交流電源装置
【課題】MERSによる誘導性負荷への不安定な負荷電力の供給を確実に防止する。
【解決手段】照明灯2及び交流電源3間に接続され、照明灯を駆動する負荷電圧Vloadを、交流電源の電源電圧Vから調整出力するMERS4と、このMERSを制御する制御装置13とを備え、制御装置13は、所望の負荷電圧を、電源電圧から調整出力させるべく、MERSを駆動制御する照明灯システム1であって、MERSに関わる障害を検出すると、交流電源及びMERS間の接続を遮断する第1SW31と、第1SWにて交流電源及びMERS間の接続を遮断すると、電源電圧が正常の場合、MERSを経由することなく、交流電源及び照明灯間を迂回接続する第2SW32とを有している。
【解決手段】照明灯2及び交流電源3間に接続され、照明灯を駆動する負荷電圧Vloadを、交流電源の電源電圧Vから調整出力するMERS4と、このMERSを制御する制御装置13とを備え、制御装置13は、所望の負荷電圧を、電源電圧から調整出力させるべく、MERSを駆動制御する照明灯システム1であって、MERSに関わる障害を検出すると、交流電源及びMERS間の接続を遮断する第1SW31と、第1SWにて交流電源及びMERS間の接続を遮断すると、電源電圧が正常の場合、MERSを経由することなく、交流電源及び照明灯間を迂回接続する第2SW32とを有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば照明灯やモータ等の誘導性負荷及び交流電源間に接続され、前記誘導性負荷を駆動する負荷電力を、前記交流電源の電源電圧から調整出力する磁気エネルギー回生スイッチ(以下、単にMERSと称する)と、所望の負荷電力を、前記電源電圧から調整出力させるべく、MERSを駆動制御する制御装置とを備えた交流電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、このようなMERSを備えた交流電源装置としては、例えば照明灯やモータ等の誘導性負荷及び交流電源間に直列に接続され、前記誘導性負荷を駆動する負荷電力を、前記交流電源の電源電圧から調整出力するMERSと、所望の負荷電力を、前記電源電圧から調整出力させるべく、MERSを駆動制御する制御装置とを備えた技術が広く知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
MERSは、直列に相互接続された一方側の2個の逆導通型半導体スイッチ及び、直列に相互接続された他方側の2個の逆導通型半導体スイッチで構成するブリッジ回路と、前記一方側の逆導通型半導体スイッチ間の中点及び前記他方側の逆導通型半導体スイッチ間の中点を接続するコンデンサとを有し、前記制御装置は、前記電源電圧の零クロスポイント及び、同零クロスポイントの時間差に相当するゲート位相角に基づき、前記ブリッジ回路を構成する4個の逆導通型半導体スイッチの内、対角線上に位置するペアの逆導通型半導体スイッチを同時にON又はOFF動作するためのスイッチ切替タイミングを調整制御し、このスイッチ切替タイミングに応じて、2組の逆導通型半導体スイッチのペアの内、一方のペアの逆導通型半導体スイッチがONした場合、他方のペアの逆導通型半導体スイッチをOFFするように、各ペアの逆導通型半導体スイッチを交互にON/OFF制御すると共に、前記ゲート位相角を調整可能にし、この調整したゲート位相角に基づき、前記スイッチ切替タイミングを調整することで、同スイッチ切替タイミングに応じた所望の負荷電力を、前記電源電圧から調整出力させるべく、MERS内部の各逆導通型半導体スイッチをON/OFF制御するようにしている。
【0004】
特許文献1の交流電源装置によれば、前記ゲート位相角を調整することで、前記MERS内の各逆導通型半導体スイッチのスイッチ切替タイミングを調整し、同スイッチ切替タイミングに応じた各逆導通型半導体スイッチのON/OFF駆動に応じて所望の負荷電力を、前記電源電圧から調整出力することができる。
【特許文献1】特許第3735673号公報(「特許請求の範囲」及び段落番号「0014」〜「0015」参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の交流電源装置によれば、前記ゲート位相角を調整することで、MERS内の各逆導通型半導体スイッチのスイッチ切替タイミングを調整し、同スイッチ切替タイミングに応じた各逆導通型半導体スイッチのON/OFF駆動に応じて、誘導負荷に対応する所望の負荷電力を前記電源電圧から調整出力するようにしたが、例えばMERSに障害が発生した場合、交流電源の電源電圧から、誘導性負荷に応じた所望の負荷電力を調整出力することができず、その結果、MERSによる誘導性負荷への負荷電力の供給が不安定になる虞がある。
【0006】
本発明は上記点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、MERSによる誘導性負荷への不安定な負荷電力の供給を確実に防止することができる交流電源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本願請求項1記載の交流電源装置は、誘導性負荷及び交流電源間に接続され、前記誘導性負荷を駆動する負荷電力を、前記交流電源の電源電圧から調整出力する磁気エネルギー回生スイッチと、この磁気エネルギー回生スイッチを制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、所望の負荷電力を、前記電源電圧から調整出力させるべく、前記磁気エネルギー回生スイッチを駆動制御する交流電源装置であって、前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害を検出する障害検出手段と、この障害検出手段にて前記障害を検出すると、前記交流電源及び前記磁気エネルギー回生スイッチ間の接続を遮断する接続遮断手段とを有するようにした。
【0008】
従って、本願請求項1記載の交流電源装置によれば、前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害を検出すると、前記交流電源及び前記磁気エネルギー回生スイッチ間の接続を遮断するようにしたので、前記磁気エネルギー回生スイッチによる前記誘導性負荷への負荷電力供給を停止することで、不安定な負荷電力供給を確実に防止することができる。
【0009】
また、本願請求項2記載の交流電源装置は、本願請求項1記載の構成において、前記接続遮断手段にて前記交流電源及び前記磁気エネルギー回生スイッチ間の接続を遮断すると、前記磁気エネルギー回生スイッチを経由することなく、前記交流電源及び前記誘導性負荷間を迂回接続する迂回接続手段を有するようにした。
【0010】
従って、本願請求項2記載の交流電源装置によれば、本願請求項1記載の効果に加えて、前記接続遮断手段にて前記交流電源及び前記磁気エネルギー回生スイッチ間の接続を遮断すると、前記磁気エネルギー回生スイッチを経由することなく、前記交流電源及び前記誘導性負荷間を迂回接続するようにしたので、前記磁気エネルギー回生スイッチによる前記誘導性負荷への電力供給を停止すると共に、前記交流電源及び前記誘導性負荷間を迂回接続して前記交流電源から前記誘導性負荷へ負荷電力を直接供給することで、前記誘導性負荷の駆動を中断することなく、この誘導性負荷の駆動を継続することができる。
【0011】
また、上記目的を達成するために本願請求項3記載の交流電源装置は、誘導性負荷及び交流電源間に接続され、前記誘導性負荷を駆動する負荷電力を、前記交流電源の電源電圧から調整出力する磁気エネルギー回生スイッチと、この磁気エネルギー回生スイッチを駆動制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、所望の負荷電力を、前記電源電圧から調整出力させるべく、前記磁気エネルギー回生スイッチを駆動制御する交流電源装置であって、前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害を検出する障害検出手段と、この障害検出手段にて前記障害を検出すると、前記磁気エネルギー回生スイッチの入出力を短絡すべく、前記交流電源及び前記誘導性負荷間を迂回接続する迂回接続手段とを有するようにした。
【0012】
従って、本願請求項3記載の交流電源装置によれば、前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害を検出すると、前記磁気エネルギー回生スイッチの入出力を短絡すべく、前記交流電源及び前記誘導性負荷間を迂回接続するようにしたので、前記磁気エネルギー回生スイッチの入出力が短絡することで、前記磁気エネルギー回生スイッチによる前記誘導性負荷への電力供給を停止すると共に、前記交流電源及び前記誘導性負荷間を迂回接続して前記交流電源から前記誘導性負荷へ負荷電力を直接供給することで、前記誘導性負荷の駆動を中断することなく、前記誘導性負荷の駆動を継続することができる。
【0013】
また、本願請求項4記載の交流電源装置は、本願請求項1,2又は3記載の構成において、前記障害検出手段にて前記障害を検出すると、同障害内容を報知出力する障害報知手段を有するようにした。
【0014】
従って、本願請求項4記載の交流電源装置によれば、本願請求項1,2又は3記載の効果に加えて、前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害を検出すると、同障害内容を報知出力するようにしたので、同報知内容に基づき、磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害の発生を認識することができる。
【0015】
また、本願請求項5記載の交流電源装置は、本願請求項1,2,3又は4記載の構成において、前記障害検出手段は、前記負荷電圧が異常であるか否かを判定する負荷電圧判定手段を有し、この負荷電圧判定手段にて前記負荷電圧が異常の場合、前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害として検出するようにした。
【0016】
従って、本願請求項5記載の交流電源装置によれば、本願請求項1,2,3又は4記載の効果に加えて、前記負荷電圧が異常の場合、前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害として検出するようにしたので、前記負荷電圧が異常の場合、前記磁気エネルギー回生スイッチによる前記誘導性負荷への電力供給を停止することで、前記誘導性負荷への不安定な電力供給を確実に防止することができる。
【0017】
また、本願請求項6記載の交流電源装置は、本願請求項1,2,3又は4記載の構成において、前記障害検出手段は、前記負荷電圧に対応した負荷電流が異常であるか否かを判定する負荷電流判定手段を有し、この負荷電流判定手段にて前記負荷電流が異常の場合、前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害として検出するようにした。
【0018】
従って、本願請求項6記載の交流電源装置によれば、本願請求項1,2,3又は4記載の効果に加えて、前記負荷電流が異常の場合、前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害として検出するようにしたので、前記負荷電流が異常の場合、前記磁気エネルギー回生スイッチによる前記誘導性負荷への電力供給を停止することで、前記誘導性負荷への不安定な電力供給を確実に防止することができる。
【0019】
また、本願請求項7記載の交流電源装置は、本願請求項1,2,3又は4記載の構成において、前記誘導性負荷は照明灯に相当し、前記照明灯の調光量を測定する調光量測定手段を備え、前記障害検出手段は、前記調光量測定手段にて前記照明灯の調光量が異常であるか否かを判定する調光量判定手段を有し、この調光量判定手段にて前記照明灯の調光量が異常の場合、前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害として検出するようにした。
【0020】
従って、本願請求項7記載の交流電源装置によれば、本願請求項1,2,3又は4記載の効果に加えて、前記誘導性負荷に相当する前記照明灯の調光量が異常の場合、前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害として検出するようにしたので、前記照明灯の調光量が異常の場合、前記磁気エネルギー回生スイッチによる前記照明灯への電力供給を停止することで、前記照明灯への不安定な電力供給を確実に防止することができる。
【0021】
また、本願請求項8記載の交流電源装置は、本願請求項1,2,3又は4記載の構成において、前記障害検出手段は、前記磁気エネルギー回生スイッチ内部のコンデンサ電圧が異常であるか否かを判定するコンデンサ電圧判定手段を有し、このコンデンサ電圧判定手段にて前記コンデンサ電圧が異常の場合、前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害として検出するようにした。
【0022】
従って、本願請求項8記載の交流電源装置によれば、本願請求項1,2,3又は4記載の効果に加えて、前記磁気エネルギー回生スイッチ内部のコンデンサ電圧が異常の場合、前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害として検出するようにしたので、前記コンデンサ電圧が異常の場合、前記磁気エネルギー回生スイッチによる前記誘導性負荷への電力供給を停止することで、前記誘導性負荷への不安定な電力供給を確実に防止することができる。
【0023】
また、本願請求項9記載の交流電源装置は、本願請求項2記載の構成において、前記障害検出手段は、前記交流電源の電源電圧が異常であるか否かを判定する電源電圧判定手段を有し、この電源電圧判定手段にて前記電源電圧が異常の場合、前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害として検出すると共に、前記迂回接続手段は、前記接続遮断手段にて前記交流電源及び前記磁気エネルギー回生スイッチ間の接続を遮断したとしても、前記電源電圧判定手段にて前記電源電圧が異常の場合、前記交流電源及び前記誘導性負荷間の迂回接続を禁止するようにした。
【0024】
従って、本願請求項9記載の交流電源装置によれば、本願請求項2記載の効果に加えて、前記電源電圧が異常の場合、前記接続遮断手段にて前記交流電源及び前記磁気エネルギー回生スイッチ間の接続を遮断したとしても、前記電源電圧判定手段にて前記電源電圧が異常の場合、前記迂回接続手段による前記交流電源及び前記誘導性負荷間の迂回接続を禁止するようにしたので、前記電源電圧が異常の場合、前記誘導性負荷に対する全ての電力供給を停止することで、前記誘導性負荷への不安定な電力供給を確実に防止することができる。
【0025】
また、本願請求項10記載の交流電源装置は、本願請求項3記載の構成において、前記交流電源の電源電圧が異常であるか否かを判定する電源電圧判定手段を有し、前記迂回接続手段は、前記電源電圧判定手段にて前記電源電圧が異常の場合、前記交流電源及び前記誘導性負荷間の迂回接続を禁止するようにした。
【0026】
従って、本願請求項10記載の交流電源装置によれば、本願請求項3記載の効果に加えて、前記電源電圧が異常の場合、前記迂回接続手段による前記交流電源及び前記誘導性負荷間の迂回接続を禁止するようにしたので、前記電源電圧が異常の場合、前記誘導性負荷に対する全ての電力供給を停止することで、前記誘導性負荷への不安定な電力供給を確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0027】
上記のように構成された本発明の交流電源装置によれば、磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害を検出すると、交流電源及び前記磁気エネルギー回生スイッチ間の接続を遮断するようにしたので、前記磁気エネルギー回生スイッチによる誘導性負荷への負荷電力供給を停止することで、不安定な負荷電力供給を確実に防止することができる。
【0028】
また、本発明の交流電源装置によれば、磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害を検出すると、前記磁気エネルギー回生スイッチの入出力を短絡すべく、交流電源及び誘導性負荷間を迂回接続するようにしたので、前記磁気エネルギー回生スイッチの入出力が短絡することで、前記磁気エネルギー回生スイッチによる前記誘導性負荷への電力供給を停止すると共に、前記交流電源及び前記誘導性負荷間を迂回接続して前記交流電源から前記誘導性負荷へ負荷電力を直接供給することで、前記誘導性負荷の駆動を中断することなく、前記誘導性負荷の駆動を継続することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、図面に基づき本発明の交流電源装置に関わる実施の形態を示す照明灯システムについて説明する。図1は本実施の形態を示す照明灯システム内部の概略構成を示すブロック図である。
【0030】
図1に示す照明灯システム1は、蛍光灯等の誘導性負荷に相当する照明灯2と、電源電圧Vを供給する交流電源3と、照明灯2及び交流電源3間に直列接続され、交流電源3の電源電圧Vから照明灯2へ印加する負荷電圧Vloadを調整出力するMERS4と、照明灯2のON/OFFは勿論のこと、照明灯2の調光量を設定する調光量設定部5と、交流電源3の電源電圧Vを検出する電源電圧検出部6と、照明灯2への負荷電圧Vloadを検出する負荷電圧検出部7と、照明灯2への負荷電流を検出する負荷電流検出部8と、MERS4内部のコンデンサ電圧を検出するコンデンサ電圧検出部9と、照明灯2の現在調光量を測定する調光量測定部10と、交流電源3及びMERS4間の位相を検出すると共に、照明灯2及びMERS4間の位相を検出する位相検出部11と、様々な情報を表示する情報表示部12と、MERS4を駆動制御すると共に、照明灯システム1全体を制御する制御装置13とを有している。
【0031】
MERS4は、スイッチOFF時の導通方向が相互に逆向きに直列接続した第1MOSFET(以下、単に第1MOSと称する)21A及び第4MOSFET(以下、単に第4MOSと称する)24A、スイッチOFF時の導通方向が相互に逆向きに直列接続した第2MOSFET(以下、単に第2MOSと称する)22A及び第3MOSFET(第3MOSと称する)23Aで構成するブリッジ回路20と、第1MOS21A及び第4MOS24A間の中点にある端子a及び、第2MOS22A及び第3MOS23A間の中点にある端子bを接続し、各MOS21A、22A、23A及び24AのON/OFFタイミング(スイッチ切替タイミング)に応じて充放電を繰り返すコンデンサ25と、交流電源3に接続する接続端子26と、照明灯2に接続する接続端子27とを有している。
【0032】
また、各MOS21A,22A,23A及び24Aには、ダイオードを並列に接続し、第1MOS21Aには第1ダイオード21B、第2MOS22Aには第2ダイオード22B、第3MOS23Aには第3ダイオード23B、第4MOS24Aには第4ダイオード24Bを並列接続している。
