説明

中間転写記録媒体、及び画像形成方法

【課題】
中間転写記録媒体へは個人情報などの痕跡が残るインクリボンを使用せずに画像を印画し、被転写体への画像の転写では、多種の被転写体へ接着性よく転写でき、しかも、箔切れがよく効率よく転写できて、画像及びホログラム像やハードコートなどの機能を必要とする中間転写記録媒体、及び画像形成方法を提供する。
【解決手段】
基材11、剥離層12、機能性層15、接着層19及び多孔質の受容層21が順に積層されてなる中間転写記録媒体10を特徴とし、該中間転写記録媒体10の準備工程と、(2)前記中間転写記録媒体10の受容層21へインクジェット方式での画像形成工程と、(3)該中間転写記録媒体10の受容層21面を被転写体101へ重ねて加熱し、画像が形成された受容層21、接着層19、機能性層15、剥離層12を転写する転写工程と、からなる画像形成方法も特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中間転写記録媒体に関し、さらに詳しくは、個人情報などの痕跡が残るインクリボンを使用せず、中間転写記録媒体へ画像を印画する際には画像が滲まず、乾燥が早く、該中間転写記録媒体を用いて被転写体に画像を転写形成する際には、多種の被転写体へ接着性よく転写でき、しかも、箔切れがよく効率よく転写できる中間転写記録媒体、及び画像形成方法に関するものである。
【0002】
本明細書において、配合を示す「比」、「部」、「%」などは特に断わらない限り質量基準であり、「/」印は一体的に積層されていることを示す。また、「PET」は「ポリエチレンテレフタレート」、「電離放射線硬化(性)樹脂」は「未硬化の電離放射線硬化性樹脂と、硬化した電離放射線硬化樹脂の総称」の略語、機能的表現、通称、又は業界用語である。
【背景技術】
【0003】
(主なる用途)本発明の中間転写記録媒体を用いて被転写体へホログラム及び画像を転写した媒体の主なる用途としては、例えば、紙幣、株券、証券、証書、商品券、小切手、手形、入場券、通帳類、ギフト券、乗車券、車馬券、印紙、切手、鑑賞券、入場証、通行証、チケット等の金券類、キャッシュカード、クレジットカード、IDカード、プリペイドカード、メンバーズカード、ICカード、光カードなどのカード類、グリーティングカード、ハガキ、名刺、運転免許証、パスポート等の各種証明書やその証明写真類、カートン、ケース、軟包装材などの包装材類、バッグ類、化粧品、腕時計、ライター等のブランド装身具、封筒、タグ、しおり、カレンダー、ポスター、パンフレット、ネームプレート、レポート用紙など文具類、建材、パネル、エンブレム、キー、布、衣類、履物、ラジオ、テレビ、電卓、OA機器等の装置類などがある。しかしながら、画像及びホログラム像やハードコート層などの機能性を必要とする用途であれば、特に限定されるものではない。
【0004】
(背景技術)従来、金券類、カード類、及び各種証明書類などのは、資格証明や一定の経済的価値や効果を持つため、不正に偽造、変造、不正使用することが絶えない。
これらを防止するため各種の偽造防止手段が施されている。光輝性、特にホログラム、回折格子などの微細なレリーフ形状を有する転写箔は、特異な装飾像や立体像を表現できる意匠性と、これらホログラムや回折格子は高度な製造技術を要し、容易に製造できないことから、偽造防止としてセキュリティー性の向上に利用されている。また、金券類やカード類には、中間転写記録媒体を用いて、画像を形成し、ホログラムと共に画像をも転写箔することも求められており、ホログラム付きの中間転写記録媒体が好ましい。該中間転写記録媒体の受容層へ、昇華又は熱転写インクリボンから一次転写し、該中間転写記録媒体から最終的な被転写体への二次転写する2段階の転写を行うことで、偽造防止とセキュリティー性を両立させることができる。
しかしながら、上記の昇華又は熱転写インクリボンから一次転写では、一次転写を終わった昇華又は熱転写インクリボンには、転写印字されて抜けた部分があるインクリボンが排出され、該排出インクリボンの抜け部分は秘密にしたい個人情報などであり、該個人情報などが廃棄されるインクリボンから容易に知られてしまうという危険性があった。
そこで、インクリボンを使用せず、インクジェット方式で画像を形成する中間転写記録媒体もあるが、インクジェット方式による画像では乾燥が遅いため画像形成速度が遅くなったり、また印字が滲んだり、さらに画像形成後の乾燥も遅いので、直ちに被転写体へ転写できないという問題点もあった。
さらにまた、インクジェット方式で画像を形成する中間転写記録媒体のインクジェット受容層は、ある程度厚い層が必要とされるために、画像を形成した中間転写記録媒体を最終的な被転写体へ転写する際に、箔切れが著しく悪く、転写適性に劣るという欠点もあった。
さらにまた、インクジェット方式で画像を形成する中間転写記録媒体のインクジェット受容層は、被転写体へ転写する際の接着層も兼ねているので、被転写体の種類によっては転写した際の接着性に劣り、被転写体の種類によって受容層の材料を代えねばならないという欠点もあった。
従って、中間転写記録媒体は、個人情報などの痕跡が残るインクリボンを使用せず、中間転写記録媒体へ画像を印画する際には画像が滲まず、乾燥が早く、該中間転写記録媒体を用いて被転写体に画像を転写形成する際には、多種の被転写体へ接着性よく転写でき、しかも、箔切れがよく効率よく転写できることが求められている。
【0005】
(先行技術)従来、受容層が基材上に剥離可能に設けられた中間転写記録媒体で、その受容層に染料層や熱溶融性インキ層を有する熱転写シートを用いて、染料、顔料などの着色剤を転写して画像を形成し、その後に中間転写記録媒体を加熱して、受容層を被転写体上に転写する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。 しかしながら、受容層へ染料層や熱溶融性インキ層を有する熱転写シート(本発明のインクリボンに相当する)を用いているので、画像を形成して抜けた部分があるインクリボンが排出され、抜け部分の秘密にしたい個人情報などが廃棄されるインクリボンから知られてしまうという問題点がある。
また、本出願人は、熱転写フィルム(本発明の中間転写記録媒体に相当する)の熱転写層と熱転写記録媒体の熱転写インク層とを対向するように重ね合せて加熱して、熱転写インク層または熱転写インク層に含有する着色剤を熱転写フィルムの熱転写層に転写した後に、被画像形成体(本発明の被転写体に相当する)へ画像形成された熱転写層ごと転写する画像形成方法を開示している(例えば、特許文献2参照。)。この特許文献2には、ノズルから部分的に吐出させるインクジェット記録方式で凸部を形成することが例示されているが、しかしながら、受容層は接着層を兼ねており、接着層は別層として設けられていない。
また、特許文献2には、熱転写フィルムには、基材上に設けた熱転写層の上に接着層を設けて、熱転写の際に被転写体との定着性を向上させることも可能であると、記載されている、しかしながら、基材と反対側の受容層面に接着層が設けられており、本願の接着層は基材と受容層との間に設けられ、さらに、被転写体への転写時には接着層が軟化又は溶融して、受容層を透過して被転写体と接着することについては記載も示唆もない。
このために、本出願人はさらに研究を鋭意進めて、接着層を受容層面ではなく基材との間へ設け、被転写体への転写時には接着層が軟化又は溶融して、少なくとも1部が受容層を透過して被転写体と接着するることで課題を解消し、本発明に至ったものである。
