説明

二量体ピペリジン誘導体

【化1】


神経変性介在疾患の処置において有用な、下記式(I)の化合物、それらのN−オキシド形態、製薬学的に許容可能な付加塩および立体化学的異性体形態。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ニューロトロフィン類、例えば神経成長因子(NGF)、脳由来成長因子(BDNF)、神経栄養因子3(NT3)および神経栄養因子4(NT4)、はニューロンの生存、異化、成長およびアポプトシスに介在する。それらは2種の構造的に無関係の細胞表面受容体であるトロポミオシン関連キナーゼ(Trk)受容体およびp75ニューロトロフィン受容体(p75NTR)に結合する(非特許文献1)。これらの2種のタイプの受容体を活性化することにより、ニューロトロフィン類は正および負の生存信号の両方に介在する。NGFは高い親和力でTrkAに結合し、BDNFはTrkBに関する高い親和力を有し、NT−3は優先的にTrkCに結合する。Trk受容体に対するニューロトロフィン類の結合は神経栄養活性のために必要である。TNF受容体上科の一員であるp75NTRは記載された最初のニューロトロフィン受容体である。それは全てのニューロトロフィン類に同様な親和力で結合する。p75NTRは最初はTrkA活性の正の調節剤として記載された。それらの共−発現はTrkA受容体に関するNGF親和力、NGF−介在TrkA活性化および配位子特異性の増加をもたらす。p75NTRはまたそれ自体の上でも信号を送りそして種々の細胞タイプにおける細胞死滅を促進させうる(非特許文献2)。
【0002】
ニューロトロフィン類および可能な治療関連性
ニューロトロフィン類は特異的なそして時には重複するニューロン集団の生存、異化および機能維持の調節における確立した役割を有する。胚発達および成熟中のニューロトロフィン類のこれらの役割の他に、ニューロトロフィン類がニューロン形成工程に関与するという次第に増えつつある証明がある。これらの研究は数種の可能な治療用途を示唆している。ニューロトロフィン類が種々の神経変性疾病、例えばアルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側策硬化症(ALS)、発作および末梢神経障害、のインビトロおよびインビボモデルにおいてある種のニューロン集団を保護しそして救済しうることが示された(非特許文献3、非特許文献4)。さらに、最近の数年間における蓄積しつつある証明は、CNSの主要疾患、例えば発作、アルツハイマー、ALS、癲癇、脊椎損傷(SCI)、多発性硬化症(MS)、運動ニューロン疾病(MND)および他の神経変性疾病、のあるものにおいて起きるニューロン死滅においてp75NTRが重要な役割を演ずることを示しており(非特許文献5、非特許文献6、非特許文献7、非特許文献8、非特許文献9)そして最近になってのみNGFが疼痛において、特に手術後の術後疼痛において、重要な役割を演ずることが見出された(非特許文献10)。これらの理由のために、ニューロトロフィン類の活性を増加させるかまたはニューロトロフィン類と同様な効果を有する小分子が非常に興味がもたれている(非特許文献11、非特許文献12)。
【0003】
実験証明
ひよこの胚脊椎神経節(DRG)から由来する末梢ニューロンが神経栄養因子および神経栄養活性を有する他の分子のインビトロ同定用に広く使用されている。ひよこのDRGニューロンの生存は異なる神経栄養因子、例えば神経成長因子(NGF)(非特許文献13)脳由来神経栄養因子(非特許文献14)および睫毛神経栄養因子(CNTF)(非特許文献15)、により支援されうる。神経栄養活性を有する小分子、例えばK−252aおよびCEP−1347、もDRGニューロンの生存を支援する(非特許文献16、非特許文献17)。胚日数8−10において鶏の胚から分離されたDRGニューロンの初代培養が多くの研究室においてニューロトロフィン類の生物検定法として成功裡に使用されてきた。この検定法はDRGニューロンに対する化合物の生存効果を測定しそしてそれは蛍光計カルセイン(Calcein)−AM測定に基づく(非特許文献18)。ニューロンの機能的応答を生存率の量的測定値として指令するこの検定法は偽陽性がほとんどないという利点を有しうる。鶏のDRGニューロンの初代培養を用いるHTS作戦は神経栄養活性(ニューロン生存性)を有する化合物の同定をもたらした。同定された最も有効な化合物は「対称性化合物」の系統に属する。
【0004】
【非特許文献1】Kaplan D.R.and Miller F.D.(2000)Current Opinion in Neurobiology 10,381−391
【非特許文献2】Coulson E.J.,Reid K.,and Bartlett P.F.(1999)Molecular Neurobiology 20,29−44
【非特許文献3】Chao M.V.(2003)Nature Reviews Neuroscience 4,299−309
【非特許文献4】Dawbarn D.and Allen S.J.(2003)Neuropathology & Applied Neurobiology 29,211−230
【非特許文献5】Park et al.(2000)Journal of Neuroscience 20,9096−9103
【非特許文献6】Oh et al.(2000)Brain Research 853,174−185
【非特許文献7】Lowry et al.(2001)Journal of Neuroscience Research 64,11−17
【非特許文献8】Sedel et al.(1999)European Journal of Neuroscience 11,3904−3912
【非特許文献9】Dowling et al.(1999)Neurology 53,1676−1682
【非特許文献10】Zahn et al.2004,The Journal of Pain 5(3);157−163
【非特許文献11】Massa et al.(2002)Journal of Molecular Neuroscience 19,107−111
【非特許文献12】Saragovi and Burgess(1999)Expert Opinion on Therapeutic Patents 9,737−751
【非特許文献13】Levi−Montalcini R.and Angeletti P.U.(1968)Physiological Reviews 48,534−569
【非特許文献14】Barde Y.A.et al.(1982)EMBO Journal 1,549−553
【非特許文献15】Barbin G.et al.(1984)Journal of Neurochemistry 43,1468−1478
【非特許文献16】Borasio G.D.(1990)Neuroscience Letters 108,207−212
【非特許文献17】Borasio G.D.(1998)Neuroreport 9,1435−1439
【非特許文献18】He W.et al.(2002)Bioorganic & Medicinal Chemistry 10,3245−3255
【発明の開示】
【0005】
本発明は、式(I)
【0006】
【化1】

【0007】
[式中、
nは0、1または2であり、或いは
ZはCHまたはCH2を表し、
−X−はC2-4アルキニル、C2-4アルケニル、場合によりヒドロキシで置換されていてもよいC1-12アルキルを表すかまたはXは式
【0008】
【化2】

【0009】
の2価基を表し、
ここで、−X1−はC1-12アルキル、フェニルまたは
【0010】
【化3】

【0011】
よりなる群から選択される2価基を表し、
−X2−はC1-12アルキル、C1-4アルキルオキシC1-4アルキル、フェニルまたは式
【0012】
【化4】

【0013】
の2価基を表し、
−X3−はフェニルまたは
【0014】
【化5】

【0015】
よりなる群から選択される2価基を表し、
1はAr1、Ar2−カルボニル−、Het2、Ar3−C1-4アルキルオキシ−、Ar4−オキシ−、Het4−オキシ−、またはNR34−、Het1もしくはAr6から独立して選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されたC1-4アルキルを表すか、或いは
2はヒドロキシ、ベンジル、またはC1-4アルキルオキシ−を表し、
3およびR4は各々独立して水素、C1-4アルキル、C1-4アルキルオキシ−、またはHet3を表し、
Het1はピリジニル、ピリミジニル、インドリニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズイソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリルまたはチアジアゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het1は場合によりヒドロキシ、ハロ、C1-4アルキルオキシカルボニル−、C1-4アルキル−、C1-4アルキルオキシ−およびハロで置換されたC1-4アルキルオキシ−よりなる群から選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、特にHet1はインドリルまたはピリジニルから選択される複素環を表し、
Het2はインドリル、インドリニル、ピリジニル、ピリミジニル、ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、キノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、またはオキソジアゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het2は場合によりヒドロキシ、カルボニル、Ar5、ハロ、C1-6アルキル−およびC1-4アルキルオキシ−よりなる群から選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、
Het3はベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンズイソチアゾリルまたはベンズチアゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het3は場合によりヒドロキシ、ハロ、C1-6アルキル−およびC1-4アルキルオキシ−よりなる群から選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、特にHet3はC1-4アルキルオキシ−で置換されたベンズチアゾリルを表し、
Het4はピリミジニル、ピリジニル、インドリニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンズイソチアゾリルまたはベンズチアゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het4は場合によりヒドロキシ、アミノ、モノもしくはジ−(C1-4アルキル)アミノ、ハロ、C1-6アルキル−およびC1-4アルキルオキシ−よりなる群から選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、特にHet4はベンズチアゾリルを表し、
Ar1およびAr2は各々独立して場合によりハロ、C1-4アルキル−、C1-4アルキルオキシ−または1、2もしくは3個のハロ置換基で置換されたC1-4アルキルで置換されていてもよいフェニルを表し、特にAr2またはAr1はハロまたはトリフルオロメチルで置換されたフェニルを表し、
Ar3およびAr4は各々独立して場合によりハロ、C1-4アルキル−、C1-4アルキルオキシ−または1、2もしくは3個のハロ置換基で置換されたC1-4アルキルで置換されていてもよいフェニルを表し、特にAr3またはAr4はハロまたはトリフルオロメチルで置換されたフェニルを表し、
Ar5は場合によりハロ、C1-6アルキル、C1-4アルキルオキシ−、またはC3-6シクロアルキル−オキシ−で置換されていてもよいフェニルを表し、
Ar6は場合によりハロ、C1-6アルキル、C1-4アルキルオキシ−、またはC3-6シクロアルキル−オキシ−で置換されていてもよいフェニルを表し、但し、
−−X−が場合によりヒドロキシルで置換されていてもよいC1-12アルキルを表し且つR1がAr1を表す式(I)の化合物に関しては、該化合物に関してnは1または2を表し、そして
−−X2−がフェニルを表す式(I)の化合物に関しては、該化合物に関してR1はAr1、Ar2−カルボニル、Ar3−C1-4アルキルオキシ−、Ar4−オキシ−、Het4−オキシ−、またはNR34−、Het1もしくはAr6から独立して選択される1個そして可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されたC1-4アルキルを表す]
の化合物、それらのN−オキシド形態、製薬学的に許容可能な付加塩および立体化学的異性体形態に関する。
【0016】
二量体ピペリジン誘導体は、これまではHCVの処置に有用であるとして(国際公開第97/36554号パンフレット)または精神病および運動疾患の処置におけるシグマ受容体配位子として(国際公開第93/25527号パンフレット)記載されている。二量体ピペラジン誘導体の可能な神経栄養効果は提案または示唆されていない。驚くべきことに、本発明の二量体ピペリジン誘導体、すなわち式(I)および(I')の化合物がここでは神経栄養活性を有することが見出された。従って、本発明の目的は、神経変性疾患の処置または予防のための薬品の製造における式(I)または(I')の化合物の使用を提案することである。
【0017】
ここで以上で使用されている用語;
−オキソまたはカルボニルは、それが結合される炭素原子と共にカルボニル部分を形成する(=O)をさし、
−ハロは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを表し、
−C1-4アルキルは、炭素数1〜4の直鎖状および分枝鎖状の飽和炭化水素基、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、1−メチルエチル、2−メチルプロピル、2,2−ジメチルエチルなどを定義し、
−C1-6アルキルは、C1-4アルキルおよび炭素数6のそれらの高級同族体、例えばヘキシル、1,2−ジメチルブチル、2−メチルペンチルなどを包含することを意味し、
−C1-4アルキルオキシは、1〜4個の炭素原子および1個の酸素原子を有する直鎖状もしくは分枝鎖状の飽和炭化水素基、例えばメトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ブチルオキシ、1−メチルエチルオキシ、2−メチルプロピルオキシなどを定義する。
【0018】
以上の定義および以下で述べられる複素環はそれらの全ての可能な異性体形態を包含することを意味し、例えばトリアゾリルは1,2,4−トリアゾリルおよび1,3,4−トリアゾリルを包含し、オキサジアゾリルは1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリルおよび1,3,4−オキサジアゾリルを包含し、チアジアゾリルは1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリルおよび1,3,4−チアジアゾリルを包含する。
【0019】
さらに、以上の定義および以下で述べられる複素環は適宜いずれかの環炭素またはヘテロ原子を介して式(I)の分子の残部に結合されうる。それ故、例えば、複素環がイミダゾリルである場合には、それは1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリルおよび5−イミダゾリルであることができ、それがチアゾリルである場合には、それは2−チアゾリル、4−チアゾリルおよび5−チアゾリルであることができ、それがベンゾチアゾリルである場合には、それは2−ベンゾチアゾリル、4−ベンゾチアゾリル、5−ベンゾチアゾリル、6−ベンゾチアゾリルおよび7−ベンゾチアゾリルであることができる。
【0020】
以上で述べられた製薬学的に許容可能な付加塩は式(I)の化合物が生成しうる治療的に活性な無毒の酸付加塩形態を含んでなることを意味する。後者は簡便には塩基形態をそのような適当な酸で処理することにより得られうる。適当な酸は、例えば、無機酸、例えばハロゲン化水素酸、例えば塩酸もしくは臭化水素酸、硫酸、硝酸、燐酸および同様な酸、または有機酸、例えば、酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、マロン酸、琥珀酸(すなわち、ブタンジオン酸)、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、パモ酸および同様な酸を含んでなる。
【0021】
以上で述べられた製薬学的に許容可能な付加塩は、式(I)の化合物が生成しうる治療的に活性な無毒の塩基付加塩形態を含んでなることを意味する。そのような塩基付加塩形態の例は、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム塩、並びに製薬学的に許容可能なアミン、例えば、アンモニア、アルキルアミン、ベンザチン、N−メチル−D−グルカミン、ヒドラバミン、アミノ酸、例えばアルギニン、リシンとの塩である。
【0022】
逆に、該塩形態は適当な塩基または酸を用いる処理により遊離酸または塩基形態に転化させることができる。
【0023】
以上で使用される用語である付加塩は式(I)の化合物並びにそれらの塩が生成しうる溶媒和物も含んでなる。そのような溶媒和物は例えば水和物、アルコレート類などである。
【0024】
以上で使用される用語である立体化学的異性体形態は式(I)の化合物が有しうる可能な異なる異性体並びに配座形態を定義する。別に述べられるかまたは示されない限り、化合物の化学的表示は全ての可能な立体化学的および配座異性体形態の混合物を示し、該混合物は基本分子構造の全てのジアステレオマー類、エナンチオマー類および/または配座異性体を含有する。式(I)の化合物の全ての立体化学的異性体形態が、純粋形態または互いの混合物状の両方とも、本発明の範囲内に包括されることが意図される。
【0025】
式(I)の化合物のN−オキシド形態は1個もしくは数個の窒素原子がいわゆるN−オキシドに酸化されている式(I)の化合物を含んでなることを意味する。
【0026】
化合物の第一群は、
nが0、1または2であり、
Zが−CH−または−CH2−を表し、
−X−がC2-4アルキニル、場合によりヒドロキシで置換されていてもよいC1-12アルキルを表すかまたはXが式
【0027】
【化6】

