説明

中間赤外線レーザによる静脈瘤の静脈内閉鎖

本発明は、静脈瘤200または大伏在静脈202を治療するための改善された方法およびデバイスである。この方法は、1.2〜1.8umの領域の赤外レーザ光線を血管200または202内部から使用し、血管壁704の内皮細胞を損傷して、血管壁704内のコラーゲン線維が永久的に収縮する時点までコラーゲン線維を加熱し、血管200または202が閉塞して最終的に再吸収されることを含む。このデバイスは、凍結または拡散ファイバ先端308を有する光ファイバカテーテル300を介して供給されるレーザ102を備える。電動式引戻しデバイス104を使用し、温度センサ600を使用して、適切な処理温度を維持するために必要な電力の制御を促進する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2002年10月31日に出願された米国仮特許出願第60/422,566号「中間赤外線レーザによる静脈瘤の静脈内閉鎖」(ENDOVENOSU CLOSURE OF VARICOSE VEINS WITH MID INFRARED LASER)に関し、この出願は、引用することにより全体を本出願に援用し、本出願は、この出願により与えられるあらゆる利益を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は、一般に、静脈瘤を治療するためのレーザ支援による方法および装置に関し、詳細には、直接的に、かつ電動式引戻しデバイスを使用して、制御された量の適切なタイプのエネルギーにより、血管壁を目標とするための改善されたカテーテルによる方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
静脈瘤を治療するための一番最近の技術は、血液中のヘモグロビンを目標とし、次に血管壁に熱を伝達することにより、血管を加熱することを試みていた。この目的で、血管内部および皮膚の両方から500〜1100nmの波長を発光するレーザが使用された。ヘモグロビンの局所的な吸収ピークを810、940、980および1064nmで使用することにより、レーザエネルギーの吸収を最適化する試みが行われた。RF技術は、血管壁を直接加熱しようとして使用されたが、この技術は、血管壁に直接接触して電気エネルギーを供給するために、高価で複雑なカテーテルを必要とする。810nmおよび1.06umのその他のレーザは、皮膚に侵入して血管を加熱しようという試みに使用されたが、ヘモグロビンの吸収が著しく、血管壁に対する熱の移動効率が制限されるか、または治療の前に血管から血液を排出する場合、壁を通して過度な伝達が行われ、周囲の組織を損傷するという不利益も有する。こうしたすべての従来技術は、壁内のコラーゲンを加熱する効率が低下し、内皮細胞を破壊する結果を生じる。
【0004】
バウムガードナー(Baumgardner)およびアンダーソン(Anderson)は、光スペクトルの中間IR領域1.2〜1.8umを使用して、真皮内のコラーゲンを加熱および収縮させる利益を示唆している。
【0005】
先行技術は、カテーテルの手動後退を示唆している。これは、血管壁の過熱および穿孔の主な原因であり、最も優れた外科医でさえも、厳密に正確な速度でファイバを後退させて、血管壁を85℃の加熱温度に維持することは難しい。カテーテルの先端に熱電対を使用するその他の先行技術は、血管内部の電極間の電気的接触に依存し、高価であり、非常に遅いカテーテル引抜き(2cm/分)を必要とし、使用することは難しい。
【0006】
先行技術の関連文献は、約10〜約20ワットなどのはるかに大きい電力の使用を示唆している。これは、先行技術のレーザの波長が血管壁に効果的に結合されず、むしろ血液中に吸収されるか、または壁を通して周囲の組織に伝達されるからである。先行技術に示唆されている方法は非効率的であり、火傷を防止するために、皮膚表面における外部冷却が必須である。
【0007】
最後に、先行技術に示唆さている方法および装置は、静脈瘤を治療するための解除カテーテル先端の使用について触れていない。一般的かつ標準的な非拡散先端光ファイバおよびその他のレーザ供給デバイスは、カニューレを挿入された血管が穿孔される危険性を増加させる。
【0008】
2002年6月4日に発行されたナヴァロ(Navarro)等の米国特許第6,398,777号は、波長が500〜1100nmで、血管壁により吸収されにくいレーザを使用して、静脈瘤を治療するためのデバイスおよび方法を示唆している。波長が500〜1100nmのレーザは、吸収発色団により停止されない限り、組織内に10〜100mm侵入する。図X参照。この方法で使用する殆どのエネルギーは血管壁を通過して、周囲の組織を損傷する。こうした波長を使用する手順は、伝達エネルギーにより火傷が生じるのを防止するため、脚の表面を冷却する必要がある。この技術の手術上の合併症としては、伝達エネルギーおよび周囲の組織に対する損傷により生じる激しく広範囲に及ぶ痛みが挙げられる。
【0009】
しかし、この技術は、圧縮後に静脈内に残る血液が500〜1100nmのエネルギーを吸収するため、臨床上効果的であると思われる。500〜1100nmの光は、ヘモグロビンの存在下で1mm未満吸収される。図X参照。この血液は加熱して、ナヴァロ(Navarro)が主張するように壁部の直接的な吸収によるのではなく、伝導により静脈壁を損傷する。
