ用溝が加工(形成)される必要がある。この加工には、通常、融点以上に加熱された型押しバーを気泡ボードに押しつけて気泡ボードを溶融させ、気泡ボードを変形させることで罫線(折り曲げ用溝)を形成する熱罫線加工が用いられる。この熱罫線加工では、形成された高温状態の折り曲げ用溝を強制的に冷却しない場合があり、この場合には、冷却時間が長くなり、生産性が低下するといった問題があった。
【0009】
また、冷却時間を短縮することを目的として、形成された高温状態の折り曲げ用溝に、加熱された型押しバーの代わりに、型押しバーとほぼ同じ形状の冷えた冷却用バーを押し当て、高温状態の折り曲げ用溝を強制的に冷却する場合もある。ただし、この場合には、型押しバーと同じ状態で冷却用バーを押し当てることがほぼ困難であり、折り曲げ用溝の形状や深さなどが安定せず、精度よく形成できないために、品質を向上させることができないといった問題があった。
【0010】
さらに、コンテナなどに用いられる気泡ボードは、繰り返し折り曲げられたり、あるいは、繰り返し折りたたまれることから、たとえば、折り曲げ用溝の部分が容易に破損しないように、耐久性や機械的強度などを向上させることが要望されている。
なお、特許文献2、3の技術は、本発明に関連する技術ではあるものの、上記の課題を解決することはできない技術であった。
【0011】
本発明は、以上のような問題を解決するために提案されたものであり、中空板材の折り曲げ用溝を短時間で、かつ、精度よく形成でき、生産性及び品質などを向上させることができる中空板材の折り曲げ用溝加工装置及び中空板材の折り曲げ用溝加工方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の中空板材の折り曲げ用溝加工装置は、 中空部を有する中空板材に対して折り曲げ用の溝を形成する加工装置であり、中空板材の折り曲げ用の溝を加工する部分に熱を間接的に供給する加熱部材と、中空板材から、折り曲げ用の溝を加工するために供給された熱を間接的に回収する冷却部材と、当接端に、折り曲げ用の溝に対応する形状を有し、反当接側に、加熱部材及び冷却部材と対応する形状を有し、中空板材に対して水平方向の位置決めがされた状態で昇降可能に設けられ、加熱部材との接触による熱の供給及び冷却部材との接触による熱の回収によって、折り曲げ用の溝を形成する溝加工部材と、この溝加工部材の下方に設けられ、中空板材が載置される受け台と、加熱部材を昇降させる加熱部材用昇降手段と、冷却部材を昇降させる冷却部材用昇降手段と、溝加工部材を昇降させる溝加工部材用昇降手段と、加熱部材及び冷却部材を、溝加工部材と対応する位置に移動させる移動手段とを備えた構成としてある。
【0013】
また、本発明の中空板材の折り曲げ用溝加工方法は、上記の中空板材の折り曲げ用溝加工装置を用いて、中空部を有する中空板材に対して折り曲げ用の溝を形成する加工方法であり、加熱部材及び溝加工部材を降下させ、中空板材を加熱する工程と、加熱部材を上昇させる工程と、加熱部材及び冷却部材を移動させ、冷却部材を溝加工部材と対応する位置に移動させる工程と、冷却部材を降下させ、中空板材を強制的に冷却する工程と、冷却部材及び溝加工部材を上昇させる工程と、加熱部材及び冷却部材を移動させ、加熱部材を溝加工部材と対応する位置に移動させる工程とを有する方法としてある。
【発明の効果】
【0014】
本発明の中空板材の折り曲げ用溝加工装置及び中空板材の折り曲げ用溝加工方法によれば、中空板材の折り曲げ用溝を短時間で、かつ、精度よく形成でき、生産性及び品質などを向上させることができる。さらに、折り曲げ用溝の部分が容易に破損しないように、耐久性や機械的強度などを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の一実施形態にかかる気泡ボードの折り曲げ用溝加工装置を説明するための概略正面図を示している。
【図2】図2は、本発明の一実施形態にかかる気泡ボードの折り曲げ用溝加工装置を説明するための概略図であり、(a)はA−A断面図を示しており、(b)はB−B矢視図を示している。
【図3】図3は、本発明の一実施形態にかかる気泡ボードの折り曲げ用溝加工方法を説明するための概略フローチャート図を示している。
【図4】図4は、本発明の一実施形態にかかる気泡ボードの折り曲げ用溝加工方法を説明するための概略図を示している。
【図5】図5は、本発明の第一応用例にかかる気泡ボードの折り曲げ用溝加工装置を説明するための概略断面図を示している。
【図6】図6は、本発明の第二応用例にかかる気泡ボードの折り曲げ用溝加工装置を説明するための概略断面図を示している。
