説明

低圧蒸気加熱装置

【課題】 処理室内が高圧となることを回避し、安全性を向上させることを目的とする。
【解決手段】 被加熱物1を大気圧以下の低圧蒸気により加熱する処理室2と、処理室2への給蒸手段3と、減圧路14およびこの減圧路に設けられる減圧器15,16,18を有する処理室2の減圧手段4と、処理室2内を大気圧以下に制御して被加熱物1を加熱処理する制御手段8とを備える低圧蒸気加熱装置において、制御手段8による減圧器15,16,18の作動停止時、処理室2の大気圧以上の高圧蒸気を減圧路14を通して処理室2外へ逃がす安全機構を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、解凍区域内の低圧蒸気により被解凍物の解凍を行う解凍装置などの低圧蒸気加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この解凍装置は、大気圧より低い低圧の飽和蒸気で満たされた容器内に被解凍物を入れると被解凍物の表面に蒸気が凝縮し、その際に発生する大量の凝縮潜熱を被解凍物に与えて、被解凍物を解凍する装置であり、特許文献1などにて公知である。
【0003】
【特許文献1】特公昭46−36174号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種解凍装置においては、減圧下で処理室内へ高圧蒸気を供給して処理室内を設定圧に制御して解凍を行う。こうした低圧蒸気加熱装置では、処理室内へ高圧蒸気を供給する構成であるので、処理室内に高圧蒸気が漏れて高圧となることを回避することが、安全対策上重要である。安全対策としては、処理室を耐圧性の圧力容器に形成したり、扉のロック機構を耐圧性の機構とすることが考えられるが、装置が大掛かりとなる問題がある。
【0005】
この発明は、処理室内が高圧となることを回避し、安全性を向上させることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、被加熱物を大気圧以下の低圧蒸気により加熱処理する処理室と、前記処理室への給蒸手段と、減圧路およびこの減圧路に設けられる減圧器を有する前記処理室の減圧手段と、前記処理室内を大気圧以下に制御して被加熱物を加熱処理する制御手段とを備える低圧蒸気加熱装置において、前記処理室の開口を弾性部材を介して封止する扉と、係合状態で前記扉による前記開口の封止を維持し、前記処理室内の所定の減圧下で係合状態を解除する係合手段と、前記給蒸手段による給蒸前に前記処理室内を減圧して前記係合状態を解除する制御手段とを含む安全機構を備えたことを特徴としている。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、給蒸前に前記処理室内が減圧されて、前記係合手段の係合が解除されるので、その後において、前記減圧器の作動停止状態となり、前記処理室内に高圧蒸気が供給されたとしても、前記扉と前記開口との隙間から蒸気が逃げるので、前記処理室内が高圧となることを防止することができる。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、前記処理室内が高圧となることを防止または低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(実施の形態1)
つぎに、この発明の実施の形態1について説明する。この実施の形態1は、低圧蒸気により被解凍物の解凍を行う解凍装置や低圧蒸気により被加熱物の蒸煮を行う低圧蒸気加熱装置において実施される。
【0010】
まず、実施の形態1の概要について説明する。この実施の形態1は、被加熱物を大気圧
以下の低圧蒸気により加熱する処理室と、前記処理室への給蒸手段と、減圧路およびこの減圧路に設けられる減圧器を有する前記処理室の減圧手段と、前記処理室内を大気圧以下に制御して被加熱物を加熱処理する制御手段とを備える低圧蒸気加熱装置において、前記制御手段による前記減圧器の作動停止時、前記処理室の正圧蒸気を前記減圧路を通して前記処理室外へ逃がす安全機構を備えたことを特徴とする低圧蒸気加熱装置である。
【0011】
この実施の形態1によれば、前記制御手段は、前記給蒸手段と前記減圧手段とを制御して、前記処理室内を大気圧以下として低圧蒸気により被加熱物を加熱処理する。そして、前記減圧器の故障などの何らかの理由により、前記減圧器の作動停止状態において、前記処理室内へ高圧蒸気が供給された場合、高圧蒸気が前記減圧路を通して逃げる。これにより、前記処理室内が高圧なることによる危険を低減できる。また、前記逆止弁により、減圧中の前記減圧路を通しての逆流を防止することができる。
【0012】