【0010】
こうした先行技術による技術は、静脈内の残留血液の量が著しく変化する可能性があるため制御しにくい。500〜1100nmのレーザを使用する実際の手順では、血液がエネルギーを吸収する効果を観察することが可能である。血液は血管内で沸騰して爆発し、静脈壁が偶発的に穿孔し、健全な組織に不必要な損傷を生じる。
【0011】
残留血液が存在しない場所では、レーザエネルギーは吸収発色団を持たず、壁部を伝達されて、本願の発明人が主張する必然的な損傷および収縮を生じない。
【0012】
ナヴァロ(Navarro)は、記載されている治療デバイスは「前記血管壁部と管腔内接触」しなければならないと主張している。これは、500〜1100nmレーザは多量の血液に侵入することができないため、熱を吸収して血管壁に伝達するための薄い血液層を必要とする場合にも必要である。これは、達成および制御が非常に難しい。
【0013】
ナヴァロ(Navarro)は、エネルギーをバースト状態で供給することも主張している。この場合、供給されるエネルギーの速度を均一に制御する手段がないため、彼らの技術を使用する必要がある。ナヴァロ(Navarro)は、レーザがバーストして供給される時に、レーザ供給光ファイバラインを漸進的に引き抜く方法を示唆している。臨床上の慣習では、これは実行が非常に難しく、過度な穿孔および合併症を生じる。
【0014】
無線周波(RF)またはレーザを使用する腔内法により、大伏在静脈(GSV)を閉鎖する方法は、安全かつ効果的であることが複数の研究で実証された。こうした静脈内閉塞技術は、伏在大腿静脈結紮および/または剥離の比較的非侵襲的な代案である。こうした技術は、一般に局所麻酔状態で行われ、患者は、1〜2日で通常の活動に復帰する。
【0015】
RFエネルギーは、特別に設計された静脈内電極を通して供給することができ、マイクロプロセッサ制御により血管壁の加熱を制御して、静脈壁コラーゲンの収縮により静脈収縮または閉塞を生じる。加熱は85℃に限られ、沸騰、蒸発および組織の炭化を防止する。さらに、内皮壁を85℃まで加熱すると、静脈媒体が65℃まで加熱され、コラーゲンを収縮させることが実証された。電極を介在させるRE血管壁アブレーションは、自己制限プロセスである。組織の凝固が生じると、熱の発生を制限するインピーダンスが著しく減少する。
【0016】
静脈瘤を治療するために現在利用可能なレーザは、血液中のヘモグロビンを目標とすることにより血管を腔内から加熱し、熱を血管壁に移動させる。この目的で、500〜1064nmの波長を発光するレーザを血管内から、および経皮的に使用した。ヘモグロビンの局所的な吸収ピークを810、940、980および1064nmで使用することにより、レーザエネルギーの吸収を最適化する試みを行った。本発明による静脈内レーザ治療(EVLT(商標))は、レーザエネルギーを血管内腔に直接供給して、後に線維症を伴う内皮および静脈壁の損傷を可能にする。レーザエネルギーによるGSVの破壊は、熱変性により生じる。推定目標は、血管内赤血球がレーザエネルギーを吸収ことである。しかし、GSVの再吸収による熱損傷は、血液が存在しない静脈内でも見られた。したがって、おそらく、静脈壁に対する直接的な熱の影響も生じるであろう。組織に対する熱損傷の程度は、組織が暴露される熱の量および持続時間に大きく左右される。静脈に血液が存在しない場合、血管壁の破裂が生じる。
【0017】
ある管内研究のモデルは、6mm管内で血液をレーザ加熱して熱気体を生成すると、6mmの熱損傷を生じると予測した。この研究は、複合1.5ジュール〜秒パルスを使用してGSVを治療する940nmのダイオードレーザを使用した。1つの切除された静脈の組織学的調査は、静脈壁の「爆発状」光分裂として説明されるレーザ印加位置における穿孔の痕跡により、治療された静脈全体に沿った熱損傷を実証した。940nmレーザビームは、血液(17)中に0.03mmしか侵入できないため、蒸気泡の形成は、予想される作用のメカニズムである。
【0018】
最初の報告書は、静脈内RFが無力GSVの治療において短期間の優れた有効性を有することを示し、96%以上が1〜3年で閉塞し、1%未満が一時的な知覚障害または紅斑(10−11)の兆候を示した。殆どの患者がある程度の術後斑状出血および不快感を経験しているが、その他の重要または軽微な合併症は報告されていない。
【0019】
EVLTで治療された患者は、術後の紫斑および圧痛の増加を示した。殆どの患者は、GSVのRF閉鎖(RF Closure)(商標)における1日「停止時間」と対照的に、1〜2日では完全な機能上の正常に復帰しない。2つの手順の麻酔および接近技術は同じなので、非特異的な熱損傷が、こうした圧痛のあり得る原因であると考えられる。さらに、最近の調査は、静脈の穿孔の危険性が増加するパルスレーザ治療は、EVLT対RF治療による症状の増加の原因である。カテーテルの遅く、制御されていない引戻しは、血管壁の過熱および穿孔の1つの原因であると思われ、なぜなら、最も優れた外科医でさえも、厳密に正確な速度でファイバを後退させて、血管壁を85℃の加熱温度に維持することは難しいからである。この技術は、周囲の組織の損傷および血管の穿孔を防止する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0020】
