説明

主桁、橋梁及び橋梁の構築方法

【課題】主桁間を軸直交方向に容易に連結することが可能な主桁及び橋梁を提供する。
【解決手段】間隔を置いて配置される橋脚10,10間に架け渡される主桁2であって、橋脚間に架設可能な長さの桁部21と、桁部の両側の端部において桁部の略軸直交方向に延設される横連結部22,22とを有している。
そして、橋梁1は、橋脚間に並行に架け渡される複数の主桁2,・・・と、横連結部22,22同士を連結させる連結手段4と、主桁上に架け渡されて主桁と接合される床版11とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、橋梁、桟橋、人工地盤等を構築する際に橋脚などの基部間に架け渡される主桁、及びその主桁を備えた橋梁、及び橋梁の構築方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、橋梁等を構築するに際して、工場で予めプレキャストコンクリート部材を製作し、現地に搬送されたプレキャストコンクリート部材をクレーンで吊り上げて並べ、隣接されたプレキャストコンクリート部材同士を接合させることによって短期間で構築する方法が知られている(特許文献1乃至3参照)。
【0003】
これらの特許文献1乃至3に開示された発明は、いずれも本願の発明者によって開発されたもので、軽量化、施工性の向上を目指した改良が現在においても続けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−336283号公報
【特許文献2】特開2003−213623号公報
【特許文献3】特開2006−348656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、長尺状の複数の主桁を並行に並べ、それらの間を軸直交方向に剛性の高い部材(横桁)によって簡単に連結できれば、主桁の軽量化が図れるとともに、工期の短縮も期待できる。しかしながら、従来、このような横桁は、現地で場所打ちコンクリートによって構築されていたので、その作業時間及び強度が発現するまでの養生時間を経過するまでは床版を設置することができず、工期が長引く原因になった。
【0006】
そこで、本発明は、主桁間を軸直交方向に容易に連結することが可能な主桁、及びその主桁を備えた橋梁、及び橋梁の構築方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の主桁は、間隔を置いて配置される基部間に架け渡される主桁であって、前記基部間に架設可能な長さの桁部と、前記桁部の端部において前記桁部の略軸直交方向に延設される横連結部とを有していることを特徴とする。ここで、前記横連結部間の前記桁部に、前記略軸直交方向に延設される中間横連結部を備えた構成とすることもできる。
【0008】
また、本発明の橋梁は、上記主桁を備えた橋梁であって、前記基部間に並行に架け渡される複数の前記主桁と、前記横連結部同士を連結させる連結手段と、前記主桁上に架け渡されて前記主桁と接合される床版とを備えたことを特徴とする。ここで、中間横連結部がある場合は、前記中間横連結部同士を連結させる連結手段も備えている。
【0009】
また、前記横連結部は、支承を介して前記基部に支持される構成とすることができる。さらに、複数の前記横連結部を載置させる台座部と、前記台座部に略直交する壁部とを有するハーフ横桁を備え、前記ハーフ横桁と前記横連結部とが接合される構成であってもよい。また、前記ハーフ横桁は、前記壁部を挟んだ両側に前記台座部を有する構成とすることができる。
【0010】
また、前記横連結部間にプレストレスが導入される構成とすることができる。さらに、中間横連結部間にもプレストレスを導入することができる。
【0011】
また、前記床版の縁部に沿ってプレキャストコンクリート製の高欄が配設され、前記高欄と前記床版とは、前記高欄に形成された上下方向の貫通孔に挿通されるボルト又はPC鋼材によって接合される構成とすることもできる。
【0012】
さらに、本発明の橋梁の構築方法は、上記橋梁の構築方法であって、前記基部間に前記主桁を、前記横連結部間に隙間が開くように並行に架け渡す工程と、前記隙間に充填材を充填する工程と、前記主桁上に前記床版を架け渡して双方を接合する工程とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
このように構成された本発明の主桁は、桁部の端部に軸直交方向に延設される横連結部を有している。
【0014】
このため、基部上に主桁を並べ、横連結部同士を接合することで、容易に主桁間を軸直交方向に連結して一体化させることができる。また、一体化された横連結部によって軸直交方向の剛性が増大すると、主桁の軸方向の曲げモーメントが軸直交方向に再配分されて、軸方向の曲げモーメントを減少させることができる。
【0015】
さらに、横連結部間の桁部に中間横連結部を設けることによって、基部間に張り出される主桁の中間部においても、主桁間を軸直交方向に容易に連結することができる。
【0016】
また、横連結部が支承を介して基部に支持される場合は、横連結部同士を連結して一体化させることで、すべての桁部に対して支承を設置する必要がなくなり、支承の数が低減されて、工期及び工費を削減することができる。
