説明

位置認識ユーザコンテキスト情報に基づいて注記レイヤを構築するための方法およびシステム

本明細書に開示の対象は、地図のための注記を決定するためのシステムおよび方法に関する。このような注記を決定するために、モバイルデバイスについての位置情報およびモバイルデバイスのユーザに関連するコンテキスト情報を利用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
米国特許法第119条に基づく優先権の主張
本特許出願は、本明細書の出願人に譲渡され、参照により本明細書に明示的に組み込まれる、2009年10月12日に出願された仮出願第61/250,844号「Explicit and Implicit Inference of Building Annotation Layers」の優先権を主張する。
【0002】
本明細書に開示の対象は、地図作成アプリケーションのための注記に関する。
【背景技術】
【0003】
セルラ電話、携帯情報端末(PDA)、または他の任意のモバイル無線デバイスなど、モバイルデバイスは、それ自体の位置または場所を判断することがある。モバイルデバイスは、地図作成アプリケーションプログラムを提示するためのグラフィカルユーザインターフェースまたはディスプレイを含むことができる。たとえば、このような地図作成アプリケーションプログラムは、ユーザのモバイルデバイスの現在位置、ならびに周辺領域における様々な構造物および/または起伏形状を示す地図を提示できる。一例を挙げると、地図作成アプリケーションプログラムは、街路レベルの地図、およびその地図上のユーザの位置を表示できる。地図は、地図上の街路名、および/または様々なビル/構造物の名称などの様々な注記を含むことができる。たとえば、地図作成アプリケーションプログラムは、警察署および公立高校などの1つまたは複数の街路およびビルを提示できる。
【0004】
しかし、構造物を表示することだけでは、特定の構造物が何であるかをユーザが判断するために十分な情報を提供することはできない。たとえば、高校のキャンパスにあるビルの構造物を単に表示するだけでは、地図作成アプリケーションのユーザが、たとえば高校名または高校内の校長室の位置などを判断するために十分な情報を提供することはできない。いくつかの地図作成アプリケーションプログラムは、学校名などのいくつかのラベルを地図上に表示する。プログラマは、このようなラベルを地図に手動で追加でき、変更を地図上に反映させるためにこのようなラベルを定期的に手動で更新することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「第3世代パートナーシッププロジェクト」(3GPP)という名称のコンソーシアムによる文書
【非特許文献2】「第3世代パートナーシッププロジェクト2」(3GPP2)という名称のコンソーシアムによる文書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下の図面を参照して、非限定的および非網羅的な特徴を記述する。様々な図面を通じて、同様の参照番号は同様の部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】一実装形態による、オフィスビルのあるフロアについての白地図である。
【図2】一実装形態による、地図作成アプリケーションの1つまたは複数の地図についての注記を決定するためのシステムのブロック図である。
【図3】一実装形態による、電子メールアプリケーションプログラムのカレンダである。
【図4】一実装形態による、注記された地図である。
【図5】一実装形態による、店舗にてモバイルデバイスで完了する商取引を示す図である。
【図6】一実装形態による、モバイルデバイスで商取引を完了するためのシステムを示す図である。
【図7】一実装形態による、領域内の様々な店舗を示す白地図である。
【図8】一実装形態による、領域内の様々な店舗を示す注記された地図である。
【図9】一実装形態による、注記された地図である。
【図10】一実装形態による、地図についての注記を決定するための処理を示す流れ図である。
【図11】一実装形態による、モバイルデバイスの特定の実装形態の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ある特定の実装形態では、地図についての注記を決定するためのシステムおよび方法が提供される。1つまたは複数のモバイルデバイスのうちの少なくとも1つに関連するコンテキスト情報に少なくとも部分的に基づいて、ある領域内に位置する1つまたは複数のモバイルデバイスに関連する1つまたは複数のラベルを決定できる。ラベルの類似性、ならびに領域内の1つまたは複数のモバイルデバイスについての位置情報および/または時間情報に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数のラベルを1つまたは複数のクラスタにまとめることができる。1つまたは複数のラベルの1つまたは複数のクラスタに少なくとも部分的に基づいて、領域に対応する地図についての1つまたは複数の注記を決定できる。しかし、これは単なる例示的実装形態であり、特許請求されている対象はこの点に限定されないことが理解されるべきである。
【0009】
本明細書を通じて、「一例」、「一特徴」、「例」、または「特徴」への言及は、特徴および/または例に関連して記述される特定の特徴、構造、または特性は、特許請求されている対象の少なくとも1つの特徴および/または例に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通じて様々な個所に現れる「一例において」、「例」、「一特徴において」、または「特徴」という用語は、必ずしも全て同じ特徴および/または例に言及するわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の例および/または特徴において結合できる。
【0010】
セルラ電話、携帯情報端末(PDA)、またはラップトップコンピュータなどの位置認識(location aware)モバイルデバイスは、情報をユーザに提示するためのディスプレイスクリーンを含むことができる。たとえば、地図作成アプリケーションをユーザに提示できる。このような地図作成アプリケーションは、所与の地理的領域内の物体および/または構造物を示すことができる。たとえば、ビルのフロアマップをユーザに提示できる。しかし、このような地図は、注記などの追加情報を含まない限り、ユーザにとって価値が限られた地図である。このような注記は、たとえば、地図の様々な部屋および/または位置の名称を示すことができる。「男性用トイレ」、「会議室A」、または「ジョーンズさんのオフィス」などの注記を地図の特徴の上に提示できる。
【0011】
一実装形態では、コンピュータプログラマなどの人が注記を地図に手動で追加する。たとえば、このようなコンピュータプログラマは地図上の様々なオフィスまたは部屋の名称をリストアップできる。しかし、このような注記を地図に手動で追加することは非常に時間がかかり、このような地図の特長にとって適切で妥当な注記を決定するために、何人かの異なる人からの入力を必要とする場合がある。
【0012】
