説明

会合性増粘剤分散液

本発明は、a)少なくとも1つのエチレン性不飽和炭酸、b)少なくとも1つの非イオン性エチレン性不飽和界面活性剤モノマー、c)少なくとも1つのC1−C2−アルキルメタクリレートおよびd)少なくとも1つのC2−C4−アルキルアクリレートの単位を重合により組み込んだコポリマーの水性分散液であって、アルキルアクリレートのアルキル基の数に対する平均アルキル鎖長が2.1〜4.0である水性分散液に関する。アルカリを使用して中和した後、該分散液は、特に液体洗浄剤調合物のための会合性増粘剤として機能する。該増粘剤は、同時に高い剪断希釈度での高度な透明性および高度な増粘効果を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会合性増粘剤として好適であるアルカリ可溶性コポリマーの水性分散液に関する。該会合性増粘剤は、溶解した高粘度の形で高度な光透過性または透明性を特徴とし、例えば、透明コーティング組成物、織物製造のための調合物、捺染ペースト、医薬および化粧部門、塗料、顔料スラリー、透明洗剤および洗浄剤ならびに食品での増粘剤および/または流動改質剤として好適である。本発明は、さらに、乳化重合によって会合性増粘剤を製造するための方法、ならびに会合性増粘剤を含む洗剤および洗浄剤に関する。
【0002】
会合性増粘剤は、水溶性ポリマーであり、親水性、特に水性媒体において、互いに、そして他の疎水性物質とも会合、すなわち相互作用することが可能である界面活性剤様疎水性構成成分を有する。媒体は、それらに起因する会合性ネットワークによって増粘またはゲル化される。
【0003】
EP−A0013836には、(i)20〜69.5質量%の(メタ)アクリル酸、(ii)RがHまたはCH3であり、nが少なくとも2であり、R0がC8−C30−アルキルである式CH2=C(R)−C(O)−O−(CH2CH2O)n−R0の0.5〜25質量%のモノマー、および(iii)少なくとも30質量%のC1−C4−アルキル(メタ)アクリレートを含むエマルジョンコポリマーが開示されている。アルカリでの中和後、該コポリマーは、塗料および洗剤等のための増粘剤として機能する。
【0004】
WO99/65958には、不飽和カルボン酸とモノエチレン性不飽和モノマーと疎水性アルコキシ化マクロモノマーの反応生成物を含むアルカリ可溶性増粘剤が記載されている。モノエチレン性不飽和モノマーは、メチル基を含み、それは、好ましくはアクリル酸メチルである。これらのポリマーは、pH4.5〜6.0で可溶になるため、化粧品に好適である。
【0005】
WO2006/016035は、着色水性製造物における増粘剤としての水溶性アクリルポリマーの使用に関する。アクリルポリマーは、カルボキシル官能基を有するエチレン性不飽和モノマー、エチレン性不飽和非イオン性モノマー、および10〜24個の炭素原子を有する疎水性非芳香族分枝鎖を末端とするエチレン性不飽和オキシアルキル化モノマーからなる。一実施態様は、エチレン性不飽和非イオン性モノマーがエチルアクリレートおよびブチルアクリレートで構成されるポリマー(実施例7)に関する。
【0006】
透明な粘性液体洗剤および洗浄剤組成物は、人気が高まっている。したがって、溶解、すなわち中和状態で高度な透明性を有し、界面活性剤含有調合物に含められたときにいかなる種類の曇りも示さない会合性増粘剤が必要とされる。さらに、静止状態の増粘媒体に非常に高い粘度を付与し、高剪断力が作用すると低粘度を付与する増粘剤が望まれる。
【0007】
したがって、本発明の目的は、界面活性含有量が大きいその溶液および/または調合物が高度な透明性を有し、高剪断希釈度と併せて高度な増粘効果を有する新規会合性増粘剤を提供することである。
【0008】
その目的は、本発明によれば、
a)少なくとも1つのエチレン性不飽和カルボン酸、
b)少なくとも1つの非イオン性エチレン性不飽和界面活性剤モノマー、
c)少なくともC1−C2−アルキルメタクリレート、
d)アルキルアクリレートのアルキル基の数に対する平均アルキル鎖長が2.1〜4.0、好ましくは2.2〜3.9、特に好ましくは2.3〜3.9または2.4〜3.9、特に2.5〜3.8である少なくとも1つのC2−C4−アルキルアクリレートの共重合単位を含むコポリマーの水性分散液を含む会合性増粘剤によって達成される。
【0009】
驚いたことには、指定の平均アルキル鎖長を有する少なくとも1つのC1−C2−アルキルメタクリレートと少なくとも1つのC2−C4−アルキルアクリレートとの組合せは、高度な増粘力および高度な透明性が用途に所望される場合に、会合性増粘効果を有する分散液を製造するのに特に好適であることが判明した。好ましくは、該コポリマーは、n−ブチルアクリレートの共重合単位を含む。
【0010】
本発明による会合性増粘剤は、顕著な向水作用を特徴とする。すなわち、それは、わずかしか水に溶けない物質の溶解度を向上させる。それは、電解質安定性を有し、高イオン強度の調合物においても凝集および/または沈降を生じない。
【0011】
さらに、該コポリマーは、適切であれば、e)エチレン性多不飽和モノマーの共重合単位を含むことができる。
【0012】
典型的には、該コポリマーは、
a)10〜75質量%、好ましくは20〜50質量%のエチレン性不飽和カルボン酸の単位、
b)0.1〜50質量%、好ましくは1〜10質量%の非イオン性エチレン性不飽和界面活性剤モノマーの単位、
c)0.5〜50質量%、好ましくは1〜40質量%のC1−C2−アルキルメタクリレートの単位、
d)5〜85質量%、好ましくは15〜70質量%のC2−C4−アルキルアクリレートの単位、および
e)0〜9質量%のエチレン性多不飽和モノマーの単位
を含む。
【0013】
エチレン性不飽和カルボン酸は、一般には、3〜8個の炭素原子を有するモノエチレン性不飽和モノまたはジカルボン酸である。好適なエチレン性不飽和カルボン酸は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸およびマレイン酸から選択される。これらのうち、メタクリル酸が特に好適である。
【0014】
モノマーb)として好適である非イオン性エチレン性不飽和界面活性剤モノマーは、それ自体既知である。これらは、例えば、
(a)モノエチレン性不飽和イソシアネートと非イオン性界面活性剤のウレタン基含有反応生成物、
(b)エチレン性不飽和カルボン酸と非イオン性界面活性剤のエステル、
(c)非イオン性界面活性剤のビニルまたはアリルエーテル
である。
【0015】
好適な非イオン性界面活性剤は、好ましくは、脂肪アルコールアルコキシドまたはオキソアルコールアルコキシド等のアルコキシ化C6−C30−アルコールである。アルコール1モル当たり少なくとも2モル、例えば2〜100モル、好ましくは3〜20モルの少なくとも1つのC2−C4−アルキレンオキシドが使用される。異なるアルキレンオキシド単位が、ブロック状に配置され、またはランダム分布で存在し得る。好ましくは、使用されるアルキレンオキシドは、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドである。
【0016】
さらなる種類の好適な非イオン性界面活性剤は、C6−C14−アルキル鎖および5〜30モルのエチレンオキシド単位を有するアルキルフェノールエトキシドである。
【0017】
好適な実施形態において、非イオン性エチレン性不飽和界面活性剤モノマーは、一般式
R−O−(CH2−CHR’−O)n−CO−CR"=CH2
[式中、
Rは、C6−C30−アルキル、好ましくはC8−C22−アルキルであり、
R’は、水素またはメチル、好ましくは水素であり、
R"は、水素またはメチル、好ましくはメチルであり、
nは、2〜100、好ましくは3〜50の整数である]を有する。
【0018】
括弧内の反復単位は、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドから誘導される。
【0019】
R’の意味は、各反復単位において、他の反復単位から独立している。異なるアルキレンオキシド単位が、ブロック状に配置され、またはランダム分布で存在し得る。
【0020】
好適なC1−C2−アルキルメタクリレートは、メチルメタクリレートおよびエチルメタクリレートであり、なかでもメチルメタクリレートが特に好適である。
【0021】
好適なC2−C4−アルキルアクリレートは、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレートおよびn−ブチルアクリレートである。C2−C4−アルキルアクリレートの種類および量は、C2−C4−アルキルアクリレート単位のアルキル基の数に対する特定の平均アルキル鎖長が上記のように設定されるように選択される。平均アルキル鎖長は、アルキル基の最長のアルキル鎖の炭素数(すなわち、例えば、エチレンは2、n−ブチルは4)に全量のC2−C4−アルキルアクリレートに対するアルキルアクリレートのモル分率を乗じ、個々の積を加算することによって計算される。
【0022】
好ましくは、C2−C4−アルキルアクリレートは、少なくともn−ブチルアクリレート、特にn−ブチルアクリレートとエチルアクリレートの混合物を含む。好ましくは、該コポリマーは、コポリマーの全質量に対して5〜85質量%のn−ブチルアクリレートの共重合単位を含み、10質量%超の量から60質量%の範囲が好適であり、15質量%〜45質量%の範囲が特に好適である。
【0023】
使用できるエチレン性多不飽和モノマーは、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートおよびジビニルベンゼン等である。
【0024】
該コポリマーは、好ましくは単段コポリマーである。「単段コポリマー」という表現は、実質的に、個々のポリマー粒子に対して均一組成を有すること、すなわち、異なるモノマー混合物の段階的重合によって得られるような異なる組成を有する区別可能な領域、例えばシェルを有さないことを意味する。
【0025】
該水性分散液は、一般には、陰イオン性および/または非イオン性乳化剤を含む。
【0026】
典型的な乳化剤は、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、トリデシルエーテル硫酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩およびアルキルアリールポリエーテルスルホン酸のナトリウム塩等の陰イオン性乳化剤、ならびに例えば、アルキルアリールポリエーテルアルコールおよびエチレンオキシド−プロピレンオキシドコポリマー等の非イオン性乳化剤である。
【0027】
好適な乳化剤は、一般式
R−O−(CH2−CHR’−O)n−X
[式中、
Rは、C6−C30−アルキルであり、
R’は、水素またはメチルであり、
Xは、水素またはSO3Mであり、
Mは、水素またはアルカリ金属であり、
nは、2〜100の整数である]を有する。
【0028】
該コポリマーを様々な方法で、好ましくは乳化重合によって製造することができる。
【0029】
重合では、好適な重合開始剤が使用される。熱的に活性可能な遊離基重合開始剤が好適である。
【0030】
好適な熱的に活性可能な遊離基開始剤は、主として、ペルオキシおよびアゾ型の開始剤である。これらの開始剤としては、なかでも、過酸化水素、過酢酸、t−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化ジ−t−ブチル、過酸化ジベンゾイル、ベンゾイルヒドロペルオキシド、過酸化2,4−ジクロロベンゾイル、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ヒドロペロキシ)ヘキサン、過安息香酸、ペルオキシピバル酸t−ブチル、過酢酸t−ブチル、過酸化ジラウロイル、過酸化ジカプリロイル、過酸化ジステアロイル、過酸化ジベンゾイル、ペルオキシ二炭酸ジイソプロピル、ペルオキシ二炭酸ジデシル、ペルオキシ二炭酸ジエイコシル、過安息香酸ジ−t−ブチル、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムおよび過リン酸ナトリウムが挙げられる。
