説明

仕分け設備

【課題】本発明は、少品種少量の注文が増加しても、待ち時間の増加を防止でき、仕分け効率を向上できる仕分け設備を提供することを目的とする。
【解決手段】ユーザーが特定された集品容器21を搬送する搬送経路を、前記集品容器21をゾーン毎にタクト送りするメイン集品ライン22と、各個別のユーザーからの注文データが少品種少量の条件を満たす集品容器21を、メイン集品ライン22とは独立してゾーン毎にタクト送りするサブ集品ライン23とから構成し、各ゾーンでは、メイン集品ライン22によりタクト送りされてきた集品容器21に対して、物品の仕分けが優先して実行され、終了するとサブ集品ライン23によりタクト送りされてきた集品容器21に対して、物品の仕分けが実行される構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の仕分けを行う仕分け設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の仕分け設備において、一度のタクト送りで多くの集品容器を移動させ、集品ラインの能力を改善できる仕分け設備の一例が、特許文献1に開示されている。
この特許文献1に開示されている仕分け設備は、物品収納用の複数の区画収納空間を有し、各区画収納空間毎にピッキング表示器を設けたピッキング棚を備え、仕分け先毎に物品を集品する集品容器を、ピッキング棚に沿って配置された集品ライン(ローラコンベヤ)によりタクト送りし、前記各集品容器に前記ピッキング表示器の表示にしたがって各区画収納空間から物品の仕分けを行う仕分け設備であり、前記集品ラインを、平行な2列の集品容器を同時に移動可能な構成とし、2列の各集品容器に対応した仕分け位置(タクト送りによる集品容器の停止位置)に、各集品容器への仕分けを指示する指示表示器を設けている。
【0003】
この構成によれば、2列の集品容器が同時に集品ラインによりタクト移動され、指示表示器によって仕分けが指示される2列の集品容器に対して、各区画収納空間から物品の仕分けが行われる。よって、一度のタクト移動で、多くの集品容器を移動させて仕分け作業を行うことができ、集品ラインの能力を改善させることができる。
【0004】
上記特許文献1では、2列の集品ラインは同期して同時に動作しているが、2列の集品ラインがそれぞれ独立して動作し、一方の集品ラインがタクト移動中、作業者は他の集品ラインの仕分け作業を行うことができ、仕分け作業の効率化を図ることができる仕分け設備の一例が、特許文献2が開示されている。
【0005】
特許文献2に開示されている仕分け設備は、アソーティングエリアに、上段と下段がそれぞれ独立して動作し集品用コンテナの搬送を行うことができる2段のアソーティングラインが配置されており、各作業者は、それぞれ自分の前に搬送されてきたトートトレイから商品を取り出して、自分の周囲に並置された、前記下段と上段のアソーティングラインの各集品用コンテナに、指定された商品を指定された数量ずつ配分仕分けを行う。
【0006】
そして、上段または下段のアソーティングラインにおける1バッチ分の配分作業が終了すると、終了と共に上段または下段のアソーティングラインが搬送作動し、商品積み込み済みのコンテナは出荷エリアへと送り出されて出荷される。同時に、上段または下段のアソーティングラインの搬送作動によって、各作業者の前に空のコンテナが運ばれてくる。以後、各アソーティングラインの上段と下段が、1バッチ分の配分作業の終了毎、交互に搬送移動することにより、空のコンテナが随時供給され、作業者は、上段と下段で交互に間口配分作業を行う。
【0007】
このように、各作業者は、先ず、一方のアソーティングラインのアソーティングを行うが、作業が早く終わった作業者は、続けて、他方のアソーティングラインのアソーティングを行うことができ、また一方のアソーティングラインが搬送動作中、他方のアソーティングラインのアソーティングを行うことができ、仕分け作業の効率化を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−356209号公報
【特許文献2】特開2006−036407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
最近、個別、そして毎日配送する個別配達のサービスが増加し、それに伴い、個別の注文が、商品の品種(品目)が少なく、数量も少ない少品種少量の注文が増加している。このような、少品種少量の注文に対応する集品容器は、全ゾーンにおいて、例えば1回の仕分け作業しかないにも拘らず、同じラインを流れており、1つのゾーンに、少品種少量の注文に対応する集品容器が多く存在すると(仕分け作業のない集品容器が集中すると)、このゾーンでは、何ら仕分け作業を行うことのない待ち時間が増加してしまう。従来では、各ラインに少品種少量の注文に対応する集品容器が混在しているために、このような待ち時間の増加は避けることができず、仕分け効率を低下させる原因となっていた。
【0010】
そこで、本発明は、少品種少量の注文が増加しても、待ち時間の増加を防止でき、仕分け効率を向上できる仕分け設備を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、物品をそれぞれ収納する複数の区画収納空間を有し、所定数の区画収納空間毎に、仕分け作業を実行するゾーンが設定された仕分け棚を備え、前記仕分け棚に沿って、複数の仕分容器を搬送する搬送経路を備え、仕分け先の物品要求情報に応じて、前記搬送経路により搬送される前記各仕分容器と前記仕分け棚の各区画収納空間との間において物品の仕分けを行う仕分け設備であって、
前記搬送経路を、前記複数の仕分容器を搬送する第一仕分ラインと、前記第一仕分ラインとは独立して、前記各仕分け先の物品要求情報の特性、または仕分けが実行される前記物品の特性により、前記第一仕分ラインへ搬送される仕分容器とは分離された複数の仕分容器を搬送する第二仕分ラインとから構成し、前記各ゾーンでは、前記第一仕分ラインにより搬送されてきた前記仕分容器に対して、前記物品の仕分けが優先して実行され、前記第一仕分ラインにおける物品の仕分けが終了すると前記第二仕分ラインにより搬送されてきた前記仕分容器に対して、前記物品の仕分けが実行されることを特徴とするものである。
【0012】
上記構成によれば、第一仕分ラインにより搬送されてきた仕分容器に対して各ゾーンにおいて優先的に物品の仕分けが実行される。よって第一仕分ラインの仕分容器の物品の仕分け作業の進捗は速い。これに対して、第二仕分ラインにより搬送されてきた仕分容器に対しては、第一仕分ラインの仕分けが終了して、ゾーンから搬出されるまでの待ち時間、あるいはゾーンから搬送中に実行され、これにより作業者の待ち時間が無くされ、作業効率が改善される。しかし、第一仕分ラインの仕分容器に対する仕分け作業が優先され、第二仕分ラインの仕分容器への物品の仕分け作業の機会が少なくなるので、第二仕分ラインの仕分容器への物品の仕分け作業の進捗が遅くなる可能性がある。そこで、第二仕分ラインで搬送する仕分容器には、各仕分け先の物品要求情報の特性、または仕分けが実行される物品の特性により、作業者の作業効率が良い仕分容器が選定され、第一仕分ラインへ搬送される仕分容器とは分離される。
【0013】
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記仕分け先の物品要求情報の特性は、仕分け対象の物品が少品種少量の条件を満たす物品要求情報であり、この物品要求情報における少品種少量の条件は、仕分ける物品の品種が1で且つ数量が1、または物品の品種が1で且つ数量が2以上、或いはこれらの組み合わせであることを特徴とするものである。
【0014】
上記構成によれば、第二仕分ラインで搬送する仕分容器には、仕分け先の物品要求情報の特性として各仕分け先からの物品の要求情報が少品種少量の条件を満たす複数の仕分容器が選定され、この少品種少量の条件は、仕分ける物品の品種が1であるので、数量の大小はあっても、全ゾーンにおいて1回の仕分け作業で仕分けが終了し、よって、第一仕分ラインの仕分容器に対する仕分け作業が優先されても、第二仕分ラインにおける物品の仕分け作業の進捗は、第一仕分ラインと同等とされる。
【0015】
また請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明であって、前記物品の特性は、重量、または長さ、または容積率、または壊れやすさの度合い、または取り扱い易さの度合い、あるいはこれらの組み合わせであることを特徴とするものである。
【0016】
上記構成によれば、第二仕分ラインで搬送する仕分容器には、仕分ける物品の特性により作業者の作業効率が良い物品、例えば重量が軽い物品、または長さが短い物品、または容積率が小さい物品、または壊れにくい物品、または取り扱いやすい形状の物品、あるいはこれらの組み合わせによる物品を仕分ける複数の仕分容器が選定され、第二仕分ラインの仕分容器への物品の仕分け作業の進捗が遅くなる可能性が少なくされる。よって、第一仕分ラインの仕分容器に対する仕分け作業が優先されても、第二仕分ラインにおける物品の仕分け作業の進捗は、第一仕分ラインと同等とされる。
【0017】
また請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明であって、前記第二仕分ラインの仕分容器に対応する仕分け作業は、前記搬送経路の上流に配置された前記複数の区画収納空間において実行されることを特徴とするものである。
【0018】
上記構成によれば、第二仕分ラインの仕分容器に対応する仕分け作業は、搬送経路の上流に配置された複数の区画収納空間において実行され、搬送経路の上流で仕分け作業は終了する。また搬送経路の下流に配置された複数の区画収納空間では第一仕分ラインにおいてのみ仕分け作業が実行される。このように、第二仕分ラインにおいて仕分け作業が実行される複数の区画収納空間は、上流に限定されることにより、第一仕分ラインが優先されて仕分け作業が実行されても、第二仕分ラインにおける物品の仕分け作業の進捗は、第一仕分ラインと同等とされる。
【0019】
また請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明であって、前記第一仕分ラインおよび第二仕分ラインはそれぞれ、前記複数の仕分容器を前記ゾーン毎にタクト送りすることを特徴とするものである。
【0020】
上記構成によれば、第一仕分ラインおよび第二仕分ラインはそれぞれ、全ゾーンにおける仕分け作業が終了すると、ゾーン毎の複数の仕分容器は、下流のゾーンへタクト送りされ、ゾーン毎に第一仕分ラインの複数の仕分容器に対して仕分け作業が優先して実行される。
【0021】
また請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明であって、前記第一仕分ラインに沿って、各ゾーンに、前記第一仕分ラインによりタクト送りされてくる各仕分容器にそれぞれ対応した棚を有し、各棚毎に、次回に前記第一仕分ラインによりタクト送りされてくる各仕分容器に仕分ける物品を先行して仕分けることが可能な仮置棚を配置し、各ゾーンにおける物品の仕分けは、まず、いずれかを後先として、前記第一仕分ラインによりタクト送りされてきた前記仕分容器に対する物品の仕分けと、前記仮置棚の各棚に先行して仕分けられた物品の、各棚に対応する仕分容器への投入とが実行され、これら実行が終了すると、次に、前記仮置棚の各棚に対する物品の仕分けが実行され、次に、前記第二仕分ラインによりタクト送りされてきた前記仕分容器に対する物品の仕分けが実行されるように設定されていることを特徴とするものである。
【0022】
上記構成によれば、いずれかを後先として、第一仕分ラインによりタクト送りされてきた仕分容器に対する物品の仕分けと、仮置棚の各棚に先行して仕分けられた物品の、各棚に対応する仕分容器への投入とが実行され、終了すると、仮置棚の各棚に対して、次回にタクト送りされてくる各仕分容器のための先行仕分けが実行される。よって、作業者の待ち時間が少なくなり、第一仕分ラインにより搬送されてくる仕分容器の仕分け作業終了後の待ち時間が有効に使用され、作業効率が改善される。さらに、作業者に待ち時間が発生したときには、第二仕分ラインによりタクト送りされてきた仕分容器に対して仕分け作業が実行され、さらに待ち時間が有効に使用され、作業効率が改善される。
【0023】
また請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の発明であって、前記第一仕分ラインおよび前記第二仕分ラインに沿って前記各ゾーン毎に、ゾーン内での仕分け作業を実行する仕分容器を指示する第一指示手段と、隣接する下流ゾーン内での仕分け作業を実行する仕分容器を指示する第二指示手段を配置し、各ゾーンにおける物品の仕分けは、まず、このゾーンの第一指示手段により指示された、前記第一仕分ラインにより搬送されてきた前記仕分容器に対して実行され、次に、隣接する上流のゾーンの第二指示手段により指示された、前記第一仕分ラインにより搬送されてきた隣接する上流のゾーンの前記仕分容器に対して実行され、次に、このゾーンの第一指示手段により指示された、前記第二仕分ラインにより搬送されてきた前記仕分容器に対して実行され、次に、隣接する上流のゾーンの第二指示手段により指示された、前記第二仕分ラインにより搬送されてきた隣接する上流のゾーンの前記仕分容器に対して実行されるように設定されていることを特徴とするものである。
【0024】
上記構成によれば、第一仕分ラインの仕分容器の仕分け作業が、このゾーンの第一指示手段に従って実行され、終了して待ち時間が発生すると、隣接する上流ゾーンの第一仕分ラインの仕分容器の仕分け作業が、隣接する上流のゾーンの第二指示手段に従って実行される。よって、第一仕分ラインにより搬送されてくる仕分容器の仕分け作業が、迅速に実行される。
【0025】
さらに待ち時間が発生すると、第二仕分ラインの仕分容器の仕分け作業が、このゾーンの第一指示手段に従って実行され、終了してさらに待ち時間が発生すると、隣接する上流ゾーンの第二仕分ラインの仕分容器の仕分け作業が、隣接する上流のゾーンの第二指示手段に従って実行され、待ち時間が有効に使用される。
【0026】
また請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の発明であって、前記第二仕分ラインの下流に、仕分けが終了した仕分容器を搬送するバッファラインを設け、前記バッファラインにより搬送された仕分容器は、前記第一仕分ラインに合流される構成とし、前記バッファラインにおいて、前記合流される地点から上流に滞留された仕分容器の量が所定量以上のとき、前記各ゾーンでは、前記第一仕分ラインにより搬送されてきた前記仕分容器に対して、前記物品の仕分けが優先して実行されることを特徴とするものである。
