乗用移植機
【課題】走行変速レバーの操作中における植付操作ボタンの操作性を向上させる。
【解決手段】植付クラッチの切り操作及び植付作業機4の上昇操作が可能な第一植付操作ボタン17と、植付クラッチの入り操作及び植付作業機4の下降操作が可能な第二植付操作ボタン18を走行変速レバー14のレバーグリップ16に配置した乗用田植機1において、レバーグリップ16の上部は、その下側のレバーグリップ16の中央部よりも前後幅が広がるように前方に膨出し、第一植付操作ボタン17は、レバーグリップ16の上部の前後幅中間位置に配置し、第二植付操作ボタン18は、レバーグリップ16の中央部の前後幅中間位置よりも前端側に配置される。
【解決手段】植付クラッチの切り操作及び植付作業機4の上昇操作が可能な第一植付操作ボタン17と、植付クラッチの入り操作及び植付作業機4の下降操作が可能な第二植付操作ボタン18を走行変速レバー14のレバーグリップ16に配置した乗用田植機1において、レバーグリップ16の上部は、その下側のレバーグリップ16の中央部よりも前後幅が広がるように前方に膨出し、第一植付操作ボタン17は、レバーグリップ16の上部の前後幅中間位置に配置し、第二植付操作ボタン18は、レバーグリップ16の中央部の前後幅中間位置よりも前端側に配置される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植付クラッチの入り切り操作や植付作業機の昇降操作が可能な操作ボタンを備える乗用田植機などの乗用移植機に関する。
【背景技術】
【0002】
乗用移植機では、植付作業中に機体旋回(枕地旋回など)を行う場合、ステアリングハンドルを旋回操作する前に、走行速度の減速操作と、植付クラッチの切り操作と、植付作業機の上昇操作を行うのが一般的である。また、機体旋回後は、植付作業機の下降操作と、植付クラッチの入り操作と、走行速度の増速操作を行い、植付作業を再開するのが一般的である。
【0003】
以上のような植付作業時の機体旋回のために行う一連の操作を迅速に完了させるために、植付クラッチの切り操作及び植付作業機の上昇操作が可能な第一植付操作ボタンと、植付クラッチの入り操作及び植付作業機の下降操作が可能な第二植付操作ボタンとを備え、これらの植付操作ボタンを走行変速レバーのレバーグリップに配置した乗用移植機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、特許文献1に示される乗用移植機は、植付作業機の任意の高さへの昇降操作及び植付クラッチの入り切り操作が可能な植付操作具も別途備えるので、植付クラッチを切った状態で植付作業機の高さを状況に応じた任意の高さに設定することも可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−228602号公報
【特許文献2】特開平10−291429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、植付作業時の機体旋回のために行う一連の操作は、それぞれ独立的に順次実行することが可能であるが、熟練したオペレータは、走行変速レバーの操作と植付操作ボタンの操作を同時に行うことがある。例えば、機体旋回前は、走行変速レバーを減速操作しながら第一植付操作ボタンを操作し、機体旋回後は、第二植付操作ボタンを操作しながら走行変速レバーの増速操作を行うことがあるが、特許文献1に示される乗用移植機では、このような同時操作を想定していないので、走行変速レバーと植付操作ボタンを同時操作する際の操作性に問題があった。
【0007】
尚、トラクタにおいては、走行副変速装置を機械的に操作する副変速レバーに、走行主変速装置を電気的に操作する主変速スイッチを配置したものが知られているが(例えば、特許文献2参照)、副変速レバーを操作しながら主変速スイッチを操作することは想定していないので、このようなスイッチの配置を流用しても、上記の問題を解決することは困難である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、植付作業機の任意の高さへの昇降操作及び植付クラッチの入り切り操作が可能な植付操作具とは別に、植付クラッチの切り操作及び植付作業機の上昇操作が可能な第一植付操作ボタンと、植付クラッチの入り操作及び植付作業機の下降操作が可能な第二植付操作ボタンとを備え、これらの植付操作ボタンを走行変速レバーのレバーグリップに配置した乗用移植機において、前記走行変速レバーは、レバーグリップ上部を上側から握り、前方への押し操作に応じて走行速度を増速、後方への引き操作に応じて走行速度を減速させるように構成し、第一植付操作ボタン及び第二植付操作ボタンは、走行変速レバーのレバーグリップ上部を上側から握った手の親指で押し操作すべく、レバーグリップ側面部に上下に並ぶように配置するにあたり、レバーグリップ上部は、その下側のレバーグリップ中央部よりも前後幅が広がるように前方に膨出し、第一植付操作ボタンは、レバーグリップ上部の前後幅中間位置に配置し、第二植付操作ボタンは、レバーグリップ中央部の前後幅中間位置よりも前端側に配置したことを特徴とする。
また、前記レバーグリップ上部は、機体外方側に膨出する外方膨出部を備えることを特徴とする。
また、前記レバーグリップ上部は、第一植付操作ボタンの上側に沿って突出するひさし部を備えることを特徴とする。
また、前記第一植付操作ボタンと第二植付操作ボタンは、押し操作方向の高さ寸法が相違することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、レバーグリップ上部は、その下側のレバーグリップ中央部よりも前後幅が広がるように前方に膨出しているので、レバーグリップの上部前端に対する指の掛かりがよくなり、走行変速レバーの後方への引き操作(減速操作)が容易になる。しかも、第一植付操作ボタンは、レバーグリップ上部の前後幅中間位置(レバーグリップの上部前端を基準とする操作し易い位置)に配置されるので、走行変速レバーの減速操作中でも容易に操作することができる。また、第二植付操作ボタンは、レバーグリップ中央部の前後幅中間位置よりも前端側(レバーグリップの中央部後端を基準とする操作し易い位置)に配置されるので、変速操作レバーの増速操作中でも容易に操作することができる。
また、請求項2の発明によれば、レバーグリップ上部は、機体外方側に膨出する外方膨出部を備えるので、レバーグリップ上部を上側から握った手の小指を安定に支持し、走行変速レバーの引き操作や植付操作ボタンの押し操作が容易になる。
また、請求項3の発明によれば、レバーグリップ上部は、第一植付操作ボタンの上側に沿って突出するひさし部を備えるので、非操作時の親指を安定に支持して親指の疲労を軽減できるだけでなく、第一植付操作ボタンの誤操作を防止することができる。
また、請求項4の発明によれば、第一植付操作ボタンと第二植付操作ボタンは、押し操作方向の高さ寸法が相違するので、各植付操作ボタンが高さ寸法で識別可能となり、誤操作の可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】乗用田植機の全体側面図である。
【図2】操作部の要部を示す後面図である。
【図3】レバーグリップの上部を上側から握った状態を示す斜視図である。
【図4】植付操作ボタンの操作状態を示すレバーグリップの正面図である。
【図5】走行変速レバーを後方に引き操作しながら第一植付操作ボタンを操作する状態を示すレバーグリップの側面図である。
