説明

作動ガス循環型エンジン

【課題】燃焼室内の圧力を適正な圧力に調節することができる作動ガス循環型エンジンを提供することを目的とする。
【解決手段】燃料と空気より比熱比の高い作動ガスとが供給され燃料の燃焼に伴って作動ガスが膨張可能である燃焼室11と、作動ガスを含むガスを燃焼室11の排気側から吸気側に循環させ再び燃焼室11に供給可能である循環経路20と、循環経路20に設けられ燃焼室11に供給される作動ガスの量を調節可能な調節機構70と、要求されるトルクが予め設定される第1所定トルクより大きい場合に、調節機構70を制御して要求トルクの増加に応じて燃焼室11に供給される作動ガスの量を低減する制御装置60とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作動ガス循環型エンジンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のエンジンとして、作動ガスを燃焼室の排気側から吸気側に循環させ再び燃焼室に供給可能な、いわゆる、クローズドサイクルエンジンとしての作動ガス循環型エンジンが知られている。このような従来の作動ガス循環型エンジンとして、例えば、特許文献1には要求されるトルクが大きくなるほど、燃焼室に供給する作動ガスの供給量を増加させる内燃機関が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−077834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のような特許文献1に記載されている内燃機関は、例えば、燃焼室内の圧力がより適正な圧力に調節されることが望まれていた。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、燃焼室内の圧力を適正な圧力に調節することができる作動ガス循環型エンジンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る作動ガス循環型エンジンは、燃料と空気より比熱比の高い作動ガスとが供給され前記燃料の燃焼に伴って前記作動ガスが膨張可能である燃焼室と、前記作動ガスを含むガスを前記燃焼室の排気側から吸気側に循環させ再び前記燃焼室に供給可能である循環経路と、前記循環経路に設けられ前記燃焼室に供給される前記作動ガスの量を調節可能な調節機構と、要求されるトルクが予め設定される第1所定トルクより大きい場合に、前記調節機構を制御して前記要求トルクの増加に応じて前記燃焼室に供給される前記作動ガスの量を低減する制御装置とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、上記作動ガス循環型エンジンでは、前記第1所定トルクは、前記燃焼室内の圧力が予め設定される所定圧力となるトルクであるものとすることができる。
【0008】
また、上記作動ガス循環型エンジンでは、前記調節機構は、前記循環経路の通路断面積を可変とする可変絞り機構を有するものとすることができる。
【0009】
また、上記作動ガス循環型エンジンでは、前記可変絞り機構は、前記循環経路において前記循環するガスの循環方向に対して、前記燃焼室を基準として、前記燃料又は前記燃料を燃焼させる酸化剤が供給される供給位置より上流側に設けられるものとすることができる。
【0010】
また、上記作動ガス循環型エンジンでは、前記調節機構は、前記燃焼室に連通する吸気ポートを開閉可能な吸気弁の開閉動作を調節可能な動弁機構を有するものとすることができる。
【0011】
また、上記作動ガス循環型エンジンでは、前記制御装置は、前記要求されるトルクが予め設定される第2所定トルクより大きい場合に、前記燃焼室に供給される前記燃料を燃焼させる酸化剤の供給量を前記燃料との前記燃焼の理論割合に応じた供給量より多い供給量に制御するものとすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る作動ガス循環型エンジンは、要求されるトルクが予め設定される第1所定トルクより大きい場合に、制御装置が調節機構を制御して要求トルクの増加に応じて燃焼室に供給される作動ガスの量を低減することから、燃焼室内の圧力を適正な圧力に調節することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、実施形態1に係るエンジンの模式的な概略構成図である。
【図2】図2は、実施形態1に係るエンジンのアルゴン低減制御について説明する線図である。
【図3】図3は、実施形態1に係るエンジンの動作の一例を説明する線図である。
【図4】図4は、実施形態1に係るエンジンにおける制御の一例を説明するフローチャートである。
【図5】図5は、実施形態2に係るエンジンの模式的な概略構成図である。
【図6】図6は、実施形態3に係るエンジンの模式的な概略構成図である。
