説明

人体検査のための改善された保安システム

本発明は、人間の衣類の下や人体に隠された金属や原子番号Zが小さい物質(プラスチック、セラミックス、違法薬物)や他の禁制品を検出するために、すばやく人間を検査することができるX線人体検査システムを対象とする。1つの例としての実施形態において、対象物検出システムは、2つの走査モジュールが互いに平行に対向配置されている。2つのモジュールは、人間等の被検者が2つのモジュールの間に立ったり2つのモジュールの間を通ったりすることができるように、間隔を空けて配置されている。第1モジュール、及び、第2モジュールは、それぞれX線などの放射線源と検出器列とを有している。検査中の被検者は、被検者の前側が一のモジュールに対向し、かつ、後側が他のモジュールに対向するようにして2つのモジュールの間に立つ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2007年12月25日に出願された同一の名称の米国特許出願番号61/016,590号に基づく。
【0002】
本発明は、人体を検査するためのX線検査システムの分野に関する。より具体的には、第1モジュールと第2モジュールとを用いて、被検者を回転させることを要せず被検者の前側と後側とを、順番あるいは同時に検査する検査システムに関する。更に、本発明は、a)被検者からの後方散乱画像信号と、b)検査中に被検者に当たらなかったX線により生成された影画像信号との両方から画像を生成するために第1モジュールと第2モジュールとを用いる検査システムに関する。
【背景技術】
【0003】
現在の保安システムは、禁制品、武器、爆発物、衣類の内側に隠されたその他の危険物を検出することに能力が限定されている。金属探知機や化学薬品嗅覚探知機は、通常では、大きな金属体の検出や、ある種の爆発物の検出に用いられる。しかし、危険物によっては広範囲にわたるものが存在し、これらの装置では、そういった危険物を検出することはできない。プラスチック製やセラミック製の武器は、警備担当者が検出することが必須とされている非金属体である。現存するシステムは、このような物を良好に検出しない。また、手作業による検査は遅く、不便であり、例えば、空港の標準的な手続において、一般には許容されない。
【0004】
人体に隠された対象物を検出するためのX線システムは、従来より実在し、放射線被ばく、走査速度、及び、画質のそれぞれの点において改善化可能である。例えば、本発明の譲受人に譲渡され、参照されることによりここに組み込まれる米国特許第5,181,234号(以下「特許234」とする)には、検査される人体の表面を走査するX線のペンシルビームが記載されている。被検者の体から散乱、又は、反射されたX線は検出器によって検出される。そして、この散乱X線検出器によって生成された信号は、画像表示デバイスを調整するために用いられ、被検者と、被検者に運ばれた全ての隠された対象物との画像を生成する。検出品は、低い原子番号(Z)からなる隠された対象物の画像の輪郭を自動的かつ均一に強調するように構成されることにより、当該対象物の検出を容易にしている。ストレージ手段は、現在の画像との類似性についての相違点を分析するために、以前に得られた画像が現在の画像と比較されるように提供されており、さらに、被検者のプライバシーの侵害を最小とするために被検者の人体構造的な特徴を抑えつつ、検査される体の一般的描写を作り出すための手段を提供している。しかしながら、上述したように、システムは、フルスキャンのために、被験者に少なくとも2つの姿勢をとることを要求する。2つの姿勢をとることを要求しても、隠れた領域に起因して、被検者のある領域は捕捉できないかもしれない。加えて、特許234の走査システムは、検出器の配列位置に起因して、後方散乱された放射線のみを検出可能である。この特許は、参照することによりここに組み込まれる。
【0005】
更に、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第6,094,472号(以下「特許472」とする)には、被検者を検査して隠された対象物を探し出すためのX線後方散乱画像システムを用いた方法が記載されている。当該方法は、入口と出口とを有する通路内で被検者を移動させる工程と、通路内に入ってきた被検者に対して少なくとも1つのX線源の動作を開始する工程と、通路内の多数の走査位置において走査領域に照射する低線量のX線のペンシルビームを生成する工程と、X線のペンシルビームで走査領域を走査する工程と、通路を前方に移動する被検者に略連動しながら、各走査位置に対するX線のペンシルビームを追跡する工程と、多数の走査位置のうちの各走査位置に位置したときに、被検者との相互作用の結果によりペンシルビームから後方散乱されたX線を検出する多数の検出器を用いる工程と、検出された後方散乱されたX線のデジタル画像を表示する工程とを有している。特許472は、特許234と同様の不都合を有している。即ち、検出器と放射線源との配列位置より後方散乱された放射線のみを検出すること、及び、システムの通路内を被検者が移動することを要する。このため、被検者の動きに因る検出を複雑なものとしている。この特許は、参照することによりここに組み込まれる。
【0006】
更に、ロビンソンに対して発行された米国特許公報第6,393,095号(以下「特許095」とする)には、サンプル中の不良を検出する方法が記載されている。当該方法では、サンプルの一対の立体的画像が生成され、一の画像が他の画像から取り除かれ、二次元画像が得られる。当該得られた二次元画像は、高品質の二次元画像と比較される。ここで、高品質の二次元画像は、高品質のサンプルから同一の方法で生成されたものである。2つの画像が一致すれば、サンプルと、高品質のサンプルとが一致することを意味し、2つのサンプルが異なれば、サンプルと高品質のサンプルとが異なることを意味する。しかしながら特許095は、画像を合成するのでなく、得られた画像を取り除く方法を用いている。この特許は、参照することによりここに組み込まれる。