【図6】走行変速レバーを前方に押し操作しながら第二植付操作ボタンを操作する状態を示すレバーグリップの側面図である。
【図7】レバーグリップの正面断面図である。
【図8】レバーグリップの右半部の内側を示す斜視図である。
【図9】レバーグリップの左半部の内側を示す斜視図である。
【図10】第一操作ボタン及び第二操作ボタンの内側を示す斜視図である。
【図11】他例に係る第一操作ボタン及び第二操作ボタンの内側を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1において、1は乗用田植機(乗用移植機)であって、該乗用田植機1は、走行機体2と、走行機体2の後部に昇降リンク機構3を介して連結される植付作業機4とを備えて構成されている。
【0012】
植付作業機4は、苗が載置される苗載台5、苗載台5から苗を掻取って植付ける植付機構6などを備えており、走行機体2から伝動される作業動力で植付作動を行う。また、走行機体2と昇降リンク機構3との間には、リフトシリンダ(図示せず)が介設されており、該リフトシリンダの油圧伸縮作動に応じて植付作業機4が昇降されるようになっている。
【0013】
走行機体2は、エンジン(図示せず)が搭載されるエンジン搭載部7、エンジン動力を無段変速するHST(図示せず)、HSTが変速した動力を機械的に変速するミッションケース8、オペレータが乗車する操作部9、操向輪及び駆動輪を兼ねる前輪10、駆動輪である後輪11などを備えている。HSTは、静油圧式無段変速装置であり、その変速操作領域には、機体停止位置であるニュートラル位置(N)と、機体を前進させる前進変速操作領域(F)と、機体を後進させる後進変速操作領域(R)とが含まれている。
【0014】
ミッションケース8内には、入力動力を変速して前輪10及び後輪11に伝動するための走行動力伝動経路と、入力動力を変速して植付作業機4に伝動するための作業動力伝動経路が構成されている。例えば、本実施形態の作業動力伝動経路には、作業動力を機械的に変速する株間変速機構(図示せず)、過負荷時に伝動を断つトルクリミッタ(図示せず)、作業動力を断続する植付クラッチ(図示せず)などが設けられている。
【0015】
図1及び図2に示すように、操作部9には、オペレータが座る運転席12が設けられると共に、運転席12の前方には、前輪10を操向するステアリングハンドル13、HSTを変速操作する走行変速レバー14、植付作業機4の昇降操作や植付クラッチの入り切り操作を行う植付操作レバー(植付操作具)15などが配置されている。
【0016】
走行変速レバー14は、レバーガイドパネル14aに形成されたガイド溝14bに沿って操作される。例えば、中立位置にある走行変速レバー14を右側(機体内方側)に操作した後、前方に操作すると、機体が前進する。そして、この前進変速操作領域で走行変速レバー14を前方に押し操作すると、走行速度が増速される一方、走行変速レバー14を後方に引き操作すると、走行速度が減速される。
【0017】
また、中立位置にある走行変速レバー14を左側(機体外方側)に操作した後、後方に引き操作すると、機体が後進する。そして、この後進変速操作領域で走行変速レバー14を後方に引き操作すると、走行速度が増速される一方、走行変速レバー14を前方に押し操作すると、走行速度が減速される。
【0018】
図3〜図7に示すように、走行変速レバー14の上端部には、オペレータが握るレバーグリップ16が取付けられている。このレバーグリップ16は、その上部を上側から握りながら、前方への押し操作(植付走行時の増速操作)や、後方への引き操作(植付走行時の減速操作)を行うように形成されている。
【0019】
また、レバーグリップ16には、植付クラッチの切り操作及び植付作業機4の上昇操作が可能な第一植付操作ボタン17と、植付クラッチの入り操作及び植付作業機4の下降操作が可能な第二植付操作ボタン18が設けられている。そして、第一植付操作ボタン17及び第二植付操作ボタン18は、レバーグリップ16の上部を上側から握った手の親指で押し操作すべく、レバーグリップ16の右側面部(機体内方側の側面部)に上下に並ぶように配置されている。
【0020】
例えば、植付作業機4が下降した植付作業時に、第一植付操作ボタン17を押し操作すると、植付クラッチが切り操作されると共に、植付作業機4が所定高さま上昇し、植付作業が中断される。一方、植付作業機4が上昇した状態で第二植付操作ボタン18を押し操作すると、植付作業機4が田面に沿う作業高さまで下降する。この状態で第二植付操作ボタン18を再び押し操作すると、植付クラッチが入り操作され、植付作業が再開される。これにより、走行変速レバー14のレバーグリップ16を握ったまま、植付作業機4の作業状態と非作業状態の切換操作を迅速に行うことが可能になる。
【0021】
植付操作レバー15は、ステアリングハンドル13の基端部から右側方に突出して設けられ、上下方向の操作により、植付作業機4の任意の高さへの昇降操作及び植付クラッチの入り切り操作が可能となっている。
【0022】
つまり、植付作業機4が田面に接地して植付クラッチが入っている状態で植付操作レバー15を上方に操作すると、植付クラッチが切り操作され、さらにこの状態で植付操作レバー15を再び上方に操作すると、植付作業機4が上昇する。また、植付作業機4が上昇位置に固定されている状態で植付操作レバー15を下方に操作すると、植付作業機4が接地位置まで下降し、さらにこの状態で植付操作レバー15を再び下方に操作すると、植付クラッチが入り操作される。また、植付作業機4の上昇作動中に植付操作レバー15を下方に操作すると、植付作業機4の上昇作動を任意の高さで停止させることができ、また、植付作業機4の下降作動中に植付操作レバー15を上方に操作すると、植付作業機4の下降作動を任意の高さで停止させることができ。
【0023】
尚、本実施形態の乗用田植機1は、図示しない制御装置を備えており、この制御装置が、植付操作レバー15や植付操作ボタン17、18の操作信号を入力し、該入力に応じて植付クラッチ用電磁バルブやリフトシリンダ用電磁バルブを切り換えることにより、植付クラッチの入り切り操作や植付作業機4の昇降操作が実現されるが、その具体的な制御内容は、特開2008−228602号公報などで既に公知となっているので、本明細書での説明は省略する。
【0024】
次に、本発明の要部であるレバーグリップ16及び植付操作ボタン17、18について、図3〜図7を参照して詳細に説明する。
【0025】
上記のように構成される乗用田植機1では、植付作業中に機体旋回(枕地旋回など)を行う場合、ステアリングハンドル13を旋回操作する前に、走行速度の減速操作と、植付クラッチの切り操作と、植付作業機4の上昇操作を行う。また、機体旋回後は、植付作業機4の下降操作と、植付クラッチの入り操作と、走行速度の増速操作を行い、植付作業を再開する。
【0026】
本発明の実施形態に係る乗用田植機1は、以上のような植付作業時の機体旋回のために行う一連の操作を迅速に完了させるために、植付クラッチの切り操作及び植付作業機4の上昇操作が可能な第一植付操作ボタン17と、植付クラッチの入り操作及び植付作業機4の下降操作が可能な第二植付操作ボタン18とを備え、これらの植付操作ボタン17、18を走行変速レバー14のレバーグリップ16に配置している。つまり、走行変速レバー14のレバーグリップ16を握ったまま、植付作業機4の作業状態と非作業状態の切換操作を迅速に行うことが可能になる。
【0027】
