仮止めクリップ及び仮止めクリップの製造方法並びに仮止めクリップ付き窓用板状体
【課題】車体側との擦れ合いに起因する異音の発生を防止するとともに生産性の高い仮止めクリップ及び仮止めクリップの製造方法並びに仮止めクリップ付き窓用板状体を提供する。
【解決手段】本発明の仮止めクリップ12は、基部22、基台部18、及び爪部24からなる樹脂製のクリップ本体26と、車両側の窓用開口枠部32に当接される緩衝層30とが押出成形装置により押し出されて溶着されることにより一体成形される。これにより、後工程にて緩衝部材をクリップ本体に貼り付ける従来の仮止めクリップと比較して、高い生産性を得ることができる。また、一体成形された緩衝層30により、窓用開口枠部との擦れ合いによる異音の発生を防止することができる。
【解決手段】本発明の仮止めクリップ12は、基部22、基台部18、及び爪部24からなる樹脂製のクリップ本体26と、車両側の窓用開口枠部32に当接される緩衝層30とが押出成形装置により押し出されて溶着されることにより一体成形される。これにより、後工程にて緩衝部材をクリップ本体に貼り付ける従来の仮止めクリップと比較して、高い生産性を得ることができる。また、一体成形された緩衝層30により、窓用開口枠部との擦れ合いによる異音の発生を防止することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用板状体である窓ガラスを車両本体の窓用開口枠部に仮止めするための仮止めクリップ及び仮止めクリップの製造方法並びに仮止めクリップ付き窓用板状体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の窓用開口枠部により形成される開口部に取り付けられる車両用窓ガラスは、開口枠部にウレタン系等の接着剤によって固定されている。この窓ガラスの固定方法は、接着剤が硬化して所定の接着強度を得るまでに数時間を要することから、窓ガラス側に仮止めクリップをあらかじめ固着しておき、この仮止めクリップを開口枠部に形成された嵌合用孔に嵌着することにより、接着剤が硬化するまでの間、窓ガラスを開口枠部に仮止めするようにしている。
【0003】
特許文献1に開示された仮止めクリップのクリップ本体は、PBT又は硬質PVCで形成されており、略直方体状の基部と、基部の側面から水平に延出するアームと、基部の上面から上方に延出する爪部とによって構成されている。また、この仮止めクリップの底面は、窓ガラスに対する溶着を促進するために板状の軟質PVCシートが接着されている。この仮止めクリップを窓ガラスの所定の位置に溶着し、仮止めクリップの爪部を、車両の開口枠部に形成された嵌合用孔に嵌着することにより、窓ガラスを仮止めする。
【0004】
特許文献1の仮止めクリップのクリップ本体は、硬質樹脂で射出成形することにより製造され、このクリップ本体の底面に前記軟質PVCシートを後工程にて接着している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3680270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の仮止めクリップは、車体に発生した振動、コーナーリング時やタイヤの突き上げ時に生じる車体の捩れ等に起因して、クリップ本体と嵌合用孔の縁部とが擦れ合い、その部分から擦過音、きしみ音、低級音等の異音が発生するという欠点があった。異音の発生原因は、硬質樹脂製のクリップ本体と自動車用鋼板製の窓用開口枠部の硬質部材同士が擦れ合うことにあると考えられる。
【0007】
よって、このような異音問題は、クリップ本体の、嵌合用孔の縁部に当接する部分に不織布等の緩衝部材を貼り付け、この緩衝部材によって硬質部材同士の擦れ合いを緩衝することにより解消できる。しかし、緩衝部材付きの仮止めクリップを製造するためには、緩衝部材を貼り付ける工程が加わるため、仮止めクリップの生産性が悪くなりコストが増大するという問題があった。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、車体側との擦れ合いに起因する異音の発生を防止するとともに生産性の高い仮止めクリップ及び仮止めクリップの製造方法並びに仮止めクリップ付き窓用板状体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の仮止めクリップの発明は、前記目的を達成するために、基部と、前記基部の底面に略平行に形成された基台部と、前記基部の上面から該基部の底面に対して略平行に延出形成された爪部とからなる樹脂製のクリップ本体を備え、前記基台部と前記爪
部との間の隙間に仮止め用の凹部が形成された仮止めクリップであって、前記クリップ本体には、少なくとも前記凹部が仮止めされる車両本体と当接する面に緩衝層が一体形成されていることを特徴としている。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、基部、基台部、及び爪部からなる樹脂製のクリップ本体と、車両に当接される緩衝層とを一体形成して仮止めクリップを製造するので、後工程にて緩衝部材をクリップ本体に貼り付ける従来の仮止めクリップと比較して、高い生産性を得ることができる。また、一体成形された緩衝層により車体側との擦れ合いによる異音の発生を防止することができる。一体成形の手法としては、仮止めクリップの断面形状に対応した金型から樹脂材料を押し出すことにより仮止めクリップを成形する押出成形法、仮止めクリップの形状に対応した空間を有する金型に樹脂材料を射出することにより仮止めクリップを成形する射出成形法がある。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記緩衝層は、前記クリップ本体よりも軟質の樹脂材料によって形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、緩衝層はクリップ本体よりも軟質の樹脂製であるので、車両との擦れ合いを緩衝することができ、異音の発生を防止することができる。一方でクリップ本体は、板状体を所定の位置に位置ずれすることなく仮止めする必要があるため、剛性のある硬質の樹脂材料で製造される。ここで硬質とはHsA85以上、好ましくはHsA85〜100、更に好ましくはHsA85〜95までの樹脂を指し、軟質樹脂とはHsA85以下、好ましくはHsA50〜70、更に好ましくはHsA55〜65までの樹脂を指す。HsA85未満であると、クリップ本体に要求される仮止め機能が低下し、HsA70を超えると、擦れ合いの緩衝機能が低下するからである。また、HsA60未満であっても緩衝機能が得られるが、あまりにも軟質であると、仮止め機能に悪影響を及ぼす。このような理由から、双方の機能を兼備するため緩衝層の硬さはHsA60以上が好ましい。クリップ本体の樹脂材料としては、硬質塩化ビニル樹脂(PVC)又はポリブチレンテレフタレート(PBT)等の熱可塑性樹脂、緩衝層の樹脂材料としては、軟質ΡVC又は塩素化エチレンコポリマー架橋体アロイによる熱可塑性ゴム(商品名:アルクリン(米国デュポン社製))を例示できる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2において、前記クリップ本体の窓用板状体と当接される面には接着層が形成され、該接着層は前記クリップ本体よりも軟質の樹脂材料によって形成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、クリップ本体の窓用板状体と当接される面に接着層を形成したので、窓用板状体に仮止めクリップを容易に取り付けることができる。