説明

体脂肪低下機能性ラクトバシラスラムノサスとこれを含有した食品{LACTOBACILLUSRHAMNOSUSWITHBODY‐FATREDUCINGACTIVITYANDFOODSCONTAININGTHEM}

本発明は体脂肪減少機能を有する乳酸菌に関し、ラクトバシラスラムノサスストレインpl60(Lactobacillus rhamnosus Strain PL60) KCCM‐10654Pを提供する。
本発明の菌株は体脂肪低下機能性食品として直接使用するかまたは体脂肪低下機能性食品の添加剤として使用することもでき、或は体脂肪低下機能性発酵食品の発酵種菌として使用することができ、本菌株が生産する体脂肪抑制物質を分離して使用するもできる。
また、本菌株を利用して発酵食品を製造する場合、最大の体脂肪低下効果を得られる条件を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は体脂肪低下機能性ラクトバシラスラムノサスとこれを含有した食品に関する。本発明は体脂肪低下機能を有する乳酸菌を提供する。また、本発明は本乳酸菌の生菌・死菌・破砕された細胞壁分劃・培養液・培養液乾燥物・体脂肪効果を有するCLAを含む培養液抽出物らとこれらを含む体脂肪低下機能性食品と食品添加剤を提供する。また, 本発明は体脂肪低下効果を有する乳酸菌を種菌または添加剤として用いた体脂肪低下機能性食飲料を提供する。また、本発明は本乳酸菌を含有した体脂肪低下効果の服用剤を提供する。
【0002】
尚、本菌株を利用して発酵食品を製造する場合、最大の体脂肪低下効果を得られる条件を提供する。
【背景技術】
【0003】
現代社会で肥満は癌より完治率が低い疾病でこれに因る各種の成人病は勿論これに因る死亡率が増加している。米国では“肥満との戦争”を宣布する程度の深刻な問題を惹き起こしている。肥満の予防および治療の効果があると主張されている物質には色々なものがあるが、現在まではピブル酸とconjugated linoleic acid(CLA)だけが科学的な根拠でその効能が立証されている(Lenz TL,Hamilton WR.Supplemental products used for weight loss.2004.J Am Pharm Asocc(Wash DC) 44:59‐67)。CLAの体脂肪減少機転としては脂肪細胞の自殺機転誘導で脂肪細胞数の減少、脂肪細胞の大きさ減少、エネルギーと飲食物摂取減少、脂肪生産減少、エネルギー消費増加、脂肪分解増加、脂肪酸化増加などが提案されている(Chardigny JM,Hasselwander O,Genty M,Kraemer K,Ptock A,Sebedio JL,2003.Effect of conjugated FA on feed intake,body composition,and liver FA in mice.Lipids.38(9):895‐902)。
【0004】
CLA(c9t11‐Octadecadienoic acid,t10c12‐Octadecadienoic acid)はlinoleic acid(LA,C18:2 cis9cis12)のisomerization過程を通じて形成される。CLAは二重結合の位置によって抗酸化効果、コレステロール低下効果、成長促進効果、抗癌効果を有するものと知られており、最近には人体血漿脂質と体脂肪減少効果などを有しているのが知られている。これらは動物の肉と乳酸菌発酵油などに含まれていると報告されている。CLAの異性質体のうちで特にc9,T11‐CLAの体脂肪減少効果は動物実験と臨床実験で既に立証されている。最も理想的にはc9t11とt10c12が同量生産されるのが最も好ましい。
【0005】
CLAを生産する微生物のうち最初に発見されたのは牛のような反芻動物から分離された嫌気性微生物であるButyrivibrio fibriosolventsでLAのbiohydrogenation時に2段階を経てtrans‐11‐octadecenoic acidを生産する。Linoleic acid isomeraseの作用でcis‐9,trans‐11‐octadecadienoic acidを生産し連続生産されたconjugated acidのhydrogenationでtrans‐11‐octadecenoic acidを生産する。
【0006】
最近2004年のノルウェーの研究結果によれば(Gaullier JM,Halse J,Hoye K,Kristiansen K,Fagertun H,Vik H,Gudmundsen O,2004.Conjugated linoleic acid supplementation for 1 y reduces body fat mass in healthy overweight humans.Am J Clin Nutr.79(6):1118‐1125)、CLAを1年間180人の過体重の人に1年間投与した結果、副作用なしに4〜10%の体重減少を起こした。
【0007】
本発明では体脂肪減少効果を有しているt10c12を過量生産する韓国型乳酸菌を選別して同定し、この菌株の腸定着性などのプロバイオチックとしての性質を確認し、この菌株がCLAを最大に生産し得る条件、この菌株で動物実験を行い体重減少を確認して体脂肪減少効果を有している乳酸菌を開発した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明はCLAを生産する菌株を提供することを目的とする。
【0009】
本菌株はラクトバシラスラムノサスストレインPL60(Lactobacillus rhamnosus Strain PL60)であって、この乳酸菌は韓国微生物保存センター(Korean Culture Center of Microorganism)に2005年5月9日付KCCM‐10654Pで菌株寄託されている。
【0010】
また、本発明は体脂肪を減少し得る乳酸菌を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は体脂肪減少を誘導することにより各種の成人病を予防或は治療することを目的とする。
【0012】