【0027】
上記構成によれば、第二仕分ラインの下流に設けたバッファラインにより搬送された仕分容器は、第一仕分ラインより搬出された仕分容器に合流される。このとき、第一仕分ラインと第二仕分ラインよりそれぞれ搬出された仕分容器が、予め設定された順番で合流させるように設定されている場合、合流地点より上流にバッファラインに滞留された仕分容器が少ないと、第一仕分ラインから搬出された仕分容器は、合流地点で合流待ちとなる恐れがある。そこで、バッファラインにおける合流地点からの仕分容器の滞留量が所定量以上、すなわち第一仕分ラインが、合流待ちで停止する懸念がないとき、第一仕分ラインの仕分容器の仕分けの進捗が促されるように、第一仕分ラインによる搬送されてきた仕分容器に対して物品の仕分け作業が実行される。
【0028】
また請求項9に記載の発明は、請求項5に記載の発明であって、前記第一仕分ラインに沿って、各ゾーンに、前記第一仕分ラインによりタクト送りされてくる各仕分容器にそれぞれ対応した棚を有し、各棚毎に、次回に前記第一仕分ラインにより搬送されてくる各仕分容器に仕分ける物品を先行して仕分けることが可能な仮置棚を配置し、前記第二仕分ラインの下流に、仕分けが終了した仕分容器を搬送するバッファラインを設け、前記バッファラインにより搬送された仕分容器は、前記第一仕分ラインに合流される構成とし、前記バッファラインにおいて、仕分容器の合流地点から上流に滞留された仕分容器の量が第一所定量以上か、この第一所定量より大きい第二所定量以上かが判断され、
前記滞留された仕分容器の量が第二所定量以上のとき、前記各ゾーンでは、前記第一仕分ラインによりタクト送りされてきた前記仕分容器に対して前記物品の仕分けが優先して実行され、次に、前記仮置棚の各棚における物品の仕分けが実行され、次に、前記第二仕分ラインによりタクト送りされてきた前記仕分容器に対して前記物品の仕分けが実行され、前記滞留された仕分容器の量が第一所定量以上で第二所定量未満のとき、前記各ゾーンでは、前記第一仕分ラインによりタクト送りされてきた前記仕分容器に対して前記物品の仕分けが優先して実行され、次に、前記第二仕分ラインにより搬送されてきた前記仕分容器に対して前記物品の仕分けが実行され、次に、前記仮置棚の各棚における物品の仕分けが実行されることを特徴とするものである。
【0029】
上記構成によれば、第二仕分ラインより搬出された仕分容器は、バッファラインにより搬送されて合流地点で合流待ちとなる。このとき、第一仕分ラインと第二仕分ラインよりそれぞれ搬出された仕分容器が、予め設定された順番で合流させるように設定されていると、バッファラインにおいて、仕分容器の合流地点から上流に滞留された仕分容器の量が第一所定量以上か、この第一所定量より大きい第二所定量以上かが判断される。
【0030】
滞留された仕分容器の量が第二所定量以上のとき、すなわち第一仕分ラインが合流待ちで停止する恐れが無いとき、各ゾーンにおける物品の仕分けは、まず、第一仕分ラインによりタクト送りされてきた仕分容器に対して実行され、次に、仮置棚の各棚において先行して物品の仕分けが実行され、第一仕分ラインにおける仕分けが迅速に進むように実行される。次に、第二仕分ラインによりタクト送りされてきた仕分容器に対して物品の仕分けが実行される。
【0031】
また滞留された仕分容器の量が第一所定量以上で第二所定量未満のとき、すなわち第一仕分ラインが合流待ちの懸念が少しあるとき、各ゾーンにおける物品の仕分けは、まず、第一仕分ラインによりタクト送りされてきた仕分容器に対して実行され、第一仕分ラインにおける仕分けが迅速に進むように実行される。次に、第二仕分ラインによりタクト送りされてきた仕分容器に対して実行され、第二仕分ラインによりタクト送りされてきた仕分容器の仕分けが、仮置棚の各棚への先行仕分けより優先して実行され、第二仕分ラインにより仕分けが進むように配慮される。次に、仮置棚の各棚に対して先行仕分けが実行される。
【0032】
また請求項10に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の発明であって、前記第一仕分ラインおよび前記第二仕分ラインに沿って前記各ゾーン毎に、ゾーン内での仕分け作業を実行する仕分容器を指示する第一指示手段と、隣接する下流ゾーン内での仕分け作業を実行する仕分容器を指示する第二指示手段を配置し、前記第二仕分ラインの下流に、仕分けが終了した仕分容器を搬送するバッファラインを設け、前記バッファラインにより搬送された仕分容器は、前記第一仕分ラインに合流される構成とし、前記バッファラインにおいて、仕分容器の合流地点から上流に滞留された仕分容器の量が第一所定量以上か、この第一所定量より大きい第二所定量以上かが判断され、
前記滞留された仕分容器の量が第二所定量以上のとき、各ゾーンでは、このゾーンの第一指示手段、または隣接する上流のゾーンの第二指示手段により指示された、前記第一仕分ラインにより搬送されてきた前記仕分容器に対して前記物品の仕分けが優先して実行され、前記滞留された仕分容器の量が第一所定量以上で第二所定量未満のとき、各ゾーンでは、このゾーンの第一指示手段により指示された、前記第一仕分ラインにより搬送されてきた前記仕分容器に対して前記物品の仕分けが優先して実行され、次に、このゾーンの第一指示手段により指示された、前記第二仕分ラインにより搬送されてきた前記仕分容器に対して前記物品の仕分けが実行されることを特徴とするものである。
【0033】
上記構成によれば、第二仕分ラインより搬出された仕分容器はバッファラインにより搬送されて合流地点で合流待ちとなる。このとき、第一仕分ラインと第二仕分ラインよりそれぞれ搬出された仕分容器が、予め設定された順番で合流させるように設定されていると、バッファラインにおいて、仕分容器の合流地点から上流に滞留された仕分容器の量が第一所定量以上か、この第一所定量より大きい第二所定量以上かが判断される。
【0034】
滞留された仕分容器の量が第二所定量以上のとき、すなわち第一仕分ラインが合流待ちで停止する恐れが無いとき、各ゾーンにおける物品の仕分けは、まず、このゾーンの第一指示手段により指示された、第一仕分ラインにより搬送されてきた前記仕分容器に対して実行され、次に、隣接する上流のゾーンの第二指示手段により指示された、第一仕分ラインにより搬送されてきた前記上流のゾーンの前記仕分容器に対して実行され、第一仕分ラインにおける仕分けが迅速に進むように実行される。次に、このゾーンの第一指示手段により指示された、第二仕分ラインにより搬送されてきた仕分容器に対して実行され、次に、隣接する上流のゾーンの第二指示手段により指示された、第二仕分ラインにより搬送されてきた隣接する上流のゾーンの前記仕分容器に対して実行され、第2仕分ラインにおける仕分けが進むように実行される。
【0035】
また滞留された仕分容器の量が第一所定量以上で第二所定量未満のとき、すなわち第一仕分ラインが合流待ちの懸念が少しあるとき、各ゾーンにおける物品の仕分けは、まず、このゾーンの第一指示手段により指示された、第一仕分ラインにより搬送されてきた前記仕分容器に対して実行され、第一仕分ラインにおける仕分けが迅速に進むように実行される。次に、このゾーンの第一指示手段により指示された、第二仕分ラインにより搬送されてきた仕分容器に対して実行され、次に、隣接する上流のゾーンの第二指示手段により指示された、第二仕分ラインにより搬送されてきた隣接する上流のゾーンの前記仕分容器に対して実行され、第二仕分ラインにおける仕分けが迅速に進むように実行される。次に、隣接する上流のゾーンの第二指示手段により指示された、第一仕分ラインにより搬送されてきた上流のゾーンの前記仕分容器に対して実行される。
【0036】
また請求項11に記載の発明は、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の発明であって、前記仕分容器は、コンテナ、または折り畳み可能としたコンテナ、または段ボール箱、または枠体により支持された袋であることを特徴とするものである。
【0037】
上記構成によれば、仕分容器は、コンテナ、または折り畳み可能としたコンテナ、または段ボール箱、または枠体により支持された袋により構成される。
また請求項12に記載の発明は、物品をそれぞれ収納する複数の区画収納空間を有し、所定数の区画収納空間毎に、仕分け作業を実行するゾーンが設定された仕分け棚を備え、前記仕分け棚に沿って、複数の仕分容器を搬送する搬送経路を備え、仕分け先の物品要求情報に応じて、前記搬送経路により搬送される前記各仕分容器と前記仕分け棚の各区画収納空間との間において物品の仕分けを行う仕分け設備であって、
前記搬送経路を、前記複数の仕分容器を搬送する第一仕分ラインと、前記第一仕分ラインとは独立して、前記搬送経路全体により搬送される仕分容器の総個数の50%未満または物品の総仕分け量の50%未満の物品が仕分けられる複数の仕分容器を搬送する第二仕分ラインとから構成し、前記各ゾーンでは、前記第一仕分ラインにより搬送されてきた前記仕分容器に対して、前記物品の仕分けが優先して実行され、前記第一仕分ラインにおける物品の仕分けが終了すると前記第二仕分ラインにより搬送されてきた前記仕分容器に対して、前記物品の仕分けが実行されることを特徴とするものである。
【0038】
上記構成によれば、第一仕分ラインにより搬送されてきた仕分容器に対して各ゾーンにおいて優先的に物品の仕分けが実行される。よって第一仕分ラインの仕分容器の物品の仕分け作業の進捗は速い。これに対して、第二仕分ラインにより搬送されてきた仕分容器に対しては、第一仕分ラインの仕分けが終了して、ゾーンから搬出されるまでの待ち時間、あるいはゾーンから搬送中に実行され、これにより作業者の待ち時間が無くされ、作業効率が改善される。しかし、第一仕分ラインの仕分容器に対する仕分け作業が優先され、第二仕分ラインの仕分容器への物品の仕分け作業の機会が少なくなるので、第二仕分ラインの仕分容器への物品の仕分け作業の進捗が遅くなる可能性がある。そこで、第二仕分ラインで搬送する仕分容器には、搬送経路により搬送される仕分容器の総個数または物品の総仕分け量の50%未満の条件を満たす仕分容器が選定される。
【発明の効果】
【0039】
本発明の仕分け設備は、第一仕分ラインにより搬送されてきた仕分容器に対して各ゾーンにおいて優先的に物品の仕分けが実行されることによって、第一仕分ラインの仕分容器の物品の仕分け作業の進捗を速くすることができ、これに対して、第二仕分ラインにより搬送されてきた仕分容器に対しては、第一仕分ラインの仕分けが終了して、ゾーンから搬出されるまでの待ち時間、あるいはゾーンから搬送中に実行され、これにより作業者の待ち時間を無くすことができ、作業効率を改善でき、また第二仕分ラインで搬送する仕分容器には、各仕分け先の物品要求情報の特性、または仕分けが実行される物品の特性により、作業者の作業効率が良い仕分容器が選定され、第一仕分ラインへ搬送される仕分容器とは分離されることにより、第二仕分ラインの仕分容器への物品の仕分け作業の進捗が遅れることを改善できる、という効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施の形態1における仕分け設備の第1ピッキングエリアの要部平面構成図である。
【図2】同仕分け設備の第1ピッキングエリアの側面構成図である。
【図3】同仕分け設備の全体構成図である。
【図4】同仕分け設備の上流部の構成図である。
【図5】同仕分け設備の下流部の構成図である。
【図6】同仕分け設備の制御構成図である。
【図7】同仕分け設備の統括コンピュータで形成される仕分けデータを示す図である。
【図8】同仕分け設備の統括コンピュータにおいて、集品容器の割合を満たす、注文データの少品種少量の条件を求めるフローチャートである。
【図9】同仕分け設備のメイン集品ラインとサブ集品ラインで仕分けるユーザーの群のデータ図である。
【図10】同仕分け設備のメイン集品ラインと仮置棚におけるタクトデータ図である。
【図11】同仕分け設備のサブ集品ラインのタクトデータ図である。
【図12】同仕分け設備のメイン集品ラインと仮置棚とサブ集品ラインの作業の順序を求めるフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態3における仕分け設備の第1ピッキングエリアの要部平面構成図である。
【図14】同仕分け設備のメイン集品ラインのタクトデータ図である。
【図15】同仕分け設備のサブ集品ラインのタクトデータ図である。
【図16】同仕分け設備のメイン集品ラインとサブ集品ラインの作業の順序を求めるフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[実施の形態1]
図3は本発明の実施の形態1における仕分け設備の全体構成図であり、仕分け設備10は、集品容器投入エリア11と、分岐・切り出しエリア12と、第1ピッキングエリア13と、第2ピッキングエリア14と、合流・搬送エリア15と、梱包エリア16と、出荷エリア17から構成されている。
【0042】
この仕分け設備10は、個別の予め登録されたお客(ユーザー)から注文を受けた物品を、ユーザーに割り当てられた集品容器に集めて、毎日、配送するデリバリー・サービスに対応する仕分け設備である。このようなデリバリー・サービスでは、上述したように、1回の注文が、物品(商品)の品種(品目)が少なく、数量も少ない少品種少量の注文であることが増加している。
【0043】
また第1ピッキングエリア13および第2ピッキングエリア14と連続して、ユーザー(仕分け先の一例)が予め設定された(仕分け先が特定された)複数(実施の形態では6個)の集品容器(仕分容器の一例)21を同時にゾーン(後述する)毎にタクト送りするメイン集品ライン(第一仕分ラインの一例)22が敷設され、また第1ピッキングエリア13のみに、メイン集品ライン22と平行に、メイン集品ライン22とは独立して複数(実施の形態では6個)の前記集品容器21を同時にゾーン(後述する)毎にタクト送りするサブ集品ライン(第二仕分ラインの一例)23が敷設されている。これら各集品ライン22,23は、集品容器21の搬送経路を形成しており、例えば、それぞれ単独で駆動されるベルトコンベヤから形成されており、タクト送りに数秒(例えば、3秒)を必要としている。
【0044】
またサブ集品ライン23から搬出された集品容器21を、合流・搬送エリア15へ搬送する、アキュムレーションコンベヤからなるバッファライン25が備えられている。バッファライン25へ搬入された各集品容器21は、アキュムレーションコンベヤの機能により、下流側へ順送りされ、下流端から順に貯留される。
【0045】
