説明

交流駆動のための発光装置

第1の共通電極11、21と、互いに電気的に離隔された電極パッド14、24a、24bのセットを形成する、構造化された導電層12、22と、第1の共通電極11、21と構造化された導電層12、22との間に介挿された誘電層13、23と、第2の共通電極15、30と、複数の発光素子であって、各該発光素子は、電極パッド14、24a、24bのうち1つと第2の共通電極15、30との間に電気的に接続され、電極パッド14、24a、24bのうち該1つと、誘電層13、23と、第1の共通電極11、21とを有するコンデンサ18、31と直列に接続された、複数の発光素子16、20a、20bと、を有する、発光装置。該第1の共通電極と該第2の共通電極との間に交流電圧が印加されると、該発光素子は容量結合により電力供給され、電流制限をも提供する。該発光装置の動作の間、1つの発光素子における短絡障害は、同じコンデンサに接続された発光素子にしか影響しない。更に、短絡電流が該コンデンサにより制限される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交流(AC)駆動のための複数の発光素子を備えた発光装置、及び斯かる発光装置を有する照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)のような固体光源の明るさ、ルーメン効率(lumen efficacy)及び手頃さは、もはやニッチな市場に限られない新たな照明の用途を実現している。LEDは、長い寿命、優れた効率、低い動作電圧、デザインの柔軟性、より純粋なスペクトル色、高速な応答時間といった、従来の光源に対する幾つかの利点を提供している。
【0003】
これらの及びその他の理由のため、LEDは、可変色照明器具、スポットライト、LCDバックライト、建築照明、ステージ照明のような照明装置を作製するのに、ますます適したものとなっている。
【0004】
有機LED(OLED)のような多くの固体光源にとって、最も効率的な動作は、最適効率点における直流(DC)バイアスにより実現される。より高い明るさレベルのためには、当該点より高いバイアスが必要とされる。明るさは、振幅変調(AM)、又はLEDがデューティサイクルを持つ場合にはパルス幅変調(PWM)により、制御されることができる。しばしば、PWMがドライバにおける低い損失のために適用され、システム供給電圧の自由度をもたらす。
【0005】
幾つかの用途において、大面積をカバーする発光装置が必要とされる。多くのLEDはこの場合基板上に並列に接続されるか、OLEDの場合には、大面積をカバーする1つ若しくは幾つかのOLEDタイルが形成される。斯かる発光装置を駆動する場合には、短絡の発生が問題となる。なぜなら、システム全体が短絡し、大きな短絡電流の場合には光が発せられなくなるからである。電流はまた、望ましくない電力損失及び発熱に帰着する。
【0006】
従来、この問題は例えば、欠陥の可能性が十分に低いOLEDタイルを選択することによって対処されてきた。短絡の影響を低減及び/又は回復させるために、バーンイン(burn-in)手順及び逆バイアスも利用される。しかしながら、照明用途のためのOLEDにおける短絡の発生は、必要とされる大面積のため、及び十分な出力を持つ単純で低コストな技術のための努力のため、完全に回避することは困難となり得る。
【0007】
米国特許US7,052,473は、コンデンサと直列な逆並列に接続された2つのLEDを用いた、LEDの交流(AC)駆動を提案している。電流サイクル毎に、限られた量の電荷がLEDを通され、照明のフラッシュに帰着する。該電荷はコンデンサに蓄えられ、電流を止める。該電荷は次のサイクルのために利用可能であり、再び利用される。該逆並列ダイオードは、電荷の逆流を保証する。この場合、完全な二重相動作が確実にされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、複数の発光素子を持つ発光装置であって、該発光素子の1つ又は幾つかにおいて発生する短絡が限られた影響しか性能に与えない発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本目的及び他の目的は、第1の共通電極と、互いに電気的に離隔された電極パッドのセットを形成する、構造化された導電層と、前記第1の共通電極と前記構造化された導電層との間に介挿された誘電層と、第2の共通電極と、を有する発光装置により達成される。各前記発光素子は、前記電極パッドのうち1つと前記第2の共通電極との間に電気的に接続され、前記電極パッドのうち1つと、前記誘電層と、前記第1の共通電極とを有するコンデンサと直列に接続された、複数の発光素子と、を有する。
【0010】