【0033】
また、制御装置13は、交流電源3の電源電圧Vの零クロスポイント及び、この零クロスポイントを基準にした時間差に相当するゲート位相角αに基づくスイッチ切替タイミングに応じて、ブリッジ回路20を構成する各MOS21A,22A,23A及び24Aの内、対角線上に位置する第1MOS21A及び第3MOS23Aを同時にON(又はOFF)動作すると共に、第2MOS22A及び第4MOS24Aを同時にOFF(又はON)動作すべく、MERS4を駆動制御するものである。その結果、一方の第1MOS21A及び第3MOS23Aが同時にONした場合、他方の第2MOS22A及び第4MOS24Aが同時にOFFするのに対し、一方の第1MOS21A及び第3MOS23Aが同時にOFFした場合、他方の第2MOS22A及び第4MOS24Aが同時にONし、交互にON/OFFするものである。尚、第1MOS21A、第2MOS22A、第3MOS23A及び第4MOS24Aは、設定に応じて同時にOFFする期間(デッドタイム)を設けるようにしても良い。
【0034】
また、制御装置13は、MERS4内の第1MOS21A、第2MOS22A、第3MOS23A及び第4MOS24AのゲートG1,G2,G3及びG4をON/OFF制御するゲート駆動信号を出力するゲート位相制御部41を備え、ゲート位相制御部41は、調光量設定部5で設定した調光量に相当する負荷電圧VloadをMERS4で調整出力させるべく、同調光量に相当する負荷電圧Vloadに対応したゲート位相角αを算出し、この算出したゲート位相角αを設定したゲート駆動信号を出力するものである。
【0035】
また、MERS4は、ゲート駆動信号に応じて、同ゲート駆動信号に含むゲート位相角αに基づき、第1MOS21A、第2MOS22A,第3MOS23A及び第4MOS24AをON/OFF駆動制御し、これら各MOS21A、22A、23A及び24AのON/OFF駆動に応じて、照明灯2へ印加する負荷電圧Vloadを交流電源3の電源電圧Vから調整出力し、照明灯2は、負荷電圧Vloadに応じた調光量で点灯するものである。尚、当然ながら、MERS4は、負荷電圧Vloadの調整に応じて負荷電力を調整し、同負荷電力の調整に応じて調光量を調整するものである。
【0036】
また、調光量設定部5は、照明灯2の消灯(OFF)は勿論のこと、照明灯2の点灯(ON)、例えば調光量100%、すなわち定格電圧1.0相当の通常点灯から調光量約70%、すなわち定格電圧0.7相当の範囲内で所定調光量相当の定格電圧の割合を設定するものである。
【0037】
また、調光量測定部10は、照明灯2の現在調光量、例えば照明灯2の明るさを直接測定する光センサに相当するものである。尚、調光量測定部10としては、光センサを使用せず、例えばMERS4の入力電力や出力電力を測定し、この測定結果から逆算して間接的に照明灯2の現在調光量を測定するようにしても良いことは言うまでもない。
【0038】
また、制御装置13は、調光量測定部10を通じて照明灯2の現在調光量を測定し、現在調光量が設定調光量となるように、MERS4を駆動制御するものである。
【0039】
また、位相検出部11は、交流電源3の電源電圧Vの位相を検出し、この電源電圧Vの位相を位相情報としてゲート位相制御部41に通知するものである。
【0040】
ゲート位相制御部41は、位相検出部11からの電源電圧Vの位相情報に基づき、ゲート駆動信号をMERS4の各MOS21A,22A,23A及び24A側のゲートG1,G2,G3及びG4に供給し、その結果、ゲート駆動信号ONに応じてMOSのゲートをON作動することでソース及びドレイン間の接続をスイッチONすると共に、ゲート駆動信号OFFに応じてMOSのゲートをOFF作動することでソース及びドレイン間の接続をスイッチOFFするものである。
【0041】
各MOS21A,22A,23A及び24Aは、ゲート駆動信号ONに応じてソース及びドレイン間の接続をスイッチONした場合、電流Iを両方向に導通可能とするのに対し、ゲート駆動信号OFFに応じてソース及びドレイン間の接続をスイッチOFFした場合、ダイオード21B,22B,23B,24Bを通じて電流Iをダイオード順方向の一方向にのみ導通可能とするものである。
【0042】
また、MERS4は、第1MOS21A及び第3MOS23Aへのゲート駆動信号ONに応じて第1MOS21A及び第3MOS23A側のソース及びドレイン間の接続をスイッチONすると同時に、第2MOS22A及び第4MOS24Aへのゲート駆動信号OFFに応じて第2MOS22A及び第4MOS24A側のソース及びドレイン間の接続をスイッチOFFするものである。
【0043】
また、同様に、MERS4は、第2MOS22A及び第4MOS24Aへのゲート駆動信号ONに応じて第2MOS22A及び第4MOS24A側のソース及びドレイン間の接続をスイッチONすると同時に、第1MOS21A及び第3MOS23Aへのゲート駆動信号OFFに応じて第1MOS21A及び第3MOS23A側のソース及びドレイン間の接続をスイッチOFFするものである。
【0044】
つまり、第1MOS21A及び第3MOS23Aは同一方向のスイッチ極性、第2MOS22A及び第4MOS24Aは同一方向のスイッチ極性を備え、第1MOS21A及び第3MOS23Aのスイッチ極性は、第2MOS22A及び第4MOS24Aのスイッチ極性と逆方向となる。
【0045】
では、まず、MERS4の基本原理について説明する。図2は交流電源3の電源電圧VとMERS4を駆動制御するゲート駆動信号との関係を端的に示すタイミング説明図である。
【0046】
図2(a)は交流電源3が供給する電源電圧Vの時間的な変化を示し、電源電圧Vは、定格電圧の正電圧+Va及び定格電圧の負電圧−Vaを1周期Tとした正弦波である。尚、説明の便宜上、負電圧から正電圧へ移行する零クロスポイント(周期“0”)のタイミングを“t2”、次の正電圧から負電圧へ移行する零クロスポイント(周期“T/2”=180°)のタイミングを“t4”、更に次の負電圧から正電圧へ再び移行する零クロスポイント(周期“T”=360°)のタイミングを“t7”とする。
【0047】
図2(b)及び(c)はゲート位相角αに応じた第1MOS21A、第2MOS22A、第3MOS23A及び第4MOS24Aへのゲート駆動信号を端的に示すタイミング説明図である。尚、図2(a)乃至図2(c)は同一時間軸に相当するものである。
【0048】
図2(b)はゲート位相角αを0°<α≦90°に設定した場合のゲート駆動信号を端的に示し、第1MOS21A及び第3MOS23AをOFFからONするゲート駆動信号のタイミングを、電源電圧Vの零クロスポイント(周期“0”)のタイミング“t2”を基準に、同タイミング“t2”からαだけ位相を進めたタイミング“t1”とした場合、同タイミング“t1”から電源電圧Vの半周期T/2後のタイミング“t3”を、第1MOS21A及び第3MOS23AをONからOFFするゲート駆動信号のタイミングとするものである。尚、第2MOS22A及び第4MOS24Aのスイッチング位相は、第1MOS21A及び第3MOS23Aとは逆相となるため、タイミング“t1”では第2MOS22A及び第4MOS24AをONからOFFするタイミングに相当し、タイミング“t3”では第2MOS22A及び第4MOS24AをOFFからONするタイミングに相当するものである。
【0049】
また、図2(c)はゲート位相角αを90°<α<180°に設定した場合のゲート駆動信号を端的に示し、第1MOS21A及び第3MOS23AをOFFからONするゲート駆動信号のタイミングを、電源電圧Vの零クロスポイント(周期“0”)のタイミング“t2”を基準に、同タイミング“t2”からαだけ位相を進めたタイミング“t0”とした場合、同タイミング“t0”から電源電圧Vの半周期T/2後のタイミング“t2y”を、第1MOS21A及び第3MOS23AをONからOFFするゲート駆動信号のタイミングとするものである。尚、タイミング“t0”では第2MOS22A及び第4MOS24AをONからOFFするタイミングに相当し、タイミング“t2y”では第2MOS22A及び第4MOS24AをOFFからONするタイミングに相当するものである。
【0050】
また、図示せぬが、ゲート位相角αをα=180°に設定した場合、電源電圧Vが正電圧の場合、第1MOS21A及び第3MOS23AがOFF、すなわち第2MOS22A及び第4MOS24AがON、電源電圧Vが負電圧の場合、第1MOS21A及び第3MOS23AがON、すなわち第2MOS22A及び第4MOS24AがOFFである。
【0051】
また、同様に図示せぬが、ゲート位相角αをα=0°に設定した場合、電源電圧V及びゲート駆動信号は同期し、電源電圧Vが正電圧の場合、第1MOS21A及び第3MOS23AがON、すなわち第2MOS22A及び第4MOS24AがOFF、また、電源電圧Vが負電圧の場合、第1MOS21A及び第3MOS23AがOFF、すなわち第2MOS22A及び第4MOS24AがONである。
【0052】
図3はゲート位相角αを(α=0°)に設定した場合に関わるMERS4の内部動作を端的に示す説明図である。
【0053】
MERS4は、交流電源3の電源電圧Vが正電圧の場合、図3(a)に示すように、第1MOS21A及び第3MOS23AがONで導通状態、第2MOS22A及び第4MOS24AがOFF、すなわち第2ダイオード22B及び第4ダイオード24Bが順方向で導通状態となるため、コンデンサ25の両端が短絡状態となる。その結果、電源電圧Vは、そのまま、負荷電圧Vloadとなる。
【0054】
また、MERS4は、交流電源3の電源電圧Vが負電圧の場合、図3(b)に示すように、第2MOS22A及び第4MOS24AがONで導通状態、第1MOS21A及び第3MOS23AがOFF、すなわち第1ダイオード21B及び第3ダイオード23Bが順方向で導通状態となるため、コンデンサ25の両端が短絡状態となる。その結果、電源電圧Vは、そのまま、負荷電圧Vloadとなる。
【0055】
つまり、MERS4は、ゲート位相角をα=0°に設定した場合、電源電圧Vが、そのまま、照明灯2に対する負荷電圧Vloadとなるため、交流電源3及び照明灯2間にMERS4を配置しない場合と同じである。
【0056】
次にゲート位相角αを0°<α≦90°に設定した場合のMERS4の内部動作について説明する。図4はゲート位相角(0°<α≦90°)に設定した場合の電源電圧V、ゲート駆動信号、コンデンサ電圧Vc及び負荷電圧Vload(点線)の関係を端的に示す説明図、図5乃至図6はゲート位相角(0°<α≦90°)に設定した場合に関わるMERS4の内部動作を端的に示す説明図である。
【0057】
MERS4は、図4に示すように、ゲート位相角αに設定したゲート駆動信号に応じて第1MOS21A及び第3MOS23Aと、第2MOS22A及び第4MOS24Aとを交互にON/OFF駆動するものである。
【0058】
タイミング“t1”直前においてMERS4は、電源電圧Vが負電圧のため、図5(a)に示すように、第2MOS22A及び第4MOS24AがONで導通状態、第1MOS21A及び第3MOS23AがOFF、すなわち第1ダイオード21B及び第3ダイオード23Bが順方向で導通状態となるため、コンデンサ25の両端が短絡状態となる。その結果、第1ダイオード21B→第4MOS24A、第2MOS22A→第3ダイオード23Bの電流経路で、コンデンサ25のコンデンサ電圧Vcは0Vを保持、電源電圧Vが、そのまま、負荷電圧Vloadとなる。
【0059】
次にMERS4は、電源電圧Vが負電圧のまま、タイミング“t1”に到達すると、図5(b)に示すように、第1MOS21A及び第3MOS23AがONで導通状態、第2MOS22A及び第4MOS24AがOFF、すなわち、第2MOS22A、第2ダイオード22B、第4MOS24A及び第4ダイオード24Bの電流経路は遮断状態となる。尚、第1MOS21A及び第3MOS23Aは、OFFからON駆動するに際し、第1ダイオード21B及び第3ダイオード23Bが導通状態であるため、スイッチング損失が生じることなく、零電圧スイッチングを実現している。
【0060】
その結果、タイミング“t1”〜“t2”の最初の期間においてMERS4は、第1MOS21A→コンデンサ25→第3MOS23Aの経路で電流が流れて、コンデンサ25の充電動作を開始し、コンデンサ電圧Vcは上昇することになる。
【0061】
更に負荷電圧Vloadは、図4に示すように、電源電圧Vに90°までの進み位相でコンデンサ電圧Vcが重畳されることになるため、負荷電圧Vloadの負電圧の減少は更に加速され、電源電圧Vの周期0°に到達するタイミング“t2”前、すなわち、電源電圧Vが負電圧であるにもかかわらず、負荷電圧Vloadは正電圧に反転することになる。
【0062】
その結果、MERS4内の負荷電流は徐々に減少して電流の向きが反転して(図5(b)内の点線電流方向参照)、コンデンサ25の放電を開始し、コンデンサ電圧Vcは、第3MOS23A→コンデンサ25→第1MOS21Aの電流経由で放電することになる。
【0063】
次にMERS4は、タイミング“t2”に到達して、電源電圧Vが正電圧に反転した場合、図5(c)に示すように、第3MOS23A→コンデンサ25→第1MOS21Aの経路でコンデンサ25の放電を継続することになる。
【0064】
更にMERS4は、タイミング“t2x”に到達すると、放電中のコンデンサ25のコンデンサ電圧Vcが0Vとなるため、図6(a)に示すように、OFF中の第2MOS22A及び第4MOS24A側の第2ダイオード22B及び第4ダイオード24Bは順方向で導通状態となり、コンデンサ25の両端が短絡状態となるため、タイミング“t2x”〜“t3”の期間では、第4ダイオード24B→第1MOS21A、第3MOS23A→第2ダイオード22Bの電流経路で、電源電圧Vは、そのまま、負荷電圧Vloadとなる。
【0065】
次にMERS4は、電源電圧Vが正電圧のまま、タイミング“t3”に到達すると、図6(b)に示すように、第2MOS22A及び第4MOS24AがONで導通状態、第1MOS21A及び第3MOS23AがOFF、すなわち、第1MOS21A、第1ダイオード21B、第3MOS23A及び第3ダイオード23Bの電流経路は遮断状態となる。尚、第2MOS22A及び第4MOS24Aは、OFFからON駆動するに際し、第2ダイオード22B及び第4ダイオード24Bが導通状態であるため、スイッチング損失が生じることなく、零電圧スイッチングを実現している。
【0066】
その結果、タイミング“t3”〜“t4”の最初の期間においてMERS4は、第4MOS24A→コンデンサ25→第2MOS22Aの経路で電流が流れて、コンデンサ25の充電動作を開始し、コンデンサ電圧Vcは上昇することになる。
【0067】
更に負荷電圧Vloadは、電源電圧Vに90°までの進み位相でコンデンサ電圧Vcが重畳されることになるため、負荷電圧Vloadの正電圧の減少は更に加速し、電源電圧Vの周期180°に到達するタイミング“t4”前、すなわち、電源電圧Vが正電圧であるにもかかわらず、負荷電圧Vloadは、負電圧に反転することになる。
【0068】
その結果、MERS4内の負荷電流は徐々に減少して電流の向きが反転して(図6(b)内の点線矢印参照)、コンデンサ25の放電を開始し、コンデンサ電圧Vcは、第2MOS22A→コンデンサ25→第4MOS24Aの経由で放電することになる。
【0069】
次にMERS4は、タイミング“t4”に到達して、電源電圧Vが負電圧に反転した場合、図6(c)に示すように、第2MOS22A→コンデンサ25→第4MOS24Aの経路でコンデンサ25の放電を継続することになる。
【0070】
更にMERS4は、タイミング“t4x”に到達すると、放電中のコンデンサ25のコンデンサ電圧Vcが0Vとなるため、図5(a)に示すように、OFF中の第1MOS21A及び第3MOS23A側の第1ダイオード21B及び第3ダイオード23Bは順方向で導通状態となり、コンデンサ25の両端が短絡状態となるため、タイミング“t4x”〜“t6”の期間では、第1ダイオード21B→第4MOS24A、第2MOS22A→第3ダイオード23Bの電流経路で、電源電圧Vは、そのまま、負荷電圧Vloadとなる。
【0071】
そして、MERS4は、タイミング“t6”以降、前述したタイミング“t1”〜“t6”の処理動作を繰り返し継続することになる。
【0072】
従って、MERS4は、ゲート位相角を0°<α≦90°に設定した場合、誘導性負荷の照明灯2による遅れ力率に対してコンデンサ電圧Vcを進み位相で電源電圧Vに重畳することになるため、ゲート位相角αを進めるに連れて力率が改善され、負荷電圧Vload(Vload=V+Vc)が上昇し、その結果、負荷電力も上昇することになる。
【0073】
尚、MERS4内のコンデンサ25の容量及びゲート位相角αのタイミングに応じてコンデンサ25の充電から放電に反転するタイミングは異なる場合があることは言うまでもなく、さらに、コンデンサ25の容量を大きくした場合、コンデンサ25のコンデンサ電圧Vcが0Vにはならない動作もあり得ることは言うまでもない。
【0074】
次にゲート位相角αを90°<α<180°に設定した場合のMERS4の内部動作について説明する。図7はゲート位相角(90°<α<180°)に設定した場合の電源電圧V、ゲート駆動信号、コンデンサ電圧Vc及び負荷電圧Vload(点線)の関係を端的に示す説明図、図8乃至図10はゲート位相角(90°<α<180°)に設定した場合に関わるMERS4の内部動作を端的に示す説明図である。
【0075】
MERS4は、図7に示すように、ゲート位相角αに設定したゲート駆動信号に応じて第1MOS21A及び第3MOS23Aと、第2MOS22A及び第4MOS24Aとを交互にON/OFF駆動するものである。
【0076】
タイミング“t0”直前においてMERS4は、電源電圧Vが負電圧のため、図8(a)に示すように、第2MOS22A及び第4MOS24AがONで導通状態、第1MOS21A及び第3MOS23AがOFF、すなわち第1ダイオード21B及び第3ダイオード23Bが順方向で導通状態となるため、コンデンサ25の両端が短絡状態となる。その結果、第1ダイオード21B→第4MOS24A、第2MOS22A→第3ダイオード23Bの電流経路で、コンデンサ25のコンデンサ電圧Vcは0Vを保持、電源電圧Vが、そのまま、負荷電圧Vloadとなる。
【0077】
次にMERS4は、電源電圧Vが負電圧のまま、タイミング“t0”に到達すると、図8(b)に示すように、第1MOS21A及び第3MOS23AがONで導通状態、第2MOS22A及び第4MOS24AがOFF、すなわち、第2MOS22A、第2ダイオード22B、第4MOS24A及び第4ダイオード24Bの電流経路は遮断状態となる。尚、第1MOS21A及び第3MOS23Aは、OFFからON駆動するに際し、第1ダイオード21B及び第3ダイオード23Bが導通状態であるため、スイッチング損失が生じることなく、零電圧スイッチングを実現している。
【0078】
その結果、タイミング“t0”〜“t1x”の最初の期間においてMERS4は、第1MOS21A→コンデンサ25→第3MOS23Aの経路で電流が流れて、コンデンサ25の充電動作を開始し、コンデンサ電圧Vcは上昇することになる。
【0079】