【図7】図7は、実施形態3に係るエンジンにおける制御の一例を説明するフローチャートである。
【図8】図8は、実施形態4に係るエンジンの酸素増加制御について説明する線図である。
【図9】図9は、実施形態4に係るエンジンにおける制御の一例を説明するフローチャートである。
【図10】図10は、実施形態4に係るエンジンにおける制御マップの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る作動ガス循環型エンジンの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
【0015】
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係るエンジンの模式的な概略構成図、図2は、実施形態1に係るエンジンのアルゴン低減制御について説明する線図、図3は、実施形態1に係るエンジンの動作の一例を説明する線図、図4は、実施形態1に係るエンジンにおける制御の一例を説明するフローチャートである。
【0016】
図1に示す本実施形態の作動ガス循環型エンジンとしてのエンジン1は、エンジン本体10の燃焼室11に酸化剤と燃料と作動ガスとが供給され、この燃焼室11にて燃料の燃焼に伴って作動ガスが膨張することで動力を発生させる。そして、このエンジン1は、燃焼室11の吸気側と排気側とを繋ぐ循環経路20を介して、燃焼室11の排気側から吸気側に作動ガスを循環させ、基本的には大気へと放出することなく再びこの燃焼室11に供給可能に構成したいわゆるクローズドサイクルエンジンである。燃焼室11と循環経路20とは、ともに作動ガスが充填されており、作動ガスは、燃焼室11と循環経路20との間で循環する。
【0017】
ここで、このエンジン1に用いられる酸化剤は、酸素(O2)であり、燃料は水素(H2)である。また、このエンジン1に用いられる作動ガスは、空気よりも比熱比の高いものであり、ここでは、単原子ガスのアルゴン(Ar)である。アルゴンは、燃焼室11において、酸素と水素との反応に伴って発生する反応熱、すなわち、水素の燃焼(発熱反応)に伴って発生する燃焼熱により膨張する。つまり、このエンジン1は、燃焼室11内で水素を燃焼させ、この水素の燃焼に伴ってアルゴンを熱膨張させて動力を発生させることで熱効率を向上するものである。
【0018】
具体的には、このエンジン1は、図1に示すように、酸素、水素が反応する燃焼室11が設けられるエンジン本体10と、燃焼室11の排気側と吸気側とを繋ぐ循環経路20と、酸素を供給する酸素供給装置30と、水素を供給する水素供給装置40と、凝縮器50と、制御装置としての電子制御装置60とを備える。
【0019】
エンジン本体10は、酸素と水素とアルゴンとが供給され、水素の燃焼に伴ってアルゴンが膨張可能である燃焼室11を含んで構成される。燃焼室11は、水素の燃焼後にアルゴンと燃焼生成物としての水蒸気(H2O)とを排気可能である。なお、このエンジン本体10は、図示していないが複数の燃焼室11(気筒)を有している。循環経路20は、アルゴンを含む循環ガスを燃焼室11の排気側から吸気側に循環させ再び燃焼室11に供給可能なものである。循環経路20は、シリンダヘッドに形成され燃焼室11に連通する吸気ポート12及び排気ポート13と、種々の配管などにより構成され吸気ポート12と排気ポート13とを燃焼室11の外側で接続する循環通路21とを含んで構成され、基本的には全体として外気に対して密閉された循環系をなす。循環経路20は、循環ガスから燃焼に伴って生成される生成物である水蒸気を取り除く除去装置としての凝縮器50が設けられる。
【0020】
ここで、循環ガスとは、循環経路20を介して燃焼室11の排気側から吸気側に循環されるガスであり、作動ガスとしてのアルゴンの他、燃焼室11での水素の燃焼後に燃焼室11から排気される排気ガス等を含むものである。ここで、排気ガスとは、例えば、燃焼室11での水素の燃焼後に残留する余剰の酸素、水素などからなる余剰ガスや水素の燃焼に伴って生成される生成物としての水蒸気などを含むものである。つまり、ここでの循環ガスは、作動ガスとしてのアルゴン、燃焼後の余剰の酸素、水素などからなる余剰ガス、水蒸気などを含むものである。
【0021】
酸素供給装置30は、酸素を循環経路20内に向けて噴射して供給し、アルゴンなどを含む循環ガスと共に燃焼室11に供給するものである。水素供給装置40は、高圧水素を燃焼室11内に向けて直接噴射して供給するものである。
【0022】
