説明

乗り物の補機のための駆動アレンジメント

本発明は、エンジンの補助装置(14)のための駆動アレンジメントに関し、前記駆動アレンジメントが、中心ギア(18)、リング・ギア(20)、および遊星キャリア(22)からなる周転円ギア(16)を包含し、さらにそれにおいて、第1の構成要素が、前記エンジンに接続されることになり、第2の構成要素が、第1の電気機械(32)に接続されることになり、第3の構成要素が、前記補助装置(14)に接続されることになり、前記第1の構成要素が、エンジン・ブロック上において、回転に関して案内されており、かつそれがほかの2つの構成要素を支持する剛体のアッセンブリ(22R,222R,318,418,518)を包含すること、前記第1の電気機械(32)のステータがホルダ(46)上に固定されており、前記ホルダが、前記第1の構成要素の剛体のアッセンブリ上において直接もしくは間接的に、回転に関して案内されていること、および前記第1の構成要素が、前記エンジン・ブロック上において、前記ホルダとは回転に関して独立に案内されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジン・ブロックおよび回転出力部材を有する内燃エンジンの少なくとも1つの補助装置のための駆動アレンジメントに関し、それにおいて駆動アレンジメントは、中心ギア、リング・ギア、および遊星キャリアからなる3つの主要構成要素を有する周転円ギアを包含し、さらにそれにおいて、
−第1の構成要素が、エンジンの回転出力部材に接続されることになり、
−第2の構成要素が、ステータも有している第1の電気機械のロータに接続されることになり、
−第3の構成要素が、前記少なくとも1つの補助装置に接続されることになる。
【背景技術】
【0002】
その種の駆動アレンジメントは、特に、乗り物にマウントされるエンジン設備のために使用することが可能であり、それにおいてはエンジンが乗り物の牽引エンジンになるが、定置エンジン設備のためにも使用することが可能である。特許文献1は、上記のタイプの駆動アレンジメントを開示している。その種のアレンジメントは、牽引エンジンの速度とは無関係に補助装置の速度を適合させることを可能にするために非常に有用である。実際のところ以前の駆動アレンジメントにおいては、殆どの場合に補機が、定速度比トランスミッションを通じてエンジンによって直接駆動されるものであった。したがって、補助装置の速度はエンジンの速度を追随することになる。残念ながら、多くの場合においては、補助装置の最適速度プロファイルとエンジンの最適速度プロファイルの間に直接的な結び付きがない。基本的に乗り物においては、エンジン速度が乗り物の速度とリンクされる。したがって、乗り物が高速で走っているときには、エンジンもまた比較的高速で動作している。これに対して、その時点において補機を高速で駆動する必要がないことがある。たとえば、乗り物の速度が高いとき、殆どの場合においては単純に乗り物の速度に起因する空気流がエンジンに必要な冷却を達成するために充分となることから、エンジンの冷却ファンを動作させる必要がない。同様に、搭載された補機に対して電気を引渡すオルタネータは、ヘッドライト、曇り除去ヒータ、ウインドシールド・ワイパといった主要な電気消費デバイスが同時に動作していない場合には、必ずしもそれの全パワーを引渡す必要がない。当然のことながら、エンジン速度は、ギアボックスのギアのいずれが係合されているかということにも関係するが、多くの場合にそれは、補助装置側の必要性との直接的な結び付きをまったく有していない。したがって、多くの場合においては、エンジンによる補助装置の直接駆動を伴う以前のシステムは、補助装置が正しい速度で駆動されないことから、パワー損失を生じる傾向を有している。その逆に、エンジンの速度が低い低速での運転の間に充分な性能を引渡すべく、しばしば補助装置を過剰設計する必要がある。したがって、特許文献1にあるとおりの駆動システムは、エンジンの瞬時的な動作速度に関わらず、より適切な速度において補助装置を動作させることを可能にするという大きな利点を有する。しかしながら特許文献1にあるとおりの駆動システムは、それの部品の数という点において極めて複雑である。また、このシステムのいくつかの部品は、それらがギア装置を介して協働することから整列される必要があるが、適正な整列が保証されるように異なる静止部品上にマウントされ、システムが適正に動作するために非常に厳格な寸法的要件が必要となる。
【0003】
特許文献2は、類似のタイプの駆動アレンジメントを開示している。この駆動アレンジメントは、ポンプの駆動専用である。駆動アレンジメントの設計は、その種のポンプがそれのケーシングを通じてエンジンに堅固に固定されているという事実に対して適合されている。したがって、この駆動アレンジメントは、ポンプのケーシング周りに構築される。これについても同様に、システムの多くの部品が適正に整列するためには、非常に厳格な寸法的要件が必須になると見られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008/0020887号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第10214637号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の先行技術を鑑みれば、上で述べたタイプの駆動システムであって、より単純な態様で具体化することが可能な構造を伴った駆動システムの必要性が残されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的の観点から、上で述べたタイプの駆動システムであって、エンジンの回転出力部材に接続されることになる前記第1の構成要素が、エンジン・ブロック上において、厳密なピボット接続によって回転に関して案内されており、かつそれがほかの2つの構成要素を支持する剛体のアッセンブリを包含すること、第1の電気機械のステータがホルダ上に固定されており、前記ホルダが、前記第1の構成要素の剛体のアッセンブリ上において直接もしくは間接的に、厳密なピボット接続によって回転に関して案内されていること、および第1の構成要素が、エンジン・ブロック上において、ホルダとは回転に関して独立に案内されていることを特徴とする駆動システムが提案されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】冷却ファン等の補助装置を駆動するための駆動アレンジメントの取り付けを図解した略図である。
