説明

仕分け設備

【課題】本発明は、集品が終了した集品容器を、所定の順にかご車等に積み込むことが求められる仕分け設備において、仕分け効率を維持・向上できる仕分け設備を提供することを目的とする。
【解決手段】ユーザーが特定された集品容器を搬送する搬送経路を、集品容器をタクト送りするメイン集品ライン22と、各ユーザーからの注文データが少品種少量の条件を満たす集品容器をタクト送りするサブ集品ライン23と、サブ集品ライン23から搬出された集品容器21を、メイン集品ライン22より下流に位置する合流地点で、予め設定された順番で合流させるバッファライン25から構成し、バッファライン25における合流地点からの集品容器21の滞留量を確認し滞留量が所定量未満のとき、サブ集品ライン23により搬送されてきた集品容器21に対して、物品の仕分けが優先して実行される構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の仕分けを行う仕分け設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の仕分け設備において、一度のタクト送りで多くの集品容器を移動させ、集品ラインの能力を改善できる仕分け設備の一例が、特許文献1に開示されている。
この特許文献1に開示されている仕分け設備は、物品収納用の複数の区画収納空間を有し、各区画収納空間毎にピッキング表示器を設けたピッキング棚を備え、仕分け先毎に物品を集品する集品容器を、ピッキング棚に沿って配置された集品ライン(ローラコンベヤ)によりタクト送りし、前記各集品容器に前記ピッキング表示器の表示にしたがって各区画収納空間から物品の仕分けを行う仕分け設備であり、前記集品ラインを、平行な2列の集品容器を同時に移動可能な構成とし、2列の各集品容器に対応した仕分け位置(タクト送りによる集品容器の停止位置)に、各集品容器への仕分けを指示する指示表示器を設けている。
【0003】
この構成によれば、2列の集品容器が同時に集品ラインによりタクト移動され、指示表示器によって仕分けが指示される2列の集品容器に対して、各区画収納空間から物品の仕分けが行われる。よって、一度のタクト移動で、多くの集品容器を移動させて仕分け作業を行うことができ、集品ラインの能力を改善させることができる。
【0004】
上記特許文献1では、2列の集品ラインは同期して同時に動作しているが、2列の集品ラインがそれぞれ独立して動作し、一方の集品ラインがタクト移動中、作業者は他の集品ラインの仕分け作業を行うことができ、仕分け作業の効率化を図ることができる仕分け設備の一例が、特許文献2が開示されている。
【0005】
特許文献2に開示されている仕分け設備は、アソーティングエリアに、上段と下段がそれぞれ独立して動作し集品用コンテナの搬送を行うことができる2段のアソーティングラインが配置されており、各作業者は、それぞれ自分の前に搬送されてきたトートトレイから商品を取り出して、自分の周囲に並置された、前記下段と上段のアソーティングラインの各集品用コンテナに、指定された商品を指定された数量ずつ配分仕分けを行う。
【0006】
そして、上段または下段のアソーティングラインにおける1バッチ分の配分作業が終了すると、終了と共に上段または下段のアソーティングラインが搬送作動し、商品積み込み済みのコンテナは出荷エリアへと送り出されて出荷される。同時に、上段または下段のアソーティングラインの搬送作動によって、各作業者の前に空のコンテナが運ばれてくる。以後、各アソーティングラインの上段と下段が、1バッチ分の配分作業の終了毎、交互に搬送移動することにより、空のコンテナが随時供給され、作業者は、上段と下段で交互に間口配分作業を行う。
【0007】
このように、各作業者は、一方のアソーティングラインのアソーティングを行うが、作業が早く終わった作業者は、続けて、他方のアソーティングラインのアソーティングを行うことができ、また一方のアソーティングラインが搬送動作中、他方のアソーティングラインのアソーティングを行うことができ、仕分け作業の効率化を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−356209号公報
【特許文献2】特開2006−036407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献2の仕分け設備では、上下2段のラインがそれぞれ独立して動作するため、上下2段の各ラインにおいて、集品が終了した集品容器の順番は、不定となる恐れがあった。したがって、集品が終了した集品容器を、所定の順に、例えば配送地域毎に地域の配送順に、かご車等に積み込み出荷することが求められる仕分け設備では、集品が終了した集品容器を所定の順に並びかえる必要があり、非常に煩雑な作業を作業者に強いる恐れがあった。
【0010】
また最近、個別、そして毎日配送する個別配達のサービスが増加し、それに伴い、個別の注文が、商品の品種(品目)が少なく、数量も少ない少品種少量の注文が増加している。このような、少品種少量の注文に対応する集品容器は、全ゾーンにおいて、例えば1回の仕分け作業しか実行されないにも拘らず、同じラインを流れており、1つのゾーンに、少品種少量の注文に対応する集品容器が多く存在すると(仕分け作業のない集品容器が集中すると)、このゾーンでは、何ら仕分け作業を行うことのない待ち時間が増加してしまう。従来では、各ラインに少品種少量の注文に対応する集品容器が混在しているために、このような待ち時間の増加は避けることができず、仕分け効率を低下させる原因となっていた。
【0011】
そこで、本発明は、集品が終了した集品容器を、所定の順にかご車等に積み込むことが求められる仕分け設備において、仕分け効率を維持・向上できる仕分け設備を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、仕分け対象の物品をそれぞれ収納する複数の区画収納空間を有し、所定数の区画収納空間毎に、仕分け作業を実行するゾーンが設定された仕分け棚を備え、前記仕分け棚に沿って、仕分け先がそれぞれ特定された複数の集品容器を搬送する搬送経路を備え、前記搬送経路により搬送される前記各集品容器に、前記仕分け先の物品要求情報に応じて前記仕分け棚の各区画収納空間から物品の仕分けを行う仕分け設備であって、
前記搬送経路を、前記複数の集品容器を搬送する第一集品ラインと、最上流の前記ゾーンより上流に位置する分岐地点で、前記第一集品ラインへ搬送される集品容器より分岐される複数の集品容器を、搬送する第二集品ラインと、前記第二集品ラインから搬出された集品容器を、最下流の前記ゾーンより下流に位置する合流地点で、前記第一集品ラインにより搬送された集品容器と、予め設定された順番で合流させるバッファラインから構成し、
前記仕分け作業の開始時から作業時間を確認し前記作業時間が所定時間未満のとき、または前記バッファラインにおける前記合流地点からの集品容器の滞留量を確認し前記滞留量が第1所定量未満のとき、前記各ゾーンでは、前記第二集品ラインにより搬送されてきた前記集品容器に対して、前記物品の仕分けが優先して実行されることを特徴とするものである。
【0013】
上記構成によれば、第一集品ラインより分岐され、第二集品ラインにより搬送されながら集品され、バッファラインにより搬送された集品容器は、第一集品ラインより搬出された集品容器に合流される。このとき、集品容器は、予め設定された順番に、例えば配送地域毎に地域の配送順に合流されるために、仕分け作業が終了した集品容器は、予め設定された順番でかご車等に積み込むことが可能となる。
【0014】
また集品容器は、分岐地点で分岐されて再合流されるために、すなわち第一集品ラインと第二集品ラインよりそれぞれ搬出された集品容器が、予め設定された順番で合流させるように設定されているために、合流地点より上流にバッファラインに滞留された集品容器が少ないと、第一集品ラインから搬出された集品容器は、合流地点で合流待ちとなる恐れがある。そこで、仕分け作業の開始時から作業時間を確認し前記作業時間が所定時間未満のとき、またはバッファラインにおける合流地点からの集品容器の滞留量が第1所定量未満のとき、第二集品ラインによる搬送されてきた集品容器に対して優先して物品の仕分け作業が実行され、バッファラインに集品容器が滞留され、第一集品ラインから搬出された集品容器が合流地点で合流待ちとなる恐れが解消され、仕分け効率が向上される。
【0015】
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記第二集品ラインにより搬送される集品容器は、前記搬送経路全体により搬送される集品容器の総個数または物品の総仕分け量の50%未満の条件を満たす集品容器、または前記各仕分け先からの物品の要求情報が少品種少量の条件を満たす集品容器、または前記搬送経路全体により搬送される集品容器の総個数または物品の総仕分け量の50%未満で、かつ前記各仕分け先からの物品の要求情報が少品種少量の条件を満たす集品容器であることを特徴とするものである。
【0016】
上記構成によれば、第二集品ラインで搬送する集品容器には、搬送経路全体により搬送される集品容器の総個数または物品の総仕分け量の50%未満の条件を満たす集品容器、または各仕分け先からの物品の要求情報が少品種少量の条件を満たす集品容器、または前記搬送経路全体により搬送される集品容器の総個数または物品の総仕分け量の50%未満で、かつ前記各仕分け先からの物品の要求情報が少品種少量の条件を満たす集品容器が選定される。よって、第一集品ラインにより搬送されてきた集品容器に対して各ゾーンにおいて優先的に物品の仕分けを実行し、第二集品ラインにより搬送されてきた集品容器に対しては、第一集品ラインの仕分けが終了して、ゾーンから搬出されるまでの待ち時間、あるいはゾーンから搬送中に実行するようにしても(このとき、第一集品ラインの集品容器の物品の仕分け作業の進捗は速い)、第二集品ラインにより搬送される集品容器は、上記選定が行われることにより、第二集品ラインの集品容器の物品の仕分け作業の進捗が遅れることが回避される。
【0017】
また請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明であって、前記搬送経路の上流側に位置する各ゾーンの仕分け棚の各区画収納空間には、前記各仕分け先からの物品の要求情報により、前記第二集品ラインで搬送される各集品容器に仕分けられる物品が少なくとも収納され、前記第二集品ラインでは、前記上流側に位置する各ゾーンにおいて前記仕分け棚の各区画収納空間より物品が仕分けられることを特徴とするものである。
【0018】
上記構成によれば、第二集品ラインの集品容器に対応する仕分け作業は、搬送経路の上流に配置された複数の区画収納空間において実行され、搬送経路の上流で仕分け作業は終了する。また搬送経路の下流に配置された複数の区画収納空間では第一集品ラインにおいてのみ仕分け作業が実行される。このように、第二集品ラインにおいて仕分け作業が実行される複数の区画収納空間は、上流に限定されることにより、第一集品ラインが優先されて仕分け作業が実行されても、第二集品ラインにおける物品の仕分け作業の進捗は、第一集品ラインと同等とされる。
【0019】
また請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明であって、前記第一集品ラインおよび第二集品ラインはそれぞれ、前記複数の集品容器を前記ゾーン毎にタクト送りすることを特徴とするものである。
【0020】
上記構成によれば、第一集品ラインおよび第二集品ラインはそれぞれ、全ゾーンにおける仕分け作業が終了すると、ゾーン毎の複数の集品容器は、下流のゾーンへタクト送りされ、ゾーン毎に第一集品ラインの複数の集品容器に対して仕分け作業が優先して実行される。
【0021】
また請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明であって、前記第一集品ラインに沿って、各ゾーンに、前記第一集品ラインによりタクト送りされてくる各集品容器にそれぞれ対応した棚を有し、各棚毎に、次回に前記第一集品ラインによりタクト送りされてくる各集品容器に仕分ける物品を先行して仕分けることが可能な仮置棚を配置し、
前記作業時間が所定時間未満のとき、または前記滞留量が第1所定量未満のとき、各ゾーンにおける物品の仕分けの順序は、まず、前記第二集品ラインによるタクト送りされてきた前記集品容器に対して実行され、次に、前記第一集品ラインによるタクト送りされてきた前記集品容器に対して実行され、次に、各棚に対応する集品容器へ、前記仮置棚の各棚に先行して仕分けられた物品の投入が実行され、次に、前記仮置棚の各棚に対して実行されるように設定され、
前記作業時間が所定時間以上で、且つ前記滞留量が前記第1所定量以上で前記第1所定量より大きい第2所定量未満のとき、各ゾーンにおける物品の仕分けの順序は、まず前記第一集品ラインによるタクト送りされてきた前記集品容器に対して実行され、次に、各棚に対応する集品容器へ、前記仮置棚の各棚に先行して仕分けられた物品の投入が実行され、次に、前記第二集品ラインによるタクト送りされてきた前記集品容器に対して実行され、次に、前記仮置棚の各棚に対して実行されるように設定され、
前記作業時間が所定時間以上で、且つ前記滞留量が前記第2所定量以上のとき、各ゾーンにおける物品の仕分けの順序は、まず前記第一集品ラインによるタクト送りされてきた前記集品容器に対して実行され、次に、各棚に対応する集品容器へ、前記仮置棚の各棚に先行して仕分けられた物品の投入が実行され、次に、前記仮置棚の各棚に対して実行され、次に、前記第二集品ラインによるタクト送りされてきた前記集品容器に対して実行されるように設定されることを特徴とするものである。
【0022】
上記構成によれば、第二集品ラインより搬出された集品容器は、バッファラインにより搬送されて合流地点で合流待ちとなる。このとき、第一集品ラインと第二集品ラインよりそれぞれ搬出された集品容器が、予め設定された順番で合流させるように設定されているために、仕分け作業の開始時からの作業時間が所定時間未満かが判断され、またバッファラインにおいて、集品容器の合流地点から上流に滞留された集品容器の量が第一所定量以上か、この第一所定量より大きい第二所定量以上かが判断される。
【0023】
前記作業時間が所定時間以上で、且つ前記滞留量が前記第二所定量以上のとき、すなわち第一集品ラインが合流待ちで停止する恐れが無いとき、各ゾーンにおける物品の仕分けは、まず、第一集品ラインによりタクト送りされてきた集品容器に対して実行され、次に、各棚に対応する集品容器へ、前記仮置棚の各棚に先行して仕分けられた物品の投入が実行され、第一集品ラインにおける仕分けが迅速に進むように実行される。次に、仮置棚の各棚において先行して物品の仕分けが実行され、次に、第二集品ラインによりタクト送りされてきた集品容器に対して物品の仕分けが実行される。
【0024】
また前記作業時間が所定時間以上で、且つ前記滞留量が前記第1所定量以上で前記第1所定量より大きい第2所定量未満のとき、すなわち第一集品ラインが合流待ちの懸念が少しあるとき、各ゾーンにおける物品の仕分けは、まず、第一集品ラインによりタクト送りされてきた集品容器に対して実行され、次に、各棚に対応する集品容器へ、前記仮置棚の各棚に先行して仕分けられた物品の投入が実行され、第一集品ラインにおける仕分けが迅速に進むように実行される。次に、第二集品ラインによりタクト送りされてきた集品容器に対して実行され、第二集品ラインによりタクト送りされてきた集品容器の仕分けが、仮置棚の各棚への先行仕分けより優先して実行され、第二集品ラインにより仕分けが進むように配慮される。次に、仮置棚の各棚に対して先行仕分けが実行される。
【0025】
また前記作業時間が所定時間未満のとき、または前記滞留量が第1所定量未満のとき、各ゾーンにおける物品の仕分けは、まず、第二集品ラインによりタクト送りされてきた集品容器に対して実行され、第二集品ラインにおける仕分けが迅速に進むように実行される。次に、第一集品ラインによりタクト送りされてきた集品容器に対して実行され、次に、各棚に対応する集品容器へ、前記仮置棚の各棚に先行して仕分けられた物品の投入が実行され、次に、仮置棚の各棚に対して先行仕分けが実行される。
【0026】
また請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明であって、前記第一集品ラインおよび前記第二集品ラインに沿って前記各ゾーン毎に、ゾーン内での仕分け作業を実行する集品容器を指示する第一指示手段と、隣接する下流ゾーン内での仕分け作業を実行する集品容器を指示する第二指示手段を配置し、
前記作業時間が所定時間未満のとき、または前記滞留量が第1所定量未満のとき、各ゾーンにおける物品の仕分けの順序は、まず、このゾーンの第一指示手段により指示された、前記第二集品ラインにより搬送されてきた前記集品容器に対して実行され、次に、隣接する上流のゾーンの第二指示手段により指示された、前記第二集品ラインにより搬送されてきた前記上流のゾーンの前記集品容器に対して実行され、次に、このゾーンの第一指示手段により指示された、前記第一集品ラインにより搬送されてきた前記集品容器に対して実行され、次に、隣接する上流のゾーンの第二指示手段により指示された、前記第一集品ラインにより搬送されてきた前記上流のゾーンの前記集品容器に対して実行されるように設定され、
前記作業時間が所定時間以上で、且つ前記滞留量が前記第1所定量以上で前記第1所定量より大きい第2所定量未満のとき、各ゾーンにおける物品の仕分けの順序は、まず、このゾーンの第一指示手段により指示された、前記第一集品ラインにより搬送されてきた前記集品容器に対して実行され、次に、このゾーンの第一指示手段により指示された、前記第二集品ラインにより搬送されてきた前記集品容器に対して実行され、次に、隣接する上流のゾーンの第二指示手段により指示された、前記第二集品ラインにより搬送されてきた前記上流のゾーンの前記集品容器に対して実行され、次に、隣接する上流のゾーンの第二指示手段により指示された、前記第一集品ラインにより搬送されてきた前記上流のゾーンの前記集品容器に対して実行されるように設定され、
