説明

仮想空間における衝突モデルの制御方法およびその装置

【課題】遊戯者にフットワークに加えて戦略性を感じさせること。
【解決手段】三次元の仮想空間の中でオブジェクト204、ボール208、バルーン210が変化する過程で、球出しマシーン214から打ち出されたボール208がオブジェクト204が保持しているラケット206の操作によってバルーン210に向けて打ち返されると、ボール208がバルーン210に衝突した際に、バルーン210に付加された矢印212の方向に向かってボール208が跳ね返される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三次元の仮想空間の中で複数のモデルが予め定められた所定のプログラムに基づいて視覚的に変化する過程で、第1モデルが第2モデルに衝突した際に、第1モデルの反射を制御する仮想空間における衝突モデルの制御方法およびその装置、並びに仮想空間における衝突モデルの制御方法が記録された記録媒体およびゲーム機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータグラフィックス技術の発達に伴い、業務用、家庭用を問わず、シミュレーション装置やゲーム装置が広く一般に普及するようになっている。
【0003】
この種の装置の画面は、背景画面と、この背景画面内でオブジェクトがコンピュータのプログラムあるいはコントローラの指示により移動し、当該ゲームに即した変化や動作を実行するようになっている。
【0004】
このとき、ゲーム内容によっては、ルール説明、操作説明、得点の経過や結果、オブジェクトに動作期限などがある場合にはライフゲージなど、様々な文字や記号による情報を表示する必要がある。この場合、画面の上部や隅などに表示領域を設け、この表示領域に、様々な文字や記号による情報を表示することで、オブジェクトと重なることなく、且つ背景画面をはっきり区別して明確に情報を表示することができる(特開2003-6675号公報)。
【0005】
一方、ゲーム上のオブジェクトは、何らかのアクションによって得点を得たり、勝敗を決めたりするのが一般的であるが、そのアクションには、通常のアクションと、ここ1番のときに使用する特殊なアクション(いわゆる秘技とか裏技とか言われるもの)とがある。
【特許文献1】特開2003-6675号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来のゲーム機では、スカッシュなどのゲームを行うときには、遊戯者がボールを打つ操作を行ってボールをターゲットに当てた場合でも、ボールがターゲットから反射する際の形態が一様であって、遊戯者にフットワークに加えて戦略性を感じさせるには十分ではない。
【0007】
本発明は、前記従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊戯者にフットワークに加えて戦略性を感じさせることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明は、三次元の仮想空間の中で複数のモデルが予め定められた所定のプログラムに基づいて視覚的に変化する過程で、第1モデルが第2モデルに衝突した際に、第1モデルの反射を制御する仮想空間における衝突モデルの制御方法であって、前記第1モデルが前記第2モデルに衝突して反射する際に、前記第2モデルにその反射のパラメータを設定し、当該パラメータに基づいて第1モデルを反射させることを特徴とする。
【0009】
仮想空間における衝突モデルの制御方法を採用するに際しては、第2モデルに、パラメータに基づく表示体を付加したり、第2モデルに付加された表示体の表示形態を継続的に変化させたりすることができる。また、第2モデルとして、表示体の相異なる複数個のものを用い、複数個の第2モデルを位置情報に従って分散して配置したり、第2モデルに関するパラメータを難易度に関連づけて設定したりすることができる。また、第2モデルに関するパラメータを、第1モデルの反射方向、第1モデルの反射速度、または第1モデルの落下目標地点のいずれかに対応づけて設定することができる。
【0010】