【0006】
【特許文献1】特開昭62−238791号公報
【特許文献2】特開2003−80855号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明はこのような問題点を解消するためになされたものである。その目的は、中間転写記録媒体へ画像を印画する際には個人情報などの痕跡が残るインクリボンを使用せず、中間転写記録媒体へ画像を印画する際には画像が滲まず、乾燥が早く、該中間転写記録媒体を用いて被転写体に画像を転写形成する際には、多種の被転写体へ接着性よく転写でき、しかも、箔切れがよく効率よく転写できて、画像及びホログラム像やハードコート層などの機能性を必要とする中間転写記録媒体、及び画像形成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係わる中間転写記録媒体は、基材と、該基材の一方の面に剥離層、機能性層、接着層及び多孔質の受容層が順に積層されてなるように、したものである。
請求項2の発明に係わる中間転写記録媒体は、上記受容層がインクジェット方式で画像を形成できるように、したものである。
請求項3の発明に係わる中間転写記録媒体は、上記機能性層、接着層及び受容層がフィラーを含むように、したものである。
請求項4の発明に係わる中間転写記録媒体は、上記機能性層がハードコート層及び/又はホログラム層であるように、したものである。
請求項5の発明に係わる画像形成方法は、中間転写記録媒体を用いた画像形成方法であって、(1)基材と、該基材の一方の面に剥離層、機能性層、接着層及び多孔質の受容層が順に積層されてなる中間転写記録媒体を準備する準備工程と、(2)前記中間転写記録媒体の受容層へインクジェット方式で画像を形成する画像形成工程と、(3)画像が形成された中間転写記録媒体の受容層面を被転写体へ重ね合わせて加熱することによって、画像が形成された受容層、接着層、機能性層、剥離層を転写する転写工程と、からなるように、したものである。
請求項6の発明に係わる画像形成方法は、上記転写工程において、画像が形成された中間転写記録媒体の受容層面を被転写体へ重ね合わせて加熱された際に、上記接着層が軟化又は溶融して、少なくとも1部が受容層を透過して被転写体と接着するように、したものである。
請求項7の発明に係わる画像形成方法は、上記中間転写記録媒体として、請求項1〜4のいずれかに記載の中間転写記録媒体を用いるように、したものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の本発明によれば、中間転写記録媒体へ画像を印画でき、該中間転写記録媒体を用いて被転写体に機能性層と画像を転写を効率よく転写できて、機能性層の有する機能及び画像を必要とする中間転写記録媒体が提供される。
請求項2の本発明によれば、請求項1の効果に加えて、中間転写記録媒体へ画像を印画する際には個人情報などの痕跡が残るインクリボンを使用せず、中間転写記録媒体へ画像を印画する際には画像が滲まず、乾燥が早い中間転写記録媒体が提供される。
請求項3の本発明によれば、請求項1〜2の効果に加えて、中間転写記録媒体を用いて被転写体に画像を転写形成する際には、箔切れがよく効率よく転写できる中間転写記録媒体が提供される。
請求項4の本発明によれば、請求項1〜3の効果に加えて、ホログラム像及び/又はハードコート層とインクジェット画像とを有する中間転写記録媒体が提供される。
請求項5の本発明によれば、中間転写記録媒体へ画像を印画する際には個人情報などの痕跡が残るインクリボンを使用せず、中間転写記録媒体へ画像を印画する際には画像が滲まず、乾燥が早く、該中間転写記録媒体を用いて被転写体に画像を転写形成する際には、被転写体へ接着性よく転写でき、しかも、箔切れがよく効率よく転写できて、機能性層の有する機能及び画像の有する意匠性、セキュリティ性及び/又は個人情報を必要とする被転写体が得られる画像形成方法が提供される。
請求項6〜7の本発明によれば、請求項5の効果に加えて、上記接着層が軟化又は溶融して、少なくとも1部が受容層を透過して被転写体と接着するので、多種の被転写体へ接着性よく転写できる画像形成方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
図1は、本発明の1実施例を示す中間転写記録媒体の断面図である。
図2は、本発明の1実施例を示す中間転写記録媒体の断面図である。
図3は、本発明の中間転写記録媒体への画像形成方法を説明する説明図である。
図4は、本発明の中間転写記録媒体を用いて、ホログラム像及び画像を転写した被転写体の断面図である。
【0011】
(中間転写記録媒体)次に、本発明に用いる中間転写記録媒体10について説明する、該中間転写記録媒体10は、図1に示すように、基材11と、該基材11の一方の面へ剥離層12、機能性層15、接着層19及び多孔質の受容層21を有する。また、層間及び/又は層表面へ、必要に応じてプライマ層16、印刷層などの他の層を設けてもよいが、接着層19と受容層21とは隣接して設ける。従来の受容層は接着層を兼ねており、また、稀に受容層の上側(被転写体側)に接着層を設けて熱転写の際に被転写体との接着定着性を向上させることもあった。しかしながら、本発明の中間転写記録媒体10では、接着層を受容層面ではなく基材との間へ隣接して設け、図4に示すように、被転写体への転写時には接着層が軟化又は溶融して、少なくとも1部が多孔質の受容層を透過して被転写体と接着させるのである。
【0012】
(基材)基材11としては、従来の中間転写記録媒体10に使用されているものと同じ基材をそのまま用いることができ、特に限定するものではない。好ましい基材11の具体例としては、グラシン紙、コンデンサー紙またはパラフィン紙等の薄紙、あるいは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトンもしくはポリエーテルサルホン等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテンまたはアイオノマー等のプラスチックの延伸または未延伸フィルムが挙げられる。また、これらの材料を2種以上積層した複合フィルムも使用することができる。基材フィルムの厚さは、その強度および耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜選択することができるが、通常は1〜100μm程度のものが好ましく用いられる。
【0013】
(離型層、剥離層)転写時の剥離性を向上させるために、剥離層12を設け、必要に応じて、離型層も設けてもよく、離型層及び剥離層12の両方を設け、離型層と剥離層12との間で剥離させることで、より転写性を向上できる。剥離層12は転写後には被転写体へ転写移行して、保護層としての機能を合わせ持つ。
【0014】
