説明

乱用可能性が低減された医薬組成物

常習性物質などの活性成分、制御放出剤、および薬学的に適切な水性または非水性担体を含む医薬ペースト組成物。組成物は1種または複数の粘土、または油性、ロウ状、もしくは脂肪性物質を含むことができる。組成物はカプセルまたは他の分配デバイスに充填することができる。組成物は活性成分の急速放出を低減することができる。組成物を製造および使用する方法も記載される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2006年5月12日に出願された米国特許出願第11/432,226号の優先権の特典を主張するものである。
【0002】
本発明は、制御放出剤を含む医薬組成物に関する。本発明はまた、その使用および製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
薬物乱用は、例えば米国およびカナダにおいて、急速に拡大する一部の世界人口群でほとんど生活様式となっている。情動的、心理的体験、多幸、抑うつ、または一般的幻覚体験を引き起こすどのような種類の薬物でも試してみることが、多くの若い世代で流行となっている。
【0004】
主要な問題は、非経口経路による医薬品オピオイド製剤の乱用である。
【0005】
重大な懸念事項となっている他の乱用経路は、徐放剤形に存在するすべてのオピオイドの効果を即時に得るために、破砕したオピオイド剤形から得られた微細粉末を鼻から吸引する、または微細に破砕した持続放出経口剤形を経口摂取する経路である。
【0006】
持続放出オピオイド鎮痛薬の使用に関して懸念事項となっている他の現象は、それらがアルコール存在下で急速放出(dose dump)され、含量がすべて即時に放出されるのが見出されたことである。
【0007】
従来技術で教示され、現在商品化されている持続放出性麻薬の性能に関して、多くの懸念事項がある。これは、従来技術で教示されている組成物および方法を用いる現在の持続放出オピオイドアゴニストの持続放出または制御放出機序がアルコール存在下で損なわれ、破壊されて、それにより制御放出作用が失われ、そのオピオイド含量が完全放出または急速放出されるためである。
【0008】
2005年7月14日、Purdue Pharmaが、痛みを緩和する自社の麻薬性鎮痛薬Palladone(塩酸ヒドロモルホン)カプセル剤の販売を自発的に中止したとき、現在の制御放出麻薬性鎮痛薬のアルコール存在下における急速放出の危険性および経済的重要性が浮き彫りにされた。FDAが安全性の懸念からPalladoneの回収を要請した後、Purdue Pharmaは7月13日に措置を取った。FDAは2004年9月にPalladoneを承認した。この薬物は2005年2月にPurdue Pharmaから発売された。Palladoneは、長期間にわたって高力価オピオイドによる持続的な24時間の鎮痛を必要としている患者において、持続性の中等度から重度の疼痛を管理するために認可された。FDAニュースリリースは、Palladone持続放出カプセルがアルコールと共に摂取されると、重大で死に至る可能性のある有害反応が起こり得ると述べている。
【0009】
FDAニュースリリースによれば、Palladoneは、非常に強力な麻薬を含有する1日1回の疼痛管理薬物である。アルコール使用による潜在的な影響を試験する企業委託研究から集められた新しいデータは、Palladoneがアルコールと共に摂取されるとき、持続放出機序が損なわれ、急速放出につながり得ることを示している。FDAは、急速放出というのは薬物の活性成分が血流に迅速に放出されることであると説明している。急速放出は、低用量のPalladone(12ミリグラム)であっても、「一部の患者では、重大であるか、または致命的でさえある有害事象」を引き起こし得ると、FDAニュースリリースは指摘した。FDAはまた、より高用量のPalladoneではリスクが増大することを警告した。
【0010】
カナダ保健省も、Purdue Pharmaのデータを受けて、任意の徐放オピオイド鎮痛薬服用中のアルコール消費に関連する重大な健康リスクを警告する勧告を発表した。
【0011】
Palladoneの場合と同様に、誤って使用された場合、オピオイドアゴニストまたは麻薬性鎮痛薬などのすべての強力な疼痛管理薬物は重大なリスクを有すると主張することができ、このことは従来技術に記載されているかまたは商品化されている現在の持続放出製剤に特に当てはまる。実際カナダ保健省は、他の徐放オピオイドの投与を受けている患者に、これらの製品はアルコールと共に摂取されたとき、ヒドロモルホン徐放製剤と類似した反応を示す可能性がある、すなわち例えば24時間といった長期放出期間ではなく、急速に血液に放出(急速放出)される可能性があることを認識するように勧告した。
【0012】
この状況は引き続き許容できないほど高い患者のリスクを提起している。より多くの患者が現在の組成物を摂取すると、1杯のアルコール飲料を飲んだだけでも致死的な影響を及ぼし得るため、安全性の問題が生じる大きな懸念がある。オピオイドとアルコールを同時に用いる危険性に関する患者情報をバイアルラベル(vial label)の警告として使用することでこの問題が解決できるとは期待できない。実際、FDAは「死に至る可能性のある有害事象はラベルの警告のみによって有効に管理できる……」とは考えていないと述べている。
【0013】
保健機関は圧力を強め、製薬会社が真実を語り、患者の利益を最優先することを求めている。したがって、カナダ保健省は他の徐放薬物によって同じ作用が起こるかどうかを調査するために、これらの製品の全製造業者に薬物とアルコールとの相互作用に関する情報を提供すること、それが不可能である場合、製品のアルコールとの相互作用を調査する研究を実施し、6カ月以内に完了することを要請している。カナダ保健省は、そのデータを3カ月以内に評価し、必要に応じてさらなる措置が取られると述べている。
【0014】
したがって、前述のことから、アルコール存在下で急速放出または乱用される可能性が低減された、オピオイドアゴニストもしくは麻薬性鎮痛薬、または乱用可能(abuse−able)物質の組成物が緊急かつ大いに求められている。
【0015】
これまでにオピオイド鎮痛薬に関連した乱用の可能性を制御しようとする試みがなされてきた。非経口用量のオピオイド鎮痛薬は、経口で投与される同じ用量と比べてより強力である。したがって、薬物乱用はしばしば、「高揚感(high)」を得るために、剤形からオピオイドを抽出し、その後、オピオイドを注射する(注射用の任意の「適した」ビヒクルを用いて)ことによって行われる。したがって、乱用を抑制しようとする試みは典型的に、経口では活性ではないが、オピオイドを溶解し、非経口で投与しようと試みた場合には、オピオイドの鎮痛作用を実質的に遮断するオピオイドアンタゴニストを経口剤形に含むことに向けられてきた。
【0016】
米国特許第3,254,088号は、ナロキソンの調製、および麻薬アンタゴニストとしてのその活性を記載している。
【0017】
米国特許第3,493,657号は、「望ましくないか、または危険な副作用を生じることなく、強力な鎮痛作用および拮抗作用を有する」非経口的に用いる組成物として、モルヒネとナロキソンの組み合わせを記載している。
【0018】
1970年7月14日号に掲載されたNew York Timesの記事は、治療方法として麻薬常習者へのナロキソンの経口投与を記載した。ナロキソンの経口投与(高用量)は、「どれだけのヘロインを使用しても、その常習者が高揚感を体験するのを不可能にする」。
【0019】
ペンタゾシンとナロキソンの組み合わせは、Sanofi−WinthropからTalwin(登録商標)として市販されている、米国で入手可能な錠剤に利用されている。Talwin(登録商標)は、50mg塩基に相当する塩酸ペンタゾシン、および0.5mg塩基に相当する塩酸ナロキソンを含有する。Talwin(登録商標)は、中等度から重度の疼痛の緩和に適応される。この組み合わせに存在する量のナロキソンは、経口で摂取されたときには作用せず、ペンタゾシンの薬理作用を妨げない。しかしながら、この量のナロキソンが注射によって投与されると、麻薬性鎮痛薬に対して強い拮抗作用を有する。このように、ナロキソンの包含は、剤形を可溶化して注射したときに生じる経口ペンタゾシンの乱用の形態を抑制することを意図するものである。したがって、この投与は以前の経口ペンタゾシン製剤に比べて非経口による乱用の可能性が低い。しかしながら、例えば患者が複数回の用量を同時に摂取することなどにより、依然として経口によって患者に誤用および乱用されやすい。
【0020】
Sunshine et al.、「Analgesic Efficacy of Pentazocine Versus a Pentazocine−Naloxone Combination Following Oral Administration」、Clin.J.Pain、1988;4:35〜40は、ナロキソン0.5mgを添加することによる、ペンタゾシン50mgの鎮痛有効性に対する影響を報告した。この組み合わせは、疼痛強度差の合計(SPID)、および4時間目の軽減および疼痛強度差(PID)に関して、ペンタゾシンより有意に低い有効性が見出された。中等度のベースラインの疼痛を有する患者の場合、この組み合わせは、SPIDならびに3時間目および4時間目の軽減およびPIDに関して、ペンタゾシンより有意に低い疼痛軽減を生じた。重度のベースラインの疼痛を有する患者では、ペンタゾシンと、ナロキソンを添加したペンタゾシンとの間に有意差は認められなかった。
【0021】
Wang et al.、「Crossover and Parallel Study of Oral Analgesics」、J.Clin Pharmacol 1981;21:162〜8は、慢性疼痛を有する患者の交差研究において、Percodan(登録商標)単独およびプラシーボと比較して、ナロキソン0.25mgとPercodan(登録商標)(オキシコドンHCl4.5mg、テレフタル酸オキシコドン0.28mg、アスピリン224mg、フェナセチン160mg、およびカフェイン32mgからなる)との組み合わせを研究した。この組み合わせは、試験の後半ではほとんどの時間毎の鎮痛パラメータに関して、Percodan(登録商標)単独より低い平均スコアを有した。しかしながら、要約変数では、この組み合わせはプラシーボまたはPercodan(登録商標)のいずれにも有意差を示さなかった。
【0022】
疼痛を治療するために、ブプレノルフィンとナロキソンの固定配合剤が、ニュージーランドで1991年に導入された(Temgesic(登録商標)、Reckitt&Colman)。
【0023】
ドイツでは重度の疼痛を管理するために、1978年からチリジン(50mg)とナロキソン(4mg)を含む固定配合剤療法が利用可能である(Valoron(登録商標)、Goedecke)。これらの薬物の組み合わせの理論的根拠は、有効な疼痛軽減、およびモルヒネ受容体でのナロキソン誘発性拮抗作用によるチリジン常習の予防である。
【0024】
米国特許第3,773,955号(Pachter et al.)は、非経口投与されると、痛覚脱失、多幸、または身体的依存を生じず、それにより鎮痛薬の非経口による乱用を防ぐ、経口的に有効な鎮痛組成物を記載している。そのような組成物は、鎮痛経口用量当たり、ナロキソン約0.1mgから約10mgを含有した。この参考文献は、オピオイドの経口による乱用には関していない。
【0025】
米国特許第3,493,657号(Lewenstein et al.)は、ナロキソンおよびモルヒネまたはオキシモルホンを含む組成物を記載し、この組成物は幻覚などの望ましくない副作用を生じることなく強力な鎮痛作用を提供すると述べられている。
【0026】
米国特許第4,457,933号(Gordon et al.)は、鎮痛用量のオピオイドを比較的狭い特定の範囲でナロキソンと組み合わせることによって、オキシコドン、プロポキシフェン、およびペンタゾシンなどの強力な鎮痛薬の経口および非経口の乱用可能性を低減する方法を記載している。2.5〜5:1重量部の比を有するオキシコドン−ナロキソン組成物、および16〜50:1重量部の比を有するペンタゾシン−ナロキソン組成物が好ましいものであった。オピオイドと組み合わされる用量のナロキソンは、その経口鎮痛活性に実質的に影響を及ぼすことなく、オピオイドの経口または非経口による乱用可能性を実質的に排除すると述べられている。
【0027】
米国特許第4,582,835号(Lewis)は、舌下有効用量のブプレノルフィンをナロキソンと共に投与することによって、疼痛を治療する方法を記載している。Lewisは、非経口投与の場合1:3〜1:1、舌下投与の場合1:2〜2:1のナロキソンとブプレノルフィンの投与量比を記載している。
【0028】
米国特許第6,627,635号は、鎮痛有効量の経口活性オピオイドアゴニストが経口剤形でオピオイドアンタゴニストと組み合わされ、この剤形はオピオイドアゴニストから分離するために少なくとも2ステップの抽出工程を要し、含まれるオピオイドアンタゴニストの量が、オピオイドアゴニストと共に抽出されて非経口で投与される場合、オピオイド作用を拮抗するのに充分な量である、オピオイド剤形の乱用を防止する方法を教示している。
【0029】
米国特許第6,696,088号は、(i)放出できる形態のオピオイドアゴニスト、および(ii)剤形が無傷で投与されるときには実質的に放出されない隔離されたオピオイドアンタゴニストを含み、不正改造後の前記剤形から放出されるアンタゴニストの量と、前記無傷剤形から放出される前記アンタゴニストの量が約4:1以上であり、前記アゴニストとアンタゴニストが相互分散され、2つの明確な層で互いに分離されていない、不正改造防止経口オピオイドアゴニスト製剤を開示している。
【0030】
薬物乱用の問題に対処する従来技術における上述のすべての試みにもかかわらず、一部には組成物の設計の誤りのため、さらには常習者が抗薬物乱用機序をしのぐ独創的な方法を見つけるために、この問題は引き続き存在している。現在、この問題は破壊的な経済的および社会的重大性を伴い、驚くべき早さで拡大している。
【0031】
したがって、再現可能な方法で製造することができ、乱用可能性を低減する望ましい作用を有する、安定な薬物送達デバイスを開発することが依然として求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0032】
本発明の一態様の目的は、活性物質の放出を制御するために有効に用いることのできる組成物を提供することである。
【0033】
本発明の第2の態様の目的は、活性物質の急速放出の問題を低減するために有効に用いることのできる組成物を提供することである。
【0034】
本発明の第3の態様の目的は、活性物質の乱用可能性を低減するために有効に用いることのできる組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0035】
本発明の態様によれば、アルコールと共に経口投与または同時摂取されるとき、組成物の制御放出機序の完全性の損傷または損失を防ぐのに充分な量および比率で、活性物質、および粘土、制御放出剤、または油性、ロウ状、もしくは脂肪性物質から選択された材料を含む、医薬ペースト組成物が提供される。
【0036】
本発明の他の態様によれば、治療上有益な活性物質を粘土、油性、ロウ状、もしくは脂肪性物質、または制御放出剤から選択された材料などの物質と混合することによって、そのような物質の経口製剤のアルコール存在下での急速放出および乱用を防ぐ手段が提供される。
【0037】
本発明のさらに他の態様によれば、組成物の物理化学的性質が、アルコール存在下での急速放出を防ぎ、さらに乱用を阻止し、破砕、粉砕、または摩砕し、溶解、加熱して蒸発し、鼻から吸引、「注射(shooting)」、または吸入する様式による乱用を困難にする一助となる制御放出組成物および方法が提供される。
【0038】
本発明のさらに他の態様によれば、i)活性物質、ii)油性、ロウ状、もしくは脂肪性物質、またはそれらの組み合わせ、およびiii)制御放出剤を含み、ペースト組成物が、非ニュートン性、チキソトロピー性および/または擬塑性(pseudoplastic)である、医薬ペースト組成物が提供される。
【0039】
本発明のさらに他の態様によれば、i)活性物質、ii)制御放出剤、およびiii)非水性賦形剤を含み、ペースト組成物が、非ニュートン性、チキソトロピー性および/または擬塑性である、医薬ペースト組成物が提供される。
【0040】
本発明のさらに他の態様によれば、i)活性物質、ii)粘土、およびiii)制御放出剤、およびiv)非水性賦形剤を含み、ペースト組成物が、非ニュートン性、チキソトロピー性および/または擬塑性である、医薬ペースト組成物が提供される。
【0041】
本発明のさらに他の態様によれば、i)常習性物質、ii)油性、ロウ状、もしくは脂肪性物質、またはそれらの組み合わせ、およびiii)制御放出剤を含み、ペースト組成物が、剤形分配デバイス(dosage form dispensing device)で用いるためのものである、医薬ペースト組成物が提供される。
【0042】
本発明のさらに他の態様によれば、i)常習性物質、ii)制御放出剤、およびiii)非水性賦形剤を含み、ペースト組成物が、剤形分配デバイスで用いるためのものである、医薬ペースト組成物が提供される。
【0043】
本発明のさらに他の態様によれば、i)常習性物質、ii)粘土、およびiii)制御放出剤、およびiv)非水性賦形剤を含み、ペースト組成物が、剤形分配デバイスで用いるためのものである、医薬ペースト組成物が提供される。
【0044】
本発明の新規な特徴は、以下の本発明の詳細な説明を考察することにより、当業者には明らかとなる。しかしながら、本発明の精神および範囲内である種々の変更および修正が、本発明の詳細な説明および添付の特許請求の範囲から当業者には明らかとなるため、提示の本発明の詳細な説明および特定の実施例は、本発明のいくつかの実施形態を示すものであるが、例示の目的のためにのみ提供されるものであることが理解されるべきである。
【0045】
以下の図面は、本発明の実施形態を例示するものであり、特許請求の範囲に含まれる本発明の範囲を限定するためのものではない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施形態に従って、種々のアルコール濃度での持続放出期間にわたる活性医薬成分の放出に関するデータを示す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本発明のいくつかの実施形態は、常習性物質の乱用可能性を低減するための、新規な組成物、ならびにその使用および調製方法に関する。これはペースト組成物の使用によって達成される。常習性物質は、これに限定されるものではないが、オピオイドアゴニスト、麻薬性鎮痛薬、バルビツール酸系催眠薬、中枢神経系興奮薬、および/または精神安定剤であることができる。ペーストに混入される前、常習性物質は、当分野で知られている任意の適切な形態、液体、半固体、または固体、例えばこれに限定されるものではないが、粉末、顆粒、スフェロイド、ペレット、ミクロスフェア、ナノスフェア、マイクロカプセル、または結晶であることができ、ペーストに均質または不均質に分散することができる。
【0048】
本発明の新規な組成物は、これに限定されるものではないが、1種または複数の活性医薬成分の放出を制御する、持続放出、パルス放出、遅延放出、および/または制御放出デバイスなどの、任意の送達デバイスで用いることができる。デバイスは、固体単位剤形であることができる。デバイスは、例えば、1種または複数の顆粒、1種または複数の結晶、1種または複数のペレット、および/または1種または複数のスフェロイドを含むペーストを含むことができる。特定の実施形態において、デバイスは、著しく変動することなく放出速度を制御し、再現性のある制御放出速度を有する、安定な単一の均質単位制御放出デバイスである。
【0049】
組成物は、任意の適切な製剤および/または分配デバイスを用いる任意の適切な方法で投与することができる。例えば、これに限定されるものではないが、組成物は、in vivoの経口、膣内、肛門、眼内、皮下、筋内投与、または移植に適したデバイスの形態であることができる。組成物はまた、常習性物質のin vitroまたはex vivo送達に用いることもできる。組成物は、胃腸管の特定部位、または特定器官を標的とすることができる。組成物は、パウチ(pouch)またはパッチで口腔および経皮的に適用することができる。製剤の物理的状態および特定の適用方法は、それに応じて多様であってよいことは明らかである。