また、本発明は、仮想空間のフィールドを移動領域として、複数の参加プレイヤがそれぞれ操作する全ての選手キャラクタを前記フィールド上に配置し、各選手キャラクタに第1モデルに対する打順を順次表示し、前記複数の参加プレイヤの操作に対して、前記各選手キャラクタに対するスイング入力を前記打順に従って順次受付けるとともに前記各選手キャラクタに対する移動入力を全て受付ける一方、前記打順から外れたスイング入力の受付けを無視し、前記スイング入力が受付けられた選手キャラクタに対して順次第1モデルを打つためのスイングを実行することを特徴とする仮想空間におけるキャラクタの制御方法を採用したものである。
【0011】
また、本発明は、三次元の仮想空間の中で複数のモデルが予め定められた所定のプログラムに基づいて視覚的に変化する過程で、第1モデルが第2モデルに衝突した際に、第1モデルの反射を制御する仮想空間における衝突モデルの制御装置であって、前記第1モデルが前記第2モデルに衝突して反射する際に、前記第2モデルにその反射のパラメータを設定するパラメータ設定手段と、前記パラメータ設定手段の設定によるパラメータに基づいて第1モデルを反射させる第1モデル制御手段とを備えてなることを特徴とする。
【0012】
仮想空間における衝突モデルの制御装置を構成するに際しては、第2モデルに、パラメータに基づく表示体を付加したり、第2モデルに、その表示形態が継続的に変化する表示体を付加したりすることができる。第2モデルとして、表示体の相異なる複数個のものを備え、複数個の第2モデルを位置情報に従って分散して配置することができる。また、パラメータ設定手段により、第2モデルに関するパラメータを難易度に関連づけて設定したり、第2モデルに関するパラメータを、第1モデルの反射方向、第1モデルの反射速度、または第1モデルの落下目標地点のいずれかに対応づけて設定したりすることができる。
【0013】
また、前記いずれかの仮想空間における衝突モデルの制御方法を実現するためのプログラムまたはこれが記録された記録媒体を構成したり、前記いずれかの仮想空間における衝突モデルの制御方法が予めプログラムされたゲーム機を構成したりすることができる。
【0014】
さらに、本発明は、仮想空間のフィールドを移動領域として、複数の参加プレイヤがそれぞれ操作する全ての選手キャラクタを前記フィールド上に配置し、各選手キャラクタを制御する仮想空間におけるキャラクタの制御装置において、各選手キャラクタに第1モデルに対する打順を順次表示する表示手段と、前記複数の参加プレイヤの操作に対して、前記各選手キャラクタに対するスイング入力を前記打順に従って順次受付けるとともに前記各選手キャラクタに対する移動入力を全て受付ける一方、前記打順から外れたスイング入力の受付けを無視する操作入力受付手段と、前記操作入力受付手段によりスイング入力が受付けられた選手キャラクタに対して順次第1モデルを打つためのスイングを実行する選手スイング動作制御手段と、前記操作入力受付手段により移動入力が受付けられた選手キャラクタに対する移動を制御する選手移動制御手段とを備えてなることを特徴とする仮想空間におけるキャラクタの制御装置したものである。
【0015】
この発明によれば、第1モデルが第2モデルに衝突して反射する際に、第2モデルにその反射パラメータが設定され、設定されたパラメータに基づいて第1モデルが反射するため、例えば、第1モデルであるボールが第2モデルのバルーンに衝突した際には、第2モデルのバルーンは第1モデルのボールに対して、強いボールに対しては強く、弱いボールに対しては弱く弾き返すので、遊戯者に対してフットワークに加えて戦略性が必要であることを感じさせることができ、ゲームにより興味を持たせることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、遊戯者に対して、フットワークに加えて戦略性が必要であることを感じさせることができ、ゲームにより興味を持たせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、本発明に係る仮想空間における衝突モデルの制御方法がプログラムされたゲーム装置の構成を示している。図1において、ゲーム装置は、CPU101などを中心に構成される制御部1、遊戯者が制御部1に操作信号を入力するための入力装置2、オペレーティングシステム(以下、「OS」と言う。)やアプリケーションプログラム(ゲームプログラム)を記憶し、必要に応じて制御部1にこれらのプログラムを入力するための外部記憶装置3、遊戯者に画像や音を提供するための表示装置4aおよびスピーカ4bなどからなる出力装置4を備えている。また、電話回線などを介して他のコンピュータやゲーム装置とデータの送受信をするための通信装置5を備えている。なお、外部記憶装置3は、図示したCD−ROMなどに限らず、制御部1からのデータを書き込み保持可能な記録媒体などであってもよい。
