説明

介助犬を伴う視覚障がい者用の移動体接近警告システム、同システムに用いられる移動体搭載用の超音波発生装置及び同システムに用いられる超音波受信装置

【課題】この発明は、介助犬を伴う視覚障がい者にとって非常に有効となる移動体接近警告システム、同システムに用いられる移動体搭載用の超音波発生装置及び同システムに用いられる超音波受信装置を提供することを目的としている。
【解決手段】移動体(11,19)に搭載されるもので、人間の可聴周波数帯域より高い犬の可聴周波数帯域に属する超音波を発生する超音波発生手段(12)と、視覚障がい者用の介助犬に装着されるハーネス(20)に取り付けられるもので、超音波発生手段(12)で発生された超音波を受信して振動に変換することにより、視覚障がい者に移動体(11,19)の接近を警告する超音波受信手段(21)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、介助犬を伴う視覚障がい者用に開発された移動体接近警告システム、同システムに用いられる移動体搭載用の超音波発生装置及び同システムに用いられる超音波受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、現在では、ガソリンエンジンとモータとを併用して走行するハイブリッド自動車や、モータのみで走行する電気自動車等が実用化され普及している。この種の自動車は、燃費、排気ガス、騒音等の低減に優れた性能を発揮するため、エコロジーカーとして地球温暖化の抑制に大きな貢献が期待されている。
【0003】
一方、視覚障がい者は、主として聴覚からの情報に基づいて行動しており、道路等を通行する際にもエンジン音によって自動車の接近を感知している。このため、上記したように低騒音の自動車が普及すると、視覚障がい者にとっては情報源が縮小されてしまい、社会生活を営む上での危険度が増加することになる。
【0004】
特許文献1には、車両から発する不特定または特定の信号を感知し、その信号を入力信号として機械的振動、音声、ブザー音等を発生させる出力信号に変換することにより、交通弱者に対して車両の接近を報知するようにした交通弱者用車両接近報知機能内蔵型装身具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−092781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、この発明は上記事情を考慮してなされたもので、介助犬を伴う視覚障がい者にとって非常に有効となる移動体接近警告システム、同システムに用いられる移動体搭載用の超音波発生装置及び同システムに用いられる超音波受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る介助犬を伴う視覚障がい者用の移動体接近警告システムは、移動体に搭載されるもので、人間の可聴周波数帯域より高い犬の可聴周波数帯域に属する超音波を発生する超音波発生手段と、視覚障がい者用の介助犬に装着されるハーネスに取り付けられるもので、超音波発生手段で発生された超音波を受信して振動に変換することにより、視覚障がい者に移動体の接近を警告する超音波受信手段とを備えるようにしたものである。
【0008】
また、この発明に係る、介助犬を伴う視覚障がい者用の移動体接近警告システムに用いられる移動体搭載用の超音波発生装置は、人間の可聴周波数帯域より高く犬の可聴周波数帯域に属する所定周波数の超音波信号を発生する超音波信号発生手段と、超音波信号発生手段で発生された超音波信号を超音波に変換して移動体の進行方向に発生する超音波変換手段とを備えるようにしたものである。
【0009】
さらに、この発明に係る介助犬を伴う視覚障がい者用の移動体接近警告システムに用いられる超音波受信装置は、視覚障がい者用が伴う介助犬に装着されるハーネスに取り付けられるものを対象としている。そして、移動体から発生される人間の可聴周波数帯域より高い犬の可聴周波数帯域に属する超音波を受信する受信手段と、受信手段で受信した超音波に対応した振動を発生して視覚障がい者に伝達する振動発生手段とを備えるようにしたものである。
【発明の効果】
【0010】
上記した発明によれば、移動体が発生する人間の可聴周波数帯域より高い犬の可聴周波数帯域に属する超音波を、介助犬に装着されるハーネスに取り付けられる超音波受信手段により受信し、振動に変換して視覚障がい者に移動体の接近を警告するようにしたので、介助犬を伴う視覚障がい者にとって非常に有効なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の実施の形態を示すもので、移動体の一例としての自動車を説明するために示す外観図。
【図2】同実施の形態における移動体に搭載される超音波発生機器の一例を説明するために示すブロック構成図。
【図3】同実施の形態における移動体の他の例としての自転車を説明するために示す外観図。
【図4】視覚障がい者が介助犬を伴なって歩行している姿の一例を説明するために示す図。