ここにおいて、低圧蒸気とは、大気圧以下の圧力の蒸気を意味する。また、前記処理室内の温度は、前記処理室内に飽和蒸気が満たされている状態において、前記処理室内の圧力と所定の対応関係を有していて、前記解凍室内の圧力によって制御可能である。よって、この発明では、前記処理室内の温度は、前記処理室内の圧力と等価であり、前記処理室内の温度制御は圧力制御と均等である。
【0013】
つぎに、この実施の形態1の構成要素について説明する。まず、前記処理室は、被加熱物の解凍に用いられる区域であり、被加熱物を収容し出し入れ可能な室,部屋、容器,槽を意味する。
【0014】
前記給蒸手段は、前記処理室へその外部から大気圧以上の高圧蒸気を供給する手段であり、蒸気生成装置などを含む。この蒸気生成装置は、好ましくは、清浄蒸気を生成するリボイラとする。また、この給蒸手段は、好ましくは、開度を調整可能で供給蒸気量を調整可能な弁(給蒸弁)を含む。こうすることにより、単なる開閉弁を用いた場合と比較して、前記処理室内への給蒸量をより細やかに制御でき、前記処理室内の温度制御を細やかに、かつ正確に制御することができる。
【0015】
前記減圧手段は、減圧路とこの減圧路に設けられる減圧器とから構成される。前記減圧器は、特定のものに限定されないが、この実施の形態では、前記減圧器の作動停止時、前記処理室内が大気圧以上となったとき、前記処理室内の高圧蒸気を前記処理室外へ逃がす第一安全機構を構成可能なものとする。そして、前記減圧路には、前記処理室外から前記処理室内への外気の流入を阻止する弁機構を備えるが、この弁機構は、前記第一安全機構を構成するために逆止弁としている。この逆止弁とは、電気的に開閉される弁ではなく、機械的に前記処理室外から前記処理室内方向への流れを阻止する弁である。
【0016】
前記第一安全機構を構成する減圧器は、蒸気エゼクタと熱交換器と水封式真空ポンプとを組み合わせたものとすることができる。また、前記第一安全機構を構成する減圧器は、水エゼクタとすることができる。
【0017】
この第一安全機構は、前記減圧手段と兼用しているが、前記減圧手段と別に、前記処理室内方向への流れを阻止し、前記処理室外方向への流れを許容する逆止弁を備えた排気路を安全機構として設けることができる。
【0018】
また、前記制御手段は、予め記憶している処理手順により前記給蒸手段および前記減圧手段を制御する。前記減圧手段の制御とは、前記減圧器の制御を意味する。この処理手順は、前記給蒸手段による給蒸を行いながら前記減圧手段を間欠的または連続的に作動させることにより、前記処理室内を設定値に制御する加熱処理制御を含む。前記加熱処理制御
は、好ましくは、前記処理室内の温度または圧力検出する検出器を設けて、前記検出器の検出値が前記設定値となるように制御する。
【0019】
この発明は、前記実施の形態1に限定されるものではなく、つぎの実施の形態2〜実施の形態3を含む。
【0020】
(実施の形態2)
この実施の形態2は、被加熱物を大気圧以下の低圧蒸気により加熱する処理室と、前記処理室への給蒸手段と、減圧路およびこの減圧路に設けられる減圧器を有する前記処理室の減圧手段と、前記処理室内を大気圧以下に制御して被加熱物を加熱処理する制御手段とを備える低圧蒸気加熱装置において、前記処理室の開口を弾性部材を介して封止する扉と、係合状態で前記扉による前記開口の封止を維持し、前記処理室内の所定の減圧下で 係
合状態を解除する係合手段と、前記給蒸手段による給蒸前に前記処理室内を減圧して係合状態を解除する制御手段とを含む安全機構を備えたことを特徴とする蒸気加熱装置である。
【0021】
この実施の形態2においては、加熱処理を行う場合は、前記扉を開いて、被加熱物を前記処理室内へ収容し、前記扉により前記開口を前記弾性部材を介して封止する。この封止状態では、前記係合手段は、係合状態を維持している。その後、加熱処理のための給蒸を開始する前に、前記減圧器を作動させて、前記処理室内を大気圧以下に減圧して、前記係合手段の係合を解除して、前記扉による封止を解く。その結果、何らかの理由により、前記処理室内へ給蒸されて高圧となることがあっても、前記扉と前記開口との隙間を通して高圧蒸気が逃げる。その結果、前記処理室内が高圧になることが防止される。
【0022】
前記係合手段は、好ましくは、前記処理室の開口側に設けた第一係合部材と前記扉に設けた第二係合部材とから構成され、両部材の係合状態において、前記扉が前記弾性部材を介して前記開口を封止する状態を維持し、前記両部材の係合状態が解除されると、前記扉による封止が解除される構成とする。前記扉による封止時、前記弾性部材は前記扉と前記開口とにより圧縮され、前記弾性部材の反発力により前記係合状態を維持している。前記処理室内が減圧されると、前記弾性部材がさらに圧縮されて前記係合手段の係合が解除される。
【0023】
(実施の形態3)