【0007】
上述のシステムでは、人間の検査において効果的であるが、全体の処理能力が低く、数回の走査又は画像収集の工程を要する。更に、検査場所において常に確保することはできないような広大な操作スペースを必要とする。
【0008】
従って、走査を追加して行うために被験者が回転したり歩いたりすることを要求することなく、人体の前側と後側との両方を走査することができ、全体の処理能力を比較的高くすることができる比較的コンパクトな人体検査システムが必要である。
【0009】
更に、従来型の人体検査システムは、一般に、画質とプライバシーという競合する対象
に注力しており、通常、これら2つのうちいずれかが犠牲にされている。従って、より良い輪郭強調により高品質の画像を提供し、プライバシーを侵害することなく禁制品を検出する、後方散乱画像の信号と影画像の信号との合成を用いた人体検査システムが必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許公報第5,181,234号
【特許文献2】米国特許公報第6,094,472号
【特許文献3】米国特許公報第6,393,095号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
一の実施形態において、人体によって運ばれる隠された物を検出するイメージング装置であって、前記イメージング装置は、第1のモジュールと、第2のモジュールと、処理装置と、表示部とを有し、前記第1のモジュールは、第1のX線源と、第1の検出部とを有し、前記第1のX線源は、前記人体に向けてX線の第1のペンシルビームを生成し、前記第1の検出部は、前記第1のX線源による走査の結果として前記人体から散乱されたX線の強度を表す信号を供給し、前記第1の検出部は、前記人体に対して前記第1のX線源と同じ側に配置され、前記第1の検出部は、前記第1のX線源によって走査された結果として前記人体から散乱された前記X線の一部と、送出されたX線の一部とを受信する動作領域を有し、第2のX線源は、前記人体に向けてX線の第2のペンシルビームを生成し、前記第2の検出部は、前記第2のX線源による走査の結果として前記人体から散乱されたX線の強度を表す信号を供給し、前記第2の検出部は、前記人体に対して前記第2のX線源と同じ側に配置され、前記第2の検出部は、前記第2のX線源によって走査された結果として前記人体から散乱された前記X線の一部と、前記第1のモジュールより送出されたX線の一部とを受信する動作領域を有し、前記処理装置は、前記第1の検出部と、第2の検出部とから生成された検出信号を処理して少なくとも一つの画像を形成し、前記表示部は、操作者に前記少なくとも一つの画像を提示することを特徴とする。
【0012】
また、イメージング装置は、4つの壁を有する筐体をさらに有し、少なくとも1つの天井と、感圧センサーを備えた少なくとも1つの床とを有し、当該感圧センサーは、処理装置に走査を開始する信号を送出することを特徴とする。また、前記処理装置は、プログラムで制御できるコードを処理することにより、前記第1のモジュールは、前記第2のX線源が停止している間に、人体を走査することを特徴とする。さらに、前記処理装置は、プログラムで制御できるコードを処理することにより、前記第2のモジュールは、前記第1のX線源を停止している間に、人体を走査することを特徴とする。また、前記処理装置は、プログラムで制御できるコードを処理することにより、前記第1のモジュール、または、前記第2のモジュールを垂直に移動させることを特徴とする。また、前記垂直方向の移動は協調していることを特徴とする。また、前記第1のモジュールは、前記第2のモジュールと互換性があることを特徴とする。また、前記処理装置は、プログラムで制御されるコードを処理し、前記コードは、前記第1のX線源によって走査された結果として前記人体によって散乱されたX線の強度を示す第1の検出部からの信号と、前記第2のX線源によって走査された結果として前記人体によって散乱されたX線の強度を示す第2の検出部からの信号とを用いて前記画像を生成することを特徴とする。また、処理装置は、プログラムで制御されるコードを処理し、前記コードは、前記第2のX線源によって走査された結果として人体によって散乱されたX線の強度を示す第2の検出部からの信号と、前記第1のX線源によって走査された結果として前記人体によって散乱されたX線の強度を示す第1の検出部からの信号とを用いて前記画像を生成することを特徴とする。
【0013】
また、前記処理装置は、プログラムで制御されるコードを処理し、前記コードは、前記第1のモジュールから送出されたX線の強度を示す信号を用いて前記人体の影の画像を生成することを特徴とする。また、前記処理装置は、プログラムで制御されるコードを処理し、前記コードは、前記第2のモジュールから送出されたX線の強度を示す信号を用いて前記人体の影の画像を生成することを特徴とする。また、前記第1のモジュールと、前記第2のモジュールとは連続して前記人体を走査することを特徴とする。また、前記第1のモジュールと前記第2のモジュールとは同期して垂直に移動して、前記第1の検出器列は後方散乱画像信号を捕捉し、同時に、前記第2の検出器列は、送出された信号のうち、前記人体によって吸収も後方散乱もされない信号を捕捉することを特徴とする。また、前記第1のモジュールと、前記第2のモジュールとは同期して垂直に移動して、前記第2の検出器列は後方散乱画像信号を捕捉し、同時に、前記第1の検出器列は、送出された信号のうち、前記人体によって吸収も後方散乱もされない信号を捕捉することを特徴とする。また、前記第1の検出器列、および、前記第2の検出器列によって生成された信号は、同期信号と共に前記処理装置に送られることを特徴とする。
【0014】