本発明によれば、例えばLEDのような発光素子と直列接続されたコンデンサを提供するため、薄膜層(即ちマイクロメートルのオーダの厚さ)が利用される。2つの導電層の間に、これら層の間の容量結合を生成するための誘電層が介挿される。これら層のうち一方はこのときパッドへと構成され、複数の独立して接続されたコンデンサを形成する。発光素子はこのとき、該パッドと共通電極との間に接続され、各発光素子が該コンデンサの1つと直列接続されるようにされる。
【0011】
第1の共通電極と第2の共通電極との間に交流電圧が印加されると、発光素子は容量結合を通して電力供給され、電流制限をも提供する。発光装置の動作の間、1つの発光素子における短絡障害は、同じコンデンサに接続された1つの発光素子にしか影響しない。更に、短絡電流は、当該コンデンサによって制限されることとなる。
【0012】
該コンデンサはサイクル毎に充電/放電され、従って電荷の損失は起こらず、電力損失は小さい。いずれの短ピーク電流も、導電層における抵抗の両端に小さな抵抗電力損失IRをもたらす。
【0013】
各コンデンサの静電容量は、誘電層の厚さ、該誘電層の誘電率、及び各パッド電極の面積により決まる。各回路を通る電流は、当該静電容量、印加される電圧、及び周波数により決まることとなる。誘電キャリア層のための典型的な物質及び典型的な厚さを用いると、kHzのオーダの適切な周波数が得られる。
【0014】
発光素子の1つ又は幾つかが1つよりも多いパッドに接続されても良く、斯かる電極パッドの各々が、別個のコンデンサの一部を形成しても良いことは、留意されるべきである。斯かる設計は、経済的な利点をもたらし得る。
【0015】
第2の共通電極は、電極パッドを囲む電極メッシュを有しても良い。この場合、各電極パッドの少なくとも一部は、該電極メッシュに隣接しても良い。例えば、各パッド又はパッドの群が、該メッシュに囲まれていても良い。このことは、パッドがメッシュに隣接している場所における発光素子の接続を可能とし、斯くして長い接続線又はトラックを回避する。接続線又はトラックを短く保つことにより、装置が適宜切り離されたときに、特定の発光素子がアクティブになる見込みが増大する。
【0016】
発光素子は、半導体LED、小分子有機OLED及び高分子有機OLEDを含む、発光ダイオードであっても良い。この場合、複数のLEDは、パッドの1つに接続された陰極を持つ第1の群と、パッドの1つに接続された陽極を持つ第2の群とを含んでも良い。斯かる設計は、正電圧が印加されたときに一方の群のLEDが起動され、負電圧が印加されたときに他方の群のLEDが起動されることを可能とする。このことは、交流電力の効率的な利用を可能とし、LEDの一方の群が常にアクティブであることを確実にする。
【0017】
各パッドは、逆並列に接続されたLEDの対に接続されても良く、ここで該対は、前記第1の群からの1つのLEDと、前記第2の群からの1つのLEDとを含む。このことは、各コンデンサを通る交流電流が、種々のLEDを起動するために効率的に利用されることを確実とする。
【0018】
本発明による装置は、発光素子における短絡の存在を許容する。関連する短絡電流及び光の損失は、発光素子の1つの部分に制限される。このことは、発光素子が、発光ダイオードのように、発光特性が該装置を通る電流に依存するようなものである場合に、特に有利である。本発明による装置は斯くして、共通電力(電圧)源により駆動される複数のLEDを持つ、いずれの発光装置に対しても適している。具体的な一例は、有機層における短絡の存在を完全に回避することが極めて困難であり高価なものとなる、OLED用途である。
【0019】
OLED用途の場合、第1の共通電極により形成されるキャリア、誘電層、及びパッドは、基板として機能することができ、その上にOLEDを形成する有機層が配置される。該有機層は、1つのOLEDが各パッドの上に形成されるように、パッドと整合される必要がある。更に、OLEDの極性は、交番して配置される必要がある。この場合、発光装置の全体が、層構造を持つ。
【0020】
更に、多くの場合において、照明装置が適宜切り離されること、即ち該装置のサイズ及び形状が容易に変更されることができ、いずれの部屋にもフィットし、多くの目的のために機能できるようにすることが望ましい。斯かる照明装置の複雑な一例は、米国特許出願公開US2005/0251698に記載されている。この目的のためキャリアは、例えば適切な物質及び厚さの種々の層を形成することにより、共通電極層、構造化された電極層及び切り離されるのに適した物質により形成された誘電層から構築される。導電層及び中間誘電体を有するキャリア全体は、容量結合を破壊することなく、いずれの形状及びサイズ(文字及び図形のようなものであっても)にも切り離されることができる。
【0021】
本発明の実施例によれば、先行技術の適宜切断可能な照明装置に必要とされるジャンパ、ビア、並列コネクタ等の必要がない。該装置はそれ故、コスト効率良く製造することが容易である。
【0022】
