説明

二酸化炭素排出量を削減した、タービンへの冷却空気注入を使用する冷媒圧縮用の動力及び軽質炭化水素ガス液化プロセス用電力を提供するための方法及びシステム

液化ガス生成物をより効率的に産生し、大気中への二酸化炭素(CO2)の排出量を削減するシステム及びプロセスにより、液化軽質炭化水素ガスを製造するシステム及び方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大気中への二酸化炭素(CO2)の排出量を削減し、液化ガス製品をより効率的に産生するシステム及びプロセスによる液化軽質炭化水素ガスの製造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、天然ガスの市場がないか又は近くに天然ガスの市場がない遠隔地帯において天然ガス及び他の軽質炭化水素ガスを液化することに関心が寄せられ続けている。そのような遠隔地帯にある天然ガスは、パイプライン又は他の搬送手段によって市場に送ることができれば、市場価値がある。多くの例において、このような天然ガスを搬送するパイプラインを構築することは容易ではない。したがって、多くの例において、市場までタンカーで搬送することができるように、オンサイトで天然ガスを液化することが望ましいことがわかっている。
【0003】
天然ガスを液化するための多種類のプロセスが知られている。これらのプロセスのほとんどにおいて、天然ガスは、液化の前に、酸性ガスを取り除くように処理され、さもなければ必要により水及びおよそC3よりも重い炭化水素類を取り除くように処理される。公知の天然ガス冷凍プロセスは、多種類の純粋成分冷媒、多成分冷媒又はこれらの組み合わせを用い得るプロセスを含む。1種以上の冷媒区域などを用いる冷凍プロセスを用いることもできる。多種類のこのようなプロセスは知られており、本発明と共に用いることができる。このようなプロセスのすべては、一般に、冷却時に液化され、その後、気化して天然ガスを液化するために必要とされる冷凍を発生させることができるように、ある圧力にて圧縮冷媒を利用可能とすることを要する。
【0004】
このようなプロセスのほとんどは、非常にエネルギー集約的で、天然ガスなどを少なくとも部分的に液化するために必要な冷凍を作り出すため冷凍ゾーンを通して繰り返される循環のために、冷媒を圧縮するための莫大なエネルギーの入力を必要とする。さらに、多くの例において、酸性ガスあるいは水を天然ガスから取り除くため又は天然ガスからより重い炭化水素類を取り除く処理後に、天然ガスを再圧縮するために莫大なエネルギーを必要とするかもしれない。これらのプロセスのすべては、典型的には、大量の電力及び機械的エネルギーを必要とし、結果的に多量の二酸化炭素(CO2)を環境中に排出する。
【0005】
最近では、環境中へのCO2の排出は環境に有害であると考えられている。したがって、このようなプロセスにおいて排出されるCO2の量を削減させることが望ましい。典型的には、このようなプロセスは、安価な燃料が豊富にあった地域で行われている。したがって、液化の現場においては、低コストであるか又はコストを要せずにそのような燃料を容易に入手可能であるので、燃料消費量を制限するよりも、燃焼排ガス流を環境中に単に排出することがより簡便で経済的であったから、環境中へのCO2の放出量制限にあまり考慮が払われていなかった。当業者には周知であるように、炭化水素燃料、特に軽質炭化水素ガスは、軽質炭化水素ガス燃焼型タービンなどを介して発電のために及び機械的エネルギー発生のために広範囲に用いられている。
【0006】
最近、CO2の排出量を削減し、プロセス用の機械的エネルギー及び電力をオンサイトで得ることができる、圧縮冷媒及び軽質炭化水素ガス液化プロセス用電力を提供するシステム及び方法を提供することが望ましいということが明らかになってきている。
【0007】