この実施の形態3は、被加熱物を大気圧以下の低圧蒸気により加熱する処理室と、前記処理室への給蒸手段と、減圧路およびこの減圧路に設けられる減圧器を有する前記処理室の減圧手段と、前記処理室内を大気圧以下に制御して被加熱物を加熱処理する制御手段とを備える低圧蒸気加熱装置において、前記制御手段による前記減圧器の作動停止時、前記処理室の大気圧以上の高圧蒸気を前記減圧路を通して前記処理室外へ逃がす第一安全機構と、前記処理室の開口を弾性部材を介して封止する扉,係合状態で前記扉による前記開口の封止を維持し、前記処理室内の所定の減圧下で 係合状態を解除する係合手段および前
記給蒸手段による給蒸前に前記処理室内を減圧して係合状態を解除する制御手段を含む第二安全機構とを備えたことを特徴とする低圧蒸気加熱装置である。
【0024】
この実施の形態3は、前記実施の形態1の第一安全機構と前記実施の形態2の第二安全機構とを組み合わせた安全機構を有している。この実施の形態3によれば、二重の安全機構を備えることにより、さらに安全性を向上することができる。
【実施例】
【0025】
以下、この発明を実施した解凍装置の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、実施例の概略構成図であり、図2は、同実施例の一部破断の要部の説明図、図3
は、同実施例を正面から見た概略構成図であり、図4は、同実施例の制御手順(処理手順)の概要を示すフローチャート図であり、図5は同実施例による第一解凍モードの解凍を説明するタイムチャート図であり、図6は、同実施例による第二解凍モードの解凍を説明するタイムチャート図である。図5および図6において、圧力特性図の下方の実線部分は、機器の作動を示している。
【0026】
この実施例1の解凍装置は、業務用解凍装置に適用されるものである。この解凍装置は、被解凍物1を収容し、蒸気加熱処理を行う処理室としての解凍室2と、前記解凍室2内へ蒸気を供給する蒸気供給(給蒸)手段3と、前記解凍室2内を吸引排気し低圧に保持する減圧手段4と、減圧された前記解凍室2に外気を導入することにより復圧する復圧手段5と、被解凍物1を載置し前記解凍室2に対して出し入れ自在の台車(運搬車)6と、前記解凍室2内圧力を検出する圧力検出器7と、前記圧力検出器7の信号を入力してメモリに記憶した制御手順に基づき前記解凍室2内の低圧蒸気による被解物1の解凍を制御する制御器8とを主要部として備えている。
【0027】
被解凍物は、真空(パック)包装した肉類などであり、真空包装していないものも含まれる。真空包装した被解凍物は、解凍前に刃物などにより包装に切り込みや孔からなる通気孔(図示省略)を形成することが望ましい。こうした通気孔の形成により、低圧蒸気解凍時に包装が膨らむことによる熱伝達の阻害を防止できるとともに、蒸気が直接食材に触れることにより、解凍時間を短縮することができる。
【0028】
前記解凍室2は、被解凍物1を出し入れするための扉32を備え、内部の床面を低く形成することにより、前記台車6の出し入れが容易となるように構成している。この実施例においては、低圧蒸気による解凍を行い、前記解凍室2内を大気圧以上とすることがなく、後記の第一安全機構および第二安全機構を備えているので、法規に定める耐圧性の圧力容器として形成していない。
【0029】
前記給蒸手段3は、一端を前記解凍室2に接続し、清浄蒸気を前記解凍室2内へ供給するための第一給蒸路9を含み、この第一給蒸路9に、軟水器10,この軟水器10から供給される軟水を用いて清浄蒸気を生成する蒸気発生源としてのリボイラ11,蒸気の供給を制御する第一給蒸弁12,前記第一給蒸路9の先端に設けられ前記解凍室2内へ蒸気を噴出するためのノズル13を備えている。前記第一給蒸弁12は、開度を調整することにより給蒸量を調節可能な比例弁などの弁を用いる。
【0030】
前記リボイラ11は、ステンレス製とされ、軟水器10を用いるとともに無薬注としている。これにより、前記解凍室2への供給蒸気は、薬品や鉄分を含まないので、安全な低圧蒸気による解凍が実現される。このリボイラ11の加熱源は通常蒸気を生成する蒸気ボイラ(図示省略)とされる。
【0031】
前記減圧手段4は、減圧路14とこの減圧路14に前記解凍室2内を減圧する減圧器を含む。この減圧器は、蒸気エゼクタ15,熱交換器16および水封式の真空ポンプ18を含んでいる。そして、前記減圧路14には、前記解凍室2外から前記解凍室2内方向への流れを阻止する逆止弁17を備えている。前記蒸気エゼクタ15には、前記蒸気ボイラからの蒸気を供給する第二給蒸路19が接続され、この第二給蒸路19に第二給蒸弁20を備える。前記熱交換器16には、冷却水供給路21が接続され、この冷却水供給路21に給水弁22を備える。
【0032】
前記復圧手段5は、一端を前記解凍室2に接続した復圧路としての外気導入路23を含む。そして、この外気導入路23に、外気導入の制御用の復圧弁24と,除菌用のフィルタ25とを備える。前記復圧弁24は、開度を調整することにより導入空気量を調整可能
なモータバルブなどの比例弁を用いる。
【0033】