別の実施形態において、人体によって運ばれる隠された物を検出するイメージング装置であって、前記イメージング装置は、第1のモジュールと、第2のモジュールと、処理装置と、表示部とを有し、前記第1のモジュールは第1のX線源と、第1の検出部とを有し、前記第1の検出部は、前記人体に対して前記第1のX線源と同じ側に配置され、前記第1の検出部は、前記第1のX線源によって走査された結果として前記人体から散乱された前記X線の一部と、送出されたX線の一部とを受信する動作領域を有し、前記第2のモジュールは、第2のX線源と、第2の検出部とを有し、前記第2の検出部は、前記人体に対して前記第2のX線源と同じ側に配置され、前記第2の検出部は、前記第2のX線源によって走査された結果として前記人体から散乱された前記X線の一部と、第1のモジュールから送出されたX線の一部とを受信する動作領域を有し、前記第1のモジュールと第2のモジュールとは互いに平行であり、前記処理装置は、前記第1の検出部と、前記第2の検出部とから生成された検出信号を処理して少なくとも一つの画像を形成し、前記制御装置はプログラムで制御されるコードを処理し、前記コードは、前記第1のX線源が走査された結果として前記人体によって散乱されたX線の強度を示す第1の検出部からの信号と、前記第2のX線源が走査された結果として前記人体によって散乱されたX線の強度を示す第2の検出部からの信号とを用いて前記画像を生成し、前記表示部は、操作者に前記少なくとも一つの画像を提示することを特徴とする。
【0015】
また、前記第1のモジュールと、前記第2のモジュールとは連続して前記人体を走査することを特徴とする。また、前記第1のモジュールと、前記第2のモジュールとは同期して垂直に移動して、前記第1の検出器列が後方散乱画像信号を捕捉している間に、前記第2の検出器列は、送出された信号のうち、前記人体によって吸収も後方散乱もされない信号を捕捉することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0016】
上記の本発明の特徴、及び、長所は、添付の図面と関連して、後述の詳細な説明を参照することにより理解される。
【図1】本発明の検査システムの側面図であり、さらに、検査中の被検者の位置を図示している。
【図2a】本発明の検査システムの側面図であり、さらに、第1モジュールによる走査中の被検者を図示している。
【図2b】本発明の検査システムの側面図であり、さらに、第2モジュールによる走査中の被検者を図示している。
【図3】X線の水平走査ペンシルビームを発生させるための機械的手段の一の実施形態の図である。
【図4a】X線の垂直走査ペンシルビームを発生させるための機械的手段の一の実施形態を図示している。
【図4b】X線の垂直走査ペンシルビームを発生させるための機械的手段の一の実施形態を図示している。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、人間の衣類の下や人体に隠された金属や原子番号Zが小さい物質(プラスチック、セラミックス、違法薬物)や他の禁制品を検出するために、すばやく人間を検査することができるX線人体検査システムを対象とする。
【0018】
1つの例としての実施形態において、本発明は、2つの走査モジュールが互いに平行に対向配置された対象物検出システムを対象とする。2つのモジュール(以下、第1モジュール、及び、第2モジュールとする)は、人間等の被検者が2つのモジュールの間に立ったり2つのモジュールの間を通ったりすることができるように、間隔を空けて配置されている。第1モジュール、及び、第2モジュールは、それぞれX線などの放射線源と検出器列とを有している。検査中の被検者は、被検者の前側が一のモジュールに対向し、かつ、後側が他のモジュールに対向するようにして2つのモジュールの間に立つ。
【0019】
一の実施の形態では、モジュールは、被検者を前から後ろにかけて連続的に走査する。連続的に走査された画像は、被検者の完全な画像を生成するために合成される。従って、本発明は、被検者が一箇所に立っているときに、検査中の被検者の前と後ろの画像が生成される人体検査システムを対象としている。更に連続的に走査を行うことは、2つのモジュールからの走査のためのX線ビームが確実に互いに干渉しないようにしている。その上、本発明による検査システムは、各放射線源に対向する検出器列を配置し、後方散乱された放射線、及び、放射された放射線(被検者の影)の両方を検出することで、画質を向上させている。更に、検出された被検者の後方散乱放射線より生成された画像、及び、影により生成された画像は、合成され、更に画質を向上させる。
【0020】
一の実施形態では、輪郭強調を行いながら、同時に、画像解釈において混乱を生じさせる内部の生体構造の輪郭を抑制する。
【0021】
別の実施形態では、記憶手段が提供される。当該記憶手段により、前回得られた画像が今回の画像と比較され、今回の画像における変化を解析している。
【0022】
本発明は、検査対象である人体を人間以外のもので描写する表現物を作成する手段を提供することで、プライバシーの侵害を減じながら、迅速な検査を可能にしている。本発明の一の実施形態は、検出されることが望まれる対象物の表示を得るために、被検者の実際の体の画像を見ることをオペレータに要求しない。むしろ、人体に対する隠された対象物の相対的な位置を示すために、一般的な体の輪郭線、または、型(template)が用いられる。これは、好ましくないプライバシーの侵害に関する懸念を可能な限り和らげる。これらの技術は、「プライバシーを向上させて人格権を保証する検査システム」との名称が付され、2008年2月2日に出願され、係属中の米国特許出願第12/204,320号において詳述されている。この特許は、参照することによりここに組み込まれる。
【0023】
ここに開示されている好ましい実施の形態に対して様々な変形を行うことは、当業者であれば自明のことである。また、ここに説明する開示は、本発明及び添付の特許請求の範囲の精神および範囲から逸脱しない限り、他の実施形態、及び、応用に適用可能である。本発明の実施形態について詳述する。この明細書中で用いられる言葉は、特定の実施形態を否定すると解釈されてはならず、また、明細書中で用いられている用語の意味を超えて請求項を限定するために用いられてはならない。