【図7】図7は、本発明の第三応用例にかかる気泡ボードの折り曲げ用溝加工装置を説明するための概略断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[中空板材の折り曲げ用溝加工装置の実施形態]
図1は、本発明の一実施形態にかかる気泡ボードの折り曲げ用溝加工装置を説明するための概略正面図を示している。
また、図2は、本発明の一実施形態にかかる気泡ボードの折り曲げ用溝加工装置を説明するための概略図であり、(a)はA−A断面図を示しており、(b)はB−B矢視図を示している。
図1、2において、本実施形態の折り曲げ用溝加工装置1は、加熱部材2、冷却部材3、溝加工部材4、受け台5、及び、基台6などを備えた構成としてある。この折り曲げ用溝加工装置1は、中空部を有する中空板材としての気泡ボード10に対して折り曲げ用溝11(折り曲げ用の溝とも呼ばれる。)を形成する。
【0017】
なお、本実施形態では、中空部を有する中空板材を、バックシート101、キャップシート102及びライナーシート103を有する三層の気泡ボード10としてあるが、これに限定されるものではない。中空部を有する中空板材として、たとえば、二層の気泡ボード、三層の気泡ボード、プラスチック段ボール、プラスチックハニカムボード、円錐台形状の中空ピンの先端どうしを溶着させた構造を有する四層のプラスチック構造板(四層の気泡ボードとも呼ばれる。)などが挙げられる。
また、気泡ボード10は、通常、水平方向に載置された状態で加工が施されるが、これに限定されるものではなく、たとえば、垂直方向に立てた状態で加工を施してもよい。
【0018】
(加熱部材)
加熱部材2は、断面形状が下部に(溝加工部材4の側に)V形状を一つ有するほぼ五角形状の棒状体であり、棒状ヒータなどの加熱手段21、温度センサ22、及びエアシリンダなどの加熱部材用昇降手段23などを有している。この加熱部材2は、気泡ボード10に、折り曲げ用溝11を加工する部分に熱を間接的に(すなわち、溝加工部材4を介して)供給する。また、加熱部材用昇降手段23は、加熱部材2を昇降させる。
【0019】
ここで、加熱部材2は、後述するように、溝加工部材4の上方から降下した際、上記V形を構成する二つの斜面が、溝加工部材4の板状部41の上面と面接触するとよい。このようにすると、加熱部材2から溝加工部材4への熱伝達を効率よく行うことができ、加熱時間を短縮することができる。
なお、加熱部材2は、溝加工部材4の板状部41の上面と面接触する二つの斜面を有する構造としてあるが、これに限定されるものではない。たとえば、図示してないが、溝加工部材4の反当接側(本実施形態では、上方側)と加熱部材2の下方側が互いに対応する形状(すなわち、少なくとも一部が面接触する形状)であればよい。このようにしても、加熱部材2から溝加工部材4への熱伝達を効率よく行うことができる。
【0020】
(冷却部材)
冷却部材3は、断面形状が下部に(溝加工部材4の側に)V形状を一つ有するほぼ五角形状の棒状体であり、冷水を循環させる方式の冷却手段31、温度センサ32、及びエアシリンダなどの冷却部材用昇降手段33などを有している。この冷却部材3は、気泡ボード10から、折り曲げ用溝11を加工するために供給された熱を間接的に(すなわち、溝加工部材4を介して)回収する。このように冷却部材3を備えることにより、後述するように、高温状態の折り曲げ用溝11の部分を強制的に冷却できるので、冷却時間を短縮でき生産性を向上させることができる。また、冷却部材用昇降手段33は、冷却部材3を昇降させる。
【0021】
ここで、冷却部材3は、後述するように、溝加工部材4の上方から降下した際、上記V形を構成する二つの斜面が、溝加工部材4の板状部41の上面と面接触するとよい。このようにすると、溝加工部材4から冷却部材3への熱伝達を効率よく行うことができ、冷却時間を短縮することができる。
なお、冷却部材3は、溝加工部材4の板状部41の上面と面接触する二つの斜面を有する構造としてあるが、これに限定されるものではない。たとえば、図示してないが、溝加工部材4の反当接側(本実施形態では、上方側)と冷却部材3の下方側が互いに対応する形状(すなわち、少なくとも一部が面接触する形状)であればよい。このようにしても、溝加工部材4から冷却部材2への熱伝達を効率よく行うことができる。
また、冷却手段31は、冷水を循環させる方式に限定されるものではなく、たとえば、様々な方式の冷却手段を採用することができる。
【0022】
(溝加工部材)
