説明

位置表示システムおよび位置表示装置ならびにマップマッチング方法

【課題】GPS測位手段を有する端末装置を設置した列車などの移動体の位置を走行中のリンクに正しくマップマッチングできるようにする。
【解決手段】ノードと各ノード間を結ぶリンクとから構成されたネットワークデータベース38を備え、各端末装置20から測位データを受信し、ネットワークデータベース38から測位位置の周辺のリンクを抽出して何れかのリンクに測位位置をマップマッチングする位置表示システム10において、位置表示システム10は、端末装置20から受信した測位データに基づいて測位位置周辺のリンクを抽出するリンク抽出手段35と、測位データから測位ベクトルを算出する測位ベクトル算出手段36と、マッチングリンク決定手段37と、を備え、マッチングリンク決定手段37は、測位ベクトルの向きに基づいて、測位ベクトルの向きに最も近い向きを有するリンクをマッチングリンクとして決定し、端末装置20の位置を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GPS測位手段により現在位置を測位して、ネットワークデータを構成するリンクに現在位置をマップマッチングして現在位置を前記リンク上に表示する位置表示システムに関するものであり、特に、リンクの方向と、GPS測位手段が測位した現在位置データに含まれる進行方向情報に基づいて、進行方向と方向が近いリンクに現在位置をマップマッチングして現在位置を表示するようにした位置表示システムおよび位置表示装置ならびにマップマッチング方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からGPS測位手段により移動体の現在位置を測位して地図上に移動体の現在位置を表示する現在位置表示システムや地図表示システムが知られている。このようなシステムとしてはナビゲーションシステムが実用化されている。ナビゲーションシステムとしては、自動車に搭載する車載用のナビゲーションシステム、徒歩および交通機関を使用して移動する歩行者のためのナビゲーションシステムなどが知られている。また、現在位置に基づいて、近辺の地図を表示するシステムも知られている。最近ではこれらのシステムは、携帯電話などの携帯端末装置を使用し、所定の情報配信サーバ、経路探索サーバなどから案内経路や地図をダウンロードする通信型のシステムが広く用いられている。
【0003】
ナビゲーション装置は、地図データや経路探索用の道路ネットワークデータを備え、所望の出発地、目的地を経路探索条件として道路ネットワークデータを参照して出発地から目的地に至る最適経路を探索し、地図上に最適経路を案内経路として表示し、目的地までの経路を案内するものである。ナビゲーション装置の現在位置はGPS受信機を用いて衛星航法により測位する他、車載用のナビゲーション装置においては車速センサや操角センサなど車両の移動を検出する各種センサの出力に基づいて自立航法により測位する。これらの測位手段で検出された現在位置を現在位置マークとして地図上に表示し時々刻々のナビゲーション装置の移動が地図上で確認できるようになっている。
【0004】
経路と経路上の移動体の位置を把握するシステムは、上記のようなナビゲーションシステムや地図表示システムの他にも鉄道やバスなどの公共交通機関において、車両の運行管理システムにも用いられる。地図情報提供システムやナビゲーションシステムにおける地図データは、所定の緯度、経度の間隔でメッシュ状に区分された単位地図データ(メッシュ地図)から構成される。
【0005】
ナビゲーションシステムなどにおいて経路探索のために使用される道路ネットワークのデータは次のように構成されている。すなわち、地図データの道路(経路)をその結節点、屈曲点の位置をノードとし、各ノードを結ぶ経路をリンクとし、全てのリンクのコスト情報(距離や所要時間)とから構成される。経路探索手段は、この道路ネットワークデータを参照して、出発地のノードから目的地のノードに至るリンクを順次探索し、リンクのコスト情報が最小となるノード、リンクをたどって案内経路とすることによって最短の経路を案内することができる。このような経路探索の手法としてはラベル確定法あるいはダイクストラ法と言われる手法が用いられる。
【0006】
一般に、移動体の位置測位にはGPS測位が利用されている。GPS測位は、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を利用したものであり、地球上を周回している複数のGPS衛星から送信されるGPS信号をGPSアンテナで受信し、該GPS信号に含まれる衛星位置や時計情報等を解析して位置の特定化を行うものである。該複数のGPS衛星の個数は少なくとも4個以上必要である。GPSの単独測位精度は一般的に10m強であるが、DGPS(Differential GPS:ディファレンシャルGPS)を採用することにより5m以下に向上する。
【0007】