一実装形態では、システムは、モバイルデバイスの1人または複数のユーザによって提供されるコンテキスト情報に基づいて、地図作成アプリケーション上に示される様々な物体についての注記を決定できる。一実装形態では、特定のユーザを、電子メールアプリケーションプログラムまたは他のカレンダプログラムと、特定のモバイルデバイスの両方に関連付けることができる。たとえば、このようなユーザは、会議のカレンダを維持管理するためにMicrosoft Outlook(商標)などの電子メールアプリケーションを利用できる。また、このような電子メールアプリケーションプログラムは、特定の会議およびこのような会議のための場所をユーザに通知するグループ電子メールを送信できる。たとえば、電子メールアプリケーションプログラムは、午後2時〜午後3時の期間にカレンダエントリを含めて「会議室Aでの部門会議」を示すことができる。あるいは、ユーザのための会議をスケジューリングするために、電子メールアプリケーションプログラムから独立しているカレンダプログラムを利用できる。
【0013】
たとえば、遠隔サーバまたは他の装置は、特定のユーザと、ユーザの電子メールおよび/またはカレンダアプリケーションプログラムとの間の関連性を含むことができる。このような遠隔サーバまたは他の装置も、やはり特定のユーザに関連する1つまたは複数のモバイルデバイスを示す情報を有することができる。たとえば、携帯情報端末(PDA)、モバイル電話、ポータブルノートブック、または他のタイプの位置認識装置をユーザに関連付けることができる。
【0014】
ユーザの電子メールおよび/またはカレンダプログラムに格納された情報は、地図作成アプリケーションについての注記を決定するために利用できる。たとえば、ビルのフロアについての白地図を、そのフロアの見取り図に基づいて決定できる。このような白地図は、特定のフロア内に位置する様々な壁、ドア、付属設備、および/または筐体を表示できる。しかし、このような白地図は、最初は特定のフロア内に位置する様々な部屋、オフィス、または他の位置についての注記を含むことができない。このような注記は、ユーザコンテキスト情報に基づいて、地図について決定できる。
【0015】
本明細書で使用する「ユーザコンテキスト情報」は、地図についての1つまたは複数のラベルを決定するために使用できる、特定のユーザに関連する位置関連情報を指すことができる。ユーザコンテキスト情報は、たとえば、特定のイベントの位置を示す電子メールおよび/またはカレンダアプリケーションプログラムに格納された情報を備えることができる。たとえば、テキスト「会議室Aでの会議」を含む午後2時〜午後3時についてのカレンダエントリを、午後2時と午後3時の間の期間中のユーザの決定された位置に関連付ける(たとえば空間的および時間的に)ことができる。このような関連は、その時間にユーザが位置する位置についてのラベルを決定するために使用できる。
【0016】
他のタイプのユーザコンテキスト情報は、指定された期間にわたって追跡される特定のユーザのグループ化の解析に基づいて決定できる。たとえば、複数の日のおよそ午後12時から午後12時45分の間にユーザのクラスタが特定の部屋または位置内にあると決定されると、このようなユーザはこのような時間にカフェテリアおよび/またはランチルーム内に位置すると推測できる。さらに、たとえばトイレおよび/またはエレベータ、あるいは駐車場の位置を決定するためにも、ユーザのセットについての位置情報を利用できる。
【0017】
本明細書で使用される「ラベル」は、ユーザコンテキスト情報に基づいて、特定の部屋、領域、または地図の他の特徴に関連する記述を指すことができる。何人かの異なるユーザがそれぞれ自身の独自の電子メールおよび/またはカレンダアプリケーションプログラム、ならびに位置認識装置に関連付けられている場合、それぞれのユーザの特定のユーザコンテキスト情報に基づいてユーザごとにラベルを決定できる。一実装形態では、たとえば地図上の同じ部屋に関連する同じまたは類似のラベルのクラスタは、その部屋について地図に追加するべき注記を決定するために利用できる。1つまたは複数のあらかじめ定められたラベルは、トイレ、またはランチルーム/ランチエリアなどの特定の共同で使用される領域に注記をつけるために利用できる。
【0018】
本明細書で使用される「クラスタ」は、ユーザコンテキスト情報に基づいて、同じ部屋、領域、または地図の他の位置についての異なるユーザに関連する2つ以上のラベルのグループ化を指すことができる。たとえば、5人の異なるユーザにとって特定の部屋のラベルが「会議室A」と決定されると、システムは、特定の時間に5人のユーザ全てが位置する部屋が実際に会議室Aであると決定できる。地図作成アプリケーション上に提示されるように、後で注記を部屋に付加できる。クラスタは、たとえば、同じまたは類似のラベルを地図作成アプリケーション上の特定の部屋に関連付ける少なくとも最小のしきい値数のユーザで構成され得る。ラベルはクラスタにグループ化できる。ある実装形態ではクラスタを形成するのに5人のユーザで十分であるが、他の実装形態ではクラスタを形成するためにたとえば20人のユーザが必要とされる場合がある。
【0019】
本明細書で使用される「注記」は、ユーザコンテキスト情報に基づいて、特定の部屋、領域、または地図の他の特徴についての地図作成アプリケーションに追加される記述を指すことができる。たとえば、地図作成アプリケーション上の特定の部屋についてクラスタが検出される場合、その部屋についての記述を地図作成アプリケーションに追加できる。いくつかの実装形態では、注記はクラスタ内のユーザについてのラベルのうちの1つまたは複数と同じでよい。いくつかの実装形態では、同じ部屋についての異なるラベルに異なるユーザを関連付けることができる。たとえば、「大会議室」というラベルを第1ユーザのユーザコンテキスト情報に基づいて決定でき、「会議室A」を第2ユーザのユーザコンテキスト情報に基づいて決定できる。クラスタ内のユーザについてのラベルがわずかに異なる場合、注記はクラスタ内の最も一般的に使用されるラベルに基づいて決定できる。たとえば、4人のユーザが「会議室A」というラベルに関連付けられ、「大会議室」というラベルに関連するのは1人のユーザだけである場合、地図作成アプリケーション内に示される部屋に「会議室A」という注記を追加できる。
【0020】
図1は、一実装形態によるオフィスビルのあるフロアについての白地図100である。白地図100は、最初は注記のない、または比較的わずかな注記を含む地図を備えることができる。たとえばいくつかの実装形態では、白地図100は、最初はたとえば壁、パーティション、ドアなどを含む構造的特徴を示すことができる。このような白地図は、たとえばトイレおよび/またはカフェテリアの位置を示すための注記などのいくつかの注記も示すことができる。しかし、注記は、たとえば特定のユーザに関連する電子メールおよび/またはカレンダプログラム、ならびにこのようなユーザに関連するモバイルデバイスのそれぞれの位置から取得した情報などのユーザコンテキスト情報に基づいて経時的に白地図100上に表示された部屋、領域、または構造のうちの1つまたは複数について決定できる。
【0021】