【図5】同実施の形態における介助犬のハーネスに内蔵された超音波受信機器の一例を説明するために示すブロック構成図。
【図6】同実施の形態におけるハーネスに超音波受信機器を内蔵させた一例を説明するために示す図。
【図7】同実施の形態におけるハーネスを握った手に振動モータ固定させた状態を説明するために示す図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、この実施の形態で説明する移動体の一例として自動車11の外観を示している。この自動車11には、その前方部分と後方部分とにそれぞれ超音波発生機器(図1では図示せず)が搭載されている。これらの超音波発生装置は、それぞれ、自動車11が前進または後退を開始したとき、その進行方向に向けて自動的に超音波を発生するようになっている。
【0013】
すなわち、自動車11が前進を開始したときには、自動車11の前方部分に搭載された超音波発生装置から、図1に矢印Aで示すように、自動車11の前方に向けて自動的に超音波が発生される。また、自動車11が後退を開始したときには、自動車11の後方部分に搭載された超音波発生装置から、図1に矢印Bで示すように、自動車11の後方に向けて自動的に超音波が発生される。
【0014】
そして、これらの超音波発生装置は、そこから発生される超音波の周波数が、人間には聴取不可能であるが犬には聴取可能な帯域が選択されている。すなわち、人間の可聴周波数帯域が20〜20000Hzであるのに対し、犬のそれは40〜65000Hzといわれており、下限は人間とそれほど違いがないが、上限が大きく異なっている。このため、超音波発生装置から発生される超音波の周波数は、20000〜65000Hzの範囲で選択されている。
【0015】
図2は、上記した超音波発生装置12の一例を示している。図2において、符号13はパルスパターン発生部である。このパルスパターン発生部13は、所定の周波数を有する基本超音波信号を発生する機能を有している。また、このパルスパターン発生部13は、発生する基本超音波信号の周波数を変更する機能も有している。そして、このパルスパターン発生部13で発生された基本超音波信号は、超音波発生部14に供給される。
【0016】
この超音波発生部14は、入力された基本超音波信号から、上記した人間の可聴周波数帯域よりも高く犬の可聴周波数帯域に属する所定周波数の超音波信号を生成し、超音波用増幅部15に出力している。この超音波用増幅部15は増幅手段として機能し、超音波発生部14で生成された超音波信号の振幅レベルを、増幅レベル制御部16から出力される増幅レベル制御信号で指定される増幅率で増幅する。
【0017】
この増幅レベル制御部16は、検出手段である車速検出部17で検出された自動車11の速度検出信号に基づいて、車速が速くなるほど超音波用増幅部15での増幅率を高くするような増幅レベル制御信号を生成している。そして、超音波用増幅部15で増幅された超音波信号は、超音波信号を超音波に変換する変換手段であるスピーカ18に供給されることにより超音波に変換され、自動車11の進行方向に向けて発生される。
【0018】
これにより、超音波発生装置12からは、人間の可聴周波数帯域よりも高く犬の可聴周波数帯域に属する、つまり、人間には聴取不可能であるが犬には聴取可能な所定周波数の超音波が、自動車11の速度に対応した振幅レベルで、自動車11の進行方向に向けて発生されることになる。
【0019】
図3は、この実施の形態で説明する移動体の他の例として自転車19を示している。この自転車19には、そのハンドルの支軸部分20に上記した超音波発生装置12が搭載されている。この場合、超音波発生装置12としては、自転車19が前進を開始したとき、その進行方向に向けて自動的に超音波を発生するようにしたり、または、ユーザの操作によって超音波を発生するようにしたり、適宜設定することができる。
【0020】
なお、上記した超音波発生装置12は、自動車11に搭載される場合には、自動車11の電源系統から電力供給を受けて駆動されることになる。また、自転車19に搭載される場合には、電池の電力によって駆動されることが望ましいものである。
【0021】
図4は、視覚障がい者が介助犬(盲導犬)を伴なって歩行している姿の一例を示している。この場合、視覚障がい者は、介助犬に装着されたハーネス20を把持しており、このハーネス20を介して介助犬に指示を出している。そして、このハーネス20には、上記超音波発生装置12から発生される超音波を受信するための超音波受信機器(図4では図示せず)が内蔵されている。
【0022】
図5は、この超音波受信機器21の一例を示している。図5において、符号22,23は超音波受信手段として機能するマイクロホンである。これらのマイクロホン22,23は、それぞれが単一指向性を有し、上記超音波発生装置12のスピーカ18から発生される超音波を受信して、電気的な超音波信号に変換している。これらのマイクロホン22,23から出力された超音波信号は、超音波増幅部24でレベル増幅された後、超音波帯域フィルタ25に供給される。