多くの例において、General Electric CompanyタービンモデルPGT16/LM1600、PGT25/LM2500、LM6000及びPGT225+/LM2500+HSPTなどの特に航空機由来のタービンでは、15%程度に高い電力損失が温度、湿度などにおける周囲空気変動の結果として生じ得る。この大きな電力損失は、軽質炭化水素ガス液化プロセスにおいて産生され得る軽質炭化水素ガスの量を驚異的に減少させる。この電力損失を避けるためのシステム及び方法の開発に向けた努力が続けられている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、二酸化炭素排出量が削減された、冷媒圧縮用動力及び軽質炭化水素ガス液化プロセス用共用電力を提供する方法が提供される。本方法は、(a)空気流を約20℃以下の温度まで冷却して、冷却空気流を発生させ、(b)冷却入口空気流の少なくとも一部を複数個の軽質炭化水素ガス燃焼型タービンに供給し、(c)冷却入口空気流及び燃料ガス流を燃料とする複数個の軽質炭化水素ガス燃焼型タービンにより駆動される複数の圧縮機内で冷媒を圧縮し、タービンは高められた温度にて排気流を発生させ、(d)排気流との熱交換により高められた温度及び圧力にて蒸気を発生させ、(e)工程(d)からの蒸気で蒸気タービンを駆動させて、機械的力を発生させ、(f)工程(e)からの機械的力で発電機を駆動させて、軽質炭化水素ガス液化プロセスで用いるための電力を発生させる、工程を含む。
【0009】
本発明は、さらに、二酸化炭素排出量が削減された、冷媒圧縮用動力及び軽質炭化水素ガス液化プロセス用共用電力を提供するためのシステムを含む。本システムは、(a)空気入口と少なくとも1個の冷却空気出口を有する空気冷却器と、(b)各々、空気冷却器からの冷却空気出口と流体連通する冷却空気入口と、燃料入口及びタービンを駆動させるためのタービンへの燃焼ガス入口と流体連通する高温高圧燃焼ガス出口を有する燃焼ゾーンと流体連通する圧縮空気出口とを有する空気圧縮機を具備し、減圧高温排ガス出口を有する複数の液体炭化水素ガス燃焼型タービンと、(c)低圧冷媒入口と増加した圧力の冷媒出口とを有し、タービンにシャフト結合していて、タービンによって駆動される冷媒圧縮機と、(d)減圧高温排ガスが水又は低圧蒸気と熱交換関係で通過して、蒸気及び減圧低温排気流を生じさせるように、水又は低圧蒸気入口と、蒸気出口と、減圧高温排ガス出口と流体連通する高温減圧排ガス入口と、減圧低温排ガス出口と、を有する熱交換器と、(e)熱交換器の蒸気出口と流体連通する蒸気タービンと、(f)蒸気タービンによって発生する機械的力を用いて発電機を駆動させ電力を発生させるように、蒸気タービンとシャフト結合している発電機と、(g)増加した圧力の冷媒出口と軽質炭化水素ガス液化プロセスと流体連通するラインと、を含む。
【好ましい実施形態の説明】
【0010】
図面において、同じ参照符号は、同一又は同様の構成要素を参照するために用いられている。さらに、多くのポンプ、バルブ及び当業者に公知の他の設備は、示されたフローを達成するために必要であるかもしれないが、簡略化のために図示されてはいない。
【0011】
図において、タービン10、10’、10”及び10'''は、液化プロセスに圧縮冷媒を供給するために用いられる冷媒圧縮機12、12’、12”、12'''を駆動するための機械的力を供給するように位置づけられて示されている。タービンは、シャフト14、14’、14”、14'''により、軸流圧縮機でも、遠心圧縮機でも、軸流及び遠心圧縮機等の組み合わせでもよい冷媒圧縮機12、12’、12”、12'''に連結されている。図示するように、タービンは、タービンだけでなく、タービンに圧縮空気(典型的には約350〜約800psiaの圧力にて)を供給するために必要に応じて、軸流圧縮機、遠心圧縮機などをも含むことは理解されたい。タービンは、タービンを始動させるためにもしくはタービンを始動させて駆動させるために用いてもよい補助機/始動機電気モーターにシャフト結合されていてもよい。タービンは、ライン22及び分配ライン24によりタービンに導入される高圧空気を含む熱い燃焼ガスにより賦活される。ライン22は、必要に応じてバルブを含み、タービンの各々へのフローを調節し、あるいは任意のタービンもしくはすべてのタービンへのフローを遮断することは理解されるべきである。ライン22内の空気は、入口空気流18を所望の温度まで冷却する冷凍ユニット16から供給される。好ましくは、空気は約20℃以下の温度まで冷却され、好ましくは約8℃〜約15℃、より好ましくは約10℃に冷却される。この温度にて、水は空気から凝縮して、ライン20を通して排出されるように示される。冷却ユニット16は、プロパン冷却器でも、水/グリコール系冷却器でも、環境的に許容可能な任意の冷媒を用いる冷却ユニットなどの一般に空気を冷却する分野で公知の適宜のユニットでもよい。ユニットは、さらに、所望であれば、液化ガス用の液化プロセスから得られる冷媒を用いて空気を冷却することもできる。