【図2】本発明による駆動アレンジメントの実施態様の、アレンジメントの主軸より上方の上半分だけを非常に概略的に示した断面図である。
【図3】本発明による駆動アレンジメントの実施態様の、アレンジメントの主軸より上方の上半分だけを非常に概略的に示した断面図である。
【図4】本発明による駆動アレンジメントの実施態様の、アレンジメントの主軸より上方の上半分だけを非常に概略的に示した断面図である。
【図5】本発明による駆動アレンジメントの実施態様の、アレンジメントの主軸より上方の上半分だけを非常に概略的に示した断面図である。
【図6】本発明による駆動アレンジメントの実施態様の、アレンジメントの主軸より上方の上半分だけを非常に概略的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1には、たとえば乗り物に搭載される形でマウントすることが可能な設備10が示されている。この設備は、主エンジンまたは牽引エンジン12を包含し、殆どの場合においてはそれがディーゼル・エンジン等の内燃エンジンになる。牽引エンジンは、乗り物のための機械的動力の主要ソースであり、それによって乗り物を駆動する動力が、図示されていない適切なトランスミッションを通じて提供される。トランスミッションは、機械的なもの、液圧的なもの、電気的なもの、あるいはこれらの組み合わせ等々とすることが可能である。この設備は、少なくとも1つの補助装置を包含し、ここに開示されている例においてはそれが、機械的に駆動される必要があるエンジン12のための冷却ファン14であり、取り付けられた状態では、少なくとも部分的にエンジン12によって機械的に駆動されることになる。当然のことながら、空気圧縮器、液圧ポンプといったそのほかの補助装置をこの種の駆動アレンジメントによって駆動することも可能である。本発明によれば、補助装置14が、中心ギア18、リング・ギア20、および遊星キャリア22からなる3つの主要構成要素を有する周転円ギア16を通じてエンジン12によって駆動され、これらの構成要素は、軸A1に関して同軸であり、それぞれ3つの入力/出力結合のうちの1つと関連付けされている。中心ギア、リング・ギア、およびキャリアは、それらの共通軸周りに互いに回転可能であり、キャリアは、中心ギア18およびリング・ギア20の両方と噛合っている回転可能な遊星ギア24を担持している。この種のギアにおいては、入力/出力のうちの1つの速度がほかの2つの入力/出力の速度の線形の組み合わせとなるような形で3つの入力/出力の速度が互いにリンクされる。図1に表わされているとおり、周転円ギア16の第1の構成要素は、第1の結合26を通じて牽引エンジン12に、より厳密にはエンジンの回転出力部材に接続されることになり、第2の構成要素は、第2の結合28を通じて第1の電気機械32に接続されることになり、第3の構成要素は、第3の結合30を通じて補助装置14に接続されることになる。
【0009】
それぞれの場合において、これらの結合を、それぞれエンジン、電気機械、および補助装置から、およびそれらへの周転円ギアの回転運動の伝達を行なうことができる任意タイプの伝達デバイスとすることが可能である。その種の結合は、たとえば、シャフト、および/またはギア・トランスミッション、および/またはプーリー・トランスミッション等を含むことができる。これらの結合は、構成要素とエンジン、電気機械、および補助装置それぞれの間における固定速度比、または段階的に変更可能速度比、もしくは連続的に変更可能な速度比を確保することが可能である。
【0010】
第1の電気機械32は、好ましくは反転可能な電気モータ/発電機等であり、たとえば電子パワー・コントロール・ユニット36を通じて、駆動アレンジメント専用とすること、あるいは乗り物のほかの要素と好ましく共有されるものとすることができる電気回路網34に接続される。電気回路網34は、バッテリ等の電気エネルギ蓄積システムを含むことができる。第1の電気機械は、ロータ32Rおよびステータ32Sを包含する。
【0011】
この種の駆動アレンジメントの主要な目的は、エンジン12と補助装置14の間においてそれが、ある種の連続可変比率の伝達を形成し、それの比が第1の電気機械32の速度をコントロールすることによってコントロール可能であるという点において周知である。
【0012】
より詳細については後述するが、この駆動アレンジメントは、さらに、第1の電気機械32に接続されている第2の構成要素を、周転円ギア16の軸周りの周転円ギアの前記第2の構成要素の回転が妨げられるようにロックするための機械的ロック38を包含できる。第2の構成要素がロックされているとき、この駆動アレンジメントは、エンジン12と補助装置14の間における固定比率の伝達を形成し、それにおいては、当該比率が周転円ギア16のそれぞれの構成要素のジオメトリによって単純に決定される。その種の比率が、エンジンおよび補助装置両方の最適動作速度にとって満足のいくものであるとき、機械的ロックをロックすることが、駆動アレンジメント内のあらゆる電気的損失を回避する。
【0013】