また,本発明は体脂肪減少効果を有するCLAの生産を極大化する条件を提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明は体脂肪減少効果を有すると共に腸付着性・耐酸耐胆汁性の優れた菌株を提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明はプロバイオチックであって抗生剤耐性転移がなく、人体に安全な乳酸菌を提供することを目的とする。
【0015】
乳酸菌は各種の組成物で製剤化することができ、望ましくはこの組成物はカプセル・錠剤および粉末などの組成物形態と各種の食品添加に容易な形態も好ましい。
【0016】
このような製剤は公知された方法により製造上許容される担体・賦形剤・溶媒または補助剤を用いて製造することができる。このような方法および成分は良く知られており、標準テキストおよびマニュアル、例えば本願に参考用として含まれる文献(Remington.1995.The Science and Practice of Pharmacy.Mack Publising Co.Easton,PA 18042,USA)に詳しく記載されている。
【0017】
また、当業界に一般的に良く知られた方法により整腸性乳酸菌食品に製造することもできる。
【0018】
また、当業界に一般的に知られた方法により乳製品を含む発酵食品の種菌または添加剤として用いて体脂肪減少効果を有する飲食料製造に用いることができる。
【0019】
また、本特許で提示した条件を用いて体脂肪効果を最大に有する発酵食品を生産することができる。
【0020】
以下、本発明を詳しく説明する。
【課題を解決するための手段】
【0021】
前記の目的を達成するために、本発明は体脂肪減少機能性食品を提供する。
【0022】
また、本発明は体脂肪減少のためのラクトバシラスラムノサスストレインPL60(Lactobacillus rhamnosus Strain PL60) KCCM‐10654Pを提供する。
【0023】
また、本発明は体脂肪減少効果を利用して成人病予防と治療のためにラクトバシラスラムノサスストレインPL60(Lactobasillus rhamnosus Strain PL60) KCCM‐10654Pが1×10〜1×1011 CFU/g含まれた体脂肪減少機能食品を提供する。
【0024】
また、本発明はラクトバシラスラムノサスストレインPL60(Lactobacillus rhamnosus Strain PL60) KCCM‐10654Pを含む飲食料添加剤を提供する。
【0025】
また、本発明はラクトバシラスラムノサスストレインPL60(Lactobacillus rhamnosus Strain PL60) KCCM‐10654Pを利用した発酵食品で最大の体脂肪効果を得られる条件を提供する。
【0026】
以下、本発明の理解を助けるために望ましい実施例を提示する。しかし、下記の実施例は本発明をより容易に理解するために提供されるものであるのみ本発明が下記の実施例に限定されるのではない。
【発明の効果】
【0027】
本発明のラクトバシラスラムノサスストレインPL60(Lactobacillus rhamnosus Strain PL60)は体脂肪減少効果を有しているため、肥満による疾患を予防あるいは治療することができる。また、本発明のラクトバシラスラムノサスストレインPL60(Lactobacillus rhamnosus Strain PL60)の乾燥物とラクトバシラスラムノサスストレインPL60(Lactobacillus rhamnosus Strain PL60)の菌株培養余液、培養余液乾燥物は各種飲食料の添加剤として用いられて体脂肪予防および治療する用途に用いることができるため、全ての肥満関連疾患予防および治療の目的に用いることができる。また、本ラクトバシラスラムノサスストレインPL60(Lactobacillus rhamnosus Strain PL60)を利用した発酵食品は体脂肪減少効果による肥満予防および治療の目的に用いることができる。
【0028】
また、本発明では発見したCLA最大生産のためにLAが含有された培地で先培養しなければならなく、ラクトバシラスラムノサスストレインPL60(Lactobacillus rhamnosus Strain PL60)を利用した発酵食品が最大の体脂肪効果を有するためにはLAは100〜1000ppm、Tween‐80は最大の体脂肪効果を有するためにはLAは100〜1000ppm、Tween‐80は1〜0.01%、炭水化物気質は果糖・砂糖・乳糖が適合であり、このうち果糖が最も適合である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
実施例1:Conjugated Linoleic Acid(以下、CLAと略称する)生産機能を有する乳索
CLAを生産する菌株を選別するためにCLAの気質であるLAが含有された培地で成長する乳酸菌を選別し、このうちでCLA生産に関与する酵素であるisomerase酵素の発現を確認した。
【0030】
<材料および方法>
リノール酸(LA)が添加された培地で成長する乳酸菌を1次的に選抜し、これら乳酸菌のうちからCLAを生産する乳酸菌を選抜する。これのためにisomerase assay(Ogawa J.Matsumura K.Kishino S.Omura Y.and Shimizu S.2001.Conjugated Linoleic acid accumulation via 10‐hydroxy‐12‐octadecaenoic acid during microaerobic transformation of linoleic acid by Lactobasillus acidophilus.Appl.Envir.Microbiol.67:1246‐1252)を利用して大量の乳酸菌からCLA生産菌株を容易に選別し出す。先ず、0.1%LAが含まれたMRS培地で成長する乳酸菌を1次に選別し出す。次に、これら乳酸菌をMRS brothで二度継代培養した後、10mlの0.1%のLAが含まれたMRS brothに2日間培養する。培養液のうち5mlを8,000rpm、10分間遠心分離してcellを集めこれを0.1M potassium phosphate 緩衝溶液で(pH 7.0)二度洗浄する。更に、0.1M potassium phosphate buffer(pH 7.0) 1.0mlを添加した後、超音波破砕機を利用して3分ずつ冷蔵状態で破砕し、遠心分離してcrude enzyme solutionを得る。気質溶液(0.1ml LA, 2.7ml 0.1M potassium phosphate buffer,0.2ml 1,3‐propanediol)に準備されたcrude enzyme solutionを添加し、233nmで吸光度を測定する。