前記解凍室2は、解凍モードなどの各種設定を行うとともに、運転状態を表示する表示器26をその前面の扉などに備えるとともに、上面など解凍装置設置場所から離れた位置に、解凍終了の報知などを行う回転ランプなどの報知器27を備えている。
【0034】
前記台車6は、被解凍物1を載置する複数段の棚28,28,…を設けている。
【0035】
前記制御器8は、前記圧力検出器7からの信号を入力し、所定の処理手順(プログラム)に従い、前記第一給蒸弁12,前記真空ポンプ18,前記第二給蒸弁20,前記給水弁22,前記復圧弁24,前記表示器26および前記報知器27などを制御するように構成されている。
【0036】
ここで、この発明の特徴部分である前記解凍室2内が高圧となることを防止するための第一安全機構および第二安全機構について説明する。前記第一安全機構は、前記制御器8による前記減圧手段4の作動停止時、前記解凍室2の大気圧以上の高圧蒸気を前記減圧路14を通して前記解凍室2外へ逃がす機構である。この第一安全機構は、この実施例では、前記減圧手段4により構成されている。
【0037】
この第一安全機構によれば、何らかの理由により、前記減圧手段4の作動停止状態において、前記解凍室2内へ高圧蒸気が供給された場合、前記減圧手段4の構成要素で、高圧蒸気の排出を阻害するものは無いので、高圧蒸気は前記減圧路14を通して前記解凍室2外へ排出される。その結果、前記解凍室2内が高圧なることが防止される。
【0038】
また、前記第二安全機構は、図2および図3に示すように、前記解凍室2の開口30を弾性部材31を介して封止する扉32と、図3に示す係合状態で前記扉32による前記開口30の封止を維持し、前記解凍室2内の所定の減圧下で係合状態を解除する一対の係合手段33,33と、前記給蒸手段3による給蒸前に前記解凍室2内を減圧して係合状態を解除する制御手器8とから構成される。
【0039】
前記開口30は、前記台車6を出し入れする開口であり、前記解凍室2の開口部に前記弾性部材31が装着されているが、前記扉32側に設けることもできる。この弾性部材31としては、ゴムパッキンが用いられる。前記扉32は、左右に移動可能とする案内支持部材34によって吊り下げ状態に支持されている。この案内支持部材34の構成は、特定の構成に限定されるものでなく、種々変更可能である。
【0040】
前記各係合手段33は、前記解凍室2の開口30周辺に設けた第一係合部材35と前記扉32に設けた第二係合部材36とから構成される。前記第一係合部材35は、図3に示すように、回転軸37を中心に回転可能な円弧状の係合部38と把手部39と有する。この第一係合部材35は、常時は前記把手39側が自重により図3の位置から反時計回りに下方へ回動した位置に位置するように構成されている。前記第二係合部材36は、前記扉32の側端面に設けたピン状の部材により構成されている。
【0041】
図3に示す両部材35,36を係合状態とするには、前記扉32を、前記開口30を閉
じる位置まで図2の位置から左方向へ移動させる。この状態において、前記第一係合部材35を図3において時計回り方向へ回動して、図3に示す係合状態とする。この係合状態に至るとき、前記扉32を前記開口30側へ押しつける,すなわち前記弾性部材31を圧縮する。この圧縮に伴い生ずる前記弾性部材31の反発力により、前記第一係合部材35と前記第二係合部材36とが圧接状態とされ、係合状態が維持される。そして、前記解凍室2内が減圧されると、前記扉32が前記開口30方向へ吸引されるので、前記弾性部材
31がさらに圧縮されて、前記両係合部材35,36の係合状態が解除される。
【0042】
この第二安全機構によれば、前記制御器8は、解凍処理のための給蒸を開始する前に、前記減圧手段4を作動させて、前記解凍室2内を大気圧以下に減圧する。そして、前記係合手段33,33の係合を解除して、前記扉32による前記開口30の封止を解くので、前記解凍室2内が大気圧に対して正圧となると圧力が逃げる。その結果、何らかの理由により、前記解凍室2内へ給蒸されて、高圧になりそうにになっても、前記扉と前記開口との隙間を通して高圧蒸気が逃げるので、前記処理室内が高圧になることが防止される。
【0043】
つぎに、この実施例の作用を図4〜図6に基づいて説明する。前記制御器8の処理手順は、前記解凍室内の温度または圧力が設定値となるように制御して解凍を行う第一解凍モードM1および第二解凍モードM2を含み、両解凍モードM1,M2が選択可能である。そして、前記第一解凍モードM1には、この発明の解凍方法,すなわち解凍後の前記解凍室内の圧力を徐々上昇させて復圧を行う復圧制御とを含んでいる。前記処理手順の要部を図4に示す。
【0044】