溝加工部材4は、断面形状が折り曲げ用溝11に対応する形状(V形状)を有している。すなわち、溝加工部材4は、当接側(気泡ボード10との当接側、すなわち、本実施形態では、下方側)に、断面形状が折り曲げ用溝11に対応する形状(V形状)の板状部41、及び、板状部41の両端に形成された連結部42を有している。この連結部42は、溝加工部材4が降下すると、ストッパ44と当接し、溝加工部材4の高さ方向に対して位置決めする。また、板状部41は、通常、30〜90°の角度を有するV形状である。
なお、溝加工部材4は、上記構造に限定されるものではなく、たとえば、当接側に、折り曲げ用溝11に対応する形状を有し、反当接側(本実施形態では、上方側)に、加熱部材2及び冷却部材3と対応する形状を有してもよい。このようにしても、加熱部材2や冷却部材3との熱伝達を効率よく行うことができる。
【0023】
各連結部42は、エアシリンダなどの溝加工部材用昇降手段43と連結されており、溝加工部材4は、一対の溝加工部材用昇降手段43によって、水平方向に対して位置決めされた状態で昇降可能に設けられている。したがって、上述したように、加熱部材2と冷却部材3は、気泡ボード10の折り曲げ用溝11の部分と直接的に接触せず、水平方向に対して位置決めされた溝加工部材4が、折り曲げ用溝11を形成する。
このように、溝加工部材4は、昇降するものの、水平方向に対して位置決めされており、加熱部材2が上昇したり、冷却部材3が降下する際の衝撃を受けても、位置ずれなどが発生しないので、たとえば、折り曲げ用溝11の形状や深さなどが安定し、精度よく折り曲げ用溝11を形成でき品質を向上させることができる。
【0024】
なお、本実施形態では、溝加工部材用昇降手段43として、エアシリンダなどを用いているが、これに限定されるものではない。たとえば、エアシリンダの代わりに、図示してないが、溝加工部材用昇降手段43として、水平方向に対して位置決めするリニアベアリング(あるいは、リニアガイド)、溝加工部材4を上方に付勢する圧縮ばね、及び、加熱部材2が上昇する際、溝加工部材4が上昇しないように係止する係止手段を用いてもよい。
【0025】
ここで、好ましくは、溝加工部材4が、折り曲げ用溝11に対応する形状(V形状)の板状部41を有し、加熱部材2及び冷却部材3が、板状部41(すなわち、板状部41の上面)に対応する形状を有するとよい。
このようにすると、溝加工部材4の熱容量を低減するとともに、加熱部材2及び冷却部材3が、板状部41の上面と面接触するので、熱の伝達率を向上させることができ、加熱時間や冷却時間を短縮し、生産性をさらに向上させることができる。
なお、本実施形態の板状部41は、折り曲げ用溝11の形状に応じて、V形状を一つ有する断面形状としてあるが、これに限定されるものではなく、たとえば、図示してないが、折り曲げ用溝11の形状が半円形状である場合、板状部41の断面形状は、半円形状となる。
【0026】
また、好ましくは、溝加工部材4の材料が、アルミニウム、銅、又は、アルミニウムや銅を有する合金であるとよい。このようにすると、熱伝導率に優れた材料によって、熱の伝達率を向上させることができ、加熱時間や冷却時間をさらに短縮することができる。
なお、溝加工部材4の動作などについては、後述する。
【0027】
(受け台)
受け台5は、ほぼ矩形状の厚板状であり、板状部41の下方に立設されている。この受け台5は、上面に気泡ボード10が載置される。
ここで、好ましくは、受け台5が、棒状ヒータなどの加熱手段51、及び、温度センサ52などを有するとよい。このようにすると、気泡ボード10を予備加熱することができ、加熱時間を短縮することができる。なお、本実施形態では、受け台5が、棒状ヒータなどを有する構成としてあるが、これに限定されるものではなく、たとえば、棒状ヒータなどを有しない構成としてもよい。
【0028】
(基台)
基台6は、下方に脚(図示せず)などを有する平板状であり、受け台5、溝加工部材用昇降手段43及び支持部材61などが螺着されている。一対の支持部材61は、上述した加熱部材用昇降手段23及び冷却部材用昇降手段33が下面に螺着された梁部材62を往復移動可能に支持する。すなわち、梁部材62は、リニアガイド631やエアシリンダ632などを有する往復移動手段63を介して、支持部材61に支持されている。この往復移動手段63は、加熱部材2及び冷却部材3を、溝加工部材4と対応する位置に移動させる。
また、基台6は、受け台5の前方及び後方に気泡ボード10を載置する載置板64が取り付けられている。