更に負荷電圧Vloadは、電源電圧Vに90°を超えて進み位相でコンデンサ電圧Vcが重畳されることになるため、図7に示すように、電源電圧Vがピークの負電圧になる前に、逆電圧方向でコンデンサ電圧Vcが重畳されることになるため、負荷電圧Vloadは電源電圧Vに比較して減少する。その結果、タイミング“t0”〜“t1x”間では、電源電圧Vが負電圧であるにもかかわらず、負荷電圧Vloadは負電圧から正電圧に反転することになる。
【0080】
その結果、MERS4内のコンデンサ25に流れる負荷電流の向きが反転して(図8(b)内の点線電流方向参照)、コンデンサ25の放電を開始し、コンデンサ電圧Vcは、第3MOS23A→コンデンサ25→第1MOS21Aの電流経路で放電することになる。
【0081】
次にMERS4は、タイミング“t1x”に到達すると、コンデンサ25のコンデンサ電圧Vcが0V、さらに、タイミング“t2”に到達すると、電源電圧Vが正電圧に反転することになる。尚、これらタイミング“t1x”〜タイミング“t2”の期間は、電源電圧Vの位相が0Vに近く、しかも、コンデンサ電圧Vcが0Vとなるため、負荷電圧Vloadは、電源電圧Vのピーク値に比較して0Vに近い電圧となる。図7に示す波形例では電源電圧Vが正電圧に反転するタイミング“t2”の前にコンデンサ電圧Vcが0Vとなるものである。
【0082】
また、MERS4は、タイミング“t1x”に到達すると、コンデンサ25の放電継続に応じてコンデンサ電圧Vcが0Vとなるため、図8(c)に示すように、OFF中の第2MOS22A及び第4MOS24A側の第2ダイオード22B及び第4ダイオード24Bが順方向で導通状態となり、コンデンサ25の両端が短絡状態となるため、タイミング“t1x”〜“t2”の期間では、第4ダイオード21B→第1MOS21A、第3MOS23A→第2ダイオード22Bの電流経路で、電源電圧Vは、そのまま、負荷電圧Vloadとなる。
【0083】
次にMERS4は、タイミング“t2”に到達して、電源電圧Vが正電圧に反転すると、図9(a)に示すように、第2ダイオード22B及び第4ダイオード24Bは順方向で導通状態となり、コンデンサ25の両端が短絡状態となるため、タイミング“t2”〜“t2y”の期間では、第4ダイオード24B→第1MOS21A、第3MOS23A→第2ダイオード22Bの電流経路で、電源電圧Vは、そのまま、負荷電圧Vloadとなる。
【0084】
次にMERS4は、電源電圧Vが正電圧のまま、タイミング“t2y”に到達すると、図9(b)に示すように、第2MOS22A及び第4MOS24AがONで導通状態、第1MOS21A及び第3MOS23AがOFF、すなわち、第1MOS21A、第1ダイオード21B、第3MOS23A及び第3ダイオード23Bの電流経路は遮断状態となる。尚、第2MOS22A及び第4MOS24Aは、OFFからON駆動するに際し、第2ダイオード22B及び第4ダイオード24Bが導通状態であるため、スイッチング損失が生じることなく、零電圧スイッチングを実現している。
【0085】
その結果、タイミング“t2y”〜“t3x”の最初の期間においてMERS4は、第4MOS24A→コンデンサ25→第2MOS22Aの経路で電流が流れて、コンデンサ25の充電動作を開始し、コンデンサ電圧Vcは上昇することになる。
【0086】
更に負荷電圧Vloadは、電源電圧Vに90°を超えて進み位相でコンデンサ電圧Vcが重畳されることになるため、図7に示すように、電源電圧Vがピークの正電圧になる前に、逆電圧方向でコンデンサ電圧Vcが重畳されることになるため、負荷電圧Vloadは電源電圧Vに比較して減少する。その結果、タイミング“t2y”〜“t3x”間では、電源電圧Vが正電圧であるにもかかわらず、負荷電圧Vloadは正電圧から負電圧に反転することになる。
【0087】
その結果、MERS4内のコンデンサ25に流れる負荷電流の向きが反転して(図9(b)内の点線電流方向参照)、コンデンサ25の放電を開始し、コンデンサ電圧Vcは、第2MOS22A→コンデンサ25→第4MOS24Aの電流経路で放電することになる。
【0088】
次にMERS4は、タイミング“t3x”に到達すると、コンデンサ25のコンデンサ電圧Vcが0V、さらに、タイミング“t4”に到達すると、電源電圧Vが負電圧に反転することになる。尚、これらタイミング“t3x”〜タイミング“t4”の期間は、電源電圧Vの位相が0Vに近く、しかも、コンデンサ電圧Vcが0Vとなるため、負荷電圧Vloadは、電源電圧Vのピーク値に比較して0Vに近い電圧となる。図7に示す波形例では電源電圧Vが負電圧に反転するタイミング“t4”の前にコンデンサ電圧Vcが0Vとなるものである。
【0089】
MERS4は、タイミング“t3x”に到達すると、コンデンサ25の放電継続に応じてコンデンサ電圧Vcが0Vとなるため、図9(c)に示すように、OFF中の第1MOS21A及び第3MOS23A側の第1ダイオード21B及び第3ダイオード23Bが順方向で導通状態となり、コンデンサ25の両端が短絡状態となるため、タイミング“t3x”〜“t4”の期間では、第1ダイオード21B→第4MOS24A、第2MOS22A→第3ダイオード23Bの電流経路で、電源電圧Vは、そのまま、負荷電圧Vloadとなる。
【0090】
更にMERS24は、タイミング“t4”に到達すると、電源電圧Vが負電圧に反転し、図10に示すように、第2MOS22A及び第4MOS24AがONで導通状態、第1MOS21A及び第3MOS23AがOFF、すなわち第1ダイオード21B及び第3ダイオード23Bが順方向で導通状態となるため、コンデンサ25の両端が短絡状態となる。その結果、第1ダイオード21B→第4MOS24A、第2MOS22A→第3ダイオード23Bの電流経路で、コンデンサ25のコンデンサ電圧Vcは0Vを保持、電源電圧Vが、そのまま、負荷電圧Vloadとなる。
【0091】
つまり、MERS4は、タイミング“t4”以降、前述したタイミング“t0”〜“t4”の処理動作を繰り返し継続することになる。
【0092】
従って、MERS4は、ゲート位相角を90°<α<180°に設定した場合、誘導性負荷の照明灯2に対してコンデンサ電圧Vcを更に90°を超えた進み位相で電源電圧Vに、コンデンサ電圧Vcを逆電圧方向に重畳することになるため、ゲート位相角αを進めるに連れて力率が低下し、負荷電圧Vload(Vload=V−Vc)が減少し、その結果、負荷電力も減少することになる。
【0093】
尚、ここまで、ゲート位相角αを変化させた場合のMERS4の基本原理について説明してきたが、次に本願発明の主眼であるMERS異常処理について詳細に説明する。
【0094】
照明灯システム1は、図1に示すように、交流電源3及びMERS4間の接続をON/OFFする第1SW31と、MERS4を経由することなく、交流電源3及び照明灯2間の迂回接続をON/OFFする第2SW32とを備え、制御装置13は、第1SW31及び第2SW32をON/OFF駆動制御するものである。
【0095】
また、制御装置13は、MERS4の正常時において、交流電源3及びMERS4間を接続すべく、第1SW31をONすると共に、交流電源3及び照明灯2間の直接接続を遮断すべく、第2SW32をOFFするものである。
【0096】
また、制御装置13は、MERS4の異常時において、交流電源3及びMERS4間の接続を遮断すべく、第1SW31をOFFすると共に、交流電源3及び照明灯2間を直接接続(迂回接続)すべく、第2SW32をONするものである。
【0097】
また、制御装置13は、前述したゲート位相制御部41の他に、電源電圧検出部6にて検出した交流電源3の電源電圧Vが異常であるか否かを判定する電源電圧判定部42と、負荷電圧検出部7にて検出した負荷電圧Vloadが異常であるか否かを判定する負荷電圧判定部43と、負荷電流検出部8にて検出した負荷電流が異常であるか否かを判定する負荷電流判定部44と、コンデンサ電圧検出部9にて検出したMERS4内部のコンデンサ25のコンデンサ電圧Vcが異常であるか否かを判定するコンデンサ電圧判定部45と、調光量測定部10にて測定した現在調光量が異常であるか否かを判定する調光量判定部46と、これら電源電圧判定部42、負荷電圧判定部43、負荷電流判定部44、コンデンサ電圧判定部45及び調光量判定部46の判定結果に基づき、第1SW31及び第2SW32を切替制御するSW切替制御部47とを有している。
【0098】
電源電圧判定部42は、電源電圧検出部6にて検出した交流電源3の電源電圧Vが許容範囲から外れる電圧異常であるか否かを判定するものである。尚、許容範囲は、例えば電源電圧Vの規定電圧範囲等に相当するものである。
【0099】
負荷電圧判定部43は、電源電圧判定部42にて電源電圧Vが正常、かつ、負荷電圧検出部7にて検出した負荷電圧Vloadが、例えば調光量設定部5にて設定した調光量相当の電圧値の許容範囲から外れる電圧異常であるか否かを判定するものである。尚、負荷電圧検出部7は、直接、負荷電圧Vloadを測定検出するようにしたが、電源電圧V及びコンデンサ電圧Vcに基づき、負荷電圧Vloadを算出するようにしても良い。
【0100】
負荷電流判定部44は、電源電圧判定部42にて電源電圧Vが正常、かつ、負荷電流検出部8にて検出した負荷電流が、例えば調光量設定部5にて設定した調光量相当の電流値の許容範囲から外れる電流異常であるか否かを判定するものである。
【0101】
コンデンサ電圧判定部45は、電源電圧判定部42にて電源電圧Vが正常、かつ、コンデンサ電圧検出部9にて検出したコンデンサ電圧Vcが、例えば調光量設定部5にて設定した調光量相当のゲート位相角αに対応したコンデンサ電圧Vcの許容範囲から外れる電圧異常であるか否かを判定するものである。尚、許容範囲とは、コンデンサ電圧Vcのピーク値や零ボルト期間が設定した調光量相当のゲート位相角αに対応した規定範囲に相当するものである。
【0102】
調光量判定部46は、電源電圧判定部42にて電源電圧Vが正常、かつ、調光量測定部10にて測定した現在調光量が、例えば調光量設定部5にて設定した調光量の許容範囲外の調光量異常であるか否かを判定するものである。
【0103】
SW切替制御部47は、電源電圧判定部42にて交流電源3の電源電圧Vが許容範囲から外れた場合、電源電圧Vの異常をMERS4に関わる障害と判断し、交流電源3及びMERS4間の接続を遮断すべく、第1SW31をOFFすると共に、交流電源3及び照明灯2間の迂回接続を遮断維持すべく、第2SW32をOFFするものである。その結果、照明灯2への電力供給は停止することになる。
【0104】
SW切替制御部47は、電源電圧Vが正常、かつ負荷電圧判定部43にて負荷電圧Vloadが許容範囲から外れた場合、負荷電圧Vloadの異常をMERS4に関わる障害と判断し、交流電源3及びMERS4間の接続を遮断すべく、第1SW31をOFFすると共に、交流電源3及び照明灯2間を迂回接続すべく、第2SW32をONするものである。その結果、照明灯2は、第2SW32経由で、交流電源3からの電源電圧V相当の電力を直接供給することになる。
【0105】
SW切替制御部47は、電源電圧Vが正常、かつ負荷電流判定部44にて負荷電流が許容範囲から外れた場合、負荷電流の異常をMERS4に関わる障害と判断し、交流電源3及びMERS4間の接続を遮断すべく、第1SW31をOFFすると共に、交流電源3及び照明灯2間を迂回接続すべく、第2SW32をONするものである。その結果、照明灯2は、第2SW32経由で、交流電源3からの電源電圧V相当の電力を直接供給することになる。
【0106】
また、SW切替制御部47は、電源電圧Vが正常、かつコンデンサ電圧判定部45にてコンデンサ電圧Vcが許容範囲から外れた場合、コンデンサ電圧Vcの異常がMERS4に関わる障害と判断し、交流電源3及びMERS4間の接続を遮断すべく、第1SW31をOFFすると共に、交流電源3及び照明灯2間を迂回接続すべく、第2SW32をONするものである。その結果、照明灯2は、第2SW32経由で、交流電源3からの電源電圧V相当の電力を直接供給することになる。
【0107】
SW切替制御部47は、電源電圧Vが正常、かつ調光量判定部46にて現在調光量が許容範囲から外れた場合、調光量の異常がMERS4に関わる障害と判断し、交流電源3及びMERS4間の接続を遮断すべく、第1SW31をOFFすると共に、交流電源3及び照明灯2間を迂回接続すべく、第2SW32をONするものである。その結果、照明灯2は、第2SW32経由で、交流電源3からの電源電圧V相当の電力を直接供給することになる。
【0108】
尚、請求項記載の交流電源装置は照明灯システム1、誘導性負荷は照明灯2、交流電源は交流電源3、磁気エネルギー回生スイッチはMERS4、制御装置は制御装置13、障害検出手段は制御装置13、接続遮断手段は第1SW31、迂回接続手段は第2SW32、障害報知手段は情報表示部12、電源電圧判定手段は電源電圧検出部6及び電源電圧判定部42、負荷電圧判定手段は負荷電圧検出部7及び負荷電圧判定部43、負荷電流判定手段は負荷電流検出部8及び負荷電流判定部44、調光量測定手段は調光量測定部10、調光量判定手段は調光量判定部46、コンデンサ電圧判定手段はコンデンサ電圧検出部9及びコンデンサ電圧判定部45に相当するものである。
【0109】
次に本実施の形態を示す照明灯システム1の動作について説明する。
【0110】
制御装置13内部のゲート位相制御部41は、調光量設定部5にて設定した調光量相当の負荷電圧Vloadに対応したゲート位相角αを設定したゲート駆動信号をMERS4に供給する。
【0111】
MERS4は、ゲート駆動信号を検出すると、同ゲート駆動信号に設定したゲート位相角αに基づくスイッチ切替タイミングに応じて第1MOS21A、第2MOS22A、第3MOS23A及び第4MOS24AをON/OFF駆動することで、交流電源3の電源電圧Vから調光量設定部5にて設定した調光量相当の負荷電圧Vloadを調整出力し、この調整出力した負荷電圧Vloadを照明灯2に印加する。
【0112】
その結果、照明灯2は、MERS4にて調整出力した負荷電圧Vloadに応じて点灯することになる。
【0113】
尚、制御装置13内部の電源電圧判定部42、負荷電圧判定部43、負荷電流判定部44、コンデンサ電圧判定部45及び調光量判定部46は、常時、MERS4に関わる障害を監視している。
【0114】
電源電圧判定部42は、電源電圧検出部6にて検出した交流電源3の電源電圧Vが許容範囲から外れる電圧異常であるかを判定し、この判定結果をSW切替制御部47に通知する。
【0115】
SW切替制御部47は、電源電圧判定部42にて電源電圧Vが許容範囲から外れる電圧異常の場合、MERS4に関わる障害と判断し、交流電源3及びMERS4間の接続を遮断すべく、第1SW31をOFFすると共に、交流電源3及び照明灯2間の接続遮断を継続すべく、第2SW32をOFFする。その結果、照明灯2に対する負荷電圧Vloadの供給を停止することになる。
【0116】
また、制御装置13は、電源電圧判定部42にて電源電圧Vが許容範囲から外れる電圧異常の場合、MERS4に関わる障害と判断し、同電源電圧Vの電圧異常を示す障害内容を情報表示部12に表示出力するものである。その結果、ユーザは、情報表示部12の表示内容に基づき、電源電圧Vの電圧異常に関わるMERS4の障害発生を認識することができる。
【0117】
また、SW切替制御部47は、電源電圧判定部42にて電源電圧Vが許容範囲内の場合、MERS4に関わる障害はないものと判断し、交流電源3及びMERS4間の接続を保持すべく、第1SW31のON状態を維持し、交流電源3及び照明灯2間の迂回接続の遮断を保持すべく、第2SW32のOFF状態を継続し、負荷電圧判定部43、負荷電流判定部44、コンデンサ電圧判定部45、調光量判定部46の判定動作を実行する。
【0118】
また、負荷電圧判定部43は、電源電圧Vが正常、かつ負荷電圧検出部7にて検出した負荷電圧Vloadが許容範囲から外れる電圧異常であるか否かを判定し、この判定結果をSW切替制御部47に通知する。
【0119】
SW切替制御部47は、負荷電圧判定部43にて電源電圧Vが正常、かつ負荷電圧Vloadが許容範囲から外れる電圧異常の場合、MERS4に関わる障害と判断し、交流電源3及びMERS4間の接続を遮断すべく、第1SW31をOFFすると共に、交流電源3及び照明灯2間を迂回接続すべく、第2SW32をONする。その結果、MERS4の動作は停止するものの、照明灯2に対して交流電源3の電源電圧Vを負荷電圧Vloadとして直接印加することで、照明灯2の点灯を継続することができる。
【0120】
また、制御装置13は、負荷電圧判定部43にて負荷電圧Vloadが許容範囲から外れる電圧異常の場合、MERS4に関わる障害と判断し、同負荷電圧Vloadの電圧異常を示す障害内容を情報表示部12に表示出力するものである。その結果、ユーザは、情報表示部12の表示内容に基づき、負荷電圧Vloadの電圧異常に関わるMERS4の障害発生を認識することができる。
【0121】
また、SW切替制御部47は、負荷電圧判定部43にて電源電圧Vが正常、かつ負荷電圧Vloadが許容範囲内の場合、MERS4に関わる障害はないものと判断し、交流電源3及びMERS4間の接続を保持すべく、第1SW31のON状態を維持し、交流電源3及び照明灯2間の迂回接続の遮断を保持すべく、第2SW32のOFF状態を継続する。
【0122】
また、負荷電流判定部44は、電源電圧Vが正常、かつ負荷電流検出部8にて検出した負荷電流が許容範囲から外れる電流異常であるか否かを判定し、この判定結果をSW切替制御部47に通知する。
【0123】
SW切替制御部47は、負荷電流判定部44にて電源電圧Vが正常、かつ負荷電流が許容範囲から外れる電流異常の場合、MERS4に関わる障害と判断し、交流電源3及びMERS4間の接続を遮断すべく、第1SW31をOFFすると共に、交流電源3及び照明灯2間を迂回接続すべく、第2SW32をONする。その結果、MERS4の動作は停止するものの、照明灯2に対して交流電源3の電源電圧Vを負荷電圧Vloadとして直接印加することで、照明灯2の点灯を継続することができる。
【0124】
また、制御装置13は、負荷電流判定部44にて負荷電流が許容範囲から外れる電流異常の場合、MERS4に関わる障害と判断し、同負荷電流の電流異常を示す障害内容を情報表示部12に表示出力するものである。その結果、ユーザは、情報表示部12の表示内容に基づき、負荷電流の電流異常に関わるMERS4の障害発生を認識することができる。
【0125】
また、SW切替制御部47は、負荷電流判定部44にて負荷電流が許容範囲内の場合、MERS4に関わる障害はないものと判断し、交流電源3及びMERS4間の接続を保持すべく、第1SW31のON状態を維持し、交流電源3及び照明灯2間の迂回接続の遮断を保持すべく、第2SW32のOFF状態を継続する。
【0126】
また、コンデンサ電圧判定部45は、電源電圧Vが正常、かつコンデンサ電圧検出部9にて検出したMERS4内のコンデンサ電圧Vcが許容範囲から外れる電圧異常であるか否かを判定し、この判定結果をSW切替制御部47に通知する。
【0127】
SW切替制御部47は、コンデンサ電圧判定部45にて電源電圧Vが正常、かつコンデンサ電圧Vcが許容範囲から外れる電圧異常の場合、MERS4に関わる障害と判断し、交流電源3及びMERS4間の接続を遮断すべく、第1SW31をOFFすると共に、交流電源3及び照明灯2間を迂回接続すべく、第2SW32をONする。その結果、MERS4の動作は停止するものの、照明灯2に対して交流電源3の電源電圧Vを負荷電圧Vloadとして直接印加することで、照明灯2の点灯を継続することができる。