ところで、植付作業時の機体旋回のために行う一連の操作は、それぞれ独立的に順次実行することが可能であるが、熟練したオペレータは、走行変速レバー14の操作と植付操作ボタン17、18の操作を同時に行うことがある。例えば、機体旋回前は、走行変速レバー14を減速操作しながら第一植付操作ボタン17を操作し、機体旋回後は、第二植付操作ボタン18を操作しながら走行変速レバー14の増速操作を行うことがあるが、従来の乗用移植機では、このような同時操作を想定していないので、走行変速レバー14と植付操作ボタン17、18を同時操作する際の操作性に問題があった。
【0028】
本発明の実施形態に係る乗用田植機1では、上記のような問題を解決するために、まず、レバーグリップ16の上部に、前方に膨出する前方膨出部16aを形成し、レバーグリップ上部前後幅を、その下側のレバーグリップ中央部前後幅よりも広がるようにしてある。このようにすると、レバーグリップ16の上部前端に対する指の掛かりがよくなり、走行変速レバー14の後方への引き操作(減速操作)が容易になる。
【0029】
次に、レバーグリップ16における第一植付操作ボタン17及び第二植付操作ボタン18の配置を最適化する。つまり、第一植付操作ボタン17は、レバーグリップ上部の前後幅中間位置に配置し、第二植付操作ボタン18は、レバーグリップ中央部の前後幅中間位置よりも前端側に配置する。このようにすると、第一植付操作ボタン17は、レバーグリップ16の上部前端を基準として操作し易い位置に配置されるので、走行変速レバー14の減速操作中でも容易に操作することができる。また、第二植付操作ボタン18は、レバーグリップ16の中央部後端を基準として操作し易い位置に配置されるので、走行変速レバー14の増速操作中でも容易に操作することができる。
【0030】
また、本実施形態では、レバーグリップ16の上部に、機体外方側に膨出する外方膨出部16bを形成している。この外方膨出部16bは、レバーグリップ16の上部を上側から握った手の小指を安定に支持することができるので、走行変速レバー14の引き操作が容易になり、また、植付操作ボタン17、18の押し操作時には、小指によって手の機体外方側への滑りを抑制できるので、植付操作ボタン17、18の操作性も向上させることができる。
【0031】
また、本実施形態では、レバーグリップ16の上部に、第一植付操作ボタン17の上側に沿って突出するひさし部16cを形成している。このひさし部16cは、非操作時の親指を安定に支持することができるので、親指の疲労を軽減できるだけでなく、第一植付操作ボタン17の誤操作を防止することができる。
【0032】
また、本実施形態では、第一植付操作ボタン17と第二植付操作ボタン18の押し操作方向の高さ寸法が相違させている。例えば、第一植付操作ボタン17を高く、第二植付操作ボタン18を低くする。このようにすると、各植付操作ボタン17、18が高さ寸法で識別可能となるので、誤操作の可能性を低減することができる。
【0033】
次に、レバーグリップ16の取付構造について、図3〜図10を参照して詳細に説明する。
【0034】
近年、この種の作業車両では、操作具の操作性を向上させたり、操作具の誤操作を防止するために、操作具を色分けすることが提案されている。例えば、走行系操作レバーのレバーグリップと、作業系操作レバーのレバーグリップを、異なる色で色分けすることにより、操作性の向上や誤操作の防止を図ることが可能となるが、レバーグリップを色分けすると、レバーグリップの共通化や流用が困難になるので、部品点数の増加やコストアップをまねくという問題があった。
【0035】
本発明の実施形態に係る乗用田植機1では、上記のような問題を解決するために、走行変速レバー14のレバーグリップ16を下記のような構成としてる。つまり、後方から視認される走行変速レバー14のレバーグリップ16において、その下端部に、左右を向く取付ネジ(ボルト19とナット19a)を用いて走行変速レバー14(レバーパイプ)の上端部に取付けられる取付部16dを形成し、該取付部16dを、走行変速レバー14の種類を示す色が付された取付部カバー20で覆うと共に、該取付部カバー20を、前方が開放した平面視コ字形状とし、取付部16dに対して後方から嵌合させる構成としてある。
【0036】
このようにすると、取付部カバー20を利用して走行変速レバー14の種類を色分けすることができるので、レバーグリップ全体を色分けする場合に比べ、レバーグリップ16の共通化や流用が容易になり、その結果、部品点数の削減やコストダウンを図ることが可能になる。しかも、取付部カバー20は、前方が開放した平面視コ字形状とし、取付部16dに対して後方から嵌合されるので、後方から視認される走行変速レバー14において良好な視認性を発揮し、走行変速レバー14の種類を明確に示すことができる。
【0037】
また、本実施形態では、レバーグリップ16を、前後方向の割り面を境界として左右に分割形成すると共に、左右に分割形成されたレバーグリップ16L、16Rのうち、右半部レバーグリップ16Rの側面部に、植付操作ボタン17、18を配置している。このようにすると、植付操作ボタン17、18の位置を横切るように割り面を形成する場合に比べ、防水性を高めることができるだけでなく、植付操作ボタン用のスイッチ基板21の組み込みも容易になる。しかも、左右に分割形成されたレバーグリップ16L、16Rの取付部16dは、左右を向く取付ネジによって連結固定できるだけでなく、平面視コ字形状の取付部カバー20が嵌合されるので、取付部16dの左右方向への開きも確実に防止することができる。
【0038】
尚、本発明の実施形態に係るレバーグリップ16は、乗用田植機に限らず、種々の作業車両に適用できることは言うまでもない。また、本実施形態では、レバーグリップ16L、16Rの取付部16dに、走行変速レバー14のレバーパイプ上端部に左右から嵌合する凹部16eと、ボルト19を貫通させる取付孔16fを形成し、左右方向からボルト19を貫通させて、ナット19aを締め付けることにより、走行変速レバー14にレバーグリップ16を取付けるが、取付部16dの構成はこれに限定されない。
【0039】
次に、レバーグリップ16の内部構造について、図7〜図11を参照して詳細に説明する。
【0040】
図7に示すように、レバーグリップ16の内部には、スイッチ基板21が組み込まれる。スイッチ基板21は、プリント基板21aと、第一植付操作ボタン17の押し操作を検出するスイッチ21bと、第二植付操作ボタン18の押し操作を検出するスイッチ21cと、プリント基板21aから引き出される配線21dとを備えて構成されている。
【0041】
本実施形態では、上記のスイッチ基板21をレバーグリップ16内に組み込むにあたり、左右に分割されたレバーグリップ16L、16Rのいずれか一方にスイッチ基板21を予めネジ固定することなく、各レバーグリップ16L、16Rの内側に突設したリブ16g、16h間でスイッチ基板21を挟持状に固定するようにしている。このようにすると、ネジやネジ固定用の孔が不要になるだけでなく、組立工数も減らすことができる。尚、本実施形態では、右半部レバーグリップ16R側のリブ16hに、スイッチ基板21の角部などに当接する位置決め部16iを形成しているので、スイッチ基板21の上下及び左右方向の移動も確実に規制することができる。
【0042】