なお、折り曲げ用溝加工装置1は、図示してないが、コンピュータやプログラマブルロジックコントローラなどの制御手段を有しており、温度制御や、加熱部材用昇降手段23、冷却部材用昇降手段33、溝加工部材用昇降手段43、往復移動手段63などを制御する。
【0029】
次に、上記構成の折り曲げ用溝加工装置1の動作及び中空板材の折り曲げ用溝加工方法の本実施形態などについて、図面を参照して説明する。すなわち、本発明は、中空板材の折り曲げ用溝加工方法の発明としても有効であり、本実施形態の中空板材の折り曲げ用溝加工方法は、上述した折り曲げ用溝加工装置1を用いて、気泡ボード10に折り曲げ用溝11を形成する中空板材の折り曲げ用溝加工方法としてある。
【0030】
図3は、本発明の一実施形態にかかる気泡ボードの折り曲げ用溝加工方法を説明するための概略フローチャート図を示している。
また、図4は、本発明の一実施形態にかかる気泡ボードの折り曲げ用溝加工方法を説明するための概略図を示している。
図3、4(a)に示すように、折り曲げ用溝加工装置1は、載置板64及び受け台5に気泡ボード10が載置されており、気泡ボード10は、受け台5によって予備加熱される。また、溝加工部材4は、上昇しており、溝加工部材4の上方に加熱部材2が位置し、加熱部材2の左側(後方側)に冷却部材3が位置している。
なお、加熱部材2は、通常、200〜300℃に温度制御されており、また、冷却部材3は、通常、5〜15℃に温度制御されている。
また、この状態が、開始状態(原点復帰状態)である。
【0031】
まず、図3、4(b)に示すように、折り曲げ用溝加工装置1は、加熱部材2及び溝加工部材4を降下させ、気泡ボード10を加熱する(ステップS1)。すなわち、加熱部材用昇降手段23により加熱部材2が降下し、加熱部材2が溝加工部材4の板状部41と接触し、加熱部材2から板状部41に熱伝導により熱を伝達する。そして、板状部41が加熱されたタイミングで(あるいは、加熱中のタイミングでもよい。)、溝加工部材用昇降手段43により溝加工部材4が降下し(この際、加熱部材2も降下する。)、板状部41が気泡ボード10と接触すると、気泡ボード10を加熱しながら、連結部42がストッパ44に当接するまで、板状部41及び加熱部材2は降下する。これにより、気泡ボード10は、折り曲げ用溝11が形成される。なお、折り曲げ用溝11の部分の樹脂は、溶融した状態にある。また、折り曲げ用溝11が形成されたか否かの判断は、通常、溝加工部材4の降下した位置や溝加工部材4が降下を開始してからの時間などによって判断される。
【0032】
次に、図3、4(c)に示すように、折り曲げ用溝加工装置1は、加熱部材2を上昇させる(ステップS2)。すなわち、本実施形態では、加熱部材2だけを上昇させ、溝加工部材4は、溶融した状態にある折り曲げ用溝11の部分と接触している。この際、加熱部材2が上昇しても、溝加工部材4は、溝加工部材用昇降手段43などによって、水平方向及び高さ方向に対して位置決めされているので、後述するように冷却部材3を降下させても位置ずれなどが発生せず、たとえば、折り曲げ用溝11の形状や深さなどが安定し、精度よく折り曲げ用溝11を形成でき品質を向上させることができる。
【0033】
次に、図3、4(d)に示すように、加熱部材2及び冷却部材3を移動させ、冷却部材3を溝加工部材4と対応する位置に移動させる(ステップS3)。すなわち、エアシリンダ632が梁部材62を右側(前方)に移動させ、冷却部材3を溝加工部材4の上方に移動させる。
【0034】
次に、図3、4(e)に示すように、冷却部材3を降下させ、気泡ボード10を強制的に冷却する(ステップS4)。すなわち、冷却部材用昇降手段33により冷却部材3が降下し、冷却部材3が溝加工部材4の板状部41と接触し、板状部41から冷却部材3に熱伝導により熱を回収する。そして、板状部41が冷却されると、板状部41は、気泡ボード10から熱伝導により熱を回収する。これにより、気泡ボード10は、折り曲げ用溝11の部分の樹脂(溶融した状態にあった樹脂)は、強制冷却により固化し、折り曲げ用溝11が形成される。このように冷却部材3を備えることにより、高温状態の折り曲げ用溝11の部分を強制的に冷却できるので、冷却時間を短縮でき生産性を向上させることができる。なお、折り曲げ用溝11が固化したか否かの判断は、通常、冷却部材3が降下を開始してからの時間などによって判断される。
【0035】
また、加熱部材2を上昇させてから、冷却部材3を降下させ気泡ボード10を強制的に冷却するまでの間、溝加工部材用昇降手段43などによって水平方向及び高さ方向に対して位置決めされている溝加工部材4が、溶融した状態にある折り曲げ用溝11の部分と接触している。すなわち、位置決めされている溝加工部材4は、溶融した状態にある折り曲げ用溝11の部分と接触し、この部分の形状を保護しているので、たとえば、折り曲げ用溝11の形状や深さなどが安定し、精度よく折り曲げ用溝11を形成でき品質を向上させることができる。