GPS測位手段による現在位置にはGPS衛星信号の処理における演算誤差が含まれることは周知である。一般的にGPSの単独測位精度は一般的に10m強であり、GPS測位手段で測位した位置(緯度・経度)が道路上から外れる場合がある。マッチング処理とはこの誤差による道路からのずれを修正する処理をいう。通常は測位した現在位置(測位した緯度・経度)に最も近い道路を抽出し、現在位置からこの道路に垂線をおろし、道路との交点を現在位置(補正緯度・経度)として補正する処理である。このような処理方法を投影法といい、地図上の道路データを使用して上記の処理を行う方法をマップマッチングという。
【0008】
図9は、この投影法によるマップマッチングの方法を説明するための模式図である。GPS測位手段により測位した現在位置PP(緯度X・経度Y)であり、周辺の道路のリンクとして道路リンクLK1と道路リンクLK2の2つが存在していた場合、現在位置PPから各道路リンクLK1とLK2にそれぞれ垂線をおろし、その交点をP1、P2として、垂線の長さL1とL2を求める。そして、垂線の長さL1、L2を比較し、長さが短い方の道路リンク、図9の場合、道路リンクLK2の交点P2をマッチングした現在位置PMとして、測位誤差を修正する。
【0009】
このようなマッチング方法は、自動車が道路上を走行しているという前提のもとに、GPS測位によって測位した現在位置PPが道路リンクから外れている場合には、現在位置PPの周辺に存在する道路リンクのうち、最も近い道路リンク、すなわち、前記垂線の長さが最も短い道路リンクに正しい現在位置があると推定するのが合理的であるという考え方に基づいている。
【0010】
しかしながら、現実的にはGPS測位における測位誤差が一定ではなく、種々の要因によって誤差が異なることもある。このため、上記のような投影法でマッチングされた道路リンク上を自動車が実際には走行しておらず、他の道路リンク上を走行しているというエラーが生じるという第1の問題点がある。また、この投影法によると、道路リンクにおろした垂線と道路リンクとの交点をマッチング位置とするため、GPS測位した現在位置において存在している進行方向の距離成分が無視され、マッチング位置がずれを持つという第2の問題点があった。
【0011】
前述の投影法によるマップマッチングにおける第2の問題点を解消する手法としては、例えば、下記の特許文献1(特開平9−5096号公報)に開示されたマップマッチング方法が知られている。この特許文献1に開示されたマップマッチング方法は、進行方向が所定角度以上変化したか監視し、かつ、GPS検出位置P1′からマップマッチング道路RT1までの距離Δxを計算して保存する。そして、進行方向が変化した場合には、GPS検出位置P2′を進行方向の変化前に保存した距離Δxを用いて補正し(P2′→P2″)、該補正した位置に基づいてマップマッチングを行い、車両マークを地点Qに表示するようにしたものである。
【0012】
すなわち、このマップマッチング方法は、GPS測位した現在位置において、その進行方向成分の距離を用いてマッチングさせる道路上のマッチング位置を補正するようにしたものであって、これにより実際の自動車の位置と、マッチング位置との誤差を小さくしたものである。
【0013】
【特許文献1】特開平9−5096号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上記特許文献1に開示されたマップマッチング方法によれば、前述した第2の問題点を解消することはできるが、マッチングされた道路リンク上を自動車が実際には走行しておらず、他の道路リンク上を走行しているというエラーが生じるという第1の問題点を解消することはできない。
【0015】
鉄道における運行管理システムでは、運行時刻表に基づいて各列車の走行路線が決定されているため、現在位置を測位して計画された路線にマッチングすることもできるが、列車の運行に遅れが生じる場合もあり、特に分岐点がある場合は、現実に正しい路線上を列車が正しく運行しているか否かを、各列車の現在位置を測位してネットワークデータにマップマッチングして把握する必要がある。
【0016】
本願の上記の問題点を解消すべくなされたものであり、リンクの方向と、GPS測位手段が測位した現在位置データに含まれる進行方向情報に基づいて、進行方向と方向が近いリンクに現在位置をマップマッチングして現在位置を表示するようになせば、上記の問題点を解消し得ることに想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0017】
すなわち、本発明は上記の問題点を解消することを課題とし、GPS測位手段により現在位置を測位して、ネットワークデータを構成するリンクに現在位置をマップマッチングして現在位置を前記リンク上に表示する位置表示システムにおいて、走行中のリンクに正しくマップマッチングすることのできる位置表示システムおよび位置表示装置ならびにマップマッチング方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
ノードと各ノード間を結ぶリンクとから構成されたネットワークデータベースを備え、各端末装置から測位データを受信し、前記ネットワークデータベースから測位位置の周辺のリンクを抽出して何れかのリンクに前記測位位置をマップマッチングして該端末装置の位置をネットワーク上に表示する位置表示システムにおいて、