この接着層は、クリップ本体の成形後にクリップ本体に接着してもよいが、生産性を高めることから緩衝層と同様にクリップ本体と一体形成することが好ましい。また、この接着層は、車体からクリップ本体を介して伝達された振動を、窓用板状体に伝達することなく緩衝するために、軟質の樹脂製であることが好ましい。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項3において、前記緩衝層と前記接着層とが同一の樹脂材料によって前記クリップ本体に一体成形されていることを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、緩衝層は擦れ合いによる異音を防止することを目的とし、接着層は振動を緩衝することを目的としており、目的はそれぞれ異なるが、双方の目的を達成する樹脂の特性は、クリップ本体よりも軟質であることを要する。よって、緩衝層及び接着層をわざわざ別の軟質樹脂とするのではなく、同一の樹脂とすることにより、樹脂材料の管理が容易になり、また、樹脂材料のコストを削減することができる。
【0017】
請求項5に記載の仮止めクリップの製造方法の発明は、前記目的を達成するために、請求項1、2、3又は4のうちいずれか一つに記載の仮止めクリップは、少なくとも二つ以上の異なる組成の樹脂材料を用いて一体に成形されて製造されることを特徴とする。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、少なくとも二つ以上の異なる組成の樹脂材料を用いて一体に成形することにより、仮止めクリップを製造する。これにより、高い生産性を得ることができるとともに、前記樹脂材料のうち軟質の樹脂材料によって、車体側との擦れ合いによる異音の発生を防止することができる。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項5において、前記仮止めクリップは、前記少なくとも二つ以上の異なる組成の樹脂材料を用いて一体に押し出し成形されて製造されることを特徴とする。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、少なくとも二つ以上の異なる組成の樹脂材料を用いて一体に押し出し成形(多層同時押し出し形成)することにより仮止めクリップを製造する。例えば、ダイと称される金型の出口から樹脂材料を押し出すことにより、仮止めクリップを押し出し形成する。このダイの出口には、クリップ本体用樹脂材料と緩衝層用樹脂材料とを隔離する隔壁が設けられ、クリップ本体用樹脂材料と緩衝層用樹脂材料とをダイの出口に設けられた別々の出口より押し出し、押し出されたクリップ本体部と緩衝層部とを融着させて仮止めクリップを成形する方法を例示できる。
【0021】
このように多層同時押し出し成形により仮止めクリップを製造することにより、短時間で仮止めクリップを製品化できるので、コストダウンを図ることができる。また、押し出し成形は、ダイの金型の形状を変えるだけで、製品の断面形状を自由に変更できる特性を有しているので、仮止めクリップの形状を自由に設定することができるとともに製品設計の自由度が広がる利点がある。
【0022】
請求項7に記載の仮止めクリップ付き窓用板状体の発明は、前記目的を達成するために、請求項1、2、3又は4のうちいずれか一つに記載の仮止めクリップが固着されたことを特徴とする。
【0023】
請求項7に記載の発明によれば、請求項1、2、3又は4のうちいずれか一つに記載の仮止めクリップが固着された仮止めクリップ付き窓用板状体を提供する。すなわち、車体との間で擦れ合いにより生じる異音の発生を防止した仮止めクリップ付きの窓用板状体を提供できる。板状体としては、単板ガラス、強化ガラス、合わせガラス等のガラス板の他、ポリカーボネート類やポリスチレン類等のいわゆる有機透明樹脂材等を例示できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る仮止めクリップによれば、基部、基台部、及び爪部からなる樹脂製のクリップ本体と、車両に当接される緩衝層とを一体形成して仮止めクリップを製造するので、高い生産性を得ることができるとともに、緩衝層により車体側との擦れ合いによる異音の発生を防止することができる。
【0025】
また、本発明に係る仮止めクリップの製造方法によれば、少なくとも二つ以上の異なる組成の樹脂材料を用いて一体に成形したので、高い生産性を得ることができるとともに、前記樹脂材料のうち軟質の樹脂材料によって、車体側との擦れ合いによる異音の発生を防止することができる。
【0026】
更に、本発明に係る仮止めクリップ付き窓用板状体によれば、車体との間で擦れ合いに
より生じる異音の発生を防止した仮止めクリップ付きの窓用板状体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態に係る仮止めクリップ付き窓用板状体の斜視図
【図2】図1に示した仮止めクリップの斜視図
【図3】図2に示した仮止めクリップを窓用板状体に固着する説明図
【図4】図1に示した仮止めクリップ付き窓用板状体が車体に取り付けられた状態を示す要部拡大断面図
【図5】図2に示した仮止めクリップを製造する押出成形装置の一例を示した斜視図
【図6】図5に示した押出成形装置のダイの出口形状を示した説明図
【図7】図5に示した押出成形装置によって成形された仮止めクリップ成形体の斜視図
【図8】接着促進層が基台部の長手方向に複数の帯状に分割して形成されたクリップの断面図
【図9】緩衝層が基部の全面に形成されたクリップの断面図
【図10】仮止めクリップの第1の変形例を示した断面図
【図11】図10に示した仮止めクリップを底面方向から見た斜視図
【図12】図10に示した仮止めクリップを利用して仮止めクリップ付き窓用板状体が車体に取り付けられた状態を示す要部拡大断面図
【図13】第2の変形例の仮止めクリップを利用して仮止めクリップ付き窓用板状体が車体に取り付けられた状態を示す要部拡大断面図
【図14】仮止めクリップの第3の変形例を示した断面図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面に従って本発明に係る仮止めクリップ及び仮止めクリップの製造方法並びに仮止めクリップ付き窓用板状体の好ましい実施の形態について説明する。
【0029】
図1は、実施の形態の仮止めクリップ付き窓用板状体10の斜視図、図2は、その仮止めクリップ12の斜視図がそれぞれ示されている。
【0030】
図1に示す仮止めクリップ付き窓用板状体10は、車両の窓用開口枠部により形成される開口部に取り付けられる略矩形状の車両用窓ガラスであり、その周縁部にはモールド、ガーニッシュと称される樹脂製の周縁部材14が一体に固着されている。そして、この窓用板状体10のコーナー部近傍位置に実施の形態の仮止めクリップ12、12が固着されている。
【0031】
なお、実施の形態の窓用板状体10としては単板ガラスを例示するが、これに限定されるものではなく、例えば強化ガラス、合わせガラス等のガラス板の他、ポリカーボネート類やポリスチレン類等のいわゆる有機透明樹脂材製の板状体であってもよい。
【0032】