【0017】
さらに、ハーフ横桁を使って横連結部同士を連結させる構造であれば、主桁に設ける横連結部の断面の低減が可能となり、主桁の軽量化を図ることができる。また、壁部の両側に台座部を有するハーフ横桁であれば、主桁を基部の両側に架け渡すことができるので、連続桁橋を構築する際にも適用することができる。
【0018】
また、横連結部間や中間横連結部間にプレストレスが導入される構造であれば、横連結部や中間横連結部の断面の低減が可能となり、主桁の軽量化を図ることができる。さらに、上下方向の貫通孔が形成されたプレキャストコンクリート製の高欄を使うことで、床版上で簡単に橋梁の高欄を設置することができる。
【0019】
また、上述したように横連結部を備えた主桁を使うことで、現場での作業が低減されて、短期間で橋梁を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態の橋梁の構成を説明する斜視図である。
【図2】横連結部同士の連結手段の構成を説明する断面図である。
【図3】床版と主桁とを接合させる穴開き鋼板の周辺の構造を説明する横断面図である。
【図4】床版と主桁とを接合させる穴開き鋼板の周辺の構造を説明する縦断面図である。
【図5】高欄の構成を説明する断面図である。
【図6】実施例1の横連結部同士の接合部の構成を説明する図であって、(a)は桁部側から横連結部を見た側面図、(b)は平面図である。
【図7】実施例2の橋梁の構成を説明する斜視図である。
【図8】横連結部とハーフ横桁との接合構造を説明する図であって、(a)は(b)のA−A矢視方向で見た断面図、(b)は平面図である。
【図9】実施例3の橋梁の構成を説明する斜視図である。
【図10】実施例4で説明する複数種類の主桁の構成を説明する図であって、(a)はI字形の桁部を有する主桁の断面図、(b)はU字形の桁部を有する主桁の断面図、(c)は逆π字形の桁部を有する主桁の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0022】
図1は、基部としての橋脚10(又は橋台、以下、橋台に適用できる場合でも「橋脚10」として説明する。)に複数の主桁2,・・・を並列に架け渡し、その上に床版11を架け渡すことで構築される橋梁1の構成を説明する斜視図である。ここで、主桁2の軸方向が橋軸方向となり、主桁2の軸直交方向が橋軸直交方向となる。
【0023】
また、図1には、主桁2の一端を載置させる橋脚10のみが図示されているが、主桁2の他端側にも橋脚(図示省略)が設けられており、この主桁2は橋脚10,10間に架け渡されている。さらに、この図1は、橋梁1の構成を模式的に示した図であり、工程の途中で実際に発生する状態を示したものではない。
【0024】
この主桁2は、図1,2に示すように、橋脚10,10間の対向する側面間距離よりも長い桁部21と、その桁部21の両側の端部において桁部21の略軸直交方向(橋軸直交方向)に延設される横連結部22とを有している。
【0025】
この桁部21は、図1,2に示すように頭部より底版が広い変形したI字形(逆T字形)にコンクリート等のセメント系混合材料によって成形されている。また、この桁部21は、両端に設けられる横連結部22,22がいずれも橋脚10,10上に配置される長さに形成される。
【0026】
さらに、この横連結部22は、図2に示すように桁部21の軸方向に対して略直交する橋軸直交方向に向けて、桁部21を中央にして略同じ長さだけ両側に延出されている。この横連結部22は、コンクリート等のセメント系混合材料によって桁部21と一体となる矩形板状に成形されている。
【0027】
そして、本実施の形態の主桁2は、コンクリート等のセメント系混合材料の中でも特に超高強度の繊維補強セメント系混合材料を使用して製作される。
【0028】
この繊維補強セメント系混合材料は、セメントと、骨材粒子と、ポゾラン系反応粒子と、分散剤とを含有する組成物を水と混合することにより得られるセメント系マトリックスに、繊維を混入して製造する。
【0029】
ここで、前記骨材粒子には、最大粒度径が3.0mm以下、好ましくは2.5mm以下の硅砂等の骨材粉体を使用する。また、ポゾラン系反応粒子には、粒子径が15μm以下のものを使用する。例えば、粒子径が0.01〜0.5μmの活性度の高いポゾラン系反応粒子としてシリカヒューム等を使用し、粒子径が0.1〜15μmの活性度の低いポゾラン系反応粒子としてフライアッシュや高炉スラグ等を使用する。これらの活性度の異なるポゾラン系反応粒子は、混合したり、単独で使用したりすることができる。また、前記分散剤には、流動性を高めるために高性能減水剤などを少なくとも1種類使用する。
【0030】
また、繊維には、例えば直径が0.1〜0.3mm程度で、長さが10〜30mm程度の形状の引張り降伏応力度が2600〜2800N/mm2の鋼繊維を使用する。さらに、この鋼繊維は、製造される繊維補強セメント系混合材料の全容積の1〜4%程度の量を混入させる。
【0031】
このような配合で製造される前記繊維補強セメント系混合材料によって形成された部材は、圧縮強度が150〜200N/mm2、曲げ引張強度が25〜45N/mm2、割裂引張強度が10〜25N/mm2、透水係数が4.0×10-17cm/sec、塩分拡散係数が0.0019cm2/年、弾性係数が50〜55GPaの特性を有する。