【0050】
ペースト組成物は、例えばアルコール抽出による常習性物質の乱用可能性を低減するために、常習性物質の製剤において有用であり得る。しかしながら、ペースト組成物の有用性は、常習性物質に限定されない可能性があり、任意の活性成分または物質の製剤においても有用であり得ることが理解される。
【0051】
用語「活性成分」または「活性物質」は、生物学的、化学的、または生理学的有用性を有する任意の化合物を意味し、これに限定されるものではないが、活性医薬成分、薬物、天然化合物、核酸化合物、ペプチド化合物、栄養補助、農業、もしくは栄養成分、または合成薬物が含まれる。
【0052】
用語「常習性物質」は、使用者が心理的または身体的依存を発現する可能性のある任意の化合物を意味し、これに限定されるものではないが、活性医薬成分、薬物、天然化合物、または合成薬物が含まれる。
【0053】
化合物に対するヒトの心理的または身体的依存を説明するために、多くの交換可能な用語が一般に用いられる。強力な鎮痛薬もしくはオピオイドアゴニスト、または乱用可能物質について述べるとき、常習(addiction)という用語が最も一般的に用いられる。強力な鎮痛薬もしくはオピオイドアゴニスト、または乱用可能物質は、アスピリン、アセトアミノフェンなどの弱い薬剤とは対照的に、より重度の疼痛の軽減に用いられる。それらは通例、破砕され、飲み込まれる、鼻から吸引される、非経口的に「注射」されると、多幸作用を生じる。経口制御放出組成物として摂取されるときには、通常著しい多幸感はない。
【0054】
常習は、The National Research CouncilのCommittee on Problems of Drug Dependenceによって定義された用語「常習」の意味で、すなわち、その薬物の作用に対する心理的依存、ときには身体的依存の発現を伴い、その結果として薬物の投与を継続する手段の開発がその常習者の存在の重要な動機となるような、薬物の摂取および用量の増加への衝動強迫という意味で、バルビツール酸系催眠薬、および強力な鎮痛薬もしくはオピオイドアゴニスト、または乱用可能物質に対して発現し得る。
【0055】
麻薬、または麻薬のような強力な鎮痛薬に対する常習はしばしば、重い疼痛を軽減するためにこれらの薬剤を合法的に慢性経口投与または非経口投与することによって起こる。しかしながらより一般的には、これらの薬剤の常習は、人生の現実からの逃避を求めている精神的に不安定な個人またはスリルを求めている個人が、強力な鎮痛薬もしくはオピオイドアゴニスト、または乱用可能物質の経口または非経口投与によって得られる多幸感に逃避を見出したときに起こる。多幸感は一般に幸福感として定義される。多幸感は、多くの方法、例えば明るい気分になる体験、アルコール、興奮薬、抑制薬、麻薬などで生じ得る。本開示では、「多幸感」は、強力な鎮痛薬の非経口投与によって得られる異常な幸福感の状態として定義される。
【0056】
常習性物質は、しばしば麻薬、または麻薬のような鎮痛薬もしくはオピオイドアゴニストと称される用語「乱用可能物質」、「多幸性鎮痛薬」、および「強力な鎮痛薬」を含み、例えば、経口または非経口投与によって、実質的な離脱症状を伴わずに、ヘロインなどを常習している既知の常習者を維持するか、または部分的に維持することのできる化学剤を含む。本開示では、「強力な鎮痛薬」は、その鎮痛、多幸、または依存性作用がオピオイドアンタゴニストの非経口投与によって無効になる、任意の鎮痛薬と説明することもできる。
【0057】
本発明での使用が企図されるいくつかのオピオイドアゴニストまたは麻薬性鎮痛薬の例には、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルヒネ、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、デソモルヒネ、デキストロモラミド、デゾシン、ジアムプロミド、ジアモルホン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアムブテン、ジオキサフェチルブチラート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアムブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼン、エトルフィン、ジヒドロエトルフィン、フェンタニルヒドロコドン、ヒドロモルホン、ヒドロキシペチジン、イソメサドン、ケトベミドン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルヒネ、ミロフィン、ナルセイン、ニコモルヒネ、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ナルブフェン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、アヘン、オキシコドン、オキシモルホン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロフェプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロポキシフェン、スフェンタニル、トラマドール、チリジン、アルファプロジン、デキストロポルポキシフェン、プロピラム、プロファドール、フェナンプロミド、チアンブテン、フォルコデイン、3−トランス−ジメチルアミノ−4−フェニル1−4−トランス−カルボエトキシ−デルタ−シクロヘキセン、3−ジメチルアミノ−0−(4−メトキシフェニルカルバモイル)−プロピオフェノンオキシム、(−)ベータ−2’−ヒドロキシ−2,9−ジメチル−5−フェニル−6,7−ベンゾモルファン、(−)2’−ヒドロキシ−2−(3−メチル−2−ブテニル)−9−メチル−5−フェニル−6,7−ベンゾモルファン、ピリニトラミド、(−)アルファ−5,9−ジエチル1−2’−ヒドロキシ−2−メチル−6,7−ベンゾモルファン、エチル−1−(2−ジメチルアミノエチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−3−メチル−4−オキソ−6−フェニルインドール−2−カルボキシラート、1−ベンゾイルメチル−2,3−ジメチル−3−(m−ヒドロキシフェニル)−ピペリジン、N−アリル−7アルファ−(1−(R)−ヒドロキシ−1−メチルブチル)−6,14−エンド−エタノテトラヒドロノルオリパビン、(−)2’−ヒドロキシ−2−メチル−6,7−ベンゾモルファン、ノルアシルメタドール、フェノペリジン、アルファ−dl−メタドール、ベータ−dl−メタドール、アルファ−1−メタドール、ベータ−dl−アセチルメタドール、アルファ−1−アセチルメタドール、およびベータ−1−アセチルメタドール、ならびに薬学的に許容できるそれらの塩、立体異性体、エーテル、エステル、および混合物が含まれる。
【0058】
常習性物質はまた、バルビツール酸系催眠薬、リセルグ酸ジエチルアミド(LSD)、メスカリン、マリファナ(テトラヒドロカンナビノール)、ヘロインなど、中枢神経系興奮薬(アンフェタミンなど)、鎮静薬、催眠薬、強力なおよび緩和な精神安定剤の一部(プロマジン、メプロバメート、ジアゼピンなど)などの、違法な目的のために(「高揚感」、多幸、興奮、昏迷、睡眠遮断などを得るため)最も一般的に用いられる薬物を含む。
【0059】
多くの常習性物質は、様々な状態の合法的な治療のために薬剤として一般的に用いられ、したがって社会での利用は限定されている。これらの薬剤は現代医療に必要な部分であるが、(1)薬物乱用可能性が低減された新しい薬物を生成すること、または(2)違法な使用を防ぐために古くからの薬剤を「変性する」ことが非常に望ましい。製薬業界は、最初の目標を達成するために長年にわたって努力しているが、極めて残念なことに、非常に限られた成功しか収めていない。強力な鎮痛薬に注目するならば、良好な鎮痛活性を有するが、常習性の不利益をほとんどまたはまったく持たない化学物質を生成するために、多くの努力と金銭が費やされてきたことが明らかとなる。例えば、コデインの代替物としてのプロポキシフェン、およびモルヒネまたはメぺリジンの代替物としてのペンタゾシンの開発から明らかなように良好に進歩しているが、これらの化合物は依然として、常習性および/または多幸性であり、飲み込む、吸入する、鼻から吸引する、「注射する」、または非経口投与することによって薬物に即時にアクセスできるように、薬物組成物を破砕、溶解、および加熱/蒸発して乱用されることが医学文献に報告されている。さらに、これらの薬剤の一部には、望ましくない副作用、すなわちひどい幻覚などがある。
【0060】
本発明の組成物またはデバイスは、他の活性成分も含有できる。それらには、特に例えば、オピオイドアンタゴニスト(ナロキソンなど)、アスピリン、フェナセチン、カフェイン、アセトアミノフェン、抗ヒスタミン薬、臭化メチルホマトロピン、クエン酸フェニルトロキサミン、バルビツール酸系催眠薬など、またはそれらの複数の組み合わせが含まれる。さらに、非麻薬性鎮痛薬と組み合わせた麻薬性鎮痛薬を含む組成物、コデイン、ジヒドロコデイノン、フォルコデインなどの麻薬性または麻薬のような鎮咳薬を含有する鎮咳調剤も本発明の範囲内に含まれる。樟脳アヘンチンキU.S.P.、アヘンチンキU.S.P.、アヘン抽出物NFなど、胃腸管の鎮痙薬として用いる麻薬性または麻薬のような組成物を含む他の製品も、本発明のいくつかの例の必須部分であり得る。
【0061】
用語「ペースト」は、濃いまたは硬い粘稠度の医薬形態を意味する。ペーストは、分散された1000ミクロン未満の固体を含むこともできる。ペーストはまた、非ニュートン性、チキソトロピー性もしくは擬塑性である、液体または半固体マトリクスまたはマグマ、またはペーストとして説明することもできる。ペーストは典型的に常習性物質を含む。しかしながら、ペーストは常習性物質の存在下または不在下で他の活性成分を含むことができる。さらに、単一のペースト組成物を用いることができ、あるいは異なる放出プロファイルを有し、および/または異なる活性物質を含む2種以上のペースト組成物の組み合わせを用いることができる。本発明のペースト組成物によって提供される放出プロファイルは、任意の活性成分の製剤において有利に用いることができる。
【0062】
単一または複数の投与単位中の異なる放出プロファイルを有する2種以上のペースト群を活性物質の送達に用いることができる。1種または複数の活性物質は、複数のペースト群を用いて、同様に送達できる。例えば、それぞれ2種のペースト組成物に2種の活性物質を配合することは、それらの物質が非適合性であるか、または個別にもしくは異なる作用開始点で作用する場合、特に有用である可能性がある。異なるペースト群は、他の任意の適切な保持または分配デバイスでカプセル化または送達できる。
【0063】
ペーストは、薬学的に適切な賦形剤に1種または複数の制御放出剤、および/または1種または複数のベントナイトなどの粘土、および/または1種または複数の充填剤、ならびに場合により崩壊剤、湿潤剤、界面活性剤、および安定剤から選択された材料を含むことができる。いくつかの例において、ペーストは、非水性賦形剤に1種または複数の制御放出剤、および/または1種または複数のベントナイトなどの粘土、および/または1種または複数の充填剤、ならびに場合により崩壊剤、湿潤剤、界面活性剤、および安定剤から選択された材料を含むことができる。いくつかの例において、ペーストは、場合により油性、脂肪性、もしくはロウ状物質と混合するための乳化剤を含む水性ビヒクルに1種または複数の制御放出剤、および/または1種または複数のベントナイトなどの粘土、および/または1種または複数の充填剤、ならびに場合により崩壊剤、湿潤剤、界面活性剤、および安定剤から選択された材料を含むことができる。
【0064】
ペースト組成物は、ペーストの物理化学的特性が活性物質の急速放出を低減または防止するように配合することができる。例えば、ペースト組成物は、ペーストの物理化学的特性がアルコール存在下で常習性物質の急速放出を低減または防止し、剤形を粉末に破砕、粉砕、もしくは摩砕する、または剤形を加熱して蒸気にし、経鼻経路によって吸引もしくは吸入するか、または溶解して非経口経路によって乱用する様式による薬物乱用を阻止するように配合することができる。
【0065】
用語「ポリマーコーティング」または「ポリマーコート」は、1種または複数のモノマーを重合して、線状もしくは分岐、または架橋高分子を形成することによって形成される任意のコーティングを意味する。このコーティングは、コーティング、層、膜、シェル、カプセルなどとして種々に特徴づけることができ、コア粒子を実質的に囲むかまたは包む。本発明のデバイスが複数のポリマーコートを含む場合、例えば第1のポリマーコートは、コア粒子を実質的に囲むかまたは包み、第2のポリマーコートは、第1のポリマーコートを実質的に囲むかまたは包む。ポリマーコートは、任意の既知の適合性制御放出コート、例えばpH感受性コート、撥水性コート、または水性溶媒系コート、または水溶性コートの形態および組成をとることができる。
【0066】
いくつかの例において、ポリマーコートは、有機溶媒中に水溶性ゲル形成ポリマーおよび水不溶性有機可溶性ポリマーを含む均質混合物から調製することができる。そのような調剤は実質的に非水性であるが、制御放出送達デバイスに適用または混入する前に、少量の水、例えばポリマーコーティング組成物の約20%(v/v)未満、約10%(v/v)未満、約5%(v/v)未満、または約2%(v/v)未満を用いるか、または耐容できる。
【0067】
用語「持続放出」、「パルス放出」、「遅延放出」、および「制御放出」は本出願において交換可能に用いられ、本発明の目的では、ある用量の活性成分が持続放出、パルス放出、遅延放出、または制御放出デバイスで投与されるとき、活性成分の濃度(レベル)が選択された期間にわたって所望の範囲内であるが、毒性レベル未満に維持されるような速度で送達デバイスから活性成分が放出されることとして定義される。in vivo投与の場合、活性成分の濃度(レベル)は、例えば血液または血漿で測定することができる。in vivoで投与されるとき、本発明の持続放出、パルス放出、遅延放出、または制御放出デバイスは、活性成分の有用な血漿濃度が、即時放出形態の場合と比べて長く維持されることを可能にする。
【0068】
制御放出プロファイルは、ポリマーコートに関する多くの要因に基づいて、例えばこれに限定されるものではないが、用いるポリマーの種類、それらが堆積される順序、混合物中のポリマーの比率、およびそれらの相互作用の性質によって改変され得る。制御放出プロフィールは、例えば2007年1月4日公開の米国特許出願第20070003619号に概説されている、送達デバイスおよび投与経路に関する様々な要因によっても改変され得る。例えば、持続放出期間は、活性成分の溶解性、意図された投与部位からの活性成分のクリアランス速度、コア粒子の大きさ、コア粒子に最初に存在する活性成分の量、活性成分の放出速度に影響を及ぼすコア粒子内の他の化合物の存在、ポリマーコーティングの活性医薬成分への浸透性、およびポリマーコーティングの分解速度、ならびに他の要因に応じて多様となる。
【0069】
放出制御は、用いるポリマーの種類、それらが堆積される順序、ポリマーコートの数、ポリマーコートの幅、混合物中のポリマーの比率、およびそれらの相互作用の性質によって達成されるか、または最適化される。
【0070】
合法的に医薬に用いられるはずの相当量の強力な鎮痛薬が、不正または不注意な取扱いによって、違法な使用に転用されていることは、麻薬取締機関および医薬品業界の他の関係者に一般に知られている。多くの場合これらの薬物は、窃盗または医師の無頓着な処方によって、常習者または潜在的常習者に入手される。
【0071】
真の麻薬常習者は最大の多幸作用を得るために、飲み込む、吸入する、鼻から吸引する、「注射する」、または非経口投与(静脈注射)することによって薬物に即時にアクセスできるように、薬物組成物を破砕、および/または溶解、および加熱、および/または蒸発することにより常習癖を満たさなければならないことが、経験から知られている。潜在的常習者またはスリルを求める者も同じ方法で試みる。残念なことに、相当量の経口剤形に製剤化された合法的な強力な鎮痛薬が、違法な非経口使用に転用されている。合法的なルートから転用されるこれらの薬物の経口剤形は、所望の多幸感を生じるように投与できる形態を得るためには、容易に破砕、溶解、および加熱/蒸発されなければならないため、これらの経口剤形が何らかの方法で、破砕、溶解、加熱/蒸発、または抽出が困難または不可能にされ、飲み込む、吸入する、鼻から吸引する、および「注射する」、または非経口使用することによる乱用が不快になっていれば、常習者または潜在的常習者は、この特定の多幸性薬物の供給を断つ。明らかに、有用な薬剤が提供される場合、経口活性は保持されなければならない。
【0072】
医薬薬物、すなわち常習性物質を、ペースト組成物に混入することは、(1)少なくとも1つの乱用様式、例えば、経口投与用の剤形を鼻から吸引/吸引、非経口投与する、または粉砕して、経口摂取することによる違法な使用を低減するため、(2)例えばアルコール存在下での、急速放出を低減するため、または(3)その擬塑性もしくはチキソトロピー性にもかかわらず、胃腸管での輸送中にその制御放出機能を果たすのに充分な完全性を維持する時限放出または持続放出組成物および/またはデバイスのために、有用である可能性がある。
【0073】
活性物質、油性、ロウ状、もしくは脂肪性物質、粘土、または制御放出剤から選択された材料を含むペースト組成物は、乱用を阻止し、破砕、溶解、加熱して蒸発し、および鼻から吸引、「注射」、または吸入する様式による乱用を困難なものにする。
【0074】
ペースト組成物は場合により、薬学的に許容できる鼻腔刺激剤を含むことができる。鼻腔刺激剤は、組成物が鼻粘膜に接触したとき、鼻腔の刺激および不快感をもたらし得る。この刺激剤は、鼻からの吸引によってアレルギー型反応または免疫応答を引き起こすのに充分な量ではない。2007年1月2日発行の米国特許第7,157,103号(Sackler)は、医薬製剤の調製における種々の刺激剤の使用を提案し、例えば、カプサイシン、カプサイシンに類似した型の特性を有するカプサイシン類似体などが含まれる。一部のカプサイシン類似体または誘導体には、例えばレシニフェラトキシン、チンヤトキシン(tinyatoxin)、ヘプタノイルイソブチルアミド、ヘプタノイルグアイアシルアミド、他のイソブチルアミドもしくはグアイアシルアミド、ジヒドロカプサイシン、ホモバニリルオクチルエステル、ノナノイルバニリルアイニド、またはバニロイドとして知られる他の類の化合物が含まれる。レシニフェラトキシンは、例えば1994年3月1日発行の米国特許第5,290,816号(Blumberg)に記載されている。1989年3月14日発行の米国特許第4,812,446号(Brand)は、カプサイシン類似体、およびそれらの調製方法を記載している。
【0075】
剤形に刺激剤(例えば、カプサイシン)を含むことにより、剤形が改造されたとき、カプサイシンは乱用者に灼熱感または不快な特性を与えて、好ましくは改造された剤形の吸入、注射、または経口投与を阻止し、好ましくはこの剤形の乱用を防止する。適切なカプサイシン組成物は、剤形の約0.00125重量%から50重量%、好ましくは約1から約7.5重量%、最も好ましくは約1から約5重量%の濃度のカプサイシン(トランス−8−メチル−N−バニリル−6−ノネアミド)またはその類似体を含む。
【0076】
ペースト組成物は、そこに含まれる常習性物質が易溶性でなく、破砕により即時に利用可能ではなく、静脈内注射用に溶解する試み、または破砕した剤形の経口摂取によって即時に全薬物にアクセスすることが容易に成功しないように配合される。
【0077】
ペースト組成物は、アルコール存在下、またはアルコールの同時摂取中に、常習性物質の急速放出を困難にする。例えば図1は、オキシコドンを含むペースト組成物の制御放出プロファイルが、エタノールの種々の濃度で維持されることを示している。
【0078】