前記位置表示システムは、前記端末装置から受信した測位データに基づいて測位位置周辺のリンクを抽出するリンク抽出手段と、前記測位データから測位ベクトルを算出する測位ベクトル算出手段と、マッチングリンク決定手段と、を備え、
前記マッチングリンク決定手段は、前記測位ベクトルの向きに基づいて、測位ベクトルの向きに最も近い向きを有するリンクをマッチングリンクとして決定し、前記端末装置の位置を当該リンク上にマッチングすることを特徴とする。
【0019】
本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる位置表示システムにおいて、
前記マッチングリンク決定手段は、前記リンク抽出手段が抽出した各リンクに測位ベクトルに垂直に交わる垂線を前記測位位置からおろして各リンクとの第1交点群を求め、次いで第1交点群の各交点から該当リンクと垂直に交わる垂線を前記測位ベクトルにたてて測位ベクトルとの第2交点群を求め、測位位置と第2交点群の各交点との距離を算出し、該距離に基づいて測位ベクトルの向きに最も近い向きを有するリンクをマッチングリンクとして決定することを特徴とする。
【0020】
本願の請求項3にかかる発明は、請求項1にかかる位置表示システムにおいて、
前記ネットワークデータベースに蓄積されたデータは鉄道の路線ネットワークのデータであり、前記端末装置は前記路線ネットワーク上を運行する列車であり、前記端末装置から受信した測位データに基づいて測位位置周辺のリンクを抽出するリンク抽出手段と、前記測位データから測位ベクトルを算出する測位ベクトル算出手段と、マッチングリンク決定手段と、を運行管理サーバが備え、各端末装置の位置を前記運行管理サーバに表示することを特徴とする。
【0021】
また、本願の請求項4にかかる発明は、
ノードと各ノード間を結ぶリンクとから構成されたネットワークデータベースを備え、各端末装置から測位データを受信し、前記ネットワークデータベースから測位位置の周辺のリンクを抽出して何れかのリンクに前記測位位置をマップマッチングして該端末装置の位置をネットワーク上に表示する位置表示装置において、
前記位置表示装置は、前記端末装置から受信した測位データに基づいて測位位置周辺のリンクを抽出するリンク抽出手段と、前記測位データから測位ベクトルを算出する測位ベクトル算出手段と、マッチングリンク決定手段と、を備え、
前記マッチングリンク決定手段は、前記測位ベクトルの向きに基づいて、測位ベクトルの向きに最も近い向きを有するリンクをマッチングリンクとして決定し、前記端末装置の位置を当該リンク上にマッチングすることを特徴とする。
【0022】
本願の請求項5にかかる発明は、請求項4にかかる位置表示装置において、
前記マッチングリンク決定手段は、前記リンク抽出手段が抽出した各リンクに測位ベクトルに垂直に交わる垂線を前記測位位置からおろして各リンクとの第1交点群を求め、次いで第1交点群の各交点から該当リンクと垂直に交わる垂線を前記測位ベクトルにたてて測位ベクトルとの第2交点群を求め、測位位置と第2交点群の各交点との距離を算出し、該距離に基づいて測位ベクトルの向きに最も近い向きを有するリンクをマッチングリンクとして決定することを特徴とする。
【0023】
本願の請求項6にかかる発明は、請求項4にかかる位置表示装置において、
前記ネットワークデータベースに蓄積されたデータは鉄道の路線ネットワークのデータであり、前記端末装置は前記路線ネットワーク上を運行する列車であり、前記端末装置から受信した測位データに基づいて測位位置周辺のリンクを抽出するリンク抽出手段と、前記測位データから測位ベクトルを算出する測位ベクトル算出手段と、マッチングリンク決定手段と、を運行管理サーバが備え、各端末装置の位置を前記運行管理サーバに表示することを特徴とする。
【0024】
また、本願の請求項7にかかる発明は、
ノードと各ノード間を結ぶリンクとから構成されたネットワークデータベースを備え、各端末装置から測位データを受信し、前記ネットワークデータベースから測位位置の周辺のリンクを抽出して何れかのリンクに前記測位位置をマップマッチングして該端末装置の位置をネットワーク上に表示する位置表示システムを用いたマップマッチング方法において、
前記位置表示システムは、前記端末装置から受信した測位データに基づいて測位位置周辺のリンクを抽出するリンク抽出手段と、前記測位データから測位ベクトルを算出する測位ベクトル算出手段と、マッチングリンク決定手段と、を備え、
前記マッチングリンク決定手段が、前記測位ベクトルの向きに基づいて、測位ベクトルの向きに最も近い向きを有するリンクをマッチングリンクとして決定するマッチングリンク決定ステップを有し、前記端末装置の位置を当該リンク上にマッチングすることを特徴とする。
【0025】
本願の請求項8にかかる発明は、請求項7にかかるマップマッチング方法において、
前記マッチングリンク決定ステップは、前記リンク抽出手段が抽出した各リンクに測位ベクトルに垂直に交わる垂線を前記測位位置からおろして各リンクとの第1交点群を求め、次いで第1交点群の各交点から該当リンクと垂直に交わる垂線を前記測位ベクトルにたてて測位ベクトルとの第2交点群を求め、測位位置と第2交点群の各交点との距離を算出し、該距離に基づいて測位ベクトルの向きに最も近い向きを有するリンクをマッチングリンクとして決定する処理を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