前記作業時間が所定時間以上で、且つ前記滞留量が前記第2所定量以上のとき、各ゾーンにおける物品の仕分けの順序は、まず、このゾーンの第一指示手段により指示された、前記第一集品ラインにより搬送されてきた前記集品容器に対して実行され、次に、隣接する上流のゾーンの第二指示手段により指示された、前記第一集品ラインにより搬送されてきた前記上流のゾーンの前記集品容器に対して実行され、次に、このゾーンの第一指示手段により指示された、前記第二集品ラインにより搬送されてきた前記集品容器に対して実行され、次に、隣接する上流のゾーンの第二指示手段により指示された、前記第二集品ラインにより搬送されてきた前記上流のゾーンの前記集品容器に対して実行されるように設定されることを特徴とするものである。
【0027】
上記構成によれば、第二集品ラインより搬出された集品容器はバッファラインにより搬送されて合流地点で合流待ちとなる。このとき、第一集品ラインと第二集品ラインよりそれぞれ搬出された集品容器が、予め設定された順番で合流させるように設定されているために、仕分け作業の開始時からの作業時間が所定時間未満かが判断され、またバッファラインにおいて、集品容器の合流地点から上流に滞留された集品容器の量が第一所定量以上か、この第一所定量より大きい第二所定量以上かが判断される。
【0028】
前記作業時間が所定時間以上で、且つ前記滞留量が前記第2所定量以上のとき、すなわち第一集品ラインが合流待ちで停止する恐れが無いとき、各ゾーンにおける物品の仕分けは、まず、このゾーンの第一指示手段により指示された、第一集品ラインにより搬送されてきた前記集品容器に対して実行され、次に、隣接する上流のゾーンの第二指示手段により指示された、第一集品ラインにより搬送されてきた前記上流のゾーンの前記集品容器に対して実行され、第一集品ラインにおける仕分けが迅速に進むように実行される。次に、このゾーンの第一指示手段により指示された、第二集品ラインにより搬送されてきた集品容器に対して実行され、次に、隣接する上流のゾーンの第二指示手段により指示された、第二集品ラインにより搬送されてきた隣接する上流のゾーンの前記集品容器に対して実行され、第2集品ラインにおける仕分けが進むように実行される。
【0029】
また前記作業時間が所定時間以上で、且つ前記滞留量が前記第1所定量以上で前記第1所定量より大きい第2所定量未満のとき、すなわち第一集品ラインが合流待ちの懸念が少しあるとき、各ゾーンにおける物品の仕分けは、まず、このゾーンの第一指示手段により指示された、第一集品ラインにより搬送されてきた前記集品容器に対して実行され、第一集品ラインにおける仕分けが迅速に進むように実行される。次に、このゾーンの第一指示手段により指示された、第二集品ラインにより搬送されてきた集品容器に対して実行され、次に、隣接する上流のゾーンの第二指示手段により指示された、第二集品ラインにより搬送されてきた隣接する上流のゾーンの前記集品容器に対して実行され、第二集品ラインにおける仕分けが迅速に進むように実行される。次に、隣接する上流のゾーンの第二指示手段により指示された、第一集品ラインにより搬送されてきた上流のゾーンの前記集品容器に対して実行される。
【0030】
また前記作業時間が所定時間未満のとき、または前記滞留量が第1所定量未満のとき、各ゾーンにおける物品の仕分けは、まず、このゾーンの第一指示手段により指示された、第二集品ラインにより搬送されてきた集品容器に対して実行され、次に、隣接する上流のゾーンの第二指示手段により指示された、第二集品ラインにより搬送されてきた隣接する上流のゾーンの前記集品容器に対して実行され、第2集品ラインにおける仕分けが進むように実行される。次に、このゾーンの第一指示手段により指示された、第一集品ラインにより搬送されてきた前記集品容器に対して実行され、次に、隣接する上流のゾーンの第二指示手段により指示された、第一集品ラインにより搬送されてきた前記上流のゾーンの前記集品容器に対して実行される。
【0031】
また請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の発明であって、前記集品容器は、コンテナ、または折り畳み可能としたコンテナ、または段ボール箱、または枠体により支持された袋であることを特徴とするものである。
【0032】
上記構成によれば、集品容器は、コンテナ、または折り畳み可能としたコンテナ、または段ボール箱、または枠体により支持された袋により構成される。
また請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の発明であって、前記集品容器に、前記仕分け先の物品要求情報に応じて、予め所定の物品を集品する仕分けエリアを設け、この仕分けエリアにより集品が終了した集品容器は、前記分岐地点より下流で、且つ前記ゾーンより上流で、前記第一集品ラインに合流されることを特徴とするものである。
【0033】
上記構成によれば、集品容器には、仕分けエリアにおいて予め所定の物品が集品され、仕分けエリアにおいて集品が終了した集品容器は、分岐地点より下流で、且つゾーンより上流で、第一集品ラインに合流される。このように、仕分けエリアで予め所定の物品が集品されることにより、各ゾーンにおいて、仕分ける物品の品種(種類)が削減され、仕分け効率が改善される。
【0034】
また請求項9に記載の発明は、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の発明であって、前記集品容器に、前記仕分け先の物品要求情報に応じて、予め所定の物品を集品する仕分けエリアを設け、前記仕分け先の物品要求情報に応じて設備全体で集品される物品は、仕分け先より要求される頻度の高低により、少なくとも、低頻度品と、この低頻度品より要求の頻度が高い高頻度品に分類され、前記低頻度品が、前記仕分け先の物品要求情報に応じて前記仕分けエリアにおいて集品され、前記高頻度品が、前記仕分け先の物品要求情報に応じて前記ゾーンにおいて集品されることを特徴とするものである。
【0035】
上記構成によれば、低頻度品が仕分けエリアにおいて集品されることにより、ゾーンでの仕分け効率が改善される。なお、低い頻度で仕分け先より要求される低頻度品の物品がゾーンで仕分けられるとき、各集品ラインを流れる集品容器へ仕分ける回数が少ないので、各ゾーンで仕分けを行わないで通過する集品容器が増加し、各ゾーンで作業者の待ち時間が発生しやすくなる。したがって、所定の物品を低頻度品とし、予め仕分けエリアで仕分けを終了しておくと、ゾーンでの仕分け効率が改善される。
【0036】
また請求項10に記載の発明は、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の発明であって、前記仕分け先の物品要求情報に応じて設備全体で集品される物品は、仕分け先より要求される頻度の高低により、少なくとも、低頻度品と、この低頻度品より要求の頻度が高い高頻度品に分類され、前記分類が更新されると、前記高頻度品から低頻度品に分類が変更となった物品と、前記低頻度品から高頻度品に分類が変更となった物品はそれぞれ、リストにまとめられて出力され、仕分け設備の作業者へ提示されることを特徴とするものである。
【0037】
上記構成によれば、物品が高頻度品から低頻度品に分類が変更となると、仕分けが仕分けエリアに変更となり、物品が低頻度品から高頻度品に分類が変更となると、仕分けがゾーンに変更となる。よって物品の移動が必要となるために、リストにまとめられて出力され、仕分け設備の作業者へ提示される。
【0038】
また請求項11に記載の発明は、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の発明であって、前記仕分け先の物品要求情報に応じて設備全体で集品される物品は、仕分け先より要求される頻度の高低により、少なくとも、低頻度品と、この低頻度品より要求の頻度が高い高頻度品に分類され、前記分類の更新は、前記ゾーンで仕分けに従事する作業者の人数により実行されることを特徴とするものである。
【0039】
ゾーンで仕分けに従事する作業者の人数を確保できないと、ゾーンでの仕分け効率を確保するには、ゾーンにより仕分ける物品の種類を少なくする必要があり、高頻度品の物品の種類を減少させ、低頻度品を増加させる必要がある。
【0040】
上記構成によれば、ゾーンで仕分けに従事する作業者の人数により物品の分類の更新が実行され、ゾーンでの仕分け効率が確保される。
【発明の効果】
【0041】
本発明の仕分け設備は、第二集品ラインにおいて仕分け作業が実行された集品容器は、予め設定された順番で合流されることによって、集品容器を、例えば配送地域毎に地域の配送順にかご車等に積み込むことが可能となり、また仕分け作業の開始時から作業時間を確認し前記作業時間が所定時間未満のとき、またはバッファラインにおける合流地点からの集品容器の滞留量が第一所定量未満のとき、第二集品ラインによる搬送されてきた集品容器に対して優先して物品の仕分け作業が実行され、バッファラインに集品容器が滞留されることにより、第一集品ラインから搬出された集品容器が合流地点で合流待ちとなる恐れを解消でき、仕分け効率を向上することができる、という効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施の形態1における仕分け設備の全体構成図である。
【図2】同仕分け設備の上流部の構成図である。
【図3】同仕分け設備の下流部の構成図である。
【図4】同仕分け設備の第1ピッキングエリアの側面構成図である。
【図5】同仕分け設備の第1ピッキングエリアの要部平面構成図である。
【図6】同仕分け設備の制御構成図である。
【図7】同仕分け設備の統括コンピュータにおいて、集品容器の割合を満たす、注文データの少品種少量の条件を求めるフローチャートである。
【図8】同仕分け設備の統括コンピュータにおいて物品の分類を実行するブロック図である。
【図9】同仕分け設備の統括コンピュータで形成される仕分けデータを示す図である。
【図10】同仕分け設備のメイン集品ラインとサブ集品ラインで仕分けるユーザーの群のデータ図である。
【図11】同仕分け設備のメイン集品ラインと仮置棚におけるタクトデータ図である。
【図12】同仕分け設備のサブ集品ラインのタクトデータ図である。
【図13】同仕分け設備のメイン集品ラインと仮置棚とサブ集品ラインの作業の順序を求めるフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態3における仕分け設備の第1ピッキングエリアの要部平面構成図である。
【図15】同仕分け設備のメイン集品ラインのタクトデータ図である。
【図16】同仕分け設備のサブ集品ラインのタクトデータ図である。
【図17】同仕分け設備のメイン集品ラインとサブ集品ラインの作業の順序を求めるフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1における仕分け設備の全体構成図であり、仕分け設備Eは、集品容器投入エリア10と、低頻度品ピッキングエリア(仕分けエリアの一例)11と、分岐・合流・切り出しエリア12と、第1ピッキングエリア13と、第2ピッキングエリア14と、合流・搬送エリア15と、梱包エリア16と、出荷エリア17から構成されている。
【0044】
この仕分け設備Eは、個別の予め登録されたお客(ユーザー)から注文を受けた物品を、ユーザーに割り当てられた集品容器に集めて、毎日、配送するデリバリー・サービスに対応する仕分け設備である。このようなデリバリー・サービスでは、上述したように、1回の注文が、物品(商品)の品種(品目)が少なく、数量も少ない少品種少量の注文であることが増加している。
【0045】
また第1ピッキングエリア13および第2ピッキングエリア14と連続して、ユーザー(仕分け先の一例)が予め設定された(仕分け先が特定された)複数(実施の形態では6個)の集品容器(仕分容器の一例)21を同時にゾーン(後述する)毎にタクト送りするメイン集品ライン(第一仕分ラインの一例)22が敷設され、また第1ピッキングエリア13のみに、メイン集品ライン22と平行に、メイン集品ライン22とは独立して複数(実施の形態では6個)の前記集品容器21を同時にゾーン(後述する)毎にタクト送りするサブ集品ライン(第二仕分ラインの一例)23が敷設されている。これら各集品ライン22,23は、集品容器21の搬送経路を形成しており、例えば、それぞれ単独で駆動されるベルトコンベヤから形成されており、タクト送りに数秒(例えば、3秒)を必要としている。
【0046】
またサブ集品ライン23から搬出された集品容器21を、合流・搬送エリア15へ搬送する、アキュムレーションコンベヤからなる第1バッファライン25が備えられている。第1バッファライン25へ搬入された各集品容器21は、アキュムレーションコンベヤの機能により、下流側へ順送りされ、下流端から順に貯留される。
【0047】
また第1バッファライン25に沿って、図3に示すように、第1バッファライン25の下流端に配置され、第1バッファライン25から集品容器21が搬出される合流装置67(合流地点;後述する)からの集品容器21の滞留量が、滞留量が第1所定量f以上かどうかを検出する第1滞留検出器26と、第1所定量fより大きい第2所定量g(>f)以上かどうかを検出する第2滞留検出器27が設けられている。第1所定量fと第2所定量gの設定については後述する。
【0048】
「第1ピッキングエリア13」
第1ピッキングエリア13には、図1〜図5に示すように、各集品ライン22,23に沿ってフローラック(流動棚;仕分け棚の一例)31が備えられている。(フローラック31に沿って、2つの集品ライン22,23が備えられている。)また第1ピッキングエリア13には、メイン集品ライン22に沿って、サブ集品ライン23の上方に、メイン集品ライン22によりタクト送りされてくる各集品容器21にそれぞれ対応した棚32を有し、各棚32毎に、次回にメイン集品ライン22によりタクト送りされてくる各集品容器21に仕分ける物品(仕分け対象の物品)33を先行して仕分ける仮置棚34が配置されている。
【0049】
フローラック31、第1ピッキングエリア13内の各集品ライン22,23、および仮置棚34は、仕分け作業を実行する複数のゾーンZ(1)〜(m)(mは2以上の整数)に分けられ、第1ピッキングエリア13では、各ゾーンZにおいて、各集品ライン22,23によりそれぞれタクト送りされてくる6個の集品容器21と仮置棚34の6個の棚32に対して仕分け作業を実行するように構成されている。
【0050】
「フローラック31」
フローラック31は、4個(複数の一例)の入荷用容器36を連続して格納可能な複数の間口(区画収納空間の一例)37を有し、4段6列(計24個)の間口37毎にゾーンZが設定されている。また各間口37にはそれぞれ、品種で特定される1種類の物品33がそれぞれ割り当てられている。第1ピッキングエリア13では、この物品33の割り当ては、注文の頻度が高い高頻度品が割り当てられ、サブ集品ライン23により搬送される集品容器21に仕分けられる物品33が全て割り当てられており、後述するピッキングコントローラ38(図6)に登録されている。この割り当てにより、サブ集品ライン23により搬送される集品容器21への仕分け作業は、搬送経路上流に配置された第1ピッキングエリア13においてのみ実行され、終了する。
【0051】
また各間口37にはそれぞれ、ピッキング表示器(仕分け表示手段の一例)39が設けられている。各ピッキング表示器39は、ピッキングする物品33の数量が表示される3桁のディジタル数量表示器40(表示手段)と、ピッキング作業完了時に操作する赤色ランプ付きの完了押釦スイッチ41(完了操作手段)と、欠品時に完了押釦スイッチ41とともに操作する欠品押釦スイッチ(欠品操作手段)42から構成されている。
【0052】
「第1ピッキングエリア13内の各集品ライン22,23」
図5に示すように、タクト送りによる各集品ライン22,23の各ゾーンZの各集品容器21の停止位置にはそれぞれ、停止位置の集品容器21への仕分けを指示(表示)するコンベヤ投入表示器(容器表示手段の一例)44が設けられている。
【0053】
前記コンベヤ投入表示器44は、赤色ランプ付きの押釦スイッチであり、ランプの点灯により、間口37によりピッキングされた物品33を投入する集品容器(ピッキング作業を実行する仕分け位置の集品容器)21を指示(表示)し、スイッチの操作により、ピッキング終了が入力される。
【0054】
またメイン集品ライン22のコンベヤ投入表示器44を、下流から順に、(M1),(M2),(M3),(M4),(M5),(M6)とし、またサブ集品ライン23のコンベヤ投入表示器44を、下流から順に、(S1),(S2),(S3),(S4),(S5),(S6)としている。
【0055】
「第1ピッキングエリア13内の仮置棚34」
図5に示すように、仮置棚34の各棚32にはそれぞれ、仮置表示器45が設けられている。
【0056】
各仮置表示器45は、上向きの矢印の形状とされた緑色ランプ付きの押釦スイッチ46と、下向きの矢印の形状とされた赤色ランプ付きの押釦スイッチ47から構成され、緑色ランプ付きの押釦スイッチ46は、緑色ランプの点灯により、物品33を仮置する棚32(位置)を指示し、スイッチの操作により仮置の終了が入力される。また赤色ランプ付きの押釦スイッチ47は、赤色ランプの点灯により、棚32に仮置された物品33を、棚32に対応するメイン集品ライン22の集品容器21へ投入することを指示し、スイッチの操作により投入終了が入力される。
【0057】
また仮置棚34の仮置表示器45を、下流から順に、(T1),(T2),(T3),(T4),(T5),(T6)としている。
またゾーンZ毎に、ゾーンZ内において、ピッキング作業の有無を表示するゾーン表示器48が設けられている。このゾーン表示器48が点灯しているときは、ゾーンZ内に停止している集品容器21または棚32に対してピッキング作業または投入作業が有ることが表示される。
【0058】
「第2ピッキングエリア14」