【0032】
そして、このような繊維補強セメント系混合材料を使用して、主桁2を工場などで製作する。ここで、前記繊維補強セメント系混合材料で主桁2を構築する場合は、通常、鉄筋を配置する必要がない。
【0033】
また、この主桁2には、プレストレスを導入することができる。例えば、図示していないがPC鋼線などのPC鋼材を軸方向に貫通させてプレストレスを導入する。
【0034】
ここで、プレストレスを導入する方法には、プレテンション方式とポストテンション方式があり、いずれの方法を適用することもできるが、プレテンション方式の方が経済的に主桁2を製作することができる。
【0035】
このプレテンション方式でプレストレスを導入させる場合は、PC鋼線を緊張して張力をかけた状態でその周囲に繊維補強セメント系混合材料を打設し、所定の強度が発現した後にPC鋼線の緊張を解除すると、PC鋼線の周囲に付着した繊維補強セメント系混合材料を介して主桁2にプレストレスが導入される。
【0036】
また、このように成形される主桁2の横連結部22の橋軸直交方向の端面には、図2に示すように複数の凹部42c,・・・が形成される。この凹部42cには、隣接する横連結部22,22間の接合部42が形成される際に充填材42aが流入し、せん断キーが形成される。なお、橋軸直交方向の端に配置される主桁2の横連結部22Aのように、横連結部22が隣接されない側の端面には凹部42cは設けられない。
【0037】
さらに、本実施の形態では、横連結部22A,22,22,・・・間にプレストレスを導入するための連結手段4としての緊張部41が形成される。この緊張部41は、ポストテンション方式でプレストレスを導入する際の構成である。
【0038】
この緊張部41は、横連結部22A,22内に橋軸直交方向に貫通する孔を確保するためのシース管41a,41bと、そのシース管41a,41bに挿通されるPC鋼線などの緊張材41cと、緊張材41cの頭部を定着させる支圧板41d及びヘッド部41eとを主に備えている。
【0039】
このシース管41a,41bは、中間に配置される横連結部22には円筒状のシース管41bが埋設され、端に配置される横連結部22Aには、端部がラッパ状に広がったシース管41aが埋設される。
【0040】
この端に配置される横連結部22Aには、緊張材41cを定着させるために拡幅された定着穴41gが設けられる。また、この定着穴41gには、支圧板41dと、緊張材41cを緊張した状態で固定させるヘッド部41eとが設置される。
【0041】
また、横連結部22,22(22A)間の隙間(接合部42参照)には、シース管41a,41bの中空の連続性を確保させるために、円筒状のパッキング部41fが設けられる。
【0042】
このパッキング部41fは、隙間の幅よりも長い円筒状に成形された独立気泡の発泡樹脂又は発泡ゴムなどを、横連結部22,22(22A)間で押し潰して密着させることで形成できる。なお、シース管41a,41bの端部を隙間に突出させておき、その端部間を外筒管で繋ぐことで形成することもできる。
【0043】
また、横連結部22,22(22A)間の隙間には、連結手段4としての接合部42が形成される。この接合部42を構築するに際しては、充填材42aを注入する上面を除いた隙間の周囲に型枠42bが設置される。なお、この型枠42bは、図2では、隙間の外側に配置されているが、独立気泡の発泡樹脂又は発泡ゴムなどで成形された型枠パッキングを隙間に介在させることによって、型枠42bを代用させることもできる。
【0044】
この接合部42に充填される充填材42aには、セメント系材料と硅砂などを配合した無収縮モルタル、レジンモルタル、無収縮モルタルにPVA繊維、ポリプロピレン繊維若しくは高強度ポリエチレン繊維などの有機繊維、炭素繊維又は鋼繊維を混入した材料、又は上記した繊維補強セメント系混合材料などが使用できる。また、養生時間を短縮するために、急結剤を混合した無収縮モルタルを充填材42aとして用いることもできる。
【0045】
一方、図1に示すように主桁2,・・・上に架け渡される床版11は、矩形板状に形成される床部12と、橋軸直交方向に間隔を置いて橋軸方向に延設される複数の突条部13,・・・と、突条部13と床部12とを上下方向に貫通する貫通孔14,・・・とを有している。
【0046】
この突条部13,・・・は、主桁2,・・・の上面2a,・・・に対峙させる部分で、主桁2,・・・と対向する位置に合わせて延設される。なお、ここでは突条部13,13間が略均一の板厚に成形される床部12を例にして説明するが、これに限定されるものではなく、橋軸直交方向に突条部が延設される形状や格子状に突条部が形成される形状の床部であってもよい。
【0047】
また、突条部13には、図3,4に示すように、主桁2の穴開き鋼板23の位置に合わせて箱状の貫通孔14,・・・が形成される。すなわち、主桁2の上面2aには、床版11との接合強度を高めるための穴開き鋼板23が上方に向けて突出されており、貫通孔14には、床版11を主桁2上に載置した際に穴開き鋼板23の突出部を収容させる。
【0048】