【0031】
<結果および考察>
總200余個以上の乳酸菌のうちisomerase assayを利用してCLAを生産する乳酸菌を選別した。
【0032】
実験例1:ガスクロマトグラフィーを利用したCLA生産確認
Isomerase酵素を発現する乳酸菌が実際にCLAを幾ら生産するかを確認するためにガスクロマトグラフィーを利用してCLAの生産された量を測定した。
【0033】
<材料および方法>
LAが含有されたMRS液体培地で候補乳酸菌を接種した後、37℃で24〜48時間培養した。4日間培養した培養培地をHeptadecanoic acidとchloroform:methanolで抽出した。sodium sulfateを処理して試料の水分を除去しevaporationさせる。準備された試料に1N sodium hydroxide(in methanol)を添加した後、100℃で15分間saponificationさせる。次に、4% HCl(in methanol)を添加してメチル化させる。メチル化されたサンプルにhexane:water(1:1,v/v)を添加して混合した後に遠心分離する。有機溶媒層を窒素ガスで全て飛散し更にこれを1ml hexaneに溶かし準備する。
【0034】
本発明で酸化物の除去前と後に夫々の試料に含有されたCLA含量は火炎イオン化検出器(FID dector)が装着されたガスクロマトグラフィー(Hewlett Packard 5890 Series II GC)を用い、コラム(DB FFAP capillary column)の長さ30m、内径0.25μm、フィルムの厚さ0.25μmの毛細管コラムを用いた。コラムをGCに装着した後、GCのオーブン温度は210℃、検出器の温度は270℃にし、注入部(injector)の温度は250℃にし、運搬用気体はヘリウム(1ml/min)を用い、分解比(split ratio)は50:1にした。試料注入量は2μlであり、各ピークの面積は機器に連結された積分計(3395,Hewlett Packard)を利用して求めた。CLAの同定は標準物質の停留時間と比較して確認し、CLAの含量を計算するために内部標準物質としてHeptadecanoic acidを利用した(Lin,T.Y.2000.Conjugated linoleic acid concentration as affected by lactic cultures and additives,Food Chemistry 69,27‐31)。
【0035】
<結果および考察>
図1のガスクロマトグラムの結果に現れている通り分離された乳酸菌はCLAのc9t11とt10c12の形態を全て生産していた。体脂肪効果を有しているt10c12の生産能力をppmに換算したとき、43.25ppmでこれは既存にCLAを生産するものと報告されたラクトバシラスルテリ(Lactobacillus reuteri)の30ppm、ラクトバシラスファーメンタム(Lactobacillus fermentum)の28ppmに比べて越等に優れた生産能力を備えていた。
【0036】
実験例2:乳酸菌の同定:グラム染色、API kitを利用した同定、16S rRNA塩基序
列分析、multiplex PCR
CLA生産乳酸菌を同定するためにグラム染色時にグラム陽性棒菌、カタラーゼ陰性
を確認し、API kitを利用して各種の生化学・生理的検査をし、16S rRNA塩基序列を分析して同定した。また、近縁種間の分類のためにgroup‐specific primerを利用したmultiplex PCRで菌を同定した。
【0037】
1.グラム染色
スライドに細菌を塗抹し熱固定させた後、crystal violet溶液を加えて約1分間反応させた。Iodine溶液を処理して過量の染料を洗浄し、更にIodineを加えて1分間処理した。
【0038】
95%エタノールで30秒間脱色させた。水で2~3秒洗浄した後、吸紙で水分を除去した。対応染色のためにSafranin O溶液を約10~30秒処理した。染料がそれ以上溶け出ないときまで用心深く水で洗浄し、吸紙で乾かした後、油浸オイルを1滴落として顕微鏡下で観察した(×1,000)。
【0039】
<結果および考察>
図2に示された通り、CLAを生産する乳酸菌はグラム陽性棒菌として現われた。
【0040】
2.API kitを利用した生化学・生理的特性検査
菌株が純粋分離されたかを確認し、MRS培地で30℃または37℃で24時間培養した。MRS培地でコロニーを分離する前にMRS brothで二度以上継代培養した後に用いた。Suspension mediumアンプルを開封し綿棒を利用して非常に濁度が高い溶液(heavy suspension)を準備した。suspension medium 5mlに準備された菌液を数滴落として濁度をMcFarland 2に合わせた。前記の通り準備された菌が含有されたAPI 50 CHL培地をストリップのチューブに分株し、30℃または37℃で48時間好気的に培養した。API kitは酸が生成されると培地に含まれているbromocresol purpul指示薬により培地の色が黄色に変わる。Esculin test(Tube No.25)は紫色から黒色に変わると陽性である。
【0041】
<結果および考察>
表1に示されている通り、API 50CH kitを用いた結果、ラクトバシラスラムノサス(L.rhamnosus)とラクトバシラスパラパラカゼイ(L.para paracasei)と類似なものと判定されたが%には判定されなかった。
【0042】
【表1】

【0043】
3.16S rRNA塩基序列分析を利用した同定
Genomic DNAを分離して16S ribosomal DNA部分を増幅し増幅されたDNA断片を電気泳動で確認した。DNA断片をQiagen PCR purification kit(Qiagen,Hilden,Germany)で精製してd‐Rhodamine dye‐labeling dd‐NTPを含む反応液と混合してsequencing PCRをした後に得られたDNAをEthanol/Sodium acetate沈澱法を利用して精製した。精製したDNAをTSR(Template Suppression Reagent)に溶かしてABI prism 310 Genetic Analyzer(PE Applied Biosystems,U.S.A)で分析し、分析された塩基序列はGenbank(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)を利用して同定した。