また、ロータが補助装置14および第3の構成要素の両方に接続された第2の電気機械40を提供することもできる。第2の電気機械は、この場合に好ましくは、電子パワー・コントロール・ユニットを通じて電気回路網34と電気的に接続される。第2の電気機械は、好ましくは可逆とし、いくつかの用途を有することができるが、もっとも重要なことは、第1の電気機械がモータとして使用されているときに発電機として使用可能なこと、およびその逆の使用が可能なことであり、それによって駆動アレンジメントが一方または他の方向において電気回路網と電気的エネルギの交換する必要性を最小化する。
【0014】
次に、図2との関連において本発明の第1の実施態様を説明する。この例においては、エンジン12に接続される第1の構成要素がキャリア22であり、第1の電気機械32に接続される第2の構成要素がリング・ギア20であり、補助装置14に接続される第3の構成要素が中心ギア18である。
【0015】
第1の構成要素は、剛体のアッセンブリを包含し、以下において明らかになるとおり、周転円ギア16の残り2つの構成要素を支持する。剛体のアッセンブリは、放射状部分22Rを有し、それが軸A1から外に放射状に延びている。放射状部分22Rは、軸A1と平行な少なくとも1つの遊星ピンを保持しており、それの上において遊星ギア24が、ピンの軸Ap1周りに回転可能にマウントされる。好ましくは、周転円ギア16がいくつかの、たとえば3つの遊星ギア24を有し、したがって放射状部分22Rは、軸A1周囲にいくつかの角度的に分配されたピンを軸A1と平行に保持し、各ピンが1つの遊星ギアを支持することができる。剛体のアッセンブリは、さらに軸部分22Aを包含し、それが軸A1に沿って近位端と遠位端の間に延びている。剛体のアッセンブリの軸部分22Aは、厳密なピボット接続で駆動アッセンブリ内のほかのすべての構成要素を直接または間接的に支持するためのピボット接続部分を上に形成することが可能なシャフトの形式である。この明細書において、近位は、軸に沿ってエンジン・ブロックに近づく方向、すなわち図面上において右に向かっていることを意味し、遠位は、エンジン・ブロックから離れていく方向、すなわち図面上において左に向かっていることを意味する。剛体のアッセンブリの放射状部分および軸部分は、1つの部品として形成してもよく、あるいは図2に示されているとおりに互いの間に実質的な移動の自由度をまったく伴わずに堅固に接続されるいくつかの部品として形成し、それによって剛体のエンティティを形成してもよい。この第1の実施態様においては、ピンおよびそれらが支える遊星ギアが遊星キャリア構成要素の放射状部分22Aの遠位側に配置される。
【0016】
この第1の構成要素は、エンジンの回転出力部材に接続されることになるが、エンジン・ブロック上において厳密なピボット接続によって回転に関して案内されている。この厳密なピボット接続は、接続が移動の自由度を1つだけ、すなわち周転円ギア16の軸A1周りの回転だけを認めることを意味する。好ましい実施態様においては、第1の構成要素が、エンジンのクランク・シャフト上に直接もしくは間接的に堅固にマウントされ、クランク・シャフトは、実際、回転に関してエンジン・ブロック上において厳密なピボット接続によって案内されている。
【0017】
図2の実施態様においては、剛体のアッセンブリの軸部分22Aの近位端が、放射状のフランジ部分22Fを呈し、それを通じて剛体のアッセンブリが、たとえば一連のねじによって、プーリー42の前面に固定されている。プーリー42は、エンジンのクランク・シャフト44の前端にマウントされ、ベルトを通じてほかの補機を駆動するために使用されるプーリーとして理解することが可能である。したがって、この例においては、剛体のアッセンブリがプーリー42を通じて軸部分22Aの近位端によってエンジンのクランク・シャフト上に直接マウントされると考えることができる。言換えると、第1の構成要素の剛体のアッセンブリは、エンジンの出力シャフトに、それの延長として取り付けられる。したがって、周転円ギア16の軸でもある剛体のアッセンブリの軸A1は、エンジンのクランク・シャフトの軸と同軸であり、そのことから、エンジンのクランク・シャフトが第1の構成要素の回転を直接駆動することが充分に理解される。別の実施態様においては、別の位置において剛体のアッセンブリをエンジン・ブロック上にマウントすることが可能である。たとえば、従来的に厳密なピボット接続によってエンジン・ブロックの前面上にマウントされているタイミング・ギアの1つに剛体のアッセンブリをマウントすることができる。その種の場合においては、第1の構成要素の軸A1が、エンジンのクランク・シャフトの軸とは別物になり、第1の構成要素が、それがマウントされるタイミング・ギアと同じ速度で駆動されることになる。さらに別の実施態様においては、専用の厳密なピボット接続を通じて剛体のアッセンブリをエンジン・ブロック上にマウントすることができる。その種の場合においては、タイミング・ギア・セットに匹敵する縦続ギア・セットによって、またはプーリー伝達装置によってそれを駆動することが可能である。いずれの場合においても、第1の構成要素がエンジンのクランク・シャフトによって直接駆動されるか、またはそのほかのエンジン回転出力部材、たとえばカム・シャフト等またはそのほかの動力伝達装置によって間接的に駆動されるかのいずれかとなる。
【0018】
上で述べたとおり、周転円ギアの残り2つの構成要素は、第1の構成要素の部分である剛体のアッセンブリによって支持されている。好ましくは、第2および第3の主要構成要素が、単一の剛体のエンティティ上の厳密なピボット接続を通じて前記第1の構成要素の剛体のアッセンブリ上に直接もしくは間接的にそれぞれマウントされる。
【0019】