ここで、この穴開き鋼板23には穴23aが穿孔されており、貫通孔14に充填材14aを充填すると、主桁2と床版11とが接合されることになる。この貫通孔14に収容された穴開き鋼板23の周囲に充填される充填材14aにも、上述した充填材42aと同様の材料が使用できる。
【0049】
また、床版11は、鉄筋コンクリート又はプレストレストコンクリートによって製作することもできるが、上記した繊維補強セメント系混合材料を使って製作すれば、断面の小さな軽量の床版11を製作することができる。
【0050】
また、床版11の側縁に沿って設置される高欄3は、図1,5に示すように断面視略L字形に、鉄筋コンクリート、プレストレストコンクリート又は繊維補強セメント系混合材料を使って成形される。
【0051】
この高欄3は、板状の支持台32と、支持台32に略直交する側壁31と、支持台32の上面と側壁31の側面とを接続する側面視略直角三角形状の控え壁33とから主に構成される。また、高欄3には、側壁31に壁側緊結部34が設けられるとともに、支持台32の側壁31とは反対側の側縁に台側緊結部35が設けられる。
【0052】
この支持台32には、図5に示すように、側壁31とは反対側の側縁に上下方向に向けてシース管30Bが埋設されることで貫通孔が形成される。また、側壁31には、上下方向に向けてシース管30Aが埋設されることで貫通孔が形成される。また、控え壁33は、図1に示すように橋軸方向に間隔を置いて複数、設けられる。
【0053】
そして、高欄3を設置する位置の床版11の床部12には、図5に示すように、シース管30A,30Bの位置に合わせてインサート34b,35bが埋設される。
【0054】
また、このインサート34b,35bには、シース管30A,30Bの上方から挿入されたボルト34a,35aの先端がねじ込まれる。また、このボルト34a,35aのヘッド部34d,35dには、支圧板34c,35cが装着される。
【0055】
すなわち、壁側緊結部34は、シース管30Aと、インサート34bと、ヘッド部34dを有するボルト34aと、支圧板34cとによって主に構成される。また、台側緊結部35は、シース管30Bと、インサート35bと、ヘッド部35dを有するボルト35aと、支圧板35cとによって主に構成される。なお、ボルト34a,35aに代えてPC鋼棒やPC鋼線などのPC鋼材を使って壁側緊結部34及び台側緊結部35を構成することもできる。
【0056】
さらに、支持台32の下面側の周縁に沿って独立気泡の発泡樹脂又は発泡ゴムなどで成形された型枠パッキング36aが貼り付けられ、支持台32と床部12との隙間には、上述した充填材42a,14aと同様の充填材36が充填される。
【0057】
次に、本実施の形態の橋梁1の構築方法について説明する。
【0058】
まず、工場において、主桁2、床版11及び高欄3を製作する。この主桁2、床版11及び高欄3は、上記した繊維補強セメント系混合材料によって成形される。また、所定の主桁2の横連結部22A(22)の下面には、上支承15aを取り付けておく。
【0059】
一方、橋梁1を構築する現場においては、図1に示すように、橋軸方向に間隔を置いて橋脚10が構築される。また、橋脚10の上面10aの所定の位置には、下支承15bを取り付けておく。
【0060】
そして、工場から搬送された主桁2をクレーンで吊り上げ、横連結部22A(22)が橋脚10上に載置されるように位置合わせをして橋脚10,10間に架け渡す。
【0061】
この主桁2の架設は、橋軸直交方向に間隔を置いて順次、おこなわれる。また、上支承15aが取り付けられた主桁2は、橋脚10に取り付けられた下支承15bの上に上支承15aが載置されて支承15が組み立てられるように架設する。これらの平行に並べられた複数の主桁2,・・・の横連結部22,22(22A)間には、図1に示すように隙間が形成される。
【0062】
続いて、橋脚10の上面10aで、図2に示すように横連結部22,22(22A)間に型枠42b,・・・を設置し、隙間に充填材42aを充填する。この充填材42aは、凹部42c,・・・にも流れ込む。また、パッキング部41fの内側には充填材42aが流れ込まないため、シース管41a,41b,41b間は連通された状態が確保される(図2の上段参照)。
【0063】
そして、充填材42aが所定の強度を発現した後に、シース管41a,41b,・・・に緊張材41cを挿入する(図2の下段参照)。この緊張材41cは、図示は省略されているが右端が固定されており、左端を油圧ジャッキで緊張した状態でヘッド部41eによって固定すると、支圧板41dを介して横連結部22,22(22A)間にプレストレスが導入される。なお、ここでは説明のために上段のシース管41a,41b,・・・には緊張材41cが挿入されていないが、下段と同様に緊張材41cを挿入して緊張をおこなう。
【0064】
このようにして横連結部22,22(22A)同士を接合部42と緊張部41とで連結させた後に、図1に示すように、工場から搬送された床版11をクレーンで吊り上げて主桁2,・・・間に架け渡す。この際、床版11の突条部13,・・・を主桁2,・・・の上面2a,・・・に載置する。
【0065】