発明の利益および概要
本発明は、より適切な波長のレーザ光で血管壁を直接目標とし、電動式引戻しデバイスおよび拡散ファイバ供給システムを使用してエネルギーを正確に制御し、治療済み組織の熱のフィードバックを使用することにより、静脈瘤を治療するための方法およびデバイスである。この技術は、使用するエネルギーが比較的少なく、周囲の組織に対する損傷および血管の穿孔を防止するのに役立つ。
【0021】
本発明の目的および利益は、血管内の残留血液を伝達して、血管壁の水分およびコラーゲンにより吸収されるレーザ波長を使用する改善された方法およびデバイスを提供することである。この新しい技術は、残留血液が存在する状態で、より断定可能かつ制御可能である。
【0022】
臨床治験では、血管壁の穿孔は、ファイバが数秒間ある位置に留まった場合でも、1.2〜1.8umのエネルギーを使用すると生じないことが実証された。これは、レーザエネルギーが均一かつ予測可能に吸収され、血液ポケットにより生じる温点、沸騰また爆発が生じないためである。
【0023】
臨床治験では、1.2〜1.8umレーザエネルギーを使用すると、血管壁が常にエネルギーを停止するため、疼痛および付随するあざの兆候ははるかに少ないことが実証された。血管の外部に伝達されるエネルギーは非常に少なく、損傷を生じることは殆どない。
【0024】
臨床治験では、比較的小さい血管内への1.2〜1.8umレーザエネルギーの導波効果により、比較的大きい血管の治療と同時に、側部血管の凝集が実証された。これは、500〜1100nmレーザエネルギーを使用すると観察されなかった。なぜなら、残留血液は、エネルギーを吸収して、エネルギーが分岐血管内に入るのを停止するからである。
【0025】
本発明の改善されたデバイスおよび方法は、先行技術の示唆と対照的に、残留血液により影響を受けないため、血管壁と直接管腔内接触する必要はない。エネルギーは、沸騰または爆発することなく残留血液を通過し、主に血管壁により吸収される。これは、先行技術の方法に比べて重要な臨床上の改善点であり、制御および予測可能性ははるかに良好である。
【0026】
本発明の改善されたデバイスおよび方法は、連続的に動作するレーザおよびエネルギー供給を利用し、電動式引戻しデバイスを使用して、引抜き速度を連続的に制御する。
【0027】
臨床結果は、このデバイスおよび方法は明らかに優れていることを示した。比較的経験が少ない外科医が行うことは容易であり、穿孔、疼痛およびあざをなくすのに役立つ。
【0028】
本発明の多数のその他の利益および特徴は、本発明およびその実施態様に関する以下の詳細な説明、請求の範囲、および添付の図面から容易に明白である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
好ましい実施態様の詳細な説明
以下の説明は、当業者が本発明を製造および使用することを可能にするために提示され、特定の用途およびその要件に関連して提供される。開示された実施態様の様々な変更は、当業者には明白であり、以下に記載する一般的な原理は、本発明の範囲および精神を逸脱することなく、その他の実施態様および用途に適用される。したがって、本発明は、開示する実施態様に限定することを意図するのではなく、本明細書に記載する原理および特徴と一致する最大限可能な範囲を与えられるべきである。
【0030】
異なる実施態様の部品が類似する機能および用途を有する場合、これらの部品には、類似するかまたは同じ参照符号および説明が与えられることが分かるであろう。こうして参照符号が重複することは、単に本発明の理解を効率的かつ容易にすることであり、いかなる点でも制限的であるか、または様々な実施態様自体が同じであることを暗示すると解釈するべきではないことが分かるであろう。
【0031】
図1は、本発明の静脈瘤閉鎖手順の好ましい実施態様を実施するための本発明の装置の好ましい実施態様の代表的な略ブロック図である。図示のとおり、本発明のシステム100は、レーザコンソール102と、電動式光ファイバカテーテル「引戻し」機104と、レーザエネルギーを患者の静脈内に供給するための光ファイバカテーテルまたはその他のレーザ供給デバイス106と、減菌野108と、制御装置110とを備える。
【0032】
図2Aは、本発明の方法および装置の好ましい実施態様により治療される異常に拡張した静脈200の代表的な図である。図2Bは、本発明の方法および装置の好ましい実施態様により治療されるGSV202の代表的な図である。図3Aは、本発明の方法および装置の好ましい実施態様による経皮的接近のための導入器または拡張器の開始を示す代表的な図である。図3Bは、導入器または拡張器300の使用を示す代表的な図であり、レーザファイバ306は拡張器300の内腔302を通過して、本発明の方法および装置の好ましい実施態様によるGSV202内に入る。
【0033】
図4は、本発明の方法および装置の好ましい実施態様による超音波デバイス400の使用を示す代表的な図である。図5は、本発明の方法および装置の好ましい実施態様によるファイバ306の先端308付近の組織を手動で圧縮する医師500の代表的な図である。本明細書に記載するように、ファイバの先端308付近の組織を機械的に圧縮する手段としては、手動圧縮、機械的クランプまたはストラップ、化学的またはその他の薬剤で誘発される膨張などが挙げられる。
【0034】