【0028】
の2価基を表し、
ここで、−X1−がC1-12アルキル、フェニルまたは
【0029】
【化7】

【0030】
よりなる群から選択される2価基を表し、
−X2−がC1-12アルキル、フェニルまたは式
【0031】
【化8】

【0032】
の2価基を表し、
−X3−がフェニルまたは
【0033】
【化9】

【0034】
よりなる群から選択される2価基を表し、
1がAr1、Ar2−カルボニル、Het2、Ar3−C1-4アルキルオキシ−、Het4−オキシ−またはNR34もしくはHet1から独立して選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されたC1-4アルキルを表し、
2がヒドロキシルを表し、
3およびR4が各々独立して水素またはHet3を表し、
Het1がインドリニル、インドリル、ピリジニル、ベンズチアゾリルまたはベンズイソチアゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het1は場合によりハロ、ヒドロキシルまたはC1-4アルキルオキシから選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、
Het2がインドリル、インドリニル、ベンズオキサゾリル、ベンズイソキサゾリルまたはオキソジアゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het2は場合によりハロ、ヒドロキシル、Ar5またはC1-6アルキルから選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、
Het3がベンズチアゾリルまたはベンズイソチアゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het3は場合によりハロ、ヒドロキシルまたはC1-4アルキルオキシから選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、
Het4がベンズチアゾリルまたはベンズイソチアゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het4は場合によりハロ、ヒドロキシルまたはC1-4アルキルオキシから選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、
Ar1およびAr2が各々独立して場合によりハロまたは1、2もしくは3個のハロ置換基で置換されたC1-4アルキルから選択される1、2もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよいフェニルを表し、
Ar3およびAr4が各々独立して場合によりハロまたは1、2もしくは3個のハロ置換基で置換されたC1-4アルキルから選択される1、2もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよいフェニルを表し、
Ar5が場合によりC1-4アルキルオキシ−、またはC3-6シクロアルキル−オキシ−で置換されていてもよいフェニルを表し、但し、
−−X−が場合によりヒドロキシルで置換されていてもよいC1-12アルキルを表し且つR1がAr1を表す式(I)の化合物に関しては、該化合物に関してnは1または2を表し、そして
−−X2−がフェニルを表す式(I)の化合物に関しては、該化合物に関してR1はAr1、Ar2−カルボニル、Ar3−C1-4アルキルオキシ−、Ar4−オキシ−、Het4−オキシ−、またはNR34−、Het1もしくはAr6から独立して選択される1個そして可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されたC1-4アルキルを表す、
式(I)の化合物よりなる。
【0035】
化合物の第二群は、
nが0、1または2であり、ZがCHまたはCH2を表し、
−X−がC2-4アルキニル、場合によりヒドロキシで置換されていてもよいC1-12アルキルを表すかまたはXが式
【0036】
【化10】

【0037】
の2価基を表し、
ここで、−X1−がC1-12アルキル、フェニルまたは
【0038】
【化11】

【0039】
よりなる群から選択される2価基を表し、
−X2−がC1-12アルキル、フェニルまたは式
【0040】
【化12】

【0041】
の2価基を表し、
−X3−がフェニルまたは
【0042】
【化13】

【0043】
よりなる群から選択される2価基を表し、
1がAr1、Ar2−カルボニル、Het2、Ar3−C1-4アルキルオキシ−、Het4−オキシ−またはNR34もしくはHet1から独立して選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されたC1-4アルキルを表し、
2がヒドロキシルを表し、
3およびR4が各々独立して水素またはHet3を表し、
Het1がインドリルまたはベンズチアゾリルから選択される複素環を表し、
Het2がインドリル、ピリジニル、ベンズイソキサゾリルまたはオキソジアゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het2は場合によりハロ、Ar5またはC1-6アルキルから選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、
Het3がベンズチアゾリルを表し、ここで該Het3は場合によりハロまたはC1-4アルキルオキシから選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、特にHet3が1個もしくはそれ以上のC1-4アルキルオキシ置換基で置換されたベンズチアゾリルを表し、
Het4がベンズチアゾリルを表し、
Ar1およびAr2が各々独立して場合によりハロまたは1、2もしくは3個のハロ置換基で置換されたC1-4アルキルから選択される1、2もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよいフェニルを表し、
Ar3およびAr4が各々独立して場合により1、2もしくはそれ以上のC1-4アルキル置換基で置換されていてもよいフェニルを表し、該C1-4アルキルは1、2もしくは3個のハロ置換基で置換されており、そして
Ar5が場合によりC1-4アルキルオキシ−、またはC3-6シクロアルキル−オキシ−で置換されていてもよいフェニルを表し、但し、
−−X−が場合によりヒドロキシルで置換されていてもよいC1-12アルキルを表し且つR1がAr1を表す式(I)の化合物に関しては、該化合物に関してnは1または2を表し、そして
−−X2−がフェニルを表す式(I)の化合物に関しては、該化合物に関してR1はAr1、Ar2−カルボニル、Ar3−C1-4アルキルオキシ−、Ar4−オキシ−、Het4−オキシ−、またはNR34−、Het1もしくはAr6から独立して選択される1個そして可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されたC1-4アルキルを表す、
式(I)の化合物よりなる。
【0044】
化合物の第二群は、式(I’)
【0045】
【化14】

【0046】
[式中、
nは0、1または2であり、或いは
2はヒドロキシを表し、
−X−はC2-4アルキニル、場合によりヒドロキシで置換されていてもよいC1-12アルキルを表すかまたはXは式
【0047】
【化15】

【0048】
の2価基を表し、
ここで、−X1−はC1-12アルキル、フェニルまたは
【0049】
【化16】

【0050】
よりなる群から選択される2価基を表し、
−X2−はC1-12アルキル、C1-4アルキルオキシC1-4アルキル、フェニルまたは式
【0051】
【化17】

【0052】
の2価基を表し、
−X3−はフェニルまたは
【0053】
【化18】

【0054】
よりなる群から選択される2価基を表し、
1は水素、C1-4アルキル、C1-4アルキルオキシ−、Ar1、Ar2−カルボニル、Het1−C1-4アルキル、Het2、NR34−C1-4アルキル、Ar3−C1-4アルキルオキシ−またはHet4−オキシ−を表し、
3およびR4は各々独立して水素、C1-4アルキル、C1-4アルキルオキシ−、またはHet3を表し、
Het1はピリジニル、インドリニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズイソキサゾリル、チアゾリル、ピリジニル、またはチアジアゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het1は場合によりヒドロキシ、ハロ、C1-4アルキルオキシカルボニル−、C1-4アルキル−、C1-4アルキルオキシ−およびハロで置換されたC1-4アルキルオキシ−よりなる群から選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、特にHet1はインドリルまたはピリジニルから選択される複素環を表し、
Het2はインドリル、ピリジニル、ベンズイソキサゾリルまたはオキソジアゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het2は場合によりヒドロキシ、ハロ、C1-6アルキル−およびC1-4アルキルオキシ−よりなる群から選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、
Het3はベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリルまたはベンズチアゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het3は場合によりヒドロキシ、ハロ、C1-6アルキル−およびC1-4アルキルオキシ−よりなる群から選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、特にHet3はC1-4アルキルオキシ−で置換されたベンズチアゾリルを表し、
Het4はベンズイミダゾリル、ベンズイソキサゾリルまたはベンズチアゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het4は場合によりヒドロキシ、ハロ、C1-6アルキル−およびC1-4アルキルオキシ−よりなる群から選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、特にHet4はベンズチアゾリルを表し、
Ar1は場合によりハロ、C1-4アルキル−または1、2もしくは3個のハロ置換基で置換されたC1-4アルキルで置換されていてもよいフェニルを表し、
Ar2は場合によりハロ、C1-4アルキル−または1、2もしくは3個のハロ置換基で置換されたC1-4アルキルで置換されていてもよいフェニルを表し、特にAr2はハロまたはトリフルオロメチルで置換されたフェニルを表し、
Ar3は場合によりハロ、C1-4アルキル−またはC1-4アルキルオキシ−で置換されていてもよいフェニルを表し、但し、
−−X−が場合によりヒドロキシルで置換されていてもよいC1-12アルキルを表し且つR1がAr1を表す式(I')の化合物に関しては、該化合物に関してnは1または2を表し、そして
−−X2−がフェニルを表す式(I')の化合物に関しては、該化合物に関してR1はAr1、Ar2−カルボニル、Ar3−C1-4アルキルオキシ−、Ar4−オキシ−、Het4−オキシ−、またはNR34−、Het1もしくはAr6から独立して選択される1個そして可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されたC1-4アルキルを表す]
の化合物、それらのN−オキシド形態、製薬学的に許容可能な付加塩および立体化学的異性体形態よりなる。
【0055】
本発明は式(I)
【0056】
【化19】

