説明

低反射および高接触角を有する基板およびこの製造方法

本発明は、少なくとも一面にパターンが備えられた基材であって、前記パターンの形状によって前記パターンの下部領域における屈折率と前記パターンの上部領域における屈折率が相違する基材;および前記基材のパターンが備えられた少なくとも一面に備えられた撥水コーティング層を含み、これを含む光学製品および前記基板の製造方法に関する。本発明に係る基板は、反射防止性および撥水性がすべて優れている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低反射および高接触角を有する基板およびこの製造方法に関する。本出願は、2009年10月29日に韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10−2009−0103694号の出願日の利益を主張し、その内容すべては本明細書に含まれる。
【背景技術】
【0002】
一般的に、光学製品は、ゴースト(goest)およびフレア(flare)のような鮮明に反射したイメージを提供するが、綺麗な可視性を与えることができない。したがって、鮮明に反射したイメージと綺麗な可視性を得るために、基板上に反射防止膜を形成する。前記反射防止膜は、通常、高い硬度と低い屈折率を有するケイ素酸化物またはフッ化マグネシウムで構成される。
【0003】
しかし、ケイ素酸化物またはフッ化マグネシウムで構成された反射防止膜を表面に含む光学製品を水で洗浄した後、十分に拭き取らずに乾燥のためにそのまま置けば、反射防止膜は表面に残っている水のような染みの痕跡である、いわゆる「水跡」によって染みとなり、これは可視性の低下をもたらすようになる。このような染みを防ぐために、反射防止膜表面に硬化可能のポリシロキサンや撥水性を有するシラン化合物などによって撥水処理をすることができる。
【0004】
このように、反射防止および撥水機能を同時に有する光学製品は、平坦な基材上に、反射防止特性のために屈折率マッチング物質をコーティングし、撥水特性のために撥水物質をコーティングして製造することが一般的である。
しかし、このように反射防止特性と撥水特性を同時に有するためには、反射防止特性と撥水特性を示す多層の薄膜コーティングを繰り返して実行しなければならないという短所があり、前記反射防止層上に撥水物質をコーティングしても、120゜以上の接触角を有する基板を得ることが困難である。また、広い波長領域で反射を減らすためには、反射防止コーティングを数回実行するマルチコーティング技法を使用しなければならないが、これはコーティング価格の上昇による製品価格上昇の重要な要因となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これにより、本発明は、反射防止特性と撥水特性がすべて優れながらも製造工程が容易な基板およびこれを含む光学製品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するために、本発明の一実施形態は、1)少なくとも一面にパターンが備えられた基材であって、前記パターンの形状によって前記パターンの下部領域における屈折率と前記パターンの上部領域における屈折率が相違した基材;および2)前記基材のパターンが備えられた少なくとも一面に備えられた撥水コーティング層を含むことを特徴とする基板を提供する。
【0007】
また、本発明の他の実施状態は、a)基材の少なくとも一面に、パターンの下部領域における屈折率とパターンの上部領域における屈折率が相違するようにする形状のパターンを形成する段階、およびb)前記基材のパターンが備えられた少なくとも一面上に撥水コーティング層を形成する段階を含む基板の製造方法であって、前記基板の製造方法において、前記a)段階で基材上にパターンを形成するために干渉リソグラフィ方法を利用することができる。
【0008】
なお、本発明のさらに他の実施状態は、上述した本発明に係る基板を含む光学製品を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、多層の薄膜コーティングを実行したり別途の反射防止膜を形成しなくても、2%未満の光透過率と120゜以上の高接触角を有する基板を提供することができ、工程効率が優れる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る基板の構造において、基材と撥水コーティング層の間の屈折率変化を説明するための模式図である。
【図2】実施例1および比較例1の基板の接触角を示すCCDカメラ写真である。
【図3】実施例2および比較例2の基板の反射率を示すグラフである。
【図4】実施例3で製造された基板のうち、基材上に形成されたパターンを示す写真である。
【図5】実施例3〜5および比較例3〜5で製造された基板の反射率を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を具体的に説明する。
【0012】
本発明の一実施形態は、1)少なくとも一面にパターンが備えられた基材であって、前記パターンの形状によって前記パターンの下部領域における屈折率と前記パターンの上部領域における屈折率が相違した基材;および2)前記基材のパターンが備えられた少なくとも一面に備えられた撥水コーティング層を含んでいる。