ペースト組成物は典型的に、制御放出剤、または油性、脂肪性、もしくはロウ状物質、または粘土を含む。ペースト組成物に存在するとき、制御放出剤の濃度は、約2%から約90%であることができる。ペースト組成物に存在するとき、油性物質の濃度は、約3%から約99%であることができる。ペースト組成物に存在するとき、脂肪性物質の濃度は、約0.5%から約70%であることができる。ペースト組成物に存在するとき、ロウ状物質の濃度は、約0.5%から約70%であることができる。ペースト組成物に存在するとき、粘土の濃度は、約0.1%から約95%であることができる
【0079】
ペースト組成物に用いるのに適した粘土の例は、ベントナイト、ビーガム(veegum)、および他の粘土鉱物、例えばフィロシリケート、(スメクタイト、イライト、セピオライト、パリゴルスカイト、ムスコバイト、アレバルダイト、アメサイト、ヘクトライト、フルオロヘクトライト、サポナイト、バイデライト、タルク、ノントロナイト、スティーブンサイト、マイカ、バーミキュライト、フルオロバーミキュライト、ハロイサイト、およびフッ素含有合成型のマイカ、フィロシリケート、バイデライト、ボルコンスコイト、ヘクトライト、ソーコナイト、ソボカイト(sobockite)、スビンフォルダイト(svinfordite)などである。他の有用な材料には、マイカ鉱物、例えば混合イライト/スメクタイト鉱物、例えばレクトライト、タロソバイト、レディカイトなど、およびイライトと上に挙げた粘土鉱物との混合物が含まれる。膨潤ベントナイトが好ましい。
【0080】
米国特許第4,517,112号は、変性有機親和性粘土複合体、それらの調製、およびそれらを含有する非水性系、より詳細には、有機液体に分散することができ、そこでゲルを形成し、(a)該粘土100g当たり少なくとも75ミリ当量のカチオン交換容量を有するスメクタイト型粘土、(b)有機スルホン酸、9個を超える炭素原子を有する少なくとも1つの直鎖または分岐鎖アルキル基を含有するアルキル硫酸塩およびその混合物、芳香族スルホン酸およびその混合物に由来するアニオンからなる群から選択された第1アニオン、(c)前記第1アニオンと異なり、約11.0未満のpKaを有する有機酸およびその混合物に由来するアニオンからなる群から選択された第2アニオン、ならびに(d)該粘土のカチオン交換容量ならびに第1および第2アニオンのカチオン活性を満たすのに充分な量の有機カチオンであって、結果として得られる有機カチオン/有機アニオン複合体がスメクタイト型粘土に層間挿入され、前記第1アニオンと第2アニオンの組み合わせが、前記有機親和性粘土ゲルの有機液体への分散容易性を相乗的に高める有機カチオンの反応生成物を含む、有機親和性有機粘土複合体を教示している。この発明は、潤滑油、油系泥水、油系パッカー流体、ペイント/ワニス/ラッカー除去剤、ペイント、鋳型造形砂結合剤、接着剤および封止剤、インク、ポリエステル積層用樹脂、ポリエステルゲルコートなどとして有用である可能性のある組成物ゲルに関する。
【0081】
米国特許第4,676,929号は、格子層状ケイ酸塩またはフィロシリケートとも呼ばれる膨張性含水層状ケイ酸塩から生成される有用なゲルを記載している。この発明はまた、そのようなゲルをさらに処理することにより製造される製品、およびゲルを生成および処理する方法にも関する。対象となるケイ酸塩鉱物には、バーミキュライト、バイデライト、ノントロナイト、ボルコンスコイト、サポナイト、スティーブンサイト、ソーコナイト、ピメライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、スメクタイト、アタパルジャイト、セピオライト、フロゴパイト、およびビオピロボール(biopyrobole)、すなわち天然または合成起源にかかわらず、本質的にすべての種類の水和フィロシリケートまたは水和性フィロシリケートが含まれる。
【0082】
ペースト組成物に存在するとき、粘土の濃度は、約0.1%から約95%であることができる。いくつかの例において、粘土の量は、ペースト組成物の総重量に対して約0.5%から約20%(w/w)であることができる。他の例において、粘土の量は、ペースト組成物の総重量に対して約0.8%から約20%(w/w)であることができる。さらに他の例において、粘土の量は、ペースト組成物の総重量に対して約1%から約20%(w/w)であることができる。
【0083】
油性、脂肪性、またはロウ状成分をペースト組成物に用いることもでき、エタノールまたは水に不溶性または実質的に不溶性である任意の薬学的に許容できる油性、脂肪性、またはロウ状物質が含まれる。これには、油脂、ロウ、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、高級脂肪酸の金属塩などが含まれる。油脂の特定の例には、植物油、例えばカカオ脂、パーム油、和ロウ(木ロウ)、ヤシ油、コーン油など;動物油、例えば牛脂、ラード、馬脂、羊脂など;動物由来の硬化油、例えば硬化魚油、硬化鯨油、硬化牛脂など;植物由来の硬化油、例えば硬化コーン油、硬化ナタネ油、硬化ヒマシ油、硬化ヤシ油、硬化ダイズ油などが含まれる。これらの中で、硬化油は本発明の油成分として好ましい。ロウの特定の例には、植物ロウ、例えばカルナウバロウ、キャンデリラロウ、ベイベリーロウ、オウリキュリーロウ、エスパルトロウなど;動物ロウ、例えば蜜ロウ、サラシ蜜ロウ、昆虫ロウ、鯨ロウ、シェラック、ラノリンなどが含まれる。これらの中で、好ましくはカルナウバロウ、サラシ蜜ロウ、および黄蜜ロウである。パラフィン、ワセリン、微結晶性ロウなどが炭化水素の特定の例として挙げられ、好ましい炭化水素は、パラフィンおよび微結晶性ロウである。高級脂肪酸の例として挙げられるのは、カプリル酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ヘンエイコサン酸、ベヘン酸、トリコサン酸、リグノセリン酸、ペンタコサン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、ノナコサン酸、メリシン酸、ヘントリアコンタン酸、ドトリアコンタン酸などである。これらの中で、好ましくはミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、およびベヘン酸である。高級アルコールの特定の例は、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、ノナデシルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビック(carnaubic)アルコール、コリアニル(corianyl)アルコール、セリルアルコール、およびミリシルアルコールである。特に好ましいアルコールは、セチルアルコール、ステアリルアルコールなどである。エステルの特定の例は、脂肪酸エステル、例えばパルミチン酸ミリスチル、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、ベヘン酸ベヘニル、リグノセリン酸セリル、セロチン酸ラクセリル、ラクセル酸ラクセリルなど;グリセリン脂肪酸エステル、例えばラウリン酸モノグリセリド、ミリスチン酸モノグリセリド、ステアリン酸モノグリセリド、ベヘン酸モノグリセリド、オレイン酸モノグリセリド、オレイン酸ステアリン酸ジグリセリド、ラウリン酸ジグリセリド、ミリスチン酸ジグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、ラウリン酸トリグリセリド、ミリスチン酸トリグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、アセチルステアリン酸グリセリド、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリドなどである。高級脂肪酸の金属塩の特定の例は、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウムなどである。
【0084】
いくつかの例において、本発明に用いられる油は、扁桃油、杏仁油、アボカド油、ブラックカラント油、14%GLA、ボラージ油、20%GLA、キャノーラ油、ニンジン油、ヒマシ油、クローブリーフ油、ヤシ油、コーン油、綿実油、月見草油、9%GLA、アマニ油、55%ALA、グレープシード油、ヘーゼルナッツ油、大麻油、ALA/GLA、硬化油、ホホバ油、ゴールデンホホバ油、水白色ククイナッツ油、マカダミアナッツ油、エンバク油、オリーブ油、エクストラバージンオリーブ油、ポマス/「B」グレード、オリーブ油、ピュア/NF、パーム油、パセリシード油、桃仁油、落花生油、ピーカン油、ピスタチオ油、パンプキンシード油、米ぬか油、ローズヒップシード油、ローズマリー油、サフラワー油、リノール酸サフラワー油、高オレイン酸ゴマ油NF、焙煎ゴマ油、ダイズ油、ヒマワリ油、高オレイン酸サラダヒマワリ油、ティーツリー油、植物、グリセリン、USP、クルミ油、小麦胚芽油、冷圧搾油、および鉱油、または他の類似の油から選択された1種または複数であることができる。
【0085】
本発明の組成物に用いることのできる制御放出剤には、天然または合成、アニオンまたは非イオン性、疎水性、親水性ゴム、ポリマー、デンプン誘導体、セルロース誘導体、ポリサッカリド、カルボマー、樹脂、アクリル樹脂、タンパク質、ビニルピロリドン−酢酸ビニル−コポリマー、ガラクトマンナンおよびガラクトマンナン誘導体、カラギーナンなどが含まれる。特定の例は、アカシア、トラガカント、キサンタンゴム、ローカストビーンゴム、グアーガム、カラヤゴム、ペクチン、アルギン酸、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、アルギン酸プロピレングリコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、アルファデンプン、カルボキシメチルデンプンナトリウム、アルブミン、デキストリン、硫酸デキストラン、寒天、ゼラチン、カゼイン、カゼインナトリウム、プルラン、ポリビニルアルコール、脱アセチル化キトサン、ポリエチオキサゾリン、ポロキサマー、エチルセルロース、キチン、キトサン、セルロースエステル、アミノアルキルメタクリラートポリマー、メタクリル酸およびメタクリラートのアニオン性ポリマー、アクリラートおよびメタクリラートと第四級アンモニウム基とのコポリマー、中性エステル基とのエチルアクリラートメチルメタクリラートコポリマー、ポリメタクリラート、界面活性剤、脂肪族ポリエステル、ゼイン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニルなどである。
【0086】
薬学的に許容できるアクリルポリマーもいくつかの例において用いることができる。特定の例には、これに限定されるものではないが、アクリル酸およびメタクリル酸コポリマー、メチルメタクリラートコポリマー、エトキシエチルメタクリラート、シアノエチルメタクリラート、アミノアルキルメタクリラートコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミドコポリマー、ポリ(メチルメタクリラート)、ポリ(メチルメタクリラート)コポリマー、ポリアクリルアミド、アミノアルキルメタクリラートコポリマー、ポリ(メタクリル酸無水物)、ならびにグリシジルメタクリラートコポリマーが含まれる。さらに、アクリルポリマーは、カチオン性、アニオン性、または非イオン性ポリマーであることができ、アクリラート、メタクリラート、メタクリル酸またはメタクリル酸エステルから形成されるものであることができる。ポリマーはまた、pH非依存性またはpH依存性であることができる。
【0087】
ペースト組成物に存在するとき、制御放出剤の濃度は、約2%から約90%であることができる。いくつかの例において、所望の制御放出作用を得るために、制御放出剤の下限はペースト組成物の総重量に対して2%超、例えば少なくとも約5%、10%、15%、または20%(w/w)であり、上限は典型的に60%(w/w)未満であることができる。
【0088】
ペースト組成物の制御放出プロファイルは、制御放出剤に関する多くの要因に基づいて、例えばこれに限定されるものではないが、用いる薬剤の種類、それらが堆積される順序、混合物中の薬剤の比率、およびそれらの相互作用の性質によって改変され得る。
【0089】
本発明の組成物に用いることのできる添加剤のさらなる例には、これに限定されるものではないが、乳酸エチル、フタル酸エステル、例えばフタル酸ジメチル(DMP)、フタル酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ジオクチル、グリコールエーテル、例えばエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、PPG−2ミリスチルエーテルプロピオナート、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、ジメチルアセトアミド、プロピレングリコール、モノカプリル酸プロピレングリコール、カプリル酸/カプリン酸プロピレングリコール、モノラウリン酸プロピレングリコール、グリコフロール(glycofurol)、リノール酸、リノエオイルマクロゴール−6グリセリド、オレイン酸、オレイン酸エステル、例えばジオレイン酸グリセリル、オレイン酸エチル、安息香酸、オレオイルマクロゴール−6グリセリド、エステル、例えば安息香酸エチル、安息香酸ベンジル、スクロースエステル、イソ酪酸酢酸スクロース、乳酸のエステル、オレイン酸のエステル、セバシン酸エステル、例えばセバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセタート(DPMアセタート)、炭酸プロピレン、ラウリン酸プロピレングリコール、カプリル酸/カプリン酸プロピレングリコール、ガンマブチロラクトン、中鎖脂肪酸トリグリセリド、酸および脂肪酸のグリセロールおよびPEGエステル、モノオレイン酸PEG−6グリセロール、リノール酸PEG−6グリセロール、リノール酸PEG−8グリセロール、カプリル酸エステル、例えばカプリロカプリルマクロゴール−8グリセリド、カプリル酸/カプリン酸PEG−4グリセリル、カプリル酸/カプリン酸PEG−8グリセリル、オレイン酸ポリグリセリル−3、ジオレイン酸ポリグリセリル−6、イソステアリン酸ポリグリセリル−3、ポリオレイン酸ポリグリセリル、テトラオレイン酸デカグリセリル、およびトリ酢酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノリノール酸グリセリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、カプロラクタム、デシルメチルスルホキシド、および1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オンが含まれる。本発明は、様々な親水性親油性バランス(HLB)値を有する界面活性剤、例えばポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセロールエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、およびラウリル硫酸ナトリウムなどを含有することができる。
【0090】
本発明に用いることのできる抗酸化剤の例は、アスコルビン酸、フマル酸、リンゴ酸、アルファトコフェロール、アスコルビン酸パルミタート、ブチル化ヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、およびメタ重亜硫酸ナトリウム、または他の適切な抗酸化剤および安定剤から選択される。
【0091】
本発明に用いることのできる可塑剤の例には、アジピン酸エステル、アゼライン酸エステル、エンゾアート(enzoate)、クエン酸エステル、ステアリン酸エステル、イソエブカート(isoebucate)、セバシン酸エステル、クエン酸トリエチル、クエン酸トリ−n−ブチル、クエン酸アセチルトリ−n−ブチル、クエン酸エステル、およびJohn Wiley&Sonsにより発行された、Encyclopedia of Polymer Science and Technology、第10巻(1969)に記載のものが含まれる。好ましい可塑剤は、トリアセチン、アセチル化モノグリセリド、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸アセチルトリエチル、グリセリンソルビトール、シュウ酸ジエチル、リンゴ酸ジエチル、フマル酸ジエチル、コハク酸ジブチル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、三酪酸グリセロールなどである。特定の可塑剤に応じて、0から約25%、好ましくは約0.1%から約20%の量の可塑剤を用いることができる。可塑剤の添加は、ゼラチンカプセルの完全性が損なわれないように、または漏出が生じないように、注意して対処されるべきである。いくつかの組成物では、可塑剤を用いない方がよい。
【0092】
本発明の製剤の一部として用いることのできる他の添加剤の例には、これに限定されるものではないが、炭水化物、糖、スクロース、ソルビトール、マンニトール、亜鉛塩、タンニン酸塩;酸および塩基の塩、例えばリン酸ナトリウムおよびカリウム、水酸化ナトリウムおよびカリウム、炭酸ナトリウムおよびカリウム、炭酸水素ナトリウムおよびカリウムなど;酸、例えば塩酸、硫酸、硝酸、およびリン酸、クエン酸、酒石酸、および安息香酸などが含まれる。
【0093】
アルカリ金属塩化物、塩化アンモニウム、ならびにBa、Mg、Ca、Cu、Fe、およびAlの塩化物;酢酸塩、硝酸塩、リン酸塩、および水酸化物のアルカリ溶液またはアルカリ土類溶液などの材料を、本発明に用いることができる。
【0094】
吸湿性または水性材料は、注意して用いることができる。いくつかの組成物では、限定された量が混入されている。例えば、ペースト組成物は、乳化剤の存在下、非水性賦形剤と組み合わせた水性賦形剤を含むことができる。
【0095】
1種または複数の活性物質を含む本発明の組成物は、粘土、制御放出剤、油性、脂肪性、またはロウ状物質、および任意の充填剤の量または比率、および種類が、組成物全体のペースト、液体または半固体マトリクス、マグマを形成するのに充分である任意の方法で製造することができる。好ましくは、組成物の全量は、油性、脂肪性、またはロウ状物質に溶解、分散、乳化、または懸濁されている。典型的に、粘土、制御放出剤、および油性、脂肪性、またはロウ状物質は、粘土、制御放出剤が完全に溶解されるか、または均質ペーストが形成されるまで、例えば高せん断下で配合または混合することによって合わせられる。これらの成分は、次々と別個に添加することができる。活性物質は、均質非ニュートン性、チキソトロピー性、もしくは擬塑性ペースト、または液体/半固体マトリクスを形成するために、高せん断下で添加される。混入される順序は、得られる成果物に応じて決まる。室温条件下での低温法が好ましいが、固体物質は混入する前に液体状態に加熱してもよい。
【0096】
あるいは、組成物は、処理温度の精密な制御が可能であるジャケット付き(jacketed)容器で処理することができる。上記のものなど、他の薬学的に許容できる添加剤は、制御放出剤または麻薬性鎮痛薬の添加前、添加後、または添加中に混入することができる。
【0097】
本発明の組成物の製造は、比較的に単純である。製剤は室温で調製することができる。典型的に、成分の加熱は必要とされない。しかしながら、室温で固体である材料が用いられるとき、加熱が必要となる可能性がある。高揮発性を有する溶媒は、典型的に用いられない。そのような揮発性溶媒の例は、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサノール、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサノール、ジオキサン、酢酸エチル、アセトン、酢酸アミル、酢酸プロピル、メチルエチルケトン、エチルセロソルブ、イソプロピルアルコール、メタノール、エチルアルコール、およびイソアミルアルコールである。
【0098】
いくつかの例において、固体不溶性粒子をペースト内に分散することができる。固体粒子は、ペースト組成物が室温条件および貯蔵中に、その粘稠度/粘度および均質性を維持するような粒径となる。固体粒子は、例えば顆粒、スフェロイド、ペレット、ミクロスフェア、ナノスフェア、マイクロカプセル、または結晶を含む任意の通常の形態をとることができ、湿式もしくは乾式造粒、押出し球状化、粉末もしくは溶液積層、マイクロカプセル化技法、粉砕および圧縮技法、または他の適切な既知の技法によって調製できる。いくつかの例では、異なる被覆粒子群を、ペースト組成物内で一緒に混合できる。