【0012】
望ましくは、天然ガス又は他の軽質炭化水素ガス流は、燃焼ゾーン内で空気と組み合わせるタービン用の燃料として、ライン26を通して適宜の圧力で(約350〜800psia)供給され、高められた温度及び圧力にて(典型的には約2800〜約3000゜Fの温度及び約350〜800psiの圧力)タービンを駆動させるために用いられる熱い燃焼ガスを発生させる。ライン28は、必要に応じて、バルブ(図示せず)を含み、任意のタービン又はすべてのタービンのフローを調節すると考えられるべきである。タービンは、燃料が供給されて運転されると、冷媒圧縮機12、12’、12”、12'''を駆動して、圧縮冷媒を産生する。圧縮冷媒は典型的には冷媒圧縮機(約1〜約75baraの圧力にて)からライン42、46、98及び100をそれぞれ通って産生される。個々の冷媒圧縮機内で圧縮された冷媒は、異なる量の異なる圧力まで圧縮され得るし、異なる冷媒であり得る。これらの変形例は図示していないが、当業者には所望により容易に実施することができると考えられるべきである。冷媒は、単一のポイントまたは異なるポイント及び異なる圧力にて液化プラント設備54に通過してもよい。図示するように、気体状の使用済み冷媒は、ライン68を通して回収され、ライン74、80、82及び86をそれぞれ通して冷媒圧縮機に戻される。4個の冷媒圧縮機を示したが、より少数の圧縮機あるいはより多数の圧縮機を用いてもよい。
【0013】
用いられる冷凍プロセスの特定のタイプは、本発明の部分を構成しないと考えられるべきである。圧縮冷媒は、典型的には、すべての天然ガス液化プロセスにおいて多量に必要とされる。これらのプロセスのほとんどにおいて、冷媒は、多種類の純粋成分冷媒、多成分冷媒及びこれらの組み合わせを含み得る。プロセスは、単一の液化ゾーン、多重液化ゾーン又はこれらの変形例を用いることもできる。選択された特定のプロセスは、本発明の部分を構成すると考えてはならない。
【0014】
回収された使用済み冷媒は、ライン74、80、82及び86からの分配のためにライン68を通して冷媒圧縮機に、又は冷媒圧縮機12、12’、12”、12'''の任意又はすべてに、戻されるように示されている。1又は複数の冷凍ゾーン内で行われる冷凍プロセスのタイプに依存して、冷媒を取り扱う種々の配置が可能であり自明であることは、当業者には理解されるであろう。
【0015】
本発明によれば、圧縮区域での効率を改良するために冷却された入口空気を使用することにより、冷媒の圧縮時の効率が改良される。圧縮工程は、入口空気の温度を上昇させ、温度は圧縮可能性の上限を与えるものでもよい。タービンの空気圧縮区域への空気の導入前に空気を冷却することで、空気をより大きく圧縮することができ、こうしてタービンのエネルギー出力を増加させる。なぜなら、空気は初期のより低温にて導入されるからである。さらに、冷却器は、一定に近い温度での空気の充填を可能とする。この空気は、燃料との燃焼時に、タービンを駆動させるために用いられる熱い高圧高温ガスを発生させる。タービンから排出された排ガスは高温低圧排ガスである。これらのガスの排出は、図示するように、ライン30を通過する。ガスは、熱交換器区域32を通過し、ここで、慣用の熱交換方法が用いられて、排ガス流から熱が回収されてもよい。冷却された排ガス流(約180゜F以下の温度にて)は、次いで、所望によりライン33を通して大気中などに排出される。低温蒸気又は水は熱交換器32内で熱交換媒体として用いられ、高圧蒸気(典型的には約400〜約1200psiの圧力にて)を産生する。高圧蒸気はライン34を通して回収され発電機36まで通過する。発電機36にて、高圧蒸気は、タービンなどを駆動させるために用いられ、電力を発生させる。発電機は軽質炭化水素ガス液化プロセスの運転用の電力供給網に位置づけられる。ライン38を通して回収された排出流は、典型的には、蒸気を発生させるために使用すべくあらかじめ処理されている水もしくは低温低圧蒸気のいずれか一方である。所望によりライン40を通してメークアップ水を添加してもよく、水及び蒸気の混合物などを熱交換器32に再循環させてもよい。