また、実施の形態では、2個の仮止めクリップ12、12をコーナー部近傍位置に固着した窓用板状体10を例示しているが、1枚の窓用板状体10に対する仮止めクリップ12の個数及び固着位置はこれに限定されるものではなく、車両の窓用開口枠部に形成される嵌合用孔の個数及び位置に依存する。
【0033】
更に、窓用板状体10に対する仮止めクリップ12の固着方法としては、図3の如く窓用板状体10の表面にプライマー16を塗布し、このプライマー16の塗布部に仮止めクリップ12の基台部18を載置し、仮止めクリップ12を加圧しつつ振動させて、窓用板状体10に仮止めクリップ12を超音波溶着する方法が知られている。
【0034】
一方、仮止めクリップ12の基台部18の下面全域には、溶着促進層(接着層)20が一体形成され、この溶着促進層20の溶着促進作用により窓用板状体10に対する仮止めクリップ12の溶着時間が短縮されている。溶着促進層20は、樹脂製品である仮止めクリップ12との相溶性がよく、且つ仮止めクリップ12より短時間で溶融する軟質の材料、例えば、軟質ΡVC等で形成されることが好ましい。この軟質PVCは溶着を促進する他、軟質であるが故に衝撃吸収機能も有している。
【0035】
ところで、実施の形態の仮止めクリップ12は図2の如く、断面が台形の角柱状の基部22と、基部22の底面に略平行に一体形成された板状の基台部18と、基部22の上面から基部22の底面に対して略平行に延出形成された爪部24とからなる樹脂製のクリップ本体26を備えている。また、基台部18と爪部24との間の隙間には、仮止め用の凹部28が形成され、更にクリップ本体26には、少なくとも凹部28が仮止めされる車両本体と当接する面に緩衝層30が一体形成されている。
【0036】
この仮止めクリップ12は、図4に示すように、車両の鋼板製窓用開口枠部32に形成される嵌合用孔34に爪部24の凹部28が挿入されるととともに、凹部28と基部22との境界コーナー部29が、嵌合用孔34の近傍のL字状フック部35に係合されることにより嵌合用孔34に取り付けられる。この状態において、クリップ本体26は緩衝層30を介して窓用開口枠部32に当接されるため、接着剤36が硬化するまでの間、窓用板状体10が窓用開口枠部32に仮止めされる。なお、この接着剤36は、窓用板状体10の周縁部に予め塗布されたウレタン系等の接着剤である。
【0037】
このように構成されて使用される仮止めクリップ12によれば、基部22、基台部18、及び爪部24からなる樹脂製のクリップ本体26と、車両側の窓用開口枠部32に当接される緩衝層30とが一体形成されることにより製造されるので、後工程にて緩衝部材をクリップ本体に貼り付ける従来の仮止めクリップと比較して、高い生産性を得ることができる。また、一体成形された緩衝層30により、窓用開口枠部32との擦れ合いによる異音の発生を防止することができる。一体成形の手法としては、仮止めクリップ12の断面形状に対応した金型の出口から樹脂材料を押し出すことにより仮止めクリップを成形する押出成形法、仮止めクリップ12の形状に対応した空間を有する金型に樹脂材料を射出することにより仮止めクリップを成形する射出成形法を例示できる。
【0038】
また、この緩衝層30は、クリップ本体26よりも軟質の樹脂によって形成されている。このように緩衝層30が、クリップ本体26よりも軟質であると、硬質のクリップ本体26と車両用鋼板製の窓用開口枠部32との硬質部材同士の擦れ合いを緩衝することができ、異音の発生を防止することができる。
【0039】
一方でクリップ本体26は、窓用板状体10を所定の位置に位置ずれすることなく仮止めする必要があるため、前述の如く剛性のある硬質の樹脂材料によって製造される。ここで硬質とはHsA85以上、好ましくはHsA85〜100、更に好ましくはHsA85〜95までの樹脂を指し、軟質樹脂とはHsA85以下、好ましくはHsA50〜70、更に好ましくはHsA55〜65までの樹脂を指す。HsA85未満であると、クリップ本体26に要求される仮止め機能が低下し、HsA70を超えると、擦れ合いの緩衝機能が低下するからである。また、HsA60未満であっても緩衝機能が得られるが、あまりにも軟質であると、仮止め機能に悪影響を及ぼす。このような理由から、双方の機能を兼備するため緩衝層30の硬さはHsA60以上が好ましい。クリップ本体26の樹脂材料としては、硬質塩化ビニル樹脂(PVC)又はポリブチレンテレフタレート(PBT等の熱可塑性樹脂、緩衝層30の樹脂材料としては、軟質ΡVC又は塩素化エチレンコポリマー架橋体アロイによる熱可塑性ゴム(商品名:アルクリン(米国デュポン社製)))、ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)、アクリレート・スチレン・アリロニトリル(ASA)、接着促進層20の樹脂材料としては、軟質PVCを例示できる。クリップ12は、上記の材料から二つ又は三つ以上の材料を適宜組み合わせて製造される。
【0040】
更に、仮止めクリップ12は前述の如く、クリップ本体26の窓用板状体10と当接される面には接着促進層20が形成され、この接着層20はクリップ本体26よりも軟質の樹脂材料によって形成されている。このように、クリップ本体26の窓用板状体10と当接される面に接着促進層20を形成することにより、窓用板状体10に仮止めクリップ12を短時間で容易に固着することができる。この接着促進層20は、クリップ本体26の成形後にクリップ本体26に接着してもよいが、生産性を高めることから緩衝層30と同様にクリップ本体26と一体形成することが好ましい。また、この接着促進層20は、車両からクリップ本体26を介して伝達された振動を、窓用板状体10に伝達することなく緩衝するために、上述の如く軟質の樹脂(軟質PVC)であることが好ましい。
【0041】
実施の形態の仮止めクリップ12では、緩衝層30は擦れ合いによる異音を防止することを目的とし、接着促進層20は振動を緩衝することを目的としており、目的はそれぞれ異なるが、双方の目的を達成する樹脂の特性は、クリップ本体26よりも軟質であることを要する。よって、緩衝層30及び接着促進層20をわざわざ別の軟質樹脂とするのではなく、同一の樹脂(例えば軟質PVC)とすることにより、多数の樹脂材料を管理するよりもその管理が容易になる。また、樹脂材料のコストも削減することができる。すなわち、仮止めクリップ12は、少なくとも二つ以上の異なる組成の樹脂材料を用いて一体に成
形されて製造される。これにより、高い生産性を得ることができる。
【0042】
次に、図を参照して仮止めクリップ12の製造方法の一例を説明する。
【0043】
図5は、仮止めクリップ12の押出成形装置50の要部を示す斜視図であり、この押出成形装置50は、少なくとも二つ以上の異なる組成の樹脂材料を用いて一体に押し出すことにより仮止めクリップ12を製造する。
【0044】
ダイ52と称される成形金型の出口は、その断面形状が仮止めクリップの断面形状に合わせて形成されており、この出口には図6に示すように、クリップ本体用樹脂材料と緩衝層用樹脂材料とを隔離する略杓子状の隔壁54が設けられるとともに、クリップ本体用樹脂材料と接着促進層用樹脂材料とを隔離する略L字状の一対の隔壁56、56が設けられている。
【0045】
