説明

乗用型苗移植機

【課題】 小型の走行車体を得ると共に、安全性を向上させる。
【解決手段】 変速レバー82を支持するレバー支持アーム90を設け、変速レバー82を中立位置に戻す中立復帰アーム83を支持軸71に設け、中立復帰アーム83には上部復帰ローラ83aと下部復帰ローラ83bを設け、変速レバー82が中立位置のときは、ブレーキペダル70を操作しても上部復帰ローラ83a及び下部復帰ローラ83bがレバー支持アーム90に接当せず、変速レバー82が前進側に操作されているときは、ブレーキペダル70の操作により下部復帰ローラ83bがレバー支持アーム90の下面に接当して変速レバー82を中立位置に戻し、変速レバー82が後進側に操作されているときは、ブレーキペダル70の操作により上部復帰ローラ83aがレバー支持アーム90の上面に接当して変速レバー82を中立位置に戻す構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、田植機や野菜移植機やイ草移植機等の乗用型苗移植機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、フロアステップ下面から上方に向けて設けたブレーキペダルに一体的に手で操作できる操作アームを設けて、機体前方からブレーキペダルを操作できる構成のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−71号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献に開示されたフロアステップ下面から上方に向けて設けたブレーキペダルに一体的に手で操作できる操作アームを設けた構成では、機体前部から操作アームを操作できるようにするために、ブレーキペダルから操作アームを長く延ばした大型の機構となり、作業者が苗を持ってフロアステップを移動する場合等に邪魔になって危険であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、走行車体(2)の後側に昇降リンク装置(3)を介して苗植付部(4)を昇降可能に装着し、走行車体(2)の座席(31)の前方には前輪(10)を操向操作するハンドル(34)を配置し、該ハンドル(34)の左右側方及び後方に作業者が移動できるフロアステップ(35)を設けた乗用型苗移植機において、該ハンドル(34)の下側に設けた支持軸(71)にブレーキペダル(70)を設け、ブレーキペダル(70)の前方側で上方に延びるブレーキ手動レバー(77)を回動操作自在に設けると共に、ブレーキペダル(70)を踏み込んだ状態でブレーキ作動状態を保持する保持機構(80)と、該保持機構(80)のブレーキ作動状態の保持を解除する操作アーム(77c)とを設け、ブレーキ手動レバー(77)とブレーキペダル(70)とを連結部材(79)にて連携し、変速レバー(82)を支持するレバー支持アーム(90)を設け、変速レバー(82)を中立位置に戻す中立復帰アーム(83)を支持軸(71)に設け、中立復帰アーム(83)には上部復帰ローラ(83a)と下部復帰ローラ(83b)を設け、変速レバー(82)が中立位置のときは、ブレーキペダル(70)を操作しても上部復帰ローラ(83a)及び下部復帰ローラ(83b)がレバー支持アーム(90)に接当せず、変速レバー(82)が前進側に操作されているときは、ブレーキペダル(70)の操作により下部復帰ローラ(83b)がレバー支持アーム(90)の下面に接当して変速レバー(82)を中立位置に戻し、変速レバー(82)が後進側に操作されているときは、ブレーキペダル(70)の操作により上部復帰ローラ(83a)がレバー支持アーム(90)の上面に接当して変速レバー(82)を中立位置に戻す構成としたことを特徴とする乗用型苗移植機としたものである。
【0006】
従って、操縦者が走行車体2に搭乗して座席31に着座して機体を操縦操作する際には、操縦者がブレーキペダル70を踏み込むとブレーキが作動して機体が停止する。また、畦越え時等の危険な走行時には、操縦者は走行車体2から降りて機体前方に立って機体を操作するが、その際、機体転倒等の危険を察知した場合にはブレーキ手動レバー77を操作すると、ブレーキペダル70を踏み込み操作した状態と同じになってブレーキが作動して機体が停止する。
【0007】
また、ブレーキペダル70はハンドル34の下側に設けた支持軸71に設けられてフロアステップ35上方に位置する構成であり、また、ブレーキ手動レバー77はブレーキペダル70の前方側で上方に延び回動操作自在に設けてブレーキペダル70と連結部材79にて連携した構成であるから、ブレーキ手動レバー77を車体前端部に配置してもブレーキ操作機構全体を小型でコンパクトな構成とすることができて、作業者がフロアステップ35上を移動する際に邪魔にならず安全性が向上する。
【0008】