凝縮器50は、循環経路20に設けられこの循環経路20を循環する循環ガスから大部分の水蒸気を取り除くものである。凝縮器50は、冷却水循環路51に設けられた冷却水ポンプ52が駆動することで、ラジエータ53にて冷却された冷却媒体としての冷却水が冷却水循環路51を介して内部に供給される。そして、凝縮器50は、冷却水と循環ガスとを熱交換させることで循環ガスを冷却し、循環ガス中に含まれる水蒸気を液化・凝縮し凝縮水とし、この循環ガスから大部分の水蒸気を分離する。そして、凝縮器50によって水蒸気が分離されたアルゴンを含む循環ガスは、このまま循環経路20を循環し、凝縮器50で凝縮された凝縮水は、排出弁54を介して循環経路20の循環系外に排出される。
【0023】
電子制御装置60は、CPU、ROM、RAM及びインターフェースを含む周知のマイクロコンピュータを主体とする電子回路である。電子制御装置60は、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ61、クランク角度を検出するクランク角度センサ62などの種々のセンサが検出した検出結果に対応した電気信号が入力される。ここで、アクセル開度は、車両の運転席に設けられるアクセルペダル(不図示)の操作量に相当し、さらに言えば、運転者がこのエンジン1に対して要求する要求エンジン負荷(要求負荷率)に応じた値である。クランク角度は、ピストン16にコネクティングロッドを介して連結されるクランクシャフトの回転角度に相当する。電子制御装置60は、例えば、クランク角度センサ62が検出したクランク角度に基づいて各気筒における吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程を判別すると共に、エンジン1の回転速度としてエンジン回転数(rpm)を算出する。電子制御装置60は、入力された検出結果に応じて酸素供給装置30、水素供給装置40、冷却水ポンプ52、排出弁54などのエンジン1の各部に駆動信号を出力しこれらの駆動を制御する。
【0024】
上記のように構成されるエンジン1は、水素を拡散燃焼させるものとして例示する。エンジン1は、吸気ポート12に設けられた吸気弁14の開弁時に、循環経路20を循環する循環ガスが酸素供給装置30からの酸素と共に燃焼室11に吸気(供給)される。エンジン1は、ピストン16の動作に応じて燃焼室11内に形成された高温の圧縮ガス(酸素及びアルゴン)の中に水素供給装置40から高圧の水素を噴射することにより、この水素の一部が自己着火し、水素と圧縮ガス(酸素)とが拡散混合しながら燃焼する。エンジン1は、これに伴って燃焼室11内で水蒸気が生成されると共に、比熱比の大きいアルゴンが熱膨張を起こす。この結果、このエンジン1は、水素の燃焼とアルゴンの熱膨張とによってピストン16が押し下げられクランクシャフトが回転し、機械的な動力を発生させることができる。そして、エンジン1は、排気ポート13に設けられた排気弁15の開弁に伴って、燃焼室11内から水素の燃焼後の排気ガスがアルゴンと共に排気ポート13に排気(排出)され、排気ガスとアルゴンとが循環ガスとして循環経路20を循環し再び燃焼室11に吸気される。この間、エンジン1は、循環ガス中の水蒸気の大部分が凝縮器50にて液化・凝縮され分離される。これにより、エンジン1は、比熱比の小さい水蒸気が燃焼室11に供給されず、比熱比の大きいアルゴンが燃焼室11へと再び供給されるので、アルゴンによる熱効率の高い運転を行うことができる。
【0025】
この間、電子制御装置60は、アクセル開度センサ61が検出したアクセル開度やクランク角度センサ62が検出したクランク角度等に基づいた要求エンジン負荷やエンジン回転数等の運転状態に応じて、現在のエンジン回転数において、運転者が要求する駆動力(エンジン出力)を得ることができるように、酸素供給装置30、水素供給装置40による酸素、水素の供給量(噴射量)や供給時期(噴射時期)を制御する。電子制御装置60は、基本的には、運転者によるアクセルペダルの操作量に相当するアクセル開度やエンジン回転数等の運転状態に応じて、例えば、記憶部に予め記憶されている供給量マップ(不図示)から現在のエンジン回転数で要求される要求トルクを得ることができる水素、酸素の供給量、供給時期を決定し、これに基づいて各部を制御する。
【0026】
なお、このエンジン1は、水素を燃焼室11内に向けて直接噴射して自己着火させ拡散燃焼させる筒内直噴自己着火拡散燃焼形式の構成として例示したがこれに限らない。エンジン1は、例えば、燃焼室11に供給された水素に点火可能な点火装置としての点火プラグを備え、この点火プラグが燃焼室11内で水素に点火する火花点火形式の構成であってもよいし、水素に対して点火プラグで点火して水素の自己着火の補助を行い拡散燃焼させる形式の構成であってもよい。また、エンジン1は、例えば、水素を循環経路20内ここでは吸気ポート12内に向けて噴射して供給しアルゴンなどを含む循環ガスと共に燃焼室11に供給する吸気予混合形式の構成であってもよい。また、エンジン1は、酸素を燃焼室11内に向けて直接噴射する形式の構成であってもよい。また、エンジン1は、いわゆる希薄燃焼形式の構成であってもよい。
【0027】