そして、クリップ本体用樹脂材料を不図示のクリップ本体用押出機からダイ52に供給し、ダイ52の前記出口を形成するクリップ本体用出口58より押し出し、緩衝層用樹脂材料を不図示の緩衝層用押出機からダイ52に供給し、ダイ52の前記出口を形成する緩衝層用出口60より押し出し、そして、接着促進層用樹脂材料を接着促進用押出機からダイ52に供給し、ダイ52の前記出口に設けられた接着促進層出口62より押し出す。これらの出口58、60、62から押出されたそれぞれの樹脂材料は、不図示の押付部材により互いに押し付けられて融着される。これにより、図7に示す長尺状の仮止めクリップ成形体13が連続成形される。この後、所定長さに成形された仮止めクリップ成形体13をダイ52から切断し、次に、これを1個長分に分断する。次いで、この分断した仮止めクリップ成形体13を切削加工して図2に示した仮止めクリップ12を製造する。
【0046】
このように多層同時押し出し成形により仮止めクリップ12を製造することにより、短時間で仮止めクリップ12を製品化できるので、コストダウンを図ることができる。また、押し出し成形は、ダイ52の出口の形状を変更するだけで、製品の断面形状を自由に変更できる特性を有しているので、仮止めクリップ12の形状を自由に設定することができるとともに製品設計の自由度が広がるという利点がある。
【0047】
また、このような仮止めクリップ12が固着された窓用板状体10は、車体との間で擦れ合いにより生じる異音の発生を防止した仮止めクリップ付きの窓用板状体10として提供できる。
【0048】
なお、図5の押出成形装置50において、符号64は金型を成形する入子であり、符号66は、入子64を鉛直方向に押下するアクチュエータであり、符号68は、ブロック70を介して入子64を水平方向に押圧するアクチュエータである。
【0049】
更にまた、図8に示すように接着促進層20、20は、基台部18の長手方向(押出し形成方向)に複数(図2では2列)の帯状に分割して形成してもよく、一方で、図9に示すように緩衝層30を基部22の全面に形成してもよい。
【0050】
図10は、仮止めクリップ12Aの第1の変形例を示した断面図である。
【0051】
同図に示す仮止めクリップ12Aと図3に示した仮止めクリップ12との構成の相違点は、図3に示した仮止めクリップ12の凹部28に対して、図10の仮止めクリップ12Aの凹部28Aを大きめに形成し、この凹部28Aのみに緩衝層30Aを一体形成した点、及び仮止めクリップ12Aの基台部18Aの底面に接着剤80を塞き止めるための一対の凸部82、82を図11の如く一体形成した点にある。
【0052】
このように構成された仮止めクリップ12Aによれば、図12の如く、凸部82と凸部82との間のポケット84に塗布された接着剤84によって仮止めクリップ12Aが窓用板状体10に固定される。また、接着剤80は凸部82、82がスペーサーの役目を果たすことにより、接着剤80の厚さが一定になり、安定した接着力が得られる。また、仮止めクリップ12Aと窓用板状体10とによって接着剤80が塞き止められるためポケット84から流出せず、ポケット84内で固化される。このため、接着剤80の凸部82の外へのはみ出しが抑制でき、接着作業の効率が向上する。また、この仮止めクリップ12Aは、端部がストレートに形成された窓用開口枠部32の嵌合用孔34に、クリップ本体26Aの爪部24Aが嵌合される。
【0053】
図13は、第2の変形例の仮止めクリップ12Bを利用して仮止めクリップ付き窓用板状体10が車体に取り付けられた状態を示す要部拡大断面図である。
【0054】
同図によれば、仮止めクリップ12Bの基台部18Bが両面テープ86によって窓用板状体10に固着されている。なお、両面テープ86に代えてプライマーと接着剤とによって仮止めクリップ12Bを窓用板状体10に固着してもよい。
【0055】
また、仮止めクリップ12Bの爪部24Bが、端部がストレートに形成された窓用開口枠部32の嵌合用孔34に嵌合される。
【0056】
ところで、同図に示す仮止めクリップ12Bは、窓用板状体10を鉛直方向に仮止めするクリップである。窓用板状体10の仮止め中において、仮止めクリップ12Bには、窓用板状体10の質量により、すなわち、図中矢印A方向で示す窓用板状体10の重力により、図中B方向で示す力(窓用板状体10から仮止めクリップ12Bを剥離させようとする力)が加えられることになる。ここで仮止めクリップ12Bには、基台部18Bから窓用開口枠部32に当接するストッパ片88が一体形成されている。ストッパ片88が窓用開口枠部32に当接することにより、B方向で示す力を窓用開口枠部32に負荷させることができ、それにより仮止めクリップ12Bの窓用板状体10からの剥離を防止できる。また、ストッパ片88の窓用開口枠部32に当接する端面には、ゴム等の緩衝部材90が貼り付けられ、又はストッパ片90に一体形成されている。なお、同図において、符号22Bは仮止めクリップ12Bの基部、符号30Bは緩衝層である。
【0057】
図14には、仮止めクリップ12Cの第3の変形例を示した断面図が示されている。
【0058】
同図に示す仮止めクリップ12Cは、基台部18Cの底部の略中央部に凸部92を形成し、超音波溶着時において、凸部92により仮止めクリップ12Cと窓用板状体10とが確実に接触し、これを起点として仮止めクリップ12Cを窓用板状体10にプライマー16を介して確実に溶着するように構成したものである。なお、同図において、符号22Cは仮止めクリップ12Cの基部、24Cは仮止めクリップ12Cの爪部、符号30Cは緩衝層である。
【符号の説明】
【0059】
10…仮止めクリップ付き窓用板状体、12、12A、12B、12C…仮止めクリップ、13…仮止めクリップ成形体、14…周縁部材、16…プライマー、18、18A、18B、18C…基台部、20…溶着促進層、22、22A、22B、22C…基部、24、24A、24B、24C…爪部、26、26A、26B、26C…クリップ本体、28、28A…凹部、30…緩衝層、32…窓用開口枠部、34…嵌合用孔、36…接着剤、50…押出成形装置、52…ダイ、54…隔壁、56…隔壁、58…出口、60…出口、62…出口、64…入子、66…アクチュエータ、68…アクチュエータ、70…ブロック、80…接着剤、82…凸部、84…ポケット、86…両面テープ、88…ストッパ片、90…緩衝部材、92…凸部
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用板状体である窓ガラスを車両本体の窓用開口枠部に仮止めするための仮止めクリップ及び仮止めクリップの製造方法並びに仮止めクリップ付き窓用板状体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の窓用開口枠部により形成される開口部に取り付けられる車両用窓ガラスは、開口枠部にウレタン系等の接着剤によって固定されている。この窓ガラスの固定方法は、接着剤が硬化して所定の接着強度を得るまでに数時間を要することから、窓ガラス側に仮止めクリップをあらかじめ固着しておき、この仮止めクリップを開口枠部に形成された嵌合用孔に嵌着することにより、接着剤が硬化するまでの間、窓ガラスを開口枠部に仮止めするようにしている。
【0003】
特許文献1に開示された仮止めクリップのクリップ本体は、PBT又は硬質PVCで形成されており、略直方体状の基部と、基部の側面から水平に延出するアームと、基部の上面から上方に延出する爪部とによって構成されている。また、この仮止めクリップの底面は、窓ガラスに対する溶着を促進するために板状の軟質PVCシートが接着されている。この仮止めクリップを窓ガラスの所定の位置に溶着し、仮止めクリップの爪部を、車両の開口枠部に形成された嵌合用孔に嵌着することにより、窓ガラスを仮止めする。