【0018】
ゲームを開始すべく電源が投入されると、図示しないブートプログラムローダは、ROM102に記憶されているブートプログラム(イニシャルプログラムと呼ばれることもある。)をCPU101にロードし、CPU101は、ブートプログラムを実行する。CPU101は、このブートプログラムにしたがって、CD−ROMなどに記憶されているOSの全部または必要な部分をメインメモリ103にロードし、OSを実行する。
【0019】
CPU101は、このOSの制御の下、CD−ROMなどに記憶されているアプリケーションプログラム(以下、単に「プログラム」と言うこともある。)の全部または必要な部分をメインメモリ103にロードするとともに、必要に応じてCD−ROMなどに記憶されている描画データや画像データをグラフィックメモリ104にロードし、またサウンドデータをサウンドメモリ105にロードする。
【0020】
CPU101は、OSの制御の下、メインメモリ104に記憶されたアプリケーションプログラムを実行する。アプリケーションプログラムの実行に伴うデータは、メインメモリ104やバックアップメモリ106に必要の都度書き込まれ参照される。バックアップメモリ106は、ゲームの中断などで電源が遮断されてもそのままの状態を保持するために、データを記憶する。
【0021】
なお、本実施の形態において、OSやアプリケーションプログラムなどは、CD−ROMから提供されるように構成しているが、例えば、ROMからまたはネットワークを介して他のコンピュータから供給されるように構成することもできる。
【0022】
ビデオディスプレイプロセッサ(VDP;Video Display Processor)107は、グラフィックメモリ104に記憶される画像表示に必要な画像データを読み出して、アプリケーションプログラムの実行により、CPU101からの命令やデータに基づき各種情報処理(画像処置)を行って、画像データを生成する。各種画像処理は、例えば、テクスチャマッピング、光源処理、表示優先処理などがある。生成された画像データを表示装置4aに表示するために、VDP107は、エンコーダ108に出力する。なお、生成された画像データは、例えばフレームバッファメモリなどに書き込み、このフレームバッファメモリから所定のタイミングで読み出すようにしてもよい。
【0023】
サウンドプロセッサ(Sound Processor)109は、サウンドメモリ105に記憶されるサウンドデータを読み出して、アプリケーションプログラムの実行によるCPU101からの命令やデータに基づき、各種情報処理(音声処理)を行う。各種音声処理は、例えば、エフェクト処理、ミキシング処理などがある。各種音声処理が施されたサウンドデータは、D/Aコンバータ110によってアナログデータに変換され、スピーカに出力される。
【0024】
バスアビータ(Bus Arbiter)111は、データ伝送路(バスなど)9を介して接続される各ユニット間同士の制御を行う。例えば、バスアビータ111は、バスを占有するユニットを決定するために、各ユニット間の優先順位を決定したり、占有するユニットのバス占有時間の割当を行ったりする。
【0025】
以上のように構成された本発明のゲーム装置は、CPU101がCD−ROMなどの外部記憶装置から読み込んだプログラムを実行することにより、本発明に係る所定の機能を実現する。
【0026】
例えば、図2に示すように、本ゲーム装置は、画面200に三次元の仮想空間における画像を表示しており、その三次元画像は、大きく分けて背景画像202と、遊戯者の操作に基づいて移動または動作するオブジェクト画像(以下、単に「オブジェクト」と言う。)204に分類される。背景画像202は宇宙空間に相当しており、レクレーションルームを様々視点から表示するようになっている。
【0027】