【0057】
[式中、
nは0、1または2であり、
ZはC、NまたはOを表し、特にZはCHまたはCH2を表し、
−X−はC2-4アルキニル、C2-4アルケニル、場合によりヒドロキシで置換されていてもよいC1-12アルキルを表すかまたはXは式
【0058】
【化20】

【0059】
の2価基を表し、
ここで、−X1−はC1-12アルキル、フェニルまたは
【0060】
【化21】

【0061】
よりなる群から選択される2価基を表し、
−X2−はC1-12アルキル、C1-4アルキルオキシC1-4アルキル、フェニルまたは式
【0062】
【化22】

【0063】
の2価基を表し、
−X3−はフェニルまたは
【0064】
【化23】

【0065】
よりなる群から選択される2価基を表し、
1は独立して水素、C1-4アルキル、Ar1、C1-4アルキルオキシ−、Ar2−カルボニル−、Het2、Ar3−C1-4アルキルオキシ−、Ar4−オキシ−、Het4−オキシ−、またはNR34−、Het1もしくはAr6から独立して選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されたC1-4アルキルを表し、
2はヒドロキシ、ベンジル、またはC1-4アルキルオキシ−を表し、
3およびR4は各々独立して水素、C1-4アルキル、C1-4アルキルオキシ−、またはHet3を表し、
Het1はピリジニル、インドリニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズイソキサゾリル、チアゾリル、またはチアジアゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het1は場合によりヒドロキシ、ハロ、C1-4アルキルオキシカルボニル−、C1-4アルキル−、C1-4アルキルオキシ−およびハロで置換されたC1-4アルキルオキシ−よりなる群から選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、特にHet1はインドリルまたはピリジニルから選択される複素環を表し、
Het2はインドリル、インドリニル、イミダゾリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、キノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、またはオキソジアゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het2は場合によりヒドロキシ、カルボニル、Ar5、ハロ、C1-6アルキル−およびC1-4アルキルオキシ−よりなる群から選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、
Het3はベンズイミダゾリル、ベンズイソキサゾリルまたはベンズチアゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het3は場合によりヒドロキシ、ハロ、C1-6アルキル−およびC1-4アルキルオキシ−よりなる群から選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、特にHet3はC1-4アルキルオキシ−で置換されたベンズチアゾリルを表し、
Het4はピリミジニル、ピリジニル、インドリニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンズイソキサゾリルまたはベンズチアゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het4は場合によりヒドロキシ、アミノ、モノもしくはジ−(C1-4アルキル)アミノ、ハロ、C1-6アルキル−およびC1-4アルキルオキシ−よりなる群から選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、特にHet4はベンズチアゾリルを表し、
Ar1およびAr2は各々独立して場合によりハロ、C1-4アルキル−、C1-4アルキルオキシ−または1、2もしくは3個のハロ置換基で置換されたC1-4アルキルで置換されていてもよいフェニルを表し、特にAr2はハロまたはトリフルオロメチルで置換されたフェニルを表し、
Ar5は場合によりハロ、C1-6アルキル、C1-4アルキルオキシ−、またはC3-6シクロアルキル−オキシ−で置換されていてもよいフェニルを表し、
Ar6は場合によりハロ、C1-6アルキル、C1-4アルキルオキシ−、またはC3-6シクロアルキル−オキシ−で置換されていてもよいフェニルを表す]
の化合物、それらのN−オキシド形態、製薬学的に許容可能な付加塩類および立体化学的異性体形態に関する。
【0066】
化合物の第一群は、下記の限定の1つもしくはそれ以上が適用される式(I)の化合物よりなる:
nが0、1または2であり、別の態様では、
−X−がC2-4アルキニル、場合によりヒドロキシで置換されていてもよいC1-12アルキルを表すかまたはXが式
【0067】
【化24】

【0068】
の2価基を表し、
ここで、−X1−がC1-12アルキル、フェニルまたは
【0069】
【化25】

【0070】
よりなる群から選択される2価基を表し、
−X2−がC1-12アルキル、C1-4アルキルオキシC1-4アルキル、フェニルまたは式
【0071】
【化26】

【0072】
の2価基を表し、
−X3−がフェニルまたは
【0073】
【化27】

【0074】
よりなる群から選択される2価基を表し、
ZがCまたはN、特にCH、CH2、NまたはNH、を表し、
1が独立して水素、C1-4アルキル、C1-4アルキルオキシ−、Ar1、Ar2−カルボニル、Het1−C1-4アルキル、Het2、NR34−C1-4アルキル、Ar3−C1-4アルキルオキシ−またはHet4−オキシ−を表し
3およびR4が各々独立して水素、C1-4アルキル、C1-4アルキルオキシ−、またはHet3を表し、
Het1がピリジニル、インドリニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズイソキサゾリル、チアゾリル、またはチアジアゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het1は場合によりヒドロキシ、ハロ、C1-4アルキルオキシカルボニル−、C1-4アルキル−、C1-4アルキルオキシ−およびハロで置換されたC1-4アルキルオキシ−よりなる群から選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、
Het2がインドリル、インドリニル、ベンズイミダゾリル、ベンズイソキサゾリルまたはオキソジアゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het2は場合によりヒドロキシ、ハロ、C1-6アルキル−、C1-4アルキルオキシ−、カルボニルおよびAr5よりなる群から選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、特にHet2はインドリル、ベンズイソキサゾリルまたはオキソジアゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het2は場合によりヒドロキシ、ハロ、C1-6アルキル−およびC1-4アルキルオキシ−よりなる群から選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、
Het3はベンズイミダゾリル、ベンズイソキサゾリルまたはベンズチアゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het3は場合によりヒドロキシ、ハロ、C1-6アルキル−およびC1-4アルキルオキシ−よりなる群から選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、
Het4がピリジニル、インドリニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンズイソキサゾリルまたはベンズチアゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het4は場合によりヒドロキシ、ハロ、C1-6アルキル−およびC1-4アルキルオキシ−よりなる群から選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、特にHet4はベンズイミダゾリル、ベンズイソキサゾリルまたはベンズチアゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het4は場合によりヒドロキシ、ハロ、C1-6アルキル−およびC1-4アルキルオキシ−よりなる群から選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、
Ar1が場合によりハロ、C1-4アルキルまたは1、2もしくは3個のハロ置換基で置換されたC1-4アルキルで置換されていてもよいフェニルを表し、
Ar2が場合によりハロ、C1-4アルキルまたは1、2もしくは3個のハロ置換基で置換されたC1-4アルキルで置換されていてもよいフェニルを表し、
Ar3が場合によりハロ、C1-4アルキル、C1-4アルキルオキシ−または1、2もしくは3個のハロ置換基で置換されたC1-4アルキルで置換されていてもよいフェニルを表し、
Ar5が場合によりC1-4アルキルオキシ−またはC3-6シクロアルキルオキシ−で置換されていてもよいフェニルを表す。
【0075】
化合物の別の興味ある群は、下記の限定の1つもしくはそれ以上が適用される式(I)の化合物よりなる:
nが0または1であり、
2がヒドロキシを表し、
ZがCまたはN、好ましくはCHまたはCH2を表し、
1がAr1、Ar2−カルボニル、Het2、Ar3−C1-4アルキルオキシ−、Het4−オキシまたはHet1−C1-4アルキルを表し
Het1がピリジニル、インドリニル、インドリル、ベンズチアゾリルまたはベンズイソキサゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het1は場合によりハロおよびC1-4アルキルオキシの1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、
Het2がインドリル、インドリニル、ベンズイミダゾリル、ベンズイソキサゾリルまたはオキソジアゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het2は場合によりヒドロキシ、カルボニル、Ar5およびハロよりなる群から選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、
Het4がベンズチアゾリルを表し、
Ar1が場合により1、2もしくは3個のハロ置換基で置換されたC1-4アルキルで置換されていてもよいフェニルを表し、
Ar2が場合によりハロまたは1、2もしくは3個のハロ置換基で置換されたC1-4アルキルで置換されていてもよいフェニルを表し、
Ar3が場合により1、2もしくは3個のハロ置換基で置換されたC1-4アルキルで置換されていてもよいフェニルを表し、或いは
Ar5が場合によりC1-4アルキルオキシ−またはC3-6シクロアルキル−オキシ−で置換されていてもよいフェニルを表す。
【0076】
−nが0であり、
−R1がピペリジン環のN−原子に対してパラ位置にあり、
−ZがC、特にCHまたはCH2、であり、
−−X−がC2-4アルキニル、場合によりヒドロキシで置換されていてもよいC1-12アルキルを表すかまたは−X−が以上で式(I)の化合物に関して定義された式(a)、(b)もしくは(c)の2価基を表し、
ここで、
−−X1−がC1-12アルキル、フェニルまたは以上で式(I)の化合物に関して定義された式(f)の2価基を表し、
−−X2−がC1-12アルキル、C1-4アルキルオキシC1-4アルキル、フェニルまたは以上で式(I)の化合物に関して定義された式(g)の2価基を表し、
−−X3−が以上で式(I)の化合物に関して定義された式(h)または(i)の2価基を表し、
−−X−がC2-4アルキニルを表すか、またはXが以上で式(I)の化合物に関して定義された式(a)、(b)、(c)もしくは(j)の2価基を表し、
ここで、
−X1−がC1-12アルキル、フェニルまたは以上で式(I)の化合物に関して定義された式(e)もしくは(f)の2価基を表し、
−X2−がC1-12アルキルまたは以上で式(I)の化合物に関して定義された式(g)の2価基を表し、
−X3−がフェニルまたは以上で式(I)の化合物に関して定義された式(h)または(i)の2価基を表し、
−R1が独立してAr1、Ar2−カルボニル、Het2またはHet1−C1-4アルキルを表し、
−Het1がピリジニル、ピリミジニル、インドリニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズイソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリルまたはチアジアゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het1は場合によりヒドロキシ、ハロ、C1-4アルキルオキシカルボニル−、C1-4アルキル−、C1-4アルキルオキシ−およびハロで置換されたC1-4アルキルオキシ−よりなる群から選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、特にHet1がインドリルまたはピリジニルから選択される複素環を表し、
−Het2がインドリル、インドリニル、ピリジニル、ピリミジニル、ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、キノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、またはオキソジアゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het2は場合によりヒドロキシ、カルボニル、Ar5、ハロ、C1-6アルキル−およびC1-4アルキルオキシ−よりなる群から選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、特にHet2はインドリル、インドリニルまたはベンズイミダゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het2は場合によりヒドロキシ、カルボニルまたはハロで置換されていてもよく、好ましくはヒドロキシまたはカルボニルで置換されていてもよく、
−Het3がベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンズイソチアゾリルまたはベンズチアゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het3は場合によりヒドロキシ、ハロ、C1-6アルキル−およびC1-4アルキルオキシ−よりなる群から選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、特にHet3はC1-4アルキルオキシ−で置換されたベンズチアゾリルを表し、
−Het4がピリミジニル、ピリジニル、インドリニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンズイソチアゾリルまたはベンズチアゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het4は場合によりヒドロキシ、アミノ、モノもしくはジ−(C1-4アルキル)アミノ、ハロ、C1-6アルキル−およびC1-4アルキルオキシ−よりなる群から選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、特にHet4はベンズチアゾリルを表し、特にHet4がピリジニル、インドリニル、インドリル、ベンズチアゾリルまたはベンズイソキサゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het4は場合によりハロおよびC1-4アルキルオキシ−よりなる群から選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよい、
化合物である。
【0077】
別の態様では本発明の化合物はnが0であり、ZがCを表しそしてR1置換基がピペリジン環のN−原子に対してパラ位置にある式(I)の化合物よりなる。該R1置換基は好ましくはフェニルまたはベンズイミダゾリルよりなり、該フェニルおよびベンズイミダゾリルは場合によりハロ、トリフルオロメチルまたはメチルから選択される1個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよい。nが1であり、R2がヒドロキシを表し、ZがCを表し、R1がハロおよびトリフルオロメチルで置換されたフェニルを表しそしてここで該R1およびR2置換基がピペリジン環のN−原子に対してパラ位置にある式(I)の化合物が得に興味がある。
【0078】
化合物の別の興味ある群は、下記の限定の1つもしくはそれ以上が適用される式(I)の化合物である:
nが1であり、
−X−が場合によりヒドロキシルで置換されていてもよいC1-12アルキルを表すかまたは−X−が式
【0079】
【化28】