前記第一解凍モードM1は、図5に示すように、解凍初期において前記解凍室2内の設定圧力を第一解凍設定圧力(以下、第一設定圧力という。)P1として解凍する第一解凍工程Aと、第一解凍工程Aに続いて行われ前記解凍室2内の設定圧力を第一設定圧力P1から段階的に高くして解凍する移行工程Bと、この移行工程Bに続いて行われ前記解凍室2内を前記第一設定圧力P1よりも高い第二解凍設定圧力(以下、第二設定圧力という。)P2として解凍する第二解凍工程Cを含む解凍モードである。結局、前記第一設定圧力P1は、前記第二設定圧力P2より低く、前記移行工程Bにおいては、設定圧力をP1からP2へ段階的に高く制御する。
【0045】
また、前記第二解凍モードM2は、図6に示すように、解凍初期およびその後の解凍において前記解凍室2内の設定圧力を第二設定圧力P2として解凍する第二解凍工程Cを含む解凍モードである。この実施例の第二解凍モードM2では、第二解凍工程Cに続いて、締め工程(調整工程)Dを行う。この締め工程Dとは、前記解凍室2内の設定圧力を前記第二設定圧力P2よりも低い第三設定圧力P3として、前記第二解凍工程Cが終了した被解凍物1の全体温度を均一化する工程である。この第三設定圧力P3は、固定値とするが、ユーザーなどにより可変とすることができる。
【0046】
ここで、解凍初期とは、被解凍物の芯部の融解前を意味し、被解凍物1の芯部の融解前とは、被解凍物の芯温(芯部の温度)が融解点近傍となる前を意味する。ここで、被解凍物1の芯部の融解点は、被解凍物の種類によって異なるが、約−3〜−0.5℃程度である。
【0047】
また、前記第二解凍工程Cの第二設定圧力P2は、解凍温度または解凍設定温度ともいうことができる。また、この第二設定圧力P2は、従来の解凍方法においても設定されている値であり、制御目標とする解凍後期における前記解凍室2内の設定温度である。したがって、被解凍物1の温度は長時間をかければ最終的には第二設定圧力P2相当の温度に達するが、解凍終了時点において被解凍物1全体の温度が前記第二設定圧力P2相当の温度となっていることを要しないものとする。
【0048】
ここで、図4に示す処理手順に基づく実施例の作用を説明する。まず、図1を参照して、前記台車6を前記解凍室2から引き出した状態で、被解凍物1を載置し、その後前記台車6を前記解凍室2内へ収容し、前記係合手段33,33を回動し、図3に示すように係合状態として、前記扉32により前記解凍室2を密閉する。
【0049】
図4において、処理ステップS1(以下処理ステップSNを単にSNという。)で、解凍モードの選択を行う。このモード選択を確定すると、選択された解凍モードを記憶して、S2へ移行する。
【0050】
S2において、解凍時間の設定を行う。ここでは、選択された各解凍モード毎に解凍時間が設定される。この解凍時間は、前記第一解凍モードM1が選択されたときには、前記第一解凍工程A,前記移行工程B、および前記第二解凍工程Cの合計時間である第一解凍時間T1であり、第二解凍モードM2が選択されたときには、第二設定圧力P2による前記第二解凍工程Cの第二解凍時間T2である。これらの解凍時間T1,T2は、ユーザーが被解凍物1の種類に基づき、設定する。この設定を確定すると、設定値を記憶して、S3へ移行する。
【0051】
S3において、各解凍モードに関する解凍温度の設定を行う。解凍装置のユーザーは、温度により設定するが、前記制御器8は、これを圧力に換算して第二設定圧力P2として記憶する。前記第一解凍工程Aの第一設定圧力P1および前記移行工程Bの段階的設定圧力は、予め設定した値とするが、設定値を変更できるように構成することができる。この解凍温度の設定を確定すると、設定値を記憶してS4へ移行する。
【0052】
S4において、低圧保持の設定が行われる。この低圧保持工程Fとは、図5に示すように解凍工程終了後に前記減圧手段4を作動させて、前記解凍室2内を第四設定圧力P4に保持することにより、解凍済みの被解凍物の温度を低く保持する。これにより、解凍終了後において被解凍物1の品質を保持させる。この低圧保持工程Fは、「あり」、「なし」の選択が可能である。低圧保持設定が確定されると、設定を記憶して、S5へ移行する。
【0053】
S5において、徐圧設定が行われる。この徐圧とは、図5に示すように、前記第一解凍モードM1の第二解凍工程Cの後,すなわち解凍終了後に、前記復圧弁24を開いて復圧する復圧工程Gにおいて、前記復圧弁24を徐々に開き前記解凍室2内の圧力を徐々に上昇させる復圧工程である。この徐圧は、「あり」、「なし」で設定され、設定が確定すると、S6へ移行する。
【0054】
S6においては、運転スイッチ(図示省略)が押されたかどうかを判定した後、S1〜S5において記憶された内容に基づいて解凍運転が実行される。以下に、前記第一解凍モードM1と前記第二解凍モードM2とについて説明する。
【0055】
<第一解凍モードM1>
まず、図5に基づいて、前記第一解凍モードM1を説明する。今、低圧保持:「あり」、徐圧:「あり」が設定されているとすると、工程は、前記空気排除工程E→前記第一解凍工程A→前記移行工程B→前記第二解凍工程C→前記低圧保持工程F→前記復圧工程Gの順に実行される。図5の例では、前記第二設定圧力P2を約12.3hPa(10℃)に