<結果および考察>
CLA生産乳酸菌の塩基序列を分析した結果(図3)、ラクトバシラスラムノサス(Lactobacillus rhamnosus) 842/844(99%)とラクトバシラスカゼイ(Lactobacillus casei)(99%)に同一性を現わした。
【0044】
4.Multiplex PCRを利用した同定
ラクトバシラスラムノサス(L.rhamnosus)とラクトバシラスカゼイ(L.casei(L.paracasei))を区分するためにmultiplex PCRを行いPL60から生産されるDNA断片を比較した(Song,Y.,N.Kato,C.Liu,Y.Matsumiya,H.Kato,and K.Watanabe.2000.Rapid identification of 11 human intestinal Lactobacillus species by multiplex PCR assays using group‐and species‐specific primers derived from the 16S 23S rRNA intergenic spacer region and its flanking 23S rRNA,FEMS Microbiol.Letters,187:167‐173)。これのためにPCR反応は1×reaction buffer,200μM dNTPs,0.15 units Taq polymerase,10pmol primers(LU‐5,CTA GCG GGT GCG ACT TTG;Lpar‐4,GGC CAG CTA TGT ATT CAC TGA;Rha II,GCG ATG CGA ATT TCT ATT ATT)、20ng DNAの組成で最終30μlの量で行った。PCR反応条件は95℃で20秒、62℃で2分、74℃で2分間を1cycleとして全て35回繰り返し、72℃で10分間反応させた後、4℃で保管した。0.5×TBE(0.045M Tris‐borate,0.001M EDTA) bufferを用いて1.5% agarose gelで20分電気泳動をした後、UV箱で展開されたDNA断片らの様相を観察した。
【0045】
<結果および考察>
Multiplex PCR結果、図4の通り、ラクトバシラスパラカゼイ(Lactobacillus paracasei) ATCC 25302の場合は312bpの大きさのDNA切片が生成された反面、ラクトバシラスラムノサス(L.rhamnosus)とPL60菌株は113bpのDNA切片を生産した。従って、PL60はラクトバシラスラムノサス(L.rhamnosus)であると確認された。これは現在までCLA生産ラクトバシラスラムノサス(L.rhamnosus)は全世界的に報告されたことがないため、本発明が世界最初にCLA生産ラクトバシラスラムノサス(L.rhamnosus)を報告するのである。
【0046】
実験例3:ラクトバシラスラムノサス(L.rhamnosus)の腸定着性
プロバイオチックとしては耐酸耐胆汁性が強く腸細胞定着性が優れなければならなく、これを人体身体実験により腸に定着性を確認しなければならない。
【0047】
1.耐酸性実験
選抜菌株の生存性に対するpHの影響を知るためにMRS(DeMan-Rogosa-Sharpe)培地を10N HClを利用してpHを7.0,4.8,4.5に調整した後に用いた。MRS培地に活性化された菌液(O.D=2.0)を2%水準に接種し、37℃で24時間培養した後、吸光度を600nmで測定した吸光度によりpHが選抜菌株の成長に及ぼす影響を知った。PH 7.0のO.Dは1/10に稀釈して計り記録する(Conway PL,Gorback SL,Goldin BR,1987.Survival of lactic acid bacteria in the human stomach and adhesion to intestinal cells.J.Dairy Sci.70:1-12)。
【0048】
<結果および考察>
低酸性での生存性を実験した結果、表2の通り、24時間処理にも生存性を見せて耐酸性が強いのが分った。
【0049】
【表2】

【0050】
2.耐胆汁性実験
選抜菌株の成長に及ぼす胆汁の影響を知るためにMRS(DeMan Rogosa Sharpe)培地にox gall(OXOID)を0.125%、0.25%濃度で添加した後、滅菌して活性化された菌液(O.D=2.0)を2%水準で接種し、37℃で24時間経過後に吸光度を600nmで測定した。 Bilc 0%でのO.Dは1/10に稀釈して計り記録した(Ibrahim SA,Bezkorovainy A.1993.Survival of bifidobacteria in the presence of bile salt.J.Sci.Food Agric.62:351‐354)。
【0051】
<結果および考察>
正常人の小腸の胆汁濃度は0.06%で、これに比べて濃度がずっと高い0.250%の胆汁でも生存性を見せて耐胆汁性が非常に強いものと現われた。
【0052】
【表3】

【0053】
3.腸付着性実験
人体の腸に付着する能力があるかを知るために人体の腸表皮細胞由来の細胞株であるCaco‐2細胞に付着させて見た。これのためにCaco‐2細胞株を2.7g/Lのソジウムバイカーボネート、20%(v/v) fetal bovine serum(FBS)およびアンチバイオチックス アンチマイコチックスを含むDMEM培地(pH 7.0)で培養した。30mm培養皿に3×105細胞を2mlの培養培地に接種して単一層で培養した。培地は2日に一度交換した。6日間培養した後、2mlの燐酸緩衝溶液(PBS)で細胞単一層を2回洗浄した。1×107細胞の乳酸菌を培養培地2mlに懸濁させて培養皿に添加し、37℃、5%のCO2‐95%空気条件で培養した。60〜90分間培養後に細胞を滅菌してPBSで2回洗浄し、メタノールで10分間固定させた。グラム染色後光学顕微鏡下で観察した。定量的測定のために100倍顕微鏡上で20個のフィールドを観察し、付着された菌数を数えてCaco2細胞100個当り付着された菌数で表記した(Bibiloni R,Perez PF,DeAntoni GL.1999.Anacrobe 5,483‐485;Edited by R.Fuller(1997) Probiotics 2,10‐22)。