【0024】
図1は本発明の検査システム100の側面図であり、検査時における被検者104の位置を示している。一の実施形態において、検査システム100は、4つの壁(その内の2つは102a及び102bで示されている)、天井102e、及び、床135を有する筐体102を任意的な構成で有している。このような筐体は一つの例であり、また、適切な筐体であればどのようなものを用いてもよいことは当業者にとって理解可能である。例えば、このような例に限定されず、筐体は、天井を有さなかったり、少なくとも1つの壁を有さなかったりしてもよい。筐体102は、X線画像システム100の素子を収容しており、筐体、又は、画像システムを通して入口点から出口点まで延びる通路を形成するように設計されている。
【0025】
一の実施形態では、X線画像システム100は、第1モジュール105と第2モジュール110とを有している。一の実施形態では、検査対象である被検者104は、筐体102における2つのモジュール105,110の間に立ち、第1モジュール105及び第2モジュール110によって連続して走査される。これにより、被検者104の前側、及び、後側の完全な検査が行われ、隠された武器や禁制品が調べられる。
【0026】
一の実施形態では、第1モジュール105は第2モジュール110と互換性をもって設計されており、放射線源108と検出器列106とを有している。同様に、第2モジュール110は、放射線源113と検出器列111とを有している。互換性は必須ではないが、モジュール105、110の製造における簡素化を含む様々な理由により、システム100に望まれる特徴である。他の実施形態では、図1に示されるように放射線源108、113が直接対向する位置に配置されており、モジュール105はモジュール110の「ミラー」バージョンとして設計されている。
【0027】
更に、検査システム100は、コンピュータプロセッサ115を備えたプロセッサシステムを有している。コンピュータプロセッサ115は、第1モジュール105、及び、第2モジュール110からの入力である検出されたX線を処理して、当該入力から表示画像を生成し、検出されたX線から得られた画像をモニタ120へ供給する。プロセッサアセンブリは筐体102の一部として提供されてもよいし、又は、当業者に知られている適当なケーブルや無線接続を用いて遠隔設置されていてもよい。
【0028】
本発明の検査システムの一の実施形態では、被検者104が前を向いて第1モジュール105を見ているときに、第1モジュール105の放射線源108は、検査中の被検者104の前側に入射するX線を放射する。入射したX線は、被検者に到達し、当該X線のいくらかは後方散乱し、続いて第1モジュール105の検出器列106に受信される。これにより、被検者104の前側の画像を生成する。被検者104によって吸収も後方散乱もされない入射したX線は、第2モジュール110に配置された検出器列111によって受信される。このようにして、検出器列111は、第1モジュールからのX線放射線を受信し、当該受信したX線放射線は、被検者104の透過画像または影の画像を生成するために処理される。第1及び第2モジュール105、110の両方の検出器106、111からのデータは、被検者の前側の画像を再現するために合成される。
【0029】
同じような方法で、第2モジュール110の放射線源113は、検査中の被検者104の後側に入射するX線を放射する。入射したX線は、被検者に到達し、当該X線のいくらかは後方散乱し、第2モジュール110の検出器列111に受信される。これにより、被検者104の後側の画像を生成する。被検者104によって吸収も後方散乱もされない入射したX線は、第1モジュール105に配置された検出器列106によって受信される。このようにして、検出器列106は、第2モジュールからのX線放射線を受信し、当該受信したX線放射線は、被検者104の透過画像または影の画像を生成するために処理される。第1及び第2モジュール105、110の両方の検出器106、111からのデータは、被検者の前側の画像を再現するために合成される。
【0030】
一の実施形態では、第1モジュール105及び第2モジュール110は連続して被検者104を走査する。第1モジュール105が被検者104の第1の側を走査しているときに、第2モジュールのX線源は動作停止状態を維持する。第1モジュール105の検出器列106が後方散乱画像信号を捕捉している間に、第2モジュール110の検出器列111が、第1モジュール105の放射線源108から生じたX線であって、被検者によって吸収も後方散乱もされないX線により生成された影の画像信号を捕捉するように、2つのモジュールは互いに同期して垂直に移動している。
【0031】
続いて、第1モジュール105が被検者の第1の側を一度走査すると、放射線源108は動作停止状態となる。次に、第2モジュール110の放射線源113は動作を開始し、第2の側たる被検者104の後側を走査し始める。この場合も先と同様に、第2モジュール110の検出器列111が後方散乱画像信号を捕捉している間に、第1モジュール105の検出器列106が、第2モジュール110の放射線源113から生じたX線であって、被検者によって吸収も後方散乱もされないX線により生成された影の画像信号を捕捉するように、2つのモジュールは互いに同期して垂直に移動している。
【0032】
図2a及び2bは、それぞれ、画像システム200の第1モジュール205、及び、第2モジュール210の斜視図である。第1モジュール205、及び、第2モジュール210は、それぞれ、検査中の被検者202の体へ向けられたX線のペンシルビーム235、236(図2a)、及び、235´、236´(図2b)を供給する。ペンシルビームの発生については図3を参照して後述する。
【0033】