図7は、異常に拡張した静脈200の代表的な図であり、脱出バルブ690を示す。図8は、誇張された麻酔700の投与、および麻酔700が本発明の方法および装置の好ましい実施態様によるファイバ306の周囲の静脈200をどのように圧縮するかを示す代表的な図である。
【0035】
レーザ102を使って治療する前に、一般に生理食塩水中にリドカイン0.05〜0.l%を含む誇張された麻酔700を使用して、血液を血管200から除去する。誇張された麻酔700の別の組成は、当業者には公知である。クォーツまたはサファイア光ファイバ306は、16ゲージの針もしくは類似品を介して、または静脈切開フック(図示しない)を使って2〜3mm切開して外面化した静脈200を通して静脈200内に挿入する。ファイバ306は、好ましくは直径500〜600umであるが、50um〜1mm以上または以下のファイバを使用しても良い。ファイバカテーテル300は、静脈200の長さだけ通される。静脈200内におけるファイバ306の位置は、レーザ102の赤色照準ビームがカテーテル300の先端304から発光されて、皮膚を通して見える時に、このビームを観察することにより指示する。さらに、重複超音波デバイス400または類似品を使用すると、ファイバ先端308、およびカニューレを挿入された血管200を視覚化して、静脈壁の収縮および閉塞を判断することができる。本発明の方法の好ましい実施態様では、カテーテル300は、引き戻す前に取り外すか、またはファイバ306に固定し、ファイバ306およびカニューレまたはカテーテル300の両方を同時に後退させる。
【0036】
カテーテル300は、患者の減菌野108の内部または外部において電動式引戻しデバイス104に接続する。この手順は、約2mmまたは3mmの引戻しを開始し、次に約5ワットの電力でレーザ102の電源を入れることにより開始する。この手順は、引戻しデバイス104の速度を変更すると、1〜20ワットで行うことも可能である。
【0037】
バウムガードナー(Baumgardner)、アンダーソン(Anderson)およびグローブ(Grove)が提示する光吸収曲線は、810、940および1.06umレーザ波長の場合、静脈内の主な吸収発色団はヘモグロビンであることを示す。静脈が血液を排出され、これらのレーザ102を使用する場合、大多数のレーザエネルギーは血管壁から伝達され、周囲の組織702を加熱する。1.2〜1.8umレーザ波長は、血管200内に残存する少量の血液に侵入するのに理想上適するが、コラーゲンにより血管壁704内にはるかに強度に吸収される。殆どのエネルギーは、加熱および収縮のために壁部704内に集中し、周囲の組織702に伝達されない。その結果、この手順の安全性が著しく増加する。さらに、これらのレーザ波長は、800〜1.06umレーザに比べて、「目」により安全であると考えられ、手術領域にいる医師およびその他の人の目が損傷する危険性を減少させる。
【0038】
特に、Nd:YAGレーザ102またはその他の適切な類似のレーザを使用することができる。このレーザ102は、1.32umの波長で動作することができ、パルスまたは連続波で良い。この手順は、レーザ102が、高い反復率で連続またはパルスして、連続出力をシミュレートする場合に最も良好に動作する。パルスレーザ102の反復率は、10Hz〜10,000Hzでなければならない。
【0039】
その他のレーザ102、たとえばNd:YAP、ER:YAP、ER:YLFおよびその他は、1.2〜1.8um領域のレーザ波長を提供するために使用できる。これらのレーザ102は、キセノンまたはクリプトンフラッシュランプまたはレーザダイオードを使用して、レーザ結晶を光学的にポンピングすることにより電力を供給することができる。これらは、電気光学または音響光学シャッターを使用するか、またはフラッシュランプ自体をパルスすることにより、連続的にポンピングまたはパルスすることができる。この波長領域のレーザ102は、1.2〜1.8umを直接発光するダイオードレーザ、またはある長さのドープ光ファイバをレージング媒体として使用するファイバレーザも備える。
【0040】
熱フィードバックによる冷却システム
熱電対または赤外熱検出器600の使用について、レーザ供給ファイバを含むその他の用途、および無線周波加熱デバイスを使用する静脈瘤202の治療に関して説明する。しかし、静脈瘤を治療するためのレーザ供給光ファイバデバイスの端部上に熱電対を取り付けることにより、熱エネルギーの供給を比較的正確に制御することができる。さらに、サファイアから製造された光ファイバデバイスを使用する場合、非接触温度センサをレーザコンソール内に配置して、一般にレーザコンソール内のビームスプリッタを介してファイバの対向端部において発光し、治療部位から反射する黒体赤外放射プロファイルを測定することにより、温度を測定する。小径のサファイアファイバを製造し、減菌して再利用することができる。非接触温度センサ機器600から得られたデータも、レーザエネルギーの供給をサーボ制御して、治療部位において一定の温度を維持するか、または制御システムを安全デバイスとして使用し、つまり一定温度を超えた場合にレーザエネルギーの供給を終了するために使用することができる。
【0041】