【0031】
過硫酸塩(ペロオキソ二硫酸塩)、特に過硫酸ナトリウムが最も好適である。
【0032】
乳化重合が実施される際に、重合反応を開始するのに十分な量で開始剤が使用される。開始剤は、通常、使用されるモノマーの全質量に対して、約0.01〜3質量%の量で使用される。開始剤の量は、使用されるモノマーの全質量に対して、好ましくは約0.05〜2質量%、特に0.1〜1質量%である。
【0033】
乳化重合は、通常、35〜100℃で行われる。それをバッチプロセス、または給送法の形で実施することができる。重合開始剤の少なくとも一部、および適切であればモノマーの一部を最初に導入して重合温度に加熱し、次いでその1つ以上が純粋な形または乳化した形でモノマーを含む複数の個別供給物を介して連続的または段階的に重合混合物の残りを導入しながら、重合を維持する送給法が好ましい。好ましくは、モノマーの送給は、モノマーエマルジョンの形で行われる。モノマーの給送と並行して、さらなる重合開始剤を計量導入することができる。
【0034】
好適な実施形態において、開始剤の全量が最初に導入される。すなわち、モノマーの給送と並行した開始剤のさらなる計量添加が行われない。驚いたことには、この方法は、会合性増粘剤の特に高度な透明性をもたらすことが判明した。
【0035】
したがって、好適な実施形態において、熱的に活性可能な遊離基重合開始剤が最初にすべて導入され、好ましくはモノマーエマルジョンの形のモノマー混合物が送り込まれる。モノマー混合物の給送を開始する前に、初期充填物を熱的に活性可能な遊離基重合開始剤の活性化温度またはそれより高い温度にする。活性化温度は、開始剤の少なくとも半分が1時間後に分解する温度であると見なされる。
【0036】
別の好適なタイプの製造によれば、該コポリマーは、レドックス開始剤系の存在下でモノマー混合物の重合を介して得られる。レドックス開始剤系は、少なくとも1つの酸化剤成分および少なくとも1つの還元剤成分を含み、反応媒体において、好ましくは重金属イオン、例えばセシウム塩、マンガン塩または鉄(II)塩が触媒としてさらに存在する。
【0037】
好適な酸化剤成分は、例えば、過酸化水素、tert−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ピナンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルフェニルヒドロペルオキシド、過炭酸ジシクロヘキシル、過酸化ジベンゾイル、過酸化ジラウリルおよび過酸化ジアセチル等の過酸化物および/またはヒドロペルオキシドである。過酸化水素およびtert−ブチルヒドロペルオキシドが好適である。
【0038】
好適な還元剤成分は、アルカリ金属亜硫酸塩、アルカリ金属亜ジチオン酸塩、アルカリ金属次亜硫酸塩、硫化水素ナトリウム、Rongalit C(ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシド)、モノおよびジヒドロキシアセトン、糖(例えばグルコールまたはデキストロース)、アスコルビン酸およびその塩、重亜硫酸アセトン付加物および/またはヒドロキシメタンスルフィン酸のアルカリ金属塩である。アスコルビン酸が好適である。
【0039】
例えば硫酸鉄(II)等の鉄(II)塩、例えば塩化錫(II)等の錫(II)塩、硫酸チタン(III)等のチタン(III)塩も還元剤成分または触媒として好適である。
【0040】
酸化剤の使用量は、使用されるモノマーの全質量に対して、0.001〜5.0質量%、好ましくは0.005〜1.0質量%、特に好ましくは0.01〜0.5質量%である。還元剤は、使用されるモノマーの全量に対して、0.001〜2.0質量%、好ましくは0.005〜1.0質量%、特に好ましくは0.01〜0.5質量%で使用される。
【0041】
特に好適なレドックス開始剤系は、ペルオキソ二硫酸ナトリウム/アスコルビン酸系、例えば、0.001〜5.0質量%のペルオキソ二硫酸ナトリウムおよび0.001〜2.0質量%のアスコルビン酸、特に0.005〜1.0質量%のペルオキソ二硫酸ナトリウムおよび0.005〜1.0質量%のアスコルビン酸、特に好ましくは0.01〜0.5質量%のペルオキソ二硫酸ナトリウムおよび0.01〜0.5質量%のアスコルビン酸である。
【0042】
さらなる特定のレドックス開始剤系は、t−ブチルヒドロペルオキシド/過酸化水素/アスコルビン酸系、例えば、0.001〜5.0質量%のt−ブチルヒドロペルオキシド、0.001〜5.0質量%の過酸化水素および0.001〜2.0質量%のアスコルビン酸、特に0.005〜1.0質量%のt−ブチルヒドロペルオキシド、0.005〜1.0質量%の過酸化水素および0.005〜1.0質量%のアスコルビン酸、特に好ましくは0.01〜0.5質量%のt−ブチルヒドロペルオキシド、0.01〜0.5質量%の過酸化水素および0.01〜0.5質量%のアスコルビン酸である。
【0043】
好適な実施形態において、好ましくはモノマーエマルジョンの形のモノマー混合物が、重合温度に加熱される水性初期充填物に流し込まれる。モノマーの給送と並行して、少なくとも数回にわたって、レドックス開始剤系の酸化剤成分および還元剤成分が流し込まれる。好ましくは、レドックス開始剤系の酸化剤成分の一部が最初に導入される。適切であれば、モノマーの一部を最初に導入することができる。
【0044】
該コポリマー分散液に化学的脱臭を施すことができる。化学的脱臭の最中に、さらなる開始剤、例えばレドックス開始剤が、実際の乳化重合の終了後に添加される。化学的脱臭に好適なレドックス開始剤は、酸化成分として、過酸化水素、tert−ブチルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ピナンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルフェニルヒドロペルオキシド、過酸化ジベンゾイル、過酸化ジラウロイルおよび過酸化ジアセチル等の少なくとも1つの有機過酸化物および/またはヒドロペルオキシドを含み、還元成分として、例えば鉄(II)塩、アルカリ金属亜硫酸塩、アスコルビン酸、アセトン重亜硫酸塩付加物および/またはヒドロキシメタンスルホン酸のアルカリ金属塩を含む。
【0045】
該コポリマー分散液は、一般には、25〜40質量%、特に約30質量%の固形分を有する。
【0046】
非中和形では、該コポリマー分散液は、比較的低粘度を有する。したがって、取り扱いが容易であり、問題なく計量導入し、またはポンピングにより循環させることができる。例えば、5.5超のpH、6超のpH、特に8〜10のpHまで中和した結果として、該コポリマーは可溶性になり、水性媒体の粘度は、大きく増加する。好適な中和剤は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン等のアミン、および他のアルカリ物質である。
【0047】
本発明による会合性増粘剤は、コーティング組成物、織物製造のための調合物、捺染ペースト、医薬および化粧部門、塗料、顔料スラリー、洗剤および洗浄剤ならびに食品での増粘剤および/または流動改質剤として好適である。液体洗剤および洗浄剤に使用するのが特に好ましい。
【0048】
さらなる態様において、本発明は、液体洗剤または洗浄剤組成物、特に、完全または部分的に中和した形の本発明による会合性増粘剤を含む透明液体洗剤または洗浄剤組成物に関する。
【0049】
該液体洗剤または洗浄剤は、会合性増粘剤に加えて、界面活性剤を含み、陰イオン性、非イオン性、陽イオン性および/または両性界面活性剤を使用することができる。用途の観点から、陰イオン性および非イオン性界面活性剤の混合物が好ましい。液体洗剤または洗浄剤の界面活性剤の総含有量は、全液体洗剤または洗浄剤に対して、好ましくは5〜60質量%、特に好ましくは15〜40質量%である。
【0050】
使用される非イオン性界面活性剤は、アルコール基が直鎖状、または好ましくは2位においてメチル分枝状であり、あるいは通常オキソアルコール基に存在する混合物の直鎖状およびメチル分枝状基を含むことができる、好ましくは8〜18個の炭素原子を有し、アルコール1モル当たり平均1〜12モルのエチレンオキシド(EO)を有する好ましくはアルコキシ化され、有利にはエトキシ化された特に一級アルコールである。しかし、特に、12〜18個の炭素原子を有する天然アルコール、例えば、ココナッツアルコール、パームアルコール、獣脂アルコールまたはオレイルアルコールの直鎖状基、およびアルコール1モル当たり平均2〜8つのEOを有するアルコールエトキシレートが好ましい。好適なエトキシ化アルコールとしては、例えば、3つのEO、4つのEOまたは7つのEOを有するC12−C14−アルコール、7つのEOを有するC9−C11−アルコール、3つのEO、5つのEO、7つのEOまたは8つのEOを有するC13−C15−アルコール、3つのEO、5つのEOまたは7つのEOを有するC12−C18−アルコール、および3つのEOを有するC12−C14−アルコールと7つのEOを有するC12−C18−アルコールとの混合物等のこれらの混合物が挙げられる。指定のエトキシ化度は、具体的な製造物に応じて整数または分数であり得る統計的平均値である。好適なアルコールエトキシレートは、狭い相同分布を有する(狭範囲エトキシレート、NRE)。これらの非イオン性界面活性剤に加えて、12個超のEOを有する脂肪アルコールを使用することも可能である。それらの例は、14個のEO、25個のEO、30個のEOまたは40個のEOを有する獣脂アルコールである。EOおよびPO基を分子内にともに含む非イオン性界面活性剤を使用することも可能である。ちなみに、EO−POブロック単位またはPO−EOブロック単位を有するブロックコポリマーだけでなく、EO−PO−EOコポリマーまたはPO−EO−POコポリマーを使用することが可能である。当然、EOおよびPO単位がブロック状でなくランダム分布の混合アルコキシ化非イオン性界面活性剤を使用することも可能である。当該製造物は、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの脂肪アルコールに対する同時作用を介して得られる。
【0051】
さらに、使用できるさらなる非イオン性界面活性剤は、また、一般式(I)
1O(G)x (1)
[式中、
1は、8〜22個、好ましくは12〜18個の炭素原子を有する主直鎖またはメチル分枝状、特に2−メチル分枝状脂肪族基であり、
Gは、5または6個の炭素原子を有するグリコシド単位、好ましくはグルコースである]のアルキルグリコシドである。モノグリコシドおよびオリゴグリコシドの分布を示すオリゴマー度xは、1〜10の任意の所望の値である。好ましくは、xは1.2〜1.4である。
【0052】
唯一の非イオン性界面活性剤として、または他の非イオン性界面活性剤と組み合わせて使用される、さらなる種類の好ましく使用される非イオン性界面活性剤は、好ましくは1〜4個の炭素原子をアルキル鎖に有するアルコキシ化、好ましくはエトキシ化またはエトキシ化およびプロポキシ化脂肪酸アルキルエステル、特に、例えば日本国特許出願JP58/217598に記載されており、または好ましくは、国際特許出願WO−A−90/13533に記載されている方法によって製造される脂肪酸メチルエステルである。
【0053】
アミンオキシド型の非イオン性界面活性剤、例えば、N−ココアルキル−N,N−ジメチル−アミンオキシドおよびN−獣脂−アルキル−N,N−ジヒドロキシエチルアミンオキシド、ならびに脂肪酸アルカノールアミド型の非イオン性界面活性剤も好適であり得る。これらの非イオン性界面活性剤の量は、好ましくは、エトキシ化脂肪アルコールの量を超えず、特にその半分を超えない。
【0054】
さらなる好適な界面活性剤は、式(2)
【化1】