また、本実施形態では、左半部レバーグリップ16Lの内側に複数のリブ16gを突設するにあたり、リブ16g同士を連結する補強リブ16jを形成している。このようにすると、リブ16gの突出寸法が大きくても、強度不足によるリブ16gの折れを防止できる。しかも、本実施形態の補強リブ16jは、リブ16gよりも突出高さを低くしているので、配線21dの邪魔になることを回避できるだけでなく、成型時においてグリップ表面側に樹脂材料のヒケが発生することも抑制することができる。
【0043】
また、本実施形態では、左右に分割されたレバーグリップ16L、16Rの合わせ面をパッキン22を介して気密的に重ね合わせるにあたり、合わせ目からパッキン22が見え、外観の低下を招くという不都合を防止することができる。つまり、通常は、レバーグリップ16L、16Rの合わせ面に凹部を形成し、凹部間でパッキン22を挟み込むが、本実施形態では、図7に示すように、左半部レバーグリップ16Lの合わせ面に深い凹部16kを形成する一方、右半部レバーグリップ16Rの合わせ面に凹部16kに嵌入する凸部16lを形成し、凹部16kと凸部16l間でパッキン22を挟み込むようにしている。これにより、合わせ目からパッキン22が露出することを確実に防止できる。
【0044】
また、本実施形態では、植付操作ボタン17、18をゴム質弾性部材で形成するにあたり、断面ハット状に形成される植付操作ボタン17、18の内部に、スイッチ21b、21cの周囲を囲むガイドリブ17a、18aを形成している。このようにすると、ゴム質弾性部材で形成された植付操作ボタン17、18であっても、その押し操作に応じてスイッチ21b、21cを確実に押すことができる。
【0045】
また、本実施形態では、植付操作ボタン17、18の高さを相違させるにあたり、それに合わせてガイドリブ17a、18aやその内部に形成されるスイッチ押圧部17b、18bの高さも相違させている。これにより、スイッチ基板21におけるスイッチ21b、21cの高さを変えることなく、高さが異なる植付操作ボタン17、18の押し操作を検出することが可能になる。
【0046】
また、図11に示すように、ガイドリブ17a、18a内に円柱状のスイッチ押圧部17b、18bを突設するようにしてもよい。このようにすると、植付操作ボタン17、18が斜めに押された場合であっても、植付操作ボタン17、18の押し操作を確実に検出できる。
【0047】
尚、本実施形態の植付操作ボタン17、18では、スイッチ押圧部17b、18bもゴム質弾性部材で形成しているが、それよりも硬い材料でスイッチ押圧部17b、18bを形成し、ガイドリブ17a、18a内に嵌め込むようにしてもよい。このようにすると、植付操作ボタン17、18の押し操作を確実に検出できるだけでなく、植付操作ボタン17、18の操作感を変更することができる。
【0048】
また、本実施形態では、植付操作ボタン17、18とレバーグリップ16を別体としているが、両者を一体成形するようにしてもよい。このようにすると、部品点数や組立工数を削減できるだけでなく、防水性や防塵性も向上させることができる。
【0049】
叙述の如く構成されたものにおいて、植付作業機4の任意の高さへの昇降操作及び植付クラッチの入り切り操作が可能な植付操作レバー15とは別に、植付クラッチの切り操作及び植付作業機4の上昇操作が可能な第一植付操作ボタン17と、植付クラッチの入り操作及び植付作業機4の下降操作が可能な第二植付操作ボタン18とを備え、これらの植付操作ボタン17、18を走行変速レバー14のレバーグリップ16に配置した乗用田植機1において、走行変速レバー14は、レバーグリップ16の上部を上側から握り、前方への押し操作に応じて走行速度を増速、後方への引き操作に応じて走行速度を減速させるように構成し、第一植付操作ボタン17及び第二植付操作ボタン18は、走行変速レバー14のレバーグリップ16の上部を上側から握った手の親指で押し操作すべく、レバーグリップ16の側面部に上下に並ぶように配置するにあたり、レバーグリップ16の上部は、その下側のレバーグリップ16の中央部よりも前後幅が広がるように前方に膨出し、第一植付操作ボタン17は、レバーグリップ16の上部の前後幅中間位置に配置し、第二植付操作ボタン18は、レバーグリップ16の中央部の前後幅中間位置よりも前端側に配置される。このようにすると、レバーグリップ16の上部は、その下側のレバーグリップ16の中央部よりも前後幅が広がるように前方に膨出させたことによって、レバーグリップ16の上部前端に対する指の掛かりがよくなり、走行変速レバー14の後方への引き操作(減速操作)が容易になる。しかも、第一植付操作ボタン17は、レバーグリップ16の上部の前後幅中間位置(レバーグリップの上部前端を基準とする操作し易い位置)に配置されるので、走行変速レバー14の減速操作中でも容易に操作することができる。また、第二植付操作ボタン18は、レバーグリップ16の中央部の前後幅中間位置よりも前端側(レバーグリップの中央部後端を基準とする操作し易い位置)に配置されるので、走行変速レバー14の増速操作中でも容易に操作することができる。
【0050】
また、レバーグリップ16の上部は、機体外方側に膨出する外方膨出部16bを備えるので、レバーグリップ16の上部を上側から握った手の小指を安定に支持し、走行変速レバー14の引き操作や植付操作ボタン17、18の押し操作が容易になる。
【0051】
また、レバーグリップ16の上部は、第一植付操作ボタン17の上側に沿って突出するひさし部16cを備えるので、非操作時の親指を安定に支持して親指の疲労を軽減できるだけでなく、第一植付操作ボタン17の誤操作を防止することができる。
【0052】
また、第一植付操作ボタン17と第二植付操作ボタン18は、押し操作方向の高さ寸法が相違するので、各植付操作ボタン17、18が高さ寸法で識別可能となり、誤操作の可能性を低減することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 乗用田植機
2 走行機体
4 植付作業機
13 ステアリングハンドル
14 走行変速レバー
15 植付操作レバー
16 レバーグリップ
16a 前方膨出部
16b 外方膨出部
16c ひさし部
16d 取付部
17 第一植付操作ボタン
18 第二植付操作ボタン
19 取付ネジ(ボルト)
20 取付部カバー
21 スイッチ基板
【技術分野】
【0001】
本発明は、植付クラッチの入り切り操作や植付作業機の昇降操作が可能な操作ボタンを備える乗用田植機などの乗用移植機に関する。
【背景技術】
【0002】
乗用移植機では、植付作業中に機体旋回(枕地旋回など)を行う場合、ステアリングハンドルを旋回操作する前に、走行速度の減速操作と、植付クラッチの切り操作と、植付作業機の上昇操作を行うのが一般的である。また、機体旋回後は、植付作業機の下降操作と、植付クラッチの入り操作と、走行速度の増速操作を行い、植付作業を再開するのが一般的である。
【0003】
以上のような植付作業時の機体旋回のために行う一連の操作を迅速に完了させるために、植付クラッチの切り操作及び植付作業機の上昇操作が可能な第一植付操作ボタンと、植付クラッチの入り操作及び植付作業機の下降操作が可能な第二植付操作ボタンとを備え、これらの植付操作ボタンを走行変速レバーのレバーグリップに配置した乗用移植機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、特許文献1に示される乗用移植機は、植付作業機の任意の高さへの昇降操作及び植付クラッチの入り切り操作が可能な植付操作具も別途備えるので、植付クラッチを切った状態で植付作業機の高さを状況に応じた任意の高さに設定することも可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−228602号公報