図2aは本発明の検査システムの側面図であり、更に第1モジュール205による検査中の被検者を示している。一の実施形態では、検査中の被検者202は、その前側が第1モジュール205に対向し、後側が第2モジュール210に対向した状態で立っている。本発明は、この姿勢を想定して被検者を検査することに関して記載されているが、同様の結果を達成するために、被検者は幾つかの他の姿勢をとるものでもよいことは当業者によって理解されるものである。第1モジュール205が動作しているときにはX線235が照射される。被検者202の前側から散乱、又は、反射されたX線237は、被検者202に対して第1モジュール205のX線ペンシルビーム源208と同じ側に配置されたX線高感度検出器206によって検出される。同時に、入射X線236のうち、被検者202に吸収も反射もされないX線236が、放射線源208に対向する側の第2モジュール210の検出器211によって検出される。検出器206及び211は、照射されるX線ビーム235、236の全ての側において、略同一のX線の検出を行うように配置されている。
【0034】
一の実施形態では、検出器206、211によって生じた電子信号225、230が、デジタルコンピュータ215へと送られる。別の実施形態では、X線源208からの同期信号226が、同様にデジタルコンピュータ215へと送られ、逆の場合も同様である。コンピュータ215は、2つの検出器206、211からの前側散乱画像信号225と、前側影画像信号230とをそれぞれ合成し、モニタ(スクリーン)220上に体の前側画像を表示している。
【0035】
図2bは本発明の検査システムの側面図であり、また、第2モジュール210による検査中の被検者を示している。図2bに示されるように、第2モジュール210が動作しているときにはX線235´が照射される。検査中の被検者202の後側から散乱、又は、反射されたX線237´は、被検者202に対して第2モジュール210のX線ペンシルビーム源213と同じ側に配置されたX線高感度検出器211によって検出される。同時に、入射X線236´のうち、被検者202に吸収も反射もされないX線236´が、放射線源213に対向する側の第1モジュール205の検出器206によって検出される。
【0036】
一の実施形態では、被験者202の後側に関して検出器206、211によって生じた電子信号225、230が、デジタルコンピュータ215へと送られる。別の実施形態では、X線源213からの同期信号231もまたデジタルコンピュータ215へと送られ、逆の場合も同様である。コンピュータ215は、2つの検出器206、211からの後側散乱画像信号230と、後側影画像信号225とをそれぞれ合成し、モニタ(スクリーン)220上に体の後側画像を表示する。
【0037】
このようにして、一の実施形態においては、検査領域において互いに対向する検出器列206、211が配置され、デジタル画像を生成するために後方散乱放射線から生成される画像信号と、影の画像とが合成される。これにより、検査中の被検者の画質が向上する。
【0038】
図2a及び2bを再度引用し、本発明の一の実施形態では、第1モジュール205と第2モジュール210とは連続して被検者202を走査する。連続した走査により、第1モジュール205及び第2モジュール210によってそれぞれ生成された2つのX線235及び235´の走査ビームが確実に相互に干渉しないようにしている。従って、被検者202が第1モジュール205と第2モジュール210との間に立っているときに、第1モジュール205の放射線源208は動作を開始し、一の実施形態では被検者202の前側である被検者202の第1モジュール205に対向する側を走査する。当然のことながら、デジタルコンピュータ215は、プロセッサと、メモリと、第1モジュールと第2モジュールとによる走査の順序及びタイミングを同期させるためのソフトとにより構成されている。更に、第1及び第2モジュールは垂直構造に取り付けられている。当該垂直構造は、デジタルコンピュータ215からのタイミング信号を受信する少なくとも1つのモータによって駆動され、モジュールの垂直な物理的な動作を可能とする。
【0039】
第1モジュールによる走査が一旦完了すると、第1モジュール205の放射線源208は動作を停止する。次に、第2モジュール210の線源213は動作を開始し、第2モジュール210に対向する被検者202の他方側の走査を開始する。従って、第1及び第2モジュールからの走査が交互に連続して行われることにより、第1又は第2モジュール205、210それぞれのビーム235と、ビーム235´とが干渉する可能性を排除している。
【0040】
図3は、一の実施形態におけるX線の水平に走査するペンシルビームを生成するための機械的手段を示す図である。図3に示すように、各検査モジュールは、X線管305と、機械的遮断円盤306と、スリット307とを有している。この分野で周知のように、X線管305と、機械的遮断円盤306と、スリット307とは組み合わされてX線ペンシルビーム線源308を構成し、被験者の体を水平に横切るようにペンシルビーム309を走査させる。このようなペンシルビームの発生は当業者にとって周知であるため詳述しない。一の実施形態では、図2bにおいて226で示される第1及び第2モジュールの2つの検出器列の間の隙間は、放射されたX線が通過するビーム成形スリットとしての役割を果たしている。
【0041】
図4a及び4bは、一の実施形態における検査中の被検者の高さ方向全体を走査するX線の垂直走査ペンシルビームを生成するための機械的手段を図示している。図4a、4bは、本発明の画像システムの第1モジュールに関連した垂直構造を図示しているが、同様のメカニズムが、第2モジュールのX線ビームの垂直走査を実現させる。
【0042】
図4a及び4bに示されるように、検出器406は、X線408のペンシルビームが検査中の被検者に当たる前に通過する開口407を有している。検出器406は、2つの垂直シャフト409に装着される。これにより、検出器406が垂直方向に移動したときに、検出器406の移動が案内される。2つの垂直シャフト409は基部410に装着されている。X線ペンシルビーム源411は、キャリッジ412に装着される。キャリッジ412は、軸接合部413に支持され、検出器406に接続される。また、キャリッジ412は、軸接合部414に支持され、垂直支持部415に接続される。検出器406が垂直方向に移動するときに、X線ペンシルビーム408が開口407を常に通過するように、X線ペンシルビーム408は円弧を描いて移動する。