[式中、
2C(=O)は、6〜22個の炭素原子を有する脂肪族アシル基であり、
3は、水素、アルキル、または1〜4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基であり、
[Z]は、3〜10個の炭素原子および3〜10個のヒドロキシル基を有する直鎖状または分枝状ポリヒドロキシアルキル基である]のポリヒドロキシ脂肪酸アミドである。ポリヒドロキシ脂肪酸アミドは、通常、アンモニア、アルキルアミンまたはアルカノールアミンを用いて還元糖を還元アミノ化し、続いて脂肪酸、脂肪酸アルキルエステルまたは脂肪酸塩化物を用いてアシル化することによって得ることができる既知の物質である。
【0055】
そのグループのポリヒドロキシ脂肪酸アミドは、式(3)
【化2】

[式中、
4は、7〜12個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキルまたはアルケニル基であり、
5は、2〜8個の炭素原子を有する直鎖状、分枝状もしくは環式アルキレン基、または6〜8個の炭素原子を有するアリーレン基であり、
6は、直鎖状、分枝状もしくは環式アルキル基、またはアリール基、または1〜8個の炭素原子を有するオキシ−アルキル基であり、C1−C4−アルキルまたはフェニル基が好適であり、
[Z]1は、そのアルキル鎖が少なくとも2つのヒドロキシル基で置換された直鎖状ポリヒドロキシアルキル基、またはこの基のアルコキシ化、好ましくはエトキシ化またはプロポキシ化誘導体である]の化合物をも含む。[Z]1は、好ましくは、糖、例えば、グルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、ガラクトース、マンノースまたはキシロースの還元アミノ化によって得られる。次いで、N−アルコキシまたはN−アリールオキシ置換化合物を、触媒としてのアルコキシドの存在下で脂肪酸メチルエステルと反応させることにより、例えばWO−A−95/07331に従って所望のポリヒドロキシ脂肪酸アミンに変換することができる。
【0056】
液体洗剤または洗浄剤における非イオン性界面活性剤の含有量は、各場合、組成物全体に対して、好ましくは5〜30質量%、好ましくは7〜20質量%、特に9〜15質量%である。
【0057】
使用される陰イオン性界面活性剤は、例えば、スルホン酸塩および硫酸塩型の界面活性剤である。好適なスルホン酸塩型の界面活性剤は、好ましくは、C9−C13−アルキルベンゼンスルホン酸塩、オレフィンスルホン酸塩、すなわちアルケンおよびヒドロキシアルカンスルホン酸塩の混合物、ならびに例えば、気体の三酸化硫黄によりスルホン化し、続いてスルホン化生成物のアルカリまたは酸加水分解することによって、末端または内部二重結合を有するC12−C18−モノオレフィンから得られる二スルホン酸塩である。例えば、スルホ塩素化またはスルホ酸化を行った後加水分解または中和することによってC12−C18−アルカンから得られるアルカンスルホン酸塩も好適である。同様に、α−スルホ脂肪酸のエステル(スルホン酸エステル)、例えば、水素化ココナッツ、パーム殻または獣脂脂肪酸のα−スルホン化メチルエステルも好適である。
【0058】
さらに好適な陰イオン性界面活性剤は、硫酸化脂肪酸グリセロールエステルである。脂肪酸グリセロールエステルは、1〜3モルの脂肪酸を用いたモノグリセロールのエステル化による製造で、または0.3〜2モルのグリセロールを用いたトリグリセリドのエステル交換を通じて得られるモノ、ジおよびトリエステルならびにそれらの混合物を指すものと理解される。ここで好適な硫酸化脂肪酸グリセロールエステルは、6〜22個の炭素原子を有する飽和脂肪酸、例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ミリスチン酸、ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸またはベヘン酸の硫酸化生成物である。
【0059】
アルキル(ケニル)硫酸塩は、好ましくは、C12−C18−脂肪アルコール、例えば、ココナッツ脂肪アルコール、獣脂脂肪アルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコールもしくはステアリルアルコール、またはC10−C20−オキソアルコール硫酸半エステル、およびこれらの鎖長の二級アルコールの半エステルのアルカリ金属、特にナトリウム塩である。また、脂肪化学原料に基づく同等の化合物と類似の分解挙動を有する合成石油科学系直鎖アルキル基を含む特定鎖長のアルキル(ケニル)硫酸塩が好ましい。洗浄の観点から、C12−C16−アルキル硫酸塩およびC12−C15−アルキル硫酸塩ならびにC14−C15−アルキル硫酸塩が好適である。例えば、米国特許明細書第3,234,258号または第5,075,041号に従って製造され、DAN(登録商標)の名称でShell Oil Companyから商品として入手することができる2,3−アルキル硫酸塩も好適な陰イオン性界面活性剤である。
【0060】
平均3.5モルのエチレンオキシド(EO)を有する2−メチル分枝状C9−C11−アルコールまたは1〜4つのEOを有するC12−C18−脂肪アルコール等の、1〜6モルのエチレンオキシドでエトキシ化された直鎖または分枝状C7−C21−アルコールの硫酸モノエステルも好適である。それらは、強い発泡性により、比較的少量、例えば1〜5質量%の量でしか洗浄剤に使用されない。
【0061】
さらなる好適な陰イオン性界面活性剤は、また、スルホコハク酸塩またはスルホコハク酸エステルとも称し、アルコール、好ましくは脂肪アルコール、特にエトキシ化脂肪アルコールとスルホコハク酸のモノエステルおよび/またはジエステルを構成するアルキルスルホコハク酸の塩である。好適なスルホコハク酸塩は、C8−C18−脂肪アルコール基またはそれらの混合物を含む。特に好適なスルホコハク酸塩は、エトキシ化脂肪アルコールから誘導された脂肪アルコール基を含む。ちなみに、その脂肪アルコール基が、狭い相同分布を有するエトキシ化脂肪アルコールから誘導されるスルホコハク酸塩も特に好ましい。同様に、アルキル(ケニル)鎖に好ましくは8〜18個の炭素原子を有するアルキル(ケニル)コハク酸またはその塩を使用することも可能である。
【0062】
特に好適な陰イオン性界面活性剤は石鹸である。ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、(水素化)エルカ酸およびベヘン酸の塩等の飽和および不飽和脂肪酸石鹸、ならびに特に天然脂肪酸、例えば、ココナッツ、パーム殻、オリーブ油または獣脂脂肪酸から誘導された石鹸混合物が好適である。
【0063】
石鹸を含む陰イオン性界面活性剤は、それらのナトリウム、カリウムまたはアンモニウム塩の形で存在することができ、モノ、ジまたはトリエタノールアミン等の有機塩基の可溶性塩としても存在することができる。好ましくは、陰イオン性界面活性剤は、それらのナトリウムまたはカリウム塩の形、特にナトリウム塩の形で存在する。
【0064】
好適な液体洗剤または洗浄剤における陰イオン性界面活性剤の含有量は、各場合、組成物全体に対して、2〜30質量%、好ましくは4〜25質量%、特に5〜22質量%である。脂肪酸石鹸の量は、少なくとも2質量%、特に好ましくは少なくとも4質量%、特に好ましくは少なくとも6質量%であるのが特に好適である。
【0065】
液体洗剤または洗浄剤の粘度を慣例の標準的方法(例えば、20rpmおよび20℃におけるブルックフィールド粘度計LVT−II、スピンドル3)によって測定することができ、当該粘度は、100〜5000mPasの範囲である。好適な組成物は、300〜4000mPasの粘度を有し、1000〜3000mPasの値が特に好適である。
【0066】
液体洗剤または洗浄剤は、会合性増粘剤および界面活性剤に加えて、液体洗剤または洗浄剤の用途および/または美観特性をさらに向上させるさらなる成分を含むことができる。一般的に、好適な組成物は、会合性増粘剤および界面活性剤に加えて、ビルダー、漂白剤、漂白活性化剤、酵素、電解質、非水性溶媒、pH拡張剤、芳香剤、芳香担体、蛍光剤、染料、ヒドロトープ、発泡防止剤、シリコーン油、再汚染防止剤、光沢剤、灰色化防止剤、防縮剤、防皺剤、色転写防止剤、抗微生物活性成分、殺菌剤、殺真菌剤、酸化防止剤、腐食防止剤、帯電防止剤、アイロン補助剤、疎化剤および含浸剤、膨潤剤および滑り止め剤ならびにUV吸収剤の群からの1つ以上の物質を含む。
【0067】
液体洗剤または洗浄剤に存在することができるビルダーは、特に、珪酸塩、珪酸アルミニウム(特にゼオライト)、炭酸塩、有機ジおよびポリカルボン酸の塩、ならびにこれらの物質の混合物である。
【0068】
有機ビルダーとしての好適な低分子量ポリカルボキシレートは、例えば、
4−C20−ジ、トリおよびテトラカルボン酸、例えば、コハク酸、プロパントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、ならびにC2−C16−アルキルまたは−アルキレン基を有するアルキルおよびアルキレンコハク酸;
4−C20−ヒドロキシカルボン酸、例えば、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、グルタル酸、クエン酸、ラクトビオン酸およびスクロースモノ、ジおよびトリカルボン酸;
アミノポリカルボキシレート、例えば、ニトリロトリ酢酸、メチルグリシンジ酢酸、アラニンジ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸およびセリンジ酢酸;
ホスホン酸、例えば、ヒドロキシエタンジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸塩)およびジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸塩)等の塩である。
【0069】
有機ビルダーとしての好適なオリゴマーまたはポリマーポリカルボン酸塩は、例えば、
例えばEP−A0451508およびEP−A0396303に記載されているオリゴマレイン酸;
95質量%までの量のグループ(i)、
60質量%までの量のグループ(ii)、
20質量%までの量のグループ(iii)
のモノエチレン性不飽和モノマーがコモノマーとして共重合形態で存在することができる不飽和C4−C8−ジカルボン酸のコおよびターポリマーである。
【0070】
ここで好適な不飽和C4−C8−ジカルボン酸は、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸およびシトラコン酸(メチルマレイン酸)である。マレイン酸が好ましい。
【0071】
グループ(i)は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸およびビニル酢酸等のモノエチレン性不飽和C3−C8−モノカルボン酸を含む。グループ(i)からは、アクリル酸およびメタクリル酸を使用するのが好ましい。
【0072】
グループ(ii)は、モノエチレン性不飽和C2−C22−オレフィン、C1−C8−アルキル基を有するビニルアルキルエーテル、スチレン、C1−C8−カルボン酸のビニルエステル、(メタ)アクリルアミドおよびビニルピロリドンを含む。グループ(ii)からは、C2−C6−オレフィン、C1−C4−アルキル基を有するビニルアルキルエーテル、酢酸ビニルおよびプロピオン酸ビニルを使用するのが好ましい。