【特許文献2】特開平10−291429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、植付作業時の機体旋回のために行う一連の操作は、それぞれ独立的に順次実行することが可能であるが、熟練したオペレータは、走行変速レバーの操作と植付操作ボタンの操作を同時に行うことがある。例えば、機体旋回前は、走行変速レバーを減速操作しながら第一植付操作ボタンを操作し、機体旋回後は、第二植付操作ボタンを操作しながら走行変速レバーの増速操作を行うことがあるが、特許文献1に示される乗用移植機では、このような同時操作を想定していないので、走行変速レバーと植付操作ボタンを同時操作する際の操作性に問題があった。
【0007】
尚、トラクタにおいては、走行副変速装置を機械的に操作する副変速レバーに、走行主変速装置を電気的に操作する主変速スイッチを配置したものが知られているが(例えば、特許文献2参照)、副変速レバーを操作しながら主変速スイッチを操作することは想定していないので、このようなスイッチの配置を流用しても、上記の問題を解決することは困難である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、植付作業機の任意の高さへの昇降操作及び植付クラッチの入り切り操作が可能な植付操作具とは別に、植付クラッチの切り操作及び植付作業機の上昇操作が可能な第一植付操作ボタンと、植付クラッチの入り操作及び植付作業機の下降操作が可能な第二植付操作ボタンとを備え、これらの植付操作ボタンを走行変速レバーのレバーグリップに配置した乗用移植機において、前記走行変速レバーは、レバーグリップ上部を上側から握り、前方への押し操作に応じて走行速度を増速、後方への引き操作に応じて走行速度を減速させるように構成し、第一植付操作ボタン及び第二植付操作ボタンは、走行変速レバーのレバーグリップ上部を上側から握った手の親指で押し操作すべく、レバーグリップ側面部に上下に並ぶように配置するにあたり、レバーグリップ上部は、その下側のレバーグリップ中央部よりも前後幅が広がるように前方に膨出し、第一植付操作ボタンは、レバーグリップ上部の前後幅中間位置に配置し、第二植付操作ボタンは、レバーグリップ中央部の前後幅中間位置よりも前端側に配置したことを特徴とする。
また、前記レバーグリップ上部は、機体外方側に膨出する外方膨出部を備えることを特徴とする。
また、前記レバーグリップ上部は、第一植付操作ボタンの上側に沿って突出するひさし部を備えることを特徴とする。
また、前記第一植付操作ボタンと第二植付操作ボタンは、押し操作方向の高さ寸法が相違することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、レバーグリップ上部は、その下側のレバーグリップ中央部よりも前後幅が広がるように前方に膨出しているので、レバーグリップの上部前端に対する指の掛かりがよくなり、走行変速レバーの後方への引き操作(減速操作)が容易になる。しかも、第一植付操作ボタンは、レバーグリップ上部の前後幅中間位置(レバーグリップの上部前端を基準とする操作し易い位置)に配置されるので、走行変速レバーの減速操作中でも容易に操作することができる。また、第二植付操作ボタンは、レバーグリップ中央部の前後幅中間位置よりも前端側(レバーグリップの中央部後端を基準とする操作し易い位置)に配置されるので、変速操作レバーの増速操作中でも容易に操作することができる。
また、請求項2の発明によれば、レバーグリップ上部は、機体外方側に膨出する外方膨出部を備えるので、レバーグリップ上部を上側から握った手の小指を安定に支持し、走行変速レバーの引き操作や植付操作ボタンの押し操作が容易になる。
また、請求項3の発明によれば、レバーグリップ上部は、第一植付操作ボタンの上側に沿って突出するひさし部を備えるので、非操作時の親指を安定に支持して親指の疲労を軽減できるだけでなく、第一植付操作ボタンの誤操作を防止することができる。
また、請求項4の発明によれば、第一植付操作ボタンと第二植付操作ボタンは、押し操作方向の高さ寸法が相違するので、各植付操作ボタンが高さ寸法で識別可能となり、誤操作の可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】乗用田植機の全体側面図である。
【図2】操作部の要部を示す後面図である。
【図3】レバーグリップの上部を上側から握った状態を示す斜視図である。
【図4】植付操作ボタンの操作状態を示すレバーグリップの正面図である。
【図5】走行変速レバーを後方に引き操作しながら第一植付操作ボタンを操作する状態を示すレバーグリップの側面図である。
【図6】走行変速レバーを前方に押し操作しながら第二植付操作ボタンを操作する状態を示すレバーグリップの側面図である。
【図7】レバーグリップの正面断面図である。
【図8】レバーグリップの右半部の内側を示す斜視図である。
【図9】レバーグリップの左半部の内側を示す斜視図である。
【図10】第一操作ボタン及び第二操作ボタンの内側を示す斜視図である。
【図11】他例に係る第一操作ボタン及び第二操作ボタンの内側を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1において、1は乗用田植機(乗用移植機)であって、該乗用田植機1は、走行機体2と、走行機体2の後部に昇降リンク機構3を介して連結される植付作業機4とを備えて構成されている。
【0012】
植付作業機4は、苗が載置される苗載台5、苗載台5から苗を掻取って植付ける植付機構6などを備えており、走行機体2から伝動される作業動力で植付作動を行う。また、走行機体2と昇降リンク機構3との間には、リフトシリンダ(図示せず)が介設されており、該リフトシリンダの油圧伸縮作動に応じて植付作業機4が昇降されるようになっている。
【0013】
走行機体2は、エンジン(図示せず)が搭載されるエンジン搭載部7、エンジン動力を無段変速するHST(図示せず)、HSTが変速した動力を機械的に変速するミッションケース8、オペレータが乗車する操作部9、操向輪及び駆動輪を兼ねる前輪10、駆動輪である後輪11などを備えている。HSTは、静油圧式無段変速装置であり、その変速操作領域には、機体停止位置であるニュートラル位置(N)と、機体を前進させる前進変速操作領域(F)と、機体を後進させる後進変速操作領域(R)とが含まれている。
【0014】
ミッションケース8内には、入力動力を変速して前輪10及び後輪11に伝動するための走行動力伝動経路と、入力動力を変速して植付作業機4に伝動するための作業動力伝動経路が構成されている。例えば、本実施形態の作業動力伝動経路には、作業動力を機械的に変速する株間変速機構(図示せず)、過負荷時に伝動を断つトルクリミッタ(図示せず)、作業動力を断続する植付クラッチ(図示せず)などが設けられている。
【0015】
図1及び図2に示すように、操作部9には、オペレータが座る運転席12が設けられると共に、運転席12の前方には、前輪10を操向するステアリングハンドル13、HSTを変速操作する走行変速レバー14、植付作業機4の昇降操作や植付クラッチの入り切り操作を行う植付操作レバー(植付操作具)15などが配置されている。
【0016】