【0013】
本明細書において、パターンの下部領域とパターンの上部領域とは、位置において互いに相対的な意味であって、前記パターンの下部領域は基材の板面に近い領域を意味し、前記パターンの上部領域は相対的に基材の板面とは遠く、空気層に近い領域を意味する。
【0014】
本発明では、基材上にこのようなパターンを形成することにより、パターンの下部領域に行くほど屈折率が基材と同じようになるように漸進的に変化させることができ、反射を最小化するようになる。
【0015】
本発明では、このように基材のパターンが備えられた表面で屈折率が変化することができるように、前記基材上のパターンの形態を調節することによって反射を最小化することができる。
【0016】
反射の原因は、2つの媒質間の屈折率の差によって発生するようになる。したがって、本発明では、上述したように基材のパターンが備えられた表面で屈折率が変化するように構成することにより、別途の層を形成しなくても反射を防ぐことができる。一例として、ガラス基材を用いる場合、ガラス基材と空気層の界面領域で屈折率が漸進的に変化する構造を説明する。理想的には、空気の屈折率が1であり、ガラス基材の屈折率は1.5であるため、ガラス基材上に図1のような構造のパターンを形成する場合、ガラス基材と空気層の界面領域における屈折率は、1から1.5まで空気層側から基材側に直線的に(Linear)漸進的に(Gradient)変化させることができる。
【0017】
しかし、平面基材および平面コーティングを利用する場合、表面における屈折率変化を得ることができず、屈折率が1となる物質がない。このような問題を解決するために、本発明では、撥水コーティング層が備えられた基材の表面の物理的構造を変化させ、図1のようなパターンを形成することができる。これにより、厚さ方向に切断した断面、すなわち、垂直断面で空気層と基材の面積によって屈折率を仮想で計算すれば、図1に示すように、屈折率が1から1.5の間で漸進的に変化するようになる。
【0018】
前記基材は特別に制限されることはなく、プラスチック、金属、シリコンウエハ、ガラスなどを用いることができ、厚さの制限はない。前記基材の好ましい例としては、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、ソーダ石灰ガラス、ブルーガラス、トリアセテートセルロースフィルム、ノボネン系シクロオレフィンポリマーフィルム、ポリエステルフィルム、ポリメタアクリレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、またはポリメチルメタクリレート(PMMA)フィルムなどがある。
【0019】
前記基材上のパターンは、干渉リソグラフィ方法を直接または間接的に利用して形成されることができる。前記基材上のパターンは、上述したように、基材の表面で屈折率を変化することができる形態であれば、特に制限されることはない。例えば、少なくとも1つの垂直断面において、下部領域の幅よりも上部領域の幅が狭い形態を有したり、水平断面積がパターンの上部領域に行くほど小さくなる形態で形成することができる。具体的に、前記基材上のパターンは、1次または2次元の三角形、正弦波、台形などの形態で形成することができる。
【0020】
前記基材上のパターンの線幅および/またはピッチは50〜300nmであることが好ましく、60nm〜200nmであることがより好ましい。パターンの線幅やピッチが小さ過ぎれば工程上の効率性や実現可能性が少なくなり、パターンの線幅やピッチが大き過ぎれば虹が発生し、基板の可視性が低下するという問題が発生することがある。
【0021】
また、前記基材上のパターンの深さ、すなわち、パターンの最高点から最低点までの距離は100nm以上、好ましくは100nm以上1,000nm以下であることが好ましい。パターンの深さが小さ過ぎる場合には光の波長よりも極めて小さく、パターンプロフィール(profile)の変化による可視光の屈折率変化が極めて小くなり、反射防止効果が少ない。
【0022】
前記基材上のパターンの縦横比は1以上、より好ましくは1.5から3であることが好ましい。しかし、必ずしもこれに限定されるものではない。ここで、縦横比とは、パターンの線幅に対するパターンの深さの比を意味する。パターンの線幅は下部線幅を基準にする。
【0023】
前記基材上にパターンを形成するために、干渉リソグラフィ方法を利用することができる。具体的に、直接干渉リソグラフィ方法を利用して基材上にパターンを形成することができる。また、前記基材上にパターンを形成する以前に、パターン複製のためのマスターを干渉リソグラフィ方法によって形成した後、前記マスターを利用して前記基材上にパターンを形成することができる。例えば、前記マスターをクリシェとして利用し、ロール工程によって基板上にパターンを転写することができる。
【0024】
前記干渉リソグラフィ工程で用いる光源の波長は、200〜400nmであることが好ましい。
【0025】