請求項2記載の発明は、フロアステップ(35)の下面に設けた回動軸(78)にブレーキ手動レバー(77)を前方下方に向けて回動操作自在に設けると共に、ハンドル(34)の下側に設けた支持軸(71)の左右一側にブレーキペダル(70)を吊り下げて設け、支持軸(71)の左右他側にブレーキペダル(70)を操作してブレーキを作動させた時に主クラッチ(21a)を切り操作する連携機構を設けた請求項1記載の乗用型苗移植機としたものである。
【0009】
従って、ブレーキペダル70の踏み込み操作(または、ブレーキ手動レバー77の下方操作)でブレーキが作動するのと同時に、主クラッチ21aが切れて機体が停止する。よって、エンジン20を始動させる際には、ブレーキペダル70を踏み込み操作して行なうが、この時主クラッチ21aが切れているので、エンジン20の始動性が良い。
【0010】
また、ハンドル34の下側に設けた支持軸71の左右一側にブレーキペダル70を吊り下げて設け、支持軸71の左右他側にブレーキペダル70を操作してブレーキを作動させた時に主クラッチ21aを切り操作する連携機構Aを設けたので、ハンドル34の下側空間部を有効に利用できて、小型の走行車体を得ることができる。更に、機体の左右に両者を振り分け配置しているので、走行車体の左右バランスも良くなる。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、ブレーキペダル70はハンドル34の下側に設けた支持軸71に設けられてフロアステップ35上方に位置する構成であり、また、ブレーキ手動レバー77はブレーキペダル70の前方側で上方に延び回動操作自在に設けてブレーキペダル70と連結部材79にて連携した構成であるから、ブレーキ手動レバー77を車体前端部に配置してもブレーキ操作機構全体を小型でコンパクトな構成とすることができて、作業者がフロアステップ35上を移動する際に邪魔にならず安全性が向上する。
【0012】
また、ハンドル34の下側に設けた支持軸71の左右一側にブレーキペダル70を吊り下げて設け、支持軸71の左右他側にブレーキペダル70を操作してブレーキを作動させた時に主クラッチ21aを切り操作する連携機構Aを設けた場合には、ハンドル34の下側空間部を有効に利用できて、小型の走行車体を得ることができ、機体の左右に両者を振り分け配置しているので、走行車体の左右バランスも良くなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例の乗用型田植機の側面図である。
【図2】図1の乗用型田植機の平面図である。
【図3】要部の右側面図である。
【図4】要部の左側面図である。
【図5】変速レバーの作動説明用左側面図である。
【図6】要部の左側面図である。
【図7】変速レバーとアクセル連動アームの作動説明用左側面図である。
【図8】作業操作レバーの作動説明用右側面図である。
【図9】他の例を示すフロアステップとエンジンカバー部の作用説明用右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に基づき、本発明の好ましい一つの実施形態について説明する。
図1及び図2は本発明を用いた一実施例である施肥装置を装着した施肥装置付き乗用型田植機の側面図と平面図である。この施肥装置付き乗用型田植機1は、走行車体2の後側に昇降リンク装置3を介して苗植付部4が昇降可能に装着され、走行車体2の後部上側に施肥装置5の本体部分が設けられている。
【0015】
走行車体2は、駆動輪である左右一対の前輪10,10及び左右一対の後輪11,11を備えた四輪駆動車両であって、機体の前部にミッションケース12が配置され、そのミッションケース12の左右側方に前輪ファイナルケース13,13が設けられ、該左右前輪ファイナルケース13,13の操向方向を変更可能な各々の前輪支持部から外向きに突出する左右前輪車軸に左右前輪10,10が各々取り付けられている。また、ミッションケース12の背面部にメインフレーム15の前端部が固着されており、そのメインフレーム15の後端左右中央部に前後水平に設けた後輪ローリング軸を支点にして左右後輪ギヤケース18,18がローリング自在に支持され、その左右後輪ギヤケース18,18から外向きに突出する後輪車軸に後輪11,11が取り付けられている。尚、左右後輪ギヤケース18,18には、ミッションケース12の後壁から突出して設けた左右後輪駆動軸に連結した左右後輪伝動軸18a,18aにて動力が伝達される構成となっている。
【0016】
エンジン20はメインフレーム15の上に搭載されており、該エンジン20の回転動力が、ベルト伝動装置21及び油圧式無段変速装置23を介してミッションケース12に伝達される。ミッションケース12に伝達された回転動力は、該ケース12内のトランスミッションにより変速された後、走行動力と外部取出動力に分離して取り出される。そして、走行動力は、一部が前輪ファイナルケース13,13に伝達されて前輪10,10を駆動すると共に、残りが左右後輪ギヤケース18,18に伝達されて左右後輪11,11を駆動する。また、ミッションケース12の右側側面より取出された外部取出動力は、植付伝動軸26によって苗植付部4へ伝動される。尚、施肥装置5の肥料繰出し機構へは、右後輪ギヤケース18から動力が駆動軸にて取出されて伝動される。
【0017】