請求項1にかかる発明においては、位置表示システムは、端末装置から受信した測位データに基づいて測位位置周辺のリンクを抽出するリンク抽出手段と、測位データから測位ベクトルを算出する測位ベクトル算出手段と、マッチングリンク決定手段と、を備え、マッチングリンク決定手段は、測位ベクトルの向きに基づいて、測位ベクトルの向きに最も近い向きを有するリンクをマッチングリンクとして決定し、端末装置の位置を当該リンク上にマッチングする。
【0027】
このような構成によれば、GPS受信手段により測位した現在位置のデータ(緯度、経度、速度、方位)から、当該測位位置における測位ベクトルを算出して、測位位置の周辺(所定の距離範囲)にあるマッチングすべきリンクを抽出し、測位ベクトルの向き(方角)と、各リンクの向き(方角)とを比較して測位ベクトルの向きに最も近い向きを持つリンクをマップマッチングするリンクとして決定するから、測位位置を正しいリンクにマップマッチングすることができるようになる。
【0028】
請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかる位置表示システムにおいて、マッチングリンク決定手段は、リンク抽出手段が抽出した各リンクに測位ベクトルに垂直に交わる垂線を前記測位位置からおろして各リンクとの第1交点群を求め、次いで第1交点群の各交点から該当リンクと垂直に交わる垂線を前記測位ベクトルにたてて測位ベクトルとの第2交点群を求め、測位位置と第2交点群の各交点との距離を算出し、該距離に基づいて測位ベクトルの向きに最も近い向きを有するリンクをマッチングリンクとして決定する。
【0029】
このような構成によれば、マッチングリンク決定手段が、測位ベクトルの向き(方角)と、各リンクの向き(方角)とを比較して測位ベクトルの向きに最も近い向きを持つリンクをマップマッチングするリンクとして決定することができ、測位位置を正しいリンクにマップマッチングすることができるようになる。
【0030】
請求項3にかかる発明においては、請求項1にかかる位置表示システムにおいて、前記ネットワークデータベースに蓄積されたデータは鉄道の路線ネットワークのデータであり、前記端末装置は前記路線ネットワーク上を運行する列車であり、前記端末装置から受信した測位データに基づいて測位位置周辺のリンクを抽出するリンク抽出手段と、前記測位データから測位ベクトルを算出する測位ベクトル算出手段と、マッチングリンク決定手段と、を運行管理サーバが備え、各端末装置の位置を前記運行管理サーバに表示する。
【0031】
このような構成によれば、運行管理サーバは、路線上を運行する各列車の位置を正しくネットワーク上に表示することができるようになる。特に路線が分岐する分岐点周辺における各列車の位置を正しく把握することができるようになる。
【0032】
また、請求項4〜請求項6にかかる発明においては、それぞれ請求項1〜請求項3にかかる位置表示システムを構成する位置表示装置を提供することができ、請求項7、請求項8にかかる発明においては、それぞれ請求項1、請求項2にかかる位置表示システムを実現するためのマップマッチング方法を提供することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための位置表示システムを例示するものであって、本発明をこの実施例の位置表示システムに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の位置表示システムにも等しく適用し得るものである。
【実施例1】
【0034】
図1は、本発明の実施例にかかる位置表示システム10の構成を示すブロック図である。本実施例の位置表示システム10は例えば、鉄道の運行管理システムであり、移動体である各列車に設置された端末装置20と、運行管理サーバ30とから構成される。端末装置20は、制御手段21、GPS受信手段22、通信手段23を備え、GPS受信手段22は所定の時間間隔で列車の現在位置を測位し、通信手段23を介して列車の現在位置データを運行管理サーバ30に送信する。
【0035】
運行管理サーバ30は、制御手段31、通信手段32、表示手段33、地図データベース34、リンク抽出手段35、測位ベクトル算出手段36、マッチングリンク決定手段37、ネットワークデータベース38を備えて構成される。
【0036】
地図データベース34には、道路、鉄道路線、著名なランドマーク、地形などの地図データが蓄積され、表示手段33に地図画像を表示することができる。この地図データは、所定の緯度、経度でメッシュ状に区切られた単位地図データから構成され、地図データベース34から必要な範囲の地図データを読み出して表示手段33に地図画像を表示することができる。
【0037】