(剥離層)剥離層12としては、一般的にはエチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロースなどのセルロース誘導体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラールなどのビニル共重合体の熱可塑性樹脂や、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アミノアルキッド樹脂などの熱硬化型の樹脂を用いて形成することができる。また、剥離層には箔切れ性を向上させるために、マイクロシリカやポリエチレンワックスなどのフィラーを含有させることが好ましい。剥離層は、上記の樹脂を溶媒へ分散又は溶解して、ロールコート、グラビアコート、バーコートなどの公知のコーティング方法で、少なくとも1部に塗布し乾燥して塗膜を形成したりすれば良い。剥離層の厚さとしては、通常は0.1μm〜5μm程度、好ましくは0.5μm〜2μm程度である。
【0015】
(離型層)必要に応じて設ける離型層としては、通常、離型性樹脂、離型剤を含んだ樹脂、電離放射線で架橋する硬化性樹脂などがある。離型層の形成は、該樹脂を溶媒へ分散又は溶解して、ロールコート、グラビアコートなどの公知のコーティング方法で、塗布し乾燥して、温度150℃〜200℃程度で焼き付ける。離型層の厚さとしては、通常は0.01μm〜5.0μm程度、好ましくは0.5μm〜3.0μm程度である。離型層及び剥離層12の両方を設ける場合には、適宜組み合わせて用いればよく、この場合も、剥離層は転写後には被転写体へ転写移行して、保護層としての機能を合わせ持つ。
【0016】
(機能性層)機能性層15としては特に限定されないが、例えば、光回折機能を有するホログラム層15A、耐久性に優れるハードコート層、紫外線を吸収するUV吸収層などが例示できる。好ましくは、ポリエチレンワックスやシリカなどのフィラーを含ませて、転写時の箔切れ性を向上させる。また、機能性層15としては単独又は複数層でもよい。
【0017】
(ホログラム層)機能性層15の1例として、ホログラム層15Aを用いた例を、図2に示し、基材11/剥離層12/ホログラム層15A/反射層17/接着層19/受容層21の層構成である。ホログラム層15Aとしては、電離放射線硬化性樹脂の硬化物、反応性シリコーンを含ませ、それらに加えてポリエチレンワックスも含ませる場合もある。このようにすることで、電離放射線硬化後でも熱で白化しない耐熱性と、伸縮へ追従性がよく、割れや白化などのホログラム効果の低下が少ない意匠性に優れたホログラムを立体面へ転写することができる。電離放射線硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ変性アクリレート樹脂、ウレタン変性アクリレート樹脂、アクリル変性ポリエステル等が適用でき、好ましくはウレタン変性アクリレート樹脂である。
【0018】
(電離放射線硬化性樹脂組成物M)好ましいウレタン変性アクリレート樹脂としては、「電離放射線硬化性樹脂組成物M」である。該「電離放射線硬化性樹脂組成物M」としては、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂の硬化物、具体的には、特開2001−329031号公報で開示されている光硬化性樹脂が好ましい。即ち、「電離放射線硬化性樹脂組成物M」(1)分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート類、(2)分子中に水酸基を少なくとも1個と(メタ)アクリロイルオキシ基を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート類、又は(3)分子中に水酸基を少なくとも2個有する多価アルコール類の反応生成物であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂と(メタ)アクリレートオリゴマーの硬化物、及び滑剤を含み、かつ、ホログラム層は(1)分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート類、(2)分子中に水酸基を少なくとも1個と(メタ)アクリロイルオキシ基を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート類、又は(3)分子中に水酸基を少なくとも2個有する多価アルコール類の反応生成物であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂(本明細書では「電離放射線硬化性樹脂組成物M」と呼称する)である。また、必要に応じて、(メタ)アクリレートオリゴマーなどを含ませてもよい。
【0019】
((メタ)アクリレートオリゴマー)(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、耐熱性のあるオリゴマーであればよく、例えば、日本合成化学社の商品名;紫光6630B、7510B、7630Bなどが例示できる。含有させる質量基準での割合としては、「電離放射線硬化性樹脂組成物M」100部に対して10〜30部程度、好ましくは15〜25部である。この範囲未満では耐熱性が不足し、この範囲を超えては耐熱性はよいが、ヒビ割れしやすい。
【0020】
(反応性シリコーン)反応性シリコーンとしては、電離放射線で硬化時に樹脂と反応し結合して一体化したり、1部は残留するものもある。該反応性シリコーンとしてはアクリル変性、メタクリル変性、又はエポキシ変性などで変性した反応性シリコーンで、該反応性シリコーンを含有させる質量基準での割合としては「電離放射線硬化性樹脂組成物M」100に対して、0.1〜10部程度、好ましくは0.3〜5部である。この範囲未満ではレリーフの賦型時にプレススタンパとの剥離が不十分であり、プレススタンパの汚染を防止することが困難で賦型性が悪い。また、この範囲を超えてはホログラム層面への透明反射層の密着性が低く、ホログラム層と透明反射層との間で剥離し商品価値を失ってしまう。また、透明反射層との密着性がやや劣るが、シリコーンオイルを添加してもよい。
【0021】
(ポリエチレンワックス)ポリエチレンワックスとしては、ポリエチレン系樹脂の粒子やビーズが挙げられるが、好ましくは球状ビーズである。但し、ポリエチレンワックスを添加すると、箔切れ性は低下するので、その添加量は、電離放射線硬化樹脂100質量部に対して、0.01〜10質量部程度、好ましくは0.1〜5質量部とする。
【0022】
このように、ホログラム層15Aへ電離放射線硬化性樹脂の硬化物、反応性シリコーン及びポリエチレンワックスを含ませることで、次の作用効果を兼ねさせることができる。
(1)電離放射線硬化前の塗布状態のホログラム層15Aの塗膜は指乾状態でべとつかず、ブロッキングせずに巻き取ることができるので、ロールツーロール加工ができる。
(2)ホログラム層15Aへは反応性シリコーンを含ませることで、賦型性がよいので、レリーフ構造を容易に賦型でき、賦型後に電離放射線で硬化できる。
(3)転写後のホログラム層15Aは最表面層となり、極めて過酷な環境での使用、長期間にわたる使用、及び/又は多数回の繰り返し使用などでも、溶剤、機械的な摩擦、及び摩耗からホログラムを保護し、傷付きにくく耐久性に優れる。
(4)ホログラム層15Aはメラミン系樹脂を用いた剥離層12と界面を接しているので、安定した剥離性を有し、転写時には箔切れがよく、バリなどの発生も極めて少なくすることができる。
【0023】
(ホログラム層の形成)ホログラム層15Aは、上記の樹脂及び必要に応じて添加剤を、溶媒へ分散又は溶解して、ロールコート、リバースロールコート、グラビアコート、コンマコートなどの公知のコーティング方法で、少なくとも1部に塗布し乾燥して塗膜を形成したりすれば良い。ホログラム層15Aの厚さとしては、通常は1μm〜30μm程度、好ましくは2μm〜20μm程度である。複数回の塗布でもよい。