エンジン20の上部はエンジンカバー30で覆われており、その上に座席31が設置されている。座席31の前方には各種操作機構を内蔵するフロントカバー32があり、その上方に前輪10,10を操向操作するハンドル34が設けられている。エンジンカバー30及びフロントカバー32の下端左右両側は水平状のフロアステップ35になっている。フロアステップ35の左右前部には複数の貫通孔35a…が形成されており、座席31に着座して機体を操縦する操縦者が左右前輪10,10を見通せることができて操縦が容易な構成となっていると共に、該ステップ35を歩く作業者の靴についた泥が圃場に落下するようになっている。フロアステップ35の後部は、リヤステップを兼ねる後輪フェンダ36となっている。尚、28,28は左右補助ステップであって、作業者が機体に乗り降りする時に足を載せるステップである。また、フロントカバー32は、前部カバー32aと後部カバー32bとに2分割構成となっており、各カバー32a・32bが各々独立して着脱自在に装着されている。
【0018】
また、走行車体2の前部左右両側には、補給用の苗を載せておく予備苗載台38,38が機体よりも側方に張り出す位置と内側に収納した位置とに回動可能に設けられている。
昇降リンク装置3は平行リンク構成であって、1本の上リンク40と左右一対の下リンク41,41を備えている。これらリンク40,41,41は、その基部側がメインフレーム15の後端部に立設した背面視門形のリンクベースフレーム42に回動自在に取り付けられ、先端側には縦リンク43が連結されている。そして、縦リンク43の下端部に苗植付部4に回転自在に支承された連結軸44が挿入連結され、連結軸44を中心として苗植付部4がローリング自在に連結されている。メインフレーム15に基部を回動自在に枢支した昇降油圧シリンダ46の先端を下リンク41に一体形成したスイングアーム41aの先端部に連結して設けており、該昇降油圧シリンダ46を油圧で伸縮させることにより、昇降リンク装置3が上下に回動し、苗植付部4がほぼ一定姿勢のまま昇降する。
【0019】
苗植付部4は4条植の構成で、フレームを兼ねる伝動ケース50、マット苗を載せて左右往復動し苗を一株分づつ各条の苗取出口51a…に供給するとともに横一列分の苗を全て苗取出口51a…に供給すると苗送りベルト51b…により苗を下方に移送する苗載台51、苗取出口51a…に供給された苗を圃場に植付ける苗植付装置52…、次行程における機体進路を表土面に線引きする左右一対の線引きマーカ(図示せず)等を備えている。苗植付部4の下部には中央にセンターフロート55、その左右両側にサイドフロート56,56がそれぞれ設けられている。これらフロート55,56,56を圃場の泥面に接地させた状態で機体を進行させると、フロート55,56,56が泥面を整地しつつ滑走し、その整地跡に苗植付装置52…により苗が植付けられる。各フロート55,56,56は圃場表土面の凹凸に応じて前端側が上下動するように回動自在に取り付けられており、植付作業時にはセンターフロート55の前部の上下動が迎角制御センサ(図示せず)により検出され、その検出結果に応じ前記昇降油圧シリンダ46を制御する油圧バルブ46aを切り替えて苗植付部4を昇降させることにより、苗の植付深さを常に一定に維持する。
【0020】
施肥装置5は、肥料ホッパ60に貯留されている粒状の肥料を繰出部61…によって一定量づつ繰り出し、その肥料を施肥ホース62…でフロート55,56,56の左右両側に取り付けた施肥ガイド62a…まで導き、施肥ガイド62a…の前側に設けた作溝体62b…によって苗植付条の側部近傍に形成される施肥構内に落とし込むようになっている。電動モータで駆動するブロア58で発生させたエアが、左右方向に長いエアチャンバ59を経由して施肥ホース62…に吹き込まれ、施肥ホース62…内の肥料を風圧で強制的に搬送するようになっている。
【0021】
苗植付部4には圃場の乱れた泥土面を整地して均す整地ロータ27(左右サイドフロート56,56の各々の前方に配置された左右整地ロータ27a,27a,センターフロート55の前方に配置された中央整地ロータ27b)が取り付けられている。
【0022】
ここで、走行車体2前部の各種操作装置の構成について説明する。
70はブレーキペダルであって、ハンドル34を回転自在に支持するハンドルコラム34aに固着された左右支持アームに回動自在に枢支された回動軸71の右側部に上端部が固着されて、吊り下げられた状態に構成されたハンギングペダルとなっている。そして、ブレーキペダル70の上部は、バネ融通機構72・上下ロッド73・機体に支持された回動アーム74・前後ロッド75を介してブレーキ作動アーム76に連携されており、座席31に着座した操縦者がブレーキペダル70を踏み込むとブレーキ作動アーム76を揺動させてブレーキが作動して機体が停止する構成となっている。尚、バネ融通機構72には、バネの圧縮量を調節して、ブレーキペダル70を踏み込み操作した時にブレーキが作動するタイミングを調節する一般的な螺子とナットによる調節部72aが設けられている。そして、この調節部72aは、フロントカバー32の前部カバー32a内に位置するように設けているので、前部カバー32aを外すのみでブレーキの作動タイミングの調整が行なえて、その調整作業が容易に行なえ作業能率がよい。