【0004】
特許文献1の仮止めクリップのクリップ本体は、硬質樹脂で射出成形することにより製造され、このクリップ本体の底面に前記軟質PVCシートを後工程にて接着している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3680270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の仮止めクリップは、車体に発生した振動、コーナーリング時やタイヤの突き上げ時に生じる車体の捩れ等に起因して、クリップ本体と嵌合用孔の縁部とが擦れ合い、その部分から擦過音、きしみ音、低級音等の異音が発生するという欠点があった。異音の発生原因は、硬質樹脂製のクリップ本体と自動車用鋼板製の窓用開口枠部の硬質部材同士が擦れ合うことにあると考えられる。
【0007】
よって、このような異音問題は、クリップ本体の、嵌合用孔の縁部に当接する部分に不織布等の緩衝部材を貼り付け、この緩衝部材によって硬質部材同士の擦れ合いを緩衝することにより解消できる。しかし、緩衝部材付きの仮止めクリップを製造するためには、緩衝部材を貼り付ける工程が加わるため、仮止めクリップの生産性が悪くなりコストが増大するという問題があった。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、車体側との擦れ合いに起因する異音の発生を防止するとともに生産性の高い仮止めクリップ及び仮止めクリップの製造方法並びに仮止めクリップ付き窓用板状体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の仮止めクリップの発明は、前記目的を達成するために、基部と、前記基部の底面に略平行に形成された基台部と、前記基部の上面から該基部の底面に対して略平行に延出形成された爪部とからなる樹脂製のクリップ本体を備え、前記基台部と前記爪
部との間の隙間に仮止め用の凹部が形成された仮止めクリップであって、前記クリップ本体には、少なくとも前記凹部が仮止めされる車両本体と当接する面に緩衝層が一体形成されていることを特徴としている。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、基部、基台部、及び爪部からなる樹脂製のクリップ本体と、車両に当接される緩衝層とを一体形成して仮止めクリップを製造するので、後工程にて緩衝部材をクリップ本体に貼り付ける従来の仮止めクリップと比較して、高い生産性を得ることができる。また、一体成形された緩衝層により車体側との擦れ合いによる異音の発生を防止することができる。一体成形の手法としては、仮止めクリップの断面形状に対応した金型から樹脂材料を押し出すことにより仮止めクリップを成形する押出成形法、仮止めクリップの形状に対応した空間を有する金型に樹脂材料を射出することにより仮止めクリップを成形する射出成形法がある。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記緩衝層は、前記クリップ本体よりも軟質の樹脂材料によって形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、緩衝層はクリップ本体よりも軟質の樹脂製であるので、車両との擦れ合いを緩衝することができ、異音の発生を防止することができる。一方でクリップ本体は、板状体を所定の位置に位置ずれすることなく仮止めする必要があるため、剛性のある硬質の樹脂材料で製造される。ここで硬質とはHsA85以上、好ましくはHsA85〜100、更に好ましくはHsA85〜95までの樹脂を指し、軟質樹脂とはHsA85以下、好ましくはHsA50〜70、更に好ましくはHsA55〜65までの樹脂を指す。HsA85未満であると、クリップ本体に要求される仮止め機能が低下し、HsA70を超えると、擦れ合いの緩衝機能が低下するからである。また、HsA60未満であっても緩衝機能が得られるが、あまりにも軟質であると、仮止め機能に悪影響を及ぼす。このような理由から、双方の機能を兼備するため緩衝層の硬さはHsA60以上が好ましい。クリップ本体の樹脂材料としては、硬質塩化ビニル樹脂(PVC)又はポリブチレンテレフタレート(PBT)等の熱可塑性樹脂、緩衝層の樹脂材料としては、軟質ΡVC又は塩素化エチレンコポリマー架橋体アロイによる熱可塑性ゴム(商品名:アルクリン(米国デュポン社製))を例示できる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2において、前記クリップ本体の窓用板状体と当接される面には接着層が形成され、該接着層は前記クリップ本体よりも軟質の樹脂材料によって形成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、クリップ本体の窓用板状体と当接される面に接着層を形成したので、窓用板状体に仮止めクリップを容易に取り付けることができる。この接着層は、クリップ本体の成形後にクリップ本体に接着してもよいが、生産性を高めることから緩衝層と同様にクリップ本体と一体形成することが好ましい。また、この接着層は、車体からクリップ本体を介して伝達された振動を、窓用板状体に伝達することなく緩衝するために、軟質の樹脂製であることが好ましい。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項3において、前記緩衝層と前記接着層とが同一の樹脂材料によって前記クリップ本体に一体成形されていることを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、緩衝層は擦れ合いによる異音を防止することを目的とし、接着層は振動を緩衝することを目的としており、目的はそれぞれ異なるが、双方の目的を達成する樹脂の特性は、クリップ本体よりも軟質であることを要する。よって、緩衝層及び接着層をわざわざ別の軟質樹脂とするのではなく、同一の樹脂とすることにより、樹脂材料の管理が容易になり、また、樹脂材料のコストを削減することができる。
【0017】
請求項5に記載の仮止めクリップの製造方法の発明は、前記目的を達成するために、請求項1、2、3又は4のうちいずれか一つに記載の仮止めクリップは、少なくとも二つ以上の異なる組成の樹脂材料を用いて一体に成形されて製造されることを特徴とする。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、少なくとも二つ以上の異なる組成の樹脂材料を用いて一体に成形することにより、仮止めクリップを製造する。これにより、高い生産性を得ることができるとともに、前記樹脂材料のうち軟質の樹脂材料によって、車体側との擦れ合いによる異音の発生を防止することができる。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項5において、前記仮止めクリップは、前記少なくとも二つ以上の異なる組成の樹脂材料を用いて一体に押し出し成形されて製造されることを特徴とする。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、少なくとも二つ以上の異なる組成の樹脂材料を用いて一体に押し出し成形(多層同時押し出し形成)することにより仮止めクリップを製造する。例えば、ダイと称される金型の出口から樹脂材料を押し出すことにより、仮止めクリップを押し出し形成する。このダイの出口には、クリップ本体用樹脂材料と緩衝層用樹脂材料とを隔離する隔壁が設けられ、クリップ本体用樹脂材料と緩衝層用樹脂材料とをダイの出口に設けられた別々の出口より押し出し、押し出されたクリップ本体部と緩衝層部とを融着させて仮止めクリップを成形する方法を例示できる。