【0016】
本発明のプロセスにより、タービン/空気圧縮機システムへの入口空気として制御された温度にて冷却器空気を用いることにより改良された効率が達成される。これは、空気圧縮機に許される最高温度内での空気のより多量の分子の圧縮を可能とする。空気圧縮機も冷媒圧縮機も、典型的には当業者に公知の軸流圧縮機、遠心圧縮機などである。
【0017】
本発明の実施により、タービンの効率が改良されるばかりでなく、追加の化石燃料の燃焼なしに排ガスから電力を発生させることができる。結果として、開示された軽質炭化水素ガス液化プロセスからのCO2排出量は、タービンからの排ガスが熱回収なしに単純に排出され且つ化石燃料の燃焼により発生した電力が液化プロセスの運転の主要電力源として使用される同様のプロセスにおけるよりも最大60%程度まで削減される。本発明によれば、CO2排出量削減は最大60%まで可能である。典型的には、少なくとも約35%、望ましくは約40%〜60%の削減である。
【0018】
プロセスの運転は、上記システムに関して記載したとおりである。しかし、最も一般的な液化軽質炭化水素ガスは天然ガスであることに注意されたい。さらに、当業者には周知であるように、典型的には天然ガスは液化の前に、少なくとも酸性ガス化合物の主要部分の除去、必要に応じて水の除去、及びC3+炭化水素ガスの除去の処理がなされる。より重いガスの除去は、種々の理由により望ましい。第一に、これらのガスは液化天然ガス流の部分としてよりも生成物としてより価値のあるものであり得る。さらに、これらのより重い炭化水素ガスは液化プロセス中に望ましくない位置で凝縮することにより問題を引き起こしかねない。さらに、このような重い炭化水素の存在は、天然ガスの液化から結果的に生じるパイプラインガスのBTU値を通常の仕様を超えて増加させ得る。これは、窒素やその他の不活性ガスでの望ましくない希釈工程を必要とする。
【0019】
前述のように、本発明は、圧縮冷媒及び電力を必要とする実質的にすべての天然ガス液化プロセスで有用であると考えられる。図示するように、LNGは設備54からライン70を介して回収され、LNG貯蔵庫及び輸出設備76に送られる。ボイルオフガス流84は、設備76から設備54に通過する。上述したように、タービンは、同一又は異なるタイプの圧縮冷媒を産生するために用いられてもよい。これらはさらに、異なる圧力及び容量にて圧縮冷媒を産生するために用いられてもよい。さらに、4個のタービンが示されているが、より多数又はより小数のタービンを用いることもできることは理解されるべきである。
【0020】
本発明の主要な利点は、空気冷却ユニット16が独立型ユニットであることである。このユニットは、図示されているように、4個のタービン及び圧縮機システムを作動させるために用いられる。追加のシステムは、正確に採寸された冷却ユニットにより良好に作動され得る。冷却された空気を単一のタービン又はタービン/空気圧縮機に供給するために、このようなユニットを具備することはあまり経済的ではないが、複数のタービンユニットに冷却された空気を提供するために用いることができる場合には、経済的に有利である。当業者には周知のように、天然ガス液化プロセスを拡大する場合、それらは典型的にはユニットとして拡大する。換言すれば、追加の液化ゾーンは追加の圧縮機及びタービンと一緒に追加されて、プロセス全体の容量を増加させる。正確なサイズにされた空冷ユニット16は、多数のタービン/空気圧縮機ユニットに冷却された空気を提供することができる。これは、結果的に、各ユニットの効率を実質的に増加させ、多数のタービンの運転全体に配分すると空気冷却器16の運転は比較的少額の経費で済む。空気冷却器16により作動されるタービンの数が多いほど、ユニット全体に冷却された空気を提供するために単一の空気冷却器を用いる経済的利点が大きくなる。