【0023】
77はブレーキ手動レバーであって、フロアステップ35下方の機体に設けた回動軸78に回動自在に支持されており、フロアステップ35に設けた孔を貫通して上方に延びた構成となっており、上端部に把持部77aと回動軸77bに回動自在に支持された操作アーム77cとが設けられている。そして、該ブレーキ手動レバー77とブレーキペダル70とは連結ロッド79にて連結されている。従って、畦越え時等の危険な走行時に車体から降りて機体前方に立って機体を操縦している操縦者がブレーキ手動レバー77を下方に操作すると、ブレーキペダル70を踏み込み操作した状態と同じになってブレーキが作動して機体が停止する。
【0024】
そして、特に、ブレーキペダル70はハンドル34の下側に設けた支持軸71に吊り下げられてフロアステップ35上方に位置する構成であり、また、ブレーキ手動レバー77はブレーキペダル70の前方側のフロアステップ35の下面に設けた回動軸78に前方下方に向けて回動操作自在に設けてブレーキペダル70と連結部材79にて連携した構成であるから、ブレーキ手動レバー77を車体前端部に配置してもブレーキ操作機構全体の左右幅を小型でコンパクトな構成とすることができて、ブレーキ操作機構の外側方にフロアステップ35を配置することができて、作業者は該ブレーキ操作機構の外側方のフロアステップ35上を安全に移動することができる。
【0025】
80はブレーキ作動状態を保持させる保持機構であって、ブレーキペダル70に回動軸70aにて回動自在に支持されており、先端部下面にフック状の係合部80aが形成されている。そして、ブレーキペダル70を踏み込んでブレーキが作動した状態の時、フック状の係合部80aが機体に固定した係止棒80bに係合して、ブレーキペダル70の踏み込み操作及びブレーキ手動レバー77の下方への操作を止めても、ブレーキ作動状態が保持される構成となっている。尚、保持機構80は、先端部下面のフック状の係合部80aが下方に移動する方向に付勢されている。
【0026】
そして、保持機構80の後端部とブレーキ手動レバー77に設けた操作アーム77cとは操作ワイヤ81にて連携されており、操作アーム77cを握って引くと、保持機構80先端部下面のフック状の係合部80aが上方に移動して、係止棒80bとの係合が外れる構成となっている。従って、操作アーム77cを操作すると、ブレーキ作動状態の保持を解除できる。
【0027】
一方、回動軸71の他端側である左側部には、油圧式無段変速装置23のトラニオン軸23aを操作して機体の走行速度を変速操作する変速レバー82を中立位置に戻す中立復帰アーム83が固着されている。そして、該中立復帰アーム83の前端部が、バネ融通機構84・上下ロッド85・機体に支持された回動アーム86・前後ロッド87を介して機体に設けた枢支軸88aに回動自在に支持されたテンションクラッチ作動アーム88に連携されており、ブレーキペダル70の踏み込み操作(または、ブレーキ手動レバー77の下方操作)でブレーキが作動するのと同時に、テンションクラッチ作動アーム88作動してエンジン20の回転動力を油圧式無段変速装置23に伝動するベルト伝動装置21のテンションプーリー21aをベルト伝動装置21のベルトから遠ざける。従って、ブレーキペダル70を踏み込み操作(または、ブレーキ手動レバー77の下方操作)すると、ブレーキが作動して主クラッチ(テンションプーリー)21aが切れて機体が停止する。よって、エンジン20を始動させる際には、ブレーキペダル70を踏み込み操作して行なうが、この時主クラッチ(テンションプーリー)21aが切れているので、エンジン20と油圧式無段変速装置23とは連携がない状態となっており、エンジン20の始動性が良くなる。尚、ブレーキペダル70を操作してブレーキを作動させた時に主クラッチ21aを切り操作する連携機構Aは、回動軸71の左側部に固着した中立復帰アーム83と上下ロッド85と回動アーム86と前後ロッド87とテンションクラッチ作動アーム88にて構成されている。
【0028】
そして、特に、ハンドル34の下側に設けた支持軸71の左右一側にブレーキペダル70を吊り下げて設け、支持軸71の左右他側にブレーキペダル70を操作してブレーキを作動させた時に主クラッチ21aを切り操作する連携機構Aを設けたので、ハンドル34の下側空間部を有効に利用できて、小型の走行車体を得ることができる。更に、機体の左右に両者を振り分け配置しているので、走行車体の左右バランスも良くなる。
【0029】
尚、主クラッチ(テンションプーリー)21aへの連携機構中のバネ融通機構84には、バネの圧縮量を調節して、ブレーキペダル70を踏み込み操作した時にクラッチが切れるタイミングを調節する一般的な螺子とナットによる調節部84aが設けられている。そして、この調節部84aは、フロントカバー32の前部カバー32a内に位置するように設けているので、前部カバー32aを外すのみで主クラッチの作動タイミングの調整が行なえて、その調整作業が容易に行なえ作業能率がよい。