【0080】
の2価基を表し、
ここで、−X1−がC1-12アルキル、フェニルまたは2価基
【0081】
【化29】

【0082】
を表し、
−X2−がC1-12アルキルを表し、
−X3−が
【0083】
【化30】

【0084】
を表し、
1がAr1を表し、
2がヒドロキシルを表し、
Ar1がハロまたは1、2もしくは3個のハロ置換基で置換されたC1-4アルキルから選択される2個もしくはそれ以上の置換基で置換されたフェニルを表す。
【0085】
さらに別の態様では本発明の化合物は以下の式(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、(G)、(H)および(I)のものから選択される。
【0086】
【化31】

【0087】
本発明の二量体化合物は、有機化学技術の専門家により普通に使用されており且つ例えば“Introduction to organic chemistry”Streitweiser and Heathcock−Macmillan Publishing Co.,Inc.−second edition−New Yorkに記載された数種の標準的な合成方法のいずれかにより製造することができる。
【0088】
一般的に、XがC2-4アルキニルまたは場合により置換されていてもよいC1-12アルキルを表す化合物に関しては、例えば“Introduction to organic chemistry”Streitweiser and Heathcock−Macmillan Publishing Co.,Inc.−second edition−New York,page 742−section 24.6に記載されたように、塩基性反応条件下での適当な第二級アミン(i)とアルキルハライドとの間の求核性置換により、二量体化合物が得られる(スキーム1)。
【0089】
【化32】

【0090】
[式中、n、Z、X、R1およびR2は式(I)の化合物に関する通りに定義される]
Xが式(a)の2価基を表す化合物に関しては、例えば“Advanced Organic Chemistry”Jerry March−John Wiley & Sons,Inc.−third edition−New York,page 802−section 6−17に記載されたように、当該技術の既知の条件下で適当な第二級アミンを一般式(ii)のイソシアネートと反応させることにより、式(Iii)のウレア誘導体が製造される。
【0091】
【化33】

【0092】
[式中、n、Z、X1、R1およびR2は式(I)の化合物に関する通りに定義される]
Xが式(b)の2価基を表す化合物に関しては、例えば“Advanced Organic Chemistry”Jerry March−John Wiley & Sons,Inc.−third edition−New York,page 370−section 0−54に記載されたように、当該技術の既知の条件下で適当な第二級アミンを一般式(iii)のアシルハライドと反応させることにより、式(Iiii)のアミド誘導体が製造される。或いは、例えば“Advanced Organic Chemistry”Jerry March−John Wiley & Sons,Inc.−third edition−New York,page 371−section 0−55に記載されたように、当該技術の既知の条件下での一般式(iv)の無水物を用いる適当な第二級アミンのアシル化により、または例えば“Advanced Organic Chemistry”Jerry March−John Wiley & Sons,Inc.−third edition−New York,page 375−section 0−57に記載されたように、当該技術の既知の条件下での一般式(v)のエステルを用いる適当な第二級アミンのアシル化により、式(Iiii)のアミド誘導体が得られる。
【0093】
【化34】

【0094】
[式中、X1は式(I)の化合物に関する通りに定義されそしてR'はRiiiiiN−を表す]
別の変法では、試薬、すなわちカップリング試薬、例えばN,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N'−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)、ヘキサフルオロ燐酸(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム(PyBOP)またはヘキサフルオロ燐酸O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウム(HBTU)、の存在下における適当な第二級アミンとカルボン酸(xviii)との反応により式(v')の活性エステル中間体が得られ(スキーム3参照)、それが第一段階においてカルボン酸を活性化された形態で転化させる。この反応は好ましくは別のヒドロキシルアミン添加剤、例えば1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)または7−アザ−1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOAt)の存在下で行われ、このようにして得られたカルボキサミド基のラセミ化および脱水を防止する。
【0095】
【化35】

【0096】
[式中、n、Z、X2、R1およびR2は式(I)の化合物に関する通りに定義され、R'はC1-4アルキル、好ましくはエチル、を表し、そしてここでハロはハロゲン、例えばCl、BrおよびI、を表す]
最後に、Xが式(c)の2価基を表す式(Iiv)のスルホンアミド誘導体は一般的に、例えば“Advanced Organic Chemistry”Jerry March−John Wiley & Sons,Inc.−third edition−New York,page 445−section 0−119に記載されたように、当該技術で既知の条件下での適当な第二級アミンおよびスルホンハライド、好ましくは一般式(vi)のスルホニルクロリド、の間の求核性置換により、製造される。
【0097】
【化36】

【0098】
[式中、n、Z、X3、R1およびR2は式(I)の化合物に関する通りに定義されそしてここでハロはハロゲン、例えばCl、BrおよびI、好ましくはCl、を表す]
以上で使用される適当な第二級アミン類は市販されているかもしくは既知であり、または当業者により容易に合成することができる。
【0099】
【化37】

【0100】
[式中、nおよびR2は式(I)の化合物に関する通りに定義され、
'はC1-4アルキル、Ar3−C1-4アルキルオキシ−またはHet4−オキシを表し、ここでAr3およびHet4は式(I)の化合物に関する通りに定義され、そして
ここでハロはハロゲン、例えばCl、BrおよびI、好ましくはCl、を表す]
特別な態様では、以下で式(i')の化合物と称するR1がC1-4アルキルオキシ、Ar3−C1-4アルキルオキシ−またはHet4−オキシを表す式(i)の第二級アミン類に関しては、該化合物は保護された4−ヒドロキシピペリジンから出発して例えば“Advanced Organic Chemistry”Jerry March−John Wiley & Sons,Inc.−third edition−New York, page 3421−section 0−14に記載されたような当該技術で既知の条件下での適当なアルカリハライドとの求核性置換反応で製造される(スキーム5)。
【0101】
以下で式(i'')の化合物と称するR1がNR34−C1-4アルキル−を表す第二級アミン類は一般的に、当該技術で既知の反応工程を用いる、例えばアルキルクロリドRiCl、アシルクロリドRiCOCl(ここでRiはC1-4アルキルを表す)を用いる、対応するアミンのアシル化またはアルキル化により製造される。さらに、R3またはR4のいずれかがHet3を表す化合物は典型的には当該技術で既知の環化工程(“Introduction to organic chemistry”Streitweiser and Heathcock−Macmillan Publishing Co.,Inc.−second edition−New York,Chapter 32)を用いて得られる。
【0102】
例えば、R3またはR4がチアゾリルまたはベンズチアゾリルを表す式i''の化合物に関しては、第二級アミン類は反応スキーム6に従い製造される。第一段階において、式(vii)のアミノピペリジンが当該技術で既知の条件下での式(viii)のイソチオシアネートとの反応により式(ix)の中間体に転化される(上記スキーム2参照)。Riiが水素を表す中間体に関しては、適当な反応−不活性有機溶媒、例えば、低級アルカノール、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノールなど、の中での式(ix)のチオウレア誘導体と適当なアルキルハライド(x)との反応による(ix)の脱硫環化反応により、式(I)の化合物が引き続き製造される。Riiが場合により置換されていてもよいフェニルを表す式(ix)の中間体に関しては、例えば水性臭化水素酸溶液中で臭素を使用する、脱硫環化反応は当該技術で既知である工程に従い行われる。
【0103】
引き続きこのようにして得られたそれぞれ式(xi)および(xi')の中間体内の保護基を除去して、本発明の二量体化合物の合成において中間体として使用される適当な第二級アミン類を与える。(xi、xi')内の保護基Pの除去は一般的に当該技術で既知の工程に従い、例えば、アルカリ性または酸性水性媒体中での加水分解により、行うことができる。
【0104】
【化38】

【0105】
[式中、ハロはハロゲン、例えばCl、BrおよびI、を表し、R1は式(I)の化合物に関する通りに定義され、Riiは水素または場合により置換されていてもよいフェニル置換基を表し、RiiiおよびRivは各々独立してヒドロキシ、ハロ、Ar4、C1-4アルキルオキシカルボニル−、C1-4アルキル−、C1-4アルキルオキシ−またはハロで置換されたC1-4アルキルオキシ−を表し、ここでAr4は式(I)の化合物に関する通りに定義される]
同様に、R1がHet2を表す第二級アミン中間体は当該技術で既知の環化工程を用いて得られる。例えば、Het2がオキサジアゾリルを表す式(I)の化合物に関しては、当該技術で既知の環化工程に従い式(xii)の適当に置換されたピペリジンを式(xiii)の中間体カルボン酸エステルと反応させそして引き続き当該技術で既知の工程に従い保護基Pを除去することにより式(i''')の中間体を製造することができる。
【0106】
【化39】