【0021】
このように多層同時押し出し成形により仮止めクリップを製造することにより、短時間で仮止めクリップを製品化できるので、コストダウンを図ることができる。また、押し出し成形は、ダイの金型の形状を変えるだけで、製品の断面形状を自由に変更できる特性を有しているので、仮止めクリップの形状を自由に設定することができるとともに製品設計の自由度が広がる利点がある。
【0022】
請求項7に記載の仮止めクリップ付き窓用板状体の発明は、前記目的を達成するために、請求項1、2、3又は4のうちいずれか一つに記載の仮止めクリップが固着されたことを特徴とする。
【0023】
請求項7に記載の発明によれば、請求項1、2、3又は4のうちいずれか一つに記載の仮止めクリップが固着された仮止めクリップ付き窓用板状体を提供する。すなわち、車体との間で擦れ合いにより生じる異音の発生を防止した仮止めクリップ付きの窓用板状体を提供できる。板状体としては、単板ガラス、強化ガラス、合わせガラス等のガラス板の他、ポリカーボネート類やポリスチレン類等のいわゆる有機透明樹脂材等を例示できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る仮止めクリップによれば、基部、基台部、及び爪部からなる樹脂製のクリップ本体と、車両に当接される緩衝層とを一体形成して仮止めクリップを製造するので、高い生産性を得ることができるとともに、緩衝層により車体側との擦れ合いによる異音の発生を防止することができる。
【0025】
また、本発明に係る仮止めクリップの製造方法によれば、少なくとも二つ以上の異なる組成の樹脂材料を用いて一体に成形したので、高い生産性を得ることができるとともに、前記樹脂材料のうち軟質の樹脂材料によって、車体側との擦れ合いによる異音の発生を防止することができる。
【0026】
更に、本発明に係る仮止めクリップ付き窓用板状体によれば、車体との間で擦れ合いに
より生じる異音の発生を防止した仮止めクリップ付きの窓用板状体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態に係る仮止めクリップ付き窓用板状体の斜視図
【図2】図1に示した仮止めクリップの斜視図
【図3】図2に示した仮止めクリップを窓用板状体に固着する説明図
【図4】図1に示した仮止めクリップ付き窓用板状体が車体に取り付けられた状態を示す要部拡大断面図
【図5】図2に示した仮止めクリップを製造する押出成形装置の一例を示した斜視図
【図6】図5に示した押出成形装置のダイの出口形状を示した説明図
【図7】図5に示した押出成形装置によって成形された仮止めクリップ成形体の斜視図
【図8】接着促進層が基台部の長手方向に複数の帯状に分割して形成されたクリップの断面図
【図9】緩衝層が基部の全面に形成されたクリップの断面図
【図10】仮止めクリップの第1の変形例を示した断面図
【図11】図10に示した仮止めクリップを底面方向から見た斜視図
【図12】図10に示した仮止めクリップを利用して仮止めクリップ付き窓用板状体が車体に取り付けられた状態を示す要部拡大断面図
【図13】第2の変形例の仮止めクリップを利用して仮止めクリップ付き窓用板状体が車体に取り付けられた状態を示す要部拡大断面図
【図14】仮止めクリップの第3の変形例を示した断面図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面に従って本発明に係る仮止めクリップ及び仮止めクリップの製造方法並びに仮止めクリップ付き窓用板状体の好ましい実施の形態について説明する。
【0029】
図1は、実施の形態の仮止めクリップ付き窓用板状体10の斜視図、図2は、その仮止めクリップ12の斜視図がそれぞれ示されている。
【0030】
図1に示す仮止めクリップ付き窓用板状体10は、車両の窓用開口枠部により形成される開口部に取り付けられる略矩形状の車両用窓ガラスであり、その周縁部にはモールド、ガーニッシュと称される樹脂製の周縁部材14が一体に固着されている。そして、この窓用板状体10のコーナー部近傍位置に実施の形態の仮止めクリップ12、12が固着されている。
【0031】
なお、実施の形態の窓用板状体10としては単板ガラスを例示するが、これに限定されるものではなく、例えば強化ガラス、合わせガラス等のガラス板の他、ポリカーボネート類やポリスチレン類等のいわゆる有機透明樹脂材製の板状体であってもよい。
【0032】
また、実施の形態では、2個の仮止めクリップ12、12をコーナー部近傍位置に固着した窓用板状体10を例示しているが、1枚の窓用板状体10に対する仮止めクリップ12の個数及び固着位置はこれに限定されるものではなく、車両の窓用開口枠部に形成される嵌合用孔の個数及び位置に依存する。
【0033】
更に、窓用板状体10に対する仮止めクリップ12の固着方法としては、図3の如く窓用板状体10の表面にプライマー16を塗布し、このプライマー16の塗布部に仮止めクリップ12の基台部18を載置し、仮止めクリップ12を加圧しつつ振動させて、窓用板状体10に仮止めクリップ12を超音波溶着する方法が知られている。
【0034】
一方、仮止めクリップ12の基台部18の下面全域には、溶着促進層(接着層)20が一体形成され、この溶着促進層20の溶着促進作用により窓用板状体10に対する仮止めクリップ12の溶着時間が短縮されている。溶着促進層20は、樹脂製品である仮止めクリップ12との相溶性がよく、且つ仮止めクリップ12より短時間で溶融する軟質の材料、例えば、軟質ΡVC等で形成されることが好ましい。この軟質PVCは溶着を促進する他、軟質であるが故に衝撃吸収機能も有している。
【0035】
ところで、実施の形態の仮止めクリップ12は図2の如く、断面が台形の角柱状の基部22と、基部22の底面に略平行に一体形成された板状の基台部18と、基部22の上面から基部22の底面に対して略平行に延出形成された爪部24とからなる樹脂製のクリップ本体26を備えている。また、基台部18と爪部24との間の隙間には、仮止め用の凹部28が形成され、更にクリップ本体26には、少なくとも凹部28が仮止めされる車両本体と当接する面に緩衝層30が一体形成されている。
【0036】
この仮止めクリップ12は、図4に示すように、車両の鋼板製窓用開口枠部32に形成される嵌合用孔34に爪部24の凹部28が挿入されるととともに、凹部28と基部22との境界コーナー部29が、嵌合用孔34の近傍のL字状フック部35に係合されることにより嵌合用孔34に取り付けられる。この状態において、クリップ本体26は緩衝層30を介して窓用開口枠部32に当接されるため、接着剤36が硬化するまでの間、窓用板状体10が窓用開口枠部32に仮止めされる。なお、この接着剤36は、窓用板状体10の周縁部に予め塗布されたウレタン系等の接着剤である。
【0037】
このように構成されて使用される仮止めクリップ12によれば、基部22、基台部18、及び爪部24からなる樹脂製のクリップ本体26と、車両側の窓用開口枠部32に当接される緩衝層30とが一体形成されることにより製造されるので、後工程にて緩衝部材をクリップ本体に貼り付ける従来の仮止めクリップと比較して、高い生産性を得ることができる。また、一体成形された緩衝層30により、窓用開口枠部32との擦れ合いによる異音の発生を防止することができる。一体成形の手法としては、仮止めクリップ12の断面形状に対応した金型の出口から樹脂材料を押し出すことにより仮止めクリップを成形する押出成形法、仮止めクリップ12の形状に対応した空間を有する金型に樹脂材料を射出することにより仮止めクリップを成形する射出成形法を例示できる。