【0054】
<結果および考察>
図5に示された通り、ラクトバシラスラムノサスストレインPL60(L.rhamnosus Strain PL60)はCaco‐2細胞に付着能力が非常に優れた。これを20個のフィールドで各フィールド当り付着された細菌数を計数してフィールド当り付着された細菌数の平均を計算するとフィールド当り59.29‐5.33の乳酸菌が付着されていた。これは培養皿当り4000個以上の乳酸菌が細胞に付着されたので既存の知られた乳酸菌より腸定着性が優れたものと現われた。
【0055】
4.人体腸定着性実験
実際に人が乳酸菌を服用したとき、腸に定着するか否かを確認するために毎日一度ラクトバシラスラムノサスストレインPL60(L.rhamnosus Strain PL60) 1010CFUを8日間経口投与し、翌日採便してMRS(with 1% bromo phenol blue,30μg/ml vancomycin)を用いて培養した。48時間培養した後、観察された類似colonyを全てグラム染色で観察しsubcultureして純粋分離されたcolonyを利用してSpecies‐specific PCRを行った。
【0056】
<結果および考察>
図6に示された通り、乳酸菌を摂取した1日後から乳酸菌が検出され、服用を禁止した6日まで検出された。検出された乳酸菌集落はspecies‐specific PCRでラクトバシラスラムノサス(L.rhamnosus)と確認された(図7)。これはラクトバシラスラムノサスストレインPL60(L.rhamnosus Strain PL60)が腸に定着されることを見せてくれる証拠であり、特に、図6から見られる通り、ラクトバシラスラムノサスストレインPL60(L.rhamnosus Strain PL60)を服用した後から腸内細菌叢が単純になることから推して整腸作用もあるのが分かった。
【0057】
実験例4:乳酸菌の安全性実験
人体服用のために乳酸菌の安全性を実験しなければならない。これのためにアンモニア・インドル・溶血毒素などの有害物質を生産するか否かと有害酵素が存在するか否かを確認した。
【0058】
1.溶血現象検査
Sheep blood Agar培地にL.rhamnosus Strain PL60を接種し、37℃で24時間培養したとき、α‐hemolysisのみあり、β‐hemolysisは観察されなかった。
【0059】
2.ゼラチン液化反応検査
MRS gelatin培地(0.3g beef extract,0.5g peptone,12g gelatin,100ml MRS broth)で4面培地を作り、ラクトバシラスラムノサスストレインPL60(L.rhamnosus Strain PL60)を接種し、35℃で6週間培養する。接種しなかった対照区と共に4℃で4時間程度冷却してゼラチンが液化したか否かを確認したとき、液化を見せてくれないため、ゼラチン分解酵素がないのが確認された。
【0060】
3.アンモニア生成確認
Urea agar培地(20g urea,5g NaCl,2g KH2PO4,1g peptone, 1g glucose,12mg phenol red,100ml 蒸留水)を濾過滅菌した後、寒天15gを蒸留水900mlに溶かして湿潤滅菌をし混ぜて總嵩を1Lに合わせる(pH 6.9)。ここにラクトバシラスラムノサスストレインPL60(L.rhamnosus Strain PL60)を接種し、37℃で12時間程度培養して培地の色の変化を確認した。ラクトバシラスラムノサスストレインPL60(L.rhamnosus Strain PL60)は培地の色が黄色を帯びた陰性でアンモニアを生成しないものと判明された。
【0061】
4.インドル生成確認
0.1% Tryptoneを含有したMRS agarにラクトバシラスラムノサスストレイン
PL60(L.rhamnosus Strain PL60)を接種し、18時間程度培養する。ここに、Kovac's reagent(10g p‐dimethylaminobenzaldehyde,150ml buthnol,50ml hydrocholic acid)を5滴程度加え色の変化を観察したとき、色の変化がないためインドルが生成されていないのが確認できた。
【0062】
5.フェニールアラニン脱アミン調査
MRS培地にD.L‐phenylalanine 0.2%を添加してラクトバシラスラムノサスストレインPL60(L.Rhamnosus Strain PL60)を接種し、24時間程度培養した。ここに5〜10滴の10% ferric chlorideを落とし4面培地上へ流れ下るようにして1〜5分内に色の変化を観察する。陽性である場合、生成されたphenylpyruvic acidに10% ferric chlorideと反応して緑色に変わる。ラクトバシラスラムノサスストレインPL60(L.rhamnosus Strain PL60)は陰性に現われた。
【0063】
6.β‐glucuronidase確認検査
p‐nitrophenyl‐β‐D‐glucuronideを0.1M sodium phosphate buffer,pH 6.0に0.2%になるように溶解させた。ラクトバシラスラムノサスストレインPL60(L.rhamnosus Strain PL60)をAb600=4でphosphate bufferに良く浮遊させて懸濁液を作り、200μl懸濁液に気質があるbuffer 200μlを添加して、37℃で16時間処理する。培養液の色が黄色に変わると陽性に判読したとき陰性であり、遠心分離して上澄液を405nmで測定したとき0.078と現われた。
【0064】
7.Nitroreductase activity確認検査