図2は、一実装形態による、地図作成アプリケーションの1つまたは複数の地図についての注記を決定するためのシステム200のブロック図である。システム200は、ユーザコンテキスト情報を提供するために、第1モバイルデバイス205、第2モバイルデバイス210、および最大N番目のモバイルデバイスまでの追加のモバイルデバイス215などの、1つまたは複数のモバイルデバイスを含むことができる。モバイルデバイスは、いくつかの知られている技術のうちのいずれか1つを使用してそれ自体の位置または場所を定期的に決定でき、無線ネットワーク220を介してそれ自体の位置または場所を位置サーバ225に伝達できる。
【0022】
たとえばモバイルデバイスは、多くの例の中からいくつか例を挙げると、衛星測位システム(SPS)からのナビゲーション信号、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、機械アドレス可能コンテンツ(MAC)アドレス、またはAFLT(Advanced Forward Link Trilateration) 、あるいはモバイルデバイスの位置を正確に決定するための他の任意の手段に基づいてそれ自体の位置を識別できる。一方、あるビルまたは他の構造物の中など、このようなナビゲーション信号が利用できない場合は、このような領域にわたって知られている位置にアクセスポイント、フェムトセル、および/または他の装置を設置できるので、モバイルデバイスはモバイルデバイスからアクセスポイントなどの特定の装置までの距離を推定できる。したがって、SPSナビゲーション信号が利用できない領域内に位置するモバイルデバイスは、地球固定座標など、既知の位置を有する1つまたは複数の無線装置と通信できる。このようなモバイルデバイスから1つまたは複数のアクセスポイントあるいは他の無線装置までの距離を測定でき、既知の技術を使用してこのようなモバイルデバイスの推定された位置を計算できる。
【0023】
位置サーバ225は、モバイルデバイスおよびそれらのそれぞれの位置のリストを維持管理できる。マスタコントローラ230は、位置サーバ225、電子メールサーバ235、通信装置240、および地図サーバ245の動作を制御できる。マスタコントローラ230は、いくつか例を挙げると、処理装置、サーバ、またはパーソナルコンピュータを備えることができ、スタンドアロン型でもよく、他の装置の一部でもよい。通信装置240は、たとえば様々なモバイルデバイスと通信できる。
【0024】
電子メールサーバ235は、モバイルデバイスのユーザによって使用される電子メールおよび/またはカレンダアプリケーションをホストできる。たとえば、第1モバイルデバイス205を第1ユーザ250に関連付けることができ、電子メールサーバ235は第1ユーザ250に関連する電子メールおよび/またはカレンダアプリケーションをホストできる。同様に、電子メールサーバ235は、第2ユーザ255およびN番目のユーザまでの追加ユーザ260によって使用される電子メールおよび/またはカレンダアプリケーションをホストできる。
【0025】
地図サーバ245は、モバイルデバイスによって使用される様々な地図作成アプリケーションについての地図を格納できる。たとえば、ある地図作成アプリケーションは、モバイルデバイスのディスプレイスクリーン上に注記を有する地図を提示できる。地図サーバ245は、電子メールサーバ235内の電子メールおよび/またはカレンダアプリケーションに格納された時間エントリなどの、ユーザについての位置情報およびユーザコンテキスト情報に基づいて、地図上の様々な部屋および/または領域についての注記を決定できる。
【0026】
図3は、一実装形態による電子メールアプリケーションプログラムのカレンダ300を示している。図示されるように、カレンダ300は、午後2時と午後3時の間に「会議室Aでの会議」を、また午後4時と午後4時半の間に「ジョーンズさんのオフィスでの電話会議」をリストアップしている。このようなエントリは、図1に示された白地図100などの地図についての注記を決定するために利用できる。カレンダ300は図2に示された電子メールサーバ235などの電子メールサーバに格納できる。
【0027】
午後2時と午後3時の間に、たとえばカレンダ300に関連するユーザについてのモバイルデバイスはそれ自体の位置を定期的に決定して、このような位置情報をたとえば図2に示した位置サーバ225などの位置サーバといった装置に提供できる。このような装置は、1つまたは複数のモバイルデバイスからの位置情報、および/または1つまたは複数のモバイルデバイスのうちの少なくとも1つに関連するコンテキスト情報を受信できる。マスタコントローラ230などのマスタコントローラは、電子メールサーバ、位置サーバ、および地図サーバの全てにアクセスできる。このようなマスタコントローラは、位置サーバ225に格納された情報に基づいて、同時に地図に示された特定の部屋の中に複数のモバイルデバイスがあることを決定できる。マスタコントローラは、このようなモバイルデバイスに関連するいずれかのユーザが、このようなユーザが当該の時間にいるようスケジューリングされている場所を示す何らかのカレンダエントリを有するかどうか判定するために電子サーバ235を利用できる。たとえば、同じ部屋の中にあると決定されたモバイルデバイスに関連するユーザのうちの何人かは、「会議室Aでの会議」などと同じ、またはほぼ同じエントリをカレンダエントリとして有することができる。同じ部屋の中にあると決定されたモバイルデバイスを有し、電子メールアプリケーションプログラムのカレンダ内のエントリなどのユーザコンテキスト情報が利用できるそれぞれのユーザについて、ラベルを決定できる。マスタコントローラによって、同じまたは類似のラベルのクラスタが同じ部屋の中にあると決定されると、たとえば、地図上のその部屋についての注記を「会議室A」と決定できる。このような注記が決定された後、このような部屋を示している1つまたは複数の適切な地図に追加されるべき地図サーバ245に注記を追加できる。
【0028】
地図の他の部屋および/または領域についての注記を決定するために、類似の処理を利用できる。特定の地図についての多くの注記を経時的に決定できる。いくつかの実装形態では、マスタコントローラは、このような注記が確実に適切で記述的なままであるようにするために、経時的に地図についての注記を定期的に更新することができる。たとえば、被雇用者がオフィスを替えるか、雇用または解雇される場合、特定のオフィスを使用している人を示す注記を定期的に更新する必要がある場合がある。
【0029】
図4は一実装形態による注記された地図400である。注記された地図400は、ユーザコンテキスト情報から決定された様々な注記を含むことができる。たとえば、図1に示した白地図100は、様々な注記が経時的に決定された後、注記された地図400と似ていてよい。たとえば、注記された地図400は、注記された地図400についての多くの可能な注記の中からいくつか例を挙げると、「会議室A」、「ジョーンズさんのオフィス」、「スミスさんのオフィス」、「備品室」、「コンピュータ室」、「会議室C」、「ブラックさんのオフィス」、「トーマスさんのオフィス」、「ケラーさんのオフィス」、「ワシントンさんのオフィス」、「ジョンソンさんのオフィス」、「会議室B」、「訟務室」、「カフェテリア」、「男性用トイレ」、および「女性用トイレ」などの、様々な部屋についての注記を含むことができる。このような注記された地図400は、ユーザが地図を見て地図上の様々な部屋および/または領域が何であるかを容易に判断するための視覚手段を提供できる。
【0030】