【0099】
いくつかの例において、固体材料の粒径は約1000ミクロン未満であり、組成物は室温条件および貯蔵中に、その粘稠度/粘度および均質性を維持する。他のいくつかの例において、固体材料の粒径は約500、200、100、または50ミクロン未満であり、組成物は室温条件および貯蔵中に、その粘稠度/粘度および均質性を維持する。いくつかのさらなる例において、固体粒子は、ペースト組成物が本質的に均質な非ニュートン性、チキソトロピー性または擬塑性ペーストであるように充分に小さい。
【0100】
単一のペースト組成物を用いることができ、または2種以上のペースト組成物の組み合わせを用いることができる。いくつかの例において、単一のペースト組成物は、1種または複数の活性物質を含むことができる。他のいくつかの例において、2種以上のペースト組成物は、異なる放出プロファイル(例えば、制御放出および即時放出)を有することができ、同一または異なる活性物質を含むことができる。複数のペースト組成物は、1種または複数の活性物質の送達に有用である可能性がある。例えば、複数のペースト組成物は、非適合性であるか、または個別にもしくは異なる作用開始点で作用する2種以上の物質の送達に有用である可能性がある。所望であれば、複数のペースト組成物は、一緒にカプセル化するか、または他の任意の適切な分配デバイスで一緒に送達することができる。
【0101】
いくつかの例において、ペースト組成物は、カプセル、例えば軟カプセルまたは硬カプセルで包まれる。軟カプセルおよび硬カプセルの両方を用いることができるが、硬カプセルが特に有用であり得る。いくつかの例において、カプセルは、硬ゼラチンカプセルであるか、または周期表の金属もしくは合金、セルロースエーテル、植物もしくは動物源で製造されている。
【0102】
カプセルは多くの場合、ゼラチンで製造される。ゼラチンカプセルは伝統的に2つの一般的な群、硬質シェルゼラチンカプセルおよび軟ゼラチンカプセル(ソフトゲル)に分けられる。硬質シェルゼラチンカプセルのいくつかの例において、カプセルは、典型的に20%未満の相対湿度に平衡し、典型的に乾燥ゼラチンに対して低い比率の乾燥可塑剤(少量の可塑剤)を用いて配合され、典型的に2つの個別に形成された、協同して機能するはめ込みシェルからなる。これに対して、ソフトゲルは、最も一般的には20%から30%の相対湿度に平衡し、典型的に乾燥ゼラチンに対して高い比率の乾燥可塑剤(より多量の可塑剤)を用いて配合され、典型的にロータリーダイカプセル化法などの単一プロセスで形成される。
【0103】
ゼラチン以外の材料のカプセルも当業者には知られている。例えば、2006年5月11日公開の米国特許出願公開第20060099246号(Tanner)は、主としてデンプンとゲル化カラギーナンをベースとするシェルを有する非ゼラチン軟カプセル系に関する。カラギーナンは、紅藻(Rhodophycae)、主にコンドルス(Chondrus)、ユーケマ(Eucheuma)、ギガルチナ(Gigartina)、およびイリダエア(Iridaea)属からアルカリ抽出(および変性)によって調製されたポリサッカリドの総称である。異なる海藻は異なるカラギーナンを生じる。カラギーナンは、交互の3−結合(linked)−ベータ−D−ガラクトピラノースと4−結合−アルファ−D−ガラクトピラノース単位からなる。全部ではなくとも大部分のガラクトース単位は、硫酸エステル基で置換されている。別の例として、2006年1月5日公開の米国特許出願公開第20060004193号(Muller)は、一方では低い湿度で高い衝撃靭性を有し、他方では依然として高い湿度で高い弾性係数を有し、さらに広範な湿度で高い伸長能を有し、その特性プロファイルのために可食性フィルムおよび活性成分の包装、ならびに軟カプセルおよび硬カプセルの領域でゼラチンの高品質の代用品として用いるのに適している、デンプンをベースとする強靭弾性材料に関する。別の例として、PCT公開WO01/37817は、軟化剤の含有量の高い熱可塑性デンプン(TPS)をベースとする軟カプセルを記載している。別の例として、2005年9月8日公開の米国特許出願公開第20050196436号(Chantranukul)は、ゼラチンと比べて類似したテクスチャ特性および機能特性を有する、種々のアシルジェランガムとデンプンのフィルム形成ブレンドを生成する方法に関する。別の例として、2007年4月5日公開の米国特許出願公開第20070077293号(Park)は、デンプン7〜12重量%、可塑剤1〜6重量%、ゲル化剤0.7〜3重量%、および水79〜91.3重量%を含む、硬カプセル用のフィルム形成組成物に関する。別の例として、2006年7月13日公開の米国特許出願公開第20060153909号(Motoune)は、例えば、1種または複数のヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルフタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチル酢酸コハク酸セルロース、カルメロース、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、およびエチルセルロースを含むセルロース誘導体を含有する基材から製造される硬カプセルに関する。さらに、ゲル化剤、ゲル化助剤、着色剤、可塑剤、乳化剤、分散剤、および保存剤などの添加剤を、カプセル基材に添加することができる。さらに別の例として、2005年8月25日公開の米国特許出願公開第20050186268号(Hoshi)は、ポリビニルアルコールおよび/またはその誘導体の存在下、少なくとも1種の重合性ビニルモノマーを重合または共重合することによって得られる、ポリマーまたはコポリマーから主として製造される硬カプセルを記載している。当業者に認識されるように、さらに多くの他の例が存在する。
【0104】
いくつかの例において、制御放出組成物は、単独でカプセルまたは分配デバイスに充填することができ、あるいはオピオイドアンタゴニストおよび/または即時放出非麻薬性鎮痛薬、もしくは他の医薬活性物質を含有する非制御放出組成物と共に充填することもできる。
【0105】
ペーストは、ゼラチンカプセルまたはデバイスに形成または投入時(「糸引き(stringing」)に清浄な切断を可能にする。2ピースカプセルに関して、ペースト組成物は、生じる可能性があり、カプセルボディとキャップ間の重複部分を汚して、良好な密封が形成されるのを妨げ得る、考えられるブッシングの飛び散りを防ぐのに充分な粘性であるべきである。
【0106】
ペースト組成物を含むカプセルは、多くの既知の適切な技法によって調製することができる。カプセルに用いられる充填材料は一般に、カプセル壁に適合する担体に溶解または分散された薬剤を含有する。
【0107】
いくつかの例において、液体または半固体マトリクス、マグマ、またはペーストがゼラチンカプセルに充填され、USP溶出試験器を用いる溶出は、約25rpmから約150rpm、または約50rpmおよび約100rpm、または約50rpmおよび約75rpm、または約100rpmおよび約150rpmの速度範囲のバスケットまたはパドル回転速度によって有意差がない。回転速度は、組成物の完全性および放出機序と相互に作用することも、それらを損なうこともない。これらの要件を満たす組成物は、胃腸管で崩壊または分解する懸念がなく一貫して機能する。それらの組成物は典型的に、胃腸管内容物、滞留時間、または運動性によって、摂動、破砕、または損傷されない。これらの種類の組成物はその信頼性から評価される可能性がある。
【0108】
常習性物質、粘土、制御放出剤、または油性、ロウ状、もしくは脂肪性物質を含む組成物は、カプセルシェルと適合性であり、カプセルシェルの完全性を損なわないように配合される。
【0109】
ゼラチンカプセルは、活性物質を送達する部位および/または速度を制御するため、または組成物を湿気などの環境要因から保護するため、または美的魅力のために、ゼラチンカプセルの内表面および/または外表面を被覆することができる。
【0110】
カプセルまたは他の粒子は、ポリマーコーティングで被覆することができる。ポリマーコーティングの方法は、当分野でよく知られている。例えば、コア粒子は、流動床またはパンで、あるいはコア粒子にポリマーコートを噴霧または塗布することによって被覆することができる。他の既知の選択肢は、粒子を気流に懸濁し、ポリマーコーティング組成物の水性分散液をその粒子に噴霧することによる、流動床ボトムスプレー被覆装置である。これを容易にするために種々の通常の被覆装置を用いることができ、例えば遠心流動床被覆装置、パン被覆装置、または流動床造粒被覆装置が含まれる。
【0111】
本発明に用いられる水不溶性有機可溶性ポリマーは、水に不溶性であり、有機溶媒に均質に溶解または分散でき、典型的に活性成分の放出を遅らせることのできる任意のポリマーであってよい。「水不溶性」という用語によって、(水への)溶解が可能でないことが意図される。水不溶性有機可溶性ポリマーの特定の例は、セルロースエーテル、セルロースエステル、またはセルロースエーテル−エステル、例えばエチルセルロース、アセチルセルロース、およびニトロセルロースである。用いることのできる他の水不溶性有機可溶性ポリマーには、アクリル酸および/またはメタクリル酸エステルポリマー、アクリレートまたはメタクリレートポリビニルエステルのポリマーまたはコポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、およびブタジエンスチレンコポリマーなどが含まれる。好ましい水不溶性ポリマーは、エチルセルロース、酢酸セルロース、ポリメタクリレート、およびアミノアルキルメタクリレートコポリマーである。
【0112】
さらなる特定の例において、アクリルポリマーには、これに限定されるものではないが、アクリル酸およびメタクリル酸コポリマー、メチルメタクリレートコポリマー、エトキシエチルメタクリレート、シアノエチルメタクリレート、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミドコポリマー、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート)コポリマー、ポリアクリルアミド、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリ(メタクリル酸無水物)、ならびにグリシジルメタクリレートコポリマーが含まれる。さらに、アクリルポリマーは、カチオン性、アニオン性、または非イオン性ポリマーであることができ、アクリレート、メタクリレート、メタクリル酸またはメタクリル酸エステルから形成されるものであることができる。水不溶性ポリマーは、単独または2種以上の組み合わせで用いることができる。
【0113】
本発明に用いることのできる水溶性ゲル形成ポリマーは、水に可溶性であり、有機溶媒に均質に溶解または分散でき、典型的に活性成分の放出を遅らせることのできる任意のポリマーであってよい。典型的に、水溶性ゲル形成ポリマーは、迅速に水和し、強力な粘性ゲルを形成することができる。「水溶性」という用語によって、(水への)溶解が可能であることが意図される。適切な水溶性ゲル形成ポリマーには、親水コロイドを形成できるもの、またはそれにより拡散または吸い上げ(wicking)によって活性成分が放出される強力な粘性ゲルを形成できるものが含まれる。それらには、天然または合成、アニオンまたは非イオン性、親水性ゴム、デンプン誘導体、セルロース誘導体、タンパク質などが含まれる。特定の非限定的な例は、ゼラチン、例えばアルギン酸塩、ペクチン、カラギーナン、またはキサンタンなど;セルロース誘導体、例えばメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、またはカルボキシメチルセルロースナトリウムなど;デンプンおよびデンプン誘導体、例えばアルファデンプンまたはカルボキシメチルデンプンナトリウムなど;ガラクトマンナンおよびガラクトマンナン誘導体;ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ビニルピロリドン−酢酸ビニル−コポリマー、アカシア、トラガカント、キサンタンゴム、ローカストビーンゴム、グアーガム、カラヤゴム、ペクチン、アルギン酸、ポリエチレンオキシド、カルボマー、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、アルブミン、デキストリン、硫酸デキストラン、寒天、ゼラチン、カゼイン、カゼインナトリウム、プルラン、脱アセチル化キトサン、ポリエチオキサゾリン、ポリエチレンオキシド、ポロキサマーなどである。これらのなかで、好ましくはヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボマー、ポリエチレングリコール、ポロキサマー、デンプン誘導体、およびポリビニルピロリドンである。水溶性ゲル形成ポリマーは、単独または2種以上の組み合わせで用いることができる。
【0114】
ポリマーコートは、疎水性または撥水性材料、例えば油、脂肪、ロウ、高級アルコールなど;pH感受性ポリマー;腸溶性ポリマー;または制御放出コーティングの調製に有用であることが知られている他の任意のポリマー、成分、もしくは材料からなることもできる。
【0115】
本発明に用いるポリマーは、pH非感受性またはpH感受性であることができる。
【0116】
消化管に経口投与されるように設計された送達デバイスの場合、経口で摂取可能であることが知られているポリマーを用いることができ、例えば、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、および他のセルロースをベースとするポリマーが含まれる。腸内送達に有用な他の既知のポリマーには、消化管の様々な位置で優先的に溶解または崩壊するポリマー材料が含まれる。そのようなポリマーには、例えば、腸液に可溶である既知のアクリル酸および/またはメタクリル酸ベースポリマー、例えばEudragit(商標)シリーズの市販のポリマーが含まれる。これらの例には、Eudragit E(商標)、例えばより酸性pHの胃で優先的に溶解するEudragit E 100(商標)、またはよりアルカリ性pHの腸管で優先的に溶解するEudragit L(商標)および/またはEudragit S(商標)などの腸溶性ポリマー、または消化管でゆっくりと、例えば所定の速度で溶解するポリマー、例えばEudragit RL(商標)、例えばEudragit RL 100(商標)、および/またはEudragit RS(商標)、例えばEudragit R 100(商標)、および/またはそのようなEudragit(商標)ポリマーのブレンドが含まれる。
【0117】
コートに存在することのできる疎水性または撥水性材料は、油脂、ロウ、高級脂肪酸、脂肪酸エステル、高級アルコール、炭化水素、および高級脂肪酸の金属塩から選択される。油脂の特定の例には、植物油、例えばカカオ脂、パーム油、和ロウ(木ロウ)、ヤシ油など;動物油、例えば牛脂、ラード、馬脂、羊脂など;動物由来の硬化油、例えば硬化魚油、硬化鯨油、硬化牛脂など;植物由来の硬化油、例えば硬化ナタネ油、硬化ヒマシ油、硬化ヤシ油、硬化ダイズ油などが含まれる。これらの中で、硬化油は本発明の油成分として好ましい。
【0118】
ロウの特定の例には、植物ロウ、例えばカルナウバロウ、キャンデリラロウ、ベイベリーロウ、オウリキュリーロウ、エスパルトロウなど;動物ロウ、例えば蜜ロウ、サラシ蜜ロウ、昆虫ロウ、鯨ロウ、シェラック、ラノリンなどが含まれる。これらのなかで、好ましくはカルナウバロウ、サラシ蜜ロウ、および黄蜜ロウである。
【0119】
パラフィン、ワセリン、微結晶性ロウなどが炭化水素の特定の例として挙げられ、好ましい炭化水素は、パラフィンおよび微結晶性ロウである。
【0120】
高級脂肪酸の例として挙げられるのは、カプリル酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ヘンエイコサン酸、ベヘン酸、トリコサン酸、リグノセリン酸、ペンタコサン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、ノナコサン酸、メリシン酸、ヘントリアコンタン酸、ドトリアコンタン酸などである。これらのなかで、好ましくはミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、およびベヘン酸である。
【0121】
高級アルコールの特定の例は、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、ノナデシルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビックアルコール、コリアニルアルコール、セリルアルコール、およびミリシルアルコールである。特に好ましいアルコールは、セチルアルコール、ステアリルアルコールなどである。
【0122】
エステルの特定の例は、脂肪酸エステル、例えばパルミチン酸ミリスチル、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、ベヘン酸ベヘニル、リグノセリン酸セリル、セロチン酸ラクセリル、ラクセル酸ラクセリルなど;グリセリン脂肪酸エステル、例えばラウリン酸モノグリセリド、ミリスチン酸モノグリセリド、ステアリン酸モノグリセリド、ベヘン酸モノグリセリド、オレイン酸モノグリセリド、オレイン酸ステアリン酸ジグリセリド、ラウリン酸ジグリセリド、ミリスチン酸ジグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、ラウリン酸トリグリセリド、ミリスチン酸トリグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、アセチルステアリン酸グリセリド、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリドなどである。グリセリン脂肪酸エステルがより好ましい。
【0123】
高級脂肪酸の金属塩の特定の例は、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウムなどであり、好ましい高級脂肪酸塩は、ステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸マグネシウムである。
【0124】
ポリマーコーティング組成物は、可塑剤、タルクなどの粘着防止剤、および着色剤などの医薬分野で用いられるコーティングに通常含まれる他の添加剤を含有することもできる。
【0125】
可塑剤の例には、フタル酸ジエチル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、トリアセチン、クエン酸トリブチル、ポリエチレングリコール、グリセロール、植物油、および鉱油が含まれる。カプセルを用いるとき、可塑剤の添加は、ゼラチンカプセルの完全性が損なわれないように、または漏出が生じないように、注意して対処されるべきである。いくつかの組成物では、可塑剤を用いない方がよい。
【0126】
着色剤は、優雅さおよび美的側面のために、または製品を区別するために添加され、例えば、金属酸化物顔料またはアルミニウムレーキ染料から選択することができる。
【0127】
コーティング組成物は、タルクなどの粘着防止剤を含むことができる。他の適切な粘着防止剤の例は、ステアリン酸カルシウム、コロイド状二酸化ケイ素、グリセリン、ステアリン酸マグネシウム、およびステアリン酸アルミニウムである。
【0128】
特定の例において、ポリマーコーティングは、ポリマー、可塑剤、および粘着防止剤を有機溶媒に添加することによって調製され、均質に溶解または分散されるまで高せん断ミキサを用いて混合される。コーティングは、標準的な被覆方法を用いて、コア粒子に適用することができる。
【0129】
本発明のペースト組成物は、患者、例えば動物、より詳細には哺乳動物を治療するために用いることができる。哺乳動物とは、毛および乳腺を有する脊椎動物であることを特徴とする哺乳綱の任意のメンバーを意味する。例には、非限定的に、イヌ、ネコ、ウサギ、ウマ、ブタ、ヤギ、ウシ、ヒトが含まれる。本発明のペースト組成物は、活性成分の部位特異的、時限、パルス、時間治療、持続、または制御放出による治療を必要としている任意の動物患者または哺乳動物患者に投与することができる。一例において、本発明の送達デバイスは、ウマを治療するために用いられる。他の例において、本発明の送達デバイスは、ヒトを治療するために用いられる。