ネットワークデータベースは通常のナビゲーションシステムなどにおける経路探索用のネットワークデータと同様のデータを蓄積したものであり、本実施例においては鉄道の路線データが蓄積される。通常、経路探索用のネットワークデータは、例えば、道路や鉄道の路線における結節点、屈曲点や駅の位置をノードとし、各ノードを結ぶ経路をリンクとし、全てのリンクのコスト情報(距離や所要時間)をデータベースとして備えている。経路探索においては、このネットワークデータベースを参照して、出発地のノードから目的地のノードに至るリンクを順次探索し、リンクのコスト情報が最小となるノード、リンクを案内経路とすることによって最短経路を求めるようにされる。このような経路探索の手法としてはラベル確定法あるいはダイクストラ法と言われる手法が用いられる。
【0038】
鉄道などの公共交通機関の路線を示すネットワークデータにおいては、運行時刻表のデータに基づいて、各ノード間を運行する個々の列車やバスがリンクとして扱われ、リンクコストは運行予定時刻に基づいて設定されている。なお、このような構成のネットワークデータは経路探索を行うサーバにおいて必要になるが、本実施例のように列車の運行管理を目的とする場合、鉄道路線の地理的な位置関係のみを示すデータ構成でよく、この場合はノードとリンクのデータは地理的な位置情報を含んでいれば足りる。
【0039】
すなわち、ノードは緯度、経度でその位置を特定したデータであり、リンクは両端のノードの位置とノード間の長さおよび方向を持つベクトルデータで表されたデータである。このネットワークデータはネットワークデータベース38から読み出され、表示手段33に表示することができ、運行管理すべき鉄道路線を表示することができる。
【0040】
運行管理サーバ30は、各路線上を運行する列車の現在位置を端末装置20から受信し、表示手段33に表示したネットワークデータに重ね合わせて列車位置を表示することにより、所定の時間間隔で移動する全ての列車の現在位置を監視することができる。この時、各端末装置20から受信する現在位置のデータには誤差があるため、一般のナビゲーションシステムなどにおけるマップマッチングの手法を適用してネットワークデータにマッチングして各列車の表示位置を補正する。
【0041】
このマップマッチング処理時に、図9に示す従来の投影法を用いて処理すると、図2に示すようになる。すなわち、図2に示すようにネットワークが路線R1、路線R2、路線R3、路線R4のような構成であり、各測位タンミングにおいて端末装置20が測位した位置がP1〜Pn〜Pmであるとすると、測位位置から所定の範囲内にある路線R1等に垂線をおろし、その交点PP1〜PP2〜PPn〜PPmを端末装置20の位置として表示する。
【0042】
図2に示すように測位位置Pnにおいては、路線R5におろした垂線の長さが路線R4におろした垂線の長さより短く、路線R4におろした垂線の交点PPnが現在位置として表示される。しかしながら、実際には列車が路線R4を走行するものであった場合、本来表示位置は路線R4上でなければならず、マッチングエラーである。更に列車が路線R4を進行し、測位位置がPn+2になり、路線R4におろした垂線の長さが路線R5におろした垂線の長さより短くなれば、路線R4におろした垂線の交点PPn+2が現在位置として表示され、正しい路線上にマッチングされるようになる。
【0043】
本発明においては、運行管理サーバ30は、端末装置20から受信した位置データに基づいて、各測位地点における測位ベクトルを算出する。一般的なGPS受信機ではGPS衛星からGPS信号を受信して位置情報を緯度、経度で算出するが、本来GPS衛星信号からは、測位地点における端末装置の移動速度と、移動方向を算出することができる。そこで、運行管理サーバ30は、測位地点における位置とともに測位ベクトルを算出する。
【0044】
また、リンク抽出手段35は、端末装置20から受信した測位位置に基づいてネットワークデータベース38から周辺の所定範囲のリンク、マッチング対象のリンクを抽出する。そして、マッチングリンク決定手段37は、測位ベクトル算出手段36が算出した測位ベクトルに基づいて測位ベクトルの方向、すなわち、測位位置におけるベクトルの向きと、抽出されたリンクの方向、すなわち、マッチング対象のリンクの向きを比較して、測位ベクトルの向きに近い向きを持つリンクをマッチングすべきリンクとして決定する。
【0045】
このように、測位地点における測位ベクトルを算出してその方向と近い方向を持つリンクに測位位置をマップマッチングすれば、実際に列車が進行している方向にそったリンクにマップマッチングされるから正しい路線に位置を補正して表示することができる。マッチングする位置は、投影法によりマッチングすべきリンクにおろした垂線の交点としてもよく、あるいは、上記特許文献1のように進行方向の距離成分を加味した位置としてもよい。
【0046】
図3および図4は、本発明の実施例にかかるマップマッチング方法を用いたマッチング処理の概念を説明するための模式図であり、図3は測位データの一例に基づくマッチング結果を示す模式図、図4は測位データの他の一例に基づくマッチング結果を示す模式図である。図3においては理解を容易とするため、図2に示すネットワークデータと同じ構成の路線を用い、参照符号も図2と同一要素には同一の参照符号を付してある。
【0047】