設定し、前記第一設定圧力P1を約8.7hPa(5℃)に設定している。
【0056】
(空気排除工程E)
解凍予備工程である前記空気排除工程Eは、連続的に減圧しながら給蒸する工程を含んでいる。まず、前記復圧弁24を閉じた状態で、前記減圧手段4を作動し、連続減圧を行う。すなわち、時点t0(以下、時点tnは、単にtnという。)にて、前記真空ポンプ18を作動し、設定圧力まで減圧後、t1にて、前記第二給蒸弁20を開いて前記蒸気エゼクタ15を作動する。前記給水弁22は、前記真空ポンプ18および前記蒸気エゼクタ15の作動と連動して開くが、前記熱交換器16に冷却能力がある場合は、給水を停止して節水するように構成することもできる。
【0057】
この減圧手段4の作動により、前記解凍室2内圧力は、急激に低下する。その結果、図2および図3を参照して、前記解凍室2内圧力が、たとえば、950hPa以下となると前
記各第一係合部材35と前記各第二係合部材36との係合が解除され、前記各第一係合部材35は、下方に回動する。これにより前記扉32は、開放可能な状態となるが、前記解凍室2内が低圧であるので、この段階で、開くことは無い。
【0058】
そして、前記解凍室2内圧力が設定圧力P5に到達すると、t2にて前記第一給蒸弁9を全開して前記解凍室2内へ蒸気の供給を開始する。前記制御器8は、この給蒸において前記解凍室2内圧力が第一設定圧力P1となるように前記給蒸手段3を制御する。こうして、前記空気排除工程Eでは、最初は前記減圧手段4のみの排気を行い、その後減圧させながら給蒸することによる排気を行うことにより、前記解凍室2内の空気排除が行われる。
【0059】
(第一解凍工程A)
前記空気排除工程Eに続いて行われる第一解凍工程Aでは、前記制御器8は、前記給蒸手段3を連続作動,すなわち前記圧力検出器7により検出される前記解凍室2内の圧力P(検出圧力P)に応じて前記第一給蒸弁12の開度を調整しながら、前記減圧手段4の間欠作動と連続作動とを組み合わせて行うことにより、この検出圧力が第一設定圧力P1となるように制御する。
【0060】
すなわち、前記減圧手段4は、ベースモードでは間欠的に作動される。そして、前記減圧手段4の作動と停止が繰り返して行われる。この前記減圧手段4の作動とは、前記第二給蒸弁20を開いて蒸気エゼクタ15を作動させ、前記給水弁22を開いて前記熱交換器16による冷却を作動させ、前記真空ポンプ18を作動することであり、前記減圧手段4の停止とは作動と逆の動作をさせることを意味する。この間欠作動は、前記制御器8のタイマーにより制御される。
【0061】
この減圧手段4の間欠作動と連続作動とを説明する。前記解凍室2内の圧力は、給蒸が進むに連れて、最下点P6を経た後、上昇に転じ、t3にて前記第一設定圧力P1に達する。すると、前記第一解凍時間T1のカウントが開始され、前記第一解凍工程Aが開始される。前記減圧手段4は、t3の後も若干の時間作動されるが、その後前記減圧手段4の間欠作動へ移行する。
【0062】
そして、被解凍物1からの発生ガス量の増加などにより、前記解凍室2内圧力が切替設定圧力P1+ΔPとなると、前記減圧手段4の連続作動,すなわち連続減圧が行われる。この連続作動とは、タイマー制御でなく、圧力による制御である。この連続作動は、前記解凍室2内の圧力が第一設定圧力P1に復帰した後も前記解凍室2の設定圧力が変更されるまで、この実施例ではt4まで継続される。
【0063】
この連続減圧により、前記解凍室2内の圧力は、急速に前記第一設定圧力P1に復帰する。こうして、被解凍物1からの流出ガス量の増加にかかわらず、前記解凍室2内を所期の圧力に速やかに制御でき、前記解凍室2内の圧力変動,すなわち温度変動を最小限に抑えることができる。
【0064】
前記の間欠作動において、前記減圧手段4の停止時、前記解凍室2内へ蒸気が供給され、被解凍物1に凝縮することにより解凍が進行する。そして、蒸気の凝縮により圧力低下が生ずることと蒸気の連続的な供給とにより、前記減圧手段4を停止しても前記解凍室2内の圧力がほぼ前記第一設定圧力P1に保持される。
【0065】
そして、この前記減圧手段4停止時においては、蒸気が解凍に寄与することなく無駄に
排出されないので経済的である。また、前記蒸気エゼクタ15の停止により蒸気使用量を減少できる。また、前記熱交換器16への冷却水の供給が停止されるので、冷却水の使用量を低減できるとともに、冷却水を冷却するための電力使用量を低減できる。さらに、前記真空ポンプ18を停止するので、その作動に要する電力使用量を低減できるとともに、使用する封水量を少なくできる。結果として、節電と節水とにより大幅な省エネルギーが実現されることになる。さらに、前記真空ポンプ18の停止により騒音量を低減できる。