もう1つのタイプの熱フィードバックデバイス600は、静脈200または202の側部から伝達される熱を測定すると共に、治療された静脈200または202に隣接する皮膚608の表面を加熱する外部デバイスで良い。上記のとおり、この検出器は、接触熱電対または非接触赤外検出器600で良い。このタイプの熱検出の特に有利な用途は、冷却デバイス602、たとえば皮膚表面604の冷却状態を保つための皮膚表面604上への凍結剤スプレーなどを自動的に作動させるか、または非常に多くのエネルギーが治療部位に供給され、治療部位から漏れていることを知らせるアラーム信号をレーザの操作者に送信することであろう。任意の構成では、レーザの操作者は、現在使用されている超音波デバイスの使用と同様に、外部検出器を治療ファイバの端部から皮膚を通して見える赤色照準光に向けて、レーザエネルギーの供給位置および持続時間を制御することができる。
【0042】
図6は、本発明の方法および装置の好ましい実施態様の温度センサ600および冷却システム602の代表的な図である。非接触温度センサ600およびRTDを含む接触デバイスは、先行技術で十分に公知である。冷却デバイス602は、予め決められた量の極低温流体を、搭載された流体貯槽または外部/ライン源から分配することを可能にする任意の適切な制御デバイスで良い。好ましい実施態様では、デバイス602はコンピュータ制御され、極低温流体を予め決められた速度で、予め決められた持続時間にわたって噴出または噴射させる。極低温流体は、流体分配ノズル606に隣接する領域の皮膚604の表面上に分配され、非接触温度センサ600は、同じ領域604または冷却される領域604から遠位の領域における皮膚の温度を決定する。本発明、本出願、およびこれに基づいて発行される何らかの特許は、本発明に使用する表面冷却方法および装置に関連して、以下の発行済み特許を引用することにより本明細書に援用する:1996年7月30日に出願された米国特許出願第08/692,929号で、現在の米国特許第5,820,626号、1997年9月26日に出願された米国特許出願第938923号で、現在の米国特許第5,976,123号、1998年11月3日に出願された米国特許出願第10/185,490号で、現在の米国特許第6,413,253号、1999年7月29日に出願された米国特許出願第09/364275号で、現在の米国特許第6,451,007号。
【0043】
拡散先端ファイバ
拡散先端ファイバは、他の分野において特に癌性腫瘍を凝固させるために、高エネルギーレーザに使用することが十分に公知である。さらに、こうしたファイバは、光線力学的治療に関連する弱い可視光線を方向付けるために使用されてきた。先行技術に記載されているように、拡散先端ファイバは、一般に、セラミック状の散乱材料をファイバ先端に取り付けて、ファイバが浸漬される血液および液体の屈折率整合特性を克服する必要がある。クォーツファイバの端部をクォーツファイバ自体で研磨し、粗くするかまたは賦形することは、多くの場合は不十分であり、つまり、典型的なタイプのクォーツの屈折率は、浸漬流体の屈折率に非常に近く、その結果、ガラスまたはクォーツ部分に形成される何らかの形状または構造は、液体中では無効であるためである。さらに、好ましい実施態様では、先端のどこかに空気隙間が存在しなければならない。別の構造では、材料は、殆どのセラミックと同様、バルク光散乱特性を有する材料が選択され、つまり、光は、単に表面散乱特性を提供するのと対照的に、材料を通過するときに散乱する。静脈瘤の治療に拡散先端ファイバを使用することは独特であり、以前に説明されていない。
【0044】
静脈瘤の治療に拡散先端ファイバを使用することは改善であり、なぜなら、レーザ放射線は、ファイバ端部から側方に方向付けることができ、静脈の内皮細胞をより正確に加熱および破壊することが可能だからである。非拡散ファイバ先端は、最も効果的にするためには、エネルギーを静脈の軸に沿って方向付け、多くの場合、静脈を下方位置およびファイバ周囲で圧縮する必要がある。本明細書に記載する手順は、拡散または非拡散先端ファイバのどちらでも有効であるが、拡散放射線は、静脈のより均一かつ予測可能な収縮を提供する。
【0045】
セラミックまたはクォーツのキャップを小さいファイバの端部に追加しても、ファイバを静脈内に挿入するのに役立つ。キャップは、ファイバ先端が挿入される時に、ファイバ先端が静脈または静脈内のバルブを捕捉しないように、平滑に丸みを付けて製造すると良い。また、キャップまたは平滑な先端は、鋭利なファイバ先端で静脈を穿孔する可能性を減少させる。
【0046】
図9Aは、本発明の方法および装置の好ましい実施態様による拡散ファイバ先端308Aの代表的な図である。セラミックまたはその他の適切な材料の拡散先端902は、光ファイバレーザ供給デバイス306のバッファ部分906上にねじ込まれる内側ねじ山を有する。ねじ部分904は、クリップ部分またはその他の何らかの適切な機械的接続部に置き換えることができる。任意に、非毒性の耐熱またはその他の適切なエポキシ樹脂908を使用して、拡散先端902を光ファイバレーザ供給デバイス306に永久的に、または取外し自在に取り付ける。エポキシ樹脂908は接着剤、結合剤または接合化合物などでも良い。
【0047】
図9Bは、本発明の方法および装置の好ましい実施態様によるもう1つの拡散ファイバ先端308Bの代表的な図である。図示のとおり、セラミックまたはその他の適切かつ適当な材料から形成された小さく円形の拡散ビードまたはヘッド920は、光ファイバレーザ供給デバイス306に結合される。任意に、非毒性の耐熱またはその他の適切なエポキシ樹脂908を使用して、拡散先端920を光ファイバレーザ供給デバイス306に永久的に、または取外し自在に取り付ける。