【0043】
図2aを再び参照し、また、図4a及び4bを参照して前述したモジュールの垂直移動メカニズムに留意すると、第1モジュール205が、第1モジュール205に対向する被検者202の第1の側を走査するために動作しているときには、第2モジュールの線源213は動作を停止している。しかしながら前述したように、本発明の画像システムは、第1モジュールにより検出されることにより生成された後方散乱画像信号と、第2モジュールにより検出されることにより生成された影の画像信号とを組合せてモジュールに対向する被験者の画像を生成する。
【0044】
従って、第2モジュール210の放射線源213は動作停止状態であるが、第1モジュール205は被検者202を走査し、第2モジュール210の線源213及び検出器211は、第1モジュール205の線源208及び検出器206の垂直方向への移動に同期して移動する。このことは、被検者202に衝突する第1モジュール205からのX線235に因る後方散乱画像信号225が、第1のモジュール205の検出器206によって捕捉されること、及び、第1モジュール205からのX線235に因る影の画像信号230が、第1モジュール205と同期して移動する第2モジュール210の検出器211によって同様に捕捉されることを確実にする。
【0045】
図2bに示されるように、第1モジュール205による走査が一旦完了すると、第1モジュール205の放射線源208は動作を停止し、被検者202の後側の走査を開始するために、第2モジュール210の線源213は動作を開始する。第2モジュール210が被検者202を走査し、垂直に移動しているときに、第1モジュール205(その線源は動作停止している)は、第2モジュール210と同期して移動し、影の画像信号225を捕捉する。本発明のX線画像システムは、一の実施形態では完全に自動化されている。別の実施形態では、本発明の画像システムはオペレータの支援によって半自動化されている。
【0046】
一の実施形態では、第1モジュール205の走査、及び、第2モジュール210の両者は、0〜20秒の間の時間がかかる。一の実施形態では走査時間は3秒である。
【0047】
一の実施形態では、線源及び検出器の垂直移動は4〜5フィートである。この実施形態に関しては垂直移動が述べられているが、線源、及び、検出器は、スイベル旋回し(swivel)、軸旋回し(pivot)、回転し(rotate)、又はこれらの動きを組合せた動きをする。
【0048】
一の実施形態では、第1モジュール205と第2モジュール210との間の距離は2〜10フィートの範囲内にある。一の実施形態では、第1モジュール205と第2モジュール210との間の距離は3フィートである。
【0049】
図1に戻り参照すると、一の実施形態では、筐体102の床、基部、又は、台135は感圧し、検査中の被検者104が床135を踏むとすぐに(図示せぬ)圧力センサは画像システム100を起動開始させる。被検者104は、第1モジュール105によって第1の側が走査され、その後、第2モジュール110によって第2の側が走査され、逆もまた同様である。検査中の被検者104の前側と後側との両方について一度完了すると、第1モジュール105及び第2モジュール110は動作停止状態となり走査を停止し、次の被検者が床又は基部135を踏むまで待機する。
【0050】
走査を開始するメカニズムの他の実施形態は赤外線ビームの遮断を用いたものでもよい。被検者がブースを構成する構造体内に入り当該構造体に取り付けられた赤外線ビームを遮ったときに、走査が開始される。他の開始メカニズムも、当業者にとって自明なものである。
【0051】
別の実施形態では、本発明の検査システムはオペレータがマニュアルで走査のサイクルを開始させるように半自動化されている。走査のサイクルは、一旦開始されると、予め定められているように、又は、予めプログラミングされているように連続的に被検者の前及び後ろの検査を完了させる。
【0052】
システム100の動作中に、まず、被検者104は画像システム100により走査され、被検者104の前と後ろとの両方のデジタル画像信号が得られる。図1に示すように、画像システム100は、検査中の人体104の特徴によって調整された画像信号125、130を生成する。画像信号125、130は、IBM PCのような、画像分析のためのプログラムされた命令を実行することができるデジタルコンピュータシステム115へ送られる。コンピュータシステム115は、危険物を隠していない人間の前回の画像信号のライブラリが記憶されるメモリを有している。コンピュータシステム115はこの情報を用いて、普通の良性の物と、通常の人の身体構造とに相当する画像の特徴が抑えられた、処理された画像をモニタ120上に生成する。オペレータが視認可能な画像は、隠された危険物を証明するために検査される可能性がある。
【0053】
一の実施形態では、被検者のプライバシーを保護するために、特定の身体構造の特徴が抑えられ又は隠され、システムオペレータに対して特定の身体構造の特徴が表示されることを避けている。新たに得られた画像における重要な特徴は、以前に得られた人間の画像を格納する記憶されたライブラリと比較される。かかる人間の画像のライブラリは、現在の被検者における、共通した身体構造上の特徴を特定するために用いられ、これらの身体構造の特徴は抑えられる。ライブラリは、その画像の中に、普通の良性な物を含んでいてもよく、当該普通の良性な物は、危険物、または、非合法な隠された対象物をより正確に測定するために抑制される。これらの共通する身体構造の特徴であって良性なものは、システムオペレータには関心のないものであり、処理された画像信号においては抑えられている。画像の残る特徴は、普通でないと見なされ、システムオペレータが検出しようとしている対象物であることを潜在的に示している。