【0073】
グループ(iii)は、C1−C8−アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、C1−C8−アミンの(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミドおよびビニルイミダゾールを含む。
【0074】
グループ(ii)のポリマーが、共重合形態のビニルエステルを含むと、これらは、部分的または完全に加水分解された形で存在してビニルアルコール構造単位を与えることもできる。好適なコおよびターポリマーは、例えば、US3,887,806およびSE−A4313909から既知である。
【0075】
有機ビルダーとして好適なジカルボン酸のコポリマーは、好ましくは、
10:90〜95:5の質量比のマレイン酸とアクリル酸のコポリマー、特に好ましくは、質量比が30:70〜90:10であり、モル質量が10000〜150000である当該コポリマー;
アクリル酸のビニルエステルに対する質量比が20:80〜80:20の範囲内で異なり得る、10(マレイン酸):90(アクリル酸+ビニルエステル)〜95(マレイン酸):10(アクリル酸+ビニルエステル)の質量比のマレイン酸とアクリル酸とC1−C3−カルボン酸のビニルエステルとのターポリマー、特に好ましくは、
アクリル酸のビニルエステルに対する質量比が30:70〜70:30の範囲内で異なり得る、20(マレイン酸):80(アクリル酸+ビニルエステル)〜90(マレイン酸):10(アクリル酸+ビニルエステル)の質量比のマレイン酸とアクリル酸と酢酸ビニルまたはプロピオン酸ビニルとのターポリマー;
50:50のモル比のマレイン酸とエチレン、プロピレンまたはイソブタンのコポリマーが特に好適である、40:60〜80:20のモル比のマレイン酸とC2−C8−オレフィンのコポリマーである。
【0076】
低分子量炭水化物または水素化炭水化物上の不飽和カルボン酸のグラフトポリマー(US5,227,446、DE−A4415623、DE−A4313909参照)も有機ビルダーとして好適である。
【0077】
ここで好適な不飽和カルボン酸は、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸およびビニル酢酸、ならびにグラフトされる成分に対して40〜95質量%の量でグラフトされるアクリル酸とマレイン酸の混合物である。
【0078】
改質については、グラフトされる成分に対してさらに30質量%までのさらなるモノエチレン性不飽和モノマーが共重合形態で存在してよい。好適な改質モノマーは、グループ(ii)および(iii)の上記モノマーである。
【0079】
好適なグラフト基材は、例えば、酸または酵素により変性されたデンプン、イヌリンまたはセルロース等の変性多糖類、マンニトール、ソルビトール、アミノソルビトールおよびグルカミン等の還元(水素化または還元アミノ化)変性多糖類、ならびに例えばポリエチレングリコール、エチレンオキシド/プロピレンオキシドまたはエチレンオキシド/ブチレンオキシドブロックコポリマー、ランダムエチレンオキシド/プロピレンオキシドまたはエチレンオキシド/ブチレンオキシドコポリマー、アルコキシ化一または多塩基性C1−C22−アルコール等のMw=5000までのモル質量を有するポリアルキレングリコールである(US4,746,456参照)。
【0080】
このグループからは、グラフト変性または変性還元デンプン、およびグラフト成分に対して20〜80質量%のモノマーがグラフト重合に使用されるグラフトポリエチレンオキシドを使用するのが好ましい。グラフトについては、90:10〜10:90の質量比のマレイン酸とアクリル酸の混合物を使用するのが好ましい。
【0081】
有機ビルダーとしてのポリグリオキシル酸が、例えば、EP−B0001004、US5,399,286、DE−A4106355およびEP−A0656914に記載されている。ポリグリオキシル酸の末端基は、異なる構造を有することができる。
【0082】
有機ビルダーとしてのポリアミドカルボン酸および改質ポリアミドカルボン酸が、例えば、EP−A0454126、EP−B0511037、WO−A94/01486およびEP−A0581452から既知である。
【0083】
好ましくは、使用される有機ビルダーは、また、ポリアスパラギン酸、あるいはアスパラギン酸とさらなるアミノ酸、C4−C25−モノもしくはジカルボン酸および/またはC4−C25−モノもしくはジアミンとの共縮合体である。C6−C22−モノもしくはジカルボン酸またはC6−C22−モノもしくはジアミンで改質され、リン含有酸で製造されたポリアスパラギン酸を使用するのが特に好適である。
【0084】
有機ビルダーとしてのクエン酸とヒドロキシカルボン酸またはポリヒドロキシ化合物との縮合生成物が、例えば、WO−A93/22362およびWO−A92/16493から既知である。この種のカルボキシル基含有縮合体は、通常、10000まで、好ましくは5000までのモル質量を有する。
【0085】
水中にH22を生成し、漂白剤として機能することができる化合物のなかでは、過ホウ素酸ナトリウム四水和物および過ホウ素酸ナトリウム一水和物が特に重要である。使用できるさらなる漂白剤は、例えば、過炭酸ナトリウム、ペルオキシピロリン酸塩、クエン酸塩過水和物、および過安息香酸塩、ペルオキソフタル酸塩、ジペルアゼライン酸、フタルイミノ過酸もしくはジペルドデカン二酸等の、H22を生成する過酸塩または過酸である。
【0086】
60度以下の温度で洗浄中に漂白効果の向上を達成するために、漂白活性化剤を洗剤または洗浄剤に含めることができる。使用できる漂白活性化剤は、過加水分解条件下で、好ましくは1〜10個の炭素原子、特に2〜4個の炭素原子を有する脂肪族ペルオキソカルボン酸および/または場合によって置換された過安息香酸を生成する化合物である。特定数の炭素原子を有するO−および/またはN−アシル基および/または場合によって置換されたベンジル基を担持する物質が好適である。ポリアシル化アルキレンジアミン、特にテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、アシル化トリアジン誘導体、特に1,5−ジアセチル−2,4−ジオキソヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン(DADHT)、アシル化グリコールウリル、特にテトラアセチルグリコールウリル(TAGU)、N−アシルイミド、特にN−ノナノイルスクシンイミド(NOSI)、アシル化フェノールスルホン酸塩、特にオキシベンゼンスルホン酸n−ノナノイルまたはイソノナノイル(n−またはイソ−NOBS)、カルボン酸無水物、特に無水フタル酸、アシル化多価アルコール、特にトリアセチン、エチレングリコールジ酢酸塩および2,5−ジアセトキシ−2,5−ジヒドロフランが好ましい。
【0087】
従来の漂白活性化剤に加えて、またはそれらの代わりに、所謂漂白触媒を液体洗剤または洗浄剤に含めることも可能である。これらの物質は、漂白促進遷移金属塩、または遷移金属錯体、例えば、Mn−、Fe−、Co−、Ru−またはMo−サレン錯体または−カルボニル錯体である。窒素含有三脚型配位子とのMn、Fe、Co、Ru、Mo、Ti、VおよびCu錯体、ならびにCo−、Fe−、Cu−およびRu−アミン錯体を漂白触媒として使用することも可能である。
【0088】
好適な酵素は、特に、プロテアーゼ、エステラーゼ、リパーゼまたは脂肪分解酵素、アミラーゼ、セルラーゼおよび他のグリコシルヒドロラーゼならびに前記酵素の混合物等のヒドロラーゼ類の酵素である。これらのヒドロラーゼのすべてが、洗浄中に、タンパク質、脂肪またはデンプンを含む汚染および灰色化等の汚染の除去に寄与する。セルラーゼおよび他のグリコシルヒドロラーゼは、さらに、保色に寄与し、毛玉および微小繊維を除去することによって織物の柔らかさの向上に寄与することができる。オキシレダクターゼを漂白または色転写の防止に使用することもできる。枯草菌、リケニホルミス菌、ストレプトマイセス・グリセウスおよびヒューミコラ・インソレンス等の菌株または真菌から得られる酵素活性成分が特に好適である。サブチリシン型のプロテアーゼ、特に、バチルス・レンタスから得られるプロテアーゼを使用するのが好ましい。ここで、例えば、プロテアーゼとアミラーゼ、またはプロテアーゼとリパーゼもしくは脂肪分解酵素、またはプロテアーゼとセルロース、またはセルロースとリパーゼもしくは脂肪分解酵素、またはプロテアーゼとアミラーゼとリパーゼもしくは脂肪分解酵素、またはプロテアーゼとリパーゼもしくは脂肪分解酵素とセルロースの酵素混合物、特に、プロテアーゼおよび/またはリパーゼを含む混合物、あるいは脂肪分解酵素を含む混合物が特に興味深い。当該脂肪分解酵素は、既知のクチナーゼである。ペルオキシダーゼまたはオキシダーゼも場合によっては好適であることが証明された。好適なアミラーゼとしては、特に、α−アミラーゼ、イソアミラーゼ、プルラナーゼおよびペクチナーゼが挙げられる。使用されるセルロースは、好ましくは、セロビオヒドロラーゼ、エンドグルカナーゼ、およびセロビアーゼとも呼ばれるβ−グルコシダーゼ、またはこれらの混合物である。異なる種類のセルロースは、CMCアーゼおよびアビセラーゼ活性が異なるため、セルラーゼの目標の混合物を通じて所望の活性を確立することができる。
【0089】
酵素を早発の分解から保護するために担体に吸着させることができる。酵素、酵素混合物または酵素顆粒の割合は、例えば、約0.1〜5質量%、好ましくは0.12〜約2.5質量%であり得る。
【0090】
無機塩の群からの高度に多様な多数の塩を電解質として使用することができる。好適な陽イオンは、アルカリおよびアルカリ土類金属であり、好適な陰イオンは、ハロゲン化物および硫酸塩である。製造の観点から、組成物にNaClまたはMgCl2を使用するのが好適である。組成物における電解質の割合は、通常0.5〜5質量%である。
【0091】
液体洗剤または洗浄剤に使用できる非水性溶媒は、指定の濃度範囲で水と混和性を有するのであれば、例えば、一価もしくは多価アルコール、アルカノールアミンまたはグリコールエステルの群に由来する。好ましくは、それらの溶媒は、エタノール、n−もしくはイソプロパノール、ブタノール、グリコール、プロパン−もしくはブタンジオール、グリセロール、ジグリコール、プロピルもしくはブチルジグリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールプロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールメチル、エチルもしくはプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルもしくはエチルエーテル、ジイソプロピレングリコールモノメチルもしくはエチルエーテル、メトキシエトキシもしくはブトキシトリグリコール、イソブトキシエトキシ−2−プロパノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、プロピレングリコールt−ブチルエーテルおよびこれらの溶媒の混合物からなる群から選択される。非水性溶媒を液体洗剤または洗浄剤に0.5〜15質量%、好ましくは12質量%未満、特に9質量%未満の量で使用することができる。
【0092】
液体洗剤または洗浄剤のpHを所望の範囲にするために、pH拡張剤の使用が好適であり得る。ここで、それらの使用が、実用性関連の理由もしくは環境上の理由または消費者保護の理由で排除されなければすべての既知の酸またはアルカリを使用することができる。通常、これらの拡張剤の量は、調合物全体の7質量%を超えない。