図3に示すようにネットワークが路線R1、路線R2、路線R3、路線R4のような構成であり、各測位タンミングにおいて端末装置20が測位した位置がP1〜Pn〜Pmであるとする。各測位位置において、図中の矢印はそれぞれの測位ベクトルを示している。図3に示すように測位地点Pnにおいて測位ベクトルの向きは矢印の向きである。リンク抽出手段35は測位地点Pnの周辺の所定範囲のリンク、すなわち、マッチングすべきリンク(路線)として路線R4と路線R5を抽出する。
【0048】
ここで、マッチングリンク決定手段37は、路線R4(リンク)の向きと、路線R5(リンク)の向きと、測位ベクトルの向きとを比較し、リンクの向きが測位ベクトルの向きにより近いリンクをマッチングすべきリンクとして決定する。図3においては路線R4の向きが路線R5の向きよりも測位ベクトルの向きに、より近いので、路線R4がマッチングリンクとして決定される。
【0049】
図4に示すような測位結果が得られた場合も同様である。この測位結果は、図9に示す投影法によるマッチング例と同じ測位結果を用いた図である。図4においては路線R4の向きが路線R5の向きよりも測位ベクトルの向きに、より近いので、路線R4がマッチングリンクとして決定される。図9に示すマッチング結果では、路線R4と路線R5の分岐点近くの測位位置Pnにおいては路線R5にマッチングされ、移動の継続に従って測位位置が進んで路線R4にマッチングされる。図4においては、路線R4と路線R5の分岐点近くの測位位置Pnにおいても、リンク(路線R4と路線R5)の向きに基づいて、測位ベクトルと向きの近い路線R4にマッチングされるようになる。
【0050】
このように、GPS受信手段により測位した現在位置のデータ(緯度、経度、速度、方位)から、当該測位位置における測位ベクトルを算出して、測位位置の周辺(所定の距離範囲)にあるマッチングすべきリンクを抽出し、測位ベクトルの向き(方角)と、各リンクの向き(方角)とを比較して測位ベクトルの向きに最も近い向きを持つリンクをマップマッチングするリンクとして決定すれば、正しいリンクにマッチングすることができるようになる。
【0051】
次に、このマッチングリンクの決定方法について更に詳細に説明する。図5〜図7は、マッチングリンク決定手段37の処理の手順を説明するための図であり、図6は図5の部分拡大図、図7は図6の部分拡大図を示している。先ず、図5に示すように地点P0が測位した現在位置(X0、Y0)であり、周辺のネットワークデータはノードN1〜ノード13に至るリンクL12〜リンクL13と、ノードN1で分岐してノードN23に至るリンクL22〜L23が存在しているものとする。
【0052】
測位ベクトル算出手段36が算出した地点P0における測位ベクトルをVP0とすると、リンク抽出手段35は現在位置P0の周辺のリンクL12〜リンクL13と、リンクL22〜L23をマッチングすべきリンクとして抽出する。マッチングリンク決定手段37は先ず、測位位置P0(X0、Y0)からリンクL12とリンクL22に垂線(測位ベクトルVP0に垂直に交わる線)をおろしてリンクL12の交点をPP1(X1、Y1)、リンクL22との交点をPP2(X2、Y2)とする第1の交点群を求める。
【0053】
図6にこの部分の拡大図が示されている。図6に示すように、マッチングリンク決定手段37は更に、各リンクとの交点PP1、PP2から測位ベクトルVP0に対して垂線(リンクL12、リンクL2に垂直に交わる垂線)をたて、測位ベクトルVP0またはその延長線との交点をP1(DX1、DY1)およびP2(DX2、DY2)とする第2の交点群を求め、また、それぞれの垂線の長さL1、L2を求める。
【0054】
図7は更に図6の部分を拡大して示す図である。次いで、図7に示すように、マッチングリンク決定手段37は、各リンクからたてた垂線と測位ベクトルVP0(またはその延長線)との交点P1およびP2(第2の交点群の各交点)と測位地点P0との距離DL1およびDL2を求める。そして、垂線の長さL1と距離DL1の比(DL1/L1の絶対値)、および、垂線の長さL2と距離DL2との比(DL2/L2の絶対値)を算出し、測位ベクトルVP0の向きに近い向きを持つリンクをマッチングリンクとして決定する。
【0055】
すなわち、
(DL1/L1の絶対値) < (DL2/L2の絶対値)の場合は、PP1(X1、Y1)がマッチング地点(リンクL12がマッチングリンク)である。
(DL1/L1の絶対値) > (DL2/L2の絶対値)の場合は、PP2(X2、Y2)がマッチング地点(リンクL22がマッチングリンク)である。
【0056】
なお、(DL1/L1の絶対値) = (DL2/L2の絶対値)の場合は、測位ベクトルの向きと両リンクの向きが等しいことを意味しており、この場合には、通常の投影法を加味して垂線の長さの短いほうのリンク(測位ベクトルに近いリンク)を暫定的にマッチングリンクとして決定するようにしてもよい。
【0057】
このようなリンクは、鉄道ネットワークにおける複々線区間に見られるリンク構成である。鉄道ネトワークにおいては、各車両がいずれの路線を走行するかは車両が特定できれば、運行時刻表から既知であるので、これを加味して走行予定路線をマッチングリンクとして決定するようにしてもよい。
【0058】