【0054】
検出された特徴の場所は、画像における絶対的な位置として示される、あるいは、検査対象となる人間の体との関係により示される。後者の方法は、画像ウィンドウにおける被検者の位置及び被検者の寸法の違いに対して影響を受けないという長所を有する。
【0055】
身体構造、及び、良性物の画像の特徴を抑えることは、明暗を減じて、異なる色で特徴を表示すること、又は、画像から完全に取り除くことを選択的に行うことで可能である。一の実施形態では、被検者の体の輪郭線は画像から取り除かれ、位置を参照するために人間の形をした輪郭に置き換えられる。別の実施形態では、異常な特徴が、ほとんど検出されないか、又は、全く検出されない場合には、表示部は、英数字情報、例えば、「異常な特徴は検出されませんでした」、あるいは、「胸郭上部において斜めの境界線を検出しました(Diagonal edge detected on upper chest)」を表示してもよい。
【0056】
関連したバックグランドから対象物を分離するという課題は、画像処理の分野において一般的な問題である。対象物の境界線(輪郭)を検出することは、しばしば、シフトした信号レベルのみに基づいて対象物全体を検出するよりも信頼性が高いことがよく知られている。境界線を強調することは、デジタル表現された画像を処理する一般的な方法であり、対象物の検出可能性を高めている。本発明では、米国特許第5,181,234に記載されているような、視覚的な処理における広範囲におよぶ境界線の検出を用いる。尚、米国特許第5,181,234は、ここに参照することにより明細書に組み込まれる。検出のための境界線の強調を可能とするため、及び、被検者の前側及び後側の画質を向上させるため、被検者からの放射線後方散乱と、被検者に当たらない放射線に因る被検者の影の信号とを合成している。本発明の譲受人により譲受された米国特許公報第7、110、493号には、対象物上又は対象物中に隠された物を検出する方法が記載されており、当該検出方法は、X線源から被検者へ向けられたX線のペンシルビームを生成し、被検者の表面全体をX線ビームで走査し、対象物と原子番号Zの小さい物質パネルと相互作用した結果として、X線ビームから散乱されたX線を検出する。当該対象物は、検出器とパネルとの間に配置される。当該検出では、対象物によって後方散乱したX線と、原子番号Zの小さい物質パネルによって後方散乱されたX線とを区別している。ここで、略1マイクロレム〜略10マイクロレムのX線の範囲におけるX線ペンシルビームが対象物を照射する。尚、米国特許第7、110、493号は、参照されることによりここに組み込まれる。
【0057】
また、一の実施形態においてオペレータは、被験者の前側と後側との処理された別個の画像を隣接して示されたが、別の実施形態においては、これら2つの画像は統合されて、3次元画像(その場合であっても良性物の詳細については抑えられている)が生成される。オペレータは、スクリーン上で当該3次元画像を回転することが出来るため、前側と、後側との結合画像をみることが可能となる。ここで、記載されている走査機能は、後方散乱と、放射との転送を初期化し、処理することを含んでいる。当該走査機能は、デジタルコンピュータ内に記憶されたプログラミングされプロセッサにより実行されるコードにより実行される。
【0058】
上述の例は、本発明のシステムの多数の応用例を反映したものにすぎない。ここでは、本発明のわずかな実施形態が記載されているが、本発明は、発明の精神及び思想から外れない限り、多くの他の特定の形態に実施されてもよい。従って、本例及び実施形態は、実例であり、限定的なものではない。発明は、添付のクレームの範囲内で変形してもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体によって運ばれる隠された物を検出するイメージング装置であって、前記イメージング装置は、第1のモジュールと、第2のモジュールと、処理装置と、表示部とを有し、
前記第1のモジュールは、第1のX線源と、第1の検出部とを有し、
前記第1のX線源は、前記人体に向けてX線の第1のペンシルビームを生成し、
前記第1の検出部は、前記第1のX線源による走査の結果として前記人体から散乱されたX線の強度を表す信号を供給し、
前記第1の検出部は、前記人体に対して前記第1のX線源と同じ側に配置され、
前記第1の検出部は、前記第1のX線源によって走査された結果として前記人体から散乱された前記X線の一部と、送出されたX線の一部とを受信する動作領域を有し、
第2のX線源は、前記人体に向けてX線の第2のペンシルビームを生成し、
前記第2の検出部は、前記第2のX線源による走査の結果として前記人体から散乱されたX線の強度を表す信号を供給し、
前記第2の検出部は、前記人体に対して前記第2のX線源と同じ側に配置され、
前記第2の検出部は、前記第2のX線源によって走査された結果として前記人体から散乱された前記X線の一部と、前記第1のモジュールより送出されたX線の一部とを受信する動作領域を有し、
前記処理装置は、前記第1の検出部と、第2の検出部とから生成された検出信号を処理して少なくとも一つの画像を形成し、
前記表示部は、操作者に前記少なくとも一つの画像を提示することを特徴とするイメージング装置。
【請求項2】
4つの壁を有する筐体をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のイメージング装置。
【請求項3】
少なくとも1つの天井と、少なくとも1つの床とを有することを特徴とする請求項2に記載のイメージング装置。
【請求項4】
前記処理装置は、プログラムで制御できるコードを処理することにより、前記第1のモジュールは、前記第2のX線源が停止している間に、人体を走査することを特徴とする請求項1に記載のイメージング装置。
【請求項5】