【0130】
医学的状態または急速放出は、治療有効量の常習性物質を含むペースト組成物を患者に投与することによって、防止または治療することができる。
【0131】
ペースト組成物を調製または使用する方法のいくつかの例において、ヒトまたは動物における投与は、経口または非経口などの体内投与であることができる。そのような体内非経口投与には、これに限定されるものではないが、血管内、筋内、皮下、皮内、髄腔内、および腔内経路の投与、ならびに外科的または腹腔鏡手技中など、内部身体器官の外表面への適用が含まれる。投与は局所であってよく、皮膚または粘膜表面(口腔、膣、直腸表面を含む)、眼の表面、鼻腔、または耳道への投与が含まれる。
【0132】
組成物は、固体の形態であることもできる。適用の手段および領域は、治療される特定の状態によって決まることになる。組成物は、任意の適切な製剤および/または分配デバイスを用いて分配することができる。例えば、組成物は、経口、移植、静脈内、またはデポー剤(depot)として受容されてよい。組成物は、胃腸管(GU)の特定部位、または特定器官を標的とすることができる。他の例として、組成物は、パウチまたはパッチで口腔および経皮的に適用することもできる。
【0133】
組成物は、川、湖、もしくは海などの水域、大気、または陸地に適用することができる。製剤の物理的状態および特定の適用方法は、それに応じて多様であってよいことは明らかである。
【0134】
固体粒子は、通常の技法によって調製することができる。好ましい技法は、常習性物質、ならびに可溶化剤、乳化剤、懸濁化剤、充填剤、圧縮剤、安定剤、pH改変剤、緩衝剤、潤滑剤、および流動促進剤などの賦形剤の乾式または湿式造粒によるものである。
【0135】
いくつかの例において、ラクトースなどの充填剤、および微結晶性セルロースなどの圧縮剤、ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、および二酸化ケイ素などの流動促進剤をコアに含むことができる。コーティングが適用されるコアは、活性成分を含有する。コアは、錠剤、カプセル、カプレット、ペレット、球状、または不規則な形状であることができる。
【0136】
いくつかの例において、著しく膨潤および膨張するヒドロゲルなどの膨潤性ポリマー材料がコアに含まれる。
【0137】
賦形剤は、コア粒子内で活性剤と均質に混合されていてよい。賦形剤は、粘着防止剤、結合剤、希釈剤、乳化剤、懸濁化剤、圧縮剤、押出し剤、pH改変剤、緩衝剤、流動促進剤、潤滑剤、可溶化剤、湿潤剤、界面活性剤、浸透促進剤、顔料、着色剤、香味剤、甘味剤、抗酸化剤、酸味剤、安定剤、抗菌保存剤、および結合剤から選択することができる。
【0138】
賦形剤は、治療効果を高める、生物学的に不活性な成分である。充填剤または希釈剤(例えば、ラクトースまたはソルビトール)は増量剤であり、正確に錠剤に形成され得る材料の量を提供する。結合剤および粘着剤は(例えば、メチルセルロースまたはゼラチン)は、成分が錠剤を形成し、合わせて保持されるように、成分を合わせて保持する。潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウムまたはポリエチレングリコール)は、鋳型に正確に充填されるように粉末の流れを向上させるために添加され、潤滑剤はまた、処理が円滑かつ一様に進むように錠剤と機械の間の摩擦を低減する。
【0139】
粘着防止剤は、粉末(顆粒)と打錠面との間の粘着を低減し、それによって錠剤が打錠機に付着するのを防ぐために用いられる。
【0140】
結合剤は錠剤において成分を合わせて保持する。結合剤は、錠剤および顆粒剤が必要とされる機械的強度で形成され得ることを確実にする。結合剤は、デンプン、糖、セルロース、またはヒドロキシプロピルセルロースなどの変性セルロース、ラクトース、またはキシリトール、ソルビトール、もしくはマルチトールのような糖アルコールから選択することができる。溶液結合剤は、溶媒(例えば、水またはアルコール)に溶解され、湿式造粒法において用いられる。溶液結合剤の例は、ゼラチン、セルロース、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、デンプン、スクロース、およびポリエチレングリコールである。乾燥結合剤は、湿式造粒段階後または直接粉末圧縮の一部として、粉末ブレンドに添加される。乾燥結合剤の例は、セルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールである。一般に用いられる結合剤または圧縮剤は、微結晶性セルロースである。微結晶性および粉末セルロース製品は、Avicel(商標)PH(FMC Corporation、Philadelphia、Pa)、およびSolka Floc(商標)(Penwest Company、Patterson N.Y.)の商品名で販売されている。微結晶性セルロースは、直接圧縮、乾式造粒、湿式造粒、または押出し球状化などの種々の技法で用いることができる。
【0141】
圧縮剤は、圧縮することのできる材料である。圧縮剤は、コア粒子全体の硬度を増大するために添加することができる。圧縮剤は、塑性変形性および限定された弾性回復性のために本質的に高い圧縮性を有する。圧縮剤として用いられる材料の非限定的な例は、微結晶性セルロース、ケイ化微結晶性セルロース(例えば、JRS Pharma製のProsolv(商標))、酸化ポリエチレン、無水リン酸水素カルシウム、デキストラート(dextrate)、または糖である。
【0142】
充填剤または希釈剤は、容積が錠剤またはカプセルの大きさを満たして、その製造を実用化し、さらに消費者が便利に使用できるようにするために添加される。充填剤/希釈剤は典型的に、不活性、製剤の他の成分と適合性、非吸湿性、可溶性、比較的安価、圧縮性であり、好ましくは無味であるかまたは快い味である。植物セルロース(純植物性充填剤)は、錠剤または硬ゼラチンカプセルでよく使われる充填剤である。第二リン酸カルシウムは別のよく使われる充填剤である。一連の植物油脂を軟ゼラチンカプセルに用いることができる。充填剤の他の例には、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、ソルビトール、および炭酸カルシウムが含まれる。充填剤/希釈剤は典型的に、微結晶性セルロース、植物セルロース、リン酸カルシウム、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、グルシトール、ズシトール(ducitol)、イノシトール、アラビニトール、アラビトール、ガラクチトール、イジトール、アリトール、フルクトース、ソルボース、グルコース、キシロース、トレハロース、アロース、デキストロース、アルトロース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、スクロース、マルトース、ラクトース、ラクツロース、フコース、ラムノース、メレチトース、マルトトリオース、およびラフィノースから選択される。好ましい糖には、マンニトール、ラクトース、スクロース、ソルビトール、トレハロース、グルコースが含まれる。
【0143】
流動促進剤は、粉末もしくは顆粒、またはその両方の流動性を向上するために用いられる。流動促進剤のいくつかの例は、二酸化ケイ素、デンプン、ケイ酸カルシウム、Cabosil、Syloid、および二酸化ケイ素エアロゲルである。典型的に、二酸化ケイ素が用いられる。
【0144】
潤滑剤は、成分が凝集するのを防ぎ、打錠機またはカプセル充填機に付着するのを防ぐ。潤滑剤はまた、固体と鋳型壁の間の摩擦が低い状態で錠剤の形成および射出が起こり得ることを確実にする。潤滑剤のいくつかの例は、アルカリステアリン酸塩、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ポリエチレングリコール、アジピン酸、硬化植物油、塩化ナトリウム、ステロテックス(sterotex)、モノステアリン酸グリセロール、タルク、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、軽鉱物油であり、同様のものを用いることができる。「Compritol」製品として販売されている、ベヘン酸グリセリルなどのロウ状脂肪酸エステルを使用できる。他の有用な市販の潤滑剤には、「Stear−O−Wet」および「Myvatex TL」が含まれる。タルクまたはシリカのような一般的な鉱物、および脂肪、例えば植物ステアリン、モノステアリン酸グリセロール、ステアリン酸マグネシウム、またはステアリン酸は、典型的に用いられる潤滑剤である。
【0145】
吸着剤(sorbent)は、乾燥状態で限定流体吸着(吸着または吸収によって液体または気体を吸い取る)により防湿するために用いられる。
【0146】
モノステアリン酸グリセロール、セトステアリルアルコール、セトマクロゴール乳化ロウ、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(例えば、セトマクロゴール1000などのマクロゴールエーテル)、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、TWEEN(商標))、ポリオキシエチレンステアラート、ドデシル硫酸ナトリウム、Tyloxapol(アルキルアリールポリエーテルアルコール型の非イオン性液体ポリマー、スペリノン(superinone)またはトリトン(triton)とも称される)などの界面活性剤、湿潤剤、および可溶化剤は、別の有用な可溶化剤である。これらの可溶化剤、湿潤剤、および界面活性剤のほとんどが既知の医薬賦形剤であり、American Pharmaceutical AssociationとThe Pharmaceutical Society of Great Britainによって共同で刊行されたHandbook of Pharmaceutical Excipients(The Pharmaceutical Press、1986)に詳しく記載されている。
【0147】
好ましい湿潤剤には、チロキサポール、ポロキサマー、例えばエチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマーであるPLURONIC(商標)F68、F127、およびF108、ならびにポリキサミン(polyxamine)、例えばプロピレンオキシドとエチレンオキシドのエチレンジアミンへの連続的付加から誘導される四官能性ブロックコポリマーであるTETRONIC(商標)908(POLOXAMINE(商標)908とも称される)(BASFから入手可能)、デキストラン、レシチン、スルホコハク酸ナトリウムのジアルキルエステル、例えばスルホコハク酸ナトリウムのジオクチルエステルであるAEROSOL(商標)OT(American Cyanimidから入手可能)、ラウリル硫酸ナトリウムであるDUPONOL(商標)P(DuPontから入手可能)、アルキルアリールポリエーテルスルホン酸塩であるTRITON(商標)X−200(Rohm and Haasから入手可能)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるTWEEN(商標)20およびTWEEN(商標)80(ICI Specialty Chemicalsから入手可能)、ポリエチレングリコールであるCarbowax3550および934(Union Carbideから入手可能)、ステアリン酸スクロースとジステアリン酸スクロースの混合物であるCrodesta F−110とCrodesta SL−40(共にCroda Inc.から入手可能)、ならびにCg1837−CH(CON(CH)CH(CHOH)CF20H)であるSA90HCOが含まれる。
【0148】
特に有用であることが見出されている湿潤剤には、Tetronic908、Tweens、PluronicF−68、およびポリビニルピロリドンが含まれる。他の有用な湿潤剤には、デカノイル−N−メチルグルカミド、n−デシル−ベータ−D−グルコピラノシド、n−デシル−ベータ−D−マルトピラノシド、n−ドデシル−ベータ−D−グルコピラノシド、n−ドデシル−ベータ−D−マルトシド、ヘプタノイル−N−メチルグルカミド、n−ヘプチル−ベータ−D−グルコピラノシド、n−ヘプチル−ベータ−D−チオグルコシド、n−ヘキシル−ベータ−D−グルコピラノシド、ノナノイル−N−メチルグルカミド、n−オクチル−ベータ−D−グルコピラノシド、オクタノイル−N−メチルグルカミド、n−オクチル−ベータ−D−グルコピラノシド、およびオクチル−ベータ−D−チオグルコピラノシドが含まれる。他の好ましい湿潤剤は、Olin−10GまたはSurfactant10−Gとも称されるp−イソノニルフェノキシポリ(グリシドール)である(Olin Chemicalskara10Gとして市販されている)。2種以上の湿潤剤を組み合わせて用いることができる。
【0149】
医薬組成物またはデバイスは、さらにペグ化賦形剤を含むことができる。そのようなペグ化賦形剤には、これに限定されるものではないが、ペグ化リン脂質、ペグ化タンパク質、ペグ化ペプチド、ペグ化糖、ペグ化ポリサッカリド、ブロックの1つがPEGであるペグ化ブロックコポリマー、およびペグ化コレステロールなどのペグ化疎水性化合物が含まれる。ペグ化リン脂質の代表的な例には、1,2−ジアシル1−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[ポリ(エチレングリコール)2000](「PEG2000PE」)および1,2−ジアシル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[ポリ(エチレングリコール)5000](「PEG5000PE」)が含まれ、ここでアシル基は、例えばジミリストイル、ジパルミトイル、ジステアロイル、ジオールコイル(diolcoyl)、および1−パルミトイル−2−オレオイルから選択される。
【0150】
追加の賦形剤を本発明の組成物に含むことができる。賦形剤のさらなる例には、顔料、着色剤、香味剤、保存剤、甘味剤を含むことができる。香味剤および着色剤は、製剤の味または外観を改善するために添加される。医薬製剤に用いられるいくつかの典型的な保存剤は、抗酸化剤、例えばビタミンA、ビタミンE、ビタミンC、およびセレン、アミノ酸、例えばシステインおよびメチオニン、クエン酸およびクエン酸ナトリウム、または合成保存剤、例えばメチルパラベンおよびプロピルパラベンである。甘味剤は、特に制酸薬などのチュアブル錠剤、または咳止めシロップのような液剤において、成分の味をよりよくするために添加される。糖は、不快な味または臭いを隠すために用いることができる。
【0151】
当業者は、本発明の組成物に用いる適切な賦形剤を選択できる。
【0152】
ペースト組成物は、膨潤および膨張できる量で、ヒドロゲルなどの膨潤性材料である賦形剤を含むことができる。膨潤性材料の例には、軽度に架橋され、そのような架橋は共有結合またはイオン結合によって形成され、水または水性生物流体と相互作用して、ある平衡状態まで膨潤または膨張する親水性ポリマーが含まれる。ヒドロゲルなどの膨潤性材料は、水中で膨潤して、その構造内にかなりの割合の水を保持する能力を示し、架橋されたとき水に溶解しない。膨潤性ポリマーは、非常に高度に膨潤または膨張し、2から50倍の体積増加を示すことができる。親水性ポリマー材料の特定の例には、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリレート)、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)、アニオン性およびカチオン性ヒドロゲル、高分子電解質複合体、アセタート残量が少なく、グリオキサル、ホルムアルデヒド、またはグルタルアルデヒドで架橋されたポリ(ビニルアルコール)、ジアルデヒドで架橋されたメチルセルロース、架橋寒天とカルボキシメチルセルロースの混合物、コポリマー中の無水マレイン酸1モル当たりポリ不飽和架橋剤0.001から約0.5モルを用いて架橋された、無水マレイン酸とスチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、またはイソブチレンの微粉コポリマーの分散体を形成することによって生成された水不溶性水膨潤性コポリマー、N−ビニルラクタムの水膨潤性ポリマー、架橋ポリエチレンオキシドなどが含まれる。他の膨潤性材料の例には、架橋0.05〜60%を示すヒドロゲル、Carbopol(商標)酸性カルボキシポリマーとして知られる親水性ヒドロゲル、Cyanamer(商標)ポリアクリルアミド、架橋水膨潤性インデン−無水マレイン酸ポリマー、Good−rite(商標)ポリアクリル酸、ポリエチレンオキシド、デンプングラフトコポリマー、Aqua−Keeps(商標)アクリレートポリマー、ジエステル架橋ポリグルカンなどが含まれる。ポリマー膨潤圧およびヒドロゲル−水界面相互作用に関して膨潤性材料を試験する方法は、「Osmotic device with hydrogel driving member」という名称の1982年5月4日に発行された米国特許第4327725号に記載されている。
【0153】
いくつかの例において、デバイスは非崩壊性および非半透過性コートで被覆されていてもよい。非崩壊性非半透過性コートを形成するのに有用な材料は、エチルセルロース、ポリメチルメタクリラート、メタクリル酸コポリマー、およびそれらの混合物である。
【0154】
さらに他の実施形態において、デバイスは、非崩壊性半透過性コートで被覆される。非崩壊性半透過性コートを形成するのに有用な材料は、セルロースエステル、セルロースジエステル、セルローストリエステル、セルロースエーテル、セルロースエステル−エーテル、セルロースアシレート、セルロースジアシレート、セルローストリアシレート、酢酸セルロース、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、および酢酸酪酸セルロースである。他の適切なポリマーは、米国特許第3845770号、第3916899号、第4008719号、第4036228号、および第4612008号に記載されている。最も好ましい非崩壊性半透過性コーティング材料は、Eastman Fine Chemicalsから市販されている、アセチル含量39.3から40.3%の酢酸セルロースである。
【0155】
別の実施形態において、非崩壊性半透過性または非崩壊性非半透過性コートは、コートに細孔またはチャネルを形成する上述のポリマーおよび材料から形成することができる。細孔形成剤またはチャネリング剤は流体と接触して溶解し、流体および活性医薬成分がコートを通ることのできる通路を形成する。細孔形成剤またはチャネリング剤は、水溶性材料または腸溶性材料であることができる。細孔形成剤またはチャネリング剤のいくつかの一般的な例は、セルロースエーテル、ポリエチレングリコール、または微結晶性セルロースなどの水溶性材料である。細孔形成剤またはチャネリング剤のいくつかのさらなる例は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、ラクトース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール(PEG)、例えばPEG600、ポリビニルピロリドン、プロピレングリコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルフタル酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、ポリビニルアルコール、メタクリル酸コポリマー、およびそれらの混合物である。
【0156】
水溶性であるか、または腸条件下で可溶性である活性医薬成分も、コートに細孔を作るために用いることができる。
【0157】
細孔形成剤は、コーティングの総重量の約0から約75%、最も好ましくはコーティングの総重量の約0.5%から約25%である。細孔形成剤は、コートから溶解または浸出して、流体がコアに入り、活性成分を溶解するための細孔をコートに形成する。
【0158】
