説明

仕分けシステム

【課題】店舗および通路別仕分けを行うことができ、商品の確実な実績管理を行うことができる仕分けシステムを提供する。
【解決手段】食品が収納されたケース11,29を連続して格納可能で、注文データで仕分けする店舗の通路がそれぞれ割り当てられた間口52を複数有する流動棚53と、ケースに取り付けられたバーコードラベルにより識別される店舗の通路によりこの店舗の通路に割り当てられた間口52を求め、ケースをこの間口52に仕分けするスタッカークレーン54を備え、流動棚53の間口52へ仕分けするケースに収納の食品ナンバーを各間口52毎に記憶し、流動棚53の間口52よりケースを取り出しカゴ車68に移載する際に、最初と最終のケースの食品ナンバーを読み取り、記憶されたこの間口52のケースの食品ナンバーに基づいて各間口52より取り出されるケースをカゴ車68毎に管理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仕分けシステム、例えば定温品やパンなど荷崩れし易い商品の仕分けシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、チルド品等の定温品やパンなどの商品の店舗向け納品に際して、これら商品またはケースを、店舗での陳列作業の効率アップを背景に、店舗だけではなく、カテゴリー別、通路別に分けて納品することが要求されている。特に、定温品は多品種・少量で温度管理が必要なことから、定温品を含む商品は、カテゴリー別納品、通路別納品など1店舗でも5区分以上に分けて納品することが求められている(ニーズとなっている)。
【0003】
このようなニーズを満足し、定温品やパンなどパット(食品を入れる専用のコンテナ)の中で荷崩れし易い商品の特性を考慮した仕分け設備として、ディジタルアソート(仕分け)設備や押出式(シュースライド型)自動仕分装置が広く使用されている。
【0004】
前記ディジタルアソート設備の一例が、特許文献1の[従来の技術]の欄に説明されている。すなわち、アソート設備は、たとえば入荷してきた物品を仕分け先(店舗など)に仕分けを行う設備であり、作業者が、入荷してきた物品が収納された容器(バケットやコンテナなど)を、たとえば移動車(台車やカゴ車など)やコンベヤ等で移動させながら、この容器から物品の仕分け棚(保管棚)の各区画収納空間に対して、この区画収納空間毎に設けられた仕分け表示器の表示(入庫数量などの情報)、あるいは携帯端末機(ターミナル)に伝送されてくる表示(入庫する区画収納空間と数量などの情報)に応じて作業者が物品を移載することにより仕分け先毎の物品の集品(仕分け)が行われる。また保管棚にも、ピッキング棚と同様に、複数の区画収納空間からなるブロックが設定され、ブロック毎に一人の作業者に対する仕分け表示器の表示が行われ、各ブロックで作業者は上述した仕分け作業を行っている。
【0005】
また上記押出式自動仕分装置は、例えば特許文献2に開示されている。押出式自動仕分装置は、スラットコンベヤに左右に移動するスライドシューを組み込んだもので、分岐装置によりシューが、各店舗に割り当てられた仕分けシュート側に導かれて商品を押し出すよう構成されている。
【特許文献1】特開2002−347911号公報(第2頁右欄)
【特許文献2】特許第2654857号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来のディジタルアソート設備では、多くの作業者が仕分けに従事しなければならないことから、人手、人材の確保が常に問題となっており、また仕分けのためのコストが高くなるという傾向にある。
【0007】
また従来の押出式自動仕分装置では、各店舗のカテゴリー別、通路別に商品を仕分けようとすると、その数に合わせて、平面的に左右に配置される仕分けシュートの数が増加するため、設置スペースが多く必要となるという問題がある。また商品は仕分けシュートをスライドして保管されることにより、商品を作業者により仕分けする場合と比較して商品に衝撃が与えられる恐れがある。またチルド品等のように外気温度の影響を受ける商品の場合、複数の商品が同時に入荷されてしまうと、保管するまでに時間がかかって商品によい影響を与えないので、複数の商品をずらして入荷するようにし、出荷は一斉に短時間に行うことが求められるため、入荷した複数の商品を一旦、保管する設備が必要となるが、これに加えて押出式自動仕分装置を設けると、設備が大きなものとなってしまい、初期の投資コストの負担が大きくなってしまう。さらに、仕分けシュートから商品をカートに積載して、各店舗のカテゴリー別、通路別に出荷することになるが、実際にどの商品がカートに積載されているかが不明であり、商品の確実な実績管理を行うことが不可能であった。
【0008】
そこで、本発明は、少ないスペースで、多くの店舗およびカテゴリー別、通路別仕分けを自動で行うことができ、また少ない人手で仕分け作業を行うことができ、さらに物品(商品)の確実な実績管理を行うことができる仕分けシステムを提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、複数の仕分け先の仕分け単位の物品要求情報に応じて、前記各仕分け先の仕分け単位毎にそれぞれ、予め物品を特定する情報が付された物品を仕分けする仕分けシステムであって、
前記物品要求情報に基づいて前記物品に取り付けられ、前記仕分け先の仕分け単位を識別する識別手段と、前記物品を複数個連続して格納可能で、前記仕分け先の仕分け単位がそれぞれ割り当てられた間口を、複数を有する格納手段と、前記物品に取り付けられた識別手段の仕分け先の仕分け単位により、この仕分け先の仕分け単位が割り当てられた間口を求め、前記物品をこの間口に仕分けする仕分け手段と、前記格納手段の間口から取り出される物品の物品を特定する情報を読み取り可能な読み取り手段とを備え、前記格納手段の間口へ物品を仕分けするとき、この物品の物品を特定する情報を各間口毎に記憶し、前記格納手段の間口より仕分けられた物品を取り出す際に、最初と最終の物品の前記物品を特定する情報を、前記読み取り手段により読み取り、これら物品を特定する情報と、前記記憶された、この間口に仕分けられた物品の物品を特定する情報に基づいて、各間口より取り出される物品を特定し管理することを特徴とするものである。
【0010】