【0036】
また、本実施形態では、降下された溝加工部材4の下方端部から受け台5の上面までの距離を、気泡ボード10のライナーシート103の厚さとほぼ同じくなるように設定してある。これにより、ヒンジとして機能する折り曲げ用溝11の中央部分が、たとえば、薄くなりすぎて機械的強度が低下するといった不具合を回避することができ、また、厚くなりすぎて容易に折り曲げることができなくなるといった不具合を回避することができる。
なお、降下された溝加工部材4の下方端部から受け台5の上面までの距離は、上記に限定されるものではなく、たとえば、用途などによって適宜設定される。
【0037】
次に、図3、4(f)に示すように、冷却部材3及び溝加工部材4を上昇させる(ステップS5)。すなわち、冷却部材用昇降手段33により冷却部材3が上昇し、溝加工部材用昇降手段43により溝加工部材4が上昇する。
次に、図示してないが、上昇した冷却部材3及び加熱部材2は、エアシリンダ632が梁部材62を左側(後方)に移動させ、加熱部材2を溝加工部材4の上方に移動させる(図4(a)参照)。また、折り曲げ用溝11の形成された気泡ボード10は、移動され、次の折り曲げ用溝11が形成される気泡ボード10が、受け台5及び載置板64上に載置される。これにより、折り曲げ用溝11を形成する加工(1サイクルの加工)が終了する。
【0038】
以上説明したように、本実施形態の折り曲げ用溝加工装置1及び中空板材の折り曲げ用溝加工方法によれば、冷却部材3により気泡ボード10(溶融した状態にある折り曲げ用溝11の部分)を強制的に冷却するので、冷却時間を短縮でき生産性を向上させることができる。また、加熱部材2を上昇させてから、冷却部材3を降下させ気泡ボード10を強制的に冷却するまでの間、位置決めされている溝加工部材4は、溶融した状態にある折り曲げ用溝11の部分と接触し、この部分の形状を保護しているので、たとえば、折り曲げ用溝11の形状や深さなどが安定し、精度よく折り曲げ用溝11を形成でき品質を向上させることができる。
また、本実施形態は、様々な応用例を有している。
次に、本実施形態の応用例について、図面を参照して説明する。
【0039】
<中空板材の折り曲げ用溝加工装置の第一応用例>
図5は、本発明の第一応用例にかかる気泡ボードの折り曲げ用溝加工装置を説明するための概略断面図を示している。なお、図5(a)は、板状部41aが二つのV形状を有する断面図を示しており、図5(b)は、板状部41bが三つのV形状を有する断面図を示している。
図5において、第一応用例の中空板材の折り曲げ用溝加工装置は、上述した折り曲げ用溝加工装置1と比べると、溝加工部材4aの板状部41aが二つのV形状を有し、また、溝加工部材4bの板状部41bが、三つのV形状を有する点などが相違する。なお、本応用例の他の構成は、折り曲げ用溝加工装置1とほぼ同様としてある。
したがって、図5において、図1、2と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0040】
溝加工部材4aは、形成する折り曲げ用溝11aに対応して、板状部41aが断面形状において二つのV形状を有している。また、溝加工部材4bは、形成する折り曲げ用溝11bに対応して、板状部41bが断面形状において三つのV形状を有している。このようにすると、折り曲げ用溝11a、11bの形成された気泡ボード10は、二つ又は三つの折れ曲がる部分を有する構造となり、繰り返し折り曲げられたり、あるいは、繰り返し折りたたまれても、折り曲げ用溝11a、11bの部分が容易に破損しにくくなり、耐久性や機械的強度などを向上させることができる。
なお、本応用例では、板状部41a、41bが二つ又は三つのV形状を有する構成としたが、これに限定されるものではなく、たとえば、四つ以上のV形状を有する構成としてもよい。
【0041】
また、加熱部材2a、2b及び冷却部材3a、3bは、下部に、板状部41a、41bの上面と面接触する形状(二つ又は三つのV形状)を有している。これにより、加熱部材2a、2bから溝加工部材4a、4bへの熱伝達を効率よく行うことができ、加熱時間を短縮することができ、また、溝加工部材4a、4bから冷却部材3a、3bへの熱伝達を効率よく行うことができ、冷却時間を短縮することができる。
【0042】