またバッファライン25に沿って、図5に示すように、バッファライン25の下流端に配置され、バッファライン25から集品容器21が搬出される合流装置67(合流地点;後述する)からの集品容器21の滞留量が、滞留量が第1所定量f以上かどうかを検出する第1滞留検出器26と、第1所定量fより大きい第2所定量g(>f)以上かどうかを検出する第2滞留検出器27が設けられている。第1所定量fと第2所定量gの設定については後述する。
【0046】
「第1ピッキングエリア13」
第1ピッキングエリア13には、図1〜図3に示すように、各集品ライン22,23に沿ってフローラック(流動棚;仕分け棚の一例)31が備えられている。(フローラック31に沿って、2つの集品ライン22,23が備えられている。)また第1ピッキングエリア13には、メイン集品ライン22に沿って、サブ集品ライン23の上方に、メイン集品ライン22によりタクト送りされてくる各集品容器21にそれぞれ対応した棚32を有し、各棚32毎に、次回にメイン集品ライン22によりタクト送りされてくる各集品容器21に仕分ける物品(仕分け対象の物品)33を先行して仕分ける仮置棚34が配置されている。
【0047】
フローラック31、第1ピッキングエリア13内の各集品ライン22,23、および仮置棚34は、仕分け作業を実行する複数のゾーンZ(1)〜(m)(mは2以上の整数)に分けられ、第1ピッキングエリア13では、各ゾーンZにおいて、各集品ライン22,23によりそれぞれタクト送りされてくる6個の集品容器21と仮置棚34の6個の棚32に対して仕分け作業を実行するように構成されている。
【0048】
「フローラック31」
フローラック31は、4個(複数の一例)の入荷用容器41を連続して格納可能な複数の間口(区画収納空間の一例)42を有し、4段6列(計24個)の間口42毎にゾーンZが設定されている。また各間口42にはそれぞれ、品種で特定される1種類の物品33がそれぞれ割り当てられている。第1ピッキングエリア13では、この物品33の割り当ては、少なくとも、注文の頻度が高い高頻度品が割り当てられ、サブ集品ライン23により搬送される集品容器21に仕分けられる物品33が全て割り当てられており、後述するピッキングコントローラ44(図6)に登録されている。この割り当てにより、サブ集品ライン23により搬送される集品容器21への仕分け作業は、搬送経路上流に配置された第1ピッキングエリア13においてのみ実行され、終了する。
【0049】
また各間口42にはそれぞれ、ピッキング表示器(仕分け表示手段の一例)47が設けられている。各ピッキング表示器47は、ピッキングする物品33の数量が表示される3桁のディジタル数量表示器48(表示手段)と、ピッキング作業完了時に操作する赤色ランプ付きの完了押釦スイッチ49(完了操作手段)と、欠品時に完了押釦スイッチ49とともに操作する欠品押釦スイッチ(欠品操作手段)50から構成されている。
【0050】
「第1ピッキングエリア13内の各集品ライン22,23」
タクト送りによる各集品ライン22,23の各ゾーンZの各集品容器21の停止位置にはそれぞれ、停止位置の集品容器21への仕分けを指示(表示)するコンベヤ投入表示器(容器表示手段の一例)51が設けられている。
【0051】
前記コンベヤ投入表示器51は、赤色ランプ付きの押釦スイッチであり、ランプの点灯により、間口42によりピッキングされた物品33を投入する集品容器(ピッキング作業を実行する仕分け位置の集品容器)21を指示(表示)し、スイッチの操作により、ピッキング終了が入力される。
【0052】
また図1に示すように、メイン集品ライン22のコンベヤ投入表示器51を、下流から順に、(M1),(M2),(M3),(M4),(M5),(M6)とし、またサブ集品ライン23のコンベヤ投入表示器51を、下流から順に、(S1),(S2),(S3),(S4),(S5),(S6)としている。
【0053】
「第1ピッキングエリア13内の仮置棚34」
仮置棚34の各棚32にはそれぞれ、仮置表示器52が設けられている。
各仮置表示器52は、上向きの矢印の形状とされた緑色ランプ付きの押釦スイッチ53と、下向きの矢印の形状とされた赤色ランプ付きの押釦スイッチ54から構成され、緑色ランプ付きの押釦スイッチ53は、緑色ランプの点灯により、物品33を仮置する棚32(位置)を指示し、スイッチの操作により仮置の終了が入力される。また赤色ランプ付きの押釦スイッチ54は、赤色ランプの点灯により、棚32に仮置された物品33を、棚32に対応するメイン集品ライン22の集品容器21へ投入することを指示し、スイッチの操作により投入終了が入力される。
【0054】
また図5に示すように、仮置棚34の仮置表示器52を、下流から順に、(T1),(T2),(T3),(T4),(T5),(T6)としている。
またゾーンZ毎に、ゾーンZ内において、ピッキング作業の有無を表示するゾーン表示器55が設けられている。このゾーン表示器55が点灯しているときは、ゾーンZ内に停止している集品容器21または棚32に対してピッキング作業または投入作業が有ることが表示される。
【0055】
「第2ピッキングエリア14」
第2ピッキングエリア14は、図5に示すように、第1ピッキングエリア13からサブ集品ライン23を除いた構成とされており、メイン集品ライン22に沿って、第1ピッキングエリア13と同様に、フローラック31と仮置棚34が配置されている。
【0056】
また第2ピッキングエリア14内のフローラック31、メイン集品ライン22、および仮置棚34は、仕分け作業を実行する複数のゾーンZ(m+1)〜(p)(p>mの整数)に分けられ、第2ピッキングエリア14では、各ゾーンZにおいて、メイン集品ライン22によりタクト送りされてくる6個の集品容器21と仮置棚34の6個の棚32において仕分け作業を実行するように構成されている。
【0057】
また第2ピッキングエリア14のフローラック31の各間口42には、第1ピッキングエリア13にて割り当てられた物品33以外の物品33(低頻度品、中頻度品)が割り当てられ、後述するピッキングコントローラ44(図6)に登録されている。第2ピッキングエリア14では、第1ピッキングエリア13に引き続き、メイン集品ライン22により搬送される集品容器21への仕分け作業が実行される。
【0058】
「集品容器投入エリア11」
集品容器投入エリア11は、分岐・切り出しエリア12に対して集品容器21を投入するエリアであり、また集品容器21は折り畳み可能なコンテナで形成され、図4に示すように、組み立てられた後、それぞれ物品33を収納するビニール袋56が被されて投入される。集品容器投入エリア11には、このような折り畳み可能なコンテナを実際に組み立てる組立機やビニール袋56を被せる袋掛機(いずれも図示せず)が備えられる。
【0059】
また各ビニール袋56には、それぞれの個別のユーザーに割り当てられたナンバーを特定するバーコードが印刷されたラベル57が取り付けられ、図6に示す、このラベル57を発行するラベルプリンタ58と、ディスプレイ59が、集品容器投入エリア11に備えられる。
【0060】
「分岐・切り出しエリア12」
分岐・切り出しエリア12には、図4に示すように、集品容器投入エリア11から順に投入される、ユーザーが特定された集品容器21を搬送する第1搬送コンベヤ60と、第1搬送コンベヤ60から集品容器21を分岐する分岐装置61と、この分岐装置61により分岐された集品容器21を搬送する第2搬送コンベヤ62と、分岐装置61により分岐されることなく第1搬送コンベヤ60により搬送されてきた集品容器21を搬入順に貯留し、複数個(実施の形態では6個)毎にまとめてメイン集品ライン22のタクト送りに合わせてメイン集品ライン22へ搬出する第1切り出しコンベヤ63と、第2搬送コンベヤ62により搬送されてきた集品容器21を搬入順に貯留し、複数個(実施の形態では6個)毎にまとめてサブ集品ライン23のタクト送りに合わせてサブ集品ライン23へ搬出する第2切り出しコンベヤ64が設けられている。また第1切り出しコンベヤ63から、集品容器21が6個貯留され、まとまって搬出可能となったとき搬出可能信号が出力され、また第2切り出しコンベヤ64から同様に、搬出可能信号が出力される。
【0061】
また分岐装置61の上流には第1搬送コンベヤ60に沿って、ラベル57のバーコードを読み取る第1バーコードリーダ65が設けられている。
「合流・搬送エリア15」
合流・搬送エリア15は、図5に示すように、メイン集品ライン22から6個毎に搬出される集品容器21を搬送するアキュムレーションコンベヤからなり、6個の集品容器21を受け入れることができないときに満量信号を出力する第3搬送コンベヤ66と、第3搬送コンベヤ66により搬送されてきた集品容器21とバッファライン25により搬送されてきた集品容器21を合流する合流装置67と、合流装置67から搬出された集品容器21を搬送するローラ駆動コンベヤからなる第4搬送コンベヤ68が設けられている。
【0062】
前記合流装置67により、バッファライン25により搬送されてきた集品容器21は、分岐装置61で分岐されたときの前後に位置する集品容器21の間に合流される(詳細は後述する)。このように、バッファライン25により搬送されてきた集品容器21を、分岐装置61で分岐されたときの“前後に位置する集品容器21”の間に合流させるためには、バッファライン25により搬送されてきた集品容器21が予め合流装置67の前で、第3搬送コンベヤ66により搬送されてくる“前後に位置する集品容器21”を待つことが要求される。逆に第3搬送コンベヤ66により搬送されてくる“前後に位置する集品容器21”が、待つことになると、メイン集品ライン22からのタクト送りが停止されてしまい、全ゾーンZで待ち時間が発生し、作業効率が大幅に低下する恐れがある。そこで、前記第2滞留検出器27に設定される第2所定量gは、メイン集品ライン22から搬出された集品容器21が、バッファライン25により搬送されてくる集品容器21の合流待ちにより、タクト送りの停止の懸念がない数量に設定され、第1滞留検出器26の第1所定量f(<g)は、メイン集品ライン22から搬出された集品容器21が、前記合流待ちでタクト送りが停止する懸念が増大する数量に設定されている。
【0063】
また合流装置67より上流に第3搬送コンベヤ66に沿って、ラベル57のバーコードを読み取る第2バーコードリーダ69が設けられ、また合流装置67より上流にバッファライン25に沿って、ラベル57のバーコードを読み取る第3バーコードリーダ70が設けられている。
【0064】
「梱包エリア16」
第4搬送コンベヤ68によりピッキング作業が終了した集品容器21が搬送されてくると、図5に示すように、この梱包エリア16の作業者により、ビニール袋56のラベル57は、集品容器21へ貼り替えられ、続いてビニール袋56は梱包され、集品容器21は蓋がされ、出荷エリア17へ搬送される。
【0065】
「出荷エリア17」
第4搬送コンベヤ68により搬送されてきた集品容器21を配送方面別にかご車などに段積みし、配送トラックへ積み込むエリアである。例えば、コンテナ段積機が備えられる。
【0066】
「制御構成」
仕分け設備10の制御手段として、図6に示すように、統括コンピュータ71と、容器搬入コントローラ72と、分岐コントローラ73と、前記ピッキングコントローラ44と、合流コントローラ74が備えられている。
【0067】
“統括コンピュータ71”
統括コンピュータ71には、容器搬入コントローラ72と、分岐コントローラ73と、ピッキングコントローラ44と、合流コントローラ74が接続され、次のデータが予め設定されている。
【0068】
・配送方面別に、予め登録されたユーザーにそれぞれ割り当てられたナンバー。これらナンバーは、第1搬送コンベヤ60へ投入する集品容器21へ順に割り当てられる。
・注文対象の物品33がそれぞれ格納されているゾーンZの間口42のデータ。上述したように、上流側の第1ピッキングエリア13の間口42には、少なくとも、注文の頻度が高い高頻度品で、且つサブ集品ライン23により搬送される集品容器21に仕分けられる物品33が全て割り当てられ、下流側の第2ピッキングエリア14には、第1ピッキングエリア13にて割り当てられた物品33以外の物品33(低頻度品、中頻度品)が割り当てられる。
【0069】
・第1搬送コンベヤ60へ投入する集品容器21の総数(集品ライン22,23によりそれぞれ搬送される集品容器の総個数で、注文があった個別のユーザーの総数)Nに対して、サブ集品ライン23へ分岐する、少品種少量の条件を満たす集品容器21の最大の割合Qのデータ。この割合Qは、集品容器21の総個数Nの50%未満(例えば、20%)に変更可能に設定される。
【0070】
統括コンピュータ71は、次の機能を有している。
(イ).容器搬入コントローラ72と、分岐コントローラ73と、ピッキングコントローラ44と、合流コントローラ74へ作業の開始指令と終了指令を出力する。
【0071】
(ロ).予め登録された各個別のユーザーから注文データ{各仕分け先からの物品の要求情報;物品を特定する情報(例えば、物品の品種、物品名、物品コード等)と数量(個数)からなる単数または複数のデータ}を受け付けると、注文データが無いユーザーを除いて、図7に示す、全体の仕分けデータを形成し、形成した全体の仕分けデータを、ピッキングコントローラ44へ出力する。
【0072】
図7に示すように、縦方向に、配送方面別に予めユーザーに割り当てられたユーザーのナンバーが並び、横方向に、上流側からゾーンZ毎の間口42が並んでおり、個別のユーザー毎に、注文された物品33毎、すなわち物品33が格納されているゾーンZの間口42毎に、注文された数量が入力されている。
【0073】
また図7に縦方向のユーザーのナンバーの並びは、第1搬送コンベヤ60へ投入する集品容器21に順に割り当てられ、これら順に割り当てられた個別のユーザーを特定するナンバーのデータを、容器投入コントローラ72と合流コントローラ74へ出力する。
【0074】
また注文データがあるユーザーの総数、すなわち各ユーザーに割り当てられた集品容器21の総数Nを求めて、容器搬入コントローラ72へ出力する。
(ハ).上記集品容器21の割合Q以下を満たす、注文データの少品種少量(仕分け先の物品要求情報の特性の一例)の条件を求める。次に、この条件を満たす注文をした個別のユーザーを求め、これら個別のユーザーを特定するナンバーからなる分岐データ(分岐装置61によりサブ集品ライン23へ分岐するデータ)を形成し、分岐コントローラ73へ出力する。この分岐データを形成するユーザーのナンバーの集品容器21が分岐装置61によりサブ集品ライン23へ分岐される(抜き取られる)。
【0075】
この分岐データの形成の手順を図8のフローチャートにしたがって説明する。