【0128】
また、制御装置13は、コンデンサ電圧判定部45にてコンデンサ電圧Vcが許容範囲から外れる電圧異常の場合、MERS4に関わる障害と判断し、同コンデンサ電圧Vcの電圧異常を示す障害内容を情報表示部12に表示出力するものである。その結果、ユーザは、情報表示部12の表示内容に基づき、コンデンサ電圧Vcの電圧異常に関わるMERS4の障害発生を認識することができる。
【0129】
また、SW切替制御部47は、コンデンサ電圧判定部45にて電源電圧Vが正常、かつコンデンサ電圧Vcが許容範囲内の場合、MERS4に関わる障害はないものと判断し、交流電源3及びMERS4間の接続を保持すべく、第1SW31のON状態を維持し、交流電源3及び照明灯2間の迂回接続の遮断を保持すべく、第2SW32のOFF状態を継続する。
【0130】
また、調光量判定部46は、電源電圧Vが正常、かつ調光量測定部10にて測定した照明灯2の現在調光量が調光量設定部5にて設定した調光量の許容範囲から外れる調光量異常であるか否かを判定し、この判定結果をSW切替制御部47に通知する。
【0131】
SW切替制御部47は、調光量判定部46にて電源電圧Vが正常、かつ現在調光量が許容範囲から外れる調光量異常の場合、MERS4に関わる障害と判断し、交流電源3及びMERS4間の接続を遮断すべく、第1SW31をOFFすると共に、交流電源3及び照明灯2間を迂回接続すべく、第2SW32をONする。その結果、MERS4の動作は停止するものの、照明灯2に対して交流電源3の電源電圧Vを負荷電圧Vloadとして直接印加することで、照明灯2の点灯を継続することができる。
【0132】
また、制御装置13は、調光量判定部46にて現在調光量が許容範囲から外れる調光量異常の場合、MERS4に関わる障害と判断し、現在調光量の調光量異常を示す障害内容を情報表示部12に表示出力するものである。その結果、ユーザは、情報表示部12の表示内容に基づき、現在調光量の異常に関わるMERS4の障害発生を認識することができる。
【0133】
また、SW切替制御部47は、調光量判定部46にて現在調光量が許容範囲内の場合、MERS4に関わる障害はないものと判断し、交流電源3及びMERS4間の接続を保持すべく、第1SW31のON状態を維持し、交流電源3及び照明灯2間の迂回接続の遮断を保持すべく、第2SW32のOFF状態を継続する。
【0134】
本実施の形態によれば、MERS4に関わる障害を検出すると、第1SW31をOFFすることで、交流電源3及びMERS4間の接続を遮断するようにしたので、MERS4による照明灯2への負荷電力供給を停止することで、不安定な負荷電力供給を確実に防止することができる。
【0135】
また、本実施の形態によれば、第1SW31をOFFすることで、交流電源3及びMERS4間の接続を遮断すると、MERS4を経由することなく、交流電源3及び照明灯2間を迂回接続するようにしたので、MERS4による照明灯2への負荷電力供給を停止すると共に、MERS4による照明灯2への電力供給を停止したとしても、交流電源3及び照明灯2間を迂回接続して交流電源3から照明灯2へ負荷電力を直接供給することで、照明灯2の点灯を継続することができる。
【0136】
また、本実施の形態によれば、MERS4に関わる障害を検出すると、情報表示部12を通じて同障害内容を報知出力するようにしたので、情報表示部12に表示中の同報知内容に基づき、MERS4に関わる障害の発生を認識することができる。
【0137】
また、本実施の形態によれば、電源電圧Vが異常の場合、MERS4に関わる障害として検出するようにしたので、電源電圧Vが異常の場合、MERS4による照明灯2への電力供給を停止することで、照明灯2への不安定な電力供給を確実に防止することができる。
【0138】
また、本実施の形態によれば、電源電圧Vが正常、かつ負荷電圧Vloadが異常の場合、MERS4に関わる障害として検出するようにしたので、電源電圧Vが正常、かつ負荷電圧Vloadが異常の場合、MERS4による照明灯2への負荷電力供給を停止すると共に、MERS4による照明灯2への電力供給を停止したとしても、交流電源3及び照明灯2間を迂回接続して交流電源3から照明灯2へ負荷電力を直接供給することで、照明灯2の点灯を継続することができる。
【0139】
また、本実施の形態によれば、電源電圧Vが正常、かつ負荷電流が異常の場合、MERS4に関わる障害として検出するようにしたので、電源電圧Vが正常、かつ負荷電流が異常の場合、MERS4による照明灯2への負荷電力供給を停止すると共に、MERS4による照明灯2への電力供給を停止したとしても、交流電源3及び照明灯2間を迂回接続して交流電源3から照明灯2へ負荷電力を直接供給することで、照明灯2の点灯を継続することができる。
【0140】
また、本実施の形態によれば、電源電圧Vが正常、かつ照明灯2の現在調光量が異常の場合、MERS4に関わる障害として検出するようにしたので、照明灯2の現在調光量が異常の場合、MERS4による照明灯2への負荷電力供給を停止すると共に、MERS4による照明灯2への電力供給を停止したとしても、交流電源3及び照明灯2間を迂回接続して交流電源3から照明灯2へ負荷電力を直接供給することで、照明灯2の点灯を継続することができる。
【0141】
本実施の形態によれば、電源電圧Vが正常、かつMERS4内部のコンデンサ電圧Vcが異常の場合、MERS4に関わる障害として検出するようにしたので、コンデンサ電圧Vcが異常の場合、MERS4による照明灯2への負荷電力供給を停止すると共に、MERS4による照明灯2への電力供給を停止したとしても、交流電源3及び照明灯2間を迂回接続して交流電源3から照明灯2へ負荷電力を直接供給することで、照明灯2の点灯を継続することができる。
【0142】
尚、上記実施の形態においては、交流電源3及びMERS4間の一端側の接続をON/OFFする第1SW31と、交流電源3及びMERS4間の一端側の接続をON/OFFする第2SW32とを備え、SW切替制御部47は、MERS4に関わる障害を検出すると、電源電圧Vが正常の場合、第1SW31をOFFにして交流電源3及びMERS4間の接続を遮断し、MERS4を経由することなく、第2SW32をONにして交流電源3及び照明灯2間を迂回接続すると共に、電源電圧Vが異常の場合、第1SW31をOFFにして交流電源3及びMERS4間の接続を遮断し、第2SW32をOFFにして交流電源3及び照明灯2間の迂回接続を遮断するようにしたが、図12に示すように、交流電源3及びMERS4間の両端側の接続をON/OFFする第3SW33と、交流電源3及びMERS4間の両端側の接続をON/OFFする第4SW34とを備えるようにしても良い。
【0143】
この場合、SW切替制御部47は、MERS4に関わる障害を検出すると、電源電圧Vが異常の場合、第3SW33をOFFにして交流電源3及びMERS4間の両端接続を完全遮断すると共に、第4SW34をOFFにして交流電源3及び照明灯2間の両端接続を完全遮断することで、交流電源3及びMERS4間の接続は勿論のこと、交流電源3及び照明灯2間の接続を完全に遮断することで、安全性の確保を図ることができる。
【0144】
また、SW切替制御部47は、MERS4に関わる障害を検出すると、電源電圧Vが正常の場合、第3SW33をOFFにして交流電源3及びMERS4間の両端接続を完全遮断し、第4SW34をONにして交流電源3及び照明灯2間の両端を迂回接続するようにしたので、交流電源3及びMERS4間の接続を完全に遮断することで安全性の確保を図りながら、MERS4による照明灯2への電力供給を停止したとしても、交流電源3及び照明灯2間を迂回接続して交流電源3から照明灯2へ負荷電力を直接供給することで、照明灯2の点灯を継続することができる。尚、請求項記載の接続遮断手段は第3SW33、迂回接続手段は第4SW34に相当するものである。
【0145】
また、上記実施の形態においては、交流電源3及びMERS4間に同接続をON/OFFする第1SW31と、交流電源3及び照明灯2間に同接続をON/OFFする第2SW32とを備えるようにしたが、図13に示すように、第1SW31を配置せず、第2SW32のみを配置し、SW切替制御部47は、MERS4に関わる障害を検出すると、電源電圧Vが正常の場合にのみ、第2SW32をONするようにしても良く、この場合、第2SW32をONして、交流電源3及び照明灯2間を迂回接続してMERS4の入出力を短絡状態にし、MERS4による照明灯2への電力供給を停止し、交流電源3及び照明灯2間を迂回接続して交流電源3から照明灯2に直接負荷電力を供給することで、照明灯2の点灯を継続することができる。尚、基本的に電源電圧の異常はないと考えた場合、電源電圧の検出は行わなくても良い。
【0146】
尚、上記実施の形態においては、説明の便宜上、照明灯2の障害が発生しないことを前提にしてMERS4に関わる障害を検出すると、第1SW31(第3SW33)及び第2SW32(第4SW34)を切替制御するようにしたが、照明灯2の障害を加味して第1SW31(第3SW33)及び第2SW32(第4SW34)を切替制御するようにしても同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0147】
また、上記実施の形態においては、コンデンサ電圧判定部45にてコンデンサ電圧Vcが、例えば調光量設定部5にて設定した調光量相当のゲート位相角αに対応したコンデンサ電圧Vcの許容範囲から外れた電圧異常であるか否かを判定するようにしたが、例えば照明灯2の負荷変動に対応したコンデンサ25の容量サイズから外れたことによる電圧異常であるか否かを判定し、電圧異常の場合、第1SW31をOFF、第2SW32をONするようにしても、同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0148】
また、上記実施の形態においては、誘導性負荷として照明灯2を例にあげて説明したが、誘導性を備えた負荷であれば良く、例えばモータ等であっても、同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0149】
また、上記実施の形態においては、MERS4に関わる障害を検出すると、電源電圧Vが正常の場合、第1SW31をOFF、第2SW32をONにして、MERS4の動作を停止することで、交流電源3から照明灯2へ電源電圧Vを負荷電圧Vloadとして直接印加するようにしたが、例えば照明灯2に対して電源電圧Vの100%相当の定格電圧を負荷電圧Vloadとして直接印加する場合、MERS4を動作させる必要が無いため、第1SW31をOFFにしてMERS4の動作を停止し、第2SW32をONにして交流電源3及び照明灯2間を迂回接続し、同交流電源3の電源電圧Vを負荷電圧Vloadとして照明灯2に直接印加するようにしても良く、この場合、MERS4の損失を低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0150】
本発明の交流電源装置によれば、磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害を検出すると、交流電源及び磁気エネルギー回生スイッチ間の接続を遮断するようにしたので、磁気エネルギー回生スイッチによる誘導性負荷への負荷電力供給を停止することで、不安定な負荷電力供給を確実に防止することができるため、例えば照明灯に対して磁気エネルギー回生スイッチで調整出力した負荷電力を供給する照明灯システムに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0151】
【図1】本発明の交流電源装置に関わる実施の形態を示す照明灯システム内部の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態に関わる交流電源の電源電圧とMERSを制御するゲート駆動信号との関係を端的に示すタイミング説明図である。(a)電源電圧のタイミング説明図(b)ゲート位相角(0°<α≦90°)設定時のゲート駆動信号のタイミング説明図(c)ゲート位相角(90°<α<180°)設定時のゲート駆動信号のタイミング説明図
【図3】ゲート位相角(α=0°)設定時に関わるMERS内部の動作を端的に示す説明図である。
【図4】ゲート位相角(0°<α≦90°)設定時に関わる電源電圧、ゲート駆動信号、コンデンサ電圧及び負荷電圧との関係を端的に示す説明図である。
【図5】ゲート位相角(0°<α≦90°)設定時に関わるMERS内部の動作を端的に示す説明図である。
【図6】ゲート位相角(0°<α≦90°)設定時に関わるMERS内部の動作を端的に示す説明図である。
【図7】ゲート位相角(90°<α<180°)設定時に関わる電源電圧、ゲート駆動信号、コンデンサ電圧及び負荷電圧との関係を端的に示す説明図である。
【図8】ゲート位相角(90°<α<180°)設定時に関わるMERS内部の動作を端的に示す説明図である。
【図9】ゲート位相角(90°<α<180°)設定時に関わるMERS内部の動作を端的に示す説明図である。
【図10】ゲート位相角(90°<α<180°)設定時に関わるMERS内部の動作を端的に示す説明図である。
【図11】本実施の形態に関わるMERS障害内容に対応する第1SW及び第2SWの駆動内容を端的に示す説明図である。
【図12】他の実施の形態に関わる照明灯システム内部の概略構成を示す説明図である。
【図13】他の実施の形態に関わる照明灯システム内部の概略構成を示す説明図である。
【符号の説明】
【0152】
1 照明灯システム(交流電源装置)
2 照明灯
3 交流電源
4 MERS(磁気エネルギー回生スイッチ)
6 電源電圧検出部(電源電圧判定手段)
7 負荷電圧検出部(負荷電圧判定手段)
8 負荷電流検出部(負荷電流判定手段)
9 コンデンサ電圧検出部(コンデンサ電圧判定手段)
10 調光量測定部(調光量測定手段)
12 情報表示部(障害報知手段)
13 制御装置(制御装置及び障害検出手段)
31 第1SW(接続遮断手段)
32 第2SW(迂回接続手段)
33 第3SW(接続遮断手段)
34 第4SW(迂回接続手段)
42 電源電圧判定部(電源電圧判定手段)
43 負荷電圧判定部(負荷電圧判定手段)
44 負荷電流判定部(負荷電流判定手段)
45 コンデンサ電圧部(コンデンサ電圧判定手段)
46 調光量判定部(調光量判定手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば照明灯やモータ等の誘導性負荷及び交流電源間に接続され、前記誘導性負荷を駆動する負荷電力を、前記交流電源の電源電圧から調整出力する磁気エネルギー回生スイッチ(以下、単にMERSと称する)と、所望の負荷電力を、前記電源電圧から調整出力させるべく、MERSを駆動制御する制御装置とを備えた交流電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、このようなMERSを備えた交流電源装置としては、例えば照明灯やモータ等の誘導性負荷及び交流電源間に直列に接続され、前記誘導性負荷を駆動する負荷電力を、前記交流電源の電源電圧から調整出力するMERSと、所望の負荷電力を、前記電源電圧から調整出力させるべく、MERSを駆動制御する制御装置とを備えた技術が広く知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
MERSは、直列に相互接続された一方側の2個の逆導通型半導体スイッチ及び、直列に相互接続された他方側の2個の逆導通型半導体スイッチで構成するブリッジ回路と、前記一方側の逆導通型半導体スイッチ間の中点及び前記他方側の逆導通型半導体スイッチ間の中点を接続するコンデンサとを有し、前記制御装置は、前記電源電圧の零クロスポイント及び、同零クロスポイントの時間差に相当するゲート位相角に基づき、前記ブリッジ回路を構成する4個の逆導通型半導体スイッチの内、対角線上に位置するペアの逆導通型半導体スイッチを同時にON又はOFF動作するためのスイッチ切替タイミングを調整制御し、このスイッチ切替タイミングに応じて、2組の逆導通型半導体スイッチのペアの内、一方のペアの逆導通型半導体スイッチがONした場合、他方のペアの逆導通型半導体スイッチをOFFするように、各ペアの逆導通型半導体スイッチを交互にON/OFF制御すると共に、前記ゲート位相角を調整可能にし、この調整したゲート位相角に基づき、前記スイッチ切替タイミングを調整することで、同スイッチ切替タイミングに応じた所望の負荷電力を、前記電源電圧から調整出力させるべく、MERS内部の各逆導通型半導体スイッチをON/OFF制御するようにしている。
【0004】
特許文献1の交流電源装置によれば、前記ゲート位相角を調整することで、前記MERS内の各逆導通型半導体スイッチのスイッチ切替タイミングを調整し、同スイッチ切替タイミングに応じた各逆導通型半導体スイッチのON/OFF駆動に応じて所望の負荷電力を、前記電源電圧から調整出力することができる。
【特許文献1】特許第3735673号公報(「特許請求の範囲」及び段落番号「0014」〜「0015」参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の交流電源装置によれば、前記ゲート位相角を調整することで、MERS内の各逆導通型半導体スイッチのスイッチ切替タイミングを調整し、同スイッチ切替タイミングに応じた各逆導通型半導体スイッチのON/OFF駆動に応じて、誘導負荷に対応する所望の負荷電力を前記電源電圧から調整出力するようにしたが、例えばMERSに障害が発生した場合、交流電源の電源電圧から、誘導性負荷に応じた所望の負荷電力を調整出力することができず、その結果、MERSによる誘導性負荷への負荷電力の供給が不安定になる虞がある。
【0006】
本発明は上記点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、MERSによる誘導性負荷への不安定な負荷電力の供給を確実に防止することができる交流電源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本願請求項1記載の交流電源装置は、誘導性負荷及び交流電源間に接続され、前記誘導性負荷を駆動する負荷電力を、前記交流電源の電源電圧から調整出力する磁気エネルギー回生スイッチと、この磁気エネルギー回生スイッチを制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、所望の負荷電力を、前記電源電圧から調整出力させるべく、前記磁気エネルギー回生スイッチを駆動制御する交流電源装置であって、前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害を検出する障害検出手段と、この障害検出手段にて前記障害を検出すると、前記交流電源及び前記磁気エネルギー回生スイッチ間の接続を遮断する接続遮断手段とを有するようにした。
【0008】