第2ピッキングエリア14は、図1と図3に示すように、第1ピッキングエリア13からサブ集品ライン23を除いた構成とされており、メイン集品ライン22に沿って、第1ピッキングエリア13と同様に、フローラック31と仮置棚34が配置されている。
【0059】
また第2ピッキングエリア14内のフローラック31、メイン集品ライン22、および仮置棚34は、仕分け作業を実行する複数のゾーンZ(m+1)〜(p)(p>mの整数)に分けられ、第2ピッキングエリア14では、各ゾーンZにおいて、メイン集品ライン22によりタクト送りされてくる6個の集品容器21と仮置棚34の6個の棚32において仕分け作業を実行するように構成されている。
【0060】
また第2ピッキングエリア14のフローラック31の各間口37には、第1ピッキングエリア13にて割り当てられた物品33以外の物品33が割り当てられ、後述するピッキングコントローラ38(図6)に登録されている。第2ピッキングエリア14では、第1ピッキングエリア13に引き続き、メイン集品ライン22により搬送される集品容器21への仕分け作業が実行される。
【0061】
「集品容器投入エリア10」
集品容器投入エリア10は、低頻度品ピッキングエリア11と分岐・合流・切り出しエリア12に対して集品容器21を投入するエリアであり、また集品容器21は折り畳み可能なコンテナで形成され、図1と図2に示すように、組み立てられた後、それぞれ物品33を収納するビニール袋50が被されて投入される。集品容器投入エリア10には、このような折り畳み可能なコンテナを実際に組み立てる組立機やビニール袋50を被せる袋掛機(いずれも図示せず)が備えられる。
【0062】
また各ビニール袋50には、それぞれの個別のユーザーに割り当てられたナンバーを特定するバーコードが印刷されたラベル51が取り付けられ、図6に示す、このラベル51を発行するラベルプリンタ52と、ディスプレイ53が、集品容器投入エリア10に備えられる。
【0063】
「低頻度品ピッキングエリア11」
低頻度品ピッキングエリア11は、集品容器投入エリア10から投入された集品容器21に、ユーザーから低頻度で注文される物品(低頻度品)33を仕分けるエリアであり、ピッキングエリア13,14におけるピッキング作業の開始以前に、ピッキング作業が実行される。集品容器投入エリア10から投入された集品容器21を該低頻度品ピッキングエリア11へ搬入する搬入コンベヤ55と、該低頻度品ピッキングエリア11から搬出された集品容器21を、分岐・合流・切り出しエリア12へ搬送する、アキュムレーションコンベヤからなる第2バッファライン56が設けられている。
【0064】
低頻度品ピッキングエリア11は、例えば、予め設定された物品(低頻度品)33がそれぞれ収納された複数のコンテナを格納し、これらコンテナを入出庫自在とした自動倉庫を備え、搬入コンベヤ55により搬送されてきた集品容器21のラベル51に印刷されたバーコードを読み取り、読み取ったバーコードに基づいて、この集品容器21に割り当てられたユーザー(ナンバー)を求め、このユーザーの注文品のうち前記自動倉庫に格納されている物品33が収納されている単数または複数のコンテナを求め、これらコンテナを所定のピッキング位置へ自動倉庫より出庫するように構成されている。
【0065】
前記所定のピッキング位置に配置された低頻度品ピッキングエリア11の作業者は、出庫されたコンテナより注文数量の物品33を取り出して集品容器21へ投入し、第2バッファライン56へ送りだす。この仕分けは、集品容器投入エリア10から搬送されてきた集品容器21の順に実行され、第2バッファライン56へ送りだされる。
【0066】
また低頻度品ピッキングエリア11は、物品33の取りだしが終了したコンテナを、前記自動倉庫へ入庫するように構成されている。
「分岐・合流・切り出しエリア12」
分岐・合流・切り出しエリア12には、図2に示すように、集品容器投入エリア10から順に投入される、ユーザーが特定された集品容器21を搬送する第1搬送コンベヤ58と、分岐・合流装置59と、分岐・合流装置59により分岐された集品容器21を搬送する第2搬送コンベヤ61と、第1切り出しコンベヤ62と、第2切り出しコンベヤ63と、ラベル51に印刷されたバーコードを読み取る第1バーコードリーダ64および第2バーコードリーダ65が設けられている。
【0067】
分岐・合流装置59は、第1搬送コンベヤ58により搬送されてきた集品容器21を分岐して第2搬送コンベヤ61へ搬出し、さらにこの分岐地点より下流位置で、第2バッファライン56により搬送されてきた集品容器21を合流して第1切り出しコンベヤ62へ搬出する。第1バーコードリーダ64は、この分岐・合流装置59の分岐地点より上流位置に第1搬送コンベヤ58に沿って設けられ、第2バーコードリーダ65は、この分岐・合流装置59の合流地点より上流位置に第2バッファライン56に沿って設けられている。
【0068】
また前記第1切り出しコンベヤ62は、分岐・合流装置59より搬出された集品容器21を搬入順に貯留し、複数個(実施の形態では6個)毎にまとめてメイン集品ライン22のタクト送りに合わせてメイン集品ライン22へ搬出するコンベヤであり、集品容器21が6個貯留されてまとまって搬出可能となったとき搬出可能信号を出力する。
【0069】
また前記第2切り出しコンベヤ63は、第2搬送コンベヤ61により搬送されてきた集品容器21を搬入順に貯留し、複数個(実施の形態では6個)毎にまとめてサブ集品ライン23のタクト送りに合わせてサブ集品ライン23へ搬出するコンベヤであり、集品容器21が6個貯留されてまとまって搬出可能となったとき搬出可能信号を出力する。
【0070】
「合流・搬送エリア15」
合流・搬送エリア15は、図3に示すように、メイン集品ライン22から6個毎に搬出される集品容器21を搬送するアキュムレーションコンベヤからなり、6個の集品容器21を受け入れることができないときに満量信号を出力する第3搬送コンベヤ66と、第3搬送コンベヤ66により搬送されてきた集品容器21と第1バッファライン25により搬送されてきた集品容器21を合流する合流装置67と、合流装置67から搬出された集品容器21を搬送するローラ駆動コンベヤからなる第4搬送コンベヤ68が設けられている。
【0071】
前記合流装置67により、第1バッファライン25により搬送されてきた集品容器21は、予め設定された順番となるように合流される(詳細は後述する)。このように、予め設定された順番となるように合流させるためには、第1バッファライン25により搬送されてきた集品容器21が予め合流装置67の前で、第3搬送コンベヤ66により順に搬送されてくる“順番の前後に位置する集品容器21”を待つことが要求される。逆に第3搬送コンベヤ66により搬送されてくる“順番の前後に位置する集品容器21”が、待つことになると、メイン集品ライン22からのタクト送りが停止されてしまい、全ゾーンZで待ち時間が発生し、作業効率が大幅に低下する恐れがある。そこで、前記第2滞留検出器27に設定される第2所定量gは、メイン集品ライン22から搬出された集品容器21が、第1バッファライン25により搬送されてくる集品容器21の合流待ちにより、タクト送りの停止の懸念がない数量に設定され、第1滞留検出器26の第1所定量f(<g)は、メイン集品ライン22から搬出された集品容器21が、前記合流待ちでタクト送りが停止する懸念が増大する数量に設定されている。
【0072】
また合流装置67より上流に第3搬送コンベヤ66に沿って、ラベル51のバーコードを読み取る第3バーコードリーダ69が設けられ、また合流装置67より上流に第1バッファライン25に沿って、ラベル51のバーコードを読み取る第4バーコードリーダ70が設けられている。
【0073】
「梱包エリア16」
第4搬送コンベヤ68によりピッキング作業が終了した集品容器21が搬送されてくると、図3に示すように、この梱包エリア16の作業者により、ビニール袋50のラベル51は、集品容器21へ貼り替えられ、続いてビニール袋50は梱包され、集品容器21は蓋がされ、出荷エリア17へ搬送される。
【0074】
「出荷エリア17」
第4搬送コンベヤ68により搬送されてきた集品容器21を配送方面別にかご車などに段積みし、配送トラックへ積み込むエリアである。例えば、コンテナ段積機が備えられる。
【0075】
「制御構成」
仕分け設備Eの制御手段として、図6に示すように、統括コンピュータ71と、容器搬入コントローラ72と、分岐・合流コントローラ73と、前記ピッキングコントローラ38と、合流コントローラ74と、低頻度ピッキングコントローラ75が備えられている。
【0076】
“統括コンピュータ71”
統括コンピュータ71には、容器搬入コントローラ72と、分岐・合流コントローラ73と、ピッキングコントローラ38と、合流コントローラ74と、低頻度ピッキングコントローラ75と、プリンタ76が接続され、次のデータが予め設定されている。
【0077】
・配送方面別に、予め登録されたユーザーにそれぞれ割り当てられたナンバー。これらナンバーは、第1搬送コンベヤ58と搬入コンベヤ55へ投入する集品容器21へ順に割り当てられる(詳細は後述する)。
【0078】
・第1搬送コンベヤ58と搬入コンベヤ55へ投入する集品容器21の総数(集品ライン22,23によりそれぞれ搬送される集品容器の総個数で、注文があった個別のユーザーの総数)Nに対して、サブ集品ライン23へ分岐する、少品種少量の条件を満たす集品容器21の最大の割合Qのデータ。この割合Qは、集品容器21の総個数Nの50%未満(例えば、20%)に変更可能に設定される。
【0079】
統括コンピュータ71は、次の機能を有している。
(イ).容器搬入コントローラ72と、分岐・合流コントローラ73と、ピッキングコントローラ38と、合流コントローラ74と、低頻度ピッキングコントローラ75へ作業の開始指令と終了指令を出力する。
【0080】
(ロ).上記集品容器21の割合Q以下を満たす、注文データの少品種少量(仕分け先の物品要求情報の特性の一例)の条件を求める。次に、この条件を満たす注文をした個別のユーザーを求め、これら個別のユーザーを特定するナンバーからなる分岐データ(分岐・合流装置59によりサブ集品ライン23へ分岐するデータ)を形成し、分岐・合流コントローラ73へ出力する。この分岐データを形成するユーザーのナンバーの集品容器21が分岐・合流装置59によりサブ集品ライン23へ分岐される(抜き取られる)。
【0081】
この分岐データの形成の手順を図7のフローチャートにしたがって説明する。
まず、注文データの品種数aを1、数量bを1に初期設定し、ユーザーからの注文(物品要求情報)に応じて、少品種少量の条件を満たす注文データを注文したユーザー数、すなわち集品容器21の数nを0に初期設定する(ステップ−1)。
【0082】
次に、設定した品種数a(初期値は1)、数量b(初期値は1)の条件を満たす注文データのユーザーおよびユーザー数cを求める(ステップ−2)。
このユーザー数cを集品容器21の数n(初期値は0)に加算する(ステップ−3)。
【0083】
次に、集品容器21の数nの総数Nに対する割合(=n/N)が集品容器21の割合Qを越えているかどうかを判断する(ステップ−4)。
割合Qを越えていない場合、数量bに1を加算して(b=b+1)、数量bの条件を変える(ステップ−5)。
【0084】
次に、数量bが予め設定された上限数量B以下かどうかを判断し(ステップ−6)、以下の場合、ステップ−2へ戻る。上限数量Bを超えた場合、数量bを1の初期条件に戻し(b=1)、品種数aに1を加算して(a=a+1)、品種数aの条件を変えて(ステップ−7)、ステップ−2へ戻る。
【0085】
ステップ−4において、集品容器21の数nの総数Nに対する割合(=n/N)が集品容器21の割合Qを越えたとき、続いて数量bあるいは品種数aを前回の条件に戻すために、まず、数量bが予め設定された上限数量B以下かどうかを判断し(ステップ−8)、以下の場合、数量bから1を減算して前回の条件に戻し(b=b−1)(ステップ−9)、超えている場合、品種数aから1を減算して(a=a−1)、品種数aの条件を戻す(ステップ−10)。
【0086】
続いて、少品種少量の条件を特定する。すなわち、品種数がaまでで、数量がbまでを少品種少量の条件とする(ステップ−11)。
例えば、a=1,b=1の場合は、品種が1種のみで且つ数量1のみの注文データであり、例えば、品種が豆腐のみで数量1のみの注文データや、品種がチョコレートのみで数量1のみの注文データ等が、少品種少量の条件を満たす。
【0087】
またa=1,b=2の場合は、上記a=1,b=1の場合の注文データに加えて、豆腐のみで数量2のみの注文データ、チョコレートのみで数量2のみの注文データ等が、少品種少量の条件を満たす。
【0088】
またa=2,b=1の場合は、上記a=1,b=1の場合、a=1,b=2の場合、…a=1,b=Bの場合の注文データに加えて、品種が2種のみ(豆腐且つチョコレートのみ)でそれぞれ数量1のみの注文データ等が、少品種少量の条件を満たす。
【0089】
ステップ−11に続いて、特定した少品種少量の条件を満たす注文データを注文した個別のユーザーを特定するナンバーからなる分岐データを形成し、分岐・合流コントローラ73へ出力して(ステップ−12)、終了する。
【0090】
なお、少なくとも、少品種少量の条件として、“物品33の品種数aが1で且つ数量bが1、または品種数aが1で且つ数量bが2”の条件が含まれるように設定する。また、品種数aが1で且つ数量bが1、または品種数aが1で且つ数量bが2以上、或いはこれらの組み合わせとするようにしてもよい。
【0091】
このように、第1搬送コンベヤ58と搬入コンベヤ55へ投入する集品容器21の総数(集品ライン22,23によりそれぞれ搬送される集品容器の総個数で、注文があった個別のユーザーの総数)Nに対して、サブ集品ライン23へ分岐する、少品種少量の条件を満たす集品容器21の最大の割合Q(50%未満)のデータを満たす、少品種少量(仕分け先の物品要求情報の特性の一例)の条件が求められる。なお、逆に、少品種少量の条件、例えば上記“物品33の品種数aが1で且つ数量bが1、または品種数aが1で且つ数量bが2”の条件を満たす集品容器21を求めると、結果として、上記集品容器21の総数Nに対して、サブ集品ライン23へ分岐する、集品容器21の最大の割合Q(50%未満)のデータを満たすことが可能となる。
【0092】
(ハ).ユーザーからの注文(物品要求情報)に応じて仕分け設備E全体で集品される物品33を、高い頻度でユーザーより要求される高頻度品と、中ほどの頻度でユーザーより要求される中頻度品と、低い頻度でユーザーより要求される低頻度品に分類する。この分類は、所定期間(例えば、1日、1週間、1ヶ月等)毎に更新する(なお、不定期に更新されることもある)。前記低頻度品が、ユーザーからの注文に応じて低頻度品ピッキングエリア11において集品され、前記高頻度品と中頻度品が、ユーザーからの注文に応じて第1ピッキングエリア13と第2ピッキングエリア14において集品される。
【0093】
また前記高頻度品または中頻度品から低頻度品に分類が変更となった物品33と、前記低頻度品から高頻度品または中頻度品に分類が変更となった物品33のデータをプリンタ76へ出力し、リストとして印刷して仕分け設備Eの作業者ヘ提示する。
【0094】
上記高頻度品と中頻度品と低頻度品の分類を図8のブロック図にしたがって説明する。
この分類を実行する統括コンピュータ71の分類部は、仕分け設備E全体で集品される物品33が予め記憶された物品(種類)記憶部78と、物品順位判定部79と、物品順位リスト記憶部80と、頻度分類判定部81と、頻度数量記憶部82と、物品分類部83と、前回物品分類記憶部84と、物品入替判定部85から構成されている。
【0095】
‘物品順位判定部79’
物品順位判定部79には、前回の物品33毎の出荷数データと、ユーザーに特売品などの広告を行った物品33のデータと、現在の季節に需要が見込まれる物品33のデータと、上記特定した少品種少量の条件を満たす注文データにより注文される物品33のデータ(物品の品種;分岐される集品容器21へ仕分けられる物品33のデータ)とが入力される。
【0096】
物品順位判定部79は、まず物品(種類)記憶部78に記憶された物品33の内、前記少品種少量の条件を満たす注文データにより注文される物品33を順位上位に固定し、続いて順位上位に固定された物品33を除いて、前回の物品33毎の出荷数データを元に、物品(種類)記憶部78に記憶された物品33に、最も出荷数が多かった物品33より順位付けを行い、さらに前記広告を行った物品33と季節需要が見込まれる物品33は、出荷数を数倍に見立て、順位の入れ替えを行い、物品33の順位を決定して物品順位リスト記憶部80へ記憶する。
【0097】
‘頻度分類判定部81’
頻度分類判定部81には、次回の物品33の総出荷数の予測データ(設備全体で物品33をピッキングする回数に相当する)と、第1ピッキングエリア13および第2ピッキングエリア14でのピッキング作業に従事できる作業者として確保できる人数のデータが入力される。
【0098】
頻度分類判定部81は、まず前記総出荷数により、物品(種類)記憶部78に記憶された物品33の総品種の中で、高頻度品の品種の数(割合)、中頻度品の品種の数、低頻度品の品種の数を設定する。
【0099】
総出荷数が多いとき(繁忙期)には、低頻度品ピッキングエリア11では、自動倉庫におけるコンテナの入出庫が行われるので、多くの物品33のスピードが求められる仕分け作業に向かず、第1ピッキングエリア13および第2ピッキングエリア14において仕分けしたほうが仕分け作業の効率がよい、という理由から、高頻度品と中頻度品の品種の数(割合)を増す。
【0100】
また総出荷数が少ないとき(閑散期)には、仕分け作業を時間に余裕があり、第1ピッキングエリア13および第2ピッキングエリア14においてピッキング作業に従事するピッキング作業者を減らして経費を削減するという理由から、低頻度品の品種の数(割合)を増す。
【0101】
このように総出荷数に応じて高頻度品と中頻度品と低頻度品の品種の数(割合)を設定する。