地図についての注記を決定するためのさらなる方法がある。ある特定の実装形態では、近距離無線通信(「NFC」)を利用できる。NFCは、たとえば約10.0センチ(約4.0インチ)の距離にわたって離れた装置間のデータ交換を可能にする短距離高周波数無線通信技術を備える。この技術の可能なアプリケーションは、公共交通機関におけるモバイルチケッティングおよびモバイル支払いを含む。例えば、装置はデビット/クレジット支払カードおよびスマートポスターの役割を担うことができる。このような装置は、移動中に情報を得るための、屋外の広告看板上のRFIDタグの読取りにも使用できる。このような情報は、特定の時間の特定の位置にユーザを留めるために使用できる。
【0031】
例を挙げると、ユーザXは地下鉄にいて、料金を支払って地下鉄線Aへの地下鉄改札口を通るためにNFC対応の装置を使用できる。ユーザのモバイルデバイスは、この情報をピックアップして、その情報をモバイルデバイスの現在地に関連付け、次いでこのような情報を位置データベースにアップロードできる。たとえば、カレンダコンテキスト関連に関して、実際にはユーザが地下鉄の支払い所の隣にいる確率が高いため、NFCは比較的低い確率論的エラー率を有することができる。このような情報は、地下鉄において線Aを利用したい将来の地下鉄乗客によって後に使用され得る。
【0032】
ある特定の例では、何人かのユーザが、購入などのある取引を完了するための機能を有するモバイルデバイスを利用できる。たとえば、ユーザはこのようなモバイルデバイスを利用して店舗からアイテムを購入できる。後述するように、このような取引の間、店舗を識別する情報をモバイルデバイスに提供でき、地図についての注記を決定するために利用できる。
【0033】
図5は、一実装形態による、店舗505にてモバイルデバイス500で完了する商取引を示している。この例では、ユーザ510は店舗505(この場合は「スティーブのコーヒーショップ」という名称のコーヒーショップ)に入り、1杯のコーヒー515を購入する。店員520は、ユーザ510に商取引装置525の近くにモバイルデバイス500を置くように指示することによって取引を完了する。一例では、モバイルデバイス500は商取引装置525に対して身分を明らかにすることができ、その後、商取引装置525は遠隔サーバにアクセスして電子決済を受信できる。このような取引の間、商取引装置525はモバイルデバイス500に対して身分を明らかにすることができる。たとえば、商取引装置525は、店舗505の名称が「スティーブのコーヒーショップ」であることを示すメッセージをモバイルデバイス500に送信できる。続いて、モバイルデバイス500は店舗505の名称およびこのような取引が行われた位置を、たとえばマスタコントローラまたは位置サーバに提供できる。マスタコントローラは、このような情報を利用して、決定された位置に関連する地図の領域に「スティーブのコーヒーショップ」という注記を提供できる。
【0034】
図6は、一実装形態による、モバイルデバイス605で商取引を完了するためのシステム600を示している。図示されるように、モバイルデバイス605は無線通信を介して商取引装置610と通信できる。いくつかの実装形態では、情報を交換するために、代わりにモバイルデバイス605と商取引装置610との間のハードワイヤード接続を利用できる。
【0035】
図7は、一実装形態による領域内の様々な店舗を示す白地図700である。図示されるように、白地図700は様々な構造物を示しているが注記はない。このような注記は、モバイルデバイスが商取引装置との取引を完了すると経時的に追加できる。
【0036】
図8は、一実装形態による領域内の様々な店舗を示す注記された地図800である。図示されるように、注記された地図800は様々な構造物および注記を示している。このような注記は、図5〜6に関して上述したような、モバイルデバイスと商取引装置との間で完了した取引に基づいて決定できる。この例では、注記された地図800は、注記された地図800についての多くの可能な注記の中からいくつか例を挙げると、「スティーブのコーヒーショップ」、「ジャネットのペット用品店」、「ビルの食料雑貨品店」、「ジェニーのサンドイッチ店」、「外国語の書店」、および「レッドのガソリンスタンド」などの注記を含む。
【0037】
地図についての注記は、図5〜8に関して上述した例における単一のモバイルデバイスから受信したラベルに基づいて決定できる点を理解されたい。取引を完了するまでの間にモバイルデバイスに店舗名を提供できるので、取引の間に提供される店舗名に関する情報は正確である可能性が比較的高い。一方、いくつかの実装形態では、たとえば会議がキャンセルされた、カレンダエントリに表示した部屋とは異なる部屋に移動された、またはユーザがこのような会議には出席しないと決定したなどのために、電子メールおよび/または地図作成アプリケーション内のカレンダ上の会議の表示が不正確である可能性があるので、図1〜4に関して上述した地図についての注記を決定するためにいくつかのモバイルデバイスからのラベルが必要な場合がある。
【0038】
いくつかの実装形態では、注記を追加するために構造物の白地図は利用できない。代わりに、所与の地理的領域について構造物を全く表示しない、または全ての構造物を表示するわけではない、ブランク地図を利用できる。たとえば、大学の学生が、クラスおよび/またはアクティビティスケジュールを記録するために電子メールおよび/または他のカレンダアプリケーションプログラムを利用すると、ブランク地図についての注記を決定できる。
【0039】
図9は、一実装形態による注記された地図900である。この例では、注記された地図900は構造物を全く表示しない。しかし、たとえば大学生によって携帯される様々なモバイルデバイスによって決定された位置に基づいて、あるビル、部屋、および/または他の領域についての注記を決定できる。たとえば、サイエンスビル内の授業にモバイルデバイスを携帯している何人かの学生がいる場合がある。したがって、電子メールおよび/またはカレンダプログラム内のカレンダエントリに対応する特定の時間にこのようなモバイルデバイスがあると決定される位置に対応する注記された地図900の領域に「サイエンスビル」という注記を追加できる。同様に、「フィールドハウス」、「ブルー寮」、および「カフェテリア」についての注記も決定できる。あるいは、システムは、1つまたは複数のこのようなあらかじめ定められたラベルを表す動きの監視されたパターンに基づいて注記として地図に追加できる「フィールドハウス」、「ブルー寮」、および「カフェテリア」などのあらかじめ定められたラベルのグループを含むことができる。モバイルデバイスのグループ(たとえば、あらかじめ定められたモバイルデバイスのグループ)についての位置情報を監視するステップは、1つまたは複数のあらかじめ定められたラベルを表すパターンの決定に役立つことができる。
【0040】