また、測位ベクトルの向きに最も近い向きを持つリンクを決定する方法としては、前記の手順によらず、他の手順を採ることもできる。すなわち、測位ベクトルVP0はGPS測位データに基づいて算出するものであるから、その向き(方角)を絶対方位で表すことができる。ネットワークデータを構成する各リンクの向き(方角)が絶対方位で記録されていれば、測位ベクトルVP0の絶対方位とマッチングすべきリンクとして抽出した各リンクの絶対方位を直接的に比較演算し、測位ベクトルの絶対方位に最も近い絶対方位を持つリンクをマッチングリンクとして決定することもできる。
【0059】
次に、図8に示すフローチャートを参照して本発明の実施例にかかるマップマッチングの手順を説明する。先ず、運行管理サーバ30は、ステップS11の処理において、端末装置20の地点P0における測位情報を受信する。測位ベクトル算出手段36は、ステップS12の処理において端末装置20から受信した測位情報に基づいて地点P0における測位ベクトルを算出する。
【0060】
次に、リンク抽出手段35は、ステップS13の処理において、ネットワークデータベース38を参照して地点P0の周辺(所定の距離範囲内のリンクを抽出する(図5参照)。次いでマッチングリンク決定手段37は以下の手順でマッチングするリンクを決定する。
【0061】
先ず、ステップS14の処理において、測位ベクトルの地点P0から該測位ベクトルに対する垂線をおろし、各リンクとの交点PP1、PP2・・を求める。また、ステップS15の処理において地点P0から各交点PP1、PP2・・までの長さL1、L2・・を求める(図5参照)。
【0062】
次に、ステップS16の処理において、各交点PP1、PP2・・から測位ベクトルに向かって垂線をたて、測位ベクトルとの交点P1、P2・・を求める。また、ステップS17の処理において、地点P0とP1、地点P0とP2・・の距離DL1、DL2・・を算出する。
【0063】
そして、マッチングリンク決定手段37は、ステップS18において、DL1/L1、
DL2/L2・・・を算出し(図7参照)、ステップS19の処理においてDL1/L1、DL2/L2を比較し、マッチングするリンクを決定する。
図7に示すように比較の結果、
(DL1/L1の絶対値) < (DL2/L2の絶対値)の場合は、PP1(X1、Y1)がマッチング地点(リンクL12がマッチングリンク)である。
(DL1/L1の絶対値) > (DL2/L2の絶対値)の場合は、PP2(X2、Y2)がマッチング地点(リンクL22がマッチングリンク)である。
【0064】
このような処理によって、測位ベクトルの向きに最も近い向きを持ったリンクにマップマッチングすることができる。測位地点における測位ベクトルの向きは、端末装置20の移動の向きを示すものであるから、この向きに近い向きのリンク上にマッチングすれば正しいリンク上に端末装置20の位置を表示することができるようになる。
【0065】
以上の実施例は、列車の運行管理システムを具体例として説明したが、本発明にかかるマップマッチングの手順は一般的なナビゲーションシステムにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施例にかかる位置表示システムの構成を示すブロック図である。
【図2】投影法により移動体の位置をマップマッチングした例を示す模式図である。
【図3】本発明の実施例にかかるマップマッチング方法を用いたマッチング処理の概念を説明するための模式図である。
【図4】本発明の実施例にかかるマップマッチング方法を用いたマッチング処理の概念を説明するための他の模式図である。
【図5】本発明の実施例にかかるマップマッチングの手順を説明するためのネットワーク模式図である。
【図6】図5のネットワーク模式図の部分拡大図である。
【図7】図6のネットワーク模式図の部分拡大図である。
【図8】本発明の実施例にかかるマップマッチングの手順を示すフローチャートである。
【図9】一般的なマップマッチングの方法を説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0067】
10・・・・位置表示システム
20・・・・端末装置
21・・・・制御手段
22・・・・GPS受信手段
23・・・・通信手段
30・・・・運行管理サーバ
31・・・・制御手段
32・・・・通信手段
33・・・・表示手段
34・・・・地図データベース
35・・・・リンク抽出手段
36・・・・測位ベクトル算出手段
37・・・・マッチングリンク決定手段(マッチング手段)
38・・・・ネットワークデータベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノードと各ノード間を結ぶリンクとから構成されたネットワークデータベースを備え、各端末装置から測位データを受信し、前記ネットワークデータベースから測位位置の周辺のリンクを抽出して何れかのリンクに前記測位位置をマップマッチングして該端末装置の位置をネットワーク上に表示する位置表示システムにおいて、
前記位置表示システムは、前記端末装置から受信した測位データに基づいて測位位置周辺のリンクを抽出するリンク抽出手段と、前記測位データから測位ベクトルを算出する測位ベクトル算出手段と、マッチングリンク決定手段と、を備え、