図2の例においては、リング構成要素20が、円筒状ギア装置部分20Aを有し、それが遊星ギアと係合するための内歯ギア、および円筒状ギア装置部分から軸に沿って近位方向にオフセットされた管として形成され、かつ放射状接続部分によってギア装置部分と接続されるピボット部分20Bを有していることがわかる。円筒状ギア装置部分20Aは、遊星キャリアの放射状部分22Rおよび遊星ギア24を囲い込む。リング構成要素のピボット部分20Bは、2つのボール・ベアリングによって、放射状部分22Rから軸に沿って近位端に向かって延びる剛体のアッセンブリの軸部分22Aの対応するピボット接続部分上にマウントされる。中心構成要素18もまた管状ピボット部分18Aを有し、それが2つのボール・ベアリングによって、放射状部分22Rから遠位端に向かって軸方向に延びる剛体のアッセンブリの軸部分22Aの対応するピボット接続部分上にマウントされる。中心構成要素のピボット部分18Aは、それの近位端の外側表面上に遊星ギア24と係合するための中心ギアの歯を有している。中心構成要素のピボット部分18Aは、それの遠位端に、ファン・ブレードをマウントすることが可能な結合部30として働く放射状の部分を有する。
【0020】
別の特徴によれば、第1の電気機械32のステータ32Sがホルダ46上に固定されており、前記ホルダは、厳密なピボット接続によって前記第1の構成要素の剛体のアッセンブリ上において回転に関して直接もしくは間接的に案内されている。
【0021】
図2の実施態様によれば、ホルダ46が、実際のところ、第3の構成要素のピボット部分18A、すなわち上で述べたとおり、この場合における中心構成要素の外側表面上に、2つのボール・ベアリングを通じて回転に関して案内されている。したがって、この場合においては、ホルダ46が第1の構成要素の剛体のアッセンブリ上に間接的に案内されているが、当該ホルダが単一の剛体のエンティティ上に厳密なピボット接続を通じてマウントされており、この場合においてはそれが第3の構成要素であり、それ自体、単一の剛体のエンティティ、すなわちこの場合における第1の構成要素22の剛体のアッセンブリ上に厳密なピボット接続を通じてマウントされていることは、ここで言及するに値するであろう。したがって、各要素は単一の剛体のエンティティの上にマウントされており、製造という点において、これらすべての要素の適正な軸整列を確保することが極めて容易である。この特徴は、図2から理解できるとおり、第1の電気機械のロータ32Rがリング構成要素の円筒状ギア装置部分20Aの外側表面上にマウントされることから有利である。したがって、上記の特徴は、厳格に過ぎる製造上の制約を課することなく、電気機械32のステータに関するロータの適正な同軸位置の確保を可能にする。これもまた言及するに値することであるが、この、周転円ギアの別の構成要素を通じた剛体のアッセンブリ上におけるホルダ46の間接マウントにおいては、当該別の構成要素上におけるホルダのピボット部分が、軸に沿って、剛体のアッセンブリ上において実質的に当該別の構成要素のピボット部分とともに、かつそれの周囲に配置される。したがって、2つのピボット部分が軸方向にオフセットされていないことから、このことがより堅固かつ稠密であることをこの間接マウントに提供する。
【0022】
これらの結果として、剛体のアッセンブリを包含する第1の構成要素、すなわちこの場合の遊星キャリア構成要素22が、ホルダとは回転に関して独立に、エンジン・ブロック上において案内される。言換えると、第1の構成要素のアクスルの位置が、ホルダに対するそれの接続によってではなく、エンジン・ブロック上におけるそれのピボット接続によって主として決定される。これとは対照的に、ステータを保持するホルダ46は、それのアクスルの位置に至っては直接エンジン・ブロックに対して接続されず、むしろ密接に第1の構成要素と接続され、その結果それのアクスルの位置が密接に第1の構成要素の位置に接続される。このことは、第1の電気機械のロータとステータの間において要求される軸方向整列を容易にする。
【0023】
そのとおりではあるが、それにもかかわらず、ホルダは、主軸A1周りの回転においてロックされる必要がある。好ましくはこれが、直接もしくは間接的にエンジン・ブロックに、またはそのほかの任意の静止部分に接続されるリンクまたは係留48によって達成される。他方においては、好ましくはこのリンク接続が、主アクスルA1に対して垂直なすべての方向におけるホルダの位置の規定について、エンジン・ブロックに対するホルダの直接もしくは間接的なピボット接続より堅固でなく構成される。言換えると、主軸A1周りのエンジン・ブロックに関するステータ32Sの角度位置は、リンク48によって固定されるが、エンジン・ブロックに関するステータ32Sのアクスルの位置は、独立してホルダ46のピボット接続を通じて規定される。リンク48は、ロッドの形式とすることが可能であるが、電気機械のステータに対してどのような方向のトルクが印加される場合であってもいずれか1つに張力が掛かるような方法で向きが設定された2本のケーブルによって形成することも可能である。
【0024】
ここに示されている実施態様においては、ホルダ46が、それを第1の構成要素の剛体のアッセンブリ上に間接的にマウントするピボット接続部分を形成する内側管状部分46A、第1の電気機械のステータ32Sを保持する外側管状部分46B、およびこれら2つの管状部分の間に延びる放射状部分46Cを呈する。好ましくは、外側管状部分が放射状部分46Cから近位端に向かって軸方向に延びて内部容積を規定し、それが、第1の電気機械32のロータを保持しているリング構成要素の円筒状ギア装置部分を囲い込み、それ自体もまた、遊星ギア24および遊星キャリア22の放射状部分22Rを囲い込む。それによって、第1の電気機械が遊星ギア24と同心で配され、かつ遊星キャリア22の放射状部分22Rと同心で配され、軸方向の稠密なアレンジメントを助ける。他方においては、内側管状部分46Aが、放射状部分46Cから遠位端に向かって延びる。
【0025】