【0030】
次に、変速レバー82による油圧式無段変速装置23の変速構成を説明する。変速レバー82は、ハンドル34の左側方位置に配置され、ハンドルコラム34aに固定された第1枢支軸89に回動自在に枢支されたレバー支持アーム90の後端部に左右揺動自在に支持されている。
【0031】
そして、ハンドルコラム34aに上端部が固定された支持板の下端部に固定された第2枢支軸91に回動自在に枢支された位置決め体92に一体に形成した前部アーム92aの先端部とレバー支持アーム90の前端部とをロッド93にて連結している。また、位置決め体92に一体に形成した下部アーム92bの先端部と油圧式無段変速装置23のトラニオン軸23aに固定した作動アーム23bとをロッド94にて連結している。そして、位置決め体92の上面部は位置決め用の凹み部92c…が多数連続して形成されており、該凹み部92c…に係合する回転ローラ95を回転自在に支持する位置決め揺動体96がハンドルコラム34aに固定された第3枢支軸97に揺動自在で且つ回転ローラ95が凹み部92c…に係合する方向にバネ98にて付勢された状態で設けられている。
【0032】
従って、図5に示すように、変速レバー82を「中立」位置(図ロの状態:機体が前進も後進もしない停止状態)から前方に操作すると、レバー支持アーム90・ロッド93・位置決め体92・ロッド94を介してトラニオン軸23aに固定した作動アーム23bが操作されて油圧式無段変速装置23が最高前進速度まで増速される(図イの状態)。逆に、変速レバー82を「中立」位置(図ロの状態:機体が前進も後進もしない停止状態)から後方に操作すると、レバー支持アーム90・ロッド93・位置決め体92・ロッド94を介してトラニオン軸23aに固定した作動アーム23bが操作されて油圧式無段変速装置23が最高後進速度まで増速される(図ハの状態)。そして、変速レバー82は、「中立」位置と「中立」位置から「最高前進速度」位置までの複数位置と「中立」位置から「最高後進速度」位置までの複数位置で、前記位置決め体92の位置決め用の凹み部92c…に回転ローラ95が係合する位置にて保持される。尚、変速レバー82からトラニオン軸23aへの連携機構中のロッド93及びロッド94には、各々ロッド長さを調節するターンバックルの調節部93a・94aが設けられており、変速レバー82を中立位置に操作した時に油圧式無段変速装置23が中立に操作されるように調節できる構成となっている。そして、この一方の調節部93aは、フロントカバー32の前部カバー32a内に位置するように設けているので、前部カバー32aを外すのみで調整が行なえて、その調整作業が容易に行なえ作業能率がよい。また、他方の調節部94aは、フロントカバー32の後部カバー32b下方に位置するように設けているので、後部カバー32bを外すのみで調整が行なえて、その調整作業が容易に行なえ作業能率がよい。
【0033】
ここで、ブレーキペダル70とブレーキ手動レバー77に連動して作動して変速レバー82を「中立」位置に戻す中立復帰アーム83の構成と作用を詳述する。中立復帰アーム83には、変速レバー82を支持するレバー支持アーム90の上面に接当する上部復帰ローラ83aとレバー支持アーム90の下面に接当する下部復帰ローラ83bとが設けられている。そして、変速レバー82が「中立」位置の時には、ブレーキペダル70(ブレーキ手動レバー77)にてブレーキ作動させても上部復帰ローラ83aと下部復帰ローラ83bはレバー支持アーム90に接当しない。変速レバー82が「中立」位置から前進側に操作されている時には、ブレーキペダル70(ブレーキ手動レバー77)にてブレーキ作動させると下部復帰ローラ83bがレバー支持アーム90の下面に接当して変速レバー82が「中立」位置になるまでレバー支持アーム90を上動回動させる。逆に、変速レバー82が「中立」位置から後進側に操作されている時には、ブレーキペダル70(ブレーキ手動レバー77)にてブレーキ作動させると上部復帰ローラ83aがレバー支持アーム90の上面に接当して変速レバー82が「中立」位置になるまでレバー支持アーム90を下動回動させる。
【0034】
従って、ブレーキペダル70の踏み込み操作(または、ブレーキ手動レバー77の下方操作)すると、ブレーキが作動して主クラッチ(テンションプーリー)21aが切れ、変速レバー82を「中立」位置に戻して機体は停止する。
【0035】
次に、変速レバー82を「中立」位置から前進側及び後進側に増速した時に、自動的にエンジン20の調速装置が増速側に操作されてエンジン20の回転速度が上がる自動アクセル機構について説明する。
【0036】
99はアクセル連動アームであって、ハンドルコラム34aに上端部が固定された支持アーム100の下端に設けた枢支軸101に回動自在に枢支されている。そして、102はアクセル操作ワイヤであって、その一端がアクセル連動アーム99に連結され、他端がエンジン20の調速装置に連結されている。
【0037】