まず、注文データの品種数aを1、数量bを1に初期設定し、少品種少量の条件を満たす注文データを注文したユーザー数、すなわち集品容器21の数nを0に初期設定する(ステップ−1)。
【0076】
次に、設定した品種数a、数量bの条件を満たす注文データのユーザーおよびユーザー数cを求める(ステップ−2)。
このユーザー数cを集品容器21の数nに加算する(ステップ−3)。
【0077】
次に、集品容器21の数nの総数Nに対する割合(=n/N)が集品容器21の割合Qを越えているかどうかを判断する(ステップ−4)。
割合Qを越えていない場合、数量bに1を加算して(b=b+1)、数量bの条件を変える(ステップ−5)。
【0078】
次に、数量bが予め設定された上限数量B以下かどうかを判断し(ステップ−6)、以下の場合、ステップ−2へ戻る。上限数量Bを超えた場合、数量bを1の初期条件に戻し(b=1)、品種数aに1を加算して(a=a+1)、品種数aの条件を変えて(ステップ−7)、ステップ−2へ戻る。
【0079】
ステップ−4において、集品容器21の数nの総数Nに対する割合(=n/N)が集品容器21の割合Qを越えたとき、続いて数量bあるいは品種数aを前回の条件に戻すために、まず、数量bが予め設定された上限数量B以下かどうかを判断し(ステップ−8)、以下の場合、数量bから1を減算して前回の条件に戻し(b=b−1)(ステップ−9)、超えている場合、品種数aから1を減算して(a=a−1)、品種数aの条件を戻す(ステップ−10)。
【0080】
続いて、少品種少量の条件を特定する。すなわち、品種数がaまでで、数量がbまでを少品種少量の条件とする(ステップ−11)。
例えば、a=1,b=1の場合は、品種が1種のみで且つ数量1のみの注文データであり、例えば、品種が豆腐のみで数量1のみの注文データや、品種がチョコレートのみで数量1のみの注文データ等が、少品種少量の条件を満たす。
【0081】
またa=1,b=2の場合は、上記a=1,b=1の場合の注文データに加えて、豆腐のみで数量2のみの注文データ、チョコレートのみで数量2のみの注文データ等が、少品種少量の条件を満たす。
【0082】
またa=2,b=1の場合は、上記a=1,b=1の場合、a=1,b=2の場合、…a=1,b=Bの場合の注文データに加えて、品種が2種のみ(豆腐且つチョコレートのみ)でそれぞれ数量1のみの注文データ等が、少品種少量の条件を満たす。
【0083】
ステップ−11に続いて、特定した少品種少量の条件を満たす注文データを注文した個別のユーザーを特定するナンバーからなる分岐データを形成し、分岐コントローラ73へ出力して(ステップ−12)、終了する。
【0084】
なお、少なくとも、少品種少量の条件として、“物品33の品種数aが1で且つ数量bが1、または品種数aが1で且つ数量bが2”の条件が含まれるように設定する。また、品種数aが1で且つ数量bが1、または品種数aが1で且つ数量bが2以上、或いはこれらの組み合わせとするようにしてもよい。
【0085】
このように、第1搬送コンベヤ60へ投入する上記集品容器21の総数Nに対して、サブ集品ライン23へ分岐する、集品容器21の最大の割合Q(50%未満)のデータを満たす、少品種少量(仕分け先の物品要求情報の特性の一例)の条件が求められる。なお、逆に、少品種少量の条件、例えば上記“物品33の品種数aが1で且つ数量bが1、または品種数aが1で且つ数量bが2”の条件を満たす集品容器21を求めると、結果として、上記集品容器21の総数Nに対して、サブ集品ライン23へ分岐する集品容器21の最大の割合Q(50%未満)のデータを満たすことが可能となる。
【0086】
(ニ).図9に示すように、分岐データを形成した個別のユーザーを順に、6個毎に群Yを作成し、また仕分けデータの個別のユーザーを特定するナンバーから、分岐データを形成した個別のユーザーを除いて、6個毎に群Xを作成し、これらライン毎の群X,Yのデータをピッキングコントローラ44へ出力する。前記群Yが、群毎にサブ集品ライン23でタクト送りされ、すなわち、サブ集品ライン23により、上記割合Q以下で、かつ注文データの少品種少量の条件を満たす集品容器21が搬送され、また前記群Xが、群毎にメイン集品ライン22でタクト送りされる。
【0087】
“容器搬入コントローラ72”
容器搬入コントローラ72は、集品容器投入エリア11の制御用のコントローラであり、図6に示すように、統括コンピュータ71と、ラベルプリンタ58とディスプレイ59が接続され、統括コンピュータ71より、上述した作業の開始指令および終了指令と、必要な集品容器21の総数Nと、“順に投入される集品容器21に割り当てられた個別のユーザーを特定するナンバーのデータ”が入力される。
【0088】
容器搬入コントローラ72は次の機能を有している。
(イ).統括コンピュータ71から、作業の開始指令を入力し、且つ前記個別のユーザーを特定するナンバーのデータを入力すると、これら個別のユーザーを特定するナンバーからなるラベルプリントデータを形成し、ラベルプリンタ58へ出力する。ラベルプリンタ58は、ラベルプリントデータを入力すると、順に、ラベル57を発行する。
【0089】
(ロ).統括コンピュータ71から、作業の開始指令を入力し、且つ必要な集品容器21の総数Nを入力すると、ディスプレイ59を駆動してその総数Nを表示し、作業の停止指令を入力すると、ディスプレイ59を停止して表示を消去する。
【0090】
集品容器投入エリア11の作業者は、ディスプレイ59に表示された総数Nの集品容器21を用意し、各集品容器21に自動または手動でビニール袋56を被せ、ラベルプリンタ58から発行された順にラベル57を貼り付け、第1搬送コンベヤ60へ投入する。
【0091】
“分岐コントローラ73”
分岐コントローラ73には、図6に示すように、分岐装置61と、第1搬送コンベヤ60と、第2搬送コンベヤ62と、第1切り出しコンベヤ63と、第2切り出しコンベヤ64と、第1バーコードリーダ65が接続され、統括コンピュータ71より、上述した作業の開始指令および終了指令と、個別のユーザーを特定するナンバーからなる分岐データが入力される。
【0092】
分岐コントローラ73は次の機能を有している。
(イ).作業の開始指令に応じて、第1搬送コンベヤ60、第2搬送コンベヤ62、第1切り出しコンベヤ63、および第2切り出しコンベヤ64を駆動し、停止指令に応じて、これらコンベヤ60,62,63,64を停止する。
【0093】
(ロ).第1バーコードリーダ65により読み取られた、集品容器21のラベル57のバーコードのデータ、すなわち集品容器21の個別のユーザーを特定するナンバーが、上述した分岐データの個別のユーザーを特定するナンバーと一致するかを確認し、一致すると、分岐装置61に分岐指令を出力し、第1搬送コンベヤ60から第2搬送コンベヤ62ヘ集品容器21を分岐させる。これにより、分岐データを形成するユーザーのナンバーの集品容器21が分岐装置61により第2搬送コンベヤ62へ分岐され、第2切り出しコンベヤ64を介してサブ集品ライン23へ搬入される。
【0094】
(ハ).後述するピッキングコントローラ44からメイン集品ライン22への集品容器21の搬出信号を入力すると、第1切り出しコンベヤ63へ指令して6個の集品容器21をメイン集品ライン22へ搬出させる。これにより、空の6個の集品容器21が第1切り出しコンベヤ63およびメイン集品ライン22により最上流のゾーンZ(1)へ搬入される。
【0095】
(ニ).後述するピッキングコントローラ44からサブ集品ライン23への集品容器21の搬出信号を入力すると、第2切り出しコンベヤ64へ指令して6個の集品容器21をサブ集品ライン23へ搬出させる。これにより、空の6個の集品容器21が第2切り出しコンベヤ64およびサブ集品ライン23により最上流のゾーンZ(1)へ搬入される。
【0096】
(ホ).第1切り出しコンベヤ63から入力した搬出可能信号と、第2切り出しコンベヤ64から入力した搬出可能信号をピッキングコントローラ44へ出力する。
“ピッキングコントローラ44”
ピッキングコントローラ44は、第1ピッキングエリア13と第2ピッキングエリア14の制御用のコントローラであり、図6に示すように、統括コンピュータ71と、メイン集品ライン22と、サブ集品ライン23と、第1滞留検出器26と、第2滞留検出器27と、第1ピッキングエリア13の各ゾーンZ毎のピッキング表示器47、コンベヤ投入表示器51、仮置表示器52およびゾーン表示器55が接続されている。また統括コンピュータ71から、上述した作業の開始指令および終了指令と、全体の仕分けデータと、メイン集品ライン22,サブ集品ライン23毎の群X,Yのデータが入力される。
【0097】
ピッキングコントローラ44は次の機能を有している。
(イ).作業の開始指令、およびメイン集品ライン22とサブ集品ライン23毎の群X,Yのデータを、統括コンピュータ71から入力すると、図10に示すように、タクト毎に、メイン集品ライン22と仮置棚34の各ゾーンZの各停止位置に停止する集品容器21に割り当てられたユーザーのナンバーを形成する。さらに図11に示すように、タクト毎に、サブ集品ライン23の各ゾーンZの各停止位置に停止する集品容器21に割り当てられたユーザーのナンバーを形成する。
【0098】
例えば、ゾーンZ(1)において、タクト1では、メイン集品ライン22上の群X1の6個の集品容器21が対象とされ、このとき仮置棚34には、次の群X2の6個の集品容器21が対象とされる。次のタクト2では、メイン集品ライン22上の群X2の6個の集品容器21が搬入され、このとき仮置棚34には、次の群X3の6個の集品容器21が対象とされる。
【0099】
またゾーンZ(1)において、タクト1では、サブ集品ライン23上の群Y1の6個の集品容器21が対象とされ、次のタクト2では、サブ集品ライン23上の群Y2の6個の集品容器21が対象とされる。
【0100】
(ロ).メイン集品ライン22とサブ集品ライン23と仮置棚34とにおけるピッキング作業の優先順位の設定を、メイン集品ライン22がタクト送りされる毎(後述する、メイン集品ライン22へタクト送り信号が出力される毎)に更新する。またサブ集品ライン23のタクト送りが発生すると、第1滞留検出器26がオフで、すなわち滞留量が第1所定量f未満のとき、ピッキング作業の優先順位の設定を更新する。なお、仕分け作業の優先順位の設定が更新されると、途中の作業を打ち切り、最優先に設定されたピッキング作業へ戻って作業を実行することになる。
【0101】
図12に示すフローチャートにしたがって説明する。
メイン集品ライン22のタクト送りを確認すると(ステップ−1)、まず第2滞留検出器27がオンか、すなわちバッファライン25における合流装置67(合流地点)からの集品容器21の滞留量が第2所定量g以上かどうかを確認し(ステップ−2)、第2所定量g以上のとき、すなわちメイン集品ライン22が、合流待ちで停止する懸念がないとき、メイン集品ライン22の集品容器21への仕分けの進捗が促されるように、各ゾーンZにおける物品33の仕分け作業の優先順位を次のように設定する(ステップ−3)。
【0102】
(i)メイン集品ライン22によるタクト送りされてきた集品容器21に対する“通常ダイレクト・ピッキング”。
(ii)各棚32に対応する集品容器21へ、仮置棚34の各棚32に先行して仕分けられた物品を投入する“仮置棚からの先行投入”。
【0103】
(iii)仮置棚34の各棚32に対する“仮置棚への先行ピッキング”。
(iv)サブ集品ライン23によるタクト送りされてきた集品容器21に対する“サブダイレクト・ピッキング”。
【0104】
なお、(i)“通常ダイレクト・ピッキング”と、(ii)“仮置棚からの先行投入”は、実行する順序を逆としてもよい。
上記ステップ−2において、滞留量が第2所定量g未満のとき、第1滞留検出器26がオンか、すなわち前記滞留量が第2所定量gより少なく、且つ第1所定量f(<g)以上かどうかを確認し(ステップ−4)、第1所定量f以上で第2所定量g未満のとき、すなわちメイン集品ライン22が、合流待ちで停止する懸念があるとき、各ゾーンZにおける物品33の仕分け作業の優先順位を次のように設定する(ステップ−5)。
【0105】
(i)通常ダイレクト・ピッキング。
(ii)仮置棚からの先行投入。
(iii)サブダイレクト・ピッキング。
【0106】
(iv)仮置棚への先行ピッキング。
なお、(i)“通常ダイレクト・ピッキング”と、(ii)“仮置棚からの先行投入”は、実行する順序を逆としてもよい。
【0107】
ステップ−4において、第1所定量f未満のとき、すなわちメイン集品ライン22が、合流待ちで、タクト送りが停止する懸念が増大すると(サブ集品ライン23により搬出された集品容器21が、合流装置67により合流できずに、メイン集品ライン22からの集品容器21の搬出に支障がでる懸念が増大すると)、各ゾーンZにおける物品33の仕分け作業の優先順位を次のように設定する(ステップ−6)。
【0108】
(i)サブダイレクト・ピッキング。
(ii)通常ダイレクト・ピッキング。
(iii)仮置棚からの先行投入。
【0109】
(iv)仮置棚への先行ピッキング。
ステップ−1において、メイン集品ライン22のタクト送りを確認しないとき、サブ集品ライン23のタクト送りを確認すると(ステップ−7)、第1滞留検出器26がオンかどうかを確認し(ステップ−8)、確認すると、ステップ−1へ戻る。確認できないとき、すなわち滞留量が第1所定量f未満のとき、ステップ−6を実行し、各ゾーンZにおける仕分け作業の優先順位の設定を更新し、“サブダイレクト・ピッキング”に戻って、サブ集品ライン23によるタクト送りされてきた集品容器21に対してピッキング作業をできるようにする。
【0110】
(ハ).タクト毎に、各ゾーンZにおいて、メイン集品ライン22とサブ集品ライン23と仮置棚34とにおけるピッキング作業の優先順位の設定にしたがって、ピッキング表示器47とコンベヤ投入表示器51と仮置表示器52とゾーン表示器55を点灯させるピッキング制御を行う。
【0111】
“通常ダイレクト・ピッキング”では、メイン集品ライン22の最も下流(M1)の集品容器21から上流に向けて順にピッキング作業を実行し、“仮置棚からの先行投入”では最も下流(G1)の仮置棚34の棚32から上流に向けて順に先行して仕分けられた物品33を投入し、また“仮置棚への先行ピッキング”では、最も下流(G1)の仮置棚34の棚32から上流に向けて順にピッキング作業を実行し、“サブダイレクト・ピッキング”では、サブ集品ライン23の最も下流(S1)の集品容器21から上流に向けて順にピッキング作業を実行する。ピッキング作業があるとき、または先行して仕分けられた物品33の投入があるとき、ゾーン表示器55を点灯させ、何も作業が無いときゾーン表示器55を消灯させる。
【0112】