【0093】
液体洗剤または洗浄剤の美観的印象を向上させるために、それらを好適な染料で着色することができる。その選択が当業者にとって全く困難でない好適な染料は、高い貯蔵安定性、ならびに組成物の他の成分および光に対する非感受性を有するとともに、織物繊維を汚染させないためのそれらに対する顕著な直接性を有さない。
【0094】
液体洗剤または洗浄剤に使用できる好適な発泡防止剤は、例えば、適切であれば担体物質に適用することができる石鹸、パラフィンまたはシリコーン油である。
【0095】
防汚剤とも称する好適な再汚染防止剤は、例えば、各場合において非イオン性セルロースエーテルに対して、メトキシ基の割合が15〜30質量%であり、ヒドロキシプロピル基の割合が1〜15質量%であるメチルセルロースおよびメチルヒドロキシプロピルセルロース等の非イオン性セルロースエーテルである。好適な防汚ポリマーは、例えば、エチレングリコールおよび/またはプロピレングリコールならびに芳香族ジカルボン酸または芳香族および脂肪族ジカルボン酸を有するポリエチレンオキシドのポリエステル;一端が二価および/または多価アルコールならびにジカルボン酸で維持されているポリエチレンオキシドのポリエステル、特に、エチレンテレフタレートのポリマーおよび/またはポリエチレングリコールテレフタレートあるいはこれらの陰イオンおよび/または非イオン改質誘導体である。これらのうち、フタル酸ポリマーおよびテレフタル酸ポリマーのスルホン化誘導体が特に好ましい。この種のポリエステルは、例えば、US3,557,039、GB−A1154730、EP−A0185427、EP−A0241984、EP−A0241985、EP−A0272033およびUS−A5,142,020から既知である。さらに好適な防汚ポリマーは、ポリアルキレンオキシド上のビニルおよび/またはアクリル酸エステルの両性グラフトポリマーまたはコポリマー(US4,746,456、US4,846,995、DE−A3711299、US4,904,408、US4,846,994およびUS4,849,126参照)、あるいは例えばメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースまたはカルボキシメチルセルロース等の改質セルロースである。
【0096】
処理織物の灰色化および黄色化を防止するために、光沢剤(所謂白色顔料)を液体洗剤または洗浄剤に添加することができる。これらの物質は繊維に付着し、不可視の紫外線を可視のより長波の光に変換して、日光から吸収された紫外光を淡青色の蛍光として放射させ、灰色化および/または黄色化した洗濯物を、黄色の色相を伴う純白にすることによって光沢および準漂白効果をもたらす。好適な化合物は、4,4’−ジアミノ−2,2’−スチルベンジスルホン酸(フラボン酸)、4,4’−ジスチリルビフェニレン、メチルウンベリフェロン、クマリン、ジヒドロキノリノン、1,3−ジアリールピラゾリン、ナフタルイミド、ベンゾキサゾール、ベンズイソキサゾールおよびベンズイミダゾール系、ならびに複素環で置換されたピレン誘導体の物質類に由来する。光沢剤は、通常、完成組成物に対して0.03〜0.3質量%の量で使用される。
【0097】
灰色化防止剤は、液体に懸濁した繊維から汚染物を脱離させて、汚染物の再付着を防止する役割を有する。主に有機物、例えば、膠、ゼラチン、デンプンもしくはセルロースのエーテルスルホン酸の塩、またはセルロースもしくはデンプンの酸性硫酸エステルの塩の水溶性コロイドがこの目的に好適である。酸基を含む水溶性ポリアミドもこの目的に好適である。また、以上に挙げたもの以外の可溶性デンプン製造物およびデンプン製品、例えば変性デンプン、アルデヒドデンプンを使用することができる。ポリビニルピロリドンを使用することも可能である。しかし、カルボキシメチルセルロース(Na塩)、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、ならびにメチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロ−スおよびそれらの混合物等の混合エーテル等のセルロースエーテルを組成物に対して0.1〜5%の量で使用するのが好ましい。
【0098】
特に、レーヨン、ビスコースレーヨン、木綿およびそれらの混合物で構成された織物は、個々の繊維が繊維方向に直角の屈曲、褶曲、圧縮および圧搾に敏感であるため皺になる傾向があるため、該組成物は、合成防皺剤を含むことができる。これらは、例えば、たいていエチレンオキシドと反応する脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪アルキロールエステル、脂肪アルキロールアミドまたは脂肪アルコールに基づく合成品、あるいはレシチンまたは改質リン酸エステルに基づく製品を含む。
【0099】
微生物を駆除するために、液体洗剤または洗浄剤は、抗微生物活性成分を含むことができる。ここでは、抗菌スペクトルおよび作用メカニズムに応じて、静菌剤と殺菌剤、静真菌剤と殺真菌剤等を区別する。これらのグループからの重要な物質は、例えば、塩化ベンズアルコニウム、アルキルアリールスルホン酸塩、ハロフェノールおよび酢酸フェノール水銀である。
【0100】
酸素および他の酸化プロセスによって引き起こされる液体洗剤または洗浄剤および/または処理織物の望ましくない変化を防止するために、該組成物は、酸化防止剤を含むことができる。この種の化合物は、例えば、置換フェノール、ヒドロキノン、ピロカテキンおよび芳香族アミン、ならびに有機硫化物、多硫化物、ジチオカルバミン酸塩、亜リン酸塩およびホスホン酸塩である。
【0101】
着心地の向上は、該組成物にさらに添加される帯電防止剤をさらに使用することによってもたらされ得る。帯電防止剤は、表面導電性を向上させるため、形成された電荷の放電の向上を可能にする。外的帯電防止剤は、一般には、少なくとも1つの親水性分子リガンドを有する物質であり、多かれ少なかれ吸湿性の膜を表面に生成する。これらの主に界面活性帯電防止剤を窒素含有帯電防止剤(アミン、アミド、四級アンモニウム化合物)、リン含有帯電防止剤(リン酸エステル)および硫黄含有帯電防止剤(アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩)に分類することができる。外的帯電防止剤は、例えば、特許出願FR1,156,513、GB873214およびGB839407に記載されている。ここに開示されている塩化ラウリル(またはステアリル)ジメチルベンジルアンモニウムは、織物の帯電防止剤、および感触改質効果がさらに達成される洗剤の添加剤として好適である。
【0102】
吸水能力、すなわち織物の再湿潤性を向上させ、処理織物のアイロンを容易にするために、例えば、シリコーン誘導体を液体洗剤または洗浄剤に使用することができる。これらは、また、それらの発泡防止特性により組成物の洗浄挙動を向上させる。好適なシリコーン誘導体は、例えば、アルキル基が1〜5個の炭素原子を有し、部分的または完全にフッ素化されているポリジアルキルシロキサンまたはアルキルアリールシロキサンである。好適なシリコーンは、適切であれば、誘導体化させることができ、次いでアミノ官能性を有し、または四級化され、あるいはSi−OH、Si−Hおよび/またはSi−C結合を有すポリジメチルシロキサンである。好適なシリコーンの25℃における粘度は、100〜100000mPasの範囲であり、これらのシリコーンを組成物全体に対して0.2〜5質量%の量で使用することが可能である。
【0103】
最後に、液体洗剤または洗浄剤は、処理織物に付着し、繊維の光安定性を向上させるUV吸収剤を含むこともできる。これらの所望の特性を有する化合物は、例えば、非放射性脱活性化の結果として効果的な2および/または4位に置換基を有するベンゾフェノンの化合物および誘導体である。置換ベンゾトリアゾール、3位がフェニル置換され(桂皮酸誘導体)、適切であれば2位にシアノ基を有するアクリレート、サリチル酸塩、有機Ni錯体、ならびにウンベリフェロンおよび内因性ウロカニン酸等の天然物質も好適である。
【0104】
重金属で触媒された特定の洗剤成分の分解を回避するために、重金属を錯化する物質を使用することが可能である。好適な重金属錯化剤は、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)またはメチルグリシンジ酢酸(MGDA)のアルカリ金属塩、ならびにポリマレイン酸塩およびポリスルホン酸塩等の陰イオン性多価電解質のアルカリ金属塩である。
【0105】
好適な種類の錯化剤は、好適な液体洗剤または洗浄剤に0.01〜2.5質量%、好ましくは0.02〜2質量%、特に0.03〜1.5質量%の量で存在するホスホン酸塩である。これらの好適な化合物としては、特に、例えば、主にそれらのアンモニウムまたはアルキル金属塩の形で使用される1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)、アミノトリ(メチレンホスホン酸)(ATMP)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)(DTPMPまたはDETPMP)および2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸(PBS−AM)等の有機ホスホン酸塩が挙げられる。
【0106】
得られた液体洗剤または洗浄剤は堆積物を有さない。好適な実施形態において、それらは、透明であり、または少なくとも半透明である。好ましくは、水性液体洗剤または洗浄剤は、少なくとも30%、好ましくは50%、特に好ましくは75%、最も好ましくは90%の可視光透過率を有する。あるいは、本発明による増粘剤を不透明な洗剤または洗浄剤に含めることができる。
【0107】
水性洗剤または洗浄剤は、これらの構成成分の他に、最大空間伸長に沿う直径が0.01〜10000μmである分散粒子を含むことができる。
【0108】
粒子は、マイクロカプセルならびに顆粒、コンパウンドおよび芳香ビーズであってよく、マイクロカプセルが好適である。
【0109】
「マイクロカプセル」という用語は、少なくとも1つの連続的なシース、特にポリマーで構成されたシースに囲まれた少なくとも1つの固体または液体のコアを含む凝集体を指すものと理解される。通常、これらは、膜形成ポリマーに囲まれた微分散液相または固相であり、その製造を通じて、ポリマーが、乳化およびコアセルベーションまたは界面重合の後に、封入される物質の上に沈殿する。微視的な小カプセルを粉末のように乾燥させることができる。単一コアマイクロカプセルの他に、2つ以上のコアを連続的なコーティング物質に含む多コア凝集体も既知であり、微球体とも呼ばれる。単一コアまたは多コアマイクロカプセルをさらにさらなる第2、第3等のシースで囲むことができる。連続的なシースを有する単一コアマイクロカプセルが好ましい。シースは、天然、半合成または合成材料で構成され得る。天然シース材料は、例えば、アラビアゴム、寒天、アガロース、マルトデキストリン、アルギン酸およびその塩、例えば、アルギン酸ナトリウムもしくはアルギン酸カルシウム、脂肪および脂肪酸、セチルアルコール、コラーゲン、キトサン、レシチン、ゼラチン、アルブミン、シェラック、デンプンもしくはデキストラン等の多糖類、スクロースおよび蝋である。半合成コーティング材料は、なかでも、化学的改質セルロース、特にセルロースエステルおよびエーテル、例えば、酢酸セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース、ならびにデンプン誘導体、特にデンプンエーテルおよびエステルである。合成コーティング材料は、例えば、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリビニルアルコールまたはポリビニルピロリドン等のポリマーである。マイクロカプセルの内部に、水性液体洗剤または洗浄剤の敏感な成分、化学的または物理的不相溶性成分ならびに揮発性成分(=活性成分)を貯蔵安定的および輸送安定的な方法で封入することができる。例えば、光沢剤、界面活性剤、錯化剤、漂白剤、漂白活性化剤、染料および芳香剤、酸化防止剤、ビルダー、酵素、酵素安定剤、抗微生物活性成分、灰色化防止剤、再汚染防止剤、pH拡張剤、電解質、発泡防止剤およびUV吸収剤がマイクロカプセルに存在してよい。