前記マッチングリンク決定手段は、前記測位ベクトルの向きに基づいて、測位ベクトルの向きに最も近い向きを有するリンクをマッチングリンクとして決定し、前記端末装置の位置を当該リンク上にマッチングすることを特徴とする位置表示システム。
【請求項2】
前記マッチングリンク決定手段は、前記リンク抽出手段が抽出した各リンクに測位ベクトルに垂直に交わる垂線を前記測位位置からおろして各リンクとの第1交点群を求め、次いで第1交点群の各交点から該当リンクと垂直に交わる垂線を前記測位ベクトルにたてて測位ベクトルとの第2交点群を求め、測位位置と第2交点群の各交点との距離を算出し、該距離に基づいて測位ベクトルの向きに最も近い向きを有するリンクをマッチングリンクとして決定することを特徴とする請求項1に記載の位置表示システム。
【請求項3】
前記ネットワークデータベースに蓄積されたデータは鉄道の路線ネットワークのデータであり、前記端末装置は前記路線ネットワーク上を運行する列車であり、前記端末装置から受信した測位データに基づいて測位位置周辺のリンクを抽出するリンク抽出手段と、前記測位データから測位ベクトルを算出する測位ベクトル算出手段と、マッチングリンク決定手段と、を運行管理サーバが備え、各端末装置の位置を前記運行管理サーバに表示することをと特徴とする請求項1に記載の位置表示システム。
【請求項4】
ノードと各ノード間を結ぶリンクとから構成されたネットワークデータベースを備え、各端末装置から測位データを受信し、前記ネットワークデータベースから測位位置の周辺のリンクを抽出して何れかのリンクに前記測位位置をマップマッチングして該端末装置の位置をネットワーク上に表示する位置表示装置において、
前記位置表示装置は、前記端末装置から受信した測位データに基づいて測位位置周辺のリンクを抽出するリンク抽出手段と、前記測位データから測位ベクトルを算出する測位ベクトル算出手段と、マッチングリンク決定手段と、を備え、
前記マッチングリンク決定手段は、前記測位ベクトルの向きに基づいて、測位ベクトルの向きに最も近い向きを有するリンクをマッチングリンクとして決定し、前記端末装置の位置を当該リンク上にマッチングすることを特徴とする位置表示装置。
【請求項5】
前記マッチングリンク決定手段は、前記リンク抽出手段が抽出した各リンクに測位ベクトルに垂直に交わる垂線を前記測位地点からおろして各リンクとの第1交点群を求め、次いで第1交点群の各交点から該当リンクと垂直に交わる垂線を前記測位ベクトルにたてて測位ベクトルとの第2交点群を求め、測位位置と第2交点群の各交点との距離を算出し、該距離に基づいて測位ベクトルの向きに最も近い向きを有するリンクをマッチングリンクとして決定することを特徴とする請求項4に記載の位置表示装置。
【請求項6】
前記ネットワークデータベースに蓄積されたデータは鉄道の路線ネットワークのデータであり、前記端末装置は前記路線ネットワーク上を運行する列車であり、前記端末装置から受信した測位データに基づいて測位位置周辺のリンクを抽出するリンク抽出手段と、前記測位データから測位ベクトルを算出する測位ベクトル算出手段と、マッチングリンク決定手段と、を運行管理サーバが備え、各端末装置の位置を前記運行管理サーバに表示することをと特徴とする請求項4に記載の位置表示装置。
【請求項7】
ノードと各ノード間を結ぶリンクとから構成されたネットワークデータベースを備え、各端末装置から測位データを受信し、前記ネットワークデータベースから測位位置の周辺のリンクを抽出して何れかのリンクに前記測位位置をマップマッチングして該端末装置の位置をネットワーク上に表示する位置表示システムを用いたマップマッチング方法において、
前記位置表示システムは、前記端末装置から受信した測位データに基づいて測位位置周辺のリンクを抽出するリンク抽出手段と、前記測位データから測位ベクトルを算出する測位ベクトル算出手段と、マッチングリンク決定手段と、を備え、
前記マッチングリンク決定手段が、前記測位ベクトルの向きに基づいて、測位ベクトルの向きに最も近い向きを有するリンクをマッチングリンクとして決定するマッチングリンク決定ステップを有し、前記端末装置の位置を当該リンク上にマッチングすることを特徴とするマップマッチング方法。
【請求項8】
前記マッチングリンク決定ステップは、前記リンク抽出手段が抽出した各リンクに測位ベクトルに垂直に交わる垂線を前記測位位置からおろして各リンクとの第1交点群を求め、次いで第1交点群の各交点から該当リンクと垂直に交わる垂線を前記測位ベクトルにたてて測位ベクトルとの第2交点群を求め、測位位置と第2交点群の各交点との距離を算出し、該距離に基づいて測位ベクトルの向きに最も近い向きを有するリンクをマッチングリンクとして決定する処理を含むことを特徴とする請求項7に記載のマップマッチング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−180551(P2008−180551A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−13010(P2007−13010)
【出願日】平成19年1月23日(2007.1.23)
【出願人】(592145268)ジェイアール東日本コンサルタンツ株式会社 (53)
【出願人】(502038406)株式会社ジーシーシー (2)
【Fターム(参考)】