本発明による発光装置は、小型の低電圧電源と組み合わせられ、標識、室内装飾、学校、装着可能な電子部品及びフォトニック織物のような種々の市場に利用可能な製品を形成し得る。有利であると認識される場合には、ランプに特定の光学的機能を与えるため、拡散器、レンズ、コリメータ等のような特定の光学的構成要素を備えても良い。
【0023】
該発光装置は、照明器具、即ち物体又は周囲を照明することを意図された装置において、特に有用となり得る。
【0024】
本発明は、請求項に記載された特徴の全てのとり得る組み合わせに関することに留意されたい。
【0025】
本発明のこの態様及びその他の態様は、本発明の現在好適な実施例を示す添付図面を参照しながら、より詳細に以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】先行技術のLEDアレイの回路図を示す。
【図2(a)】本発明の第1の実施例による発光装置を製造する種々のステップを示す。
【図2(b)】本発明の第1の実施例による発光装置を製造する種々のステップを示す。
【図2(c)】本発明の第1の実施例による発光装置を製造する種々のステップを示す。
【図3】図2cにおける装置の回路図を示す。
【図4】本発明の第2の実施例による発光装置の模式的な斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、米国特許US7,052,473により接続された複数のLEDを持つAC駆動のための発光装置の回路図を示す。コンデンサ1はそれぞれ、逆並列のLED2の対と直列に接続される。図1から、1つの逆並列に接続された隣接するLEDを除いて、いずれのLEDも、他のLEDの機能に影響を与えることなくマトリクスから取り外され得ることが明らかである。しかしながら、LEDの各対が各々の電線の対を必要とするため、多くのLEDを持つ装置については困難で高価な手法である。
【0028】
本発明の第1の実施例による発光装置5を製造する工程が、図2a乃至cを参照しながら、以下に説明される。
【0029】
まず、図2aにおいて、キャリア10が3枚の層、即ち第1及び第2の導電層11及び12並びに中間誘電層13により形成される。誘電層13は、高い誘電率を持つ薄膜層の形を有しても良い。この種のキャリア10は、回路基板を製造するために利用される従来の手法を用いて製造され得る。キャリア10は明らかに、これら3枚の層に加え付加的な層を有しても良く、該付加的な層は例えば、該キャリアが構造的な強度を必要とする場合には構造支持層であっても良いし、該キャリアが物理的な応力にさらされ得る場合には保護カバー層であっても良い。
【0030】
第1の導電層11は、共通電極を形成する。図2bに示されるように、第2の導電層12は、エッチングのような従来の手法を用いて構築される。該層は、互いから離隔され且つ周囲の電極メッシュ15からも離隔された、複数の電極パッド14へと構造化される。図示された実施例においては、これらパッドは、それぞれが完全にメッシュにより囲まれているが、代替として2つ以上のパッドが互いに隣接して群とされ、該群全体がメッシュにより囲まれても良い。しかしながら、各パッドの端の少なくとも一部が、メッシュに沿って延在することが有利である。
【0031】
図2cにおいて、発光素子16は、各パッドとメッシュとの間に接続されている。図示された例においては、該発光素子は発光ダイオード(LED)であり、LED17a及び17bの対が、各電極パッド14とメッシュ15との間に並列に接続されている。一方のLED17aは、陽極がパッド14に接続され、陰極がメッシュ15に接続されており、他方のLED17bは、陰極がパッド14に接続され、陽極がメッシュ15に接続されている。
【0032】
各LED対17a、17bは斯くして、1つの電極パッド14、誘電層13及び共通電極11により形成されるコンデンサ18と直列接続される。換言すれば、各パッドは、別個のコンデンサ18の一方の端子を形成し、複数の他のコンデンサと共通した他方の端子を持つ。
【0033】
LEDは一方向にのみ電流の流れを許容するため、該回路は、1つのLEDのみがコンデンサに直列接続された場合には動作しない。勿論、いずれかの他のタイプのダイオード又は抵抗と並列接続されることも可能であるが、斯かる設計は低下した効率及び付加的なコストをもたらす。2つの逆並列LEDを用いることにより、交番する電源の各半分のサイクルの間にLEDの一方が光を発生し、基本的に全電流が光の生成に寄与することとなる。
【0034】
交流電圧19が底部導電層11とメッシュ15との間に印加された場合、交流電流が各コンデンサに流れることとなり、全てのLEDが起動されることとなる。LEDの逆並列の接続により、第1の群のLEDは電流が第1の方向に流れているときに起動され、第2の群のLEDは電流が第2の方向に流れているときに起動される。
【0035】
該コンデンサは電流制限器として機能し、キャリアは機能に影響を与えることなく適宜切り離されることができる。結果の回路図は、図3に示される。該回路は図1における回路と機能的に同等であることが、容易に認識される。