図10は、一実装形態による、地図についての注記を決定するための処理1000を示す流れ図である。まず、動作1005で、1つまたは複数のモバイルデバイスがある領域内に位置しているかどうかに関する決定が行われる。いくつかの実装形態では、このようなそれぞれのモバイルデバイス間の近接に関する決定を行うことができる。次に、動作1010で、1つまたは複数のモバイルデバイスに関連するコンテキスト情報に少なくとも部分的に基づいて、領域内に位置する1つまたは複数のモバイルデバイスに関連する1つまたは複数のラベルが決定される。コンテキスト情報は、モバイルデバイスのユーザに関連する1つまたは複数のカレンダ表記、店舗に関連する商取引情報、モバイルデバイスと店舗との間の取引が発生する店舗の少なくとも1つの識別情報(identity)、1つまたは複数のクラスタについての1つまたは複数の最小しきい値量、1つまたは複数のあらかじめ定められたラベル、および/またはその他を備えることができる。動作1015で、ラベルの類似性、ならびに領域内の1つまたは複数のモバイルデバイスについての位置情報および時間情報に少なくとも部分的に基づいて、このようなラベルを1つまたは複数のクラスタにグループ化できる。時間情報は、たとえば、一実装形態による、同じ時間に同じ一般的領域内に位置する場合があるモバイルデバイスに関連するユーザについて確実に注記が決定されるようにするために利用できる。最後に、動作1020で、1つまたは複数のラベルのクラスタリングに少なくとも部分的に基づいて、領域に対応する地図について1つまたは複数の注記を決定できる。
【0041】
図10に関して上述した処理1000は、図2に関して上述したマスタコントローラ230などのマスタコントローラによって実行できる。
【0042】
送信機、および/または受信機などの回路は、たとえば無線ワイドエリアネットワーク(WWAN)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)などの様々な無線通信ネットワークの使用を通じて機能を提供できる。「ネットワーク」および「システム」という用語は、本明細書ではしばしば互換性を持って使用される。WWANは、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直交周波数分割多元接続(OFDMA)ネットワーク、シングルキャリア周波数分割多元接続(SC-FDMA)ネットワーク等でもよい。CDMAネットワークは、CDMA2000、ワイドバンドCDMA(W-CDMA)などの1つまたは複数の無線アクセス技術(RAT)を実装できる。CDMA2000は、IS-95、IS-2000、およびIS-856規格を含む。TDMAネットワークは、グローバルシステムフォーコミュニケーションズ(GSM(登録商標))、デジタル先進移動電話システム(D-AMPS)、または他の任意のRATを実装できる。GSM(登録商標)およびW-CDMAは「第3世代パートナーシッププロジェクト」(3GPP)という名称のコンソーシアムによる文書で説明されている。CDMA2000は「第3世代パートナーシッププロジェクト2」(3GPP2)という名称のコンソーシアムによる文書で説明されている。3GPPおよび3GPP2の文書は公的に入手可能である。WLANはIEEE 802.11xネットワークでよく、WPANはブルートゥースネットワーク、IEEE 802.15x、または他の任意のタイプのネットワークでよい。技術はWWAN、WLAN、および/またはWPANの任意の組合せにも使用できる。技術はウルトラモバイルブロードバンド(UMB)ネットワーク、高速パケットデータ(HRPD)ネットワーク、CDMA2000 1Xネットワーク、GSM(登録商標)、ロングタームエボリューション(LTE)、および/または同様のネットワークで使用するために実装できる。
【0043】
図11は、一実装形態によるモバイルデバイス1100の特定の実装形態の概略ブロック図である。モバイルデバイス1100は移動局(MS)を備えることができ、その中でRF搬送波上に音声またはデータなどのベースバンド情報を備えたRF搬送波信号を変調するように無線送信機を適合でき、無線受信機は変調されたRF搬送波を復調してこのようなベースバンド情報を取得できる。
【0044】
モバイルデバイス1100は、処理装置1105、ユーザインターフェース1110、送信機1115、受信機1120、およびメモリ1125などのいくつかの要素を含むことができる。ユーザインターフェース1110は、音声またはデータなどのユーザ情報を入力または出力するための複数の装置を備えることができる。このような装置は、いくつか例を挙げると、たとえばキーボード、ディスプレイスクリーン、マイクロフォン、スピーカ、ボタン、およびノブを含むことができる。ユーザインターフェース1110はユーザに地図を提示できる。
【0045】
記述または提案した1つまたは複数の処理、例、またはそれらの実装形態を実行するために実行可能な機械可読命令を格納するようにメモリ1125を適合できる。このような機械可読命令にアクセスして実行するように処理装置1105を適合できる。これらの機械可読命令の実行を通じて、処理装置1105はモバイルデバイス1100の様々な要素に1つまたは複数の機能を実行するように指示できる。
【0046】
送信機1115は、アンテナを利用してパケットベース通信などの通信を他の無線装置に送信できる。受信機1120も、このようなアンテナを利用してパケットベース通信などの通信を他の無線装置から受信できる。
【0047】
特定の装置あるいは専用コンピューティングデバイスまたはプラットフォームのメモリ内に格納されたバイナリデジタル信号上の動作のアルゴリズムまたは記号表現に関して、詳細な記述のいくつかの部分を提示した。本明細書の文脈では、特定の装置、専用のコンピューティングデバイス、または同様の用語は、プログラムコードからの命令に従って特定の機能を実行するようにプログラムされた処理装置/汎用コンピュータを含む。アルゴリズム的記述または象徴的表現は、信号処理分野または関連分野の当業者が自らの仕事の内容を他の当業者に伝えるために使用する技術の例である。本明細書ではおよび一般的に、アルゴリズムは所望の結果をもたらす自己矛盾のない動作のシーケンスまたは類似の信号処理と考えられる。この文脈では、動作または処理は物理量の物理的操作を含む。必ずしもそうとは限らないが、一般にこのような物理量は格納、転送、結合、比較、または他の操作を実行可能な電気または磁気信号の形式をとる。
【0048】
主に共同使用の理由で、このような信号をビット、データ、値、要素、記号、文字、語、数字、番号等として参照することは時に便利である。しかし、これらまたは類似の語の全ては適切な物理量と関連するべきであり、それらは単なる便利なラベルにすぎないことが理解されるべきである。特に記載のない限り、議論から明らかなように、本明細書の説明を通じて「処理する」、「計算する」、「算出する」、「決定する」などのような語を用いる議論は、専用コンピュータまたは類似の専用電子コンピューティングデバイスなどの特定の装置の動作および処理を指すことが分かる。したがって本明細書の文脈では、専用コンピュータまたは類似の専用電子コンピューティングデバイスは、一般に専用コンピュータまたは類似の専用電子コンピューティングデバイスのメモリ、レジスタ、または他の情報記憶装置、送信デバイス、あるいはディスプレイデバイス内の物理的電子または磁気的な量として表される信号を操作または変換できる。たとえば、特定のコンピューティング装置は、1つまたは複数の特定の機能を実行するために命令でプログラムされた1つまたは複数のプロセッサを備えることができる。
【0049】