走行変速レバー14は、レバーガイドパネル14aに形成されたガイド溝14bに沿って操作される。例えば、中立位置にある走行変速レバー14を右側(機体内方側)に操作した後、前方に操作すると、機体が前進する。そして、この前進変速操作領域で走行変速レバー14を前方に押し操作すると、走行速度が増速される一方、走行変速レバー14を後方に引き操作すると、走行速度が減速される。
【0017】
また、中立位置にある走行変速レバー14を左側(機体外方側)に操作した後、後方に引き操作すると、機体が後進する。そして、この後進変速操作領域で走行変速レバー14を後方に引き操作すると、走行速度が増速される一方、走行変速レバー14を前方に押し操作すると、走行速度が減速される。
【0018】
図3〜図7に示すように、走行変速レバー14の上端部には、オペレータが握るレバーグリップ16が取付けられている。このレバーグリップ16は、その上部を上側から握りながら、前方への押し操作(植付走行時の増速操作)や、後方への引き操作(植付走行時の減速操作)を行うように形成されている。
【0019】
また、レバーグリップ16には、植付クラッチの切り操作及び植付作業機4の上昇操作が可能な第一植付操作ボタン17と、植付クラッチの入り操作及び植付作業機4の下降操作が可能な第二植付操作ボタン18が設けられている。そして、第一植付操作ボタン17及び第二植付操作ボタン18は、レバーグリップ16の上部を上側から握った手の親指で押し操作すべく、レバーグリップ16の右側面部(機体内方側の側面部)に上下に並ぶように配置されている。
【0020】
例えば、植付作業機4が下降した植付作業時に、第一植付操作ボタン17を押し操作すると、植付クラッチが切り操作されると共に、植付作業機4が所定高さま上昇し、植付作業が中断される。一方、植付作業機4が上昇した状態で第二植付操作ボタン18を押し操作すると、植付作業機4が田面に沿う作業高さまで下降する。この状態で第二植付操作ボタン18を再び押し操作すると、植付クラッチが入り操作され、植付作業が再開される。これにより、走行変速レバー14のレバーグリップ16を握ったまま、植付作業機4の作業状態と非作業状態の切換操作を迅速に行うことが可能になる。
【0021】
植付操作レバー15は、ステアリングハンドル13の基端部から右側方に突出して設けられ、上下方向の操作により、植付作業機4の任意の高さへの昇降操作及び植付クラッチの入り切り操作が可能となっている。
【0022】
つまり、植付作業機4が田面に接地して植付クラッチが入っている状態で植付操作レバー15を上方に操作すると、植付クラッチが切り操作され、さらにこの状態で植付操作レバー15を再び上方に操作すると、植付作業機4が上昇する。また、植付作業機4が上昇位置に固定されている状態で植付操作レバー15を下方に操作すると、植付作業機4が接地位置まで下降し、さらにこの状態で植付操作レバー15を再び下方に操作すると、植付クラッチが入り操作される。また、植付作業機4の上昇作動中に植付操作レバー15を下方に操作すると、植付作業機4の上昇作動を任意の高さで停止させることができ、また、植付作業機4の下降作動中に植付操作レバー15を上方に操作すると、植付作業機4の下降作動を任意の高さで停止させることができ。
【0023】
尚、本実施形態の乗用田植機1は、図示しない制御装置を備えており、この制御装置が、植付操作レバー15や植付操作ボタン17、18の操作信号を入力し、該入力に応じて植付クラッチ用電磁バルブやリフトシリンダ用電磁バルブを切り換えることにより、植付クラッチの入り切り操作や植付作業機4の昇降操作が実現されるが、その具体的な制御内容は、特開2008−228602号公報などで既に公知となっているので、本明細書での説明は省略する。
【0024】
次に、本発明の要部であるレバーグリップ16及び植付操作ボタン17、18について、図3〜図7を参照して詳細に説明する。
【0025】
上記のように構成される乗用田植機1では、植付作業中に機体旋回(枕地旋回など)を行う場合、ステアリングハンドル13を旋回操作する前に、走行速度の減速操作と、植付クラッチの切り操作と、植付作業機4の上昇操作を行う。また、機体旋回後は、植付作業機4の下降操作と、植付クラッチの入り操作と、走行速度の増速操作を行い、植付作業を再開する。
【0026】
本発明の実施形態に係る乗用田植機1は、以上のような植付作業時の機体旋回のために行う一連の操作を迅速に完了させるために、植付クラッチの切り操作及び植付作業機4の上昇操作が可能な第一植付操作ボタン17と、植付クラッチの入り操作及び植付作業機4の下降操作が可能な第二植付操作ボタン18とを備え、これらの植付操作ボタン17、18を走行変速レバー14のレバーグリップ16に配置している。つまり、走行変速レバー14のレバーグリップ16を握ったまま、植付作業機4の作業状態と非作業状態の切換操作を迅速に行うことが可能になる。
【0027】
ところで、植付作業時の機体旋回のために行う一連の操作は、それぞれ独立的に順次実行することが可能であるが、熟練したオペレータは、走行変速レバー14の操作と植付操作ボタン17、18の操作を同時に行うことがある。例えば、機体旋回前は、走行変速レバー14を減速操作しながら第一植付操作ボタン17を操作し、機体旋回後は、第二植付操作ボタン18を操作しながら走行変速レバー14の増速操作を行うことがあるが、従来の乗用移植機では、このような同時操作を想定していないので、走行変速レバー14と植付操作ボタン17、18を同時操作する際の操作性に問題があった。
【0028】
本発明の実施形態に係る乗用田植機1では、上記のような問題を解決するために、まず、レバーグリップ16の上部に、前方に膨出する前方膨出部16aを形成し、レバーグリップ上部前後幅を、その下側のレバーグリップ中央部前後幅よりも広がるようにしてある。このようにすると、レバーグリップ16の上部前端に対する指の掛かりがよくなり、走行変速レバー14の後方への引き操作(減速操作)が容易になる。
【0029】
次に、レバーグリップ16における第一植付操作ボタン17及び第二植付操作ボタン18の配置を最適化する。つまり、第一植付操作ボタン17は、レバーグリップ上部の前後幅中間位置に配置し、第二植付操作ボタン18は、レバーグリップ中央部の前後幅中間位置よりも前端側に配置する。このようにすると、第一植付操作ボタン17は、レバーグリップ16の上部前端を基準として操作し易い位置に配置されるので、走行変速レバー14の減速操作中でも容易に操作することができる。また、第二植付操作ボタン18は、レバーグリップ16の中央部後端を基準として操作し易い位置に配置されるので、走行変速レバー14の増速操作中でも容易に操作することができる。
【0030】
また、本実施形態では、レバーグリップ16の上部に、機体外方側に膨出する外方膨出部16bを形成している。この外方膨出部16bは、レバーグリップ16の上部を上側から握った手の小指を安定に支持することができるので、走行変速レバー14の引き操作が容易になり、また、植付操作ボタン17、18の押し操作時には、小指によって手の機体外方側への滑りを抑制できるので、植付操作ボタン17、18の操作性も向上させることができる。
【0031】
また、本実施形態では、レバーグリップ16の上部に、第一植付操作ボタン17の上側に沿って突出するひさし部16cを形成している。このひさし部16cは、非操作時の親指を安定に支持することができるので、親指の疲労を軽減できるだけでなく、第一植付操作ボタン17の誤操作を防止することができる。
【0032】
また、本実施形態では、第一植付操作ボタン17と第二植付操作ボタン18の押し操作方向の高さ寸法が相違させている。例えば、第一植付操作ボタン17を高く、第二植付操作ボタン18を低くする。このようにすると、各植付操作ボタン17、18が高さ寸法で識別可能となるので、誤操作の可能性を低減することができる。