上記構成によれば、物品を仕分けするとき、物品に取り付けられた識別手段の仕分け先の仕分け単位により仕分け先の仕分け単位が割り当てられた間口が求められ、この求められた間口に仕分けられ、また間口毎に仕分けられた物品の物品を特定する情報が記憶される。そして、複数個連続して格納された物品を各間口から取り出す際、最初と最終の物品の物品を特定する情報が読み取り手段により読み取られ、これら物品を特定する情報に基づいて、各間口より取り出される物品が特定され管理される。よって、物品を取り出した間口、すなわち仕分け先の仕分け単位毎に、取り出した物品が特定され、例えば、取り出した物品を移載した配送台車毎に物品を正確に確実に捉えることができる。
【0011】
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記物品は容器に収納されており、単一の物品を収納して入荷されてきた入荷用容器より、前記物品の要求情報に応じて、前記物品を前記仕分け先の仕分け単位の仕分け用容器に仕分けする仕分け設備を備え、前記入荷用容器を前記仕分け設備へ搬送して、この入荷用容器より物品を前記仕分け先の仕分け単位に仕分け用容器に仕分け、この仕分け用容器に前記識別手段を取り付けて前記仕分け手段に搬送し、仕分け手段により前記仕分け用容器を前記格納手段の間口に仕分けすることを特徴とするものである。
【0012】
上記構成によれば、入荷用容器より、物品の要求情報に応じて物品が仕分け先の仕分け単位の仕分け用容器に仕分けられ、この仕分け用容器に識別手段が取り付けられて仕分け手段に搬送され、仕分け手段により格納手段の間口に仕分けられる。
【0013】
また請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明であって、前記入荷用容器に前記識別手段を取り付けて前記仕分け手段に搬送し、仕分け手段により前記仕分け用容器を前記格納手段の間口に仕分けすることを特徴とするものである。
【0014】
上記構成によれば、入荷用容器に識別手段が取り付けられて、直接仕分け手段に搬送され、仕分け手段により格納手段の間口に仕分けられる。
また請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明であって、前記物品要求情報に基づいて、前記物品の仕分け先の仕分け単位を判別し、各物品に前記識別手段を取り付ける取付手段を備えたことを特徴とするものである。
【0015】
上記構成によれば、各物品は、物品要求情報に基づいて仕分け先の仕分け単位が判別され、識別手段が取り付けられる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の仕分けシステムは、複数個連続して格納された物品を各間口から取り出す際、最初と最終の物品の物品を特定する情報が読み取り手段により読み取られ、これら物品を特定する情報に基づいて、各間口より取り出される物品が特定され管理されることにより、物品を取り出した間口、すなわち仕分け先の仕分け単位毎に、取り出した物品を特定することができる、という効果を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態における仕分けシステムの構成図であり、入荷エリア1と仕分けエリア2と出荷エリア3から構成されている。
【0018】
まず、仕分けシステムに注文されてくる注文データ(物品の要求情報)の一例について説明する。
本実施の形態における仕分けシステムは、複数の種類(例えば40品)の荷崩れし易い食品(定温品やパンなど;物品の一例)の注文を受け付けることを可能としており、店舗(仕分け先の一例)からの食品の注文は、図2に示すように、店舗の通路別(仕分け先の仕分け単位の一例)に送られてくる、食品を特定する情報(例えば、食品ナンバー「001」〜「0040」)と数量から形成される。また食品のうちナンバー「021」〜「040」の食品はケース単位で注文され、他の食品は1個単位で注文されるものとしている。
【0019】
これら店舗からの注文は、特定の期日単位で、コンピュータからなる仕分け制御コントローラ4で集計され、後述する各種データが形成され、これらデータにしたがって入荷から出荷までの仕分け作業が実行される。
【0020】
また上記エリア1,2,3は、取り扱う食品の維持に必要な所定の温度の環境とされている。
[入荷エリア]
入荷エリア1には、トラックなどの運搬車両13によって、上記食品が複数個(例えば10個)裸の状態で底の浅い専用のコンテナ(入荷用容器の一例;以下、入荷ケースと称す)11に収納されて入荷され、あるいは多量(例えば12箱)の入荷ケース11がカゴ車(一群での入荷用容器の入荷の一例)12に搭載されて入荷される。なお、入荷ケース11とカゴ車12には、予め特定の位置に、収納している食品を特定する情報(物品を特定する情報)として、食品のナンバーとロットナンバーからなるバーコード(以下、食品バーコードと称す)が印字されたバーコードラベル(以下、食品バーコードラベルと称す)が取り付けられている。
【0021】
そして、入荷エリア1では、入荷された入荷ケース11またはカゴ車12は3つのルートに分類、切り分けられて仕分けエリア2へ搬出される。
*第1ルートおよび第2ルート
1個単位で注文される食品「001」〜「020」のうち、入荷ケース11の所定数量(例えば、10個)以上の注文があった場合、仕分け制御コントローラ4において、図2に示すように、入荷ケース11のケース数と食品数(1個単位)に分けられ、図3(a)に示すように、食品ナンバー毎に、入荷ケース11の数と、注文の店舗および通路ナンバーからなるケース仕分けデータが形成される。
【0022】
第1ルートおよび第2ルートに入荷ケース11を仕分けする設備として、入荷された入荷ケース11を運搬車両13より搬入する搬入コンベヤ5と、搬入コンベヤ5により搬送されてきた入荷ケース11を、第1ルートを形成する第1入荷コンベヤ14と第2ルートを形成する第2入荷コンベヤ15へ分岐する分岐装置6と、搬入コンベヤ5に沿って分岐装置6の入口に配置された入荷ケース11の食品バーコードラベルより食品バーコード(食品のナンバーとロットナンバー)を読み取るバーコードリーダ7と、第1入荷コンベヤ14に沿って分岐装置6の出口に配置され、第1入荷コンベヤ14により搬送される入荷ケース11に、注文の店舗および通路ナンバーからなるバーコード(以下、仕分けバーコードと称す)が印字されたバーコードラベル(以下、仕分けバーコードラベルと称す;識別手段の一例)を貼りつけるラベル貼付け機(取付手段の一例)8が設けられている。バーコードリーダ7の読み取りデータ(食品のナンバーとロットナンバー)は仕分け制御コントローラ4と分岐装置6へ入力される。また上記仕分け制御コントローラ4において形成された上記ケース仕分けデータは分岐装置6に予め登録される。