【0021】
このプロセスを熱い排ガスからの電力の回収とさらに組み合わせることにより、プロセス全体の効率をより大きく改良することができる。
本発明を好ましい実施形態を参照しながら説明してきたが、本発明はこれらに限定されるものではなく、多くの変形例や変更例が本発明の範囲内において可能であることを指摘する。このような多くの変形例や変更例は好ましい実施形態の上述の記載に基づいて当業者には自明であり望ましいものであると考えられる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化炭素排出量を削減した、冷媒圧縮用の動力及び軽質炭化水素ガス液化プロセス用の共用電力を提供する方法であって、
(a)空気流を約20℃以下の温度まで冷却して、冷却空気流を発生させる工程と、
(b)冷却された入口空気流を少なくとも1の軽質炭化水素ガス燃焼型タービンに供給する工程と、
(c)冷却された入口空気流及び燃料ガス流を燃料とする複数の軽質炭化水素ガス燃焼型タービンにより駆動される複数の圧縮機内で冷媒を圧縮し、該タービンは高められた温度にて排ガスを発生させる工程と、
(d)該排ガス流との熱交換により高められた温度及び圧力にて蒸気を発生させる工程と、
(e)工程(d)からの蒸気で蒸気タービンを駆動させて、機械的力を発生させる工程と、
(f)工程(e)からの機械的力によって発電機を駆動させて、軽質炭化水素ガス液化プロセスで用いる電力を発生させる工程と、
を含む方法。
【請求項2】
前記空気流は、タービンの少なくとも大部分に対する共通の冷却器により冷却される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記空気は、約8℃〜約15℃の温度まで冷却される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記共通の冷却器は、流体又は軽質炭化水素ガス液化プロセスとは独立に作用する表面と軽質炭化水素ガス液化プロセス冷媒との熱交換により空気を冷却する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記冷却された入口空気は、圧縮されて、燃焼用燃料ガスと一緒になって、複数のタービンの燃料となる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
軽質炭化水素ガス液化プロセスからの二酸化炭素排出量は、空冷を用いず、排ガス流からの熱回収を行わず、化石燃料燃焼により発生する電力を軽質炭化水素ガス液化プロセス用の主要電力源として用いる同等のプロセスと比較して、最大約60%まで削減される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記軽質炭化水素ガスは天然ガスである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
約C3よりも重い炭化水素ガスの少なくとも一部及び酸性ガスの少なくとも一部は、天然ガスから除去される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記空気流は、プロパン又は水/グリコール冷却器により冷却される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
削減された二酸化炭素排出量で、圧縮冷媒及び軽質炭化水素ガス液化プロセス用共用電力を提供する方法であって、
(a)空気流を約20℃以下の温度まで冷却して、冷却空気流を発生させる工程と、
(b)冷却された入口空気流を少なくとも1の軽質炭化水素ガス燃焼型タービンに供給する工程と、
(c)冷却された入口空気流及び燃料ガス流を燃料とする複数の軽質炭化水素ガス燃焼型タービンによって駆動される複数の圧縮機で冷媒を圧縮し、タービンは高められた温度にて排ガス流を発生する工程と、
(d)該排ガス流との熱交換により高められた温度及び圧力にて蒸気を発生させる工程と、