MRS液体培地で一夜培養されたラクトバシラスラムノサスストレインPL60(L.rhamnosus Strain PL60)を3,000×gで10分間遠心分離して菌体を集めて5分間sonication(超音波分解)させた。上澄液に4‐nitrobenzoic acid(final conc.30μg/ml)とtrichloroacetic acid(final conc.0.21%)を添加して37℃で1時間処理し、sodium nitrite(final conc.0.007%)を添加し、室温で20分間処理した。Ammonium sulfamate(final conc.0.04%)添加し、室温で3分間処理する。NEDD(N‐(1‐naphtyl)ethylenediamine dihydrocholide)(final conc.0.35%)を添加し、4℃で発色させて540nm spectrophotometerでしたとき、陰性に現われた。この際、陽性反応は1μg/mlの4‐aminobenzoic acidを添加して比較した。
【0065】
8.抗生剤耐性
プロバイオチックは抗生剤に耐性が強いほど腸内生存性が高くなるので、抗生剤耐性が強いほど良い。しかし、これら耐性が伝達される場合、耐性問題を惹き起こすことがあるため、他の菌への耐性転移を確認した。
【0066】
【表4】

【0067】
9.抗生剤耐性の転移確認
抗生剤耐性の転移を確認するためにfilter binding assayを行った(givers,D.,G.Huys,and J.Swings.2003.In vitro conjugal transfer of tetracycline resistance from lactobacillus isolates to other Gram‐positive bacteria.FEMS Microb.Letters 225:125‐130)。ラクトバシラスラムノサスストレインPL60(L.rhamnosus Strain PL60)をmid‐exponential phase(略4~5時間)まで培養し、これの1mlと1mlのEnterococcus feccalis CCARM 5110を混合して滅菌されたcellulose acetate filterに濾過させ、PPS(peptone physiological saline solution)で洗浄した。濾過紙をnon‐selective agar medium上に上げて37℃で16時間培養する。濾過紙に成長した菌体を2mlのPPSで洗浄して落し、これを更に稀釈して夫々の抗生剤が含有されたEnterococcosal選択培地に接種し、37℃で24〜48時間培養して耐性E.faecalisを確認したが、耐性E.faecalisは発見されないため耐性が転移されていないのを確認した。
【0068】
実施例2:CLA生産のための最適条件
CLAを最大に生産するためのLA濃度と気質の種類を知り出した。
【0069】
1.CLAを最大に生産するためのLAの濃度
高濃度のLAは菌自体の成長を抑制するため高濃度で培地に添加することができない。また、培地に所要されるLAを節約するために最大のCLA生産を得られるLAの濃度を確認した。
【0070】
<材料および方法>
Skim milk培地とMRS培地に夫々の濃度になるように水溶性LA esterを添加し、一夜培養して培地内に生産されたCLAの量を確認した。これのために培養液内の脂質を抽出してメチル化させた後、GCを利用して測定した。これのために20ml培養液にheptadecanoic acid 1000ppmとchloroform:methanol(2:1) 20mlを添加し、glass beadを添加して5分間強く振りながら5分間均質化させる。
【0071】
これを6,000rpmで15分間(4℃)遠心分離して二つの層を分離する。有機溶媒層の水分除去のためにsodium sulfateで処理し、evaporationして有機溶媒を飛散し窒素ガスで乾燥する。乾燥された試料に1N sodium hydroxide(methanol)を3ml添加した後、100℃で15分間saponification(鹸化)させる。この際、テフロン処理されたscrew‐capped test tubeを用いparafilmで蓋を良く包む。ここに4% HCl(methanol)を6ml添加した後、20分間メチル化させる。メチル化された試料に2ml hexane:water(1:1,v/v)を混ぜて約10分程度強く混合した後、8,000rpm、4℃で15分間遠心分離する。有機溶媒層を取った後に窒素ガスを利用して全て乾燥して1ml hexaneに溶解させる。
【0072】
<結果および考察>
標準物質であるheptodecanoic acidのpeak areaを100としたときのpeak areaを計算すると、少なくとも100ppm以上のLAが培地に添加されたとき、CLAの生産が充分に発生した(表5)。また、1000ppmと500ppm添加された場合、CLAの生産量に大した差異がなかった。 即ち、CLAを生産するためにはLAを100〜1000ppm添加するのが望ましく、費用と効率面では500ppmが最も適合であった。
【0073】
【表5】

【0074】
2.CLA最大生産のための乳化剤添加条件
乳化剤を添加して培地内のLAが培養液と良く混合されるようにすればCLA生産が増加するのかを実験して見た。これのためにSkim milk培地とMRS培地にLA濃度が0.1%になるように添加した。この際、添加されるLAをLA、LA salt形態、LAとTween‐80(0.2%)の三つの形態で添加し、一夜培養してラクトバシラスラムノサスストレインPL60(L.rhamnosus Strain PL60)のCLA生産能力を確認した。CLAの量は前述の方法を用いて培養液内の脂質を抽出してメチル化させた後、GCを利用して測定した。
【0075】
<結果および考察>
培地に添加されたLAの溶解度を高めるためにTween‐80を添加した場合がsalt形態のLAを添加した場合に比べて3倍以上のt10c12のCLAを生産した。これは培地にLAを添加するとき乳化剤を添加してLAの溶解度を高めるのが重要であるのを明かし出した。
【0076】
【表6】

【0077】
3.CLA生産誘導のための先培養時の乳化剤添加条件