【0023】
この構成により、搬入コンベヤ5により入荷ケース11が入荷されてくると、その食品バーコードラベルから食品のナンバーとロットナンバーが読み取られ、仕分け制御コントローラ4と分岐装置6へ入力される。
【0024】
分岐装置6は、この入力した食品のナンバーにより予め登録されたケース仕分けデータを検索して、ケース単位で仕分けするケースおよびケース台数以内かどうかを確認し、確認すると、この入荷ケース11を第1入荷コンベヤ14へ分岐し、続いてこの入荷ケース11の店舗および通路ナンバーからなるデータをラベル貼付け機8へ出力して、入荷ケース11に、店舗および通路ナンバーからなる仕分けバーコードラベルを貼り付けさせる。このように、ケース仕分けデータにしたがって、入荷ケース11に仕分けバーコードラベル(店舗および通路ナンバー)が取り付けられて、第1ルートを形成する第1入荷コンベヤ14で仕分けエリア2へ搬送される。図3(a)に示すデータでは、食品ナンバー「003」の入荷ケース11が1箱、A店舗および通路ナンバー2の仕分けバーコードラベルが付されて搬送される。
【0025】
また分岐装置6は、ケース単位で仕分けするケースではないとき、第2入荷コンベヤ15へ分岐する。このように、1個単位で注文される食品「001」〜「020」のうち、第1ルートへ分岐される以外の入荷ケース11は、第2ルートを形成する第2入荷コンベヤ15へ分岐され、仕分けエリア2へ搬送される。
【0026】
このように、第1ルートおよび第2ルートに入荷ケース11を仕分けする設備では、1個単位で注文される食品「001」〜「020」が入荷ケース11に収納されて入荷されると、入荷ケース11単位で、注文データから形成されるケース仕分けデータにしたがって、2つの仕分け区分、すなわち第1ルートと第2ルートに仕分けられ、仕分けエリア2へ搬送される。
【0027】
*第3ルート
携帯型バーコードリーダ9が配置されており、ケース単位で注文される食品「021」〜「040」がカゴ車12により入荷されてくると、この携帯型バーコードリーダ9によりカゴ車12の食品バーコードラベルの食品バーコード(食品のナンバーとロットナンバー)が読み取られ、カゴ車12のまま、作業者に押されて仕分けエリア2へ搬送される。携帯型バーコードリーダ9の読み取りデータ(食品のナンバーとロットナンバー)は仕分け制御コントローラ4へ入力される。
【0028】
仕分け制御コントローラ4は、入荷ケース単位でバーコードリーダ7より入力する食品のナンバーとロットナンバー、およびカゴ車単位でバーコードリーダ9より入力する食品のナンバーとロットナンバーを記憶し、図2に示すように注文データの食品ナンバー毎にロットナンバーを記憶する。これにより、各店舗および通路別に注文された食品(ナンバー)のロットナンバーが記憶され、仕分けして各店舗へ出荷される食品のロットナンバーが正確に確実に捉えられる(トレーサビリティが実践される)。
[仕分けエリア]
仕分けエリア2には、アソート設備(仕分け設備の一例)21と、プール設備22と、カゴ車ピッキング設備(第2仕分け設備の一例)24が備えられている。
「アソート設備21」
アソート設備21には、第2ルートを形成する第2入荷コンベヤ15により入荷ケース11が搬送され、各店舗の通路別(仕分け先の仕分け単位)に食品が仕分けられる。
【0029】
図4に示すように、アソート設備21は、第2入荷コンベヤ15に連続して配置されたアキュムレーションコンベヤからなる仕分けコンベヤ28と、この仕分けコンベヤ28に沿って配置され、仕分けケース(仕分け用容器の一例)29が収納される複数の区画収納空間31を有する固定棚からなる仕分け棚32と、仕分けが終了した仕分けケース29をプール設備22へ搬送する搬出仕分けコンベヤ33と、アソート設備21のアソート作業を制御する、コンピュータからなるアソート設備コントローラ34から構成されている。なお、チルド品等の定温品の店舗への納品荷姿は、「限られた種類の容器(ケース)」であることが多く、仕分けケース29をこの限られた種類のケース形状で、かつ入荷ケース11と段積みが可能なケースとしている。
【0030】
また3段3列の区画収納空間31毎に一人の作業者がアソート作業を担当する(作業)ゾーンZが設定されている。また仕分け棚32の上部には、空きの仕分けケース29が折畳んだ状態で積み付けられている。
【0031】
また前記各区画収納空間31にはそれぞれ、各店舗の通路が割り当てられ、アソート設備コントローラ34に予め登録されている。
また各区画収納空間31にはそれぞれ、アソート表示器35が設けられている。各アソート表示器35には、仕分けする食品の数量が表示されるディジタル数量表示器36(表示手段)と完了押釦スイッチ37(完了操作手段)と満了押釦スイッチ(満了操作手段)38が設けられている。前記完了押釦スイッチ37は、このスイッチ37を設けた区画収納空間31の仕分けケース29へ数量表示器36の表示された数量に応じて食品を仕分けする際に、あるいは投入し終わると(仕分けが終わると)操作される。
【0032】
またアソート設備21の入口(第2入荷コンベヤ15の終端)には、入荷ケース11の食品バーコード(ここでは食品ナンバー)を読み取るバーコードリーダ(入力手段)39が設けられている。
【0033】
また各ゾーンZ毎に、仕分けコンベヤ28の下流端に、ゾーン仕分け終了スイッチ40と、仕分けケース29へ取り付ける、店舗および通路ナンバーからなる仕分けバーコードが印字された仕分けバーコードラベル(入荷エリアのラベル貼付け機8が貼りつける仕分けバーコードラベルと同じもの)を発行するラベルプリンタ(発行手段)41が設けられている。この仕分けバーコードラベルにより、仕分けケース29が特定される。
【0034】