【0048】
図9Cは、本発明の方法および装置の好ましい実施態様によるもう1つの拡散ファイバ先端308Cの代表的な図である。この実施態様では、クォーツ管922を光ファイバレーザ供給デバイス306の遠位の端部906上に配置し、封止された空気チャンバ924を形成する。任意に、球状またはその他の形状の拡散ボール926を空気チャンバ924内に配置すると、光ファイバレーザ供給デバイス306を通って方向付けられる電磁放射線は、デバイス308Cの先端922から供給される時に拡散される。任意に、非毒性の耐熱もしくはその他の適切なエポキシ樹脂908またはその他の適切な取付け手段を使用して、クォーツの毛細管922を光ファイバレーザ供給デバイス306に永久的に、または取外し自在に取り付ける。
【0049】
図10は、本発明の方法および装置の好ましい実施態様による波長の関数として、メラニン、ヘモグロビンおよび水の吸収係数に関する曲線を示す。図10では、約550nm〜約1060nmの間の領域は、先行技術の技術で十分に公知であるように、高いヘモグロビン吸収および低い水分吸収を示すことが観察される。約1200nm〜約1800nmの間の領域は、低いヘモグロビン吸収および比較的高い水分吸収を示し、これは、本発明の重要な点である。
【0050】
実験結果
新奇な腔内レーザは、11人の患者における12の不全な大伏在静脈内で評価した。
【0051】
方法の概要:11人の患者における12の不全な大伏在静脈は、1320nmの「連続」Nd:YAGレーザを使って5ワットで治療し、自動引戻しシステムは毎秒1mmにした。患者は、術後1週間、3、6および9ヶ月に検査した。治療した静脈は、組織学的に検査した。
【0052】
簡単な結果:全層静脈壁熱損傷は、全員の患者に発生しており、血管の穿孔の兆候はなかった。術後の合併症または疼痛は、どの患者にも見られなかった。全員の患者は、不全なGSVが完全に消滅し、術前のすべての症状が消散した。
【0053】
簡単な結論:1320nmのNd:YAGレーザは安全であり、不全な大伏在静脈の血管内アブレーションに効果的である。
【0054】
方法:患者の特性を表1に示す。
【0055】
【表1】

550umのクォーツファイバは、上記のように外面化法により静脈内に挿入し、大腿静脈移行部まで通す。静脈内のファイバの位置は、レーザの赤色照準ビームがカテーテルの先端から発光される時にこのビームを観察し、重複評価により指示する。カテーテルは、電動式引戻しデバイスに接続する。この手順は、約2mmまたは3mmの引戻しを開始し、次に、30Hzの反復率を仮定して約5ワットおよび167mジュールのほぼ連続モードでレーザの電源を入れることにより開始する。レーザファイバは、電動式引戻しシステムを使って毎秒1mmの速度で引き抜いた。
【0056】
治療したGSVの平均長さは、−1.745+/−3cmだった。使用した平均フルエンスは、4.7JIsecの平均で160+/−20秒間にわたり755ジュールだった。静脈にレーザを印加した直後、遠位の3cmを切除し、近位部分は、3/0バイクリル縫合線で結紮して、フォルムアルデヒド中に配置して組織病理学的処理および評価を行った。9つの静脈は、実験の目的およびパラメーターに応じて目隠しをした皮膚病理学者が評価した。
【0057】
患者は、術後1週間、1、3、6および9ヶ月に診察して、重複検査を行った。この検査は、この外科手順に関係しなかった医師により行った。
【0058】
実験結果:
全員の患者はこの手順に十分に耐性があり、目だった疼痛または不快感を示さなかった。全員の患者は、疼痛を伴わないありふれた術後経過を示した。治療した静脈経過におけるあざは、治療した12本中2本の脚に発生し、10〜14日以内に消散した。特殊な血栓静脈炎は生じなかった。
【0059】
3人の患者について、4本の脚を治療して9ヶ月間追跡し、3人の患者を6ヶ月間、5人の患者を3ヶ月間追跡した。
【0060】
全員の患者は、術前の疼痛が完全に解消したと評価した。足の浮腫を示していた2人の患者のうち、1人の患者は足の浮腫が完全に解消した。その他の患者は、足の浮腫が75%減少した。
【0061】
治療したGSVセグメントの重複検査は、すべての患者が術後3または5ヶ月間にわたり、圧縮せずに完全に閉塞した血管を示した。3ヶ月後、血栓GSVは直径で1〜4mm小さくなった(約50%)。6ヶ月後には、GSVはどの患者にも確認されなかった。
【0062】
図11は実験結果の写真であり、1320nmのNd:YAGレーザで治療した直後の遠位の比較的大きい伏在静脈を示す。
【0063】
表2は、静脈壁内への熱損傷の程度を非晶質の両染性物質のmm単位で表す。さらに、熱損傷を示す静脈壁層について説明する。静脈壁の厚さ全体の損傷は、すべてのサンプルに発生した。
【0064】
【表2】

考察:光吸収曲線は、810、940および1064nmレーザ波長の場合、静脈内の主な吸収発色団はヘモグロビンであることを示す。静脈から血液を排出して、これらのレーザを使用する場合、大多数のレーザエネルギーは血管壁を通って伝達され、周囲の組織を加熱する。1320nmレーザ波長は、血管内に残存する少量の血液に侵入し、コラーゲンにより血管壁内にはるかに強度に吸収される。殆どのエネルギーは壁内に集中して、加熱および収縮が行われる。この研究は、自動引戻しシステムを備える1320 nmのNd:YAG レーザが、GSVの血管内レーザ破壊に安全かつ効果的であることを実証する。