従って、本願請求項1記載の交流電源装置によれば、前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害を検出すると、前記交流電源及び前記磁気エネルギー回生スイッチ間の接続を遮断するようにしたので、前記磁気エネルギー回生スイッチによる前記誘導性負荷への負荷電力供給を停止することで、不安定な負荷電力供給を確実に防止することができる。
【0009】
また、本願請求項2記載の交流電源装置は、本願請求項1記載の構成において、前記接続遮断手段にて前記交流電源及び前記磁気エネルギー回生スイッチ間の接続を遮断すると、前記磁気エネルギー回生スイッチを経由することなく、前記交流電源及び前記誘導性負荷間を迂回接続する迂回接続手段を有するようにした。
【0010】
従って、本願請求項2記載の交流電源装置によれば、本願請求項1記載の効果に加えて、前記接続遮断手段にて前記交流電源及び前記磁気エネルギー回生スイッチ間の接続を遮断すると、前記磁気エネルギー回生スイッチを経由することなく、前記交流電源及び前記誘導性負荷間を迂回接続するようにしたので、前記磁気エネルギー回生スイッチによる前記誘導性負荷への電力供給を停止すると共に、前記交流電源及び前記誘導性負荷間を迂回接続して前記交流電源から前記誘導性負荷へ負荷電力を直接供給することで、前記誘導性負荷の駆動を中断することなく、この誘導性負荷の駆動を継続することができる。
【0011】
また、上記目的を達成するために本願請求項3記載の交流電源装置は、誘導性負荷及び交流電源間に接続され、前記誘導性負荷を駆動する負荷電力を、前記交流電源の電源電圧から調整出力する磁気エネルギー回生スイッチと、この磁気エネルギー回生スイッチを駆動制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、所望の負荷電力を、前記電源電圧から調整出力させるべく、前記磁気エネルギー回生スイッチを駆動制御する交流電源装置であって、前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害を検出する障害検出手段と、この障害検出手段にて前記障害を検出すると、前記磁気エネルギー回生スイッチの入出力を短絡すべく、前記交流電源及び前記誘導性負荷間を迂回接続する迂回接続手段とを有するようにした。
【0012】
従って、本願請求項3記載の交流電源装置によれば、前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害を検出すると、前記磁気エネルギー回生スイッチの入出力を短絡すべく、前記交流電源及び前記誘導性負荷間を迂回接続するようにしたので、前記磁気エネルギー回生スイッチの入出力が短絡することで、前記磁気エネルギー回生スイッチによる前記誘導性負荷への電力供給を停止すると共に、前記交流電源及び前記誘導性負荷間を迂回接続して前記交流電源から前記誘導性負荷へ負荷電力を直接供給することで、前記誘導性負荷の駆動を中断することなく、前記誘導性負荷の駆動を継続することができる。
【0013】
また、本願請求項4記載の交流電源装置は、本願請求項1,2又は3記載の構成において、前記障害検出手段にて前記障害を検出すると、同障害内容を報知出力する障害報知手段を有するようにした。
【0014】
従って、本願請求項4記載の交流電源装置によれば、本願請求項1,2又は3記載の効果に加えて、前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害を検出すると、同障害内容を報知出力するようにしたので、同報知内容に基づき、磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害の発生を認識することができる。
【0015】
また、本願請求項5記載の交流電源装置は、本願請求項1,2,3又は4記載の構成において、前記障害検出手段は、前記負荷電圧が異常であるか否かを判定する負荷電圧判定手段を有し、この負荷電圧判定手段にて前記負荷電圧が異常の場合、前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害として検出するようにした。
【0016】
従って、本願請求項5記載の交流電源装置によれば、本願請求項1,2,3又は4記載の効果に加えて、前記負荷電圧が異常の場合、前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害として検出するようにしたので、前記負荷電圧が異常の場合、前記磁気エネルギー回生スイッチによる前記誘導性負荷への電力供給を停止することで、前記誘導性負荷への不安定な電力供給を確実に防止することができる。
【0017】
また、本願請求項6記載の交流電源装置は、本願請求項1,2,3又は4記載の構成において、前記障害検出手段は、前記負荷電圧に対応した負荷電流が異常であるか否かを判定する負荷電流判定手段を有し、この負荷電流判定手段にて前記負荷電流が異常の場合、前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害として検出するようにした。
【0018】
従って、本願請求項6記載の交流電源装置によれば、本願請求項1,2,3又は4記載の効果に加えて、前記負荷電流が異常の場合、前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害として検出するようにしたので、前記負荷電流が異常の場合、前記磁気エネルギー回生スイッチによる前記誘導性負荷への電力供給を停止することで、前記誘導性負荷への不安定な電力供給を確実に防止することができる。
【0019】
また、本願請求項7記載の交流電源装置は、本願請求項1,2,3又は4記載の構成において、前記誘導性負荷は照明灯に相当し、前記照明灯の調光量を測定する調光量測定手段を備え、前記障害検出手段は、前記調光量測定手段にて前記照明灯の調光量が異常であるか否かを判定する調光量判定手段を有し、この調光量判定手段にて前記照明灯の調光量が異常の場合、前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害として検出するようにした。
【0020】
従って、本願請求項7記載の交流電源装置によれば、本願請求項1,2,3又は4記載の効果に加えて、前記誘導性負荷に相当する前記照明灯の調光量が異常の場合、前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害として検出するようにしたので、前記照明灯の調光量が異常の場合、前記磁気エネルギー回生スイッチによる前記照明灯への電力供給を停止することで、前記照明灯への不安定な電力供給を確実に防止することができる。
【0021】
また、本願請求項8記載の交流電源装置は、本願請求項1,2,3又は4記載の構成において、前記障害検出手段は、前記磁気エネルギー回生スイッチ内部のコンデンサ電圧が異常であるか否かを判定するコンデンサ電圧判定手段を有し、このコンデンサ電圧判定手段にて前記コンデンサ電圧が異常の場合、前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害として検出するようにした。
【0022】
従って、本願請求項8記載の交流電源装置によれば、本願請求項1,2,3又は4記載の効果に加えて、前記磁気エネルギー回生スイッチ内部のコンデンサ電圧が異常の場合、前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害として検出するようにしたので、前記コンデンサ電圧が異常の場合、前記磁気エネルギー回生スイッチによる前記誘導性負荷への電力供給を停止することで、前記誘導性負荷への不安定な電力供給を確実に防止することができる。
【0023】
また、本願請求項9記載の交流電源装置は、本願請求項2記載の構成において、前記障害検出手段は、前記交流電源の電源電圧が異常であるか否かを判定する電源電圧判定手段を有し、この電源電圧判定手段にて前記電源電圧が異常の場合、前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害として検出すると共に、前記迂回接続手段は、前記接続遮断手段にて前記交流電源及び前記磁気エネルギー回生スイッチ間の接続を遮断したとしても、前記電源電圧判定手段にて前記電源電圧が異常の場合、前記交流電源及び前記誘導性負荷間の迂回接続を禁止するようにした。
【0024】
従って、本願請求項9記載の交流電源装置によれば、本願請求項2記載の効果に加えて、前記電源電圧が異常の場合、前記接続遮断手段にて前記交流電源及び前記磁気エネルギー回生スイッチ間の接続を遮断したとしても、前記電源電圧判定手段にて前記電源電圧が異常の場合、前記迂回接続手段による前記交流電源及び前記誘導性負荷間の迂回接続を禁止するようにしたので、前記電源電圧が異常の場合、前記誘導性負荷に対する全ての電力供給を停止することで、前記誘導性負荷への不安定な電力供給を確実に防止することができる。
【0025】
また、本願請求項10記載の交流電源装置は、本願請求項3記載の構成において、前記交流電源の電源電圧が異常であるか否かを判定する電源電圧判定手段を有し、前記迂回接続手段は、前記電源電圧判定手段にて前記電源電圧が異常の場合、前記交流電源及び前記誘導性負荷間の迂回接続を禁止するようにした。
【0026】
従って、本願請求項10記載の交流電源装置によれば、本願請求項3記載の効果に加えて、前記電源電圧が異常の場合、前記迂回接続手段による前記交流電源及び前記誘導性負荷間の迂回接続を禁止するようにしたので、前記電源電圧が異常の場合、前記誘導性負荷に対する全ての電力供給を停止することで、前記誘導性負荷への不安定な電力供給を確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0027】
上記のように構成された本発明の交流電源装置によれば、磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害を検出すると、交流電源及び前記磁気エネルギー回生スイッチ間の接続を遮断するようにしたので、前記磁気エネルギー回生スイッチによる誘導性負荷への負荷電力供給を停止することで、不安定な負荷電力供給を確実に防止することができる。
【0028】
また、本発明の交流電源装置によれば、磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害を検出すると、前記磁気エネルギー回生スイッチの入出力を短絡すべく、交流電源及び誘導性負荷間を迂回接続するようにしたので、前記磁気エネルギー回生スイッチの入出力が短絡することで、前記磁気エネルギー回生スイッチによる前記誘導性負荷への電力供給を停止すると共に、前記交流電源及び前記誘導性負荷間を迂回接続して前記交流電源から前記誘導性負荷へ負荷電力を直接供給することで、前記誘導性負荷の駆動を中断することなく、前記誘導性負荷の駆動を継続することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、図面に基づき本発明の交流電源装置に関わる実施の形態を示す照明灯システムについて説明する。図1は本実施の形態を示す照明灯システム内部の概略構成を示すブロック図である。
【0030】
図1に示す照明灯システム1は、蛍光灯等の誘導性負荷に相当する照明灯2と、電源電圧Vを供給する交流電源3と、照明灯2及び交流電源3間に直列接続され、交流電源3の電源電圧Vから照明灯2へ印加する負荷電圧Vloadを調整出力するMERS4と、照明灯2のON/OFFは勿論のこと、照明灯2の調光量を設定する調光量設定部5と、交流電源3の電源電圧Vを検出する電源電圧検出部6と、照明灯2への負荷電圧Vloadを検出する負荷電圧検出部7と、照明灯2への負荷電流を検出する負荷電流検出部8と、MERS4内部のコンデンサ電圧を検出するコンデンサ電圧検出部9と、照明灯2の現在調光量を測定する調光量測定部10と、交流電源3及びMERS4間の位相を検出すると共に、照明灯2及びMERS4間の位相を検出する位相検出部11と、様々な情報を表示する情報表示部12と、MERS4を駆動制御すると共に、照明灯システム1全体を制御する制御装置13とを有している。
【0031】
MERS4は、スイッチOFF時の導通方向が相互に逆向きに直列接続した第1MOSFET(以下、単に第1MOSと称する)21A及び第4MOSFET(以下、単に第4MOSと称する)24A、スイッチOFF時の導通方向が相互に逆向きに直列接続した第2MOSFET(以下、単に第2MOSと称する)22A及び第3MOSFET(第3MOSと称する)23Aで構成するブリッジ回路20と、第1MOS21A及び第4MOS24A間の中点にある端子a及び、第2MOS22A及び第3MOS23A間の中点にある端子bを接続し、各MOS21A、22A、23A及び24AのON/OFFタイミング(スイッチ切替タイミング)に応じて充放電を繰り返すコンデンサ25と、交流電源3に接続する接続端子26と、照明灯2に接続する接続端子27とを有している。
【0032】
また、各MOS21A,22A,23A及び24Aには、ダイオードを並列に接続し、第1MOS21Aには第1ダイオード21B、第2MOS22Aには第2ダイオード22B、第3MOS23Aには第3ダイオード23B、第4MOS24Aには第4ダイオード24Bを並列接続している。
【0033】
また、制御装置13は、交流電源3の電源電圧Vの零クロスポイント及び、この零クロスポイントを基準にした時間差に相当するゲート位相角αに基づくスイッチ切替タイミングに応じて、ブリッジ回路20を構成する各MOS21A,22A,23A及び24Aの内、対角線上に位置する第1MOS21A及び第3MOS23Aを同時にON(又はOFF)動作すると共に、第2MOS22A及び第4MOS24Aを同時にOFF(又はON)動作すべく、MERS4を駆動制御するものである。その結果、一方の第1MOS21A及び第3MOS23Aが同時にONした場合、他方の第2MOS22A及び第4MOS24Aが同時にOFFするのに対し、一方の第1MOS21A及び第3MOS23Aが同時にOFFした場合、他方の第2MOS22A及び第4MOS24Aが同時にONし、交互にON/OFFするものである。尚、第1MOS21A、第2MOS22A、第3MOS23A及び第4MOS24Aは、設定に応じて同時にOFFする期間(デッドタイム)を設けるようにしても良い。
【0034】
また、制御装置13は、MERS4内の第1MOS21A、第2MOS22A、第3MOS23A及び第4MOS24AのゲートG1,G2,G3及びG4をON/OFF制御するゲート駆動信号を出力するゲート位相制御部41を備え、ゲート位相制御部41は、調光量設定部5で設定した調光量に相当する負荷電圧VloadをMERS4で調整出力させるべく、同調光量に相当する負荷電圧Vloadに対応したゲート位相角αを算出し、この算出したゲート位相角αを設定したゲート駆動信号を出力するものである。
【0035】
また、MERS4は、ゲート駆動信号に応じて、同ゲート駆動信号に含むゲート位相角αに基づき、第1MOS21A、第2MOS22A,第3MOS23A及び第4MOS24AをON/OFF駆動制御し、これら各MOS21A、22A、23A及び24AのON/OFF駆動に応じて、照明灯2へ印加する負荷電圧Vloadを交流電源3の電源電圧Vから調整出力し、照明灯2は、負荷電圧Vloadに応じた調光量で点灯するものである。尚、当然ながら、MERS4は、負荷電圧Vloadの調整に応じて負荷電力を調整し、同負荷電力の調整に応じて調光量を調整するものである。
【0036】
また、調光量設定部5は、照明灯2の消灯(OFF)は勿論のこと、照明灯2の点灯(ON)、例えば調光量100%、すなわち定格電圧1.0相当の通常点灯から調光量約70%、すなわち定格電圧0.7相当の範囲内で所定調光量相当の定格電圧の割合を設定するものである。
【0037】
また、調光量測定部10は、照明灯2の現在調光量、例えば照明灯2の明るさを直接測定する光センサに相当するものである。尚、調光量測定部10としては、光センサを使用せず、例えばMERS4の入力電力や出力電力を測定し、この測定結果から逆算して間接的に照明灯2の現在調光量を測定するようにしても良いことは言うまでもない。
【0038】
また、制御装置13は、調光量測定部10を通じて照明灯2の現在調光量を測定し、現在調光量が設定調光量となるように、MERS4を駆動制御するものである。
【0039】
また、位相検出部11は、交流電源3の電源電圧Vの位相を検出し、この電源電圧Vの位相を位相情報としてゲート位相制御部41に通知するものである。
【0040】
ゲート位相制御部41は、位相検出部11からの電源電圧Vの位相情報に基づき、ゲート駆動信号をMERS4の各MOS21A,22A,23A及び24A側のゲートG1,G2,G3及びG4に供給し、その結果、ゲート駆動信号ONに応じてMOSのゲートをON作動することでソース及びドレイン間の接続をスイッチONすると共に、ゲート駆動信号OFFに応じてMOSのゲートをOFF作動することでソース及びドレイン間の接続をスイッチOFFするものである。
【0041】
各MOS21A,22A,23A及び24Aは、ゲート駆動信号ONに応じてソース及びドレイン間の接続をスイッチONした場合、電流Iを両方向に導通可能とするのに対し、ゲート駆動信号OFFに応じてソース及びドレイン間の接続をスイッチOFFした場合、ダイオード21B,22B,23B,24Bを通じて電流Iをダイオード順方向の一方向にのみ導通可能とするものである。
【0042】
また、MERS4は、第1MOS21A及び第3MOS23Aへのゲート駆動信号ONに応じて第1MOS21A及び第3MOS23A側のソース及びドレイン間の接続をスイッチONすると同時に、第2MOS22A及び第4MOS24Aへのゲート駆動信号OFFに応じて第2MOS22A及び第4MOS24A側のソース及びドレイン間の接続をスイッチOFFするものである。
【0043】
また、同様に、MERS4は、第2MOS22A及び第4MOS24Aへのゲート駆動信号ONに応じて第2MOS22A及び第4MOS24A側のソース及びドレイン間の接続をスイッチONすると同時に、第1MOS21A及び第3MOS23Aへのゲート駆動信号OFFに応じて第1MOS21A及び第3MOS23A側のソース及びドレイン間の接続をスイッチOFFするものである。
【0044】
つまり、第1MOS21A及び第3MOS23Aは同一方向のスイッチ極性、第2MOS22A及び第4MOS24Aは同一方向のスイッチ極性を備え、第1MOS21A及び第3MOS23Aのスイッチ極性は、第2MOS22A及び第4MOS24Aのスイッチ極性と逆方向となる。
【0045】
では、まず、MERS4の基本原理について説明する。図2は交流電源3の電源電圧VとMERS4を駆動制御するゲート駆動信号との関係を端的に示すタイミング説明図である。
【0046】
図2(a)は交流電源3が供給する電源電圧Vの時間的な変化を示し、電源電圧Vは、定格電圧の正電圧+Va及び定格電圧の負電圧−Vaを1周期Tとした正弦波である。尚、説明の便宜上、負電圧から正電圧へ移行する零クロスポイント(周期“0”)のタイミングを“t2”、次の正電圧から負電圧へ移行する零クロスポイント(周期“T/2”=180°)のタイミングを“t4”、更に次の負電圧から正電圧へ再び移行する零クロスポイント(周期“T”=360°)のタイミングを“t7”とする。
【0047】