前記アソート設備コントローラ34に、仕分けコンベヤ28と、各区画収納空間31のアソート表示器35と、バーコードリーダ39と、各ゾーンZのゾーン仕分け終了スイッチ40およびラベルプリンタ41が接続されている。また上記仕分け制御コントローラ4において、図2のデータから図3(b)に示すアソート設備仕分けデータ、すなわち入荷ケース11から各区画収納空間31へ食品を仕分けするデータが形成され、アソート設備コントローラ34へ登録される。例えば、食品ナンバー「001」の入荷ケース11からは、店舗Aの通路ナンバー1に割り当てられた区画収納空間31に5個、店舗Bの通路ナンバー2に割り当てられた区画収納空間31に3個、店舗Cの通路ナンバー1に割り当てられた区画収納空間31に2個が仕分けられるデータが形成される。
【0035】
このアソート設備コントローラ34の制御により、アソート設備において次のように仕分け作業が実行される。
1.仕分け作業の前に、アソート設備コントローラ34により各ゾーンZのラベルプリンタ41が駆動されて、各区画収納空間31に登録された店舗および通路ナンバーからなる仕分けバーコードが印字された仕分けバーコードラベルが発行される。作業者はこれら仕分けバーコードラベルを該当する各区画収納空間31の仕分けケース29にそれぞれ取り付ける。
【0036】
2.入荷ケース11は1箱毎に各ゾーンZに搬入され、各ゾーンZにおける仕分け作業が終了すると、次のゾーンZへ搬送される。
3.入口のバーコードリーダ39により読み取られたバーコードのデータにより入荷ケース11に収納された食品のナンバーが確認され、この食品のナンバーにより、予め登録された前記アソート設備仕分けデータが検索され、各ゾーンにおける仕分けデータが形成される。この食品のナンバーの入荷ケース11が搬送されてくる各ゾーンZでは、形成された仕分けデータに基づいて、仕分けを行う区画収納空間31のアソート表示器35のディジタル表示器36に仕分けする食品の数量が表示される。
【0037】
4.各仕分け作業者は、入荷ケース11が搬入されてくると、区画収納空間31のアソート表示器35の数量表示器36に表示された数量に応じて入荷ケース11より食品を仕分けケース29へ投入し、投入し終わると(仕分けが終わると)、完了押釦スイッチ37を操作する。また仕分けケース29が満了となると、満了押釦スイッチ38を操作し、搬出仕分けコンベヤ33へ移載する。これにより満了となった仕分けケース29がプール設備22へ搬送される。また、アソート設備コントローラ34は、この満了押釦スイッチ38が操作された区画収納空間31に割り付けられた、店舗および通路ナンバーを確認して、このゾーンZのラベルプリンタ41を駆動し、店舗および通路ナンバーからなる仕分けバーコードが印字された仕分けバーコードラベルを発行する。作業者はこの仕分けバーコードラベルを、空きの仕分けケース29に取り付け、区画収納空間31へ収納してアソート作業を続行する。
【0038】
5.作業者は、入荷ケース11に対する仕分け作業が終了すると、ゾーン仕分け終了スイッチ40を操作する。アソート設備コントローラ34は、全てのゾーンZにおける仕分け作業が終了すると、仕分けコンベヤ28を駆動して入荷ケース11は隣接する下流のゾーンZへ搬送する。
【0039】
6.全ての入荷ケース11への仕分け作業が終了すると、各ゾーンZの作業者は、各区画収納空間31より仕分けケース29を取り出し、搬出仕分けコンベヤ33へ移載する。これにより仕分けが終了した仕分けケース29がプール設備22へ搬送される。
【0040】
このように、注文データに応じて入荷ケース11より食品が、店舗および通路ナンバー毎に、仕分けバーコードラベルが取り付けられた仕分けケース29に仕分けられ、プール設備22へ搬出仕分けコンベヤ33により搬送される。
「プール設備22」
プール設備22には、図5に示すように、複数群(図では、3群)の自動仕分け設備51が並列に配置されている。各自動仕分け設備51には、複数の入荷ケース11と仕分けケース29を連続して格納可能で、店舗および通路ナンバー(仕分け先の仕分け単位)がそれぞれ割り当てられた間口52を、複数を有する流動棚(格納手段の一例)53と、流動棚53のケース投入口(入口)側に沿って形成された一定経路iを自動走行し、流動棚53の間口52へ入荷ケース11または仕分けケース29を投入するスタッカークレーン54と、コンピュータからなる自動仕分け設備コントローラ56と、スタッカークレーン54へのケース11,29の搬入を行う入庫コンベヤ57から構成されている。前記スタッカークレーン54と自動仕分け設備コントローラ56により仕分け手段の一例が形成される。
【0041】
また各自動仕分け設備51の流動棚53は、1階フロアと2階フロアに渡って6段(各階3段)で10(各階5つ)のゾーンkに分れて形成されており、各ゾーンkは、3段4列の間口52から構成されている。そして、例えば、各ゾーンkは所定の配送ルートにある店舗の群に割り当てられ、これら店舗の通路ナンバーがそれぞれこのゾーンkの間口52に割り当てられる。一例として図8に示すように、ゾーン1の間口1〜4に店舗Aの通路ナンバー1〜4が割り当てられている。またこれら各自動仕分け設備51の各間口52にそれぞれ、予め割り当てられた店舗および通路ナンバー(仕分け先の仕分け先単位)は、各自動仕分け設備51の自動仕分け設備コントローラ56に登録される。また自動仕分け設備コントローラ56は、図8に示すように、店舗および通路ナンバーが割り当てられた間口52毎に、投入された入荷ケース11または仕分けケース29の食品のナンバーとロットナンバー(投入順)、さらに個数を、在庫データとして管理している。
【0042】
またスタッカークレーン54は、前記一定経路iを構成する天井部の走行レール58Aおよび床部のガイドレール58Bに案内されて走行するように構成され、その昇降自在なキャレッジ54Aには、キャレッジ54Aと間口52または入庫コンベヤ57との間でケース11,29の出し入れを行うフォーク装置55が設けられている。また、各自動仕分け設備51のスタッカークレーン54を案内する走行レール58Aおよびガイドレール58Bは、連続しており、スタッカークレーン54は隣接する自動仕分け設備51に移動してケース11,29の移載を可能としている。
【0043】