【0038】
また、この緩衝層30は、クリップ本体26よりも軟質の樹脂によって形成されている。このように緩衝層30が、クリップ本体26よりも軟質であると、硬質のクリップ本体26と車両用鋼板製の窓用開口枠部32との硬質部材同士の擦れ合いを緩衝することができ、異音の発生を防止することができる。
【0039】
一方でクリップ本体26は、窓用板状体10を所定の位置に位置ずれすることなく仮止めする必要があるため、前述の如く剛性のある硬質の樹脂材料によって製造される。ここで硬質とはHsA85以上、好ましくはHsA85〜100、更に好ましくはHsA85〜95までの樹脂を指し、軟質樹脂とはHsA85以下、好ましくはHsA50〜70、更に好ましくはHsA55〜65までの樹脂を指す。HsA85未満であると、クリップ本体26に要求される仮止め機能が低下し、HsA70を超えると、擦れ合いの緩衝機能が低下するからである。また、HsA60未満であっても緩衝機能が得られるが、あまりにも軟質であると、仮止め機能に悪影響を及ぼす。このような理由から、双方の機能を兼備するため緩衝層30の硬さはHsA60以上が好ましい。クリップ本体26の樹脂材料としては、硬質塩化ビニル樹脂(PVC)又はポリブチレンテレフタレート(PBT等の熱可塑性樹脂、緩衝層30の樹脂材料としては、軟質ΡVC又は塩素化エチレンコポリマー架橋体アロイによる熱可塑性ゴム(商品名:アルクリン(米国デュポン社製)))、ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)、アクリレート・スチレン・アリロニトリル(ASA)、接着促進層20の樹脂材料としては、軟質PVCを例示できる。クリップ12は、上記の材料から二つ又は三つ以上の材料を適宜組み合わせて製造される。
【0040】
更に、仮止めクリップ12は前述の如く、クリップ本体26の窓用板状体10と当接される面には接着促進層20が形成され、この接着層20はクリップ本体26よりも軟質の樹脂材料によって形成されている。このように、クリップ本体26の窓用板状体10と当接される面に接着促進層20を形成することにより、窓用板状体10に仮止めクリップ12を短時間で容易に固着することができる。この接着促進層20は、クリップ本体26の成形後にクリップ本体26に接着してもよいが、生産性を高めることから緩衝層30と同様にクリップ本体26と一体形成することが好ましい。また、この接着促進層20は、車両からクリップ本体26を介して伝達された振動を、窓用板状体10に伝達することなく緩衝するために、上述の如く軟質の樹脂(軟質PVC)であることが好ましい。
【0041】
実施の形態の仮止めクリップ12では、緩衝層30は擦れ合いによる異音を防止することを目的とし、接着促進層20は振動を緩衝することを目的としており、目的はそれぞれ異なるが、双方の目的を達成する樹脂の特性は、クリップ本体26よりも軟質であることを要する。よって、緩衝層30及び接着促進層20をわざわざ別の軟質樹脂とするのではなく、同一の樹脂(例えば軟質PVC)とすることにより、多数の樹脂材料を管理するよりもその管理が容易になる。また、樹脂材料のコストも削減することができる。すなわち、仮止めクリップ12は、少なくとも二つ以上の異なる組成の樹脂材料を用いて一体に成
形されて製造される。これにより、高い生産性を得ることができる。
【0042】
次に、図を参照して仮止めクリップ12の製造方法の一例を説明する。
【0043】
図5は、仮止めクリップ12の押出成形装置50の要部を示す斜視図であり、この押出成形装置50は、少なくとも二つ以上の異なる組成の樹脂材料を用いて一体に押し出すことにより仮止めクリップ12を製造する。
【0044】
ダイ52と称される成形金型の出口は、その断面形状が仮止めクリップの断面形状に合わせて形成されており、この出口には図6に示すように、クリップ本体用樹脂材料と緩衝層用樹脂材料とを隔離する略杓子状の隔壁54が設けられるとともに、クリップ本体用樹脂材料と接着促進層用樹脂材料とを隔離する略L字状の一対の隔壁56、56が設けられている。
【0045】
そして、クリップ本体用樹脂材料を不図示のクリップ本体用押出機からダイ52に供給し、ダイ52の前記出口を形成するクリップ本体用出口58より押し出し、緩衝層用樹脂材料を不図示の緩衝層用押出機からダイ52に供給し、ダイ52の前記出口を形成する緩衝層用出口60より押し出し、そして、接着促進層用樹脂材料を接着促進用押出機からダイ52に供給し、ダイ52の前記出口に設けられた接着促進層出口62より押し出す。これらの出口58、60、62から押出されたそれぞれの樹脂材料は、不図示の押付部材により互いに押し付けられて融着される。これにより、図7に示す長尺状の仮止めクリップ成形体13が連続成形される。この後、所定長さに成形された仮止めクリップ成形体13をダイ52から切断し、次に、これを1個長分に分断する。次いで、この分断した仮止めクリップ成形体13を切削加工して図2に示した仮止めクリップ12を製造する。
【0046】
このように多層同時押し出し成形により仮止めクリップ12を製造することにより、短時間で仮止めクリップ12を製品化できるので、コストダウンを図ることができる。また、押し出し成形は、ダイ52の出口の形状を変更するだけで、製品の断面形状を自由に変更できる特性を有しているので、仮止めクリップ12の形状を自由に設定することができるとともに製品設計の自由度が広がるという利点がある。
【0047】
また、このような仮止めクリップ12が固着された窓用板状体10は、車体との間で擦れ合いにより生じる異音の発生を防止した仮止めクリップ付きの窓用板状体10として提供できる。
【0048】
なお、図5の押出成形装置50において、符号64は金型を成形する入子であり、符号66は、入子64を鉛直方向に押下するアクチュエータであり、符号68は、ブロック70を介して入子64を水平方向に押圧するアクチュエータである。
【0049】
更にまた、図8に示すように接着促進層20、20は、基台部18の長手方向(押出し形成方向)に複数(図2では2列)の帯状に分割して形成してもよく、一方で、図9に示すように緩衝層30を基部22の全面に形成してもよい。
【0050】
図10は、仮止めクリップ12Aの第1の変形例を示した断面図である。
【0051】
同図に示す仮止めクリップ12Aと図3に示した仮止めクリップ12との構成の相違点は、図3に示した仮止めクリップ12の凹部28に対して、図10の仮止めクリップ12Aの凹部28Aを大きめに形成し、この凹部28Aのみに緩衝層30Aを一体形成した点、及び仮止めクリップ12Aの基台部18Aの底面に接着剤80を塞き止めるための一対の凸部82、82を図11の如く一体形成した点にある。
【0052】
このように構成された仮止めクリップ12Aによれば、図12の如く、凸部82と凸部82との間のポケット84に塗布された接着剤84によって仮止めクリップ12Aが窓用板状体10に固定される。また、接着剤80は凸部82、82がスペーサーの役目を果たすことにより、接着剤80の厚さが一定になり、安定した接着力が得られる。また、仮止めクリップ12Aと窓用板状体10とによって接着剤80が塞き止められるためポケット84から流出せず、ポケット84内で固化される。このため、接着剤80の凸部82の外へのはみ出しが抑制でき、接着作業の効率が向上する。また、この仮止めクリップ12Aは、端部がストレートに形成された窓用開口枠部32の嵌合用孔34に、クリップ本体26Aの爪部24Aが嵌合される。