上で述べたように、駆動アレンジメントが第2の電気機械40も包含する場合においては、それのステータ40Sが、第1の電気機械32のステータ32Sを担持しているホルダ46と同じホルダ上に固定されるものとして備えると有利となることがある。
【0026】
図2の実施態様においては、ホルダの外側管状部分46Bが、第2の電気機械40のステータ40Sを保持するための放射状部分から遠位端に向かう延長部も有することが理解できる。第2の電気機械40は、第3の構成要素、すなわち剛体のアッセンブリ上の第3の構成要素上のホルダのピボット部分周りに同心で好ましく配され、軸方向にオフセットされていない。他方においては、2つのステータ32Sおよび40Sがホルダの放射状部分46Cの、軸に関してそれぞれの側に配置される。また、これら2つのステータは、たとえば同一の直径とすることができる。結局のところ2つの電気機械32、40を合同とすることが可能である。第2の電気機械40のロータ40Rは、中心構成要素18の放射状フランジ30から軸に沿って近位方向に突出する環状のバルジ上にマウントされる。この第2のロータ40Rは、ホルダ46の外側および内側の管状部分の間において決定される空間内に受入れられる。
【0027】
図2に示されている例においては、機械的ロック38がホルダ46の外側管状部分46Bと、第1の電気機械32が接続されており第2の構成要素がリングであることから、リング20の円筒状ギア装置部分20Aの間に配されている。たとえばそれは、摩擦ブレーキとして、またはドッグ・クラッチとして構成され、ホルダの放射状部分46Cと第1の電気機械32の間に軸に沿って配置することが可能である。
【0028】
図3には、本発明による駆動アレンジメントの第2の実施態様が示されている。容易に明らかになるであろうが、図2を参照して説明済みの要素の多くがこの第2の実施態様についても有効であり、ここではそれらの説明を繰り返さない。以下においては、2つの実施態様の間における主要な相違だけに焦点を当てる。類似の要素には同一の名前を付与し、同一の参照番号に200の増分を加算するよって示すことにする。
【0029】
この第2の実施態様においては、第1の電気機械に接続される第2の構成要素が中心ホイール218であり、一方、補助装置はリング220に接続され、したがって、それは、周転円ギアの第3の構成要素であると言うことができる。エンジンに接続される第1の構成要素は、第1の実施態様の場合と同じく遊星キャリア222であり、構造的に第1の実施態様におけるそれと非常に類似している。唯一の違いは、ピンおよびそれらが支持する遊星ギア224が剛体のアッセンブリの放射状部分222Rの近位側に配置されていることである。これら2つの実施態様の間における主要な構造的相違は、中心構成要素218が軸に沿って遊星ギア224の平面から近位側の方向に延びている一方、リング220が軸に沿って遊星ギア224の平面から遠位側の方向に延びていることにある。
【0030】
中心構成要素218は、内側管状部分218Aを有し、それによって当該構成要素が、2つのボール・ベアリングを通じて剛体のアッセンブリの軸部分222A上にマウントされ、厳密なピボット接続が形成されている。内側管状部分218Aは、それの遠位端において中心ギアの歯を担持し、それの近位端において、内側管状部分218Aを第1の電気機械のロータ232Rおよび機械的ロック238を担持する外側管状部分218Bに接続する放射状フランジ218Cを担持する。外側管状部分218Bは、放射状の部分218Cから軸に沿って遠位方向に延びている。
【0031】
リング220は、管状部分220Aを有し、それによって当該構成要素が、2つのボール・ベアリングを通じて剛体のアッセンブリの軸部分222Aの遠位端上にマウントされ、厳密なピボット接続が形成されている。リング構成要素220のピボット部分は、それの近位端に、ファン・ブレードをマウントすることが可能な結合部230として働く放射状の部分を有する。第2の電気機械240のロータ240Rは、リング構成要素の放射状フランジ230から軸に沿って近位方向に突出する環状のバルジ上にマウントされる。この環状のバルジはまた、それの内部表面上にリング・ギアの歯も担持している。
【0032】
ホルダ246は、それの内側管状部分246Aがそれの放射状部分246Cから軸に沿って近位方向に延びていること、および厳密なピボット接続によって中心構成要素のピボット部分218A上にそれがマウントされていることだけが異なる。
【0033】
この実施態様においては、第2の電気機械40が、遊星ギア224および遊星キャリア222の放射状部分222Rと同心で配されていることがわかる。
【0034】
第1の実施態様と比較したとき、第2の実施態様は、比較的低速の補助装置を駆動する場合、および/または比較的高速の第1の電気機械を使用して補助装置の速度をコントロールする場合に好ましいことがある。
【0035】
図4には、本発明による駆動アレンジメントの第3の実施態様が示されている。容易に明らかになるであろうが、図2を参照して説明済みの要素の多くがこの第3の実施態様についても有効であり、ここではそれらの説明を繰り返さない。以下においては、2つの実施態様の間における主要な相違だけに焦点を当てる。類似の要素には同一の名前を付与し、同一の参照番号に300の増分を加算するよって示すことにする。
【0036】
この第3の実施態様においては、エンジンに接続されている周転円駆動装置の第1の構成要素が中心構成要素318である。第1の電気機械332のロータ332Rに接続されている第2の構成要素は、リング構成要素320であり、一方、補助装置に接続されているキャリア322は、第3の構成要素である。
【0037】
中心構成要素318は、本質的に、第1の実施態様の軸部分22Aに類似した剛体のアッセンブリ、すなわち、軸に沿って延びるピボット接続部分を有するシャフト部分の形式のアッセンブリであるが、それにおいては放射状部分22Rが中心ギアの歯によって置換えられている。