前記干渉リソグラフィを利用する場合には、基材上に規則的かつ微細なパターンを形成することが容易であり、特に、基材と空気の間の界面において面積比が漸次的に変わることにより、屈折率が空気と基材の間に漸進的に変わるようになり、反射が極めて少なくなるという特性が現われるようになる。
【0026】
前記基材のパターンが形成された面上に備えられた撥水コーティング層は、当技術分野に知られている撥水材料を利用して形成することができる。例えば、フッ素系撥水剤およびシラン系撥水剤成分のうちの少なくとも1種を含むコーティング組成物で基材を断面コーティング処理して疎水層を形成することが好ましい。具体的には、ポリテトラフルオロエチレン(Polytetrafluoroethylene:PTFE)、パーフルオロアルコキシ(Perfluoralkoxy:PEA)、フルオロエチレンプロピレン(Fluoroethylenepropylene:FEP)、エチレンテトラフルオロエチレン(Ethylenetetrafluoroethylene:ETFE)、ポリフッ化ビニル(Polyvinylfluoride:PVF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(Polychlorotrifluorethylene:PCTFE)、またはポルリジメチルシロキサン(polydimethylsiloxane:PDMS)などの材料を利用することができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0027】
前記撥水コーティング層の厚さは、基材上に形成されたパターンの形状変化を防ぐために10nm以下で形成されることが好ましく、1〜10nmで形成されることがより好ましい。
【0028】
本発明に係る基板は、2%未満の光透過率および120゜以上の接触角を同時に有することができ、接触角は150゜以上までも到達することができる。
【0029】
また、本発明は、a)基材の少なくとも一面に、パターンの下部領域における屈折率とパターンの上部領域における屈折率が相違するようにする形状のパターンを形成する段階、およびb)前記基材のパターンが備えられた少なくとも一面上に撥水コーティング層を形成する段階を含む基板の製造方法を提供する。
【0030】
前記a)段階は干渉リソグラフィ方法によって実行されることができ、干渉リソグラフィ方法は、当技術分野に知られている方法を利用することができる。
【0031】
例えば、前記a)段階は、a1)基材を洗浄する段階、a2)前記基材上に反射防止コーティング組成物および感光性樹脂組成物をそれぞれ順にコーティングおよび乾燥する段階、a3)形成された反射防止膜および感光成膜を選択的に干渉リソグラフィを利用して露光および現像してパターン化する段階、a4)パターン化された反射防止膜および感光成膜をマスクとして基材をエッチングする段階、およびa5)前記エッチング後にパターン化された反射防止膜および感光成膜を基材から薄利する段階を含む。
【0032】
前記a2段階において、反射防止膜はパターン化段階で微細なパターンを製造するために適用され、前記感光成膜は基材のマスクの役割をするために適用される。
【0033】
前記反射防止コーティング組成物および感光性樹脂組成物は、当業界に知られた一般的な材料または組成を有することができる。
【0034】
前記a3)段階において、干渉リソグラフィは、一般的にレーザ光源から出るレーザの位相差による干渉を利用するものであって、本発明の干渉リソグラフィ工程においては200〜400nm範囲の波長を用いることが好ましい。
【0035】
前記a4)段階は、前記a3)段階で製造されたパターンをマスクとして基材をエッチングする段階であって、乾式または湿式エッチング方式を利用することができる。前記基材をエッチングするための組成物はCHF、CF、またはC4Fなどを用いることができるが、必ずしもこれにのみ限定されるものではない。
【0036】
前記a5)段階は前記a4)段階においてエッチング工程後にパターン化された反射防止膜および感光成膜を基材から薄利する段階であって、前記反射防止膜および感光成膜の剥離は、Oガスを利用した乾式エッチング工程によって実行することが好ましいが、必ずしもこれにのみ限定されるものではない。
【0037】
追加で、前記パターンが形成された基材を大量に生産するために、前記パターンが備えられた基材をロールプリンティング、ロールエンボシング、ホット(hot)エンボシング、またはUVエンボシングなどの方法によって複製することができる。具体的に、干渉リソグラフィを利用してPDMS、PET、PVC、PMMA、またはPUA材質で形成されたマスター(Master)を製造したり、干渉リソグラフィを利用して製造されたパターンが備えられた基材に金属薄膜を蒸着した後にメッキして金属材質で形成されたマスターを製造し、マスターのパターンを基材上に転写することができる。例えば、オフ−セット(Off−set)またはグラビア(Gravure)などのロールプリンティング方法によって基材上の反射防止膜および感光成膜を前記マスターによってパターン化し、この後にエッチング工程を経てパターンが備えられた基材を容易に複製することができる。
【0038】