なお、仕分け作業の優先順位の設定が更新されると、作業中の棚32または集品容器21への作業が終了次第、次の棚32または集品容器21への作業は中断されて、優先順位が第1位の作業が開始される。
【0113】
<ダイレクト・ピッキング作業>
ダイレクト・ピッキング作業(通常ダイレクト・ピッキングとサブダイレクト・ピッキング)では、物品33を投入させる集品容器21が停止している位置のコンベヤ投入表示器51の赤色ランプを点灯させるとともに、ピッキング作業を実行する集品容器21に割り当てられたユーザー・ナンバーとゾーン・ナンバーで、全体仕分けデータを検索してこのゾーンZにおいてピッキングする単数または複数の間口42と数量を求め、これら間口42のピッキング表示器47のランプ(完了押釦スイッチ49)を点灯し、ディジタル数量表示器48に数量を表示する。
【0114】
作業者により、ディジタル数量表示器48に表示された数量の物品33が取り出されて完了押釦スイッチ49が押し操作されると、この間口42でのピッキング終了と確認し、取り出した物品33が、コンベヤ投入表示器51の赤色ランプが点灯している集品容器21へ投入されてコンベヤ投入表示器51が押し操作されると、前記間口42からこの集品容器21へのピッキングが終了したと判断し、続いて残りの間口42とのピッキングを実行し、この集品容器21へのピッキングが終了すると、次の集品容器21へのピッキング作業に移る。
【0115】
<先行ピッキング作業>
先行ピッキング作業では、物品33を仮置させる棚32の仮置表示器52の押釦スイッチ53の緑色ランプを点灯させるとともに、先行ピッキング作業を実行する棚32に割り当てられたユーザー・ナンバーとゾーン・ナンバーで、全体仕分けデータを検索してこのゾーンZにおいてピッキングする単数または複数の間口42と数量を求め、これら間口42のピッキング表示器47のランプ(完了押釦スイッチ49)を点灯し、ディジタル数量表示器48に数量を表示する。
【0116】
作業者により、ディジタル数量表示器48に表示された数量の物品33が取り出されて完了押釦スイッチ49が押し操作されると、この間口42でのピッキング終了と確認し、取り出した物品33が、仮置表示器52の押釦スイッチ53の緑色ランプが点灯している棚32へ仮置されて押釦スイッチ53が押し操作されると、前記間口42からこの棚32への先行ピッキングが終了したと判断し、残りの間口42からこの棚32への先行ピッキングが終了すると、次の棚32への先行ピッキング作業に移る。
【0117】
<先行投入作業>
先行投入作業において、先行して物品33が仮置された棚32の仮置表示器52の赤色ランプ(押釦スイッチ54)を点灯する。
【0118】
作業者により、棚32に仮置された物品33が、対応する集品容器21へ投入され、押釦スイッチ54が押し操作されると、この棚32からの物品33の投入が終了したと判断して、押釦スイッチ54の赤色ランプを消灯し、次の棚32へ移る。
【0119】
(ニ).全ゾーンZにおいて、メイン集品ライン22上の集品容器21への通常ダイレクト・ピッキングおよび仮置棚34からの先行投入が終了すると、分岐コントローラ73より第1切り出しコンベヤ63の第1搬出可能信号を入力し、且つ後述する合流コントローラ74から第3搬送コンベヤ66の満量信号を入力していないことを条件に、メイン集品ライン22へタクト送り信号を出力し、同時に分岐コントローラ73へ“メイン集品ライン22への集品容器21の搬出信号”を出力する。これにより、メイン集品ライン22上の集品容器21は下流のゾーンZへタクト送りされ、空の6個の集品容器21が第1切り出しコンベヤ63により最上流のゾーンZ(1)へ搬入され、最下流のゾーンZ(p)の集品容器21は、第3搬送コンベヤ66へ搬出される。また前記第1搬出可能信号を入力していないとき、または前記満量信号を入力しているとき、解消されるまで、タクト送り信号と“メイン集品ライン22への集品容器21の搬出信号”の出力を中断する。
【0120】
またゾーンZ(1)〜(m)において、全てのサブ集品ライン23上の集品容器21へのサブダイレクト・ピッキングが終了すると、分岐コントローラ73より第2切り出しコンベヤ64の第2搬出可能信号を入力していることを条件に、サブ集品ライン23へタクト送り信号を出力し、同時に分岐コントローラ73へ“サブ集品ライン23への集品容器21の搬出信号”を出力する。これにより、サブ集品ライン23上の集品容器21は下流のゾーンZへタクト送りされ、空の6個の集品容器21が第2切り出しコンベヤ64により最上流のゾーンZ(1)へ搬入され、ゾーンZ(m)の集品容器21はバッファライン25へ搬出される。また前記第2搬出可能信号を入力していないとき、解消されるまで、タクト送り信号と“サブ集品ライン23への集品容器21の搬出信号”の出力を中断する。
【0121】
“合流コントローラ74”
合流コントローラ74には、図6に示すように、バッファライン25と、第3搬送コンベヤ66と、合流装置67と、第4搬送コンベヤ68と、第2バーコードリーダ69と、第3バーコードリーダ70が接続され、統括コンピュータ71より、上述した作業の開始指令および終了指令と、“順に投入される集品容器21に割り当てられた個別のユーザーを特定するナンバーのデータ”が入力される。
【0122】
合流コントローラ74は次の機能を有している。
(イ).作業の開始指令に応じて、バッファライン25と第3搬送コンベヤ66と第4搬送コンベヤ68を駆動し、停止指令に応じて、バッファライン25と両搬送コンベヤ66,68を停止する。
【0123】
(ロ).第3搬送コンベヤ66により下流端に搬送されてきた集品容器21のラベル57のバーコードを第2バーコードリーダ69により読み取り、またバッファライン25により下流端に搬送されてきた集品容器21のラベル57のバーコードを第3バーコードリーダ70により読み取り、これら読み取ったバーコードの個別のユーザーを特定するナンバーのデータが、上述した“順に投入される集品容器21に割り当てられた個別のユーザーを特定するナンバーのデータ”の順に並ぶように、第3搬送コンベヤ66とバッファライン25に、集品容器21の搬出指令を出力し、合流装置67へバッファライン25から集品容器21が搬出されるときに、合流指令を出力する。これにより、バッファライン25により搬送されてきた集品容器21は、分岐装置61で分岐されたときの前後に位置する集品容器21の間に合流される。
【0124】
合流装置67から搬出された集品容器21は、“順に投入される集品容器21に割り当てられた個別のユーザーを特定するナンバーのデータ”に合わせて第4搬送コンベヤ68へ搬出される。
【0125】
(ハ).第3搬送コンベヤ66より満量信号を入力すると、この満量信号をピッキングコントローラ44へ出力する。
上記構成による作用を説明する。
【0126】
「データの作成」
各個別のユーザーから物品33の注文が入ると、図7に示す全体の仕分けデータが形成され、図8に示す手順により少品種少量の条件が求められて分岐データが形成される。さらに分岐データを形成した個別のユーザーにより、サブ集品ライン23の群Yが作成され、また分岐データを形成した個別のユーザーを除いた個別のユーザーにより、メイン集品ライン22の群Xが形成される。
【0127】
「集品容器の投入」
個別のユーザーを特定するナンバーが印刷されたラベル57がラベルプリンタ58により、全体仕分けデータのユーザーの順に発行され、集品容器投入エリア11の作業者は、ディスプレイ59に表示された総数Nの集品容器21を用意し、各集品容器21に自動または手動でビニール袋56を被せ、ラベルプリンタ58から発行された順にラベル57を貼り付け、第1搬送コンベヤ60へ投入する。
【0128】
「集品容器の分岐」
第1搬送コンベヤ60により搬送される集品容器21のうち、分岐データにより少品種少量の集品を行う集品容器21は、分岐装置61により第2搬送コンベヤ62に分岐され、第2搬送コンベヤ62により搬送され、第2搬送コンベヤ62より第2切り出しコンベヤ64に搬入され、第2切り出しコンベヤ64に搬入順に貯留される。第2切り出しコンベヤ64に貯留された集品容器21は6個毎にサブ集品ライン23へ搬入される。サブ集品ライン23に、少品種少量の集品を行う集品容器21が流れる。
【0129】
また分岐されなかった集品容器21は、第1搬送コンベヤ60より第1切り出しコンベヤ63に搬入され、第1切り出しコンベヤ63に搬入順に貯留される。第1切り出しコンベヤ63に貯留された集品容器21は6個毎にメイン集品ライン22へ搬入される。メイン集品ライン22には、少品種少量の集品を行う集品容器21が流れることはない。
【0130】
このように、少品種少量の集品を行う集品容器21がメイン集品ライン22へ搬送されることが回避され、少品種少量の集品を行う集品容器21がメイン集品ライン22を占有してしまうことが回避される。
【0131】
「ゾーンZ(1)〜(m)でのピッキング作業」
独立してタクト送りできるメイン集品ライン22とサブ集品ライン23、および仮置棚34におけるピッキング作業の優先順位が、バッファライン25に滞留された集品容器21の量により、メイン集品ライン22がタクト送りされる毎に、あるいはサブ集品ライン23がタクト送りされ、滞留量が第1所定量f未満のときに、設定される。
【0132】
<作業開始時>
第1滞留検出器26により集品容器21が確認されるまでは、優先順位は、“サブダイレクト・ピッキング”、“通常ダイレクト・ピッキング”、“仮置棚からの先行投入”、“仮置棚への先行ピッキング”となり、各ゾーンZ(1)〜(m)においてサブ集品ライン23におけるサブダイレクト・ピッキングが優先されて実行される。
【0133】
各ゾーンZ(1)〜(m)におけるサブ集品ライン23上の集品容器21へのピッキングが終了すると、サブ集品ライン23はタクト送りされ、さらにサブ集品ライン23上でタクト送りされる集品容器21は、少品種少量の集品を行う集品容器21であることから、サブ集品ライン23上の集品容器21へのピッキングは急速に進捗され、最も下流のゾーンZ(m)からピッキング作業が終了した集品容器21がバッファライン25へ搬出され、下流まで搬送され、滞留される。
【0134】
また各ゾーンZ(1)〜(m)において、サブ集品ライン23におけるサブダイレクト・ピッキングが終了して空いた待ち時間またはサブ集品ライン23がタクト送りされている時間に、通常ダイレクト・ピッキング、仮置棚からの先行投入、仮置棚への先行ピッキングの順に作業が実行される。
【0135】
<バッファライン25へ第2所定量gの集品容器21が滞留されるまでの時間>
第1滞留検出器26により集品容器21が確認されると、優先順位が切り替わり、“通常ダイレクト・ピッキング”、“仮置棚からの先行投入”、“サブダイレクト・ピッキング”、“仮置棚への先行ピッキング”となり、各ゾーンZ(1)〜(m)においてメイン集品ライン22における通常ダイレクト・ピッキングが優先されて実行され、続いて仮置棚34からの先行投入が実行される。
【0136】
これにより、各ゾーンZ(1)〜(m)におけるメイン集品ライン22上の集品容器21へのピッキングは迅速に実行され、各ゾーンZ(1)〜(m)におけるメイン集品ライン22上の集品容器21へのピッキングが終了すると、メイン集品ライン22はタクト送りされ、最下流のゾーンZ(m)からピッキング作業が終了した集品容器21は、ゾーンZ(m+1)へタクト送りされる。
【0137】
また各ゾーンZ(1)〜(m)において、メイン集品ライン22における“通常ダイレクト・ピッキング”および“仮置棚からの先行投入”が終了して空いた待ち時間またはメイン集品ライン22がタクト送りされている時間に、“サブダイレクト・ピッキング”、“仮置棚34への先行ピッキング”の順に作業が実行される。
【0138】
メイン集品ライン22上の集品容器21へのピッキングは迅速に進みタクト送りされるが、メイン集品ライン22上の各集品容器21は、注文された物品33の品種と数量が多い集品容器21であるため(少品種少量の集品を行う集品容器21ではないため)、空いた待ち時間、またはメイン集品ライン22がタクト送りされている時間に実行されるサブダイレクト・ピッキングによるサブ集品ライン23上の少品種少量の集品を行う集品容器21へのピッキングも同様に進み、最も下流のゾーンZ(m)からピッキング作業が終了した集品容器21がバッファライン25へ搬出され、下流まで搬送され、滞留される。
【0139】
<通常(バッファライン25へ第2所定量g以上の集品容器21が滞留されたとき)>
第2滞留検出器27により集品容器21が確認されると、優先順位が切り替わり、“通常ダイレクト・ピッキング”、“仮置棚からの先行投入”、“仮置棚への先行ピッキング”、“サブダイレクト・ピッキング”となり、各ゾーンZ(1)〜(m)においてメイン集品ライン22における通常ダイレクト・ピッキングが優先され、続いて仮置棚34からの先行投入が実行され、各ゾーンZ(1)〜(m)では、メイン集品ライン22によりタクト送りされてきた集品容器21に対して、物品33の仕分けが優先して実行される。
【0140】
これにより、各ゾーンZ(1)〜(m)におけるメイン集品ライン22上の集品容器21へのピッキングは迅速に実行され、各ゾーンZ(1)〜(m)におけるメイン集品ライン22上の集品容器21へのピッキングが終了すると、メイン集品ライン22はタクト送りされ、最下流のゾーンZ(m)からピッキング作業が終了した集品容器21は、ゾーンZ(m+1)へタクト送りされる。
【0141】
また各ゾーンZ(1)〜(m)において、メイン集品ライン22における“通常ダイレクト・ピッキング”および“仮置棚からの先行投入”が終了して空いた待ち時間、またはメイン集品ライン22がタクト送りされている時間に、“仮置棚への先行ピッキング”、“サブダイレクト・ピッキング”の順に作業が実行され、作業者の作業待ち時間が有効に使用され、生産性が向上する。
【0142】
メイン集品ライン22上の集品容器21へのピッキングは急速に進みタクト送りされるが、メイン集品ライン22上の各集品容器21は、注文された物品33の品種と数量が多い集品容器21であるため(少品種少量の集品を行う集品容器21ではないため)、空いた待ち時間、またはメイン集品ライン22がタクト送りされている時間に実行される“サブダイレクト・ピッキング”によるサブ集品ライン23上の少品種少量の集品を行う集品容器21へのピッキングも同様に進み、最下流のゾーンZ(m)からピッキング作業が終了した集品容器21がバッファライン25へ搬出され、下流まで搬送され、滞留される。
【0143】
「ゾーンZ(m+1)〜(p)でのピッキング作業」
ゾーンZ(m+1)〜(p)にはサブ集品ライン23に対するピッキング作業がないために、上記<通常>のピッキング作業が実行され、最下流のゾーンZ(p)からピッキング作業が終了した集品容器21は、第3搬送コンベヤ66へ搬出される。