【0065】
特記しない限り、本明細書に使用するすべての技術用語および科学用語は、本発明が関連する当業者が一般に理解する意味と同じ意味を有する。本発明の実践または試験には、本明細書に記載する方法および材料に類似するかまたは等価な任意の方法および材料を使用することができるが、好ましい方法および材料を説明する。本発明で引用するすべての出版物および特許文献は、引用することにより本明細書に援用する。
【0066】
本発明の原理は、具体的な実施態様で明白になったが、当業者にとっては、本発明の実践に使用する構造、構成、割合、要素、材料および構成部品に多くの変更を加えることができ、さもなければ、これらの原理から逸脱することなく、特定の環境および動作用件に特に適応させることができることは即座に明白であろう。添付の請求の範囲は、こうしたすべての変更を網羅し包含し、本発明の真実の範囲、精神および適用範囲のみを制限することを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】図1は、本発明の静脈瘤閉鎖手順の好ましい実施態様を実行するための本発明による装置100の好ましい実施態様の代表的な略ブロック図である。
【図2】図2Aは、本発明の方法および装置の好ましい実施態様により治療される異常に拡張した静脈200の斜視図である。図2Bは、本発明の方法および装置の好ましい実施態様により治療されるGSV202の代表的な図である。
【図3】図3Aは、本発明の方法および装置の好ましい実施態様により経皮的に接近するための導入器または拡張器300の開始を示す代表的な図である。図3Bは、導入器または拡張器300の使用を示す代表的な図であり、レーザファイバ306は、本発明の方法および装置の好ましい実施態様により拡張器300の内腔302を通過してGSV202に入る。
【図4】図4は、本発明の方法および装置の好ましい実施態様による超音波デバイス400の使用を示す代表的な図である。
【図5】図5は、本発明の方法および装置の好ましい実施態様によるファイバ306の先端308付近の組織を手動で圧縮する医師500の代表的な図である。
【図6】図6は、本発明の方法および装置の好ましい実施態様の非接触温度センサ600および冷却システム602の代表的な図である。
【図7】図7は、異常に拡張した静脈200の代表的な図であり、脱出バルブ690を示す。
【図8】図8は、誇張された麻酔700の投与、および麻酔700が本発明の方法および装置の好ましい実施態様によるファイバ306の周囲の静脈200をどのように圧縮するかを示す代表的な図である。
【図9】図9Aは、本発明の方法および装置の好ましい実施態様による拡散ファイバ先端の代表的な図である。図9Bは、本発明の方法および装置の好ましい実施態様によるもう1つの拡散ファイバ先端の代表的な図である。図9Cは、本発明の方法および装置の好ましい実施態様によるさらにもう1つの拡散ファイバ先端の代表的な図である。
【図10】図10は、本発明の方法および装置の好ましい実施態様による波長の関数として、メラニン、ヘモグロビンおよび水分の吸収係数に関する曲線を示す。
【図11】図11は、1320nmNd:YAGレーザで治療した直後の遠位の大伏在静脈を示す実験結果の写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静脈瘤を治療する静脈内の方法であって、約1.2umと約1.8umとの間の波長を有するレーザを使用し、血液が存在しない異常に拡張した血管壁内のコラーゲンを加熱および収縮させる方法。
【請求項2】
前記レーザエネルギーが、光ファイバレーザ供給デバイスにより供給される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
光ファイバレーザ供給デバイスを前記静脈瘤内に挿入するステップと、
引戻しデバイスを使用して、毎秒約0.1mmと約10.0mmとの間の速度で該光ファイバレーザ供給デバイスを前記静脈瘤から後退させ、同時にレーザエネルギーをそこから供給するステップとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記光ファイバレーザ供給デバイスが、毎秒約1.0mmと約5.0mmとの間の速度で後退される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記引戻しデバイスが、前記レーザエネルギーの供給を開始する直前に前記光ファイバレーザ供給デバイスの後退を開始し、その結果、該光ファイバレーザ供給デバイスの先端が前記血管壁に付着するのを防止する、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