ところで、エンジン1は、例えば、燃焼室11での水素の燃焼が不安定とならない範囲でアルゴンの供給量が最大となるように運転した場合、要求トルクが大きくなると、これに応じて供給されるアルゴンの量も増加し、この結果、燃焼室11内の圧力が大きくなりすぎてしまうおそれがある。これはアルゴンなどの作動ガスを用いるエンジン1は、このアルゴンの比熱比が空気より高いことから、通常の空気を吸い込むエンジンと比較して、燃料の燃焼に伴う燃焼室11内のガスの熱膨張が大きくなるためである。
【0028】
そこで、本実施形態のエンジン1は、電子制御装置60が所定の条件下で、要求トルクの増加に応じて、燃焼室11に供給されるアルゴン(作動ガス)の供給量を低減するアルゴン(作動ガス)低減制御を実行することで、燃焼室11内の圧力を適正な圧力に調節している。
【0029】
具体的には、エンジン1は、調節機構70を備え、電子制御装置60は、運転状態に応じてこの調節機構70を制御することで、上記アルゴン低減制御を実行する。
【0030】
調節機構70は、循環経路20に設けられ燃焼室11に供給されるアルゴンの量を調節可能なものであり、ここでは可変絞り機構71を有する。可変絞り機構71は、循環経路20の通路断面積を可変とするものであり、電子制御装置60に電気的に接続されその駆動が制御される。
【0031】
可変絞り機構71は、循環経路20において循環ガスの循環方向に対して、燃焼室11を基準として、水素又は酸素が供給される供給位置、ここでは酸素が供給される酸素供給位置より下流側に設けられる。可変絞り機構71は、酸素供給位置と燃焼室11の吸気側との間に設けられる。
【0032】
可変絞り機構71は、循環経路20内部に設けられる可変絞り弁が駆動することで、酸素供給位置と燃焼室11の吸気側との間の通路の絞り量を調節し、言い換えれば、循環経路20の通路開度(アルゴンなどの流体が通過可能な通路断面積)を調節することで、燃焼室11に供給されるアルゴンの量を調節することができる。すなわち、可変絞り機構71は、絞り量を相対的に大きくし、循環経路20の通路開度を相対的に小さくすることで、燃焼室11に供給されるアルゴンの量を低減することができる。一方、可変絞り機構71は、絞り量を相対的に小さくし、循環経路20の通路開度を相対的に大きくすることで、燃焼室11に供給されるアルゴンの量を増加することができる。
【0033】
そして、電子制御装置60は、図2に例示するように、エンジン1に対して要求されるトルクが予め設定される第1所定トルクTq1より大きい場合に、アルゴン低減制御として、調節機構70を制御して要求トルクの増加に応じて燃焼室11に供給されるアルゴンの量を低減する。なお、本図2は、各要求トルクにおける燃焼室11内の水素、酸素、アルゴンの供給量の比率を模式的に表したものである。
【0034】
ここで第1所定トルクTq1は、燃焼室11内の圧力である筒内圧力が予め設定される所定圧力となるトルクであり、実験等に基づいて予め設定される。さらに言えば、第1所定トルクTq1、所定圧力は、上記のアルゴン低減制御を実行することによって、燃焼室11内の最大の筒内圧力である最高筒内圧力がエンジン本体10の強度や仕様などに応じて予め設定される許容の範囲内におさまるように設定される。
【0035】
電子制御装置60は、アクセル開度センサ61、クランク角度センサ62の検出結果に基づいたアクセル開度やエンジン回転数に応じて定まる要求トルクが第1所定トルクTq1以下である場合は、可変絞り機構71の可変絞り弁を所定の位置(例えば全開位置)で維持し、可変絞り機構71の絞り量を一定とし、燃焼室11に供給されるアルゴンの量を一定とする。
【0036】
一方、電子制御装置60は、上記要求トルクが第1所定トルクTq1より大きい場合に、可変絞り機構71を制御し絞り量を相対的に大きくし、循環経路20の通路開度を相対的に小さくすることで、燃焼室11に供給されるアルゴンの量を低減する。この場合、電子制御装置60は、要求トルクの増加に応じて燃焼室11に供給されるアルゴンの量を低減する。つまりこの場合、エンジン1は、例えば、要求トルクの増加に応じて燃焼室11に供給される水素、酸素の量が増加する一方、燃焼室11に供給されるアルゴンの量が低下する。
【0037】
この結果、このエンジン1は、図3に例示するように、要求トルクが第1所定トルクTq1より大きい運転状態において、燃焼室11での圧縮開始時に燃焼室11内に存在するアルゴンの量が減少するので、圧縮端圧力が低くなり、最高筒内圧力が大きくなりすぎることを抑制することができ、ほぼ一定に維持することができる。したがって、エンジン1は、燃焼室11内の圧力を適正な圧力に調節することができ、例えば、エンジン本体10の強度や仕様などに応じた許容の範囲で運転状態に応じた好適な圧力に調節することができる。なお、図3中、実線L1はアルゴン低減制御を実行する本実施形態のエンジン1における最高筒内圧力を表す一方、点線L2はアルゴン低減制御を実行しない比較例に係るエンジンにおける最高筒内圧力を表す。