またプール設備22の入口には、アソート設備21の搬出仕分けコンベヤ33により搬送されてきた仕分けケース29と第1入荷コンベヤ14により搬送されてきた入荷ケース11が衝突しないように合流される合流装置59が設けられている。この合流装置59により合流されたケース11,29は、入庫搬送コンベヤ61により搬送され、分岐装置60へ搬入される。また入庫搬送コンベヤ61に沿って、ケース11,29に取り付けられた仕分けバーコードラベルより店舗および通路ナンバーを読み取るバーコードリーダ64と、ケース11,29に取り付けられた食品バーコードラベルより食品のナンバーとロットナンバーを読み取るバーコードリーダ65が設けられている。これらバーコードリーダ64,65の読み取りデータは分岐装置60へ入力されている。
【0044】
前記分岐装置60は、入庫搬送コンベヤ61により搬送されてきたケース11または29を各自動仕分け設備51の入庫コンベヤ57へ分岐する装置である。この分岐装置60には、予め、各自動仕分け設備51(コントローラ56)に割り当てられた、店舗および通路ナンバーが登録されており、バーコードリーダ64により読み取った仕分けバーコードラベルの仕分けバーコード(店舗および通路ナンバー)を照合して、ケース11または29を分岐する自動仕分け設備51を求め、入庫搬送コンベヤ61より、求めた自動仕分け設備51の入庫コンベヤ57へ分岐する。また分岐したケース11または29の店舗および通路ナンバーのデータ、ならびにバーコードリーダ65により読み取った食品バーコードラベルの食品バーコード(食品のナンバーとロットナンバー)のデータとを自動仕分け設備コントローラ56へ出力している。
【0045】
また各自動仕分け設備51のゾーン毎にそれぞれ、流動棚53からケース11,29を取り出す取り出し口(出口)側に、ケース11,29に取り付けられたバーコードラベルより食品のナンバーとロットナンバーを読み取る携帯型バーコードリーダ66(読み取り手段の一例)と、店舗および通路ナンバーからなる仕分けバーコードを印字した仕分けバーコードラベル(入荷エリアのラベル貼付け機8が貼りつける仕分けバーコードラベルと同じもの)を発行するラベルプリンタ67が設けられている。ラベルプリンタ67により発行された仕分けバーコードラベルは出荷用カゴ車68に貼り付けられる。また携帯型バーコードリーダ66は、ラベルプリンタ67により発行されて出荷用カゴ車68に貼り付けられた仕分けバーコードラベルより店舗および通路ナンバーを読み取ることに使用される。
【0046】
上記自動仕分け設備コントローラ56による自動仕分け設備51における仕分け動作を説明する。
「入庫・仕分け」
自動仕分け設備コントローラ56は、分岐装置60より店舗および通路ナンバーを入庫すると、予め登録された間口52の店舗および通路ナンバーに基づいて、入庫する間口52を求める。そして、入庫コンベヤ57にケース11または29が搬送されてくると、スタッカークレーン54を駆動して、入庫コンベヤ57よりフォーク装置65によりケース11または29をキャレッジ54A上へ移載し、確認された間口52へケース11または29を搬送し、フォーク装置65を使用して前記求めた間口52へ投入する。投入後、上記在庫データ、すなわちケース11または29の個数と、食品のナンバーとロットナンバー(投入順)を更新する。
【0047】
「出庫」
仕分けが終了すると、出庫作業が実行される。
まず、作業者は、図7に示すように、各ゾーンの各間口52にそれぞれ対応する出荷用カゴ車68を用意する。また自動仕分け設備コントローラ56は、各間口52毎に収納されたケース11または29の個数を、出荷用カゴ車68に搭載可能なケース11または29で除算して必要な出荷用カゴ車68の台数を求め、各ゾーンのラベルプリンタ67に対して、各ゾーンの各間口52に割り当てられた店舗および通路ナンバーならびに出荷用カゴ車68の台数からなるデータを出力し、店舗および通路ナンバーからなる仕分けバーコードを印字した仕分けバーコードラベルを出荷用カゴ車68の台数分発行させる。作業者はこれらバーコードラベルを、各間口52にそれぞれ対応する出荷用カゴ車68に貼り付ける。
【0048】
続いて作業者は、各間口52よりそれぞれ対応する出荷用カゴ車68にケース11または29を移載する。このとき、まずバーコードリーダ66により出荷用カゴ車68に貼り付けた仕分けバーコードラベルのバーコード(店舗および通路ナンバー)を読み取り、自動仕分け設備コントローラ56へ入力し、続いてバーコードリーダ66によりこの出荷用カゴ車68に投入する最初のケース11または29の食品バーコードラベルのバーコード(食品のナンバーとロットナンバー)を読み取り、自動仕分け設備コントローラ56へ入力する。そして、出荷用カゴ車68への移載を行い、満了となると、バーコードリーダ66によりこの出荷用カゴ車68に投入した最後のケース11または29の食品バーコードラベルのバーコード(食品のナンバーとロットナンバー)を読み取り、自動仕分け設備コントローラ56へ入力する。
【0049】
また間口52にケース11または29が残っている場合は、次の出荷用カゴ車68に対して同様の動作を繰り返す。このような作業者が判断をする必要がない単純な作業で、「店舗および通路ナンバー」で特定される出荷用カゴ車68が形成され、ミスが低減されている。
【0050】
自動仕分け設備コントローラ56は、入力した店舗および通路ナンバーにより出荷用カゴ車68を特定し、続いて最初のケース11または29の食品のナンバーとロットナンバーおよび最後のケース11または29の食品のナンバーとロットナンバーにより、図8に示すように、在庫データから途中に取り出されたケース11または29の食品のナンバーとロットナンバーを求め、「店舗および通路ナンバー」で特定される出荷用カゴ車68に移載されたケース11または29の食品のナンバーとロットナンバーが記憶される。例えば、図8に示す間口ナンバー“1”よりこの間口に対応する出荷用カゴ車68に対してケース11または29の積み込み(移載)を行うとき、バーコードリーダ66により最初のケース11または29の食品バーコードラベルの食品バーコードから読み取られたデータ、すなわち食品のナンバーとロットナンバーが“a”、同様に最後のケース11または29の食品のナンバーとロットナンバーが“g”のとき、在庫データよりこれら食品のナンバーとロットナンバー“a”と“g”の中間に記憶された食品のナンバーとロットナンバーが“b,c,d,e,f”が求められ、「店舗および通路ナンバー」で特定される出荷用カゴ車68に移載されたケース11または29の食品のナンバーとロットナンバー“a,b,c,d,e,f,g”が記憶される。
【0051】