【0053】
図13は、第2の変形例の仮止めクリップ12Bを利用して仮止めクリップ付き窓用板状体10が車体に取り付けられた状態を示す要部拡大断面図である。
【0054】
同図によれば、仮止めクリップ12Bの基台部18Bが両面テープ86によって窓用板状体10に固着されている。なお、両面テープ86に代えてプライマーと接着剤とによって仮止めクリップ12Bを窓用板状体10に固着してもよい。
【0055】
また、仮止めクリップ12Bの爪部24Bが、端部がストレートに形成された窓用開口枠部32の嵌合用孔34に嵌合される。
【0056】
ところで、同図に示す仮止めクリップ12Bは、窓用板状体10を鉛直方向に仮止めするクリップである。窓用板状体10の仮止め中において、仮止めクリップ12Bには、窓用板状体10の質量により、すなわち、図中矢印A方向で示す窓用板状体10の重力により、図中B方向で示す力(窓用板状体10から仮止めクリップ12Bを剥離させようとする力)が加えられることになる。ここで仮止めクリップ12Bには、基台部18Bから窓用開口枠部32に当接するストッパ片88が一体形成されている。ストッパ片88が窓用開口枠部32に当接することにより、B方向で示す力を窓用開口枠部32に負荷させることができ、それにより仮止めクリップ12Bの窓用板状体10からの剥離を防止できる。また、ストッパ片88の窓用開口枠部32に当接する端面には、ゴム等の緩衝部材90が貼り付けられ、又はストッパ片90に一体形成されている。なお、同図において、符号22Bは仮止めクリップ12Bの基部、符号30Bは緩衝層である。
【0057】
図14には、仮止めクリップ12Cの第3の変形例を示した断面図が示されている。
【0058】
同図に示す仮止めクリップ12Cは、基台部18Cの底部の略中央部に凸部92を形成し、超音波溶着時において、凸部92により仮止めクリップ12Cと窓用板状体10とが確実に接触し、これを起点として仮止めクリップ12Cを窓用板状体10にプライマー16を介して確実に溶着するように構成したものである。なお、同図において、符号22Cは仮止めクリップ12Cの基部、24Cは仮止めクリップ12Cの爪部、符号30Cは緩衝層である。
【符号の説明】
【0059】
10…仮止めクリップ付き窓用板状体、12、12A、12B、12C…仮止めクリップ、13…仮止めクリップ成形体、14…周縁部材、16…プライマー、18、18A、18B、18C…基台部、20…溶着促進層、22、22A、22B、22C…基部、24、24A、24B、24C…爪部、26、26A、26B、26C…クリップ本体、28、28A…凹部、30…緩衝層、32…窓用開口枠部、34…嵌合用孔、36…接着剤、50…押出成形装置、52…ダイ、54…隔壁、56…隔壁、58…出口、60…出口、62…出口、64…入子、66…アクチュエータ、68…アクチュエータ、70…ブロック、80…接着剤、82…凸部、84…ポケット、86…両面テープ、88…ストッパ片、90…緩衝部材、92…凸部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、前記基部の底面に略平行に形成された基台部と、前記基部の上面から該基部の底面に対して略平行に延出形成された爪部とからなる樹脂製のクリップ本体を備え、前記基台部と前記爪部との間の隙間に仮止め用の凹部が形成された仮止めクリップであって、前記クリップ本体には、少なくとも前記凹部が仮止めされる車両本体と当接する面に緩衝層が一体形成されていることを特徴とする仮止めクリップ。
【請求項2】
前記緩衝層は、前記クリップ本体よりも軟質の樹脂材料によって形成されている請求項1に記載の仮止めクリップ。
【請求項3】
前記クリップ本体の窓用板状体と当接される面には接着層が形成され、該接着層は前記クリップ本体よりも軟質の樹脂によって形成されている請求項1、又は2に記載の仮止めクリップ。
【請求項4】
前記緩衝層と前記接着層とが同一の樹脂によって前記クリップ本体に一体成形されている請求項3に記載の仮止めクリップ。
【請求項5】
請求項1、2、3又は4のうちいずれか一つに記載の仮止めクリップは、少なくとも二つ以上の異なる組成の材料を用いて一体に成形されて製造されることを特徴とする仮止めクリップの製造方法。
【請求項6】
前記仮止めクリップは、前記少なくとも二つ以上の異なる組成の樹脂材料を用いて一体に押し出し成形されて製造される請求項5に記載の仮止めクリップの製造方法。
【請求項7】
請求項1、2、3又は4のうちいずれか一つに記載の仮止めクリップが固着されたことを特徴とする仮止めクリップ付き窓用板状体。
【請求項1】
基部と、前記基部の底面に略平行に形成された基台部と、前記基部の上面から該基部の底面に対して略平行に延出形成された爪部とからなる樹脂製のクリップ本体を備え、前記基台部と前記爪部との間の隙間に仮止め用の凹部が形成された仮止めクリップであって、前記クリップ本体には、少なくとも前記凹部が仮止めされる車両本体と当接する面に緩衝層が一体形成されていることを特徴とする仮止めクリップ。
【請求項2】
前記緩衝層は、前記クリップ本体よりも軟質の樹脂材料によって形成されている請求項1に記載の仮止めクリップ。
【請求項3】
前記クリップ本体の窓用板状体と当接される面には接着層が形成され、該接着層は前記クリップ本体よりも軟質の樹脂によって形成されている請求項1、又は2に記載の仮止めクリップ。
【請求項4】
前記緩衝層と前記接着層とが同一の樹脂によって前記クリップ本体に一体成形されている請求項3に記載の仮止めクリップ。
【請求項5】
請求項1、2、3又は4のうちいずれか一つに記載の仮止めクリップは、少なくとも二つ以上の異なる組成の材料を用いて一体に成形されて製造されることを特徴とする仮止めクリップの製造方法。
【請求項6】
前記仮止めクリップは、前記少なくとも二つ以上の異なる組成の樹脂材料を用いて一体に押し出し成形されて製造される請求項5に記載の仮止めクリップの製造方法。
【請求項7】
請求項1、2、3又は4のうちいずれか一つに記載の仮止めクリップが固着されたことを特徴とする仮止めクリップ付き窓用板状体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−12013(P2012−12013A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−184799(P2011−184799)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【分割の表示】特願2007−328798(P2007−328798)の分割
【原出願日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【分割の表示】特願2007−328798(P2007−328798)の分割
【原出願日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)
【Fターム(参考)】
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