ラクトバシラスラムノサスストレインPL60(L.rhamnosus Strain PL60)を直接服用するか種菌形態あるいは添加剤に用いて服用即時最大にCLAを生産するためにラクトバシラスラムノサスストレインPL60(L.rhamnosus Strain PL60)を培養して凍結乾燥粉末などで製品を製造するとき、培養培地にLAを入れて培養した場合と前記のCLA生産条件のようなTween‐80添加でLAの溶解度を増加させた条件が効率的であるかを比較確認した。これのために種菌の先培養時にLa salt添加培地、LAとTween‐80 0.01%、LAとTween‐80 0.1%、LAとTween‐80 0.2%、LAとTween‐80 0.5%を添加した。このように先培養されたラクトバシラスラムノサスストレインPL60(L.rhamnosus Strain PL60)をCLA生産培地(0.1%のLAが含有されたSkim milk)で培養して生産されたCLAの量を測定した。
【0078】
<結果および考察>
商業目的の大量培養に用いられるskin milk培地(フェイ培地)でCLAを最大に生産するためにはラクトバシラスラムノサスストレインPL60(L.rhamnosus Strain PL60)を先ず0.1%のLAとこれを培地に良く混合されるようにTween‐80が0.1〜0.5%含有されたskim milkで培養してCLAの生産能力を誘導した場合がCLA生産能力が最も良かった(表7)。0.2% Tween‐80が添加された場合、0.5%添加された場合よりCLA生産能力が高いのは0.5%Tween‐80による乳酸菌成長抑制のためであると思われた。
【0079】
【表7】

【0080】
4.CLA最大生産のための糖添加条件
CLA生産を最大にするための糖の種類を探し出した。これのために0.1%のLAが添加されたskim milk培地に果糖・砂糖・乳糖を夫々6%になるように培地に添加してCLAの生産程度を測定した。
【0081】
<結果および考察>
果糖を添加した場合に最もCLAの生産率が高く、次が砂糖と乳糖であり、glucose添加の場合には効果的なCLA生産を観察することができなかった。
【0082】
【表8】

【0083】
実施例3:CLA生産ラクトバシラスラムノサスストレインPL60(L.rhamnosus Strain
PL60)を投与した鼠の体重変化
高脂肪食餌を投与しながら0.1%のLAと0.2%のTween‐80が添加された培地で培養されたラクトバシラスラムノサスストレインPL60(L.rhamnosus Strain PL60)をskim milkを賦形剤に用いて凍結乾燥させたものを1匹当り109 CFU/1日と107 CFU/1日投与して体重の変化を観察した。
【0084】
<材料および方法>
C57BL/6N(Charles river laboratory animal facility,USA)を4匹ずつ1群を形成して実験した。第1群は普通の食餌(Purina rodent chow #5057(3.28cal/g))を投与した群、第2群は高脂肪食餌(Research diet 45% high fat diet D12451(5.252cal/g))を投与した群(Research diet 45% high fat diet D12451(5.252cal/g))、第3群は高脂肪食餌と賦形剤であるskin milkを投与した対照群、第4群は高脂肪食餌とラクトバシラスラムノサスストレインPL60(L.rhamnosus Strain PL60)を高濃度で投与した群(109CFU/day)、第5群は高脂肪食餌とラクトバシラスラムノサスストレインPL60(L.rhamnosus Strain PL60)を低濃度で投与した群(107CFU/day)に分けて実験した。3週齢である鼠に高脂肪食餌と水を充分に食べるようにし、毎日体重の変化、給与された食餌の量を測定した。8週目に解剖して腸脂肪の重量、各臓器の脂肪細胞の大きさ、数を染色した後、顕微鏡で観察した。
【0085】
<結果および考察>
表9はラクトバシラスラムノサスストレインPL60(L.rhamnosus Strain PL60)を投与した鼠の体重変化を示したもので、ラクトバシラスラムノサスストレインPL60(L.rhamnosus Strain PL60)を高濃度で投与した群(109CFU/day)は4週目に統計的に有意的ではないがcontrolに比べて2g以上体重増加が少なく、8週目には統計的に有意性を見せるように体重増加が少なかった(図8、図9)。即ち、一般食餌投与群の平均体重は24.7g、高脂肪食餌群の平均体重は33.4g、賦形剤であるskim milk投与群の場合31.9gであったが、ラクトバシラスラムノサスストレインPL60(L.rhamnosus Strain Pl60)の高濃度投与群の場合は26.9g、低濃度投与群の場合は28.7gであった。これは高濃度投与群が高脂肪食餌群に比べて6.5g体重増加が少なく、これは19.5%程体重増加が少ないことに該当する。低濃度投与群の場合も高脂肪食餌群に比べて4.7g体重増加が少なく、これは14%程体重増加が少ないものに該当する。これは賦形剤であるskim milk投与群に比べても高濃度投与群は5g(15.7%)、低濃度投与群は3.2g(10%)の体重増加が少なくなったのである。高脂肪食餌群とskim milk群の体重差異は1.5g(4.5%)で、これは誤差許容範囲でskim milkによる体重減少ではないものと思われる。
【0086】
【表9】

【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明のラクトバシラスラムノサスストレインPL60(L.rhamnosus Strain PL60)は体脂肪減少効果を有しているため、肥満による疾患を予防あるいは治療するための機能性食品として直接使用するか、または体脂肪低下機能性食品の添加剤として使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】ラクトバシラスラムノサスストレインPL60(Lactobacillus rhamnosus Strain PL60)のCLA生産を確認したガスクロマトグラムに関するものである。
【図2】ラクトバシラスラムノサスストレインPL60(Lactobacillus rhamnosus Strain PL60)の顕微鏡写真図である。
【図3】ラクトバシラスラムノサスストレインPL60(Lactobacillus rhamnosus Strain PL60)の16S rRNA塩基序列を示したものである。
【図4】ラクトバシラスラムノサスストレインPL60(Lactobacillus rhamnosus Strain PL60)をmultiplex PCRを利用して同定したゲル写真図である。