前記処理装置は、プログラムで制御できるコードを処理することにより、前記第2のモジュールは、前記第1のX線源が停止している間に、人体を走査することを特徴とする請求項1に記載のイメージング装置。
【請求項6】
前記処理装置は、プログラムで制御できるコードを処理することにより、前記第1のモジュール、または、前記第2のモジュールを垂直に移動させることを特徴とする請求項1に記載のイメージング装置。
【請求項7】
前記垂直方向の移動は協調していることを特徴とする請求項6に記載のイメージング装置。
【請求項8】
前記第1のモジュールは、前記第2のモジュールと互換性があることを特徴とする請求項1に記載のイメージング装置。
【請求項9】
前記処理装置は、プログラムで制御されるコードを処理し、
前記コードは、前記第1のX線源によって走査された結果として前記人体によって散乱されたX線の強度を示す第1の検出部からの信号と、前記第2のX線源によって走査された結果として前記人体によって散乱されたX線の強度を示す第2の検出部からの信号とを用いて前記画像を生成することを特徴とする請求項1に記載のイメージング装置。
【請求項10】
処理装置は、プログラムで制御されるコードを処理し、
前記コードは、前記第2のX線源によって走査された結果として人体によって散乱されたX線の強度を示す第2の検出部からの信号と、前記第1のX線源によって走査された結果として前記人体によって散乱されたX線の強度を示す第1の検出部からの信号とを用いて前記画像を生成することを特徴とする請求項1に記載のイメージング装置。
【請求項11】
前記処理装置は、プログラムで制御されるコードを処理し、
前記コードは、前記第1のモジュールから送出されたX線の強度を示す信号を用いて前記人体の影の画像を生成することを特徴とする請求項1に記載のイメージング装置。
【請求項12】
前記処理装置は、プログラムで制御されるコードを処理し、
前記コードは、前記第2のモジュールから送出されたX線の強度を示す信号を用いて前記人体の影の画像を生成することを特徴とする請求項1に記載のイメージング装置。
【請求項13】
前記第1のモジュールと、前記第2のモジュールとは連続して前記人体を走査することを特徴とする請求項1に記載のイメージング装置。
【請求項14】
前記第1のモジュールと前記第2のモジュールとは同期して垂直に移動して、前記第1の検出器列は後方散乱画像信号を捕捉し、同時に、前記第2の検出器列は、送出された信号のうち、前記人体によって吸収も、後方散乱もされない信号を捕捉することを特徴とする請求項1に記載のイメージング装置。
【請求項15】
前記第1のモジュールと、前記第2のモジュールとは同期して垂直に移動して、前記第2の検出器列は後方散乱画像信号を捕捉し、同時に、前記第1の検出器列は、送出された信号のうち、前記人体によって吸収も後方散乱もされない信号を捕捉することを特徴とする請求項1に記載のイメージング装置。
【請求項16】
前記第1の検出器列、および、前記第2の検出器列によって生成された信号は、同期信号と共に前記処理装置に送られることを特徴とする請求項1に記載のイメージング装置。
【請求項17】
人体によって運ばれる隠された物を検出するイメージング装置であって、前記イメージング装置は、第1のモジュールと、第2のモジュールと、処理装置と、表示部とを有し、
前記第1のモジュールは第1のX線源と、第1の検出部とを有し、
前記第1の検出部は、前記人体に対して前記第1のX線源と同じ側に配置され、
前記第1の検出部は、前記第1のX線源によって走査された結果として前記人体から散乱された前記X線の一部と、送出されたX線の一部とを受信する動作領域を有し、
前記第2のモジュールは、第2のX線源と、第2の検出部とを有し、
前記第2の検出部は、前記人体に対して前記第2のX線源と同じ側に配置され、
前記第2の検出部は、前記第2のX線源によって走査された結果として前記人体から散乱された前記X線の一部と、第1のモジュールから送出されたX線の一部とを受信する動作領域を有し、
前記第1のモジュールと第2のモジュールとは互いに平行であり、
前記処理装置は、前記第1の検出部と、前記第2の検出部とから生成された検出信号を処理して少なくとも一つの画像を形成し、
前記制御装置はプログラムで制御されるコードを処理し、
前記コードは、前記第1のX線源が走査された結果として前記人体によって散乱されたX線の強度を示す第1の検出部からの信号と、前記第2のX線源が走査された結果として前記人体によって散乱されたX線の強度を示す第2の検出部からの信号とを用いて前記画像を生成し、
前記表示部は、操作者に前記少なくとも一つの画像を提示することを特徴とするイメージング装置。
【請求項18】
前記第1のモジュールと、前記第2のモジュールとは連続して前記人体を走査することを特徴とする請求項17に記載のイメージング装置。
【請求項19】
前記第1のモジュールと、前記第2のモジュールとは同期して垂直に移動して、前記第1の検出器列が後方散乱画像信号を捕捉している間に、前記第2の検出器列が、送出された信号のうち、前記人体によって吸収も後方散乱もされない信号を捕捉することを特徴とする請求項18に記載のイメージング装置。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【公表番号】特表2011−508240(P2011−508240A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−540904(P2010−540904)
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【国際出願番号】PCT/US2008/088345
【国際公開番号】WO2009/082762
【国際公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(510170844)ラピスカン システムズ、インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】