このゲームの内容は、このレクレーションルーム内に主人公であるオブジェクト204が入り、オブジェクト204が把持しているラケット206のスイングによって、ボール208を複数のバルーン210に向けて打ち返し、ボール208がいずれかのバルーン210に衝突したときには、ボール208が当ったバルーン210を崩すとともに、ボール208が衝突したバルーン210から、当該バルーン210に設定されたパラメータに基づいてボール208を反射させるようになっている。すなわち、三次元空間の中で複数のモデルであるボール208とバルーン210が所定のプログラムに従って視覚的に変化する過程で、第1モボール208がバルーン210に衝突すると、衝突したバルーン210からボール208が弾かれるとともに、ボール208が衝突したバルーン210が破壊(破裂)されるようになっている。
【0028】
この際、各バルーン210は、強いボール208に対しては強く、弱いボール208に対しては弱く弾き返すので、プレイヤにとっては、フットワークに加えて戦略性が必要であることを感じることになる。各バルーン210には、表示体としては矢印212がバラメータに対応付けて設定されており、この矢印212の表示形態を継続的に変化させることもできるようになっている。
【0029】
ゲームを開始するに際しては、図3に示すように、遊戯者がワードマップを選択すると、ルール説明画面がロードされ(S1)、表示装置4aの画面上にはステージ紹介画面が表示される(S2)。このあと遊戯者の操作によりゲームが開始されると、球出しマシーン214からボール208が打ち出される。このボール208を、遊戯者の操作により、ラケット206で打ち返すと、ボール208がいずれかのバルーン210に向けて打ち返される。
【0030】
ボール208が複数のバルーン210のうちいずれかのバルーン210に衝突すると、衝突したバルーン210が破裂するとともに、衝突したバルーン210からは、ボール208が矢印212の方向に跳ね返される。この後、遊戯者が、跳ね返されたボール208を再びラケット206で打ち返す操作を繰り返すことで、ゲームが進行する(S3)。ゲームが進行する過程で、全てのバルーン210が破裂した際には(S4)、図4に示すように、バルーンクリアボーナスが表示される(S5)。この場合、バルーン210を1個割ったときには得点が100ptsとなり、ミスせずにバルーン210を割り続けると、得点が10ptsずつプラスされ、得点は150ptsまで上がることになる。そしてコート内の全てのバルーン210が割られたときには800ptsのボーナス得点となる。
【0031】
ゲームが進行している過程では、ボール208がバルーン210に当たると、ボール208が当たったバルーン210は全て破裂してボール208を矢印212の方向へ弾き返す。この際、速いボール208は速く、遅いボール208は遅く弾き返される。ゲームの進行中に、バルーン210の数が少なくなったとき、あるいは、プレイヤがボール208をミスショットしたときには(S6)、図5に示すように、球出しマシーン214からボール208が補給される(S7)。
【0032】
このようなゲームが行われている過程で、画面上の残り時間210の表示が0となり、ゲーム時間が終了したときには(S8)、画面上のスコア218の値が計算され、スコアがクリア一定条件以上か否かが判定される。このとき、スコア218の値がクリア一定条件を満たさないときには失敗の表示が行われ(S9、S10)、クリア218の値がクリア一定条件以上のときにはクリアが表示され(S11)、キャラクタ成長画面が表示されたあと(S12)、ワードマップに戻り、このルーチンでの処理を終了する。
【0033】
なお、バルーン210の補給を行うに際しては、一度タイムとシーケンスを停止してバルーン210の補給が開始される。この場合、コート上にはバルーン210が常に一定になるようにバルーン210が補給される。このバルーン210の補給はコートの上(画面外)から落として行われ、バルーン210がコートに接地した時点でゲームが再開されるようになっている。
【0034】
また、バルーン210としては、図6に示すように、表示体としてクエッションマーク220が付加されたものや、表示体としてその表示形態が継続的に動く矢印222が付加されたりしたものを用いることができる。クエッションマーク220が付加されたバルーン210は、このバルーン210にボール208が衝突しても、その反射する方向が一定ではないことを示している。また矢印222が付加されたバルーン210は、矢印222が一定角度間で回転または振動しており、ボール208がバルーン210に衝突した際に、そのときの矢印222の向きでボール208の打ち返す方向が決まるようになっている。