【0110】
マイクロカプセルは、陽イオン性界面活性剤、ビタミン、タンパク質、防腐剤、洗浄力向上剤または真珠様光沢剤を含むこともできる。マイクロカプセルの充填物は、固体、または溶液、エマルジョンもしくは懸濁液の形の液体であり得る。
【0111】
マイクロカプセルは、製造の範囲内の任意の所望の形を有することができるが、好ましくはほぼ球形である。それらの最大空間伸長に沿う直径は、それらの内部に存在する成分および用途に応じて0.01μm(視覚的にカプセルと認識することができない)〜10000μmであり得る。直径が100μm〜7000μm、特に400μm〜5000μmの範囲である可視的なマイクロカプセルが好ましい。マイクロカプセルは、既知の方法で得ることができ、コアセルベーションおよび界面重合が最も重要である。使用できるマイクロカプセルは、市場で調達されるすべての界面活性剤安定性マイクロカプセル、例えば、商品(コーティング材料をそれぞれ括弧内に示す)、Hallcrest Microcapsules(ゼラチン、アラビアゴム)、Coletica Thalaspheres(海洋コラーゲン)、Lipotec Millicapsules(アルギン酸、寒天)、Induchem Unispheres(ラクトース、微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース);Unicerin C30(ラクトース、微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、Kobo Glycospheres(改質デンプン、脂肪酸エステル、リン脂質)、Softspheres(改質寒天)およびKuhs Probiol Nanospheres(リン脂質)である。
【0112】
あるいは、コア−シース構造を有さないが、活性成分がマトリックス形成材料のマトリックスに分布する粒子を使用することも可能である。当該粒子は「微小粒」とも呼ばれる。
【0113】
好適なマトリックス形成材料はアルギン酸塩である。アルギン酸塩をベースとした微小粒を製造するために、封入される活性成分または封入される複数の活性成分をも含むアルギン酸塩水溶液がドリップされ、次いで、Ca2+イオンまたはAl3+イオンを含む沈殿浴にて硬化される。
【0114】
あるいは、アルギン酸塩の代わりに、他のマトリックス形成材料を使用することができる。マトリックス形成材料の例は、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリメタクリレート、ポリリシン、ポロキサマー、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキシド、ポリエトキシオキサゾリン、アルブミン、ゼラチン、アカシア、キトサン、セルロース、デキストラン、Ficoll(登録商標)、デンプン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒアルロン酸、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、脱アセチル化キトサン、硫酸デキストラン、およびこれらの物質の誘導体を含む。これらの物質のマトリックス形成は、ゲル化、ポリアニオン−ポリカチオン相互作用または多電解質−金属イオン相互作用を介して生じる。これらのマトリックス形成材料を用いた粒子の製造は、それ自体既知である。
【0115】
それらの粒子を安定的に水性液体洗剤または洗浄剤に分散させることができる。安定は、組成物が、上皮を生じることなく、または沈降することなく、室温および40℃で少なくとも4週間、好ましくは少なくとも6週間にわたって安定していることを意味する。本発明による増粘剤は、粘度の増加を介して、粒子の沈降の動力学的緩慢化、よって懸濁状態でのそれらの安定化をもたらす。
【0116】
マイクロカプセルまたは微小粒からの活性成分の放出は、通常、機械的、熱的、化学的または酵素的作用の結果として、シースまたはマトリックスの分解を介して、それらを含む組成物の散布時に生じる。
【0117】
本発明による洗剤または洗浄剤を織物および/または硬質表面の洗浄に使用することができる。本発明による洗浄剤は、手または機械による食器洗浄用洗剤、例えば金属、塗装木材もしくはプラスチック製非繊維表面のための汎用洗浄剤、または陶器、タイル等のセラミック製品のための洗浄剤の形をとることができる。洗剤または洗浄剤を液体またはペーストの形で調合することができる。
【0118】
液体洗剤または洗浄剤を製造するために、界面活性剤、会合性増粘剤および任意の成分を任意の所望の順序で互いに混合することができる。例えば、直鎖状アルキルスルホン酸塩、クエン酸、ホウ酸、ホスホン酸、脂肪アルコールエーテル硫酸塩等の酸性成分を最初に導入し、それに非イオン性界面活性剤を添加することができる。次いで、NaOH、KOH、トリエタノールアミンまたはモノエタノールアミン等の塩基の後に、存在すれば脂肪酸を添加する。続いて、水性液体洗剤または洗浄剤の残りの成分および溶媒を該混合物に添加する。次いで、本発明による会合性増粘剤を添加し、適切であれば、pHを例えば8から9.5の値に調節する。
【0119】
本発明による会合性増粘剤の特別の利点は、後に洗剤または洗浄剤の予備調合物に含めること(後添加)に適することである。洗剤または洗浄剤は、それらの製造の後期段階で初めて高粘度を達成するため、後に増粘剤分散液を含めることは、製造の流れを単純化して有利である。それは、正確な濃度調整を可能にする。低粘度液の取り扱い、例えば、ポンピングによる循環、混合または均質化は、より迅速かつより容易に行われるため、低粘度の予備調合物をより短いバッチ時間およびより低エネルギー消費量で製造することができる。
【0120】
通常、後に増粘剤を含めると、洗剤または洗浄剤の他の構成成分との不相溶性が強くなり、粘度が不都合に増大し、かつ/または透明性が損なわれ得る。驚いたことに、本発明による会合性増粘剤では、この種の不相溶性が生じない。
【0121】
適切であれば、最後に、分散させる粒子を添加し、混合を介して、水性液体洗剤または洗浄剤に均質に分散させることができる。
【0122】
本発明を以下の実施例によってより詳細に説明する。
【0123】
比較例1
以下に記載される方法に従ってコポリマーの製造を実施した。
【0124】
得られた水性ポリマー分散液は、コポリマーをそれらの酸の形で含んでいた。
【0125】
固定攪拌機(150rpm)、還流冷却器、内蔵温度センサおよび計量部を備えた4リットルHWS容器からなる撹拌装置にて、736.73gの脱塩水(脱塩水)と10.71gの乳化剤Texapon NSO(ラウリルエーテル硫酸ナトリウム;水中濃度28%)とを初期充填物として混合した。
【0126】
75℃において、4.23gの7%濃度のペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液をこの溶液に添加し、該混合物を75℃で5分間撹拌した。次いで、75℃でさらに撹拌しながら、457.04gの完全脱塩水(脱塩水)、モノマー(183.67gのメタクリル酸および360gのエチルアクリレート、15gのLutensol AT25メタクリレート[=(C16-18)−(EO)25メタクリレート]、45gのメチルメタクリレート)および水中濃度28%の10.71gの乳化剤Texapon NSOからなるエマルジョンを2時間にわたって均一に計量導入すると同時に、12.06gの7%濃度のペロオキソ二硫酸ナトリウム水溶液を2時間にわたって均一に計量導入した。
【0127】
次いで、反応混合物を75℃でさらに1時間撹拌し、次いで室温にした。室温にて、0.3gの4%濃度のDissolvine E−FE−6溶液(鉄(II)塩溶液)および12gの5%濃度の過酸化水素溶液を添加し、90gの1%濃度のアスコルビン酸溶液を30分にわたって均一に計量導入した。これにより、固形分が31%の水性ポリマー分散液を得た。
【0128】
以下の第1表に示される比較例2および3の会合性増粘剤分散液を同様に製造した。
【0129】
実施例1
固定攪拌機(150rpm)、還流冷却器、内蔵温度センサおよび計量部を備えた4リットルHWS容器からなる撹拌装置にて、736.73gの脱塩水(脱塩水)と水中濃度28%の10.71gの乳化剤Texapon NSOとを初期充填物として混合した。
【0130】
75℃において、4.23gの7%濃度のペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液をこの溶液に添加し、該混合物を75℃で5分間撹拌した。次いで、75℃でさらに撹拌しながら、457.04gの完全脱塩水(脱塩水)、モノマー(183.67gのメタクリル酸および300gのエチルアクリレート、60gのn−ブチルアクリレート、15gのLutensol AT25メタクリレート、45gのメチルメタクリレート)および水中濃度28%の10.71gの乳化剤Texapon NSOからなるエマルジョンを2時間にわたって均一に計量導入すると同時に、12.06gの7%濃度のペロオキソ二硫酸ナトリウム水溶液を2時間にわたって均一に計量導入した(エマルジョンとNaPS供給原料の混合物)。次いで、反応混合物を75℃でさらに1時間撹拌し、次いで室温にした。室温にて、0.3gの4%濃度のDissolvine E−FE−6溶液および12gの5%濃度の過酸化水素溶液を添加し、90gの1%濃度のアスコルビン酸溶液を30分にわたって均一に計量導入した。これにより、固形分が31%の水性ポリマー分散液を得た。
【0131】
以下の第1表に示される他の会合性増粘剤、すなわち実施例2から実施例9を、エチルアクリレートの代わりに、高含有量の疎水性モノマーブチルアクリレートを導入して、同様にして製造した。供給材料についての定量データを反応性モノマー100部当たりの部数(モノマー100当たりの部数;pphm)で示す。該分散液を特徴づけるために、以下の値を測定した。
【0132】
固形分:分散液を140℃で30分間乾燥させ、固形分を乾燥残渣の初期質量に対する比から百分率で求めた。
【0133】
粒径:分散液を0.01%まで希釈し、粒径を、Malvern Instrumentsの高性能粒径測定器5001(HPPS)にて光散乱によって測定した。
【0134】
LD値:分散液を0.01%まで希釈し、分散液の光透過度(LD)を、粒径の測度として、純水と比較してHach DR/2010にて光学的に測定した。
【0135】
【表1】