LEDを流れる交流電流は、コンデンサのインピーダンスにより制限され、
【数1】

より算出されることができ、ここでIは有効電流、Uは有効電圧、fは駆動周波数、Cは各コンデンサの静電容量である。静電容量Cは、各パッドの面積、誘電層の厚さ、及び誘電体の誘電率に依存する。
【0036】
十分な動作条件を確実にするため、所望の電圧レベルのために十分な電流が得られる必要がある。この目的のため、各コンデンサ18の静電容量及び駆動周波数は、必要とされる駆動電流を得るため、利用可能な電圧に合致させられる必要がある。それ故、各コンデンサ18の静電容量として望ましい値は、短絡電流を最小化することと、所与の供給電圧に対する光出力を最大化することとの間でのトレードオフである。
【0037】
従来の回路基板製造工程における典型的な厚さは、10乃至50μmである。それ故、約3乃至6の比誘電率(ε)を持つ高価でない誘電材料を用いると、静電容量はかなり低くなる。例えば、約10Vの典型的な駆動電圧を仮定すると、約0.3mA/cmの周辺の十分な駆動電流を得るためには、例えば50乃至100kHzの比較的高い駆動周波数が必要とされることとなる。しかしながら、高い誘電率、高い駆動電圧、及び広いパッド面積に対しては、利用可能な電流が比例して増大する。鋸歯状、矩形波等のような非正弦波のAC信号も適用され得ることは明らかである。
【0038】
この目的のため、D級増幅器において従来利用されている手法が適している。斯かる増幅器は、極めて高い電気効率を持ち、非常にコスト効率が良いため、当該切り離され得るランプのためのドライバとして動作するには非常に適している。
【0039】
上述したように、発光素子16は、半導体LEDであっても良い。代替としては、該発光素子は有機LEDであっても良い。
【0040】
特にOLED実装に適した本発明による更なる実施例が図4に示され、2つの逆並列のOLED20a、20bを示している。
【0041】
図4に示されるように、照明装置5'はここでもまた、第1及び第2の導電層21、22と、中間誘電層23とを有している。しかしながら、第2の導電層22はここでは、周囲のメッシュを伴うことなく、単にパッド24a、24bに分割されている。その代わり、パッド24a、24bは基板として機能し、該基板に有機層26、27が装着され、OLED20a、20bを形成している。これら有機層は典型的には、正孔注入層26(例えばPEDOT)及び発光層27(例えばPPV)を有する。有機層26、27はパッドと整合され、1つのOLEDが各パッドの上に形成されるようにされる。各OLEDの上部の有機層27の上には、最終導電層が装着され、ダイオード陰極28a、28bを形成する。
【0042】
2つのOLEDを逆並列に接続するため、第1の導電層21もが構成され、逆並列のLEDの各対における1つのOLEDの下に延在する電極25を形成する。例えば、電極25は、OLEDの列の下に延在しても良い。更に、第1の相互接続要素29が、電極25の上に配置されたOLEDのパッド24aを他方のOLEDの上部端子28bに接続するように構成され、第2の相互接続要素30が、電極25の上に配置されたOLEDの上部端子28aを第2のOLEDのパッド24bに接続するように構成される。結果として、逆の極性を持って並列に接続され、且つパッド24aと電極25との間の誘電層23により形成されるコンデンサと直列に接続された、OLEDの対が形成される。
【0043】
電圧源32は、第1の共通電極を形成する第1の導電層21と、第2の共通電極を形成する相互接続要素30との間に接続される。
【0044】
代替の実施例においては、誘電層23が、ダイオードの1つのみの下に延在するように構成される。この場合には、導電層21は、電極25へと構成される必要がない。
【0045】
図4において示された実施例においては、同じ層の積層順に従って、即ち層27が層26の上にあるように、両方のダイオードが同時に構成される。代替の実施例においては、有機層26及び27は、パッド24a及び24bの上に逆の順序で積層される。このことは、物質除去(エッチング、アブレーション等)及び物質付着(印刷、回転成形、蒸着等)の適切な技術により実行され得る。この場合、相互接続要素29、30は必要とされない。更に、導電層21も誘電層23も構成される必要がない。
【0046】
小分子OLED技術による実装も可能であり、ここでは層26及び27が、典型的には発光層と組み合わせられた正孔電子注入遮断層の組み合わせから成る、積層により置き換えられる。層26、27が1つの層へと結合された単一層の方法も可能であり、ダイオード挙動は層22、28a及び28bにおける物質の適切な選択により得られる。
【0047】