図2(b)及び(c)はゲート位相角αに応じた第1MOS21A、第2MOS22A、第3MOS23A及び第4MOS24Aへのゲート駆動信号を端的に示すタイミング説明図である。尚、図2(a)乃至図2(c)は同一時間軸に相当するものである。
【0048】
図2(b)はゲート位相角αを0°<α≦90°に設定した場合のゲート駆動信号を端的に示し、第1MOS21A及び第3MOS23AをOFFからONするゲート駆動信号のタイミングを、電源電圧Vの零クロスポイント(周期“0”)のタイミング“t2”を基準に、同タイミング“t2”からαだけ位相を進めたタイミング“t1”とした場合、同タイミング“t1”から電源電圧Vの半周期T/2後のタイミング“t3”を、第1MOS21A及び第3MOS23AをONからOFFするゲート駆動信号のタイミングとするものである。尚、第2MOS22A及び第4MOS24Aのスイッチング位相は、第1MOS21A及び第3MOS23Aとは逆相となるため、タイミング“t1”では第2MOS22A及び第4MOS24AをONからOFFするタイミングに相当し、タイミング“t3”では第2MOS22A及び第4MOS24AをOFFからONするタイミングに相当するものである。
【0049】
また、図2(c)はゲート位相角αを90°<α<180°に設定した場合のゲート駆動信号を端的に示し、第1MOS21A及び第3MOS23AをOFFからONするゲート駆動信号のタイミングを、電源電圧Vの零クロスポイント(周期“0”)のタイミング“t2”を基準に、同タイミング“t2”からαだけ位相を進めたタイミング“t0”とした場合、同タイミング“t0”から電源電圧Vの半周期T/2後のタイミング“t2y”を、第1MOS21A及び第3MOS23AをONからOFFするゲート駆動信号のタイミングとするものである。尚、タイミング“t0”では第2MOS22A及び第4MOS24AをONからOFFするタイミングに相当し、タイミング“t2y”では第2MOS22A及び第4MOS24AをOFFからONするタイミングに相当するものである。
【0050】
また、図示せぬが、ゲート位相角αをα=180°に設定した場合、電源電圧Vが正電圧の場合、第1MOS21A及び第3MOS23AがOFF、すなわち第2MOS22A及び第4MOS24AがON、電源電圧Vが負電圧の場合、第1MOS21A及び第3MOS23AがON、すなわち第2MOS22A及び第4MOS24AがOFFである。
【0051】
また、同様に図示せぬが、ゲート位相角αをα=0°に設定した場合、電源電圧V及びゲート駆動信号は同期し、電源電圧Vが正電圧の場合、第1MOS21A及び第3MOS23AがON、すなわち第2MOS22A及び第4MOS24AがOFF、また、電源電圧Vが負電圧の場合、第1MOS21A及び第3MOS23AがOFF、すなわち第2MOS22A及び第4MOS24AがONである。
【0052】
図3はゲート位相角αを(α=0°)に設定した場合に関わるMERS4の内部動作を端的に示す説明図である。
【0053】
MERS4は、交流電源3の電源電圧Vが正電圧の場合、図3(a)に示すように、第1MOS21A及び第3MOS23AがONで導通状態、第2MOS22A及び第4MOS24AがOFF、すなわち第2ダイオード22B及び第4ダイオード24Bが順方向で導通状態となるため、コンデンサ25の両端が短絡状態となる。その結果、電源電圧Vは、そのまま、負荷電圧Vloadとなる。
【0054】
また、MERS4は、交流電源3の電源電圧Vが負電圧の場合、図3(b)に示すように、第2MOS22A及び第4MOS24AがONで導通状態、第1MOS21A及び第3MOS23AがOFF、すなわち第1ダイオード21B及び第3ダイオード23Bが順方向で導通状態となるため、コンデンサ25の両端が短絡状態となる。その結果、電源電圧Vは、そのまま、負荷電圧Vloadとなる。
【0055】
つまり、MERS4は、ゲート位相角をα=0°に設定した場合、電源電圧Vが、そのまま、照明灯2に対する負荷電圧Vloadとなるため、交流電源3及び照明灯2間にMERS4を配置しない場合と同じである。
【0056】
次にゲート位相角αを0°<α≦90°に設定した場合のMERS4の内部動作について説明する。図4はゲート位相角(0°<α≦90°)に設定した場合の電源電圧V、ゲート駆動信号、コンデンサ電圧Vc及び負荷電圧Vload(点線)の関係を端的に示す説明図、図5乃至図6はゲート位相角(0°<α≦90°)に設定した場合に関わるMERS4の内部動作を端的に示す説明図である。
【0057】
MERS4は、図4に示すように、ゲート位相角αに設定したゲート駆動信号に応じて第1MOS21A及び第3MOS23Aと、第2MOS22A及び第4MOS24Aとを交互にON/OFF駆動するものである。
【0058】
タイミング“t1”直前においてMERS4は、電源電圧Vが負電圧のため、図5(a)に示すように、第2MOS22A及び第4MOS24AがONで導通状態、第1MOS21A及び第3MOS23AがOFF、すなわち第1ダイオード21B及び第3ダイオード23Bが順方向で導通状態となるため、コンデンサ25の両端が短絡状態となる。その結果、第1ダイオード21B→第4MOS24A、第2MOS22A→第3ダイオード23Bの電流経路で、コンデンサ25のコンデンサ電圧Vcは0Vを保持、電源電圧Vが、そのまま、負荷電圧Vloadとなる。
【0059】
次にMERS4は、電源電圧Vが負電圧のまま、タイミング“t1”に到達すると、図5(b)に示すように、第1MOS21A及び第3MOS23AがONで導通状態、第2MOS22A及び第4MOS24AがOFF、すなわち、第2MOS22A、第2ダイオード22B、第4MOS24A及び第4ダイオード24Bの電流経路は遮断状態となる。尚、第1MOS21A及び第3MOS23Aは、OFFからON駆動するに際し、第1ダイオード21B及び第3ダイオード23Bが導通状態であるため、スイッチング損失が生じることなく、零電圧スイッチングを実現している。
【0060】
その結果、タイミング“t1”〜“t2”の最初の期間においてMERS4は、第1MOS21A→コンデンサ25→第3MOS23Aの経路で電流が流れて、コンデンサ25の充電動作を開始し、コンデンサ電圧Vcは上昇することになる。
【0061】
更に負荷電圧Vloadは、図4に示すように、電源電圧Vに90°までの進み位相でコンデンサ電圧Vcが重畳されることになるため、負荷電圧Vloadの負電圧の減少は更に加速され、電源電圧Vの周期0°に到達するタイミング“t2”前、すなわち、電源電圧Vが負電圧であるにもかかわらず、負荷電圧Vloadは正電圧に反転することになる。
【0062】
その結果、MERS4内の負荷電流は徐々に減少して電流の向きが反転して(図5(b)内の点線電流方向参照)、コンデンサ25の放電を開始し、コンデンサ電圧Vcは、第3MOS23A→コンデンサ25→第1MOS21Aの電流経由で放電することになる。
【0063】
次にMERS4は、タイミング“t2”に到達して、電源電圧Vが正電圧に反転した場合、図5(c)に示すように、第3MOS23A→コンデンサ25→第1MOS21Aの経路でコンデンサ25の放電を継続することになる。
【0064】
更にMERS4は、タイミング“t2x”に到達すると、放電中のコンデンサ25のコンデンサ電圧Vcが0Vとなるため、図6(a)に示すように、OFF中の第2MOS22A及び第4MOS24A側の第2ダイオード22B及び第4ダイオード24Bは順方向で導通状態となり、コンデンサ25の両端が短絡状態となるため、タイミング“t2x”〜“t3”の期間では、第4ダイオード24B→第1MOS21A、第3MOS23A→第2ダイオード22Bの電流経路で、電源電圧Vは、そのまま、負荷電圧Vloadとなる。
【0065】
次にMERS4は、電源電圧Vが正電圧のまま、タイミング“t3”に到達すると、図6(b)に示すように、第2MOS22A及び第4MOS24AがONで導通状態、第1MOS21A及び第3MOS23AがOFF、すなわち、第1MOS21A、第1ダイオード21B、第3MOS23A及び第3ダイオード23Bの電流経路は遮断状態となる。尚、第2MOS22A及び第4MOS24Aは、OFFからON駆動するに際し、第2ダイオード22B及び第4ダイオード24Bが導通状態であるため、スイッチング損失が生じることなく、零電圧スイッチングを実現している。
【0066】
その結果、タイミング“t3”〜“t4”の最初の期間においてMERS4は、第4MOS24A→コンデンサ25→第2MOS22Aの経路で電流が流れて、コンデンサ25の充電動作を開始し、コンデンサ電圧Vcは上昇することになる。
【0067】
更に負荷電圧Vloadは、電源電圧Vに90°までの進み位相でコンデンサ電圧Vcが重畳されることになるため、負荷電圧Vloadの正電圧の減少は更に加速し、電源電圧Vの周期180°に到達するタイミング“t4”前、すなわち、電源電圧Vが正電圧であるにもかかわらず、負荷電圧Vloadは、負電圧に反転することになる。
【0068】
その結果、MERS4内の負荷電流は徐々に減少して電流の向きが反転して(図6(b)内の点線矢印参照)、コンデンサ25の放電を開始し、コンデンサ電圧Vcは、第2MOS22A→コンデンサ25→第4MOS24Aの経由で放電することになる。
【0069】
次にMERS4は、タイミング“t4”に到達して、電源電圧Vが負電圧に反転した場合、図6(c)に示すように、第2MOS22A→コンデンサ25→第4MOS24Aの経路でコンデンサ25の放電を継続することになる。
【0070】
更にMERS4は、タイミング“t4x”に到達すると、放電中のコンデンサ25のコンデンサ電圧Vcが0Vとなるため、図5(a)に示すように、OFF中の第1MOS21A及び第3MOS23A側の第1ダイオード21B及び第3ダイオード23Bは順方向で導通状態となり、コンデンサ25の両端が短絡状態となるため、タイミング“t4x”〜“t6”の期間では、第1ダイオード21B→第4MOS24A、第2MOS22A→第3ダイオード23Bの電流経路で、電源電圧Vは、そのまま、負荷電圧Vloadとなる。
【0071】
そして、MERS4は、タイミング“t6”以降、前述したタイミング“t1”〜“t6”の処理動作を繰り返し継続することになる。
【0072】
従って、MERS4は、ゲート位相角を0°<α≦90°に設定した場合、誘導性負荷の照明灯2による遅れ力率に対してコンデンサ電圧Vcを進み位相で電源電圧Vに重畳することになるため、ゲート位相角αを進めるに連れて力率が改善され、負荷電圧Vload(Vload=V+Vc)が上昇し、その結果、負荷電力も上昇することになる。
【0073】
尚、MERS4内のコンデンサ25の容量及びゲート位相角αのタイミングに応じてコンデンサ25の充電から放電に反転するタイミングは異なる場合があることは言うまでもなく、さらに、コンデンサ25の容量を大きくした場合、コンデンサ25のコンデンサ電圧Vcが0Vにはならない動作もあり得ることは言うまでもない。
【0074】
次にゲート位相角αを90°<α<180°に設定した場合のMERS4の内部動作について説明する。図7はゲート位相角(90°<α<180°)に設定した場合の電源電圧V、ゲート駆動信号、コンデンサ電圧Vc及び負荷電圧Vload(点線)の関係を端的に示す説明図、図8乃至図10はゲート位相角(90°<α<180°)に設定した場合に関わるMERS4の内部動作を端的に示す説明図である。
【0075】
MERS4は、図7に示すように、ゲート位相角αに設定したゲート駆動信号に応じて第1MOS21A及び第3MOS23Aと、第2MOS22A及び第4MOS24Aとを交互にON/OFF駆動するものである。
【0076】
タイミング“t0”直前においてMERS4は、電源電圧Vが負電圧のため、図8(a)に示すように、第2MOS22A及び第4MOS24AがONで導通状態、第1MOS21A及び第3MOS23AがOFF、すなわち第1ダイオード21B及び第3ダイオード23Bが順方向で導通状態となるため、コンデンサ25の両端が短絡状態となる。その結果、第1ダイオード21B→第4MOS24A、第2MOS22A→第3ダイオード23Bの電流経路で、コンデンサ25のコンデンサ電圧Vcは0Vを保持、電源電圧Vが、そのまま、負荷電圧Vloadとなる。
【0077】
次にMERS4は、電源電圧Vが負電圧のまま、タイミング“t0”に到達すると、図8(b)に示すように、第1MOS21A及び第3MOS23AがONで導通状態、第2MOS22A及び第4MOS24AがOFF、すなわち、第2MOS22A、第2ダイオード22B、第4MOS24A及び第4ダイオード24Bの電流経路は遮断状態となる。尚、第1MOS21A及び第3MOS23Aは、OFFからON駆動するに際し、第1ダイオード21B及び第3ダイオード23Bが導通状態であるため、スイッチング損失が生じることなく、零電圧スイッチングを実現している。
【0078】
その結果、タイミング“t0”〜“t1x”の最初の期間においてMERS4は、第1MOS21A→コンデンサ25→第3MOS23Aの経路で電流が流れて、コンデンサ25の充電動作を開始し、コンデンサ電圧Vcは上昇することになる。
【0079】
更に負荷電圧Vloadは、電源電圧Vに90°を超えて進み位相でコンデンサ電圧Vcが重畳されることになるため、図7に示すように、電源電圧Vがピークの負電圧になる前に、逆電圧方向でコンデンサ電圧Vcが重畳されることになるため、負荷電圧Vloadは電源電圧Vに比較して減少する。その結果、タイミング“t0”〜“t1x”間では、電源電圧Vが負電圧であるにもかかわらず、負荷電圧Vloadは負電圧から正電圧に反転することになる。
【0080】
その結果、MERS4内のコンデンサ25に流れる負荷電流の向きが反転して(図8(b)内の点線電流方向参照)、コンデンサ25の放電を開始し、コンデンサ電圧Vcは、第3MOS23A→コンデンサ25→第1MOS21Aの電流経路で放電することになる。
【0081】
次にMERS4は、タイミング“t1x”に到達すると、コンデンサ25のコンデンサ電圧Vcが0V、さらに、タイミング“t2”に到達すると、電源電圧Vが正電圧に反転することになる。尚、これらタイミング“t1x”〜タイミング“t2”の期間は、電源電圧Vの位相が0Vに近く、しかも、コンデンサ電圧Vcが0Vとなるため、負荷電圧Vloadは、電源電圧Vのピーク値に比較して0Vに近い電圧となる。図7に示す波形例では電源電圧Vが正電圧に反転するタイミング“t2”の前にコンデンサ電圧Vcが0Vとなるものである。
【0082】
また、MERS4は、タイミング“t1x”に到達すると、コンデンサ25の放電継続に応じてコンデンサ電圧Vcが0Vとなるため、図8(c)に示すように、OFF中の第2MOS22A及び第4MOS24A側の第2ダイオード22B及び第4ダイオード24Bが順方向で導通状態となり、コンデンサ25の両端が短絡状態となるため、タイミング“t1x”〜“t2”の期間では、第4ダイオード21B→第1MOS21A、第3MOS23A→第2ダイオード22Bの電流経路で、電源電圧Vは、そのまま、負荷電圧Vloadとなる。
【0083】
次にMERS4は、タイミング“t2”に到達して、電源電圧Vが正電圧に反転すると、図9(a)に示すように、第2ダイオード22B及び第4ダイオード24Bは順方向で導通状態となり、コンデンサ25の両端が短絡状態となるため、タイミング“t2”〜“t2y”の期間では、第4ダイオード24B→第1MOS21A、第3MOS23A→第2ダイオード22Bの電流経路で、電源電圧Vは、そのまま、負荷電圧Vloadとなる。
【0084】
次にMERS4は、電源電圧Vが正電圧のまま、タイミング“t2y”に到達すると、図9(b)に示すように、第2MOS22A及び第4MOS24AがONで導通状態、第1MOS21A及び第3MOS23AがOFF、すなわち、第1MOS21A、第1ダイオード21B、第3MOS23A及び第3ダイオード23Bの電流経路は遮断状態となる。尚、第2MOS22A及び第4MOS24Aは、OFFからON駆動するに際し、第2ダイオード22B及び第4ダイオード24Bが導通状態であるため、スイッチング損失が生じることなく、零電圧スイッチングを実現している。
【0085】
その結果、タイミング“t2y”〜“t3x”の最初の期間においてMERS4は、第4MOS24A→コンデンサ25→第2MOS22Aの経路で電流が流れて、コンデンサ25の充電動作を開始し、コンデンサ電圧Vcは上昇することになる。
【0086】
更に負荷電圧Vloadは、電源電圧Vに90°を超えて進み位相でコンデンサ電圧Vcが重畳されることになるため、図7に示すように、電源電圧Vがピークの正電圧になる前に、逆電圧方向でコンデンサ電圧Vcが重畳されることになるため、負荷電圧Vloadは電源電圧Vに比較して減少する。その結果、タイミング“t2y”〜“t3x”間では、電源電圧Vが正電圧であるにもかかわらず、負荷電圧Vloadは正電圧から負電圧に反転することになる。
【0087】
その結果、MERS4内のコンデンサ25に流れる負荷電流の向きが反転して(図9(b)内の点線電流方向参照)、コンデンサ25の放電を開始し、コンデンサ電圧Vcは、第2MOS22A→コンデンサ25→第4MOS24Aの電流経路で放電することになる。
【0088】
次にMERS4は、タイミング“t3x”に到達すると、コンデンサ25のコンデンサ電圧Vcが0V、さらに、タイミング“t4”に到達すると、電源電圧Vが負電圧に反転することになる。尚、これらタイミング“t3x”〜タイミング“t4”の期間は、電源電圧Vの位相が0Vに近く、しかも、コンデンサ電圧Vcが0Vとなるため、負荷電圧Vloadは、電源電圧Vのピーク値に比較して0Vに近い電圧となる。図7に示す波形例では電源電圧Vが負電圧に反転するタイミング“t4”の前にコンデンサ電圧Vcが0Vとなるものである。
【0089】
MERS4は、タイミング“t3x”に到達すると、コンデンサ25の放電継続に応じてコンデンサ電圧Vcが0Vとなるため、図9(c)に示すように、OFF中の第1MOS21A及び第3MOS23A側の第1ダイオード21B及び第3ダイオード23Bが順方向で導通状態となり、コンデンサ25の両端が短絡状態となるため、タイミング“t3x”〜“t4”の期間では、第1ダイオード21B→第4MOS24A、第2MOS22A→第3ダイオード23Bの電流経路で、電源電圧Vは、そのまま、負荷電圧Vloadとなる。
【0090】
更にMERS24は、タイミング“t4”に到達すると、電源電圧Vが負電圧に反転し、図10に示すように、第2MOS22A及び第4MOS24AがONで導通状態、第1MOS21A及び第3MOS23AがOFF、すなわち第1ダイオード21B及び第3ダイオード23Bが順方向で導通状態となるため、コンデンサ25の両端が短絡状態となる。その結果、第1ダイオード21B→第4MOS24A、第2MOS22A→第3ダイオード23Bの電流経路で、コンデンサ25のコンデンサ電圧Vcは0Vを保持、電源電圧Vが、そのまま、負荷電圧Vloadとなる。
【0091】
つまり、MERS4は、タイミング“t4”以降、前述したタイミング“t0”〜“t4”の処理動作を繰り返し継続することになる。
【0092】