次に第1ピッキングエリア13および第2ピッキングエリア14の総ゾーン数pに1ゾーン当たりの間口数を乗算して求められる、全ピッキングゾーン13,14の総間口数により高頻度品および中頻度品の品種の数(割合)の上限が設定されることにより、高頻度品および中頻度品の品種の数がこの上限を超えたとき、高頻度品および中頻度品の品種の数(割合)を上限に再設定する。上限を超えた品種の数は低頻度品の品種の数に加算される。
【0102】
さらに第1ピッキングゾーン13のゾーン数mに1ゾーン当たりの間口数を乗算して求められる、第1ピッキングゾーン13の総間口数により高頻度品の品種の数(割合)の上限が設定されることにより、高頻度品の品種の数がこの上限を超えたとき、高頻度品の品種の数(割合)を上限に再設定する。上限を超えた品種の数は中頻度品の品種の数に加算される。
【0103】
次に、高頻度品および中頻度品の品種の数は、すなわち必要なフローラック31の間口37の数であり、1ゾーン当たりの間口数で除算すれば、ゾーンの数、すなわちピッキング作業者の人数が求まる。
【0104】
この求めた人数と、入力された、確保できるピッキング作業者の人数を比較し、求めた人数が少ない又は同一のとき、確保できる人数内で仕分け作業を実行できるので、高頻度品と中頻度品と低頻度品の品種の数(割合)を確定する。
【0105】
逆に求めた人数が多いと、不足する人数分、ゾーンの数を減らす必要があることから、この減らすゾーンの数に、1ゾーン当たりの間口数を乗算し、求めた間口37の数、すなわち高頻度品および中頻度品の品種の数だけ、先に設定した高頻度品および中頻度品の品種の数から減算して、高頻度品および中頻度品の品種の数を再設定する。
【0106】
そして、高頻度品と中頻度品と低頻度品の品種の数(割合)を頻度数量記憶部82に記憶する。
‘物品分類部83’
物品順位リスト記憶部80に記憶された物品33の順位と、頻度数量記憶部82に記憶された高頻度品と中頻度品と低頻度品の品種の数(割合)とにより、物品33の順位の上位から、物品を各品種の数により、物品33を高頻度品と中頻度品と低頻度品に分類し、高頻度品と中頻度品と低頻度品の物品33のリストをそれぞれ形成する。
【0107】
またこれら物品33のリストのデータをプリンタ76へ出力し、リストとして印刷して仕分け設備Eの作業者へ提示する。またこれら物品33のリストのデータを、前回物品分類記憶部84へ出力し、記憶させる。
【0108】
‘物品入替判定部85’
物品入替判定部85は、前回物品分類記憶部84に記憶されている前回の高頻度品と中頻度品と低頻度品の物品33のリストと、物品分類部83に形成された今回の高頻度品と中頻度品と低頻度品の物品33のリストとを比較し、高頻度品または中頻度品から低頻度品に分類が変更となった物品33のリストと、低頻度品から高頻度品または中頻度品に分類が変更となった物品33のリストを形成し、これらリストのデータをプリンタ76へ出力し、リストとして印刷して仕分け設備Eの作業者ヘ提示する。
【0109】
このように、高頻度品と中頻度品と低頻度品の物品33が設定され、すなわち第1ピッキングエリア13においてピッキングされる高頻度品の物品33が設定され、第2ピッキングエリア14においてピッキングされる中頻度品の物品33が設定され、低頻度品ピッキングエリア11においてピッキングされる低頻度品の物品33が設定される。
【0110】
また高頻度品または中頻度品から低頻度品に分類が変更となった物品33と、低頻度品から高頻度品または中頻度品に分類が変更となった物品33はそれぞれリストにまとめられてプリンタ76により印刷されて出力され、低頻度品ピッキングエリア11と、第1ピッキングエリア13および第2ピッキングエリア14との間において、収納位置が入れ替わる物品33が仕分け設備Eの作業者ヘ提示される。なお、前記リストは、プリンタ76により印刷されたペーパーではなく、パーソナルコンピュータの画面に表示して仕分け設備Eの作業者ヘ提示するようにしてもよい。
【0111】
(ニ).高頻度品と中頻度品の物品33を、第1ピッキングエリア13と第2ピッキングエリア14の各ゾーンZの間口37に割り当てる。このとき、高頻度品は第1ピッキングエリア13内に割り当てるが、第1ピッキングエリア13の各ゾーンに分散してピッキング作業者の負担の平均化を図る。なお、高頻度品には、サブ集品ライン23により搬送される集品容器21に仕分けられる物品33が全て含まれている。
【0112】
また低頻度品の物品33を、低頻度品ピッキングエリア11の自動倉庫の各棚に割り当てる。
これにより、注文対象の物品33がそれぞれ格納されているゾーンZの間口37のデータと、自動倉庫の棚のデータが形成される。またゾーンZの各間口37の物品33のデータは、ピッキングコントローラ38へ出力され、自動倉庫の各棚の物品33のデータは、低頻度ピッキングコントローラ75へ出力される。
【0113】
また第1ピッキングエリア13と第2ピッキングエリア14の各ゾーンの間口37に割り当てた、高頻度品と中頻度品の物品33のリストのデータと、低頻度品ピッキングエリア11の自動倉庫の各棚に割り当てた、低頻度品の物品33のリストのデータをプリンタ76へ出力し、リストとして印刷して仕分け設備Eの作業者ヘ提示する。
【0114】
(ホ).予め登録された各個別のユーザーから注文データ{各仕分け先からの物品の要求情報;物品を特定する情報(例えば、物品の品種、物品名、物品コード等)と数量(個数)からなる単数または複数のデータ}を受け付けると、注文データが無いユーザーを除いて、図9に示す、全体の仕分けデータを形成し、形成した全体の仕分けデータを、ピッキングコントローラ38と、低頻度ピッキングコントローラ75へ出力する。
【0115】
図9に示すように、縦方向に、配送方面別に予めユーザーに割り当てられたユーザーのナンバーが並び、横方向に、自動倉庫(低頻度品ピッキングエリア11)の棚、続けて上流側からゾーンZ毎の間口37が並んでおり、個別のユーザー毎に、注文された物品33毎、すなわち物品33が格納されている自動倉庫の棚毎、ゾーンZの間口37毎に、注文された数量が入力されている。
【0116】
また図9に縦方向のユーザーのナンバーの並びのデータを、合流コントローラ74へ出力し、また注文データがあるユーザーの総数、すなわち各ユーザーに割り当てられた集品容器21の総数Nを求めて、容器搬入コントローラ72へ出力する。
【0117】
(ヘ).全体の仕分けデータにより、低頻度品ピッキングエリア11へ搬送する集品容器21(搬入コンベヤ55へ投入する集品容器21)と、それ以外の集品容器21(第1搬送コンベヤ58へ投入する集品容器21)に分類する。すなわち、図10(a)に示すように、自動倉庫の棚から仕分ける物品33の数量が存在するとき、これら集品容器21を搬入コンベヤ55へ順に投入する集品容器21としてリストを形成し、それ以外の集品容器21を第1搬送コンベヤ58へ順に投入する集品容器21としてリストを形成し、容器搬入コントローラ72へ出力する。
【0118】
また全体の仕分けデータの中で、少品種少量の条件を満たす注文をした個別のユーザーを求め、これら個別のユーザーを特定するナンバーからなる分岐データを求め、図10(b)に示すように、分岐データを形成した個別のユーザーを順に、6個毎に群Yを作成し、また仕分けデータの個別のユーザーを特定するナンバーから、分岐データを形成した個別のユーザーを除いて、6個毎に群Xを作成し、これらライン毎の群X,Yのデータをピッキングコントローラ38へ出力する。前記群Yが、群毎にサブ集品ライン23でタクト送りされ、すなわち、サブ集品ライン23により、上記割合Q以下で、かつ注文データの少品種少量の条件を満たす集品容器21が搬送され、また前記群Xが、群毎にメイン集品ライン22でタクト送りされる。
【0119】
“容器搬入コントローラ72”
容器搬入コントローラ72は、集品容器投入エリア10の制御用のコントローラであり、図6に示すように、統括コンピュータ71と、ラベルプリンタ52とディスプレイ53が接続され、統括コンピュータ71より、上述した作業の開始指令および終了指令と、必要な集品容器21の総数Nと、搬入コンベヤ55と第1搬送コンベヤ58へそれぞれ“順に投入される集品容器21に割り当てられた個別のユーザーを特定するナンバーのデータ”{図10(a)のデータ}が入力される。
【0120】
容器搬入コントローラ72は次の機能を有している。
(イ).統括コンピュータ71から、作業の開始指令を入力し、且つ必要な集品容器21の総数Nを入力すると、ディスプレイ53を駆動してその総数Nを表示し、作業の停止指令を入力すると、ディスプレイ53を停止して表示を消去する。
【0121】
集品容器投入エリア10の作業者は、ディスプレイ53に表示された総数Nの集品容器21を用意し、各集品容器21に自動または手動でビニール袋50を被せる。
(ロ).統括コンピュータ71から、作業の開始指令を入力し、且つ前記個別のユーザーを特定するナンバーのデータを入力すると、まずディスプレイ53を駆動して、搬入コンベヤ55と第1搬送コンベヤ58へそれぞれ順に投入される集品容器21に割り当てられた個別のユーザーを特定するナンバーを表示する。
【0122】
続いて、搬入コンベヤ55へそれぞれ順に投入される集品容器21に割り当てられた個別のユーザーを特定するナンバーからなるラベルプリントデータを形成し、ラベルプリンタ52へ出力する。ラベルプリンタ52は、ラベルプリントデータを入力すると、順に、ラベル51を発行する。
【0123】
集品容器投入エリア10の作業者は、ディスプレイ53を確認しながら、各集品容器21のビニール袋50に、ラベルプリンタ52から発行された順にラベル51を貼り付け、搬入コンベヤ55へ投入する。
【0124】
次に、第1搬送コンベヤ58へそれぞれ順に投入される集品容器21に割り当てられた個別のユーザーを特定するナンバーからなるラベルプリントデータを形成し、ラベルプリンタ52へ出力する。ラベルプリンタ52は、ラベルプリントデータを入力すると、順に、ラベル51を発行する。
【0125】
集品容器投入エリア10の作業者は、ディスプレイ53を確認しながら、各集品容器21のビニール袋50に、ラベルプリンタ52から発行された順にラベル51を貼り付け、第1搬送コンベヤ58へ投入する。
【0126】
“分岐・合流コントローラ73”
分岐・合流コントローラ73には、図6に示すように、第2バッファライン56と、分岐・合流装置59と、第1搬送コンベヤ58と、第2搬送コンベヤ61と、第1切り出しコンベヤ62と、第2切り出しコンベヤ63と、第1バーコードリーダ64と、第2バーコードリーダ65が接続され、統括コンピュータ71より、上述した作業の開始指令および終了指令と、個別のユーザーを特定するナンバーからなるメイン集品ライン22とサブ集品ライン23毎の群X,Yのデータが入力される。
【0127】
分岐・合流コントローラ73は次の機能を有している。
(イ).作業の開始指令に応じて、第2バッファライン56、第1搬送コンベヤ58、第2搬送コンベヤ61、第1切り出しコンベヤ62、および第2切り出しコンベヤ63を駆動し、停止指令に応じて、第2バッファライン56およびこれらコンベヤ58,61,62,63を停止する。
【0128】
(ロ).第1バーコードリーダ64により読み取られた、集品容器21のラベル51のバーコードのデータ、すなわち集品容器21の個別のユーザーを特定するナンバーが、上述したライン毎の群Yのデータ(分岐データ)の個別のユーザーを特定するナンバーと一致するかを確認し、一致すると、分岐・合流装置59に分岐指令を出力し、第2搬送コンベヤ61ヘ集品容器21を分岐させる。これにより、分岐データを形成するユーザーのナンバーの集品容器21が分岐・合流装置59により第2搬送コンベヤ61へ分岐され、第2切り出しコンベヤ63を介してサブ集品ライン23へ搬入される。
【0129】
(ハ).第2バーコードリーダ65により読み取られた、集品容器21のラベル51のバーコードのデータ、すなわち第2バッファライン56の最下流に滞留されている集品容器21の個別のユーザーを特定するナンバーを確認すると、この集品容器21のナンバーが、上述したライン毎の群Xのデータ(メイン集品ラインへ搬送するデータ)の前後のナンバーの順に並ぶように、分岐・合流装置59と第2バッファライン56へ合流指令を出力し、第2バッファライン56の最下流に滞留されている集品容器21を合流させて第1切り出しコンベヤ62へ搬出する。
【0130】
(ニ).後述するピッキングコントローラ38からメイン集品ライン22への集品容器21の搬出信号を入力すると、第1切り出しコンベヤ62へ指令して6個の集品容器21をメイン集品ライン22へ搬出させる。これにより、空の6個の集品容器21が第1切り出しコンベヤ62およびメイン集品ライン22により最上流のゾーンZ(1)へ搬入される。
【0131】
(ホ).後述するピッキングコントローラ38からサブ集品ライン23への集品容器21の搬出信号を入力すると、第2切り出しコンベヤ63へ指令して6個の集品容器21をサブ集品ライン23へ搬出させる。これにより、空の6個の集品容器21が第2切り出しコンベヤ63およびサブ集品ライン23により最上流のゾーンZ(1)へ搬入される。
【0132】
(ヘ).第1切り出しコンベヤ62から入力した搬出可能信号と、第2切り出しコンベヤ63から入力した搬出可能信号をピッキングコントローラ38へ出力する。
“ピッキングコントローラ38”
ピッキングコントローラ38は、第1ピッキングエリア13と第2ピッキングエリア14の制御用のコントローラであり、図6に示すように、統括コンピュータ71と、メイン集品ライン22と、サブ集品ライン23と、第1滞留検出器26と、第2滞留検出器27と、第1ピッキングエリア13の各ゾーンZ毎のピッキング表示器39、コンベヤ投入表示器44、仮置表示器45およびゾーン表示器48が接続されている。また統括コンピュータ71から、上述した作業の開始指令および終了指令と、全体の仕分けデータ(ゾーンZの各間口37の物品33のデータを含む)と、メイン集品ライン22,サブ集品ライン23毎の群X,Yのデータとが入力される。
【0133】
ピッキングコントローラ38は次の機能を有している。
(イ).作業の開始指令、およびメイン集品ライン22とサブ集品ライン23毎の群X,Yのデータを、統括コンピュータ71から入力すると、図11に示すように、タクト毎に、メイン集品ライン22と仮置棚34の各ゾーンZの各停止位置に停止する集品容器21に割り当てられたユーザーのナンバーを形成する。さらに図12に示すように、タクト毎に、サブ集品ライン23の各ゾーンZの各停止位置に停止する集品容器21に割り当てられたユーザーのナンバーを形成する。
【0134】
例えば、ゾーンZ(1)において、タクト1では、メイン集品ライン22上の群X1の6個の集品容器21が対象とされ、このとき仮置棚34には、次の群X2の6個の集品容器21が対象とされる。次のタクト2では、メイン集品ライン22上の群X2の6個の集品容器21が搬入され、このとき仮置棚34には、次の群X3の6個の集品容器21が対象とされる。
【0135】
またゾーンZ(1)において、タクト1では、サブ集品ライン23上の群Y1の6個の集品容器21が対象とされ、次のタクト2では、サブ集品ライン23上の群Y2の6個の集品容器21が対象とされる。
【0136】
(ロ).メイン集品ライン22とサブ集品ライン23と仮置棚34とにおけるピッキング作業の優先順位の設定を、メイン集品ライン22がタクト送りされる毎(後述する、メイン集品ライン22へタクト送り信号が出力される毎)、またはサブ集品ライン23のタクト送りが発生したとき(後述する、サブ集品ライン23へタクト送り信号が出力されたとき)、第1滞留検出器26がオフで、すなわち滞留量が第1所定量f未満の場合、または第1ピッキングゾーン13における仕分け作業の開始時から作業時間が所定時間未満で、且つメイン集品ライン22またはサブ集品ライン23のタクト送りが発生した場合に、更新する。
【0137】
前記作業時間を確認する所定時間は、サブ集品ライン23の仕分けの進捗を促して第1バッファライン25に予め集品容器21を滞留させるための時間であり、上述したように、メイン集品ライン22からのタクト送りが停止されてしまい、全ゾーンZで待ち時間が発生し、作業効率が大幅に低下する恐れを解消するための時間である。
【0138】
なお、仕分け作業の優先順位の設定が更新されると、途中の作業を打ち切り、最優先に設定されたピッキング作業へ戻って作業を実行することになる。
図13に示すフローチャートにしたがって説明する。
【0139】
ゾーンZ(1)に集品容器21が搬入されて仕分け作業が開始されると(ステップ−1)、作業時間のカウントを行い(ステップ−2)、作業時間が所定時間以上かどうかを確認する(ステップ−3)。
【0140】
作業時間が所定時間未満のとき、メイン集品ライン22がタクト送りかどうかを確認し(ステップ−4)、サブ集品ライン23がタクト送りかどうか(ステップ−5)を確認し、メイン集品ライン22またはサブ集品ライン23がタクト送りのとき、各ゾーンZにおける物品33の仕分け作業の優先順位を次のように設定する(ステップ−6)。
【0141】
(i)サブ集品ライン23によるタクト送りされてきた集品容器21に対する“サブダイレクト・ピッキング”。
(ii)メイン集品ライン22によるタクト送りされてきた集品容器21に対する“通常ダイレクト・ピッキング”。
【0142】
(iii)各棚32に対応する集品容器21へ、仮置棚34の各棚32に先行して仕分けられた物品を投入する“仮置棚からの先行投入”。
(iv)仮置棚34の各棚32に対する“仮置棚への先行ピッキング”。
【0143】
メイン集品ライン22とサブ集品ライン23がいずれもタクト送りではないとき、ステップ−2へ戻る。
ステップ−3において、作業時間が所定時間以上のとき、メイン集品ライン22がタクト送りかどうかを確認する(ステップ−7)。
【0144】
メイン集品ライン22のタクト送りを確認すると、まず第2滞留検出器27がオンか、すなわち第1バッファライン25における合流装置67(合流地点)からの集品容器21の滞留量が第2所定量g以上かどうかを確認し(ステップ−8)、第2所定量g以上のとき、すなわちメイン集品ライン22が、合流待ちで停止する懸念がないとき、メイン集品ライン22の集品容器21への仕分けの進捗が促されるように、各ゾーンZにおける物品33の仕分け作業の優先順位を次のように設定する(ステップ−9)。