OLED層26における短絡の予測される可能性(時に面積単位毎のOLED「短絡密度」と呼ばれる)に依存して、コンデンサの数は、非機能的領域の最小の損失を実現するために十分に大きく選択されるべきである。このことは、障害部分(1つのコンデンサに接続されたOLED)が、大きな短絡電流を追加せず、且つ光出力を大きく低下させないように、十分に小さいこと確実にする。例えば、100個の予期される短絡を持つ所与のOLEDタイルは、該タイルが1000個の部分に分割される場合(2000個の「画素」に対応する)、依然として最大の性能の90%で動作する。
【0048】
当業者は、本発明は以上に説明された好適な実施例に決して限定されるものではないことを理解するであろう。逆に、添付される請求の範囲内で、多くの変更及び変形が可能である。例えば、電極パッドの形状及び配置が変更されても良く、発光素子の向き及び分布も変更され得る。また、発光素子は必ずしも発光ダイオードである必要はない点に留意されたい。逆に、本発明による発光装置における使用のために、種々の発光素子が適し得る。最後に、本発明はACエレクトロルミネセンス(EL)システムにも適用可能であることは、留意されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の共通電極と、
互いに電気的に離隔された電極パッドのセットを形成する、構造化された導電層と、
前記第1の共通電極と前記構造化された導電層との間に介挿された誘電層と、
第2の共通電極と、
複数の発光素子であって、各前記発光素子は、前記電極パッドのうち1つと前記第2の共通電極との間に電気的に接続され、前記電極パッドのうち1つと、前記誘電層と、前記第1の共通電極とを有するコンデンサと直列に接続された、複数の発光素子と、
を有する、発光装置。
【請求項2】
前記発光素子の少なくとも1つは、前記電極パッドのうちの幾つかと前記第2の共通電極との間に電気的に接続され、斯かる電極パッドのそれぞれが、別個のコンデンサの一部を形成する、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記第2の共通電極は、前記電極パッドを囲む前記導電層の一部を形成する電極メッシュを有する、請求項1又は2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記第2の導電層は、各前記電極パッドの少なくとも一部が前記電極メッシュに隣接するように構成される、請求項3に記載の発光装置。
【請求項5】
各前記発光素子は、第1の端子が前記電極パッドのうちの1つに接続され、第2の端子が前記電極メッシュに接続され、前記電極パッドのうちの1つ、前記誘電層及び前記共通電極により形成されるコンデンサと直列に接続される、請求項3又は4に記載の発光装置。
【請求項6】
前記複数の発光素子は、前記電極パッドのうちの1つに接続された陽極を持つ発光ダイオードの第1の群と、前記電極パッドのうちの1つに接続された陰極を持つ発光ダイオードの第2の群とを含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項7】
各前記電極パッドは、逆並列に接続された発光ダイオードの対に接続され、前記対は、前記第1の群からの1つの発光素子と、前記第2の群からの1つの発光素子とを含む、請求項6に記載の発光装置。
【請求項8】
前記発光素子は有機発光ダイオードである、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項9】
前記構造化された導電層は基板として機能し、該基板の上に前記有機発光ダイオードを形成する有機層が装着される、請求項8に記載の発光装置。
【請求項10】
前記第1の導電層、前記構造化された導電層及び前記誘電層は、切り離されることが可能な発光装置を形成するように、切断されるのに適した物質により形成される、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項11】
前記第1の共通電極と前記第2の共通電極との間に交流電圧を供給するように接続された、交流電圧電源を更に有する、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか一項に記載の発光装置を有する照明器具。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−524622(P2011−524622A)
【公表日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−514168(P2011−514168)
【出願日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際出願番号】PCT/IB2009/052494
【国際公開番号】WO2009/153715
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】