従って、MERS4は、ゲート位相角を90°<α<180°に設定した場合、誘導性負荷の照明灯2に対してコンデンサ電圧Vcを更に90°を超えた進み位相で電源電圧Vに、コンデンサ電圧Vcを逆電圧方向に重畳することになるため、ゲート位相角αを進めるに連れて力率が低下し、負荷電圧Vload(Vload=V−Vc)が減少し、その結果、負荷電力も減少することになる。
【0093】
尚、ここまで、ゲート位相角αを変化させた場合のMERS4の基本原理について説明してきたが、次に本願発明の主眼であるMERS異常処理について詳細に説明する。
【0094】
照明灯システム1は、図1に示すように、交流電源3及びMERS4間の接続をON/OFFする第1SW31と、MERS4を経由することなく、交流電源3及び照明灯2間の迂回接続をON/OFFする第2SW32とを備え、制御装置13は、第1SW31及び第2SW32をON/OFF駆動制御するものである。
【0095】
また、制御装置13は、MERS4の正常時において、交流電源3及びMERS4間を接続すべく、第1SW31をONすると共に、交流電源3及び照明灯2間の直接接続を遮断すべく、第2SW32をOFFするものである。
【0096】
また、制御装置13は、MERS4の異常時において、交流電源3及びMERS4間の接続を遮断すべく、第1SW31をOFFすると共に、交流電源3及び照明灯2間を直接接続(迂回接続)すべく、第2SW32をONするものである。
【0097】
また、制御装置13は、前述したゲート位相制御部41の他に、電源電圧検出部6にて検出した交流電源3の電源電圧Vが異常であるか否かを判定する電源電圧判定部42と、負荷電圧検出部7にて検出した負荷電圧Vloadが異常であるか否かを判定する負荷電圧判定部43と、負荷電流検出部8にて検出した負荷電流が異常であるか否かを判定する負荷電流判定部44と、コンデンサ電圧検出部9にて検出したMERS4内部のコンデンサ25のコンデンサ電圧Vcが異常であるか否かを判定するコンデンサ電圧判定部45と、調光量測定部10にて測定した現在調光量が異常であるか否かを判定する調光量判定部46と、これら電源電圧判定部42、負荷電圧判定部43、負荷電流判定部44、コンデンサ電圧判定部45及び調光量判定部46の判定結果に基づき、第1SW31及び第2SW32を切替制御するSW切替制御部47とを有している。
【0098】
電源電圧判定部42は、電源電圧検出部6にて検出した交流電源3の電源電圧Vが許容範囲から外れる電圧異常であるか否かを判定するものである。尚、許容範囲は、例えば電源電圧Vの規定電圧範囲等に相当するものである。
【0099】
負荷電圧判定部43は、電源電圧判定部42にて電源電圧Vが正常、かつ、負荷電圧検出部7にて検出した負荷電圧Vloadが、例えば調光量設定部5にて設定した調光量相当の電圧値の許容範囲から外れる電圧異常であるか否かを判定するものである。尚、負荷電圧検出部7は、直接、負荷電圧Vloadを測定検出するようにしたが、電源電圧V及びコンデンサ電圧Vcに基づき、負荷電圧Vloadを算出するようにしても良い。
【0100】
負荷電流判定部44は、電源電圧判定部42にて電源電圧Vが正常、かつ、負荷電流検出部8にて検出した負荷電流が、例えば調光量設定部5にて設定した調光量相当の電流値の許容範囲から外れる電流異常であるか否かを判定するものである。
【0101】
コンデンサ電圧判定部45は、電源電圧判定部42にて電源電圧Vが正常、かつ、コンデンサ電圧検出部9にて検出したコンデンサ電圧Vcが、例えば調光量設定部5にて設定した調光量相当のゲート位相角αに対応したコンデンサ電圧Vcの許容範囲から外れる電圧異常であるか否かを判定するものである。尚、許容範囲とは、コンデンサ電圧Vcのピーク値や零ボルト期間が設定した調光量相当のゲート位相角αに対応した規定範囲に相当するものである。
【0102】
調光量判定部46は、電源電圧判定部42にて電源電圧Vが正常、かつ、調光量測定部10にて測定した現在調光量が、例えば調光量設定部5にて設定した調光量の許容範囲外の調光量異常であるか否かを判定するものである。
【0103】
SW切替制御部47は、電源電圧判定部42にて交流電源3の電源電圧Vが許容範囲から外れた場合、電源電圧Vの異常をMERS4に関わる障害と判断し、交流電源3及びMERS4間の接続を遮断すべく、第1SW31をOFFすると共に、交流電源3及び照明灯2間の迂回接続を遮断維持すべく、第2SW32をOFFするものである。その結果、照明灯2への電力供給は停止することになる。
【0104】
SW切替制御部47は、電源電圧Vが正常、かつ負荷電圧判定部43にて負荷電圧Vloadが許容範囲から外れた場合、負荷電圧Vloadの異常をMERS4に関わる障害と判断し、交流電源3及びMERS4間の接続を遮断すべく、第1SW31をOFFすると共に、交流電源3及び照明灯2間を迂回接続すべく、第2SW32をONするものである。その結果、照明灯2は、第2SW32経由で、交流電源3からの電源電圧V相当の電力を直接供給することになる。
【0105】
SW切替制御部47は、電源電圧Vが正常、かつ負荷電流判定部44にて負荷電流が許容範囲から外れた場合、負荷電流の異常をMERS4に関わる障害と判断し、交流電源3及びMERS4間の接続を遮断すべく、第1SW31をOFFすると共に、交流電源3及び照明灯2間を迂回接続すべく、第2SW32をONするものである。その結果、照明灯2は、第2SW32経由で、交流電源3からの電源電圧V相当の電力を直接供給することになる。
【0106】
また、SW切替制御部47は、電源電圧Vが正常、かつコンデンサ電圧判定部45にてコンデンサ電圧Vcが許容範囲から外れた場合、コンデンサ電圧Vcの異常がMERS4に関わる障害と判断し、交流電源3及びMERS4間の接続を遮断すべく、第1SW31をOFFすると共に、交流電源3及び照明灯2間を迂回接続すべく、第2SW32をONするものである。その結果、照明灯2は、第2SW32経由で、交流電源3からの電源電圧V相当の電力を直接供給することになる。
【0107】
SW切替制御部47は、電源電圧Vが正常、かつ調光量判定部46にて現在調光量が許容範囲から外れた場合、調光量の異常がMERS4に関わる障害と判断し、交流電源3及びMERS4間の接続を遮断すべく、第1SW31をOFFすると共に、交流電源3及び照明灯2間を迂回接続すべく、第2SW32をONするものである。その結果、照明灯2は、第2SW32経由で、交流電源3からの電源電圧V相当の電力を直接供給することになる。
【0108】
尚、請求項記載の交流電源装置は照明灯システム1、誘導性負荷は照明灯2、交流電源は交流電源3、磁気エネルギー回生スイッチはMERS4、制御装置は制御装置13、障害検出手段は制御装置13、接続遮断手段は第1SW31、迂回接続手段は第2SW32、障害報知手段は情報表示部12、電源電圧判定手段は電源電圧検出部6及び電源電圧判定部42、負荷電圧判定手段は負荷電圧検出部7及び負荷電圧判定部43、負荷電流判定手段は負荷電流検出部8及び負荷電流判定部44、調光量測定手段は調光量測定部10、調光量判定手段は調光量判定部46、コンデンサ電圧判定手段はコンデンサ電圧検出部9及びコンデンサ電圧判定部45に相当するものである。
【0109】
次に本実施の形態を示す照明灯システム1の動作について説明する。
【0110】
制御装置13内部のゲート位相制御部41は、調光量設定部5にて設定した調光量相当の負荷電圧Vloadに対応したゲート位相角αを設定したゲート駆動信号をMERS4に供給する。
【0111】
MERS4は、ゲート駆動信号を検出すると、同ゲート駆動信号に設定したゲート位相角αに基づくスイッチ切替タイミングに応じて第1MOS21A、第2MOS22A、第3MOS23A及び第4MOS24AをON/OFF駆動することで、交流電源3の電源電圧Vから調光量設定部5にて設定した調光量相当の負荷電圧Vloadを調整出力し、この調整出力した負荷電圧Vloadを照明灯2に印加する。
【0112】
その結果、照明灯2は、MERS4にて調整出力した負荷電圧Vloadに応じて点灯することになる。
【0113】
尚、制御装置13内部の電源電圧判定部42、負荷電圧判定部43、負荷電流判定部44、コンデンサ電圧判定部45及び調光量判定部46は、常時、MERS4に関わる障害を監視している。
【0114】
電源電圧判定部42は、電源電圧検出部6にて検出した交流電源3の電源電圧Vが許容範囲から外れる電圧異常であるかを判定し、この判定結果をSW切替制御部47に通知する。
【0115】
SW切替制御部47は、電源電圧判定部42にて電源電圧Vが許容範囲から外れる電圧異常の場合、MERS4に関わる障害と判断し、交流電源3及びMERS4間の接続を遮断すべく、第1SW31をOFFすると共に、交流電源3及び照明灯2間の接続遮断を継続すべく、第2SW32をOFFする。その結果、照明灯2に対する負荷電圧Vloadの供給を停止することになる。
【0116】
また、制御装置13は、電源電圧判定部42にて電源電圧Vが許容範囲から外れる電圧異常の場合、MERS4に関わる障害と判断し、同電源電圧Vの電圧異常を示す障害内容を情報表示部12に表示出力するものである。その結果、ユーザは、情報表示部12の表示内容に基づき、電源電圧Vの電圧異常に関わるMERS4の障害発生を認識することができる。
【0117】
また、SW切替制御部47は、電源電圧判定部42にて電源電圧Vが許容範囲内の場合、MERS4に関わる障害はないものと判断し、交流電源3及びMERS4間の接続を保持すべく、第1SW31のON状態を維持し、交流電源3及び照明灯2間の迂回接続の遮断を保持すべく、第2SW32のOFF状態を継続し、負荷電圧判定部43、負荷電流判定部44、コンデンサ電圧判定部45、調光量判定部46の判定動作を実行する。
【0118】
また、負荷電圧判定部43は、電源電圧Vが正常、かつ負荷電圧検出部7にて検出した負荷電圧Vloadが許容範囲から外れる電圧異常であるか否かを判定し、この判定結果をSW切替制御部47に通知する。
【0119】
SW切替制御部47は、負荷電圧判定部43にて電源電圧Vが正常、かつ負荷電圧Vloadが許容範囲から外れる電圧異常の場合、MERS4に関わる障害と判断し、交流電源3及びMERS4間の接続を遮断すべく、第1SW31をOFFすると共に、交流電源3及び照明灯2間を迂回接続すべく、第2SW32をONする。その結果、MERS4の動作は停止するものの、照明灯2に対して交流電源3の電源電圧Vを負荷電圧Vloadとして直接印加することで、照明灯2の点灯を継続することができる。
【0120】
また、制御装置13は、負荷電圧判定部43にて負荷電圧Vloadが許容範囲から外れる電圧異常の場合、MERS4に関わる障害と判断し、同負荷電圧Vloadの電圧異常を示す障害内容を情報表示部12に表示出力するものである。その結果、ユーザは、情報表示部12の表示内容に基づき、負荷電圧Vloadの電圧異常に関わるMERS4の障害発生を認識することができる。
【0121】
また、SW切替制御部47は、負荷電圧判定部43にて電源電圧Vが正常、かつ負荷電圧Vloadが許容範囲内の場合、MERS4に関わる障害はないものと判断し、交流電源3及びMERS4間の接続を保持すべく、第1SW31のON状態を維持し、交流電源3及び照明灯2間の迂回接続の遮断を保持すべく、第2SW32のOFF状態を継続する。
【0122】
また、負荷電流判定部44は、電源電圧Vが正常、かつ負荷電流検出部8にて検出した負荷電流が許容範囲から外れる電流異常であるか否かを判定し、この判定結果をSW切替制御部47に通知する。
【0123】
SW切替制御部47は、負荷電流判定部44にて電源電圧Vが正常、かつ負荷電流が許容範囲から外れる電流異常の場合、MERS4に関わる障害と判断し、交流電源3及びMERS4間の接続を遮断すべく、第1SW31をOFFすると共に、交流電源3及び照明灯2間を迂回接続すべく、第2SW32をONする。その結果、MERS4の動作は停止するものの、照明灯2に対して交流電源3の電源電圧Vを負荷電圧Vloadとして直接印加することで、照明灯2の点灯を継続することができる。
【0124】
また、制御装置13は、負荷電流判定部44にて負荷電流が許容範囲から外れる電流異常の場合、MERS4に関わる障害と判断し、同負荷電流の電流異常を示す障害内容を情報表示部12に表示出力するものである。その結果、ユーザは、情報表示部12の表示内容に基づき、負荷電流の電流異常に関わるMERS4の障害発生を認識することができる。
【0125】
また、SW切替制御部47は、負荷電流判定部44にて負荷電流が許容範囲内の場合、MERS4に関わる障害はないものと判断し、交流電源3及びMERS4間の接続を保持すべく、第1SW31のON状態を維持し、交流電源3及び照明灯2間の迂回接続の遮断を保持すべく、第2SW32のOFF状態を継続する。
【0126】
また、コンデンサ電圧判定部45は、電源電圧Vが正常、かつコンデンサ電圧検出部9にて検出したMERS4内のコンデンサ電圧Vcが許容範囲から外れる電圧異常であるか否かを判定し、この判定結果をSW切替制御部47に通知する。
【0127】
SW切替制御部47は、コンデンサ電圧判定部45にて電源電圧Vが正常、かつコンデンサ電圧Vcが許容範囲から外れる電圧異常の場合、MERS4に関わる障害と判断し、交流電源3及びMERS4間の接続を遮断すべく、第1SW31をOFFすると共に、交流電源3及び照明灯2間を迂回接続すべく、第2SW32をONする。その結果、MERS4の動作は停止するものの、照明灯2に対して交流電源3の電源電圧Vを負荷電圧Vloadとして直接印加することで、照明灯2の点灯を継続することができる。
【0128】
また、制御装置13は、コンデンサ電圧判定部45にてコンデンサ電圧Vcが許容範囲から外れる電圧異常の場合、MERS4に関わる障害と判断し、同コンデンサ電圧Vcの電圧異常を示す障害内容を情報表示部12に表示出力するものである。その結果、ユーザは、情報表示部12の表示内容に基づき、コンデンサ電圧Vcの電圧異常に関わるMERS4の障害発生を認識することができる。
【0129】
また、SW切替制御部47は、コンデンサ電圧判定部45にて電源電圧Vが正常、かつコンデンサ電圧Vcが許容範囲内の場合、MERS4に関わる障害はないものと判断し、交流電源3及びMERS4間の接続を保持すべく、第1SW31のON状態を維持し、交流電源3及び照明灯2間の迂回接続の遮断を保持すべく、第2SW32のOFF状態を継続する。
【0130】
また、調光量判定部46は、電源電圧Vが正常、かつ調光量測定部10にて測定した照明灯2の現在調光量が調光量設定部5にて設定した調光量の許容範囲から外れる調光量異常であるか否かを判定し、この判定結果をSW切替制御部47に通知する。
【0131】
SW切替制御部47は、調光量判定部46にて電源電圧Vが正常、かつ現在調光量が許容範囲から外れる調光量異常の場合、MERS4に関わる障害と判断し、交流電源3及びMERS4間の接続を遮断すべく、第1SW31をOFFすると共に、交流電源3及び照明灯2間を迂回接続すべく、第2SW32をONする。その結果、MERS4の動作は停止するものの、照明灯2に対して交流電源3の電源電圧Vを負荷電圧Vloadとして直接印加することで、照明灯2の点灯を継続することができる。
【0132】
また、制御装置13は、調光量判定部46にて現在調光量が許容範囲から外れる調光量異常の場合、MERS4に関わる障害と判断し、現在調光量の調光量異常を示す障害内容を情報表示部12に表示出力するものである。その結果、ユーザは、情報表示部12の表示内容に基づき、現在調光量の異常に関わるMERS4の障害発生を認識することができる。
【0133】
また、SW切替制御部47は、調光量判定部46にて現在調光量が許容範囲内の場合、MERS4に関わる障害はないものと判断し、交流電源3及びMERS4間の接続を保持すべく、第1SW31のON状態を維持し、交流電源3及び照明灯2間の迂回接続の遮断を保持すべく、第2SW32のOFF状態を継続する。
【0134】
本実施の形態によれば、MERS4に関わる障害を検出すると、第1SW31をOFFすることで、交流電源3及びMERS4間の接続を遮断するようにしたので、MERS4による照明灯2への負荷電力供給を停止することで、不安定な負荷電力供給を確実に防止することができる。
【0135】
また、本実施の形態によれば、第1SW31をOFFすることで、交流電源3及びMERS4間の接続を遮断すると、MERS4を経由することなく、交流電源3及び照明灯2間を迂回接続するようにしたので、MERS4による照明灯2への負荷電力供給を停止すると共に、MERS4による照明灯2への電力供給を停止したとしても、交流電源3及び照明灯2間を迂回接続して交流電源3から照明灯2へ負荷電力を直接供給することで、照明灯2の点灯を継続することができる。
【0136】
また、本実施の形態によれば、MERS4に関わる障害を検出すると、情報表示部12を通じて同障害内容を報知出力するようにしたので、情報表示部12に表示中の同報知内容に基づき、MERS4に関わる障害の発生を認識することができる。
【0137】
また、本実施の形態によれば、電源電圧Vが異常の場合、MERS4に関わる障害として検出するようにしたので、電源電圧Vが異常の場合、MERS4による照明灯2への電力供給を停止することで、照明灯2への不安定な電力供給を確実に防止することができる。
【0138】
また、本実施の形態によれば、電源電圧Vが正常、かつ負荷電圧Vloadが異常の場合、MERS4に関わる障害として検出するようにしたので、電源電圧Vが正常、かつ負荷電圧Vloadが異常の場合、MERS4による照明灯2への負荷電力供給を停止すると共に、MERS4による照明灯2への電力供給を停止したとしても、交流電源3及び照明灯2間を迂回接続して交流電源3から照明灯2へ負荷電力を直接供給することで、照明灯2の点灯を継続することができる。
【0139】
また、本実施の形態によれば、電源電圧Vが正常、かつ負荷電流が異常の場合、MERS4に関わる障害として検出するようにしたので、電源電圧Vが正常、かつ負荷電流が異常の場合、MERS4による照明灯2への負荷電力供給を停止すると共に、MERS4による照明灯2への電力供給を停止したとしても、交流電源3及び照明灯2間を迂回接続して交流電源3から照明灯2へ負荷電力を直接供給することで、照明灯2の点灯を継続することができる。
【0140】
また、本実施の形態によれば、電源電圧Vが正常、かつ照明灯2の現在調光量が異常の場合、MERS4に関わる障害として検出するようにしたので、照明灯2の現在調光量が異常の場合、MERS4による照明灯2への負荷電力供給を停止すると共に、MERS4による照明灯2への電力供給を停止したとしても、交流電源3及び照明灯2間を迂回接続して交流電源3から照明灯2へ負荷電力を直接供給することで、照明灯2の点灯を継続することができる。
【0141】
本実施の形態によれば、電源電圧Vが正常、かつMERS4内部のコンデンサ電圧Vcが異常の場合、MERS4に関わる障害として検出するようにしたので、コンデンサ電圧Vcが異常の場合、MERS4による照明灯2への負荷電力供給を停止すると共に、MERS4による照明灯2への電力供給を停止したとしても、交流電源3及び照明灯2間を迂回接続して交流電源3から照明灯2へ負荷電力を直接供給することで、照明灯2の点灯を継続することができる。
【0142】