【0144】
「集品容器の合流」
合流・搬送エリア15において、第3搬送コンベヤ66により搬送されてきた集品容器21と、バッファライン25により搬送されてきた集品容器21とは、合流装置67により、“順に投入される集品容器21に割り当てられた個別のユーザーを特定するナンバーのデータ”に合わせて合流されて、第4搬送コンベヤ68へ搬出される。すなわち、分岐地点でメイン集品ライン22へ搬送される集品容器21から抜きだした集品容器21は合流地点で、分岐した際に前後に位置した集品容器21の間へ戻され、第4搬送コンベヤ68へ出力される。よって、最初に第1搬送コンベヤ60へ投入された順序で、最終的に各集品容器21への仕分けが終了し、出荷エリア17へ搬送される。
【0145】
「集品容器の梱包と出荷」
第4搬送コンベヤ68によりピッキング作業が終了した集品容器21が梱包エリア16へ搬送されてくると、ビニール袋56のラベル57は、集品容器21へ貼り替えられ、続いてビニール袋56は梱包され、集品容器21は蓋がされ、出荷エリア17へ搬送され、出荷エリア17では、第4搬送コンベヤ68により搬送されてきた集品容器21は配送方面別にかご車などに段積みされ、配送トラックへ積み込まれる。
【0146】
以上のように、本実施の形態1によれば、個別、そして毎日配送するデリバリー・サービスが増加し、それに伴い、個別の注文が、商品の品種(品目)が少なく、個数も少ないもの、すなわち少品種少量の注文が増加しているが、メイン集品ライン22には、少品種少量の集品を行う集品容器21が流れることはないことにより、メイン集品ライン22とサブ集品ライン23に混在して少品種少量の集品を行う集品容器21を流した場合と比較して、作業者の何ら作業を行わない待ち時間を減少できる。例えば、メイン集品ライン22とサブ集品ライン23に混在した場合、少品種少量の集品を行う集品容器21が集まったゾーンZでは、仕分け作業は直ぐに終了して、タクト送りが発生するまで、何ら仕分け作業を行うことなく待つことになる。このように、作業者の待ち時間を減少できることにより、各ゾーンZ(1)〜(m)における作業効率を高めることができ、全体の作業効率を改善できる。
【0147】
さらに通常はメイン集品ライン22の集品容器21に対する仕分け作業が優先され、サブ集品ライン23の集品容器21への物品33の仕分け作業の機会が少なくなるので、進捗が遅くなる可能性があるが、サブ集品ライン23で搬送する集品容器21には、各個別のユーザーからの注文(物品の要求情報)が少品種少量(仕分け先の物品要求情報の特性の一例)の条件を満たす集品容器21が選定されることにより、サブ集品ライン23の仕分けの進捗が遅れることを改善できる。なお、少品種少量の条件を満たす集品容器21を選択すると、結果として、全集品容器21(搬送経路により搬送される集品容器21)の総個数の50%未満の条件を満たすことが可能となり、サブ集品ライン23の仕分けの進捗が遅れることを改善できる。
【0148】
また本実施の形態1によれば、サブ集品ライン23で搬送する集品容器21の少品種少量の条件は、仕分ける物品33の品種が1であるので、数量の大小はあっても、全ゾーンZにおいて1回の仕分け作業で仕分けが終了することにより、メイン集品ライン22の集品容器21に対する仕分け作業が優先されても、サブ集品ライン23における物品33の仕分け作業の進捗を、メイン集品ライン22と同等とすることができる。
【0149】
また本実施の形態1によれば、分岐地点で、メイン集品ライン22より分岐された集品容器21が、サブ集品ライン23によりタクト送りされ、サブ集品ライン23より搬出され、合流地点で、メイン集品ライン22から搬出された集品容器21と、分岐した際に前後に位置した集品容器21の間へ戻されることにより、最初に第1搬送コンベヤ60(メイン集品ライン22)へ投入された順(配送方面のユーザー順)で、最終的に各集品容器21への仕分けが終了し、出荷エリア17へ搬送でき、方面別にかご車に積み込まれる順が狂い、配送順に集品容器21が並ばなくなることを回避でき、異なる方面別のかご車へ積み込まれて配送されるミスを回避できる。
【0150】
また本実施の形態1によれば、第1ピッキングエリア13の各ゾーンZの間口42に高頻度品を収納し、サブ集品ライン23の集品容器21は、上流側に位置する各ゾーンZ(1)〜(m)において仕分けが終了することにより、サブ集品ライン23の下流側にバッファライン25を設けることができ、合流装置67による合流に柔軟に対応することができる。なお、バッファライン25が無い構成では、合流装置67による合流に柔軟に対応できない。
【0151】
また本実施の形態1によれば、仮置棚34の各棚32に対して、次にタクト送りされてくる各集品容器21のための先行仕分けが実行されることにより、作業者の何ら作業を行わない待ち時間が少なくなり、作業効率を改善できる。
【0152】
また本実施の形態1によれば、第2滞留検出器27が動作しバッファライン25における合流装置67からの集品容器21の滞留量が第2所定量g以上、すなわちメイン集品ライン22が、合流待ちで停止する懸念がないとき、メイン集品ライン22によるタクト送りされてきた集品容器21に対して物品33の仕分け作業が優先して実行され、次に仮置棚34の各棚32に先行して仕分けられた物品33が、各棚32に対応する集品容器21へ投入されることにより、メイン集品ライン22の集品容器21が迅速にタクト送りされ、メイン集品ライン22上の集品容器21への仕分け作業を迅速に進めることができる。
【0153】
そして、待ち時間に(メイン集品ライン22がタクト送りされるまでの時間、タクト送り中の時間に)、次のタクトに対応した仮置棚34の各棚32への先行仕分けが行われ、さらに待ち時間があると、サブ集品ライン23によるタクト送りされてきた集品容器21への仕分けが行われることにより、待ち時間を解消でき、作業効率を向上させることができる。
【0154】
また第2滞留検出器27が動作せずに集品容器21の滞留量が第2所定量g未満で、メイン集品ライン22が、合流待ちで停止する懸念があるとき、上記待ち時間の最初に、サブ集品ライン23によるタクト送りされてきた集品容器21への仕分けが行われ、サブ集品ライン23の仕分けが進捗されるように切り換えが行われることにより、合流が遅れることを防止できる。
【0155】
また本実施の形態1によれば、第1滞留検出器26が動作せずに、バッファライン25における合流装置67からの集品容器21の滞留量が第1所定量f未満のとき、すなわちメイン集品ライン22が、合流待ちで停止する懸念が増大すると、まずサブ集品ライン23によるタクト送りされてきた集品容器21への仕分けが行われることにより、サブ集品ライン23の仕分けの進捗を促すことができ、メイン集品ライン22のタクト送りが停止してしまうことを回避できる。
[実施の形態2]
上記実施の形態1では、第1ピッキングエリア13と第2ピッキングエリア14にそれぞれ、仮置棚34を設置しているが、仮置棚34を設置しない構成としてもよい。このとき、第1ピッキングエリア13では、メイン集品ライン22とサブ集品ライン23によりそれぞれタクト送りされてくる集品容器21に対してピッキング作業が実行される。仕分け作業の順位の設定は、第1滞留検出器26により集品容器21が確認されるまでは、“サブダイレクト・ピッキング”が優先され、第1滞留検出器26により集品容器21が確認されると、“通常ダイレクト・ピッキング”が優先される。したがって、各ゾーンZでは、通常はメイン集品ライン22によりタクト送りされてくる集品容器21へのピッキング作業が優先して実行され、空いた待ち時間に、サブ集品ライン23によりタクト送りされてくる集品容器21に対してピッキング作業が実行される。
【0156】
この本実施の形態2によれば、上記実施の形態1と同様に、個別、そして毎日配送するデリバリー・サービスが増加し、それに伴い少品種少量の注文が増加しているが、メイン集品ライン22には、少品種少量の集品を行う集品容器21が流れることはないことにより、メイン集品ライン22とサブ集品ライン23に混在して少品種少量の集品を行う集品容器21を流した場合と比較して、作業者の何ら作業を行わない待ち時間を減少できる。さらに通常はメイン集品ライン22の集品容器21に対する仕分け作業が優先され、サブ集品ライン23の集品容器21への物品33の仕分け作業の機会が少なくなるので、進捗が遅くなる可能性があるが、サブ集品ライン23で搬送する集品容器21には、全集品容器21(搬送経路により搬送される集品容器21)の総個数の50%未満で、かつ各個別のユーザーからの注文(物品の要求情報)が少品種少量の条件を満たす集品容器21が選定されることにより、サブ集品ライン23の仕分けの進捗が遅れることを改善できる。
【0157】
なお、本実施の形態2では、仮置棚34を設置しない構成とされ、仮置棚34の各棚32に対応して停止した集品容器21に対して、先行ピッキングしていた物品33を投入する作業が不要となり、停止する各集品容器21と各棚32の位置を特定する必要がなくなることにより、各集品ライン22,23をタクト送り搬送する必要がなく、連続搬送とすることもできる。
[実施の形態3]
上記実施の形態1では、第1ピッキングエリア13と第2ピッキングエリア14にそれぞれ、仮置棚34を設置しているが、仮置棚34を設置しない構成とし、さらにメイン集品ライン22とサブ集品ライン23においてそれぞれ、先行ピッキングができる構成とすることもできる。
【0158】
このとき、図13に示すように、タクト送りによる各集品ライン22,23の各集品容器21の停止位置にはそれぞれ、停止位置の集品容器21への仕分けを指示(表示)するコンベヤ投入表示器(容器表示手段の一例)81が設けられる。
【0159】
前記コンベヤ投入表示器81は、配置されたゾーンZ内での仕分け作業を実行する集品容器21を指示する赤色ランプ付きの第1押釦スイッチ(第一指示手段の一例)82と、隣接する下流ゾーンZ内での仕分け作業を実行する集品容器21を指示する緑色ランプ付きの第2押釦スイッチ(第二指示手段の一例)83から形成され、第2押釦スイッチ83の緑色ランプには指向性があり、配置されたゾーンZではピッキング作業者が点灯状態を判別できず、隣接する下流ゾーンZのピッキング作業者のみが点灯状態を判別できる構成とされている。
【0160】
各集品ライン22,23ではそれぞれ、タクト毎に、各ゾーンZでの各集品装置21への仕分け作業が終了し、空いた待ち時間があると、上流ゾーンZのコンベヤ投入表示器81の第2押釦スイッチ83の緑色ランプが点灯し、先行仕分け作業が指示される。このとき、ピッキング作業者は、配置された自分のゾーン(自ゾーン)Zのピッキング表示器47の表示にしたがって、間口42から指定された数量の物品33を取り出して、上流のゾーンZの緑色ランプが点灯している集品容器21へ投入して第2押釦スイッチ83を押す作業を実行する。図14,図15に示すように、各集品ライン22,23では、各ゾーンZでは、自ゾーンZの集品容器21に対する仕分け作業が終了すると、上流のゾーンZの集品容器21に対して先行して仕分け作業を実行する。
【0161】
このように、各ゾーンZ(1)〜(m)のピッキング作業者は、自ゾーンZにメイン集品ライン22により搬送されてきた集品容器21と、自ゾーンZにサブ集品ライン23により搬送されてきた集品容器21と、隣接する上流ゾーンZにメイン集品ライン22により搬送されてきた集品容器21と、隣接する上流ゾーンZにサブ集品ライン23により搬送されてきた集品容器21に対して仕分け作業を実行するが、これら各集品ライン22,23での仕分けの優先順位は、次のように設定される。
【0162】
図16に示すフローチャートにしたがって説明する。
ゾーンZ(1)に集品容器21が搬入され仕分け作業が開始されると(ステップ−1)、作業時間のカウントを行い(ステップ−2)、作業時間が所定時間以上かどうかを確認する(ステップ−3)。
【0163】
作業時間が所定時間未満のとき、メイン集品ライン22がタクト送りかどうかを確認し(ステップ−4)、サブ集品ライン23がタクト送りかどうか(ステップ−5)を確認し、メイン集品ライン22またはサブ集品ライン23がタクト送りのとき、各ゾーンZにおける物品33の仕分け作業の優先順位を次のように設定する(ステップ−6)。
【0164】
(i)自ゾーンZの第1押釦スイッチ82の赤色ランプにより指示された、サブ集品ライン23によりタクト送りされてきた集品容器21に対する“サブ通常・ピッキング”。
(ii)隣接する上流のゾーンZの第2押釦スイッチ83の緑色ランプにより指示された、サブ集品ライン23によりタクト送りされてきた上流のゾーンZの集品容器21に対する“サブ先行・ピッキング”。
【0165】
(iii)自ゾーンZの第1押釦スイッチ82の赤色ランプにより指示された、メイン集品ライン22によりタクト送りされてきた集品容器21に対する“メイン通常・ピッキング”。
【0166】
(iv)隣接する上流のゾーンZの第2押釦スイッチ83の緑色ランプにより指示された、メイン集品ライン22によりタクト送りされてきた上流のゾーンZの集品容器21に対する“メイン先行・ピッキング”。
【0167】
ステップ−3において、作業時間が所定時間以上のとき、メイン集品ライン22がタクト送りかどうかを確認する(ステップ−7)。
メイン集品ライン22のタクト送りを確認すると、まず第2滞留検出器27がオンか、すなわちバッファライン25における合流装置67(合流地点)からの集品容器21の滞留量が第2所定量g以上かどうかを確認し(ステップ−8)、第2所定量g以上のとき、すなわちメイン集品ライン22が、合流待ちで停止する懸念がないとき、メイン集品ライン22の集品容器21への仕分けの進捗が促されるように、各ゾーンZにおける物品33の仕分け作業の優先順位を次のように設定する(ステップ−9)。
【0168】
(i)メイン通常・ピッキング。
(ii)メイン先行・ピッキング。
(iii)サブ通常・ピッキング。
【0169】
(iv)サブ先行・ピッキング。
上記ステップ−8において、滞留量が第2所定量g未満のとき、第1滞留検出器26がオンか、すなわち前記滞留量が第2所定量gより少なく、且つ第1所定量f(<g)以上かどうかを確認し(ステップ−10)、第1所定量f以上で第2所定量g未満のとき、すなわちメイン集品ライン22が、合流待ちで停止する懸念があるとき、各ゾーンZにおける物品33の仕分け作業の優先順位を次のように設定する(ステップ−11)。
【0170】
(i)メイン通常・ピッキング。
(ii)サブ通常・ピッキング。
(iii)メイン先行・ピッキング。
【0171】
(iv)サブ先行・ピッキング。