【0023】
この超音波帯域フィルタ25は、入力された超音波信号から雑音成分を除去している。そして、超音波帯域フィルタ25で雑音成分の除去された超音波信号は、A/D(analog/digital)変換部26によりデジタル化された後、LED(light emitting diode)発光制御部27及び振動信号制御部28に供給される。
【0024】
このうち、LED発光制御部27は、上記A/D変換部26でデジタル化された超音波信号のレベルと、周囲の明るさや現在時刻等を計測した情報とに基づいて、上記ハーネス20に実装される一対のLED30,31の発光量を指示する発光指示信号を生成し、駆動信号生成部29に出力している。この駆動信号生成部29では、LED発光制御部27から供給される発光指示信号に基づいた発光量でLED30,31を発光させるための駆動信号を生成し、その駆動信号を各LED30,31に出力して発光させている。このA/D変換部26及びLED発光制御部27は発光手段として機能する。
【0025】
一方、上記振動信号制御部28は、上記A/D変換部26でデジタル化された超音波信号のレベルと、振動信号発生部32から発生される所定の周波数を有する基本振動信号とに基づいて、振動体となる後段の一対の振動モータ35,36で振動させる周波数と振幅レベル(強さ)とを決定し、その決定事項を示す振動指示信号を振動制御部33に出力している。この振動制御部33では、入力された振動指示信号に対して、ユーザが振動モータ35,36の振動周波数や振幅等の変更を行うことができる。このA/D変換部26及び振動信号制御部28は変換手段として機能する。
【0026】
そして、この振動制御部33から出力された振動指示信号は、駆動信号生成部34に供給される。この駆動信号生成部34は、振動制御部33から供給された振動指示信号に基づいた周波数及び振幅で振動モータ35,36を駆動させるための駆動信号を生成し、その駆動信号を各振動モータ35,36に出力して振動させている。この振動モータ35,36は出力手段として機能する。
【0027】
図6は、上記ハーネス20に超音波受信機器21を内蔵させた一例を示している。すなわち、このハーネス20のハンドル部20aには、そのほぼ中央部に、超音波受信機器21の本体部21aが内蔵されている。なお、この本体部21aとは、図5に示した超音波受信機器21から、一対のマイクロホン22,23、一対のLED30,31及び一対の振動モータ35,36を除いた部分である。
【0028】
そして、上記マイクロホン22,23は、ハーネス20のハンドル部20aの両側に設置されており、受信した超音波を超音波信号に変換して本体部21aに供給している。この場合、各マイクロホン22,33は、その集音部22a,23aが相互に反対方向となるように外向きに設置されている。これにより、視覚障がい者が介助犬を伴なって直進する状態において、各マイクロホン22,23により進行方向の左右から到来する超音波を受信することが可能となる。
【0029】
また、上記LED30,31は、ハーネス20のハンドル部20aの両側と介助犬とを繋ぐ一対の連結部20b,20cに実装されており、本体部21aから供給される駆動信号によって発光されるようになっている。この場合、各LED30,31は、連結部20b,20cのうち、視覚障がい者が介助犬を伴なって直進する姿を正面から見たときに見える位置にそれぞれ設置されている。
【0030】
さらに、上記振動モータ35,36は、ハーネス20のハンドル部20aのほぼ中央部から延出される一対のベルト37,38の先端部に取着されている。この場合、本体部21aから振動モータ35,36に駆動信号を供給するための接続ケーブル(図示せず)も、ベルト37,38に沿って引き回されていることは言うまでも無いことである。
【0031】
これらの振動モータ35,36は、人間の手の甲に2つ並べておける程度の大きさのほぼ円盤状に構成されており、その一方の面に、人間の手の甲に密着させるための粘着パッド35a,36aが設けられている。また、各振動モータ35,36の他方の面には、両方の振動モータ35,35を手の甲に貼り付けた状態で固定するための抑えバンド39が着脱自在に貼り付けられるようになっている。
【0032】
図7は、ハーネス20のハンドル部20aを握った手の甲に振動モータ35,36を密着させ、両振動モータ35,36に抑えバンド39を貼り付けて手の甲に固定させた状態を示している。このように、振動モータ35,36が視覚障がい者の手の甲に取り付けられることにより、移動体の接近に伴なった振動モータ35,36の振動が視覚障がい者に伝達されるようになり、視覚障がい者に移動体の接近が警告されることになる。
【0033】
上記した実施の形態によれば、自動車11や自転車19等の移動体に、人間には聴取不可能であるが犬には聴取可能な所定周波数の超音波を進行方向に向けて発生させる超音波発生装置12を搭載させるとともに、当該超音波を受信し振動に変えて視覚障がい者に伝達する超音波受信機器21を、視覚障がい者が伴う介助犬のハーネス20に内蔵させるようにしている。