【図5】ラクトバシラスラムノサスストレインPL60(Lactobacillus rhamnosus Strain PL60)のCaco‐2細胞付着実験結果を示したものである。
【図6】aとbはラクトバシラスラムノサスストレインPL60(Lactobacillus rhamnosus Strain PL60)の人体腸定着性実験結果を示したものである。
【図7】ラクトバシラスラムノサスストレインPL60(Lactobacillus rhamnosus Strain PL60)の人体経口投与後に分離された集落のPCR結果を示したゲル写真図である。
【図8】ラクトバシラスラムノサスストレインPL60(Lactobacillus rhamnosus Strain PL60)を投与した鼠の体重変化を示したものである。
【図9】ラクトバシラスラムノサスストレインPL60(Lactobacillus rhamnosus Strain PL60)を10数次投与後に各群鼠の体重を比較したグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LA(linoleic acid)をCLA(conjugated linoleic acid)に変換させるラクトバシラスラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)菌株。
【請求項2】
前記菌株はラクトバシラスラムノサスストレインPL60(Lactobacillus
rhamnosus Strain PL60) KCCM‐10654Pであることを特徴とする請求項1記載のラクトバシラスラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)菌株。
【請求項3】
前記菌株は生菌または乾燥菌であることを特徴とする請求項1または2記載の
ラクトバシラスラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)菌株。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れ1項の菌株を含むことを特徴とするCLA生産用組成物。
【請求項5】
請求項1乃至3の何れ1項の菌株を先培養することを特徴とするラクトバシラ
スラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)菌株を利用したCLAの大量生産方法。
【請求項6】
菌株の先培養培地に0.01〜1.0%のLAまたは紅花の種油を添加することを特徴
とする請求項5記載のラクトバシラスラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)菌株を利用したCLAの大量生産方法。
【請求項7】
菌株の先培養培地に0.01〜1.0%のTween‐80を添加することを特徴とする請
求項6記載のラクトバシラスラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)菌株を利用したCLAの大量生産方法。
【請求項8】
菌株の先培養培地に炭水化物気質として果糖または砂糖或は乳糖を添加する
ことを特徴とする請求項7記載のラクトバシラスラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)菌株を利用したCLAの大量生産方法。
【請求項9】
請求項1乃至3の何れ1項の菌株を添加剤に含むことを特徴とする体脂肪低下
機能性食品。
【請求項10】
食品はヨーグルト、乳製品、チーズ、キムチ、唐辛子味噌、味噌を含む発酵食
品または健康補助食品であることを特徴とする請求項9記載の体脂肪低下機能性食品。
【請求項11】
ラクトバシラスラムノサスストレインPL60(Lactobacillus rhamnosus Strain
PL60) KCCM‐10654P菌株を種菌として用いて製造されることを特徴とする乳製品。
【請求項12】
ラクトバシラスラムノサスストレインPL60(Lactobacillus rhamnosus Strain
PL60) KCCM‐10654P菌株を発酵種菌として用いて製造されることを特徴とする穀物発酵食品。
【請求項13】
ラクトバシラスラムノサスストレインPL60(Lactobacillus rhamnosus Strain
PL60) KCCM‐10654P菌株の生菌または乾燥菌あるいは前記菌株の培養余液を含むことを特徴とする肥満関連疾病の予防または治療用服用剤。
【請求項14】
服用剤の適量は平均体重が60kgの人がラクトバシラスラムノサスストレインPL60(Lactobacillus rhamnosus Strain PL60) KCCM‐10654P菌株を1日1〜2回一度に1×107〜1×1011CFUを摂取するものであることを特徴とする請求項13記載の肥満関連疾病の予防または治療用服用剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−507991(P2008−507991A)
【公表日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−524735(P2007−524735)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【国際出願番号】PCT/KR2005/002066
【国際公開番号】WO2006/019222
【国際公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(507035927)ピーエル バイオ コーポレーション リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】PL BIO CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】570−1 Sillim−dong, Gwanak−gu Seoul 151−010, Republic of Korea
【出願人】(506245279)シージェイ コーポレーション (5)
【氏名又は名称原語表記】CJ CORP.
【住所又は居所原語表記】500,Namdaemunno 5ga,Jung−gu,Seoul,100−095,Korea
【Fターム(参考)】