ステップ−10において、第1所定量f未満のとき、すなわちメイン集品ライン22が、合流待ちで、タクト送りが停止する懸念が増大すると(サブ集品ライン23により搬出された集品容器21が、合流装置67により合流できずに、メイン集品ライン22からの集品容器21の搬出に支障がでる懸念が増大すると)、ステップ−6を実行する。
【0172】
またステップ−7において、メイン集品ライン22のタクト送りを確認しないとき、サブ集品ライン23のタクト送りを確認すると(ステップ−12)、第1滞留検出器26がオンかどうかを確認し(ステップ−13)、確認すると、ステップ−7へ戻る。確認できないと、すなわち滞留量が第1所定量f未満のとき、ステップ−6を実行し、各ゾーンZにおける仕分け作業の優先順位の設定を更新し、“サブ通常・ピッキング”に戻って、サブ集品ライン23によるタクト送りされてきた集品容器21に対してピッキング作業をできるようにする。
【0173】
上記構成による、ピッキングエリア13,14における作用を説明する。
「ゾーンZ(1)〜(m)でのピッキング作業」
メイン集品ライン22の自ゾーン・隣接する上流ゾーンと、サブ集品ライン23の自ゾーン・隣接する上流ゾーンにおけるピッキング作業の4つのゾーンZの優先順位が、バッファライン25に滞留された集品容器21の量により、メイン集品ライン22がタクト送りされる毎、あるいはサブ集品ライン23がタクト送りされ、滞留量が第1所定量f未満のときに、設定される。
【0174】
<作業開始時>
第1滞留検出器26により集品容器21が確認されるまでは、優先順位は、(i)サブ通常・ピッキング、(ii)サブ先行・ピッキング、(iii)メイン通常・ピッキング、(iv)メイン先行・ピッキングとなり、各ゾーンZ(1)〜(m)においてサブ集品ライン23の自ゾーン・隣接する上流ゾーンにおけるピッキングが優先されて実行される。
【0175】
各ゾーンZ(1)〜(m)において、自ゾーンにおけるサブ集品ライン23上の集品容器21へのピッキングが終了すると、空いた待ち時間があるとき、上流の各ゾーンZ(1)〜(m−1)におけるサブ集品ライン23上の集品容器21へのピッキングが実行される。各ゾーンZ(1)〜(m)においてサブ集品ライン23上の集品容器21へのピッキングが全て終了すると、サブ集品ライン23はタクト送りされ、さらにサブ集品ライン23上でタクト送りされる集品容器21は、少品種少量の集品を行う集品容器21であることから、サブ集品ライン23上の集品容器21へのピッキングは急速に進捗され、最も下流のゾーンZ(m)からピッキング作業が終了した集品容器21がバッファライン25へ搬出され、下流まで搬送され、滞留される。
【0176】
また各ゾーンZ(1)〜(m)において、サブ集品ライン23の自ゾーン・隣接する上流ゾーンにおけるピッキングが終了し、さらに空いた待ち時間には、メイン集品ライン22の自ゾーン・隣接する上流ゾーンへのピッキング作業が実行される。
【0177】
<バッファライン25へ第2所定量gの集品容器21が滞留されるまでの時間>
第1滞留検出器26により集品容器21が確認されると、優先順位が切り替わり、(i)メイン通常・ピッキング、(ii)サブ通常・ピッキング、(iii)メイン先行・ピッキング、(iv)サブ先行・ピッキングとなり、各ゾーンZ(1)〜(m)においてメイン集品ライン22におけるメイン通常・ピッキングが優先されて実行される。
【0178】
これにより、各ゾーンZ(1)〜(m)におけるメイン集品ライン22上の集品容器21へのピッキングは迅速に実行され、各ゾーンZ(1)〜(m)におけるメイン集品ライン22上の集品容器21へのピッキングが終了すると、メイン集品ライン22はタクト送りされ、最下流のゾーンZ(m)からピッキング作業が終了した集品容器21は、ゾーンZ(m+1)へタクト送りされる。
【0179】
また各ゾーンZ(1)〜(m)において、メイン集品ライン22における“メイン通常・ピッキング”が終了して空いた待ち時間またはメイン集品ライン22がタクト送りされている時間には、各ゾーンZ(1)〜(m)におけるサブ集品ライン23上の集品容器21へのピッキング作業が実行され、各ゾーンZ(1)〜(m)におけるサブ集品ライン23上の集品容器21へのピッキング作業が終了すると、サブ集品ライン23はタクト送りされ、最下流のゾーンZ(m)からピッキング作業が終了した集品容器21は、バッファライン25へ搬出され、下流まで搬送され、滞留される。
【0180】
またサブ通常・ピッキングが終了して空いた待ち時間は、(iii)メイン先行・ピッキング、(iv)サブ先行・ピッキングの順に各ライン22,23における先行ピッキング作業が実行される。
【0181】
<通常(バッファライン25へ第2所定量g以上の集品容器21が滞留されたとき>
第2滞留検出器27により集品容器21が確認されると、(i)メイン通常・ピッキング、(ii)メイン先行・ピッキング、(iii)サブ通常・ピッキング、(iv)サブ先行・ピッキングと優先順位が切り替わり、各ゾーンZ(1)〜(m)の自ゾーンZにおけるメイン集品ライン22におけるメイン通常・ピッキングが優先され、空いた待ち時間に、各ゾーンZ(1)〜(m)の隣接する上流ゾーンZにおけるメイン集品ライン22におけるメイン先行・ピッキングが優先され、各ゾーンZ(1)〜(m)では、メイン集品ライン22によりタクト送りされてきた集品容器21に対して、物品33の仕分けが優先して実行される。
【0182】
これにより、各ゾーンZ(1)〜(m)におけるメイン集品ライン22上の集品容器21へのピッキングは迅速に実行され、各ゾーンZ(1)〜(m)におけるメイン集品ライン22上の集品容器21へのピッキングが終了すると、メイン集品ライン22はタクト送りされ、最下流のゾーンZ(m)からピッキング作業が終了した集品容器21は、ゾーンZ(m+1)へタクト送りされる。
【0183】
また各ゾーンZ(1)〜(m)において、メイン集品ライン22における“メイン通常・ピッキング”および“メイン先行・ピッキング”が終了して空いた待ち時間、またはメイン集品ライン22がタクト送りされている時間に、“サブ通常・ピッキング”、“サブ先行・ピッキング”の順に作業が実行され、サブ集品ライン23によりタクト送りされてきた集品容器21に対して、物品33の仕分けが実行され、作業者の作業待ち時間が有効に使用され、生産性が向上する。
【0184】
メイン集品ライン22上の集品容器21へのピッキングは急速に進みタクト送りされるが、メイン集品ライン22上の各集品容器21は、注文された物品33の品種と数量が多い集品容器21であるため(少品種少量の集品を行う集品容器21ではないため)、空いた待ち時間、またはメイン集品ライン22がタクト送りされている時間に実行される“サブ通常・ピッキング”、“サブ先行・ピッキング”によるサブ集品ライン23上の少品種少量の集品を行う集品容器21へのピッキングも同様に進み、最下流のゾーンZ(m)からピッキング作業が終了した集品容器21がバッファライン25へ搬出され、下流まで搬送され、滞留される。
【0185】
「ゾーンZ(m+1)〜(p)でのピッキング作業」
ゾーンZ(m+1)〜(p)にはサブ集品ライン23に対するピッキング作業がないために、上記<通常>のピッキング作業が実行され、最下流のゾーンZ(p)からピッキング作業が終了した集品容器21は、第3搬送コンベヤ66へ搬出される。
【0186】
以上のように、本実施の形態3によれば、上記実施の形態1と同様に、個別、そして毎日配送するデリバリー・サービスが増加し、それに伴い、少品種少量の注文が増加しているが、メイン集品ライン22には、少品種少量の集品を行う集品容器21が流れることはないことにより、メイン集品ライン22とサブ集品ライン23に混在して少品種少量の集品を行う集品容器21を流した場合と比較して、作業者の何ら作業を行わない待ち時間を減少できる。さらに通常はメイン集品ライン22の集品容器21に対する仕分け作業が優先され、サブ集品ライン23の集品容器21への物品33の仕分け作業の機会が少なくなるので、進捗が遅くなる可能性があるが、サブ集品ライン23で搬送する集品容器21には、全集品容器21(搬送経路により搬送される集品容器21)の総個数の50%未満で、かつ各個別のユーザーからの注文(物品の要求情報)が少品種少量の条件を満たす集品容器21が選定されることにより、サブ集品ライン23の仕分けの進捗が遅れることを改善できる。
【0187】
また本実施の形態3によれば、第1滞留検出器26が動作せずに、バッファライン25における合流装置67からの集品容器21の滞留量が第1所定量f未満のとき、すなわちメイン集品ライン22が、合流待ちで停止する懸念が増大すると、まずサブ集品ライン23によるタクト送りされてきた集品容器21に対する、“サブ通常・ピッキング”と“サブ先行・ピッキング”が優先して実行され、またサブ集品ライン23上でタクト送りされる集品容器21は少品種少量の集品を行う集品容器21であることから、サブ集品ライン23上の集品容器21へのピッキングは急速に進捗され、最も下流のゾーンZ(m)からピッキング作業が終了した集品容器21がバッファライン25へ搬出され、バッファライン25に急速に集品容器21を滞留することができ、合流が遅れ、メイン集品ライン22のタクト送りが停止してしまうことを回避できる。
【0188】
また第2滞留検出器27が動作せずに集品容器21の滞留量が第2所定量g未満で、メイン集品ライン22が、合流待ちで停止する懸念があるとき、メイン集品ライン22の集品容器21に対して、“メイン通常・ピッキング”が実行され、その待ち時間の最初に、サブ集品ライン23によるタクト送りされてきた集品容器21への“サブ通常・ピッキング”が行われ、サブ集品ライン23の仕分けが進捗されることにより、合流が遅れることを防止できる。
【0189】
また第2滞留検出器27が動作して、バッファライン25へ第2所定量g以上の集品容器21が滞留された状態では、メイン集品ライン22の集品容器21に対して、“メイン通常・ピッキング”と“メイン先行・ピッキング”が優先して実行されることにより、メイン集品ライン22により搬送されてくる集品容器21への仕分け作業を、迅速に実行することができる。さらに待ち時間が発生すると、サブ集品ライン23の集品容器21に対する、“サブ通常・ピッキング”と“サブ先行・ピッキング”が実行されることにより、サブ集品ライン23の集品容器21への仕分け作業が実行され、空いた待ち時間を有効に使用することができる。
【0190】
なお、本実施の形態3では、仮置棚34を設置しない構成とされ、仮置棚34の各棚32に対応して停止した集品容器21に対して、先行ピッキングしていた物品33を投入する作業が不要となり、停止する各集品容器21と各棚32の位置を特定する必要がなくなることにより、各集品ライン22,23をタクト送り搬送する必要がなく、連続搬送とすることもできる。
[その他の実施の形態]
上記実施の形態1〜3では、「搬送経路全体により搬送される集品容器21の総個数Nに対する予め設定された割合Q(50%未満)」により、仕分け先の物品要求情報の特性として少品種少量の条件を求め、少品種少量の条件に相当する集品容器21を求めて分岐する集品容器21の分岐データを形成し、分岐データに基づいてサブ集品ライン(第二仕分ライン)23に分岐しているが、「注文の物品33の総仕分け量に対する割合(50%未満)」により同様に分岐データを形成し、分岐データに基づいてサブ集品ライン23に分岐するようにしてもよい。
【0191】
このように、サブ集品ライン23に分岐される集品容器21を、物品33の総仕分け量の50%未満の物品33が投入される集品容器21とすることにより、通常はメイン集品ライン22の集品容器21に対する仕分け作業が優先されても(サブ集品ライン23の集品容器21への物品33の仕分け作業の機会が少なくなっても)、サブ集品ライン23の仕分けの進捗が遅れることを改善できる。
【0192】
また搬送経路全体により搬送される集品容器21の総個数Nに対する割合Q(50%未満)により少品種少量の条件を求め、少品種少量の条件に相当する集品容器21を、サブ集品ライン23へ分岐する集品容器21として求めているが、最初からユーザーの注文が、予め設定した少品種少量(仕分け先の物品要求情報の特性)の条件を満たす集品容器21であることや、仕分ける物品33の品種が1で且つ数量が1、または品種が1で且つ数量が2以上、或いはその組み合わせの集品容器21であることを分岐する条件として、サブ集品ライン23へ分岐する集品容器21を求めるようにしてもよい。
【0193】
また上記実施の形態1〜3では、サブ集品ライン23へ分岐する集品容器21の条件を、ユーザーからの注文が少品種少量の集品容器としているが、必ずしも、少品種少量に限ることはなく、サブ集品ライン23によりタクト送りされてくる集品容器21への作業量が小さい、あるいは作業性がよくて作業時間が短くてよく作業者の作業効率が良い物品33が注文されていることを条件としてもよい。作業者の作業効率が良い物品33として、例えば、仕分ける物品33の特性により、重量が軽い物品、または長さが短い物品、または容積率が小さい物品、または壊れにくい物品、または取り扱いやすい形状の物品、あるいはこれらの組み合わせによる物品が考えられる。
【0194】
上記実施の形態1〜3では、各集品ライン22,23により搬送される、ユーザーが予め設定された集品容器21に対して、間口42から取り出した物品33を投入して、集品容器21毎にユーザーが注文した物品33が仕分けられる構成としているが、各間口42にユーザーを予め設定し、各ライン(仕分ライン)22,23によって品種が1種類の物品33が収納された複数の容器(仕分容器)21を搬送し、各ラインの表示器51により指示された容器21より、間口42の表示器47に表示された数量の物品33を取り出して、この表示器47の間口42に投入する構成としてもよい。このとき、第二仕分ライン23により搬送する容器21を、搬送経路全体により搬送される仕分容器21の総個数の50%未満または物品33の総仕分け量の50%未満の物品33が仕分けられる複数の容器21とする。
【0195】
この構成において、第一仕分ライン22により搬送されてきた容器21に対して、物品33の仕分けを優先して実行することにより、第一仕分ライン22の容器21の物品33の仕分け作業の進捗を速くすることができ、これに対して、第二仕分ライン23により搬送されてきた容器21に対しては、第一仕分ライン22の仕分けが終了して、ゾーンZから搬送されるまでの空いた待ち時間、あるいはゾーンZから搬送中に仕分け作業が実行され、これにより作業者の待ち時間を無くすことができ、作業効率を改善できる。また第二仕分ライン23で搬送する容器21には、搬送経路により搬送される容器21の総個数または物品33の総仕分け量の50%未満の条件を満たす容器21が選定されることにより、第二仕分ライン23の容器21の物品33の仕分け作業の進捗が遅れることを改善できる。