【0035】
また、各バルーン210に対して、ボール208の反射方向、反射速度または落下目標地点についてのパラメータを複数の難易度に関連づけて設定することができる。例えば、難易度をレベル1からレベル6までについて設定し、レベル1については、矢印212の角度を全部ほぼ正面に設定する。この場合クオリティはかなり低くなる。またレベル2は、レベル1のクオリティを上げたものとし、レベル3はレベル2が初級者であるのに対して、中級者に対するものであって、矢印212の角度をレベル2よりも高くして難易度をアップさせる。
【0036】
また、レベル4については、上級者に対応したものであって、バルーン210の種類に応じて難易度をアップさせる。レベル5としては、ゲームのコツをマスターした者でなければクリアできないレベルのものであって、バルーン210の数がレベル4のものよりも少なく、ショットのコントロールも求められるレベルとする。レベル6については、マニア向けのレベルであって、角度212については難易度が高い、いわば意地の悪い角度として設定し、バルーン210についても特殊なバルーン210の数も多く設定する。
【0037】
次に、パーティパニックバルーンゲームを行うときには、例えば、図7に示すように、オブジェクト204は4人となる。このゲームは、4人のプレイヤに対応したオブジェクト204が順番にコート上に散らばってバルーン210にボール208を当てるものであって、ミスショットを3回行ったものが抜け、最後に残ったものが勝利者となる。
【0038】
具体的には、図8に示すように、ゲームが開始されると、表示装置4aの画面上にルール説明画面が表示され(S21)、そのあとステージ紹介画面が表示される(S22)。このあと球打ち出しマシーン214からボール208が打ち出され、4人のプレイヤがオブジェクト204を順番に操作してボール208をいずれかのバルーン210に向けて打ち返す操作を行うと、各バルーン210を順次破裂させるゲームが進行する(S23)。このゲームの進行中、全てのバルーン210が破裂したときには(S24)、バルーン210の補給が行われる(S25)。
【0039】
一方、ゲームが行われている過程で、いずれかのプレイヤがミスショットすると、このミスが計測され(S25)、ミスしたプレイヤの回数が3回か否かが判定される(S26)。ミスしたプレイヤのミスの回数が3回以上のときにはミスしたプレイヤは脱落となり(S27)、残ったプレイヤによってゲームが継続される。4人のプレイヤのうち3人のプレイヤが脱落し、1人のプレイヤのみが残るまでバルーン210の補給が行われ、1人のプレイヤのみが残ったときには(S28)、残ったプレイヤが勝利者として表示され(S29)、リトライ画面が表示され(S30)、このルーチンでの処理を終了することになる。
【0040】
パーティパニックバルーンゲームにおいても、ミニゲームと同様に各バルーン210について難易度に応じたパラメータを設定することができる。例えば、ミニゲームのレベル3とレベル4がランダムに出るようにするとともに、各バルーン210をクリアしたときにはレベル5が出るようにし、バルーン210を3回クリアしたときにはレベル6が出るようにすることもできる。またプレイヤがミスショットしたときには、ミスしたプレイヤに対応したオブジェクト204にミスのテキストが表示されるようにすることもできる。
【0041】
また、前記各実施例において、バルーン210に対するパラメータを設定するに際しては、パラメータ210として、矢印212が付加されたもの、クエッションマーク220が付加されたもの、左右に回転する矢印222が付加されたものを用いることができるとともに、ボール208がバルーン210に当たったときの速度に応じて反射速度を設定したり、バルーン210に当たったときのボール208の速度が速いほどボール208にかける縦回転量(順方向)を増やし、ボール208の目標到達地点までの到達速度を設定したりすることもできる。
【0042】
また、バルーン210に対するパラメータを設定するに際しては、ロブ属性として、ボール208の跳ね返り方が通常のバルーン210とは違い高いロブの軌道になるように設定したり、ドロップ属性として、ボール208の跳ね返り方が通常のバルーン210と違いコートの浅い部分に落ちるドロップショットの軌道になるように設定したりすることもできる。