【0033】
次に、レバーグリップ16の取付構造について、図3〜図10を参照して詳細に説明する。
【0034】
近年、この種の作業車両では、操作具の操作性を向上させたり、操作具の誤操作を防止するために、操作具を色分けすることが提案されている。例えば、走行系操作レバーのレバーグリップと、作業系操作レバーのレバーグリップを、異なる色で色分けすることにより、操作性の向上や誤操作の防止を図ることが可能となるが、レバーグリップを色分けすると、レバーグリップの共通化や流用が困難になるので、部品点数の増加やコストアップをまねくという問題があった。
【0035】
本発明の実施形態に係る乗用田植機1では、上記のような問題を解決するために、走行変速レバー14のレバーグリップ16を下記のような構成としてる。つまり、後方から視認される走行変速レバー14のレバーグリップ16において、その下端部に、左右を向く取付ネジ(ボルト19とナット19a)を用いて走行変速レバー14(レバーパイプ)の上端部に取付けられる取付部16dを形成し、該取付部16dを、走行変速レバー14の種類を示す色が付された取付部カバー20で覆うと共に、該取付部カバー20を、前方が開放した平面視コ字形状とし、取付部16dに対して後方から嵌合させる構成としてある。
【0036】
このようにすると、取付部カバー20を利用して走行変速レバー14の種類を色分けすることができるので、レバーグリップ全体を色分けする場合に比べ、レバーグリップ16の共通化や流用が容易になり、その結果、部品点数の削減やコストダウンを図ることが可能になる。しかも、取付部カバー20は、前方が開放した平面視コ字形状とし、取付部16dに対して後方から嵌合されるので、後方から視認される走行変速レバー14において良好な視認性を発揮し、走行変速レバー14の種類を明確に示すことができる。
【0037】
また、本実施形態では、レバーグリップ16を、前後方向の割り面を境界として左右に分割形成すると共に、左右に分割形成されたレバーグリップ16L、16Rのうち、右半部レバーグリップ16Rの側面部に、植付操作ボタン17、18を配置している。このようにすると、植付操作ボタン17、18の位置を横切るように割り面を形成する場合に比べ、防水性を高めることができるだけでなく、植付操作ボタン用のスイッチ基板21の組み込みも容易になる。しかも、左右に分割形成されたレバーグリップ16L、16Rの取付部16dは、左右を向く取付ネジによって連結固定できるだけでなく、平面視コ字形状の取付部カバー20が嵌合されるので、取付部16dの左右方向への開きも確実に防止することができる。
【0038】
尚、本発明の実施形態に係るレバーグリップ16は、乗用田植機に限らず、種々の作業車両に適用できることは言うまでもない。また、本実施形態では、レバーグリップ16L、16Rの取付部16dに、走行変速レバー14のレバーパイプ上端部に左右から嵌合する凹部16eと、ボルト19を貫通させる取付孔16fを形成し、左右方向からボルト19を貫通させて、ナット19aを締め付けることにより、走行変速レバー14にレバーグリップ16を取付けるが、取付部16dの構成はこれに限定されない。
【0039】
次に、レバーグリップ16の内部構造について、図7〜図11を参照して詳細に説明する。
【0040】
図7に示すように、レバーグリップ16の内部には、スイッチ基板21が組み込まれる。スイッチ基板21は、プリント基板21aと、第一植付操作ボタン17の押し操作を検出するスイッチ21bと、第二植付操作ボタン18の押し操作を検出するスイッチ21cと、プリント基板21aから引き出される配線21dとを備えて構成されている。
【0041】
本実施形態では、上記のスイッチ基板21をレバーグリップ16内に組み込むにあたり、左右に分割されたレバーグリップ16L、16Rのいずれか一方にスイッチ基板21を予めネジ固定することなく、各レバーグリップ16L、16Rの内側に突設したリブ16g、16h間でスイッチ基板21を挟持状に固定するようにしている。このようにすると、ネジやネジ固定用の孔が不要になるだけでなく、組立工数も減らすことができる。尚、本実施形態では、右半部レバーグリップ16R側のリブ16hに、スイッチ基板21の角部などに当接する位置決め部16iを形成しているので、スイッチ基板21の上下及び左右方向の移動も確実に規制することができる。
【0042】
また、本実施形態では、左半部レバーグリップ16Lの内側に複数のリブ16gを突設するにあたり、リブ16g同士を連結する補強リブ16jを形成している。このようにすると、リブ16gの突出寸法が大きくても、強度不足によるリブ16gの折れを防止できる。しかも、本実施形態の補強リブ16jは、リブ16gよりも突出高さを低くしているので、配線21dの邪魔になることを回避できるだけでなく、成型時においてグリップ表面側に樹脂材料のヒケが発生することも抑制することができる。
【0043】
また、本実施形態では、左右に分割されたレバーグリップ16L、16Rの合わせ面をパッキン22を介して気密的に重ね合わせるにあたり、合わせ目からパッキン22が見え、外観の低下を招くという不都合を防止することができる。つまり、通常は、レバーグリップ16L、16Rの合わせ面に凹部を形成し、凹部間でパッキン22を挟み込むが、本実施形態では、図7に示すように、左半部レバーグリップ16Lの合わせ面に深い凹部16kを形成する一方、右半部レバーグリップ16Rの合わせ面に凹部16kに嵌入する凸部16lを形成し、凹部16kと凸部16l間でパッキン22を挟み込むようにしている。これにより、合わせ目からパッキン22が露出することを確実に防止できる。
【0044】
また、本実施形態では、植付操作ボタン17、18をゴム質弾性部材で形成するにあたり、断面ハット状に形成される植付操作ボタン17、18の内部に、スイッチ21b、21cの周囲を囲むガイドリブ17a、18aを形成している。このようにすると、ゴム質弾性部材で形成された植付操作ボタン17、18であっても、その押し操作に応じてスイッチ21b、21cを確実に押すことができる。
【0045】
また、本実施形態では、植付操作ボタン17、18の高さを相違させるにあたり、それに合わせてガイドリブ17a、18aやその内部に形成されるスイッチ押圧部17b、18bの高さも相違させている。これにより、スイッチ基板21におけるスイッチ21b、21cの高さを変えることなく、高さが異なる植付操作ボタン17、18の押し操作を検出することが可能になる。
【0046】
また、図11に示すように、ガイドリブ17a、18a内に円柱状のスイッチ押圧部17b、18bを突設するようにしてもよい。このようにすると、植付操作ボタン17、18が斜めに押された場合であっても、植付操作ボタン17、18の押し操作を確実に検出できる。
【0047】
尚、本実施形態の植付操作ボタン17、18では、スイッチ押圧部17b、18bもゴム質弾性部材で形成しているが、それよりも硬い材料でスイッチ押圧部17b、18bを形成し、ガイドリブ17a、18a内に嵌め込むようにしてもよい。このようにすると、植付操作ボタン17、18の押し操作を確実に検出できるだけでなく、植付操作ボタン17、18の操作感を変更することができる。
【0048】
また、本実施形態では、植付操作ボタン17、18とレバーグリップ16を別体としているが、両者を一体成形するようにしてもよい。このようにすると、部品点数や組立工数を削減できるだけでなく、防水性や防塵性も向上させることができる。