移載が終了した出荷用カゴ車68は出荷エリア3へ搬送される。
上記プール設備22の構成によれば、アソート設備21の搬出仕分けコンベヤ33により搬送されてきた仕分けケース29と第1入荷コンベヤ14により搬送されてきた入荷ケース11が判別され、スタッカークレーン54が駆動され、店舗および通路ナンバーが予め割り付けられた間口52に投入される(仕分けられる)。このとき、間口52毎に、間口52に投入されるケース11または29の食品のナンバーとロットナンバーが記憶され、在庫データが形成される。
【0052】
また仕分けが終了すると、間口52に仕分けられたケース11または29を、この間口52に対応する出荷用カゴ車68に移載する。すると、出荷用カゴ車68を店舗および通路ナンバーの台車とすることができ、出荷エリア3へ搬送される。このとき、最初と最終のケース11または29の食品バーコードを読み取ることにより、記憶されたこの間口52に仕分けられたケース11または29の食品ナンバーとロットナンバーに基づいて各間口52より取り出されるケース11,29がカゴ車68毎に求められ、店舗および通路ナンバーにより特定される各出荷用カゴ車68毎にそれぞれ、移載されたケース11または29の食品のナンバーとロットナンバーが記憶される。これらデータは仕分け作業が終了すると、仕分け制御コントローラ4に転送され、最終的にはこの仕分け制御コントローラ4において、店舗および通路ナンバーにより特定される各出荷用カゴ車68に移載されたケース11または29の食品のナンバーとロットナンバー、すなわち積み込み実績が記憶される。
「カゴ車ピッキング設備24」
カゴ車ピッキング設備24は、水平回転棚設備から構成されており、図9に示すように、カゴ車12を載置する受け台71を複数リンクし、無端長円状の下部(床)レール72と同形状の上部レール73にローラ等を介して支持案内させて、複数の受け台71を同時に正逆移動させる構成とされている。複数の受け台71を同時に正逆移動させるための駆動装置として、両レール72,73の内側において、円弧中心近くに立設する駆動軸78ならびに従動軸79と、これら軸78,79に取り付けた駆動輪体80ならびに従動輪体81と、両輪体80,81間に巻張され、かつ各受け台71が連結される無端回動体82と、上記駆動軸78に連動連結した正逆駆動自在なモータ83が設けられている。
【0053】
またカゴ車12を受け台71に乗り降りさせる搬入出口に、カゴ車12の食品バーコードラベルよりバーコード(食品ナンバーとロットナンバー)を読み取る携帯型バーコードリーダ87とコンピュータからなる入出庫用コントローラ84が設けられ、カゴ車12より入荷ケース11の仕分けを行う仕分け口に、コンピュータからなる仕分け用コントローラ85と店舗および通路ナンバーからなる仕分けバーコードを印字した仕分けバーコードラベル(入荷エリアのラベル貼付け機8が貼りつける仕分けバーコードラベルと同じもの)を発行するラベルプリンタ86が設けられている。また上記仕分け制御コントローラ4により、図2に示すデータより、店舗および通路毎に、ピッキングする食品ナンバーの入庫ケース11の数量が求められてカゴ車ピッキング設備データが形成され、このカゴ車ピッキング設備データが、予め仕分け用コントローラ85に登録される。
【0054】
入出庫用コントローラ84には、在庫データとして、各受け台71に搭載されているカゴ車12の積み付けられた入荷ケース11の数量と食品ナンバーとロットナンバーが記憶される。作業者は入荷エリア1よりカゴ車12を搬送してくると、入出庫用コントローラ84へ入庫要求を入力し、入出庫用コントローラ84はこの入庫要求に応じて在庫データより空き受け台71を求め、モータ83を駆動してこの空き受け台71を搬入出口へ移動させる。作業者は空き受け台71が搬入出口へ移動されてくると、まず携帯型バーコードリーダ87によりカゴ車12の食品バーコードラベルよりバーコード(食品ナンバーとロットナンバー)を読み取らせて入出庫用コントローラ84へ入力し、続いて移動されてきた空き受け台71へカゴ車12を乗り込ませ、入出庫用コントローラ84へ入荷ケース11の数量を入力する。これにより在庫データが更新されて記憶され、仕分け用コントローラ85へ転送される。また作業者は、カゴ車12を受け台71より降ろすときは、入出庫用コントローラ84へ食品ナンバーを含む出庫要求を入力し、入出庫用コントローラ84はこの出庫要求に応じて在庫データを検索して、入力した食品ナンバーのカゴ車12を搭載した受け台71を求め、モータ83を駆動してこの受け台71を搬入出口へ移動させる。作業者はこの受け台71が搬入出口へ移動し、カゴ車12が搬入出口へ移動されてくると、この受け台71よりカゴ車12を降ろし、入出庫用コントローラ84へ出庫終了を入力する。これにより在庫データが更新されて記憶される(空きの受け台71として登録される)。
【0055】
また仕分け口に設けた仕分け用コントローラ85の指示により、入庫ケース11毎の仕分け作業が実行される。すなわち、仕分け用コントローラ85より作業者に店舗および通路ナンバーが指示され、ラベルプリンタ86より店舗および通路ナンバーからなる仕分けバーコードが印字された仕分けバーコードラベルが発行される。作業者は発行された仕分けバーコードラベルを出荷用のカゴ車88に取り付け、続いて仕分け用コントローラ85により仕分け口へ移動されてくるカゴ車12より、指示された数量の入庫ケース11を出荷用カゴ車88へ移載し、移載終了を仕分け用コントローラ85へ入力する。これにより店舗および通路ナンバーにより特定される出荷用カゴ車88へ移載した入荷ケース11の食品ナンバーとロットナンバー(仕分け口へ移動されてきたカゴ車12の食品ナンバーとロットナンバー)を記憶する。
【0056】
この仕分け作業をカゴ車12が仕分け口へ移動されてくる毎に行う。したがって、店舗および通路ナンバーにより特定される出荷用カゴ車88へ移載した入荷ケース11の食品ナンバーとロットナンバーが特定される。
【0057】
出荷用カゴ車88に対する出庫作業が終了すると、この出荷用カゴ車88を出荷エリア3へ搬送する。