また、床版11の貫通孔14,・・・には、主桁2の上面2aから突出された穴開き鋼板23,・・・が収容される。そして、この床版11の貫通孔14には、図3,4に示すように充填材14aを充填する。ここで、主桁2の上面2aには、床版11を載置する前に発泡ゴムなどの型枠パッキング14bが貼り付けられており、床版11の自重によって押し潰されて密着されるため、充填材14aの漏出を防止することができる。
【0066】
このようにして貫通孔14に充填された充填材14aは、穴開き鋼板23の穴23aにも流れ込む。ここで、穴開き鋼板23には、図3,4に示すように、主桁2に埋設された部分にも穴23bが形成されており、穴開き鋼板23と主桁2は一体化されている。このため、貫通孔14の充填材14aが硬化することによって、床版11の床部12と主桁2とが一体化されることになる。
【0067】
続いて、床部12の側縁には、図1,5に示すように高欄3を設置する。この高欄3は、クレーンで吊り上げて型枠パッキング36a,34e,35eを介して床部12上に設置する。
【0068】
そして、型枠パッキング36a,36aで囲まれた床部12と支持台32との間には充填材36を充填する。この充填材36は、円筒状の型枠パッキング34e,35eの内側には流れ込まないため、シース管30A,30Bとインサート34b,35bとは連通された状態になる。
【0069】
そこで、この充填材36が所定の強度に達した後に、シース管30A,30Bにボルト34a,35aを挿入し、先端をインサート34b,35bにねじ込む。そして、ヘッド部34d,35dをさらにエアーラチェット(図示省略)などで締め付けると、高欄3と床部12との間に圧縮力が導入されて、高欄3が床部12に強固に固定されることになる。なお、シース管30A,30Bとボルト34a,35aとの隙間には、必要に応じて防食用のグラウトを注入する。
【0070】
次に、本実施の形態の主桁2、橋梁1及び橋梁1の構築方法の作用について説明する。
【0071】
このように構成された本実施の形態の主桁2は、桁部21の両側の端部に軸直交方向に延設される横連結部22,22を有している。
【0072】
このため、橋脚10上に複数の主桁2,・・・を並べ、横連結部22,22(22A)同士を接合することで、容易に主桁2,・・・間を橋軸直交方向に連結して一体化させることができる。
【0073】
このように一体化された横連結部22A,22,・・・によって軸直交方向の剛性が増大すると、橋梁1を走行する車両の輪荷重によって発生する橋軸方向の曲げモーメントが橋軸直交方向に再配分され、橋軸方向の曲げモーメントを減少させることができる。
【0074】
特に、上記した繊維補強セメント系混合材料によって製作される主桁2は、従来のプレストレストコンクリート主桁や鉄筋コンクリート主桁の自重に比べて半分以下の自重にすることができる。
【0075】
また、横連結部22,22(22A)同士の接合作業や床版11との接合作業や高欄3の設置作業などは、すべて主桁2や床版11などの上から容易におこなうことができる。特に、上下方向の貫通するシース管30A,30Bが埋設されたプレキャストコンクリート製の高欄3を使うことで、床版11上の作業で簡単に橋梁1の高欄3を設けることができる。
【0076】
さらに、予め型枠42bや型枠パッキング14b,36aを所定の位置に貼り付けておくことで、充填材42a,14a,36の充填作業を作業性の良い床版11などの上から容易におこなうことができる。
【0077】
このように床版11などの上から作業がおこなえるのであれば、床版11の下方に足場や支保工を設ける必要がないうえに、安全性の高い場所で作業ができるので、施工性に優れ、短期間で橋梁1を構築することができる。
【0078】
また、横連結部22,22(22A)間にプレストレスが導入される構造であれば、横連結部22,22Aの断面の低減が可能となり、主桁2の軽量化を図ることができる。
【0079】
さらに、接合部42となる横連結部22,22Aの端面に凹部42cを設けておくことで、その凹部42cに充填される充填材42aによってせん断キーを形成することができ、接合構造におけるせん断ずれ変形を機械的な力の伝達によって抑制することができる。
【0080】
そして、横連結部22,・・・を連結して一体化させることで、すべての主桁2,・・・に対して支承15を設置する必要がなくなり、主桁2毎に支承15を設ける場合に比べて支承15の数が低減されて、工期及び工費を削減することができる。
【0081】
また、主桁2の上面2aから穴開き鋼板23が突出されている場合は、その穴開き鋼板23を床部12の貫通孔14に挿入し、周囲に充填材14aを充填することによって、床版11と主桁2,・・・とを強固に一体化させることができる。
【実施例1】
【0082】
以下、前記した実施の形態とは別の形態の実施例1について、図6を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
【0083】
この実施例1の主桁2の横連結部22,22間には、前記実施の形態とは異なり、プレストレスが導入されない。すなわち、実施例1では、横連結部22,22間が接合部43を介して接合されることによって一体化される。
【0084】
この接合部43には、前記実施の形態の接合部42と同様に、凹部43cが形成される。また、この凹部43cには、図6(a),(b)に示すように、穴開き鋼板43bが配設されている。
【0085】