【0043】
また、スキップ属性として、次に打つプレイヤがスキップされるようにする属性を付加することができる。たとえば、1P,2P,3P,4Pでプレイしている場合、通常は、1P→2P→3P→4P→1Pの順番でボール208を打ち返すが、スキップ属性が付加されたバルーン210に1Pの打った球が当たった場合は、次に打つべきプレイヤとして、プレイヤに2Pがスキップされ、代わりに、3Pが打つようにすることもできる。
【0044】
また、リバース属性として、この属性を有するバルーン210にボール208が当たったときに、次に打つプレイヤを逆回りにすることができる。1P,2P,3P,4Pでプレイをしている場合、通常1P→2P→3P→4P→1Pの順番でボール208を打ち返すが、リバース属性が設定されたバルーン210にボール208が当たったときは、4P→3P→2P→1P→4Pの順番に変更される。例えば、1Pがこのバルーン210にボール208を当てた場合は、次に打つプレイヤは2Pではなく、逆回りの4Pになる。
【0045】
また、バルーン210の出現位置を位置情報に基づいて予め設定することができるとともに、各バルーン210の出現位置をランダムに設定することもできる。この場合、難易度にしたがって各バルーン210の出現位置を設定することもできる。
【0046】
次に、バルーン210に矢印212、クエッションマーク220を付加するに際しては、図9に示すように、基本の方向を反対のコートの中央方向とし、その位置から左右にどのくらいの角度をつけるか、あるいはどのくらいの距離を取るかを難易度に応じて決定する。
【0047】
中心となるベクトルを作成するためには、まず、基準位置300を決定する。この場合、左右方向はコートの中央、前後方向はネットからコートの端までの距離の75%の位置を基準に、難易度に応じて最大±25%の幅でランダムに変化させる。最低難易度の場合は、75%の位置に基準位置300を固定する。最大難易度の場合は、50%から100%までのどこかの位置にランダムに基準位置300を設定する。
【0048】
次に、バルーン210と基準位置300とを結ぶ直線を基準ベクトル302に設定する。次に、基準ベクトル302を、難易度に応じて正もしくは負の方向に回転させる。回転の正または負の方向は完全なランダムであって、回転角度は、最低難易度なら0度、最高難易度のときには18度が基準となり、さらに90%〜110%までの乱数を乗じたものになる。またバルーン210の位置から最終ベクトル304,306を加算した位置に、高さ0m〜1mまでの乱数を加算した場所を最終ターゲットとする。バルーン210に跳ね返されたボール208は、このターゲットをノーバウンドで且つ下降中に通過するように飛ばされる。
【0049】
また、矢印222の方向を決定するに際しては、最終ターゲットまでの距離および最終ターゲットの高さを保持することとしている。そして、矢印222の回転はサインカーブで行い、6秒間でsin(π)分回転する周期で動かすこととする。
【0050】
なお、初期角度は乱数で決まるため、ばらばらな方向からスタートする。矢印222の回転角度は予め指定した範囲で、パーティモードでは30〜35度になっている。最終ターゲットを作成するに際しては、制限速度×周期(t)を矢印222の回転成分とし、コート中央方向を目標として、ベクトルを回転させてターゲットを作成している。
本実施例によれば、ボール208がいずれかのバルーン210に衝突して反射する際に、バルーン210に設定されたパラメータに基づいてボール208が反射するため、例えば、強いボール208に対しては強く、弱いボール208に対しては弱く弾き返すので、遊戯者に対してフットワークに加えて戦略性が必要であることを感じさせることができ、ゲームにより興味を持たせることができる。
【0051】
また、本実施形態においては、仮想空間のフィールド(コート)を移動領域として、複数の参加プレイヤ(1p〜4p)がそれぞれ操作する全ての選手キャラクタ(オブジェクト204)をフィールド上に配置し、各選手キャラクタに第1モデル(ボール208)に対する打順を順次表示し、複数の参加プレイヤの操作に対して、各選手キャラクタに対するスイング入力を前記打順に従って順次受付けるとともに各選手キャラクタに対する移動入力を全て受付ける一方、打順から外れたスイング入力の受付けを無視し、スイング入力が受付けられた選手キャラクタに対して順次第1モデルを打つためのスイングを実行するという、仮想空間におけるキャラクタの制御方法を採用することができる。