【0038】
また、エンジン1は、燃焼室11内の圧力が大きくなりすぎることを抑制することができることから、例えば、燃焼室11内の圧力の過剰な上昇に対して、エンジン本体10を構成するシリンダヘッド、シリンダブロックなどの構造部材の耐圧強度を増すことでさらなる耐圧性能を確保する必要がない。よって、エンジン1は、大型化や重量の増加を抑制することができるので、車両への搭載性の悪化を抑制すると共に製造コストの増加を抑制することができる。
【0039】
次に、図4のフローチャートを参照してエンジン1における制御の一例を説明する。なお、これらの制御ルーチンは、数msないし数十ms毎の制御周期で繰り返し実行される。
【0040】
まず、電子制御装置60は、アクセル開度センサ61、クランク角度センサ62の検出結果に基づいてアクセル開度やエンジン回転数に応じて定まる要求トルクを取得する(ST1)。
【0041】
次に、電子制御装置60は、ST1で取得した要求トルクが予め設定される第1所定トルクTq1より大きいか否かを判定する(ST2)。
【0042】
電子制御装置60は、要求トルクが第1所定トルクTq1より大きいと判定した場合(ST2:Yes)、可変絞り機構71を制御し、アルゴン低減制御を行わない場合と比較して(すなわち、要求トルクが第1所定トルクTq1以下である場合と比較して)、要求トルクに応じて可変絞りを絞って燃焼室11に供給されるアルゴンの量を低減し(ST3)、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。
【0043】
電子制御装置60は、要求トルクが第1所定トルクTq1以下であると判定した場合(ST2:No)、可変絞り機構71を制御して可変絞りを開いて所定の開度で維持し燃焼室11に供給されるアルゴンの量を一定とし(ST4)、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。
【0044】
以上で説明した本発明の実施形態に係るエンジン1によれば、水素と空気より比熱比の高いアルゴンとが供給され水素の燃焼に伴ってアルゴンが膨張可能である燃焼室11と、アルゴンを含むガスを燃焼室11の排気側から吸気側に循環させ再び燃焼室11に供給可能である循環経路20と、循環経路20に設けられ燃焼室11に供給されるアルゴンの量を調節可能な調節機構70と、要求されるトルクが予め設定される第1所定トルクTq1より大きい場合に、調節機構70を制御して要求トルクの増加に応じて燃焼室11に供給される作動ガスの量を低減する電子制御装置60とを備える。したがって、エンジン1は、例えば、燃焼室11内の圧力が大きくなりすぎることを抑制することができ、燃焼室11内の圧力を適正な圧力に調節することができる。
【0045】
[実施形態2]
図5は、実施形態2に係るエンジンの模式的な概略構成図である。実施形態2に係る作動ガス循環型エンジンは、可変絞り機構の位置が実施形態1に係る作動ガス循環型エンジンとは異なる。その他、上述した実施形態と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略するとともに、同一の符号を付す(以下の実施形態でも同様である)。
【0046】
図5に示す本実施形態の作動ガス循環型エンジンとしてのエンジン201は、調節機構70を備え、この調節機構70は、可変絞り機構71を有する。
【0047】
そして、本実施形態の可変絞り機構71は、循環経路20において循環ガスの循環方向に対して、燃焼室11を基準として、水素又は酸素が供給される供給位置、ここでは酸素が供給される酸素供給位置より上流側に設けられる。可変絞り機構71は、酸素供給位置と燃焼室11の排気側との間に設けられる。可変絞り機構71は、循環経路20内部に設けられる可変絞り弁が駆動し、酸素供給位置と燃焼室11の排気側との間の通路の絞り量を調節することで、燃焼室11に供給されるアルゴンの量を調節することができる。
【0048】
この場合、エンジン201は、循環方向に対して、燃焼室11を基準として、酸素供給位置より上流側に可変絞り機構71が設けられることで、この可変絞り機構71によって、燃焼室11に供給される酸素の量を調節する必要がなく、燃焼室11に供給されるアルゴンの量のみを調節することができる。これにより、エンジン201は、エンジン制御の制御性を向上することができ、例えば、エンジン出力過渡時の応答性を向上することができる。言い換えれば、エンジン201は、可変絞り機構71によって燃焼室11に供給されるアルゴンの量を変えても、燃焼室11に供給される酸素の量が変わることがないので、例えば、過渡運転時に燃焼室11に供給されるアルゴンの量のみを調節しやすくすることができ、燃焼室11内の圧力を許容の範囲で運転状態に応じた好適な圧力に調節しやすくすることができる。
【0049】