尚、上記実施の形態においては、交流電源3及びMERS4間の一端側の接続をON/OFFする第1SW31と、交流電源3及びMERS4間の一端側の接続をON/OFFする第2SW32とを備え、SW切替制御部47は、MERS4に関わる障害を検出すると、電源電圧Vが正常の場合、第1SW31をOFFにして交流電源3及びMERS4間の接続を遮断し、MERS4を経由することなく、第2SW32をONにして交流電源3及び照明灯2間を迂回接続すると共に、電源電圧Vが異常の場合、第1SW31をOFFにして交流電源3及びMERS4間の接続を遮断し、第2SW32をOFFにして交流電源3及び照明灯2間の迂回接続を遮断するようにしたが、図12に示すように、交流電源3及びMERS4間の両端側の接続をON/OFFする第3SW33と、交流電源3及びMERS4間の両端側の接続をON/OFFする第4SW34とを備えるようにしても良い。
【0143】
この場合、SW切替制御部47は、MERS4に関わる障害を検出すると、電源電圧Vが異常の場合、第3SW33をOFFにして交流電源3及びMERS4間の両端接続を完全遮断すると共に、第4SW34をOFFにして交流電源3及び照明灯2間の両端接続を完全遮断することで、交流電源3及びMERS4間の接続は勿論のこと、交流電源3及び照明灯2間の接続を完全に遮断することで、安全性の確保を図ることができる。
【0144】
また、SW切替制御部47は、MERS4に関わる障害を検出すると、電源電圧Vが正常の場合、第3SW33をOFFにして交流電源3及びMERS4間の両端接続を完全遮断し、第4SW34をONにして交流電源3及び照明灯2間の両端を迂回接続するようにしたので、交流電源3及びMERS4間の接続を完全に遮断することで安全性の確保を図りながら、MERS4による照明灯2への電力供給を停止したとしても、交流電源3及び照明灯2間を迂回接続して交流電源3から照明灯2へ負荷電力を直接供給することで、照明灯2の点灯を継続することができる。尚、請求項記載の接続遮断手段は第3SW33、迂回接続手段は第4SW34に相当するものである。
【0145】
また、上記実施の形態においては、交流電源3及びMERS4間に同接続をON/OFFする第1SW31と、交流電源3及び照明灯2間に同接続をON/OFFする第2SW32とを備えるようにしたが、図13に示すように、第1SW31を配置せず、第2SW32のみを配置し、SW切替制御部47は、MERS4に関わる障害を検出すると、電源電圧Vが正常の場合にのみ、第2SW32をONするようにしても良く、この場合、第2SW32をONして、交流電源3及び照明灯2間を迂回接続してMERS4の入出力を短絡状態にし、MERS4による照明灯2への電力供給を停止し、交流電源3及び照明灯2間を迂回接続して交流電源3から照明灯2に直接負荷電力を供給することで、照明灯2の点灯を継続することができる。尚、基本的に電源電圧の異常はないと考えた場合、電源電圧の検出は行わなくても良い。
【0146】
尚、上記実施の形態においては、説明の便宜上、照明灯2の障害が発生しないことを前提にしてMERS4に関わる障害を検出すると、第1SW31(第3SW33)及び第2SW32(第4SW34)を切替制御するようにしたが、照明灯2の障害を加味して第1SW31(第3SW33)及び第2SW32(第4SW34)を切替制御するようにしても同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0147】
また、上記実施の形態においては、コンデンサ電圧判定部45にてコンデンサ電圧Vcが、例えば調光量設定部5にて設定した調光量相当のゲート位相角αに対応したコンデンサ電圧Vcの許容範囲から外れた電圧異常であるか否かを判定するようにしたが、例えば照明灯2の負荷変動に対応したコンデンサ25の容量サイズから外れたことによる電圧異常であるか否かを判定し、電圧異常の場合、第1SW31をOFF、第2SW32をONするようにしても、同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0148】
また、上記実施の形態においては、誘導性負荷として照明灯2を例にあげて説明したが、誘導性を備えた負荷であれば良く、例えばモータ等であっても、同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0149】
また、上記実施の形態においては、MERS4に関わる障害を検出すると、電源電圧Vが正常の場合、第1SW31をOFF、第2SW32をONにして、MERS4の動作を停止することで、交流電源3から照明灯2へ電源電圧Vを負荷電圧Vloadとして直接印加するようにしたが、例えば照明灯2に対して電源電圧Vの100%相当の定格電圧を負荷電圧Vloadとして直接印加する場合、MERS4を動作させる必要が無いため、第1SW31をOFFにしてMERS4の動作を停止し、第2SW32をONにして交流電源3及び照明灯2間を迂回接続し、同交流電源3の電源電圧Vを負荷電圧Vloadとして照明灯2に直接印加するようにしても良く、この場合、MERS4の損失を低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0150】
本発明の交流電源装置によれば、磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害を検出すると、交流電源及び磁気エネルギー回生スイッチ間の接続を遮断するようにしたので、磁気エネルギー回生スイッチによる誘導性負荷への負荷電力供給を停止することで、不安定な負荷電力供給を確実に防止することができるため、例えば照明灯に対して磁気エネルギー回生スイッチで調整出力した負荷電力を供給する照明灯システムに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0151】
【図1】本発明の交流電源装置に関わる実施の形態を示す照明灯システム内部の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態に関わる交流電源の電源電圧とMERSを制御するゲート駆動信号との関係を端的に示すタイミング説明図である。(a)電源電圧のタイミング説明図(b)ゲート位相角(0°<α≦90°)設定時のゲート駆動信号のタイミング説明図(c)ゲート位相角(90°<α<180°)設定時のゲート駆動信号のタイミング説明図
【図3】ゲート位相角(α=0°)設定時に関わるMERS内部の動作を端的に示す説明図である。
【図4】ゲート位相角(0°<α≦90°)設定時に関わる電源電圧、ゲート駆動信号、コンデンサ電圧及び負荷電圧との関係を端的に示す説明図である。
【図5】ゲート位相角(0°<α≦90°)設定時に関わるMERS内部の動作を端的に示す説明図である。
【図6】ゲート位相角(0°<α≦90°)設定時に関わるMERS内部の動作を端的に示す説明図である。
【図7】ゲート位相角(90°<α<180°)設定時に関わる電源電圧、ゲート駆動信号、コンデンサ電圧及び負荷電圧との関係を端的に示す説明図である。
【図8】ゲート位相角(90°<α<180°)設定時に関わるMERS内部の動作を端的に示す説明図である。
【図9】ゲート位相角(90°<α<180°)設定時に関わるMERS内部の動作を端的に示す説明図である。
【図10】ゲート位相角(90°<α<180°)設定時に関わるMERS内部の動作を端的に示す説明図である。
【図11】本実施の形態に関わるMERS障害内容に対応する第1SW及び第2SWの駆動内容を端的に示す説明図である。
【図12】他の実施の形態に関わる照明灯システム内部の概略構成を示す説明図である。
【図13】他の実施の形態に関わる照明灯システム内部の概略構成を示す説明図である。
【符号の説明】
【0152】
1 照明灯システム(交流電源装置)
2 照明灯
3 交流電源
4 MERS(磁気エネルギー回生スイッチ)
6 電源電圧検出部(電源電圧判定手段)
7 負荷電圧検出部(負荷電圧判定手段)
8 負荷電流検出部(負荷電流判定手段)
9 コンデンサ電圧検出部(コンデンサ電圧判定手段)
10 調光量測定部(調光量測定手段)
12 情報表示部(障害報知手段)
13 制御装置(制御装置及び障害検出手段)
31 第1SW(接続遮断手段)
32 第2SW(迂回接続手段)
33 第3SW(接続遮断手段)
34 第4SW(迂回接続手段)
42 電源電圧判定部(電源電圧判定手段)
43 負荷電圧判定部(負荷電圧判定手段)
44 負荷電流判定部(負荷電流判定手段)
45 コンデンサ電圧部(コンデンサ電圧判定手段)
46 調光量判定部(調光量判定手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘導性負荷及び交流電源間に接続され、前記誘導性負荷を駆動する負荷電力を、前記交流電源の電源電圧から調整出力する磁気エネルギー回生スイッチと、この磁気エネルギー回生スイッチを制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、所望の負荷電力を、前記電源電圧から調整出力させるべく、前記磁気エネルギー回生スイッチを駆動制御する交流電源装置であって、
前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害を検出する障害検出手段と、
この障害検出手段にて前記障害を検出すると、前記交流電源及び前記磁気エネルギー回生スイッチ間の接続を遮断する接続遮断手段とを有することを特徴とする交流電源装置。
【請求項2】
前記接続遮断手段にて前記交流電源及び前記磁気エネルギー回生スイッチ間の接続を遮断すると、前記磁気エネルギー回生スイッチを経由することなく、前記交流電源及び前記誘導性負荷間を迂回接続する迂回接続手段を有することを特徴とする請求項1記載の交流電源装置。
【請求項3】
誘導性負荷及び交流電源間に接続され、前記誘導性負荷を駆動する負荷電力を、前記交流電源の電源電圧から調整出力する磁気エネルギー回生スイッチと、この磁気エネルギー回生スイッチを駆動制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、所望の負荷電力を、前記電源電圧から調整出力させるべく、前記磁気エネルギー回生スイッチを駆動制御する交流電源装置であって、
前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害を検出する障害検出手段と、
この障害検出手段にて前記障害を検出すると、前記磁気エネルギー回生スイッチの入出力を短絡すべく、前記交流電源及び前記誘導性負荷間を迂回接続する迂回接続手段とを有することを特徴とする交流電源装置。
【請求項4】
前記障害検出手段にて前記障害を検出すると、同障害内容を報知出力する障害報知手段を有することを特徴とする請求項1,2又は3記載の交流電源装置。
【請求項5】
前記障害検出手段は、
前記負荷電圧が異常であるか否かを判定する負荷電圧判定手段を有し、
この負荷電圧判定手段にて前記負荷電圧が異常の場合、前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害として検出することを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の交流電源装置。
【請求項6】
前記障害検出手段は、
前記負荷電圧に対応した負荷電流が異常であるか否かを判定する負荷電流判定手段を有し、
この負荷電流判定手段にて前記負荷電流が異常の場合、前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害として検出することを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の交流電源装置。
【請求項7】
前記誘導性負荷は照明灯に相当し、
前記照明灯の調光量を測定する調光量測定手段を備え、
前記障害検出手段は、
前記調光量測定手段にて前記照明灯の調光量が異常であるか否かを判定する調光量判定手段を有し、
この調光量判定手段にて前記照明灯の調光量が異常の場合、前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害として検出することを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の交流電源装置。
【請求項8】
前記障害検出手段は、
前記磁気エネルギー回生スイッチ内部のコンデンサ電圧が異常であるか否かを判定するコンデンサ電圧判定手段を有し、
このコンデンサ電圧判定手段にて前記コンデンサ電圧が異常の場合、前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害として検出することを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の交流電源装置。
【請求項9】
前記障害検出手段は、
前記交流電源の電源電圧が異常であるか否かを判定する電源電圧判定手段を有し、
この電源電圧判定手段にて前記電源電圧が異常の場合、前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害として検出すると共に、
前記迂回接続手段は、
前記接続遮断手段にて前記交流電源及び前記磁気エネルギー回生スイッチ間の接続を遮断したとしても、前記電源電圧判定手段にて前記電源電圧が異常の場合、前記交流電源及び前記誘導性負荷間の迂回接続を禁止することを特徴とする請求項2記載の交流電源装置。
【請求項10】
前記交流電源の電源電圧が異常であるか否かを判定する電源電圧判定手段を有し、
前記迂回接続手段は、
前記電源電圧判定手段にて前記電源電圧が異常の場合、前記交流電源及び前記誘導性負荷間の迂回接続を禁止することを特徴とする請求項3記載の交流電源装置。
【請求項1】
誘導性負荷及び交流電源間に接続され、前記誘導性負荷を駆動する負荷電力を、前記交流電源の電源電圧から調整出力する磁気エネルギー回生スイッチと、この磁気エネルギー回生スイッチを制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、所望の負荷電力を、前記電源電圧から調整出力させるべく、前記磁気エネルギー回生スイッチを駆動制御する交流電源装置であって、
前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害を検出する障害検出手段と、
この障害検出手段にて前記障害を検出すると、前記交流電源及び前記磁気エネルギー回生スイッチ間の接続を遮断する接続遮断手段とを有することを特徴とする交流電源装置。
【請求項2】
前記接続遮断手段にて前記交流電源及び前記磁気エネルギー回生スイッチ間の接続を遮断すると、前記磁気エネルギー回生スイッチを経由することなく、前記交流電源及び前記誘導性負荷間を迂回接続する迂回接続手段を有することを特徴とする請求項1記載の交流電源装置。
【請求項3】
誘導性負荷及び交流電源間に接続され、前記誘導性負荷を駆動する負荷電力を、前記交流電源の電源電圧から調整出力する磁気エネルギー回生スイッチと、この磁気エネルギー回生スイッチを駆動制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、所望の負荷電力を、前記電源電圧から調整出力させるべく、前記磁気エネルギー回生スイッチを駆動制御する交流電源装置であって、
前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害を検出する障害検出手段と、
この障害検出手段にて前記障害を検出すると、前記磁気エネルギー回生スイッチの入出力を短絡すべく、前記交流電源及び前記誘導性負荷間を迂回接続する迂回接続手段とを有することを特徴とする交流電源装置。
【請求項4】
前記障害検出手段にて前記障害を検出すると、同障害内容を報知出力する障害報知手段を有することを特徴とする請求項1,2又は3記載の交流電源装置。
【請求項5】
前記障害検出手段は、
前記負荷電圧が異常であるか否かを判定する負荷電圧判定手段を有し、
この負荷電圧判定手段にて前記負荷電圧が異常の場合、前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害として検出することを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の交流電源装置。
【請求項6】
前記障害検出手段は、
前記負荷電圧に対応した負荷電流が異常であるか否かを判定する負荷電流判定手段を有し、
この負荷電流判定手段にて前記負荷電流が異常の場合、前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害として検出することを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の交流電源装置。
【請求項7】
前記誘導性負荷は照明灯に相当し、
前記照明灯の調光量を測定する調光量測定手段を備え、
前記障害検出手段は、
前記調光量測定手段にて前記照明灯の調光量が異常であるか否かを判定する調光量判定手段を有し、
この調光量判定手段にて前記照明灯の調光量が異常の場合、前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害として検出することを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の交流電源装置。
【請求項8】
前記障害検出手段は、
前記磁気エネルギー回生スイッチ内部のコンデンサ電圧が異常であるか否かを判定するコンデンサ電圧判定手段を有し、
このコンデンサ電圧判定手段にて前記コンデンサ電圧が異常の場合、前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害として検出することを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の交流電源装置。
【請求項9】
前記障害検出手段は、
前記交流電源の電源電圧が異常であるか否かを判定する電源電圧判定手段を有し、
この電源電圧判定手段にて前記電源電圧が異常の場合、前記磁気エネルギー回生スイッチに関わる障害として検出すると共に、
前記迂回接続手段は、
前記接続遮断手段にて前記交流電源及び前記磁気エネルギー回生スイッチ間の接続を遮断したとしても、前記電源電圧判定手段にて前記電源電圧が異常の場合、前記交流電源及び前記誘導性負荷間の迂回接続を禁止することを特徴とする請求項2記載の交流電源装置。
【請求項10】
前記交流電源の電源電圧が異常であるか否かを判定する電源電圧判定手段を有し、
前記迂回接続手段は、
前記電源電圧判定手段にて前記電源電圧が異常の場合、前記交流電源及び前記誘導性負荷間の迂回接続を禁止することを特徴とする請求項3記載の交流電源装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−219197(P2009−219197A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−58072(P2008−58072)
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)
【Fターム(参考)】
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