【0052】
この場合、仮想空間におけるキャラクタの制御装置としては、仮想空間のフィールドを移動領域として、複数の参加プレイヤがそれぞれ操作する全ての選手キャラクタを前記フィールド上に配置し、各選手キャラクタを制御する仮想空間におけるキャラクタの制御装置において、各選手キャラクタに第1モデルに対する打順を順次表示する表示手段と、前記複数の参加プレイヤの操作に対して、前記各選手キャラクタに対するスイング入力を前記打順に従って順次受付けるとともに前記各選手キャラクタに対する移動入力を全て受付ける一方、前記打順から外れたスイング入力の受付けを無視する操作入力受付手段と、前記操作入力受付手段によりスイング入力が受付けられた選手キャラクタに対して順次第1モデルを打つためのスイングを実行する選手スイング動作制御手段と、前記操作入力受付手段により移動入力が受付けられた選手キャラクタに対する移動を制御する選手移動制御手段とを備えてなるもので構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係る仮想空間における衝突モデルの制御方法がプログラムされたゲーム装置の構成図である。
【図2】パニックバルーンゲームのゲーム方法を説明するための図である。
【図3】パニックバルーンゲームの作用を説明するためのフローチャートである。
【図4】バルーンクリアボーナスの表示例を示す図である。
【図5】バルーンの補給方法を説明するための図である。
【図6】バルーンの他の実施例の構成を説明するための図である。
【図7】パーティパニックバルーンゲームの表示例を示す図である。
【図8】パーティパニックバルーンゲームの作用を説明するためのフローチャートである。
【図9】基準ベクトルと最終ベクトルとの関係を説明するための図である。
【符号の説明】
【0054】
4a 表示部(表示装置)
101 CPU
102 ROM
103 メインメモリ
104 グラフィックメモリ
105 サウンドメモリ
106 バックアップメモリ
107 VDP
108 ビデオエンコーダ
109 サウンドプロセッサ
110 D/Aコンバータ
111 バスアビータ
200 画面
202 背景画面
204 オブジェクト
206 ラケット
208 ボール
210 バルーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元の仮想空間の中で複数のモデルが予め定められた所定のプログラムに基づいて視覚的に変化する過程で、第1モデルが第2モデルに衝突した際に、第1モデルの反射を制御する仮想空間における衝突モデルの制御方法であって、前記第1モデルが前記第2モデルに衝突して反射する際に、前記第2モデルにその反射のパラメータを設定し、当該パラメータに基づいて第1モデルを反射させることを特徴とする仮想空間における衝突モデルの制御方法。
【請求項2】
前記第2モデルに、前記パラメータに基づく表示体を付加することを特徴とする請求項1に記載の仮想空間における衝突モデルの制御方法。
【請求項3】
前記第2モデルに付加された表示体の表示形態を継続的に変化させることを特徴とする請求項2に記載の仮想空間における衝突モデルの制御方法。
【請求項4】
前記第2モデルとして、前記表示体の相異なる複数個のものを用い、前記複数個の第2モデルを位置情報に従って分散して配置することを特徴とする請求項2または3に記載の仮想空間における衝突モデルの制御方法。
【請求項5】
前記第2モデルに関するパラメータを難易度に関連づけて設定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の仮想空間における衝突モデルの制御方法。
【請求項6】
前記第2モデルに関するパラメータを、前記第1モデルの反射方向、前記第1モデルの反射速度、または前記第1モデルの落下目標地点のいずれかに対応づけて設定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の仮想空間における衝突モデルの制御方法。
【請求項7】