【0066】
また、間欠作動において、前記減圧手段4作動時は、前記解凍室2内が排気されるので、解凍中に被解凍物1から発生するガスなどが前記解凍室2外へ排出され、被解凍物1の周囲にガスが滞留することによる熱伝導の阻害や、前記解凍室2内の空気分圧が上昇することによる熱伝導の阻害を低減できる。その結果、解凍に要する時間を短縮できるとともに、均一な解凍を実現できる。
【0067】
また、この減圧手段4の作動時も前記給蒸手段4の比例制御による給蒸が続けられ、前記解凍室2内は第一設定圧力P1に制御されるので、被解凍物1は第一設定圧力P1に相当する温度で解凍が行われることになる。そして、前記減圧手段4の停止、作動にかかわらず前記第一給蒸12の制御により給蒸量を制御することにより、前記第一設定圧力P1からの圧力変動を最小限とすることができ、所期の高品質解凍を行うことができる。
【0068】
さらに、前記連続的作動により、前記解凍室2内を速やかに前記第一設定圧力P1に戻すことができるので、前記間欠作動と連続作動とを組み合わせることにより所期の高品質解凍を確実に行うことができる。
【0069】
この減圧手段4の間欠作動と連続作動とは、前記移行工程B,第二解凍工程Cおよび第二解凍モードM2の第二解凍工程Cにおいても行われるが、以下の説明ではその説明を省略している。
【0070】
また、前記第一解凍工程Aにおいて、前記第一設定圧力P1が前記第二解凍工程Cの第二設定圧力P2よりも低い圧力に設定されているので、被解凍物1の高温での滞留時間を減少でき、被解凍物1はその表面温度を上げすぎることなく解凍される。その結果、高い解凍品質を保持して解凍できる。また、被解凍物1は、凍結状態であり、熱伝導率が高く、比熱が小さいので、蒸気温度が低いにもかかわらず比較的短時間で解凍される。
【0071】
(移行工程B)
図4を参照して、前記第一解凍工程Aがタイマー制御により第一設定時間T11行われて終了すると、t4にて前記移行工程Bが開始される。この移行工程Bでは、設定圧力が図示のように段階的に上昇し、前記検出圧力Pが段階的に変化する設定圧力となるように、前記給蒸手段3および前記減圧手段4を制御する。この移行工程Bもタイマー制御により第二設定時間T12だけ実行される。
【0072】
この移行工程Bにおいては、前記解凍室2内の温度が段階的に上昇する。これに伴い被解凍物1の表面温度も徐々に上昇するので、被解凍物1の表面が高温に晒される時間が短くなり、被解凍物1からのドリップの流出を抑えることができる。
【0073】
(第二解凍工程C)
t5にて、移行工程Bが終了し、第二解凍工程Cが開始される。この第二解凍工程Cでは、前記検出圧力Pが前記第二設定圧力P2となるように、前記給蒸手段3および前記減圧手段4を制御する。この第二解凍工程もタイマー制御により第三設定時間T13だけ実行される。
【0074】
こうして、前記第一解凍工程A,前記移行工程Bおよび第二解凍工程Cは、前記第一解凍時間T1だけ実行される。
【0075】
この第一解凍時間T1は、前記空気排除工程Eの開始からではなく、前記空気排除工程Eの終了後にカウントが開始されるので、解凍時間の設定が容易となる。
【0076】
すなわち、空気排除のための時間設定における要因は、被解凍物1解凍のための時間設定における要因とは異なる。よって、前記空気排除工程Eに要する時間と解凍工程A〜Cに要する時間とを含めた時間を設定するのは、解凍時間のみの設定に比べて困難であり、設定したとしても所望の解凍結果を得ることは容易ではない。この実施例では、設定する前記第一解凍時間T1は、前記空気排除工程Eに要する時間を含ませないことにより、解凍時間の設定を容易にしている。前記空気排除工程Eは、時間設定を行うことなく制御器8により自動的に制御される。
【0077】
(解凍工程の終了)
そして、前記第一解凍時間T1が経過すると、処理は、図4のS7へ移行する。S7では前記報知器27を点灯して、解凍工程の終了を報知する。前記の解凍工程終了の報知は、解凍が数時間に及ぶ場合もあるので、解凍装置から離れて作業を行う作業者にとって有益である。
【0078】
(低圧保持工程F)
同時に、解凍が終了すると、S8にて、低圧保持:「あり」が設定されている場合は、低圧保持工程Fを実行する。
【0079】
この低圧保持工程Fは、図5に示すように、まず前記解凍室2内圧力を前記第三設定圧力P4に保持するように、前記減圧手段4を間欠的に作動,停止する。この間欠作動は、タイマー制御でなく圧力を設定値に制御する圧力制御による。この低圧保持に伴う真空冷却効果により、被解凍物1を解凍温度よりも低い温度にて保持し、含浸工程などの次工程に備えることができる。低圧保持工程Fは、第三時間T3実行され、終了するとS9へ移行する。また、圧力保持:「なし」の場合は、低圧保持工程Fを省略して、S9へ移行する。
【0080】
(復圧工程G)