前記b)段階は、前記a)段階で製造されたパターンが備えられた基材上に撥水コーティング層を形成する段階である。前記撥水コーティング層は、撥水コーティング組成物をコーティングした後、乾燥する方式によって実行されることができる。前記撥水コーティング組成物のコーティングは、当技術分野で知られた方法、例えば、スピンコーティング、ディープコーティング、またはドクターブレーディング、および気相蒸着などによって実行されることができるが、これに限定されるものではない。
【0039】
前記撥水コーティング組成物の乾燥は、90〜120℃から1時間乾燥した後、24時間の常温乾燥によって行われることができるが、これによって本発明の範囲が限定されるものではない。
【0040】
また、本発明は、上述したパターンが備えられた基材および撥水コーティング層を含む基板を含む光学製品を提供する。
【0041】
前記光学製品としては、反射防止フィルム、LCD用偏光板補償フィルム、およびタッチスクリーン用耐汚染フィルムなどがある。
【0042】
以下、本発明の好ましい実施例を記載する。ただし、下記の実施例は本発明の好ましい一実施例に過ぎず、本発明が後述する実施例によって限定されるものではない。
【実施例】
【0043】
実施例1
パイレックス(登録商標)ガラス上にBARC(bottom antireflection coating)(Brewer science社のi−con16)を3000RPMで30秒間スピンコーティングした後、205℃のホットプレートで1分間乾燥して100nmの反射防止膜を形成した後、感光性樹脂組成物であるUltra−i123(Rohm and Hass社)をコーティングして200nm厚さの感光成膜を形成した。以後、351.1nmの波長を利用して干渉リソグラフィ方法によって露光し、現像およびエッチングして下部線幅100nm、上部線幅50nm、および縦横比2.5である台形パターンを有する基材を製造した。以後、前記パターンを有する基材上にフッ素系化合物(OPTOOL:商品名)を含む撥水コーティング組成物をコーティングし、120℃で1時間乾燥し、5nm厚さを有する撥水コーティング層を積層して基板を製造した。
製造された基板上に注射器を利用して10mlの水玉を吐出した後の形状をCCDカメラで撮影し、図2に示した。図2に示すように、接触角が150゜以上と極めて大きいことが分かった。
【0044】
実施例2
前記実施例1でパイレックス(登録商標)ガラスをPMMA(Polymethyl Methacrylate)フィルムに代替したことを除いては、実施例1と同じ方法によって基板を製造した。
【0045】
製造された基板を前記CCDカメラで撮影した写真から測定された接触角は、120゜以上であることを確認した。
【0046】
製造された基板の反射率は積分球光線透過率測定器を用いて測定し、この結果を図3に示した。図3の横軸はnm単位の波長であり、縦軸は%単位の反射率を示す。図3に示すように、実施例2で製造された基板は、2%以下の反射率を有することが分かる。
【0047】
実施例3〜5
前記実施例1でパイレックス(登録商標)ガラスをPMMA(Polymethyl Methacrylate)フィルムに代替し、基板上に突出したパターンの断面形状を三角形で製作した。前記パターンのピッチ、すなわち、隣接するパターンの頂点間の距離は200nmで製作し、パターンの深さ、すなわち、パターンの最高点と最低点の間の垂直距離をそれぞれ150nm(実施例3)、200nm(実施例4)、および250nm(実施例5)で製作した。続いて、実施例1と同じように撥水コーティング層を形成した。
【0048】
実施例3で製造されたパターンが形成された基材の表面のSEM写真を図4に示した。実施例3〜5で製造された基板の反射率を測定して図5に示した。
【0049】
比較例1
ソーダ石灰ガラス(Soda lime Glass)上にフッ素系化合物(OPTOOL:商品名)を含む撥水コーティング組成物をコーティングして120℃で1時間乾燥し、5nmの厚さを有する撥水コーティングが積層された基板を製造した。
製造された基板上に注射器を利用して10mlの水玉を吐出した後の形状をCCDカメラで撮影し、図2に示した。図2に示すように、実施例1の基板に比べて接触角が小さいことが分かった。
【0050】
比較例2
前記比較例1でソーダ石灰ガラスをPMMA(Polymethyl Methacrylate)フィルムに代替したことを除いては、同じ方法によって基板を製造した。
製造された基板の反射率は積分球光線透過率測定器を用いて測定し、この結果を図3に示した。図3に示すように、比較例2で製造された基板は、測定された波長範囲で4.5%程度の反射率を有することが分かった。
【0051】
比較例3〜5
前記実施例3との比較のために、各基板上に突出したパターンの断面形状が四角形であり、下記の図によって定義されるFill factor(a/b)が0.5であるパターンの深さを150nm(比較例3)、200nm(比較例4)、および250nm(比較例5)でそれぞれ形成した。続いて、実施例1と同じように撥水コーティング層を形成した。
【0052】
前記基板の反射率を測定し、測定された反射率を図5に示した。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)少なくとも一面にパターンが備えられた基材であって、前記パターンの形状によって前記パターンの下部領域における屈折率と前記パターンの上部領域における屈折率が相違した基材;および