【0107】
[式中、nおよびR2は式(I)の化合物に関する通りに定義され、
'はC1-4アルキル、Ar3−C1-4アルキルオキシ−またはHet4−オキシを表し、ここでAr3およびHet4は式(I)の化合物に関する通りに定義され、そして
ここでハロはハロゲン、例えばCl、BrおよびI、好ましくはCl、を表す]
式(xii)の中間体は、反応−不活性溶媒中でそして強塩基、例えば、ナトリウムメトキシド、の存在下で、式(xv)のシアノピペリジン誘導体をヒドロキシルアミンと反応させることにより、製造することができる。
【0108】
【化40】

【0109】
[式中、n、Z、X、R1およびR2は式(I)の化合物に関する通りに定義される]
以上で使用される中間体カルボン酸エステル類は一般的に対応するカルボン酸類から当該技術で既知のエステル生成工程に従い得られる。該対応するカルボン酸類は、例えば欧州特許第0,076,530号明細書、欧州特許第0,389,037号明細書および欧州特許第0,445,862号明細書から、既知である。
【0110】
上記合成方法のいずれかを用いる式(I)の化合物の合成用の別の例は以下の実験部分に示される。
【0111】
必要であるかまたは所望される場合には、下記のさらなる段階のいずれか1つもしくはそれ以上をいずれかの順序で行うことができる:
(i)残存する1個もしくは複数の保護基を除去する、
(ii)式(I)の化合物またはその保護された形態を式(I)の別の化合物またはその保護された形態に転化すること、
(iii)式(I)の化合物またはその保護された形態を式(I)の化合物のN−オキシド、塩、第四級アミンもしくは溶媒和物またはその保護された形態に転化すること、
(iv)式(I)の化合物のN−オキシド、塩、第四級アミンもしくは溶媒和物またはその保護された形態を式(I)の化合物またはその保護された形態に転化すること、
(v)式(I)の化合物のN−オキシド、塩、第四級アミンもしくは溶媒和物またはその保護された形態を式(I)の化合物の別のN−オキシド、製薬学的に許容可能な塩、第四級アミンもしくは溶媒和物またはその保護された形態に転化すること。
【0112】
上記方法において中間体化合物の官能基を必要に応じて保護基により遮蔽する必要がありうることは当業者により認識されるであろう。
【0113】
保護することが所望される官能基はヒドロキシ、アミノおよびカルボン酸を包含する。ヒドロキシ用に適する保護基はトリアルキルシリル基(例えば、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジフェニルシリルまたはトリメチルシリル)、ベンジルおよびテトラヒドロピラニルを包含する。アミノ用に適する保護基はtert−ブチルオキシカルボニルまたはベンジルオキシカルボニルを包含する。カルボン酸用に適する保護基はC(1-6)アルキルまたはベンジルエステル類を包含する。
【0114】
官能基の保護および脱保護は反応段階の前または後に行うことができる。
【0115】
保護基の使用は‘Protective Groups in Organic Chemistry’,edited by J W F McOmie,Plenum Press(1973)、および‘Protective Groups in Organic Synthesis’,2nd edition,T W Greene & P G M Wutz,Wiley Interscience(1991)に完全に記載されている。
【0116】
さらに、式(I)の化合物中のN−原子は適当な溶媒、例えば2−プロパノン、テトラヒドロフランまたはジメチルホルムアミド、中でCH3−Iを用いる当該技術で既知の方法によりメチル化することもできる。
【0117】
式(I)の化合物を官能基変換の当該技術で既知の工程に従い互いに転化させることもでき、それらの数例は以上に記載されている。
【0118】
3価窒素をそのN−オキシド形態に転化するための当該技術で既知の工程に従い、式(I)の化合物を対応するN−オキシド形態に転化することもできる。該N−オキシド化反応は一般的に、式(I)の出発物質を3−フェニル−2−(フェニルスルホニル)オキサジリジンとまたは適当な有機もしくは無機過酸化物と反応させることにより行われる。適当な無機過酸化物は、例えば、過酸化水素、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属過酸化物、例えば過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、を含んでなり、適当な有機過酸化物はペルオキシ酸、例えば、ベンゼンカルボペルオキソ酸またはハロ置換されたベンゼンカルボペルオキソ酸、例えば3−クロロベンゼンカルボペルオキソ酸、ペルオキソアルカン酸、例えばペルオキソ酢酸、アルキルヒドロペルオキシド、例えばt−ブチルヒドロペルオキシドを含んでなりうる。適当な溶媒は、例えば、水、低級アルカノール類、例えばエタノールなど、炭化水素類、例えばトルエン、ケトン類、例えば2−ブタノン、ハロゲン化された炭化水素類、例えばジクロロメタン、およびそのような溶媒の混合物である。
【0119】
式(I)の化合物の純粋な立体化学的異性体形態は当該技術で既知の工程の適用により得られうる。ジアステレオマー類は物理的方法、例えば選択的結晶化およびクロマトグラフィー技術、例えば向流分配、液体クロマトグラフィーなど、により分離することができる。
【0120】
本発明における式(I)の化合物のあるものおよび中間体のあるものは非対称性炭素原子を含有しうる。該化合物および該中間体の純粋な立体化学的異性体形態は当該技術で既知の工程の適用により得られうる。例えば、ジアステレオマー類は物理的方法、例えば選択的結晶化またはクロマトグラフィー技術、例えば向流分配、液体クロマトグラフィーおよび同様な方法により分離することができる。エナンチオマー類はラセミ性混合物から、最初に該ラセミ性混合物を適当な分解剤、例えば、キラル酸、を用いてジアステレオマー塩または化合物の混合物に転化し、次にジアステレオマー塩または化合物の該混合物を、例えば、選択的結晶化またはクロマトグラフィー技術、例えば液体クロマトグラフィーおよび同様な方法により物理的に分離し、そして最後に該分離されたジアステレオマー塩または化合物を対応するエナンチオマー類に転化することにより得ることができる。介在する反応が立体特異的に起きる限り、純粋な立体化学的異性体形態は適当な中間体および出発物質の純粋な立体化学的異性体形態からも得ることができる。
【0121】
式(I)の化合物および中間体のエナンチオマー形態を分離する別の方法は液体クロマトグラフィー、特にキラル静止相を使用する液体クロマトグラフィーを含む。
【0122】
上記の反応工程において使用される中間体および出発物質のあるものは既知の化合物でありそして市販されているかまたは当該技術で既知の工程に従い製造することができる。
【0123】
本発明の化合物は薬理学的性質を有するため、それらは有用である。従って、それらは特に疼痛、特に手術後疼痛およびニューロン死滅に関連する病理学、例えば、発作、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側策硬化症、ピック病、前頭側頭骨認知症、進行性核麻痺、皮質基底変性、脳血管性認知症、多発系統萎縮、銀親和性認知症、および他のタウオパシーを処置するための薬品として使用することができる。神経変性プロセスに関連する別の症状は例えば、年令−関連性斑状変性、ナルコレプシー、運動ニューロン疾病、プリオン疾病、外傷性神経損傷および回復、並びに多発性硬化症である。
【0124】
以下の実験部分に記載されているように、p75介在ニューロン死滅に対する本化合物の神経栄養活性はインビトロで、内部基準として神経栄養NGFを用いるひよこのDRGニューロンに対する化合物の生存効果を測定する検定法において、示された。この検定法は蛍光計カルセイン−AM測定に基づきそしてニューロンの機能的応答を生存率の量的測定値として指令する。
【0125】
従って、本発明は治療における使用のための式(I)の化合物並びにそれらの製薬学的に許容可能なN−オキシド、付加塩、第四級アミンおよび立体化学的異性体形態を提供する。より特に、神経変性介在疾患の処置または予防における。式(I)の化合物並びにそれらの製薬学的に許容可能なN−オキシド、付加塩、第四級アミンおよび立体化学的異性体形態は以下で本発明に従う化合物と称することができる。
【0126】
本発明に従う化合物の用途の点では、神経変性疾患、例えば発作、アルツハイマー病、ALS、癲癇、SCI、MS、MNDおよび上記のような他の神経変性疾病に罹っている動物、例えば、人間を包含する哺乳動物の処置方法が提供され、それは有効量の本発明に従う化合物を投与することを含んでなる。該方法は人間を包含する温血動物に対する有効量の本発明に従う化合物の全身的または局所的投与を含んでなる。
【0127】
それ故、薬品としての使用のための本発明に従う化合物を提供することが本発明の目的である。特に、ニューロン死滅に関連する病理学、例えば発作、アルツハイマー病、ALS、癲癇、SCI、MS、MNDおよび上記のような他の神経変性疾病を処置するための薬品の製造における本発明に従う化合物を使用すること。
【0128】
さらに別の面では、本発明は上記の神経変性疾患または徴候のいずれかを処置するための薬品の製造における本発明に従う化合物の使用を提供する。
【0129】
治療効果を得るために必要な、ここでは活性成分とも称する、本発明に従う化合物の量は、もちろん、特定の化合物、投与方式、受容体の年令および状態、並びに処置する特定の疾患または疾病に応じて変動するであろう。適する1日服用量は0.001mg/kg〜500mg/kgの体重、特に0.005mg/kg〜100mg/kgの体重であろう。処置方法は1日当たり1〜4回の間の摂取の処方で活性成分を投与することも包含しうる。
【0130】
活性成分を単独で投与することも可能であるが、それを製薬学的組成物として存在させることが好ましい。従って、本発明は本発明に従う化合物を、製薬学的に許容可能な担体または希釈剤と一緒に含んでなる製薬学的組成物をさらに提供する。担体または希釈剤は組成物の他の成分と相容性であり且つその受容体にとって有害でないという意味で「許容可能」でなければならない。
【0131】
本発明の製薬学的組成物は薬学技術において既知のいずれかの方法により、例えばGennaro et al.Remington’s Pharmaceutical Sciences(18th ed.,Mack Publishing Company,1990,特にPart 8参照:Pharmaceutical preparations and their Manufacture)に記載されたような方法を用いて、製造することができる。活性成分としての、塩基形態または付加塩形態の、特定の化合物の治療的に有効な量が製薬学的に許容可能な担体と緊密に一緒にされ、その担体は投与のために所望される調合形態によって広範囲の形態をとりうる。これらの製薬学的組成物は望ましくは、全身的投与、例えば経口、皮下、もしくは非経口投与、または局所投与、例えば吸入剤、鼻噴霧剤、点眼剤によるものもしくはクリーム剤、ゲル剤、シャンプー剤などによるものに適する単位薬用量形態である。例えば、組成物を経口薬用量形態で製造する際には、一般的な製薬学的媒体、例えば、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤および液剤の如き経口液体調合物の場合には水、グリコール類、油類、アルコール類など、または粉剤、丸剤、カプセル剤および錠剤の場合には固体担体、例えば澱粉類、糖類、カオリン、潤滑剤、結合剤、崩壊剤などを使用することができる。投与の際の容易さのために、錠剤およびカプセル剤が最も有利な経口薬用量形態であり、その場合にはもちろん固体の製薬学的担体が使用される。非経口組成物に関しては、担体は一般的に少なくとも大部分が殺菌水であるが、例えば溶解を助けるための如き他の成分を含むことができる。例えば、担体が食塩水溶液、グルコース溶液または食塩水およびグルコース溶液の混合物を含んでなる注射液剤を製造することができる。注射懸濁剤を製造することもでき、その場合には適当な液体担体、懸濁化剤などを使用することができる。皮下投与に適する組成物においては、担体は場合により浸透促進剤および/または適当な湿潤剤を、場合により少割合のいずれかの性質の適当な添加剤と組み合わせて含んでなっていてもよく、その添加剤は皮膚に対して有意な有害な影響を引き起こさないものである。該添加剤は皮膚への投与を促進させおよび/または所望する組成物の製造を助けうる。これらの組成物は種々の方法で、例えば経皮パッチ剤として、滴下剤としてまたは軟膏剤として投与することができる。局所適用のための適切な組成物としては、薬品を局所的に投与するために一般的に使用されている全ての組成物、例えばクリーム剤、ゲル剤、塗布剤、シャンプー剤、チンキ剤、ペースト剤、軟膏剤、膏薬剤、粉剤などが挙げられる。該組成物の適用は、例えば噴射剤、例えば窒素、二酸化炭素、フレオン、を用いるもしくは噴射剤を用いないエーロゾル剤、例えばポンプ噴霧剤、滴下剤、ローション剤、または半固体、例えばスワブにより適用できる濃稠化された組成物によることもできる。特に、半固体、例えば膏薬剤、クリーム剤、ゲル剤、軟膏剤などが簡便に使用することができる。
【0132】
投与の容易さおよび薬用量の均一さのために上記の製薬学的組成物を薬用量単位形態に調合することが特に有利である。この明細書および特許請求の範囲で使用される薬用量単位形態は、各々の単位が必要な製薬学的担体と組み合わされて所望する治療効果を生ずるように計算された予め決められた量の活性成分を含有する単位薬用量として適する物理的に別個の単位をさす。そのような薬用量単位形態の例は、錠剤(刻み目付きもしくは糖衣錠を包含する)、カプセル剤、丸剤、粉末パケット剤、ウエファー剤、注射液剤もしくは懸濁剤、小匙1杯分、大匙1杯分など、並びにそれらの分離した複数分である。
【0133】
製薬学的組成物中の式(I)の化合物の溶解性および/または安定性を増加するために、α−、β−もしくはγ−シクロ−デキストリン類またはそれらの誘導体を使用することが有利でありうる。共−溶媒、例えばアルコール類、も製薬学的組成物中の式(I)の化合物の溶解性および/または安定性を改良しうる。水性組成物の調合物中では、当該化合物の付加塩類がそれらの増加した水安定性のために明らかにさらに良く適する。
【実施例】
【0134】
実験の部
以下で、用語「RT」は室温を意味し、「MIK」は4−メチル−2−ペンタノンを意味し、「THF」はテトラヒドロフランを意味し、「DIPE」はジイソプロピルエーテルを意味し、「DMSO」はジメチルスルホキシドを意味する。
【0135】
A.中間体の製造
実施例A1
【0136】
【化41】