【0034】
これにより、人間にとっての騒音を増加させることなく、視覚障がい者にとって移動体の接近を振動によって警告することが可能となり、視覚障がい者が道路等を通行する際の安全性を高めることができるようになる。また、移動体からは、犬に聴取可能な超音波を発生させているため、介助犬は、聴覚と視覚とで移動体の接近を検知することができるので、視覚障がい者に対する介助の能力が低下することもなくなる。さらに、介助犬の訓練としても、特殊な訓練を必要とせず、従来通りの訓練を適用することができる。
【0035】
また、介助犬は、主人の命令には必ずしたがうが、その命令にしたがうことで主人に危険が迫るときには命令にしたがわないという、いわゆる、「利口な不服従」と称される訓練を受けている。このため、低騒音の自動車11が普及すると、主人は「GO」の命令を出すが、介助犬がその命令にしたがわないといった状況が増加する、つまり、「利口な不服従」を発動する機会が増加することが推測される。
【0036】
介助犬にとって、「利口な不服従」の発動は、ストレスを高めるため、その発動回数が多くなると、介助犬として活躍する期間を短期化させてしまう要因となる。しかしながら、上記した実施の形態によれば、視覚障がい者である主人が低騒音の移動体の接近を認識することができるので、介助犬にとって「利口な不服従」を発動する機会が増えることも防止され、介助犬を伴う視覚障がい者にとって非常に有効となる。
【0037】
このように、犬の聴覚範囲の超音波を使用することにより、視覚障がい者と介助犬とが同時に周囲の空間の移動体を検知することが可能となり、視覚障がい者も犬の行動に従いやすく、視覚障がい者に対する介助犬の介助の能力の低下を防止することができる。
【0038】
また、周囲が暗い状況であったり、または、時間的に見て夕刻以降から夜明け前にかけての時刻であったりしたとき等に、移動体が接近すると、ハーネス20に実装されたLED30,31が発光するようにしている。このため、自動車11の運転者も、視覚障がい者の存在を検知することができ、視覚障がい者にとっての安全性をより一層高めることができるようになる。
【0039】
さらに、超音波を受信するマイクロホン22,23は、視覚障がい者が介助犬を伴なって直進する状態において、左右から到来する超音波を受信することができるように、ハーネス20のハンドル部20aの両側に、集音部22a,23aが相互に反対方向となるように外向きに設置されている。これにより、両方のマイクロホン22,23から出力される超音波信号の振幅レベルを比較することにより、移動体の接近方向を判別することができる。
【0040】
このため、例えば、移動体の接近方向に近い側の振動モータ35,36を、逆側の振動モータ36,35に比べて強く振動させるようにすれば、視覚障がい者に対して、どちらの方向から移動体が接近しているのかを警告することができ、視覚障がい者にとっての安全性をより一層高めることができるようになる。また、移動体の存在する方向に近い側の振動モータのみを振動させ、逆側の振動モータを振動させない構成としても良い。このように構成することにより、ハーネス20を持つ視覚障がい者に対して、どちらの方向に移動体が存在しているのかを警告することができる。
【0041】
また、マイクロホン22,23から出力される超音波信号の振幅レベルが変化する速さによって移動体の接近する速度を判別することができる。このため、例えば、移動体の接近速度に応じて振動モータ35,36の振動振幅を可変させるようにすれば、どちらの方向からどれだけの速度で移動体が接近しているのかを警告することができ、視覚障がい者にとっての安全性をより一層高めることができるようになる。
【0042】
さらに、振動モータ35,36は、粘着パッド35a,36aで視覚障がい者の手の甲に密着させた後、振動モータ35,36に対して着脱自在な抑えバンド39により固定しているだけなので、容易に手から外れるため、万一、介助犬が暴走したとしても、視覚障がい者の安全を確保することができる。
【0043】
なお、この発明は上記した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を種々変形して具体化することができる。また、上記した実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良いものである。さらに、異なる実施の形態に係る構成要素を適宜組み合わせても良いものである。
【符号の説明】
【0044】