【0145】
(i)通常ダイレクト・ピッキング。
(ii)仮置棚からの先行投入。
(iii)仮置棚への先行ピッキング。
【0146】
(iv)サブダイレクト・ピッキング。
なお、(i)“通常ダイレクト・ピッキング”と、(ii)“仮置棚からの先行投入”は、実行する順序を逆としてもよい。
【0147】
上記ステップ−8において、滞留量が第2所定量g未満のとき、第1滞留検出器26がオンか、すなわち前記滞留量が第2所定量gより少なく、且つ第1所定量f(<g)以上かどうかを確認し(ステップ−10)、第1所定量f以上で第2所定量g未満のとき、すなわちメイン集品ライン22が、合流待ちで停止する懸念があるとき、各ゾーンZにおける物品33の仕分け作業の優先順位を次のように設定する(ステップ−11)。
【0148】
(i)通常ダイレクト・ピッキング。
(ii)仮置棚からの先行投入。
(iii)サブダイレクト・ピッキング。
【0149】
(iv)仮置棚への先行ピッキング。
なお、(i)“通常ダイレクト・ピッキング”と、(ii)“仮置棚からの先行投入”は、実行する順序を逆としてもよい。
【0150】
ステップ−10において、第1所定量f未満のとき、すなわちメイン集品ライン22が、合流待ちで、タクト送りが停止する懸念が増大すると(サブ集品ライン23により搬出された集品容器21が、合流装置67により合流できずに、メイン集品ライン22からの集品容器21の搬出に支障がでる懸念が増大すると)、上記ステップ−6を実行する。
【0151】
またステップ−7において、メイン集品ライン22のタクト送りを確認しないとき、サブ集品ライン23のタクト送りを確認すると(ステップ−12)、第1滞留検出器26がオンかどうかを確認し(ステップ−13)、確認すると、ステップ−7へ戻る。確認できないとき、すなわち滞留量が第1所定量f未満のとき、ステップ−6を実行し、各ゾーンZにおける仕分け作業の優先順位の設定を更新し、“サブダイレクト・ピッキング”に戻って、サブ集品ライン23によるタクト送りされてきた集品容器21に対してピッキング作業をできるようにする。
【0152】
このように、仕分け作業の開始時から作業時間を確認し前記作業時間が所定時間未満のとき、または第1バッファライン25における合流装置67(合流地点)からの集品容器21の滞留量を確認し、滞留量が第1所定量f未満のとき、“サブダイレクト・ピッキング”が優先して実行され、すなわち各ゾーンzでは、サブ集品ライン23により搬送されてきた集品容器21に対して、物品の仕分け33が優先して実行される。
【0153】
(ハ).タクト毎に、各ゾーンZにおいて、メイン集品ライン22とサブ集品ライン23と仮置棚34とにおけるピッキング作業の優先順位の設定にしたがって、ピッキング表示器39とコンベヤ投入表示器44と仮置表示器45とゾーン表示器48を点灯させるピッキング制御を行う。
【0154】
“通常ダイレクト・ピッキング”では、メイン集品ライン22の最も下流(M1)の集品容器21から上流に向けて順にピッキング作業を実行し、“仮置棚からの先行投入”では最も下流(G1)の仮置棚34の棚32から上流に向けて順に先行して仕分けられた物品33を投入し、また“仮置棚への先行ピッキング”では、最も下流(G1)の仮置棚34の棚32から上流に向けて順にピッキング作業を実行し、“サブダイレクト・ピッキング”では、サブ集品ライン23の最も下流(S1)の集品容器21から上流に向けて順にピッキング作業を実行する。ピッキング作業があるとき、または先行して仕分けられた物品33の投入があるとき、ゾーン表示器48を点灯させ、何も作業が無いときゾーン表示器48を消灯させる。
【0155】
なお、仕分け作業の優先順位の設定が更新されると、作業中の棚32または集品容器21への作業が終了次第、次の棚32または集品容器21への作業は中断されて、優先順位が第1位の作業が開始される。
【0156】
<ダイレクト・ピッキング作業>
ダイレクト・ピッキング作業(通常ダイレクト・ピッキングとサブダイレクト・ピッキング)では、物品33を投入させる集品容器21が停止している位置のコンベヤ投入表示器44の赤色ランプを点灯させるとともに、ピッキング作業を実行する集品容器21に割り当てられたユーザー・ナンバーとゾーン・ナンバーで、全体仕分けデータを検索してこのゾーンZにおいてピッキングする単数または複数の間口37と数量を求め、これら間口37のピッキング表示器39のランプ(完了押釦スイッチ41)を点灯し、ディジタル数量表示器40に数量を表示する。
【0157】
作業者により、ディジタル数量表示器40に表示された数量の物品33が取り出されて完了押釦スイッチ41が押し操作されると、この間口37でのピッキング終了と確認し、取り出した物品33が、コンベヤ投入表示器44の赤色ランプが点灯している集品容器21へ投入されてコンベヤ投入表示器44が押し操作されると、前記間口37からこの集品容器21へのピッキングが終了したと判断し、続いて残りの間口37とのピッキングを実行し、この集品容器21へのピッキングが終了すると、次の集品容器21へのピッキング作業に移る。
【0158】
<先行ピッキング作業>
先行ピッキング作業では、物品33を仮置させる棚32の仮置表示器45の押釦スイッチ46の緑色ランプを点灯させるとともに、先行ピッキング作業を実行する棚32に割り当てられたユーザー・ナンバーとゾーン・ナンバーで、全体仕分けデータを検索してこのゾーンZにおいてピッキングする単数または複数の間口37と数量を求め、これら間口37のピッキング表示器39のランプ(完了押釦スイッチ41)を点灯し、ディジタル数量表示器40に数量を表示する。
【0159】
作業者により、ディジタル数量表示器40に表示された数量の物品33が取り出されて完了押釦スイッチ41が押し操作されると、この間口37でのピッキング終了と確認し、取り出した物品33が、仮置表示器45の押釦スイッチ46の緑色ランプが点灯している棚32へ仮置されて押釦スイッチ46が押し操作されると、前記間口37からこの棚32への先行ピッキングが終了したと判断し、残りの間口37からこの棚32への先行ピッキングが終了すると、次の棚32への先行ピッキング作業に移る。
【0160】
<先行投入作業>
先行投入作業において、先行して物品33が仮置された棚32の仮置表示器45の赤色ランプ(押釦スイッチ47)を点灯する。
【0161】
作業者により、棚32に仮置された物品33が、対応する集品容器21へ投入され、押釦スイッチ47が押し操作されると、この棚32からの物品33の投入が終了したと判断して、押釦スイッチ47の赤色ランプを消灯し、次の棚32へ移る。
【0162】
(ニ).全ゾーンZにおいて、メイン集品ライン22上の集品容器21への通常ダイレクト・ピッキングおよび仮置棚34からの先行投入が終了すると、分岐・合流コントローラ73より第1切り出しコンベヤ62の第1搬出可能信号を入力し、且つ後述する合流コントローラ74から第3搬送コンベヤ66の満量信号を入力していないことを条件に、メイン集品ライン22へタクト送り信号を出力し、同時に分岐・合流コントローラ73へ“メイン集品ライン22への集品容器21の搬出信号”を出力する。これにより、メイン集品ライン22上の集品容器21は下流のゾーンZへタクト送りされ、空の6個の集品容器21が第1切り出しコンベヤ62により最上流のゾーンZ(1)へ搬入され、最下流のゾーンZ(p)の集品容器21は、第3搬送コンベヤ66へ搬出される。また前記第1搬出可能信号を入力していないとき、または前記満量信号を入力しているとき、解消されるまで、タクト送り信号と“メイン集品ライン22への集品容器21の搬出信号”の出力を中断する。
【0163】
またゾーンZ(1)〜(m)において、全てのサブ集品ライン23上の集品容器21へのサブダイレクト・ピッキングが終了すると、分岐・合流コントローラ73より第2切り出しコンベヤ63の第2搬出可能信号を入力していることを条件に、サブ集品ライン23へタクト送り信号を出力し、同時に分岐・合流コントローラ73へ“サブ集品ライン23への集品容器21の搬出信号”を出力する。これにより、サブ集品ライン23上の集品容器21は下流のゾーンZへタクト送りされ、空の6個の集品容器21が第2切り出しコンベヤ63により最上流のゾーンZ(1)へ搬入され、ゾーンZ(m)の集品容器21は第1バッファライン25へ搬出される。また前記第2搬出可能信号を入力していないとき、解消されるまで、タクト送り信号と“サブ集品ライン23への集品容器21の搬出信号”の出力を中断する。
【0164】
“合流コントローラ74”
合流コントローラ74には、図6に示すように、第1バッファライン25と、第3搬送コンベヤ66と、合流装置67と、第4搬送コンベヤ68と、第3バーコードリーダ69と、第4バーコードリーダ70が接続され、統括コンピュータ71より、上述した作業の開始指令および終了指令と、“順に投入される集品容器21に割り当てられた個別のユーザーを特定するナンバーのデータ”が入力される。
【0165】
合流コントローラ74は次の機能を有している。
(イ).作業の開始指令に応じて、第1バッファライン25と第3搬送コンベヤ66と第4搬送コンベヤ68を駆動し、停止指令に応じて、第1バッファライン25と両搬送コンベヤ66,68を停止する。
【0166】
(ロ).第3搬送コンベヤ66により下流端に搬送されてきた集品容器21のラベル51のバーコードを第3バーコードリーダ69により読み取り、また第1バッファライン25により下流端に搬送されてきた集品容器21のラベル51のバーコードを第4バーコードリーダ70により読み取り、これら読み取ったバーコードの個別のユーザーを特定するナンバーのデータが、上述した“順に投入される集品容器21に割り当てられた個別のユーザーを特定するナンバーのデータ”の順に並ぶように、第3搬送コンベヤ66と第1バッファライン25に、集品容器21の搬出指令を出力し、合流装置67へ第1バッファライン25から集品容器21が搬出されるときに、合流指令を出力する。これにより、第1バッファライン25により搬送されてきた集品容器21は、“順に投入される集品容器21に割り当てられた個別のユーザーを特定するナンバーのデータ”の順に、合流され、合流装置67から搬出された集品容器21は、第4搬送コンベヤ68へ搬出される。
【0167】
(ハ).第3搬送コンベヤ66より満量信号を入力すると、この満量信号をピッキングコントローラ38へ出力する。
“低頻度ピッキングコントローラ75”
低頻度ピッキングコントローラ75には、図6に示すように、搬入コンベヤ55が接続され、統括コンピュータ71より、上述した作業の開始指令および終了指令と、全体の仕分けデータ(自動倉庫の各棚の物品33のデータを含む)が入力される。
【0168】
(イ).作業の開始指令に応じて、搬入コンベヤ55を駆動し、停止指令に応じて、搬入コンベヤ55を停止する。
(ロ).搬入コンベヤ55により搬送されてきた集品容器21のラベル51に印刷されたバーコードを読み取り、読み取ったバーコードに基づいて、この集品容器21に割り当てられたユーザー(ナンバー)を求め、全体の仕分けデータによりこのユーザーの注文品のうち前記自動倉庫に格納されている物品33が収納されている単数または複数のコンテナが格納されている棚を求め、これら棚のコンテナを所定のピッキング位置へ自動倉庫より出庫し、このコンテナから取り出す物品33の数量を、作業者へ伝達する。作業者が、出庫されたコンテナより注文数量の物品33を取り出して集品容器21へ投入し、第2バッファライン56へ送りだしたことを確認すると、物品33の取りだしが終了したコンテナを自動倉庫の元の棚へ入庫する。
【0169】
上記構成による作用を説明する。
「高頻度品の品種数と数量の設定」
各個別のユーザーから物品33の注文が入ると、図7に示す手順により、集品容器21の割合Q以下を満たす、注文データの少品種少量の条件(高頻度品の品種数aと数量b)が求められる。なお、少なくとも、少品種少量の条件として、“物品33の品種数aが1で、数量bが1または2”の条件が含まれるように設定される。
【0170】
「低頻度品ピッキングエリア11と第1ピッキングエリア13と第2ピッキングエリア14へ格納する物品33の分類」
所定期間(例えば、1日、1週間、1ヶ月等)毎に、前回の物品33毎の出荷数データと、ユーザーに特売品などの広告を行った物品33のデータと、現在の季節に需要が見込まれる物品33のデータと、特定した少品種少量の条件を満たす物品33のデータ(物品の品種)と、次回の物品33の総出荷数の予測データと、第1ピッキングエリア13および第2ピッキングエリア14でのピッキング作業に従事できる作業者として確保できる人数のデータに基づいて、仕分け設備E全体で集品される物品33は、高頻度品と中頻度品と低頻度品に分類される。
【0171】
また前記高頻度品または中頻度品から低頻度品に分類が変更となった物品33と、前記低頻度品から高頻度品または中頻度品に分類が変更となった物品33のデータはプリンタ76へ出力され、リストとして印刷され仕分け設備Eの作業者ヘ提示される。
【0172】
また第1ピッキングエリア13と第2ピッキングエリア14の各ゾーンの間口37に割り当てた、高頻度品と中頻度品の物品33のリストのデータと、低頻度品ピッキングエリア11の自動倉庫の各棚に割り当てた、低頻度品の物品33のリストのデータはプリンタ76へ出力され、リストとして印刷され仕分け設備Eの作業者ヘ提示される。
【0173】
仕分け設備Eの作業者は、高頻度品または中頻度品から低頻度品に分類が変更となった物品33のリストに従って、これら物品33を、第1ピッキングエリア13と第2ピッキングエリア14から取り出して、低頻度品ピッキングエリア11へ搬送し、低頻度品ピッキングエリア11の自動倉庫の各棚に割り当てた、低頻度品の物品33のリストに従って、自動倉庫の各棚へ入庫する。
【0174】
また仕分け設備Eの作業者は、低頻度品から高頻度品または中頻度品に分類が変更となった物品33のリストに従って、これら物品33を、低頻度品ピッキングエリア11の自動倉庫から出庫し、第1ピッキングエリア13と第2ピッキングエリア14へ搬送し、第1ピッキングエリア13と第2ピッキングエリア14の各ゾーンの間口37に割り当てた、高頻度品と中頻度品の物品33のリストに従って、各間口37へ投入する。
【0175】
また仕分け設備Eの作業者は、自動倉庫の各棚への物品33の補充を、低頻度品ピッキングエリア11の自動倉庫の各棚に割り当てた、低頻度品の物品33のリストに従って実行し、また各間口37への物品33の補充を、第1ピッキングエリア13と第2ピッキングエリア14の各ゾーンの間口37に割り当てた、高頻度品と中頻度品の物品33のリストに従って実行する。
【0176】
「データの作成」
各個別のユーザーから物品33の注文が入ると、図9に示す全体の仕分けデータが形成され、図10(a)に示す、搬入コンベヤ55へ順に投入する集品容器21のリストと第1搬送コンベヤ58へ順に投入する集品容器21のリストが作成され、さらに少品種少量の条件に基づいて図10(b)に示す分岐データが形成される。さらに分岐データを形成した個別のユーザーにより、サブ集品ライン23の群Yが作成され、また分岐データを形成した個別のユーザーを除いた個別のユーザーにより、メイン集品ライン22の群Xが形成される。
【0177】
「集品容器の投入」
ディスプレイ53により集品容器21の総数Nがディスプレイ53に表示され、集品容器投入エリア10の作業者は、ディスプレイ53に表示された総数Nの集品容器21を用意し、各集品容器21に自動または手動でビニール袋50を被せる。
【0178】
そして、個別のユーザーを特定するナンバーが印刷されたラベル51がラベルプリンタ52により、搬入コンベヤ55へ順に投入する集品容器21のリストに従って順に発行され、またディスプレイ53に同リストが表示され、集品容器投入エリア10の作業者は、ディスプレイ53を見ながら、ビニール袋50に、ラベルプリンタ52から発行された順にラベル51を貼り付け、搬入コンベヤ55へ投入する。
【0179】
そして、所定時間の後に、すなわち低頻度品ピッキングエリア11でのピッキング作業が実行され、作業が終了した集品容器21が、第2バッファライン56により分岐・合流・切り出しエリア12へ搬送され、所定個数、滞留される時間の後に、ラベル51がラベルプリンタ52により、第1搬送コンベヤ58へ順に投入する集品容器21のリストに従って順に発行され、またディスプレイ53に同リストが表示され、集品容器投入エリア10の作業者は、ディスプレイ53を見ながら、ラベルプリンタ52から発行された順にラベル51を貼り付け、第1搬送コンベヤ58へ投入する。
【0180】
第2バッファライン56に滞留される集品容器21の所定個数は、図10(b)に示すように、メイン集品ライン22でタクト送りされる集品容器21の中へ合流され、このとき“順に投入される集品容器21に割り当てられた個別のユーザーを特定するナンバーのデータ”に合わせて合流されることにより、第2バッファライン56により搬送されてくる集品容器21が遅れて、分岐・合流装置59において、タクト送りされる集品容器21が合流待ちとならないように、予め設定される。
【0181】
「低頻度品ピッキングエリア11でのピッキング作業」
搬入コンベヤ55により搬送されてきた集品容器21のラベル51に印刷されたバーコードが読み取られ、読み取られたバーコードに基づいて、この集品容器21に割り当てられたユーザー(ナンバー)が求められ、このユーザーの注文品のうち自動倉庫に格納されている物品33が収納されている単数または複数のコンテナが格納されている棚が求められ、これら棚のコンテナが所定のピッキング位置へ自動倉庫より出庫され、このコンテナから取り出す物品33の数量が、作業者へ伝達され、作業者が、出庫されたコンテナより注文数量の物品33を取り出して集品容器21へ投入し、第2バッファライン56へ送りだすと、物品33の取りだしが終了したコンテナは元の棚へ入庫される。
【0182】
「集品容器の分岐」