S9においては、復圧工程Gが実行される。この復圧工程Gでは、徐圧:「あり」の場合は、前記の徐圧が実行される。この場合の前記解凍室2内の圧力は、実線Xで示されるように徐々に変化する。この徐圧により、急激な復圧による被解凍物1のドリップの発生を抑制することができる。この徐圧は、できるだけ時間をかけて行うことが望ましいが、現実的には、約10分間程度をかけて行う。なお、復圧開始と同時に前記復圧弁24を全開すると、大気圧に到達するまでにたとえば約2分間を要する。この徐圧は、復圧開始の前半をゆっくり、後半を早く圧力上昇させることが、望ましい。
【0081】
図5において、一点鎖線Xは、圧力保持:「なし」の場合を示す。また、徐圧:「なし」の設定がなされている場合は、前記復圧弁24を全開として、復圧を行う。この場合の圧力変化は、図6の実線Yで示される。この復圧工程が終了すると、解凍装置の運転は終了となる。図6において、一点鎖線Yは、徐圧:「なし」の場合を示す。
【0082】
<第二解凍モードM2>
つぎに、前記第二解凍モードM2を図6に従い説明する。この第二解凍モードM2において、前記第一解凍モードM1と異なるのは、前記第一解凍工程Aおよび前記移行工程Bがなく、解凍初期(t3)から後期までの前記第二解凍時間T2の全領域において前記第
二解凍工程Cが行われる点と、この第二解凍工程Cの後に前記締め工程Dを設けている点であり、その他は第一解凍モードM1と同じである。図6の例では、前記第二設定圧力P2を約23.4hPa(20℃)に、前記第三設定圧力P3を約8.7hPa(5℃)にそれぞれ設定している。
【0083】
(第二解凍工程C)
この第二解凍モードM2の第二解凍工程Cは、別の名称で呼ぶことも可能であるが、設定圧力が前記第一設定圧力P1よりも高い点で前記第一解凍モードM1の第二解凍工程Cと同じであるので、第二解凍工程Cと称している。
【0084】
(締め工程D)
前記締め工程Dは、t6〜t7まで第四時間T4だけ行われる。この締め工程Dは、タイマー制御でなく、目標設定値に制御する圧力制御である。そして、締め工程D中は前記解凍室2内への給蒸を行わないものとするが、給蒸するように構成することができる。
【0085】
この第二解凍モードM2は、第一解凍工程Aおよび移行工程Bを行わず、第二解凍工程Cのみを行うので、第一解凍モードM1と比較して、短時間で急速な解凍が行われる。一方、第二設定圧力P2の設定値如何にもよるが、第一解凍モードM1と比較して解凍初期に被解凍物1が高温に晒される時間が長くなるので、解凍品質の点でやや劣ることになる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】この発明の実施例の概略構成を示す説明図である。
【図2】同実施例の一部破断の要部の説明図である。
【図3】同実施例を正面から見た概略構成図であり、
【図4】同実施例の処理手順の概要を示すフローチャート図である。
【図5】同実施例の第一解凍モードによる解凍を説明するタイムチャート図である。
【図6】同実施例の第二解凍モードによる解凍を説明するタイムチャート図である。
【符号の説明】
【0087】
1 被解凍物(被加熱物)
2 解凍室(処理室)
3 給蒸手段
4 減圧手段
8 制御器
14 減圧路
15 蒸気エゼクタ(減圧器)
16 熱交換器(減圧器)
17 逆止弁
18 真空ポンプ(減圧器)
30 開口
31 弾性部材
32 扉
33 係合手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加熱物1を大気圧以下の低圧蒸気により加熱処理する処理室2と、前記処理室2への給蒸手段3と、減圧路14およびこの減圧路14に設けられる減圧器15,16,18を有する前記処理室2の減圧手段4と、前記処理室2内を大気圧以下に制御して被加熱物1を加熱処理する制御手段8とを備える低圧蒸気加熱装置において、前記処理室2の開口30を弾性部材31を介して封止する扉32と、係合状態で前記扉32による前記開口30の封止を維持し、前記処理室2内の所定の減圧により係合状態を解除する係合手段33,33と、前記給蒸手段3による給蒸前に前記処理室2内を減圧して前記係合状態を解除する制御手段8とを含む安全機構を備えたことを特徴とする低圧蒸気加熱装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−142088(P2008−142088A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−9950(P2008−9950)
【出願日】平成20年1月21日(2008.1.21)
【分割の表示】特願2004−64226(P2004−64226)の分割
【原出願日】平成16年3月8日(2004.3.8)
【出願人】(000175272)三浦工業株式会社 (1,055)
【Fターム(参考)】