以上で説明した本発明の実施形態に係るエンジン201によれば、可変絞り機構71は、循環経路20において循環するガスの循環方向に対して、燃焼室11を基準として、水素又は水素を燃焼させる酸素が供給される供給位置より上流側に設けられる。したがって、エンジン201は、エンジン制御の制御性を向上することができる。
【0050】
[実施形態3]
図6は、実施形態3に係るエンジンの模式的な概略構成図、図7は、実施形態3に係るエンジンにおける制御の一例を説明するフローチャートである。実施形態3に係る作動ガス循環型エンジンは、調節機構の構成が実施形態1に係る作動ガス循環型エンジンとは異なる。
【0051】
図6に示す本実施形態の作動ガス循環型エンジンとしてのエンジン301は、調節機構370を備え、この調節機構370は、動弁機構372を有する。動弁機構372は、燃焼室11に連通する吸気ポート12を開閉可能な吸気弁14の開閉動作を調節可能なものである。動弁機構372は、吸気ポート12に設けられた吸気弁14のリフト量や開閉時期を可変とし、これらを連続的に変化させることで、燃焼室11に吸入されるガスの量を調節する。動弁機構372は、吸気弁14の閉弁時期を相対的に遅角する、あるいは、吸気弁14のリフト量を相対的に小さくすることで、燃焼室11に供給されるアルゴンの量を低減することができる。エンジン301は、吸気弁14の閉弁時期を相対的に遅角した場合、例えば、ピストン16が下死点を過ぎて上死点に向かう途中で吸気弁14が閉弁されることとなり、これにより、燃焼室11に供給されるアルゴンの量を低減することができる。一方、動弁機構372は、吸気弁14の閉弁時期を相対的に進角する、あるいは、吸気弁14のリフト量を相対的に大きくすることで、燃焼室11に供給されるアルゴンの量を増加することができる。動弁機構372は、電子制御装置60に電気的に接続され、あるいは、油圧制御回路などを介して接続され、その駆動が制御される。
【0052】
次に、図7のフローチャートを参照してエンジン301における制御の一例を説明する。
【0053】
電子制御装置60は、要求トルクが第1所定トルクTq1より大きいと判定した場合(ST2:Yes)、動弁機構372を制御し、アルゴン低減制御を行わない場合と比較して(すなわち、要求トルクが第1所定トルクTq1以下である場合と比較して)、要求トルクに応じて吸気弁14の閉弁時期を相対的に遅角する、又は、吸気弁14のリフト量を相対的に小さくする、あるいは、この両方を行って燃焼室11に供給されるアルゴンの量を低減し(ST33)、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。
【0054】
電子制御装置60は、要求トルクが第1所定トルクTq1以下であると判定した場合(ST2:No)、動弁機構372を制御し、要求トルクに応じて吸気弁14の閉弁時期を相対的に進角する、又は、吸気弁14のリフト量を相対的に大きくする、あるいは、この両方を行って燃焼室11に供給されるアルゴンの量を増加し(ST34)、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。
【0055】
この場合、エンジン301は、上述した可変絞り機構71を備えることなく、動弁機構372によって燃焼室11に供給されるアルゴンの量を調節することができる。そして、エンジン301は、燃焼室11により近い位置に配置される吸気弁14の開閉動作によって燃焼室11に供給されるアルゴンの量が調節されることから、当該アルゴンの量を精度よくかつ応答性よく調節することができ、例えば、過渡運転時のエンジン制御の制御性や応答性をさらに向上することができる。
【0056】
以上で説明した本発明の実施形態に係るエンジン301によれば、調節機構370は、燃焼室11に連通する吸気ポート12を開閉可能な吸気弁14の開閉動作を調節可能な動弁機構372を有する。したがって、エンジン301は、エンジン制御の制御性をさらに向上することができる。
【0057】
[実施形態4]
図8は、実施形態4に係るエンジンの酸素増加制御について説明する線図、図9は、実施形態4に係るエンジンにおける制御の一例を説明するフローチャート、図10は、実施形態4に係るエンジンにおける制御マップの一例である。実施形態4に係る作動ガス循環型エンジンは、作動ガス低減制御に加えて酸化剤増加制御を実行する点で実施形態1に係る作動ガス循環型エンジンとは異なる。
【0058】
図8乃至図10で説明する本実施形態の作動ガス循環型エンジンとしてのエンジン401は、電子制御装置60が所定の条件下で、燃焼室11に供給される酸素(酸化剤)の供給量を増加する酸素(酸化剤)増加制御を実行することで、燃焼室11内の圧力をより適正な圧力に調節している。
【0059】