2)前記基材のパターンが備えられた少なくとも一面に備えられた撥水コーティング層を含むことを特徴とする基板。
【請求項2】
前記基材のパターンが備えられた表面で屈折率が漸進的に変化する、請求項1に記載の基板。
【請求項3】
前記基材上のパターンの下部領域で、上部領域に行くほど屈折率が小さくなる、請求項1に記載の基板。
【請求項4】
前記基材上のパターンは、前記パターンの少なくとも1つの垂直断面において、パターンの下部領域の幅よりもパターンの上部領域の幅が狭い形態を有する、請求項1に記載の基板。
【請求項5】
前記基材上のパターンは、水平断面積がパターンの上部領域に行くほど小さくなる形態を有する、請求項1に記載の基板。
【請求項6】
前記基材上のパターンは、少なくとも1つの垂直断面が1次または2次元の三角形、正弦波、または台形の形態である、請求項1に記載の基板。
【請求項7】
前記基材上のパターンは、線幅が50〜300nmであり、深さが100nm以上である、請求項1に記載の基板。
【請求項8】
前記基材上のパターンは、干渉リソグラフィ方法によって直接形成されたり、干渉リソグラフィ方法によって形成されたパターンが複製されて形成された、請求項1に記載の基板。
【請求項9】
前記基材は、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、ソーダ石灰ガラス、ブルーガラス、トリアセテートセルロースフィルム、ノボネン系シクロオレフインポリマーフィルム、ポリエステルフィルム、ポリメタアクリレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、またはポリメチルメタクリレート(PMMA)フィルムであることを特徴とする、請求項1に記載の基板。
【請求項10】
前記撥水コーティング層は、フッ素系撥水剤およびシラン系撥水剤のうちから選択された1種以上の撥水剤から形成されることを特徴とする、請求項1に記載の基板。
【請求項11】
前記基板は2%未満の光透過率を有し、120゜以上の接触角を有することを特徴とする、請求項1に記載の基板。
【請求項12】
少なくとも一面にパターンが備えられた基材、および前記基材の少なくとも一面に備えられた撥水コーティング層を含み、2%未満の光透過率および120゜以上の接触角を有することを特徴とする、基板。
【請求項13】
a)基材の少なくとも一面に、パターンの下部領域における屈折率とパターンの上部領域における屈折率が相違するようにする形状のパターンを形成する段階、および
b)前記基材のパターンが備えられた少なくとも一面上に撥水コーティング層を形成する段階を含む、請求項1〜12のうちのいずれか一項に記載の基板の製造方法。
【請求項14】
前記a)段階は干渉リソグラフィ方法によって実行される、請求項13に記載の基板の製造方法。
【請求項15】
干渉リソグラフィ工程において、200〜400nm範囲の波長を用いる、請求項14に記載の基板の製造方法。
【請求項16】
前記a)段階は、a1)基材を洗浄する段階、a2)前記基材上に反射防止コーティング組成物および感光性樹脂組成物をそれぞれ順にコーティングおよび乾燥する段階、a3)形成された反射防止膜および感光成膜を選択的に干渉リソグラフィを利用して露光および現像してパターン化する段階、a4)パターン化された反射防止膜および感光成膜をマスクとして基材をエッチングする段階、およびa5)前記エッチング後にパターン化された反射防止膜および感光成膜を基材から薄利する段階を含む、請求項13に記載の基板の製造方法。
【請求項17】
前記a)段階は、干渉リソグラフィを利用してパターンが備えられたマスター(Master)を製造したり、干渉リソグラフィを利用して製造されたパターンが備えられた基材に金属薄膜を蒸着した後にメッキして金属材質で形成されたマスターを製造した後、マスターのパターンを基材上に転写することによって実行される、請求項13に記載の基板の製造方法。
【請求項18】
前記b)段階は、撥水コーティング組成物をコーティングする段階および前記撥水コーティング組成物を乾燥する段階を含む、請求項13に記載の基板の製造方法。
【請求項19】
請求項1〜12のうちのいずれか一項に記載の基板を含む光学製品。
【請求項20】
前記光学製品は、反射防止フィルム、LCD用偏光板補償フィルム、またはタッチスクリーン用耐汚染フィルムであることを特徴とする、請求項19に記載の光学製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−509610(P2013−509610A)
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−536678(P2012−536678)
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際出願番号】PCT/KR2010/007457
【国際公開番号】WO2011/053004
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】