第1搬送コンベヤ58により搬送される集品容器21のうち、分岐データにより少品種少量の集品を行う集品容器21は、分岐・合流装置59により第2搬送コンベヤ61に分岐され、第2搬送コンベヤ61により搬送され、第2搬送コンベヤ61より第2切り出しコンベヤ63に搬入され、第2切り出しコンベヤ63に搬入順に貯留される。第2切り出しコンベヤ63に貯留された集品容器21は6個毎にサブ集品ライン23へ搬入される。サブ集品ライン23に、少品種少量の集品を行う集品容器21が流れる。
【0183】
また分岐されなかった集品容器21には、分岐・合流装置59により第2バッファライン56により搬送されてきた集品容器21が、図10(b)に示すメイン集品ライン22の“順に投入される集品容器21に割り当てられた個別のユーザーを特定するナンバーのデータ”に合わせて合流され、第1切り出しコンベヤ62に搬入され、第1切り出しコンベヤ62に搬入順に貯留される。第1切り出しコンベヤ62に貯留された集品容器21は6個毎にメイン集品ライン22へ搬入される。メイン集品ライン22には、少品種少量の集品を行う集品容器21が流れることはない。
【0184】
このように、少品種少量の集品を行う集品容器21がメイン集品ライン22へ搬送されることが回避され、少品種少量の集品を行う集品容器21がメイン集品ライン22を占有してしまうことが回避される。また低頻度品ピッキングエリア11でのピッキング作業が終了した集品容器21が合流されメイン集品ライン22へ搬送される。
【0185】
「ゾーンZ(1)〜(m)でのピッキング作業」
独立してタクト送りできるメイン集品ライン22とサブ集品ライン23、および仮置棚34におけるピッキング作業の優先順位が、仕分け作業の開始時からの作業時間が所定時間未満のとき、メイン集品ライン22またはサブ集品ライン23がタクト送りされる毎に設定され、さらに作業時間が所定時間以上となると、第1バッファライン25に滞留された集品容器21の量により、メイン集品ライン22がタクト送りされる毎に、あるいはサブ集品ライン23がタクト送りされ、滞留量が第1所定量f未満のときに、設定される。
【0186】
<作業開始時>
仕分け作業の開始時からの作業時間が所定時間未満のとき、または第1滞留検出器26により集品容器21が確認されるまでは、優先順位は、“サブダイレクト・ピッキング”、“通常ダイレクト・ピッキング”、“仮置棚からの先行投入”、“仮置棚への先行ピッキング”となり、各ゾーンZ(1)〜(m)においてサブ集品ライン23におけるサブダイレクト・ピッキングが優先されて実行される。
【0187】
各ゾーンZ(1)〜(m)におけるサブ集品ライン23上の集品容器21へのピッキングが終了すると、サブ集品ライン23はタクト送りされ、さらにサブ集品ライン23上でタクト送りされる集品容器21は、少品種少量の集品を行う集品容器21であることから、サブ集品ライン23上の集品容器21へのピッキングは急速に進捗され、最も下流のゾーンZ(m)からピッキング作業が終了した集品容器21が第1バッファライン25へ搬出され、下流まで搬送され、滞留される。
【0188】
また各ゾーンZ(1)〜(m)において、サブ集品ライン23におけるサブダイレクト・ピッキングが終了して空いた待ち時間またはサブ集品ライン23がタクト送りされている時間に、“通常ダイレクト・ピッキング”、“仮置棚からの先行投入”、“仮置棚への先行ピッキング”の順に作業が実行される。
【0189】
<第1バッファライン25へ第2所定量gの集品容器21が滞留されるまでの時間>
仕分け作業の開始時からの作業時間が所定時間以上となり、第1滞留検出器26により集品容器21が確認されると、優先順位が切り替わり、“通常ダイレクト・ピッキング”、“仮置棚からの先行投入”、“サブダイレクト・ピッキング”、“仮置棚への先行ピッキング”となり、各ゾーンZ(1)〜(m)においてメイン集品ライン22における通常ダイレクト・ピッキングが優先されて実行され、続いて仮置棚34からの先行投入が実行される。
【0190】
これにより、各ゾーンZ(1)〜(m)におけるメイン集品ライン22上の集品容器21へのピッキングは迅速に実行され、各ゾーンZ(1)〜(m)におけるメイン集品ライン22上の集品容器21へのピッキングが終了すると、メイン集品ライン22はタクト送りされ、最下流のゾーンZ(m)からピッキング作業が終了した集品容器21は、ゾーンZ(m+1)へタクト送りされる。
【0191】
また各ゾーンZ(1)〜(m)において、メイン集品ライン22における“通常ダイレクト・ピッキング”および“仮置棚からの先行投入”が終了して空いた待ち時間またはメイン集品ライン22がタクト送りされている時間に、“サブダイレクト・ピッキング”、“仮置棚34への先行ピッキング”の順に作業が実行される。
【0192】
メイン集品ライン22上の集品容器21へのピッキングは迅速に進みタクト送りされるが、メイン集品ライン22上の各集品容器21は、注文された物品33の品種と数量が多い集品容器21であるため(少品種少量の集品を行う集品容器21ではないため)、空いた待ち時間、またはメイン集品ライン22がタクト送りされている時間に実行される“サブダイレクト・ピッキング”によるサブ集品ライン23上の少品種少量の集品を行う集品容器21へのピッキングも同様に進み、最も下流のゾーンZ(m)からピッキング作業が終了した集品容器21が第1バッファライン25へ搬出され、下流まで搬送され、滞留される。
【0193】
<通常(第1バッファライン25へ第2所定量g以上の集品容器21が滞留されたとき)>
仕分け作業の開始時からの作業時間が所定時間以上となり、第2滞留検出器27により集品容器21が確認されると、優先順位が切り替わり、“通常ダイレクト・ピッキング”、“仮置棚からの先行投入”、“仮置棚への先行ピッキング”、“サブダイレクト・ピッキング”となり、各ゾーンZ(1)〜(m)においてメイン集品ライン22における通常ダイレクト・ピッキングが優先され、続いて仮置棚34からの先行投入が実行され、各ゾーンZ(1)〜(m)では、メイン集品ライン22によりタクト送りされてきた集品容器21に対して、物品33の仕分けが優先して実行される。
【0194】
これにより、各ゾーンZ(1)〜(m)におけるメイン集品ライン22上の集品容器21へのピッキングは迅速に実行され、各ゾーンZ(1)〜(m)におけるメイン集品ライン22上の集品容器21へのピッキングが終了すると、メイン集品ライン22はタクト送りされ、最下流のゾーンZ(m)からピッキング作業が終了した集品容器21は、ゾーンZ(m+1)へタクト送りされる。
【0195】
また各ゾーンZ(1)〜(m)において、メイン集品ライン22における“通常ダイレクト・ピッキング”および“仮置棚からの先行投入”が終了して空いた待ち時間、またはメイン集品ライン22がタクト送りされている時間に、“仮置棚への先行ピッキング”、“サブダイレクト・ピッキング”の順に作業が実行され、作業者の作業待ち時間が有効に使用され、生産性が向上する。
【0196】
メイン集品ライン22上の集品容器21へのピッキングは急速に進みタクト送りされるが、メイン集品ライン22上の各集品容器21は、注文された物品33の品種と数量が多い集品容器21であるため(少品種少量の集品を行う集品容器21ではないため)、空いた待ち時間、またはメイン集品ライン22がタクト送りされている時間に実行される“サブダイレクト・ピッキング”によるサブ集品ライン23上の少品種少量の集品を行う集品容器21へのピッキングも同様に進み、最下流のゾーンZ(m)からピッキング作業が終了した集品容器21が第1バッファライン25へ搬出され、下流まで搬送され、滞留される。
【0197】
「ゾーンZ(m+1)〜(p)でのピッキング作業」
ゾーンZ(m+1)〜(p)にはサブ集品ライン23に対するピッキング作業がないために、上記<通常>のピッキング作業が実行され、最下流のゾーンZ(p)からピッキング作業が終了した集品容器21は、第3搬送コンベヤ66へ搬出される。
【0198】
「集品容器の合流」
合流・搬送エリア15において、第3搬送コンベヤ66により搬送されてきた集品容器21と、第1バッファライン25により搬送されてきた集品容器21とは、合流装置67により、“順に投入される集品容器21に割り当てられた個別のユーザーを特定するナンバーのデータ”に合わせて合流されて、第4搬送コンベヤ68へ搬出される。すなわち、予め設定された順番となるように、第4搬送コンベヤ68へ出力され、最終的に各集品容器21への仕分けが終了し、出荷エリア17へ搬送される。
【0199】
「集品容器の梱包と出荷」
第4搬送コンベヤ68によりピッキング作業が終了した集品容器21が梱包エリア16へ搬送されてくると、ビニール袋50のラベル51は、集品容器21へ貼り替えられ、続いてビニール袋50は梱包され、集品容器21は蓋がされ、出荷エリア17へ搬送され、出荷エリア17では、第4搬送コンベヤ68により搬送されてきた集品容器21は配送方面別にかご車などに段積みされ、配送トラックへ積み込まれる。
【0200】
以上のように、本実施の形態1によれば、分岐地点で、メイン集品ライン22より分岐された集品容器21が、サブ集品ライン23によりタクト送りされ、サブ集品ライン23より搬出され、第1バッファライン25により搬送され、合流地点で、メイン集品ライン22から搬出された集品容器21と予め設定された順(例えば、配送方面のユーザー順)で合流されることにより、例えば、配送方面別にかご車に積み込まれる順が狂い、配送順に集品容器21が並ばなくなることを回避でき、異なる方面別のかご車へ積み込まれて配送されるミスを回避できる。
【0201】
また仕分け作業の開始時からの作業時間が所定時間未満のとき、または第1滞留検出器26が動作せずに、第1バッファライン25における合流装置67からの集品容器21の滞留量が第1所定量f未満のとき、すなわちメイン集品ライン22が、合流待ちで停止する懸念が大きいとき、まずサブ集品ライン23によるタクト送りされてきた集品容器21への仕分けが行われることにより、サブ集品ライン23の仕分けの進捗を促すことができ、メイン集品ライン22のタクト送りが停止してしまうことを回避できる。そして、待ち時間に、“通常ダイレクト・ピッキング”、“仮置棚からの先行投入”、“仮置棚への先行ピッキング”が実行されることにより、待ち時間を解消でき、仕分け効率を向上させることができる。
【0202】
また本実施の形態1によれば、個別、そして毎日配送するデリバリー・サービスが増加し、それに伴い、個別の注文が、商品の品種(品目)が少なく、個数も少ないもの、すなわち少品種少量の注文が増加しているが、メイン集品ライン22には、少品種少量の集品を行う集品容器21が流れることはないことにより、メイン集品ライン22とサブ集品ライン23に混在して少品種少量の集品を行う集品容器21を流した場合と比較して、作業者の何ら作業を行わない待ち時間を減少できる。例えば、メイン集品ライン22とサブ集品ライン23に混在した場合、少品種少量の集品を行う集品容器21が集まったゾーンZでは、仕分け作業は直ぐに終了して、タクト送りが発生するまで、何ら仕分け作業を行うことなく待つことになる。このように、作業者の待ち時間を減少できることにより、各ゾーンZ(1)〜(m)における作業効率を高めることができ、全体の作業効率を改善できる。
【0203】
さらに通常はメイン集品ライン22の集品容器21に対する仕分け作業が優先され、サブ集品ライン23の集品容器21への物品33の仕分け作業の機会が少なくなるので、進捗が遅くなる可能性があるが、サブ集品ライン23で搬送する集品容器21には、全集品容器21(搬送経路により搬送される集品容器21)の総個数の50%未満で、かつ各個別のユーザーからの注文(物品の要求情報)が少品種少量の条件を満たす集品容器21が選定されることにより、サブ集品ライン23の仕分けの進捗が遅れることを改善できる。
【0204】
またサブ集品ライン23で搬送する集品容器21の少品種少量の条件を、物品33の品種が1で、かつ数量(個数)が1または2とすることにより、全ゾーンZにおいて1回の仕分け作業で仕分けが終了することにより、メイン集品ライン22の集品容器21に対する仕分け作業が優先されても、サブ集品ライン23における物品33の仕分け作業の進捗を、メイン集品ライン22と同等とすることができる。
【0205】
また本実施の形態1によれば、第1ピッキングエリア13の各ゾーンZの間口37に高頻度品が収納され、サブ集品ライン23の集品容器21に仕分けられる物品33が少なくとも収納され、サブ集品ライン23の集品容器21に対応する仕分け作業は、搬送経路の上流の第1ピッキングエリア13で終了されることにより、メイン集品ライン22が優先されて仕分け作業が実行されても、サブ集品ライン23における物品33の仕分け作業の進捗を、メイン集品ライン22と同等とすることができ、またサブ集品ライン23の下流側に第1バッファライン25を設けることができ、合流装置67による合流に柔軟に対応することができる。なお、第1バッファライン25が無い構成では、合流装置67による合流に柔軟に対応できない。
【0206】
また本実施の形態1によれば、仕分け作業の開始時からの作業時間が所定時間以上で、第2滞留検出器27が動作し第1バッファライン25における合流装置67からの集品容器21の滞留量が第2所定量g以上、すなわちメイン集品ライン22が、合流待ちで停止する懸念がないとき、メイン集品ライン22によるタクト送りされてきた集品容器21に対して物品33の仕分け作業が優先して実行され、次に仮置棚34の各棚32に先行して仕分けられた物品33が、各棚32に対応する集品容器21へ投入されることにより、メイン集品ライン22の集品容器21が迅速にタクト送りされ、メイン集品ライン22上の集品容器21への仕分け作業を迅速に進めることができる。
【0207】
そして、待ち時間に(メイン集品ライン22がタクト送りされるまでの時間、タクト送り中の時間に)、次のタクトに対応した仮置棚34の各棚32への先行仕分けが行われ、さらに待ち時間があると、サブ集品ライン23によるタクト送りされてきた集品容器21への仕分けが行われることにより、待ち時間を解消でき、作業効率を向上させることができる。
【0208】
また仕分け作業の開始時からの作業時間が所定時間以上で、第2滞留検出器27が動作せずに集品容器21の滞留量が第2所定量g未満で、メイン集品ライン22が、合流待ちで停止する懸念があるとき、上記待ち時間の最初に、サブ集品ライン23によるタクト送りされてきた集品容器21への仕分けが行われ、サブ集品ライン23の仕分けが進捗されるように切り換えが行われることにより、合流が遅れることを防止できる。
【0209】
また本実施の形態1によれば、集品容器21には、低頻度品ピッキングエリア11において予め所定の物品33が集品され、低頻度品ピッキングエリア11において集品が終了した集品容器21は、分岐地点より下流で、且つゾーンZより上流の合流地点で、メイン集品ライン22に合流され、このように低頻度品ピッキングエリア11で予め所定の物品33が集品されることにより、ピッキングエリア13,14(各ゾーンZ)において、仕分ける物品33の品種(種類)が削減されることにより、仕分け効率を改善できる。
【0210】
また本実施の形態1によれば、低頻度品が低頻度品ピッキングエリア11において集品されることにより、ピッキングエリア13,14(各ゾーンZ)における仕分け効率を改善できる。なお、低頻度品がピッキングエリア13,14で仕分けられるとき、各集品ライン22,23を流れる集品容器21へ仕分ける回数が少ないので、各ゾーンZで仕分けを行わないで通過する集品容器21が増加し、各ゾーンZで作業者の待ち時間が発生しやすくなり、仕分け効率が低下する。
【0211】
また本実施の形態1によれば、物品33の分類が所定時間毎、或いは不定期に更新され、物品33が高頻度品または中頻度品から低頻度品に分類が変更となると、あるいは物品が低頻度品から高頻度品または中頻度品に分類が変更となると、変更となった物品33のリストが出力され、仕分け設備Eの作業者に提示されることにより、物品33の移動、すなわちピッキングエリア13,14(各ゾーンz)と低頻度品ピッキングエリア11との間における物品33の移動を容易に行うことができる。
【0212】
また本実施の形態1によれば、ピッキングエリア13,14(各ゾーンZ)で仕分けに従事する作業者の人数により物品33の分類の見直しが実行されることにより、ゾーンZでの仕分け効率を確保できる。なお、ピッキングエリア13,14で仕分けに従事する作業者の人数を確保できないと、ゾーンZでの仕分け効率を確保するには、ピッキングエリア13,14により仕分ける物品33の品種(種類)を少なくする必要があり、高頻度品または中頻度品の品種を減少させ、低頻度品の品種を増加させる必要がある。
[実施の形態2]
上記実施の形態1では、第1ピッキングエリア13と第2ピッキングエリア14にそれぞれ、仮置棚34を設置しているが、仮置棚34を設置しない構成としてもよい。このとき、第1ピッキングエリア13では、メイン集品ライン22とサブ集品ライン23によりそれぞれタクト送りされてくる集品容器21に対してピッキング作業が実行される。仕分け作業の順位の設定は、仕分け作業の開始時からの作業時間が所定時間未満、または第1滞留検出器26により集品容器21が確認されるまでは、“サブダイレクト・ピッキング”が優先され、仕分け作業の開始時からの作業時間が所定時間となり、第1滞留検出器26により集品容器21が確認されると、“通常ダイレクト・ピッキング”が優先される。したがって、各ゾーンZでは、通常はメイン集品ライン22によりタクト送りされてくる集品容器21へのピッキング作業が優先して実行され、空いた待ち時間に、サブ集品ライン23によりタクト送りされてくる集品容器21に対してピッキング作業が実行される。
【0213】
この本実施の形態2によれば、上記実施の形態1と同様に、分岐地点で、メイン集品ライン22より分岐された集品容器21が、サブ集品ライン23によりタクト送りされ、サブ集品ライン23より搬出され、第1バッファライン25により搬送され、合流地点で、メイン集品ライン22から搬出された集品容器21と、設定された順(例えば、配送方面のユーザー順)に合流されることにより、例えば、配送方面別にかご車に積み込まれる順が狂い、配送順に集品容器21が並ばなくなることを回避でき、異なる方面別のかご車へ積み込まれて配送されるミスを回避できる。