このように、カゴ車ピッキング設備24において、カゴ車12により一群の入荷ケース11が入荷されると、カゴ車12より入荷ケース11単位で、店舗および通路ナンバー別(仕分け先および仕分け先の単位)に入荷ケース11が仕分けられ、出荷用カゴ車88に搭載されて出荷エリア3へ搬送される。また店舗および通路ナンバーにより特定される出荷用カゴ車88毎にそれぞれ、移載された入荷ケース11の食品ナンバーとロットナンバーが記憶され、これらデータは仕分け作業が終了すると、仕分け制御コントローラ4に転送され、最終的にはこの仕分け制御コントローラ4において、店舗および通路ナンバーにより特定される各出荷用カゴ車88に移載された入荷ケース11の食品のナンバーとロットナンバー(積み込み実績)が記憶される。
[出荷エリア]
出荷エリア3では、プール設備22より搬送されてきた店舗および通路ナンバー毎の出荷用カゴ車68と、カゴ車ピッキング設備24より搬送されてきた店舗および通路ナンバー毎の出荷用カゴ車88とが、仕分けバーコードラベルにより店舗および通路ナンバーが確認されて合流され、配送ルート・店舗別にトラック等の運搬車両13へ搭載され、各店舗へ運搬される。
【0058】
以上のように本実施の形態によれば、流動棚53の間口52へ仕分けする入荷ケース11または仕分けケース29に収納の食品ナンバーを各間口52毎に記憶し、流動棚53の間口52より入荷ケース11または仕分けケース29を取り出しカゴ車68に移載する際に、最初と最終の入荷ケース11または仕分けケース29の食品バーコードを読み取ることにより、店舗および通路ナンバーにより特定される出荷用カゴ車68毎にそれぞれ、移載されたケース11または29の食品のナンバーとロットナンバーが記憶され、また店舗および通路ナンバーにより特定される出荷用カゴ車88毎にそれぞれ、移載された入荷ケース11の食品ナンバーとロットナンバーが記憶されることにより(最終的にこれらデータが仕分け制御コントローラ4に蓄えられることにより)、積み込み実績を、各店舗へ実際に出荷される出荷用カゴ車66,88単位およびケース11,29単位で正確に確実に捉えることができ、トレーサビリティを実践することができる。また仕分け制御コントローラ4により、図2に示すように、食品ナンバー毎に実際に入荷した食品のロットナンバーが記憶され、各店舗および通路別に注文された食品(ナンバー)のロットナンバーが記憶されることにより、各店舗および通路別に仕分けして出荷される食品のロットナンバーを正確に確実に捉えることができ、トレーサビリティを実践できる。
【0059】
また本実施の形態によれば、入荷ケース11は、第1ルートと第2ルートの2つのラインに仕分けられ、一方はアソート設備21で、入荷ケース11より食品が店舗および通路ナンバー単位の仕分けケース29に仕分けられ、この仕分けケース29はプール設備22へ搬送され、また入荷ケース11は他方、店舗および通路ナンバーが特定されて直接、プール設備22へ搬送され、入荷ケース11と仕分けケース29は、店舗および通路ナンバーの単位毎に自動仕分け設備51の間口52に投入されて保管され、すなわちプール設備22において、店舗および通路ナンバー別に仕分けが実行されて保管されることによって、定温品やパンなど荷崩れし易い食品の仕分け作業を省力化でき、また荷崩れし易い食品を収納したケース(入荷ケース11と仕分けケース29)のケース単位での店舗および通路ナンバー別仕分け作業を自動化することができ、さらに完全自動化が可能となる。また店舗および通路ナンバー別に搬出されて出荷されることにより、店舗および通路ナンバーの単位の出荷、すなわち通路別納品を実現することができる。
【0060】
また本実施の形態によれば、上下多段左右に多くの間口52を備えた流動棚53を使用することにより、要求された店舗および通路ナンバー別(仕分け単位)が確実に自動で仕分けできる間口を確保でき、また確実な自動仕分けの実行により仕分けミスの排除、仕分け効率のアップを図ることができる。さらに上下多段左右に多くの間口52を備えた流動棚53を使用して、店舗および通路ナンバー別仕分け作業が実行されることにより、従来の押出式(シュースライド型)自動仕分装置と比較して省スペースおよび低コストを実現することができ{押出式(シュースライド型)自動仕分装置では平面的に配置される、店舗および通路ナンバー別の仕分けシュートが必要となる}、少ないスペースで多くの店舗の通路別仕分けができ、また人手では困難な多くの店舗の通路別仕分けが可能となる。
【0061】
また本実施の形態によれば、入荷ケース11が一群で、例えば多量の入荷ケース容器がカゴ車12により入荷されると、カゴ車ピッキング設備24を使用してこのカゴ車12から直接、店舗および通路ナンバーの単位に仕分けられることにより、多量の入荷ケース11の仕分けを迅速に実行することができる。
【0062】
また本実施の形態によれば、アソート設備21およびプール設備22を使用して食品の仕分けが実行されることにより、押出式(シュースライド型)自動仕分装置を使用したときと比較して食品(商品)に与える衝撃を少なくでき、自動化対象を大幅に増やすことができる(投資効果を大きくできる)。
【0063】
なお、本実施の形態では、仕分け先の単位を、店舗の通路別としているが、店舗の区画や棚、カテゴリー別などとすることもできる。
また本実施の形態では、仕分けシステムのエリア1,2,3を、取り扱う食品の維持に必要な所定の温度の環境としているが、エリア内の各設備毎に温度設定をすることもできる。例えば、無人のプール設備22では、温度をチルド品の長期保存に適した4℃程度に設定し、作業者がアソート設備21では、作業者に影響を与えない温度に設定する。
【0064】
また本実施の形態では、入荷エリア1において分岐装置6を使用して第1ルートと第2ルートに入荷ケース11を仕分けているが、図3(a)に示すケース仕分けデータに基づいて人手により入荷ケース11を仕分けすることも可能である。また入荷ケース11を2段としても間口52に投入できる場合、人手により入荷ケース11を2段積みにして仕分けすることも可能である。このとき、仕分けバーコードラベルに、2段積みのデータを付加し、間口52に投入された入荷ケース11が2段積みであることを自動仕分け制御コントローラ56へ入力する必要がある。
【0065】
また本実施の形態では、自動仕分け設備51のコントローラ56において、各間口52に保管されたケース11または29の在庫データの管理を行っているが、仕分け制御コントローラ4において各自動仕分け設備51の在庫データの管理を行ってもよい。
【0066】