11…自動車、12…超音波発生装置、13…パルスパターン発生部、14…超音波発生部、15…超音波用増幅部、16…増幅レベル制御部、17…車速検出部、18…スピーカ、19…自転車、20…ハーネス、20a…ハンドル部、20b…連結部、20c…連結部、21…超音波受信機器、21a…本体部、22…マイクロホン、22a…集音部、23…マイクロホン、23a…集音部、24…超音波増幅部、25…超音波帯域フィルタ、26…A/D変換部、27…LED発光制御部、28…振動信号制御部、29…駆動信号生成部、30…LED、31…LED、32…振動信号発生部、33…振動制御部、34…駆動信号生成部、35…振動モータ、35a…粘着パッド、36…振動モータ、36a…粘着パッド、37…ベルト、38…ベルト、39…抑えバンド。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間の可聴周波数帯域より高く犬の可聴周波数帯域に属する所定周波数の超音波を発生する超音波発生手段を有し、移動体に搭載された超音波発生装置と、
視覚障がい者用の介助犬に装着されるハーネスに取り付けられる超音波受信装置であって、
前記超音波発生手段で発生された前記超音波を受信する超音波受信手段と、
前記超音波受信手段によって受信した前記超音波を振動に変換する変換手段と、
前記変換手段が変換した前記振動を、前記ハーネスの前記視覚障がい者の支持箇所として設計された箇所に伝播するように出力する出力手段とを有する超音波受信装置と
を具備することを特徴とする介助犬を伴う視覚障がい者用の移動体接近警告システム。
【請求項2】
前記超音波発生装置の前記超音波発生手段は、前記移動体の進行方向に向けて超音波を発生し、
前記超音波受信装置は、
前記超音波受信手段が2以上の異なる指向性を持ち、
前記変換手段が、前記超音波を前記超音波受信手段の受信結果の指向性に基づいた振幅レベルで前記振動に変換すること
を特徴とする請求項1記載の介助犬を伴う視覚障がい者用の移動体接近警告システム。
【請求項3】
前記超音波発生装置は、
前記移動体の速度を検出する検出手段と、
前記検出手段が検出する速度に応じた増幅率で前記超音波発生手段が発生する超音波の振幅レベルを増幅する増幅手段をさらに有し、
前記超音波受信装置の前記変換手段は、受信した超音波の振幅レベルに基づいて、前記振動の振動レベルを調整して、前記超音波を振動に変換すること
を特徴とする請求項1記載の介助犬を伴う視覚障がい者用の移動体接近警告システム。
【請求項4】
前記超音波発生装置は、前記超音波受信手段が超音波を受信したとき、発光を行う発光手段をさらに有すること
を特徴とする請求項1記載の介助犬を伴う視覚障がい者用の移動体接近警告システム。
【請求項5】
人間の可聴周波数帯域より高く、犬の可聴周波数帯域に属する所定周波数の超音波信号を発生する超音波信号発生手段と、
前記超音波信号発生手段で発生された超音波信号を超音波に変換して移動体の進行方向に発生する変換手段と
を具備することを特徴とする介助犬を伴う視覚障がい者用の移動体接近警告システムに用いられる移動体搭載用の超音波発生装置。
【請求項6】
前記超音波信号発生手段は、
前記所定周波数の超音波信号を発生する発生手段と、
前記移動体の速度を検出する検出手段と、
前記検出手段で検出された前記移動体の速度に応じた増幅率で、前記発生手段で発生される超音波信号の振幅レベルを増幅する増幅手段とを備えること
を特徴とする請求項5記載の介助犬を伴う視覚障がい者用の移動体接近警告システムに用いられる移動体搭載用の超音波発生装置。
【請求項7】
視覚障がい者が伴う介助犬に装着されるハーネスに取り付けられる超音波受信装置であって、
移動体から発生される人間の可聴周波数帯域より高い犬の可聴周波数帯域に属する超音波を受信する超音波受信手段と、
前記超音波受信手段によって受信した前記超音波を振動に変換する変換手段と、
前記変換手段が変換した前記振動を、前記ハーネスの前記視覚障がい者の支持箇所として設計された箇所に伝播するように出力する出力手段と
を具備することを特徴とする介助犬を伴う視覚障がい者用の移動体接近警告システムに用いられる超音波受信装置。
【請求項8】
前記超音波受信手段は、2以上の異なる指向性を持ち、
前記変換手段は、前記超音波を前記超音波受信手段の受信結果の指向性に基づいた振幅レベルで前記振動に変換すること
を特徴とする請求項7記載の介助犬を伴う視覚障がい者用の移動体接近警告システムに用いられる超音波受信装置。
【請求項9】
前記変換手段は、受信した超音波の振幅レベルに基づいて、前記振動の振幅レベルを調整して、前記長音場を前記振動に変換すること
を特徴とする請求項7記載の介助犬を伴う視覚障がい者用の移動体接近警告システムに用いられる超音波受信装置。
【請求項10】
前記受信手段が超音波を受信したとき、発光を行う発光手段をさらに備えること
を特徴とする請求項7記載の介助犬を伴う視覚障がい者用の移動体接近警告システムに用いられる超音波受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−96130(P2011−96130A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−251282(P2009−251282)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】