アクセル連動アーム99には、前進側増速カム部99aと後進側増速カム部99bとが形成されており、前記変速レバー82を支持するレバー支持アーム90に設けた前進側増速用ピン90aが前進側増速カム部99aと接当し、変速レバー82を支持するレバー支持アーム90に設けた後進側増速用ピン90bが後進側増速カム部99bと接当するように構成してある。
【0038】
即ち、変速レバー82が図6に示す中立位置から図7の図イに示す前進増速側に操作されると、レバー支持アーム90に設けた前進側増速用ピン90aが前進側増速カム部99aと接当してアクセル連動アーム99を変速レバー82の前進側操作量に応じて時計回り方向に回転させ、アクセル操作ワイヤ102が引かれて、エンジン20の調速装置が変速レバー82の前進側操作量に応じて増速側に操作されてエンジン20の回転速度が上がる。逆に、変速レバー82が図6に示す中立位置から図7の図ロに示す後進増速側に操作されると、レバー支持アーム90に設けた後進側増速用ピン90bが後進側増速カム部99bと接当してアクセル連動アーム99を変速レバー82の後進側操作量に応じて時計回り方向に回転させ、アクセル操作ワイヤ102が引かれて、エンジン20の調速装置が変速レバー82の後進側操作量に応じて増速側に操作されてエンジン20の回転速度が上がる。従って、変速レバー82による機体の進行速度の増速操作量に応じてエンジン20の回転速度が上がるので、良好な増速操作が行なえて、エンジン20が出力不足の状態になることもなく、車体は適切に増速走行できる。
【0039】
また、アクセル操作ワイヤ102のアウターワイヤ受け部102aは、ハンドルコラム34aに基部が固定された受け板に設けられている。そして、該アウターワイヤ受け部102aには、一般的な螺子とナットによるアウターワイヤの位置調節をする調節部102bが設けられているので、自動アクセル機構のエンジン20の調速装置への連動状態を調節することができる。特に、この調節部102bは、フロントカバー32の後部カバー32b内に位置するように設けているので、後部カバー32bを外すのみで自動アクセル機構の調整が行なえて、その調整作業が容易に行なえ作業能率がよい。
【0040】
一方、アクセル操作ワイヤ102のフロアステップ35下方位置の中途部は、前後アウター受け部103a・103bに固定されており、該前後アウター受け部103a・103b間のインナーワイヤ部104は剥き出しになっており、該剥き出しになったインナーワイヤ部104に係合部材104aが固着されている。そして、機体に設けたアクセルアーム枢支軸105に回動自在に枢支されたアクセルペダル106と一体に構成されたアクセル作動アーム107の上端部に設けた貫通孔をインナーワイヤ部104が貫通して設けており、アクセル作動アーム107の前面とインナーワイヤ部104の係合部材104aとが接当した構成となっている。従って、アクセルペダル106を操縦者が踏むと、アクセル作動アーム107の前面にて係合部材104aを押してインナーワイヤ部104は前方に引いた状態となり、エンジン20の調速装置が増速側に操作されてエンジン20の回転速度が上がる。
【0041】
次に、図8に基づいて、作業操作レバー110による苗植付部4の昇降作動及び苗植付部4の駆動の入り切り操作の構成を説明する。作業操作レバー110は、ハンドル34の右側方位置に配置され、ハンドルコラム34aに固定された第4枢支軸111に回動自在に枢支された作業レバー支持アーム112の上端部に装着されている。
【0042】
そして、ハンドルコラム34aに端部が固定された支持板に固定された第5枢支軸113に回動自在に枢支された位置決め体114の先端部に位置決めローラ115を装着し、作業レバー支持アーム112に形成した4つの位置決め用の凹み部116…に位置決めローラ115が係合するようにバネ117にて位置決め体114の先端部を上方に向けて付勢している。如かして、作業操作レバー110は、4つの操作位置(上昇・固定・切・入)にて保持される構成となっている。即ち、作業操作レバー110を「上昇」位置に操作した時は、連携操作機構118にて昇降油圧シリンダ46を制御する油圧バルブ46aを切り替えて苗植付部4を強制上昇させる(この時、苗植付部4への駆動は切りとなっている)。また、作業操作レバー110を「固定」位置に操作した時は、連携操作機構118にて昇降油圧シリンダ46を制御する油圧バルブ46aを中立位置にして苗植付部4が上昇も下降もしない状態となる(この時、苗植付部4への駆動は切りとなっている)。また、作業操作レバー110を「切」位置に操作した時は、連携操作機構118にて昇降油圧シリンダ46を制御する油圧バルブ46aがセンターフロート55の前部の上下動による迎角制御センサの検出結果に応じて切り替えられる自動上下動制御状態となり、苗植付部4への駆動は切りとなっている。また、作業操作レバー110を「入」位置に操作した時は、連携操作機構118にて昇降油圧シリンダ46を制御する油圧バルブ46aがセンターフロート55の前部の上下動による迎角制御センサの検出結果に応じて切り替えられる自動上下動制御状態となり、苗植付部4への駆動は入りとなっている。
【0043】