また、本応用例によれば、二つ又は三つのV形状をまとめて形成することができるので、たとえば、折り曲げ用溝加工装置1を二回作動させて、折り曲げ用溝11aを形成する場合や、折り曲げ用溝加工装置1を三回作動させて、折り曲げ用溝11bを形成する場合と比べると、生産性などを大幅に向上させることができる。さらに、V形状どうしのずれや間隔の調整が不要となるので、品質なども向上させることができる。
【0043】
以上説明したように、本応用例の折り曲げ用溝加工装置1及び中空板材の折り曲げ用溝加工方法によれば、上記の実施形態とほぼ同様の効果を奏するとともに、折り曲げ用溝11a、11bの部分が容易に破損しにくくなり、耐久性や機械的強度などを向上させることができ、さらに、生産性や品質などを向上させることができる。
【0044】
<中空板材の折り曲げ用溝加工装置の第二応用例>
図6は、本発明の第二応用例にかかる気泡ボードの折り曲げ用溝加工装置を説明するための概略断面図を示している。なお、図6(a)は、板状部41aが二つのV形状を有する断面図を示しており、図6(b)は、板状部41bが三つのV形状を有する断面図を示している。
図6において、第二応用例の中空板材の折り曲げ用溝加工装置は、上述した第一応用例と比べると、加熱部材2c及び冷却部材3cが、板状部41aの二つのV形状に対応して分割されている点、また、加熱部材2d及び冷却部材3dが、板状部41bの三つのV形状に対応して分割されている点などが相違する。なお、本応用例の他の構成は、第一応用例とほぼ同様としてある。
したがって、図6において、図5と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0045】
加熱部材2c及び冷却部材3cは、板状部41aの二つのV形状に対応して分割(二分割)されており、分割された部材24、34どうしが、それぞれシム25、35を介して連結されている。すなわち、分割された部材24、34は、下部に、一つのV形を構成する二つの斜面を有している。これらの二つの斜面は、溝加工部材4aの上面と面接触する。ここで、分割された部材24、34どうしは、それぞれシム25、35を介して連結されているので、四つの斜面が、溝加工部材4aの上面と面接触するように、精度よく調整することができ、加熱時間や冷却時間を短縮することができる。また、溝加工部材4aをほぼ均一に加熱したり冷却することができるので、折り曲げ用溝11aの形成にムラが発生するといった不具合を回避することができる。
【0046】
また、加熱部材2d及び冷却部材3dは、板状部41aの三つのV形状に対応して分割(三分割)されており、分割された部材24、25や、分割された部材34、35が、それぞれシム25、35を介して連結されている。すなわち、分割された部材24、25、34、35は、下部に、一つのV形を構成する二つの斜面を有している。これらの二つの斜面は、溝加工部材4aの上面と面接触する。ここで、分割された部材24、25や、分割された部材34、35が、それぞれシム25、35を介して連結されているので、六つの斜面が、溝加工部材4aの上面と面接触するように、精度よく調整することができ、加熱時間や冷却時間を短縮することができる。また、溝加工部材4aをほぼ均一に加熱したり冷却することができるので、折り曲げ用溝11aの形成にムラが発生するといった不具合を回避することができる。
【0047】
なお、各部材24、25は、上記実施形態とほぼ同様の加熱手段21c、21dを有しており、また、各部材34、35は、上記実施形態とほぼ同様の冷却手段31c、31dを有している。
また、上記の部材24、25や部材34、35を準備しておくと、たとえば、四つ以上のV形状を有する場合であっても、容易に対応することができ(ただし、四つ以上のV形状を有する溝加工部材4を製作する必要はある。)、利便性などを向上させることができる。
【0048】
以上説明したように、本応用例の折り曲げ用溝加工装置1及び中空板材の折り曲げ用溝加工方法によれば、上記の第一応用例とほぼ同様の効果を奏するとともに、加熱時間や冷却時間を短縮することができたり、溝加工部材4a、4bをほぼ均一に加熱したり冷却することができるので、折り曲げ用溝11a、11bの形成にムラが発生するといった不具合を回避することができ、生産性や品質などを向上させることができる。
【0049】
<中空板材の折り曲げ用溝加工装置の第三応用例>
図7は、本発明の第三応用例にかかる気泡ボードの折り曲げ用溝加工装置を説明するための概略断面図を示している。なお、図7(a)は、受け台5eが凹部53を有する断面図を示しており、図7(b)は、受け台5fが凸部54を有する断面図を示している。