【0214】
また仕分け作業の開始時からの作業時間が所定時間未満のとき、または第1滞留検出器26が動作せずに、第1バッファライン25における合流装置67からの集品容器21の滞留量が第1所定量f未満のとき、すなわちメイン集品ライン22が、合流待ちで停止する懸念が大きいとき、まずサブ集品ライン23によるタクト送りされてきた集品容器21への仕分けが行われることにより、サブ集品ライン23の仕分けの進捗を促すことができ、メイン集品ライン22のタクト送りが停止してしまうことを回避できる。
【0215】
なお、本実施の形態2では、仮置棚34を設置しない構成とされ、仮置棚34の各棚32に対応して停止した集品容器21に対して、先行ピッキングしていた物品33を投入する作業が不要となり、停止する各集品容器21と各棚32の位置を特定する必要がなくなることにより、各集品ライン22,23をタクト送り搬送する必要がなく、連続搬送とすることもできる。
[実施の形態3]
上記実施の形態1では、第1ピッキングエリア13と第2ピッキングエリア14にそれぞれ、仮置棚34を設置しているが、仮置棚34を設置しない構成とし、さらにメイン集品ライン22とサブ集品ライン23においてそれぞれ、先行ピッキングができる構成とすることもできる。
【0216】
このとき、図14に示すように、タクト送りによる各集品ライン22,23の各集品容器21の停止位置にはそれぞれ、停止位置の集品容器21への仕分けを指示(表示)するコンベヤ投入表示器(容器表示手段の一例)91が設けられる。
【0217】
前記コンベヤ投入表示器91は、配置されたゾーンZ内での仕分け作業を実行する集品容器21を指示する赤色ランプ付きの第1押釦スイッチ(第一指示手段の一例)92と、隣接する下流ゾーンZ内での仕分け作業を実行する集品容器21を指示する緑色ランプ付きの第2押釦スイッチ(第二指示手段の一例)93から形成され、第2押釦スイッチ93の緑色ランプには指向性があり、配置されたゾーンZではピッキング作業者が点灯状態を判別できず、隣接する下流ゾーンZのピッキング作業者のみが点灯状態を判別できる構成とされている。
【0218】
各集品ライン22,23ではそれぞれ、タクト毎に、各ゾーンZでの各集品装置21への仕分け作業が終了し、空いた待ち時間があると、上流ゾーンZのコンベヤ投入表示器91の第2押釦スイッチ93の緑色ランプが点灯し、先行仕分け作業が指示される。このとき、ピッキング作業者は、配置された自分のゾーン(自ゾーン)Zのピッキング表示器39の表示にしたがって、間口37から指定された数量の物品33を取り出して、上流のゾーンZの緑色ランプが点灯している集品容器21へ投入して第2押釦スイッチ93を押す作業を実行する。図15,図16に示すように、各集品ライン22,23では、各ゾーンZでは、自ゾーンZの集品容器21に対する仕分け作業が終了すると、上流のゾーンZの集品容器21に対して先行して仕分け作業を実行する。
【0219】
このように、各ゾーンZ(1)〜(m)のピッキング作業者は、自ゾーンZにメイン集品ライン22により搬送されてきた集品容器21と、自ゾーンZにサブ集品ライン23により搬送されてきた集品容器21と、隣接する上流ゾーンZにメイン集品ライン22により搬送されてきた集品容器21と、隣接する上流ゾーンZにサブ集品ライン23により搬送されてきた集品容器21に対して仕分け作業を実行するが、これら各集品ライン22,23での仕分けの優先順位は、次のように設定される。
【0220】
図17に示すフローチャートにしたがって説明する。
ゾーンZ(1)に集品容器21が搬入され仕分け作業が開始されると(ステップ−1)、作業時間のカウントを行い(ステップ−2)、作業時間が所定時間以上かどうかを確認する(ステップ−3)。
【0221】
作業時間が所定時間未満のとき、メイン集品ライン22がタクト送りかどうかを確認し(ステップ−4)、サブ集品ライン23がタクト送りかどうか(ステップ−5)を確認し、メイン集品ライン22またはサブ集品ライン23がタクト送りのとき、各ゾーンZにおける物品33の仕分け作業の優先順位を次のように設定する(ステップ−6)。
【0222】
(i)自ゾーンZの第1押釦スイッチ92の赤色ランプにより指示された、サブ集品ライン23によりタクト送りされてきた集品容器21に対する“サブ通常・ピッキング”。
(ii)隣接する上流のゾーンZの第2押釦スイッチ93の緑色ランプにより指示された、サブ集品ライン23によりタクト送りされてきた上流のゾーンZの集品容器21に対する“サブ先行・ピッキング”。
【0223】
(iii)自ゾーンZの第1押釦スイッチ92の赤色ランプにより指示された、メイン集品ライン22によりタクト送りされてきた集品容器21に対する“メイン通常・ピッキング”。
【0224】
(iv)隣接する上流のゾーンZの第2押釦スイッチ93の緑色ランプにより指示された、メイン集品ライン22によりタクト送りされてきた上流のゾーンZの集品容器21に対する“メイン先行・ピッキング”。
【0225】
ステップ−3において、作業時間が所定時間以上のとき、メイン集品ライン22がタクト送りかどうかを確認する(ステップ−7)。
メイン集品ライン22のタクト送りを確認すると、まず第2滞留検出器27がオンか、すなわち第1バッファライン25における合流装置67(合流地点)からの集品容器21の滞留量が第2所定量g以上かどうかを確認し(ステップ−8)、第2所定量g以上のとき、すなわちメイン集品ライン22が、合流待ちで停止する懸念がないとき、メイン集品ライン22の集品容器21への仕分けの進捗が促されるように、各ゾーンZにおける物品33の仕分け作業の優先順位を次のように設定する(ステップ−9)。
【0226】
(i)メイン通常・ピッキング。
(ii)メイン先行・ピッキング。
(iii)サブ通常・ピッキング。
【0227】
(iv)サブ先行・ピッキング。
上記ステップ−8において、滞留量が第2所定量g未満のとき、第1滞留検出器26がオンか、すなわち前記滞留量が第2所定量gより少なく、且つ第1所定量f(<g)以上かどうかを確認し(ステップ−10)、第1所定量f以上で第2所定量g未満のとき、すなわちメイン集品ライン22が、合流待ちで停止する懸念があるとき、各ゾーンZにおける物品33の仕分け作業の優先順位を次のように設定する(ステップ−11)。
【0228】
(i)メイン通常・ピッキング。
(ii)サブ通常・ピッキング。
(iii)メイン先行・ピッキング。
【0229】
(iv)サブ先行・ピッキング。
ステップ−10において、第1所定量f未満のとき、すなわちメイン集品ライン22が、合流待ちで、タクト送りが停止する懸念が増大すると(サブ集品ライン23により搬出された集品容器21が、合流装置67により合流できずに、メイン集品ライン22からの集品容器21の搬出に支障がでる懸念が増大すると)、ステップ−6を実行する。
【0230】
またステップ−7において、メイン集品ライン22のタクト送りを確認しないとき、サブ集品ライン23のタクト送りを確認すると(ステップ−12)、第1滞留検出器26がオンかどうかを確認し(ステップ−13)、確認すると、ステップ−7へ戻る。確認できないと、すなわち滞留量が第1所定量f未満のとき、ステップ−6を実行し、各ゾーンZにおける仕分け作業の優先順位の設定を更新し、“サブ通常・ピッキング”に戻って、サブ集品ライン23によるタクト送りされてきた集品容器21に対してピッキング作業をできるようにする。
【0231】
上記構成による、ピッキングエリア13,14における作用を説明する。
「ゾーンZ(1)〜(m)でのピッキング作業」
メイン集品ライン22の自ゾーン・隣接する上流ゾーンと、サブ集品ライン23の自ゾーン・隣接する上流ゾーンにおけるピッキング作業の4つのゾーンZの優先順位が、仕分け作業の開始時からの作業時間が所定時間未満のとき、メイン集品ライン22またはサブ集品ライン23がタクト送りされる毎に設定され、さらに作業時間が所定時間以上となると、第1バッファライン25に滞留された集品容器21の量により、メイン集品ライン22がタクト送りされる毎に、あるいはサブ集品ライン23がタクト送りされ、滞留量が第1所定量f未満のときに、設定される。
【0232】
<作業開始時>
仕分け作業の開始時からの作業時間が所定時間未満のとき、または第1滞留検出器26により集品容器21が確認されるまでは、優先順位は、(i)サブ通常・ピッキング、(ii)サブ先行・ピッキング、(iii)メイン通常・ピッキング、(iv)メイン先行・ピッキングとなり、各ゾーンZ(1)〜(m)においてサブ集品ライン23の自ゾーン・隣接する上流ゾーンにおけるピッキングが優先されて実行される。
【0233】
各ゾーンZ(1)〜(m)において、自ゾーンにおけるサブ集品ライン23上の集品容器21へのピッキングが終了すると、空いた待ち時間があるとき、上流の各ゾーンZ(1)〜(m−1)におけるサブ集品ライン23上の集品容器21へのピッキングが実行される。各ゾーンZ(1)〜(m)においてサブ集品ライン23上の集品容器21へのピッキングが全て終了すると、サブ集品ライン23はタクト送りされ、さらにサブ集品ライン23上でタクト送りされる集品容器21は、少品種少量の集品を行う集品容器21であることから、サブ集品ライン23上の集品容器21へのピッキングは急速に進捗され、最も下流のゾーンZ(m)からピッキング作業が終了した集品容器21が第1バッファライン25へ搬出され、下流まで搬送され、滞留される。
【0234】
また各ゾーンZ(1)〜(m)において、サブ集品ライン23の自ゾーン・隣接する上流ゾーンにおけるピッキングが終了し、さらに空いた待ち時間には、メイン集品ライン22の自ゾーン・隣接する上流ゾーンへのピッキング作業が実行される。
【0235】
<第1バッファライン25へ第2所定量gの集品容器21が滞留されるまでの時間>
仕分け作業の開始時からの作業時間が所定時間以上となり、第1滞留検出器26により集品容器21が確認されると、優先順位が切り替わり、(i)メイン通常・ピッキング、(ii)サブ通常・ピッキング、(iii)メイン先行・ピッキング、(iv)サブ先行・ピッキングとなり、各ゾーンZ(1)〜(m)においてメイン集品ライン22におけるメイン通常・ピッキングが優先されて実行される。
【0236】
これにより、各ゾーンZ(1)〜(m)におけるメイン集品ライン22上の集品容器21へのピッキングは迅速に実行され、各ゾーンZ(1)〜(m)におけるメイン集品ライン22上の集品容器21へのピッキングが終了すると、メイン集品ライン22はタクト送りされ、最下流のゾーンZ(m)からピッキング作業が終了した集品容器21は、ゾーンZ(m+1)へタクト送りされる。
【0237】
また各ゾーンZ(1)〜(m)において、メイン集品ライン22における“メイン通常・ピッキング”が終了して空いた待ち時間またはメイン集品ライン22がタクト送りされている時間には、各ゾーンZ(1)〜(m)におけるサブ集品ライン23上の集品容器21へのピッキング作業が実行され、各ゾーンZ(1)〜(m)におけるサブ集品ライン23上の集品容器21へのピッキング作業が終了すると、サブ集品ライン23はタクト送りされ、最下流のゾーンZ(m)からピッキング作業が終了した集品容器21は、第1バッファライン25へ搬出され、下流まで搬送され、滞留される。
【0238】
また“サブ通常・ピッキング”が終了して空いた待ち時間は、(iii)メイン先行・ピッキング、(iv)サブ先行・ピッキングの順に各ライン22,23における先行ピッキング作業が実行される。
【0239】
<通常(第1バッファライン25へ第2所定量g以上の集品容器21が滞留されたとき>
仕分け作業の開始時からの作業時間が所定時間以上となり、第2滞留検出器27により集品容器21が確認されると、(i)メイン通常・ピッキング、(ii)メイン先行・ピッキング、(iii)サブ通常・ピッキング、(iv)サブ先行・ピッキングと優先順位が切り替わり、各ゾーンZ(1)〜(m)の自ゾーンZにおけるメイン集品ライン22におけるメイン通常・ピッキングが優先され、空いた待ち時間に、各ゾーンZ(1)〜(m)の隣接する上流ゾーンZにおけるメイン集品ライン22におけるメイン先行・ピッキングが優先され、各ゾーンZ(1)〜(m)では、メイン集品ライン22によりタクト送りされてきた集品容器21に対して、物品33の仕分けが優先して実行される。
【0240】
これにより、各ゾーンZ(1)〜(m)におけるメイン集品ライン22上の集品容器21へのピッキングは迅速に実行され、各ゾーンZ(1)〜(m)におけるメイン集品ライン22上の集品容器21へのピッキングが終了すると、メイン集品ライン22はタクト送りされ、最下流のゾーンZ(m)からピッキング作業が終了した集品容器21は、ゾーンZ(m+1)へタクト送りされる。
【0241】
また各ゾーンZ(1)〜(m)において、メイン集品ライン22における“メイン通常・ピッキング”および“メイン先行・ピッキング”が終了して空いた待ち時間、またはメイン集品ライン22がタクト送りされている時間に、“サブ通常・ピッキング”、“サブ先行・ピッキング”の順に作業が実行され、サブ集品ライン23によりタクト送りされてきた集品容器21に対して、物品33の仕分けが実行され、作業者の作業待ち時間が有効に使用され、生産性が向上する。
【0242】
メイン集品ライン22上の集品容器21へのピッキングは急速に進みタクト送りされるが、メイン集品ライン22上の各集品容器21は、注文された物品33の品種と数量が多い集品容器21であるため(少品種少量の集品を行う集品容器21ではないため)、空いた待ち時間、またはメイン集品ライン22がタクト送りされている時間に実行される“サブ通常・ピッキング”、“サブ先行・ピッキング”によるサブ集品ライン23上の少品種少量の集品を行う集品容器21へのピッキングも同様に進み、最下流のゾーンZ(m)からピッキング作業が終了した集品容器21が第1バッファライン25へ搬出され、下流まで搬送され、滞留される。
【0243】
「ゾーンZ(m+1)〜(p)でのピッキング作業」
ゾーンZ(m+1)〜(p)にはサブ集品ライン23に対するピッキング作業がないために、上記<通常>のピッキング作業が実行され、最下流のゾーンZ(p)からピッキング作業が終了した集品容器21は、第3搬送コンベヤ66へ搬出される。
【0244】
以上のように、本実施の形態3によれば、上記実施の形態1と同様に、上記実施の形態1と同様に、分岐地点で、メイン集品ライン22より分岐された集品容器21が、サブ集品ライン23によりタクト送りされ、サブ集品ライン23より搬出され、第1バッファライン25により搬送され、合流地点で、メイン集品ライン22から搬出された集品容器21と、予め設定された順(例えば、配送方面のユーザー順)で合流されることにより、例えば、配送方面別にかご車に積み込まれる順が狂い、配送順に集品容器21が並ばなくなることを回避でき、異なる方面別のかご車へ積み込まれて配送されるミスを回避できる。
【0245】
また仕分け作業の開始時からの作業時間が所定時間未満のとき、または第1滞留検出器26が動作せずに、第1バッファライン25における合流装置67からの集品容器21の滞留量が第1所定量f未満のとき、すなわちメイン集品ライン22が、合流待ちで停止する懸念が大きいと、まずサブ集品ライン23によるタクト送りされてきた集品容器21に対する、“サブ通常・ピッキング”と“サブ先行・ピッキング”が優先して実行され、またサブ集品ライン23上でタクト送りされる集品容器21は少品種少量の集品を行う集品容器21であることから、サブ集品ライン23上の集品容器21へのピッキングは急速に進捗され、最も下流のゾーンZ(m)からピッキング作業が終了した集品容器21が第1バッファライン25へ搬出され、第1バッファライン25に急速に集品容器21を滞留することができ、合流が遅れ、メイン集品ライン22のタクト送りが停止してしまうことを回避できる。
【0246】
また本実施の形態3によれば、仕分け作業の開始時からの作業時間が所定時間以上となり、第2滞留検出器27が動作せずに集品容器21の滞留量が第2所定量g未満で、メイン集品ライン22が、合流待ちで停止する懸念があるとき、メイン集品ライン22の集品容器21に対して、“メイン通常・ピッキング”が実行され、その待ち時間の最初に、サブ集品ライン23によるタクト送りされてきた集品容器21への“サブ通常・ピッキング”が行われ、サブ集品ライン23の仕分けが進捗されることにより、合流が遅れることを防止できる。
【0247】
また仕分け作業の開始時からの作業時間が所定時間以上となり、第2滞留検出器27が動作して、第1バッファライン25へ第2所定量g以上の集品容器21が滞留された状態では、メイン集品ライン22の集品容器21に対して、“メイン通常・ピッキング”と“メイン先行・ピッキング”が優先して実行されることにより、メイン集品ライン22により搬送されてくる集品容器21への仕分け作業を、迅速に実行することができる。さらに待ち時間が発生すると、サブ集品ライン23の集品容器21に対する、“サブ通常・ピッキング”と“サブ先行・ピッキング”が実行されることにより、サブ集品ライン23の集品容器21への仕分け作業が実行され、空いた待ち時間を有効に使用することができる。
【0248】
なお、本実施の形態3では、仮置棚34を設置しない構成とされ、仮置棚34の各棚32に対応して停止した集品容器21に対して、先行ピッキングしていた物品33を投入する作業が不要となり、停止する各集品容器21と各棚32の位置を特定する必要がなくなることにより、各集品ライン22,23をタクト送り搬送する必要がなく、連続搬送とすることもできる。
[その他の実施の形態]
上記実施の形態1〜3では、「搬送経路全体により搬送される集品容器21の総個数Nに対する予め設定された割合Q(50%未満)」により、仕分け先の物品要求情報の特性として少品種少量の条件を求め、少品種少量の条件に相当する集品容器21を求めて分岐する集品容器21の分岐データを形成し、分岐データに基づいてサブ集品ライン(第二仕分ライン)23に分岐しているが、「注文の物品33の総仕分け量に対する割合(50%未満)」により同様に分岐データを形成し、分岐データに基づいてサブ集品ライン23に分岐するようにしてもよい。