【0024】
(ホログラム)次に、ホログラム層15Aの表面には、ホログラムなどの光回折効果の発現する所定のレリーフ構造を賦型し、硬化させる。ホログラムは物体光と参照光との光の干渉による干渉縞を凹凸のレリーフ形状で記録されたもので、例えば、フレネルホログラム等のレーザ再生ホログラム、及びレインボーホログラム等の白色光再生ホログラム、さらに、それらの原理を利用したカラーホログラム、コンピュータジェネレーティッドホログラム(CGH)、ホログラフィック回折格子などがある。レリーフ形状は凹凸形状であり、特に限定されるものではなく、微細な凹凸形状を有する光拡散、光散乱、光反射、光回折などの機能を発現するものでもよく、例えば、フーリエ変換やレンチキュラーレンズ、光回折パターン、モスアイ、が形成されたものである。また、光回折機能はないが、特異な光輝性を発現するヘアライン柄、マット柄、万線柄、干渉パターンなどでもよい。
【0025】
これらのレリーフ形状の作製方法としてはホログラム撮影記録手段を利用して作製されたホログラムや回折格子の他に、干渉や回折という光学計算に基づいて電子線描画装置等を用いて作製されたホログラムや回折格子をあげることもできる。また、ヘアライン柄や万線柄のような比較的大きなパターンなどは機械切削法でもよい。これらのホログラム及び/又は回折格子の単一若しくは多重に記録しても、組み合わせて記録しても良い。これらの原版は公知の材料、方法で作成することができ、通常、感光性材料を塗布したガラス板を用いたレーザ光干渉法、電子線レジスト材料を塗布したガラス板に電子線描画装置を用いてパターン作製する電子線描画法をなどが適用できる。
【0026】
(レリーフの賦型)ホログラム層15A面へ、上記のレリーフ形状を賦形(複製ともいう)する。ホログラムの賦型は、公知の方法によって形成でき、例えば、回折格子やホログラムの干渉縞を表面凹凸のレリーフとして記録する場合には、回折格子や干渉縞が凹凸の形で記録された原版をプレス型(スタンパという)として用い、上記樹脂層上に前記原版を重ねて加熱ロールなどの適宜手段により、両者を加熱圧着することにより、原版の凹凸模様を複製することができる。
【0027】
また、ホログラム層に形成するホログラムパターンは単独でも、複数でもよい。複数のホログラムパターンを設ける場合には、該ホログラムパターン毎にホログラムマークが設けることが好ましい。該ホログラムマークを検知して、後述するインクジェット方式で画像を形成する際に、ホログラムパターンとインクジェット画像とを同期して形成することができ、同期したホログラム像と印画画像との意匠効果やセキュリティ性を向上させることができる。
【0028】
(レリーフの硬化)ホログラム層15Aは、スタンパでエンボス中、又はエンボス後に、電離放射線を照射して、電離放射線硬化性樹脂を硬化させる。上記の電離放射線硬化性樹脂は、レリーフを形成後に、電離放射線を照射して硬化(反応)させると電離放射線硬化樹脂(ホログラム層15A)となる。電離放射線としては、電磁波が有する量子エネルギーで区分する場合もあるが、本明細書では、すべての紫外線(UV‐A、UV‐B、UV‐C)、可視光線、ガンマー線、X線、電子線を包含するものと定義する。従って、電離放射線としては、紫外線(UV)、可視光線、ガンマー線、X線、または電子線などが適用できるが、紫外線(UV)が好適である。電離放射線で硬化する電離放射線硬化性樹脂は、紫外線硬化の場合は光重合開始剤、及び/又は光重合促進剤を添加し、エネルギーの高い電子線硬化の場合は添加しないで良く、また、適正な触媒が存在すれば、熱エネルギーでも硬化できる。ホログラム層15Aとして、熱硬化性樹脂を用いた場合には、使用する熱硬化性樹脂の硬化条件に応じた温湿度環境下で、エージングを行い硬化させればよい。
【0029】
(レリーフの絵柄)ホログラム層15Aの絵柄を擬似連続絵柄とすることが好ましい。擬似連続絵柄はプレス型(スタンパという)を作成する際に、小さなレリーフ版の複数を、精度よく突合せてつなぎ目を目立たなくしたり、つなぎ目を樹脂で埋めたりすればよい。このように、擬似連続絵柄とすることで、できるだけ大きな面積、又は好ましくは全面とすることもできる。大面積又は全面のホログラム絵柄を背景とし他の任意な印刷絵柄と、同調させたり、合わせたりして、さらなる特異な意匠性を向上させることができる。印刷絵柄は、層間又は層表面に、公知の印刷法などで適宜設ければよく、印刷絵柄はインモールド用転写箔、及び/又は収縮フィルムのいずれへ設けてもよい。
【0030】
(透明反射層)透明反射層17は、所定のレリーフ構造を設けたホログラム層15A面のレリーフ面へ、透明反射層17へ設けることにより、レリーフの反射及び/又は回折効果を高めるので、ホログラム層15Aの反射率のより高れば、特に限定されない。該透明反射層17として、ほぼ無色透明な色相で、その光学的な屈折率がホログラム層のそれとは異なることにより、金属光沢が無いにもかかわらず、ホログラムなどの光輝性を視認できるから、透明なホログラムを作製することができる。例えば、ホログラム層15Aよりも光屈折率の高い薄膜、および光屈折率の低い薄膜とがあり、前者の例としては、ZnS、TiO2、Al23、Sb23、SiO、SnO2、ITO等があり、後者の例としては、LiF、MgF2、AlF3がある。好ましくは、金属酸化物又は窒化物であり、具体的には、Be、Mg、Ca、Cr、Mn、Cu、Ag、Al、Sn、In、Te、Fe、Co、Zn、Ge、Pb、Cd、Bi、Se、Ga、Rb、Sb、Pb、Ni、Sr、Ba、La、Ce、Au等の酸化物又は窒化物他はそれらを2種以上を混合したもの等が例示できる。またアルミニウム等の一般的な光反射性の金属薄膜も、厚みが200Å以下になると、透明性が出て使用できる。
【0031】
透明金属化合物の形成は、金属の薄膜と同様、ホログラム層15Aのレリーフ面に、10〜2000nm程度、好ましくは20〜1000nmの厚さになるよう、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVDなどの真空薄膜法などにより設ければよい。
【0032】
(ハードコート層)また、機能性層15の1例として、ハードコート層を用いた例では、基材11/剥離層12/ハードコート層/接着層19/受容層21の層構成とすればよい。ハードコート層は、少なくとも電離放射線硬化樹脂を主成分とし、ポリエチレンワックスを含むようにする。該電離放射線硬化性樹脂としては、好ましくは、(1)分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート類、(2)分子中に水酸基を少なくとも1個と(メタ)アクリロイルオキシ基を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート類、又は(3)分子中に水酸基を少なくとも2個有する多価アルコール類の反応生成物であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂を用い、ポリエチレンワックスを含ませて、塗布し乾燥して電離放射線で硬化させて、電離放射線硬化樹脂とすればよい。
【0033】