この穴開き鋼板43bは、前記実施の形態で説明した穴開き鋼板23と同様に、横連結部22内に埋設される半分と、凹部43cに突出させる半分の両方に穴が設けられている。
【0086】
そして、隣接する横連結部22,22の双方から突出された穴開き鋼板43b,43bは、横連結部22の厚み方向(橋軸方向)に重ね合わされる。この実施例1の横連結部22,22間には、上下方向に2箇所、横連結部22の厚み方向に2箇所の凹部43c,・・・と、穴開き鋼板43b,・・・が重ね合わされる箇所とを有している。
【0087】
さらに、この穴開き鋼板43b,・・・の周囲、凹部43c,・・・内、横連結部22,22間の隙間には、充填材43aが充填される。この充填材43aには、前記実施の形態で説明した充填材42aと同様の材料が使用できる。
【0088】
このような構成の接合部43を介して接合される横連結部22は、例えば鉄筋コンクリートによって成形することができる。そして、横連結部22が鉄筋コンクリート製であれば、接合部43が穴開き鋼板43bと凹部43cと充填材43aとで構成されていても、所望される接合強度を充分に確保することができる。また、このような簡素な構造であれば、容易に接合部43を構築することができるので、施工性に優れている。
【0089】
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
【実施例2】
【0090】
以下、前記した実施の形態及び実施例1とは別の形態の実施例2について、図7,8を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態又は実施例1で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
【0091】
この実施例2の橋梁1Aでは、横連結部22,・・・同士は、前記実施の形態又は実施例1とは異なり、ハーフ横桁5を介して一体化される。このハーフ横桁5は、複数の横連結部22,・・・を載置させる台座部52と、この台座部52に略直交する壁部51とを有している。
【0092】
また、このハーフ横桁5は、図8(a)に示すように、断面視略L字形に、鉄筋コンクリート、プレストレストコンクリート又は繊維補強セメント系混合材料を使って成形される。
【0093】
この台座部52の上面には、図8(a),(b)に示すように、橋軸直交方向に間隔を置いて凹部53e,・・・が形成される。また、横連結部22を載置させる側の壁部51の壁面には、橋軸直交方向に間隔を置いて凹部53cが形成される。さらに、凹部53cが形成される壁面の上部には、橋軸直交方向に間隔を置いて拡幅部53gが形成される。
【0094】
また、壁部51に対向させる横連結部22の側面には、凹部53cと対峙する位置に同様の凹部53cが設けられ、拡幅部53gに対峙する位置に同様の拡幅部53gが設けられる。
【0095】
そして、拡幅部53g,53gによって形成される多角柱状の空間には、壁部51に半分が埋設される穴開き鋼板53bの残りの半分が突出されるとともに、横連結部22に半分が埋設される穴開き鋼板53bの残りの半分も突出される。
【0096】
この拡幅部53g,53gに突出された穴開き鋼板53b,53bは、橋軸直交方向に重ね合わされる。そして、この拡幅部53g,53gの穴開き鋼板53b,53bと充填材53aとによる接合構造によって、橋軸方向に延設される主桁2に曲げモーメントが作用した際に生じる横連結部22を壁部51から剥離させる方向の引張力に、確実に抵抗させることができる。
【0097】
また、台座部52の凹部53eには、横連結部22の下面から下方に向けて突出された穴開き鋼板53dの一部が収容される。この凹部53eとそこに充填される充填材53aと穴開き鋼板53dとの接合構造によって、橋軸直交方向に延設されるハーフ横桁5と横連結部22,・・・との合成横桁に曲げモーメントが作用した際に生じる水平方向のせん断力に、確実に抵抗させることができる。
【0098】
さらに、横連結部22の下面と台座部52の上面との間には、独立気泡の発泡樹脂又は発泡ゴムなどによって成形された型枠パッキング53fが介在される。そして、ハーフ横桁5と横連結部22,・・・との隙間には、上述した充填材42aと同様の充填材53aが充填されて接合部53が構築される。なお、横連結部22,22間には、図8(b)に示すように、前記実施例1で説明した接合部43が形成される。
【0099】
このようにハーフ横桁5を使って横連結部22,・・・同士を連結させる合成構造であれば、合成構造となった後に横桁として所望される耐力が確保されていればよいので、主桁2と一体に設ける横連結部22の断面の低減が可能となり、主桁2の軽量化を図ることができる。
【0100】
また、橋脚10の上面10aに支承15を介してハーフ横桁5を設置し、平面性が確保されたハーフ横桁5の台座部52上に横連結部22,・・・を並べるのであれば、作業性に優れ、迅速に合成構造の横桁を構築することができる。
【0101】
さらに、ハーフ横桁5を介して横連結部22,・・・同士を一体化させた構造であれば、横連結部22,・・・間にプレストレスを導入しなくても強固に一体化させることができる。すなわち、連続体として成形された台座部52が横連結部22,・・・の下方に配置されるので、橋軸直交方向の曲げモーメントが作用して下側に引張応力が発生するような状態になっても、台座部52によって確実に抵抗させることができる。