一方、ハンドル34を操作すると、ハンドル34に連携した前輪10,10を操向作動するピットマンアーム120が回動するが、該ピットマンアーム120と位置決め体114の先端部とを下部ロッド121・中継アーム122・上部ロッド123にて連携しており、畦際で機体を旋回させる為にハンドル34を所定量以上操作すると、該ピットマンアーム120の所定量以上の回動にて位置決め体114の先端部がバネ117に抗して引き下げられて、位置決めローラ115が位置決め用の凹み部116から外れる。すると、作業レバー支持アーム112の保持が解除されるので、作業操作レバー110はバネ124の付勢力にて自動的に「上昇」位置になる。尚、上部ロッド123には、その長さを調節する調節部123aが設けてあり、該調節部123aにて上部ロッド123の長さを調節することにより、作業操作レバー110を自動的に「上昇」位置にするハンドル34の操作量を調整できる構成となっている。特に、この調節部123aは、フロントカバー32の前部カバー32a内に位置するように設けているので、前部カバー32aを外すのみで調整が行なえて、その調整作業が容易に行なえ作業能率がよい。
【0044】
従って、圃場にて苗植付け作業を行なっていて、畦際で機体を旋回させる為にハンドル34を所定量以上操作すると、作業操作レバー110は自動的に「上昇」位置になり、苗植付部4への駆動は切れ苗植付部4は強制上昇し、旋回時の作業操作レバー110操作が不要であるので、作業能率が向上して良好な苗植付け作業が行える。
【0045】
125は作業レバー支持アーム112と昇降油圧シリンダ46とを連携するオートリターン操作ワイヤであって、作業操作レバー110が「上昇」位置に操作されて苗植付部4が最上昇位置まで上昇するまで昇降油圧シリンダ46が作動すると、該昇降油圧シリンダ46の作動にてオートリターン操作ワイヤ125が引かれて、作業操作レバー110を「上昇」位置から「固定」位置まで自動的に戻す。尚、オートリターン操作ワイヤ125のアウターワイヤ受け部125aは、ハンドルコラム34aに基部が固定された受け板に設けられている。そして、該アウターワイヤ受け部125aには、一般的な螺子とナットによるアウターワイヤの位置調節をする調節部125bが設けられているので、作業操作レバー110を「上昇」位置から「固定」位置まで自動的に戻すタイミングを調節することができる。特に、この調節部125bは、フロントカバー32の前部カバー32a内に位置するように設けているので、前部カバー32aを外すのみで調整が行なえて、その調整作業が容易に行なえ作業能率がよい。
【0046】
130は機体前部に設けた機体押さえアームであって、畦越え時等に操縦者が車体から降りて、車体前方で変速レバー82を操作して車体を微速前進させて畦越え等を行なうが、この際、車体が後方に大きく傾斜して不安定になるので操縦者はこの機体押さえアーム130を握って体重を掛けて、車体が後方に転倒するのを防止する為に用いる。この時、ブレーキ手動レバー77が車体前方から容易に操作できる位置にあるので、転倒等の危険時には、即座に該ブレーキ手動レバー77を操作して機体の進行を停止できて安全である。尚、この機体押さえアーム130は、枢支軸131にて回動自在に装着されており、直立した収納状態と前方に張り出した使用状態とに切替えれるようになっている。
【0047】
132は機体押さえアーム130の上端部に設けたセンターマスコットであって、前工程で機体の進行方向中心線上に圃場に形成した指標ラインに操縦者が合わせて、機体を直進させる為のものである。
【0048】
上記のように、ブレーキペダル70を踏み込み操作した時にブレーキが作動するタイミングを調節する調節部72a、ブレーキペダル70を踏み込み操作した時にクラッチが切れるタイミングを調節する調節部84a、変速レバー82を中立位置に操作した時に油圧式無段変速装置23が中立に操作されるように調節できる調節部93a、自動アクセル機構のエンジン20の調速装置への連動状態を調節する調節部102b、作業操作レバー110を自動的に「上昇」位置にするハンドル34の操作量を調整する上部ロッド123の長さ調節部123a、及び作業操作レバー110を「上昇」位置から「固定」位置まで自動的に戻すタイミングを調節するオートリターン操作ワイヤ125の調節部125b等の各種操作系の調節部は、フロントカバー32内に位置するように設けているので、フロントカバー32を外すのみで車体前部にて種々の調整が行なえて、その調整作業が容易に且つ作業能率良く行なえる。また、昇降油圧シリンダ46を制御する油圧バルブ46aもフロントカバー32の下方に位置して設けているので、フロントカバー32(前部カバー32a)を外すのみで車体前部にて油圧バルブ46aの調整が行なえて、その調整作業が容易に且つ作業能率良く行なえる。
【0049】