本明細書では、細孔という用語は、開口部、オリフィス、ボア、チャネル、穴(hole)、脆弱であるかまたは可溶性もしくは浸出性材料によって作られた不連続領域を含む。
【0159】
ペースト組成物およびそれらの使用を例示するいくつかの一般的な例は本発明の理解に役立つ可能性があり、それらを以下のとおり項目別にする。
【0160】
項目1は、非ニュートン性であり、1種または複数の常習性物質、および
(i)1種または複数の粘土、
(ii)および/またはポリアクリレート、デンプン、カルボマー、セルロースエーテル、セルロースエステル、ポリサッカリドガム、天然ガム、充填剤、およびポロキサマーから選択された1種または複数の物質からなり、
(iii)油性、ロウ状、もしくは脂肪性物質、またはそれらの組み合わせに混合され、
(iv)不溶性材料の粒径は1000ミクロン未満であり、
(v)カプセルまたは分配デバイスで投与される、
時限、遅延、または持続放出液体または半固体マトリクスまたはマグマまたはペースト組成物である。
【0161】
項目2は、非ニュートン性であり、1種または複数の常習性物質、および
(i)1種または複数の粘土、
(ii)および/またはポリアクリレート、デンプン、カルボマー、セルロースエーテル、セルロースエステル、ポリサッカリドガム、天然ガム、充填剤、およびポロキサマーから選択された1種または複数の物質からなり、
(iii)水性賦形剤に混合され、
(iv)不溶性材料の粒径は1000ミクロン未満であり、
(v)カプセルまたは分配デバイスで投与される、
時限、遅延、または持続放出液体または半固体マトリクスまたはマグマまたはペースト組成物である。
【0162】
項目3は、非ニュートン性であり、1種または複数の常習性物質、および
(i)1種または複数の粘土、
(ii)および/またはポリアクリレート、デンプン、カルボマー、セルロースエーテル、セルロースエステル、ポリサッカリドガム、天然ガム、充填剤、およびポロキサマーから選択された1種または複数の物質からなり、
(iii)水および1種または複数の油性、ロウ状、および脂肪性物質を合わせて製造される賦形剤に混合され、
(iv)不溶性材料の粒径は1000ミクロン未満であり、
(v)カプセルまたは分配デバイスで投与される、
時限、遅延、または持続放出液体または半固体マトリクスまたはマグマまたはペースト組成物である。
【0163】
項目4は、1種または複数の界面活性剤を含有する、項目1、2、または3に記載の組成物である。
【0164】
項目5は、1種または複数の崩壊剤を含有する、項目1、2、または3に記載の組成物である。
【0165】
項目6は、1種または複数の中鎖トリグリセリドまたはそれらのエステルを含有する、項目1、2、または3に記載の組成物である。
【0166】
項目7は、d−アルファ−トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸エステル、および/またはモノステアリン酸グリセリル、および/またはダイズポリサッカリドを含有する、項目1、2、または3に記載の組成物である。
【0167】
項目8は、粘土がベントナイトである、項目1、2、または3に記載の組成物である。
【0168】
項目9は、粘土がモンモリロナイトである、項目1、2、または3に記載の組成物である。
【0169】
項目10は、粘土がパスカライトである、項目1、2、または3に記載の組成物である。
【0170】
項目11は、粘土が、スメクタイト、イライト、セピオライト、パリゴルスカイト、ムスコバイト、アレバルダイト、アメサイト、ヘクトライト、フルオロヘクトライト、サポナイト、バイデライト、タルク、ノントロナイト、スティーブンサイト、マイカ、バーミキュライト、フルオロバーミキュライト、ハロイサイト、およびフッ素含有合成型のマイカ、フィロシリケート、バイデライト、ボルコンスコイト、ヘクトライト、ソーコナイト、ソボカイト、スビンフォルダイトなど、混合イライト/スメクタイト鉱物、例えばレクトライト、タロソバイト、レディカイトなど、およびイライトと上に挙げた粘土鉱物との混合物である、項目1、2、または3に記載の組成物である。
【0171】
項目12は、1種または複数の安定剤を含有する、項目1、2、または3に記載の組成物である。
【0172】
項目13は、1種または複数の抗酸化剤を含有する、項目1、2、または3に記載の組成物である。
【0173】
項目14は、1種または複数の消泡物質を含有する、項目1、2、または3に記載の組成物である。
【0174】
項目15は、無機または有機塩基を含有する、項目1、2、または3に記載の組成物である。
【0175】
項目16は、塩または電解質を含有する、項目1、2、または3に記載の組成物である。
【0176】
項目17は、粘土が95重量%未満である、項目1、2、または3に記載の組成物である。
【0177】
項目18は、粘土が5重量%未満である、項目1、2、または3に記載の組成物である。
【0178】
項目19は、粘土が約5重量%から約20重量%である、項目1、2、または3に記載の組成物である。
【0179】
項目20は、粘土が約20重量%から約40重量%である、項目1、2、または3に記載の組成物である。
【0180】
項目21は、粘土が約30重量%から約60重量%である、項目1、2、または3に記載の組成物である。
【0181】
項目22は、カプセルの内表面および/または外表面が、pH感受性フィルムコートで被覆されている、項目1、2、または3に記載の組成物である。
【0182】
項目23は、カプセルの内表面および/または外表面が、pH非感受性フィルムコートで被覆されている、項目1、2、または3に記載の組成物である。
【0183】
項目24は、カプセルが硬ゼラチンカプセルであるか、または周期表の金属もしくは合金、セルロースエーテル、植物もしくは動物源で製造されている、項目1、2、または3に記載の組成物である。
【0184】
項目25は、非ニュートン性、チキソトロピー性および/または擬塑性であり、常習性物質を時限または持続放出するための、1種または複数の粘土、または1種または複数の制御放出ポリマー剤を含有する、液体または半固体マトリクスまたはマグマまたはペースト組成物である。
【0185】
項目26は、1種または複数の界面活性剤を含有する、項目25に記載の組成物である。
【0186】
項目27は、1種または複数の超崩壊剤を含有する、項目25に記載の組成物である。
【0187】
項目28は、1種または複数の中鎖トリグリセリドまたはそれらのエステルを含有する、項目25に記載の組成物である。
【0188】
項目29は、d−アルファ−トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸エステル、および/またはモノステアリン酸グリセリル、および/またはダイズポリサッカリドを含有する、項目25に記載の組成物である。
【0189】
項目30は、粘土がベントナイトである、項目25に記載の組成物である。
【0190】
項目31は、粘土がモンモリロナイトである、項目25に記載の組成物である。
【0191】
項目32は、粘土がパスカライトである、項目25に記載の組成物である。
【0192】
項目33は、粘土が、スメクタイト、イライト、セピオライト、パリゴルスカイト、ムスコバイト、アレバルダイト、アメサイト、ヘクトライト、フルオロヘクトライト、サポナイト、バイデライト、タルク、ノントロナイト、スティーブンサイト、マイカ、バーミキュライト、フルオロバーミキュライト、ハロイサイト、およびフッ素含有合成型のマイカ、フィロシリケート、バイデライト、ボルコンスコイト、ヘクトライト、ソーコナイト、ソボカイト、スビンフォルダイトなど、混合イライト/スメクタイト鉱物、例えばレクトライト、タロソバイト、レディカイトなど、およびイライトと上に挙げた粘土鉱物との混合物である、項目25に記載の組成物である。
【0193】
項目34は、1種または複数の安定剤を含有する、項目25に記載の組成物である。
【0194】
項目35は、1種または複数の抗酸化剤を含有する、項目25に記載の組成物である。
【0195】
項目36は、1種または複数の消泡物質を含有する、項目25に記載の組成物である。
【0196】
項目37は、無機または有機塩基を含有する、項目25に記載の組成物である。
【0197】
項目38は、常習性物質の乱用を困難にする、項目1、2、3、または25に記載の組成物である。
【0198】
項目39は、剤形を粉末に破砕(crushing)、粉砕(milling)、もしくは摩砕(grinding)して、経鼻経路によって吸引もしくは吸入すること、または非経口経路による乱用のために溶解することの少なくとも1つの様式による薬物乱用を阻止する、項目1、2、3、または25に記載の組成物である。
【0199】
項目40は、エチレン−酢酸ビニルポリマー、カルボマー、セルロースエーテル、エステル、ステアラート、セルロース誘導体、アシル置換酢酸セルロースおよびそれらの誘導体、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリ(ビニルイミダゾール)、クロロスルホン化ポリオレフィン、およびポリエチレンオキシド、ポリエチレン、ポリビニルピロリドン、エチレン酢酸ビニル、ポリエチレングリコール、酢酸酪酸セルロース、および酢酸プロピオン酸セルロースから選択された材料を含有する、項目1、2、3、または25に記載の組成物である。
【0200】
項目41は、イソ酪酸酢酸スクロースを含有する、項目1、2、3、または25に記載の組成物である。
【0201】
項目42は、カプセルの内表面および/または外表面が、pH感受性フィルムコートで被覆されている、項目25に記載の組成物である。
【0202】
項目43は、カプセルの内表面および/または外表面が、pH非感受性フィルムコートで被覆されている、項目25に記載の組成物である。
【0203】
項目44は、常習性物質が、薬物、プロドラッグ、またはそれらの塩、塩基、中間体、エナンチオマー、多形体、誘導体、および代謝物、またはそれらの組み合わせである、項目1、2、3、または25に記載の組成物である。
【0204】
項目45は、常習性物質が麻薬性鎮痛薬である、項目1、2、3、または25に記載の組成物である。
【0205】
項目46は、ポリ(ラクチド)を含有する、項目1、2、3、または25に記載の組成物である。
【0206】
項目47は、ポリ(ラクチド−コ−グリコライド)を含有する、項目1、2、3、または25に記載の組成物である。
【0207】
項目48は、ポリ(グリコライド)を含有する、項目1、2、3、または25に記載の組成物である。
【0208】
項目49は、ポリ(カプロラクトン)を含有する、項目1、2、3、または25に記載の組成物である。
【0209】
項目50は、酸化セルロースを含有する、項目1、2、3、または25に記載の組成物である。
【0210】
項目51は、ポリ(D,L−乳酸)を含有する、項目1、2、3、または25に記載の組成物である。
【0211】
項目52は、非生分解性ポリマーを含有する、項目1、2、3、または25に記載の組成物である。
【0212】
項目53は、生分解性ポリマーを含有する、項目1、2、3、または25に記載の組成物である。
【0213】
項目54は、直腸投与に適している、項目1、2、3、または25に記載の組成物である。
【0214】
項目55は、経口投与に適している、項目1、2、3、または25に記載の組成物である。
【0215】
項目56は、
(a)異なる放出速度を有するある量の制御放出組成物を提供するステップ、および
(b)組成物をカプセルまたはパッチでホストに投与するステップを含む、項目1、2、3、または25に記載の組成物を投与する方法である。
【0216】
項目57は、組成物を皮膚に局所的に、ホストに投与するステップを含む、項目1、2、3、または25に記載の組成物を投与する方法である。
【0217】
項目58は、組成物を注射によってホストに投与するステップを含む、項目1、2、3、または25に記載の組成物を投与する方法である。
【0218】
項目59は、
(a)ある量の制御放出組成物、および異なる放出速度を有する別の量の組成物を提供するステップ、および
(b)組成物をカプセルまたはパッチでホストに投与するステップを含む、項目1、2、3、または25に記載の組成物を投与する方法である。
【0219】
項目60は、
(a)ある量の制御放出組成物、および別の量の即時放出組成物を提供するステップ、および
(b)組成物をカプセルまたはパッチでホストに投与するステップを含む、項目1、2、3、または25に記載の組成物を投与する方法である。
【0220】
項目61は、
(a)ある量の制御放出組成物、および異なる放出速度を有する別の量の組成物を提供するステップ、および
(b)組成物を同じカプセルまたはパッチでホストに投与するステップを含む、項目1、2、3、または25に記載の組成物を投与する方法である。
【0221】
項目62は、
(a)ある量の制御放出組成物、および別の量の即時放出組成物を提供するステップ、および
(b)組成物を同じカプセルまたはパッチでホストに投与するステップを含む、項目1、2、3、または25に記載の組成物を投与する方法である。
【0222】
項目63は、
(a)ある量の制御放出組成物、および異なる放出速度を有する別の量の組成物を提供するステップ、および
(b)組成物を同じカプセルまたはパッチでホストに投与するステップを含み、
(c)2つの組成物が同一または異なる薬物を含有する、項目1、2、3、または25に記載の組成物を投与する方法である。
【0223】
項目64は、
(a)ある量の制御放出組成物、および別の量の即時放出組成物を提供するステップ、および
(b)組成物を同じカプセルまたはパッチでホストに投与するステップを含み、
(c)2つの組成物が同一または異なる薬物を含有する、項目1、2、3、または25に記載の組成物を投与する方法である。
【0224】
項目65は、
(a)ある量の制御放出組成物、および異なる放出速度を有する別の量の組成物を提供するステップ、および
(b)組成物を同じカプセルまたはパッチでホストに投与するステップを含み、
(c)1つの組成物がオピオイド薬を含有し、他方が非オピオイド薬を含有する、項目1、2、3、または25に記載の組成物を投与する方法である。
【0225】
項目66は、
(a)ある量の制御放出組成物、および別の量の即時放出組成物を提供するステップ、および
(b)組成物を同じカプセルまたはパッチでホストに投与するステップを含み、
(c)1つの組成物がオピオイド薬を含有し、他方が非オピオイド薬を含有する、項目1、2、3、または25に記載の組成物を投与する方法である。
【0226】
項目67は、組成物が加熱処理を行う必要なしに調製される、項目1、2、3、または25に記載の組成物である。
【0227】
項目68は、組成物がミクロスフェアまたはマイクロカプセル内にカプセル化される、項目1、2、3、または25に記載の組成物である。
【0228】
項目69は、組成物が凍結乾燥されている、項目1、2、3、または25に記載の組成物である。
【0229】
項目70は、制御放出製剤が不活性医薬賦形剤を伴い、前記賦形剤が球状または他の形状に場合により処理され、剤形に混入される、項目1、2、3、または25に記載の組成物である。
【0230】
項目71は、
(a)ある量の制御放出組成物、および異なる放出速度を有する別の量の組成物を提供するステップ、および
(b)組成物を同じカプセルまたはパッチでホストに投与するステップを含み、
(c)1つの組成物がオピオイドアゴニストを含有し、他方がオピオイドアンタゴニストを含有する、項目1、2、3、または25に記載の組成物を投与する方法である。
【0231】
項目72は、甘味剤を含有する、項目1、2、3、または25に記載の組成物である。
【0232】
項目73は、着色剤を含有する、項目1、2、3、または25に記載の組成物である。
【0233】
項目74は、小児に使用するために投与される、項目1、2、3、または25に記載の組成物である。
【0234】
項目75は、乾燥されている、項目1、2、3、または25に記載の組成物である。
【0235】
項目76は、常習性物質が、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベルジルモルヒネ、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、デソモルヒネ、デキストロモラミド、デゾシン、ジアムプロミド、ジアモルホン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアムブテン、ジオキサフェチルブチラート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアムブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼン、エトルフィン、ジヒドロエトルフィン、フェンタニルヒドロコドン、ヒドロモルホン、ヒドロキシペチジン、イソメサドン、ケトベミドン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルヒネ、ミロフィン、ナルセイン、ニコモルヒネ、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ナルブフェン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、アヘン、オキシコドン、オキシモルホン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロフェプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロポキシフェン、スフェンタニル、チリジン、アルファプロジン、デキストロポルポキシフェン、プロピラム、プロファドール、フェナンプロミド、チアンブテン、フォルコデイン、3−トランス−ジメチルアミノ−4−フェニル1−4−トランス−カルボエトキシ−デルタ−シクロヘキセン、3−ジメチルアミノ−0−(4−メトキシフェニルカルバモイル)−プロピオフェノンオキシム、(−)ベータ−2’−ヒドロキシ−2,9−ジメチル−5−フェニル−6,7−ベンゾモルファン、(−)2’−ヒドロキシ−2−(3−メチル−2−ブテニル)−9−メチル−5−フェニル−6,7−ベンゾモルファン、ピリニトラミド、(−)アルファ−5,9−ジエチル1−2’−ヒドロキシ−2−メチル−6,7−ベンゾモルファン、エチル−1−(2−ジメチルアミノエチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−3−メチル−4−オキソ−6−フェニルインドール−2−カルボキシラート、1−ベンゾイルメチル−2,3−ジメチル−3−(m−ヒドロキシフェニル)−ピペリジン、N−アリル−7アルファ−(1−(R)−ヒドロキシ−1−メチルブチル)−6,14−エンド−エタノテトラヒドロノルオリパビン、(−)T−ヒドロキシ−2−メチル−6,7−ベンゾモルファン、ノルアシルメタドール、フェノペリジン、アルファ−dl−メタドール、ベータ−dl−メタドール、アルファ−1−メタドール(2〜15mg)、ベータ−dl−アセチルメタドール、アルファ−1−アセチルメタドール、およびベータ−1−アセチルメタドール、または薬学的に許容できるそれらの塩、立体異性体、エーテル、エステル、もしくはそれらの混合物からなる群から選択されたオピオイドアゴニストである、項目1、2、3、または25に記載の組成物である。
【0236】
項目77は、不揮発性賦形剤で組成物の成分を一様な非凝固ペーストにブレンドまたは均質化することによって組成物が調製される、項目1、2、3、または25に記載の組成物である。
【0237】
項目78は、ロウ、落花生油、ヒマシ油、綿実油、トウモロコシ(コーン)油、オリーブ油、パーム油、ゴマ油、ダイズ油、およびヒマワリ油から選択された非水性ビヒクル中の1種または複数の制御放出剤、および/または1種または複数のベントナイトなどの粘土、および1種または複数の常習性物質、ならびに場合により崩壊剤、半固体または固体親油性ビヒクル、吸着促進剤、湿潤剤、界面活性剤、および安定剤から選択された材料からなり、組成物の物理化学的特性が常習性物質の乱用を困難にし、剤形を粉末に破砕、粉砕、もしくは摩砕する、または剤形を加熱して蒸気にし、経鼻経路によって吸引もしくは吸入するか、または溶解して非経口経路によって乱用する少なくとも1つの様式による薬物乱用を阻止する、液体または半固体マトリクスまたはマグマまたはペースト組成物である。