【0038】
リング構成要素320は、本質的に第1の実施態様のそれと類似である。これは、遊星ギアと係合するための内歯ギア、および軸に沿って円筒状ギア装置部分から近位方向にオフセットされた管として形成され、かつ放射状接続部分320Cによってギア装置部分に接続されるピボット部分320Bを有している円筒状ギア装置部分320Aを有する。円筒状ギア装置部分320Aは、遊星ギア24を囲い込む。リング構成要素のピボット部分320Bは、2つのボール・ベアリングによって、軸に沿って中心ギアの歯から近位端に向かって延びる剛体のアッセンブリのシャフト部分の対応するピボット接続部分上にマウントされる。
【0039】
遊星キャリア構成要素322は、2つのボール・ベアリングを通じて剛体のアッセンブリのシャフト部分の遠位端上にそれをマウントし、厳密なピボット接続を形成する管状部分322Aを呈する。キャリア構成要素322のピボット部分322Aは、それの近位端に、軸A1から放射状に延び、かつ少なくとも1つの、軸A1に平行なピンを保持する放射状部分322Cを有し、当該ピンの軸Ap1周りに遊星ギア324が回転可能にマウントされている。ピンは、放射状部分322Cから近位方向に延びており、その結果、遊星ギア324がキャリア322の近位側に配置される。放射状部分322Cの外側周縁から軸に沿って遠位方向に外側管状部分322Bが延びており、第2の電気機械のロータ340Rを保持している。外側管状部分322Cの遠位の縁からさらに、ファン・ブレードをマウントすることが可能な結合部330として働く放射状の部分が延びている。
【0040】
ホルダは、ピボット接続部分を形成する内側管状部分346Aを呈し、それによってホルダが、2つのボール・ベアリングを介してリング構成要素のピボット部分320B上にマウントされ、したがって、第1の構成要素の剛体のアッセンブリ上に間接的にマウントされる。またホルダは、第1の電気機械のステータ332Sを保持するとともに第2の電気機械のステータ340Sも保持する外側管状部分346B、およびピボット部分346Aの遠位端からこれら2つの管状部分の間に延びる放射状部分346Cも包含する。これら2つの管状部分346A、346Bは、本質的に軸に関して放射状部分346Cのそれぞれの側にオフセットされており、その結果、2つのステータ332Sおよび340Sがともに、軸に沿ってホルダの放射状部分346Cの同一の側に配置される。
【0041】
図5には、本発明による駆動アレンジメントの第4の実施態様が示されている。容易に明らかになるであろうが、図2を参照して説明済みの要素の多くがこの第4の実施態様についても有効であり、ここではそれらの説明を繰り返さない。以下においては、2つの実施態様の間における主要な相違だけに焦点を当てる。類似の要素には同一の名前を付与し、同一の参照番号に400の増分を加算するよって示すことにする。
【0042】
この第4の実施態様においては、第3の実施態様と同様に、エンジンに接続されている周転円駆動装置の第1の構成要素が中心構成要素418である。第1の電気機械432のロータ432Rに接続されている第2の構成要素は、リング構成要素420であり、一方、補助装置に接続されているキャリア422は、第3の構成要素である。
【0043】
第1の実施態様と比較すると、リング構成要素420が同一の構造を有し、かつホルダ446が同一の構造を有し、しかも第3の構成要素のピボット接続の上にマウントされており、唯一の相違は、この場合における第3の構成要素が遊星キャリア構成要素422になるということである。このキャリア構成要素422は、それが、それのピボット部分422Aの近位端において中心ギアの歯ではなく遊星ピンを保持するための放射状部分422Cを有する点が異なることを除けば、本質的に第1の実施態様の中心構成要素と同一の構造を有している。中心構成要素418は、前述した第3の実施態様のそれと同じである。
【0044】
図6には、本発明による駆動アレンジメントの第5の実施態様が示されている。容易に明らかになるであろうが、図2を参照して説明済みの要素の多くがこの第5の実施態様についても有効であり、ここではそれらの説明を繰り返さない。以下においては、2つの実施態様の間における主要な相違だけに焦点を当てる。類似の要素には同一の名前を付与し、同一の参照番号に500の増分を加算するよって示すことにする。
【0045】
この第5の実施態様においては、エンジンに接続されている周転円駆動装置の第1の構成要素が中心構成要素518である。第1の電気機械532のロータ532Rに接続されている第2の構成要素は、キャリア構成要素522であり、一方、補助装置に接続されているリング520は、第3の構成要素である。
【0046】
中心構成要素518は、第3および第4の実施態様のそれと類似であり、リング構成要素520は、第2の実施態様のそれと類似である。キャリア522は、ピボット接続部分を形成する内側管状部分522Aを有し、それによってそれが、中心構成要素518のシャフト部分の上にマウントされる。ピボット部分522Aの遠位端から放射状部分522Cが軸A1から離れる方向に延びており、遊星ギアを支持する遊星ピンを保持している。遊星ピンは、放射状部分522Cから遠位方向に延びている。放射状部分522Cの外側周縁から軸に沿って近位方向に外側管状部分522Bが延びており、第1の電気機械532のロータ532Rをはじめ、機械的ロック538を保持している。ホルダ546は、本質的に第3の実施態様におけるそれと同じであるが、それのピボット部分546Aがキャリアのピボット部分522A上にマウントされている点が異なる。
【0047】