【0102】
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
【実施例3】
【0103】
以下、前記した実施の形態及び実施例1,2とは別の形態の実施例3について、図9を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態又は実施例1,2で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
【0104】
この実施例3の橋梁1Bは、橋脚10の両側に主桁2,・・・が張り出される連続梁橋である。この橋脚10の上面10aには、実施例2のハーフ横桁5とは形状が異なる断面視略逆T字形のハーフ横桁6が設置される。
【0105】
このハーフ横桁6は、複数の横連結部22,・・・を載置させる台座部62,62と、台座部62,62に略直交して立設される壁部61とを有している。すなわち、これらの台座部62,62は、壁部61を挟んだ両側に形成される。
【0106】
そして、台座部62,62に載置される横連結部22,・・・とハーフ横桁6との接合は、前記した実施例2の横連結部22,・・・とハーフ横桁5との接合と同様におこなうことができるので、詳細な説明は省略する。
【0107】
このように両側に台座部62,62を有するハーフ横桁6を使用するのであれば、主桁2,・・・を橋脚10の両側に架け渡すことができるので、連続桁橋を構築する際にも適用することができる。
【0108】
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
【実施例4】
【0109】
以下、前記した実施の形態及び実施例1−3とは別の形態の実施例4について、図10を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態又は実施例1−3で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
【0110】
この実施例4では、実施の形態又は実施例1−3で説明した主桁2とは異なる形状の3種類の主桁7A,7B,7Cについて説明する。
【0111】
まず、図10(a)に示した主桁7Aは、矩形板状の横連結部72Aと、その横連結部72Aの略中央に接続させる断面視略I字形の桁部71Aとを有している。すなわち、前記実施の形態で説明した主桁2は、頭部より底版が広い逆T字形の桁部21であったが、この桁部71Aは、頭部と底版との幅が略等しくなっている点が異なっている。
【0112】
また、図10(b)に示した主桁7Bは、横長の長方形板状の横連結部72Bと、その横連結部72Bに接続される断面視略U字形の桁部71Bとを有している。
【0113】
すなわち、この主桁7Bには、上記主桁7Aの桁部71Aの2本分の桁部71Bが一つの横連結部72Bに設けられている。このため、一つの主桁7Bを設置するだけで、2本の主桁7A,7Aを設置するのと同等の数の主桁を配置することができ、効率的である。
【0114】
さらに、図10(c)に示した主桁7Cは、横長の長方形板状の横連結部72Cと、その横連結部72Cに接続される断面視略逆π字形の桁部71Cとを有している。この主桁7Cも上記主桁7Bと同様に、前記主桁7Aの桁部71Aの2本分の桁部71Cが一つの横連結部72Cに設けられている。このため、一つの主桁7Cを設置するだけで、2本の主桁7A,7Aを設置するのと同等の数の主桁を配置することができ、効率的である。
【0115】
なお、この他にも平行な2本の桁部の両端をそれぞれ一枚の横連結部で連結した形状(例えば前記実施の形態の主桁2,2の横連結部22,22同士を予め一体化させた形状、又は桁部21,21間を矩形板状の横連結部で連結した平面視略ロ字形状)など、搬送時及び吊り上げ作業時の制約がなければ、様々な形状の主桁を使用することができる。
【0116】
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
【0117】
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態及び実施例を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態及び実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0118】
例えば、前記実施の形態及び実施例では、橋梁1,1A,1Bの主桁2,7A−7Cについて説明したが、これに限定されるものではなく、桟橋や人工地盤の主桁にも本発明を適用することができる。
【0119】
また、前記実施の形態及び実施例では、主桁2と床版11とを別々に設置して現場で接合する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、工場などで予め主桁2と床版11とを接合して搬送・設置する工程であってもよい。
【0120】