【0238】
項目79は、遅延放出または制御放出フィルムコートで被覆されているゼラチンカプセルにカプセル化された、ロウ、落花生油、ヒマシ油、綿実油、トウモロコシ(コーン)油、オリーブ油、パーム油、ゴマ油、ダイズ油、およびヒマワリ油から選択された非水性賦形剤中の1種または複数の制御放出剤、および1種または複数の常習性物質、ならびに場合により崩壊剤、半固体または固体親油性賦形剤、吸着促進剤、湿潤剤、界面活性剤、および安定剤から選択された材料からなり、組成物の物理化学的特性が常習性物質の乱用を困難にし、剤形を粉末に破砕、粉砕、もしくは摩砕する、または剤形を加熱して蒸気にし、経鼻経路によって吸引もしくは吸入するか、または溶解して非経口経路によって乱用する少なくとも1つの様式による薬物乱用を阻止する、液体または半固体マトリクスまたはマグマまたはペースト組成物である。
【0239】
項目80は、麻薬性鎮痛薬の1日1回の投与を可能にする、項目1、2、3、25、78、または79に記載の組成物である。
【0240】
項目81は、ピーク血漿濃度が麻薬性鎮痛薬の投与後3から14時間の間に生じることを可能にする、項目1、2、3、25、78、または79に記載の組成物である。
【0241】
項目82は、アルコール存在下で急速放出しない、項目1、2、3、25、78、または79に記載の組成物である。
【0242】
項目83は、フィルムコートで被覆され、アルコール存在下で急速放出しない、項目1、2、3、25、78、または79に記載の組成物である。
【0243】
項目84は、セルロースエステル、またはポリメタクリレート、またはポリエチレングリコール、またはセルロースエーテル、エステル、または組み合わせを含有するフィルムコートで被覆され、アルコール存在下で急速放出しない、項目1、2、3、25、78、または79に記載の組成物である。
【0244】
項目85は、1種または複数の制御放出剤、および1種または複数の常習性物質からなり、pH感受性もしくはpH非感受性もしくは半透過性ポリマー、または組み合わせから選択されたポリマーおよび/または非ポリマー材料で被覆され、アルコール存在下で急速放出しない、液体または半固体マトリクスまたはマグマまたはペースト組成物である。
【0245】
項目86は、
(a)ある量の制御放出組成物、および異なる放出速度を有する別の量の組成物を提供するステップ、および
(b)組成物をカプセルまたはパッチでホストに投与するステップを含み、
(c)アルコール存在下で急速放出が起こらない、項目1、2、3、25、78、または79に記載の組成物を投与する方法である。
【0246】
項目87は、
(a)ある量の制御放出組成物、および別の量の即時放出組成物を提供するステップ、および
(b)組成物をカプセルまたはパッチでホストに投与するステップを含み、
(c)アルコール存在下で急速放出が起こらない、項目1、2、3、25、78、または79に記載の組成物を投与する方法である。
【0247】
項目88は、
(a)ある量の制御放出組成物、および異なる放出速度を有する別の量の組成物を提供するステップ、および
(b)組成物を同じカプセルまたはパッチでホストに投与するステップを含み、
(c)アルコール存在下で急速放出が起こらない、項目1、2、3、25、78、または79に記載の組成物を投与する方法である。
【0248】
項目89は、
(a)ある量の制御放出組成物、および別の量の即時放出組成物を提供するステップ、および
(b)組成物を同じカプセルまたはパッチでホストに投与するステップを含み、
(c)アルコール存在下で急速放出が起こらない、項目1、2、3、25、78、または79に記載の組成物を投与する方法である。
【0249】
項目90は、
(a)ある量の制御放出組成物、および異なる放出速度を有する別の量の組成物を提供するステップ、および
(b)組成物を同じカプセルまたはパッチでホストに投与するステップを含み、
(c)2つの組成物が同一または異なる薬物を含有し、
(d)アルコール存在下で急速放出が起こらない、項目1、2、3、25、78、または79に記載の組成物を投与する方法である。
【0250】
項目91は、
(a)ある量の制御放出組成物、および別の量の即時放出組成物を提供するステップ、および
(b)組成物を同じカプセルまたはパッチでホストに投与するステップを含み、
(c)2つの組成物が同一または異なる薬物を含有し、
(d)アルコール存在下で急速放出が起こらない、項目1、2、3、25、78、または79に記載の組成物を投与する方法である。
【0251】
項目92は、
(a)ある量の制御放出組成物、および異なる放出速度を有する別の量の組成物を提供するステップ、および
(b)組成物を同じカプセルまたはパッチでホストに投与するステップを含み、
(c)1つの組成物がオピオイド薬を含有し、他方が非オピオイド薬を含有し、
(d)アルコール存在下で急速放出が起こらない、項目1、2、3、25、78、または79に記載の組成物を投与する方法である。
【0252】
項目93は、
(a)ある量の制御放出組成物、および別の量の即時放出組成物を提供するステップ、および
(b)組成物を同じカプセルまたはパッチでホストに投与するステップを含み、
(c)1つの組成物がオピオイド薬を含有し、他方が非オピオイド薬を含有し、
(d)アルコール存在下で急速放出が起こらない、項目1、2、3、25、78、または79に記載の組成物を投与する方法である。
【0253】
項目94は、常習性物質および鼻腔刺激剤を含む、ペースト組成物である。
【0254】
項目95は、医薬活性物質、およびアルコール存在下で急速放出を防ぐための粘土、制御放出剤、油性、ロウ状、および脂肪性物質からなる群から選択された1種または複数の材料を含む、ペースト組成物である。
【0255】
項目96は、薬物含量の0次放出、1次または擬1次放出を提供する、項目1、2、3、25、78、または79に記載の組成物である。
【0256】
項目97は、USPバスケット溶出装置50rpmを用いて、1時間に60%未満の薬物を放出する、項目1、2、3、25、78、または79に記載の組成物である。
【0257】
項目98は、USPバスケット溶出装置50rpmを用いて、1時間に40%未満の薬物を放出する、項目1、2、3、25、78、または79に記載の組成物である。
【0258】
項目99は、USPバスケット溶出装置50rpmを用いて、1時間に20%未満の薬物を放出する、項目1、2、3、25、78、または79に記載の組成物である。
【0259】
項目100は、パルス送達を提供する、項目1、2、3、25、78、または79に記載の組成物である。
【0260】
項目101は、時間治療送達を提供する、項目1、2、3、25、78、または79に記載の組成物である。
【0261】
項目102は、活性物質、およびアルコール存在下で急速放出を防ぐための粘土、制御放出剤、油性、ロウ状、および脂肪性物質の群から選択された材料を含み、薬物乱用を困難にする組成物である。
【0262】
項目103は、油性、ロウ状、および脂肪性物質に活性物質、ならびに場合によりアルコール存在下で急速放出を防ぐための粘土、制御放出剤の群から選択された材料を含み、および/または薬物乱用を困難にする組成物である。
【0263】
項目104は、錠剤、ペレット、ビーズ、ミクロスフェア、ナノ粒子、または顆粒として提供される、項目1、2、3、25、77、78、79、95、102、または103に記載の組成物である。
【0264】
項目105は、小児に使用するための、項目1、2、3、25、78、79、95、102、または103に記載の組成物である。
【0265】
項目106は、移植または皮下適用として用いるための、項目1、2、3、25、78、79、95、102、または103に記載の組成物である。
【0266】
項目107は、USP溶出試験器を用いる溶出が、速度範囲約25rpmから約150rpmのバスケットまたはパドル回転速度に著しく影響されない、項目1、2、3、25、78、79、95、102、または103に記載の組成物である。
【0267】
項目108は、USP溶出試験器を用いる溶出が、速度範囲約50rpmから約150rpmのバスケットまたはパドル回転速度に著しく影響されない、項目1、2、3、25、78、79、95、102、または103に記載の組成物である。
【0268】
項目109は、USP溶出試験器を用いる溶出が、速度範囲約50rpmから約100rpmのバスケットまたはパドル回転速度に著しく影響されない、項目1、2、3、25、78、79、95、102、または103に記載の組成物である。
【0269】
項目110は、USP溶出試験器を用いる溶出が、速度範囲約50rpmから約75rpmのバスケットまたはパドル回転速度に著しく影響されない、項目1、2、3、25、78、79、95、102、または103に記載の組成物である。
【0270】
項目111は、アルコール性媒質中、バスケットまたはパドルアセンブリを備えたUSP溶出試験器を用いる溶出中に急速放出が起こらない、項目1、2、3、25、78、79、95、102、または103に記載の組成物である。
【0271】
項目112は、約1%から約10%のアルコール性媒質中、50rpmでバスケットまたはパドルアセンブリを備えたUSP溶出試験器を用いる溶出中に急速放出が起こらない、項目1、2、3、25、78、79、95、102、または103に記載の組成物である。
【0272】
項目113は、約10%から約20%のアルコール性媒質中、50rpmでバスケットまたはパドルアセンブリを備えたUSP溶出試験器を用いる溶出中に急速放出が起こらない、項目1、2、3、25、78、79、95、102、または103に記載の組成物である。
【0273】
項目114は、約20%から約30%のアルコール性媒質中、50rpmでバスケットまたはパドルアセンブリを備えたUSP溶出試験器を用いる溶出中に急速放出が起こらない、項目1、2、3、25、78、79、95、102、または103に記載の組成物である。
【0274】
項目115は、約30%から約40%のアルコール性媒質中、50rpmでバスケットまたはパドルアセンブリを備えたUSP溶出試験器を用いる溶出中に急速放出が起こらない、項目1、2、3、25、78、79、95、102、または103に記載の組成物である。
【0275】
項目116は、約40%から約50%のアルコール性媒質中、50rpmでバスケットまたはパドルアセンブリを備えたUSP溶出試験器を用いる溶出中に急速放出が起こらない、項目1、2、3、25、78、79、95、102、または103に記載の組成物である。
【0276】
項目117は、約50%から約70%のアルコール性媒質中、50rpmでバスケットまたはパドルアセンブリを備えたUSP溶出試験器を用いる溶出中に急速放出が起こらない、項目1、2、3、25、78、79、95、102、または103に記載の組成物である。
【0277】
項目118は、常習性物質が、オピオイドアゴニスト、または麻薬性鎮痛薬、または乱用可能物質、または多幸性鎮痛薬である、項目1、2、3、25、78、または79に記載の組成物である。
【0278】
項目119は、活性物質が乱用されやすいか、または常習性であることが知られている、95、102、または103に記載の組成物である。
【0279】
項目120は、常習性物質の常習を治療するための、項目1、2、3、25、78、または79のいずれか1つに記載の組成物の使用である。
【0280】
項目121は、常習性物質の急速放出を低減するための、項目1、2、3、25、78、または79のいずれか1つに記載の組成物の使用である。
【0281】
項目122は、剤形を粉末に破砕、粉砕、もしくは摩砕して、経鼻経路によって吸引もしくは吸入するか、または非経口経路による乱用のために溶解する少なくとも1つの様式に関して、常習性物質の乱用可能性を低減するための、項目1、2、3、25、78、または79のいずれか1つに記載の組成物の使用である。
【0282】
項目123は、常習性物質による治療を必要としている対象による常習性物質の乱用を低減する方法であって、治療有効量の常習性物質を含む項目1、2、3、25、78、または79のいずれか1つに記載の組成物を対象に投与することを含む方法である。
【0283】
項目124は、乱用が急速放出を含む、項目61に記載の方法である。
【0284】
項目125は、対象において常習性物質の常習を治療する方法であって、治療有効量の常習性物質またはその誘導体を含む項目1、2、3、25、78、または79のいずれか1つに記載の組成物を対象に投与することを含む方法である。
【0285】
項目126は、オピオイドアゴニストが、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベルジルモルヒネ、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、デソモルヒネ、デキストロモラミド、デゾシン、ジアムプロミド、ジアモルホン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアムブテン、ジオキサフェチルブチラート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアムブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼン、エトルフィン、ジヒドロエトルフィン、フェンタニルヒドロコドン、ヒドロモルホン、ヒドロキシペチジン、イソメサドン、ケトベミドン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルヒネ、ミロフィン、ナルセイン、ニコモルヒネ、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ナルブフェン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、アヘン、オキシコドン、オキシモルホン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロフェプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロポキシフェン、スフェンタニル、チリジン、アルファプロジン、デキストロポルポキシフェン、プロピラム、プロファドール、フェナンプロミド、チアンブテン、フォルコデイン、3−トランス−ジメチルアミノ−4−フェニル1−4−トランス−カルボエトキシ−デルタ−シクロヘキセン、3−ジメチルアミノ−0−(4−メトキシフェニルカルバモイル)−プロピオフェノンオキシム、(−)ベータ−2’−ヒドロキシ−2,9−ジメチル−5−フェニル−6,7−ベンゾモルファン、(−)2’−ヒドロキシ−2−(3−メチル−2−ブテニル)−9−メチル−5−フェニル−6,7−ベンゾモルファン、ピリニトラミド、(−)アルファ−5,9−ジエチル1−2’−ヒドロキシ−2−メチル−6,7−ベンゾモルファン、エチル−1−(2−ジメチルアミノエチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−3−メチル−4−オキソ−6−フェニルインドール−2−カルボキシラート、1−ベンゾイルメチル−2,3−ジメチル−3−(m−ヒドロキシフェニル)−ピペリジン、N−アリル−7アルファ−(1−(R)−ヒドロキシ−1−メチルブチル)−6,14−エンド−エタノテトラヒドロノルオリパビン、(−)T−ヒドロキシ−2−メチル−6,7−ベンゾモルファン、ノルアシルメタドール、フェノペリジン、アルファ−dl−メタドール、ベータ−dl−メタドール、アルファ−1−メタドール(2〜15mg)、ベータ−dl−アセチルメタドール、アルファ−1−アセチルメタドール、およびベータ−1−アセチルメタドール、または薬学的に許容できるそれらの塩、立体異性体、エーテル、エステル、もしくはそれらの混合物からなる群から選択される、項目65、66、または71に記載の方法である。
【0286】
本明細書で開示される要素が導入されるとき、冠詞「ある(a)」、「ある(an)」、「その(the)」、および「前記(said)」は、文脈が別のことを規定していない限り、1つまたは複数のその要素の存在を意味することが意図される。例えば、「ある化合物」および「少なくとも1つの化合物」は、複数の化合物を含むことができ、それらの混合物も含まれる。「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」という用語は、制限のないことが意図され、列挙した要素以外の追加の要素が存在してもよいことを意味する。
【0287】
上記の開示は本発明を一般的に記載するものである。より完全な理解は、下記の特定の実施例を参照することにより得ることができる。これらの実施例は例示のためにのみ記載され、本発明の範囲を限定するものではない。状況が示唆するか、または好都合となり得るときには、形態の変更および等価物の置換が企図される。本明細書では特定の用語を用いたが、そのような用語は記述的な意味であり、限定の目的が意図されるものではない。
【実施例】
【0288】
実施例1
持続放出オキシコドン(乱用防止カプセル)
【表1】

【0289】
サンプルを以下のように調製した。
1、ガラスのビーカーでコーン油を秤量し、均質化用ヘッドを備えたSilverson高せん断ミキサを油に浸漬する。
2、均質なブレンドが認められるまで、強く攪拌しながら、徐々にCarbopol、次いでヒドロキシプロピルメチルセルロースを添加する。
3、均質なブレンドが認められるまで、強く攪拌しながら、徐々にオキシコドンを添加する。
4、硬ゼラチンカプセルに「糸引き」することなく充填できる、半固体またはペーストを得る。
5、上部、中間部、および底部からサンプルを採取し、混合物の有効性および均質性を求める。
6、硬ゼラチンカプセルに充填する。
7、種々のアルコール濃度で溶出装置においてカプセルを試験し、結果を図1に示す。方法:50rpm、10mmセル、パドル/JPシンカー、波長280nm。媒質:脱イオン水、またはアルコールと脱イオン水。実行モード:24時間、毎時にサンプル採取。
【0290】
実施例2
持続放出オキシコドン(乱用防止カプセル)
【表2】

【0291】
サンプルを以下のように調製した。
1、ガラスのビーカーでコーン油を秤量し、均質化用ヘッドを備えたSilverson高せん断ミキサを油に浸漬する。
2、均質なブレンドが認められるまで、強く攪拌しながら、徐々にベントナイト、Carbopol、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを添加する。
3、均質なブレンドが認められるまで、強く攪拌しながら、徐々にオキシコドンを添加する。
4、硬ゼラチンカプセルに「糸引き」することなく充填できる、半固体またはペーストを得る。
5、上部、中間部、および底部からサンプルを採取し、混合物の有効性および均質性を求める。
6、硬ゼラチンカプセルに充填する。
【0292】
実施例3
持続放出オキシコドン(乱用防止カプセル)
【表3】

【0293】
サンプルを以下のように調製した。
1、イソ酪酸酢酸スクロースを秤量し、ガラスのビーカーに入れる。ビーカーをホットプレートに置き、イソ酪酸酢酸スクロースが溶融するまで加熱する。均質化用ヘッドを備えたSilverson高せん断ミキサを溶融液体に浸漬し、高せん断下で徐々に油を添加する。
2、均質なブレンドが認められるまで、強く攪拌しながら、徐々にベントナイトおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースを添加する。
3、均質なブレンドが認められるまで、強く攪拌しながら、徐々にオキシコドンを添加する。
4、硬ゼラチンカプセルに「糸引き」することなく充填できる、半固体またはペーストを得る。
5、上部、中間部、および底部からサンプルを採取し、混合物の有効性および均質性を求める。
6、硬ゼラチンカプセルに充填する。
【0294】
実施例4
持続放出オキシコドン(乱用防止カプセル)
【表4】

【0295】
サンプルを以下のように調製した。
1、蜜ロウを秤量し、ガラスのビーカーに入れる。ビーカーをホットプレートに置き、蜜ロウが溶融するまで加熱する。均質化用ヘッドを備えたSilverson高せん断ミキサを溶融液体に浸漬し、高せん断下で徐々に油を添加する。
2、均質なブレンドが認められるまで、強く攪拌しながら、徐々にベントナイト、Carbopol、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースを添加する。