また、前輪10,10を操向作動するピットマンアーム120を装着したミッションケース12の上面にパワステ機構(トルクジェネレータ)140を固定し、そのパワステ機構140の上面にハンドルコラム34aを固定し、該ハンドルコラム34aにブレーキペダル70とその操作連携機構及び変速レバー82とその操作連携機構及び作業操作レバー110とその操作連携機構を装着した構成としている。従って、ハンドルコラム34aに各種操作系を組み付けた状態で、パワステ機構140の上面にハンドルコラム34aを固定すれば生産が容易に行なえ、また、機械を修理する場合も、ハンドルコラム34aに各種操作系を組み付けた状態で機体から取り外すことができて、修理作業が容易に行なえる。
【0050】
最後に、図9はフロアステップ35とエンジンカバー30の側面図であるが、エンジン20をリコイルスタータで始動する型式の他の実施例を示す。エンジン20をリコイルスタータで始動する場合には、リコイルスタータのノブ150を操縦者が引けるようにカバー外側部に配置する必要がある。従来は、フロアステップ35若しくはエンジンカバー30に孔を設けてその孔部にノブ保持金具を取り付けて、リコイルスタータのノブ150を操縦者が引けるようにカバー外側部に配置していた。
【0051】
図9の例は、フロアステップ35のエンジンカバー30との接合部に、切り欠部151を設けて、エンジンカバー30を開けた状態で該切り欠部151をとおしてリコイルの紐150aを外に出し、エンジンカバー30を閉めるとリコイルスタータのノブ150はエンジンカバー30で塞がれて孔状になった切り欠部151にて保持される。従って、フロアステップ35のエンジンカバー30で簡潔な構成でリコイルスタータのノブ150を保持できて、安価な機械を得ることができ、然も、切り欠部151は紐150aが通る程度の小さなものでよく、外観上もきれいで製品価値が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、田植機以外に、野菜移植機やイ草移植機等の色々な苗移植機に適用できる。
【符号の説明】
【0053】
2 走行車体
3 昇降リンク装置
4 苗植付部
10 前輪
21a 主クラッチ(テンションプーリー)
31 座席
34 ハンドル
35 フロアステップ
70 ブレーキペダル
71 支持軸
77 ブレーキ手動レバー
77c 操作アーム
78 回動軸
79 連結部材
80 保持機構
A 連携機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行車体(2)の後側に昇降リンク装置(3)を介して苗植付部(4)を昇降可能に装着し、走行車体(2)の座席(31)の前方には前輪(10)を操向操作するハンドル(34)を配置し、該ハンドル(34)の左右側方及び後方に作業者が移動できるフロアステップ(35)を設けた乗用型苗移植機において、該ハンドル(34)の下側に設けた支持軸(71)にブレーキペダル(70)を設け、ブレーキペダル(70)の前方側で上方に延びるブレーキ手動レバー(77)を回動操作自在に設けると共に、ブレーキペダル(70)を踏み込んだ状態でブレーキ作動状態を保持する保持機構(80)と、該保持機構(80)のブレーキ作動状態の保持を解除する操作アーム(77c)とを設け、ブレーキ手動レバー(77)とブレーキペダル(70)とを連結部材(79)にて連携し、変速レバー(82)を支持するレバー支持アーム(90)を設け、変速レバー(82)を中立位置に戻す中立復帰アーム(83)を支持軸(71)に設け、中立復帰アーム(83)には上部復帰ローラ(83a)と下部復帰ローラ(83b)を設け、変速レバー(82)が中立位置のときは、ブレーキペダル(70)を操作しても上部復帰ローラ(83a)及び下部復帰ローラ(83b)がレバー支持アーム(90)に接当せず、変速レバー(82)が前進側に操作されているときは、ブレーキペダル(70)の操作により下部復帰ローラ(83b)がレバー支持アーム(90)の下面に接当して変速レバー(82)を中立位置に戻し、変速レバー(82)が後進側に操作されているときは、ブレーキペダル(70)の操作により上部復帰ローラ(83a)がレバー支持アーム(90)の上面に接当して変速レバー(82)を中立位置に戻す構成としたことを特徴とする乗用型苗移植機。
【請求項2】
フロアステップ(35)の下面に設けた回動軸(78)にブレーキ手動レバー(77)を前方下方に向けて回動操作自在に設けると共に、ハンドル(34)の下側に設けた支持軸(71)の左右一側にブレーキペダル(70)を吊り下げて設け、支持軸(71)の左右他側にブレーキペダル(70)を操作してブレーキを作動させた時に主クラッチ(21a)を切り操作する連携機構を設けた請求項1記載の乗用型苗移植機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−5492(P2012−5492A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−168487(P2011−168487)
【出願日】平成23年8月1日(2011.8.1)
【分割の表示】特願2006−150141(P2006−150141)の分割
【原出願日】平成18年5月30日(2006.5.30)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】