【0049】
叙述の如く構成されたものにおいて、植付作業機4の任意の高さへの昇降操作及び植付クラッチの入り切り操作が可能な植付操作レバー15とは別に、植付クラッチの切り操作及び植付作業機4の上昇操作が可能な第一植付操作ボタン17と、植付クラッチの入り操作及び植付作業機4の下降操作が可能な第二植付操作ボタン18とを備え、これらの植付操作ボタン17、18を走行変速レバー14のレバーグリップ16に配置した乗用田植機1において、走行変速レバー14は、レバーグリップ16の上部を上側から握り、前方への押し操作に応じて走行速度を増速、後方への引き操作に応じて走行速度を減速させるように構成し、第一植付操作ボタン17及び第二植付操作ボタン18は、走行変速レバー14のレバーグリップ16の上部を上側から握った手の親指で押し操作すべく、レバーグリップ16の側面部に上下に並ぶように配置するにあたり、レバーグリップ16の上部は、その下側のレバーグリップ16の中央部よりも前後幅が広がるように前方に膨出し、第一植付操作ボタン17は、レバーグリップ16の上部の前後幅中間位置に配置し、第二植付操作ボタン18は、レバーグリップ16の中央部の前後幅中間位置よりも前端側に配置される。このようにすると、レバーグリップ16の上部は、その下側のレバーグリップ16の中央部よりも前後幅が広がるように前方に膨出させたことによって、レバーグリップ16の上部前端に対する指の掛かりがよくなり、走行変速レバー14の後方への引き操作(減速操作)が容易になる。しかも、第一植付操作ボタン17は、レバーグリップ16の上部の前後幅中間位置(レバーグリップの上部前端を基準とする操作し易い位置)に配置されるので、走行変速レバー14の減速操作中でも容易に操作することができる。また、第二植付操作ボタン18は、レバーグリップ16の中央部の前後幅中間位置よりも前端側(レバーグリップの中央部後端を基準とする操作し易い位置)に配置されるので、走行変速レバー14の増速操作中でも容易に操作することができる。
【0050】
また、レバーグリップ16の上部は、機体外方側に膨出する外方膨出部16bを備えるので、レバーグリップ16の上部を上側から握った手の小指を安定に支持し、走行変速レバー14の引き操作や植付操作ボタン17、18の押し操作が容易になる。
【0051】
また、レバーグリップ16の上部は、第一植付操作ボタン17の上側に沿って突出するひさし部16cを備えるので、非操作時の親指を安定に支持して親指の疲労を軽減できるだけでなく、第一植付操作ボタン17の誤操作を防止することができる。
【0052】
また、第一植付操作ボタン17と第二植付操作ボタン18は、押し操作方向の高さ寸法が相違するので、各植付操作ボタン17、18が高さ寸法で識別可能となり、誤操作の可能性を低減することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 乗用田植機
2 走行機体
4 植付作業機
13 ステアリングハンドル
14 走行変速レバー
15 植付操作レバー
16 レバーグリップ
16a 前方膨出部
16b 外方膨出部
16c ひさし部
16d 取付部
17 第一植付操作ボタン
18 第二植付操作ボタン
19 取付ネジ(ボルト)
20 取付部カバー
21 スイッチ基板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植付作業機の任意の高さへの昇降操作及び植付クラッチの入り切り操作が可能な植付操作具とは別に、植付クラッチの切り操作及び植付作業機の上昇操作が可能な第一植付操作ボタンと、植付クラッチの入り操作及び植付作業機の下降操作が可能な第二植付操作ボタンとを備え、これらの植付操作ボタンを走行変速レバーのレバーグリップに配置した乗用移植機において、
前記走行変速レバーは、レバーグリップ上部を上側から握り、前方への押し操作に応じて走行速度を増速、後方への引き操作に応じて走行速度を減速させるように構成し、
第一植付操作ボタン及び第二植付操作ボタンは、走行変速レバーのレバーグリップ上部を上側から握った手の親指で押し操作すべく、レバーグリップ側面部に上下に並ぶように配置するにあたり、
レバーグリップ上部は、その下側のレバーグリップ中央部よりも前後幅が広がるように前方に膨出し、
第一植付操作ボタンは、レバーグリップ上部の前後幅中間位置に配置し、
第二植付操作ボタンは、レバーグリップ中央部の前後幅中間位置よりも前端側に配置した
ことを特徴とする乗用移植機。
【請求項2】
前記レバーグリップ上部は、機体外方側に膨出する外方膨出部を備えることを特徴とする請求項1記載の乗用移植機。
【請求項3】
前記レバーグリップ上部は、第一植付操作ボタンの上側に沿って突出するひさし部を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の乗用移植機。
【請求項4】
前記第一植付操作ボタンと第二植付操作ボタンは、押し操作方向の高さ寸法が相違することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の乗用移植機。
【請求項1】
植付作業機の任意の高さへの昇降操作及び植付クラッチの入り切り操作が可能な植付操作具とは別に、植付クラッチの切り操作及び植付作業機の上昇操作が可能な第一植付操作ボタンと、植付クラッチの入り操作及び植付作業機の下降操作が可能な第二植付操作ボタンとを備え、これらの植付操作ボタンを走行変速レバーのレバーグリップに配置した乗用移植機において、
前記走行変速レバーは、レバーグリップ上部を上側から握り、前方への押し操作に応じて走行速度を増速、後方への引き操作に応じて走行速度を減速させるように構成し、
第一植付操作ボタン及び第二植付操作ボタンは、走行変速レバーのレバーグリップ上部を上側から握った手の親指で押し操作すべく、レバーグリップ側面部に上下に並ぶように配置するにあたり、
レバーグリップ上部は、その下側のレバーグリップ中央部よりも前後幅が広がるように前方に膨出し、
第一植付操作ボタンは、レバーグリップ上部の前後幅中間位置に配置し、
第二植付操作ボタンは、レバーグリップ中央部の前後幅中間位置よりも前端側に配置した
ことを特徴とする乗用移植機。
【請求項2】
前記レバーグリップ上部は、機体外方側に膨出する外方膨出部を備えることを特徴とする請求項1記載の乗用移植機。
【請求項3】
前記レバーグリップ上部は、第一植付操作ボタンの上側に沿って突出するひさし部を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の乗用移植機。
【請求項4】
前記第一植付操作ボタンと第二植付操作ボタンは、押し操作方向の高さ寸法が相違することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の乗用移植機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−139133(P2012−139133A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−292558(P2010−292558)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】
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