(e)工程(d)からの蒸気で蒸気タービンを駆動させて、機械的力を発生させる工程と、
(f)工程(e)からの機械的力で発電機を駆動させて、軽質炭化水素ガス液化プロセスで用いる電力を発生させる工程と、
から本質的になる方法。
【請求項11】
削減された二酸化炭素排出量の冷媒圧縮用の動力及び軽質炭化水素ガス液化プロセス用共用電力を提供するためのシステムであって、
(a)空気入口及び少なくとも1の冷却された空気の出口を有する空気冷却器と、
(b)空気冷却器からの冷却された空気の出口と流体連通する空気入口と、燃料入口及びタービンを駆動するためのタービンへの燃焼ガス入口と流体連通する高温高圧燃焼ガス出口を有する燃焼ゾーンと流体連通する圧縮された空気の出口と、を有する空気圧縮機を含み、減圧高温排ガス出口を有する軽質炭化水素ガス燃焼型タービンと、
(c)タービンによって駆動され、低圧冷媒の入口と、増加した圧力の冷媒の出口とを有し、タービンにシャフト結合している冷媒圧縮機と、
(d)水又は低圧蒸気の入口及び蒸気出口、減圧高温排ガス出口と流体連通している高温減圧排ガス入口及び減圧低温排ガス出口を有し、減圧高温排ガスが水又は低圧蒸気と熱交換状態で通過して高圧蒸気及び減圧低温排出流を発生させる熱交換器と、
(e)熱交換器の蒸気出口と流体連通している蒸気タービンと、
(f)蒸気タービンにより発生した機械的力を用いて発電機を駆動して電力を発生させるように蒸気タービンとシャフト結合している発電機と、
(g)増加した圧力の冷媒の出口と軽質炭化水素ガス液化プロセスと流体連通しているラインと、
を具備するシステム。
【請求項12】
前記空気圧縮機は、軸流空気圧縮機又は遠心空気圧縮機である、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記空気圧縮機は、多重ステージ軸流圧縮機又は多重ステージ遠心空気圧縮機である、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
軽質炭化水素ガス液化プロセスからの二酸化炭素排出量は、空気冷却を用いず、排ガス流を排出するか又は他の目的に使用し、化石燃料の燃焼により発生した電力を軽質炭化水素ガス液化プロセスの主要電力源として用いる同等のプロセスと比較して、最大約60%削減される、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記空気冷却器は、プロパン又は水/グリコール空気冷却器である、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
複数のタービンの各々は、空気冷却器からの冷却された空気の出口と流体連通している、請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
水又は低圧蒸気及び減圧高温排ガスは、向流熱交換状態で通過する、請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
低圧冷媒は、軽質炭化水素ガス液化プロセスから低圧冷媒入口まで通過する、請求項11に記載のシステム。
【請求項19】
電力は、軽質炭化水素ガス液化プロセス用の電力供給網に通過する、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記タービンは、異なる所与圧力にて圧縮冷媒を発生させることができる、請求項11に記載のシステム。

【公表番号】特表2006−501403(P2006−501403A)
【公表日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−541796(P2004−541796)
【出願日】平成15年9月29日(2003.9.29)
【国際出願番号】PCT/US2003/030555
【国際公開番号】WO2004/031668
【国際公開日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【出願人】(503259381)ビーピー・コーポレーション・ノース・アメリカ・インコーポレーテッド (84)
【Fターム(参考)】