3、均質なブレンドが認められるまで、強く攪拌しながら、徐々にオキシコドンを添加する。
4、硬ゼラチンカプセルに「糸引き」することなく充填できる、半固体またはペーストを得る。
5、上部、中間部、および底部からサンプルを採取し、混合物の有効性および均質性を求める。
6、硬ゼラチンカプセルに充填する。
【0296】
実施例5
持続放出オキシコドン(乱用防止カプセル)
【表5】

【0297】
サンプルを以下のように調製した。
1、ポリエチレングリコールを秤量し、ガラスのビーカーに入れる。ビーカーをホットプレートに置き、ポリエチレングリコールが溶融するまで加熱する。均質化用ヘッドを備えたSilverson高せん断ミキサを溶融液体に浸漬し、高せん断下で徐々に油を添加する。
2、均質なブレンドが認められるまで、強く攪拌しながら、徐々にベントナイト、Carbopol、およびポリエチレンオキシドを添加する。
3、均質なブレンドが認められるまで、強く攪拌しながら、徐々にオキシコドンを添加する。
4、硬ゼラチンカプセルに「糸引き」することなく充填できる、半固体またはペーストを得る。
5、上部、中間部、および底部からサンプルを採取し、混合物の有効性および均質性を求める。
6、硬ゼラチンカプセルに充填する。
【0298】
実施例6
持続放出オキシコドン(乱用防止カプセル)
【表6】

【0299】
サンプルを以下のように調製した。
1、ガラスのビーカーで油を秤量する。均質化用ヘッドを備えたSilverson高せん断ミキサを油に浸漬する。
2、均質なブレンドが認められるまで、強く攪拌しながら、徐々にCarbopolおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースを添加する。
3、均質なブレンドが認められるまで、強く攪拌しながら、徐々にオキシコドンを添加する。
4、硬ゼラチンカプセルに「糸引き」することなく充填できる、半固体またはペーストを得る。
5、上部、中間部、および底部からサンプルを採取し、混合物の有効性および均質性を求める。
6、硬ゼラチンカプセルに充填する。
【0300】
実施例7
持続放出オキシコドンと即時放出トラマドールの組み合わせ(乱用防止カプセル)
【0301】
(i)即時放出トラマドールペーストの調製(調剤1)
【表7】

【0302】
(ii)制御放出オキシコドンペーストの調製(調剤2)
これは実施例1に教示のとおり製造する。
【0303】
(iii)持続放出オキシコドンと即時放出トラマドールの組み合わせの調製(乱用防止カプセル)
【0304】
所要量の調剤1を硬ゼラチンカプセルに充填し、次いで調剤2を充填する。カプセルを密封する。別の実施形態において、成分の不適合性または交差移動が懸念される場合、2種以上の調剤を分離するために、カルナウバロウなどのロウ、または高分子量ポリエチレングリコール、例えばPEG8000で製造された分離層をカプセルに充填することができる。このようにして、活性物質のいくつかの組み合わせが可能である。
【0305】
実施例8
フィルムコート乱用防止カプセル
この実施例は、遅延または時限放出特性または停滞期を付与するために、Eudragit LまたはSなどのポリメタクリレートを用いて、実施例1で製造されたカプセルをフィルムコーティングすることを含む。
【0306】
実施例9
フィルムコート乱用防止カプセル
この実施例は、セルロースエーテル、例えばエチルセルロース単独、または水溶性ポリマー、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースとの組み合わせなどを用いて、実施例1で製造されたカプセルをフィルムコーティングすることを含む。
【0307】
実施例10
フィルムコート乱用防止カプセル
この実施例は、保護シーリングコートまたは防湿バリアを提供するため、または機械的特性を改善するために、Eudragit Eなどのポリメタクリレートを用いて、実施例1で製造されたカプセルをフィルムコーティングすることを含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)常習性物質、
ii)油性、ロウ状、若しくは脂肪性物質、又はそれらの組み合わせ、及び
iii)制御放出剤を含み、
剤形分配デバイスで用いるためのものである医薬ペースト組成物。
【請求項2】
i)常習性物質、
ii)非水性賦形剤、及び
iii)制御放出剤を含み、
剤形分配デバイスで用いるためのものである医薬ペースト組成物。
【請求項3】
さらに粘土を含む請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
i)常習性物質、
ii)粘土、及び
iii)ポリマー制御放出剤、及び
iv)非水性賦形剤を含み、
剤形分配デバイスで用いるためのものである医薬ペースト組成物。
【請求項5】
さらに界面活性剤を含む請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
さらに崩壊剤を含む請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記非水性賦形剤が油である請求項2又は4に記載の組成物。
【請求項8】
さらに水性賦形剤及び乳化剤を含む請求項1から4に記載の組成物。
【請求項9】
前記粘土が、ベントナイト、モンモリロナイト、パスカライト、スメクタイト、イライト、セピオライト、パリゴルスカイト、ムスコバイト、アレバルダイト、アメサイト、ヘクトライト、フルオロヘクトライト、サポナイト、バイデライト、タルク、ノントロナイト、スティーブンサイト、マイカ、バーミキュライト、フルオロバーミキュライト、ハロイサイト、フッ素含有合成型のマイカ、フィロシリケート、バイデライト、ボルコンスコイト、ヘクトライト、ソーコナイト、ソボカイト、スビンフォルダイト、混合イライト/スメクタイト鉱物、例えばレクトライト、タロソバイト、レディカイトなど、及びイライトと前記粘土鉱物との混合物からなる群から選択される請求項3又は4に記載の組成物。
【請求項10】
前記粘土がベントナイトである請求項3、4、又は9に記載の組成物。
【請求項11】
前記粘土がモンモリロナイトである請求項3、4、又は9に記載の組成物。
【請求項12】
前記粘土がパスカライトである請求項3、4、又は9に記載の組成物。
【請求項13】
さらに安定剤を含む請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
さらに消泡物質を含む請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記制御放出剤が5重量%よりも多い請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
前記制御放出剤が10重量%よりも多い請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
前記制御放出剤が15重量%よりも多い請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
前記粘土が5重量%未満である請求項3、4、又は9に記載の組成物。
【請求項19】
前記粘土が約5重量%から約20重量%である請求項3、4、又は9に記載の組成物。
【請求項20】
前記粘土が約20重量%から約40重量%である請求項3、4、又は9に記載の組成物。
【請求項21】
さらに粒径1000、500、200、又は100ミクロン未満の不溶性粒子を含む請求項1から20のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
さらに鼻腔刺激剤を含む請求項1から21のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項23】
前記常習性物質が、オピオイドアゴニスト、又は麻薬性鎮痛薬、又は乱用可能物質、又は多幸性鎮痛薬である請求項1から22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
前記常習性物質の乱用可能性が、剤形を粉末に破砕(クラッシング)、粉砕(ミリング)、若しくは摩砕(グラインディング)し、経鼻経路によって吸引若しくは吸入すること、又は非経口経路による乱用のために溶解することの少なくとも1つの様式に関して低減される請求項1から22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項25】
小児に用いるための請求項1から24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項26】
移植又は皮下適用として用いるための請求項1から24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項27】
USP溶出試験器を用いる溶出が、速度範囲約25rpmから約150rpmのバスケット又はパドル回転速度に著しく影響されない請求項1から24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項28】
USP溶出試験器を用いる溶出が、速度範囲約50rpmから約150rpmのバスケット又はパドル回転速度に著しく影響されない請求項1から24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項29】
USP溶出試験器を用いる溶出が、速度範囲約50rpmから約100rpmのバスケット又はパドル回転速度に著しく影響されない請求項1から24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項30】
USP溶出試験器を用いる溶出が、速度範囲約50rpmから約75rpmのバスケット又はパドル回転速度に著しく影響されない請求項1から24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項31】
アルコール性媒質中、バスケット又はパドルアセンブリを備えたUSP溶出試験器を用いる溶出中に急速放出が起こらない請求項1から24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項32】
約1%から約10%のエタノール中、50rpmでバスケット又はパドルアセンブリを備えたUSP溶出試験器を用いる溶出中に急速放出が起こらない請求項1から24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項33】
約10%から約20%のエタノール中、50rpmでバスケット又はパドルアセンブリを備えたUSP溶出試験器を用いる溶出中に急速放出が起こらない請求項1から24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項34】
約20%から約30%のエタノール中、50rpmでバスケット又はパドルアセンブリを備えたUSP溶出試験器を用いる溶出中に急速放出が起こらない請求項1から24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項35】
約30%から約40%のエタノール中、50rpmでバスケット又はパドルアセンブリを備えたUSP溶出試験器を用いる溶出中に急速放出が起こらない請求項1から24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項36】
約40%から約50%のエタノール中、50rpmでバスケット又はパドルアセンブリを備えたUSP溶出試験器を用いる溶出中に急速放出が起こらない請求項1から24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項37】
約50%から約70%のエタノール中、50rpmでバスケット又はパドルアセンブリを備えたUSP溶出試験器を用いる溶出中に急速放出が起こらない請求項1から24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項38】
請求項1から24のいずれか一項に記載の組成物を含む経皮パッチ。
【請求項39】
請求項1から24のいずれか一項に記載の組成物を含むカプセル。
【請求項40】
前記カプセルの内表面及び/又は外表面が、pH感受性フィルムコートで被覆されている請求項39に記載のカプセル。
【請求項41】
前記カプセルの内表面及び/又は外表面が、pH非感受性フィルムコートで被覆されている請求項39に記載のカプセル。
【請求項42】
前記カプセルが硬ゼラチンカプセル又は軟ゼラチンカプセルである請求項39に記載のカプセル。
【請求項43】
前記カプセルが硬ゼラチンカプセルであるか、又は周期表の金属若しくは合金、セルロースエーテル、植物若しくは動物源で製造されている請求項39に記載のカプセル。
【請求項44】
前記カプセルが硬ゼラチンカプセルである請求項39に記載のカプセル。
【請求項45】
前記カプセルが軟ゼラチンカプセルである請求項39に記載のカプセル。
【請求項46】
常習性物質容量の0次放出、1次又は擬1次放出を提供する請求項39から44のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項47】
USPバスケット溶出装置50rpmを用いて、1時間に60%未満の常習性物質を放出する請求項39から44のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項48】
USPバスケット溶出装置50rpmを用いて、1時間に40%未満の常習性物質を放出する請求項39から44のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項49】
USPバスケット溶出装置50rpmを用いて、1時間に20%未満の常習性物質を放出する請求項39から44のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項50】
パルス送達を提供する請求項39から44のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項51】
時間治療送達を提供する請求項39から44のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項52】
前記常習性物質の1日1回の投与を可能にする請求項39から44のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項53】
ピーク血漿濃度が前記常習性物質の投与後3から14時間の間に生じることを可能にする請求項39から44のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項54】
アルコール存在下で急速放出しない請求項39から44のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項55】
フィルムコートで被覆され、アルコール存在下で急速放出しない請求項39から44のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項56】
セルロースエステル、又はポリメタクリレート、又はポリエチレングリコール、又はセルロースエーテル、エステル、又は組み合わせを含むフィルムコートで被覆され、アルコール存在下で急速放出しない請求項39から44のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項57】
前記カプセルが単一のペースト組成物を含む請求項39から44のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項58】
前記カプセルが複数のペースト組成物を含む請求項39から44のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項59】
前記カプセルが2種の異なるペースト組成物を含み、第1のペースト組成物が前記常習性物質を含み、第2のペースト組成物が前記常習性物質と同一であるか又は異なる活性物質を含む請求項39から44のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項60】
前記第1のペースト組成物及び前記第2のペースト組成物が異なる放出プロファイルを有する請求項59に記載のカプセル。
【請求項61】
前記カプセルがさらに前記第1のペースト組成物と前記第2のペースト組成物を分離するための分離層を含み、前記分離層がカルナウバロウなどのロウ、又は高分子量ポリエチレングリコールで製造されている請求項59又は60に記載のカプセル。
【請求項62】
前記分離層がロウ又は高分子量ポリエチレングリコールを含む請求項61に記載のカプセル。
【請求項63】
請求項1から24のいずれか一項に記載の組成物を含む錠剤、ペレット、ビーズ、ミクロスフェア、ナノ粒子、又は顆粒。
【請求項64】
常習性物質の常習を治療するための請求項1から37のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項65】
前記常習性物質の急速放出を低減するための請求項1から37のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項66】
剤形を粉末に破砕(クラッシング)、粉砕(ミリング)、若しくは摩砕(グラインディング)し、経鼻経路によって吸引若しくは吸入すること、又は非経口経路による乱用のために溶解することの少なくとも1つの様式に関して前記常習性物質の乱用可能性を低減するための請求項1から37のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項67】
常習性物質による治療を必要としている対象による常習性物質の乱用を低減する方法であって、治療有効量の常習性物質を含む請求項1から37のいずれか一項に記載の組成物を対象に投与することを含む方法。
【請求項68】
前記乱用が急速放出を含む請求項67に記載の方法。
【請求項69】
対象において常習性物質の常習を治療する方法であって、治療有効量の常習性物質又はその誘導体を含む請求項1から37のいずれか一項に記載の組成物を対象に投与することを含む方法。
【請求項70】
i)活性物質、
ii)油性、ロウ状、若しくは脂肪性物質、又はそれらの組み合わせ、及び
iii)制御放出剤を含み、
非ニュートン性、チキソトロピー性及び/又は擬塑性である医薬ペースト組成物。
【請求項71】
i)活性物質、
ii)制御放出剤、及び
iii)非水性賦形剤を含み、
非ニュートン性、チキソトロピー性及び/又は擬塑性である医薬ペースト組成物。
【請求項72】
さらに粘土を含む請求項64又は65に記載の組成物。
【請求項73】
i)活性物質、
ii)粘土、及び
iii)制御放出剤、及び
iv)非水性賦形剤を含み、
非ニュートン性、チキソトロピー性及び/又は擬塑性である医薬ペースト組成物。
【請求項74】
単一のペースト組成物である請求項70から73のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項75】
2種以上のペースト組成物の組み合わせであり、各ペースト組成物が異なる活性物質を含み、かつ/又は異なる放出プロファイルを有する請求項70から73のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項76】
前記非水性賦形剤が油である請求項71又は73に記載の組成物。
【請求項77】
さらに水性賦形剤及び乳化剤を含む請求項70から73に記載の組成物。

【図1】
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【公表番号】特表2009−536927(P2009−536927A)
【公表日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−508072(P2009−508072)
【出願日】平成19年5月14日(2007.5.14)
【国際出願番号】PCT/CA2007/000862
【国際公開番号】WO2007/131357
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(508298330)
【出願人】(508298341)
【Fターム(参考)】