これまでに述べたすべての実施態様においては、ホルダが、第1の構成要素の上に間接的にのみマウントされ、事実上、ほかの2つの構成要素のうちの1つの上に直接マウントされている。この設備は、軸方向の稠密性に有利である。それにもかかわらず、いくつかの応用においては、剛体のアッセンブリ上にホルダが直接マウントされると好ましいことがある。また、上記の実施態様のすべてにおいては、第2および第3の構成要素のいずれもが剛体のアッセンブリ上に直接マウントされているが、いくつかの応用においては、少なくとも1つの構成要素が、厳密なピボット接続によってホルダ上に、またはそのほかの構成要素上にマウントされ、それによって剛体のアッセンブリ上に間接的にマウントされると好ましいことがある。
【0048】
上で述べた駆動アレンジメントは、先行技術を超える多くの利点を有する。前述した特許文献1の中で述べられているシステムと比較するとこれは二重遊星システムを回避し、設計においてこれの部品が比較的単純であり、したがって製造が容易であり、かつ組立てが容易である。また、電気機械の一体化が容易に行なわれ、標準の機械が使用可能であることも認識できる。これらの電気機械のステータの冷却は、特に、図上に示されているとおり、冷却リブ50がホルダ46の外側表面上に備えられる場合には容易に達成することが可能である。
【0049】
また両方の電気機械が、システムの出力、すなわち例における第3の結合部30に関して同一の側に置かれることについても特に注目することができる。このことは、電気機械のステータへの電気ケーブルの配線のために重要となることがあり、またこれは、第3の結合が、たとえばエンジンにマウントされるオルタネータへのケーブルの配線の障害とならないことを意味する。これらのケーブルは、たとえば、リンク・ロッド48に取り付けることができる。それが可能でなかった場合には、たとえばファンの周りのケーブルの配線が問題となる可能性があり、あるいはより高価な解決策を少なくとも必要とすることになるであろう。
【0050】
以上の実施態様においては、2つの部品の間における厳密なピボット接続が2つのボール・ベアリングの使用によって代表されているが、これは、その種のアレンジメントが厳密なピボット接続に典型的であること、および単一のピボット接続を通じた接続が、一般に、軸に対して垂直に回転する2つの部品を適正に、かつ堅固に接続し得ないことから機械的な意味においてボール・タイプの接続と見なされることによる。当然のことながら、当業者は、その種のベアリングのうちの少なくとも1つをローラ・ベアリングによって、あるいはブッシングによって置換するといった、厳密なピボット接続のためのこのほかの構成を案出することが可能であろう。
【0051】
本発明に関して用いる場合に、乗り物という用語は、人および物を輸送するための輸送用の乗り物だけでなく、掘削機、坑内運搬機、積込機等の建設機械も含む。
【符号の説明】
【0052】
10 設備
12 牽引エンジン、エンジン
14 冷却ファン、補助装置
16 周転円ギア
18 中心ギア、中心構成要素
18A 管状ピボット部分、ピボット部分
20 リング・ギア、リング、リング構成要素
20A 円筒状ギア装置部分
20B ピボット部分
22 遊星キャリア、キャリア
22A 軸部分
22F 放射状のフランジ部分
22R 放射状部分
24 遊星ギア
26 第1の結合
28 第2の結合
30 第3の結合、結合部、放射状フランジ、第3の結合部
31 中心構成要素
32 第1の電気機械
32R ロータ
32S ステータ
34 電気回路網
36 電子パワー・コントロール・ユニット
38 機械的ロック
40 第2の電気機械
40R ロータ
40S ステータ
42 プーリー
44 クランク・シャフト
46 ホルダ
46A 内側管状部分
46B 外側管状部分
46C 放射状部分
48 係留、リンク、リンク・ロッド
50 冷却リブ
218 中心ホイール、中心構成要素
218A 内側管状部分、ピボット部分
218B 外側管状部分
218C 放射状フランジ
220 リング
220A 管状部分
222 遊星キャリア
222A 軸部分
222R 放射状部分
224 遊星ギア
230 結合部、放射状フランジ
232R ロータ
238 機械的ロック
240 第2の電気機械
246 ホルダ
246A 内側管状部分
246C 放射状部分
318 中心構成要素
320 リング構成要素
320A 円筒状ギア装置部分
320B ピボット部分
320C 放射状接続部分
322 キャリア、遊星キャリア構成要素
322A 管状部分、ピボット部分
322B 外側管状部分
322C 放射状部分
324 遊星ギア
332 第1の電気機械
332R ロータ
332S ステータ
340R ロータ
340S ステータ
346A 内側管状部分、ピボット部分
346B 外側管状部分
346C 放射状部分
418 中心構成要素
420 リング構成要素
422 キャリア、キャリア構成要素、遊星キャリア構成要素
422A ピボット部分
422C 放射状部分
432 第1の電気機械
432R ロータ
446 ホルダ
518 中心構成要素
520 リング
522 キャリア構成要素、キャリア
522A 内側管状部分、ピボット部分
522B 外側管状部分
522C 放射状部分
532 第1の電気機械
532R ロータ
538 機械的ロック
546 ホルダ
546A ピボット部分
A1 軸、主軸、アクスル
Ap1 軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン・ブロック(12)および回転出力部材を有する内燃エンジンの少なくとも1つの補助装置(14)のための駆動アレンジメントにおいて、前記駆動アレンジメントが、中心ギア(18)、リング・ギア(20)、および遊星キャリア(22)からなる3つの主要構成要素を有する周転円ギア(16)を包含し、さらにそれにおいて、
−第1の構成要素が、前記エンジンの回転出力部材に接続されることになり、
−第2の構成要素が、ステータも有している第1の電気機械(32)のロータに接続されることになり、
−第3の構成要素が、前記少なくとも1つの補助装置(14)に接続されることになり、