本明細書に記述した方法論は、特定の特徴および/または例によるアプリケーションに応じて様々な手段によって実装できる。たとえば、このような方法論は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはそれらの組合せに実装できる。たとえばハードウェア実装において、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子装置、本明細書に記述した機能を実行するように設計された他のデバイスユニット、および/またはそれらの組合せ内に処理装置を実装できる。
【0050】
ファームウェアおよび/またはソフトウェア実装については、本明細書に記述した機能を実行するモジュール(手順、機能など)でいくつかの方法論を実装できる。本明細書に記述した方法論を実装する際に、命令を明確に実施するあらゆる機械可読媒体を使用できる。たとえば、移動局および/またはアクセスポイント/フェムトセルのメモリ内にソフトウェアコードを格納して、デバイスの処理装置によって実行できる。メモリは処理装置内に実装されてもよく、および/または処理装置に外付けされてもよい。本明細書で使用されるように、「メモリ」という用語はあらゆるタイプの長期、短期、揮発性、不揮発性、または他のメモリを指し、何らかの特定のメモリのタイプまたはメモリの数、あるいはメモリが格納される媒体のタイプに限定されない。
【0051】
ファームウェアおよび/またはソフトウェアに実装されると、機能を1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体上に格納できる。例には、データ構造で符号化されたコンピュータ可読媒体、およびコンピュータプログラムで符号化されたコンピュータ可読媒体がある。コンピュータ可読媒体は製品の形を取ってよい。コンピュータ可読媒体は物理的コンピュータ記憶媒体を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセス可能なあらゆる利用可能な媒体でよい。例を挙げると、これに限定されないが、このようなコンピュータ可読媒体はRAM、ROM、EEPROM、CD-ROM、または他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置、半導体記憶装置、または他の記憶装置、あるいは所望のプログラムコードを命令またはデータ構造の形式で格納するために使用でき、コンピュータによってアクセス可能な他の任意の媒体を備えることができ、本明細書で使用されるディスク(disk)およびディスク(disc)はコンパクトディスク(CD)、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、およびブルーレイディスクを含み、通常ディスク(disk)はデータを磁気的に再生し、ディスク(disc)はデータをレーザによって光学的に再生する。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0052】
コンピュータ可読媒体上の記憶装置に加えて、通信装置内に含まれる送信媒体上に信号として命令および/またはデータを提供できる。たとえば、通信装置は命令およびデータを表す信号を有するトランシーバを含むことができる。命令およびデータは、1つまたは複数のプロセッサに特許請求の範囲において概説する機能を実装させるように構成されている。すなわち、通信装置は開示された機能を実行するための情報を表す信号を有する送信媒体を含む。最初は、通信装置に含まれる送信媒体は開示された機能を実行するための情報の第1の部分を含むことができ、2回目は、通信装置に含まれる送信媒体は開示された機能を実行するための情報の第2の部分を含むことができる。
【0053】
本明細書で言及される「命令」は、1つまたは複数の論理動作を表す表現に関する。たとえば、命令は1つまたは複数のデータオブジェクト上に1つまたは複数の動作を実行するための機械によって解釈できることによって「機械可読」でよい。しかし、これは単に命令の例に過ぎず、特許請求されている対象はこの点に限定されない。他の例では、本明細書で言及される命令は、符号化されたコマンドを含むコマンドセットを有する処理装置によって実行可能な符号化されたコマンドに関してよい。このような命令は、処理装置によって理解される機械語の形式で符号化され得る。これらもやはり単に命令の例に過ぎず、特許請求されている対象はこの点に限定されない。
【0054】
衛星測位システム(SPS)は、エンティティが、送信機から受信された信号に少なくとも部分的に基づいて、地球上またはその上空におけるそれらの位置を決定できるように配置された送信機のシステムを一般的に含む。このような送信機は、一般的に、設定されたチップ数の反復する擬似ランダムノイズ(PN)コードで特徴づけられた信号を送信し、地上制御局、ユーザ装置、および/または宇宙飛行体に設置され得る。特定の例では、そのような送信機は地球周回軌道衛星ビークル(SV)に設置され得る。たとえば、全地球測位システム(GPS)、ガリレオ、グロナス、またはコンパスといった、全地球的航法衛星システム(GNSS)のコンステレーションにおけるSVは、そのコンステレーションで他のSVによって送信されたPNコードとは区別可能なPNコードで特徴づけられた信号を送信できる(たとえば、GPSにおいて衛星ごとに異なるPNコードを使用して、またはグロナスにおいて異なる周波数で同じコードを使用して)。グローバルシステム(たとえばGNSS)に加えて、SPSは、たとえば日本上空の準天頂衛星システム(QZSS)、インド上空のインド局地的航法衛星システム(IRNSS)、中国上空の北斗(Beidou)などの様々な局地的システム、および/または1つまたは複数の全地球的および/または局地的航法衛星システムでの使用に関連、あるいは適応させられ得る、様々な補強システム(たとえば、静止衛星型衛星航法補強システム(SBAS))を含むことができる。例を挙げると、これに限定されないが、SBASはインテグリティ情報、ディファレンシャル補正等を提供する補強システム、たとえば、広域補強システム(WAAS)、欧州静止衛星による衛星航法補強サービス(EGNOS)、運輸多目的衛星用補強システム(MSAS)、GPSに補助された地上補強航法、またはGPSおよび地上補強航法システム(GAGAN)等を含むことができる。このように、本明細書で使用されているとおり、SPSは1つまたは複数の全地球的および/または局地的航法衛星システム、ならびに/あるいは、補強システムの任意の組合せを含むことができ、SPS信号は、そのような1つまたは複数のSPSに関連づけられる、SPS信号、SPSのような信号、および/または他の信号を含むことができる。
【0055】
本明細書で使用されるように、移動局(MS)は、セルラまたは他の無線通信デバイス、パーソナル通信システム(PCS)デバイス、パーソナルナビゲーションデバイス(PND)、パーソナル情報マネージャ(PIM)、携帯情報端末(PDA)、ラップトップ、あるいは無線通信および/またはナビゲーション信号を受信できる他の適切なモバイルデバイスなどのデバイスを指す。「移動局」という用語は、衛星信号受信、アシスタンスデータ受信、および/または位置関連処理がデバイスまたはPNDで発生するかどうかに関わらず、短距離無線、赤外線、有線接続、または他の接続などによってパーソナルナビゲーションデバイス(PND)と通信するデバイスを含むことも意図する。また、「移動局」は、インターネット、Wi-Fi、または他のネットワークなどを介してサーバと通信でき、衛星信号受信、アシスタンスデータ受信、および/または位置関連処理が、そのデバイス、サーバ、またはネットワークに関連する他のデバイスで行われるかどうかに関わらず、無線通信デバイス、コンピュータ、ラップトップなどを含むすべてのデバイスを含むことを意図する。上記の動作可能な任意の組合せも「移動局」と見なされる。