レーザエネルギーで治療する前に、前記異常に拡張した静脈から血液が除去される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記光ファイバレーザ供給デバイスが、導入器のカテーテルを通して前記静脈瘤に導入される、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記光ファイバレーザ供給デバイスを通して供給される前記エネルギーが、該光ファイバレーザ供給デバイスの遠位の端部に取り付けられた拡散放射先端を使用することにより均一に分布される、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
非接触温度センサが、所望の温度を維持するために使用される、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記温度センサが、所望の凝固温度を維持するために使用される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記温度センサが、所望のコラーゲン収縮温度を維持するために使用される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記光ファイバレーザ供給デバイスを感知要素として使用するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
感知した温度に基づいてレーザ電力を変調して、前記所望の温度を維持するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
静脈瘤を静脈内で治療するためのシステムであって、
約1.2umと約1.8umとの間の波長を有するレーザと、
近位の端部および遠位の端部を有し、レーザエネルギーを光ファイバレーザ供給デバイスの該遠位の端部から静脈瘤の内壁に供給する光ファイバレーザ供給デバイスと、
該光ファイバレーザ供給デバイスを該静脈瘤から毎秒約0.1mmと約10.0mmとの間の速度で後退させ、同時にレーザエネルギーをそこから供給する引戻しデバイスであって、異常に拡張した血管壁内のコラーゲンが、血液が存在しない状態で加熱および収縮されることが可能な引戻しデバイスとを備えるシステム。
【請求項15】
前記引戻しデバイスが、毎秒約1.0mmと約5.0mmとの間の速度で前記光ファイバレーザ供給デバイスを静脈瘤から後退させる、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記静脈瘤を囲む組織に投与される麻酔をさらに含み、該麻酔が、該静脈瘤を囲む組織を膨張させて、該静脈瘤の圧縮を生じ、治療前に血液を除去する、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
導入器のカテーテルをさらに含み、該導入器のカテーテル内で、前記光ファイバレーザ供給デバイスを前記静脈瘤に導入することが可能な、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記導入器のカテーテルが、近位の端部および遠位の端部を有する細長い内腔部分を備え、前記光ファイバレーザ供給デバイスが近位の端部を通して該導入器のカテーテルに導入され、該遠位の端部を通して前記静脈瘤に導入される、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記導入器のカテーテルの前記遠位の端部に拡散先端をさらに備え、治療の間に放射するエネルギーを均一に分布させる、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記光ファイバレーザ供給デバイスの前記遠位の端部に拡散先端をさらに備え、治療の間に放射するエネルギーを均一に分布させる、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
非接触温度センサをさらに含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項22】
前記温度センサに結合された制御装置をさらに備え、前記光ファイバレーザ供給デバイスの前記遠位の端部付近の領域における温度を制御する、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記制御装置が、前記レーザに入力される電力を変調し、前記光ファイバレーザ供給デバイスの前記遠位の端部付近の領域における温度を制御する、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記光ファイバレーザ供給デバイスが前記温度センサでもある、請求項21に記載のシステム。

【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2006−507046(P2006−507046A)
【公表日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−548661(P2004−548661)
【出願日】平成15年10月30日(2003.10.30)
【国際出願番号】PCT/US2003/035178
【国際公開番号】WO2004/039435
【国際公開日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【出願人】(505159250)クールタッチ, インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】