本実施形態の電子制御装置60は、図8に例示するように、エンジン401に対して要求される要求トルクが予め設定される第2所定トルクTq2より大きい場合に、酸素増加制御として、酸素供給装置30を制御し燃焼室11に供給される水素を燃焼させる酸素の供給量を水素との燃焼の理論割合に応じた供給量より多い供給量に調節する。
【0060】
ここで第2所定トルクTq2は、燃焼室11内の圧力である筒内圧力が予め設定される所定圧力となるトルクであり、実験等に基づいて予め設定される。さらに言えば、第2所定トルクTq2、所定圧力は、上記の酸素増加制御を実行することによって、燃焼室11内の最大の筒内圧力である最高筒内圧力がエンジン本体10の強度や仕様などに応じて予め設定される許容の範囲内におさまるように設定される。第2所定トルクTq2は、上述した第1所定トルクTq1と同等の値であってもよいし、異なる値であってもよい。
【0061】
電子制御装置60は、通常の制御では、アクセル開度やエンジン回転数等の運転状態に応じて、例えば、記憶部に予め記憶されている供給量マップ(不図示)から現在のエンジン回転数で要求される要求トルクを得ることができる水素、酸素の供給量、供給時期を決定する。この場合、水素の供給量と酸素の供給量とは、理論割合になるように設定される。ここで、燃焼室11での水素との反応の理論割合に応じた酸素の供給量は、要求トルクを得るべく決定した量の水素を過不足なく燃焼させることができる供給量である。燃焼室11での水素との反応の理論割合に応じた酸素の供給量は、典型的には、上記のように決定された水素の供給量に対してモル比で2分の1の供給量である。
【0062】
これに対して、電子制御装置60は、酸素増加制御では、酸素の供給量を理論割合に応じた酸素の供給量に対して予め設定される所定量を加算した供給量に増量補正する。これにより、このエンジン401は、酸素増加制御では、燃焼室11での水素の燃焼後の排気ガス中に所定量の酸素が残留するようになる。この結果、このエンジン401は、増量され残留する分の酸素の量に応じて、燃焼室11に供給される循環ガスの比熱比を低減することができ、最高筒内圧力が大きくなりすぎることをより確実に抑制することができる。
【0063】
次に、図9のフローチャートを参照してエンジン401における制御の一例を説明する。
【0064】
まず、電子制御装置60は、アクセル開度センサ61、クランク角度センサ62の検出結果に基づいてアクセル開度やエンジン回転数に応じて定まる要求トルクを取得する(ST41)。
【0065】
次に、電子制御装置60は、ST41で取得した要求トルクに基づいて、酸素供給装置30から供給する酸素の供給量として、要求酸素噴射量TAUO2reqを決定する(ST42)。
【0066】
ここで、電子制御装置60は、例えば、図10に例示する制御マップに基づいて、要求酸素噴射量TAUO2reqを求める。この制御マップは、横軸が要求トルク、縦軸が要求酸素噴射量を示す。制御マップは、要求トルクと要求酸素噴射量との関係を記述したものである。この制御マップでは、図中点線Aで示す基本の要求酸素噴射量は、要求トルクの増加にともなって増加する。この基本の要求酸素噴射量は、上述した燃焼室11での水素との反応の理論割合に応じた酸素の供給量である。また、図中実線Bで示す所定量αの増量補正後の要求酸素噴射量は、第2所定トルクTq2で基本の要求酸素噴射量を表す点線Aから分岐し、要求トルクの増加にともなって増加する。ここで所定量αは、要求トルクの増加にともなって増加する。制御マップは、要求トルクと要求酸素噴射量との関係が予め設定された上で電子制御装置60の記憶部に格納されている。
【0067】
電子制御装置60は、ST42において、図10の制御マップに基づいて、ST41で取得した要求トルクと、基本の要求酸素噴射量を表す点線Aとから要求酸素噴射量TAUO2reqを求める。なお、本実施形態では、電子制御装置60は、図10に例示する制御マップを用いて要求酸素噴射量を求めたが、本実施形態はこれに限定されない。電子制御装置60は、例えば、図10に例示する制御マップに相当する数式に基づいて要求酸素噴射量を求めてもよい。
【0068】
次に、電子制御装置60は、ST41で取得した要求トルクが予め設定される第2所定トルクTq2より大きいか否かを判定する(ST43)。
【0069】
電子制御装置60は、要求トルクが第2所定トルクTq2より大きいと判定した場合(ST43:Yes)、図10の制御マップに基づいて、ST41で取得した要求トルクと、増量補正後の要求酸素噴射量を表す実線Bとから所定量αの増量補正を加味した要求酸素噴射量TAUO2reqを求める。そして、電子制御装置60は、酸素供給装置30を制御して、所定量αの増量補正を加味した要求酸素噴射量TAUO2reqの酸素を循環経路20に噴射して供給し(ST44)、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。
【0070】