【0137】
クロロ炭酸エチルエステル(0.25モル)を20℃において1,2,3,6−テトラヒドロ−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジン(0.2モル)および炭酸ナトリウム(0.21モル)のジクロロメタン(600ml)中混合物に、混合物をその時点およびその後に冷却しながら、滴下した。混合物を4時間にわたり撹拌した。水を加えそして混合物をその層に分離した。有機層を乾燥し、濾過しそして溶媒を蒸発させて、56g(93%)の中間体(1)を生成した。
【0138】
【化42】

【0139】
中間体(1)(0.19モル)および炭酸水素ナトリウム(0.25モル)のジクロロメタン(500ml)中混合物を5℃に冷却した。3−クロロベンゼンカルボペルオキソ酸(0.25モル)を急いで加えた。混合物を20℃において一晩にわたり撹拌し、次に濾過し、飽和NaHCO3溶液、飽和Na2SO3溶液、希釈HCl溶液、水、NaOH3%溶液および水で2回洗浄した。有機層を乾燥し、濾過しそして溶媒を蒸発させた。生成物をさらなる精製なしに使用して、4.5g(71%)の中間体(2)を生成した。
【0140】
【化43】

【0141】
中間体(2)(0.14モル)および水酸化カリウム(1.2モル)の2−プロパノール(1l)中混合物を6時間にわたり撹拌しそして還流した。溶媒を蒸発させた。氷水を加えた。混合物をジクロロメタンで抽出した。有機層を分離し、乾燥し、濾過しそして溶媒を蒸発させて、20g(55%)の中間体(3)を生成した。
【0142】
実施例A2
【0143】
【化44】

【0144】
4−[(4−ヒドロキシアミノ)イミノメチル]−1−ピペリジンカルボン酸エチルエステル「182808−27−1」(0.079モル)および分子ふるい(21g)の1,4−ジオキサン(400ml)中混合物を10℃において、N2流下で、撹拌した。水素化ナトリウム(60%)(0.085モル)を一部分ずつ30分間にわたり加えた(発泡)。混合物を30分間にわたり室温において撹拌した。3,3−ジメチルブタン酸メチルエステルの1,4−ジオキサン(100ml)中溶液を加えそして生じた反応混合物を5時間にわたり、次に一晩にわたり、室温において撹拌しそして還流した。水(200ml)を加え、CH2Cl2を加えそして二相混合物をジカライト(dicalite)上で濾過した。濾液の層を分離した。有機層を乾燥し、濾過し、そして溶媒を蒸発させた。残渣をガラスフィルター上のシリカゲル上で精製した(溶離剤:CH2Cl2/CH3OH:97/3)。純粋な画分を集めそして溶媒を蒸発させて、16.2g(70%)の中間体(4)を生成した。
【0145】
【化45】

【0146】
中間体(4)(0.519モル)および水酸化カリウム(0.5モル)の2−プロパノール(750ml)中混合物を5時間にわたり、次に一晩にわたり、室温において撹拌しそして還流した。溶媒を蒸発させた。残渣を水中で撹拌しそしてこの混合物をジクロロメタンで3回抽出した。分離した有機層を乾燥し、濾過し、そして溶媒を蒸発させた。残渣をガラスフィルター上のシリカゲル上で精製した(溶離剤:CH2Cl2/CH3OH/(CH3OH/NH3)90/5/5)。純粋な画分を集めそして溶媒を蒸発させて、8.6g(75.5%)の生成物を生成した。この画分の一部(6.4g)を2−プロパノール(50ml)中に溶解させそしてHCl/2−プロパノールを用いて塩酸塩(1:1)に転化させた。沈殿を濾別し、DIPEで洗浄し、そして乾燥して、塩酸塩として単離された6.1gの中間体(5);融点212.2℃を生成した。
【0147】
実施例A3
【0148】
【化46】

【0149】
この反応はN2流下で行われた。水素化ナトリウム(50%)(0.04モル)を1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−4−ピペリジノール(0.04モル)のDMF(150ml)中溶液に一部分ずつ加えた。混合物を1時間にわたり室温において撹拌した。2−クロロベンゾチアゾール(0.4モル)のDMF(50ml)中(発煙)溶液を滴下し(発熱反応)そして生じた反応混合物を週末にわたり室温において撹拌した。混合物を氷−水中に注ぎそして生じた沈殿を濾別し、水および石油エーテルで洗浄し、次にジクロロメタン中に溶解させた。有機溶液を乾燥し、濾過しそして溶媒を蒸発させた。残渣を2−プロパノールから結晶化させ、濾別しそして乾燥して、12.8g(82.3%)の中間体(6);融点150.4℃(EA:C:−0.28、H:+0.00、N:−0.11、O:−0.14、S:−0.29)を生成した。
【0150】
【化47】

【0151】
中間体(6)(0.03モル)、DMF(100ml)、1,2−ジアミノエタン(60ml)およびN,N,N−トリエチルエタナミニウムブロミド(4g)の混合物を電気化学的に脱トシル化した(Hg陰極、C陽極)。反応完了時に、反応混合物を氷−水中に注いだ。混合物をジクロロメタンで抽出した。有機層を分離し、乾燥し、濾過しそして溶媒を蒸発圧せて、7.5gの残渣を生成した。残渣の一部(1g)を2−プロパノール中に溶解させそしてHCl/2−プロパノールを用いて塩酸塩(1:1)に転化させた。沈殿を濾別しそして乾燥して、1g(86.5%)の中間体(7);融点228.9℃(EA:C:−0.22、H:+0.20、N:−0.21、S:−0.04、Cl:−0.64)を生成した。
【0152】
実施例A4
【0153】
【化48】

【0154】
4−イソチオシアナト−1,2−ジメトキシベンゼン[33904−06−8](0.16モル)のDIPE中溶液を1−アセチル−4−ピペリジンメタナミン[77445−06−8](0.16モル)のアセトニトリル(300ml)中混合物に加えた。混合物を室温において3時間にわたり撹拌した。溶媒を蒸発させた。残渣をCHCl3中に加え、水で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過しそして溶媒を蒸発させた。残渣をCH3OH/DIPEから結晶化させた。沈殿を濾別しそして乾燥して、25.5g(44.5%)の中間体(8);融点161.3℃を生成した。
【0155】
【化49】

【0156】
中間体(8)(0.073モル)および臭素(0.073モル)のテトラクロロメタン(250ml)中混合物を3時間にわたり撹拌しそして還流した。混合物を冷却した。沈殿を濾別し、水中に加え、NaOHを用いてアルカリ性としそしてMIKで抽出した。有機層を分離し、乾燥し(MgSO4)、濾過しそして溶媒を蒸発させて、18g(70.6%)の中間体(9)を生成した。
【0157】
【化50】

【0158】
中間体(9)(0.05モル)および水酸化カリウム(0.5モル)の2−プロパノール(300ml)中混合物を一晩にわたり撹拌しそして還流した。溶媒を蒸発させた。残渣を水中に加えそして有機溶媒を蒸発させた。濃縮物をジクロロメタンで抽出した。有機層を分離し、乾燥し(MgSO4)、濾過しそして溶媒を蒸発させた。残渣をCH3CNから結晶化させた。沈殿を濾別しそして乾燥して、7.5g(49%)の中間体(10);融点184℃を生成した。
【0159】
実施例A5
【0160】
【化51】

【0161】
ヒドロキシルアミン一塩酸塩(0.72モル)のエタノール(600ml)中混合物を室温において撹拌した。炭酸ナトリウム(0.36モル)の水(600ml)中溶液を滴下した。3−(シクロペンチルオキシ)−4−メトキシベンゾニトリル[159783−16−1](0.36モル)のエタノール(600ml)中溶液を加えそして反応混合物を3時間にわたり撹拌しそして還流した。さらにヒドロキシルアミン一塩酸塩(5g)を加えた。さらに炭酸ナトリウム(2g)を加えそして反応混合物を30分間にわたり撹拌しそして還流した。溶媒を蒸発させた。残渣を氷水(500ml)中で撹拌しそしてこの混合物をジクロロメタンで抽出した。分離した有機層を乾燥し(MgSO4)、濾過しそして溶媒を蒸発させて、91.9gを生成した。残渣をガラスフィルター上のシリカゲル上で精製した(溶離剤:CH2Cl2/CH3OH 98/2)。所望する画分を集めそして溶媒を蒸発させて、27gの画分1を生成した。この画分(27g)をDIPE中で撹拌し、濾別し、DIPEで洗浄しそして乾燥して(真空;60℃)、18.5gの中間体(11)を生成した。
【0162】
【化52】