前記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂(本明細書では電離放射線硬化性樹脂組成物Mと呼称する)は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂の硬化物、具体的には、特開2001−329031号公報で開示されている光硬化性樹脂などが例示できる。
【0034】
(ポリエチレンワックス)ポリエチレンワックスとしては、ポリエチレン系樹脂の粒子やビーズが挙げられるが、好ましくは球状ビーズである。但し、ポリエチレンワックスを添加すると、箔切れ性は低下するので、その添加量は、電離放射線硬化樹脂100質量部に対して、0.01〜10質量部程度、好ましくは0.1〜5質量部とする。転写後には機能性層15が最表面層となり、含まれるポリエチレンワックスは、機械的な摩擦、及び摩耗から媒体を保護し、後述する画像などの固有情報も保護する。
【0035】
(1)ポリエチレンワックスを含ませることで、転写後には機能性層15が最表面層となるが、極めて過酷な環境での使用、長期間にわたる使用、及び/又は多数回の繰り返し使用などでも、溶剤、機械的な摩擦、及び摩耗から被転写体に設けられた画像を保護し、傷付きにくく耐久性に優れる。
(2)機能性層15はメラミン系樹脂を用いた剥離層12と界面を接しているので、機能性層15と剥離層12との間で剥離し、安定した剥離性を有するので、転写時にはバリなどの発生も極めて少なくさせることができる。
(3)機能性層15へはフィラーとしてポリエチレンワックスを含ませ、かつ、及び接着層19及び受容層21へはフィラーとしてマイクロシリカを含ませて、転写する全部の層へフィラーを混入させているので、カードなどの媒体(被転写体101)へ転写する際の箔キレをよくさせて、(2)の安定した剥離性とともに、転写性を向上させることができる。
【0036】
(ハードコート層の形成)ハードコート層の形成は、上記の電離放射線硬化性樹脂にポリエチレンワックス、必要に応じて光重合開始剤、可塑剤、安定剤、界面活性剤等を加え、溶媒へ分散または溶解して、ロールコート、グラビアコート、コンマコート、ダイコートなどの公知のコーティング方法で塗布し乾燥して、電離放射線で反応(硬化)させればよい。
【0037】
(ハードコート層の厚味)ハードコート層の厚さは、通常、1〜5μm程度であるが、本発明では、極めて過酷な環境での使用、使用期限がなかったり、長期にわたる使用、及び/又は多数回の繰り返し使用などでも、溶剤や機械的な摩擦及び摩耗、特に引掻きから画像を保護し、傷付きにくい耐久性を付与するために、ハードコート層の厚みで5μm以上で、好ましくは10μm以上、さらに好ましくは15μm以上とする。上限は特に限定されないが、価格や箔切れ性から25μm以下程度である。ハードコート層の厚味が5μm以上で、好ましくは10μm以上、さらに好ましくは15μm以上であるようにすることで耐久性が高まり、極めて過酷な環境での使用、使用期限がなかったり、長期にわたる使用、及び/又は多数回の繰り返し使用などでも、化学的機械的な外力から画像を保護できる中間転写記録媒体が得られる。
【0038】
(UV吸収層)また、機能性層15の他の1例として、UV吸収層を用いた例では、基材11/剥離層12/UV吸収層/接着層19/受容層21の層構成とすればよい。
UV吸収層としては、バインダ中へ、マイクロシリカと、ベンゾトリアゾール類、ベンゾフェノン類、置換オキザニリド類、シアノアクリレート類、又はトリアリールトリアジン類などの紫外線吸収剤を含む組成物へ、必要に応じて硬化剤、光重合開始剤、可塑剤、安定剤、界面活性剤等を加え、溶媒へ分散または溶解して、ロールコート、グラビアコート、コンマコート、ダイコートなどの公知のコーティング方法で塗布し乾燥するか、乾燥、若しくは乾燥した後のエージング(硬化)処理、又は電離放射線で反応(硬化)させればよい。UV吸収層を設けることで、画像の耐光性を向上させ長期間にわたって画像を維持させることができる。
【0039】
UV吸収層へのマイクロシリカの含有割合は、質量基準で電離放射線硬化樹脂:マイクロシリカ=90〜94:6〜10である。マイクロシリカの含有割合がこの範囲未満では転写時の箔キレ性が悪く、この範囲を超えると透明性が低下し、画像が見えにくくなる。
【0040】
(転写層の厚味)転写する層が機能性層15/接着層19/受容層21と総厚さが8〜28μm程度にもなり、通常の転写箔の転写層数μmと比較すると著しく厚くなると、バリが発生したり、箔切れが悪く転写速度低下などの転写性が著しく低下するが、本発明の好ましい例のように、転写する層の全部にフィラー成分を含ませることで、剥離性もよく、箔切れ性もよくすることができるので、容易に転写することができる。また、好ましくは、複数の機能性層15として、ハードコート層/ホログラム層15A/反射層17/UV吸収層を用いると、基材11/剥離層12/ハードコート層/ホログラム層15A/反射層17/UV吸収層/接着層19/受容層21の層構成となり、転写する層はさらに厚くなるので、転写する全層にフィラー成分を含ませることで、剥離性もよく、箔切れ性もよく、転写することができる。
【0041】
(接着層)接着層19としては、公知の加熱されると溶融または軟化して接着効果を発揮する感熱接着剤が適用でき、具体的には、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂などが挙げられる。該接着層19には、マイクロシリカなどのフィラーを含むことが、箔切れ性の点で好ましい。また、接着層19の樹脂としては、95℃程度の低温で溶融接着し、60℃程度になると固化して接着する融点が60〜95℃ものが好ましい。融点が上記範囲未満であると、被転写体との接着性が不十分であり、形成された画像を使用する温度が制限される。また、融点が上記範囲を越えるとサーマルヘッドによる加熱では転写性が不十分となり、又、機能性層の箔切れ性が低下し、バリなどが発生し易い。
【0042】
好ましい接着層19としては、熱接着性ポリエステル系樹脂とマイクロシリカとを含有し、前記熱接着性ポリエステル系樹脂と前記マイクロシリカとの割合が質量基準でポリエステル系樹脂:マイクロシリカ=90〜99:1〜10である。マイクロシリカの含有割合がが上記範囲未満では箔キレ性が悪く、上記範囲を越えると透明性が低下し画像が見えにくくなる。該材料樹脂を溶剤に溶解または分散させて、適宜顔料などの添加剤を添加して、公知のロールコーティング、グラビアコーティング、コンマコーティングなどの方法で塗布し乾燥させて、厚さ0.1〜30μm程度、好ましくは0.4〜3μmの層を得る。
【0043】
(受容層)接着層19面へ隣接して多孔質の受容層21を設け、該受容層21は中間転写記録媒体10の最表面となり、該受容層21にはインクジェット方式によって画像が印画される。受容層21としては、耐摩擦性や透明性などに優れた樹脂を適宜用いることができる。具体的には、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル鹸化物、カルボキシメチルセルロース、繊維素系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリルウレタン樹脂、これらの樹脂のシリコーン変性樹脂、ポリカーボネート樹脂、及びこれらの樹脂の混合物が挙げられる。
【0044】