【0136】
【表2】

【0137】
実施例10
固定攪拌機(150rpm)、還流冷却器、内蔵温度センサおよび計量部を備えた4リットルHWS容器からなる撹拌装置にて、1129.41gの脱塩水(脱塩水)と水中濃度28%の19.11gの乳化剤Texapon NSOとを初期充填物として混合した。
【0138】
75℃において、25.99gの7%濃度のペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液の留分をこの溶液に添加し、該混合物を75℃で5分間撹拌した。次いで、75℃でさらに撹拌しながら、1000gの完全脱塩水(脱塩水)、モノマー(327.55gのメタクリル酸および321gのエチルアクリレート、321gのn−ブチルアクリレート、26.75gのLutensol AT25メタクリレート、80.25gのメチルメタクリレート)、乳化剤(水中濃度28%の38.21gのTexapon NSO)からなるエマルジョンを2時間にわたって均一に計量導入した。次いで、反応混合物を75℃でさらに1時間撹拌し、次いで室温にした。室温にて、0.54gの4%濃度のDissolvine E−FE−6溶液および21.4gの5%濃度の過酸化水素溶液を添加し、160.5gの1%濃度のアスコルビン酸溶液を30分間にわたって均一に計量導入した。これにより、固形分が31%の水性ポリマー分散液を得た。
【0139】
以下の第2表に示される実施例11から実施例16の他の会合性増粘剤分散液を同様に製造した。
【0140】
【表3】