図7において、第三応用例の中空板材の折り曲げ用溝加工装置は、上述した実施形態と比べると、受け台5eが凹部53を有する点や、受け台5fが凸部54を有する点などが相違する。なお、本応用例の他の構成は、上記実施形態とほぼ同様としてある。
したがって、図7において、図1、2と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0050】
受け台5eは、図7(a)に示すように、気泡ボード10の載置される上面に、折り曲げ用溝11と対応する凹部53を有している。この凹部53は、板状部41の角部と対応する位置にほぼ直線状に設けられており、断面形状はほぼ円弧状としてある。また、凹部53の深さは、ライナーシート103の厚さとほぼ同じとしてある。このようにすると、気泡ボード10は、折り曲げ用溝11に対応して、円弧状に突き出たライナーシート103eを有することができ、気泡ボード10をV字状に折り曲げる際、ライナーシート103eの一部が弾性変形する。したがって、気泡ボード10は、繰り返し折り曲げられたり、あるいは、繰り返し折りたたまれても、ライナーシート103eが容易に破損しにくくなり、耐久性や機械的強度などを向上させることができる。
【0051】
なお、凹部53の位置、断面形状、深さなどは、上記に限定されるものではなく、たとえば、図示してないが、凹部53は、板状部41の角部と対応する位置にほぼ破線状に設けられてもよく、また、断面形状や深さなどは、適宜設定されてもよい。
また、板状部41の角部は、所定の曲率半径で湾曲した形状を有しており、通常、凹部53の断面形状は、板状部41の角部の曲率半径より大きな曲率半径を有する円弧状である。
【0052】
また、受け台5fは、図7(b)に示すように、気泡ボード10の載置される上面に、折り曲げ用溝11と対応する凸部54を有している。この凸部54は、溝加工部材4fの板状部41fの角部と対応する位置にほぼ直線状に設けられており、断面形状はほぼ円弧状としてある。また、凹部53の高さは、ライナーシート103の厚さとほぼ同じとしてある。このようにすると、気泡ボード10は、折り曲げ用溝11に対応して、円弧状にくぼんだライナーシート103fを有することができ、気泡ボード10を逆さにしたV字状(V字を逆さにした形状)に折り曲げる際、ライナーシート103fの一部が弾性変形する。したがって、気泡ボード10は、繰り返し折り曲げられたり、あるいは、繰り返し折りたたまれても、ライナーシート103fなどが容易に破損しにくくなり、耐久性や機械的強度などを向上させることができる。
【0053】
なお、凸部54の位置、断面形状、高さなどは、上記に限定されるものではなく、たとえば、図示してないが、凸部54は、板状部41の角部と対応する位置にほぼ破線状に設けられてもよく、また、断面形状や高さなどは、適宜設定されてもよい。
また、板状部41fの角部は、所定の幅の帯状の平面を有する形状としてあり、気泡ボード10を逆さにしたV字状に折り曲げやすい構造としてある。
【0054】
以上説明したように、本応用例の折り曲げ用溝加工装置1及び中空板材の折り曲げ用溝加工方法によれば、上記実施形態とほぼ同様の効果を奏するとともに、繰り返し折り曲げられたり、あるいは、繰り返し折りたたまれても、折り曲げ用溝11の部分が容易に破損しにくくなり、耐久性や機械的強度などを向上させることができる。
なお、凹部53や凸部54を有する受け台5e、5fは、二以上のV形状を有する折り曲げ用溝11aや折り曲げ用溝11bなどを形成する場合にも適用でき、耐久性や機械的強度などをさらに向上させることができる。
【0055】
以上、本発明の中空板材の折り曲げ用溝加工装置及び中空板材の折り曲げ用溝加工方法について、好ましい実施形態などを示して説明したが、本発明に係る中空板材の折り曲げ用溝加工装置及び中空板材の折り曲げ用溝加工方法は、上述した実施形態などにのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、図示してないが、折り曲げ用溝11の部分の耐久性や機械的強度などを向上させるために、折り曲げ用溝11の部分及びこの部分の近傍に、機械的強度に優れた繊維からなる織布を有する樹脂シートを、折り曲げ用溝11を形成する際、気泡ボード10に融着させてもよい。このようにすると、折り曲げ用溝11を形成するとともに、折り曲げ用溝11の部分の耐久性や機械的強度などを向上させることができる。
【符号の説明】
【0056】
1 折り曲げ用溝加工装置
2、2a、2b、2c、2d 加熱部材
3、3a、3b、3c、3d 冷却部材