また本実施の形態では、アソート設備21の仕分けコンベヤ28を、アキュムレーションコンベヤにより構成しているが、アキュムレーションコンベヤに限ることはなく、各ゾーンZの終端に、入荷ケース11の移動を阻止するストッパを備えたコンベヤにより形成してもよい。入荷ケース11を保留するとき、ストッパを上げて入荷ケース11が搬出されることを阻止し、隣接する下流のゾーンへ搬出するとき、ストッパを下げて入荷ケース11の搬出を可能とする。またアソート設備21の仕分け棚32として固定棚を使用しているが、流動棚を使用し、満了となった仕分けケース29を取り出すと、空きの仕分けケース29が前面に出てくる構成とすることもできる。またアソート設備21では、仕分けケース29に、作業者が店舗および通路ナンバーを示すバーコードが記載されたバーコードラベルを貼り付けているが、ラベル貼付け機を設けて、空きの仕分けケース29にバーコードラベルを貼付け、アソート設備21へ供給するようにすることもできる。
【0067】
また本実施の形態では、入荷ケース11を入荷する手段として、カゴ車12を使用しているが、カゴ車12に限ることはなく、カートやパレットなどを使用することも可能である。また出荷するケース11,29の搬送手段として出荷用カゴ車68,88を使用しているが、同様にカートやパレットなどを使用することも可能である。
【0068】
また本実施の形態では、入荷ケース11に収納している食品を特定する情報(物品を特定する情報)をバーコードにて表し、このバーコードが印字されたバーコードラベルを使用しているが、このようなバーコードラベルに限ることはなく、例えば、前記食品を特定する情報が記憶されたICタグを使用してもよい。また注文の店舗および通路ナンバーを示す情報をバーコードにて表し、このバーコードが印字されたバーコードラベルを入荷ケース11と仕分けケース29に取り付けているが、このようなバーコードラベルに限ることはなく、例えば、注文の店舗および通路ナンバーを示す情報が記憶されたICタグを使用してもよい。このとき、ラベルプリンタに代えて、ICタグ取り付け機を使用し、バーコードリーダに代えて、ICタグ読み取り機を使用する。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施の形態における仕分けシステムの構成図である。
【図2】同仕分けシステムへの注文データの説明図である。
【図3】同仕分けシステムの仕分け用データの説明図である。
【図4】同仕分けシステムのアソート設備の平面および正面図である。
【図5】同仕分けシステムの自動仕分け設備の平面図である。
【図6】同仕分けシステムの自動仕分け設備の側面図である。
【図7】同仕分けシステムの自動仕分け設備の要部斜視図である。
【図8】同仕分けシステムの自動仕分け設備の在庫データの説明図である。
【図9】同仕分けシステムのカゴ車ピッキング設備の平面および正面図である。
【符号の説明】
【0070】
1 入荷エリア
2 仕分けエリア
3 出荷エリア
4 仕分け制御コントローラ
6 分岐装置
8 ラベル貼付け機
11 入荷ケース
12 カゴ車
21 アソート設備
22 プール設備
24 カゴ車ピッキング設備
28 仕分けコンベヤ
29 仕分けケース
31 区画収納空間
32 仕分け棚
35 アソート表示器
51 自動仕分け設備
52 間口
53 流動棚
54 スタッカークレーン
56 自動仕分け設備コントローラ
57 入庫コンベヤ
59 合流装置
60 分岐装置
64,65,66 バーコードリーダ
68,88 出荷用カゴ車
71 受け台
84 入出庫用コントローラ
85 仕分け用コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の仕分け先の仕分け単位の物品要求情報に応じて、前記各仕分け先の仕分け単位毎にそれぞれ、予め物品を特定する情報が付された物品を仕分けする仕分けシステムであって、
前記物品要求情報に基づいて前記物品に取り付けられ、前記仕分け先の仕分け単位を識別する識別手段と、
前記物品を複数個連続して格納可能で、前記仕分け先の仕分け単位がそれぞれ割り当てられた間口を、複数を有する格納手段と、
前記物品に取り付けられた識別手段の仕分け先の仕分け単位により、この仕分け先の仕分け単位が割り当てられた間口を求め、前記物品をこの間口に仕分けする仕分け手段と、
前記格納手段の間口から取り出される物品の物品を特定する情報を読み取り可能な読み取り手段と
を備え、
前記格納手段の間口へ物品を仕分けするとき、この物品の物品を特定する情報を各間口毎に記憶し、前記格納手段の間口より仕分けられた物品を取り出す際に、最初と最終の物品の前記物品を特定する情報を、前記読み取り手段により読み取り、これら物品を特定する情報と、前記記憶された、この間口に仕分けられた物品の物品を特定する情報に基づいて、各間口より取り出される物品を特定し管理すること
を特徴とする仕分けシステム。
【請求項2】
前記物品は容器に収納されており、
単一の物品を収納して入荷されてきた入荷用容器より、前記物品の要求情報に応じて、前記物品を前記仕分け先の仕分け単位の仕分け用容器に仕分けする仕分け設備を備え、
前記入荷用容器を前記仕分け設備へ搬送して、この入荷用容器より物品を前記仕分け先の仕分け単位に仕分け用容器に仕分け、この仕分け用容器に前記識別手段を取り付けて前記仕分け手段に搬送し、仕分け手段により前記仕分け用容器を前記格納手段の間口に仕分けすること
を特徴とする請求項1に記載の仕分けシステム。
【請求項3】
前記入荷用容器に前記識別手段を取り付けて前記仕分け手段に搬送し、仕分け手段により前記仕分け用容器を前記格納手段の間口に仕分けすること
を特徴とする請求項2に記載の仕分けシステム。
【請求項4】
前記物品要求情報に基づいて、前記物品の仕分け先の仕分け単位を判別し、各物品に前記識別手段を取り付ける取付手段を備えたこと
を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の仕分けシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−117366(P2006−117366A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−306270(P2004−306270)
【出願日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】