また、好ましくは、これらの樹脂の転写時の箔切れ性(膜切れ性ともいう)を考慮して、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、プラスチックピグメント等の透明性の高い微粒子やワックス等を、透明性を害さない程度に含有させる。好ましい受容層21としては、樹脂とマイクロシリカとからなり、樹脂とマイクロシリカとの割合が質量基準で樹脂:マイクロシリカ=90〜99:1〜10である。マイクロシリカの含有割合がが上記範囲未満では箔キレ性が悪く、上記範囲を越えると透明性が低下し画像が見えにくくなる。
【0045】
(多孔質化)受容層21を多孔質の網目構造を形成するには、従来から行なわれている方法がとれる。例えば、受容層21の塗工液である、樹脂と比較的低沸点の良溶媒および比較的高沸点の貧溶媒を含んでなる透明な樹脂ワニスを、基材上に塗布する。この樹脂ワニスの塗布は、グラビアコート、ロールコート、シルクスクリーンコートなどの公知の塗工方法により、1〜10μm程度、好ましくは1〜3μmの厚さに塗工する。次に、塗工された樹脂ワニスを乾燥させる。この乾燥工程で、沸点の比較的低い良溶媒が先に蒸発する。この良溶媒の蒸発の進行に伴い、樹脂ワニス中の樹脂相と残存する貧溶媒相とが相分離し、樹脂はゲル化し、他方貧溶媒は該樹脂中に分散した粒子形態をとるようになる。更に乾燥が進むと、この粒子形態の高沸点貧溶媒の蒸発が進行し、貧溶媒の蒸発の完了により多孔質構造が形成される。その乾燥時の温度、風量等の調整により、多孔質の細孔径の調整を行なうこともできる。
【0046】
但し、多孔質構造の受容層21の場合、製造された時点での透明性、光透過性よりも、被転写体へ受容層21が転写された後の透明性、光透過性を考慮して、多孔質の細孔径の調整を行なう。なぜなら、上記の多孔質構造の受容層21では、熱転写時の加熱により、多孔質構造が変化し、透明性、光透過性が少し高くなることがあるからである。
【0047】
(他の層)層間及び/又は層表面へ必要に応じて設ける層としては、プライマ層、印刷層、帯電防止層、背面滑性層などがあり、それぞれ公知のものでよい。特に、印刷層としては、着色インキや蛍光インキなどを用いて、公知のスクリーン印刷やグラビア印刷法で印刷すればよい。
【0048】
(画像)インクジェット方式による画像103としては、身分証明書等のIDカードを作成する場合、画像の形成は容易であるが、これらの画像は耐久性、特に耐摩擦性が劣るという欠点がある。該画像を本発明の中間転写記録媒体10の受容層21へ印画した後に、被転写体101の表面へ転写することで、耐久性、耐光性及び/又はセキュリティ性に優れる機能性層15が最表面に位置し、それぞれの機能と共に画像を保護する。
【0049】
(画像形成方法)本発明の画像形成方法は、中間転写記録媒体を用いた画像形成方法であって、(1)基材と、該基材の一方の面に剥離層12、機能性層15(ホログラム層15A/透明反射層17、ハードコート層、及び/又はUV吸収層など)、接着層及び多孔質の受容層が順に積層されてなる中間転写記録媒体を準備する準備工程と、(2)前記中間転写記録媒体の受容層へインクジェット方式で画像を形成する画像形成工程と、(3)画像が形成された中間転写記録媒体の受容層面を被転写体へ重ね合わせて加熱することによって、画像が形成された受容層、接着層、機能性層15、剥離層12を転写する転写工程の、3工程からなる。
【0050】
(第1工程)中間転写記録媒体を準備する準備工程であって、基材11と、該基材11の一方の面に剥離層12、機能性層15(ホログラム層15A/透明反射層17、ハードコート層、及び/又はUV吸収層など)、接着層19及び多孔質の受容層21が順に積層されてなる中間転写記録媒体10を準備する準備工程で、前述してきた材料、製造法で製造し準備すればよい。
【0051】
(第2工程)画像を形成する画像形成工程であって、図3に示すように、中間転写記録媒体10の受容層へインクジェット方式で画像を形成される。インクジェット方式には熱インパクト法などがあるが特に限定されず、インクジェットインキも水性や油性インキなどがあるが特に限定されない。また、インクジェット方式で形成する画像も、円形や星形などのスポット状、文字、数字、イラスト、写真などの任意の形状でよく、その色調も単独、複数、フルカラー用など限定されるものではない。好ましくは、オンデマンドで可変情報をインクジェット方式で印画することである。インクジェット方式では、画像を印画する際に、個人情報などの痕跡が残るインクリボンを使用せず、また、画像を印画する際にも、受容層21が多孔質であるために画像が滲まず、乾燥が早いので効率がよい。
【0052】
(第3工程)被転写体への転写工程であって、画像が形成された中間転写記録媒体10の受容層21面を被転写体へ重ね合わせて加熱することによって、画像が形成された受容層21、接着層19、機能性層15、剥離層12が被転写体へ転写される。
転写は、画像が形成された中間転写記録媒体10の受容層21面を被転写体101へ重ね合わせて加熱することによって、被転写体101にホログラム像、ハードコート層及び/又UV吸収層と印画画像を転写する。被転写体101への形成方法としては、公知の転写法でよく、例えば、熱刻印によるホットスタンプ(箔押)、熱ロールによる全面又はストライプ転写、サーマルヘッド(感熱印画ヘッド)によるサーマルプリンタ(熱転写プリンタともいう)などの公知の方法が適用できる。円形、矩形、星形などのスポット状や、文字、数字などの任意の形状でよい。
【0053】
上記転写工程において、画像が形成された中間転写記録媒体10の受容層21面を被転写体101へ重ね合わせて加熱された際に、接着層19が軟化又は溶融して、多孔質な受容層21を透過して少なくとも1部が被転写体101面へ達して、図4に示すように、被転写体101と容易に接着することができる。従来のインクジェット方式で画像を形成するインクジェット用の受容層21は、被転写体101へ転写する際の接着層も兼ねているので、被転写体101の種類によっては転写した際の接着性に劣る。本発明によれば、被転写体101へ接着するための専用の接着層19が設けられているので、種々の材料からなる被転写体101でも容易に接着させることができる。また、第2工程の画像形成工程と、第3工程の転写工程とは、別々のオフライン操作でも、連続して行うインライン操作でもよい。好ましくはインライン操作で、受容層21が多孔質であるために画像が滲まず、乾燥が早いので、画像を印画した直後でも転写操作をすることができる。
【0054】
(インモールド射出成形法)また、転写方法は射出成形によって成形される成形樹脂へ転写する、所謂インモールド射出成形法でもよい。インモールド射出成形法とは、(1)中間転写記録媒体10を準備する工程と、(2)該中間転写記録媒体10を射出成形用金型内へ挿入する工程と、(3)該射出成形用金型へ樹脂を射出成形し密着させることで、該樹脂の表面へ中間転写記録媒体10の画像が形成された受容層21、接着層19、機能性層15、剥離層12を転写する工程と、(4)冷却後、金型を解放し、中間転写記録媒体10の基材11を剥離して成形品を取り出す工程と、からなる射出成形法で、立体面へホログラムが転写された成形品を製造できる。成形された樹脂成形品が被転写体101に相当する。なお、剥離層12の1部が基材11側に1部が残る場合もあるが、剥離に支障はなく、本発明の範囲内である。
【0055】
(射出成形品)射出樹脂の材料は特に限定されず、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、アクリル系樹脂などの射出樹脂のできる公知の樹脂でよい。