4、4a、4b、4f 溝加工部材
5、5e、5f 受け台
6 基台
11、11a、11b 折り曲げ用溝
21、21c 加熱手段
22 温度センサ
23 加熱部材用昇降手段
24 部材
25 シム
26 部材
31、31c 冷却手段
32 温度センサ
33 冷却部材用昇降手段
34 部材
35 シム
36 部材
41、41a、41b、41f 板状部
42 連結部
43 溝加工部材用昇降手段
44 ストッパ
51 加熱手段
52 温度センサ
53 凹部
54 凸部
61 支持部材
62 梁部材
63 往復移動手段
64 載置板
101 バックシート
102 キャップシート
103、103e、103f ライナーシート
631 リニアガイド
632 エアシリンダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空部を有する中空板材に対して折り曲げ用の溝を形成する中空板材の折り曲げ用溝加工装置において、
前記中空板材の前記折り曲げ用の溝を加工する部分に熱を間接的に供給する加熱部材と、
前記中空板材から、前記折り曲げ用の溝を加工するために供給された熱を間接的に回収する冷却部材と、
当接側に、前記折り曲げ用の溝に対応する形状を有し、反当接側に、前記加熱部材及び冷却部材と対応する形状を有し、前記中空板材に対して水平方向の位置決めがされた状態で昇降可能に設けられ、前記加熱部材との接触による熱の供給及び前記冷却部材との接触による熱の回収によって、前記折り曲げ用の溝を形成する溝加工部材と、
この溝加工部材の下方に設けられ、前記中空板材が載置される受け台と、
前記加熱部材を昇降させる加熱部材用昇降手段と、
前記冷却部材を昇降させる冷却部材用昇降手段と、
前記溝加工部材を昇降させる溝加工部材用昇降手段と、
前記加熱部材及び前記冷却部材を、前記溝加工部材と対応する位置に移動させる移動手段と
を備えたことを特徴とする中空板材の折り曲げ用溝加工装置。
【請求項2】
前記溝加工部材が、前記折り曲げ用の溝に対応する形状の板状部を有し、前記加熱部材及び前記冷却部材が、前記板状部材に対応する形状を有することを特徴とする請求項1に記載の中空板材の折り曲げ用溝加工装置。
【請求項3】
前記板状部が、二以上のV形状を有することを特徴とする請求項2に記載の中空板材の折り曲げ用溝加工装置。
【請求項4】
前記加熱部材及び前記冷却部材が、前記板状部の二以上のV形状に対応して分割されており、分割された部材どうしが、シムを介して連結されていることを特徴とする請求項3に記載の中空板材の折り曲げ用溝加工装置。
【請求項5】
前記受け台が、加熱手段を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の中空板材の折り曲げ用溝加工装置。
【請求項6】
前記受け台が、前記中空板材の載置面に、前記折り曲げ用の溝と対応する凹部及び/又は凸部を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の中空板材の折り曲げ用溝加工装置。
【請求項7】
前記中空板材が、三層の気泡ボードであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の中空板材の折り曲げ用溝加工装置。
【請求項8】
上記請求項1〜7のいずれか一項に記載の中空板材の折り曲げ用溝加工装置を用いて、中空部を有する中空板材に対して折り曲げ用の溝を形成する中空板材の折り曲げ用溝加工方法において、
前記加熱部材及び前記溝加工部材を降下させ、前記中空板材を加熱する工程と、
前記加熱部材を上昇させる工程と、
前記加熱部材及び前記冷却部材を移動させ、前記冷却部材を前記溝加工部材と対応する位置に移動させる工程と、
前記冷却部材を降下させ、前記中空板材を強制的に冷却する工程と、
前記冷却部材及び前記溝加工部材を上昇させる工程と、
前記加熱部材及び前記冷却部材を移動させ、前記加熱部材を前記溝加工部材と対応する位置に移動させる工程と
を有することを特徴とする記載の中空板材の折り曲げ用溝加工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−166531(P2012−166531A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−31633(P2011−31633)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(000199979)川上産業株式会社 (203)
【Fターム(参考)】