【0141】
実施例17
固定攪拌機(150rpm)、還流冷却器、内蔵温度センサおよび計量部を備えた4リットルHWS容器からなる撹拌装置にて、250.5gの脱塩水(脱塩水)と水中濃度28%の8.93gの乳化剤Texapon NSOと水中0.63gの4%濃度のDissolvine E−FE−6溶液(鉄(II)塩溶液)とを初期充填物として混合した。初期充填物を窒素で洗浄した。
【0142】
70℃において、5gの5%濃度の過酸化水素溶液および3gの0.25%濃度のアスコルビン酸水溶液をこの溶液に添加し、該混合物を70℃で5分間撹拌した。次いで、70℃でさらに撹拌しながら、1098.86gの脱塩水、モノマー(153.06gのメタクリル酸、75gのエチルアクリレート、225gのn−ブチルアクリレート、12.5gのLutensol AT25メタクリレート[=(C16-18)−(EO)25メタクリレート]、37.5gのメチルメタクリレート)および水中濃度28%の8.93gの乳化剤Texapon NSOのエマルジョンを4時間にわたって均一に計量導入した。同時に、16gの2.5%濃度のt−ブチルヒドロペルオキシド溶液および27gの0.25%濃度のアスコルビン酸水溶液を4.25時間にわたって均一に計量導入した。次いで、反応混合物を70℃でさらに15分間撹拌し、次いで室温にした。
【0143】
室温にて、10gの5%濃度の過酸化水素溶液を添加し、75gの1%濃度のアスコルビン酸溶液を30分間にわたって均一に計量導入した。これにより、固形分が25%の水性ポリマー分散液を得た。
【0144】
以下の第3表に示される実施例18から実施例22の他の会合性増粘剤分散液を同様に製造し、実施例20から22では、t−ブチルヒドロペルオキシド溶液の供給を、モノマーエマルジョンおよびアスコルビン酸の供給の開始15分後に開始し、4時間にわたって均一に計量導入した。
【0145】
【表4】

【0146】
実施例23
固定攪拌機(150rpm)、還流冷却器、内蔵温度センサおよび計量部を備えた4リットルHWS容器からなる撹拌装置にて、715.66gの脱塩水(脱塩水)と水中濃度28%の10.71gの乳化剤Texapon NSOとを初期充填物として混合した。初期充填物を窒素で洗浄した。
【0147】
60℃において、12gの2.5%濃度の過酸化二硫酸ナトリウム溶液をこの溶液に添加し、該混合物を60℃で5分間撹拌した。次いで、60℃でさらに撹拌しながら、457.04gの脱塩水、モノマー(183.67gのメタクリル酸、270gのエチルアクリレート、90gのn−ブチルアクリレート、15gのLutensol AT25メタクリレート[=(C16-18)−(EO)25メタクリレート]、45gのメチルメタクリレート)および水中濃度28%の10.71gの乳化剤Texapon NSOのエマルジョンを2時間にわたって均一に計量導入すると同時に、12gの2.5%濃度のペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液(モノマー供給原料とペルオキソ二硫酸ナトリウムの混合物)および12gの1%濃度のアスコルビン酸水溶液を3時間にわたって均一に計量導入した。次いで、反応混合物を60℃でさらに30分間撹拌し、次いで室温にした。
【0148】
室温にて、0.3gの5%濃度のDissolvine E−FE−6溶液(鉄(II)塩溶液)および12gの5%濃度の過酸化水素溶液を添加し、90gの1%濃度のアスコルビン酸溶液を30分間にわたって均一に計量導入した。これにより、固形分が31%の水性ポリマー分散液を得た。
【0149】
以下の第4表に示される実施例24から実施例...の他の会合性増粘剤分散液を同様にして製造した。
【0150】
【表5】

【0151】
液体洗剤の製造
以下の原料調合物を製造した(完成調合物に対する質量%)。
【0152】
【表6】

【0153】
上記構成成分を混合し、水で90質量%増量した。すなわち、10質量%の調合物ギャップを残した。原料調合物をKOHでpH8.6に調整した。
【0154】
(非増粘)基準調合物については、原料調合物を水で100質量%に増量した。増粘試験調合物については、分散液の固形分を考慮して、完成調合物に対して1.5質量%の増粘剤濃度が確立されるように、原料調合物を増粘剤分散液および水で増量した。粘度測定の前に、調合物を少なくとも5時間静置させた。
【0155】
20℃でスピンドルno.62を使用して、毎分20回転の回転速度で、ブルックフィールド粘度計型RV−03を使用して、DIN51550、DIN53018、DIN53019による指示を考慮しながら低剪断粘度を測定した。非増粘基準調合物の粘度は128mPas(調合物1)および112mPas(調合物2)であった。
【0156】
23℃で440nmの透過度%を測定した。測定値を非増粘基準調合物の透過度に対する百分率で示す。
【0157】
結果の概要を第5表および第6表に示す。
【0158】
【表7】

【0159】
【表8】

【0160】
【表9】

【0161】
【表10】

【0162】
n−ブチルアクリレートを含まない比較例1から3は、不十分な粘度の増加を示すことがわかる。また、最初に重合開始剤をその全体に導入した実施例10から16は、液体洗剤における透明性の向上ならびに強い増粘力を示すことがわかる。
【0163】
後に含められる(後添加される)様々な標準的な市販の流動改質剤(HASE型のアクリル会合性増粘剤)(疎水性改質アルカリ膨潤性エマルジョン)の適合性を調べた。このために、増粘剤の固形分を考慮して、完成調合物に対して1.5質量%の増粘剤濃度が確立されるように、上記原料調合物2を増粘剤および水で増量した。比較のために実施例16も示す。
【0164】
【表11】

1)Acusol 820、疎水性改質アルカリ可溶性アクリルポリマーエマルジョン;液体、約30%の活性含有量;RohmおよびHaas
2)Carbopol、わずかに架橋したアルカリ膨潤性アクリルエマルジョンポリマー、液体、約30%の活性含有量;Noveon
3)Alcoguard 5800、会合性アクリル流動改質剤、液体、約30%の活性含有量;Alco Chemical

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)少なくとも1つのエチレン性不飽和カルボン酸、
b)少なくとも1つの非イオン性エチレン性不飽和界面活性剤モノマー、
c)少なくとも1つのC1−C2−アルキルメタクリレート、
d)アルキルアクリレートのアルキル基の数に対する平均アルキル鎖長が2.1〜4.0である少なくとも1つのC2−C4−アルキルアクリレートの共重合単位を含むコポリマーの水性分散液を含む、会合性増粘剤。
【請求項2】
前記コポリマーが、エチレン性多不飽和モノマーの共重合単位をさらに含む、請求項1に記載の会合性増粘剤。
【請求項3】
前記非イオン性エチレン性不飽和界面活性剤モノマーが、一般式
R−O−(CH2−CHR’−O)n−CO−CR"=CH2
[式中、
Rは、C6−C30−アルキルであり、
R’は、水素またはメチルであり、
R"は、水素またはメチルであり、
nは、2〜100の整数である]を有する、請求項1または2に記載の会合性増粘剤。
【請求項4】
前記エチレン性不飽和カルボン酸が、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸およびマレイン酸から選択される、請求項1から3までのいずれか一項に記載の会合性増粘剤。
【請求項5】
前記コポリマーが、前記コポリマーの全質量に対して5〜85質量%のn−ブチルアクリレートの共重合単位を含む、請求項1から4までのいずれか一項に記載の会合性増粘剤。
【請求項6】
前記コポリマーが、単段コポリマーである、請求項1から5までのいずれか一項に記載の会合性増粘剤。
【請求項7】
前記水性分散液が、陰イオン性および/または非イオン性乳化剤をさらに含む、請求項1から6までのいずれか一項に記載の会合性増粘剤。
【請求項8】
前記乳化剤が、一般式
R−O−(CH2−CHR’−O)n−X
[式中、
Rは、C6−C30−アルキルであり、
R’は、水素またはメチルであり、
Xは、水素またはSO3Mであり、
Mは、水素またはアルカリ金属であり、
nは、2〜100の整数である]を有する、請求項7に記載の会合性増粘剤。
【請求項9】
熱的に活性可能な遊離基重合開始剤の存在下でモノマー混合物の重合によって得られる、請求項1から8までのいずれか一項に記載の会合性増粘剤。
【請求項10】
前記熱的に活性可能な遊離基重合開始剤が完全に初充填され、前記モノマー混合物が供給される、請求項9に記載の会合性増粘剤。
【請求項11】
レドックス開始剤系の存在下でモノマー混合物の重合によって得られる、請求項1から8までのいずれか一項に記載の会合性増粘剤。
【請求項12】
前記レドックス開始剤系が、アスコルビン酸、ならびに過酸化水素、ヒドロペルオキシドおよびペルオキソ二硫酸塩から選択される少なくとも1つの酸化剤成分を含む、請求項11に記載の会合性増粘剤。
【請求項13】
請求項1から12までのいずれか一項に記載の会合性増粘剤を完全または部分的に中和された形で含む、液体洗剤または洗浄剤組成物。
【請求項14】
請求項1から12までのいずれか一項に記載の会合性増粘剤を洗剤または洗浄剤予備調合物に後に混加する、液体洗剤または洗浄剤組成物を製造するための方法。
【請求項15】
熱的に活性可能な遊離基重合開始剤を初充填し、
a)少なくとも1つのエチレン性不飽和カルボン酸、
b)少なくとも1つの非イオン性エチレン性不飽和界面活性剤モノマー、
c)少なくともC1−C2−アルキルメタクリレート、
d)アルキルアクリレートのアルキル基の数に対する平均アルキル鎖長が2.1〜4.0である少なくとも1つのC2−C4−アルキルアクリレートを含むモノマー混合物を供給する、会合性増粘剤を製造するための方法。
【請求項16】
a)少なくとも1つのエチレン性不飽和カルボン酸、
b)少なくとも1つの非イオン性エチレン性不飽和界面活性剤モノマー、
c)少なくともC1−C2−アルキルメタクリレート、
d)アルキルアクリレートのアルキル基の数に対する平均アルキル鎖長が2.1〜4.0である少なくとも1つのC2−C4−アルキルアクリレートを含むモノマー混合物を水性初充填物に供給し、該モノマー混合物の供給の間に、少なくとも時々、レドックス開始剤系の酸化剤成分および還元剤成分を供給する、会合性増粘剤を製造するための方法。

【公表番号】特表2010−535879(P2010−535879A)
【公表日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−519442(P2010−519442)
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【国際出願番号】PCT/EP2008/060167
【国際公開番号】WO2009/019225
【国際公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】