仮想空間のフィールドを移動領域として、複数の参加プレイヤがそれぞれ操作する全ての選手キャラクタを前記フィールド上に配置し、各選手キャラクタに第1モデルに対する打順を順次表示し、前記複数の参加プレイヤの操作に対して、前記各選手キャラクタに対するスイング入力を前記打順に従って順次受付けるとともに前記各選手キャラクタに対する移動入力を全て受付ける一方、前記打順から外れたスイング入力の受付けを無視し、前記スイング入力が受付けられた選手キャラクタに対して順次第1モデルを打つためのスイングを実行することを特徴とする仮想空間におけるキャラクタの制御方法。
【請求項8】
三次元の仮想空間の中で複数のモデルが予め定められた所定のプログラムに基づいて視覚的に変化する過程で、第1モデルが第2モデルが衝突した際に、第1モデルの反射を制御する仮想空間における衝突モデルの制御装置であって、前記第1モデルが前記第2モデルに衝突して反射する際に、前記第2モデルにその反射のパラメータを設定するパラメータ設定手段と、前記パラメータ設定手段の設定によるパラメータに基づいて第1モデルを反射させる第1モデル制御手段とを備えてなることを特徴とする仮想空間における衝突モデルの制御装置。
【請求項9】
前記第2モデルには、前記パラメータに基づく表示体が付加されてなることを特徴とする請求項8に記載の仮想空間における衝突モデルの制御装置。
【請求項10】
前記第2モデルに付加された表示体は、その表示形態が継続的に変化してなることを特徴とする請求項9に記載の仮想空間における衝突モデルの制御装置。
【請求項11】
前記第2モデルとして、前記表示体の相異なる複数個のものを備え、前記複数個の第2モデルは位置情報に従って分散して配置されてなることを特徴とする請求項9または10に記載の仮想空間における衝突モデルの制御装置。
【請求項12】
前記パラメータ設定手段は、前記第2モデルに関するパラメータを難易度に関連づけて設定してなることを特徴とする請求項8、9、10または11のうちいずれか1項に記載の仮想空間における衝突モデルの制御装置。
【請求項13】
前記パラメータ設定手段は、前記第2モデルに関するパラメータを、前記第1モデルの反射方向、前記第1モデルの反射速度、または前記第1モデルの落下目標地点のいずれかに対応づけて設定してなることを特徴とする請求項8乃至12のいずれか1項に記載の仮想空間における衝突モデルの制御装置。
【請求項14】
仮想空間のフィールドを移動領域として、複数の参加プレイヤがそれぞれ操作する全ての選手キャラクタを前記フィールド上に配置し、各選手キャラクタを制御する仮想空間におけるキャラクタの制御装置において、各選手キャラクタに第1モデルに対する打順を順次表示する表示手段と、前記複数の参加プレイヤの操作に対して、前記各選手キャラクタに対するスイング入力を前記打順に従って順次受付けるとともに前記各選手キャラクタに対する移動入力を全て受付ける一方、前記打順から外れたスイング入力の受付けを無視する操作入力受付手段と、前記操作入力受付手段によりスイング入力が受付けられた選手キャラクタに対して順次第1モデルを打つためのスイングを実行する選手スイング動作制御手段と、前記操作入力受付手段により移動入力が受付けられた選手キャラクタに対する移動を制御する選手移動制御手段とを備えてなることを特徴とする仮想空間におけるキャラクタの制御装置。
【請求項15】
コンピュータに請求項1乃至6のいずれか1項に記載の仮想空間における衝突モデルの制御方法を実現するためのプログラムまたはこれが記録された記録媒体。
【請求項16】
コンピュータに請求項7に記載の仮想空間におけるキャラクタの制御方法を実現するためのプログラムまたはこれが記録された記録媒体。
【請求項17】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の仮想空間における衝突モデルの制御方法が予めプログラムされたゲーム機。
【請求項18】
請求項7に記載の仮想空間におけるキャラクタの制御方法が予めプログラムされたゲーム機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−52374(P2008−52374A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−225885(P2006−225885)
【出願日】平成18年8月22日(2006.8.22)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】