電子制御装置60は、要求トルクが第2所定トルクTq2以下であると判定した場合(ST43:No)、酸素供給装置30を制御して、ST42で求めた基本の要求酸素噴射量TAUO2reqの酸素を循環経路20に噴射して供給し(ST45)、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。
【0071】
以上で説明した本発明の実施形態に係るエンジン401によれば、電子制御装置60は、要求されるトルクが予め設定される第2所定トルクTq2より大きい場合に、燃焼室11に供給される水素を燃焼させる酸素の供給量を水素との燃焼の理論割合に応じた供給量より多い供給量に制御する。したがって、エンジン401は、燃焼室11での水素の燃焼後の排気ガス中に所定量の酸素が残留するようになることから、例えば、燃焼室11内の圧力が大きくなりすぎることをより確実に抑制することができ、燃焼室11内の圧力をより適正な圧力に調節することができる。
【0072】
なお、上述した本発明の実施形態に係る作動ガス循環型エンジンは、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。本発明の実施形態に係る作動ガス循環型エンジンは、以上で説明した実施形態を複数組み合わせることで構成してもよい。
【0073】
以上で説明した作動ガス循環型エンジンは、酸化剤が酸素であり燃料が水素であるものとして説明したが、これに限らず、燃焼室にて燃料の燃焼に伴って作動ガスを膨張させることができるものであればよい。また、以上で説明した作動ガスは、アルゴンに限らず、例えば単原子ガスであるヘリウム(He)等の希ガスであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0074】
以上のように本発明に係る作動ガス循環型エンジンは、作動ガスを燃焼室の排気側から吸気側に循環させ再び燃焼室に供給可能な種々の作動ガス循環型エンジンに適用して好適である。
【符号の説明】
【0075】
1、201、301、401 エンジン(作動ガス循環型エンジン)
10 エンジン本体
11 燃焼室
12 吸気ポート
13 排気ポート
14 吸気弁
15 排気弁
20 循環経路
30 酸素供給装置
40 水素供給装置
50 凝縮器
60 電子制御装置(制御装置)
61 アクセル開度センサ
62 クランク角度センサ
70、370 調節機構
71 可変絞り機構
372 動弁機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料と空気より比熱比の高い作動ガスとが供給され前記燃料の燃焼に伴って前記作動ガスが膨張可能である燃焼室と、
前記作動ガスを含むガスを前記燃焼室の排気側から吸気側に循環させ再び前記燃焼室に供給可能である循環経路と、
前記循環経路に設けられ前記燃焼室に供給される前記作動ガスの量を調節可能な調節機構と、
要求されるトルクが予め設定される第1所定トルクより大きい場合に、前記調節機構を制御して前記要求トルクの増加に応じて前記燃焼室に供給される前記作動ガスの量を低減する制御装置とを備えることを特徴とする、
作動ガス循環型エンジン。
【請求項2】
前記第1所定トルクは、前記燃焼室内の圧力が予め設定される所定圧力となるトルクである、
請求項1に記載の作動ガス循環型エンジン。
【請求項3】
前記調節機構は、前記循環経路の通路断面積を可変とする可変絞り機構を有する、
請求項1又は請求項2に記載の作動ガス循環型エンジン。
【請求項4】
前記可変絞り機構は、前記循環経路において前記循環するガスの循環方向に対して、前記燃焼室を基準として、前記燃料又は前記燃料を燃焼させる酸化剤が供給される供給位置より上流側に設けられる、
請求項3に記載の作動ガス循環型エンジン。
【請求項5】
前記調節機構は、前記燃焼室に連通する吸気ポートを開閉可能な吸気弁の開閉動作を調節可能な動弁機構を有する、
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の作動ガス循環型エンジン。
【請求項6】
前記制御装置は、前記要求されるトルクが予め設定される第2所定トルクより大きい場合に、前記燃焼室に供給される前記燃料を燃焼させる酸化剤の供給量を前記燃料との前記燃焼の理論割合に応じた供給量より多い供給量に制御する、
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の作動ガス循環型エンジン。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−185188(P2011−185188A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−52350(P2010−52350)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】