【0163】
2流下の反応。中間体(11)(0.006モル)のTHF(乾燥)(20ml)中懸濁液を0℃において撹拌した。水素化ナトリウム(60%)(0.006モル)を一部分ずつ加えた。混合物を15分間にわたり0℃において、次に90分間にわたり還流温度において、撹拌した。4−ピペリジンカルボン酸エチルエステル(0.006モル)のTHF(乾燥)(10ml)中溶液を加えた。反応混合物を二晩にわたり撹拌しそして還流した。溶媒を蒸発させた。ジオキサン(25ml)を加えた。分子ふるい(7g)を加えそして反応混合物を2時間にわたり撹拌しそして還流した。さらに4−ピペリジンカルボン酸エチルエステル(0.94g)を加えた。反応混合物を一晩にわたり撹拌しそして還流した。混合物を冷却し、濾過しそしてジオキサンで良く洗浄した。濾液を蒸発させた。残渣(2.3g)をガラスフィルター上のシリカゲル上で精製した(溶離剤:CH2Cl2/CH3OH/(CH3OH/NH3) 95/2.5/2.5、90/5/5に上昇する)。所望する画分を集めそして溶媒を蒸発させた。残渣(1.9g)をCH3CN(10ml)から結晶化させた。沈殿を濾別し、DIPEで洗浄しそして乾燥して(真空;50℃)、0.75g(36.4%)の中間体(12);融点96.5℃を生成した。
【0164】
B.化合物の製造
実施例B1
(4−フルオロフェニル)−4−ピペリジニルメタノン(0.01モル)、1,4−ジクロロ−2−ブチン(0.005モル)および炭酸ナトリウム(1g)のMIK(20ml)中混合物を一晩にわたり100℃において撹拌した。反応混合物を水で洗浄し、そして有機溶媒を蒸発させた。残渣をクロマシル(Kromasil)シリカゲル(200g、100Å、5μm)上のHPLC(溶離剤:CH2Cl2/(CH2Cl2/CH3OH 90/10)/CH3OH(0分間)100/0/0、(34分間)0/100/0、(40分間)50/0/50、(43分間)0/0/100、(46.6−60分間)100/0/0)により精製した。純粋な画分を集めそして溶媒を蒸発させて、0.75gの生成物を生成した。この生成物を乾燥して、0.558gの化合物1を生成した。
【0165】
実施例B2
触媒である活性炭上パラジウム(0.100g)をメタノール(2ml)中に、窒素下で、懸濁させた。DIPE中チオフェン溶液(1ml;DIPE中0.4%溶液)をドデカンジアル(0.0005モル)のTHF(2ml)中溶液および2,3−ジヒドロ−1−(4−ピペリジニル)−1H−インドール(0.001モル)のメタノール(2ml)中溶液と共に加えた。水素化を50℃において行った(水素(2当量)の吸収)。触媒を濾別し、濾液を蒸発させそしてクロマシル球状非誘導化シリカゲル(55g、60Å、5μm;溶離剤:CH2Cl2/(CH2Cl2/CH3OH 9/1)/CH3OH(0分間)100/0/0、(10.50分間)0/100/0、(12.50分間)50/0/50、(14.00分間)0/0/100、(15.01−20.00分間)100/0/0)上の高性能液体クロマトグラフィーにより精製した。所望する画分を集めそして溶媒を蒸発させて、0.025gの化合物2を生成した。この化合物(0.025g)をDMSO(2.19ml)中に溶解させそして薬理学的試験用に使用した。
【0166】
実施例B3
1,6−ジイソシアナトヘキサン(0.00021モル)および中間体(3)(0.00042モル)のTHF(5ml)中混合物を一晩にわたり40℃において撹拌した。反応混合物を蒸発させそしてシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離剤:CH2Cl2/CH3OH 90/10)により精製した。純粋な画分を集めそして溶媒を蒸発させて、0.063gの化合物3を生成した。
【0167】
実施例B4
中間体(5)(0.0005モル)のジクロロメタン(2ml)中溶液をN,N−ジエチルエタナミン(0.0012モル)のジクロロメタン(2ml)中溶液と混合した。混合物を氷−浴中で冷却した。この混合物をヘプタンジオイルジクロリド(0.00026モル)のジクロロメタン(2ml)中溶液で滴々処理した。反応混合物を一晩にわたり室温において撹拌した。反応混合物を蒸発させそしてクロマシル球状シリカ(55g、60Å、5μm;溶離剤:CH2Cl2/(CH2Cl2/CH3OH 9/1)/CH3OH(0分間)100/0/0、(10.31分間)0/100/0、(10.32分間)50/0/50、(13.02分間)0/0/100、(13.33−18.32分間)100/0/0)上の高性能液体クロマトグラフィーにより精製した。所望する画分を集めそして溶媒を蒸発させて、0.100gの化合物4を生成した。この化合物(0.100g)をDMSO(8.76ml)中に溶解させそして薬理学的試験用に使用した。
【0168】
実施例B5
4−(3−ピリジニル)−4−ピペリジノール(0.00040モル)のジクロロメタン(4ml)中混合物をN,N−ジエチルエタナミン(1.5ml;CH2Cl2中5%)と共に撹拌した。ジフェニルメタン−4,4'−ジスルホニルクロリド(0.00020モル)を加えそして反応混合物を一晩にわたり室温において撹拌した。反応混合物を蒸発させそしてカラムクロマトグラフィーにより精製した。純粋な画分を集めそして溶媒を蒸発させて、0.005gの化合物5を生成した。
【0169】
表F−1は上記実施例の1つに従い製造された化合物を列挙する。
【0170】
【表1】

【0171】
【表2】

【0172】
【表3】

【0173】
【表4】

【0174】
【表5】

【0175】
【表6】

【0176】
C.薬理学的実施例
実施例C.1:ニューロン生存率検定法
鶏の背根神経節ニューロンの初代培養
背根神経節を白色レグホーンひよこの胚から胚日数10においてこれまでに記載された通りにして切除した(Skaper S.D. and Varon S. (1986) Brain Research 389, 39−46)。神経節を0.6%グルコースおよび0.08%トリプシンが補充されたHBSS緩衝液中での穏やかな粉砕によりトリプシン処理しそして解離させた。培養プラスチックへの特異的結合により非−ニューロン細胞を除去するために、神経節細胞懸濁液を2.5×105個の細胞/mlに希釈しそして組織培養プラスチック皿上に100mmの皿当たり10mlの割合で接種した。2時間の予備平板培養後に、結合されなかったニューロンを集めそして10%FCSを含有する基本イーグル培地中に再懸濁させた。細胞塊を除去するために、細胞懸濁液をナイロンメッシュ(50μM)孔直径の中に通した。ニューロン−富裕化細胞懸濁液を5×104個の細胞/mlの割合でポリ−L−オルニチン(100μg/ml)およびラミニン(1μg/ml)コーティングされたマルチウエル96平板の中で平板培養した。化合物をジメチルスルホキシド中に溶解させそして貯蔵物として−20℃に保った。NGFおよび化合物を培養培地の中で希釈しそして平板培養直後の細胞に加えた。試験培地中のジメチルスルホキシドの最終濃度は0.1%であった。2日間のインキュベーション後に、ニューロン生存率をカルセイン−AMで評価した。
【0177】
カルセイン−AMを使用するニューロン生存率検定
カルセイン−AMを使用するニューロン生存率検定はこれまでに記載された通りにして行われた(Bozyczko−Coyen D., McKenna B.W., Connors T.J., and Neff N.T. (1933) Journal of Neuroscience Methods 50, 205−216)。検定のために、カルセイン−AMをPBS中で最終濃度(1μM)に希釈した。各実験用に、カルセイン−AMのアリコート(20℃において貯蔵されたDMSO中の1mg/ml)を使用直前に解凍した。培地をウエルから除去しそしてカルセイン−AM溶液で交換した。検定平板を1時間にわたり37℃において湿ったCO2インキュベーター中でインキュベートした。インキュベーション後に、シトフルオル(Cytofluor)IIの中で485nmの励起波長および530nmの発光波長において読み取りが行われた。各平板は神経栄養因子が加えられていない対照ウエル(0%生存率)および10n/mlのNGFを有するウエル(100%生存率)を含んでいた。
【0178】
試験しようとする薬品を貯蔵物溶液から採取しそして−10-5M〜3.10-9Mの範囲にわたる最終濃度で試験した。このようにして得られた服用量応答曲線から、pIC50値が計算されそして以下の通りに点数化された;点数1=<6のpIC50値、点数2=6〜8の範囲内のpIC50値、点数3=>8のpIC50値。このようにして得られた結果の一部が以下の表にまとめられている。(この表においてNTは試験されなかったことを示す)。
【0179】
【表7】

【0180】
D.組成物実施例
以下の調合物は本発明に従う動物および人間患者に対する全身的または局所的投与に適する代表的な製薬学的組成物を例示する。これらの実施例全体で使用される「活性成分」(A.I.)は式(I)の化合物またはその製薬学的に許容可能な付加塩に関する。
【0181】
実施例D.1:フィルムコーティングされた錠剤
錠剤芯の製造
A.I.(100g)、ラクトース(570g)および澱粉(200g)の混合物を良く混合しそしてその後にドデシル硫酸ナトリウム(5g)およびポリビニルピロリドン(10g)の約200mlの水中溶液で湿らせた。湿った粉末混合物をふるいにかけ、乾燥しそして再びふるいにかけた。次に微結晶性セルロース(100g)および水素化された植物油(15g)を加えた。全体を良く混合しそして錠剤に圧縮して、それぞれが10mgの活性成分を含有する10,000個の錠剤を与えた。
【0182】
コーティング
メチルセルロース(10g)の変性エタノール(75ml)中溶液にエチルセルロース(5g)のCH2Cl2(150ml)中溶液を加えた。次にCH2Cl2(75ml)および1,2,3−プロパントリオール(2.5ml)を加えた。ポリエチレングリコール(10g)を溶融しそしてジクロロメタン(75ml)中に溶解させた。後者の溶液を前者に加えそして次にオクタデカン酸マグネシウム(2.5g)、ポリビニル−ピロリドン(5g)および濃色懸濁液(30ml)を加えそして全体を均質化した。コーティング装置中で錠剤芯をこのようにして得られた混合物でコーティングした。

【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

[式中、
nは0、1または2であり、或いは
ZはCHまたはCH2を表し、
−X−はC2-4アルキニル、C2-4アルケニル、場合によりヒドロキシで置換されていてもよいC1-12アルキルを表すかまたはXは式
【化2】