該射出成形品の形状としては、特に限定されず、少なくとも1部分に立体部があれば、適用できる。立体部とは二次面、三次面でもよく、波状、曲面状、多面体状、円又は角錐状、球状などがあり、これらの1、又は複数の組合わせ、若しくはランダム形状でもよい。射出成形による成形品は、日用品や生活用品などの機器本体、食品や各種物品の容器類、携帯電話などの電子機器や事務用品などの筐体類などに使用できる。
【0056】
(箔切れ性)上記転写工程において、被転写体へ重ね合わせて加熱し、画像が形成された受容層21、接着層19、機能性層15(ホログラム層15A/透明反射層17、ハードコート層、及び/又はUV吸収層など)及び剥離層12が転写された後に、転写されない部分は転写された部分から箔切れさせて、基材11から引き剥がされ除去される。しかしながら、箔切れ、即ち、受容層21、接着層19、機能性層15及び剥離層12の複数層からなる層(箔層)を切ることになり、これらの層のうち、受容層21と機能性層15には厚味があり、特に箔切れ性が悪い。好ましい本発明では、受容層21、接着層19及び機能性層15のすべての層へフィラーを含有させることで、箔切れ性が向上でき、効率よく転写作業ができる。なお、透明反射層17は、極めて薄く硬いので、箔切れ性がよいので、フィラーがなくても問題はない。従来のンクジェット用の受容層21においては、箔切れ性を向上させるために、フィラーを含有させると、接着性が低下して転写すること自体ができなくなる危険性もあったが、本発明では、接着性は専用の接着層19の接着剤が多孔質の受容層21を透過して被転写体101と接着させるために、受容層21へフィラーを含有させることができる。
【0057】
(被転写体)被転写体101としては特に限定されず、例えば天燃繊維紙、コート紙、トレーシングペーパー、転写時の熱で変形しないプラスチックフイルム、ガラス、金属、セラミックス、木材、布などのいずれのものでもよい。また、被転写体101の媒体はその少なくとも1部が着色、印刷、その他の加飾が施されていてもよく、転写したホログラム面にも、印刷、その他の加飾を施してもよい。また、被転写体101の形状は特に限定されず、平面でも立体物でもよく、転写する面も平面に限らず、曲面や凹凸のある立体面でもよい。また、前述のように転写時に射出成形によって成形される樹脂成形品でもよい。
【実施例】
【0058】
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。なお、溶媒を除き、各層の各組成物は固形分換算の質量部である。
【0059】
(実施例1)基材11として厚さ25μmのPETフィルムを用い、該基材11の一方の面へ、ロールコーティング法で、下記の剥離層樹脂組成物(塗工液)を乾燥後1μmになるように塗布し乾燥して、剥離層12を形成した。
・<剥離層の樹脂組成物>
剥離ニス45−3(アクリル系樹脂、昭和インク社製、商品名) 10質量部
マイクロシリカ(平均粒子径0.5μ) 0.5質量部
溶媒(MEK:トルエン=1:1) 90質量部
該剥離層12面へ、下記の電離放射線硬化性樹脂組成物をグラビアリバースコーターで乾燥後の厚さが5μmになるように、塗工し100℃で乾燥させた。
・<ホログラム層の電離放射線硬化性樹脂組成物>
ユピマーUV−V3031(三菱化学社製、UV硬化性樹脂商品名)100質量部
反応性シリコーン(信越化学社製、商品名X−22−1602) 0.5質量部
ポリエチレンワックス(平均粒径3〜5μm、球状) 2質量部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア184) 5質量部
酢酸エチル 300質量部
次に、該層面へ、立体の社章の2光束干渉法によるホログラムから、2P法で複製した絵柄(立体の社章像を再生するレリーフ)と、該絵柄毎にホログラムマークが設けて一対とし、該一対を複製の流れ方向へ順次羅列して複数絵柄としたプレス型を複製装置のエンボスローラーに貼着して、相対するローラーと間で加熱プレス(エンボス)して、微細な凹凸パターンからなるレリーフを賦形させた。賦形後直ちに、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して硬化させて、ホログラム層15を形成した。
該ホログラム層15のレリーフ面へ、コロナ処理を行い、厚さ500nmの酸化チタンを真空蒸着法で形成して、透明反射層17とした。
該透明反射層17面へ、下記のプライマ層組成物をグラビアコーターで乾燥後の塗布量が0.5μmになるように、塗工し100℃で乾燥させて、プライマ層とした。
・<プライマ層組成物途工液>
ポリエステル樹脂 10質量部
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 10質量部
マイクロシリカ(平均粒子径0.5μ) 1質量部
トルエン 40質量部
メチルエチルケトン 40質量部
該プライマ層面へ、下記の接着層組成物をグラビアコーターで乾燥後の塗布量が3μmになるように、塗工し100℃で乾燥させて、接着層19とした。
・<接着層組成物>
ポリエステル樹脂SP170(日本合成化学社製、商品名)20質量部
マイクロシリカ(平均粒子径0.5μ) 1質量部
溶媒(MEK:トルエン=1:1) 80質量部
該接着層19面へ、下記の受容層組成物をグラビアリバースコーターで乾燥後の厚さが4μmになるように、塗工し乾燥させて、受容層21とし、実施例1の中間転写記録媒体10を得た。なお、溶媒中のキシレンが貧溶媒である。
・<受容層組成物>
ポリビニルアルコール 15質量部
マイクロシリカ(平均粒子径0.5μ) 2質量部
溶媒(水:イソプロピルアルコール:キシレン=90:10:2)85質量部
【0060】
(実施例2)基材11として厚さ25μmのPETフィルムを用い、該基材11の一方の面へ、ロールコーティング法で、下記の剥離層樹脂組成物(塗工液)を乾燥後1μmになるように塗布し乾燥して、剥離層12を形成した。
・<剥離層の樹脂組成物>
ノルボルネン系樹脂(日本合成ゴム(株)製、アートンG) 40質量部
アクリルポリオール樹脂 10質量部
マイクロシリカ(平均粒子径0.5μ) 2.5質量部
溶媒(メチルエチルケトン:トルエン=2:8) 50質量部
該剥離層12面へ、下記の電離放射線硬化性樹脂組成物をグラビアリバースコーターで乾燥後の厚さが5μmになるように、塗工し100℃で乾燥させて、直ちに、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して硬化させて、ハードコート層を形成した。
・<電離放射線硬化性樹脂組成物>
反応性生物(A) 24重量部
造膜性樹脂(メタクリル樹脂:クラレ社製品 パラペットGF) 6重量部
ポリエチレンワックス(平均粒径3〜5μm、球状) 0.6質量部
光重合開始剤(イルガキュア184) 0.9重量部
酢酸エチル 70重量部
なお、反応性生物(A)は以下の手順で生成した。撹拌機、還流冷却器、滴下漏斗及び温度計を取り付けた反応器に、酢酸エチル206.1g及びイソホロンジイソシアネートの三量体(HULS社製品、VESTANAT T1890、融点110℃)133.5gを仕込み、80℃に昇温して溶解させた。溶液中に空気を吹き込んだのち、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.38g、ペンタエリスリトールトリアクリレート(大阪有機化学工業社製品、ビスコート300)249.3g及びジブチル錫ジラウレート0.38gを仕込んだ。80℃で5時間反応させたのち酢酸エチル688.9gを添加して冷却した。得られた反応生成液は赤外吸収スペクトル分析の結果、イソシアネート基の吸収が消滅していることを確認した。反応生成液から酢酸エチルを留去したものの軟化温度は43℃であった。