さらに、前記実施の形態及び実施例では、主桁2,7A−7Cの桁部21,71A−71Cの両端に横連結部22,22A,72A−72Cを設ける場合について説明したが、これに加えて、桁部21,71A−71Cの中間部に横連結部22,22A,72A−72Cと同様の構成の中間横連結部を設けることができる。また、中間横連結部同士は、上述した連結手段4(緊張部41、接合部42)又は接合部43によって連結させることができる。
【0121】
このように中間横連結部を設けることによって、主桁2,7A−7Cを橋脚10上だけでなく、橋脚10,10間に張り出された位置においても橋軸直交方向に連結して一体化させることができる。このため、橋脚10,10間のスパンが長くなって主桁2,7A−7Cが長大化しても、所望する剛性を容易に確保することができる。
【0122】
また、前記実施の形態及び実施例では、穴開き鋼板23,43b,53b,53dを使った各所の接合構造について説明したが、これに限定されるものではなく、ループ鉄筋、フック鉄筋などの継手筋を用いることもできる。
【0123】
また、前記実施の形態では、床部12と高欄3との間に型枠パッキング36aを介在させて充填材36を充填したが、これに限定されるものではなく、床部12と高欄3との間に不織布又は織布の袋を介在させ、その袋に充填材36を注入する方法であってもよい。
【0124】
さらに、前記実施の形態及び実施例では、横連結部22,22(22A)間に隙間を形成して充填材42a,43aを充填する方法について説明したが、これに限定されるものではなく、横連結部22(22A)の接合面にエポキシ系の接着剤などを塗布して接合面同士を接合することによって横連結部22,22(22A)間の接合構造を構築することができる。
【0125】
また、前記実施の形態及び実施例では主桁2の上面2aに当接させる床版11の箇所に突条部13を設けたが、これに限定されるものではなく、主桁2の上面2aに当接させる箇所は平坦や凹状に形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0126】
1,1A,1B 橋梁
10 橋脚(基部)
11 床版
2 主桁
21 桁部
22,22A 横連結部
3 高欄
30A,30B シース管(貫通孔)
34a,35a ボルト
4 連結手段
41 緊張部(連結手段)
42,43 接合部(連結手段)
5 ハーフ横桁
51 壁部
52 台座部
53 接合部(連結手段)
6 ハーフ横桁
61 壁部
62 台座部
7A,7B,7C 主桁
71A−71C 桁部
72A−72C 横連結部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
間隔を置いて配置される基部間に架け渡される主桁であって、
前記基部間に架設可能な長さの桁部と、前記桁部の端部において前記桁部の略軸直交方向に延設される横連結部とを有していることを特徴とする主桁。
【請求項2】
前記横連結部間の前記桁部に、前記略軸直交方向に延設される中間横連結部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の主桁。
【請求項3】
請求項1に記載の主桁を備えた橋梁であって、
前記基部間に並行に架け渡される複数の前記主桁と、前記横連結部同士を連結させる連結手段と、前記主桁上に架け渡されて前記主桁と接合される床版とを備えたことを特徴とする橋梁。
【請求項4】
請求項2に記載の主桁を備えた橋梁であって、
前記基部間に並行に架け渡される複数の前記主桁と、前記横連結部同士を連結させる連結手段と、前記中間横連結部同士を連結させる連結手段と、前記主桁上に架け渡されて前記主桁と接合される床版とを備えたことを特徴とする橋梁。
【請求項5】
前記横連結部は、支承を介して前記基部に支持されることを特徴とする請求項3又は4に記載の橋梁。
【請求項6】
複数の前記横連結部を載置させる台座部と、前記台座部に略直交する壁部とを有するハーフ横桁を備え、前記ハーフ横桁と前記横連結部とが接合されることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載の橋梁。
【請求項7】
前記ハーフ横桁は、前記壁部を挟んだ両側に前記台座部を有することを特徴とする請求項6に記載の橋梁。
【請求項8】
前記横連結部間にプレストレスが導入されることを特徴とする請求項3乃至7のいずれか一項に記載の橋梁。
【請求項9】
前記中間横連結部間にプレストレスが導入されることを特徴とする請求項4に記載の橋梁。
【請求項10】
前記床版の縁部に沿ってプレキャストコンクリート製の高欄が配設され、前記高欄と前記床版とは、前記高欄に形成された上下方向の貫通孔に挿通されるボルト又はPC鋼材によって接合されることを特徴とする請求項3乃至9のいずれか一項に記載の橋梁。
【請求項11】
請求項3乃至10のいずれか一項に記載の橋梁の構築方法であって、
前記基部間に請求項1又は2に記載の主桁を、前記横連結部間に隙間が開くように並行に架け渡す工程と、
前記隙間に充填材を充填する工程と、
前記主桁上に前記床版を架け渡して双方を接合する工程とを備えたことを特徴とする橋梁の構築方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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