【0056】
これまで、例示的な特徴であると現在考えられていることを示し、記述してきたが、特許請求されている対象から逸脱することなく、他の様々な修正を行って、均等物に置換してもよいことが、当業者により理解されるだろう。さらに、本明細書に記述した中心的な概念から逸脱することなく、特定の状況を特許請求されている対象の教示に適合させるために、多くの修正を行ってもよい。したがって、特許請求されている対象は開示した特定の例に限定されるものではなく、このような特許請求されている対象は、添付の特許請求の範囲およびその均等物の内にある全ての態様も含んでもよいことを意図する。
【符号の説明】
【0057】
100 白地図
200 システム
205 第1のモバイルデバイス
210 第2のモバイルデバイス
215 最大N番目までの追加のモバイルデバイス
220 無線ネットワーク
225 位置サーバ
230 マスタコントローラ
235 電子メールサーバ
240 通信装置
245 地図サーバ
250 第1のユーザ
255 第2のユーザ
260 N番目のユーザ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ある領域内に位置する1つまたは複数のモバイルデバイスのうちの少なくとも1つに関連するコンテキスト情報に少なくとも部分的に基づいて、前記1つまたは複数のモバイルデバイスに関連する1つまたは複数のラベルを決定するステップと、
ラベルの類似性、ならびに前記領域内の前記1つまたは複数のモバイルデバイスについての位置情報および時間情報に少なくとも部分的に基づいて、前記1つまたは複数のラベルを1つまたは複数のクラスタにまとめるステップと、
前記1つまたは複数のラベルの前記1つまたは複数のクラスタに少なくとも部分的に基づいて、前記領域に対応する地図のための1つまたは複数の注記を決定するステップとを備える、方法。
【請求項2】
前記コンテキスト情報が、モバイルデバイスのユーザに関連する1つまたは複数のカレンダ表記を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
指定の時間に対応する前記1つまたは複数のカレンダ表記に少なくとも部分的に基づいて、前記モバイルデバイスについてのラベルを決定するステップをさらに備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記モバイルデバイスについての前記ラベルを、前記指定の時間に決定された前記モバイルデバイスについての前記位置情報に関連付けるステップをさらに備える、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記コンテキスト情報が店舗に関連する商取引情報を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記コンテキスト情報が、モバイルデバイスと店舗との間の取引が発生する店舗の少なくとも1つの識別情報を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記コンテキスト情報が、1つまたは複数のクラスタについての1つまたは複数の最小しきい値量を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記コンテキスト情報が1つまたは複数のあらかじめ定められたラベルを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記1つまたは複数のあらかじめ定められたラベルのうちの少なくとも1つがランチエリアを表すラベルを備える、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記1つまたは複数のあらかじめ定められたラベルのうちの少なくとも1つがトイレを表すラベルを備える、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記あらかじめ定められたラベルのうちの1つまたは複数を表すパターンを決定するために、あらかじめ定められたモバイルデバイスのグループについての位置情報を監視するステップをさらに備える、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記1つまたは複数のモバイルデバイスのうちの前記少なくとも1つから前記位置情報を受信するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記1つまたは複数のモバイルデバイスに関連する前記コンテキスト情報を受信するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記方法が命令を実行している専用コンピューティングデバイスによって実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
ある領域内に位置する1つまたは複数のモバイルデバイスから信号を受信するための通信インターフェースと、
前記1つまたは複数のモバイルデバイスに関連するコンテキスト情報に少なくとも部分的に基づいて、前記領域内に位置する前記1つまたは複数のモバイルデバイスに関連する1つまたは複数のラベルを決定し、
ラベルの類似性、ならびに前記領域内の前記1つまたは複数のモバイルデバイスについての位置情報および時間情報に少なくとも部分的に基づいて、前記1つまたは複数のラベルを1つまたは複数のクラスタにまとめ、
前記1つまたは複数のラベルの前記1つまたは複数のクラスタに少なくとも部分的に基づいて、前記領域に対応する地図のための1つまたは複数の注記を決定するための命令でプログラムされた専用コンピューティングデバイスとを備える、装置。
【請求項16】
前記コンテキスト情報が、モバイルデバイスのユーザに関連する1つまたは複数のカレンダ表記を備える、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記モバイルデバイスについてのラベルが、指定の時間に対応する前記1つまたは複数のカレンダ表記に少なくとも部分的に基づく、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記命令が、前記専用コンピューティングデバイスによって実行されたことに応答して、前記専用コンピューティングデバイスに前記モバイルデバイスについての前記ラベルを、前記指定の時間に決定された前記モバイルデバイスについての前記位置情報に関連付けるように指示する、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記コンテキスト情報が店舗に関連する商取引情報を備える、請求項15に記載の装置。
【請求項20】
前記コンテキスト情報が、モバイルデバイスと前記店舗との間の取引が発生する店舗の少なくとも1つの識別情報を備える、請求項15に記載の装置。