該ハードコート層面へ、下記のプライマ層組成物をグラビアコーターで乾燥後の塗布量が0.5μmになるように、塗工し100℃で乾燥させて、プライマ層とした。
・<プライマ層組成物途工液>
ポリエステル樹脂 10質量部
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 10質量部
マイクロシリカ(平均粒子径0.5μ) 1質量部
トルエン 40質量部
メチルエチルケトン 40質量部
該プライマ層面へ、下記の接着層組成物をグラビアコーターで乾燥後の塗布量が3μmになるように、塗工し100℃で乾燥させて、接着層19とした。
・<接着層組成物>
ポリエステル樹脂SP170(日本合成化学社製、商品名)20質量部
マイクロシリカ(平均粒子径0.5μ) 1質量部
溶媒(MEK:トルエン=1:1) 80質量部
該接着層19面へ、下記の受容層組成物をグラビアリバースコーターで乾燥後の厚さが4μmになるように、塗工し乾燥させて、受容層21とし、実施例2の中間転写記録媒体10を得た。なお、溶媒中のキシレンが貧溶媒である。
・<受容層組成物>
ポリビニルアルコール 15質量部
マイクロシリカ(平均粒子径0.5μ) 2質量部
溶媒(水:イソプロピルアルコール:キシレン=90:10:2)85質量部
【0061】
(実施例3)<オフライン>上記実施例1の中間転写記録媒体10の受容層21へ画像を印画(形成)する。印画は、600dpiのカラーインクジェットプリンターを用いて、絵柄毎のホログラムマークを検知することで、ホログラム絵柄(立体の社章像を再生するレリーフ)に同期させて、立体の社章像と重なるように、顔写真及び氏名を印画した。
受容層21へ画像(顔写真及び氏名)が形成された媒体を、被転写体101として厚さが188μmのPETフィルムへ、加熱ロール方式転写装置で転写し、基材を剥離し徐去した。転写済みの被転写体101を目視で観察したところ、ホログラム絵柄(立体の社章像)に同期した顔写真及び氏名が観察され、高級感に溢れた優れた意匠性であり、さらに、ホログラムによる偽造防止性も合わせ持っていた。
【0062】
(実施例4)<インライン>また、上記実施例2の中間転写記録媒体10の受容層21へ、インクジェットプリンタ内臓転写装置を用いて、印画操作と転写操作をインラインで行った。受容層21面へ顔写真及び氏名を印画し、遠赤外線ヒーターで2秒間乾燥乾燥させた直後、145℃の熱ローラとゴムローラで、被転写体としてポリ塩化ビニル製のクレジットカードサイズのIDカードとを重ね合わせて、走行速度1m/分で転写した後に、基材を剥離し除去した。
転写済みの被転写体101を目視で観察したところ、画像にムラやカスレもなく、さらに、ハードコート層による耐久性も合わせ持っていた。
【0063】
(実施例5)<射出成形>上記実施例1の中間転写記録媒体10の受容層21へ画像を印画(形成)する。印画は、600dpiのカラーインクジェットプリンターを用いて、絵柄毎のホログラムマークを検知することで、ホログラム絵柄(立体の社章像を再生するレリーフ)に同期させて、立体の社章像と重なるように、顔写真及び氏名を印画した。この印画済みの中間転写記録媒体10を射出成形装置の自動箔送り装置に、受容層21面が成形樹脂側になるように挿入(インサート)し、スミペックスSTH−55(住友化学社製、アクリル樹脂商品名)を、溶融温度250℃、金型温度80℃の通常条件で射出成形を行った。冷却後、金型を解放し、基材11を剥離して取り出して、成形品を得た。
なお、該射出成形は成形サイクル12秒で連続的に成形した。得られた成形品は3次元形状(周囲に5mmの縁取りがあり、中央部が球面状に盛り上った直径150mmのCDプレイヤーの部材)を有しており、アクリル樹脂表面にホログラム像及び印画像が転写されていた。該ホログラムは、射出成形の熱でも白化せず、球面部への追従性もよく、割れや白化などもなく、意匠性に優れたホログラムが立体面へ転写されていた。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の1実施例を示す中間転写記録媒体の断面図である。
【図2】本発明の1実施例を示す中間転写記録媒体の断面図である。
【図3】本発明の中間転写記録媒体への画像形成方法を説明する説明図である。
【図4】本発明の中間転写記録媒体を用いて、ホログラム像及び画像を転写した被転写体の断面図である。
【符号の説明】
【0065】
10:中間転写記録媒体
11:基材
12:剥離層
15:機能性層
15A:ホログラム層
15B:ハードコート層
17:透明反射層
19:接着層
21:受容層
101:被転写体
103:画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、該基材の一方の面に剥離層、機能性層、接着層及び多孔質の受容層が順に積層されてなることを特徴とする中間転写記録媒体。
【請求項2】
上記受容層がインクジェット方式で画像を形成できることを特徴とする請求項1記載の中間転写記録媒体。
【請求項3】
上記機能性層、接着層及び受容層がフィラーを含むことを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載中間転写記録媒体。
【請求項4】
上記機能性層がハードコート層及び/又はホログラム層であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の中間転写記録媒体。
【請求項5】
中間転写記録媒体を用いた画像形成方法であって、(1)基材と、該基材の一方の面に剥離層、機能性層、接着層及び多孔質の受容層が順に積層されてなる中間転写記録媒体を準備する準備工程と、(2)前記中間転写記録媒体の受容層へインクジェット方式で画像を形成する画像形成工程と、(3)画像が形成された中間転写記録媒体の受容層面を被転写体へ重ね合わせて加熱することによって、画像が形成された受容層、接着層、機能性層、剥離層を転写する転写工程と、からなることを特徴とする画像形成方法。
【請求項6】
上記転写工程において、画像が形成された中間転写記録媒体の受容層面を被転写体へ重ね合わせて加熱された際に、上記接着層が軟化又は溶融して、少なくとも1部が受容層を透過して被転写体と接着することを特徴とする請求項5記載の画像形成方法。
【請求項7】
上記中間転写記録媒体として、請求項1〜4のいずれかに記載の中間転写記録媒体を用いることを特徴とする5〜6のいずれかに記載の画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−188866(P2008−188866A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−25400(P2007−25400)
【出願日】平成19年2月5日(2007.2.5)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】