の2価基を表し、
ここで、−X1−はC1-12アルキル、フェニルまたは
【化3】

よりなる群から選択される2価基を表し、
−X2−はC1-12アルキル、C1-4アルキルオキシC1-4アルキル、フェニルまたは式
【化4】

の2価基を表し、
−X3−はフェニルまたは
【化5】

よりなる群から選択される2価基を表し、
1はAr1、Ar2−カルボニル−、Het2、Ar3−C1-4アルキルオキシ−、Ar4−オキシ−、Het4−オキシ−、またはNR34−、Het1もしくはAr6から独立して選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されたC1-4アルキルを表すか、或いは
2はヒドロキシ、ベンジル、またはC1-4アルキルオキシ−を表し、
3およびR4は各々独立して水素、C1-4アルキル、C1-4アルキルオキシ−、またはHet3を表し、
Het1はピリジニル、ピリミジニル、インドリニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズイソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリルまたはチアジアゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het1は場合によりヒドロキシ、ハロ、C1-4アルキルオキシカルボニル−、C1-4アルキル−、C1-4アルキルオキシ−およびハロで置換されたC1-4アルキルオキシ−よりなる群から選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、特にHet1はインドリルまたはピリジニルから選択される複素環を表し、
Het2はインドリル、インドリニル、ピリジニル、ピリミジニル、ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、キノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、またはオキソジアゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het2は場合によりヒドロキシ、カルボニル、Ar5、ハロ、C1-6アルキル−およびC1-4アルキルオキシ−よりなる群から選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、
Het3はベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンズイソチアゾリルまたはベンズチアゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het3は場合によりヒドロキシ、ハロ、C1-6アルキル−およびC1-4アルキルオキシ−よりなる群から選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、特にHet3はC1-4アルキルオキシ−で置換されたベンズチアゾリルを表し、
Het4はピリミジニル、ピリジニル、インドリニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンズイソチアゾリルまたはベンズチアゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het4は場合によりヒドロキシ、アミノ、モノもしくはジ−(C1-4アルキル)アミノ、ハロ、C1-6アルキル−およびC1-4アルキルオキシ−よりなる群から選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、特にHet4はベンズチアゾリルを表し、
Ar1およびAr2は各々独立して場合によりハロ、C1-4アルキル−、C1-4アルキルオキシ−または1、2もしくは3個のハロ置換基で置換されたC1-4アルキルで置換されていてもよいフェニルを表し、特にAr2またはAr1はハロまたはトリフルオロメチルで置換されたフェニルを表し、
Ar3およびAr4は各々独立して場合によりハロ、C1-4アルキル−、C1-4アルキルオキシ−または1、2もしくは3個のハロ置換基で置換されたC1-4アルキルで置換されていてもよいフェニルを表し、特にAr3またはAr4はハロまたはトリフルオロメチルで置換されたフェニルを表し、
Ar5は場合によりハロ、C1-6アルキル、C1-4アルキルオキシ−、またはC3-6シクロアルキル−オキシ−で置換されていてもよいフェニルを表し、
Ar6は場合によりハロ、C1-6アルキル、C1-4アルキルオキシ−、またはC3-6シクロアルキル−オキシ−で置換されていてもよいフェニルを表し、但し、
−−X−が場合によりヒドロキシルで置換されていてもよいC1-12アルキルを表し且つR1がAr1を表す式(I)の化合物に関しては、該化合物に関してはnは1または2を表し、
−−X2−がフェニルを表す式(I)の化合物に関しては、該化合物に関してR1がAr1、Ar2−カルボニル、Ar3−C1-4アルキルオキシ−、Ar4−オキシ−、Het4−オキシ−、またはNR34−、Het1もしくはAr6から独立して選択される1個そして可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されたC1-4アルキルを表す]
を有する化合物、そのN−オキシド形態、製薬学的に許容可能な付加塩および立体化学的異性体形態。
【請求項2】
nが0、1または2であり、
Zが−CH−または−CH2−を表し、
−X−がC2-4アルキニル、場合によりヒドロキシで置換されていてもよいC1-12アルキルを表すかまたはXが式
【化6】

の2価基を表し、
ここで、−X1−がC1-12アルキル、フェニルまたは
【化7】

よりなる群から選択される2価基を表し、
−X2−がC1-12アルキル、フェニルまたは式
【化8】

の2価基を表し、
−X3−がフェニルまたは
【化9】

よりなる群から選択される2価基を表し、
1がAr1、Ar2−カルボニル、Het2、Ar3−C1-4アルキルオキシ−、Het4−オキシ−またはNR34もしくはHet1から独立して選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されたC1-4アルキルを表し、
2がヒドロキシルを表し、
3およびR4が各々独立して水素またはHet3を表し、
Het1がインドリニル、インドリル、ピリジニル、ベンズチアゾリルまたはベンズイソチアゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het1は場合によりハロ、ヒドロキシルまたはC1-4アルキルオキシから選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、
Het2がインドリル、インドリニル、ベンズオキサゾリル、ベンズイソキサゾリルまたはオキソジアゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het2は場合によりハロ、ヒドロキシル、Ar5またはC1-6アルキルから選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、
Het3がベンズチアゾリルまたはベンズイソチアゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het3は場合によりハロ、ヒドロキシルまたはC1-4アルキルオキシから選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、
Het4がベンズチアゾリルまたはベンズイソチアゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het4は場合によりハロ、ヒドロキシルまたはC1-4アルキルオキシから選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、
Ar1およびAr2が各々独立して場合によりハロまたは1、2もしくは3個のハロ置換基で置換されたC1-4アルキルから選択される1、2もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよいフェニルを表し、
Ar3およびAr4が各々独立して場合によりハロまたは1、2もしくは3個のハロ置換基で置換されたC1-4アルキルから選択される1、2もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよいフェニルを表し、
Ar5が場合によりC1-4アルキルオキシ−、またはC3-6シクロアルキル−オキシ−で置換されていてもよいフェニルを表し、但し、
−−X−が場合によりヒドロキシルで置換されていてもよいC1-12アルキルを表し且つR1がAr1を表す式(I)の化合物に関しては、該化合物に関してnは1または2を表し、そして
−−X2−がフェニルを表す式(I)の化合物に関しては、該化合物に関してR1はAr1、Ar2−カルボニル、Ar3−C1-4アルキルオキシ−、Ar4−オキシ−、Het4−オキシ−、またはNR34−、Het1もしくはAr6から独立して選択される1個そして可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されたC1-4アルキルを表す、
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
nが0、1または2であり、ZがCHまたはCH2を表し、
−X−がC2-4アルキニル、場合によりヒドロキシで置換されていてもよいC1-12アルキルを表すかまたはXが式
【化10】

の2価基を表し、
ここで、−X1−がC1-12アルキル、フェニルまたは
【化11】

よりなる群から選択される2価基を表し、
−X2−がC1-12アルキル、フェニルまたは式
【化12】

の2価基を表し、
−X3−がフェニルまたは
【化13】

よりなる群から選択される2価基を表し、
1がAr1、Ar2−カルボニル、Het2、Ar3−C1-4アルキルオキシ−、Het4−オキシ−またはNR34もしくはHet1から独立して選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されたC1-4アルキルを表し、
2がヒドロキシルを表し、
3およびR4が各々独立して水素またはHet3を表し、
Het1がインドリルまたはベンズチアゾリルから選択される複素環を表し、
Het2がインドリル、ピリジニル、ベンズイソキサゾリルまたはオキソジアゾリルから選択される複素環を表し、ここで該Het2は場合によりハロ、Ar5またはC1-6アルキルから選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、
Het3がベンズチアゾリルを表し、ここで該Het3は場合によりハロまたはC1-4アルキルオキシから選択される1個または可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、特にHet3が1個もしくはそれ以上のC1-4アルキルオキシ置換基で置換されたベンズチアゾリルを表し、
Het4がベンズチアゾリルを表し、
Ar1およびAr2が各々独立して場合によりハロまたは1、2もしくは3個のハロ置換基で置換されたC1-4アルキルから選択される1、2もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよいフェニルを表し、
Ar3およびAr4が各々独立して場合により1、2もしくはそれ以上のC1-4アルキル置換基で置換されていてもよいフェニルを表し、該C1-4アルキルは1、2もしくは3個のハロ置換基で置換されており、そして
Ar5が場合によりC1-4アルキルオキシ−、またはC3-6シクロアルキル−オキシ−で置換されていてもよいフェニルを表し、但し、
−−X−が場合によりヒドロキシルで置換されていてもよいC1-12アルキルを表し且つR1がAr1を表す式(I)の化合物に関しては、該化合物に関してnは1または2を表し、そして
−−X2−がフェニルを表す式(I)の化合物に関しては、該化合物に関してR1はAr1、Ar2−カルボニル、Ar3−C1-4アルキルオキシ−、Ar4−オキシ−、Het4−オキシ−、またはNR34−、Het1もしくはAr6から独立して選択される1個そして可能な場合には2個もしくはそれ以上の置換基で置換されたC1-4アルキルを表す、
請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
nが1であり、
−X−が場合によりヒドロキシルで置換されていてもよいC1-12アルキルを表すかまたは−X−が式
【化14】

の2価基を表し、
ここで、−X1−がC1-12アルキル、フェニルまたは2価基
【化15】

を表し、
−X2−がC1-12アルキルを表し、
−X3−が
【化16】

を表し、
1がAr1を表し、
2がヒドロキシルを表し、
Ar1がハロまたは1、2もしくは3個のハロ置換基で置換されたC1-4アルキルから選択される2個もしくはそれ以上の置換基で置換されたフェニルを表す、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
Het1がインドリルまたはピリジニルから選択される複素環を表し、
Het3がC1-4アルキルオキシ−で置換されたベンズチアゾリルを表し、
Het4がベンズチアゾリルを表し、
Ar2がハロまたはトリフルオロメチルで置換されたフェニルを表す、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
以下の式(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、(G)、(H)および(I):
【化17】

のものから選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
製薬学的に許容可能な担体、および、活性成分としての、治療的に有効な量の請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物を含んでなる製薬学的組成物。
【請求項8】
製薬学的に許容可能な担体を治療的に有効な量の請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物と緊密に混合することを特徴とする、請求項4で定義された製薬学的組成物の製造方法。
【請求項9】
薬品として使用するための請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
疼痛、特に手術後疼痛およびニューロン死滅に関連する病理学、例えば、発作、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側策硬化症、ピック病、前頭側頭骨認知症、進行性核麻痺、皮質基底変性、脳血管性認知症、多発系統萎縮、銀親和性認知症、他のタウオパシー(tauopathies)、並びに神経変性プロセスに関連する別の症状、例えば、年令−関連性斑状変性、ナルコレプシー、運動ニューロン疾病、プリオン疾病、外傷性神経損傷および回復、並びに多発性硬化症を処置するための薬品の製造における請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項11】
神経変性介在疾患の処置または予防のための薬品の製造における式(I)または(I')の化合物の使用。
【請求項12】
神経変性介在疾患が発作、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側策硬化症、ピック病、前頭側頭骨認知症、進行性核麻痺、皮質基底変性、脳血管性認知症、多発系統萎縮、銀親和性認知症、他のタウオパシー、年令−関連性斑状変性、ナルコレプシー、運動ニューロン疾病、プリオン疾病、外傷性神経損傷および回復、並びに多発性硬化症である請求項12に記載の使用。

【公表番号】特表2008−506670(P2008−506670A)
【公表日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−520837(P2007−520837)
【出願日】平成17年7月13日(2005.7.13)
【国際出願番号】PCT/EP2005/053351
【国際公開番号】WO2006/008260
【国際公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(390033008)ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (616)
【氏名又は名称原語表記】JANSSEN PHARMACEUTICA NAAMLOZE VENNOOTSCHAP
【Fターム(参考)】