【請求項21】
前記コンテキスト情報が1つまたは複数のあらかじめ定められたラベルを備える、請求項15に記載の装置。
【請求項22】
前記コンテキスト情報が、前記1つまたは複数のクラスタについての1つまたは複数の最小しきい値量を備える、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記1つまたは複数のあらかじめ定められたラベルのうちの少なくとも1つがランチエリアを表すラベルを備える、請求項21に記載の装置。
【請求項24】
前記1つまたは複数のあらかじめ定められたラベルのうちの少なくとも1つがトイレを表すラベルを備える、請求項21に記載の装置。
【請求項25】
前記命令が、前記専用コンピューティングデバイスによって実行されたことに応答して、前記専用コンピューティングデバイスに、前記あらかじめ定められたラベルのうちの1つまたは複数を表すパターンを決定するために、あらかじめ定められたモバイルデバイスのグループについての前記位置情報を監視するように指示する、請求項21に記載の装置。
【請求項26】
前記1つまたは複数のモバイルデバイスに関連するコンテキスト情報に少なくとも部分的に基づいて、ある領域内に位置する1つまたは複数のモバイルデバイスに関連する1つまたは複数のラベルを決定するための手段と、
ラベルの類似性、ならびに前記領域内の前記1つまたは複数のモバイルデバイスについての位置情報および時間情報に少なくとも部分的に基づいて、前記1つまたは複数のラベルを1つまたは複数のクラスタにまとめるための手段と、
前記1つまたは複数のラベルの前記1つまたは複数のクラスタに少なくとも部分的に基づいて、前記領域に対応する地図のための1つまたは複数の注記を決定するための手段とを備える、装置。
【請求項27】
前記コンテキスト情報が、モバイルデバイスのユーザに関連する1つまたは複数のカレンダ表記を備える、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記モバイルデバイスについてのラベルが、指定の時間に対応する前記1つまたは複数のカレンダ表記に少なくとも部分的に基づく、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記モバイルデバイスについての前記ラベルを、前記指定の時間に決定された前記モバイルデバイスについての前記位置情報に関連付けるための手段をさらに備える、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記コンテキスト情報が店舗に関連する商取引情報を備える、請求項26に記載の装置。
【請求項31】
前記コンテキスト情報が、モバイルデバイスと前記店舗との間の取引が発生する店舗の少なくとも1つの識別情報を備える、請求項26に記載の装置。
【請求項32】
前記コンテキスト情報が1つまたは複数のあらかじめ定められたラベルを備える、請求項26に記載の装置。
【請求項33】
前記コンテキスト情報が、前記1つまたは複数のクラスタについての1つまたは複数の最小しきい値量を備える、請求項26に記載の装置。
【請求項34】
前記1つまたは複数のあらかじめ定められたラベルのうちの少なくとも1つがランチエリアを表すラベルを備える、請求項32に記載の装置。
【請求項35】
前記1つまたは複数のあらかじめ定められたラベルのうちの少なくとも1つがトイレを表すラベルを備える、請求項32に記載の装置。
【請求項36】
前記1つまたは複数のあらかじめ定められたラベルを表すパターンを決定するために、あらかじめ定められたモバイルデバイスのグループについての前記位置情報を監視するための手段をさらに備える、請求項32に記載の装置。
【請求項37】
前記1つまたは複数のモバイルデバイスについての前記位置情報を受信するための手段をさらに備える、請求項26に記載の装置。
【請求項38】
前記1つまたは複数のモバイルデバイスに関連する前記コンテキスト情報を受信するための手段をさらに備える、請求項26に記載の装置。
【請求項39】
ある領域内に位置する1つまたは複数のモバイルデバイスに関連するコンテキスト情報に少なくとも部分的に基づいて、前記1つまたは複数のモバイルデバイスに関連する1つまたは複数のラベルを決定し、
ラベルの類似性、ならびに前記領域内の前記1つまたは複数のモバイルデバイスについての位置情報および時間情報に少なくとも部分的に基づいて、前記1つまたは複数のラベルを1つまたは複数のクラスタにまとめ、
前記1つまたは複数のラベルの前記1つまたは複数のクラスタに少なくとも部分的に基づいて、前記領域に対応する地図のための1つまたは複数の注記を決定するための専用装置によって実行可能な命令を格納している記憶装置を備える、商品。
【請求項40】
前記コンテキスト情報が、モバイルデバイスのユーザについての1つまたは複数のカレンダ表記を備える、請求項39に記載の商品。
【請求項41】
前記モバイルデバイスについてのラベルが、指定の時間に対応する前記1つまたは複数のカレンダ表記に少なくとも部分的に基づく、請求項40に記載の商品。
【請求項42】
前記命令が、前記モバイルデバイスについての前記ラベルを、前記指定の時間に決定された前記モバイルデバイスについての位置情報に関連付けるために前記専用装置によってさらに実行可能である、請求項41に記載の商品。
【請求項43】
前記コンテキスト情報が店舗に関連する商取引情報を備える、請求項39に記載の商品。
【請求項44】
前記コンテキスト情報が、モバイルデバイスと前記店舗との間の取引が発生する店舗の少なくとも1つの識別情報を備える、請求項39に記載の商品。
【請求項45】
前記コンテキスト情報が、前記1つまたは複数のクラスタについての1つまたは複数の最小しきい値量を備える、請求項39に記載の商品。
【請求項46】
前記コンテキスト情報が1つまたは複数のあらかじめ定められたラベルを備える、請求項39に記載の商品。
【請求項47】
前記1つまたは複数のあらかじめ定められたラベルのうちの少なくとも1つがランチエリアを表すラベルを備える、請求項46に記載の商品。
【請求項48】
前記1つまたは複数のあらかじめ定められたラベルのうちの少なくとも1つがトイレを表すラベルを備える、請求項46に記載の商品。
【請求項49】
前記命令が、前記1つまたは複数のあらかじめ定められたラベルを表すパターンを決定するために、あらかじめ定められたモバイルデバイスのグループについての位置情報を監視するように前記専用装置によってさらに実行可能である、請求項46に記載の商品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2013−507637(P2013−507637A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534252(P2012−534252)
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/052058
【国際公開番号】WO2011/046837
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(507364838)クアルコム,インコーポレイテッド (446)
【Fターム(参考)】