【0196】
また上記実施の形態1〜3では、第1ピッキングエリア13のみにサブ集品ライン23を敷設しているが、第1ピッキングエリア13に代えて、第2ピッキングエリア14にサブ集品ライン23を敷設するようにすることも可能であり、さら第1ピッキングエリア13と第2ピッキングエリア14に連続して敷設するようにすることも可能である。
【0197】
また上記実施の形態1〜3では、サブ集品ライン23のみにバッファライン25を設けているが、メイン集品ライン22にもバッファライン25を設けることも可能である。
また上記実施の形態1〜3では、集品容器投入エリア11においてビニール袋56に貼り付けるラベル57の色は特定していないが、集品容器21の配送方面別にラベルの色を変えるようにしてもよい。色を変えることにより、梱包エリア16で作業者が梱包作業をするときに、配送方面別に集品容器21が並んで、搬送されてきたかどうかを確認でき、また出荷エリア17でかご車に積載するとき、他の方面の集品容器21が混ざっていないかを確認でき、配送ミスを回避することができる。
【0198】
また上記実施の形態1〜3では、集品容器21は折り畳み可能なコンテナにより形成されているが、コンテナ、または段ボール箱、または枠体により支持された袋であってもよい。
【0199】
また上記実施の形態1〜3では、入荷用容器41を格納する仕分け棚をフローラック31により構成しているが、フローラック31に限ることはなく、固定棚等であってもよい。
【0200】
また上記実施の形態1〜3では、仕分け設備10が「個別の予め登録されたお客(ユーザー)から注文を受けた物品を、ユーザーに割り当てられた集品容器に集めて、毎日、配送するデリバリー・サービスに対応する仕分け設備」であることを踏まえ、各集品容器(仕分容器の一例)21には個別のユーザーを設定している(割り当てている)が、ユーザーの範囲を広げて、デリバリー・サービスを受ける店舗や、店舗内の特定の売り場やフロアーを、集品容器21に設定するようにしてもよい。このとき、店舗内の特定の売り場やフロアーが複数の場合には、梱包エリア16において、複数の売り場やフロアー毎にそれぞれ集品容器21に仕分けられた物品33(ビニール袋56に収納されている)をビニール袋56ごと取り出し、代表する集品容器21(例えば、売り場やフロアーの店舗を特定する集品容器21)に詰め替えて出荷するようにしてもよい。出荷先では、集品容器21を開いたとき、各ビニール袋56にそれぞれ取り付けられたラベル57により、ビニール袋56に収納された物品33が、どの売り場か、あるいはフロアーかを特定することができる。
【0201】
また上記実施の形態1〜3では、作業者側から見てメイン集品ライン22の奥側に位置するサブ集品ライン23の集品容器21の搬送面を水平としているが、搬送面を作業者側へ傾けて、サブ集品ライン23の集品容器21へ物品33を投入しやすくすることもできる。このとき、サブ集品ライン23に集品容器21が搬送面の傾きにより滑り落ちしないように、集品容器21を支持する支持材を設ける。
【0202】
また上記実施の形態1〜3では、ユーザーより要求される頻度の高低により、物品33は、高頻度品と中頻度品と低頻度品の分類に分類されているが、低頻度品と、この低頻度品より要求の頻度が高い高頻度品に分類されてもよい。このとき、第1ピッキングエリア13には、少なくとも、高頻度品が割り当てられ、第2ピッキングエリア14には、第1ピッキングエリア13にて割り当てられた物品33以外の物品33(低頻度品、高頻度品)が割り当てられる。
【0203】
また上記実施の形態1〜3では、集品ライン22,23に沿って備えられたフローラック(仕分け棚の一例)31は、その複数の間口(区画収納空間の一例)42を集品ライン22,23に向けて配置しているが、複数の間口42を集品ライン22,23とは直角な向きとして配置してもよい。
【符号の説明】
【0204】
10 仕分け設備
11 集品容器投入エリア
12 分岐・切り出しエリア
13 第1ピッキングエリア
14 第2ピッキングエリア
15 合流・搬送エリア
16 梱包エリア
17 出荷エリア
21 集品容器(仕分容器)
22 メイン集品ライン
23 サブ集品ライン
25 バッファライン
26,27 滞留検出器
31 フローラック
32 棚
33 物品
34 仮置棚
42 間口
44 ピッキングコントローラ
47 ピッキング表示器
51,81 コンベヤ投入表示器
52 仮置表示器
55 ゾーン表示器
56 ビニール袋
57 ラベル
58 ラベルプリンタ
59 ディスプレイ
60,62,66,68 搬送コンベヤ
61 分岐装置
63,64 切り出しコンベヤ
65,69,70 バーコードリーダ
67 合流装置
71 統括コンピュータ
72 容器搬入コントローラ
73 分岐コントローラ
74 合流コントローラ
82 赤色ランプ付きの第1押釦スイッチ
83 緑色ランプ付きの第2押釦スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品をそれぞれ収納する複数の区画収納空間を有し、所定数の区画収納空間毎に、仕分け作業を実行するゾーンが設定された仕分け棚を備え、
前記仕分け棚に沿って、複数の仕分容器を搬送する搬送経路を備え、
仕分け先の物品要求情報に応じて、前記搬送経路により搬送される前記各仕分容器と前記仕分け棚の各区画収納空間との間において物品の仕分けを行う仕分け設備であって、
前記搬送経路を、
前記複数の仕分容器を搬送する第一仕分ラインと、
前記第一仕分ラインとは独立して、前記各仕分け先の物品要求情報の特性、または仕分けが実行される前記物品の特性により、前記第一仕分ラインへ搬送される仕分容器とは分離された複数の仕分容器を搬送する第二仕分ラインと
から構成し、
前記各ゾーンでは、前記第一仕分ラインにより搬送されてきた前記仕分容器に対して、前記物品の仕分けが優先して実行され、前記第一仕分ラインにおける物品の仕分けが終了すると前記第二仕分ラインにより搬送されてきた前記仕分容器に対して、前記物品の仕分けが実行されること
を特徴とする仕分け設備。
【請求項2】
前記仕分け先の物品要求情報の特性は、仕分け対象の物品が少品種少量の条件を満たす物品要求情報であり、この物品要求情報における少品種少量の条件は、仕分ける物品の品種が1で且つ数量が1、または物品の品種が1で且つ数量が2以上、あるいはこれらの組み合わせであること
を特徴とする請求項1に記載の仕分け設備。
【請求項3】
前記物品の特性は、重量、または長さ、または容積率、または壊れやすさの度合い、または取り扱い易さの度合い、あるいはこれらの組み合わせであること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の仕分け設備。
【請求項4】
前記第二仕分ラインの仕分容器に対応する仕分け作業は、前記搬送経路の上流に配置された前記複数の区画収納空間において実行されること
を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の仕分け設備。
【請求項5】
前記第一仕分ラインおよび第二仕分ラインはそれぞれ、前記複数の仕分容器を前記ゾーン毎にタクト送りすること
を特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の仕分け設備。
【請求項6】
前記第一仕分ラインに沿って、各ゾーンに、前記第一仕分ラインによりタクト送りされてくる各仕分容器にそれぞれ対応した棚を有し、各棚毎に、次回に前記第一仕分ラインによりタクト送りされてくる各仕分容器に仕分ける物品を先行して仕分けることが可能な仮置棚を配置し、
各ゾーンにおける物品の仕分けは、
まず、いずれかを後先として、前記第一仕分ラインによりタクト送りされてきた前記仕分容器に対する物品の仕分けと、前記仮置棚の各棚に先行して仕分けられた物品の、各棚に対応する仕分容器への投入とが実行され、
これら実行が終了すると、
次に、前記仮置棚の各棚に対する物品の仕分けが実行され、
次に、前記第二仕分ラインによりタクト送りされてきた前記仕分容器に対する物品の仕分けが実行される
ように設定されていること
を特徴とする請求項5に記載の仕分け設備。
【請求項7】
前記第一仕分ラインおよび前記第二仕分ラインに沿って前記各ゾーン毎に、ゾーン内での仕分け作業を実行する仕分容器を指示する第一指示手段と、隣接する下流ゾーン内での仕分け作業を実行する仕分容器を指示する第二指示手段を配置し、
各ゾーンにおける物品の仕分けは、
まず、このゾーンの第一指示手段により指示された、前記第一仕分ラインにより搬送されてきた前記仕分容器に対して実行され、
次に、隣接する上流のゾーンの第二指示手段により指示された、前記第一仕分ラインにより搬送されてきた隣接する上流のゾーンの前記仕分容器に対して実行され、
次に、このゾーンの第一指示手段により指示された、前記第二仕分ラインにより搬送されてきた前記仕分容器に対して実行され、
次に、隣接する上流のゾーンの第二指示手段により指示された、前記第二仕分ラインにより搬送されてきた隣接する上流のゾーンの前記仕分容器に対して実行されるように設定されていること
を特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の仕分け設備。
【請求項8】
前記第二仕分ラインの下流に、仕分けが終了した仕分容器を搬送するバッファラインを設け、前記バッファラインにより搬送された仕分容器は、前記第一仕分ラインに合流される構成とし、
前記バッファラインにおいて、前記合流される地点から上流に滞留された仕分容器の量が所定量以上のとき、前記各ゾーンでは、前記第一仕分ラインにより搬送されてきた前記仕分容器に対して、前記物品の仕分けが優先して実行されること
を特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の仕分け設備。
【請求項9】
前記第一仕分ラインに沿って、各ゾーンに、前記第一仕分ラインによりタクト送りされてくる各仕分容器にそれぞれ対応した棚を有し、各棚毎に、次回に前記第一仕分ラインにより搬送されてくる各仕分容器に仕分ける物品を先行して仕分けることが可能な仮置棚を配置し、
前記第二仕分ラインの下流に、仕分けが終了した仕分容器を搬送するバッファラインを設け、前記バッファラインにより搬送された仕分容器は、前記第一仕分ラインに合流される構成とし、
前記バッファラインにおいて、仕分容器の合流地点から上流に滞留された仕分容器の量が第一所定量以上か、この第一所定量より大きい第二所定量以上かが判断され、
前記滞留された仕分容器の量が第二所定量以上のとき、前記各ゾーンでは、前記第一仕分ラインによりタクト送りされてきた前記仕分容器に対して前記物品の仕分けが優先して実行され、次に、前記仮置棚の各棚における物品の仕分けが実行され、次に、前記第二仕分ラインによりタクト送りされてきた前記仕分容器に対して前記物品の仕分けが実行され、
前記滞留された仕分容器の量が第一所定量以上で第二所定量未満のとき、前記各ゾーンでは、前記第一仕分ラインによりタクト送りされてきた前記仕分容器に対して前記物品の仕分けが優先して実行され、次に、前記第二仕分ラインにより搬送されてきた前記仕分容器に対して前記物品の仕分けが実行され、次に、前記仮置棚の各棚における物品の仕分けが実行されること
を特徴とする請求項5に記載の仕分け設備。
【請求項10】
前記第一仕分ラインおよび前記第二仕分ラインに沿って前記各ゾーン毎に、ゾーン内での仕分け作業を実行する仕分容器を指示する第一指示手段と、隣接する下流ゾーン内での仕分け作業を実行する仕分容器を指示する第二指示手段を配置し、
前記第二仕分ラインの下流に、仕分けが終了した仕分容器を搬送するバッファラインを設け、前記バッファラインにより搬送された仕分容器は、前記第一仕分ラインに合流される構成とし、
前記バッファラインにおいて、仕分容器の合流地点から上流に滞留された仕分容器の量が第一所定量以上か、この第一所定量より大きい第二所定量以上かが判断され、
前記滞留された仕分容器の量が第二所定量以上のとき、各ゾーンでは、このゾーンの第一指示手段、または隣接する上流のゾーンの第二指示手段により指示された、前記第一仕分ラインにより搬送されてきた前記仕分容器に対して前記物品の仕分けが優先して実行され、
前記滞留された仕分容器の量が第一所定量以上で第二所定量未満のとき、各ゾーンでは、このゾーンの第一指示手段により指示された、前記第一仕分ラインにより搬送されてきた前記仕分容器に対して前記物品の仕分けが優先して実行され、次に、このゾーンの第一指示手段により指示された、前記第二仕分ラインにより搬送されてきた前記仕分容器に対して前記物品の仕分けが実行されること
を特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の仕分け設備。
【請求項11】
前記仕分容器は、コンテナ、または折り畳み可能としたコンテナ、または段ボール箱、または枠体により支持された袋であること
を特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の仕分け設備。
【請求項12】
物品をそれぞれ収納する複数の区画収納空間を有し、所定数の区画収納空間毎に、仕分け作業を実行するゾーンが設定された仕分け棚を備え、
前記仕分け棚に沿って、複数の仕分容器を搬送する搬送経路を備え、
仕分け先の物品要求情報に応じて、前記搬送経路により搬送される前記各仕分容器と前記仕分け棚の各区画収納空間との間において物品の仕分けを行う仕分け設備であって、
前記搬送経路を、
前記複数の仕分容器を搬送する第一仕分ラインと、
前記第一仕分ラインとは独立して、前記搬送経路全体により搬送される仕分容器の総個数の50%未満または物品の総仕分け量の50%未満の物品が仕分けられる複数の仕分容器を搬送する第二仕分ラインと
から構成し、
前記各ゾーンでは、前記第一仕分ラインにより搬送されてきた前記仕分容器に対して、前記物品の仕分けが優先して実行され、前記第一仕分ラインにおける物品の仕分けが終了すると前記第二仕分ラインにより搬送されてきた前記仕分容器に対して、前記物品の仕分けが実行されること
を特徴とする仕分け設備。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−93666(P2011−93666A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−249600(P2009−249600)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】