【0249】
このように、サブ集品ライン23に分岐される集品容器21を、物品33の総仕分け量の50%未満の物品33が投入される集品容器21とすることにより、通常はメイン集品ライン22の集品容器21に対する仕分け作業が優先されても(サブ集品ライン23の集品容器21への物品33の仕分け作業の機会が少なくなっても)、サブ集品ライン23の仕分けの進捗が遅れることを改善できる。
【0250】
また搬送経路全体により搬送される集品容器21の総個数Nに対する割合Q(50%未満)により少品種少量の条件を求め、少品種少量の条件に相当する集品容器21を、サブ集品ライン23へ分岐する集品容器21として求めているが、最初からユーザーの注文が、予め設定した少品種少量(仕分け先の物品要求情報の特性)の条件を満たす集品容器21であることや、仕分ける物品33の品種が1で且つ数量が1、または品種が1で且つ数量が2以上、或いはその組み合わせの集品容器21であることを分岐する条件として、サブ集品ライン23へ分岐する集品容器21を求めるようにしてもよい。
【0251】
また上記実施の形態1〜3では、サブ集品ライン23へ分岐する集品容器21の条件を、ユーザーからの注文が少品種少量の集品容器としているが、必ずしも、少品種少量に限ることはなく、サブ集品ライン23によりタクト送りされてくる集品容器21への作業量が小さい、あるいは作業性がよくて作業時間が短くてよく作業者の作業効率が良い物品33が注文されていることを条件としてもよい。作業者の作業効率が良い物品33として、例えば、仕分ける物品33の特性により、重量が軽い物品、または長さが短い物品、または容積率が小さい物品、または壊れにくい物品、または取り扱いやすい形状の物品、あるいはこれらの組み合わせによる物品が考えられる。
【0252】
また上記実施の形態1〜3では、第1ピッキングエリア13のみにサブ集品ライン23を敷設しているが、第1ピッキングエリア13に代えて、第2ピッキングエリア14にサブ集品ライン23を敷設するようにすることも可能であり、さら第1ピッキングエリア13と第2ピッキングエリア14に連続して敷設するようにすることも可能である。
【0253】
また上記実施の形態1〜3では、サブ集品ライン23のみに第1バッファライン25を設けているが、メイン集品ライン22にも第1バッファライン25を設けることも可能である。
【0254】
また上記実施の形態1〜3では、集品容器投入エリア10においてビニール袋50に貼り付けるラベル51の色は特定していないが、集品容器21の配送方面別にラベルの色を変えるようにしてもよい。色を変えることにより、梱包エリア16で作業者が梱包作業をするときに、配送方面別に集品容器21が並んで、搬送されてきたかどうかを確認でき、また出荷エリア17でかご車に積載するとき、他の方面の集品容器21が混ざっていないかを確認でき、配送ミスを回避することができる。
【0255】
また上記実施の形態1〜3では、集品容器21は折り畳み可能なコンテナにより形成されているが、コンテナ、または段ボール箱、または枠体により支持された袋であってもよい。
【0256】
また上記実施の形態1〜3では、入荷用容器36を格納する仕分け棚をフローラック31により構成しているが、フローラック31に限ることはなく、固定棚等であってもよい。
【0257】
また上記実施の形態1〜3では、仕分け設備Eが「個別の予め登録されたお客(ユーザー)から注文を受けた物品を、ユーザーに割り当てられた集品容器に集めて、毎日、配送するデリバリー・サービスに対応する仕分け設備」であることを踏まえ、各集品容器(仕分容器の一例)21には個別のユーザーを設定している(割り当てている)が、ユーザーの範囲を広げて、デリバリー・サービスを受ける店舗や、店舗内の特定の売り場やフロアーを、集品容器21に設定するようにしてもよい。このとき、店舗内の特定の売り場やフロアーが複数の場合には、梱包エリア16において、複数の売り場やフロアー毎にそれぞれ集品容器21に仕分けられた物品33(ビニール袋50に収納されている)をビニール袋50ごと取り出し、代表する集品容器21(例えば、売り場やフロアーの店舗を特定する集品容器21)に詰め替えて出荷するようにしてもよい。出荷先では、集品容器21を開いたとき、各ビニール袋50にそれぞれ取り付けられたラベル51により、ビニール袋50に収納された物品33が、どの売り場か、あるいはフロアーかを特定することができる。
【0258】
また上記実施の形態1〜3では、作業者側から見てメイン集品ライン22の奥側に位置するサブ集品ライン23の集品容器21の搬送面を水平としているが、搬送面を作業者側へ傾けて、サブ集品ライン23の集品容器21へ物品33を問投入しやすくすることもできる。このとき、サブ集品ライン23に、集品容器21が搬送面の傾きにより滑り落ちしないように、集品容器21を支持する支持材を設ける必要がある。
【0259】
また上記実施の形態1〜3では、分岐・合流装置59は、まず第1搬送コンベヤ58により搬送されてきた集品容器21を第2搬送コンベヤ61へ分岐し、続いて第2バッファライン56により搬送されてきた集品容器21を合流させているが、逆に第2バッファライン56により搬送されてきた集品容器21を合流させた後に、第2搬送コンベヤ61へ分岐するようにしてもよい。但し、先に集品容器21を第2搬送コンベヤ61へ分岐すると、サブ集品ライン23へはやく集品容器21を提供できるので、サブ集品ライン23による仕分け作業をはやく開始することができ、第1バッファライン25への集品容器21の滞留をはやくすることができる。
【0260】
また上記実施の形態1〜3では、ユーザーより要求される頻度の高低により、物品33を、高頻度品と中頻度品と低頻度品の分類に分類しているが、低頻度品と、この低頻度品より要求の頻度が高い高頻度品に分類するようにしてもよい。このとき、低頻度品の物品33を、低頻度品ピッキングエリア11の自動倉庫の各棚に割り当て、低頻度品ピッキングエリア11で集品し、また高頻度品を、第1ピッキングエリア13と第2ピッキングエリア14の各ゾーンZの間口37に割り当て、各ゾーンZで集品する。さらに、低頻度品と高頻度品の分類が更新されると、高頻度品から低頻度品に分類が変更となった物品33と、低頻度品から高頻度品に分類が変更となった物品33はそれぞれ、リストにまとめられて出力され、仕分け設備Eの作業者へ提示され、また分類の更新は、ゾーンZで仕分けに従事する作業者の人数により実行される。
【0261】
また上記実施の形態1〜3では、集品ライン22,23に沿って備えられたフローラック(仕分け棚の一例)31は、その複数の間口(区画収納空間の一例)37を集品ライン22,23に向けて配置しているが、複数の間口37を集品ライン22,23とは直角な向きとして配置してもよい。
【符号の説明】
【0262】
E 仕分け設備
10 集品容器投入エリア
11 低頻度品ピッキングエリア
12 分岐・合流・切り出しエリア
13 第1ピッキングエリア
14 第2ピッキングエリア
15 合流・搬送エリア
16 梱包エリア
17 出荷エリア
21 集品容器(仕分容器)
22 メイン集品ライン
23 サブ集品ライン
25 第1バッファライン
26,27 滞留検出器
31 フローラック
32 棚
33 物品
34 仮置棚
37 間口
38 ピッキングコントローラ
39 ピッキング表示器
44,91 コンベヤ投入表示器
45 仮置表示器
48 ゾーン表示器
50 ビニール袋
51 ラベル
52 ラベルプリンタ
53 ディスプレイ
58,61,66,68 搬送コンベヤ
59 分岐・合流装置
62,63 切り出しコンベヤ
64,69,70 バーコードリーダ
67 合流装置
71 統括コンピュータ
72 容器搬入コントローラ
73 分岐・合流コントローラ
74 合流コントローラ
75 低頻度ピッキングコントローラ
92 赤色ランプ付きの第1押釦スイッチ
93 緑色ランプ付きの第2押釦スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕分け対象の物品をそれぞれ収納する複数の区画収納空間を有し、所定数の区画収納空間毎に、仕分け作業を実行するゾーンが設定された仕分け棚を備え、
前記仕分け棚に沿って、仕分け先がそれぞれ特定された複数の集品容器を搬送する搬送経路を備え、
前記搬送経路により搬送される前記各集品容器に、前記仕分け先の物品要求情報に応じて前記仕分け棚の各区画収納空間から物品の仕分けを行う仕分け設備であって、
前記搬送経路を、
前記複数の集品容器を搬送する第一集品ラインと、
最上流の前記ゾーンより上流に位置する分岐地点で、前記第一集品ラインへ搬送される集品容器より分岐される複数の集品容器を、搬送する第二集品ラインと、
前記第二集品ラインから搬出された集品容器を、最下流の前記ゾーンより下流に位置する合流地点で、前記第一集品ラインにより搬送された集品容器と、予め設定された順番で合流させるバッファライン
から構成し、
前記仕分け作業の開始時から作業時間を確認し前記作業時間が所定時間未満のとき、または
前記バッファラインにおける前記合流地点からの集品容器の滞留量を確認し前記滞留量が第1所定量未満のとき、
前記各ゾーンでは、前記第二集品ラインにより搬送されてきた前記集品容器に対して、前記物品の仕分けが優先して実行されること
を特徴とする仕分け設備。
【請求項2】
前記第二集品ラインにより搬送される集品容器は、
前記搬送経路全体により搬送される集品容器の総個数または物品の総仕分け量の50%未満の条件を満たす集品容器、または
前記各仕分け先からの物品の要求情報が少品種少量の条件を満たす集品容器、または
前記搬送経路全体により搬送される集品容器の総個数または物品の総仕分け量の50%未満で、かつ前記各仕分け先からの物品の要求情報が少品種少量の条件を満たす集品容器であること
を特徴とする請求項1に記載の仕分け設備。
【請求項3】
前記搬送経路の上流側に位置する各ゾーンの仕分け棚の各区画収納空間には、前記各仕分け先からの物品の要求情報により、前記第二集品ラインで搬送される各集品容器に仕分けられる物品が少なくとも収納され、
前記第二集品ラインでは、前記上流側に位置する各ゾーンにおいてのみ前記仕分け棚の各区画収納空間より物品が仕分けられること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の仕分け設備。
【請求項4】
前記第一集品ラインおよび第二集品ラインはそれぞれ、前記複数の仕分容器を前記ゾーン毎にタクト送りすること
を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の仕分け設備。
【請求項5】
前記第一集品ラインに沿って、各ゾーンに、前記第一集品ラインによりタクト送りされてくる各集品容器にそれぞれ対応した棚を有し、各棚毎に、次回に前記第一集品ラインによりタクト送りされてくる各集品容器に仕分ける物品を先行して仕分けることが可能な仮置棚を配置し、
前記作業時間が所定時間未満のとき、または前記滞留量が第1所定量未満のとき、各ゾーンにおける物品の仕分けの順序は、
まず、前記第二集品ラインによるタクト送りされてきた前記集品容器に対して実行され、
次に、前記第一集品ラインによるタクト送りされてきた前記集品容器に対して実行され、
次に、各棚に対応する集品容器へ、前記仮置棚の各棚に先行して仕分けられた物品の投入が実行され、
次に、前記仮置棚の各棚に対して実行されるように設定され、
前記作業時間が所定時間以上で、且つ前記滞留量が前記第1所定量以上で前記第1所定量より大きい第2所定量未満のとき、各ゾーンにおける物品の仕分けの順序は、
まず前記第一集品ラインによるタクト送りされてきた前記集品容器に対して実行され、
次に、各棚に対応する集品容器へ、前記仮置棚の各棚に先行して仕分けられた物品の投入が実行され、
次に、前記第二集品ラインによるタクト送りされてきた前記集品容器に対して実行され、
次に、前記仮置棚の各棚に対して実行されるように設定され、
前記作業時間が所定時間以上で、且つ前記滞留量が前記第2所定量以上のとき、各ゾーンにおける物品の仕分けの順序は、
まず前記第一集品ラインによるタクト送りされてきた前記集品容器に対して実行され、
次に、各棚に対応する集品容器へ、前記仮置棚の各棚に先行して仕分けられた物品の投入が実行され、
次に、前記仮置棚の各棚に対して実行され、
次に、前記第二集品ラインによるタクト送りされてきた前記集品容器に対して実行されるように設定されること
を特徴とする請求項4に記載の仕分け設備。
【請求項6】
前記第一集品ラインおよび前記第二集品ラインに沿って前記各ゾーン毎に、ゾーン内での仕分け作業を実行する集品容器を指示する第一指示手段と、隣接する下流ゾーン内での仕分け作業を実行する集品容器を指示する第二指示手段を配置し、
前記作業時間が所定時間未満のとき、または前記滞留量が第1所定量未満のとき、各ゾーンにおける物品の仕分けの順序は、
まず、このゾーンの第一指示手段により指示された、前記第二集品ラインにより搬送されてきた前記集品容器に対して実行され、
次に、隣接する上流のゾーンの第二指示手段により指示された、前記第二集品ラインにより搬送されてきた前記上流のゾーンの前記集品容器に対して実行され、
次に、このゾーンの第一指示手段により指示された、前記第一集品ラインにより搬送されてきた前記集品容器に対して実行され、
次に、隣接する上流のゾーンの第二指示手段により指示された、前記第一集品ラインにより搬送されてきた前記上流のゾーンの前記集品容器に対して実行されるように設定され、
前記作業時間が所定時間以上で、且つ前記滞留量が前記第1所定量以上で前記第1所定量より大きい第2所定量未満のとき、各ゾーンにおける物品の仕分けの順序は、
まず、このゾーンの第一指示手段により指示された、前記第一集品ラインにより搬送されてきた前記仕分容器に対して実行され、
次に、このゾーンの第一指示手段により指示された、前記第二集品ラインにより搬送されてきた前記集品容器に対して実行され、
次に、隣接する上流のゾーンの第二指示手段により指示された、前記第二集品ラインにより搬送されてきた前記上流のゾーンの前記集品容器に対して実行され、
次に、隣接する上流のゾーンの第二指示手段により指示された、前記第一集品ラインにより搬送されてきた前記上流のゾーンの前記集品容器に対して実行されるように設定され、
前記作業時間が所定時間以上で、且つ前記滞留量が前記第2所定量以上のとき、各ゾーンにおける物品の仕分けの順序は、
まず、このゾーンの第一指示手段により指示された、前記第一集品ラインにより搬送されてきた前記集品容器に対して実行され、
次に、隣接する上流のゾーンの第二指示手段により指示された、前記第一集品ラインにより搬送されてきた前記上流のゾーンの前記集品容器に対して実行され、
次に、このゾーンの第一指示手段により指示された、前記第二集品ラインにより搬送されてきた前記集品容器に対して実行され、
次に、隣接する上流のゾーンの第二指示手段により指示された、前記第二集品ラインにより搬送されてきた前記上流のゾーンの前記集品容器に対して実行されるように設定されること
を特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の仕分け設備。
【請求項7】
前記集品容器は、コンテナ、または折り畳み可能としたコンテナ、または段ボール箱、または枠体により支持された袋であること
を特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の仕分け設備。
【請求項8】
前記集品容器に、前記仕分け先の物品要求情報に応じて、予め所定の物品を集品する仕分けエリアを設け、この仕分けエリアにより集品が終了した集品容器は、前記分岐地点より下流で、且つ前記ゾーンより上流で、前記第一集品ラインに合流されること
を特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の仕分け設備。
【請求項9】
前記集品容器に、前記仕分け先の物品要求情報に応じて、予め所定の物品を集品する仕分けエリアを設け、
前記仕分け先の物品要求情報に応じて設備全体で集品される物品は、仕分け先より要求される頻度の高低により、少なくとも、低頻度品と、この低頻度品より要求の頻度が高い高頻度品に分類され、
前記低頻度品が、前記仕分け先の物品要求情報に応じて前記仕分けエリアにおいて集品され、
前記高頻度品が、前記仕分け先の物品要求情報に応じて前記ゾーンにおいて集品されること
を特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の仕分け設備。
【請求項10】
前記仕分け先の物品要求情報に応じて設備全体で集品される物品は、仕分け先より要求される頻度の高低により、少なくとも、低頻度品と、この低頻度品より要求の頻度が高い高頻度品に分類され、
前記分類が更新されると、前記高頻度品から低頻度品に分類が変更となった物品と、前記低頻度品から高頻度品に分類が変更となった物品はそれぞれ、リストにまとめられて出力され、仕分け設備の作業者へ提示されること
を特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の仕分け設備。
【請求項11】
前記仕分け先の物品要求情報に応じて設備全体で集品される物品は、仕分け先より要求される頻度の高低により、少なくとも、低頻度品と、この低頻度品より要求の頻度が高い高頻度品に分類され、
前記分類の更新は、前記ゾーンで仕分けに従事する作業者の人数により実行されること
を特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の仕分け設備。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−93667(P2011−93667A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−249601(P2009−249601)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】