前記エンジンの回転出力部材に接続されることになる前記第1の構成要素が、前記エンジン・ブロック上において、厳密なピボット接続によって回転に関して案内されており、かつそれがほかの2つの構成要素を支持する剛体のアッセンブリ(22R,222R,318,418,518)を包含すること、前記第1の電気機械(32)の前記ステータがホルダ(46)上に固定されており、前記ホルダが、前記第1の構成要素の剛体のアッセンブリ上において直接もしくは間接的に、厳密なピボット接続によって回転に関して案内されていること、および前記第1の構成要素が、前記エンジン・ブロック上において、前記ホルダとは回転に関して独立に案内されていることを特徴とする、駆動アレンジメント。
【請求項2】
前記第2および第3の主要構成要素が単一の剛体のエンティティ上の厳密なピボット接続を通じて前記第1の構成要素の剛体のアッセンブリ上に直接もしくは間接的にそれぞれマウントされることを特徴とする、請求項1に記載の駆動アレンジメント。
【請求項3】
前記第2および/または前記第3の主要構成要素が、厳密なピボット接続を通じて前記第1の構成要素の剛体のアッセンブリ上に直接マウントされることを特徴とする、請求項2に記載の駆動アレンジメント。
【請求項4】
前記ホルダが前記周転円ギアの別の構成要素を通じて前記剛体のアッセンブリ上に間接的にマウントされ、前記別の構成要素上における前記ホルダの前記厳密なピボット接続が軸に関して、実質的に前記剛体のアッセンブリ上の前記別の構成要素の前記厳密なピボット接続とともに、かつそれの周囲に配置されることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の駆動アレンジメント。
【請求項5】
前記ホルダ(46)が、静止した部品に接続されるリンク(48)によって前記主軸周りの回転においてロックされることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の駆動アレンジメント。
【請求項6】
前記ホルダが、前記エンジン・ブロックに直接もしくは間接的に接続されるリンクによって前記主軸周りの回転においてロックされること、および前記リンク接続が、前記エンジン・ブロックに対する前記ホルダの直接もしくは間接的なピボット接続より堅固でないことを特徴とする、請求項5に記載の駆動アレンジメント。
【請求項7】
前記第3の結合に接続される第2の電気機械(40)を包含することを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の駆動アレンジメント。
【請求項8】
前記第2の電気機械(40)が、前記第1の電気機械(32)の前記ステータを担持するホルダと同一のホルダ(46)上に固定されるステータを包含することを特徴とする、請求項7に記載の駆動アレンジメント。
【請求項9】
前記第1の構成要素の前記剛体のアッセンブリが、前記エンジンの出力シャフト(44)の延長として直接取り付けられることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれかに記載の駆動アレンジメント。
【請求項10】
前記第2の構成要素に、前記周転円ギア(16)の前記軸(A1)周りの前記第2の構成要素の回転をロックするべくコントロール可能な機械的ロック(38)が備えられることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれかに記載の駆動アレンジメント。
【請求項11】
前記機械的ロック(38)が、前記第2の構成要素を、前記第1の電気機械(32)の前記ステータが固定される前記ホルダ(46)に対してロックすることを特徴とする、請求項10に記載の駆動アレンジメント。
【請求項12】
前記遊星キャリア(22)が少なくとも1つの放射状の延長部(22R)を有し、それが少なくとも1つの遊星ギア(24)を担持すること、前記中心ギア(18)およびリング・ギア(20)が回転において前記遊星キャリアに関して、それぞれの厳密なピボット部分(18A,20B)を通じて案内されること、および前記中心ギアの前記厳密なピボット部分および前記リング・ギアの前記厳密なピボット部分が、それぞれ、実質的に、軸に関して前記遊星キャリアの前記放射状の延長部(22R)の一方の側および他方の側に配置されることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれかに記載の駆動アレンジメント。
【請求項13】
前記剛体のアッセンブリが軸(A1)に沿って延びるシャフトの形式の部品を包含し、それの上に、厳密なピボット接続の形で前記駆動アッセンブリのほかのすべての構成要素を直接もしくは間接的に支持するためのピボット接続部分が形成されることを特徴とする、請求項1乃至12のいずれかに記載の駆動アレンジメント。
【請求項14】
前記乗り物の前記少なくとも1つの補助装置がエンジンの冷却ファン(14)を包含することを特徴とする、請求項1乃至13のいずれかに記載の駆動アレンジメント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−513753(P2013−513753A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−542626(P2012−542626)
【出願日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際出願番号】PCT/IB2009/008004
【国際公開番号】WO2011/098845
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(506273102)ルノー・トラックス (33)
【Fターム(参考)】